JP2000027053A - 横編機 - Google Patents

横編機

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JP2000027053A JP10142594A JP14259498A JP2000027053A JP 2000027053 A JP2000027053 A JP 2000027053A JP 10142594 A JP10142594 A JP 10142594A JP 14259498 A JP14259498 A JP 14259498A JP 2000027053 A JP2000027053 A JP 2000027053A
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  • Textile Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、複合針を有する横編機による割増
やし編成をスライダーの妄動を防いで確実に行うことを
課題とする。 【解決手段】 針本体とスライダーとからなる複合針の
スライダーに第1バットと、第2バットを設けるととも
にカムロックの割増やし編成とニット編成とのスライダ
ーバットのルート分岐位置に、スライダーの第2バット
の割増やし用バイパス経路と、スライダーの第1バット
と係合する割増やしガイドカムと、スライダーの第1バ
ットが前記割増やしガイドカムとカム係合するように誘
導する誘導カム手段を前記カムロック内に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、針本体とスライダ
ーとからなる複合針を用いて行われる編目ループの増
殖、(以下、割増やし、という)を行うための横編機に
関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、歯口部を中心に頭部を対向
して設けたそれぞれの針床に、先頭部にタングを形成し
た重ね合わした薄板状の2枚のブレードを含むスライダ
ーの前記ブレードにより針本体のフックを摺動自在に挟
持し、前記タングによりフックを開閉可能とした形式の
複合針(以下、針という。)を並列してなる横編機を用
いて行う増し目、いわゆる”割増やし”編成について先
に提案した(特願平9−202462号)。これは対向
する針床間の針同士で行うだけでなく、針床上方にトラ
ンスファージャックやベラ針などの編み部材を装着させ
た床部を付設すれば、針とこれら編み部材との間で割増
やし編成を行うこともできるものである。
【0003】この割増やし編成は、連続する2つのカム
ロックを使用する。まず最初のカムロックで編目ループ
(旧ループ)を係止した針をニット位置まで進出させた
後、後退させて給糸口から供給される編糸を針のフック
で捕捉して旧ループ内に引き込む。この針の後退の際に
旧ループがスライダーの先端を越えてノックオーバーし
ないように、スライダーを歯口上に進出させた位置を持
続させた状態で後続のカムロックへと送り出す。そして
後続のカムロックでは、スライダーのタングに係止した
旧ループ内に、対向する針床の針のフックを挿入し、次
いで旧ループを係止する前記スライダーを後退させるこ
とで対向する針床の針のフックに旧ループを受け渡して
相対向する針床の両針に新・旧ループを係止させるもの
である。
【0004】上記割増やし編成を実施するための横編機
の一例とそれによるカム操作について図14〜図29と
ともに以下説明する。横編機は、歯口間隙を挟んで前後
に対向して設けた対の針床F,Bに針を列設している。
図14は、針床上を往復動し、針床に列設された針を進
退操作するキャリッジを下面から見た図を示すとともに
割増やし編成の際のセレクトジャックと針の針本体とス
ライダーに設けた各バットの通過ルートを示す。図15
は針を構成する各パーツを示す。図16は前記カムロッ
クにより進退操作される針を列設した針床先頭部の断面
図で、図16−aは後述するプレッサーの押圧作用を受
けず針のバットが針溝から突出した状態を示し、図16
−bはプレッサーの押圧により針のバットが針溝内に沈
んだ状態を示す。図17〜図25は、割増やし編成の際
の図14の各位置〜(11)における前後針床の針の動き
を示した図である。
【0005】針101は、針本体103とスライダー1
05とからなり、スライダー105はスライダー基体1
07、2枚の弾性板材を重ね合わせたブレード109
a,109bからなる。針本体103は、尾部の近くに
ニードルジャック111の頭部を嵌合する凹部113を
有し、針本体先頭部のフック基部115aのスロート部
分から針本体中央に向けてスライダー溝117を形成し
ている。スライダー基体107は尾部近くにスライダー
バット119を突設する。スライダー基体107は、中
央部のやや前方に下向きに突出し、該突出部分に収容溝
122と凹欠部124を備えたブレード保持部121を
有する。ブレード109a,109bは、ほぼ同形で中
央上部にスライダー基体107の前記ブレード保持部1
21に形成した凹欠部124と係合する突部130を有
し、該突部130を前記凹欠部124に嵌着して支持さ
れている。ブレード109a,109b先端にはタング
110a,110bが形成される。ニードルジャック1
11には後方に延びる弾性脚部112が設けられる。こ
の弾性脚部112は可撓性に形成され、その後端部が針
溝底に当接することでニードルジャック111の上縁に
形成したバット114を針溝外に突出付勢する。この弾
性脚部112による上方付勢によりニードルジャック1
11の上位で支持されるスライダー105やセレクトジ
ャック126の各バット119、128も針溝外に突出
する。なお針本体103とニードルジャック111は一
体で形成してもよく、ここではニードルジャック111
のバット114を針本体103のバットと呼ぶことにす
る。また図16の123は針床基板を示し、この基板に
多数削設した溝にニードルプレート125を挿入し、こ
れらニードルプレート125間に針溝127を形成す
る。129は、針の浮上を防ぐ帯金を示す。
【0006】前後キャリッジ131F,131Bには、
それぞれ前後対称形をなしたカムロック133,133
が2基配置される。カムロック133は、針101の針
本体バット114を進退操作する針本体操作用のカムロ
ック135と、スライダーバット119を進退操作する
スライダー操作用のカムロック137が設けられる。カ
ムロック135は、中央に針本体をニット位置に進出さ
せるレイジングカム141、その両脇にステッチカム1
43l,143rと、前方に天山145をそれぞれ有し
ており、各カム間に針本体バット114を案内するルー
トを形成する。レイジングカム141の後方位にB(ウ
エルト)プレッサー147、Hプレッサー148、A
(割増やし)プレッサー149からなるプレッサー部1
45が設けられている。上記プレッサーのうちHプレッ
サー148と割増やしプレッサー149は共にキャリッ
ジ基板151に対し、出没制御可能に支持されている。
Bプレッサー147とHプレッサー148のバット押圧
量はフルで、割増やしプレッサー149の押圧量は前記
プレッサー147,148の押圧量のハーフ程度となっ
ている。尚、本明細書において、カムやプレッサーの高
さやバットの状態を表す際にフル、ハーフ、ゼロ高さと
いう表現を使うがこれら高さは、以下のように定義す
る。バットに関し、プレッサーによる押圧作用を受けな
い状態がフル高さ、ハーフ高さのプレッサーにより押圧
を受けている状態がハーフ高さ、フル高さのプレッサー
による押圧を受けている状態がゼロ高さである。また、
カムに関し、ハーフ高さのカムはフル高さのバットと係
合でき、フル高さのカムはハーフ高さとフル高さのバッ
トに係合できる。ゼロ高さのカム面とはフル高さのバッ
トが通過できる高さをいう。
【0007】スライダー操作用カムロック137には、
スライダーバット119を案内するための中央位ガイド
溝153を設けてあって、この中央位ガイド溝153の
それぞれに該ガイド溝153よりも天山145に近い後
方側に連絡路155を介して中央位ガイド溝153と平
行するガイド面157が設けられている。上記中央位ガ
イド溝153の深さは最も深くカムロック133が載置
されているキャリッジ基板151の面と同じ(ゼロ高
さ)で、ガイド面157はハーフ高さで、スライダーガ
イドカム132の表面はフル高さである。ガイド面15
7の両端部付近にはそれぞれキャリッジ基板151の面
と同一の高さまで下がる左右の傾斜面161,163を
有している。中央位ガイド溝153,153間はハーフ
高さの第1バイパス溝165で接続されているが、第1
バイパス溝165,165間に中央位ガイド溝153の
