JP2003238573A - 有機金属化合物を含む組成物ならびにディスプレイ部材およびディスプレイ - Google Patents

有機金属化合物を含む組成物ならびにディスプレイ部材およびディスプレイ

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JP2003238573A
JP2003238573A JP2002039746A JP2002039746A JP2003238573A JP 2003238573 A JP2003238573 A JP 2003238573A JP 2002039746 A JP2002039746 A JP 2002039746A JP 2002039746 A JP2002039746 A JP 2002039746A JP 2003238573 A JP2003238573 A JP 2003238573A
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organometallic compound
acid
photosensitive
solvent
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Hiroe Yamada
洋恵 山田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機金属化合物と高極性溶媒を含む組成物を提
供し、高分子材料や添加剤、および無機微粒子等を共存
させうる溶媒、特に高極性溶媒の可使範囲を飛躍的に拡
大する。 【解決手段】配位座数が2以上の多座配位子と炭素数が
4以上の配位子を有する有機金属化合物を含むことを特
徴とする組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機金属化合物お
よびそれを含む組成物、それを使用した多様な用途を有
する高品質の金属酸化物薄膜およびアレイ状金属酸化物
機能性素子、特に通信機器の分野において汎用されてい
る光変調器、強誘電体メモリー材料、ICの絶縁膜、光
シャッター、アクチュエータ、およびマイクロマシン等
の部材として有用な金属酸化物製の機能性素子等の無機
材料およびプラズマディスプレイ(以下、PDPと略
す)、プラズマアドレス液晶ディスプレイ(PAL
C)、電界放出素子を用いたディスプレイ(FED)、
蛍光表示管(VFD)等のディスプレイ用部材およびデ
ィスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、軽量、薄型の利点から広く普及し
ているフラットパネルディスプレイにおいては、高精細
化が進んでおり、それに伴う加工技術の向上と高画質化
が必要とされている。その中でも大型表示装置としては
プラズマディスプレイが広く家庭にも浸透しつつある
が、その背面板部材には画素を形作る隔壁が形成されて
いる。大面積の基板上に精緻な構造体を形成する手法と
しては、パターンを重ね塗りするスクリーン印刷法、サ
ンドブラスト法、フォトリソグラフィー法によるパター
ン加工などが知られているが、隔壁構造の設計の自由度
と工程の単純さから、特開平9−59544号公報に開
示されているように、1回の露光・現像で隔壁形成が可
能なフォトリソグラフィー法が有利である。
【0003】特開2001−27811号公報には、粒
子径が0.003〜0.02μmの酸化物微粒子および
分子オーダーで透明な酸化物溶液を用いてフォトリソグ
ラフィー法により隔壁を形成することが開示されてい
る。しかし、このように粒径の小さい微粒子を有機成分
中に添加する場合、凝集が起こり、フォトリソグラフィ
ー法を行うと凝集体による光散乱が起こることがあるた
め、パターン加工には困難を伴う場合がある。
【0004】また、同公報には分子オーダーで透明な酸
化物溶液のうち、Tiを含む有機金属化合物の例が列挙
されているが、元来著しい加水分解性を有する一連の化
合物を、合成溶媒である低級アルコール以外の高極性溶
媒、たとえばγ−ブチロラクトンやNMPなどのように
高い配位能を持った溶媒への安定な溶液調製のための技
術に関して具体的な開示がない。
【0005】一方、発明者らが目的とするところのディ
スプレイ用部材などを形成するために用いられる組成物
に用いられる有機溶媒に必要とされる特性は、有機高分
子材料や添加剤に対する溶解能、そして無機粉末等を適
宜配合するための極性の高さ、そして厚膜プロセスに対
応可能な流動特性と蒸発速度等である。
【0006】しかし、一般的に有機金属化合物の溶媒と
して選択される低級アルコールでは蒸発速度が大きす
ぎ、さらに表面張力が小さいこと等から厚膜プロセスに
は必ずしも適当ではない。従来の有機金属化合物では上
述のように、高極性溶媒、特に非プロトン性極性溶媒等
への溶解を試みると、著しく加水分解して金属酸化物の
沈殿を生じ、さらに有機高分子材料等を加えた溶液調製
を試みると直ちにゲル化するなど、組成物の主要成分と
しての利用が難しいのが実状であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上述した問題点を解決することを課題とし、そ
の目的とするところは、有機金属化合物と高極性溶媒を
含む均質な組成物を提供し、高分子材料や添加剤、およ
び無機微粒子等を共存させうる溶媒、特に高極性溶媒の
可使範囲を飛躍的に拡大させ、ディスプレイ部材等への
応用を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明は、配
位座数が2以上の多座配位子と炭素数が4以上の配位子
を有する有機金属化合物を含む組成物である。また、上
記組成物を用いることを特徴とするディスプレイ部材の
製造方法およびディスプレイである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。本発明の組成物は、配位座数が2以上の
多座配位子と炭素数が4以上の配位子を有する有機金属
化合物を含むものである。通常、配位子を有する有機金
属化合物を含む組成物は、その配位子の置換反応活性に
より、加水分解および縮重合を起こして沈殿を生じるた
め、組成物は著しくゲル化したり、長期保存安定性に欠
けたりする。また、組成物が感光性有機成分さらにカル
ボキシル基を有するポリマーを含む場合、有機金属化合
物はその置換反応活性により架橋剤として機能し、組成
物がさらに高分子量化して流動性に乏しくなり、さらに
現像処理ができなくなるといった問題がある。
【0010】本発明の組成物においては、用いる有機金
属化合物が、配位座数が2以上の多座配位子であること
により、極性溶媒の会合性による置換反応活性を立体的
に抑制し、炭素数が4以上の配位子を直接あるいは間接
的に結合させることによってさらに安定性を向上させる
ことを特徴としている。ここで、極性溶媒との組成物を
構成する上で、これら有機金属化合物の溶媒への溶解性
を考慮すると、この配位子は中心金属への配位原子の他
に電気陰性度が2.5よりも大きい元素を1つ以上含む
ものが極性溶媒への溶解性を付与する上で好ましい。例
えば窒素(3.7)、酸素(3.5)、フッ素(3.
9)、リン(2.8)、硫黄(2.6)、塩素(3.
0)、臭素(2.8)などである。また、この配位子の
炭素数は電気陰性度が2.5よりも大きい元素の原子数
の20倍以下であることが極性溶媒への溶解性を維持す
る上で好ましい。有機金属化合物は、錯塩の形をとるこ
とで、極性溶媒への溶解性、また、フォトリソ加工時の
現像液への溶解性を持たせる上で特に好ましい。
【0011】有機金属化合物の中心金属としては、A
l、B、Ba、Bi、Ca、Ce、Co、Cr、Dy、
Er、Eu、Fe、Ga、Gd、Ge、Hf、Ho、I
n、K、La、Li、Lu、Mg、Mn、Mo、Nb、
Nd、Ni、P、Pb、Pr、Re、Sb、Sm、S
n、Sr、Ta、Ti、V、W、Y、Yb、Zn、Zr
などが挙げられる。特に、中心金属の価数変化による活
性度の変化の点において、希土類のIII価、Ti(I
V)、Zr(IV)、Ta(V)、Nb(V)、V
(V)、Ti(III)、Zr(III)、Ta(IV)、Nb
(IV)、V(IV)、Ti(II)、Zr(II)、Ta(II
I)、Nb(III)、V(III)、Mo(IV)、Re
(V)などの置換反応活性であるとされるイオン種であ
ることが好ましい。
【0012】ここで、多座配位子とは、1つの配位子分
子の中に2つ以上の配位基を持つもののうち、中心金属
に対して実質的に結合している2つ以上の配位原子を持
つものを指す。配位原子の種類としては酸素、窒素、硫
黄、リン、砒素、セレン等が挙げられる。本発明におけ
る有機金属化合物は、この配位原子が2つ以上である2
座以上の多座配位子を持つことが必要であり、3座以上
であることが中心金属の反応活性を立体的に包接する効
果により抑制できて、より好ましい。多座配位子の種類
としてはクラウンエーテル、グリコレート、エチレンジ
アミン誘導体、アルカノールアミン、アミノ酸、アミノ
ポリカルボン酸、ポリカルボン酸、β−ジケトン、など
が挙げられる。
【0013】2座配位子としては、乳酸、アセチルアセ
トネート、カテコール、ビピリジン、エチレンジアミ
ン、オキシン、3座配位子としては、ヒドロキシコハク
酸、ジアスパラギン酸、エチレントリアミン、シクロヘ
キサン−1,2−ジアミン四酢酸、シクロヘキサン−
1,3−ジアミン四酢酸、4座配位子としては、フタロ
シアニン、トリエチレンテトラアミン、トリアミノトリ
エチルアミン、クエン酸、N,N’−エチレンビス(サ
リチルアルジミン)、5座配位子としては、エチレンジ
アミン4酢酸、[2−ヒドロキシ−5−(4−ニトロフ
ェニルアゾ)フェニル]オキシメチル−15−クラウン
−5、6座配位子としてはイミノジ酢酸、エチレンジア
