JP4151293B2 - ディスプレイの隔壁形成用感光性ペースト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隔壁を有するプラズマディスプレイ(PDP)、プラズマアドレス液晶ディスプレイ(PALC)、電子放出素子(FED)または蛍光表示管(VFD)を用いたディスプレイに適用されるディスプレイ用部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自発光型の放電ディスプレイであるPDPや電子放出素子を用いたディスプレイは、液晶ディスプレイに比べて明るい画像が得られると共に、視野角が広い、大画面化や高精細化の要求に応えられることから、そのニーズが高まっている。
【0003】
自発光型の代表的なディスプレイであるPDPでは、前面ガラス基板と背面ガラス基板との間に設けられている隔壁で仕切られた放電空間内で対向するアノード電極およびカソード電極間にプラズマ放電を生じさせ、この空間内に封入されているガスから発生する紫外線を放電空間内に塗布されている蛍光体に当てることによって表示を行う。隔壁は単に発光領域を区分するのみでなく、発光輝度や色純度などのディスプレイの表示特性に影響を与えるものであると共に、ディスプレイの製造過程においても重要な要因となる影響を有するものである。隔壁は背面ガラス基板に形成されるが、前面ガラス基板を封着して放電空間を形成する際、隔壁形成によるガラス基板の全体的な反りや隔壁自身の凹凸などに原因する割れや封着不良の発生が起こるという問題があり、これらは歩留まりの低下やクロストークなどの誤動作発生などの重大な欠陥となることが知られている。このような欠陥の発生を解消することは、ディスプレイ作製の歩留まり向上やディスプレイの大型化を実現するのに重要な課題である。
【0004】
従来、高い表示性能を有するディスプレイの隔壁を形成する方法としては、感光性ペーストを用いるフォトリソグラフィ法が知られている。この方法は、隔壁成分となるガラス成分とパターン形成のための感光性有機成分を基本成分として構成される感光性ペーストをガラス基板に塗布し、これにパターン露光し、現像して隔壁パターンを形成した後、焼成して本質的に無機成分からなる隔壁を作製するというものである。この隔壁表面の粗さの程度は、前面ガラス基板との封着の際の精度に影響を与え、さらに放電領域となる空間を排気する時の作業時間の長短とも関係する。特に、寸法精度が劣る場合には、クロストークなどの誤作動が発生し、ディスプレイの表示性能が悪化するという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前面ガラス基板を封着する際のガラス基板の割れや封着不良を抑制し、クロストークが生じないディスプレイ用部材およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の構成を有する。すなわち、感光性有機成分、低融点ガラス粉末、平均粒子径が0.003〜0.1μmのフィラーおよびカルボキシル基を少なくとも1個有し、かつポリアルキレンオキサイド鎖を有する平均分子量が200〜7000の化合物を含むことを特徴とするディスプレイの隔壁形成用感光性ペーストである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のディスプレイ用部材は、隔壁頂部長手方向の中心線平均粗さRaが0.05〜0.30μmであるディスプレイ部材である。また、隔壁頂部および側面の長手方向のRaが0.05〜0.30μmの範囲内であるディスプレイ用部材である。隔壁の頂部の凹凸を微小化して、封着を精度よく行うことは形成されたディスプレイのクロストークを解消することになり、ディスプレイ製造の歩留まりの向上になる。さらに隔壁の頂部と側面の凹凸を微小化することは表面のみでなく隔壁自体の空隙率をも低下するので内部に滞留するガスや空気、さらに表面に吸着されているガスや空気を減少することになり、放電領域の排気をスムースに進行させることが可能になり、ディスプレイの組立作業の時間を短縮し、生産性の向上になるというメリットがあるためである
【0010】
本発明のディスプレイ用部材の代表的なものはPDPの背面ガラス基板の作製に用いる部材であり、これには銀ペーストなどを用いて形成したストライプ状電極やその上に形成された絶縁膜があり、さらに、その上に隔壁が形成されたものがある。
【0011】
