JP2000345465A - 衣服の布地に凹凸を形成する方法 - Google Patents

衣服の布地に凹凸を形成する方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デザイン上に制約を受けずに、衣服の全
体または衣服の任意の箇所に凹凸を形成する方法を提供
する。また、ニット製品と同様に縦および横方向に伸縮
可能な凹凸を設けた衣服を製造する。 【解決手段】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服1のパー
ツに裁断し、このパーツを縫製して衣服の形状とし、衣
服と熱収縮性布地2とを重ね合わせて水溶性糸3を用い
てステッチを掛けて縫合わせ、縫合わせた布地を乾燥状
態で加熱処理して熱収縮性布地を収縮させて衣服の布地
に凹凸1a、1bを形成し、その後、水溶性糸を溶解除
去して衣服の布地と熱収縮性布地とを分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衣服の布地に凹凸を
形成する方法および衣服に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、衣服の生地に凹凸を形成する技法
の1つとして、「鹿の子絞」のように糸を巻上げて布を
絞る伝統的な絞り技法が知られている。また、衣服の生
地に凹凸を形成する別の技法のとして、プリーツ加工が
知られている。
【0003】プリーツ加工は通常、衣服を製作する以前
の布地にプリーツ加工を施し、その後プリーツ加工を施
した生地を裁断して衣服に仕立てる。しかし、プリーツ
加工をした生地を衣服に仕立てる場合は、折目を押さえ
つつ縫製しなければならず、縫製がし難くく、また折重
なった布地の箇所を縫製するためミシンによる縫製が困
難であるなどという問題があった。
【0004】このような点を解決するために、布地を衣
服の形状に仕立てた後にプリーツ加工を施すことがすで
に提案されている(例えば、特公昭56−9561号公
報、特公平4−23026号公報)。
【0005】しかしながら、従来のプリーツ加工は機械
により強制的に折目を形成するものであるため、そのプ
リーツの形状は規則正しい直線状態のものであり、また
規則的な折目しか形成できずデザイン上変化が乏しいも
のであった。
【0006】このためプリーツに変化を付けようとし
て、例えば、特許第2504931号公報には、衣服ま
たは半製品状態の衣服を軟質シートに巻き、これを捩
り、紐で縛ってから熱処理装置に入れてプリーツを形成
することが提案されている。しかし、このプリーツでは
従来のような完全な直線状のものではないが、捩って形
成したしわであるため、斜め状態のしわが形成されるだ
けであり、変化に乏しいものである。また、衣服の任意
の箇所にプリーツを施すことができず、変化に乏しいも
のである。
【0007】また、従来のプリーツ加工とは異なって、
熱収縮性の水溶性糸を用いてヒダやしわを形成すること
が提案されている。特開平8−218213号公報およ
び特開平9−87963号公報には、熱可塑性素材から
なる衣服の所望部分に熱収縮性を有する水溶性糸を使用
して仮縫いし、加熱処理を施して前記熱収縮性の水溶性
糸を収縮させてヒダを形成し、その後温水により熱収縮
性の水溶性糸を溶解除去して衣服の所望部分にヒダを形
成することが開示されている。
【0008】また、特開平9−31839号公報には、
収縮性を有する水溶性糸と非収縮性の糸とを交織し、収
縮性水溶性糸を収縮させてしわを形成し、その後前記水
溶性糸を溶解除去して布にしわを形成することが開示さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の絞り技法により
布地に凹凸を形成する場合は、衣服の任意の箇所に凹凸
を形成することができ、その模様も任意のものとするこ
とができるという利点はある。しかしながら、凸部を形
成しようとする箇所の1つ1つに糸を巻き付けなければ
ならず、非常に手間暇がかかり、出来上がった衣服が極
めて高価なものとなってしまうという問題がある。
【0010】一方、従来のプリーツ加工のように、機械
的に折目を施すプリーツ加工では折目が直線的であり、
デザイン的に変化が乏しいという問題がある。また、折
目と直交する方向に伸び縮みするだけであり、折目の方
向には伸び縮みしない。そのため、例えば衣服全体にプ
リーツを施したものであっても、その伸び縮みする方向
はヒダと交叉する方向だけであり、ニット製品のように
縦横伸び縮みし、どのような体型の人にでも合うという
ものではない。
【0011】また、特開平8−218213号公報や特
開平9−87963号公報に開示されているような収縮
性を有し、且つ水溶性の糸を衣服の所定部分にステッチ
を掛けて、その箇所にしわを設けたとしても、糸で収縮
させるだけであるため、縮めようとする生地の力により
十分に収縮させることができず、しわも僅かなものしか
付けられない。また厚みの厚い生地には、このような方
法ではしわを施すことは困難で、極めて小さな低い凹凸
のしわしか形成することができない。
【0012】また、このような方法ではデザイン的にも
しわというような小さな凹凸しか形成できず、変化に富
んだデザインとすることはできない。
【0013】また、特開平9−31839号公報に開示
のように、収縮性を有する水溶性糸を交織したもので
は、そのような生地を使わなければならないという制約
があり、しかも交織であるため縦横の直線状にしか収縮
性する糸を織り込むことはできない。従って、任意の生
地を使うことができず、しかも収縮させる場所も任意で
はないため、デザインに変化をつけることはできないと
いう問題がある。
【0014】
【発明の目的】本発明の目的は、衣服の全体または衣服
の任意の箇所に凹凸を形成することであり、デザイン上
の制約を受けずに衣服の布地に凹凸を形成する方法を提
供することである。また、本発明は衣服全体または所望
の領域に凹凸を形成することにより、ニット製品と同様
に縦および横方向に伸縮可能な凹凸を設けた衣服を製造
する方法を提供することである。
【0015】本発明の別の目的は、衣服の布地に凹凸を
形成するとともに、更に衣服の布地の表面に変化を持た
せる方法を提供することである。
【0016】本発明の更に別の目的は、リブ編風のくっ
きりした筋状の凹凸や縄編風などの太い大きな凹凸を布
地に形成したり、厚地の布地にもくっきりとした凹凸を
形成することが可能な方法を提供することである。ま
た、このようなくっきりとした凹凸を布地に形成した衣
服を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、熱
可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツに裁断し、該パー
ツを縫製して衣服の形状とし、該衣服と熱収縮性布地と
を重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合
わせ、該縫合わせた布地を乾燥状態で加熱処理して前記
熱収縮性布地を収縮させて衣服の布地に凹凸を形成し、
その後前記水溶性糸を溶解除去して前記衣服の布地と前
記熱収縮性布地とを分離することを特徴とする衣服の布
地に凹凸を形成する方法により前記第1の目的を達成し
た。
【0018】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
ける熱可塑性繊維がポリエステル繊維であり、熱収縮性
布地がポリ塩化ビニル製布地であることを限定して、適
切に衣服の布地に凹凸を形成することができるようにし
て、前記第1の目的を達成した。
【0019】また、請求項3の発明では、請求項1また
は2の方法に加えて、衣服の布地に凹凸を形成した後
に、水溶性糸を溶解除去する前または溶解除去した後
に、前記衣服の布地に昇華転写捺染を施すことにより前
記第1および第2の目的を達成した。
【0020】請求項4の発明では、請求項1または2の
方法に加えて、衣服の布地に凹凸を形成し、水溶性糸を
溶解除去した後に、前記衣服の布地にシート状物を貼着
することにより前記前記第1および第2の目的を達成し
た。
【0021】請求項5ないし請求項7および請求項13
の発明では、熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮性布地と
を重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合
わせ、該縫合わせた布地を加熱処理して前記熱収縮性布
地を収縮させ、その後前記水溶性糸を溶解除去する工程
において、前記縫合わせのためのステッチを掛けた後
に、縫合わせた布地を前記ステッチを中心としてタック
状に摘んだ状態となるように前記ステッチに平行に水溶
性糸を用いてステッチを掛けることを共通の特徴とする
ものである。このような特徴的な方法とすることによ
り、前記第1および第3の目的を達成した。
【0022】請求項8または請求項14の発明は請求項
5ないし請求項7または請求項13の方法において、縫
合わせた布地をタック状に摘む際の摘み幅を約1mm〜2
0mmとすることにより前記第1および第3の目的を達成
した。
【0023】請求項9または請求項15の発明は請求項
5ないし請求項8または請求項13、請求項14の方法
において、縫合わせた布地をタック状に摘む際に、表裏
交互に摘むことによりリブ編風のくっきりした筋状の凹
凸を形成し、前記第1および第3の目的を達成した。
【0024】請求項10の発明は請求項5ないし請求項
8の方法において、縫合わせた布地をタック状に摘む際
に、中心となるステッチを3本1組とし、各ステッチの
間隔が約10mm〜20mmであり、真中のステッチを熱可
塑性繊維を含む布地側に大きな摘み幅で摘み上げて水溶
性糸でステッチを掛け、両側のステッチを熱収縮性布地
側に小さな摘み幅で摘み上げて水溶性糸でステッチを掛
けて、その後に加熱処理および水溶性糸を溶解除去処理
して、前記熱可塑性繊維を含む布地に前記3本1組の中
心のステッチと前記摘み上げて掛けたステッチとの跡と
して大きな凸部を形成し、前記第1および第3の目的を
達成した。
【0025】請求項11の発明は請求項1ないし請求項
10の方法において、熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮
性布地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛
けて縫合わせた後、該ステッチとステッチの間において
前記熱収縮性布地を切断し、その後に前記縫合わせた布
地を加熱処理することを特徴とするものであり、切断さ
れた熱収縮性布地の端部は、その対応箇所における熱可
塑性繊維を含む布地と関係なく、自由に収縮し、そのた
め前記ステッチとステッチの間の熱可塑性繊維を含む布
地にはギャザーが形成される。このようにして前記第1
および第3の目的を達成した。
【0026】請求項16ないし請求項18は請求項5な
いし請求項7および請求項13の発明の方法により製造
される布地または衣服である。すなわち、縫合わせのた
めのステッチを掛けた後に、縫合わせた布地を前記ステ
ッチを中心としてタック状に摘んだ状態となるように前
記ステッチに平行に水溶性糸を用いてステッチを掛け、
その後に加熱処理および水溶性糸の溶解除去を行う方法
により製造されるので、布地には筋状の凸部または凹部
が形成されるとともに、前記各ステッチの跡として、筋
状凸部の頂上部または筋状凹部の底部にその長手方向に
延びる一連の針穴が穿たれており、該針穴を中心として
その左右に該中心針穴と平行して長手方向に延びる一連
の針穴が穿たれており、該左右の針穴の箇所が前記筋状
凸部または筋状凹部の略根元部ないし中間部に位置し、
前記筋状凸部または筋状凹部には細かなヒダまたは凹凸
が形成されている。このようにして前記第3の目的を達
成した。
【0027】
【実施例】以下、図面に基いて本発明を詳細に説明す
る。図1(a)〜(c)は本発明の衣服の製造工程の概
略を説明する平面図である。まず、熱可塑性繊維を含む
布地を衣服のパーツに裁断し、このパーツを縫製して、
図1(a)に示すように、衣服の形状に仕立てる。熱可
塑性繊維としては熱セット可能なものであれば特に限定
されないが、ポリエステル繊維が好ましい。また、熱セ
ットの観点から、熱可塑性繊維を50%以上、好ましく
は70〜100%を含んだ布地を用いる。
【0028】また、各パーツを裁断する際には、本発明
の方法により製造される衣服は最終的には布地に凹凸が
でき、寸法的には約10%〜約65%縮んだ仕上り形状
となるので、それを見越して大き目な形状(約1.1〜
約2.8倍)に裁断し、縫製する。また、前記衣服の形
状としては、全部のパーツを縫製して完全な衣服の形状
としてもよいし、或は一部のパーツのみを縫製して衣服
の特定の部分(例えば、袖付きの衣服における身頃部
分)の形状としてもよい。なお、衣服の特定の部分の形
状とした場合は、以下に説明する本発明の方法を特定部
分に実施した後に、残りのパーツと縫合わせて衣服を完
成すればよい。
【0029】次に、布地1で作られた衣服と熱収縮性を
有する布地〔実施例では、テビロン(登録商標):帝人
株式会社製品、ポリ塩化ビニル製布地〕2とを重ね合わ
せ、ミシンにより水溶性の糸3を用いてステッチを掛け
て縫合わせる〔図1(b)参照〕。水溶性糸3として
は、例えば株式会社ニチビ製品のソルブロン(登録商
標)を用いればよい。
【0030】このステッチは任意の方向および形状でミ
シンを掛けることができ、所望のデザインとすることが
できる。例えば、図1(b)に示した実施例では、衿
部、胸部およびウエスト部は縦方向に平行に複数本のス
テッチ31が、衿ぐり回りは衿ぐりに沿うような円弧を
描く形状のステッチ32が、両脇部にも円弧を描く形状
のステッチ33が、胸部には横方向のステッチ34が、
そして裾部には斜め方向のステッチ35がそれぞれ掛け
られ、衣服の布地1の全体が熱収縮性布地2に縫合わさ
れている。隣接するステッチの間隔は任意であるが、図
1(b)に示すように、衣服の全体にステッチを施す場
合(衣服の布地1の厚み等にもよって異なるが)、比較
的薄い生地では例えば、6〜10mm程度の間隔が出来上
がりの凹凸の観点から適当である。
【0031】このように衣服の布地1と熱収縮性布地2
とを縫合わせたものを乾燥状態で加熱処理して、熱収縮
性布地2を収縮させて、衣服の布地1に凹凸を形成す
る。
【0032】本発明の方法に使用する熱収縮性布地2と
しては、経または緯方向の少なくとも一方の熱収縮率が
20〜60%のもの、好ましくは30%以上の収縮率を
持つものを使用すればよい。経糸と緯糸の両方に熱収縮
性糸を使用した熱収縮性布地2が両方向に収縮するので
好ましいが、経糸または緯糸の一方のみに熱収縮性糸を
使用して、経または緯方向の一方のみが収縮するように
した布地であってもよい。また、経糸方向と緯糸方向の
熱収縮率が異なっていてもよい。熱収縮性糸としては、
例えば、ポリ塩化ビニル製繊維、ポリウレタン製繊維
(例えば、スパンデックス)を用いた糸が適している。
【0033】ニット製品のような伸縮性を持たせる場合
は、経および緯方向の収縮率が50%程度の熱収縮性布
地2を用いることが好ましい。熱収縮性布地2として、
例えば、50〜100デニールの「テビロン」フィラメ
ント糸を経糸と緯糸に使用して織ったテビロン布地(帝
人株式会社製品)を使用すればよい。
【0034】本発明における加熱温度は140℃から1
95℃のものであり、糸の生地の厚みや縫い方によって
異なるが、加熱時間は約40秒から約6分程度である。
なお6分程度にする場合は、例えば2分ずつ3回繰り返
すとかにすればよい。同じ生地でも大きさによって異な
ったり、また縫い方によって異なったりする。また厚み
がある生地の場合やタック状に摘んでステッチを掛けた
結果として厚みが出る場合も必要な加熱時間が異なった
りするので、予め試作して加熱時間や温度を適宜調整す
る。
【0035】例えば、比較的薄い生地に、図1(b)に
示すようにステッチを掛けた場合は、190〜195℃
程度に加熱した加熱板により、乾熱・非接触状態で約4
5〜60秒程度加熱すると、熱収縮性布地2が縦方向お
よび横方向とも収縮する。
【0036】衣服となる布地1が比較的薄い生地であ
り、50%近く収縮するテビロン布地を使用した場合
は、縦および横とも元のサイズの約半分程度の大きさと
なった。熱収縮性布地2が収縮して小さなサイズになっ
ても、衣服の布地1は元のサイズのままであるので、余
った分が縫合わされていない箇所で浮上がり、凸部とな
り、ステッチ3の箇所が凹部となる。
【0037】その後、縫合わされた布地1、2を70〜
90℃の湯に浸けて水溶性糸3を溶解除去して、衣服の
布地1と熱収縮性布地2との結合を解消し、熱収縮性布
地2を衣服の布地1から剥がす。このようにすると、縦
横に伸びることのできる凹凸が形成された図1(c)に
示すような衣服が得られる。
【0038】図1(c)に示すように、首回りや両脇部
の円弧を描いてステッチ32、33を掛けたところは、
円弧を描いたような形状で凹凸が形成されており、胸部
や胴部の直線状にステッチ31、34、35を掛けたと
ころは、直線状に凹凸が並んだ状態となる。これは熱収
縮性布地2が縦方向および横方向ともに収縮するためで
ある。
【0039】図2は衣服の布地1と熱収縮性布地2とを
水溶性糸3により縫合わせた状態と、その布地1に凹凸
を形成した状態とを説明するために、図1よりも拡大し
て描いた模式的図面である。図2(a)は直線状に並列
して複数本のステッチを縦方向に掛けた場合の平面図、
図2(b)は図2(a)のB−B線に沿った断面図であ
り、布地1、2の厚みは実際よりも厚く描いている。図
2(c)は凹凸を形成した布地1の平面図、図2(d)
は図2(c)のD−D線に沿った断面図、図2(e)は
図2(c)のE−E線に沿った断面図である。図2
(c)〜(e)に示すように布地1には凸部1aと凹部
1bが直線状に並んだような状態の凹凸ができる。この
