JP2006346170A - クッション材 - Google Patents

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秀雄 池永
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Abstract

【課題】 マットレスや敷布団等の上に敷いて用いる、立体編物からなるクッション材に関するものであり、長時間寝たり頻繁に寝返りしても、クッション材と下のマットレスや敷布団とのずれが少ないクッション材を提供する。
【解決手段】 立体編物が一枚もしくは複数枚、又は、立体編物と他素材がそれぞれ一枚もしくは複数枚積層され、外周が縁部カバー材で覆われて縫合された長方形のクッション材であって、クッション材の裏面の2辺に伸長率20〜100%、回復率90%以上の伸縮性弾性帯が掛け渡されて接合されており、かつ、伸縮性弾性帯の長さA(cm)とクッション材における接合点2点間の距離B(cm)の関係で示される、伸縮性弾性帯のゆとり率A/B比が0.80〜1.20である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、マットレスや敷布団等の上に敷いて用いる、立体編物からなるクッション材に関し、さらに詳しくは長時間寝たり頻繁に寝返りしても、クッション材と下のマットレスや敷布団との間にずれを生じにくいクッション材に関する。
立体編物からなるクッション材は、通気性が良好なため蒸れ難く、又、体圧分散性が良好であるため、マットレスや敷布団の上に敷いて用いるベッドパッドや、床ずれ予防マットとして多く使用されている。このようなクッション材として、表裏がハニカム状の編地からなる立体編物が複数層積層された、回復性と通気性の良好な寝床用シート状物や、表裏がメッシュ編地からなる立体編物を積層した、体圧分散効果を有する褥瘡防止用クッション材が提案されている(特許文献1および2)。
特開平3−242115号公報 特開平11−151140号公報 しかしながら、立体編物は上から圧縮されると表側編地と裏側編地の位置が若干ずれて圧縮される傾向があるため、長時間寝たり、寝返りの頻度が多いと、立体編物からなるクッション材の位置が、下層のマットレスや敷布団から次第にずれ、快眠を妨げるという問題があった。特に、立体編物が2枚以上積層されるクッション材や、クッション材の底面に立体編物が使用されたクッション材は、よりずれやすく、快眠を妨げるものとなっていた。特許文献1および2のクッション材は、これらの問題点が解決されておらず、クッション材と下層のマットレスや敷布団との固定方法が何ら考慮されていないものであった。
本発明の課題は、上記問題点を解決し、長時間寝たり、頻繁に寝返りをしても、立体編物からなるクッション材と下のマットレスや敷布団との間にずれを生じにくいクッション材を提供することにある。また本発明の他の課題は、マットレスや敷布団との固定用の伸縮性弾性帯が洗濯時に絡み難く、またマットレスや敷布団への取付け性が良好なクッション材を提供することにある。
本発明者は上記の目的を達成するため、立体編物からなるクッション材と、マットレスや敷布団との固定方法を鋭意検討した結果、ずれ難く、取付け性及び洗濯性が良好な条件を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願で特許請求される発明は下記のとおりである。
(1)立体編物が一枚もしくは複数枚、又は、立体編物と他素材がそれぞれ一枚もしくは複数枚積層され、外周が縁部カバー材で覆われて縫合された長方形のクッション材であって、該クッション材の裏面の2辺に伸長率20〜100%、回復率90%以上の伸縮性弾性帯が掛け渡されて接合されており、かつ、伸縮性弾性帯の長さA(cm)とクッション材における接合点2点間の距離B(cm)の関係で示される、伸縮性弾性帯のゆとり率A/B比が0.80〜1.20であることを特徴とするクッション材。
(2)クッション材の少なくとも2隅において、伸縮性弾性帯がクッション材の隅の2辺と3角形を形成するように縁部に接合されており、該伸縮性弾性帯の長さAが20〜50cmであることを特徴とする(1)に記載のクッション材。