隔壁頂部長手方向のRaが0.05〜0.30μmの範囲内にあると、形成されたディスプレイのクロストークが減少するのでディスプレイ製造時の歩留まりが向上する。さらに頂部および側面長手方向のRaが0.05〜0.30μmの範囲内にあると、形成された放電空間を真空状態に排気する場合の作業時間が短縮されるので生産性が向上する。より好ましいRaの値の範囲は0.05〜0.20μmであり、さらに好ましくは0.05〜0.15μmである。
【0012】
ここで、中心線平均粗さRaは物質の表面粗さを示す一つの指標であり、その定義はJISB0601に準拠するものであり、粗さ曲線を基にして得られる物性値である。粗さ曲線は、対象面に直角な平面で対象面を切断した時にその切り口に現れる輪郭から、表面のうねり成分を除去した曲線のことである。また中心線は、この粗さ曲線の平均線に平行に直線を引いた時に、この直線と粗さ曲線で囲まれた面積が、この直線の両側で等しくなる直線のことである。Raは、粗さ曲線と中心線とで囲まれた面積を測定長さで除した値をμm単位で表したもので、測定範囲内の凹凸の程度を表している。測定には、触針式の表面粗さ計(東京精密(株)サーフコム1500A)を用いて、隔壁頂部の長手方向の凹凸を長さ10cmの範囲について測定した。また、隔壁を基板から分離して、隔壁側面の長手方向の凹凸を長さ10cmの範囲について測定した。
【0013】
粗さを表す指標には基準長さの中で最も凸な部分と最も凹な部分との差を示す最大高さRtがあるが、本発明の課題を解決するにはRaが0.05〜0.30μmであることが必要であるが、さらに、Rtが0.20μm以下であることが好ましく、0.15μm以下であることがより好ましい。
【0014】
隔壁の凹凸を少なくすることは隔壁の頂部、側面の表面積を小さくすることになり、寸法精度も向上する。この結果が前述したようにクロストークの減少、排気時間の短縮、表示位置依存性の解消などに繋がるものとなる。
【0015】
隔壁の頂部長手方向のRaまたは頂部および側面長手方向のRaが0.05〜0.30μmの範囲であるディスプレイ用部材は、感光性有機成分、平均粒子径が0.003〜0.1μmのフィラーAおよびカルボキシル基を少なくとも1個有する平均分子量が200〜7000の化合物を含むことを特徴とする感光性ペーストを用いて製造することができる。
【0017】
感光性ペーストを構成する成分のうち、感光性有機成分は一般的にバインダー成分となるポリマー類、光反応性化合物類および光重合開始剤を必須成分として含み、必要に応じて、増感剤、可塑剤、紫外線吸収剤、分散剤、界面活性剤、有機染料、増粘剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤などの添加成分が加えられる。ここで感光性とは、活性光線の作用を受けて重合、架橋、分解、変性などの反応を通して化学構造が変化する能力を有していることを意味する。
【0018】
バインダー成分となるポリマー類は、アルカリ水溶液現像を可能にするため、側鎖にカルボキシル基を有する重合体であることが好ましいが、これに限定されるものではない。側鎖にカルボキシル基を有する重合体の場合、その酸価は50〜140であることが好ましい。酸価を140以下とすることで現像許容幅を広くすることができ、酸価を50以上にすることで、未露光部の現像液に対する溶解性が低下することがなく、従って、現像液を濃くする必要がなくなり露光部の剥がれを防ぎ、高精細パターンを得ることができる。このような重合体として、焼成時の熱分解温度が低いことから(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸を共重合成分とした共重合体が好ましく用いられる。側鎖にカルボキシル基を有する重合体が、側鎖にエチレン性不飽和基を有して、バインダー成分自体が感光性を有するものであることも好ましい。
【0019】
感光性有機成分には、光反応性化合物類が必須成分として用いられるが、これらは反応性のエチレン性不飽和基を1つまたは1つ以上有するモノマーあるいはオリゴマー成分から選択して用いることができる。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基であることが好ましいが、特に、アクリロイル基やメタクリロイル基であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0020】
本発明のディスプレイ用部材の製造方法では、このような光反応性化合物としてウレタン化合物を用いることが好ましい。すなわち、末端にエチレン性不飽和基を有し、それらをウレタン結合を含む有機基で結合した化合物である。このようなエチレン性不飽和基を有するウレタン化合物は、エチレンオキシドを含有するアルキレンオキシドのオリゴマーを構成成分とし、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものが好ましく、エチレン性不飽和基とアルキレンオキシドオリゴマーとの結合にはジイソシアネート化合物が用いられ、ウレタン結合を形成している。これに限定されるものではないが、本発明で好ましく用いられるエチレン性不飽和基を含むウレタン化合物は一般式(1)で示される。
