JP4531238B2 - 感光性ペーストの製造方法ならびにそれから得られるプラズマディスプレイ用部材およびプラズマディスプレイ - Google Patents

感光性ペーストの製造方法ならびにそれから得られるプラズマディスプレイ用部材およびプラズマディスプレイ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、プラズマアドレス液晶ディスプレイ(PALC)、電子放出素子(FED)または蛍光表示管(VFD)を用いたディスプレイ等の画像表示装置の隔壁形成や高周波用セラミックス多層基板、樹脂とセラミックスの複合基板の作製に用いられる感光性ペーストの製造方法およびその感光性ペーストを用いたディスプレイや画像表示装置、ディスプレイ用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自発光型の放電型ディスプレイであるPDPや電子放出素子を用いた画像表示装置は、液晶ディスプレイに比べて明るい画像が得られると共に、視野角が広い、さらに大画面化、高精細化の要求に応えられることから、そのニーズが高まりつつある。
【0003】
また、感光性ペーストを用いたフォトリソグラフィ法による隔壁形成は高精細かつ高精度の隔壁を再現性よく形成する手段として、好ましい手法であるが、良好なパターン形成性を得ることと形成された隔壁が高い反射率を有することなどの両立の難しい問題を抱えると共に、感光性ペーストの粘度の経時変化やゲル化などペースト自体の安定性の問題をも包含しているなどの課題を有していた。
【0004】
それらのうち、PDPは隔壁を必要とし、特開平6−295676号公報、特開平8−50811号公報などで、感光性ペーストを用いてフォトリソグラフィ技術により隔壁を形成する方法が提案されている。
【0005】
一方、隔壁は単に発光区域を区分するのみでなく、発光輝度、色純度などのディスプレイの表示特性に影響を与えるものである。蛍光体層からの発光の効率を向上するためには、隔壁の反射率を高くしたいという要求がある。つまり、隔壁の反射率が低いと、隔壁側面や隔壁間に塗布されている蛍光体層から発光される表示光の反射が不足し、さらに、隣の隔壁間の蛍光体層の表示光の洩れ込みが起こり、輝度が高く色純度の良好なディスプレイを得ることができない。
【0006】
隔壁の反射率を上げ蛍光体層からの発光の効率を向上するための手段として、例えば特公平6−44452号公報には、ガラス粉末とそれと異なる屈折率を有する充填材との混合物を用いた隔壁の形成を開示されているが、このような組成物は、感光性ペーストを用いたフォトリソグラフィ法による隔壁形成には不適切である。また、特開平8−138559号公報には、形成された隔壁の表面に表示に特定の波長の光のみを反射する反射膜を形成する方法が提案されているが、その反射膜の形成のために工程が増えるなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点に着目し、良好なパターニングが可能であり、反射率の高い隔壁の形成が可能な感光性ペーストおよび該ペーストを用いて得られる輝度や色純度に優れたディスプレイ用部材およびディスプレイを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。すなわち、本発明は、金属化合物(A)、低融点ガラス粉末および感光性有機成分を含有する感光性ペーストの製造方法であって、前記金属化合物(A)が金属化合物(B)を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させることによって得られるものであり、かつ、前記金属化合物(B)が、金属アルコキシドまたは金属ハライド化合物であることを特徴とする感光性ペーストの製造方法である。
【0009】
ここで、金属化合物(A)と(B)は、金属化合物()を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させたものが金属化合物()であるという関係を有する。
【0010】
また、本発明のプラズマディスプレイ用部材は、上記感光性ペーストを用いて形成した隔壁を有することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明のプラズマディスプレイは上記プラズマディスプレイ部材を用いてなることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
