JP4001890B2 - クッション材 - Google Patents
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Description
このような積層クッション材として、表裏がハニカム状の編地で構成された立体編物が複数層積層され、回復性と通気性の良好な寝床用シート状物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら特許文献1の積層クッション材は、外周の縫合部に対する洗濯耐久性の対策が何ら考慮されていないため、繰り返し洗濯を行うと、立体編物のメッシュ編目の端部(編み終わり方向)から編目ほつれが生じ初め、外周の縫合部までほつれが発生してしまう問題点があった
即ち本発明は、
立体編物が一枚もしくは複数枚及び/又は立体編物と他素材がそれぞれ一枚もしくは複数枚積層され、外周が縁部カバー材で覆われて縫合されたクッション材であって、立体編物の連結糸がモノフィラメントからなり、表裏編地のうち少なくとも一方の編地がメッシュ編地で構成され、該メッシュ編地のコース方向のメッシュの最大径Aが1〜6mm、メッシュ間のコース方向の編地幅Bが0.8〜5mm、外周の縫合部の縫い目長Cが1.5〜5.0mm/ステッチであり、編地幅Bと縫い目長Cの比(C/B)が0.5〜5.0、立体編物端部から縫合部までの距離が5〜20mmであって、かつクッション材の厚みが3〜30mmであることを特徴とするクッション材、
である。
本発明でいう立体編物とは、表裏2層の編地を連結糸で連結した、表層、連結層、裏層の少なくとも3層で形成される立体的な編地のことをいい、ダブルラッセル編機やダブル丸編機等、2列の針列を有する編機で形成される編地を指す。
本発明のクッション材は立体編物が一枚もしくは複数枚、及び/又は、立体編物と他素材がそれぞれ一枚もしくは複数枚積層されて構成される。体圧分散性をより向上させる場合は、立体編物が立体編物もしくは他素材と積層されていることが好ましく、全て立体編物の積層で構成されると蒸れ防止性が極めて向上し、より好ましい。
メッシュ編地のコース方向のメッシュの最大径A(図1のa部)は1〜6mmである必要があり、メッシュの最大径が1mm未満であると通気性が阻害され蒸れ防止性能が不十分なものとなり、6mmを超えると立体編物の外周の縫合部がほつれ易くなる。より好ましいメッシュの最大径は1.5〜5mmである。
クッション材の外周が縫合される場合、立体編物端部から縫合部までの距離が5〜20mmであることが必要であり、5mm未満の場合、縫合部が極めてほつれ易く、20mmを超えると外周に必要以上のロスが出るため好ましくない。
外周の縫合部の縫合方法は、通常一般に用いられる単環縫い、本縫い、二重環縫い、扁平縫い、手縫いの如何なる方法であっても良く、又、直線、曲線、ジクザグの如何なる方法であっても良い。
又、立体編物と一枚もしくは複数枚積層される他素材としては、上記の表裏の編地に使用する繊維の綿状物、中綿、不織布、織編物またはウレタン発泡体などである。
尚、立体編物表面の肌触りをより良好にするには、表面の編地を構成する繊維に嵩高糸を用いることが好ましく、例えば、仮撚加工糸、ジェットスタッファー加工糸、押し込み加工糸、紡績糸、ループ状毛羽を有する流体噴射加工糸等、嵩高性が付与された糸が好ましい。又、綿、レーヨン等の吸湿性の高い繊維を用いると、蒸れ防止性を改善する上で好ましい。特に吸放湿性の高いキュプラレーヨンを用いると、蒸れ防止性がより良好となる。
ここで、表側編地のモノフィラメント糸の現出面積Aと表側編地に用いる繊維の現出面積Bの比とは、編地表面の単位面積中に見えるそれぞれの糸の面積比を意味し、以下の方法により測定される。
尚、モノフィラメントの出現面積を低く抑えるには、表側編地の同一編目における表側編地用のマルチ糸の総繊度D(dtex)と、連結糸のモノフィラメントの繊度d(dtex)の関係であるD/dが1.1以上であることが好ましく、より好ましくは1.5〜15.0である。
総カバーファクター(TCF)=コースカバーファクター(CCF)+ウェールカバーファクター(WCF)
但し、コースカバーファクター(CCF)=(コース数;本/2.54cm)×(表面の編地を構成する糸条の太さ;dtex)1/2
ウェールカバーファクター(WCF)=(ウェール数;本/2.54cm)×(表面の編地を構成する糸条の太さ;dtex)1/2
さらにコースカバーファクター(CCF)/ウェールカバーファクター(WCF)の比(CCF/WCF)は1.0〜2.5が好ましく、特に1.3〜2.0が好ましい。
厚みが3mm未満では体圧分散性が不十分となり、15mmを超えると立体編物の端部の加工が困難となると共に、長時間使用する際の耐久性が低下しヘタリ易くなる。
本発明のクッション材は、立体編物が積層される場合は立体編物の中央部が部分的にキルティング等により上下に接合されていると、上下層のズレや形態崩れを防止できて好ましい。