ミン四酢酸、シクロヘキサン−1,4−ジアミン四酢
酸、などが好ましく用いられる。
【0014】また、有機金属化合物に含まれる炭素数が
4以上の配位子のうち、配位原子が酸素のものとして
は、トリエタノールアミン、イソペンチルアルコール、
2−ブタノールなどのアルコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,6−オクチレングリコールなどのグリコール、
カテコール、ピクリン酸、レソシノールなどのフェノー
ル、テノイルトリフルオロアセトンなどのエノール、メ
タクリル酸、イソステアリン酸、L−リンゴ酸、L−ア
スコルビン酸、クエン酸、フタル酸などのカルボン酸、
ピペロナール、サリチルアルデヒド、アルドール、バレ
ルアルデヒド、フルフラール、アクロレインなどのアル
デヒド、p−ベンゾキノン、ジエチルケトン、ビアセチ
ルなどのケトン、メタクリロキシエチルアセトアセト
ン、ヘキサフルオロペンタンジオン、アセチルアセト
ン、テトラメチルヘプタンジオンなどのβ−ジケトン、
ヒドロキノンモノメチルエーテル、キナリザリン、キニ
ザリン、p−ベンゾキノンなどのキノン、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル、2,4−ジケト(19
−クラウン−6)、エチレングリコールジエチルエーテ
ルジアミン四酢酸などのエーテル、サリチル酸メチル、
ジエチレングリコールモノアセテートなどのエステル、
ブチルアミド、コハク酸ジアミドなどのアミド、1−ニ
トロソ−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、1−
ニトロソ−2−ナフトールなどのニトロソ化合物、1,
3−ジアミノプロパノール−N,N,N’,N’−四酢
酸、ニトリロ3プロピオン酸、トリニトロ三酢酸などの
ニトロ化合物、トリエチルアミンオキシドなどのN−オ
キシド、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グ
ルタミン酸などのアミノ酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸などのスルホン酸、エチレンジアミン−N,N’−ビ
ス(メチレンホスホン酸)、トリ(n−オクチル)リン
酸、ジオクチルリン酸などのリン酸、2−ニトロフェニ
ルアルソン酸、2−(2−アルソン酸フェニルアゾ)−
1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン
酸、n−ヘキシルアルソン酸、フェニルアルソン酸など
のアルソン酸などが挙げられ、配位原子が窒素のものと
しては、1,4−ビス(2−アミノエチル)アミノメチ
ルベンゼン、β−アミノエチルエチルメルカプタン、1
−エチルブトルアミン、p−メトキシアニリンなどの第
一アミン、フタロシアニン、ジエチルアミン、ジブチル
アミン、ポルフィリン、ビスアセチルアセトンエチレン
ジイミンなどの第二アミン、ビピリジン、フェナントロ
リン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸などの
第三アミン、ピラゾール、ピラゾリン、ベンゾオキサゾ
ール、4−アミノアゾベンゼン、N,N’−ジフェニル
トリアジンなどのアゾ、8−ヒドロキシキノリナト、ピ
ペリジン、N−メチルピロリドン、N−ビニルイミダゾ
ールなどの複素環化合物、コハク酸ジアミド、ピラゾロ
ン、0−アセトアミド安息香酸などのアミド、ベンズア
ルドキシム、ブチルアルドキシム、、ジメチルグリオキ
シム、ベンジルジオキシムなどのオキシム、p−キノン
ジイミン、p−キノンイミン、N,N’−エチレンビス
(サリチルアルジミン)ピロリジン、ピペリジンなどの
イミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリ
シン、L−ヒスチジン、L−システイン、L−グルタミ
ン酸などのアミノ酸などが挙げられる。
【0015】また、配位原子が硫黄のものとしては、エ
チルチオエーテル、イソオクチルメルカプトアセテー
ト、3−メタクリル酸プロピル−1,2−ジチオール、
1−チオグリセロールアルコール、ベンジルチオアルコ
ール、β−アミノエチルエチルチオールアミノベンゼン
チオールなどのチオール、0−メルカプト安息香酸、4
−エチルベンゼンチオール、トルエン−3,4−ジチオ
ール、8−メルカプトキノリンなどのチオフェノール、
ベンゾチアゾール、ジシクロヘキシル−15−チアクラ
ウン−5、18−チアクラウン−6、(4−エタンチオ
ールフェニル)エチルスルフィドなどのチオエーテル、
ジエチルチオケトン、バレルアルデヒドなどのチオアル
デヒド、チオケトン、ジエチルジチオカルバミン酸など
のチオカルボン酸、ジエチルジチオカルバモン酸、ジプ
ロピルジチオカルバモン酸などのジチオカルボン酸、ジ
フェニルチオカルバゾン、ジクロロイミノジチアゾリン
などのチオアミド、チオシアン、イソチアン酸アリル、
4−フェニルイソチオシアンなどのイソチオシアンなど
が挙げられ、配位原子がリンのものとしては、ビニルベ
ンゼン−4−リン酸、ジビニルフォスフィン酸、トリフ
ェニルフォスフィンなどの第一、第二、第三アルキルお
よびアリールホスフィンなどが挙げられる。
【0016】さらに、配位原子が砒素のものとしては、
ポリビニルアルコールのヒ酸型樹脂、トリフェニルヒ
酸、ジブチルアルセノール、p−ヒドロキシフェニルヒ
酸、などの第一、第二、第三アルキルおよびアリールア
ルセンなどがあり、配位原子がセレンのものにはジブチ
ルセレノール、セレノフェノールなどのセレノール、な
どのジフェニルセレノケトン、などのセレノカルボニル
化合物、ジプロピルジセレノカルボン酸、フェニルアゾ
ブチルジセレノカルボン酸などのジセレノカルボン酸な
どが挙げられる。なお、本発明における炭素数が4以上
の配位子は配位座数により制限されるものではない。
【0017】また、本発明で用いる有機金属化合物は、
1つの金属イオンに2種以上の異なる多座配位子が結合
した混合キレート化合物や、多座配位子が複数の中心金
属に橋架け式に結合して連なった多核キレート化合物あ
るいは配位高分子であってもよい。
【0018】また、中心金属イオンの安定化のために合
成時に過酸化水素等の酸化剤を作用させることによって
過酸化物イオンを配位させることも好ましい。
【0019】以上の組み合わせのなかから、焼成時の有
機成分の焼失のしやすさなどから多座配位子としてはア
ミノポリカルボン酸、アミノ酸、β−ジケトン、単座配
位子としては脂肪族アミン、グリコール、アミノアルコ
ール等から選ばれた組み合わせが特に好ましく用いられ
る。
【0020】具体的には、チタニウムペルオキソビス
(ニトリロ三酢酸)ビス(ジプロピルアミネート)、チ
タニウムアセチルアセトネートビス(1,3−ブタンジ
オール)、ジルコニウムペルオキソエチレンジアミン四
酢酸ピリジニウム、ジルコニウムグルタミン酸二酢酸ビ
ス(3,5−ジメチルピリジニウム)、チタニウムペル
オキソエチレンジアミン四酢酸ジブチルアミネート、ジ
ルコニウムベンゾイルアセトネートビス(1,3−ブタ
ンジオール)などがあり、本発明の組成物にはこれらの
有機金属化合物が5〜80重量%含まれることが好まし
い。5%以上とすることにより焼成後の組織中に実質的
に金属酸化物を導入することができる。80%以下とす
ることで組成物の塗工および乾燥により膜状組成物を得
るなどの加工が可能となる。より好ましくは6〜60重
量%、さらに好ましくは7〜50重量%である。
【0021】本発明の組成物は、有機溶媒を好ましく含
ませることができる。有機溶媒は、造膜成分および感光
成分の溶解性と組成物との塗布性を両立するものが好ま
しい。さらに無機微粒子を添加する場合にはその分散媒
としての親和性および分散性をも満たす必要がある。こ
れらの要件を満たしうる溶媒特性としては、誘電率が3
0〜50の範囲内であること、SP値が12〜20(c
al/cm)1/2の範囲内であること、表面張力が30
〜60dyn/cmの範囲内であること、または双極子
モーメントが3〜5デバイの範囲内であることの4つの
要件のうち少なくとも1つの要件を満たすことが好まし
く、少なくとも2つの要件も満たすことがより好まし
く、少なくとも3つの要件を満たすことがさらに好まし
い。
【0022】誘電率が30以上であることにより、有機
金属化合物に対する溶解性が向上し、50以下とするこ
とで感光成分を実用的な濃度で溶解することが可能にな
る。好ましくは30〜40の範囲内である。
【0023】また、SP値が12(cal/cm)1/2
以上であることにより、バインダーポリマーと有機金属
化合物の溶解性を両立することが可能となり、20(c
al/cm)1/2以下とすることによって塗布性に有利
な濃度のバインダーポリマー濃度を維持できやすくな
る。好ましくは12〜15(cal/cm)1/2の範囲
内である。
【0024】また、表面張力が30dyn/cm以上で
あることにより、厚膜塗布が可能となり、60dyn/
cm以下とすることによって製膜性を維持できやすくな
る。好ましくは30〜45dyn/cmの範囲内であ
る。
【0025】また、双極子モーメントが3デバイ以上で
あることにより、有機金属化合物に対する溶媒の会合性
による溶解性向上の効果と無機微粒子に対する良好な分
散媒としての効果を得ることができ、5デバイ以下とす
ることによって組成物の吸湿性を抑制し、一連の加工工
程に必要とされる保存安定性を確保することができやす
くなる。好ましくは3〜4.5デバイの範囲内である。
【0026】上記した各特性値は、以下の方法により得
たものである。誘電率の測定は、日本ヒューレット・パ
ッカード(株)製LCRメータ4284Aに3端子電極
付き液体用セルHP16452A(セルの静電容量6.