凸部1aおよび凹部1bは図2(c)〜(e)では大き
さが規則的のように見えるが、図2は模式的に表したも
のであり、実際にはきちんと規則正しいものではない。
具体的には、ステッチ3で固定された部分は熱収縮性布
地2とともに縮められるがステッチ3で制限されている
ので細かなヒダとなって、全体として直線状に連続した
凹部1bとなる。一方、隣接するステッチ3の間は固定
されていないので大きく浮上がり、断続的な凸部1aと
なって出現する。この凸部1aは断続的であるので、連
続的なヒダであるプリーツと言うよりは、巻上げ絞り風
の凸部である。
【0040】図3は図2と同様の模式的図面であり、図
3(a)は前記図1(b)における、縦方向の直線状の
ステッチの間に、首回りのように曲線を描いて並列して
複数本のステッチを横方向に掛けた場合の平面図、図3
(b)はこれを熱収縮させ凹凸を形成した布地1の平面
図である。図3(b)示すように、曲線状にステッチを
掛けた箇所は曲線状の連続した凹部1bとなり、凹部と
凹部の間に凸部1aが断続的に出現し、凸部1aは曲線
状に配置される。
【0041】図4は前述した実施例とは、別のステッチ
の掛け方を示す斜視図である。衣服の布地1および熱収
縮性布地2を重ね合わせ、この状態で表裏交互にピンタ
ックのようにタック状に摘んで水溶性糸3でミシンを掛
け、ニット風(リブ編風)の凹凸を形成する。なお、本
発明においてタック状に摘む際の摘み幅は、通常のピン
タックのように1〜1.5mmに限定されず、約1〜20
mm程度の間で形成すべき凹凸の大小により適宜選定す
る。
【0042】この実施例では、まず図4(a)に示すよ
うに、重ね合わせた布地1、2がずれないように水溶性
糸3でステッチ36を掛ける。次に、図4(b)に示す
ように、このステッチ36を中心にして例えば表側(熱
収縮性布地2と反対側)にタック状に布地1、2を摘み
上げ(すなわち、ステッチ36を頂点としてステッチ3
6に平行に摘み上げ)ピンタックのようにステッチ37
(以下、このように摘んだ箇所の根元に掛けるステッチ
を本明細書ではタックステッチと称する)を水溶性糸3
によりミシンで掛ける。次に、隣接するステッチ36を
中心にして裏側(熱収縮性布地2の側)に摘み上げピン
タックのように水溶性糸3でタックステッチ37を掛け
る。このようなことを表裏交互に行い、その後、加熱処
理して熱収縮性布地2を収縮させ、そして水溶性糸3を
溶解除去すると、ニット風の衣服が得られる。
【0043】図1に示した実施例では、衣服の全面にほ
ぼ均等にステッチを掛けていたが、全面または均等では
なく、部分的にステッチを掛けたり、ステッチの間隔を
変化させたりしてもよい。
【0044】また、狭い間隔でステッチを掛けた部分と
隣接する狭い間隔でステッチを掛けた部分との間に広い
距離を開けるようにしてもよい。そして、熱収縮性布地
2を収縮させる際に、中間の広い距離の部分における衣
服の布地1が縮まないように、予めそのステッチの掛か
る部分だけにその部分の形状に対応した形状の熱収縮性
布地2の生地を置くか、或いは大きな熱収縮性布地2の
生地を置き狭いステッチを掛けた後、ステッチとステッ
チとの間の広い中間箇所で熱収縮性布地2をカットす
る。そしてこれを加熱し、熱収縮性布地2を熱収縮させ
る。このようにするとステッチの掛かった部分の衣服の
布地1だけが熱収縮性布地2とともに縮むが、他の部分
は縮まない。このため、縮んで凹凸の形成された部分と
ギャザー状の部分とを形成することができる。
【0045】例えば、図5は上述した方法の一実施例を
説明するための図であり、図5(a)は平面図、(b)
は図5(a)のB−B線に沿った断面図である。図5
(a)に示すように、狭い間隔で平行した数本(図5
(a)では2本である)のステッチを1組として水溶性
糸3で曲線状に掛けて衣服の布地1と熱収縮性布地2と
を縫い合わせる。図5(a)に示す実施例では1箇所で
は2組のステッチが互いに絡み合った曲線状模様が描か
れており、隣接する箇所の曲線状模様とは間が開いてい
る。そして、図5(a)および(b)に示すように、隣
接したステッチの間の熱収縮性布地2のみを箇所21
(図5(a)では二点鎖線で示した)で切断する。この
状態で熱処理し、水溶性糸3を溶解させ、布地1を布地
2と分離すれば、衣服の布地1には曲線状に浮上がった
凹凸が形成され、模様となる。この実施例の凹凸は狭い
間隔の2本のステッチにより形成され、地の部分から浮
上がり、ピンタック風の凸状となる。なお、熱収縮性布
地2を箇所21で切断する代わりに、絡み合った曲線状
模様の幅よりもやや広い幅を有するテープ状の熱収縮性
布地を用意し、このテープ状熱収縮性布地を衣服の布地
1に水溶性糸3で縫い付けてもよい。
【0046】更に、図6では別の実施例を示し、(a)
は熱処理前の平面図、(b)は断面図、(c)は熱処理
後の衣服の布地の平面図である。図6(b)に示すよう
に、重ねた2枚の衣服の布地1の上に厚みのある綿状シ
ート4を置き、その上に熱収縮性布地2を載せる。そし
て、例えば、図6(a)に示すように水溶性糸3により
斜格子状のステッチを掛ける。その後、熱処理し、水溶
性糸3を溶解させ、布地1を布地2と分離すると、図6
(c)に示すように、菱形の紋様が凸部1aとなって浮
上がり、ステッチの箇所が凹部1bとなった状態の衣服
の布地1が得られる。この方法では布地1と布地2との
間に綿状シート4を挟んでステッチを掛けているので、
熱収縮性布地2を加熱処理により熱収縮させた際に衣服
の布地1はステッチで固定されていない部分は綿状シー
ト4により膨らみを保った状態となり、細かな凹凸はほ
とんど形成されない。
【0047】図7は本発明の方法の更に別の実施例を説
明するためのものであり、図7(a)は熱処理前の平面
図、図7(b)は熱処理後の衣服の布地の平面図であ
る。この実施例では、衣服全面に熱収縮性布地2を置い
てステッチを掛けるのではなく、例えば、図7(a)に
示すように衣服の布地1の上に部分的に熱収縮性布地2
を置き、その箇所のみに水溶性糸3によりステッチを掛
ける。そして加熱処理して熱収縮性布地2を収縮させ、
その後、70〜90℃の湯で洗って水溶性糸3を取り除
く。このようにして出来上った布地1においては、図7
(b)に示すように、熱収縮性布地2の置かれていた部
分は細かな凹凸1a、1bができ、熱収縮性布地2のな
かった部分もつられてしわができた状態で加熱セットさ
れるため、ギャザー1cがついた状態で熱セットされて
いる。この実施例によれば、1着の衣服において、布地
の切替え・縫合わせを行うことなく、細かな絞り風の凹
凸1a、1bとギャザー1cとの2種類の表情を現すこ
とができる。しかも、熱収縮性布地2の大きさ、配置お
よびステッチの掛け方等を任意に変化できるので、デザ
イン的に非常に変化に富ませることができる。
【0048】前述した方法を更に発展させた方法とし
て、衣服の布地1に凹凸を形成した後で、水溶性糸3を
溶解除去する前または溶解除去した後に、衣服の布地1
に昇華転写捺染を施すことができる。すなわち、凹凸を
つけた布地1の上に昇華性染料が塗布されている熱転写
シートを置き、約180℃で30秒熱転写を行うとプリ
ントが行える。
【0049】また、図8により更に別に発展させた方法
を説明する。図8(a)〜(c)は断面図である。衣服
の布地1に凹凸を形成し、水溶性糸を溶解除去した後
に、図8(a)に示すように、衣服の布地1にシート状
物5を貼着する。このシート状物5は片面にホットメル
ト接着剤層51を有する薄いシートであり、加熱により
布地1に接着できる。その後、図8(b)に示すよう
に、凹凸を有する布地1を薄いシート状物5と共に引き
伸ばすと、薄いシート状物5が所々で破断される。引き
伸ばしを止めれば、布地1は再び凹凸を形成して縮み図
8(c)のような状態となる。このような衣服は着用時
にシート状物5の隙間が開き、面白い効果が得られる。
【0050】この方法に使用するシート状物5は張力が
掛かった際に比較的容易に破断できるものであればよ
く、合成皮革の表面などに使用する薄いポリウレタンシ
ートなどが布地に対して変化を与えるという観点で好ま
しい。このようなシートとしては、例えば、小松精練株
式会社の合成皮革「DIMA」(登録商標)の表面に使
われるポリウレタンシートなどがある。このようなもの
は布地の上に合成皮革の表面の皮膜が付着したことにな
るので、変った風合の表面となり、凹凸と相俟って極め
て新鮮なデザインの衣服が得られる。また、接着付きポ
リウレタンシートの離型紙に凹凸模様(例えば、蛇皮模
様)のあるものを使用すると、ポリウレタンシートにも
その模様が現れ、従って、衣服の表面に離型紙の凹凸模
様が現れるので面白い。離型紙の模様を変化させること
により、最終製品である衣服の表面の模様も種々変える
ことができる。更に、衣服の布地の上にポリウレタンシ
ートが付着しているので、高撥水性および保温性が得ら
れる。
【0051】図9は本発明の更に別の具体的な実施例を
示すものである。図9(a)は出来上がった状態の衣服
である。図9(a)に示すように、この衣服においては
前身頃の胸元に菱形の模様があり、その他、符号Aで示
す胸の部分は細いリブ編風の縦筋がついており、裾の近
くのBの部分は太い間隔のリブ編風の縦筋となってお
り、裾Cの部分は襞となっている。また、袖の部分は胸
部Aの部分と同じような細幅のリブ編風の凹凸が形成さ
れている。
【0052】この衣服を製作するに当たっては、予め前
身頃となる布地1に模様となる布6を貼付けて固着して
おく。布6は好ましくは、その片面に接着剤が付着して
いるもの、例えば、接着芯のようなものが好ましく、身
頃の布地1に模様を形成するように熱により固着する。
また、確実に止めるために、その模様布6の周縁部をミ
シンにより固定しておくことが好ましい。模様布6も熱
可塑性の繊維(例えば、ポリエステルなど)からなる布
地とする。
【0053】リブ編風の凹凸を形成するためには次のよ
うに行う。先ず、図10(a)に示すように、前身頃1
1、後身頃12および袖の布地1を縫製し、衣服形状と
し、後身頃12側にテビロンが接するようにして、テビ
ロンと重合わる。この状態で図10(a)に示すように
所定間隔で水溶性糸3でステッチを掛ける。この場合、
Aの部分に相当する箇所には10mm間隔でステッチを掛
け、Bの部分に相当する箇所には20mm間隔でステッチ
を掛ける。
【0054】次に、図10(b)に示すように先程掛け
たステッチ36の箇所を中心としてタック状に摘まんで
水溶性糸3でタックステッチ37を掛ける。この場合、
Aの部分に相当する部分のステッチ36とタックステッ
チ37との間隔、すなわち摘み幅Sは1mmであり、Bの
部分は摘み幅を5mmとする。この場合、図10(b)に
示すように、ステッチ36は1本おきにテビロンの側に
摘み上げてタックステッチ37を掛け、裏返して1つお
きに表側(前身頃11の側)の方に摘み上げてタックス
テッチ37を掛ける。このようにタックステッチ37を
掛けた後では重ねた布地1、2は図10(b)に示すよ
うなジグザグ状態となる。この状態で140℃で70秒
加熱して熱セットし、テビロンを収縮させる。そして次
にステッチ36およびタックステッチ37に使用した水
溶性の糸(ソルブロン)を溶解させ、衣服の前身頃側布
地11、後身頃布地12からテビロンを剥し、図9
(a)に示した衣服を得た。
【0055】前述した実施例では、予め袖まで付けた状
態でステッチ36および37を掛けているが、身頃と袖
とを別に処理して後で袖を付けるようにしてもよい。な
お、この実施例では端(ステッチ36の箇所で折るので
その箇所が端となる)から1mm離れたところにタックス
テッチを掛けたが、端から約1〜3mmの箇所に掛けるス
テッチのことを通常コバステッチと言うので、後の実施
例で「コバステッチを掛ける」と表現した場合は、その
摘み幅が約1〜3mmの範囲でタックステッチを掛けるこ
とを言う。
【0056】図10(c)はリブ編風模様を模式的に描
いた平面図であり、図10(d)はリブ編風模様を模式
的に描いた断面図である。リブ編風の模様は、前身頃1
1の側から見ると、図10(c)に示すように細幅の筋
状の凹凸が細かく盛上がった部分1cと凹んだ部分1
e、1dとが交互してリブ編風となっている。図10
(d)に示すように、テビロンと接触していない方の凸
部1cが緩やかな凸部となっており、テビロンに接触し
て縫付けられていた側の凸部(前身頃側から見ると凹部
になる)1dは尖った形状となる。凸部1cと1dの間
に中間の凹凸の部分1eがある。このようにタックによ
って形成した凹凸は、単に1本のステッチにより形成し
た凹凸と違ってくっきりとした凹凸が形成される。
【0057】このように衣服の布地1には筋状の凸部ま
たは凹部が形成されており、図10(c)および(d)
では図示しなかったが、水溶性糸で形成されたステッチ
36およびタックステッチ37の跡として布地1に針穴
が穿たれている。すなわち、中心のステッチ36の跡と
して、筋状凸部の頂上部または筋状凹部の底部にはその
長手方向に延びる一連の針穴が穿たれている。この針穴
を中心としてその左右に中心針穴と平行して長手方向に
延びる一連の針穴がタックステッチ37の跡として穿た
れている。この左右の針穴の箇所が前記筋状凸部または
筋状凹部の略根元部ないし中間部に位置している。ま
た、ステッチ36およびタックステッチ37により熱収
縮性布地としっかり固定された状態で加熱収縮されるの
で、ステッチ36およびタックステッチ37により形成
された前記筋状凸部または筋状凹部には細かなヒダまた
は凹凸が形成される。
【0058】図9、図10に示した実施例では、出来上
がった衣服は、図10(d)に示すように、リブ編風の
凹凸を有しているが、このようなタックによって縦方向
に凹凸を形成すると、横方向に大きく縮む。テビロンの
収縮率に加えてタックによる影響も現れ、全体としては
横方向の収縮が縦方向の収縮よりも高くなる。このため
最初に裁断するに当たっては、横方向に大きく縮むた
め、横方向は出来上がり寸法の2.7〜2.8倍程度に
とる。また縦方向もテビロンの収縮とともに縮むため、
この実施例では出来上がり寸法の約1.4倍の大きさと
しておく。
【0059】タックを施すのに、先に縫った中心となる
ステッチ36のところを折り曲げて摘んで、その端のと
ころに沿って通常にミシンを掛けてタックを形成しても
よいが、万能飾り千鳥ミシンを使用してタックを形成す
ることもできる。この場合、万能飾りミシンは2本の針
で上糸のステッチを形成し、下糸が2本の間でジグザグ
(千鳥)に掛かって縫っていくものであるが、下糸の張
力を強くすることにより2本の間のステッチが寄せられ
タック状態となる。このような万能飾り千鳥ミシンを使
用することにより簡単にタックを形成することができ
る。この場合、2本のステッチの間に先に縫った中心と
なるステッチ36が位置するようにして万能飾り千鳥ミ
シンを掛ける。
【0060】図11は本発明の別の実施例を示すもので
あり、図11(a)は出来上がった衣服を示す平面図で
あり、前身頃の側に斜め格子状の太く浮上がった凸部1
Aと、その格子の内部に形成された低い凹凸部1Bを有
するものである。図11に示した衣服では、袖部、首部
および裾部は前述したようなリブ編風に形成されてい
る。このリブ編風のものは前述した実施例と同様に平行
して7〜10mmの間隔でステッチを掛けて、このステッ
チを中心として表裏にタック状に摘み上げてミシンを掛
けることにより形成できる。
【0061】図11(b)は図11(a)に示した身頃
部を形成するための模様図である。前身頃と後身頃を縫
合わせ、更にテビロン布地2を後ろ身頃に重ね合わせ、
図11(b)に示すような模様をテビロンに書き写す。
そしてこの書き写した線に沿って水溶性糸3でミシンを
掛ける。図12は格子部分の縫い方を説明するために拡
大して示した図であり、図12(a)は平面図、図12
(b)は縫い方を示す断面方向の図である。
【0062】先ず、図12(a)に示すように、格子の
部分は3本の61、62、63および格子に囲まれた中
のステッチ67を水溶性糸でミシンで掛ける。そして図
12(b)に示すように、太い畝部1Aを表すために、
押えステッチ61、62、63を掛けた後、中心に掛け
たステッチ61を中心として前身頃11側(テビロンと
反対側の布)を摘み幅Sが10mmとなるように摘み、タ
ックステッチ64を水溶性糸で掛ける。また、ステッチ
62およびステッチ63の部分は裏側に摘み上げてコバ
ステッチ(ステッチ62、63から約1〜2mm離れて掛
ける)65、66を水溶性糸で掛ける。なお、ステッチ
61と62の間隔およびステッチ61と63の間隔は、
この実施例では15mmである。また、ダイヤ柄の部分は
8mmの幅でステッチ67が水溶性糸で掛けられる。リブ
の部分は8mm間隔でステッチを水溶性糸で掛け、表裏に
摘み上げながらコバステッチを水溶性糸で掛けて形成す
る。
【0063】このようにしてステッチを掛けた後、14
0〜160℃で2分間を2回で加熱処理し、布地11、
12を熱セットし、そしてステッチの水溶性糸(ソルブ
ロン)3を溶解すると、図11に示したような身頃が形
成される。この場合、太い格子状の部分1Aがステッチ
61〜66により形成され、大きな太い凸部が表側に浮
き出たものが形成される。ダイヤ柄の部分1Bは小さな
低い凹凸となっている。
【0064】図13(a)は本発明の更に別の実施例を
示すものである。図13(a)は本発明により製造した
衣服の平面図である。この図13(a)に示すように、
この衣服では前身頃に太い浮上がった縄編模様1C、1
Dが浮上がって形成されている。また、縄編模様1Cと
縄編模様1Dの間にも縦方向の太い浮上がった線1Eが
形成されている。首部、袖部、および裾部は前述したよ
うなリブ編風のものとなっている。
【0065】この縄編模様をポリエステル生地とテビロ
ン生地およびソルブロン(水溶性糸)を使用して製造す
る。予め、縄編模様の部分がどの程度収縮するかを調べ
たところ、縦方向には71.5%縮み、横方向には6
2.5%縮んだ。このため、衣服の布地を裁断するに際
しては、所望の出来上がり寸法よりも縦方向には約1.
