JP2004159701A - キルティング布団およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】キルティング布団の表地の見た目を損なわない。
【解決手段】キルティング布団1aを、一対の側地としての上布4a及び下布4bと、一方の側地としての下布4bに縫着される表布5とを備えて構成する。上布4a及び下布4bを、表地5に比較してよこ糸及びたて糸方向に伸び難く伸縮度の小さい織物を生地として構成し、表地5を、よこ糸とたて糸とが共に伸縮度の高い撚糸を交錯させてパイル組織となるように織り上げた織物を生地とする。表地5上に、表地5のたて糸方向にキルティングを施すための縦縫い基準線8aと、下布4bに表地5を縫着するための縫着基準線6とを設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】キルティング布団1aを、一対の側地としての上布4a及び下布4bと、一方の側地としての下布4bに縫着される表布5とを備えて構成する。上布4a及び下布4bを、表地5に比較してよこ糸及びたて糸方向に伸び難く伸縮度の小さい織物を生地として構成し、表地5を、よこ糸とたて糸とが共に伸縮度の高い撚糸を交錯させてパイル組織となるように織り上げた織物を生地とする。表地5上に、表地5のたて糸方向にキルティングを施すための縦縫い基準線8aと、下布4bに表地5を縫着するための縫着基準線6とを設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キルティングを施した掛け布団、敷き布団、あるいはこたつ布団等のキルティング布団及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のキルティング布団として、表地にパイル織物やクレープ織物を用いて袋状に縫製し、キルティングを施したものが知られている。パイル織物は、たて糸とよこ糸とを交錯させてパイル組織となるように織り上げた織布であり、片面または両面に輪奈が織り出されている。さらにたて糸とよこ糸に強撚糸を使用することにより伸縮性を向上させたものも広く用いられている。またクレープ織物は、よこ糸に強撚糸を使用し、たて糸に通常の紡績糸を使用して織り上げた織布であり、強撚糸の収縮によってよこ糸方向に形成された細かな凹凸部は、たて糸方向に沿った無数のすじ状模様を構成している。このように、表地の表面に輪奈や凹凸部及びすじ状模様を備えたことによって、従来のキルティング布団は、その伸縮性や柔らかさを増加させ、肌触りを良くし、見た目にも優れた風合いを作り出すことができ、心地良い使用感を与えることができる。
【0003】
しかし、この従来のキルティング布団は、たて糸やよこ糸に使用した強撚糸の構造上、強撚糸方向に伸び易いために、例えばキルティングを施す間隔が広すぎる場合には、就寝時や洗濯時に型くずれする問題点があった。そこで、この問題点を解消するため、表地に伸縮し難い織布を裏打ちしてなるキルティング布団が案出されている。この改良された従来のキルティング布団は、強撚糸方向に縫い目が沿うように表地に伸縮し難い織布を裏打ちすることによって、心地良い使用感はそのままに、型くずれを防止するものである。
【0004】
なお、先行技術調査を行っていないために、記載すべき先行技術文献情報はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この改良された従来のキルティング布団は、裏打ちする際の縫い目とキルティングを施す際の縫い目とが重なることがあり、この場合には、表地の見た目が損なわれる問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、表地の見た目を損なうことのないキルティング布団とその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一対の側地により袋体を構成し、前記袋体の少なくとも一方の側地によこ糸とたて糸とを交錯させて織り上げた織物を生地としてなる表地を縫着し、前記袋体の内部に芯材を収納し、前記袋体にキルティングを施してなるキルティング布団であって、前記表地上に、前記たて糸に沿って施すキルティングと、前記キルティングに対して平行に前記側地に前記表地を縫着する縫着部とを設けて構成される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、キルティングを、表地面が等分される位置に設け、縫着部を、前記キルティングにより等分された夫々の表地面がさらに等分される位置に設けて構成される