7pF)に印加電圧1V、測定周波数1KHz、室温2
1±2℃、湿度60±5%の条件で行った。まず、試料
を充填していない空の状態のセルに窒素ガスを充填し、
電極間の静電容量(C0)を測定し、電極定数を求め
る。次に電極容器の中を5回アセトンで洗浄後、窒素ガ
スで乾燥し、試験液で5回共洗いした後、規定量(約5
ml)充填する。続いて設定された各測定周波数におけ
る電極間の静電容量(Cx)をブリッジによって測定す
る。この結果より、比誘電率ε'は式(1)により求め
られる。 ε'=Cx/C0(1) この操作を5回繰り返し、その平均値を採用した。この
値を誘電率とした。
【0027】SP値の値および算出はJ.Brandr
up et al.“POLYMER HANDBOO
K 4TH Edition”JOHN WILEY&
SONS.INC.による。特に、C.TABLE O
F SOLUBILITYPARAMETERSに記載
のない溶媒については、式(2)によって算出した。 SP値:δ=(ΔE/V)1/2 (2) ここで、ΔEは分子の解離エネルギー(または凝集エネ
ルギー)、Vはモル体積である。
【0028】表面張力は、協和界面科学(株)製CBV
P式表面張力計CBVP−A3型を用いてウイルヘルミ
イ法により以下の手順で行った。表面張力測定用標準プ
レートをフックに下げる。表面張力測定用標準プレート
は装着前にアセトン中で超音波洗浄し、プレートに付着
している試料を落とした。洗浄液を未使用のアセトンに
交換して15〜30分浸漬する。その後プレートのホル
ダー装着部をピンセットでつまみ、蒸留水の流水で洗浄
する。その後、プレートを測定時と上下逆に保持し、ド
ライヤーで乾燥する。室温23±2℃、60±5%RH
で測定する。
【0029】双極子モーメントは、浅原照三他編溶剤ハ
ンドブック(1976年講談社出版)により、記載の無
いものについてはOxford Molecular
Group製CAChe Ver.4.1.1を用い、
MM2により構造最適化を行った後、MacMOPAC
ver.94でPM3をパラメータとして計算を行っ
た結果のうちDipole Momentの値を採用し
た。
【0030】上記した要件のうち1つを満たす溶媒とし
ては、ジオキサン(表面張力36.9dyn/cm)、
エチレングリコールモノメチルエーテル(表面張力3
0.1dyn/cm)、ピリジン(表面張力36.88
dyn/cm)、プロピオニトリル(双極子モーメント
3.57デバイ)、シクロヘキサノール(表面張力3
4.4dyn/cm)などがあり、2つを満たすものと
しては、シクロヘキサノン(双極子モーメント3.01
デバイ、表面張力34.5dyn/cm)、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド(双極子モーメント4.31デバ
イ、表面張力33.8dyn/cm)、ニトロエタン
(双極子モーメント3.7デバイ、表面張力31dyn
/cm)、アセトニトリル(誘電率37.5、双極子モ
ーメント3.44デバイ)、ベンジルアルコール(SP
値12.1(cal/cm)1/2、表面張力38.94
dyn/cm)、プロピレングリコール(SP値12.
6(cal/cm)1/2、誘電率32)などがあり、3
つを満たすものとしては、エチレングリコール(SP値
14.2(cal/cm)1/2、誘電率38.66、表
面張力46.5dyn/cm)、ジエチレングリコール
(SP値12.1(cal/cm)1/2、誘電率31.
69、表面張力48.5dyn/cm)、N−メチルピ
ロリドン(誘電率32、双極子モーメント4.09デバ
イ、表面張力41dyn/cm)、N−メチルホルムア
ミド(SP値16.1(cal/cm)1/2、双極子モ
ーメント3.84デバイ、表面張力37.96dyn/
cm)、ホルムアミド(SP値19.2(cal/c
m)1/2、双極子モーメント3.37デバイ、表面張力
57.9dyn/cm)などがあり、4つを満たすもの
としてはニトロメタン(SP値12.7(cal/c
m)1/2、誘電率35.87、双極子モーメント3.4
6デバイ、表面張力37dyn/cm)、ジメチルスル
ホキシド(SP値12(cal/cm)1/2、誘電率4
8.9、双極子モーメント4.3デバイ、表面張力4
2.9dyn/cm)、ジメチルホルムアミド(SP値
12.1(cal/cm)1/2、誘電率36.71、双
極子モーメント3.86、表面張力35.2dyn/c
m)、γ−ブチロラクトン(SP値12.6(cal/
cm)1/2、誘電率39、双極子モーメント4.12デ
バイ、表面張力46dyn/cm)などがあり、これら
が単独で、またはこれらを含む混合溶媒などが好ましく
用いられる。
【0031】本発明の組成物に含まれる有機溶媒のモル
数は有機金属化合物の中心金属のモル数の4倍より多い
ことが好ましい。中心金属のモル数の4倍以上とするこ
とにより、組成物に適度な加工性、流動性を付与するこ
とができる。また、50倍以上とすることにより、各種
無機粉末微粒子の分散体を構成することが可能となり、
また、SP値が10以上のポリマーをバインダーとして
共存させることが容易となる。
【0032】本発明の組成物は有機金属化合物を5〜8
0重量%含むことが好ましい。5重量%以上とすること
により焼成後の組織中に実質的に物性発現可能な金属酸
化物を導入することができ、80重量%以下とすること
で加工性を付与した組成物を構成することが可能とな
る。
【0033】本発明の組成物は、さらに、樹脂成分、添
加剤、無機微粒子などを適宜必要に応じて組み合わせ構
成することができる。
【0034】次に、本発明の組成物を用いたディスプレ
イとして、PDPの作製手順を例として説明するが、本
発明は、なんらこれに限定されるものではなく、プラズ
マアドレス液晶ディスプレイならびに電子放出素子また
は蛍光表示管を用いたディスプレイなどにおいても好ま
しく適用できるものである。
【0035】PDPの基板には、ソーダガラスやたとえ
ば旭硝子株式会社製“PD200”に代表されるPDP
用ガラス基板が好ましく用いられる。基板上に、導電性
金属によりアドレス電極を形成することができる。導電
性金属としては、銀、銅、クロム、アルミニウム、ニッ
ケル、金等を用いることができる。アドレス電極は通
常、幅20〜100μmのストライプ状に形成される。
次いで電極を被覆するように誘電体層を形成するのが好
ましい。
【0036】さらにその上に隔壁を設けるが、例えば、
フォトリソグラフィー法により隔壁を形成する場合、通
常は感光性組成物を塗布し、露光し、露光部分と未露光
部分の現像液に対する溶解度差を利用して現像した後に
焼成して隔壁を形成することによって行われる。
【0037】本発明の配位座数が2以上の多座配位子と
炭素数が4以上の配位子を含む有機金属化合物を含む組
成物は、この隔壁を形成する際に好適に用いることがで
きる。以下、特に、隔壁用途への適用に関して説明する
が、何らこれに限定されるものではない。
【0038】隔壁用途に用いられる組成物には、通常、
感光性有機成分と無機微粒子と有機溶媒および有機金属
化合物が含まれる。そのうち、感光性有機成分は、感光
性モノマーおよび/またはオリゴマー、感光性および/
または非感光性ポリマー、光重合開始剤を基本成分とし
て構成される。また、必要に応じて、増感剤、紫外線吸
収剤、分散剤、界面活性剤、有機染料、可塑剤、増粘
剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤などの添加剤成分を加え
ることもできる。ここで感光性とは、活性光線の照射に
より組成物に含まれる有機成分の一部または全部が、重
合、架橋、分解、変性などの反応を通して耐溶剤溶解性
が変化して耐食性画像を形成することを指す。
【0039】感光性有機成分には感光性ポリマーが含ま
れることが好ましい。感光性ポリマーは、側鎖にカルボ
キシル基を有するアクリル系重合体を含有することが好
ましい。このような重合体を用いた感光性組成物はパタ
ーン露光後の現像をアルカリ水溶液で実施することがで
きるというメリットを有している。側鎖にカルボキシル
基を有する重合体としては、焼成時の熱分解温度が低い
ことから、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)
アクリル酸を共重合成分とする共重合体が好ましく用い
られる。さらに、側鎖にカルボキシル基を有する重合体
が側鎖にエチレン性不飽和基を有することも好ましく、
該エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、
アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。感光性組
成物の感光性有機成分には感光性モノマーが含有される
ことが好ましく、これらモノマー成分の光反応による架
橋反応や重合反応が重要な役割をする。このような役割
をする感光性モノマーとしては、活性な炭素−炭素二重
結合を有する化合物で、官能基としてビニル基、アリル
基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミ
ド基などを有する単官能および多官能化合物が用いられ
る。側鎖にカルボキシル基を有する重合体の酸価は50
〜140であることが好ましい。酸価を140以下とす
ることで、現像許容幅を広くすることができ、酸価を5