頂部に接続される第2バイパス溝167が形成される。
斜面169はゼロ高さとハーフ高さを結ぶ斜面で、第2
バイパス溝167は斜面169,169間をゼロの高
さ、他をハーフ高さとして形成される。
【0008】図28は、上記横編機を使って編まれた編
地で、編み幅は割増やし編成により徐々に増加(内増や
し)される。図29のステップA〜Fは編地左側端部に
おけるコース編成を示したステップ図である。ステップ
Aは割増やしが行われる直前の針床F,Bにおける編目
ループの係止状態を示しており、前コースの旧ループ1
70は、全て前針床Fの針b〜zに係止されている。ス
テップBでは、針b〜zに供給して次コースの新ループ
173を形成するとともに後針床Bの針fにループ17
0bを割増やしをする。ステップCでは、前針床Fの針
b〜eに係止される新ループ173を後針床Bの針b〜
eに目移しし、ステップDで後針床Bを左にラッキング
し、ステップEで前記目移しされた新ループ173と割
増やしにより後針床Bの針に移された旧ループ170b
を前針床Fの針a〜eに目移しする。以降このような編
成を繰り返すことで編み幅を徐々に増やす。
【0009】次に割増やしコースにおけるカム操作と前
後針床の針の動きについて説明する。図17はキャリッ
ジ到達前の針の状態を示し、前後針床の各針は後退位置
(初期位置)にある。キャリッジの選針部(不図示)の
到達により、前針床では割増やし編成を行う針のセレク
トジャックバット128はセレクター(不図示)を介し
て初期位置のBポジションからAポジションにセットさ
れ、ニット編成を行う他の針のセレクトジャックバット
128はHポジションにセットされる。各針の操作は先
行カムロック133においては前側キャリッジFのみで
行われ、割増やし編成とニット編成を行う各針は、後述
するの位置までは同じ進退ルートを辿る。
【0010】図14の位置で割増やしを行う針及びニ
ット編成を行う針の各針本体のバット114は、レイジ
ングカム141の上り斜面と当接する。このときスライ
ダーバット119は後退位置(初期位置)にある。図1
7はこのときの針の状態を示す。図14の位置では、
割増やし及びニット編成を行う各針の針本体のバット1
14は、先行カムロックのレイジングカム141の上昇
斜面に沿って肩位置まで上昇する。スライダーバット1
19は、スライダー操作用カムロック137のハーフ高
さを有するガイド面157へと続く傾斜面161を上っ
た後、前記針本体の前進によって押し出され、スライダ
ー操作用カムロック137のハーフ高さのガイド面15
7に入る(図18)。図14の位置では、割増やしと
ニット編成を行う各針の針本体のバット114は、先行
する針本体操作用カムロック135のレイジングカム1
41の頂部を上り、フックは最も進出するとともにスラ
イダーバット119は、連絡路155を通って一番深く
形成された中央位ガイド溝153へと案内される。図1
9はこのときの針の状態で、前針床の針に係止される旧
ループ170は、スライダーのタング110の上位で針
のスロート部分に係止されている。
【0011】図14の位置では、割増やしを行う針と
ニット編成を行う針の針本体のバット114は、天山1
45の下げカム面でレイジングカム141の肩の位置ま
で引き下げられるが、スライダーバット119は中央位
ガイド溝153内を案内されたままで、図20のように
フック115がタング110に若干近づいた状態で給糸
口180より糸182が供給される。その後、割増やし
を行う針のセレクトジャックバット128は、Aポジシ
ョンにセットされたハーフ高さの割増やしプレッサー1
49で押圧され、バットがハーフ程度沈められる。これ
により針本体バット114、スライダーバット119も
同様に針溝内に同程度押し込まれる。これに対し、Hポ
ジションに選択されたニット編成を行う他の針は、プレ
ッサーの作用を受けず各バットは最も突出した状態を維
持する。そして図14の位置では、割増やしを行う針
とニット編成を行う針の針本体のバット114は、ステ
ッチカム143rの引き下げ斜面に沿って若干後退し、
タング110の先端にフック115先端が当接し、その
鈎口を閉ざす。このとき供給された糸182はフックに
捕捉されている。
【0012】次の位置以降においては、割増やしとニ
ット編成を行う各針の針本体のバット114はともに同
じルートを辿るが、スライダーバット119の通過ルー
トを異にする。即ち、ニット編成を行う針の針本体のバ
ット114は、更にステッチカム143rの引き下げ斜
面に沿って後退するとともに、スライダーバット119
は、バット全体を針床上面に突出した状態にあるためス
ライダー操作用カム137のハーフ高さの第1バイパス
溝165の側縁の引下げ斜面165aに係合して後退し
て先行カムロック133内を通過する(図の破線)。こ
れにより針本体103とスライダー105はともに初期
位置まで後退し、フック115に新たに形成された編目
ループ173を係止するとともに旧ループ170がスラ
イダー先端からフックを越えてノックオーバーされる。
【0013】一方割増やしを行う針の針本体バット11
4はニット編成の針と同様にステッチカム143rの引
き下げ斜面に沿って初期位置まで引き下げられるが、ス
ライダーバット119は、割増やしプレッサー149に
よりハーフ程度押圧されているため引下げ斜面165a
には係合せず、直進して中央ガイド溝153からバイパ
ス溝165へと案内される。そのためフック115に新
たな編目ループ173を係止するだけでなく旧ループ1
70がスライダーのタング110上に係止された状態と
なる(図14の、図19)。後続の後行カムロック1
33では、セレクトジャックバット128はガイドカム
142によりBポジションへ後退され、その位置に配置
したBプレッサー147により針溝内へ沈められるため
針本体ット114はカム操作を受けることなく通過す
る。
【0014】以降、割増やし編成が終了するまで前針床
の針の針本体103は、初期位置を維持する。図14の
位置は、スライダーバット119が第1バイパス溝1
65から第2バイパス溝167へ案内されるとともに後
針床では、これに対応する針が後行カムロック内に入る
前にキャリッジの選針部(不図示)でHポジションに選
択され、レイジングカム141の上昇斜面を進出し、前
針床の針のスライダーのタング110に係止している旧
ループ170内にフックを挿入する(図24)。
【0015】図14の位置では、スライダー操作用カ
ムロック137の第2バイパス溝167内に位置する前
針床のスライダーバット119は、下降して中央位ガイ
ド溝153内へと案内される。これによりタング110
に係止していた旧ループ170は後針床Bの針のフック
115へと移される(図25)。このとき後針床Bの針
のスライダーバット119は針本体バット114の進出
に押され、斜面161からガイド面157に入ってい
る。そしてセレクトジャックバット128はHプレッサ
ー148に押し込まれる。これにより針本体バット11
4はレイジングカム141の頂部へと進出せず肩部の高
さを維持してステッチカム143rへと案内される(図
26)。
【0016】図14の(10)(11)位置では、後針床Bの針
は後行側カムロック133のステッチカム143rで引
き下げられ、ガイド面157にあったスライダーバット
119は、スライダーガイドカム132の斜面に沿って
初期位置まで後退する。同様に前針床のスライダー10
5もスライダーガイドカム132の斜面に沿って初期位
置まで下降する。この結果、前後針床の各針にループが
それぞれ係止されて割増やし編成を完了するのである
(図27,図28のステップBにおける針f,f)。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが前記から
位置においてそれまで同じルートを辿って案内されてき
た割増やしの針とニット編成の針のスライダーバット1
19をそれぞれのルートに選別する際に、割増やしの針
もニット編成の針も針本体バット114はステッチカム
143rに沿って後退するのであるが、そのときにスラ
イダー105が針本体103の後退に連れ動く、いわゆ
る妄動現象が発生する。妄動は、スライダー上に係止し
た割増やしの旧ループ170をスライダーの先端から落
下させてしまい、旧ループ170は再び針フックで保持
されることになる。そのため後続するカムロック133
において旧ループ170を対向する針床の針に移せなく
なり割増やし編成が遂行されないという不具合を生じ
る。
【0018】このスライダーの妄動を抑える方法とし
て、針溝とスライダー間の摺動抵抗を大きくすることが
考えられるが、これをもってもスライダーの妄動発生を
完全に防ぐことはできない。またスライダーと針溝間の