4倍、横方向には約1.6倍の大きさにして裁断を行
う。
【0066】図14は前記図13(a)に示したような
縄編模様を形成するためのステッチの掛け方を説明する
ための平面図である。先ずテビロン2と衣服の布地1と
を重ね合わせ、テビロン2に図13(b)に示す図柄を
写し、この図柄に従って水溶性糸(ソルブロン)3で縫
合わせる。縄編部1C、1Dの詳細は図14(a)およ
び図14(b)にそれぞれ示している。実際に製作した
ものでは、図13(a)に示すような太い縄編部分で
は。3本のステッチとそれらのステッチを中心としたタ
ックステッチの組合わせで1本の縄の部分が形成され
る。この点は先に図12について説明した実施例と同様
である。すなわち、図14(a)において、真中のステ
ッチ61と外側のステッチ62または63との間は1.
5cmの間隔が開けられている。そしてこのステッチ6
1、62、63を掛けた後、真中のステッチ61は表側
(テビロンを当てた側と反対側)に摘み幅を7mmで摘ん
でタックステッチを水溶性糸で掛ける。また、ステッチ
62および63は裏側(テビロンの側)に摘み上げてコ
バステッチを水溶性糸で掛ける。また、縄編間に形成さ
れる菱形部分は最初に掛けた5mm幅のステッチ67のみ
としてタックステッチは施さない。
【0067】次に、脇の方の縄編部1Dと縦の太い畝に
ついて図14(b)に基いて説明する。縄編部1Dの太
い線は前述した図14(a)について説明したように、
ステッチ61、62、63と同様に行うが、真中のステ
ッチ61は、そのステッチを掛けた後に表側から5mm幅
で摘み上げてタックステッチを掛ける。ステッチ62、
63については裏側に摘み上げてコバステッチを掛け
る。
【0068】また、縦方向の太い畝1Eは次のようにし
て作る。ステッチ71、72、76を水溶性糸で掛け
る。そして、図14(c)に示すように、ステッチ71
および72は裏方向に摘み上げてコバステッチ73、7
4を水溶性糸で掛ける。斜め方向のステッチ76につい
てはタックをせずにそのままである。そして図14
(c)に示すように、両側の縦方向のステッチ71、7
2の部分を寄せて、表側の方に摘み上げて、タックステ
ッチ75を水溶性糸で掛けてタック状態とする。なお、
図14(c)では布地が1本の線で表しているが、これ
は摘み方を説明するためのものであり、この布地を表す
線はテビロン2および衣服の生地1が重合わされたもの
を示している。このようにステッチを掛けたものを前述
したように熱セットする。この場合、熱セットは140
℃から170℃の間の温度であり、約60〜70秒間セ
ットを行った。
【0069】なお、衣服の生地が比較的厚いものである
場合は、熱セットの時間を少し長くすることが好まし
い。次に、各ステッチに使用した水溶性糸3を溶解し、
テビロン2と衣服1とを剥がした。
【0070】このようにして出来上がった製品は図13
(a)に示すようなものであり、太い縄編畝が見え、ま
た縦方向の太い筋が見える。そしてこの太い縦方向の筋
は斜めに施したステッチの跡として表面に凹凸が形成さ
れた状態で盛り上がった太い畝となっている。袖部、首
部および裾部はリブ編風の凹凸となっているが、説明は
省略する。
【0071】図15は本発明における別の実施例であ
り、厚みを持たせるために中に綿を入れた場合の縫い方
の1つの実施例を示している。先ず、熱可塑性繊維を含
む表生地100と裏生地102の間に中綿101を入
れ、この状態で、非水溶性の糸を用いてキルティングス
テッチ81を掛ける。なお、中綿101は好ましくは熱
可塑性繊維からなり、例えばポリエステル綿とする。そ
して、この生地を衣服の形状に裁断し、前身頃11と後
身頃12とを中表にして重ね、後身頃12側にテビロン
2を重ねる。そしてこの重ね合わせた状態で、例えば図
15(b)に示すような形状で、縦長の亀甲模様を表す
ような形状のステッチを水溶性糸3で掛ける。このステ
ッチは各2本のステッチが組となったものであり、ステ
ッチ82、83が組となっており、亀甲の縦の部分では
ステッチ82、83が狭い間隔で平行に並んでステッチ
される。この狭い間隔は例えば2〜8mmであり、隣接す
る別の組のステッチ82、83との間は前記狭い間隔の
約3倍以上の広い間隔(図示した実施例では約5倍)を
開けて、多数組のステッチが掛けられる。そしてこの状
態で加熱し、テビロン2を収縮させ、その後、ステッチ
82、83を作るソルブロン糸3を溶解する。なお、キ
ルティングステッチ81は水溶性の糸ではなく、通常に
使われる糸を使用する。
【0072】このようにすると、図15(c)に断面を
示したように、表側に大きく膨らんだ状態の生地が得ら
れる。図15(d)は表側から見た平面図であり、2本
線で縫われた部分が凹み、その2本線で挟まれた部分が
大きな凸部1Fとなったトラック状の模様が形成されて
いる。これに対して裏面の方はテビロン2に接触してい
たため大きく膨らむことはなく、凹凸はあるが表側のよ
うに大きな凹凸はなく全体として平坦となっている。こ
のため前身頃11と後身頃12とを合せて縫った場合
は、前身頃11側と後身頃12側で表情が違う面白い衣
服となった。
【0073】なお、前身頃側も後身頃側も大きな凹凸を
形成したい場合は、前身頃11と後身頃12とを別々に
してテビロン2と重ね合わせて表布地100側が外に向
くように、裏地102側がテビロン2に接するようにし
て重ね合わせて前記のようにソルブロンからなる水溶性
糸3でステッチを掛けるとよい。このようにして大きな
盛り上がった凸部を形成した後、それぞれ前身頃と後ろ
身頃として縫合わせれば、前身頃も後ろ身頃も同じ模様
となる。
【0074】なお、この場合、図15(b)に示したも
のは実際に作ってみた場合、収縮率は縦方向に75%縮
み、横方向に80%縮んだ。このため、この収縮率を考
慮して衣服の型紙は縦方向には約1.3倍、そして横方
向には約1.25倍の大きさのものを用意すればよい。
【0075】図16は本発明における別の実施例を示す
ものであり、図16(a)は出来上がったスカートを示
す平面図である。このスカートはこの実施例の場合、衣
服の生地としてベルベットを使用した。図16(a)に
示すようにジグザグ型の畝1Gが見え、裾部分は襞とな
っているスカートである。
【0076】このものを製造するには、先ずスカートに
形成したベルベット生地とテビロン2とを重ね合わせ
る。テビロン布は後スカート12側へ置く。テビロン布
に図16(b)に示す模様を写す。そして裾部分を除い
て図16(b)に示すようなステッチ84、86を水溶
性糸3で掛ける。そして横方向のステッチ86はそのま
まで、斜め方向のステッチ84のみをテビロン側に摘み
幅を3mmで摘み上げてタックステッチ85で縫う。この
場合、直線とぶつかる部分は少し手前で止めればよい。
図16(c)はベルベットの摘み方を示すものである。
斜めのステッチ84の部分を示すものでありテビロン2
側に摘んだ状態を示している。このように縫い上げた
後、加熱温度は160℃で2分間加熱し、間隔をおいて
再度2分間加熱した。その後、水溶性糸3を溶かして、
テビロン2を剥がした。
【0077】出来上がった製品は図16(a)に示すよ
うに横方向の線は見えず、境目が凹みジグザグ型が浮上
がって見えるものである。この場合、ベルベットは生地
が厚いので横方向に掛けたステッチの部分は、あまり収
縮した状態が分からず、タック状に摘み上げた部分が凹
んだ状態となるため、はっきりと模様が形成されてい
る。
【0078】図17は本発明の別の実施例を示すもので
ある。図17(a)は出来上がった製品の平面図であ
り、この生地は薄いタフタであり、素材はポリエステル
生地である。図17(a)に示すように、薄い生地の上
に斜めに大きな凸部1Hが交叉した状態のものが形成さ
れ、太い縄状の凸部1Hの間は大きな襞が形成されてい
る。この衣服を作るには生地も衣服の形状に縫い、そし
てテビロン2と重ね合わせた状態で図17(b)に示す
ような大きな間隔で斜めに交叉するステッチ87を水溶
性糸3で掛ける。そして、ステッチ87を掛けたところ
を中心に摘み上げるが、この摘み幅は前述の実施例の場
合よりも大きく、約1.5cmであり、全て前身頃11の
側に摘み上げてステッチ88を水溶性糸3で掛ける。こ
のようにしたものを加熱し、そして水溶性糸3を溶かす
と図16(d)に示すような大きな凸条部1Hが形成さ
れたものとなる。図16(d)では前身頃11と後身頃
12を重ね合わせた状態で示している。図17(d)か
ら分かるように、表側には大きな凸条1Hが現れ、後身
頃12側は大きな凸条に相当する部分が中に凹んだ凹部
となっている。
【0079】前述した実施例ではいずれも衣服の形状に
縫合わせて、或いは衣服の形状の一部分に縫合わせた状
態でテビロンと重ね合わせてソルブロン糸で縫合わせる
ことで説明したが、次のようにしてもよい。
【0080】衣服の形状に縫合わせず、単に衣服の形状
に裁断した状態で水溶性糸によりテビロンと縫合わせた
後に加熱処理および水溶性糸を溶解させて、凹凸形状を
表現させた布地とする。そして、この状態で縫合わせて
衣服とするることを行ってもよい。
【0081】或いは、単に生地の状態でテビロン布と水
溶性糸で縫合わせて凹凸模様を形成させるようにするこ
ともできる。特に、所望の模様をテビロン布に描き、そ
の模様に従って水溶性糸でステッチを掛け、更に、その
ステッチのうち所望箇所のステッチを中心としてタック
状に摘み上げタックステッチを掛けることを行う場合
に、このように生地の状態で処理を行ってもよい。すな
わち、タック状態としてから凹凸を形成したのものは、
単に平面的にステッチを掛けて凹凸を形成する場合と異
なって、凹凸が大きいので、前身頃と後身頃とを重ね合
わせた状態でテビロン布に重ねて処理をすると、前身頃
と後身頃との凹凸形状が異なるのがはっきりしている。
このため、前身頃と後身頃に同じ凹凸を形成したい場合
は、前身頃と後身頃を縫合わせた状態とせずに、衣服の
生地が1枚の状態で水溶性糸によりテビロン布と縫合わ
せて、加熱処理および溶解処理を行う。このようにすれ
ば前身頃側と後身頃側とが同じ凹凸模様を形成すること
ができる。この場合も、比較的単純な模様の場合は生地
の状態で凹凸をつけておけばよいし、或いはデザイン的
に衣服の特定の場所に特定の凹凸が位置するようにする
場合は、衣服の形状に裁断しておいて凹凸を施すことが
好ましい。このようにすれば所望のデザインの衣服とす
ることが容易にできる。
【0082】また、リブ編状のものを作る場合は、生地
で行う場合は表と裏を交互にタック状態にしなければな
らないので、長尺の生地ではなく数メーター以内の短尺
の生地で行う方が処理し易い。本発明のタックは普通の
ピンタックなどと異なって中心部分に1本のステッチが
入り、その両側にタック状とするためのタックステッチ
が入るが、この中心のステッチを先に所定間隔で掛け、
そして例えば掛けたステッチの1本おきに表側に摘み上
げて、タックステッチを掛け、次に裏返して、残りのス
テッチを中心として裏側に摘み上げてタックステッチを
掛けるというようにすればよい。
【0083】また、大きな襞をとりたい場合は、ギャザ
ーミシンを使用して先にギャザーを入れた状態とし、そ
の後テビロンと縫合わせてテビロンの収縮による凹凸よ
りも、より一層大きな凹凸を形成することができる。ま
た、ギャザーミシンを使用してギャザーを寄せるのとテ
ビロンとの縫合わせとを同時に行うようにしてもよい。
この場合、ギャザーを寄せるステッチも縫合わせるため
のステッチも何れも水溶性糸を使えばよい。
【0084】以上のように本発明の方法においては、ス
テッチは任意の形状に掛けることができ、また、その間
隔も広くしたり狭くしたりすることによりできる。それ
により出来上がった布地1における凹凸形状も種々であ
る。
【0085】また、本発明における凹凸は衣服の任意の
部分に施すことができる。この場合、裏表同時につける
こともできるし、例えば、前開きの被服の場合は前身頃
のみ或いは後身頃のみとしたり、袖畳みにして両前立の
部分および背中の部分を4枚重ねた状態として、その上
に熱収縮性布地2を置きステッチを掛けることにより両
前立部分および背中の部分を同時に凹凸を付けたりとい
うことも可能である。また、袖の部分だけ凹凸を付ける
ということもできる。
【0086】前述した説明では、衣服の上に熱収縮性布
地2を置いてステッチを掛けるように説明したが、衣服
の布地1と布地1との間(例えば、身頃の内側)に熱収
縮性布地2を挟み込んでステッチを掛けるようにしても
よい。
【0087】また、本発明で衣服の布地を裁断して先に
衣服の形状に縫製しておく場合、予め、どの程度縮むか
実験的に確認しておき、それに合わせて所望の寸法が得
られるように裁断および縫製しておけばよい。すなわ
ち、熱収縮性布地2として同じ布地2を用いて同じよう
に縫合わせても、衣服となる布地が薄い場合はよく縮む
が、例えば、ベルベットのように厚みのある布地である
と、元の衣服の布地の力のため余り収縮せず高い凹凸に
ならない。
【0088】本発明の衣服の布地は熱セット可能なよう
に熱可塑性繊維を主とする布地を使用するが、このよう
な布地であれば、1つの衣服を構成する布地が、色、素
材などに関して1種類でもよいし、2種類以上でもよ
い。例えば、色の異なる2種類のテープ状の生地を縫い
合わせて1枚の大きな布地とし、これを衣服のパーツの
形状に裁断して、本発明の熱可塑性繊維を含む布地とし
て使用してもよい。或は、例えば、身頃を複数の生地を
縫い合わせたものとする場合に、予め身頃を所望の形状
に分割した状態の型紙を作り、この型紙に従って色、素
材などの異なる複数の生地を裁断し、これらを縫い合わ
せて身頃の布地とし、これを本発明の熱可塑性繊維を含
む布地として使用してもよい。また、素材としてシース
ルーの生地とシースルーでない生地とを縫い合わせた布
地を本発明の熱可塑性繊維を含む布地として使用して、
凹凸を形成させると、製造された衣服はシースルーの効
果と凹凸の効果とが相俟ってデザイン的にも外観的にも
非常に面白いものである。
【0089】
【発明の効果】本発明の方法によれば、衣服の全体また
は衣服の任意の箇所に凹凸を形成することができ、デザ
イン上に制約を受けずに衣服の布地に凹凸を形成でき
る。
【0090】また、本発明の方法によれば、経糸方向お
よび緯糸方向に熱収縮する布地を用いて、衣服全体また
は所望の領域に凹凸を形成した場合は、ニット製品と同
様に縦および横方向に伸縮可能な凹凸を設けた衣服を製
造することができる。すなわち、ステッチを衣服の布地
と熱収縮性布地を縫合わせるときに、衣服の全体にステ
ッチを掛けた場合は全体が縮み、全体に凹凸ができて縦
方向にも横方向にも伸縮できるので、ニット製品と同様
に伸縮性の高いものが得られる。また、胸部の領域に凹
凸を形成すれば、その胸部は伸縮性の高いものとなる。
従って、ダーツなどを形成せずとも体によくフィットす
る衣服を得ることができる。
【0091】経糸方向または緯糸方向に熱収縮する布地
を用いて、衣服全体または所望の領域に凹凸を形成した
場合は、縦または横方向に伸縮する衣服とすることがで
き、、ブラウスやスラックス等として着用し易いものが
得られる。
【0092】しかも、本発明の方法により凹凸を作る場
合は、ニット製品を作る場合のようにデザイン的な制限
は受けず、また従来のプリーツ加工のようにヒダの方向
性などの制限も受けず、デザインの幅が非常に広い。ま
た種々の曲線を描くステッチを掛けることにより、曲線
のある凹凸をつけることができ、デザイン的に非常に面
白いものとすることができる。
【0093】また、本発明の方法によれば、布地に凹凸
を形成した後に、凹凸のある状態で絵柄をプリントす
る。このため、出来上がった衣服は着用時には身体の動
きに合わせて凹凸が伸び縮みして、絵柄が変化する面白
いものとなる。
【0094】更に、本発明の方法によれば、衣服の布地
に凹凸を形成するとともに、衣服の布地の表面に変化を
持たせることができる。すなわち、ポリウレタンのよう
な異素材を布地の表面に貼付けたことにより、皮風な風
合と、それがまた凹凸を広げて部分的に破断することに
より、その切れ目により面白い表現ができる。
【0095】また、本発明の方法によれば、熱可塑性繊
維を含む布地と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶性糸
を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせた布地