0以上とすることで、未露光部の現像液に対する溶解性
が低下することが無く、従って現像液を濃くする必要が
無く、露光部の剥がれを防ぎ、高精細なパターンを得る
ことができる。
【0040】感光性組成物にはまた、感光性モノマーが
含まれることが好ましいが、一種に限定されるものでは
なく、複数種を混合して用いることも可能であり、形成
される隔壁パターンの形状安定性や欠陥防止にも留意し
て選択される。エチレン性不飽和基を有するアミン化合
物やウレタン結合を有するアクリロイルまたはメタクリ
ロイル誘導体などを用いることが好ましい。
【0041】不飽和基を有する感光性モノマー類には、
一般的に活性光線のエネルギーを吸収する能力はないの
で、光反応を開始するためには、光重合開始剤を加える
ことが好ましい。場合によっては光重合開始剤の効果を
補助するために増感剤を用いることがある。
【0042】また、本発明の組成物には無機微粒子を含
むことができる。無機微粒子のうち、隔壁に好適に使用
されるのは低軟化点ガラス粉末であるが、ここで言う低
軟化点ガラス粉末とは、ガラス転移点400〜500
℃、荷重軟化点450〜600℃であることが好まし
い。荷重軟化点が450℃以上であることで、ディスプ
レイ形成の後工程において隔壁が変形することがなく、
荷重軟化点が600℃以下であることで、焼成時に溶融
し強度の高い隔壁を得ることができるためである。荷重
軟化点を上述の範囲に調整するために、ガラス転移点を
400〜500℃とすることが好ましい。
【0043】感光性組成物に用いる低軟化点ガラス粉末
は、組成物形成時の充填性および分散性が良好で、組成
物の均一な厚さでの塗布が可能であると共にパターン形
成性を良好に保つためには、平均径が1〜4μmであ
り、最大粒子経が35μm以下であることが好ましい。
このような粒度分布を有するガラス粉末が組成物への充
填性および分散性の点で優れているが、低軟化点ガラス
粉末の場合は焼成工程でその殆どが溶融し一体化される
ので、かなり大きな粒子経の粉末も許容される。この範
囲であれば、充填性および分散性を満足させて、塗布性
およびパターン形成性の優れた感光性組成物を構成する
ことができる。
【0044】本発明の組成物は、有機金属化合物、有機
溶媒、感光性成分、さらには無機微粒子等を必要特性に
応じて適宜配合した上で、均質であることが重要であ
る。そのため本発明の組成物の溶媒は有機金属化合物や
感光性成分を分子オーダーで安定に溶解しうるものであ
って、無機微粒子等を含む場合には、さらに分散性が良
好なものであって、組成物の粘度の調整、塗布性、塗布
膜の乾燥性、その他、取り扱い性などを考慮して選択す
る必要がある。
【0045】隔壁はガラス基板上に直接形成する場合も
あるが、多くはガラス基板上の電極を被覆するように形
成されている誘電体層の上に形成される。いずれの場合
においても、感光性組成物を塗布する前に、塗布面の表
面処理を行って接着性を向上させることが有効である。
このような表面処理にはシランカップリング剤が用いら
れる。
【0046】感光性組成物の塗布は、スクリーン印刷
法、バーコータ法、ロールコータ法、ドクターブレード
法などの一般的な方法で行うことができる。塗布厚さ
は、所望の隔壁の高さと組成物の焼成収縮率を考慮して
決めることができる。
【0047】塗布・乾燥した感光性組成物膜にフォトマ
スクを介して露光を行って、隔壁パターンを形成する。
露光の際、組成物塗布膜とフォトマスクを密着して行う
方法と一定の間隔をあけて行う方法(プロキシミティ露
光)のいずれを用いてもよい。露光用の光源としては、
水銀灯やハロゲンランプが適当であるが、超高圧水銀灯
がもっとも良く使用される。超高圧水銀灯を光源とし
て、プロキシミティ露光を行うのが一般的である。露光
条件は組成物の塗布厚さによって異なるが、通常は5〜
60mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて10秒
〜10分間露光を行う。
【0048】露光後、露光部分と未露光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、
浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。感光
性組成物が側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系重
合体を含有する場合、アルカリ水溶液での現像が可能で
ある。アルカリとしては、有機アルカリ水溶液を用いた
方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好まし
い。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用
いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常
0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重
量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に
除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパタ
ーンを剥離させたり、浸食したりするおそれがある。現
像時の温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好
ましい。
【0049】感光性組成物の塗布膜から露光・現像の工
程を経て形成された隔壁パターンは次に焼成炉で焼成さ
れて、有機成分を熱分解して除去し、同時に無機微粒子
成分中の低軟化点ガラスを溶融させて無機質の隔壁を形
成する。焼成雰囲気や温度は、組成物や基板の特性によ
って異なるが、通常は、空気中で焼成される。焼成炉と
してはバッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用
いることができる。
【0050】バッチ式の焼成を行うには通常、隔壁パタ
ーンが形成されたガラス基板を室温から焼成温度まで数
時間かけてほぼ等速で昇温した後、通常は焼成温度とし
て設定された500〜590℃で約15〜30分間保持
して焼成を行う。焼成温度は用いるガラス基板のガラス
転移点より低くなければならないので、自ずから上限が
存在する。焼成温度が高すぎたり、焼成時間が長すぎた
りすると隔壁の形状にダレなどの欠陥が発生する。ま
た、有機成分に含まれる感光性モノマー、感光性オリゴ
マーもしくはポリマー、種々の添加剤の熱分解特性とガ
ラス粉末成分の熱特性が不釣り合いになると、隔壁が褐
色に着色したり、隔壁が基板から剥がれたりする欠陥が
発生する場合がある。
【0051】本発明の組成物では、加えられた有機金属
化合物がゲル化したり無機微粒子が沈降・凝集してしま
うこと無く、焼成後の光学的、電気的、磁気的、機械的
特性あるいは化学的特性が制御された隔壁が形成された
ディスプレイ用部材を得ることができる。たとえば中心
金属としてZr、Ti、Ce、St、Zn、Sn、T
a、Y等を選択することにより可視光の反射率が高いガ
ラス製の隔壁が形成されたディスプレイ用部材を得るこ
とができる。
【0052】得られた部材上の隔壁に挟まれたセル内
に、赤、緑、青に発光する蛍光体組成物を塗布し、必要
に応じて焼成して、プラズマディスプレイの背面板を製
造することができる。この背面板と別途作製された前面
板とを張り合わせ後、封着、ガス封入してプラズマディ
スプレイが作製される。
【0053】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、濃度(%)は特に断らない限り重量%である。 (実施例1)まず、以下の手順で本発明の組成物を作製
した。有機金属化合物として、チタニウムペルオキソビ
ス(ニトリロ三酢酸)ビス(ジプロピルアミン)(ここ
でニトリロ三酢酸:配位座数3、炭素数6;ジプロピル
アミン:配位座数1、炭素数6(複塩))を用いた。こ
れを金属酸化物(TiO 2)に換算して3重量部になる
よう用意した。
【0054】低軟化点ガラスとして、酸化物換算組成
が、酸化リチウム6.8%、酸化珪素23%、酸化ホウ
素33%、酸化バリウム4.5%、酸化アルミニウム1
9.5%、酸化亜鉛2.8%、酸化マグネシウム5.8
%、酸化カルシウム4.6%のガラスを用いた。この低
軟化点ガラスのガラス転移点は497℃、荷重軟化点は
530℃、熱膨張係数は75×10-7/Kであった。ガ
ラス成分は、あらかじめアトラクターで微粉末とし、平
均粒子径2.6μm、最大粒子径22μm、タップ密度
0.75g/cm3、屈折率1.59の非球状粉末とし
て使用した。これを70重量部用意した。
【0055】フィラーとして、酸化物換算組成が、酸化
珪素38%、酸化ホウ素10%、酸化バリウム5%、酸
化カルシウム4%、酸化アルミニウム36%、酸化亜鉛
2%、酸化マグネシウム5%の高軟化点ガラス粉末を用
いた。この高軟化点ガラス粉末のガラス転移点は652
℃、荷重軟化点は746℃、熱膨張係数43×10-7
K、平均粒子径2.4μmで平均屈折率は1.59であ
った。これを30重量部用意した。
【0056】次に、低軟化点ガラスおよびフィラー計1
00重量部に対して0.04重量部の有機染料メチレン
ブルーをアセトンに溶解し、分散剤を加えてホモジナイ
ザーで均質に攪拌し、この溶液中にガラス粉末を添加し