隔壁形成に用いられる感光性ペーストは、塗布−パターン露光・現像−焼成の各工程を得て実質的に無機成分からなる隔壁を提供するものであり、感光性ペーストは無機成分を構成する低融点ガラスなどの成分と塗布性およびパターン形成性に寄与する感光性有機成分を含有するものであるが、本発明の感光性ペーストの製造方法は、金属化合物(B)を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させることによって金属化合物(A)とすることを特徴とする。
【0013】
本発明で用いられる金属化合物(B)は、金属錯体、金属塩等が挙げられるが、加水分解および縮合のしやすさの観点から、金属アルコキシドまたは金属ハライド化合物であることが好ましい。
【0014】
また、本発明で用いられる金属化合物(B)は、Si,Al,Zr,Ti,Ce,Y,MgおよびSnの群から選ばれた少なくとも一種の元素を含むことが隔壁の反射率を高くできる点で好ましい。
【0015】
ここで、金属化合物(B)として好ましく用いられるものとしては、例えば、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトネート、四塩化チタン、四臭化チタン、トリクロロエトキシチタン、トリクロロブトキシチタン、三塩化チタン、ジクロロブトキシチタン、ジクロロフェノキシチタン、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルブチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシランフェニルメチルジクロロシランなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、高反射率付与およびコストの観点からテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート等のチタンテトラアルコキシド類やジルコニアテトラアルコキシド、またはチタンテトラハライド、シランテトラハライドなどが好ましい。
【0016】
また、金属化合物(A)は、金属化合物(B)を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させることによって得られる。本発明において、多価アルコールとして好ましく用いられるものは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられ、単一でまたは混合物として用いられる。なかでも、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが好ましく用いられる。
【0017】
また、多価アルコール以外に、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノールなどのモノアルコール類やジオキサン、メチルセロソルブ、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N-メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランなどの用いる多価アルコールと相溶可能な溶媒を混合してもよい。
【0018】
多価アルコールの使用量としては、金属アルコキシドまたは金属ハライド化合物に対して、等モル以上であることが好ましく、2倍モル以上がさらに好まい。これより少ないと粒子が凝集し粒子径の分布が広くなったり、粒子の沈降が生じる場合がある。多価アルコールゾルとして使用する場合などは2倍モル以上が好ましい。
【0019】
多価アルコールを含む溶液中には、金属化合物(B)の加水分解に必要な水分を共存させることが好ましく、加水分解、縮合反応を促進するために触媒を添加することがより好ましい。この水分や触媒の添加量は、金属アルコキシドまたは金属ハライド化合物の種類や目標とする平均径、形状を勘案して適宜実験的に決定できる。また、気相中の湿気により供給する事も可能である。触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、スルホン酸、無水酢酸、安息香酸などの有機酸、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、2−アミノエタノール、トリエタノールアミンなどのアミン類が使用可能である。これらの中でも毒性が低く、除去が容易で安価である点からアンモニアが好ましく、一般に市販されている28%アンモニア水溶液などを好ましく用いることができる。その結果、金属化合物(A)は通常ゾルの状態で得られる。
【0020】
金属化合物(A)は、金属化合物(B)を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させる事により、金属化合物(B)同士の縮合とともに、金属化合物(B)と多価アルコールとの縮合反応や錯体形成反応が生じ、結果的に多価アルコールが表面や内部に取り込まれることによって得られるものと推察される。