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、一対の側地により袋体を構成し、前記袋体の少なくとも一方の側地によこ糸とたて糸とを交錯させて織り上げた織物を生地としてなる表地を縫着し、前記袋体の内部に芯材を収納し、前記袋体にキルティングを施してなるキルティング布団の製造方法であって、前記表地上に、キルティングを施すための縦縫い基準線を前記たて糸に沿う位置に設け、前記側地に前記表地を縫着するための縫着基準線を前記縦縫い基準線に対して平行に沿う位置に設けた後で、前記縫着基準線に沿って少なくとも一方の側地に表地を縫着すると共に、前記縦縫い基準線に沿ってキルティングを施すことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、縦縫い基準線を、表地面が等分される位置に設け、縫着基準線を、前記縦縫い基準線により等分された夫々の表地面がさらに等分される位置に設けてなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るキルティング布団の製造方法を利用して製造されるキルティング布団の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この実施形態のキルティング布団(以下、単に「布団」とする)1aは、一対の側地としての上布4a及び下布4bと、一方の側地としての下布4bに縫着される表地5とを備えて構成されている。
【0012】
上布4a及び下布4bは、表地5に比較してよこ糸及びたて糸方向に伸び難く伸縮度の小さい織物を生地として、略同一の長方形状に夫々裁断されている。表地5は、よこ糸とたて糸とが共に伸縮度の高い撚糸を交錯させてパイル組織となるように織り上げた織物を生地とし、例えばタオル地等によって構成され、上布4a及び下布4bと略同一形状に裁断されている。この表地5のたて糸は、その長辺方向に一致している。上布4a及び下布4bは、互いの端辺を縫い合わすことによって袋体2を構成している。袋体2の内部には、芯材として、羽毛が収納されている。
【0013】
表地5上には、表地5のたて糸方向にキルティングを施すための縦縫い基準線8aが表地5のたて糸に沿う位置に設けられている。縦縫い基準線8aは、短辺が4等分される位置、すなわち表地5の面が4等分される位置に3本設けられている。また3本の縦縫い基準線8aには、キルティングを施した際の縫い目が長辺全長よりも多少短く形成されている。さらに、表地5のよこ糸方向にキルティングを施すための横縫い基準線8bが表地5の横糸に沿う位置に設けられている。横縫い基準線8bは、長辺が4等分される位置、すなわち表地5の面が4等分される位置に3本設けられている。また3本の横縫い基準線8bには、キルティングを施した際の縫い目が短辺全長よりも多少短く形成されている。
【0014】
また、表地5上には、下布4bに表地5を縫着するための縫着基準線6が縦縫い基準線8aに対して平行に沿う位置に設けられている。縫着基準線6は、縦縫い基準線8aによって4等分された短辺がさらに5等分される位置、すなわち縦縫い基準線8aによって4等分された表地5の面がさらに5等分される位置に4本設けられている。また4本の縫着基準線6には、下布4bに表地5を縫着した際の縫い目が全長に亘って形成されている。
【0015】
次に、上記構成の布団1aの製造方法を、その手順と共に説明する。
(1)下布4bを表地5に重ね合わせる。縦縫い基準線8aを、両布4b,5の短辺を4等分した位置、すなわち表地5の面が4等分される位置に、表地5のたて糸に沿うように3本設ける。また横縫い基準線8bを、長辺を4等分した位置、すなわち表地5の面が4等分される位置に、表地5のよこ糸に沿うように3本設ける(図1(a))。
(2)その後、縫着基準線6を、縦縫い基準線8aによって4等分された短辺がさらに5等分される位置、すなわち縦縫い基準線8aによって4等分された表地5の面がさらに5等分される位置に、縦縫い基準線8aに対して平行に沿うように4本設ける(図1(a))。
【0016】
(3)夫々の縫着基準線6に沿って下布4bに表地5を縫着する(図1(a))。
(4)上布4aを下布4bに重ね合わせる(図1(b))。
(5)上布4a,下布4b,表地5の周縁を縫い合わせて袋体2を縫製する。羽毛をその袋体に所定量収納する(図1(c))。
(6)縦縫い基準線8a及び横縫い基準線8bに沿ってキルティングを施す。(図1(d))。以上の手順で布団1aの製造を完了する。
【0017】