て均質に分散・混合後、ロータリーエバポレーターを用
いてアセトンを蒸発させ、150〜200℃の温度で乾
燥した。
【0057】一方、ジメチルスルホキシド(誘電率4
8.9、SP値12(cal/cm) 1/2、表面張力4
2dyn/cm、双極子モーメント4.3デバイ)に、
後述する感光性ポリマーAを40%溶液になるように混
合し、攪拌しながら60℃まで加熱してすべてのポリマ
ーを溶解した。ここで、感光性ポリマーAは、メタクリ
ル酸40%、メチルメタクリレート30%およびスチレ
ン30%からなる共重合体のカルボキシル基に対して
0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させ
たもので、その平均分子量は32,000、酸価は95
であった。
【0058】室温の感光性ポリマー溶液に、感光性モノ
マー(共栄社化学(株)製、“TMP−6EO−3
A”)、光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルフォスフォンオキサイド)、ゲル化防止
剤(1H−ベンゾトリアゾール)、分散剤(サンノプコ
(株)製、“ノプコスパース092”)、重合禁止剤
(ハイドロキノンモノメチルエーテル)、可塑剤(ジブ
チルフタレート)および有機金属化合物(チタニウムペ
ルオキソビス(ニトリロ三酢酸)ビス(ジプロピルアミ
ン))を加えて溶解させ、有機ビヒクルを作製した。
【0059】溶媒を除いた有機成分の配合割合は、感光
性ポリマー30.4%、感光性モノマー20.3%、光
重合開始剤4.1%、ゲル化防止剤2.0%、分散剤
2.0%、重合禁止剤0.2%、可塑剤8.1%、有機
金属化合物32.9%であった。
【0060】低軟化点ガラス粉末、フィラーと有機ビヒ
クルを3本ローラーで混合・分散して感光性組成物を得
た。感光性組成物に含まれる各成分(重量部)は、低軟
化点ガラス粉末47、フィラー20、有機ビヒクル53
となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換する有機
金属化合物(チタニウムペルオキソビス(ニトリロ三酢
酸)ビス(ジプロピルアミン))を酸化物換算で2含ん
でいた。
【0061】次いで、以下のようにして、プラズマディ
スプレイパネルを作製した。100mm角ガラス基板上
に電極層を形成した。平均粒径1.5μmの球状銀粉末
および感光性有機成分を含む感光性銀組成物を用いて、
フォトリソグラフィー法により、ピッチ140μm、線
幅40μmのストライプ状パターンを形成し、空気中で
580℃、15分間焼成し、銀含有量97.5%、ガラ
スフリット量2.5%の電極層を形成した。この電極層
の厚みは2.6μmであった。
【0062】次に、エチルセルロース5%のテルピネオ
ール溶液中に平均粒径0.24μmのルチル型酸化チタ
ン5g、ガラス粉末(酸化物表記の組成:酸化ビスマス
67%、酸化珪素10%、酸化ホウ素12%、酸化アル
ミニウム3%、酸化亜鉛3%、酸化ジルコニウム5%)
165gを混合、分散した誘電体組成物を上記の電極層
を形成したガラス基板上に、スクリーン印刷法で325
メッシュのスクリーンを用いて乾燥厚み18μmになる
ように塗布した。続いて570℃で15分間焼成して厚
み10μmの誘電体層を形成した。
【0063】次に、本実施例の感光性組成物を325メ
ッシュのスクリーンを用いたスクリーン印刷法により塗
布した。塗布膜にピンホールなどの発生を回避するため
に塗布・乾燥を数回繰り返し行い、膜厚の調整を行っ
た。途中の乾燥は80℃で10分間行った。その後80
℃で1時間保持して乾燥した。乾燥後の塗布厚さは20
1μmであった。
【0064】続いて、140μmピッチ、線幅20μm
のネガ用のクロムマスクを用いて上面から20mW/c
2出力の超高圧水銀灯で露光量500mJ/cm2のプ
ロキシミティ露光を施した。露光後のパターンを、35
℃に保持したモノエタノールアミンの0.2%水溶液を
シャワーで300秒間かけることにより現像し、その
後、シャワースプレーにより水洗してガラス基板上にス
トライプ状の隔壁パターンを形成した。
【0065】このようにして得られた隔壁パターンを空
気中、570℃で20分間焼成して白色の隔壁を形成し
た。形成された隔壁の断面形状をSEMで観察したとこ
ろ、高さ121μm、隔壁中央部の線幅31μm、ピッ
チ140μmの良好な形状であった。
【0066】次に、孔径150μmの吐出孔を有する長
さ3mmのニードルを5本、ピッチ420μmで先端に
圧入したノズル(L/D=20)を用いて隔壁間に、赤
色、緑色、青色に発光する蛍光体粉末を含有する蛍光体
組成物を塗布し、乾燥することにより蛍光体層を形成し
て、プラズマディスプレイパネル用の背面板を得た。
【0067】次に、この背面板と、対応するプラズマデ
ィスプレイパネル用の前面板とを貼り合わせ、封着、ガ
ス封入し、駆動回路を接続してプラズマディスプレイを
得た。このプラズマディスプレイは全面正常に点灯し
た。
【0068】(実施例2)実施例1に使用した低軟化点
ガラス80重量部と同じく実施例1に使用したフィラー
20重量部を準備した。有機金属化合物としてジルコニ
ウムアセチルアセトネートビス(1,3−ブタンジオー
ル)(アセチルアセトン:配位座数2、炭素数5、;
1,3−ブタンジオール:配位座数1、炭素数4)を用
い、感光性ポリマーとして、後述するポリマーBを、溶
媒としてベンジルアルコール(誘電率13.1、SP値
12.1(cal/cm)1/2、表面張力38.9dy
n/cm、双極子モーメント66デバイ)とジエチレン
グリコール(誘電率31.69、SP値12.1cal
/cm)1/2、表面張力48.5dyn/cm、双極子
モーメント31デバイ)を1:1に混合したものを用い
感光性モノマーとして(三菱化成(株)製、”ダイヤビ
ーム UK−6098”、光重合開始剤として2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタノン−1、を用い、実施例1に倣って感
光性組成物を作成した。ここで感光性ポリマーBは、メ
タクリル酸とメチルメタクリレートの共重合体で、その
平均分子量は20,000、酸価は150であった。溶
媒を除いた有機成分の配合割合は、感光性ポリマー3
3.9%、感光性モノマー11.3%、光重合開始剤
6.8%、ゲル化防止剤4.5%、分散剤2.3%、重
合禁止剤0.2%、可塑剤6.8%、有機金属化合物3
4.2%であった。この有機ビヒクルは放置により析出
物を生じるので調製後1両日中にガラス粉末等と混練し
た。
【0069】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末55、フィラー14、有機ビヒ
クル62となり、有機ビヒクル中に焼成後に酸化物に変
換する有機金属化合物(ジルコニウムアセチルアセトネ
ートビス(1,3−ブタンジオール))をZrO2換算
で3.5含んでいた。
【0070】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例1の手順で作製した。有機ビヒクルには析出物
が見られたが、形成された隔壁の断面形状をSEMで観
察したところ、高さ106μm、隔壁中央部の線幅33
μm、ピッチ140μmの良好な形状であった。このプ
ラズマディスプレイは全面正常に点灯した。
【0071】(実施例3)実施例1に使用した低軟化点
ガラス90重量部と同じく実施例1に使用したフィラー
10重量部を準備した。有機金属化合物としてジルコニ
ウムペルオキソグルタミン酸二酢酸ビス(3,5−ジメ
チルピリジニウム)(グルタミン酸二酢酸:配位座数
4、炭素数9、3,5−ジメチルピリジン:配位座数
1、炭素数7(複塩))を用い、感光性ポリマーとして
後述する感光性ポリマーCを、溶媒としてプロピオニト
リル(誘電率29.7、SP値10.8(cal/c
m)1/2、表面張力2.19dyn/cm、双極子モー
メント3.57デバイ)とホルムアミド(誘電率1.1
1、SP値19.2(cal/cm)1/2、表面張力5
7.91dyn/cm、双極子モーメント3.37デバ
イ)を1:2に混合したものを用いた。
【0072】感光性モノマーとして(共栄社化学(株)
製、N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシ−3
−メタクリロキシプロピル)ポリオキシプロピレンジア
ミン)、光重合開始剤としてA:2−メチル−1[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン
−1−オンおよびB:ジエチルチオキサントンを用い、
実施例1に倣って感光性組成物を作成した。ここで用い
た感光性ポリマーCは、メタクリル酸とメチルメタクリ
レートの共重合体のカルボキシル基に対して、次式で示
す脂環式エポキシ基を有するメタアクリレートを付加し
た(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメタクリ
レートで、その平均分子量は10,000、酸価は75
であった。
【0073】
【化1】
【0074】溶媒を除いた有機成分の配合割合は、感光
性ポリマー22.6%、感光性モノマー22.6%、光
重合開始剤9.1%、(A:6.1%、B:3.0
%))ゲル化防止剤4.5%、分散剤1.5%、重合禁
止剤0.3%、可塑剤3.0%、有機金属化合物36.