【0021】
ここで、多価アルコールの結合量は、示差熱熱重量同時測定装置などによる加熱重量減少率(加熱による重量減少量の仕込サンプル重量に対する割合)で測定できる。本発明においては、加熱重量減少率は、残存原料や吸着した水分の影響を除くために、200〜600℃までの範囲の値を用いて測定する。本発明における金属化合物(A)の値としては、5%以上であることが好ましく、より好ましくは10%以上である。上記下限値を下回る、すなわち多価アルコール成分の結合または強固な吸着量が少ない場合は、本発明の目的を達成することが困難になることがある。
【0022】
本発明に用いる金属化合物(B)を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させることによって製造される金属化合物(A)の好ましい形態は微粒子である。ここで微粒子には、X線構造回折や電子線回折の手段によって、その結晶構造を同定できる場合とそうでないアモルファス(非晶質)の場合も含まれる。
【0023】
金属化合物(A)が微粒子である場合には、その平均径は0.002〜0.02μmの範囲内であることが好ましい。微粒子の平均径を0.002μm以上とすることにより、形成された隔壁の反射性が向上する傾向がある。また、感光性ペーストのパターン形成性を良好に保持する上限として、微粒子の平均径は0.02μm以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.004〜0.01μmである。このような平均径の微粒子は、露光に用いる紫外線光の波長350〜420nmより微細であり、また、感光性ペーストおよびその塗布膜内で均一に分散されるため、紫外線の透過性、すなわちパターン形成性に影響を与えない。
【0024】
なお、金属化合物(A)の平均径は、金属化合物(B)を加水分解して得られた金属化合物(A)を含むゾルをParticle sizing systems社の粒度分布計NICOMP380/DLSを用いて測定される。また、粒度分布計によって測定できない場合は、金属化合物(A)を含むゾルを基板上に塗布後、乾燥して得られた膜を電子顕微鏡で観察して、観察写真を画像処理し、金属化合物(A)の見かけの面積と同面積の円に換算した際の直径から、一次粒子径を算出することもできる。 一般的には微粒子は、微細なため非常に凝集しやすく、ペースト中で均一に分散させるには工夫が必要である。凝集が生じると紫外線光が底部まで直進・透過しなくなり、パターン形成性が低下する。それを回避するために、微粒子は通常化学的な表面処理を行うことに加えて、粉末の合成段階において凝集を少なくする必要がある。本発明で用いられる金属化合物(A)が微粒子の形態である場合には、多価アルコール成分由来の化学構造部位を有するため、ペースト中への分散性、親和性が優れ、均一な分散を達成できやすい傾向がある。
【0025】
隔壁は感光性ペースト塗布膜をパターン露光し現像した後に焼成して形成されるが、微粒子はその焼成の工程において凝集して粒子径0.3〜2μmの凝集粒子を構成する傾向がある。このような凝集粒子は、隔壁の反射性を向上させ、蛍光体層からの発光の効率を向上することができるようになる。凝集粒子として好ましいサイズの粒子径は、0.2〜1.0μmで、より好ましくは0.2〜0.6μmである。ここでいう凝集粒子の粒子径とは、電子顕微鏡などによる凝集粒の観察写真を画像処理し、凝集粒子の見かけの面積と同面積の円に換算した際の直径をいう。
【0026】
感光性ペーストが含有する感光性有機成分は、感光性モノマーおよび/またはオリゴマー、感光性または非感光性ポリマー、光重合開始剤を基本成分として構成されるが、必要に応じて、増感剤、紫外線吸収剤、分散剤、界面活性剤、有機染料、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤などの添加剤成分を加えることができる。ここで感光性とは、ペースト中の他の成分の助けを借りて、または借りることなく、重合、架橋、分解、変性などの反応を通して化学構造が変化する能力を有していることを意味する。
【0027】