摺動抵抗を過剰に大きくすると針の耐久性等に問題を引
き起こすことになる。本発明の課題は、上記した問題を
鑑み発明されたもので、スライダーの妄動を阻止して割
増やし編成を確実に行うことのできる横編機を提供する
ことである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明では、歯口を挟ん
で前後に対向配設した針床上に、先頭部にタングを形成
した2枚のブレードを含むスライダーと、先頭にフック
を形成した針本体とからなり、このスライダーと針本体
との相対移動においてフックの鈎口を開閉するとともに
スライダーのタングがフックを越えて更に進出可能であ
る複合針と、該複合針のための選針部材としてのセレク
トジャックを有し、前記針本体はその上面に突設する制
御バットを針溝内へ没入可能とする本体後方に延びる可
撓性に形成された弾性脚部を備え、前記スライダーは前
記針本体上で針本体に形成したスライダー溝に支持され
ていて、その上面に突設した前方側に位置する第1バッ
トと、その後方側に位置する第2バットを備え、前記セ
レクトジャックは、針本体の後方側の上位に配置され、
その上面に制御バットを突設するとともに初期位置と進
出位置との間を変位可能に構成されていて、前記各針床
上を往復動するキャリッジには、前記針本体の制御用バ
ットに係合して針本体を進退操作する天山、ステッチカ
ム、レイジングカムを含む針本体操作用カムロックと、
前記スライダーの制御用バットに係合してスライダーを
進退操作するガイドカムを含むスライダー操作用カムロ
ックと、前記セレクトジャックの制御バットに選択的に
押圧作用できるプレッサー部を設け、プレッサーの押圧
作用により針本体およびスライダーの制御バットを針床
上から没入可能として、編目形成用のカムロックを構成
し、更にキャリッジには割増やし編成を行うために、ス
ライダーの第2バットを進出した位置を保持させた状態
で後続のカムロックへ案内する割増やし用バイパス経路
と、スライダーの第1バットと係合して前記スライダー
の第2バットが割増やし用バイパス経路から外れるのを
阻止する割増やしガイドカムをスライダー操作用カムロ
ック内に設けるとともに、スライダーの第1バットが前
記割増やしガイドカムとカム係合するように誘導する誘
導カム手段を前記カムロック内に設けた。
【0020】また、前記誘導カム手段を、針本体操作用
カムロック内に設けたハーフ高さのアシ部(下げカム)
を有する天山と、プレッサー部に設けた前記スライダー
の第2バットを前記割増やし用バイパス経路へ導くハー
フ高さの割増やしプレッサーで構成した。
【0021】また、前記誘導カム手段を、針本体操作用
カムロック内に設けたハーフ高さの第1引き下げ面とこ
の後行側に設けたフル高さの第2引き下げ面を有するス
テッチカムと、プレッサー部に設けた前記スライダーの
第2バットを前記割増やし用バイパス経路へ導くハーフ
高さの割増やしプレッサーで構成した。
【0022】また、前記誘導カム手段を、スライダー操
作用カムロック内の前記割増やしガイドカムより先行側
に設けられ、スライダーの第2バットに係合してスライ
ダーの第1バットを前記割増やしガイドカムとカム係合
可能な位置まで進出させるハーフ高さの上げカムで構成
した。
【0023】また、前記カムロックのスライダー操作用
カムロックと針本体操作用カムロック内にニット、タッ
ク、ミスの編目形成ルートに加え、編目ループのトラン
スファールートを設けた。
【0024】これによれば、ルート選別箇所において割
増やしを行う針は、ハーフ高さの割増やしプレッサーに
より針本体のバットと、スライダーの第1、第2バット
を針溝内に沈められる。割増やしプレッサーの押圧を受
けている間に針本体バットは天山のアシ部分を素通りし
てステッチカムへと進み、スライダーの第2バットは、
バイパス経路へ案内されることになる。この間の針本体
とスライダーがカム操作を受けず同一位置を保った状態
で平行移動する間にスライダーの第1バットとスライダ
ー操作用カムロックに設けた割増やしガイドカムとがカ
ム係合する。このカム係合が行われている間に針本体バ
ットがステッチカムで引き下げられるのでスライダーは
妄動せず針本体と連れ下がることはない。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の横編機の実施の形態につ
いて以下、図面とともに説明する。 <実施例1>本実施例のキャリッジは、先行カムロック
と後行カムロック(不図示)の2基のカムロックが配設
されたダブルカムシステムとして構成される。カムロッ
クは互いに左右対称に構成され、図1はその先行のカム
ロックのみを示す。図2は針床断面図を示す。針1の基
本的な構成は、前記した従来のものとほぼ同じで、針本
体3と、スライダー基体6、2枚重ねのブレード7a,
7bよりなるスライダー5からなる。針本体3は尾部の
近くにニードルジャック9の頭部を係合する凹部11を
有し、針本体3のフック13基部のスロート部分から針
本体中央にかけてスライダー溝18を形成している。ス
ライダー基体6は、尾部近くに第2バット15とその前
方側に第1バット17を有し、頭部近くの下面にブレー
ド保持部材19を突設し、ここでブレード7をスライダ
ー基体6に嵌着する。ブレード7a,7bはほぼ同形状
をしており先端側にタング8を有する。前記第1バット
17は、図に示すように上縁の中央部17aが凹状に形
成されていて、キャリッジに設けた後述の割増やしガイ
ドカム70の突部がこの凹部17aに係合できるように
構成される。29は帯金、23は針床基板、27は針
溝、16は弾性脚部を示す。
【0026】次にキャリッジ31のカムロック33につ
いて説明する。カムロックは33は、針本体操作用カム
ロック35、スライダー操作用カムロック37、プレッ
サー部39とプレッサーの後方位でその両側に設けられ
る選針部(不図示)からなる。カムロック33は、中央
にレイジングカム41、その両脇にステッチカム43、
前方に天山45を備える。47はBプレッサー、48は
Hプレッサー、49は割増やしプレッサーを示し、Hプ
レッサー48と割増やしプレッサー49は出没切り替え
可能に構成される。また割増やしプレッサー49のみハ
ーフ高さとし、他はフル高さとなっている。
【0027】スライダーの第2バット15の通過ルート
にステッチカム43前方に設けた中央位ガイド溝53と
該ガイド溝53よりも天山45に近い後方側に連絡路5
5を介して中央位ガイド溝53と平行するガイド面57
を設ける。上記中央位ガイド溝53の深さは最も深くカ
ムロックが載置されているキャリッジ基板51の面と同
じ(ゼロ高さ)で、ガイド面57はそれより高いハーフ
高さで、スライダー操作用カムロック37のスライダー
ガイドカム66の表面高さはフル高さである。そして、
ガイド面57の両端部付近にはそれぞれキャリッジ基板
51の面と同一の高さまで下がる左右の傾斜面61,6
3を有している。中央位ガイド溝53と不図示の後行カ
ムロックの中央位ガイド溝との間に第1バイパス溝65
と第2バイパス溝67を接続する。第2バイパス溝67
内の69はハーフ高さからゼロ高さの斜面を示し、中央
位ガイド溝53と斜面69との間はハーフ高さとして形
成される。
【0028】注目すべきは、割増やしの針のスライダー
が所定のルートへ案内されるようにルート選別箇所にス
ライダーの第1バットと係合して第2バットが割増やし
用バイパス経路から外れるのを阻止する割増やしガイド
カム70がスライダーガイドカム66のカム表面に突設
している。また第2バットを進出した位置を保持させた
状態で後続のカムロックへ案内する割増やし用のバイパ
ス溝65をスライダー操作用カムロック37内に設けて
いる。更にスライダーの第1バットが前記割増やしガイ
ドカム70とカム係合するように誘導する誘導カム手段
として前記プレッサー部に設けた割増やしプレッサー4
9と、針本体操作用カムロック33内で下方に延びるフ
ル高さとハーフ高さのアシ部(下げカム)45a,45
bを設けた天山45で構成した。また、針床基板23に
挿入され、針溝27を形成するニードルプレート73に
は、その上面部73aが他より一段低く形成して前記ス
ライダーの第1バット17と前記割増やしガイドカム7
0とのカム係合を許容した点が先に述べた従来のものと
相違する。この割増やしガイドカム70は、スライダー
の第1バット17と係合してスライダーの妄動を阻止す
るものであるが、第1バット17と割増やしガイドカム
70の働きについては後述する。
【0029】次に上記した横編機による割増やし編成
と、その際のキャリッジのカムロックのカム操作と前後
針床の針の動きについて以下説明する。編成される編地
と編成ステップは先に説明した図24、図25と同じで