3%であった。感光性組成物に含まれる各成分(重量
部)は、低軟化点ガラス粉末54、フィラー6、有機ビ
ヒクル68となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変
換する有機金属化合物(ジルコニウムペルオキソグルタ
ミン酸二酢酸ビス(3,5−ジメチルピリジニウム))
をZrO2換算で3.6含んでいた。
【0075】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
の隔壁を実施例1の手順で作製した。形成された隔壁の
断面形状をSEMで観察したところ、高さ113μm、
隔壁中央部の線幅30μm、ピッチ140μmの良好な
形状であった。このプラズマディスプレイは全面正常に
点灯した。
【0076】(実施例4)有機金属化合物としてナガセ
ケムテックス(株)製チタンペルオキソエチレンジアミ
ン四酢酸ジブチルアミネート(エチレンジアミン四酢
酸:配位座数5、炭素数6、ジブチルアミン:配位座数
1、炭素数8(複塩))を用い、感光性ポリマーとして
ポリマーBを、溶媒としてジメチルホルムアミド(誘電
率36.71、SP値12.1(cal/cm)1/2
表面張力35.2dyn/cm、双極子モーメント3.
86デバイ)を用いた以外は実施例1を繰り返した。溶
媒を除いた有機成分の配合割合は、ポリマー18.0
%、感光性モノマー12.0%、光重合開始剤2.4
%、ゲル化防止剤1.2%、分散剤1.2%、重合禁止
剤0.1%、可塑剤4.8%、有機金属化合物60.2
%であった。
【0077】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末38、フィラー16、有機ビヒ
クル69となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換
する有機金属化合物(チタンペルオキソエチレンジアミ
ン四酢酸ジブチルアミネート)をTiO2換算で5.4
含んでいた。
【0078】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例1の手順で作製した。形成された隔壁の断面形
状をSEMで観察したところ、高さ104μm、隔壁中
央部の線幅34μm、ピッチ140μmの良好な形状で
あった。このプラズマディスプレイは全面正常に点灯し
た。
【0079】(実施例5)有機金属化合物としてジルコ
ニウムペルオキソエチレンジアミン四酢酸ピリジニウム
(エチレンジアミン四酢酸:配位座数5、炭素数6、ピ
リジン:配位座数1、炭素数5(複塩))を用い、感光
性ポリマーとして感光性ポリマーAを、溶媒としてニト
ロメタン(誘電率35.87、SP値12.7(cal
/cm)1/ 2、表面張力37dyn/cm、双極子モー
メント3.46デバイ)を用いた以外は実施例2を繰り
返した。溶媒を除いた有機成分の配合割合は、感光性ポ
リマー19.4%、感光性モノマー6.4%、光重合開
始剤3.9%、ゲル化防止剤2.6%、分散剤1.3
%、重合禁止剤0.1%、可塑剤3.9%、有機金属化
合物62.3%であった。
【0080】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末45、フィラー11、有機ビヒ
クル70としなり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変
換する有機金属化合物(ジルコニウムペルオキソエチレ
ンジアミン四酢酸ピリジニウム)をTiO2換算で8.
4含んでいた。
【0081】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例1の手順で作製した。形成された隔壁の断面形
状をSEMで観察したところ、高さ100μm、隔壁中
央部の線幅30μm、ピッチ140μmの良好な形状で
あった。このプラズマディスプレイは全面正常に点灯し
た。
【0082】(実施例6)有機金属化合物としてチタニ
ウムジアスパラギン酸(アスパラギン酸:配位座数3、
炭素数4)を用い、感光性ポリマーとして感光性ポリマ
ーCを、溶媒としてγ−ブチロラクトン(誘電率39、
SP値12.6(cal/cm)1/2、表面張力46d
yn/cm、双極子モーメント4.12デバイ)を用い
た以外は実施例3を繰り返した。溶媒を除いた有機成分
の配合割合は、感光性ポリマー12.5%、感光性モノ
マー12.5%、光重合開始剤5.0%(A:3.3
%、B:1.7%)、ゲル化防止剤2.5%、分散剤
0.8%、重合禁止剤0.2%、可塑剤1.7%、有機
金属化合物64.9%であった。
【0083】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末41、フィラー5、有機ビヒク
ル81となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換す
る有機金属化合物(チタニウムジアスパラギン酸)をT
iO2換算で9.2含んでいた。
【0084】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例1の手順で作製した。形成された隔壁の断面形
状をSEMで観察したところ、高さ96μm、隔壁中央
部の線幅30μm、ピッチ140μmの良好な形状であ
った。このプラズマディスプレイは全面正常に点灯し
た。
【0085】(実施例7)有機金属化合物としてジルコ
ニウムトリリジン(リジン:配位座数2、炭素数6)を
用い、これを金属酸化物に換算して3重量部になるよう
用意した。
【0086】感光性ポリマーとして感光性ポリマーA
を、溶媒としてジエチレングリコール(誘電率31.6
9、SP値12.1(cal/cm)1/2、表面張力4
8.5dyn/cm、双極子モーメント2.31デバ
イ)を用いた以外は実施例1を繰り返した。溶媒を除い
た有機成分の配合割合は、感光性ポリマー32.6%、
感光性モノマー21.7%、光重合開始剤4.3%、ゲ
ル化防止剤2.2%、分散剤2.2%、重合禁止剤0.
2%、可塑剤8.7%、有機金属化合物28.1%であ
った。感光性組成物に含まれる各成分(重量部)は、低
軟化点ガラス粉末47、フィラー21、有機ビヒクル6
4となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換する有
機金属化合物(ジルコニウムトリリジン)をZrO2
算で2.1含んでいた。この有機ビヒクルには析出物が
見られた。
【0087】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例1の手順で作製した。ここでフォトマスクは、
300μmピッチ、線幅35μmのネガ用のクロムマス
クを用いた。
【0088】形成された隔壁の断面形状をSEMで観察
したところ、高さ127μm、隔壁中央部の線幅42μ
m、ピッチ300μmであったが、表面凹凸が大きかっ
た。このプラズマディスプレイは全面点灯した。
【0089】(実施例8)有機金属化合物としてナガセ
ケムテックス(株)製チタニウムペルオキソエチレンジ
アミン四酢酸ジブチルアミネート(エチレンジアミン四
酢酸:配位座数5、炭素数6、ジブチルアミン:配位座
数1、炭素数8(複塩))を用い、感光性ポリマーとし
てポリマーBを、溶媒として3−メチル−3−メトキシ
ブタノール(誘電率12.6、SP値9.2、表面張力
31、双極子モーメント2.68)とN−メチルピロリ
ドン(誘電率32、SP値11.3(cal/cm)
1/2、表面張力41dyn/cm、双極子モーメント
4.09デバイ)を98:2に混合したものを用いた以
外は実施例2を繰り返した。溶媒を除いた有機成分の配
合割合は、ポリマー10.9%、感光性モノマー3.6
%、光重合開始剤2.2%、ゲル化防止剤1.4%、分
散剤0.7%、重合禁止剤0.1%、可塑剤2.2%、
有機金属化合物78.9%であった。この有機ビヒクル
は放置により析出物を生じるのでガラス粉末との混練に
先立ち、加温、撹拌しておく必要があった。
【0090】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末34、フィラー8、有機ビヒク
ル75となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換す
る有機金属化合物(チタニウムペルオキソエチレンジア
ミン四酢酸ジブチルアミネート)をTiO2換算で6.