また仕上げセット時には本発明の目的を損なわなければ、通常、繊維加工に用いられている樹脂加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工、難燃加工などの仕上げ加工を適用できる。
仕上げセットで用いる熱処理機としては、ピンテンター、クリップテンター、ショートループドライヤー、シュリンクサーファードライヤー、ドラムドライヤー、連続およびバッチ式タンブラー等が使用できる
(1)縫合部のほつれ性
外周が縁部カバー材で覆われて縫合された50cm角のクッション材を作製し、JIS−L−0217の103法に準拠し、洗濯を100回繰り返した後の縫合部のほつれ度合いを以下の基準で評価した。
○:ほつれが全く見られない
△:1cm以下のほつれが見られる
×:1cm以上のほつれが見られる
28±1℃、65±5%RHの環境下の人工気候室内にクッション材を置き、積層クッション材の上に伸長170〜175cm、65〜70kgの4人の男性が仰臥位で寝て60分間安静にした後、蒸れ感を下記の点数で官能評価し、4人の平均点を求める。尚、試験中は綿パイルのタオルケット(良品計画社製)を首から足先まで掛けて行う。
3点:蒸れ感がない
2点:蒸れ感をやや感じる
1点:蒸れ感を非常に感じる
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間12mmのダブルラッセル編機を用い、表面の編地を形成する筬(L1、L2)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚糸をL1の筬に3イン1アウトの配列で、L2の筬に(1イン)1アウト3インの配列で供給し、連結糸用の筬(L3)から200dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントをオールインの配列で供給し、又、裏面の編地を形成する筬(L5)から、167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸をオールインの配列で供給した。
(編組織1)
L1:2022/2422/2022/2444/6866/
6466/6866/6444/
L2:6866/6466/6866/6444/2022/
2422/2022/2444/
L3:2020/0202/
L4:2220/2224/
縫製は、JUKI(株)製の本縫いミシン(DDL−555)により、ミシン針:14番(オルガン(株)製)、縫い糸:ポリエステルスパン30番を用い、実施例1では縫い目長2mm、実施例2では縫い目長4mm、実施例3では6mmとしてクッション材を作製した。いずれも立体編物端面からの縫製部までの距離を14mmとした。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間12mmのダブルラッセル編機を用い、表面の編地を形成する筬(L1、L2)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸を、連結糸用の筬(L3、L4)から200dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント(ソロテックス社製)を、又、裏面の編地を形成する筬(L5、L6)から、167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸を、L1、L3、L5の筬に1イン1アウトの配列で、L2、L4、L6の筬に1アウト1インの配列で供給した。
(編組織2)
L1:4644/4244/4644/4244/4644/4222/
2022/2422/2022/2422/2022/2444/
L2:2022/2422/2022/2422/2022/2444/
4644/4244/4644/4244/4644/4222/
L3:4242/4646/4242/810810/4242/4646/
6868/6464/6868/2020/6868/6464/
L4:6868/6464/6868/2020/6868/6464/
4242/4646/4242/810810/4242/4646/
L5:4446/4442/4446/4442/4446/4442/
2220/2224/2220/2224/2220/2224/
L6:2220/2224/2220/2224/2220/2224/
4446/4442/4446/4442/4446/4442/
立体編物(ロ)の外周を突き刺し強度が15NのPETタフタからなる縁部カバー材でカバーしながら、立体編物端面からの縫製部までの距離を14mm、縫い目長4mmで縫合し、50cm角のクッション材を作製した。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。