本発明の感光性有機成分は、これに限定されるものではないが、側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系重合体を含有することが好ましい。このような重合体を用いた感光性ペーストはパターン露光後の現像をアルカリ水溶液で実施することができるというメリットを有している。側鎖にカルボキシル基を有する重合体としては、焼成時の熱分解温度が低いことから、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸を共重合成分とする共重合体が好ましく用いられる。さらに、側鎖にカルボキシル基を有する重合体が側鎖にエチレン性不飽和基を有することも好ましく、該エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。 感光性ペーストの感光性有機成分には感光性モノマーが含有されることが好ましく、これらのモノマー成分の光反応による架橋反応や重合反応が重要な役割をする。このような役割をする感光性モノマーとしては、活性な炭素−炭素二重結合を有する化合物で、官能基としてビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基などを有する単官能および多官能化合物が用いられる。側鎖にカルボキシル基を有する重合体の酸価は、50〜140であることが好ましい。酸価を140以下とすることで、現像許容幅を広くすることができ、酸価を50以上とすることで、未露光部の現像液に対する溶解性が低下することがなく、従って現像液を濃くする必要がなく露光部の剥がれを防ぎ、高精細なパターンを得ることができる。
【0028】
本発明の感光性ペーストは、金属化合物(A)がペースト中で均一分散していることが重要である。そのためには感光性モノマーが含まれることが好ましいが、一種に限定されるものではなく複数種を混合して用いることも可能であり、金属化合物(A)の安定分散性を阻害することがないと共に形成される隔壁パターンの形状安定性や欠陥防止にも留意して選択される。これに限定されるものではないが、エチレン性不飽和基を有するアミン化合物やウレタン結合を有するアクリロイルまたはメタクリロイル誘導体などを用いることが好ましい。
【0029】
不飽和基を有する感光性モノマー類には、一般的に活性光線のエネルギーを吸収する能力はないので、光反応を開始するためには、光重合開始剤を加えることが好ましい。場合によっては光重合開始剤の効果を補助するために増感剤を用いることがある。光重合開始剤や増感剤は1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、感光性有機成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは0.1〜10重量%である。光重合開始剤の添加量をこの範囲内とすることにより、露光部の残存率を保ちつつ良好な光感度を得ることができる
また、本発明における低融点ガラス粉末とは、ガラス転移点400〜550℃、荷重軟化点450〜600℃であることが好ましい。荷重軟化点を450℃以上とすることで、ディスプレイ形成の後工程において隔壁が変形することがなく、荷重軟化点を600℃以下とすることで、焼成時に溶融し強度の高い隔壁を得ることができるためである。
【0030】
また、低融点ガラス粉末の屈折率は、感光性ペーストにおける感光性有機成分の屈折率との整合をとり、露光光の散乱を抑えるために、1.5〜1.65の範囲内とすることが好ましい。
【0031】
感光性ペーストに用いる低融点ガラス粉末は、ペースト形成時の充填性および分散性が良好で、ペーストの均一な厚さでの塗布が可能であると共にパターン形成性を良好に保つためには、平均径が1〜4μmであり、最大粒子径が35μm以下であることが好ましい。このような粒度分布を有するガラス粉末がペーストへの充填性および分散性の点で優れているが、低融点ガラス粉末の場合は焼成工程でその殆どが溶融し一体化されるので、かなり大きな粒子径の粉末も許容される。この範囲であれば、充填性および分散性を満足させて、塗布性およびパターン形成性の優れた感光性ペーストを構成することができる。
【0032】
本発明の感光性ペーストは、低融点ガラス粉末および金属化合物(A)を含有する無機微粒子成分と感光性有機成分とを6:4〜9:1の割合で含有することが好ましく、また低融点ガラス粉末、金属化合物(A)が、それぞれ70〜97重量部、3〜30重量部含有されることが好ましい。無機微粒子成分を構成する低融点ガラス粉末は97重量部以下で用いることが好ましく、これを越えると、金属化合物(A)が3重量部以下となり、反射性向上効果が低下し、焼成収縮率が高くなり隔壁形状の変化が激しくなることがある。また、低融点ガラス粉末を70重量%以上用いることで、形成された隔壁の形状や強度を適正に保持することが可能になる。
【0033】
感光性ペーストには、通常、低融点ガラス粉末、フィラー、感光性モノマー、オリゴマーもしくはポリマー、光重合開始剤を基本成分とし、必要に応じてその他の添加剤および溶媒などの各種成分を所定の組成となるように調合した後、3本ローラや混練機で均質に混合・分散することにより製造することができる。
【0034】