あるのでここではその説明を省略する。図3において各
位置〜における割増やし編成を行う針の動きは先の
図13〜図16と同じである。位置は、各針の針本体
バット14は、フル高さの天山のアシ45bで若干後退
し、スライダーのタング8先端部にフック13先端を当
接し、その鉤口を閉鎖する。このとき給糸された糸はフ
ック13で捕捉される(図17)。
【0030】位置において各針のフック13の鉤口を
閉鎖した後、続く位置にかけて割増やしとニット編成
を行う各針のルートが選別される。即ちAポジションに
ある割増やしを行う針は割増やしプレッサー49の押圧
を受け、各バットは図4−aに示すハーフ高さの状態と
なる。図4−bはその部分拡大図を示す。これにより割
増やし編成を行う針に対応するセレクトジャックのバッ
ト28は、割増やしプレッサー49で押圧されるため針
本体バット14とスライダー第2バット15はハーフ高
さの天山アシ部45a、第1バイパス溝の下げカム面6
5aに係合せず直進する。
【0031】図4に示すようにこの位置では、スライダ
ーの第2バットは、中央位ガイド溝53内に案内された
状態で、そのときの第1バット17は、ニードルプレー
ト73の表面高さが一段低い73aにあって針床表面か
ら顔を覗かせている。そのためスライダーが同一位置を
保った状態で水平移動する間にスライダー第1バット1
7の凹部17aがスライダーガイド66のカム表面に突
設した割増やしガイドカム70と嵌合できる。尚、図3
に各バットの割増やしルートを実線で示し、これと異な
る部分のニット編成のルートを破線で示す。Hポジショ
ンにあるニット編成を行う他の針は、プレッサーの作用
を受けることはなく各バットが最も突出した状態を維持
するので針本体バット14は天山のハーフ高さのアシ部
分45aの下げカム面に係合して後退し、スライダーの
ほうも第2バット15を第1バイパス溝65の下げカム
面65aに係合して図示のルートを辿る。位置以降に
おいては割増やし編成を行う針の針本体バット14はス
テッチカム43rと係合して後退するが、スライダーは
第1バット17を既に割増やしガイドカム70とカム係
合させた状態にあるため針本体の後退とともにスライダ
ーが妄動して後退することはない。
【0032】このように割増やしを行う針とニット編成
を行う針のルートは、まず天山のフル高さのアシ部45
bでまずフックの鉤口を閉じる位置まで針本体3を後退
させた後、次にルート選別箇所においてニット編成の針
の針本体バット14を天山のハーフ高さのアシ部分45
aの下げカム面で後退させるとともに、スライダーの第
2バット15を第1バイパス溝65の傾斜面65aで後
退させる。そして割増やしを行う針は、ハーフ高さの割
増やしプレッサー49により針本体とスライダーの各バ
ット14,15をそれに応じた分だけ針溝内に沈める。
この結果、針本体バット14は天山のアシ部分45aを
素通りしてステッチカム43rへと進む、またスライダ
ーの第2バット15は、第1バイパス溝65を通って第
2バイパス溝67へと突き進む。そして割増やしを行う
針の針本体3とスライダー5がカム操作を受けず同一位
置を保った状態で平行移動する間にスライダーの第1バ
ット17を割増やしガイドカム70と係合させ、その後
で針本体バット14をステッチカム43rで引き下げ
る。これにより割増やし編成を行う針のスライダーの妄
動を確実に防いで割増やしのルートへと案内することが
できるのである。
【0033】そして位置以降、ニット編成を行う針
は、針本体3とスライダー5はともに初期位置まで後退
する。その結果、フック13に新たな形成された編目ル
ープを係止するとともに旧ループがスライダーのタング
8先端からフック13を越えてノックオーバーする。ま
た割増やしを行う針の針本体バット14はニット編成の
針と同様にステッチカム43rの引き込み斜面に沿って
初期位置まで引き下げられるが、スライダーバット1
5,17は直進し、第2バット15は中央ガイド溝53
から第1バイパス経路65へと案内される。その結果、
フック13に新たな編目ループを係止するだけでなく旧
ループがスライダーのタング8上に係止された状態とな
る。そして後続の後行カムロック(不図示)において、
先の従来例と同じようにスライダー上に係止された旧ル
ープが後針床の針に受け渡され割増やし編成を完了する
のである。
【0034】<実施例2>本実施例のキャリッジは、単
一のカムロックを搭載したシングルカムシステムで、カ
ムロックは、複合カムロックとして構成され、ニット・
タック・ミスの編目形成と前後の針床間で編目ループの
トランスファーを遂行できるとともに割増やし編成のル
ートを追加させたのものである。本実施例に使用する針
は前記実施例1のものと同じである。以下、複合カムロ
ックについて図面とともに以下説明する。
【0035】図5に示すようにカムロック75は、針本
体操作用カムロック76と、その前方の歯口に近接する
側にスライダー操作用カムロック77と、針本体操作カ
ムロック76の後方側に配置されるプレッサー部78
と、更にプレッサー部78の後方側の両側に配置される
選択部79で構成される。針は、セレクトジャック28
を介し、進行方向において先行する選択部79aで選択
された後に操作用カムロックへと運ばれニット、タッ
ク、ミス若しくはトランスファーを行う。
【0036】スライダー操作用カムロック77は、固定
のスライダーガイドカム81,82,83,84と中央
に配置した出没切換可能な第1トランスファー制御カム
85とで構成する。スライダーガイドカム83,84の
間にスライダーの第2バット15をガイドカム82,8
4間のルートへと連絡する連絡路87を形成する。三角
形状をした第1トランスファー制御カム85は、その底
辺部をスライダーガイドカム84の前縁に接し、その頂
部をスライダーガイドカム81,82間に形成した第2
バット15のルートに面する。スライダーガイドカム8
2と第1トランスファー制御カム85との間にスライダ
ーの第2バット15を最前位置に設けたスライダーバッ
ト溝へと案内するハーフ高さの連絡路89を設ける。上
記した各スライダーガイドカムは、ハーフ高さのカム8
9を除いて全てフル高さのカムで構成する。図中の91
は割増やし編成のためのバイパス溝を示し、91aはハ
ーフ高さ、91bはハーフからゼロへの傾斜面を示す。
93はスライダーの第1バット15と係合する割増やし
ガイドカムを示す。バイパス溝91と割増やしガイドカ
ム93は、右側のステッチカム95rの前方側のみに設
けられる。
【0037】針本体操作用カムロック76は、外形が双
コブ形状を有するレイジングカム94と、その両側に一
対のステッチカム95r,95lと、その前方に設けた
天山96と、レイジングカムの双コブのコブ間に設けた
第2トランスファー制御カム97からなる。天山96に
は割増やし編成のためのハーフ高さのアシ部96a,フ
ル高さのアシ部96bが上記割増やし用の各カム93,
91と同様に右側のステッチカム95rの前方側のみに
設けられる。上記カムの内、レイジングカム94、天山
96は固定カムとして、第2トランスファー制御カム9
7は出没切換制御可能な可動カムとして構成する。レイ
ジングカム94の後方のプレッサー部78には、A,
H,Bの各ポジションにプレッサーカムを設ける。Bポ
ジションにはフル高さのBプレッサー90を、Hポジシ
ョンにはレイジングカム94の左右のコブ部分を覆うハ
ーフ高さのHプレッサー98a,98bを、Aポジショ
ンにはレイジングカム94のコブ頂部を覆うフル高さの
Aプレッサー99a,99bをそれぞれ設ける。Bプレ
ッサー90以外を出没切換可能な可動プレッサーカムと
して構成する。レイジングカム94は、上記プレッサー
部78の各プレッサーとの協働作用により針本体バット
14およびスライダーバット15をニット、タック、ミ
ス及びトランスファーや割増やしのの各ルートへ案内で
きるようにカム表面の高さが部分的に変えて形成されて
いて、94aはフル高さ、94bはハーフ高さ、94c
はハーフ高さとゼロ高さの中間の高さで形成されてい
る。
【0038】図6は、編目形成(ニット、タック、ミ
ス)におけカムロックの動作状態と各バットの通過ルー
トを示す。図はキャリッジ左方向進行時の状態を示し、
ニットのルートを実線で示し、これと異なる部分のタッ
クとミスのルートをそれぞれ破線、一点鎖線で示す。先
行の選針部79aにおいてニット、タック、ミスの針の
セレクトジャック28がH、A、Bの各ポジションにそ
れぞれ選択される。そのときのプレッサーとカムの作動
状態は図示のとおりで、固定のBプレッサー90の他に
先行Aプレッサー99aが作動し、Hプレッサー98、
後行Aプレッサー99bとトランスファー制御カム8
5,97は作動しない。
【0039】ニット編成では、針本体バット14は、先