を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させ、その後前
記水溶性糸を溶解除去する工程において、前記縫合わせ
のためのステッチを掛けた後に、縫合わせた布地を前記
ステッチを中心としてタック状に摘んだ状態となるよう
に前記ステッチに平行に水溶性糸を用いてステッチを掛
けることにより、リブ編風のくっきりした筋状の凹凸や
縄編風などの太い大きな凹凸を布地に形成したり、厚地
の布地にもくっきりとした凹凸を形成することができ
る。また、このようなくっきりとした凹凸を布地に形成
した衣服を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の衣服の製造工程の概
略を説明する平面図である。
【図2】衣服の布地と熱収縮性布地とを水溶性糸により
縫合わせた状態と衣服の布地に凹凸を形成した状態を説
明するために、図1よりも拡大して描いた模式的図面で
ある。(a)は直線状に並列して複数本のステッチを縦
方向に掛けた場合の平面図、(b)は図2(a)のB−
B線に沿った断面図である。(c)は凹凸を形成した布
地の平面図、(d)は図2(c)のD−D線に沿った断
面図、(e)は図2(c)のE−E線に沿った断面図で
ある。
【図3】図2と同様の模式的図面であり、(a)は曲線
を描いて並列して複数本のステッチを横方向に掛けたも
のの平面図、(b)はこれを熱収縮させ凹凸を形成した
布地の平面図である。
【図4】(a)および(b)は本発明の方法における別
のステッチの掛け方を示す斜視図である。
【図5】本発明の方法におけるステッチの掛け方の一実
施例を説明するための図であり、(a)は平面図、
(b)は図5(a)のB−B線に沿った断面図である。
【図6】本発明の方法における別の実施例を示し、
(a)は熱処理前の平面図、(b)は断面図、(c)は
熱処理後の衣服の布地の平面図である。
【図7】本発明の方法の更に別の実施例を説明するため
の図であり、図7(a)は熱処理前の平面図、図7
(b)は熱処理後の衣服の布地の平面図である。
【図8】本発明の方法の別の実施例を説明するための図
であり、(a)〜(c)は断面図である。
【図9】本発明の方法における別の実施例を説明するた
めの図であり、図9(a)は出来上がった衣服の平面
図、図9(b)は前身頃に使用する布の断面図である。
【図10】(a)は縫製した衣服の平面図、(b)は縫
い方を示す拡大斜視図、(c)はリブ編風模様を模式的
に描いた平面図であり、(d)はリブ編風模様を模式的
に描いた断面図である。
【図11】本発明の別の実施例を示し、(a)は出来上
がった衣服を示す平面図であり、(b)は(a)に示し
た身頃部を形成するための模様図である。
【図12】図11に示す衣服の格子部分の縫い方を説明
するために拡大して示した図であり、(a)は平面図、
(b)は縫い方を示す断面方向の図である。
【図13】本発明の更に別の実施例を示すものであり、
(a)は本発明により製造した衣服の平面図であり、
(b)は(a)に示した身頃部を形成するための模様図
である。
【図14】(a)および(b)は、図13(a)に示し
たような縄編模様を形成するためのステッチの掛け方を
説明するための平面図である。(c)は縫い方を示す断
面方向の図である。
【図15】本発明における別の実施例であり、(a)は
縫い方を示す断面図、(b)は平面図、(c)はは模様
部分の断面図、(d)は模様部分の拡大平面図である。
【図16】本発明における別の実施例を示すものであ
り、(a)は出来上がったスカートを示す平面図であ
り、(b)はテビロン布に移す模様を示し、(c)は縫
い方を示す断面方向の図である。
【図17】本発明の別の実施例を示し、(a)は出来上
がった製品の平面図であり、(b)はステッチを示す平
面図、(c)は縫い方を示す断面方向の図、(d)は模
様を模式的に描いた断面図である。
【符号の説明】
1 衣服の布地 1a 凸部 1b 凹部 1c ギャザー 2 熱収縮性布地 3 水溶性糸 4 綿状シート 5 シート状物 11 前身頃 12 後身頃 31〜37、61〜67、71〜76、81〜88 ス
テッチ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月13日(1999.10.
13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、熱
可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツに裁断し、該パー
ツを縫製して衣服の形状とし、該衣服と熱収縮性布地と
を重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合
わせ、該縫合わせた布地を加熱板により乾熱・非接触状
態で加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させて衣服の
布地に凹凸を形成し、その後前記水溶性糸を溶解除去し
て前記衣服の布地と前記熱収縮性布地とを分離すること
を特徴とする衣服の布地に凹凸を形成する方法により前
記第1の目的を達成した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】請求項2の発明では、熱可塑性繊維を含む
布地を衣服のパーツに裁断し、該パーツを縫製して衣服
の形状とし、該衣服の上に部分的に熱収縮性布地を置
き、水溶性糸を用いてステッチを掛けて前記熱収縮性布
地を衣服の布地に縫合わせ、該縫合わせた布地を加熱板
により乾熱・非接触状態で加熱処理して前記熱収縮性布
地を収縮させて衣服の布地に凹凸およびギャザーを形成
し、その後前記水溶性糸を溶解除去して前記衣服の布地
と前記熱収縮性布地とを分離することを特徴とする衣服
の布地に凹凸を形成する方法により前記第1の目的を達
成した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】また、請求項3の発明では、熱可塑性繊維
を含む布地を衣服のパーツに裁断し、該パーツを縫製し
て衣服の形状とし、該衣服と熱収縮性布地とを重ね合わ
せて水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫
合わせた布地を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮さ
せて衣服の布地に凹凸を形成し、その後、前記水溶性糸
を溶解除去して前記衣服の布地と前記熱収縮性布地とを
分離するとともに、前記水溶性糸を溶解除去する前また
は溶解除去した後に、前記衣服の布地に昇華転写捺染を
施すことにより前記第1および第2の目的を達成した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】請求項4の発明では、熱可塑性繊維を含む
布地を衣服のパーツに裁断し、該パーツを縫製して衣服
の形状とし、該衣服と熱収縮性布地とを重ね合わせて水
溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせ
た布地を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させて衣
服の布地に凹凸を形成し、その後前記水溶性糸を溶解除
去して前記衣服の布地と前記熱収縮性布地とを分離し、
その後、前記衣服の布地に凹凸を形成し、水溶性糸を溶
解除去した後に、前記衣服の布地にシート状物を貼着す
ることにより前記前記第1および第2の目的を達成し
た。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月18日(2000.2.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 衣服の布地に凹凸を形成する方法
【特許請求の範囲】
【請求項】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツ
に裁断し、該パーツを縫製して衣服の形状とし、該衣服
と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステ
ッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせた布地を加熱処理し
て前記熱収縮性布地を収縮させて衣服の布地に凹凸を形
成し、その後前記水溶性糸を溶解除去して前記衣服の布
地と前記熱収縮性布地とを分離し、その後、前記衣服の
布地にシート状物を貼着し、前記衣服の布地と共にシー
ト状物を引き伸ばして前記シート状物を破断することを
特徴とする衣服の布地に凹凸を形成する方法。
【請求項】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツ
に裁断した後、該布地と熱収縮性布地とを重ね合わせて
水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫合わ
せた布地を前記ステッチを中心としてタック状に摘んだ
状態となるように前記ステッチに平行に水溶性糸を用い
てステッチを掛け、該ステッチを掛けた布地を加熱処理
して前記熱収縮性布地を収縮させて前記衣服の布地に凹
凸を形成し、その後前記水溶性糸を溶解除去して前記衣
服の布地と前記熱収縮性布地とを分離することを特徴と
する衣服の布地に凹凸を形成する方法。
【請求項】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツ
に裁断し、該パーツを縫製して衣服の形状とし、該衣服
と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステ
ッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせた布地を前記ステッ
チを中心としてタック状に摘んだ状態となるように前記
ステッチに平行に水溶性糸を用いてステッチを掛け、該
ステッチを掛けた布地を加熱処理して前記熱収縮性布地
を収縮させて衣服の布地に凹凸を形成し、その後前記水
溶性糸を溶解除去して前記衣服の布地と前記熱収縮性布
地とを分離することを特徴とする衣服の布地に凹凸を形
成する方法。
【請求項】 衣服に使用する布地が熱可塑性繊維を含
む布地であり、該熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮性布
地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて
縫合わせ、該縫合わせた布地を前記ステッチを中心とし
てタック状に摘んだ状態となるように前記ステッチに平
行に水溶性糸を用いてステッチを掛け、該縫合わせた布
地を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させて前記熱
可塑性繊維を含む布地に凹凸を形成し、その後前記水溶
性糸を溶解除去して前記熱可塑性繊維を含む布地と前記
熱収縮性布地とを分離することを特徴とする衣服の布地
に凹凸を形成する方法。
【請求項】 前記縫合わせた布地をタック状に摘む際
の摘み幅が約1mm〜20mmであることを特徴とする請求
ないし請求項の何れか1項に記載の衣服の布地に
凹凸を形成する方法。
【請求項】 前記縫合わせた布地をタック状に摘む際
に、表裏交互に摘むことを特徴とする請求項ないし請
求項の何れか1項に記載の衣服の布地に凹凸を形成す
る方法。
【請求項】 前記縫合わせた布地をタック状に摘む際
に、中心となるステッチを3本1組とし、各ステッチの
間隔が約10mm〜20mmであり、真中のステッチを熱可
塑性繊維を含む布地側に大きな摘み幅で摘み上げて水溶
性糸でステッチを掛け、両側のステッチを熱収縮性布地
側に小さな摘み幅で摘み上げて水溶性糸でステッチを掛
けて、その後に加熱処理および水溶性糸を溶解除去処理
して、前記熱可塑性繊維を含む布地に前記3本1組の中
心のステッチと前記摘み上げて掛けたステッチとの跡と
して大きな凸部を形成することを特徴とする請求項
いし請求項の何れか1項に記載の衣服の布地に凹凸を
形成する方法。
【請求項】 熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮性布地
とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫
合わせた後、該ステッチとステッチの間において前記熱
収縮性布地を切断し、その後に前記縫合わせた布地を加
熱処理することを特徴とする請求項ないし請求項
何れか1項に記載の衣服の布地に凹凸を形成する方法。
【請求項10】 熱可塑性繊維を含む表生地と熱可塑性
繊維を含む裏生地との間に中綿を入れて、非水溶性の糸
を用いてキルティングステッチを掛けて衣服に使用する
布地とし、該布地と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶
性糸を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせは
2〜3本の狭い間隔で平行したステッチを1組とし、隣
接する別の組のステッチとの間が前記狭い間隔の約3倍
よりも広い間隔を開けて、多数組のステッチにより行
い、前記縫合わせた布地を加熱処理して前記熱収縮性布
地を収縮させて前記キルティングステッチを掛けた布地
に凹凸を形成し、その後前記水溶性糸を溶解除去して前
記キルティングステッチを掛けた布地と前記熱収縮性布
地とを分離することを特徴とする衣服の布地に凹凸を形
成する方法。
【請求項11】 熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮性布
地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて
縫合わせ、該縫合わせた布地を前記ステッチを中心とし
てタック状に摘んだ状態となるように前記ステッチに平
行に水溶性糸を用いてステッチを掛け、該縫合わせた布
地を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させて前記熱
可塑性繊維を含む布地に凹凸を形成し、その後前記水溶
性糸を溶解除去して前記熱可塑性繊維を含む布地と前記
熱収縮性布地とを分離することを特徴とする布地に凹凸
を形成する方法。
【請求項12】 前記縫合わせた布地をタック状に摘む
際の摘み幅が約1mm〜20mmであることを特徴とする請
求項11に記載の布地に凹凸を形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衣服の布地に凹凸を
形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、衣服の生地に凹凸を形成する技法
の1つとして、「鹿の子絞」のように糸を巻上げて布を
絞る伝統的な絞り技法が知られている。また、衣服の生
地に凹凸を形成する別の技法のとして、プリーツ加工が
知られている。
【0003】プリーツ加工は通常、衣服を製作する以前
の布地にプリーツ加工を施し、その後プリーツ加工を施
した生地を裁断して衣服に仕立てる。しかし、プリーツ
加工をした生地を衣服に仕立てる場合は、折目を押さえ
つつ縫製しなければならず、縫製がし難く、また折重な
った布地の箇所を縫製するためミシンによる縫製が困難
であるなどという問題があった。
【0004】このような点を解決するために、布地を衣
服の形状に仕立てた後にプリーツ加工を施すことがすで
に提案されている(例えば、特公昭56−9561号公
報、特公平4−23026号公報)。
【0005】しかしながら、従来のプリーツ加工は機械
により強制的に折目を形成するものであるため、そのプ
リーツの形状は規則正しい直線状態のものであり、また
規則的な折目しか形成できずデザイン上変化が乏しいも
のであった。
【0006】このためプリーツに変化を付けようとし
て、例えば、特許第2504931号公報には、衣服ま
たは半製品状態の衣服を軟質シートに巻き、これを捩
り、紐で縛ってから熱処理装置に入れてプリーツを形成
することが提案されている。しかし、このプリーツでは
従来のような完全な直線状のものではないが、捩って形
成したしわであるため、斜め状態のしわが形成されるだ
けであり、変化に乏しいものである。また、衣服の任意