本発明のクッション材は、裏面の2辺に伸縮性弾性帯が掛け渡されて接合されており、伸縮性弾性帯の長さ、物性及び取り付け時のゆとり度合いを最適化することにより、マットレスや敷布団への取付け性が良好で、長時間寝たり頻繁に寝返りしても、クッション材とマットレスや敷布団とのずれを生じにくく、また洗濯時に伸縮性弾性帯が絡み難く、洗濯性も良好である。
本発明でいう立体編物とは、表裏2層の編地を連結糸で連結した、表層、連結層、裏層の少なくとも3層で形成される立体的な編地のことをいい、具体的にはダブルラッセル編機やダブル丸編機等、2列の針列を有する編機で形成される編地等を指す。
本発明のクッション材は、立体編物が一枚もしくは複数枚、又は、立体編物と他素材がそれぞれ一枚もしくは複数枚積層されて構成される。体圧分散性をより向上させる場合は、立体編物を一枚のみ用いるだけでなく、他の立体編物または他素材と積層されていることが好ましく、又、クッション材が全て立体編物の積層で構成されると、蒸れ防止性が極めて向上し、より好ましい。
本発明に用いる立体編物は、表裏の編地のうち少なくとも一方の編地がメッシュ編地で構成されることが好ましい。ここでいうメッシュ編地とはハニカム柄、ダイヤ柄、格子柄、円形柄等、開口部を有する編地のことをいい、立体編物の少なくとも片面がメッシュ編地であると、より高い通気性が維持され、蒸れ防止性能が向上する。
尚、立体編物の少なくとも片面がメッシュ編地の場合、図1に示すようにコース方向のメッシュの最大径aは1〜6mmであることが好ましい。メッシュの最大径が小さすぎると、通気性が阻害され、蒸れ防止性能が不十分なものとなることがあり、また大きすぎると、立体編物の外周の縫合部がほつれ易くなることがある。より好ましいメッシュの最大径は1.5〜5mmである。 又、メッシュ編地において、メッシュ間を構成するメッシュ間のコース方向の編地幅b(図1)は0.8〜5mmで構成されることが好ましい。編地幅が狭すぎると、立体編物が押し潰され易く、蒸れ防止性が劣るものとなり、広すぎると通気性が不十分となり、蒸れ防止性が劣るものとなる。編地幅Bのより好ましい範囲は1〜4mmである。
本発明のクッション材は、外周が縁部カバー材で覆われて縫合されるが、外周の縫合部の縫い目長Cが1.5〜5.0mm/ステッチで形成されることが好ましい。ここでいう縫い目長Cとは、1ステッチの縫い目長を示し、1ステッチを構成する際に形成された針穴(中心)と次の針穴(中心)までの距離のことを指す。縫い目長Cが小さすぎると、厚みがあり、かつ中間層が剛性の高いモノフィラメントで構成された立体編物を縫製することが困難となり、また大きすぎると縫合部がほつれ易くなる。
さらには、立体編物端部にほつれが発生しても、ほつれが大きく広がらないように縫合部で編目及びほつれ糸を固定するために、編地幅bと縫い目長Cの比(C/b)が0.5〜5.0であることが好ましい。C/bが小さすぎると、ほつれは防止できるが、厚みのあるクッション材の縫製が困難となり、C/bが大きすぎると、縫い糸が編地幅bの間を貫通し難くなり、立体編物端部(特に編み終わり方向)のほつれが縫合部で固定され難く、縫合部がほつれ易くなる。C/bのより好ましい範囲は0.7〜4である。
クッション材の外周が縫合される場合、立体編物端部から縫合部までの距離は5〜20mmであることが好ましい。この距離が小さすぎると、縫合部が極めてほつれ易く、また大きすぎると、外周に必要以上のロスが出易くなる。
クッション材の外周を覆う縁部カバー材とは、織物、編物、不織布、合成皮革等が細幅に形成されているものを示し、縁部カバー材に使用する繊維素材は特に限定するものではなく、合成繊維、再生セルロース繊維、天然繊維、あるいはそれらを複合した繊維でもよい。又、その繊維の繊度、織物や編物の密度等も限定するものではない。細幅にスリットしたものは、ストレートカット、バイアスカットを問わない。
縁部カバー材は、立体編物の端部からのモノフィラメントの切れ端が、縁部カバー材を突き抜けて飛び出すのを防止するため、縁部カバー材の突き刺し強度が0.5〜20Nの範囲であることが好ましい。尚、縁部カバー材の突き刺し強度は、ミシン針(オルガン株式会社製TV×7#19)をテンシロンのチャックに取り付け、縁部カバー材を直径30mmの円形のピン枠に固定した状態で、ミシン針を50mm/minの速度で突き刺し、貫通時の最大応力を求める方法で測定されるものである。