1−(R2−R3)n−R2−R1 (1)
(ここで、R1はアクリロイル基またはメタクリロイル基、R2はウレタン結合を含む有機基、R3はアルキレンオキサイドオリゴマーであり、nは1〜10の自然数を表す)
ここで用いるジイソシアネート化合物としては、脂肪族、芳香族または脂環式のジイソシアネート化合物を用いることができるが、脂環式ジイソシアネート化合物を用いることがより好ましく、特にイソフォロンジイソシアネートを用いたものが好ましいが、これに限定されるものではない。R3のアルキレンオキシドオリゴマーは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコオリゴマーが好ましく、エチレンオキシドの配合量は8〜50%であることが好ましい。
【0021】
これらの化合物に一般式(2)または(3)で示されるエチレン性不飽和基を有するアミン化合物を併用することが好ましい。光に対する感度を向上させることができる場合があるためである。
【0022】
456N (2)
45N−M−NR67 (3)
(ここで、R4はエチレン性不飽和基を含む置換基であり、R5、R6、R7はエチレン性不飽和基を含む置換基、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれかから選ばれたもので、R5、R6、R7は同じであっても異なっていてもよい、Mは2価の連結基を表す)
アミン化合物のエチレン性不飽和基を有する置換基としては、下記一般式(4)、(5)、または(6)で示されるものが好ましい。
CH2=CR8−A−(L)a−CH(OH)−CH2− (4)
CH2=CR8−(A)b−(L)a−SO2− (5)
CH2=CR8−(A)b−(L)a−CO− (6)
(ここで、R8は、水素原子またはメチル基である。Aは、COO、CONH、または置換または無置換のフェニレン基である。Lは、炭素数1〜20の環式または非環式のアルキレン、アリーレン、アラルキレンから選ばれたもので、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アリール基などで置換されていてもよい。a,bは0または1を示す)。とりわけCH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)CH2−が好ましく用いられる。
【0023】
また、アミン化合物として、3級アミン化合物を用いることが好ましい。特に、3級アミン化合物としては、下記一般式(7)で示される構造を有する化合物が好ましく用いられる。
(CH2=C(R)−CO−Z)3-m−NR’m (7)
(ここで、Rは水素原子またはメチル基、R’はアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはヒドロキシアルキル基、Zは−O−R”−または−NHR”−、R”はアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基、またはヒドロキシアルキレン基、mは0、1、または2である)
感光性ペーストを構成する無機粒子は、低融点ガラス粉末60〜97重量%とフィラー3〜40重量%とからなることが好ましい。フィラーは焼成収縮率の制御や形成された隔壁の強度を保持するために低融点ガラスと共に用いられることが多く、3重量%以下ではその添加効果が発揮できず、40重量%以上では、隔壁の強度の減少などの問題点を生じるので好ましくない。
【0024】
また、低融点ガラス粉末の屈折率は1.45〜1.65であることが好ましい。感光性ペーストは有機成分を溶解した有機溶媒系の中に無機粒子を分散させたものであり、その塗布膜では有機成分層の中にかなり高い濃度で無機粒子が存在している。このような塗布膜にフォトリソグラフィ法でパターン形成を行うためには、少なくとも共存する各成分の屈折率を近似させることが好ましい。用いる有機成分の平均屈折率が1.4〜1.7の範囲にあるのが通常であるので無機粒子の屈折率もこの範囲に出来るだけ近似するものを選ぶことが必要になる。種々の酸化物からなるガラス成分はその配合を考慮することで特性の制御が可能であり、本発明においても熱特性、屈折率などをコントロールした低融点ガラス粉末が使用できる。低融点ガラス粉末としては、屈折率が1.45〜1.65であり、ガラス転移点が400〜550℃、荷重軟化点が450〜600℃を有するものが好ましい。