フィラーとして好ましいものは、屈折率1.45〜1.65、平均径が1.5〜4μmのフィラーであり、0〜30重量部含有することができる。ここでフィラーとは、焼成後の隔壁中に溶融しない状態で存在しているガラスあるいはセラミックスである。フィラーを含有させることにより、焼成後の隔壁強度を保持し、焼成収縮率を小さく、反射率を上げる効果が生じることがある。
【0035】
感光性ペーストの溶媒は、感光性有機成分を溶解するものであって、ペーストの粘度の調整、塗布膜の乾燥性、その他、取り扱い性などを考慮して選択することができる。感光性ペーストの粘度は、有機溶媒により10〜200Pa・s(パスカル・秒)程度に調整して使用される。この時使用される有機溶媒としては、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、γ-ブチロラクトンなどやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が挙げられる。
【0036】
本発明の感光性ペーストの製造方法による感光性ペーストは、PDP、電子放出素子を用いたディスプレイ等の隔壁形成に用いられるが、それらのディスプレイ用部材は次のようにして作製される。
【0037】
隔壁はガラス基板上に直接形成する場合もあるが、多くはガラス基板上の電極を被覆するように形成されている誘電体層の上に形成される。いずれの場合においても、感光性ペーストを塗布する前に、塗布面の表面処理を行って接着性を向上させることが有効である。このような表面処理にはシラン系カップリング剤や金属アルコキシ化合物などが用いられる。
【0038】
感光性ペーストの塗布は、スクリーン印刷法、バーコーター法、ロールコータ法、ドクターブレード法などの一般的な方法で行うことができる。塗布厚さは、所望の隔壁の高さとペーストの焼成収縮率を考慮して決めることができる。
【0039】
塗布・乾燥した感光性ペースト膜にフォトマスクを介して露光を行って、隔壁パターンを形成する。露光の際、ペースト塗布膜とフォトマスクを密着して行う方法と一定の間隔をあけて行う方法(プロキシミティ露光)のいずれを用いてもよい。露光用の光源としては、水銀灯やハロゲンランプが適当であるが、超高圧水銀灯が最もよく使用される。超高圧水銀灯を光源として、プロキシミティ露光を行うのが一般的である。露光条件はペーストの塗布膜厚さによって異なるが、通常は、5〜60mW/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用いて10秒〜10分間露光を行う。
【0040】
露光後、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。感光性ペーストが側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系重合体を含有する場合、アルカリ水溶液での現像が可能である。アルカリとしては、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去し易いので好ましい。有機アルカリとしては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどがあげられる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパターンを剥離させたり、侵食したりするおそれがある。現像時の温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0041】
感光性ペーストの塗布膜から露光・現像の工程を経て形成された隔壁パターンは次に焼成炉で焼成されて、有機成分を熱分解して除去し、同時に無機微粒子成分中の低融点ガラスを溶融させて無機質の隔壁を形成する。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の特性によって異なるが、通常は、空気中で焼成される。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。
【0042】
バッチ式の焼成を行うには通常、隔壁パターンが形成されたガラス基板を室温から焼成温度まで数時間掛けてほぼ等速で昇温した後、通常は焼成温度として設定された500〜590℃で約15〜30分間保持して焼成を行う。焼成温度は用いるガラス基板のガラス転移点より低くなければならないので自ずから上限が存在する。焼成温度が高すぎたり、焼成時間が長すぎたりすると隔壁の形状にダレなどの欠陥が発生する。また、有機成分に含まれる感光性モノマー、感光性オリゴマーもしくはポリマー、種々の添加剤の熱分解特性とガラス粉末成分の熱特性が不釣り合いになると、隔壁が褐色に着色したり、隔壁が基板から剥がれたりする欠陥が発生する場合がある。