の箇所にプリーツを施すことができず、変化に乏しいも
のである。
【0007】また、従来のプリーツ加工とは異なって、
熱収縮性の水溶性糸を用いてヒダやしわを形成すること
が提案されている。特開平8−218213号公報およ
び特開平9−87963号公報には、熱可塑性素材から
なる衣服の所望部分に熱収縮性を有する水溶性糸を使用
して仮縫いし、加熱処理を施して前記熱収縮性の水溶性
糸を収縮させてヒダを形成し、その後温水により熱収縮
性の水溶性糸を溶解除去して衣服の所望部分にヒダを形
成することが開示されている。
【0008】また、特開平9−31839号公報には、
収縮性を有する水溶性糸と非収縮性の糸とを交織し、収
縮性水溶性糸を収縮させ、その後前記水溶性糸を溶解除
去して布にしわを形成することが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の絞り技法により
布地に凹凸を形成する場合は、衣服の任意の箇所に凹凸
を形成することができ、その模様も任意のものとするこ
とができるという利点はある。しかしながら、凸部を形
成しようとする箇所の1つ1つに糸を巻き付けなければ
ならず、非常に手間暇がかかり、出来上がった衣服が極
めて高価なものとなってしまうという問題がある。
【0010】一方、従来のプリーツ加工のように、機械
的に折目を施すプリーツ加工では折目が直線的であり、
デザイン的に変化が乏しいという問題がある。また、
折目と直交する方向に伸び縮みするだけであり、折目
の方向には伸び縮みしない。そのため、例えば衣服全体
にプリーツを施したものであっても、その伸び縮みする
方向はヒダと交叉する方向だけであり、ニット製品のよ
うに縦横伸び縮みし、どのような体型の人にでも合うと
いうものではない。
【0011】また、特開平8−218213号公報や特
開平9−87963号公報に開示されているような収縮
性を有し、且つ水溶性の糸を衣服の所定部分にステッチ
を掛けて、その箇所にしわを設けたとしても、糸で収縮
させるだけであるため、縮めようとする生地の力により
十分に収縮させることができず、しわも僅かなものしか
付けられない。また厚みの厚い生地には、このような方
法ではしわを施すことは困難で、極めて小さな低い凹凸
のしわしか形成することができない。
【0012】また、このような方法ではデザイン的にも
しわというような小さな凹凸しか形成できず、変化に富
んだデザインとすることはできない。
【0013】また、特開平9−31839号公報に開示
のように、収縮性を有する水溶性糸を交織したもので
は、そのような生地を使わなければならないという制約
があり、しかも交織であるため縦横の直線状にしか、収
縮性を有する糸を織り込むことできない。従って、任
意の生地を使うことができず、しかも収縮させる場所も
任意ではないため、デザインに変化をつけることはでき
ないという問題がある。
【0014】
【発明の目的】本発明の目的は、衣服の全体または衣服
の任意の箇所に凹凸を形成することであり、デザイン上
の制約を受けずに衣服の布地に凹凸を形成する方法を提
供することである。また、本発明は衣服全体または所望
の領域に凹凸を形成することにより、ニット製品と同様
に縦および横方向に伸縮可能な凹凸を設けた衣服を製造
する方法を提供することである。
【0015】本発明の別の目的は、衣服の布地に凹凸を
形成するとともに、更に衣服の布地の表面に変化を持た
せる方法を提供することである。
【0016】本発明の更に別の目的は、リブ編風のくっ
きりした筋状の凹凸や縄編風などの太い大きな凹凸を布
地に形成したり、厚地の布地にもくっきりとした凹凸を
形成することが可能な方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、熱
可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツに裁断し、該パー
ツを縫製して衣服の形状とし、該衣服と熱収縮性布地と
を重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合
わせ、該ステッチとステッチの間の広い中間箇所におい
て前記熱収縮性布地を切断し、その後、前記縫合わせた
布地を加熱板により乾熱・非接触状態で加熱処理して前
記熱収縮性布地を収縮させて衣服の布地に凹凸を形成
るとともに前記広い中間箇所にギャザーを形成し、その
後前記水溶性糸を溶解除去して前記衣服の布地と前記熱
収縮性布地とを分離することを特徴とする衣服の布地に
凹凸を形成する方法により前記第1および第2の目的を
達成した。
【0018】請求項2の発明では、熱可塑性繊維を含む
布地を衣服のパーツに裁断し、該パーツを縫製して衣服
の形状とし、該衣服と熱収縮性布地とを重ね合わせて水
溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせ
た布地を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させて衣
服の布地に凹凸を形成し、その後前記水溶性糸を溶解除
去して前記衣服の布地と前記熱収縮性布地とを分離し、
その後、前記衣服の布地にシート状物を貼着し、前記衣
服の布地と共にシート状物を引き伸ばして前記シート状
物を破断することを特徴とする衣服の布地に凹凸を形成
する方法により前記第1および第2の目的を達成した。
【0019】
【0020】
【0021】請求項ないし請求項および請求項11
の発明では、熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮性布地と
を重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合
わせ、該縫合わせた布地を加熱処理して前記熱収縮性布
地を収縮させ、その後前記水溶性糸を溶解除去する工程
において、前記縫合わせのためのステッチを掛けた後
に、縫合わせた布地を前記ステッチを中心としてタック
状に摘んだ状態となるように前記ステッチに平行に水溶
性糸を用いてステッチを掛けることを共通の特徴とする
ものである。このような特徴的な方法とすることによ
り、前記第1および第3の目的を達成した。
【0022】請求項または請求項12の発明は請求項
ないし請求項または請求項11の方法において、縫
合わせた布地をタック状に摘む際の摘み幅を約1mm〜2
0mmとすることにより前記第1および第3の目的を達成
した。
【0023】請求項7たは請求項13の発明は請求項
ないし請求項または請求項11、請求項12の方法
において、縫合わせた布地をタック状に摘む際に、表裏
交互に摘むことによりリブ編風のくっきりした筋状の凹
凸を形成し、前記第1および第3の目的を達成した。
【0024】請求項の発明は請求項ないし請求項6
方法において、縫合わせた布地をタック状に摘む際
に、中心となるステッチを3本1組とし、各ステッチの
間隔が約10mm〜20mmであり、真中のステッチを熱可
塑性繊維を含む布地側に大きな摘み幅で摘み上げて水溶
性糸でステッチを掛け、両側のステッチを熱収縮性布地
側に小さな摘み幅で摘み上げて水溶性糸でステッチを掛
けて、その後に加熱処理および水溶性糸を溶解除去処理
して、前記熱可塑性繊維を含む布地に前記3本1組の中
心のステッチと前記摘み上げて掛けたステッチとの跡と
して大きな凸部を形成し、前記第1および第3の目的を
達成した。
【0025】請求項の発明は請求項ないし請求項
の方法において、熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮性布
地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて
縫合わせた後、該ステッチとステッチの間において前記
熱収縮性布地を切断し、その後に前記縫合わせた布地を
加熱処理することを特徴とするものであり、切断された
熱収縮性布地の端部は、その対応箇所における熱可塑性
繊維を含む布地と関係なく、自由に収縮し、そのため前
記ステッチとステッチの間の熱可塑性繊維を含む布地に
はギャザーが形成される。このようにして前記第1、第
および第3の目的を達成した。
【0026】
【0027】
【実施例】以下、図面に基いて本発明を詳細に説明す
る。図1(a)〜(c)は本発明の衣服の製造工程の概
略を説明するための平面図である。まず、熱可塑性繊維
を含む布地を衣服のパーツに裁断し、このパーツを縫製
して、図1(a)に示すように、衣服の形状に仕立て
る。熱可塑性繊維としては熱セット可能なものであれば
特に限定されないが、ポリエステル繊維が好ましい。ま
た、熱セットの観点から、熱可塑性繊維を50%以上、
好ましくは70〜100%を含んだ布地を用いる。
【0028】また、各パーツを裁断する際には、本発明
の方法により製造される衣服は最終的には布地に凹凸が
でき、寸法的には約10%〜約65%縮んだ仕上り形状
となるので、それを見越して大き目な形状(約1.1〜
約2.8倍)に裁断し、縫製する。また、前記衣服の形
状としては、全部のパーツを縫製して完全な衣服の形状
としてもよいし、或は一部のパーツのみを縫製して衣服
の特定の部分(例えば、袖付きの衣服における身頃部
分)の形状としてもよい。なお、衣服の特定の部分の形
状とした場合は、以下に説明する本発明の方法を特定部
分に実施した後に、残りのパーツと縫合わせて衣服を完
成すればよい。
【0029】次に、布地1で作られた衣服と熱収縮性を
有する布地〔実施例では、テビロン(登録商標):帝人
株式会社製品、ポリ塩化ビニル製布地〕2とを重ね合わ
せ、ミシンにより水溶性の糸3を用いてステッチを掛け
て縫合わせる〔図1(b)参照〕。水溶性糸3として
は、例えば株式会社ニチビ製品のソルブロン(登録商
標)を用いればよい。
【0030】このステッチは任意の方向および形状でミ
シンを掛けることができ、所望のデザインとすることが
できる。例えば、図1(b)に示したものでは、衿部、
胸部およびウエスト部は縦方向に平行に複数本のステッ
チ31が、衿ぐり回りは衿ぐりに沿うような円弧を描く
形状のステッチ32が、両脇部にも円弧を描く形状のス
テッチ33が、胸部には横方向のステッチ34が、そし
て裾部には斜め方向のステッチ35がそれぞれ掛けら
れ、衣服の布地1の全体が熱収縮性布地2に縫合わされ
ている。隣接するステッチの間隔は任意であるが、図1
(b)に示すように、衣服の全体にステッチを施す場合
(衣服の布地1の厚み等によっても異なるが)、比較的
薄い生地では例えば、6〜10mm程度の間隔が出来上が
りの凹凸の観点から適当である。
【0031】このように衣服の布地1と熱収縮性布地2
とを縫合わせたものを乾燥状態で加熱処理して、熱収縮
性布地2を収縮させて、衣服の布地1に凹凸を形成す
る。
【0032】本発明の方法に使用する熱収縮性布地2と
しては、経または緯方向の少なくとも一方の熱収縮率が
20〜60%のもの、好ましくは30%以上の収縮率を
持つものを使用すればよい。経糸と緯糸の両方に熱収縮
性糸を使用した熱収縮性布地2が両方向に収縮するので
好ましいが、経糸または緯糸の一方のみに熱収縮性糸を
使用して、経または緯方向の一方のみが収縮するように
した布地であってもよい。また、経糸方向と緯糸方向の
熱収縮率が異なっていてもよい。熱収縮性糸としては、
例えば、ポリ塩化ビニル製繊維、ポリウレタン製繊維
(例えば、スパンデックス)を用いた糸が適している。
【0033】ニット製品のような伸縮性を持たせる場合
は、経および緯方向の収縮率が50%程度の熱収縮性布
地2を用いることが好ましい。熱収縮性布地2として、
例えば、50〜100デニールの「テビロン」フィラメ
ント糸を経糸と緯糸に使用して織ったテビロン布地(帝
人株式会社製品)を使用すればよい。
【0034】本発明における加熱温度は140℃から1
95℃のものであり、生地の厚みや縫い方によって異な
るが、加熱時間は約40秒から約6分程度である。なお
6分程度にする場合は、例えば2分ずつ3回繰り返すと
かにすればよい。同じ生地でも大きさによって異なった
り、また縫い方によって異なったりする。また厚みがあ
る生地の場合やタック状に摘んでステッチを掛けた結果
として厚みが出る場合も必要な加熱時間が異なったりす
るので、予め試作して加熱時間や温度を適宜調整する。
【0035】例えば、比較的薄い生地に、図1(b)に
示すようにステッチを掛けた場合は、190〜195℃
程度に加熱した加熱板により、乾熱・非接触状態で約4
5〜60秒程度加熱すると、熱収縮性布地2が縦方向お
よび横方向とも収縮する。
【0036】衣服となる布地1が比較的薄い生地であ
り、50%近く収縮するテビロン布地を使用した場合
は、加熱処理後は縦および横とも元のサイズの約半分程
度の大きさとなった。熱収縮性布地2が収縮して小さな
サイズになっても、衣服の布地1は元のサイズのままで
あるので、余った分が縫合わされていない箇所で浮上が
り、凸部となり、ステッチ31、32、33、34、3
の箇所が凹部となる。
【0037】その後、縫合わされた布地1、2を70〜
90℃の湯に浸けて水溶性糸3を溶解除去して、衣服の
布地1と熱収縮性布地2との結合を解消し、熱収縮性布
地2を衣服の布地1から剥がす。このようにすると、縦
横に伸びることのできる凹凸が形成された図1(c)に
示すような衣服が得られる。
【0038】図1(c)に示すように、首回りや両脇部
の円弧を描いてステッチ32、33を掛けたところは、
円弧を描いたような形状で凹凸が形成されており、胸部
や胴部の直線状にステッチ31、34、35を掛けたと
ころは、直線状に凹凸が並んだ状態となる。これは熱収
縮性布地2が縦方向および横方向ともに収縮するためで
ある。
【0039】図2は衣服の布地1と熱収縮性布地2とを
水溶性糸3により縫合わせた状態と、その布地1に凹凸
を形成した状態とを説明するために、図1よりも拡大し
て描いた模式的図面である。図2(a)は直線状に並列
して複数本のステッチを縦方向に掛けた場合の平面図、
図2(b)は図2(a)のB−B線に沿った断面図であ
り、布地1、2の厚みは実際よりも厚く描いている。図
2(c)は凹凸を形成した布地1の平面図、図2(d)
は図2(c)のD−D線に沿った断面図、図2(e)は
図2(c)のE−E線に沿った断面図である。図2
(c)〜(e)に示すように布地1には凸部1aと凹部
1bが直線状に並んだような状態の凹凸ができる。この
凸部1aおよび凹部1bは図2(c)〜(e)では大き
さが規則的のように見えるが、図2は模式的に表したも
のであり、実際にはきちんと規則正しいものではない。
具体的には、ステッチ3で固定された部分は熱収縮性布
地2とともに縮められるがステッチ3で制限されている
ので細かなヒダとなって、全体として直線状に連続した
凹部1bとなる。一方、隣接するステッチ3の間は固定
されていないので大きく浮上がり、断続的な凸部1aと
なって出現する。この凸部1aは断続的であるので、連
続的なヒダであるプリーツと言うよりは、巻上げ絞り風
の凸部である。
【0040】図3は図2と同様の模式的図面であり、図
3(a)は前記図1(b)における、縦方向の直線状の
ステッチの間に、首回りのように曲線を描いて並列して
複数本のステッチを横方向に掛けた場合の平面図、図3
(b)はこれを熱収縮させ凹凸を形成した布地1の平面
図である。図3(b)示すように、曲線状にステッチを
掛けた箇所は曲線状の連続した凹部1bとなり、凹部と
凹部の間に凸部1aが断続的に出現し、凸部1aは曲線
状に配置される。
【0041】図4は、前述した方法とは別のステッチの
掛け方を示す斜視図である。衣服の布地1および熱収縮
性布地2を重ね合わせ、この状態で表裏交互にピンタッ
クのようにタック状に摘んで水溶性糸3でミシンを掛
け、ニット風(リブ編風)の凹凸を形成する。なお、本
発明においてタック状に摘む際の摘み幅は、通常のピン
タックのように1〜1.5mmに限定されず、約1〜20
mm程度の間で形成すべき凹凸の大小により適宜選定す
る。
【0042】この実施例では、まず図4(a)に示すよ
うに、重ね合わせた布地1、2がずれないように水溶性
糸3でステッチ36を掛ける。次に、図4(b)に示す
ように、このステッチ36を中心にして例えば表側(熱
収縮性布地2と反対側)にタック状に布地1、2を摘み
上げ(すなわち、ステッチ36を頂点としてステッチ3
6に平行に摘み上げ)ピンタックのようにステッチ37
(以下、このように摘んだ箇所の根元に掛けるステッチ