上記構成の布団1aによれば、縦縫い基準線8aと縫着基準線6とを交差することなく表地5に設けることができ、縫着基準線6,縦縫い基準線8aに形成される全ての縫い目を一方向に所要の間隔をおいて設けることができる。よって、キルティングを施す際の縫い目と、表地5を下布4bに縫着する際の縫い目とが重ならないようにでき、表地5の見た目が損なわれずに済む。また使用者の首筋が当たる側の短辺を覆う長さ分だけ表地5を延設し、下布4bから上布4aに表地5の延設分だけを折り返して縫着すれば、肌触りを向上させ心地良い使用感を得ることができる。さらに、上布4a及び下布4bを、表地5に比較してよこ糸及びたて糸方向の伸縮度の小さい織物から構成したので、布団1aの型くずれを防止することができる。表地5を、たて糸及びよこ糸に強撚糸を用いた織物によって構成したので、表地5を下布4bに縫着することによって布団1aの型くずれを抑えながら、柔軟性の高い柔らかな織物を表地5として使用できる。
【0018】
また縫着基準線6,縦縫い基準線8aを表地5上に等間隔に設けることで、縫い目を等間隔に規則正しく形成することができ、見た目をより向上させることが可能である。さらに、表地5をパイル組織を用いたタオル生地としたので、肌触りを向上させ心地良い使用感を得ることができる。予め下布4bに表地5を縫着したので、両者がずれないように一体化でき、型くずれし易い表地5のよこ糸方向の伸びを抑えて、縫製作業の際の取り扱いを容易にできる。
【0019】
上記構成の布団1aの製造方法によれば、表地5上に縦縫い基準線8a及び縫着基準線6を設けた後に、縫着基準線6に沿って少なくとも下布4bに表地5を縫着し、縦縫い基準線8aに沿ってキルティングを施したので、キルティングを施す際の縫い目と、表地5を下布4bに縫着する際の縫い目とが確実に重ならないようにすることができ、表地5の見た目が損なわれずに済む。
【0020】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して実施することも可能である。
(1)図2の布団1bのように、袋体を構成する一対の側地を、異なる形状の上布と下布との組み合わせで構成しても良い。この布団1bにおいては、使用者の首筋が当たる側の短辺を長さL1で折り返すように、下布4bは上布4aよりも長く裁断されている。また表地5は下布4bと同一の形状に裁断されている。その他の布団1bの構成作用は、布団1aと同様である。この場合、首筋に当たる布団1bの肌触りを向上できる。
【0021】
(2)図3の布団1cのように、袋体を構成する一対の側地を、一枚の長尺の布体4cを中央位置CPで折り返すことにより構成しても良い。この布団1cにおいては、上布4aと下布4bとは一体に形成されている。また表地5は、下布4b及び上布4aの一部に縫着されるように、使用者の首筋が当たる部分だけ折り返すため下布4bよりも長さL2だけ長く形成されている。この場合、首筋に当たる布団1cの肌触りを向上でき、折り返す辺部における縫製作業の手間を省くことができる。
【0022】
(3)表地5を、よこ糸に強撚糸を用いてなるクレープ織物を生地として構成すること。この場合には、クレープ織物が備える特有の凹凸部及びすじ状模様を潰したり消したりすることなく、使用者に対する心地の良い使用感を維持することができる。加えて、たて糸方向のすじ状模様に縦縫い基準線8a及び縫着基準線6に形成される縫い目を隠すことが可能となる。尚、クレープ織物は、1000〜2000回/m程度に撚りを掛けた強撚糸からなるよこ糸と通常の撚りを掛けた紡績糸からなるたて糸とを使用して、両糸を交錯させて織り上げられたものである。また、この表地5を伸縮し難い平織生地等の織物からなる下布4bに縫着したので、表地5のよこ糸方向への伸びを抑止して布団が型くずれすることを防止すると共に、その耐久性を向上させることができる。
【0023】
(4)本布団1a,1b,1cを、掛布団に限らず、敷布団、座布団、コタツ布団等の他の布団の寸法形状に合わせて形成すること。尚、他の布団の形状としては、正方形、円形、楕円形等がある。
(5)上布4a及び下布4bを、伸縮し難いよこ糸及びたて糸を使用して織り上げられた綿織物、化学合成繊維織物及び麻織物等を生地として構成すること。
(6)芯材は、羽毛に限らず、天然綿、化学合成綿等の布団綿でも良い。
(7)表地上に設ける縦縫い基準線8aの本数は3本に限らず、任意の本数で良い。また縫着基準線6の本数も、同様に、任意の本数で良い。