【0043】
本発明の感光性ペーストでは、加えられた金属化合物(A)の効果により白色度が向上し、反射率の高い隔壁が形成されたディスプレイ用部材を得ることができる。
【0044】
得られた部材上の隔壁に挟まれたセル内に、赤、緑、青に発光する蛍光体ペーシトを塗布し、必要に応じて焼成して、プラズマディスプレイの背面板を製造することができる。この背面板と別途作製された前面板とを張り合わせ後、封着、ガス封入してプラズマディスプレイが作製される。
【0045】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、濃度(%)は特に断らない限り重量%である。
(1)加熱重量減少率の測定方法
金属化合物(B)を加水分解して得られた金属化合物(A)を含むゾルを200℃で減圧乾燥を8時間行い、未反応の多価アルコール成分やその他の揮発分を乾燥した試料を使用し、セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA6200で窒素気流中、昇温速度10℃/分で30〜600℃の範囲を測定し、200〜600℃の範囲の減少率を用いる。
(2)全光線反射率の測定方法
製造された感光性ペーストの塗布膜を570℃で15分間焼成して厚さ約30μmの膜を試料(これを焼成膜とする)として、島津製作所製の分光光度計UV−3101PCを用いて、入射角8度で入射した光の全反射を測定した。
(3)金属化合物(A)の平均径の測定方法
金属化合物(B)を加水分解して得られた金属化合物(A)を含むゾルをParticle sizeing systems社の粒度分布計NICOMP380/DLSを用いて測定した。
(4)ディスプレイの輝度測定方法
ディスプレイの輝度は、分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ(株)製)を使用して白色輝度を測定した。測定視野は20mmφとし、ディスプレイ上の異なる5点の輝度を測定し、その平均値を算出した。前面板の維持放電電圧は180V、周波数は30kHz一定とした。
【0046】
(参考例1)
温度計、攪拌機の付いた反応容器にエチレングリコール100g、28%アンモニア水20gを入れて20℃に保ち、撹拌しながらエタノール300gにテトラエトキシシラン(金属化合物(B))40gを混合した溶液を30分かけて添加した。3時間撹拌を継続した後、エタノール、アンモニアを減圧留去し、Si元素含有金属化合物(A)のエチレングリコールゾル(ゾルA)を得た。
【0047】
このゾルAを200℃で真空乾燥して得られたSi元素含有金属化合物の200℃から600℃の加熱重量減少率は11.3%であり、平均径は0.003μmであった。
【0048】
(参考例2)
温度計、攪拌機の付いた反応容器にエタノール200g、テトラ−n−ブトキシチタン80gを入れ20℃に保ち、撹拌しながらプロピレングリコール100g、28%アンモニア水30gを混合した溶液を一括添加した。3時間撹拌を継続した後、エタノール、アンモニアを減圧留去し、Ti元素含有金属化合物のプロピレングリコールゾル(ゾルB)を得た。
【0049】
このゾルBを200℃で真空乾燥して得られたTi元素含有金属化合物の200℃から600℃の加熱重量減少率は48.0%であり、平均径は0.003μmであった。
【0050】
(参考例3)
温度計、攪拌機の付いた反応容器に水400g、28%アンモニア水14g、エリレングリコール100gを入れ25℃に保ち、100rpmで撹拌して多価アルコール相とした。撹拌速度を10rpmに下げた後、メチルトリメトキシシラン13g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2gの混合液を、多価アルコール相に混ざらないように速やかに加えた。撹拌速度を50rpmに上げ二相に保ちながら5時間反応した後、水、生成したエタノール、アンモニアを減圧留去し、Si元素含有金属化合物のエチレングリコールゾル(ゾルC)を得た。
【0051】
このゾルCを200℃で真空乾燥して得られたSi元素含有金属化合物の200℃から600℃の加熱重量減少率は27.3%であり、平均径は0.004μmであった。
【0052】
(参考例4)
参考例1において、テトラエトキシシランの代わりに同モルの四塩化ケイ素を用いて、同様に反応してシリカ元素含有金属化合物のエチレングリコールゾル(ゾルD)を得た。得られたSi元素含有金属化合物の重量減少率は12%で、平均径は0.004μmであった。
【0053】
(参考例5)