を本明細書ではタックステッチと称する)を水溶性糸3
によりミシンで掛ける。次に、隣接するステッチ36を
中心にして裏側(熱収縮性布地2の側)に摘み上げピン
タックのように水溶性糸3でタックステッチ37を掛け
る。このようなことを表裏交互に行い、その後、加熱処
理して熱収縮性布地2を収縮させ、そして水溶性糸3を
溶解除去すると、ニット風の衣服が得られる。
【0043】図1に示したものでは、衣服の全面にほぼ
均等にステッチを掛けていたが、全面または均等ではな
く、部分的にステッチを掛けたり、ステッチの間隔を変
化させたりしてもよい。
【0044】また、狭い間隔でステッチを掛けた部分と
隣接する狭い間隔でステッチを掛けた部分との間に広い
距離を開けるようにしてもよい。そして、熱収縮性布地
2を収縮させる際に、中間の広い距離の部分における衣
服の布地1が縮まないように、予めそのステッチの掛か
る部分だけにその部分の形状に対応した形状の熱収縮性
布地2の生地を置くか、或いは大きな熱収縮性布地2の
生地を置き狭いステッチを掛けた後、ステッチとステッ
チとの間の広い中間箇所で熱収縮性布地2をカットす
る。そしてこれを加熱し、熱収縮性布地2を熱収縮させ
る。このようにするとステッチの掛かった部分の衣服の
布地1だけが熱収縮性布地2とともに縮むが、他の部分
は縮まない。このため、縮んで凹凸の形成された部分と
ギャザー状の部分とを形成することができる。
【0045】例えば、図5は上述した方法の一実施例を
説明するための図であり、図5(a)は平面図、(b)
は図5(a)のB−B線に沿った断面図、(c)は熱処
理後の衣服の布地の平面図である。図5(a)に示すよ
うに、狭い間隔で平行した数本(図5(a)では2本で
ある)のステッチを1組として水溶性糸3で曲線状に掛
けて衣服の布地1と熱収縮性布地2とを縫い合わせる。
図5(a)に示す実施例では1箇所では2組のステッチ
が互いに絡み合った曲線状模様が描かれており、隣接す
る箇所の曲線状模様とは間が開いている。そして、図5
(a)および(b)に示すように、隣接したステッチの
間の熱収縮性布地2のみを箇所21(図5(a)では二
点鎖線で示した)で切断する。この状態で熱処理し、水
溶性糸3を溶解させ、布地1を布地2と分離すれば、
5(c)に示すように衣服の布地1には曲線状に浮上が
った凹凸が形成され、模様となる。この実施例の凹凸は
狭い間隔の2本のステッチにより形成され、地の部分か
ら浮上がり、ピンタック風の凸状となる。なお、熱収縮
性布地2を箇所21で切断する代わりに、絡み合った曲
線状模様の幅よりもやや広い幅を有するテープ状の熱収
縮性布地を用意し、このテープ状熱収縮性布地を衣服の
布地1に水溶性糸3で縫い付けてもよい。
【0046】図6では別の方法を示し、(a)は熱処理
前の平面図、(b)は断面図、(c)は熱処理後の衣服
の布地の平面図である。図6(b)に示すように、重ね
た2枚の衣服の布地1の上に厚みのある綿状シート4を
置き、その上に熱収縮性布地2を載せる。そして、例え
ば、図6(a)に示すように水溶性糸3により斜格子状
のステッチを掛ける。その後、熱処理し、水溶性糸3を
溶解させ、布地1を布地2と分離すると、図6(c)に
示すように、菱形の紋様が凸部1aとなって浮上がり、
ステッチの箇所が凹部1bとなった状態の衣服の布地1
が得られる。この方法では布地1と布地2との間に綿状
シート4を挟んでステッチを掛けているので、熱収縮性
布地2を加熱処理により熱収縮させた際に衣服の布地1
はステッチで固定されていない部分は綿状シート4によ
り膨らみを保った状態となり、細かな凹凸はほとんど形
成されない。
【0047】図7は別の方法を説明するためのものであ
り、図7(a)は熱処理前の平面図、図7(b)は熱処
理後の衣服の布地の平面図である。この方法では、衣服
全面に熱収縮性布地2を置いてステッチを掛けるのでは
なく、例えば、図7(a)に示すように衣服の布地1の
上に部分的に複数枚の熱収縮性布地2を置く。この場
合、各熱収縮性布地2は図7(a)に示すように衣服の
布地1よりも小さな面積のものであり、熱収縮性布地2
と熱収縮性布地2とは互いに間隔を開けて置く。その
収縮性布地2の箇所のみに水溶性糸3によりステッチを
掛ける。そして加熱処理して熱収縮性布地2を収縮さ
せ、その後、70〜90℃の湯で洗って水溶性糸3を取
り除く。このようにして出来上った布地1においては、
図7(b)に示すように、熱収縮性布地2の置かれてい
た部分は細かな凹凸1a、1bができ、熱収縮性布地2
のなかった部分もつられてしわができた状態で加熱セッ
トされるため、ギャザー1cがついた状態で熱セットさ
れている。この実施例によれば、1着の衣服において、
布地の切替え・縫合わせを行うことなく、細かな絞り風
の凹凸1a、1bとギャザー1cとの2種類の表情を現
すことができる。しかも、熱収縮性布地2の大きさ、配
置およびステッチの掛け方等を任意に変化できるので、
デザイン的に非常に変化に富ませることができる。
【0048】前述した方法を更に発展させた方法とし
て、衣服の布地1に凹凸を形成した後で、水溶性糸3を
溶解除去する前または溶解除去した後に、衣服の布地1
に昇華転写捺染を施すことができる。すなわち、凹凸を
つけた布地1の上に昇華性染料が塗布されている熱転写
シートを置き、約180℃で30秒熱転写を行うとプリ
ントが行える。
【0049】また、図8により更に別に発展させた方法
を説明する。図8(a)〜(c)は断面図である。まず
前述した図1ないし図7に関連して説明したような方法
の1つにより、衣服の布地1に凹凸を形成し、水溶性糸
を溶解除去する。その後に、図8(a)に示すように、
衣服の布地1にシート状物5を貼着する。このシート状
物5は片面にホットメルト接着剤層51を有する薄いシ
ートであり、加熱により布地1に接着できる。その後、
図8(b)に示すように、凹凸を有する布地1を薄いシ
ート状物5と共に引き伸ばすと、薄いシート状物5が所
々で破断される。引き伸ばしを止めれば、布地1は再び
凹凸を形成して縮み図8(c)のような状態となる。こ
のような衣服は着用時にシート状物5の隙間が開き、面
白い効果が得られる。
【0050】この方法に使用するシート状物5は張力が
掛かった際に比較的容易に破断できるものであればよ
く、合成皮革の表面などに使用する薄いポリウレタンシ
ートなどが布地に対して変化を与えるという観点で好ま
しい。このようなシートとしては、例えば、小松精練株
式会社の合成皮革「DIMA」(登録商標)の表面に使
われるポリウレタンシートなどがある。このようなもの
は布地の上に合成皮革の表面の皮膜が付着したことにな
るので、変った風合の表面となり、凹凸と相俟って極め
て新鮮なデザインの衣服が得られる。また、接着付きポ
リウレタンシートの離型紙に凹凸模様(例えば、蛇皮模
様)のあるものを使用すると、ポリウレタンシートにも
その模様が現れ、従って、衣服の表面に離型紙の凹凸模
様が現れるので面白い。離型紙の模様を変化させること
により、最終製品である衣服の表面の模様も種々変える
ことができる。更に、衣服の布地の上にポリウレタンシ
ートが付着しているので、高撥水性および保温性が得ら
れる。
【0051】図9は本発明の方法の更に別の具体的な実
施例を説明するためのものである。図9(a)は出来上
がった状態の衣服である。図9(a)に示すように、こ
の衣服においては前身頃の胸元に菱形の模様があり、そ
の他、符号Aで示す胸の部分は細いリブ編風の縦筋がつ
いており、裾の近くのBの部分は太い間隔のリブ編風の
縦筋となっており、裾の部分は襞となっている。また、
袖の部分は胸部Aの部分と同じような細幅のリブ編風の
凹凸が形成されている。
【0052】この衣服を製作するに当たっては、予め前
身頃となる布地1に模様となる布6を貼付けて固着して
おく。布6は好ましくは、その片面に接着剤が付着して
いるもの、例えば、接着芯のようなものが好ましく、身
頃の布地1に模様を形成するように熱により固着する。
また、確実に止めるために、その模様布6の周縁部をミ
シンにより固定しておくことが好ましい。模様布6も熱
可塑性の繊維(例えば、ポリエステルなど)からなる布
地とする。
【0053】リブ編風の凹凸を形成するためには次のよ
うに行う。先ず、図10(a)に示すように、前身頃1
1、後身頃12および袖の布地1を縫製し、衣服形状と
し、後身頃12側にテビロンが接するようにして、テビ
ロンと重合わる。この状態で図10(a)に示すように
所定間隔で水溶性糸3でステッチを掛ける。この場合、
Aの部分に相当する箇所には10mm間隔でステッチを掛
け、Bの部分に相当する箇所には20mm間隔でステッチ
を掛ける。
【0054】次に、図10(b)に示すように先程掛け
たステッチ36の箇所を中心としてタック状に摘まんで
水溶性糸3でタックステッチ37を掛ける。この場合、
Aの部分に相当する部分のステッチ36とタックステッ
チ37との間隔、すなわち摘み幅Sは1mmであり、Bの
部分は摘み幅を5mmとする。この場合、図10(b)に
示すように、ステッチ36は1本おきにテビロンの側に
摘み上げてタックステッチ37を掛け、裏返して1つお
きに表側(前身頃11の側)の方に摘み上げてタックス
テッチ37を掛ける。このようにタックステッチ37を
掛けた後では重ねた布地1、2は図10(b)に示すよ
うなジグザグ状態となる。この状態で140℃で70秒
加熱して熱セットし、テビロンを収縮させる。そして次
にステッチ36およびタックステッチ37に使用した水
溶性の糸(ソルブロン)を溶解させ、衣服の前身頃側布
地11、後身頃布地12からテビロンを剥し、図9
(a)に示した衣服を得た。
【0055】前述した実施例では、予め袖まで付けた状
態でステッチ36および37を掛けているが、身頃と袖
とを別に処理して後で袖を付けるようにしてもよい。な
お、この実施例では端(ステッチ36の箇所で折るので
その箇所が端となる)から1mm離れたところにタックス
テッチを掛けたが、端から約1〜3mmの箇所に掛けるス
テッチのことを通常コバステッチと言うので、後の実施
例で「コバステッチを掛ける」と表現した場合は、その
摘み幅が約1〜3mmの範囲でタックステッチを掛けるこ
とを言う。
【0056】図10(c)はリブ編風模様を模式的に描
いた平面図であり、図10(d)はリブ編風模様を模式
的に描いた断面図である。リブ編風の模様は、前身頃1
1の側から見ると、図10(c)に示すように細幅の筋
状の凹凸が細かく盛上がった部分1と凹んだ部分1
e、1dとが交互してリブ編風となっている。図10
(d)に示すように、テビロンと接触していない方の凸
部1が緩やかな凸部となっており、テビロンに接触し
て縫付けられていた側の凸部(前身頃側から見ると凹部
になる)1dは尖った形状となる。凸部1と1dの間
に中間の凹凸の部分1eがある。このようにタックによ
って形成した凹凸は、単に1本のステッチにより形成し
た凹凸と違ってくっきりとした凹凸が形成される。
【0057】このように衣服の布地1には筋状の凸部
または凹部1dが形成されており、図10(c)およ
び(d)では図示しなかったが、水溶性糸で形成された
ステッチ36およびタックステッチ37の跡として布地
1に針穴が穿たれている。すなわち、中心のステッチ3
6の跡として、筋状凸部1fの頂上部または筋状凹部
の底部にはその長手方向に延びる一連の針穴が穿たれ
ている。この針穴を中心としてその左右に中心針穴と平
行して長手方向に延びる一連の針穴がタックステッチ3
7の跡として穿たれている。この左右の針穴の箇所が前
記筋状凸部1fまたは筋状凹部1dの略根元部ないし中
間部1eに位置している。また、ステッチ36およびタ
ックステッチ37により熱収縮性布地としっかり固定さ
れた状態で加熱収縮されるので、ステッチ36およびタ
ックステッチ37により形成された前記筋状凸部1f
たは筋状凹部1dには細かなヒダまたは凹凸が形成され
る。
【0058】図9、図10に示した実施例では、出来上
がった衣服は、図10(d)に示すように、リブ編風の
凹凸を有しているが、このようなタックによって縦方向
に凹凸を形成すると、横方向に大きく縮む。テビロンの
収縮率に加えてタックによる影響も現れ、全体としては
横方向の収縮が縦方向の収縮よりも高くなる。このため
最初に裁断するに当たっては、横方向に大きく縮むた
め、横方向は出来上がり寸法の2.7〜2.8倍程度に
とる。また縦方向もテビロンの収縮とともに縮むため、
この実施例では出来上がり寸法の約1.4倍の大きさと
しておく。
【0059】タックを施すのに、先に縫った中心となる
ステッチ36のところを折り曲げて摘んで、その端のと
ころに沿って通常にミシンを掛けてタックを形成しても
よいが、万能飾り千鳥ミシンを使用してタックを形成す
ることもできる。この場合、万能飾りミシンは2本の針
で上糸のステッチを形成し、下糸が2本の間でジグザグ
(千鳥)に掛かって縫っていくものであるが、下糸の張
力を強くすることにより2本の間のステッチが寄せられ
タック状態となる。このような万能飾り千鳥ミシンを使
用することにより簡単にタックを形成することができ
る。この場合、2本のステッチの間に先に縫った中心と
なるステッチ36が位置するようにして万能飾り千鳥ミ
シンを掛ける。
【0060】図11は本発明の別の実施例を示すもので
あり、図11(a)は出来上がった衣服を示す平面図で
あり、前身頃の側に斜め格子状の太く浮上がった凸部1
Aと、その格子の内部に形成された低い凹凸部1Bを有
するものである。図11に示した衣服では、袖部、首部
および裾部は前述したようなリブ編風に形成されてい
る。このリブ編風のものは前述した実施例と同様に平行
して7〜10mmの間隔でステッチを掛けて、このステッ
チを中心として表裏にタック状に摘み上げてミシンを掛
けることにより形成できる。
【0061】図11(b)は図11(a)に示した身頃
部を形成するための模様図である。前身頃と後身頃を縫
合わせ、更にテビロン布地2を後身頃に重ね合わせ、図
11(b)に示すような模様をテビロンに書き写す。そ
してこの書き写した線に沿って水溶性糸3でミシンを掛
ける。図12は図11に示した格子部分の縫い方を説明
するために拡大して示した図であり、図12(a)は平
面図、図12(b)は縫い方を示す断面方向の図であ
る。
【0062】先ず、図12(a)に示すように、格子の
部分は3本の61、62、63および格子に囲まれた中
のステッチ67を水溶性糸でミシンで掛ける。そして図
12(b)に示すように、太い畝部1Aを表すために、
押えステッチ61、62、63を掛けた後、中心に掛け
たステッチ61を中心として前身頃11側(テビロンと
反対側の布)を摘み幅Sが10mmとなるように摘み、タ
ックステッチ64を水溶性糸で掛ける。また、ステッチ
62およびステッチ63の部分は裏側に摘み上げてコバ
ステッチ(ステッチ62、63から約1〜2mm離れて掛
ける)65、66を水溶性糸で掛ける。なお、ステッチ
61と62の間隔およびステッチ61と63の間隔は、
この実施例では15mmである。また、ダイヤ柄の部分は
8mmの幅でステッチ67が水溶性糸で掛けられる。リブ
の部分は8mm間隔でステッチを水溶性糸で掛け、表裏に
摘み上げながらコバステッチを水溶性糸で掛けて形成す
る。
【0063】このようにしてステッチを掛けた後、14
0〜160℃で2分間を2回で加熱処理し、布地11、
12を熱セットし、そしてステッチの水溶性糸(ソルブ
ロン)3を温水で溶解すると、図11に示したような身
頃が形成される。この場合、太い格子状の部分1Aがス
テッチ61〜66により形成され、大きな太い凸部が表
側に浮き出たものが形成される。ダイヤ柄の部分1Bは
小さな低い凹凸となっている。
【0064】図13(a)は本発明の更に別の実施例を
示すものである。図13(a)は本発明により製造した
衣服の平面図である。この図13(a)に示すように、
この衣服では前身頃に太い浮上がった縄編模様1C、1
Dが浮上がって形成されている。また、縄編模様1Cと
縄編模様1Dの間にも縦方向の太い浮上がった線1Eが
形成されている。首部、袖部、および裾部は前述したよ
うなリブ編風のものとなっている。
【0065】この縄編模様をポリエステル生地とテビロ
ン生地およびソルブロン(水溶性糸)を使用して製造す
る。予め、縄編模様の部分がどの程度収縮するかを調べ
たところ、縦方向には71.5%縮み、横方向には6
2.5%縮んだ。このため、衣服の布地を裁断するに際
しては、所望の出来上がり寸法よりも縦方向には約1.