ずレイジングカム94の左側上げカム面に沿って進出す
る。これにより針本体3が前進し、スライダー5と相対
移動を引き起こしフックを開く。そして針本体バット1
4が肩部Pまで進出することでスライダー5を歯口に向
かって進出させる。肩部Pにおいてスライダーバット1
5がスライダーガイドカム83の後縁に当接する。針本
体バット14は更に進出してレイジングカム94の頂部
Qまで前進し、スライダーバット15は連絡路87を経
てスライダーガイドカム82,84間のカム溝内へ案内
される。針本体バット14は、レイジングカム94の頂
部を通過した後は天山96の下降斜面に案内されて肩の
高さまで後退した後、同レベルを維持した状態でコブ山
を素通りして天山のアシ部96a,96bとそれに続く
ステッチカム95へと進む。そして針本体バット14が
ステッチカム95rに沿って後退するときに給糸口から
送られる編糸をフックで捕捉し、スライダー5との相対
移動においてフック13を閉鎖して後退することでニッ
トループを形成する。
【0040】タック編成では、針本体バット14がレイ
ジングカム94に沿って肩部まで進出した後、先行のA
プレッサー99aの作用を受け、この間針溝内に沈めら
れるのでレイジングカム94の頂部へは案内されず図示
のルートをとる。ミス編成は、選針部79aにて選択さ
れずセレクトジャックはBポジションを維持するのでB
プレッサー90の作用によりセレクトジャックバット2
8は沈められ、その結果針本体バット14、スライダー
バット15はともに操作カムによる進退操作を受けずカ
ムロック内を通過する。
【0041】次にトランスファーについて説明する。図
7はキャリッジ左方向進行時のトランスファー(移し、
受け)状態を示し、移しのルートを実線で示し、これと
異なる部分の受けのルートを破線で示す。移しはAポジ
ション、受けはHポジションの針で行われる。そのとき
のプレッサーやカムの作動状態は図示のとおりで、後行
のAプレッサー99b、先行のHプレッサー98a、お
よびトランスファー制御カム85,97が作動してい
る。
【0042】移し工程では、針本体バット14がレイジ
ングカム94に沿ってまず肩部Pまで進出する。このと
き針本体3とスライダー5との相対移動によりスライダ
ーのタング8がスライダー収容溝18に没入し、そのフ
ック13を完全に開く。続いて針本体バット14は、レ
イジングカム94頂部Qまで案内され、それによりスラ
イダーの第2バット15は連絡路87を通ってスライダ
ーガイドカム82,84間へ案内される。その後、針本
体バット14は天山96と第2トランスファー制御カム
97の引き下げ面にに沿って後退する。その間、スライ
ダーの第2バット15は、第1トランスファー制御カム
85に係合してスライダーガイドカム81,82間のト
ランスファーの高さへと進出する。セレクトジャックバ
ット28は、後行のAプレッサー99bにより針溝内に
沈められ、針本体バット14は、後続のレイジングカム
94のコブ山に係合することなく通過する。一方スライ
ダーの第2バット15は、セレクトジャックバット28
がプレッサーによりハーフ高さに押されるがバットの一
部が針床表面から突出しているのでスライダーガイドカ
ム81,82間を案内されるので編目ループはスライダ
ー5により対向する針床の受け針のフックと対面する位
置まで持ち上げられ、受け針のフックにより編目ループ
を貫通することを許す。その後、針本体バット14とス
ライダー第2バット15はステッチカム95、スライダ
ーガイドカム81に沿って初期位置まで後退する。
【0043】受け工程では、針本体バット14が先行の
Hプレッサー98aの作用によりレイジングカム94の
ハーフ高さのカム部分94bへ案内された後、図示よう
に受けカム斜面に沿ってレイジングカム94の肩部まで
進出する。この結果、対向する移しの位置にある針の編
目ループ内に受け針のフックを貫通する。そして後続の
天山96のアシ部、ステッチカム95により針本体バッ
ト14が後退されることで針本体3及びスライダー5が
初期位置まで後退する。
【0044】次に上記したカムロックを備えたキャリッ
ジによる割増やし編成におけるカム操作と割増やしを行
う前後針床の針の動きについて以下説明する。編成され
る編地は先と同じで図24に示すものとする。同様に割
増やしコースにおける編成ステップは図25と同じであ
る。本実施例の場合は、キャリッジは、単一のカムロッ
クを搭載したシングルキャリッジにより割増やし編成が
行われるため割増やし編成に使用される連続するカムロ
ックとは、キャリッジの左行きが最初のカムロック、キ
ャリッジ反転後の右行きが後続のカムロックとなり、キ
ャリッジの一往復により割増やし編成を終える。各位置
〜(11)における針の動きは先の実施例と同じである。
【0045】まず左行き編成において各バットは図8に
示したルートを通ってカムロック75内を通過する。実
線が割増やし編成の各バットのルートを示し、ニット編
成についてはそれと異なるルートのみを破線で示す。左
行き編成では、後行のHプレッサー98bのみが作動さ
れ、他のプレッサーやトランスファー制御カムは作動し
ない。ニット編成を行う針のセレクトジャックはAポジ
ションに、割増やし編成を行う針のセレクトジャックは
Hポジションに選針される。ニット編成の針は、先の図
6と同じルートを辿る。割増やしを行う針の針本体、ス
ライダーの各バットは、位置まではニット編成と同じ
ルートを辿る。位置においては後行のHプレッサーの
作用によりセレクトジャックバット28がハーフ高さに
押圧され、針本体バット14は天山のハーフ高さのアシ
部96bと係合しない。同様にスライダーの第2バット
15もバイパス溝91の引き下げ面91aの引き下げ面
に係合せず図示のように進行し、第1バット17の凹部
17aと割増やしガイドカム93が係合する。以降この
割増やしガイドカム93に案内された状態で第2バット
15はバイパス溝91内へと案内される。そしてキャリ
ッジが通過した状態は図19の状態よりも針本体がガイ
ドカムにより若干進出される程度でほぼ図19と同じ
で、針のフック13に新ループを保持し、スライダー5
のタング8に旧ループを保持させた状態である。
【0046】その後、キャリッジは右向きに進行方向を
反転させて進行し、図9に示すルートを各バットは辿
る。右行き編成では、先行、後行のHプレッサー98
a,98bと第1トランスファー制御カム85が作動す
る。そして割増やしを行う針のみが選針部79bでHポ
ジションに選針される。針本体バット14は、レイジン
グカム94のハーフ高さの部分94bを案内されるとと
もにスライダーの第2バット15はトランスファーの移
しのルートを辿ることになる。このとき対向する針床の
割増やし編成に対応する針が受けのルートを辿り、割増
やしの針のスライダーのタング上に係止された旧ループ
を受け取り割増やしが完了する。
【0047】次に前記誘導カム手段の変形例について図
10〜図13とともに説明する。先の実施例2と同じ部
分については同じ符号を付すとともに便宜上その説明を
省略した。
【0048】<変形例1>図10は、先の図6に示すカ
ムロックの誘導カム手段の変形例を示す。本実施例で
は、ニットの針と割増やしの針のスライダーのルート選
別を先の実施例のように針本体操作用カムロックの天山
にハーフ高さのアシ部分を設ける代わりにスライダー操
作用カムロック277のガイドカム283にハーフ高さ
の上げカム285を設けた。これに伴いスライダーの第
2バットの通過経路を挟んで設けた固定スライダーガイ
ドカム281の前記上げカム285と対峙する部分を図
示のようにえぐった形状にするとともに上げカム285
により前進した第2バットがバイパス溝291内へ進入
するのを許す傾斜面291cを設けた。291dはバイ
パス溝のゼロ高さからフル高さに向かう傾斜面を示し、
291eは上げカム285により進出した第2バットを
下げる下げカム面を示す。293は割増やしガイドカム
を示し、上げカム285で進出した割増やしを行う針の
スライダー第1バットに形成した凹部が係合する。
【0049】ニットを行う針は、Aポジションにあって
その針本体は本体バットがステッチカム95rで引き下
げられ、スライダーは第2バットが引き下げ面281a
に係合することで引き下げられる。割増やしの針は、H
ポジションにあってプレッサー部278の作用を受け
ず、その結果針本体のバットはニットの針と同様にステ
ッチカム95rで引き下げられるが、スライダーの第2
バットが上げカム285に係合し、前進されることで第
1バットが割増やしガイドカム293と係合し、この係
合状態にあるときにステッチカム95rで針本体を引き
下げるのでスライダーが針本体と連れ下がるのを防いで
スライダーの第2バットをバイパス溝291へ案内して
