JPH1116500A - プラズマディスプレイとその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイとその製造方法

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JPH1116500A
JPH1116500A JP9167652A JP16765297A JPH1116500A JP H1116500 A JPH1116500 A JP H1116500A JP 9167652 A JP9167652 A JP 9167652A JP 16765297 A JP16765297 A JP 16765297A JP H1116500 A JPH1116500 A JP H1116500A
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JP
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partition
black pigment
paste
plasma display
oxide
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JP9167652A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Iguchi
雄一朗 井口
Yoshiki Masaki
孝樹 正木
Keiji Iwanaga
慶二 岩永
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH1116500A publication Critical patent/JPH1116500A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便な方法で、高精度高アスペクト比の、コン
トラストの高いプラズマディスプレイを提供する。 【解決手段】隔壁がガラス基板上に隔壁パターンを形成
し、該隔壁パターンの上部に黒色顔料を含むペーストを
塗布した後、焼成されたプラズマディスプレイとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型のテレビやコ
ンピューターモニターに用いられるプラズマディスプレ
イとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネルは、液晶デ
ィスプレイに比べて高速の表示が可能であり、かつ大型
化が容易であることから、OA機器および広報表示装置な
どの分野に浸透している。また、高品位テレビジョンの
分野などへの進展が非常に期待されている。このような
用途の拡大に伴って、精細で多数の表示セルを有するカ
ラープラズマディスプレイパネルの開発が望まれてい
る。
【0003】プラズマディスプレイパネルは、前面ガラ
ス基板と背面ガラス基板との間に設けられた放電空間で
対向するアノードおよびカソード電極間にプラズマ放電
を生じさせ、この放電空間内に封入されているガスから
発生する紫外線を放電空間内に設けた蛍光体に当てるこ
とにより表示を行うものである。この場合、放電の広が
りを一定領域に押さえ、表示を規定のセル内で行わせる
と同時に、均一な放電空間を確保するために隔壁(障
壁、リブともいう)が設けられている。
【0004】これらの隔壁はストライプ状に形成される
ことが多いが、そのサイズ(線幅、高さ、ピッチ)はプ
ラズマディスプレイパネルの性能により異なる。プラズ
マディスプレイパネルを高精細化するため、つまり一定
の画面サイズで画素の数を増やすためには、1画素の大
きさを小さくする必要がある。このため、隔壁間のピッ
チを小さくする必要があるが、ピッチを小さくすると放
電空間が小さくなり、また、蛍光体の塗布面積が小さく
なることから、輝度が低下する。具体的には、42イン
チのハイビジョンテレビ(1920×1035画素)や
23インチのOAモニター(XGA:1024×768
画素)を実現しようとすると、画素のサイズを450μ
mの大きさにする必要があり、各色を仕切る隔壁はピッ
チ150μmで形成する必要がある。この場合、隔壁の
線幅が大きいと放電空間を十分に確保できず、蛍光体の
塗布面積が小さくなり、輝度の向上が困難になる。
【0005】プラズマディスプレイパネルにおける隔壁
は従来から絶縁ガラスペーストをスクリーン印刷法でパ
ターン状に印刷し乾燥するという工程を10〜20回繰
り返すことにより所定の高さにした後、焼成して形成さ
れていた。しかしながら、通常のスクリーン印刷法で
は、特にパネルサイズが大型化した場合に、予め基板上
に形成されている放電電極と絶縁ガラスペーストの印刷
場所との位置合わせが難しく、位置精度が得られ難いと