4倍、横方向には約1.6倍の大きさにして裁断を行
う。
【0066】図14は前記図13(a)に示したような
縄編模様を形成するためのステッチの掛け方を説明する
ための平面図である。先ずテビロン2と衣服の布地1と
を重ね合わせ、テビロン2に図13(b)に示す図柄を
写し、この図柄に従って水溶性糸(ソルブロン)3で縫
合わせる。縄編部1C、1Dの詳細は図14(a)およ
び図14(b)にそれぞれ示している。実際に製作した
ものでは、図13(a)に示すような太い縄編部分で
3本のステッチとそれらのステッチを中心としたタ
ックステッチの組合わせで1本の縄の部分が形成され
る。この点は先に図12について説明した実施例と同様
である。すなわち、図14(a)において、真中のステ
ッチ61と外側のステッチ62または63との間は1.
5cmの間隔が開けられている。そしてこのステッチ6
1、62、63を掛けた後、真中のステッチ61は表側
(テビロンを当てた側と反対側)に摘み幅を7mmで摘ん
でタックステッチを水溶性糸で掛ける。また、ステッチ
62および63は裏側(テビロンの側)に摘み上げてコ
バステッチを水溶性糸で掛ける。また、縄編間に形成さ
れる菱形部分は最初に掛けた5mm幅のステッチ67のみ
としてタックステッチは施さない。
【0067】次に、脇の方の縄編部1Dと縦の太い畝
について図14(b)に基いて説明する。縄編部1D
の太い線は前述した図14(a)について説明したよう
に、ステッチ61、62、63と同様に行うが、真中の
ステッチ61は、そのステッチを掛けた後に表側から5
mm幅で摘み上げてタックステッチを掛ける。ステッチ6
2、63については裏側に摘み上げてコバステッチを掛
ける。
【0068】また、縦方向の太い畝1Eは次のようにし
て作る。ステッチ71、72、76を水溶性糸で掛け
る。そして、図14(c)に示すように、ステッチ71
および72は裏方向に摘み上げてコバステッチ73、7
4を水溶性糸で掛ける。斜め方向のステッチ76につい
てはタックをせずにそのままである。そして図14
(c)に示すように、両側の縦方向のステッチ71、7
2の部分を寄せて、表側の方に摘み上げて、タックステ
ッチ75を水溶性糸で掛けてタック状態とする。なお、
図14(c)では布地が1本の線で表しているが、これ
は摘み方を説明するためのものであり、この布地を表す
線はテビロン2および衣服の生地1が重合わされたもの
を示している。このようにステッチを掛けたものを前述
したように熱セットする。この場合、熱セットは140
℃から170℃の間の温度であり、約60〜70秒間セ
ットを行った。
【0069】なお、衣服の生地が比較的厚いものである
場合は、熱セットの時間を少し長くすることが好まし
い。次に、各ステッチに使用した水溶性糸3を溶解し、
テビロン2と衣服1とを剥がした。
【0070】このようにして出来上がった製品は図13
(a)に示すようなものであり、太い縄編畝が見え、ま
た縦方向の太い筋が見える。そしてこの太い縦方向の筋
は斜めに施したステッチの跡として表面に凹凸が形成さ
れた状態で盛り上がった太い畝となっている。袖部、首
部および裾部はリブ編風の凹凸となっているが、説明は
省略する。
【0071】図15は本発明における別の実施例であ
り、厚みを持たせるために中に綿を入れた場合の縫い方
の1つの実施例を示している。先ず、熱可塑性繊維を含
む表生地100と裏生地102の間に中綿101を入
れ、この状態で、非水溶性の糸を用いてキルティングス
テッチ81を掛ける。なお、中綿101は好ましくは熱
可塑性繊維からなり、例えばポリエステル綿とする。そ
して、この生地を衣服の形状に裁断し、図15(a)に
示すように、前身頃11と後身頃12とを裏生地102
同士が接するようにして重ね、後身頃12側にテビロン
2を重ねる。そしてこの重ね合わせた状態で、例えば図
15(b)に示すような形状で、縦長の亀甲模様を表す
ような形状のステッチを水溶性糸3で掛ける。このステ
ッチは各2本のステッチが組となったものであり、ステ
ッチ82、83が組となっており、亀甲の縦の部分では
ステッチ82、83が狭い間隔で平行に並んでステッチ
される。この狭い間隔は例えば2〜8mmであり、隣接す
る別の組のステッチ82、83との間は前記狭い間隔の
約3倍以上の広い間隔(図示した実施例では約5倍)を
開けて、多数組のステッチが掛けられる。そしてこの状
態で加熱し、テビロン2を収縮させ、その後、ステッチ
82、83を作るソルブロン糸3を溶解する。なお、キ
ルティングステッチ81は水溶性の糸ではなく、通常に
使われる糸を使用する。
【0072】このようにすると、図15(c)に断面を
示したように、表側に大きく膨らんだ状態の生地が得ら
れる。図15(d)は表側から見た平面図であり、2本
線で縫われた部分が凹み、その2本線で挟まれた部分が
大きな凸部1Fとなったトラック状の模様が形成されて
いる。これに対して裏面の方はテビロン2に接触してい
たため大きく膨らむことはなく、凹凸はあるが表側のよ
うに大きな凹凸はなく全体として平坦となっている。こ
のため前身頃11と後身頃12とを合せて縫った場合
は、前身頃11側と後身頃12側で表情が違う面白い衣
服となった。
【0073】なお、前身頃側も後身頃側も大きな凹凸を
形成したい場合は、前身頃11と後身頃12とを別々に
してテビロン2と重ね合わせて表布地100側が外に向
くように、裏地102側がテビロン2に接するようにし
て重ね合わせて前記のようにソルブロンからなる水溶性
糸3でステッチを掛けるとよい。このようにして大きな
盛り上がった凸部を形成した後、それぞれ前身頃と後身
頃として縫合わせれば、前身頃も後身頃も同じ模様とな
る。
【0074】なお、この場合、図15(b)に示したも
のは実際に作ってみた場合、収縮率は縦方向に75%縮
み、横方向に80%縮んだ。このため、この収縮率を考
慮して衣服の型紙は出来上がり寸法に対して縦方向には
約1.3倍、そして横方向には約1.25倍の大きさの
ものを用意すればよい。
【0075】図16は本発明における別の実施例を示す
ものであり、図16(a)は出来上がったスカートを示
す平面図である。このスカートはこの実施例の場合、衣
服の生地としてベルベットを使用した。図16(a)に
示すようにジグザグ型の畝1Gが見え、裾部分は襞とな
っているスカートである。
【0076】このものを製造するには、先ずスカートに
形成したベルベット生地とテビロン2とを重ね合わせ
る。テビロン布は後スカート12側へ置く。テビロン
に図16(b)に示す模様を写す。そして裾部分を
除いて図16(b)に示すようなステッチ84、86を
水溶性糸3で掛ける。そして横方向のステッチ86はそ
のままで、斜め方向のステッチ84のみをテビロン
に摘み幅を3mmで摘み上げてタックステッチ85で縫
う。この場合、直線のステッチ86とぶつかる部分は少
し手前で止めればよい。図16(c)はベルベットの摘
み方を示すものである。斜めのステッチ84の部分を示
すものでありテビロン2側に摘んだ状態を示している。
このように縫い上げた後、加熱温度160℃で2分間加
熱し、間隔をおいて再度2分間加熱した。その後、水溶
性糸3を溶かして、テビロン2を剥がした。
【0077】出来上がった製品は図16(a)に示すよ
うに横方向の線は見えず、境目が凹みジグザグ型が浮上
がって見えるものである。この場合、ベルベットは生地
が厚いので横方向に掛けたステッチの部分は、あまり収
縮した状態が分からず、タック状に摘み上げた部分が凹
んだ状態となるため、はっきりと模様が形成されてい
る。
【0078】図17は本発明の別の実施例を示すもので
ある。図17(a)は出来上がった製品の平面図であ
り、この生地は薄いタフタであり、素材はポリエステル
生地である。図17(a)に示すように、薄い生地の上
に斜めに大きな凸部1Hが交叉した状態のものが形成さ
れ、太い縄状の凸部1Hの間は大きな襞が形成されてい
る。この衣服を作るには生地を裁断してパーツとし、こ
のパーツを衣服の形状に縫い、そしてテビロン2と重ね
合わせた状態で図17(b)に示すような大きな間隔で
斜めに交叉するステッチ87を水溶性糸3で掛ける。そ
して、ステッチ87を掛けたところを中心に摘み上げる
が、この摘み幅は前述の実施例の場合よりも大きく、約
1.5cmであり、全て前身頃11の側に摘み上げてステ
ッチ88を水溶性糸3で掛ける。このようにしたものを
加熱し、そして水溶性糸3を溶かすと図17(d)に示
すような大きな凸条部1Hが形成されたものとなる。図
17(d)では前身頃11と後身頃12を重ね合わせた
状態で示している。図17(d)から分かるように、表
側には大きな凸条1Hが現れ、後身頃12側は大きな凸
条に相当する部分が中に凹んだ凹部となっている。
【0079】前述した実施例ではいずれも衣服の形状に
縫合わせて、或いは衣服の形状の一部分に縫合わせた状
態でテビロンと重ね合わせてソルブロン糸で縫合わせる
ことで説明したが、次のようにしてもよい。
【0080】衣服の形状に縫合わせず、単に衣服の形状
に裁断した状態で水溶性糸によりテビロンと縫合わせた
後に加熱処理および水溶性糸を溶解させて、凹凸形状を
表現させた布地とする。そして、この状態で縫合わせて
衣服とするることを行ってもよい。
【0081】或いは、単に生地の状態でテビロン布と水
溶性糸で縫合わせて凹凸模様を形成させるようにするこ
ともできる。特に、所望の模様をテビロン布に描き、そ
の模様に従って水溶性糸でステッチを掛け、更に、その
ステッチのうち所望箇所のステッチを中心としてタック
状に摘み上げタックステッチを掛けることを行う場合
に、このように生地の状態で処理を行ってもよい。すな
わち、タック状態としてから凹凸を形成したのものは、
単に平面的にステッチを掛けて凹凸を形成する場合と異
なって、凹凸が大きいので、前身頃と後身頃とを重ね合
わせた状態でテビロン布に重ねて処理をすると、前身頃
と後身頃との凹凸形状が異なるのがはっきりしている。
このため、前身頃と後身頃に同じ凹凸を形成したい場合
は、前身頃と後身頃を縫合わせた状態とせずに、衣服の
生地が1枚の状態で水溶性糸によりテビロン布と縫合わ
せて、加熱処理および溶解処理を行う。このようにすれ
ば前身頃側と後身頃側とが同じ凹凸模様を形成すること
ができる。この場合も、比較的単純な模様の場合は生地
の状態で凹凸をつけておけばよいし、或いはデザイン的
に衣服の特定の場所に特定の凹凸が位置するようにする
場合は、衣服の形状に裁断しておいて凹凸を施すことが
好ましい。このようにすれば所望のデザインの衣服とす
ることが容易にできる。
【0082】また、リブ編状のものを作る場合は、生地
で行う場合は表と裏を交互にタック状態にしなければな
らないので、長尺の生地ではなく数メーター以内の短尺
の生地で行う方が処理し易い。本発明のタックは普通の
ピンタックなどと異なって中心部分に1本のステッチが
入り、その両側にタック状とするためのタックステッチ
が入るが、この中心のステッチを先に所定間隔で掛け、
そして例えば掛けたステッチの1本おきに表側に摘み上
げて、タックステッチを掛け、次に裏返して、残りのス
テッチを中心として裏側に摘み上げてタックステッチを
掛けるというようにすればよい。
【0083】また、大きな襞をとりたい場合は、ギャザ
ーミシンを使用して先にギャザーを入れた状態とし、そ
の後テビロンと縫合わせてテビロンの収縮による凹凸よ
りも、より一層大きな凹凸を形成することができる。ま
た、ギャザーミシンを使用してギャザーを寄せるのとテ
ビロンとの縫合わせとを同時に行うようにしてもよい。
この場合、ギャザーを寄せるステッチも縫合わせるため
のステッチも何れも水溶性糸を使えばよい。
【0084】以上のように本発明の方法においては、ス
テッチは任意の形状に掛けることができ、また、その間
隔も広くしたり狭くしたりすることによりできる。それ
により出来上がった布地1における凹凸形状も種々であ
る。
【0085】また、本発明の方法によれば凹凸は衣服の
任意の部分に施すことができる。この場合、裏表同時に
つけることもできるし、例えば、前開きの被服の場合は
前身頃のみ或いは後身頃のみとしたり、袖畳みにして両
前立の部分および背中の中央部分を4枚重ねた状態とし
て、その上に熱収縮性布地2を置きステッチを掛けるこ
とにより両前立部分および背中の中央部分同時に凹凸
を付けたりということも可能である。また、袖の部分だ
け凹凸を付けるということもできる。
【0086】前述した説明では、衣服の上に熱収縮性布
地2を置いてステッチを掛けるように説明したが、衣服
の布地1と布地1との間(例えば、身頃の内側)に熱収
縮性布地2を挟み込んでステッチを掛けるようにしても
よい。
【0087】また、本発明の方法において衣服の布地を
裁断して先に衣服の形状に縫製しておく場合、予め、ど
の程度縮むか実験的に確認しておき、それに合わせて所
望の寸法が得られるように裁断および縫製しておけばよ
い。すなわち、熱収縮性布地2として同じ布地2を用い
て同じように縫合わせても、衣服となる布地が薄い場合
はよく縮むが、例えば、ベルベットのように厚みのある
布地であると、元の衣服の布地の力のため余り収縮せず
高い凹凸にならない。
【0088】本発明の方法においては衣服の布地として
熱セット可能なように熱可塑性繊維を主とする布地を使
用するが、このような布地であれば、1つの衣服を構成
する布地が、色、素材などに関して1種類でもよいし、
2種類以上でもよい。例えば、色の異なる2種類のテー
プ状の生地を縫い合わせて1枚の大きな布地とし、これ
を衣服のパーツの形状に裁断して、本発明の熱可塑性繊
維を含む布地として使用してもよい。或は、例えば、身
頃を複数の生地を縫い合わせたものとする場合に、予め
身頃を所望の形状に分割した状態の型紙を作り、この型
紙に従って色、素材などの異なる複数の生地を裁断し、
これらを縫い合わせて身頃の布地とし、これを本発明の
熱可塑性繊維を含む布地として使用してもよい。また、
素材としてシースルーの生地とシースルーでない生地と
を縫い合わせた布地を本発明の熱可塑性繊維を含む布地
として使用して、凹凸を形成させると、製造された衣服
はシースルーの効果と凹凸の効果とが相俟ってデザイン
的にも外観的にも非常に面白いものである。
【0089】
【発明の効果】本発明の方法によれば、衣服の全体また
は衣服の任意の箇所に凹凸を形成することができ、デザ
イン上に制約を受けずに衣服の布地に凹凸を形成でき
る。また、衣服の布地に凹凸を形成するとともにギャザ
ーを形成することにより、衣服の布地の表面に変化を持
たせることができる。
【0090】また、本発明の方法によれば、経糸方向お
よび緯糸方向に熱収縮する布地を用いて、衣服全体また
は所望の領域に凹凸を形成した場合は、ニット製品と同
様に縦および横方向に伸縮可能な凹凸を設けた衣服を製
造することができる。すなわち、ステッチを衣服の布地
と熱収縮性布地を縫合わせるときに、衣服の全体にステ
ッチを掛けた場合は全体が縮み、全体に凹凸ができて縦
方向にも横方向にも伸縮できるので、ニット製品と同様
に伸縮性の高いものが得られる。また、胸部の領域に凹
凸を形成すれば、その胸部は伸縮性の高いものとなる。
従って、ダーツなどを形成せずとも体によくフィットす
る衣服を得ることができる。
【0091】経糸方向または緯糸方向に熱収縮する布地
を用いて、衣服全体または所望の領域に凹凸を形成した
場合は、縦または横方向に伸縮する衣服とすることがで
き、、ブラウスやスラックス等として着用し易いものが
得られる。
【0092】しかも、本発明の方法により凹凸を作る場
合は、ニット製品を作る場合のようにデザイン的な制限
は受けず、また従来のプリーツ加工のようにヒダの方向
性などの制限も受けず、デザインの幅が非常に広い。ま