編組織を(編組織3)とした以外は立体編物(ロ)と同様にして生機を編成した。得られた生機を70℃で精錬後、機上幅から1.9倍の幅出し率で180℃×2分の乾熱ヒートセットを行い、立体編物(ハ)を得た。
(編組織3)
L1:(4644/4244)×2 /4644/4244/4644/4222/
(2022/2422)×2 /2022/2422/2022/2444/
L2:(2022/2422)×2 /2022/2422/2022/2444/
(4644/4244)×2 /4644/4244/4644/4222/
L3:(4242/4646)×2 /4242/810810/4242/4646/
(6868/6464)×2 /6868/2020/6868/6464/
L4:(6868/6464)×2 /6868/2020/6868/6464/
(4242/4646)×2 /4242/810810/4242/4646/
L5:(4446/4442)×2 /4446/4442/4446/4442/
(2220/2224)×2 /2220/2224/2220/2224/
L6:(2220/2224)×2 /2220/2224/2220/2224/
(4446/4442)×2 /4446/4442/4446/4442/
立体編物(ハ)の外周を突き刺し強度が15NのPETタフタからなる縁部カバー材でカバーしながら、立体編物端面からの縫製部までの距離を14mm、縫い目長4mmで縫合し、50cm角のクッション材を作製した。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。
実施例2に用いた立体編物(イ)の外周を突き刺し強度が15NのPETタフタからなる縁部カバー材でカバーしながら、立体編物端面からの縫製部までの距離を4mm、縫い目長4mmで縫合し、50cm角のクッション材を作製した。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間12mmのダブルラッセル編機を用い、表面の編地を形成する筬(L1、L2)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸を、連結糸用の筬(L3)から200dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント(ソロテックス社製)を、又、裏面の編地を形成する筬(L5、L6)から、167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸を、全てオールインの配列で供給し、(編組織4)に示す編組織で、機上コース22コース/2.54cmの密度で生機を編成し、得られた生機を70℃で精錬後、機上幅に対し1.0倍の幅出し率で180℃×2分の乾熱ヒートセットを行い、立体編物(ニ)を得た。
L1:2022/2422/
L2:2422/2022/
L3:2042/6824/
L5:2224/2220/
L6:2220/2224/
立体編物(ニ)の外周を突き刺し強度が15NのPETタフタからなる縁部カバー材でカバーしながら、立体編物端面からの縫製部までの距離を4mm、縫い目長14mmで縫合し、50cm角のクッション材を作製した。得られたクッション材の性能評価結果を表1に示す。
Claims (1)
- 立体編物が一枚もしくは複数枚及び/又は立体編物と他素材がそれぞれ一枚もしくは複数枚積層され、外周が縁部カバー材で覆われて縫合されたクッション材であって、立体編物の連結糸がモノフィラメントからなり、表裏編地のうち少なくとも一方の編地がメッシュ編地で構成され、該メッシュ編地のコース方向のメッシュの最大径Aが1〜6mm、メッシュ間のコース方向の編地幅Bが0.8〜5mm、外周の縫合部の縫い目長Cが1.5〜5.0mm/ステッチであり、編地幅Bと縫い目長Cの比(C/B)が0.5〜5.0、立体編物端部から縫合部までの距離が5〜20mmであって、かつクッション材の厚みが3〜30mmであることを特徴とするクッション材。
Priority Applications (1)
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JP2005019220A JP4001890B2 (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | クッション材 |
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- 2005-01-27 JP JP2005019220A patent/JP4001890B2/ja active Active
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