参考例2において、テトラ−n−ブトキシチタンの代わりに同モルの四塩化チタン、また28%アンモニア水30gの代わりに0.1Nの塩酸30gを用い、プロピレングリコールの代わりに1,4−ブタンジオールを用いて、同様に反応してTi元素含有金属化合物の1,4ブタンジオールゾル(ゾルE)を得た。得られたTi元素含有金属化合物の重量減少率は35%で、平均径は0.005μmであった。
【0054】
(参考例6)
温度計、攪拌機の付いた反応容器にエタノール200g、テトラ−n−ブトキシジルコニウム80gを入れ、20℃に保ち撹拌しながらプロピレングリコール100g、0.1N塩酸30gを混合した溶液を一括添加した。3時間撹拌を継続した後、エタノール、水、反応生成物のn−ブタノールなどを減圧留去し、Zr元素含有金属化合物のプロピレングリコールゾル(ゾルF)を得た。得られたZr元素含有金属化合物の重量減少率は41%で、平均径は0.004μmであった。
【0055】
(参考例7)
参考例2においてプロピレングリコールの代わりにグリセリンを用いてTi元素含有金属化合物のグリセリンゾル(ゾルG)を得た。得られたTi元素含有金属化合物の重量減少率は42%で、平均径は0.004μmであった。
【0056】
(参考例8)
温度計、攪拌機の付いた反応容器にエタノール300g、テトラ−n−ブトキシチタン80gを入れ20℃に保ち、撹拌しながら28%アンモニア水30gを一括添加した。3時間撹拌を継続し、加水分解および縮合反応をほぼ完了後、プロピレングリコールを添加し、エタノール、アンモニアを減圧留去し、Ti元素含有金属化合物のプロピレングリコールゾル(ゾルH)を得た。
【0057】
このゾルBを200℃で真空乾燥して得られたTi元素含有金属化合物の平均径は0.004μmであった。
【0058】
(実施例1)
感光性ペーストの無機成分を構成する低融点ガラス粉末と金属化合物(B)を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させることによって得られた金属化合物(A)とを85%と15%の割合で用いた。後者の成分として参考例1に示したゾルAを用いた。ゾルAはその固形分率を算出し、15%に見合う量を使用した。
【0059】
本実施例で用いた低融点ガラス粉末の酸化物換算組成は、酸化リチウム6.7%、酸化ケイ素22%、酸化ホウ素32%、酸化バリウム3.9%、酸化アルミニウム19%、酸化亜鉛2.2%、酸化マグネシウム5.5%、酸化カルシウム4.1%であった。この低融点ガラスのガラス転移点は497℃、荷重軟化点は530℃、熱膨張係数は75×10-7/K、屈折率は1.58であり、予めアトラクターで微粉末とし、平均径は2.6μmであった。
【0060】
感光性有機成分のうち、重合体として、重量平均分子量10,000、酸価75を有するサイクロマーP(ダイセル化学工業社製、ACA250)を用いた。感光性モノマーとしては、ビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)イソプロピルアミン(GMPA)を用いた。
【0061】
感光性ペーストは、上記の重合体15%、感光性モノマー7.5%、光重合開始剤(チバ・ガイギー社製:イルガキュア369)3.5%、ゲル化防止剤3.5%、分散剤0.5%および無機成分70%とから構成される。溶媒にはγ−ブチロラクトンを用いた。これらを3本ロールで混練して感光性ペーストを製造した。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反射率は40%であった。
【0062】
隔壁が形成されたディスプレイ用部材として次の工程でPDP背面板を作製した。
【0063】
旭硝子社製PD200ガラス基板の上に、感光性銀ペーストを用いて線幅40μm、ピッチ150μmの500本のアドレス電極を形成し、この上にガラスペーストを塗布した後、焼成して誘電体層を形成した。誘電体層上に本実施例の感光性ペーストを塗布し、乾燥厚み165μmの塗布膜を形成した。この塗布膜に、150μmピッチ、線幅20μmの隔壁パターンを有するネガ型クロムマスクを通して上面から20mW/cm2出力の超高圧水銀灯で露光した。露光量は600mJ/cm2とした。次に35℃に保持したモノエタノールアミンの0.3%水溶液をシャワーして現像しストライプ状の隔壁パターンを形成した。隔壁パターン形成したガラス基板は乾燥した後、590℃で15分間焼成し全光線反射率が上記焼成膜と同様の隔壁を作製した。
【0064】
隔壁間に蛍光体層を形成し、プラズマディスプレイ用の背面板を得た。この背面板を別途作製した前面板と合わせて後、封着しガス封入し、駆動回路を接続してプラズマディスプレイを作製した。このプラズマディスプレイの平均輝度は420cd/m2であった。
(実施例2)