た種々の曲線を描くステッチを掛けることにより、曲線
のある凹凸をつけることができ、デザイン的に非常に面
白いものとすることができる。
【0093】また、布地に凹凸を形成した後に、凹凸の
ある状態で絵柄をプリントする。このため、出来上がっ
た衣服は着用時には身体の動きに合わせて凹凸が伸び縮
みして、絵柄が変化する面白いものとなる。
【0094】更に、本発明の方法によれば、衣服の布地
に凹凸を形成するとともに、衣服の布地の表面に変化を
持たせることができる。すなわち、ポリウレタンのよう
な異素材を布地の表面に貼付けたことにより、皮風な風
合と、それがまた凹凸を広げて部分的に破断することに
より、その切れ目により面白い表現ができる。
【0095】また、本発明の方法によれば、熱可塑性繊
維を含む布地と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶性糸
を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせた布地
を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させ、その後前
記水溶性糸を溶解除去する工程において、前記縫合わせ
のためのステッチを掛けた後に、縫合わせた布地を前記
ステッチを中心としてタック状に摘んだ状態となるよう
に前記ステッチに平行に水溶性糸を用いてステッチを掛
けることにより、リブ編風のくっきりした筋状の凹凸や
縄編風などの太い大きな凹凸を布地に形成したり、厚地
の布地にもくっきりとした凹凸を形成することができ
る。また、このようなくっきりとした凹凸を布地に形成
した衣服を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の衣服の製造工程の概
略を説明するための平面図である。
【図2】衣服の布地と熱収縮性布地とを水溶性糸により
縫合わせた状態と衣服の布地に凹凸を形成した状態を説
明するために、図1よりも拡大して描いた模式的図面で
ある。(a)は直線状に並列して複数本のステッチを縦
方向に掛けた場合の平面図、(b)は図2(a)のB−
B線に沿った断面図である。(c)は凹凸を形成した布
地の平面図、(d)は図2(c)のD−D線に沿った断
面図、(e)は図2(c)のE−E線に沿った断面図で
ある。
【図3】図2と同様の模式的図面であり、(a)は曲線
を描いて並列して複数本のステッチを横方向に掛けたも
のの平面図、(b)はこれを熱収縮させ凹凸を形成した
布地の平面図である。
【図4】(a)および(b)は本発明の方法における別
のステッチの掛け方を示す斜視図である。
【図5】本発明の方法におけるステッチの掛け方の一実
施例を説明するための図であり、(a)は平面図、
(b)は図5(a)のB−B線に沿った断面図、(c)
は熱処理後の衣服の布地の平面図である。
【図6】本発明の方法におけるステッチの掛け方の別の
実施例を示し、(a)は熱処理前の平面図、(b)は断
面図、(c)は熱処理後の衣服の布地の平面図である。
【図7】本発明の方法におけるステッチの掛け方の別の
実施例を説明するための図であり、図7(a)は熱処理
前の平面図、図7(b)は熱処理後の衣服の布地の平面
図である。
【図8】本発明の方法の別の実施例を説明するための図
であり、(a)〜(c)は断面図である。
【図9】本発明の方法における別の実施例を説明するた
めの図であり、図9(a)は出来上がった衣服の平面
図、図9(b)は前身頃に使用する布の断面図である。
【図10】(a)は縫製した衣服の平面図、(b)は縫
い方を示す拡大斜視図、(c)は出来上がった衣服の布
地におけるリブ編風模様を模式的に描いた平面図であ
り、(d)は出来上がった衣服の布地におけるリブ編風
模様を模式的に描いた断面図である。
【図11】本発明の別の実施例を示し、(a)は出来上
がった衣服を示す平面図であり、(b)は(a)に示し
た身頃部を形成するための模様図である。
【図12】図11に示す衣服の格子部分の縫い方を説明
するために拡大して示した図であり、(a)は平面図、
(b)は縫い方を示す断面方向の図である。
【図13】本発明の更に別の実施例を示すものであり、
(a)は本発明により製造した衣服の平面図であり、
(b)は(a)に示した身頃部を形成するための模様図
である。
【図14】(a)および(b)は、図13(a)に示し
たような縄編模様を形成するためのステッチの掛け方を
説明するための平面図である。(c)は縫い方を示す断
面方向の図である。
【図15】本発明における別の実施例であり、(a)は
縫い方を示すための布地の断面図、(b)は縫われた布
地の平面図、(c)は出来上がった布地における模様部
分の断面図、(d)は出来上がった布地における模様部
分の拡大平面図である。
【図16】本発明における別の実施例を示すものであ
り、(a)は出来上がったスカートを示す平面図であ
り、(b)はテビロン布に移す模様を示し、(c)は縫
い方を示す断面方向の図である。
【図17】本発明の別の実施例を示し、(a)は出来上
がった製品の平面図であり、(b)はステッチを示す平
面図、(c)は縫い方を示す断面方向の図、(d)は
来上がった布地における模様を模式的に描いた断面図で
ある。
【符号の説明】 1 衣服の布地 1a 凸部 1b 凹部 1c ギャザー1d 筋状凹部 1e 中間部 1f 筋状凸部 2 熱収縮性布地 3 水溶性糸 4 綿状シート 5 シート状物 11 前身頃 12 後身頃 31〜37、61〜67、71〜76、81〜88 ス
テッチ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツ
    に裁断し、該パーツを縫製して衣服の形状とし、該衣服
    と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステ
    ッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせた布地を加熱処理し
    て前記熱収縮性布地を収縮させて衣服の布地に凹凸を形
    成し、その後前記水溶性糸を溶解除去して前記衣服の布
    地と前記熱収縮性布地とを分離することを特徴とする衣
    服の布地に凹凸を形成する方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性繊維がポリエステル繊維で
    あり、前記熱収縮性布地がポリ塩化ビニル製布地である
    ことを特徴とする請求項1記載の衣服の布地に凹凸を形
    成する方法。
  3. 【請求項3】 前記衣服の布地に凹凸を形成した後で、
    前記水溶性糸を溶解除去する前または溶解除去した後
    に、前記衣服の布地に昇華転写捺染を施すことを特徴と
    する請求項1または2記載の衣服の布地に凹凸を形成す
    る方法。
  4. 【請求項4】 前記衣服の布地に凹凸を形成し、前記水
    溶性糸を溶解除去した後に、前記衣服の布地にシート状
    物を貼着することを特徴とする請求項1または2記載の
    衣服の布地に凹凸を形成する方法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツ
    に裁断した後、該布地と熱収縮性布地とを重ね合わせて
    水溶性糸を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫合わ
    せた布地を前記ステッチを中心としてタック状に摘んだ
    状態となるように前記ステッチに平行に水溶性糸を用い
    てステッチを掛け、該ステッチを掛けた布地を加熱処理
    して前記熱収縮性布地を収縮させて前記衣服の布地に凹
    凸を形成し、その後前記水溶性糸を溶解除去して前記衣
    服の布地と前記熱収縮性布地とを分離することを特徴と
    する衣服の布地に凹凸を形成する方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性繊維を含む布地を衣服のパーツ
    に裁断し、該パーツを縫製して衣服の形状とし、該衣服
    と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステ
    ッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせた布地を前記ステッ
    チを中心としてタック状に摘んだ状態となるように前記
    ステッチに平行に水溶性糸を用いてステッチを掛け、該
    ステッチを掛けた布地を加熱処理して前記熱収縮性布地
    を収縮させて衣服の布地に凹凸を形成し、その後前記水
    溶性糸を溶解除去して前記衣服の布地と前記熱収縮性布
    地とを分離することを特徴とする衣服の布地に凹凸を形
    成する方法。
  7. 【請求項7】 衣服に使用する布地が熱可塑性繊維を含
    む布地であり、該熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮性布
    地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて
    縫合わせ、該縫合わせた布地を前記ステッチを中心とし
    てタック状に摘んだ状態となるように前記ステッチに平
    行に水溶性糸を用いてステッチを掛け、該縫合わせた布
    地を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させて前記熱
    可塑性繊維を含む布地に凹凸を形成し、その後前記水溶
    性糸を溶解除去して前記熱可塑性繊維を含む布地と前記
    熱収縮性布地とを分離することを特徴とする衣服の布地
    に凹凸を形成する方法。
  8. 【請求項8】 前記縫合わせた布地をタック状に摘む際
    の摘み幅が約1mm〜20mmであることを特徴とする請求
    項5ないし請求項7の何れか1項に記載の衣服の布地に
    凹凸を形成する方法。
  9. 【請求項9】 前記縫合わせた布地をタック状に摘む際
    に、表裏交互に摘むことを特徴とする請求項5ないし請
    求項8の何れか1項に記載の衣服の布地に凹凸を形成す
    る方法。
  10. 【請求項10】 前記縫合わせた布地をタック状に摘む
    際に、中心となるステッチを3本1組とし、各ステッチ
    の間隔が約10mm〜20mmであり、真中のステッチを熱
    可塑性繊維を含む布地側に大きな摘み幅で摘み上げて水
    溶性糸でステッチを掛け、両側のステッチを熱収縮性布
    地側に小さな摘み幅で摘み上げて水溶性糸でステッチを
    掛けて、その後に加熱処理および水溶性糸を溶解除去処
    理して、前記熱可塑性繊維を含む布地に前記3本1組の
    中心のステッチと前記摘み上げて掛けたステッチとの跡
    として大きな凸部を形成することを特徴とする請求項5
    ないし請求項8の何れか1項に記載の衣服の布地に凹凸
    を形成する方法。
  11. 【請求項11】 熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮性布
    地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて
    縫合わせた後、該ステッチとステッチの間において前記
    熱収縮性布地を切断し、その後に前記縫合わせた布地を
    加熱処理することを特徴とする請求項1ないし請求項1
    0の何れか1項に記載の衣服の布地に凹凸を形成する方
    法。
  12. 【請求項12】 熱可塑性繊維を含む表生地と熱可塑性
    繊維を含む裏生地との間に中綿を入れて、非水溶性の糸
    を用いてキルティングステッチを掛けて衣服に使用する
    布地とし、該布地と熱収縮性布地とを重ね合わせて水溶
    性糸を用いてステッチを掛けて縫合わせ、該縫合わせは
    2〜3本の狭い間隔で平行したステッチを1組とし、隣
    接する別の組のステッチとの間が前記狭い間隔の約3倍
    よりも広い間隔を開けて、多数組のステッチにより行
    い、前記縫合わせた布地を加熱処理して前記熱収縮性布
    地を収縮させて前記キルティングステッチを掛けた布地
    に凹凸を形成し、その後前記水溶性糸を溶解除去して前
    記キルティングステッチを掛けた布地と前記熱収縮性布
    地とを分離することを特徴とする衣服の布地に凹凸を形
    成する方法。
  13. 【請求項13】 熱可塑性繊維を含む布地と熱収縮性布
    地とを重ね合わせて水溶性糸を用いてステッチを掛けて
    縫合わせ、該縫合わせた布地を前記ステッチを中心とし
    てタック状に摘んだ状態となるように前記ステッチに平
    行に水溶性糸を用いてステッチを掛け、該縫合わせた布
    地を加熱処理して前記熱収縮性布地を収縮させて前記熱
    可塑性繊維を含む布地に凹凸を形成し、その後前記水溶
    性糸を溶解除去して前記熱可塑性繊維を含む布地と前記
    熱収縮性布地とを分離することを特徴とする布地に凹凸
    を形成する方法。
  14. 【請求項14】 前記縫合わせた布地をタック状に摘む
    際の摘み幅が約1mm〜20mmであることを特徴とする請
    求項13に記載の布地に凹凸を形成する方法。
  15. 【請求項15】 前記縫合わせた布地をタック状に摘む
    際に、表裏交互に摘むことを特徴とする請求項13また
    は14に記載の布地に凹凸を形成する方法。
  16. 【請求項16】 熱可塑性繊維を含んでいて、熱セット
    性を有する布地であり、該布地には筋状の凸部または凹
    部が形成されており、該筋状凸部の頂上部または筋状凹
    部の底部にその長手方向に延びる一連の針穴が穿たれて
    おり、該針穴を中心としてその左右に該中心針穴と平行
    して長手方向に延びる一連の針穴が穿たれており、該左
    右の針穴の箇所が前記筋状凸部または筋状凹部の略根元
    部ないし中間部に位置し、前記筋状凸部または筋状凹部
    には細かなヒダまたは凹凸が形成されていることを特徴
    とする衣服用の布地。
  17. 【請求項17】 熱可塑性繊維を含んでいて、熱セット
    性を有する布地であり、該布地には筋状の凸部または凹
    部が形成されており、該筋状凸部の頂上部または筋状凹
    部の底部にその長手方向に延びる一連の針穴が穿たれて
    おり、該針穴を中心としてその左右に該中心針穴と平行
    して長手方向に延びる一連の針穴が穿たれており、該左
    右の針穴の箇所が前記筋状凸部または筋状凹部の略根元
    部ないし中間部に位置し、前記筋状凸部または筋状凹部
    には細かなヒダまたは凹凸が形成されていることを特徴
    とする布地。
  18. 【請求項18】 熱可塑性繊維を含む布地からなる衣服
    において、前記布地には筋状の凸部または凹部が形成さ
    れており、該筋状凸部の頂上部または筋状凹部の底部に
    その長手方向に延びる一連の針穴が穿たれており、該針
    穴を中心としてその左右に該中心針穴と平行して長手方
    向に延びる一連の針穴が穿たれており、該左右の針穴の
    箇所が前記筋状凸部または筋状凹部の略根元部ないし中
    間部に位置し、前記筋状凸部または筋状凹部には細かな
    ヒダまたは凹凸が形成されていることを特徴とする衣
    服。
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