荷重軟化点を450℃以上とすることで、部材形成およびディスプレイ形成の後工程において隔壁が変形することがなく、荷重軟化点を600℃以下とすることで、焼成時に溶融し強度の高い隔壁を得ることができる。感光性ペーストに用いる低融点ガラス粉末は、ペースト形成時の充填性および分散性が良好で、ペーストの均一な厚さでの塗布が可能であると共にパターン形成性を良好に保つためには、平均粒子径が1〜4μmであり、最大粒子径が35μm以下であることが好ましい。このような粒度分布を有するガラス粉末がペーストへの充填性および分散性の点で優れており、塗布膜内に空気などの気泡を残存させることなく緻密な膜が形成されるためパターン形成性が良くなる。また、低融点ガラス粉末の場合は焼成工程でその殆どが溶融し一体化されるので、かなり大きな粒子径の粉末も許容される。この範囲であれば、充填性および分散性を満足させて、塗布性およびパターン形成性の優れた感光性ペーストを構成することができる。
【0025】
感光性ペーストの無機粒子を低融点ガラス粉末とフィラー成分とから構成することは、焼成収縮率の減少、形成された隔壁の強度向上、隔壁の不透明化などのために好ましい。これらの場合のフィラー成分の平均粒子径は、ペースト中への充填性や分散性を最適化するサイズの範囲で選ばれる。本発明では、上記したフィラーA以外に、平均粒子径1〜4μm、かつ平均屈折率が1.45〜1.65のフィラー(以下、「フィラーB」という)を、無機粒子全体に対し3〜40重量%の範囲で含有することができる。このようなフィラーBとして、屈折率が調整された高融点ガラスやコーディエライト、セルジアン、アノーサイト、ステアタイト、スポジュウメン、フォルステライト、シリカから選ばれた少なくとも一種が用いられる。高融点ガラス粉末としては、ガラス転移点500〜1200℃、荷重軟化点550〜1200℃を有するものが好ましい。フィラーBはフィラーAに比べて粒子径が大きいので隔壁の強度を向上させる効果が高く、フィラーAとフィラーBを併用することによって、チッピングが起こりにくい隔壁が得られる傾向がある。ただし、フィラーAとフィラーBの合計量が、無機粒子全体に対して50重量%を越えると、隔壁強度が低下するので好ましくない。
【0026】
フィラーAとしては露光光の波長に比べて微小な平均粒子径を有する微粒子が分散したゾルを用いることも可能である。このような微粒子の場合は露光の際に光を散乱させることがないので、上述の平均屈折率1.45〜1.65の範囲内であっても範囲外であっても良く、屈折率に関係なく物質の選択ができる。このようなフィラーAの平均粒子径は0.003〜0.1μmの範囲内であることが必要である。フィラーAの平均粒子径を0.003μm以上とすることで、感光性ペーストおよびその塗布膜においてフィラーAの凝集を抑えて感光性ペーストの良好なパターニング性が保持され、0.1μm以下とすることで、露光に用いる紫外線光の波長である350〜440nmに比べて十分に小さいため、紫外線光の透過性すなわちパターニング性に影響を与えることがない。なお、フィラーAの平均粒子径はマイクロトラック粒度分析計UPA150MODEL、No.9340(日機装株式会社)を用いて測定した値である。また、フィラーBの平均粒子径はマイクロトラック粒度分布計HRAMODEL、No.9320−X100(日機装株式会社)を用いて測定した。
【0027】
平均粒子径が0.003〜0.1μmのフィラーAかつカルボキシル基を少なくとも1個有する平均分子量が200〜7000の化合物を含むことが好ましい。このようなフィラーAの表面にカルボキシル基が吸着または結合することにより、フィラーA同士の凝集が抑制されて分散性が向上して均質な感光性ペーストが得られるので、表面が平滑である隔壁が製造できる。カルボキシル基を少なくとも1個有する化合物の分子量が200以上であることで、カルボキシル基以外の部分の立体効果によって感光性ペースト中のフィラーAの分散性が向上するため、パターニング性に影響を与えることがなく、この感光性ペーストを用いて製造される隔壁の表面平滑性が向上する。また7000以下であることにより、塗布するために必要な感光性ペーストの流動性を保持することができる。また、カルボキシル基を少なくとも1個有する化合物が、ポリアルキレンオキサイド鎖を有することにより、無機粒子以外の成分が焼成時に分解しやすく焼成残渣が少ない傾向があるため好適に使用できる。
【0028】