後続のカムロックへと送ることができる。
【0050】また、プレッサー部278においては、上
記ルート選別箇所に位置する側のAプレッサー299b
の幅が先の実施例のものよりも幾分長く形成される。こ
のプレッサー299bは割増やし編成の際に作動して、
Aポジションにあるニットを行う針のセレクトジャック
バットを押圧することでスライダーの第2バットを沈め
て上げカム285とのカム係合させずに素通りさせる。
図11は、先の図8に対応する図で、割増やし編成の際
の先行カムロックにおける各バットの通過ルートとカム
の作動状態を示し、実線が割増やし編成の各バットのル
ートで、ニット編成についてはそれと異なるルートのみ
を破線で示した。
【0051】<変形例2>図12は、先の図6に示すカ
ムロックの誘導カム手段についての更なる変形例を示
す。本実施例では、ニットの針と割増やしの針のスライ
ダーのルート選別を針本体操作用カムロック内に設けた
ステッチカム395とプレッサー部378に設けた割増
やしプレッサー398で構成する。ステッチカム395
は、ハーフ高さの第1引き下げ面395aと、この後行
側に設けたフル高さの第2引き下げ面395bで形成さ
れる。Hプレッサー398は、押圧量がハーフのプレッ
サーでスライダーの第2バットを前記割増やし用バイパ
ス経路391へ導く。バイパス経路の391aはハーフ
高さ、391bはハーフ高さとゼロ高さを結ぶ斜面を示
す。
【0052】ニットを行う針は、Aポジションにあっ
て、その針本体は本体バットがステッチカム395の第
1引き下げ面395aに係合することで引き下げられ、
スライダーは第2バットがバイパス溝391のハーフ高
さの引き下げ面391aに係合することで引き下げられ
る。そして割増やしの針は、Hポジションにあって、H
プレッサー398bにより押圧され、その結果針本体の
バットがステッチカム395の第1引き下げ面395a
との係合を免れ、引き下げられずに水平移動している間
にスライダーの第1バットの凹部と割増やしガイドカム
393とをカム係合させ、その係合状態にあるときに針
本体をステッチカム395の第2引き下げ面395bで
引き下げるようにしてスライダーの妄動を防ぎ、スライ
ダーの第2バットをバイパス溝391を通過させ後続の
カムロックへと案内する。図13は、先の図8に対応す
る図で、割増やし編成の際の先行カムロックにおける各
バットの通過ルートとカムの作動状態を示し、実線が割
増やし編成の各バットのルートで、ニット編成について
はそれと異なるルートのみを破線で示した。
【0053】尚、上記に本発明の横編機についての好適
な実施の形態について説明したが、本発明の横編機は上
記したものに限定されるものでなく発明の趣旨を逸脱し
ない範囲において種々実施できることはいうまでもな
い。例えば上記実施例では、スライダーの第1バットの
上面を凹部とし、これに嵌合する割増やしガイドカムの
先端を凸部として形成したが、この凹凸の関係を入れ替
えて形成することも当然可能である。また、嵌合を必須
の要件とするものでなく、要はスライダーの第2バット
が割増やしのルート(カム溝)内に案内されるまでの
間、針本体の後退によるスライダーの連れ下がりを阻止
できる構成であればよいのであって、単にスライダーの
第1バットの後縁に係合するカム面を設けるようにして
もよい。
【0054】
【発明の効果】上記したように本発明の横編機は、誘導
カム手段を設けて割増やし編成を行う針のスライダーの
第1バットとスライダー操作用カムロック内に設けた割
増やしガイドカムとをカム係合させる。そしてスライダ
ーの第1バットと割増やしガイドカムとがカム係合状態
にあるときに針本体を引き下げるようにしたのでスライ
ダーの妄動は起きなく確実にスライダーの第2バットは
割増やし用バイパス溝へと案内されるので後続のカムロ
ックにおいて割増やし編成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる横編機の第1実施例の先行カム
ロックの透視図を示す。
【図2】カムロックにより進退操作される針を列設した
針床先頭部の断面図で、図2−aはプレッサーの押圧作
用を受けず針のバットが針溝から突出した状態を示し、
図2−bはプレッサーにより針のバットが押圧された状
態を示す。
【図3】割増やし編成の際の先行カムロックの位置〜
における各バットの通過ルートとカムの作動状態を示
す。
【図4】針床の断面図を示し、図4−aは割増やし編成
の際にスライダーの第1バットと割増やしガイドカムが
係合した状態を示し、図4−bはその一部拡大図を示
す。
【図5】本発明に係わる横編機の第2実施例のカムロッ
クの透視図を示す。
【図6】ニット・タック・ミス編成の際のカムロックに
おける各バットの通過ルートとカムの作動状態を示す。
【図7】目移し編成の際のカムロックにおける各バット
の通過ルートとカムの作動状態を示す。
【図8】割増やし編成の際の先行カムロックの位置〜
における各バットの通過ルートとカムの作動状態を示
す。
【図9】割増やし編成の際の後行カムロックの位置〜
(11)における各バットの通過ルートとカムの作動状態を
示す。
【図10】上記第2実施例におけるカムロックの誘導カ
ム手段の変形例を示す。
【図11】上記第2実施例の図8の対応図で、割増やし
編成の際の先行カムロックにおける各バットの通過ルー
トとカムの作動状態を示す。
【図12】上記第2実施例におけるカムロックの誘導カ
ム手段の更なる変形例を示す。
【図13】上記第2実施例の図8の対応図で、割増やし
編成の際の先行カムロックにおける各バットの通過ルー
トとカムの作動状態を示す。
【図14】スライダーの妄動が起こらないと想定した場
合のカムロックと割増やし編成の際の針に設けた各バッ
トの通過ルートを示す。
【図15】針を構成する各パーツを示す。
【図16】カムロックにより進退操作される針を列設し
た針床先頭部の断面図で、図12−aはプレッサーの押
圧作用を受けず針のバットが針溝から突出した状態を示
し、図12−bはプレッサーにより針のバットが押圧さ
れた状態を示す。
【図17】割増やし編成の際の図10の位置における
前後の針の動きを示した図である。
【図18】割増やし編成の際の図10の位置における
前後の針の動きを示した図である。
【図19】割増やし編成の際の図10の位置における
前後の針の動きを示した図である。
【図20】割増やし編成の際の図10の位置における
前後の針の動きを示した図である。
【図21】割増やし編成の際の図10の位置における
前後の針の動きを示した図である。
【図22】割増やし編成の際の図10の位置における
前後の針の動きを示した図である。
【図23】割増やし編成の際の図10の位置における
前後の針の動きを示した図である。
【図24】割増やし編成の際の図10の位置における
前後の針の動きを示した図である。
【図25】割増やし編成の際の図10の位置における
前後の針の動きを示した図である。
【図26】割増やし編成の際の図10の位置(10)におけ
る前後の針の動きを示した図である。
【図27】割増やし編成の際の図10の位置(11)におけ
る前後の針の動きを示した図である。
【図28】横編機で割増やし編成を行いながら編み幅を
徐々に増加(内増やし)させた編地を示す。
【図29】ステップA〜Fは編地左側端部におけるコー
ス編成を示したステップ図である。
【符号の説明】
1,101…針、3,103…針本体、5,105…ス
ライダー、7,109…ブレード、8,110…タン
グ、9,111…ニードルジャック、11,113…凹
部、、13,115…フック、14,114…針本体バ
ット、15…第2バット、16,112…弾性脚部、1
7…第1バット、17a…凹部、18,117…スライ
ダー溝、19…ブレード保持部材、23,123…針床
基板、26…セレクトジャック、27,127…針溝、
28,128…セレクトジャックバット、29,129
…帯金、31,75,131…キャリッジ、33,7
5,133…カムロック、35,76,135,27
6,376…針本体操作用カムロック、37,77,1
37,277,377…スライダー操作用カムロック、
39,78,145,278,378…プレッサー部、
41,94,141…レイジングカム、43,95,1
43,395…ステッチカム、45,96,145,2
96,396…天山、45a,96a,45b,96b
…天山アシ部、47,90,147…Bプレッサー、4
8,98,148,398b…Hプレッサー、49,9
9,149…割増やしプレッサー、51,151…キャ
リッジ基板、53,153…中央位ガイド溝、57,1
57…ガイド面、61,161,63,163…傾斜
面、65…第1バイパス溝、67…第2バイパス溝、6