3含んでいた。
【0091】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例7の手順で作製した。現像後、得られたパター
ンの表面には針状析出物が見られたがそのまま焼成する
ことができた。形成された隔壁の断面形状をSEMで観
察したところ、高さ102μm、隔壁中央部の線幅38
μm、ピッチ300μmの良好な形状であった。このプ
ラズマディスプレイは全面正常に点灯した。
【0092】(実施例9)有機金属化合物としてジルコ
ニウムペルオキソニトリロトリス(メチレンリン酸)ピ
リジニウム(ニトリロトリス(メチレンリン酸):配位
座数4、炭素数3、ピリジン:配位座数1、炭素数5
(複塩))を用い、感光性ポリマーとして感光性ポリマ
ーBを、溶媒としてジメチルホルムアミド(誘電率3
6.71、SP値12.1(cal/cm)1/2、表面
張力35.2dyn/cm、双極子モーメント3.86
デバイ)を用いた以外は実施例3を繰り返した。溶媒を
除いた有機成分の配合割合は、感光性ポリマー12.1
%、感光性モノマー12.1%、光重合開始剤4.9%
(A:3.3、B:1.6)、ゲル化防止剤2.4%、
分散剤0.8%、重合禁止剤0.2%、可塑剤1.6
%、有機金属化合物65.9%であった。
【0093】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末40、フィラー4、有機ビヒク
ル78となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換す
る有機金属化合物(ジルコニウムペルオキソニトリロト
リス(メチレンリン酸)ピリジニウム(ニトリロトリス
(メチレンリン酸))をZrO2換算で8.8含んでい
た。
【0094】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例7の手順で作製した。形成された隔壁の断面形
状をSEMで観察したところ、高さ105μm、隔壁中
央部の線幅42μm、ピッチ300μmの良好な形状で
あった。このプラズマディスプレイは全面正常に点灯し
た。
【0095】(実施例10)有機金属化合物としてジル
コニウムベンゾイルアセトネートビス(1,3−ブタン
ジオール)(ベンゾイルアセトン:配位座数2、炭素数
10、1,3−ブタンジオール:配位座数1、炭素数
4)を用い、感光性ポリマーとして感光性ポリマーC
を、溶媒としてイソブタノール(誘電率17.95、S
P値10.5(cal/cm)1/2、表面張力23dy
n/cm、双極子モーメント1.79デバイ)とジメチ
ルホルムアミド(誘電率36.71、SP値12.1
(cal/cm)1/2、表面張力35.2dyn/c
m、双極子モーメント3.86デバイ)を4:1に混合
したものを用いた以外は実施例1を繰り返した。溶媒を
除いた有機成分の配合割合は、感光性ポリマー34.3
%、感光性モノマー22.9%、光重合開始剤4.6
%、ゲル化防止剤2.3%、分散剤2.3%、重合禁止
剤0.2%、可塑剤9.2%、有機金属化合物24.2
%であった。
【0096】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末49、フィラー21、有機ビヒ
クル51となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換
する有機金属化合物(ジルコニウムベンゾイルアセトネ
ートビス(1,3−ブタンジオール))をZrO2換算
で2.1含んでいた。
【0097】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例7の手順で作製した。この組成物膜は塗布ムラ
があったが、ストライプ状の隔壁を形成した。形成され
た隔壁の断面形状をSEMで観察したところ、高さ10
9μm、隔壁中央部の線幅35μm、ピッチ230μm
で表面凹凸の大きい形状であった。このプラズマディス
プレイは全面点灯したが一部クロストークを生じてい
た。
【0098】(実施例11)有機金属化合物としてジル
コニウムアセチルアセトネートビス(アミノカプロン
酸)(アセチルアセトン:配位座数2、炭素数5、アミ
ノカプロン酸:配位座数1、炭素数6)を用い、感光性
ポリマーとして感光性ポリマーBを、溶媒としてニトロ
エタン(誘電率28.06、SP値11.1(cal/
cm)1/2、表面張力31dyn/cm、双極子モーメ
ント3.7デバイ)を用いた以外は実施例2を繰り返し
た。溶媒を除いた有機成分の配合割合は、感光性ポリマ
ー31.5%、感光性モノマー10.5%、光重合開始
剤6.3%、ゲル化防止剤4.2%、分散剤2.1%、
重合禁止剤0.2%、可塑剤6.3%、有機金属化合物
38.7%であった。
【0099】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末54、フィラー14、有機ビヒ
クル51となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換
する有機金属化合物(ジルコニウムアセチルアセトネー
トビス(アミノカプロン酸))をZrO2換算で3.4
含んでいた。この組成物は加温によりやや増粘の傾向が
あったため、乾燥中、系内をロータリーポンプで引き、
乾燥時間を40分に短縮する必要があった。
【0100】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
の隔壁を実施例13の手順で作製した。形成された隔壁
の断面形状をSEMで観察したところ、高さ127μ
m、隔壁中央部の線幅38μm、ピッチ230μmの良
好な形状であった。このプラズマディスプレイは全面正
常に点灯した。
【0101】(実施例12)有機金属化合物としてジル
コニウムジエチレントリアミン五酢酸ビス(ジプロピル
アミネート)(エチレントリアミン五酢酸:配位座数
6、炭素数14、ジプロピルアミン:配位座数1、炭素
数6(複塩))を用い、感光性ポリマーとして感光性ポ
リマーCを、溶媒としてγ−ブチロラクトン(誘電率3
9、SP値12.6(cal/cm)1/2、表面張力4
6dyn/cm、双極子モーメント4.12デバイ)を
用いた以外は実施例3を繰り返した。
【0102】溶媒を除いた有機成分の配合割合は、感光
性ポリマー19.9%、感光性モノマー19.9%、光
重合開始剤8.0%(A:5.3%、B:2.7%)、
ゲル化防止剤4.0%、分散剤1.3%、重合禁止剤
0.3%、可塑剤2.7%、有機金属化合物44.0%
であった。
【0103】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末51、フィラー6、有機ビヒク
ル51となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換す
る有機金属化合物(ジルコニウムジエチレントリアミン
五酢酸ビス(ジプロピルアミネート))をZrO2換算
で4含んでいた。
【0104】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
の隔壁を実施例13の手順で作製した。形成された隔壁
の断面形状をSEMで観察したところ、高さ112μ
m、隔壁中央部の線幅34μm、ピッチ230μmの良
好な形状であった。このプラズマディスプレイは全面正
常に点灯した。
【0105】(実施例13)有機金属化合物としてジル
コニウムペルオキソビス(ニトリロ三酢酸)ビス(イソ
ブチルアミネート)(ニトリロ三酢酸:配位座数3、炭
素数6、イソブチルアミン:配位座数1、炭素数4(複
塩))を用い感光性ポリマーとして感光性ポリマーA
を、溶媒としてジメチルホルムアミド(誘電率36.7
1、SP値12.1(cal/cm)1/2、表面張力3
5.2dyn/cm、双極子モーメント3.86デバ
イ)を用いた以外は実施例1を繰り返した。
【0106】溶媒を除いた有機成分の配合割合は、感光
性ポリマー17.4%、感光性モノマー11.6%、光
重合開始剤2.3%、ゲル化防止剤1.2%、分散剤
1.2%、重合禁止剤0.1%、可塑剤4.6%、有機
金属化合物61.5%であった。
【0107】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末38、フィラー16、有機ビヒ
クル55となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換
する有機金属化合物(ジルコニウムペルオキソビス(ニ
トリロ三酢酸)ビス(イソブチルアミネート))をZr
2換算で5.4含んでいた。
【0108】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例13の手順で作製した。形成された隔壁の断面
形状をSEMで観察したところ、高さ107μm、隔壁
中央部の線幅37μm、ピッチ230μmの良好な形状
であった。このプラズマディスプレイは全面正常に点灯
した。
【0109】(実施例14)有機金属化合物としてチタ
ニウムグルタミン酸二酢酸ビス(3,5−ジメチルピリ
ジニウム)(グルタミン酸二酢酸:配位座数4、炭素数
9、3,5−ジメチルピリジン:配位座数1、炭素数7
(複塩))を用い、感光性ポリマーとして感光性ポリマ
ーBを、溶媒としてN−メチルピロリドン(誘電率3
2、SP値11.3(cal/cm)1/2、表面張力4
1dyn/cm、双極子モーメント4.09デバイ)を
用いた以外は実施例2を繰り返した。溶媒を除いた有機
成分の配合割合は、感光性ポリマー13.2%、感光性
モノマー4.4%、光重合開始剤2.6%、ゲル化防止
剤1.8%、分散剤0.9%、重合禁止剤0.1%、可
塑剤2.6%、有機金属化合物74.3%であった。
【0110】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末37、フィラー9、有機ビヒク
ル68となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換す
る有機金属化合物(チタニウムグルタミン酸二酢酸ビス
(3,5−ジメチルピリジニウム))をTiO2換算で
6.9含んでいた。
【0111】この組成物を用いてプラズマディスプレイ
を実施例13の手順で作製した。形成された隔壁の断面
形状をSEMで観察したところ、高さ98μm、隔壁中
央部の線幅39μm、ピッチ230μmの良好な形状で
あった。このプラズマディスプレイは全面正常に点灯し
た。
【0112】(実施例15)有機金属化合物としてジル
コニウムペルオキソジエチレントリアミン五酢酸トリス
(イソブチルアミネート)(ジエチレントリアミン五酢
酸:配位座数5、炭素数14、イソブチルアミン:配位
座数1、炭素数4(複塩))を用い、感光性ポリマーと
して感光性ポリマーAを、溶媒としてヘキサメチルリン
酸トリアミド(誘電率29.6、SP値10.5(ca
l/cm)1/2、表面張力33.8dyn/cm、双極
子モーメント4.31デバイ)を用いた以外は実施例3
を繰り返した。溶媒を除いた有機成分の配合割合は、感
光性ポリマー8.9%、感光性モノマー8.9%、光重
合開始剤3.6%(A:2.4%、B:1.2%)、ゲ
ル化防止剤1.8%、分散剤0.6%、重合禁止剤0.