突き刺し強度を上げるためには、カバーファクターを上げる、カレンダー加工による目潰し加工を施す、又、片面または両面に例えばポリウレタンやポリアクリルニトリル等の合成樹脂をコーティング、またはディッピングするなどの方法を用いればよく、このようにして、突き刺し強度を0.5〜20Nの範囲に調整することができる。さらには縁部カバー材のミシン針突き刺し強度Fと立体編物のモノフィラメント直径Mの比(F/M)で表されるモノフィラメント突き出し値が9〜50N/mmであると、モノフィラメントの飛び出しを防止できより好ましい。
外周の縫合部の縫合方法は、通常、一般に用いられる単環縫い、本縫い、二重環縫い、扁平縫い、手縫いの如何なる方法であっても良く、又、直線、曲線、ジクザグの如何なる方法であっても良い。
本発明のクッション材は長方形に形成され、クッション材の裏面の2辺に伸縮性弾性帯が掛け渡されて接合される。本発明でいう伸縮性弾性帯とは、ゴムバンド、伸縮性細幅織編物、伸縮性組紐等、細幅で伸縮性のある紐状物を示す。伸縮性弾性帯は、図2に示すように、長方形の向かい合う2辺に掛け渡されてその端部がクッション材の辺部に接合される方法や、図3に示すように、長方形の隅の隣りあう2辺に掛け渡され、2辺との間に3角形を形成するようにその端部がクッション材の辺部に接合される方法等で接合される。
伸縮性弾性帯の端部をクッション材に接合する方法は限定されるものではなく、任意の方法で接合することができるが、伸縮性弾性帯の端部を縁部カバー材の内側に挟み、縁部カバー材と一緒に縫製する方法が好ましい。この際、伸縮性弾性帯の長さA(cm)とクッション材における接合点2点間の距離B(cm)の関係で示される、伸縮性弾性帯のゆとり率A/B比を、0.80〜1.20とすることが必要であり、A/B比を0.90〜1.15とするとより好ましく、0.95〜1.05であるとさらに好ましい。A/B比が0.80未満であると、伸縮性弾性帯が突っ張り、クッション材が湾曲する弊害が生じ、1.20を超えると伸縮性弾性帯がたるみ、洗濯時に絡みやすくなる。尚、伸縮性弾性帯の長さAとは、クッション材の一方の接合点(縫製個所等)と他方の接合点までの伸縮性弾性帯の実際の長さ示し、この長さAは、伸縮性弾性帯をクッション材から取り外し、水平の平板上に張力を与えずにフリー状態で置き、2点の接合点間の距離を伸縮性弾性帯の中心線上で測定して求められる。
本発明に用いる伸縮性弾性帯は、4.9Nの荷重を掛けて1分間放置した時の伸長率が20〜100%であることが、ずれを防止する上で必要であり、より好ましくは30〜80%である。伸長率が20%未満であると、厚手のマットレスへの取り付けが困難となり、100%を超えると、マットレスや敷布団への固定が不十分でクッション材がずれ易くなる。又、伸縮性弾性帯の回復率は90%以上であることが、ずれ防止効果と持続性を高める上で必要であり、100%に近い程好ましい。
マットレスや敷布団との固定をより強固にするには、伸縮性弾性体が、図3に示す長方形の隣りあう2辺と3角形を形成するように接合され、かつ、長方形の4隅にそれぞれ伸縮性弾性帯が配置されていることがより好ましい。この際、3角形の1辺を形成するように接合された伸縮性弾性帯の長さAは20〜50cmとすることが、ずれ防止性を向上させる上で好ましく、25〜45cmであるとより好ましい。長さが20cm未満であると、10cmの厚みを超えるような厚手のマットレスへの取り付けが困難となり、又、50cmを超えると、クッション材がずれ易くなると共に洗濯時に伸縮性弾性帯が絡み易く、洗濯し難いものとなる。
本発明に用いる立体編物に使用する繊維は、連結糸にはポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル系エラストマー繊維等、任意の合成繊維を用いることができる。目標の圧縮変位量とし、かつ良好なクッション性とするために、連結糸はモノフィラメントが好ましい。特に連結糸がポリトリメチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントであると、立体編物の厚み方向及び長さ、幅方向の寸法安定性が良好となると共に、立体編物がシワになり難くなり、かつ、繰り返し圧縮耐久性が良好となり好ましい。
又、表裏の編地に使用する繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維等、任意の繊維を用いることができる。