隔壁の頂部長手方向のRaまたは頂部および側面長手方向のRaを0.05〜0.30μmの範囲にコントロールことのできる感光性ペーストとしては、その成分としてカップリング剤を含有することが好ましい。カップリング剤としては、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムなどの含金属元素系カップリング剤を用いることが好ましい。
【0029】
ケイ素系のカップリング剤としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。
【0030】
チタン系のカップリング剤としては、テトラエトキシチタネート、テトライソプロピルチタネートやテトラ−n−ブチルチタネートなどのチタンアルコキシド類、、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどを例示することができる。ジルコニウム系およびアルミニウム系のカップリング剤としてはチタン系化合物に対応した化合物を用いることができる。
【0031】
これらのカップリング剤の添加により、隔壁の凹凸が微小となりRaが0.05〜0.30μm程度の平滑表面を有する隔壁が得られる理由については明らかになっていないが、感光性ペースト塗布膜状態および露光・現像で形成される隔壁パターンを構成する各成分がカップリング効果を受けてより近接性を高め、内部も表面もより緻密化するので、それが焼成後の隔壁の表面粗さを微小にする原因となるものと推定される。
【0032】
感光性ペーストは、感光性有機成分、必要に応じてその他の添加剤および有機溶媒などの各種成分を所定の組成となるように調合して有機溶液を調製した後、無機粒子を加え、3本ローラや混練機で均質に混合・分散することにより製造することができる。感光性ペーストの粘度は、有機溶媒により10〜200Pa・s(パスカル・秒)程度に調整して使用される。この時使用される有機溶媒としては、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ-ブチロラクトンなどやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が挙げられる。
【0033】
この感光性ペーストは、PDP、PALC、FEDやVFDを用いたディスプレイなどの隔壁形成に用いられる。隔壁はガラス基板上に直接形成する場合もあるが、多くはガラス基板上に、銀、銅、クロム、アルミニウム、ニッケル、金などの導電性金属を用いた電極を設け、それらを被覆するように形成されている誘電体層の上に形成される。このように基板上に所定の隔壁を形成してディスプレイ用部材を得ることができ、さらにこれを用いてディスプレイを作製することができる。
【0034】
感光性ペーストの塗布は、スクリーン印刷法、バーコーター法、ロールコータ法、ドクターブレード法、スリットダイコーター法などの一般的な方法で行うことができる。塗布厚さは、所望の隔壁の高さとペーストの焼成収縮率を考慮して決めることができる。本発明では、少なくとも隔壁頂部を構成する塗布膜を形成する際、塗布膜のレベリング性が良好な塗布方法であるドクターブレード法あるいはスリットダイコーター法を用いて塗布することが好ましい。もちろん、全ての塗布工程を、ドクターブレード法あるいはスリットダイコーター法を用いて行うこともできる。
【0035】
次いで、塗布・乾燥した感光性ペースト膜にフォトマスクを介して露光を行って、隔壁パターンを形成する。超高圧水銀灯を光源として、プロキシミティ露光を行うのが一般的である。露光条件はペーストの塗布膜厚さによって異なるが、通常5〜60mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて10秒〜10分間露光を行う。露光後、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行う。本発明の感光性ペーストを使用した場合には、アルカリ水溶液での現像が可能になる。アルカリとしては、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去し易いので好ましい。アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜2重量%、より好ましくは0.1〜0.8重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパターンを剥離させたり、侵食したりするおそれがある。現像時の温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0036】