1%、可塑剤1.2%、有機金属化合物74.9%であ
った。
【0113】感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末34、フィラー4、有機ビヒク
ル74となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換す
る有機金属化合物(ジルコニウムペルオキソジエチレン
トリアミン五酢酸トリス(イソブチルアミネート))を
ZrO2換算で7.6含んでいた。この組成物は放置に
より一部分層するので一両日中に塗布する必要があっ
た。塗布膜はやや不均質であった。この組成物を用いて
プラズマディスプレイを実施例13の手順で作製した。
形成された隔壁の断面形状をSEMで観察したところ、
高さ102μm、隔壁中央部の線幅32μm、ピッチ2
30μmで、表面凹凸の大きい形状であった。このプラ
ズマディスプレイは全面点灯したが一部にクロストーク
を生じていた。
【0114】(比較例1)有機金属化合物としてテトラ
オクチル酸ジルコニウム(オクチル酸:配位座数1、炭
素数8、第一稀元素化学工業(株)製)を用い、感光性
ポリマーとして感光性ポリマーBを、溶媒として3−メ
チル−3−メトキシブタノール(誘電率12.6、SP
値9.2(cal/cm)1/2、表面張力31dyn/
cm、双極子モーメント2.68デバイ)を用いた以外
は実施例1を繰り返した。溶媒を除いた有機成分の配合
割合は、感光性ポリマー30.4%、感光性モノマー2
0.2%、光重合開始剤4.0%、ゲル化防止剤2.0
%、分散剤2.0%、重合禁止剤0.2%、可塑剤8.
1%、有機金属化合物33.0%とした。感光性組成物
に含まれる各成分(重量部)は、低軟化点ガラス粉末4
7、フィラー20、有機ビヒクル53となり、有機ビヒ
クル中焼成後に酸化物に変換する有機金属化合物(テト
ラオクチル酸ジルコニウム)をZrO2換算で2含んで
いた。
【0115】この組成物は、有機ビヒクル作成中にゲル
化が進行し、所望の感光性組成物を得ることはできなか
った。
【0116】(比較例2)有機金属化合物としてチタニ
ウムトリイソステアレートイソプロポキサイド(イソス
テアリン酸:配位座数1、炭素数18、松本製薬工業
(株)製)を用い、感光性ポリマーとして感光性ポリマ
ーAを、溶媒としてエチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート(誘電率7.57、SP値8.8(ca
l/cm)1/ 2、表面張力28.2dyn/cm、双極
子モーメント2.25デバイ)を用いた以外は実施例2
を繰り返した。溶媒を除いた有機成分の配合割合は、感
光性ポリマー16.8%、感光性モノマー5.6%、光
重合開始剤3.4%、ゲル化防止剤16.8%、分散剤
1.1%、重合禁止剤0.1%、可塑剤3.4%、有機
金属化合物67.3%とした。感光性組成物に含まれる
各成分(重量部)は、低軟化点ガラス粉末42、フィラ
ー11、有機ビヒクル71となり、有機ビヒクル中焼成
後に酸化物に変換する有機金属化合物(チタニウムトリ
イソステアレートイソプロポキサイド)をTiO 2換算
で2.7含んでいた。
【0117】この組成物は有機ビヒクルが分層し、さら
に低軟化点ガラス粉末の沈降が著しいため、感光性組成
物は塗布中に分層し、むらが生じてしまった。さらに露
光・現像を行ったが、感光しない部分があり、隔壁を形
成することはできなかった。
【0118】(比較例3)有機金属化合物としてジルコ
ニウムエチレンジアミン四酢酸(エチレンジアミン四酢
酸:配位座数6、炭素数10)を用い、感光性ポリマー
として感光性ポリマーCを、溶媒としてエタノール(誘
電率23.8、SP値12.7(cal/cm)1/2
表面張力22.1dyn/cm、双極子モーメント1.
68デバイ)を用いた以外は実施例3を繰り返した。
【0119】溶媒を除いた有機成分の配合割合は、感光
性ポリマー26.8%、感光性モノマー26.8%、光
重合開始剤10.7%(A:7.1、B:3.6%)、
ゲル化防止剤5.4%、分散剤1.8%、重合禁止剤
0.4%、可塑剤3.6%、有機金属化合物24.6%
であった。感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末58、フィラー6、有機ビヒク
ル65となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換す
る有機金属化合物(ジルコニウムエチレンジアミン四酢
酸)をZrO2換算で3.8含んでいた。
【0120】この組成物は溶媒の乾燥速度が大きいこと
と、有機金属化合物の溶解性が低いために組成物の表面
から結晶の析出が見られた。また、塗布工程において、
著しい粘度の上昇が見られ、加工できなかった。
【0121】(比較例4)有機金属化合物としてチタン
ペルオキソクエン酸アンモニウム四水和物(クエン酸:
配位座数4、炭素数6、アンモニア:配位座数1、炭素
数0(複塩)フルウチ化学(株)製”TAS・FIN
E”Ti−20%粉末)用い、感光性ポリマーとして感
光性ポリマーAを、溶媒としてN−メチルピロリドン
(誘電率32、SP値11.3(cal/cm)1/2
表面張力41dyn/cm、双極子モーメント4.09
デバイ)を用いた以外は実施例1を繰り返した。溶媒を
除いた有機成分の配合割合は、感光性ポリマー12.7
%、感光性モノマー8.5%、光重合開始剤1.7%、
ゲル化防止剤0.8%、分散剤0.8%、重合禁止剤
0.1%、可塑剤3.4%、有機金属化合物72.0%
であった。感光性組成物に含まれる各成分(重量部)
は、低軟化点ガラス粉末58、フィラー6、有機ビヒク
ル49となり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換す
る有機金属化合物(チタンペルオキソクエン酸アンモニ
ウム四水和物)をTiO2換算で3.8含んでいた。
【0122】この組成物は有機ビヒクル中に有機金属化
合物が溶解しないため、感光性組成物を作製し、露光・
現像によってパターン加工可能な条件を見出そうとした
が、不溶物が散乱源となって感光部が広がり、パターン
加工できなかった。
【0123】(比較例5)有機金属化合物としてジルコ
ニウムテトラオクチレート(オクチル酸:配位座数1、
炭素数8)を用い、感光性ポリマーとして感光性ポリマ
ーCを、溶媒としてイソブタノール(誘電率17.9
5、SP値10.5(cal/cm)1/2、表面張力2
3dyn/cm、双極子モーメント1.79デバイ)と
ニトロメタン(誘電率35.87、SP値12.7(c
al/cm)1/2、表面張力37dyn/cm、双極子
モーメント3.46デバイ)を1:9に混合したものを
用いた以外は実施例2を繰り返した。溶媒を除いた有機
成分の配合割合は、感光性ポリマー13.6%、感光性
モノマー4.5%、光重合開始剤2.7%、ゲル化防止
剤1.8%、分散剤0.9%、重合禁止剤0.1%、可
塑剤2.7%、有機金属化合物73.7%であった。
【0124】低軟化点ガラス粉末、フィラーと有機ビヒ
クルを3本ローラーで混合・分散して感光性組成物を得
た。感光性組成物に含まれる各成分(重量部)は、低軟
化点ガラス粉末38、フィラー9、有機ビヒクル74と
なり、有機ビヒクル中焼成後に酸化物に変換する有機金
属化合物(ジルコニウムテトラオクチレート)をZrO
2換算で7.1含んでいた。
【0125】この組成物は、有機ビヒクル作成中にゲル
化が進行し、所望の感光性組成物を得ることはできなか
った。
【0126】
【発明の効果】本発明の組成物は、配位座数が2以上の
多座配位子と炭素数が4以上の配位子を有する有機金属
化合物を含むので、中心金属の反応活性を立体的に抑制
でき、広範な極性溶媒と組み合わせて、有機金属化合物
が析出しない範囲で任意の量に混合し均質な組成物を得
ることができた。
【0127】また、この組成物は焼成により金属酸化物
を含む組織を形成するので、薄膜または多孔質膜の形
成、およびガラスまたはセラミックス材料中への金属酸
化物を含む金属酸化物の凝集構造の導入が可能となり、
加熱後の組織の化学的特性を任意に調整した膜状組織も
しくは構造体を得ることが可能となった。さらに、有機
金属化合物を利用したフォトリソグラフィー法等による
ディスプレイ部材や光触媒膜、アクチュエータ、アレイ
型素子等の加工が可能となった。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配位座数が2以上の多座配位子と炭素数が
    4以上の配位子を有する有機金属化合物を含むことを特
    徴とする組成物。
  2. 【請求項2】誘電率が30〜50の有機溶媒を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】SP値が12〜20(cal/cm)1/2
    の有機溶媒を含有することを特徴とする請求項1記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】表面張力が30〜60dyn/cmの有機
    溶媒を含有することを特徴とする請求項1記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】双極子モーメントが3〜5デバイの溶媒を
    含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】有機金属化合物の中心金属のモル数と有機
    溶媒のモル数の比が1:4よりも有機溶媒が多いことを
    特徴とする請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】組成物中に有機金属化合物が5〜80重量
    %含まれることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の組成物を
    塗布し、フォトリソグラフィー法によりパターン加工し
    た後、焼成することによって構造体が形成されることを
    特徴とするディスプレイ部材の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の組成物を
    基板上に塗布し、焼成する工程を含むことを特徴とする
    ディスプレイ部材の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれかに記載の組成物
    を用いたことを特徴とするディスプレイ。
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