又、立体編物と一枚もしくは複数枚積層される他素材としては、上記の表裏の編地に使用する繊維の綿状物、中綿、不織布、織編物またはウレタン発泡体などである。
本発明において、立体編物表面の肌触りをより良好にするには、表面の編地を構成する繊維に嵩高糸を用いることが好ましく、例えば、仮撚加工糸、ジェットスタッファー加工糸、押し込み加工糸、紡績糸、ループ状毛羽を有する流体噴射加工糸等、嵩高性が付与された糸が好ましい。又、綿、レーヨン等の吸湿性の高い繊維を用いると、蒸れ防止性を改善する上で好ましい。特に吸放湿性の高いキュプラレーヨンを用いると、蒸れ防止性がより良好となる。
さらには、連結糸のモノフィラメントが表面に突出するざらざらとした肌触りを防止するために、表側編地のモノフィラメントの現出面積Xと表側編地に用いる繊維の現出面積Yの比はX/Y≦0.15であることが好ましい。より好ましくは0≦X/Y≦0.10、さらに好ましくは0≦X/Y≦0.05で0に近いほど良い。
ここで、表側編地のモノフィラメント糸の現出面積Xと表側編地に用いる繊維の現出面積Yの比とは、編地表面の単位面積中に見えるそれぞれの糸の面積比を意味し、以下の方法等により測定される。
立体編物において1cm角の編地表面の拡大写真(5〜50倍)を直角方向から撮影し、写真をイメージスキャーナーでコンピューターに読み込み、高精細画像解析システムIP1000PC(商品名、旭化成(株)社製)の画像解析ソフトを用いて、編地表面に見えるモノフィラメント糸とマルチ糸の面積をそれぞれ領域指定し、領域指定したそれぞれの面積比を画素数の比で計算する。
尚、モノフィラメントの出現面積を低く抑えるには、表側編地の同一編目における表側編地用のマルチ糸の総繊度D(dtex)と、連結糸のモノフィラメントの繊度d(dtex)の関係であるD/dが1.1以上であることが好ましく、より好ましくは1.5〜15.0である。
本発明のクッション材において、表層を立体編物で形成する場合、肌への刺激性をより低減するためには、厚みを2〜8mmとし、連結糸に15〜170デシテックスのモノフィラメントを用いることが好ましい。厚みが小さすぎたり、あるいは連結糸の繊度が小さすぎる場合は、立体編物が押し潰され易く、蒸れ防止性が低下する。又、連結糸の繊度が170デシテックスを超えると、表層の立体編物の肌への刺激性が強過ぎるものとなる。尚、厚みが大きすぎると、表層の立体編物が適度な硬さを維持できずにつぶれ易くなり、蒸れ防止性が低下する。連結糸繊度は好ましくは20〜120デシテックス、より好ましくは30〜100デシテックスである。
又、表層の立体編物における表面の編地は、肌への刺激を低く抑え、柔らかい風合いとするために、総カバーファクター(TCF)を750〜1250とすることが好ましい。総カバーファクターが小さすぎると、表面がざらつき易く肌への刺激が強すぎる物となる。又、総カバーファクターが大きすぎると、通気性が阻害され、蒸れ防止性能が低下すると共に、風合いが硬く良好な肌触りが得られない。総カバーファクターのより好ましい範囲は、800〜1150、さらに好ましくは850〜1100である。
ここで、総カバーファクター(TCF)とは、下記式で計算されるものである。
総カバーファクター(TCF)=コースカバーファクター(CCF)+ウェールカバーファクター(WCF)
但し、コースカバーファクター(CCF)=(コース数;本/2.54cm)×(表面の編地を構成する糸条の太さ;dtex)1/2
ウェールカバーファクター(WCF)=(ウェール数;本/2.54cm)×(表面の編地を構成する糸条の太さ;dtex)1/2
尚、表面の編地を構成する糸条の太さとは、表面の編地2.54cm平方(6.45cm2 )の面積中に存在する編目を構成する糸条の太さをいう。例えば2枚筬から同一の針に2本の表糸が供給されて一つの編目を構成する場合は、2本の表糸の太さを合計した太さをいい、表裏面を連結する連結糸を除いたものである。
編目を構成する糸条の太さが異なる場合は、先ず表面の編地2.54cm平方(6.45cm)の面積中に存在する編目の総数(n)と、各編目を構成する糸条の太さ(D1、D2、D3、・・・、Dn;dtex)を測定する。次いで、各編目を構成する糸条の太さの合計(D1+ D2+D3+・・・Dn;dtex)を編目の総数(n)で割ったもので表す。