(8)縦縫い基準線8a及び縫着基準線6は、表地5のたて糸に沿っているのであれば、等間隔に限らず、間隔を規則的に広くしたりまたは狭くしたりしても良い。また規則的でなくても良い。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、キルティングと縫着部とを交差することなく表地に設けることができ、縦縫い基準線と縫着基準線に形成される全ての縫い目を一方向に所要の間隔をおいて設けることができる。よって、キルティングを施す際の縫い目と、表地を側地に縫着する際の縫い目とが重ならないようにでき、表地の見た目が損なわれずに済む。また使用者の首筋が当たる側の短辺を覆うように一方の側地から他方の側地に折り返して表地を縫着すれば、肌触りを向上させ心地良い使用感を得ることができる。さらに、側地を、表地に比較してよこ糸及びたて糸方向の伸縮度の小さい織物から構成したので、キルティング布団の型くずれを防止することができる。
【0025】
請求項2及び請求項4の発明によれば、キルティングと縫着部を表地上に等間隔に設けることで、縫い目を規則正しく形成することができ、見た目をより向上させることが可能である。
【0026】
請求項3の発明によれば、キルティングを施す際の縫い目と、表地を一方の側地に縫着する際の縫い目とが確実に重ならないようにすることができ、表地の見た目が損なわれずに済む。また、予め表地を一方の側地に縫着したので、両者がずれないように一体化でき、型くずれし易い表地の伸びを抑えて、縫製作業の際の取り扱いを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す、(a)〜(d)は手順説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す、(a),(b)は手順説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す、(a),(b)は手順説明図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c・・キルティング布団、2・・袋体、4a・・側地としての上布、4b・・側地としての下布、5・・表地、6・・縫着基準線、8a・・縦縫い基準線、8b・・横縫い基準線。
【発明の属する技術分野】
本発明は、キルティングを施した掛け布団、敷き布団、あるいはこたつ布団等のキルティング布団及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のキルティング布団として、表地にパイル織物やクレープ織物を用いて袋状に縫製し、キルティングを施したものが知られている。パイル織物は、たて糸とよこ糸とを交錯させてパイル組織となるように織り上げた織布であり、片面または両面に輪奈が織り出されている。さらにたて糸とよこ糸に強撚糸を使用することにより伸縮性を向上させたものも広く用いられている。またクレープ織物は、よこ糸に強撚糸を使用し、たて糸に通常の紡績糸を使用して織り上げた織布であり、強撚糸の収縮によってよこ糸方向に形成された細かな凹凸部は、たて糸方向に沿った無数のすじ状模様を構成している。このように、表地の表面に輪奈や凹凸部及びすじ状模様を備えたことによって、従来のキルティング布団は、その伸縮性や柔らかさを増加させ、肌触りを良くし、見た目にも優れた風合いを作り出すことができ、心地良い使用感を与えることができる。
【0003】
しかし、この従来のキルティング布団は、たて糸やよこ糸に使用した強撚糸の構造上、強撚糸方向に伸び易いために、例えばキルティングを施す間隔が広すぎる場合には、就寝時や洗濯時に型くずれする問題点があった。そこで、この問題点を解消するため、表地に伸縮し難い織布を裏打ちしてなるキルティング布団が案出されている。この改良された従来のキルティング布団は、強撚糸方向に縫い目が沿うように表地に伸縮し難い織布を裏打ちすることによって、心地良い使用感はそのままに、型くずれを防止するものである。
【0004】
なお、先行技術調査を行っていないために、記載すべき先行技術文献情報はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この改良された従来のキルティング布団は、裏打ちする際の縫い目とキルティングを施す際の縫い目とが重なることがあり、この場合には、表地の見た目が損なわれる問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、表地の見た目を損なうことのないキルティング布団とその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一対の側地により袋体を構成し、前記袋体の少なくとも一方の側地によこ糸とたて糸とを交錯させて織り上げた織物を生地としてなる表地