感光性ペーストの塗布膜から露光・現像の工程を経て形成された隔壁パターンは次に焼成炉で焼成されて、有機成分を熱分解して除去し、同時に無機粒子中の低融点ガラスを溶融させて無機成分の隔壁を形成する。焼成を行うには通常、隔壁パターンが形成されたガラス基板を通常は500〜590℃に約15〜30分間保持して焼成を行う。このような工程で隔壁が形成されたディスプレイ用部材を得ることができる。
【0037】
隔壁に挟まれたセル内に、赤、緑、青に発光する蛍光体ペーストを塗布・焼成して蛍光体層を形成するとPDP用の背面ガラス基板が構成される。この背面ガラス基板と別途作製された前面ガラス基板を張りあわせ後、封着、ガス封入してPDPが作製される。これらの技術は、PALC、FEDやVFDを用いたディスプレイなどにおいても、好ましく適用される。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、濃度(%)は時に断らない限り重量%である。
【0039】
実施例および比較例に用いた無機粒子および有機成分は次の通りである。
【0040】
a.低融点ガラス粉末I
酸化物換算組成:酸化リチウム7重量%、酸化ケイ素23重量%、酸化ホウ素30重量%、酸化バリウム4重量%、酸化アルミニウム22重量%、酸化亜鉛3重量%、酸化マグネシウム6重量%、酸化カルシウム5%
特性:ガラス転移点497℃、荷重軟化点530℃、熱膨張係数75×10-7/K、屈折率1.59、平均粒子径2.6μm、トップサイズ24μm
b.低融点ガラス粉末II
酸化物換算組成:酸化リチウム9重量%、酸化ケイ素22重量%、酸化ホウ素33重量%、酸化バリウム4重量%、酸化アルミニウム21重量%、酸化マグネシウム6重量%、酸化カルシウム5重量%
特性:ガラス転移点476℃、荷重軟化点519℃、熱膨張係数83×10-7/K、屈折率1.59、平均粒子径2.3μm、トップサイズ25μm
c.フィラーI(フィラーB)
酸化物換算組成:酸化ケイ素38重量%、酸化ホウ素重量9%、酸化バリウム5重量%、酸化アルミニウム35重量%、酸化亜鉛3重量%、酸化マグネシウム5重量%、酸化カルシウム5重量%
特性:ガラス転移点652℃、荷重軟化点800℃、屈折率1.58、平均粒子径2.7μm
d.フィラーII(フィラーA)
組成が酸化チタン41.8重量%、酸化錫37.1重量%、酸化ケイ素21.1重量%で固形分濃度20.4重量%のゾル。平均粒子径0.005μm
e.フィラーIII(フィラーA)
組成が酸化チタン100重量%で、固形分濃度18.5重量%のゾル。平均粒子径0.004μm。平均粒子径0.004μm
f.ポリマーI
スチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(重量組成比30/30/40)100重量部に対してグリシジルメタクリレートを40重量部付加させたもので、重量平均分子量43,000、酸価100
g.ポリマーII
メタクリル酸とメチルメタクリレートとの共重合体に3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートを付加反応して得られたもの:重量平均分子量28,000、酸価120
h.アミン化合物I
ビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)イソプロピルアミン
i.アミン化合物II
ビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)n−プロピルアミン
j.アミン化合物III
(RCH2CH(OH)CH2)2N−CH(CH3)CH2(OCH2CH(CH3))5.6−N(CH2CH(OH)CH2R)2 (ただし、R=−OCOC(CH3)=CH2
k.ウレタン化合物I
一般式(1)において、R1はアクリロイル基、R2はイソフォロンジイソシアネート残基、R3はエチレンオキサイド20%を含有するエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドコオリゴマーで、全体の分子量は、19,000
l.ウレタン化合物II
一般式(1)において、R1はアクリロイル基、R2はイソフォロンジイソシアネート残基、R3はエチレンオキサイド50重量%を含有するエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドコオリゴマーで、全体の分子量は14,000
m.フィラーIV(フィラーA)
組成が酸化ケイ素100重量%で、固形分濃度が28重量%のゾル。平均粒子径0.08μm、分散媒がベンジルアルコール
n.フィラーV(フィラーB)
酸化物換算組成:BaO・Al23・SiO2(セルジアン)。屈折率1.54、平均粒子径2.3μm
o.フィラーVI(フィラーA)