表層に用いる立体編物のコースカバーファクター(CCF)は400〜800が好ましく、特に450〜750が好ましく、さらに500〜700が好ましく、又、ウェールカバーファクター(WCF)は250〜550が好ましく、特に300〜500が好ましく、さらに350〜450が好ましい。
さらにコースカバーファクター(CCF)/ウェールカバーファクター(WCF)の比(CCF/WCF)は1.0〜2.5が好ましく、特に1.3〜2.0が好ましい。
カバーファクターを適正範囲とするには、使用する編機のゲージ、表面の編地を構成する繊維の繊度、編組織、仕上げ加工時の幅出し、オーバーフィード率を十分考慮して、立体編物を作製する必要がある。編機は18〜24ゲージものを用い、立体編物の表側の編地に用いる繊維の繊度を100〜280デシテックスとし、仕上げ後の立体編物のコース数を25〜40コース/2.54cm、ウェール数を16〜25ウェール/2.54cmとすることが好ましい。
本発明のクッション材において良好な体圧分散性を得るためには、立体編物を複数層積層し、このうち少なくとも1層の立体編物は180〜1000デシテックスのモノフィラメントからなる連結糸で構成され、厚み3〜15mmであることが好ましい。厚みが小さすぎると、体圧分散性が不十分となり、一方、大きすぎると、立体編物の端部の加工が困難となると共に、長時間使用する際の耐久性が低下し、ヘタリ易くなる。又、連結糸の太さが細すぎると、体重を十分支えきれずに立体編物が押し潰され、良好な体圧分散性が得られなくなると共に、空気層を確保できなくなり、蒸れ防止性が大きく低下する。連結糸が太すぎると、立体編物が硬くなりすぎ、良好な体圧分散性が得られなくなる。立体編物の連結糸は好ましくは180〜900デシテックスであり、さらに好ましくは190〜700デシテックスである。
本発明のクッション材の厚みは3〜30mmであることが好ましい。厚みが小さすぎると、体圧分散性が不良となり、大きすぎると、外周の縫合部の安定性が不十分となり、繰り返し洗濯時にほつれが生じ易くなる。
本発明のクッション材は、立体編物が積層される場合は立体編物の中央部が部分的にキルティング等により上下に接合されていると、上下層のズレや形態崩れを防止できて好ましい。
本発明に用いる立体編物は、生機を精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができ、精練や染色工程を省いて生機をヒートセットのみで仕上げることもできる。
また仕上げセット時には本発明の目的を損なわなければ、通常、繊維加工に用いられている樹脂加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工、難燃加工などの仕上げ加工を適用できる。
仕上げセットで用いる熱処理機としては、ピンテンター、クリップテンター、ショートループドライヤー、シュリンクサーファードライヤー、ドラムドライヤー、連続およびバッチ式タンブラー等が使用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、例中の各特性の評価および測定は下記の方法で行った。
(1)伸縮性弾性帯の伸長率、回復率
伸縮性弾性帯に10cm間隔の印を付ける。伸縮性弾性帯の一端を固定し他端に4.9Nの荷重を固定して垂直に吊るす。1分間放置後の印間の距離L1(cm)を測定する。荷重を取り除き1分後の印間の距離L2(cm)を測定する。これらを3回行い平均値を求め、以下の式に従って伸長率及び回復率を求める。
伸長率(%)=(L1−10)/10×100
回復率(%)=(L1−L2)/(L1−10)×100
(2)クッション材のずれ防止性
綿の敷布団の上にクッション材を敷き、伸縮性弾性帯を敷布団に引っ掛けてクッション材と敷布団を固定し、伸長170〜175cm、65〜70kgの4人の男性がクッション材の上に寝て、寝返りを左右に各20回行い、クッション材の側面と敷布団の側面が最大にずれる距離(cm)を測定し、4人の平均値を求める。
(3)マットレスへの取付け性
厚さ12cmの体圧分散マットへ取付け性を以下の指標で評価する。
○:容易に取付けられる
△:やや取付けが困難である
×:取付けが困難である
(4)洗濯時の伸縮性弾性帯の絡み性