6…スライダーガイドカム、70,93,293,39
3…割増やしガイドカム、73、125…ニードルプレ
ート上面部、79…選択部、81,82,83,84,
281…固定のスライダーガイドカム、85…第1トラ
ンスファー制御カム、87,89,155…連絡路、9
1,291,391…バイパス溝、97…第2トランス
ファー制御カム、119…スライダーバット、121…
断面コ字状のブレード保持部、167…バイパス溝、1
70…旧ループ、173…新ループ、180…給糸口、
182…糸
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月7日(1999.9.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】一方割増やしを行う針の針本体バット11
4はニット編成の針と同様にステッチカム143rの引
き下げ斜面に沿って初期位置まで引き下げられるが、ス
ライダーバット119は、割増やしプレッサー149に
よりハーフ程度押圧されているため引下げ斜面165a
には係合せず、直進して中央ガイド溝153からバイパ
ス溝165へと案内される。そのためフック115に新
たな編目ループ173を係止するだけでなく旧ループ1
70がスライダーのタング110上に係止された状態と
なる(図14の、図23)。後続の後行カムロック1
33では、セレクトジャックバット128はガイドカム
142によりBポジションへ後退され、その位置に配置
したBプレッサー147により針溝内へ沈められるため
針本体ット114はカム操作を受けることなく通過す
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】図14の(10)(11)位置では、後針床Bの針
は後行側カムロック133のステッチカム143rで引
き下げられ、ガイド面157にあったスライダーバット
119は、スライダーガイドカム132の斜面に沿って
初期位置まで後退する。同様に前針床のスライダー10
5もスライダーガイドカム132の斜面に沿って初期位
置まで下降する。この結果、前後針床の各針にループが
それぞれ係止されて割増やし編成を完了するのである
(図27,図29のステップBにおける針f,f)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明では、歯口を挟ん
で前後に対向配設した針床の各々の針溝に、先頭部にタ
ングを形成した2枚のブレードを含むスライダーと、先
頭にフックを形成した針本体と、セレクトジャックとを
有し、このスライダーと針本体との相対移動によりフッ
クを開閉し、かつスライダーのタングがフックを越えて
更に進出できる複合針を配列し、各針本体の上面には針
本体バットが突設され、該針本体バットを針溝内へ没入
可能とするための、弾性脚部を針本体の後方に設け
スライダーは針本体上に支持され、かつスライダーの
面に、前方側に位置する第1バットと、その後方側に位
置する第2バットとを突設しセレクトジャックは、
針本体の後方側の上部に配置され、その上面にセレクト
ジャックバットを突設するとともに初期位置と進出位
置との間を変位可能、前記針床上を往復動するキャリ
ッジには、前記針本体バットに係合して針本体を進退操
作する天山、ステッチカム、レイジングカムを含む針本
体操作用カムロックと、前記第2バットに係合して、ス
ライダーを進退操作するガイドカムを含むスライダー操
作用カムロックと、前記セレクトジャックバットに選択
的に押圧作用できるプレッサー部を設け、プレッサー
の押圧作用により針本体バットおよび第2バットを針
床上から没入可能として、更にキャリッジに、割増やし
編成のために、前記スライダー操作用カムロックは、ス
ライダー操作用カムロックにより進出させられた位置を
保持させた状態で、スライダーの第2バットを、後続の
カムロックへ案内する割増やし用バイパス経路と、スラ
イダーの第1バットと係合して、前記スライダーの第2
バットが割増やし用バイパス経路から外れるのを阻止す
ための割増やしガイドカムをさらに有し、かつスライ
ダーの第1バットを、前記割増やしガイドカムと係合す
るように誘導するための誘導カム手段を設けた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、前記誘導カム手段が、前記セレクト
ジャックバットを半部針溝内に沈めるための、ハーフ高
さの割増やしプレッサーと、前記天山の少なくとも一端
に延在し、かつセレクトジャックを沈められていない複
合針の針本体バットに係合し、該セレクトジャックを半
部沈められた複合針の針本体バットに係合しない、ハー
フ高さのアシ部で構成した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】また、前記誘導カム手段、スライダー操
作用カムロック内、前記割増やしガイドカムより先行
側に設けられた、第2バットに係合して第1バットを
前記割増やしガイドカムと係合する位置まで進出させる
ハーフ高さの上げカムと、前記セレクトジャックバット
を半部針溝内に沈めるための、ハーフ高さの割増やしプ
レッサーで構成した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】また、前記誘導カム手段が、前記ステッチ
カムに設けた、ハーフ高さの第1引き下げ面と、第1引
き下げ面の後行側に設けられ、前記第2バットを前記割
り増やし用バイパス経路へ導くためのフル高さの第2引
き下げ面と、前記セレクトジャックバットを半部針溝内
に沈めるための、ハーフ高さの割増やしプレッサーで構
成した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、前記スライダー操作用カムロックと
針本体操作用カムロックの各々に、ニット、タック、ミ
スの編目形成ルートに加え、編目ループのトランスファ
ールートを設けた。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】これによれば、ルート選別箇所において割
増やしを行う針は、ハーフ高さの割増やしプレッサーに
よりセレクトジャックを押圧して、針本体のバットと、
スライダーの第2バットを半部針溝内に沈める。割増や
しプレッサーの押圧を受けている間に針本体バットは天
山のハーフ高さのアシ部分を素通りしてステッチカムへ
と進み、スライダーの第2バットは、バイパス経路へ案
内されることになる。この間の針本体とスライダーがカ
ム操作を受けず同一位置を保った状態で平行移動する
スライダーの第1バットとスライダー操作用カムロッ
クに設けた割増やしガイドカムとがカム係合する。この
カム係合が行われている間に針本体バットがステッチカ
ムで引き下げられるのでスライダーは妄動せず針本体と
連れ下がることはない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】次に上記した横編機による割増やし編成
と、その際のキャリッジのカムロックのカム操作と前後
針床の針の動きについて以下説明する。編成される編地
と編成ステップは先に説明した図28、図29と同じで
あるのでここではその説明を省略する。図3において各
位置〜における割増やし編成を行う針の動きは先の
17〜図20と同じである。位置は、各針の針本体
バット14は、フル高さの天山のアシ45bで若干後退
し、スライダーのタング8先端部にフック13先端を当
接し、その鉤口を閉鎖する。このとき給糸された糸はフ
ック13で捕捉される(図17)。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】スライダー操作用カムロック77は、固定
のスライダーガイドカム81,82,83,84と中央
に配置した出没切換可能な第1トランスファー制御カム
85とで構成する。スライダーガイドカム83,84の
間にスライダーの第2バット15をガイドカム82,8
4間のルートへと連絡する連絡路87を形成する。三角
形状をした第1トランスファー制御カム85は、その底
辺部をスライダーガイドカム84の前縁に接し、その頂
部をスライダーガイドカム81,82間に形成した第2
バット15のルートに面する。スライダーガイドカム8
2と第1トランスファー制御カム85との間にスライダ
ーの第2バット15を最前位置に設けたスライダーバッ
ト溝へと案内するハーフ高さの連絡路89を設ける。上
記した各スライダーガイドカムは、ハーフ高さのカム8
9を除いて全てフル高さのカムで構成する。図中の91
は割増やし編成のためのバイパス溝を示し、91aはハ
ーフ高さ、91bはハーフからゼロへの傾斜面を示す。
93はスライダーの第1バット17と係合する割増やし