を縫着し、前記袋体の内部に芯材を収納し、前記袋体にキルティングを施してなるキルティング布団であって、前記表地上に、前記たて糸に沿って施すキルティングと、前記キルティングに対して平行に前記側地に前記表地を縫着する縫着部とを設けて構成される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、キルティングを、表地面が等分される位置に設け、縫着部を、前記キルティングにより等分された夫々の表地面がさらに等分される位置に設けて構成される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、一対の側地により袋体を構成し、前記袋体の少なくとも一方の側地によこ糸とたて糸とを交錯させて織り上げた織物を生地としてなる表地を縫着し、前記袋体の内部に芯材を収納し、前記袋体にキルティングを施してなるキルティング布団の製造方法であって、前記表地上に、キルティングを施すための縦縫い基準線を前記たて糸に沿う位置に設け、前記側地に前記表地を縫着するための縫着基準線を前記縦縫い基準線に対して平行に沿う位置に設けた後で、前記縫着基準線に沿って少なくとも一方の側地に表地を縫着すると共に、前記縦縫い基準線に沿ってキルティングを施すことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、縦縫い基準線を、表地面が等分される位置に設け、縫着基準線を、前記縦縫い基準線により等分された夫々の表地面がさらに等分される位置に設けてなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るキルティング布団の製造方法を利用して製造されるキルティング布団の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この実施形態のキルティング布団(以下、単に「布団」とする)1aは、一対の側地としての上布4a及び下布4bと、一方の側地としての下布4bに縫着される表地5とを備えて構成されている。
【0012】
上布4a及び下布4bは、表地5に比較してよこ糸及びたて糸方向に伸び難く伸縮度の小さい織物を生地として、略同一の長方形状に夫々裁断されている。表地5は、よこ糸とたて糸とが共に伸縮度の高い撚糸を交錯させてパイル組織となるように織り上げた織物を生地とし、例えばタオル地等によって構成され、上布4a及び下布4bと略同一形状に裁断されている。この表地5のたて糸は、その長辺方向に一致している。上布4a及び下布4bは、互いの端辺を縫い合わすことによって袋体2を構成している。袋体2の内部には、芯材として、羽毛が収納されている。
【0013】
表地5上には、表地5のたて糸方向にキルティングを施すための縦縫い基準線8aが表地5のたて糸に沿う位置に設けられている。縦縫い基準線8aは、短辺が4等分される位置、すなわち表地5の面が4等分される位置に3本設けられている。また3本の縦縫い基準線8aには、キルティングを施した際の縫い目が長辺全長よりも多少短く形成されている。さらに、表地5のよこ糸方向にキルティングを施すための横縫い基準線8bが表地5の横糸に沿う位置に設けられている。横縫い基準線8bは、長辺が4等分される位置、すなわち表地5の面が4等分される位置に3本設けられている。また3本の横縫い基準線8bには、キルティングを施した際の縫い目が短辺全長よりも多少短く形成されている。
【0014】
また、表地5上には、下布4bに表地5を縫着するための縫着基準線6が縦縫い基準線8aに対して平行に沿う位置に設けられている。縫着基準線6は、縦縫い基準線8aによって4等分された短辺がさらに5等分される位置、すなわち縦縫い基準線8aによって4等分された表地5の面がさらに5等分される位置に4本設けられている。また4本の縫着基準線6には、下布4bに表地5を縫着した際の縫い目が全長に亘って形成されている。
【0015】
次に、上記構成の布団1aの製造方法を、その手順と共に説明する。
(1)下布4bを表地5に重ね合わせる。縦縫い基準線8aを、両布4b,5の短辺を4等分した位置、すなわち表地5の面が4等分される位置に、表地5のたて糸に沿うように3本設ける。また横縫い基準線8bを、長辺を4等分した位置、すなわち表地5の面が4等分される位置に、表地5のよこ糸に沿うように3本設ける(図1(a))。
(2)その後、縫着基準線6を、縦縫い基準線8aによって4等分された短辺がさらに5等分される位置、すなわち縦縫い基準線8aによって4等分された表地5の面がさらに5等分される位置に、縦縫い基準線8aに対して平行に沿うように4本設ける(図1(a))。