クッション材の裏側を表に4つ折にし、JIS−L−0217の103法に準拠してクッション材を3回洗濯し、伸縮性弾性帯が絡んだ回数によって絡み性評価する。
○:絡み回数0回
△:絡み回数1回
×:絡み回数2回以上
(5)クッション材の隅部の湾曲の有無
クッション材の裏側を上に向けて、水平の床の上に置いた状態で、伸縮性弾性帯が突っ張ることによる隅部の湾曲の有無を外観評価する。
[実施例1]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間12mmのダブルラッセル編機を用い、表面の編地を形成する筬(L1、L2)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸を、連結糸用の筬(L3、L4)から200dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント(ソロテックス社製)を、又、裏面の編地を形成する筬(L5、L6)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸を、L1、L3、L5の筬に1イン1アウトの配列で、L2、L4、L6の筬に1アウト1インの配列で供給した。下記の(編組織1)に示す編組織で、機上コース22コース/2.54cmの密度で生機を編成し、得られた生機を70℃で精錬後、機上幅に対し1.4倍の幅出し率で180℃×2分の乾熱ヒートセットを行い、立体編物(イ)を得た。
(編組織1)
L1:4644/4244/4644/4244/4644/4222/
2022/2422/2022/2422/2022/2444/
L2:2022/2422/2022/2422/2022/2444/
4644/4244/4644/4244/4644/4222/
L3:4242/4646/4242/810810/4242/4646/
6868/6464/6868/2020/6868/6464/
L4:6868/6464/6868/2020/6868/6464/
4242/4646/4242/810810/4242/4646/
L5:4446/4442/4446/4442/4446/4442/
2220/2224/2220/2224/2220/2224/
L6:2220/2224/2220/2224/2220/2224/
4446/4442/4446/4442/4446/4442/
又、6枚筬を装備した22ゲージ、釜間4.5mmのダブルラッセル編機を用い、表面の編地を形成する筬(L1、L2)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維の仮撚糸をオールインの配列で供給し、連結糸用の筬(L3)から56dtexのナイロンモノフィラメントをオールインの配列で供給し、又、裏面の編地を形成する筬(L5、L6)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸を、L5の筬に3イン1アウトの配列で、L6の筬に(1イン)1アウト3インの配列で供給した。下記の(編組織2)に示す編組織で、機上コース30コース/2.54cmの密度で生機を編成した。
得られた生機を70℃で精錬後、機上幅と同一の仕上げ幅で180℃×2分の乾熱ヒートセットを行い、立体編物(ロ)を得た。
(編組織2)
L1:2022/2422/
L2:4644/2022/
L3:2020/2424/
L5:4420/2224/2220/2224/4468/6664/
6668/6664/
L6:4468/6664/6668/6664/4420/2224/
2220/2224/
立体編物(ロ)を1枚、立体編物(イ)を2枚、それぞれ83cm×200cmの長方形のサイズに裁断し、立体編物(ロ)を表層、立体編物(イ)を2層重ねて下層として3層積層し、さらに、長さ方向を3等分した2箇所に、幅方向に渡って長さ80cmの波型のキルティングを施した。これらの外周を突き刺し強度が15NのPETタフタからなる縁部カバー材でカバーしながら、立体編物端面からの縫製部までの距離を14mm、縫い目長4mmで縫合し、クッション材を作製した。この際、クッション材の裏側の4隅に、幅20mm、伸長率51%、回復率98%の細幅織物のゴムバンドを、図2に示す方法で縁部カバー材の内側に挟み込んで縫製した。尚、クッション材における接合点2点間の距離を35cm、伸縮性弾性帯自身の接合点間の長さを35cmとしてゴムバンドを接合した。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明のクッション材は、下層の敷布団との取付け性が良好で、ずれも少なく、かつ、家庭用洗濯機で洗濯しても伸縮性弾性帯が絡むことなく良好に洗濯できるものであった。又、クッション材の上に直接寝ても、刺激が少なく肌触りの良好なものであった。