ゾルBを用いた他は実施例1を繰り返した。得られた感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反射率は57%であった。
(実施例3)
無機成分として、次の酸化物換算組成を有する高融点ガラスを配合し、低融点ガラス、高融点ガラスおよび金属化合物(B)を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させることによって得られた金属化合物(A)を75%、15%および10%の割合で配合したものを用いた他は実施例2を繰り返した。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反射率は55%であった。
(実施例4)
ゾルCを用いた他は実施例3を繰り返した。この感光性ペーストから得られた焼成膜はの全光線反射率は42%であった。
(実施例5)
感光性モノマーとしてGMPAと共に、2官能性ウレタンメタクリレート化合物(根上工業社製:TN−1)をもちいた。感光性ペースト中での配合は実施例1で示した感光性モノマーとして7.5%であり、GMPAを5%、TN−1を2.5%配合した。この他の条件は実施例2を繰り返した。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反射率は60%であった。
(実施例6)
ゾルDを用いた他は実施例5を繰り返した。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反射率は42%であった。
(実施例7)
ゾルEを用いた他は実施例3を繰り返した。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反射率は58%であった。
(実施例8)
感光性モノマーの配合は実施例5の条件を適用した他は実施例3を繰り返した。
この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反射率は62%であった。
(実施例9)
ゾルFを用いた他は実施例1を繰り返した。この感光性ペーストから得られた焼成膜はの全光線反射率は45%であった。
(実施例10)
ゾルGを用いた他は実施例8を繰り返した。この感光性ペーストから得られた焼成膜の全光線反射率は58%であった。
(比較例1)
ゾルHを用いた他は実施例1を繰り返した。その結果、得られた感光性ペーストの透明性が不十分であり、露光による硬化ができず、隔壁パターンの形成ができなかった。
(比較例2)
テトラ−n−ブトキシチタンをそのまま用いた他は実施例1を繰り返した。
その結果、感光性ペースト作製段階でゲル化し塗布できなかった。
【0065】
【発明の効果】
本発明の製造方法で得られる感光性ペーストは、隔壁パターンの形成性に優れ、焼成後に得られる隔壁は光線反射率が高い。このような反射率の高い隔壁を有するディスプレイ用部材を用いることにより、輝度および色純度の優れたディスプレイを得ることができる。
【0066】
本発明の感光性ペーストの製造方法で得られた感光性ペーストは、フォトリソグラフィを用いたパターン形成後に焼成を行い、実質的に無機物からなる隔壁を形成するために用いられる。得られる隔壁は反射率の高い隔壁であるが、隔壁パターン形成段階においては高い光透過性を有している。

Claims (6)

  1. 金属化合物(A)、低融点ガラス粉末および感光性有機成分を含有する感光性ペーストの製造方法であって、前記金属化合物(A)が金属化合物(B)を多価アルコールの存在下で加水分解および縮合させることによって得られるものであり、かつ、前記金属化合物(B)が、金属アルコキシドまたは金属ハライド化合物であることを特徴とする感光性ペーストの製造方法。
  2. 金属化合物(B)が、Si、Al、Zr、Ti、Ce、Y、MgおよびSnの群から選ばれる少なくとも一種の元素を含むことを特徴とする請求項1記載の感光性ペーストの製造方法。
  3. 金属化合物(A)の200℃〜600℃における加熱重量減少率が5%以上であることを特徴とする請求項1記載の感光性ペーストの製造方法。
  4. 金属化合物(A)の平均径が0.002〜0.02μmの範囲内であることを特徴とする請求項記載の感光性ペーストの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の感光性ペーストの製造方法により製造された感光性ペーストを用いて形成した隔壁を有することを特徴とするプラズマディスプレイ用部材。
  6. 請求項に記載のプラズマディスプレイ用部材を用いてなることを特徴とするプラズマディスプレ
    イ。
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