組成が酸化アルミニウム100重量%で、固形分濃度が15重量%のゾル。平均粒子径0.009μm、分散媒がプロピレングリコール/ベンジルアルコール
p.カルボキシル基を含む化合物I
平均分子量=1018
816−((C24O)8−CO−C24−COOH)2
q.カルボキシル基を含む化合物II
平均分子量=896
CH2−((C24O)9−COOH)2
r.カルボキシル基を含む化合物III
平均分子量=192
CH2−(C24O−COOH)2
s.カルボキシル基を含む化合物IV
平均分子量=7020
815−((C36O)37−CO−C612−COOH)3
(感光性ペーストの作製)
60℃で8時間真空乾燥したポリマーをγ−ブチロラクトンに混合して、撹拌しながら60℃に加熱して溶解し、ポリマー溶液を作製した。低融点ガラス粉末は、400℃で2時間保持して乾燥した。
【0041】
感光性ペーストは、ポリマー、光反応性化合物に光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン)5重量部、増感剤(2,4−ジエチルチオキサントン)2重量部、有機染料(スダンIV)0.01重量部、カップリング剤所定量、γ−ブチロラクトン30重量部を50℃に加熱しながら溶解し、その後、無機粒子を添加し、三本ローラーを用いて混練して得た。
参考例1)
低融点ガラスI:60重量部、テトラエトキシシラン10重量部、ポリマーI:15重量部、アミン化合物I:5重量部、ウレタン化合物I:5重量部、光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン)5重量部、増感剤(2,4−ジエチルチオキサントン)2重量部、有機染料(スダンIV)0.01重量部、γ−ブチロラクトン30重量部を三本ローラーを用いて混練して感光性ペーストを得た。
【0042】
次いで、ディスプレイ部材を作製した。まず、100mm角ガラス基板(旭硝子(株)製PD200)上に、平均粒子径が1.5μmの球状銀粉末及び感光性有機成分を含む感光性銀ペーストを用いて、フォトリソグラフィ法によりピッチ150μm、線幅40μmのストライプ上パターンを形成した。次に、空気中580℃、35分間焼成し、銀含有量97.5%、ガラスフリット量2.5%の電極層を形成した。この電極層の厚みは、3.8μmであった。
【0043】
次に、エチルセルロース5%のテルピネオール溶液24g、平均粒子径0.24μmのルチル型酸化チタン5g、ガラス粉末(酸化物表記:酸化ビスマス67%、酸化ケイ素10%、酸化ホウ素12%、酸化アルミニウム3%、酸化亜鉛3%、酸化ジルコニウム5%)140gを混合した後、三本ローラーで混練して誘電体ペーストを得た。この誘電体ペーストを、電極層を形成したガラス基板上にスクリーン印刷法でメッシュ325のスクリーンを用いて乾燥後の厚みが23μmになるように塗布した。続いて570℃で30分間焼成して厚み13μmの誘電体層を形成した。
【0044】
次に、本参考例の感光性ペーストを、上記の誘電体層が形成されたガラス基板上に、スクリーン印刷法でメッシュ325のスクリーンを用いて乾燥後の厚みが210μmになるように塗布した。塗布膜にピンホールなどの発生を回避するために塗布・乾燥を数回繰り返し行い、膜厚の調整を行った。途中の乾燥は80℃で5分行い、所定の膜厚に達した後は80℃で90分乾燥した。
【0045】
次いで、150μmピッチ、線幅20μmのネガ用のクロムマスクを用いて、上面から20mW/cm2出力の超高圧水銀灯で露光量500J/cm2のプロキシミティ露光を施した。この時、フォトマスクの汚染を防ぐため、マスクと塗膜面との間に100μmのギャップを設けた。その後、35℃に保持したモノエタノールアミンの0.3重量%水溶液をシャワーで180秒間かけることにより現像し、さらにシャワースプレーで水洗浄し、光硬化していないスペース部分を除去してガラス基板上にストライプ状の隔壁パターンを形成した。隔壁パターンを顕微鏡で観察し、露光部の剥がれ、パターンの蛇行およびパターン間の埋まり(残膜)が発生せず、かつパターンの断面形状が矩形または台形である場合にパターン形成性が良好と判断されるが、本実施例では、これらの条件が全て満足されることを確認した。このようにして得られた隔壁パターンを空気中、580℃で20分間焼成し、ディスプレイ用部材を製造した。
【0046】
形成された隔壁の断面形状を電子顕微鏡で観察したところ、隔壁の高さ130μm、隔壁頂部の線幅32μm、ピッチ150μmであった。さらに、隔壁頂部の長手方向のRaとRtを触針式の表面粗さ計(東京精密(株)サーフコム1500A)で測定した。隔壁3本について、隔壁頂部を長手方向に10cmの範囲で測定を行い、これらの平均値をRa、Rtとした。また、基板から分離した隔壁3本について、隔壁側面の長手方向に10cmの範囲で測定を行い、これらの平均値をRa、Rtとした。測定値は表1に示した。