[実施例2〜7、比較例1、2]
ゴムバンドを接合する際に、伸縮性弾性帯の長さとクッション材における接合点2点間の距離を変更した以外は、実施例1と同様にしてクッション材を得た。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。
伸縮性弾性帯のゆとり率A/B比が0.80〜1.20のものはずれ防止性が良好であったが、0.80未満のものは伸縮性弾性帯が突っ張り、クッション材の隅部が湾曲し外観が不良であった。又、1.20を越えるものはずれ防止性が劣ると共に、洗濯時に伸縮性弾性帯が絡み易いものであった。
又、伸縮性弾性帯の長さAが20〜50cmのものは、ずれ防止性、マットへの取付け性、洗濯時の絡み性共に比較的良好であった。
[実施例8]
表層から順に立体編物(ロ)、立体編物(イ)、ポリエステル綿、T/C混織物を積層しダイヤ柄のキルティングを施したものをクッション材に用いた以外は実施例1と同様にしてクッション材を得た。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。本クッション材はずれ防止性、洗濯性共に良好であった。
[比較例3]
伸縮性弾性帯を、スパンデックス混の2way編地をチューブ状に縫製した、伸長率115%、回復率88%の紐状物とした以外は実施例1と同様にして、クッション材を得た。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。
本クッション材はずれ防止性が劣るものであった。
[比較例4]
伸縮性弾性帯を、ポリエステル仮撚糸からなる編地をチューブ状に縫製した、伸長率13%、回復率85%の紐状物とした以外は実施例1と同様にして、クッション材を得た。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。
本クッション材は敷布団への固定が困難であった。
[比較例5]
伸縮性弾性帯を全く取付けない以外は実施例1と同様にしてクッション材を得た。得られたクッション材は極めてずれ易いものであった。
本発明のクッション材は、マットレスや敷布団等の上に敷いて用いる一般家庭用のベッドパッド等として、あるいは病院、施設等の寝たきり患者用の床ずれ防止マット等として有効に利用でき、体圧分散性や蒸れ防止性が良好で快適な睡眠が可能となるクッション材である。特に、長時間寝たり頻繁に寝返りしても、クッション材と下のマットレスや敷布団とのずれが少なく、又、洗濯時に伸縮性弾性帯のからみが少なく、洗濯性が良好なクッション材である。
Figure 2006346170
立体編物のメッシュ編地のモデル図。 伸縮性弾性帯の接合モデル図。 伸縮性弾性帯の接合モデル図。
符号の説明
a コース方向のメッシュの最大径
b メッシュ間のコース方向の編地幅
1 クッション材
2 伸縮性弾性帯
3 縁部カバー材
4 縫製部
5 クッション材における接合点2点間の距離

Claims (2)

  1. 立体編物が一枚もしくは複数枚、又は、立体編物と他素材がそれぞれ一枚もしくは複数枚積層され、外周が縁部カバー材で覆われて縫合された長方形のクッション材であって、該クッション材の裏面の2辺に伸長率20〜100%、回復率90%以上の伸縮性弾性帯が掛け渡されて接合されており、かつ、伸縮性弾性帯の長さA(cm)とクッション材における接合点2点間の距離B(cm)の関係で示される、伸縮性弾性帯のゆとり率A/B比が0.80〜1.20であることを特徴とするクッション材。
  2. クッション材の少なくとも2隅において、伸縮性弾性帯がクッション材の隅の2辺と3角形を形成するように縁部に接合されており、該伸縮性弾性帯の長さAが20〜50cmであることを特徴とする請求項1に記載のクッション材。
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