【0016】
(3)夫々の縫着基準線6に沿って下布4bに表地5を縫着する(図1(a))。
(4)上布4aを下布4bに重ね合わせる(図1(b))。
(5)上布4a,下布4b,表地5の周縁を縫い合わせて袋体2を縫製する。羽毛をその袋体に所定量収納する(図1(c))。
(6)縦縫い基準線8a及び横縫い基準線8bに沿ってキルティングを施す。(図1(d))。以上の手順で布団1aの製造を完了する。
【0017】
上記構成の布団1aによれば、縦縫い基準線8aと縫着基準線6とを交差することなく表地5に設けることができ、縫着基準線6,縦縫い基準線8aに形成される全ての縫い目を一方向に所要の間隔をおいて設けることができる。よって、キルティングを施す際の縫い目と、表地5を下布4bに縫着する際の縫い目とが重ならないようにでき、表地5の見た目が損なわれずに済む。また使用者の首筋が当たる側の短辺を覆う長さ分だけ表地5を延設し、下布4bから上布4aに表地5の延設分だけを折り返して縫着すれば、肌触りを向上させ心地良い使用感を得ることができる。さらに、上布4a及び下布4bを、表地5に比較してよこ糸及びたて糸方向の伸縮度の小さい織物から構成したので、布団1aの型くずれを防止することができる。表地5を、たて糸及びよこ糸に強撚糸を用いた織物によって構成したので、表地5を下布4bに縫着することによって布団1aの型くずれを抑えながら、柔軟性の高い柔らかな織物を表地5として使用できる。
【0018】
また縫着基準線6,縦縫い基準線8aを表地5上に等間隔に設けることで、縫い目を等間隔に規則正しく形成することができ、見た目をより向上させることが可能である。さらに、表地5をパイル組織を用いたタオル生地としたので、肌触りを向上させ心地良い使用感を得ることができる。予め下布4bに表地5を縫着したので、両者がずれないように一体化でき、型くずれし易い表地5のよこ糸方向の伸びを抑えて、縫製作業の際の取り扱いを容易にできる。
【0019】
上記構成の布団1aの製造方法によれば、表地5上に縦縫い基準線8a及び縫着基準線6を設けた後に、縫着基準線6に沿って少なくとも下布4bに表地5を縫着し、縦縫い基準線8aに沿ってキルティングを施したので、キルティングを施す際の縫い目と、表地5を下布4bに縫着する際の縫い目とが確実に重ならないようにすることができ、表地5の見た目が損なわれずに済む。
【0020】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して実施することも可能である。
(1)図2の布団1bのように、袋体を構成する一対の側地を、異なる形状の上布と下布との組み合わせで構成しても良い。この布団1bにおいては、使用者の首筋が当たる側の短辺を長さL1で折り返すように、下布4bは上布4aよりも長く裁断されている。また表地5は下布4bと同一の形状に裁断されている。その他の布団1bの構成作用は、布団1aと同様である。この場合、首筋に当たる布団1bの肌触りを向上できる。
【0021】
(2)図3の布団1cのように、袋体を構成する一対の側地を、一枚の長尺の布体4cを中央位置CPで折り返すことにより構成しても良い。この布団1cにおいては、上布4aと下布4bとは一体に形成されている。また表地5は、下布4b及び上布4aの一部に縫着されるように、使用者の首筋が当たる部分だけ折り返すため下布4bよりも長さL2だけ長く形成されている。この場合、首筋に当たる布団1cの肌触りを向上でき、折り返す辺部における縫製作業の手間を省くことができる。
【0022】
(3)表地5を、よこ糸に強撚糸を用いてなるクレープ織物を生地として構成すること。この場合には、クレープ織物が備える特有の凹凸部及びすじ状模様を潰したり消したりすることなく、使用者に対する心地の良い使用感を維持することができる。加えて、たて糸方向のすじ状模様に縦縫い基準線8a及び縫着基準線6に形成される縫い目を隠すことが可能となる。尚、クレープ織物は、1000〜2000回/m程度に撚りを掛けた強撚糸からなるよこ糸と通常の撚りを掛けた紡績糸からなるたて糸とを使用して、両糸を交錯させて織り上げられたものである。また、この表地5を伸縮し難い平織生地等の織物からなる下布4bに縫着したので、表地5のよこ糸方向への伸びを抑止して布団が型くずれすることを防止すると共に、その耐久性を向上させることができる。
【0023】
(4)本布団1a,1b,1cを、掛布団に限らず、敷布団、座布団、コタツ布団等の他の布団の寸法形状に合わせて形成すること。尚、他の布団の形状としては、正方形、円形、楕円形等がある。