【0047】
上記のディスプレイ用部材の隣り合う隔壁間に蛍光体を塗布した。蛍光体の塗布は、口径130μmの穴が形成されたノズル先端から蛍光体ペーストを吐出するディスペンサー法を用いた。蛍光体は隔壁の側面に焼成後厚み25μm、誘電体層上に焼成後厚み25μmになるように塗布した後、500℃で10分間の焼成を行って、背面ガラス基板を作製した。別途作製した前面ガラス基板と背面ガラス基板を封着ガラスを用いて封着し、排気した。排気開始後から1×10-4Paに到達するまでの時間を測定した。さらに、キセノン5重量%含有のネオンガスを封入した。駆動回路を実装してPDPを作製した。得られたPDPは全面正常に駆動した。
【0048】
【表1】
Figure 0004151293
【0050】
(実施例)カルボキシル基を含む化合物を2重量部添加した後、三本ローラーを用いて混練して感光性ペーストを得たこと以外は参考例1を繰り返した。条件および結果を表1に示した。得られたPDPは全面正常に駆動した。隔壁の頂部長手方向のRa並びに隔壁頂部および側面の長手方向のRaが0.05〜0.30μmの範囲にある隔壁が形成されたディスプレイ部材を用いて構成されたPDPはクロストークがなく全面正常に作動した。従って、このようにRaが0.05〜0.30μmにコントロールされた隔壁を有するディスプレイ部材を用いると歩留まり高くPDPを得ることができる。表1には、隔壁の表面粗さを本発明の範囲に制御することにより、セルの排気時間が短縮されることを示すデータとして排気開始後から1×10−4Paに到達するまでの時間を参考までに示した。
【0051】
(比較例1〜2)条件および結果を表1に示した。実施例1〜10に比べて排気時間が長く、また、得られたPDPは放電時にクロストークが発生した。
【0052】
(比較例3〜6)条件および結果を表1に示した。比較例3では、良好なパターン形状が得られなかったので、PDPを作製できなかった。比較例4では、感光性ペーストの粘度が非常に高いので、スクリーン印刷ができず、PDPを作製できなかった。比較例5では、実施例1〜10に比べて排気時間が長く、また、得られたPDPは放電時にクロストークが発生した。また、比較例6では、焼成によって隔壁の形状が丸みを帯びて、PDPを作製できなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の感光性ペーストを用いて製造されるディスプレイ用部材は、隔壁頂部長手方向の中心線平均粗さ本発明の範囲内となるので、クロストークが生じにくく、プラズマディスプレイ(PDP)、プラズマアドレス液晶ディスプレイ(PALC)、電子放出素子(FED)または蛍光表示管(VFD)を用いたディスプレイなどに好適に用いることができる。
【0054】
また、本発明のペーストは、感光性有機成分、平均粒子径が0.003〜0.1μmのフィラーおよびカルボキシル基を少なくとも1個有し、かつポリアルキレンオキサイド鎖を有する平均分子量が200〜7000の化合物を含むことを特徴としたので焼成後の表面形態を制御しながら、所望の形状の隔壁を高い精度で形成することができる。

Claims (3)

  1. 感光性有機成分、低融点ガラス粉末、平均粒子径が0.003〜0.1μmのフィラーおよびカルボキシル基を少なくとも1個有し、かつポリアルキレンオキサイド鎖を有する平均分子量が200〜7000の化合物を含むことを特徴とするディスプレイの隔壁形成用感光性ペースト。
  2. さらに下記式(1)で表されるウレタン化合物を含む請求項1に記載のディスプレイの隔壁形成用感光性ペースト。
    −(R−R)n−R−R (1)
    (ここで、Rはアクリロイル基またはメタクリロイル基、Rはウレタン結合を含む有機基、Rはアルキレンオキサイドオリゴマーであり、nは1〜10の自然数を表す。)
  3. さらに下記式(2)または(3)で表されるエチレン性不飽和基を有するアミン化合物を含む請求項1または2に記載のディスプレイの隔壁形成用感光性ペースト。
    N (2)
    N−M−NR (3)
    (ここで、Rはエチレン性不飽和基を含む置換基であり、R、R、Rはエチレン性不飽和基を含む置換基、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれかから選ばれたもので、R、R、Rは同じであっても異なっていてもよい。Mは2価の連結基を表す。)
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