ガイドカムを示す。バイパス溝91と割増やしガイドカ
ム93は、右側のステッチカム95rの前方側のみに設
けられる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】針本体操作用カムロック76は、外形が双
コブ形状を有するレイジングカム94と、その両側に一
対のステッチカム95r,95lと、その前方に設けた
天山96と、レイジングカムの双コブのコブ間に設けた
第2トランスファー制御カム97からなる。天山96に
は割増やし編成のためのハーフ高さのアシ部96a,フ
ル高さのアシ部96bが上記割増やし用の各カム93,
91と同様に右側のステッチカム95rの前方側のみに
設けられる。上記カムの内、レイジングカム94、天山
96は固定カムとして、第2トランスファー制御カム9
7は出没切換制御可能な可動カムとして構成する。レイ
ジングカム94の後方のプレッサー部78には、A,
H,Bの各ポジションにプレッサーカムを設ける。Bポ
ジションにはフル高さのBプレッサー90を、Hポジシ
ョンにはレイジングカム94の左右のコブ部分を覆うハ
ーフ高さのHプレッサー98a,98bを、Aポジショ
ンにはレイジングカム94のコブ頂部を覆うフル高さの
Aプレッサー99a,99bをそれぞれ設ける。Bプレ
ッサー90以外を出没切換可能な可動プレッサーカムと
して構成する。レイジングカム94は、上記プレッサー
部78の各プレッサーとの協働作用により針本体バット
14およびスライダーバット15をニット、タック、ミ
ス及びトランスファーや割増やしの各ルートへ案内でき
るようにカム表面の高さが部分的に変えて形成されてい
て、94aはフル高さ、94bはハーフ高さ、94cは
ハーフ高さとゼロ高さの中間の高さで形成されている。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】次に上記したカムロックを備えたキャリッ
ジによる割増やし編成におけるカム操作と割増やしを行
う前後針床の針の動きについて以下説明する。編成され
る編地は先と同じで図28に示すものとする。同様に割
増やしコースにおける編成ステップは図29と同じであ
る。本実施例の場合は、キャリッジは、単一のカムロッ
クを搭載したシングルキャリッジにより割増やし編成が
行われるため割増やし編成に使用される連続するカムロ
ックとは、キャリッジの左行きが最初のカムロック、キ
ャリッジ反転後の右行きが後続のカムロックとなり、キ
ャリッジの一往復により割増やし編成を終える。各位置
〜(11)における針の動きは先の実施例と同じである。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1,101…針、3,103…針本体、5,105…ス
ライダー、7,109…ブレード、8,110…タン
グ、9,111…ニードルジャック、11,113…凹
部、、13,115…フック、14,114…針本体バ
ット、15…第2バット、16,112…弾性脚部、1
7…第1バット、17a…凹部、18,117…スライ
ダー溝、19…ブレード保持部材、23,123…針床
基板、26…セレクトジャック、27,127…針溝、
28,128…セレクトジャックバット、29,129
…帯金、31,75,131…キャリッジ、33,7
5,133…カムロック、35,76,135,27
6,376…針本体操作用カムロック、37,77,1
37,277,377…スライダー操作用カムロック、
39,78,139,278,378…プレッサー部、
41,94,141…レイジングカム、43,95,1
43,395…ステッチカム、45,96,145,2
96,396…天山、45a,96a,45b,96b
…天山アシ部、47,90,147…Bプレッサー、4
8,98,148,398b…Hプレッサー、49,9
9,149…割増やしプレッサー、51,151…キャ
リッジ基板、53,153…中央位ガイド溝、57,1
57…ガイド面、61,161,63,163…傾斜
面、65…第1バイパス溝、67…第2バイパス溝、6
6…スライダーガイドカム、70,93,293,39
3…割増やしガイドカム、73、125…ニードルプレ
ート上面部、79…選択部、81,82,83,84,
281…固定のスライダーガイドカム、85…第1トラ
ンスファー制御カム、87,89,155…連絡路、9
1,291,391…バイパス溝、97…第2トランス
ファー制御カム、119…スライダーバット、121…
断面コ字状のブレード保持部、167…バイパス溝、1
70…旧ループ、173…新ループ、180…給糸口、
182…糸
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯口を挟んで前後に対向配設した針床上
    に、先頭部にタングを形成した2枚のブレードを含むス
    ライダーと、先頭にフックを形成した針本体とからな
    り、このスライダーと針本体との相対移動においてフッ
    クの鈎口を開閉するとともにスライダーのタングがフッ
    クを越えて更に進出可能である複合針と、該複合針のた
    めの選針部材としてのセレクトジャックを有し、 前記針本体はその上面に突設する制御バットを針溝内へ
    没入可能とする本体後方に延びる可撓性に形成された弾
    性脚部を備え、 前記スライダーは前記針本体上で針本体に形成したスラ
    イダー溝に支持されていて、その上面に突設した前方側
    に位置する第1バットと、その後方側に位置する第2バ
    ットを備え、 前記セレクトジャックは、針本体の後方側の上位に配置
    され、その上面に制御バットを突設するとともに初期位
    置と進出位置との間を変位可能に構成されていて、 前記各針床上を往復動するキャリッジには、 前記針本体の制御用バットに係合して針本体を進退操作
    する天山、ステッチカム、レイジングカムを含む針本体
    操作用カムロックと、 前記スライダーの制御用バットに係合してスライダーを
    進退操作するガイドカムを含むスライダー操作用カムロ
    ックと、 前記セレクトジャックの制御バットに選択的に押圧作用
    できるプレッサー部を設け、プレッサーの押圧作用によ
    り針本体およびスライダーの制御バットを針床上から没
    入可能として、編目形成用のカムロックを構成し、 更にキャリッジには割増やし編成を行うために、 スライダーの第2バットを進出した位置を保持させた状
    態で後続のカムロックへ案内する割増やし用バイパス経
    路と、スライダーの第1バットと係合して前記スライダ
    ーの第2バットが割増やし用バイパス経路から外れるの
    を阻止する割増やしガイドカムをスライダー操作用カム
    ロック内に設けるとともに、 スライダーの第1バットが前記割増やしガイドカムとカ
    ム係合するように誘導する誘導カム手段を前記カムロッ
    ク内に設けたことを特徴とする横編機。
  2. 【請求項2】前記誘導カム手段を、針本体操作用カムロ
    ック内に設けたハーフ高さのアシ部(下げカム)を有す
    る天山と、プレッサー部に設けた前記スライダーの第2
    バットを前記割増やし用バイパス経路へ導くハーフ高さ
    の割増やしプレッサーで構成したことを特徴とする請求
    項1に記載の横編機。
  3. 【請求項3】前記誘導カム手段を、スライダー操作用カ
    ムロック内の前記割増やしガイドカムより先行側に設け
    られ、スライダーの第2バットに係合してスライダーの
    第1バットを前記割増やしガイドカムとカム係合可能な
    位置まで進出させるハーフ高さの上げカムで構成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の横編機。
  4. 【請求項4】前記誘導カム手段を、針本体操作用カムロ
    ック内に設けたハーフ高さの第1引き下げ面とこの後行
    側に設けたフル高さの第2引き下げ面を有するステッチ
    カムと、プレッサー部に設けた前記スライダーの第2バ
    ットを前記割増やし用バイパス経路へ導くハーフ高さの
    割増やしプレッサーで構成したことを特徴とする請求項
    1に記載の横編機。
  5. 【請求項5】 前記カムロックのスライダー操作用カム
    ロックと針本体操作用カムロック内にニット、タック、
    ミスの編目形成ルートに加え、編目ループのトランスフ
    ァールートを設けたことを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の横編機。
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