(5)上布4a及び下布4bを、伸縮し難いよこ糸及びたて糸を使用して織り上げられた綿織物、化学合成繊維織物及び麻織物等を生地として構成すること。
(6)芯材は、羽毛に限らず、天然綿、化学合成綿等の布団綿でも良い。
(7)表地上に設ける縦縫い基準線8aの本数は3本に限らず、任意の本数で良い。また縫着基準線6の本数も、同様に、任意の本数で良い。
(8)縦縫い基準線8a及び縫着基準線6は、表地5のたて糸に沿っているのであれば、等間隔に限らず、間隔を規則的に広くしたりまたは狭くしたりしても良い。また規則的でなくても良い。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、キルティングと縫着部とを交差することなく表地に設けることができ、縦縫い基準線と縫着基準線に形成される全ての縫い目を一方向に所要の間隔をおいて設けることができる。よって、キルティングを施す際の縫い目と、表地を側地に縫着する際の縫い目とが重ならないようにでき、表地の見た目が損なわれずに済む。また使用者の首筋が当たる側の短辺を覆うように一方の側地から他方の側地に折り返して表地を縫着すれば、肌触りを向上させ心地良い使用感を得ることができる。さらに、側地を、表地に比較してよこ糸及びたて糸方向の伸縮度の小さい織物から構成したので、キルティング布団の型くずれを防止することができる。
【0025】
請求項2及び請求項4の発明によれば、キルティングと縫着部を表地上に等間隔に設けることで、縫い目を規則正しく形成することができ、見た目をより向上させることが可能である。
【0026】
請求項3の発明によれば、キルティングを施す際の縫い目と、表地を一方の側地に縫着する際の縫い目とが確実に重ならないようにすることができ、表地の見た目が損なわれずに済む。また、予め表地を一方の側地に縫着したので、両者がずれないように一体化でき、型くずれし易い表地の伸びを抑えて、縫製作業の際の取り扱いを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す、(a)〜(d)は手順説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す、(a),(b)は手順説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す、(a),(b)は手順説明図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c・・キルティング布団、2・・袋体、4a・・側地としての上布、4b・・側地としての下布、5・・表地、6・・縫着基準線、8a・・縦縫い基準線、8b・・横縫い基準線。
Claims (4)
- 一対の側地により袋体を構成し、前記袋体の少なくとも一方の側地によこ糸とたて糸とを交錯させて織り上げた織物を生地としてなる表地を縫着し、前記袋体の内部に芯材を収納し、前記袋体にキルティングを施してなるキルティング布団であって、
前記表地上に、
前記たて糸に沿って施すキルティングと、
前記キルティングに対して平行に前記側地に前記表地を縫着する縫着部と
を設けたことを特徴とするキルティング布団。 - キルティングを、表地面が等分される位置に設け、
縫着部を、前記キルティングにより等分された夫々の表地面がさらに等分される位置に設けてなる
請求項1に記載のキルティング布団。 - 一対の側地により袋体を構成し、前記袋体の少なくとも一方の側地によこ糸とたて糸とを交錯させて織り上げた織物を生地としてなる表地を縫着し、前記袋体の内部に芯材を収納し、前記袋体にキルティングを施してなるキルティング布団の製造方法であって、
前記表地上に、
キルティングを施すための縦縫い基準線を前記たて糸に沿う位置に設け、
前記側地に前記表地を縫着するための縫着基準線を前記縦縫い基準線に対して平行に沿う位置に設けた後で、
前記縫着基準線に沿って少なくとも一方の側地に表地を縫着すると共に、前記縦縫い基準線に沿ってキルティングを施すことを特徴とする
キルティング布団の製造方法。 - 縦縫い基準線を、表地面が等分される位置に設け、
縫着基準線を、前記縦縫い基準線により等分された夫々の表地面がさらに等分される位置に設けてなる
請求項3に記載のキルティング布団の製造方法。
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2002
- 2002-11-08 JP JP2002325974A patent/JP2004159701A/ja active Pending
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