いう問題がある。しかも、所定の隔壁高さを得るために
多数回の重ね合わせ印刷を行うことによって、隔壁およ
びその側面エッジ部の波打ちや裾の乱れが生じ、高さの
精度が得られないため、表示品質が悪くなり、また、作
業性が悪い、歩留まりが低い等の問題点もある。
【0006】プラズマディスプレイパネルの大面積化、
高解像度化に伴い、このような従来のスクリーン印刷に
よる方法では、高アスペクト比、高精細の隔壁の製造が
技術的に困難であり、また、コスト的にも不利になって
きている。
【0007】この問題を改良する方法として、特開平1
−296534号公報、特開平2−165538号公
報、特開平5−342992号公報には、感光性ペ−ス
トを用いてフォトリソグラフィ技術により隔壁を形成す
る方法が提案されている。しかしながら、これらの方法
においては、感光性ペ−ストの感度や解像度が低いため
に高アスペクト比、高精細の隔壁が得られない。このた
め、例えば80μm を越えるような高さの隔壁パタ−
ンを加工する場合、加工工程(塗布・乾燥・露光・現
像)を複数回繰り返す必要があり、工程が長くなる欠点
がある。
【0008】また、特開平2−165538号公報に
は、感光性ペ−ストを転写紙上にコ−ティングした後、
転写フィルムをガラス基板上に転写して隔壁を形成する
方法が、特開平3−57138号公報には、フォトレジ
スト層の溝に誘電体ペ−ストを充填して隔壁を形成する
方法がそれぞれ提案されている。また特開平4−109
536号公報には、感光性有機フィルムを用いて隔壁を
形成する方法が提案されている。
【0009】しかしながら、これらの方法では、転写フ
ィルムやフォトレジスト層あるいは感光性有機フィルム
を必要とするために工程が増えるという問題点があり、
また、高精細度や高アスペクト比を有する隔壁を得るに
は至っていない。
【0010】さらに絶縁ガラスペーストや感光性ペース
トを用いてパターン加工された後、焼成されてプラズマ
ディスプレイ用隔壁が形成されるが、この隔壁が白色の
場合、発光時に隔壁からの光反射があるために輝度は向
上するものの、非発光時に隔壁上面からの外光反射のた
めにコントラストが低下するという問題がある。
【0011】一方、隔壁を黒色化した場合には、コント
ラストは向上するが、発光時に蛍光体から生じた光が隔
壁に吸収されて輝度が低下するという問題がある。
【0012】またコントラストを向上するために前面基
板上に黒色隔壁を形成し、背面基板に白色隔壁を形成す
るパネル構造も知られているが、前面基板と背面基板の
隔壁の位置合わせを行う必要があることや前面基板の黒
色隔壁と背面基板の白色隔壁を別々に形成する必要があ
るため、工程が複雑になる欠点があった。さらに、スク
リーン印刷法で隔壁の形成を行っており、精度よく隔壁
を形成できない問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点を改良し、コントラストの優れた、高アスペク
ト比でかつ高精度の隔壁を有するプラズマディスプレイ
を簡便に製造することをその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、隔壁が、ガラス基板上に隔壁パターンを形成し、該
隔壁パターンの上部に黒色顔料を含むペーストを塗布し
た後、焼成されたものであることを特徴とするプラズマ
ディスプレイによって達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは、ガラス微粒子成分
と感光性有機成分を必須とする感光性ペーストについて
鋭意研究を行い、高アスペクト比かつ高精細な隔壁パタ
ーンの形成が可能な方法を提案してきた。高精度に隔壁
を形成することにより、隔壁の線幅を小さくし、放電空
間を広くすることができ、特に、隔壁線幅20〜40μ
m、好ましくは20〜35μmのストライプ状隔壁を形
成することが、高精細化時の輝度向上に有効となる。さ
らに、高さを100〜170μm、ピッチを100〜1
60μmの高精細隔壁を形成した高精細プラズマディス
プレイは、ハイビジョンテレビやコンピューターモニタ
ーに好ましく用いることができる。
【0016】通常プラズマディスプレイの隔壁の高さと
しては、80〜200μmが適しているといわれてお
り、材質としては、ガラスやセラミックスなどの無機材
料が用いられる。前記した通り、この時隔壁層の色を白
色にすることによって、プラズマディスプレイの発光し
た光を隔壁で反射し、輝度を向上させることができる
が、点灯していない画素に入射した外光が反射するた
め、コントラストが低下する。また、隔壁の色を黒くす
ることによって、外光の反射を抑制できるものの、発光
で生じた光を隔壁層が吸収するため輝度が低下する。
【0017】そこで、本発明は隔壁上部のみを黒くし、
プラズマディスプレイの輝度とコントラストを同時に向
上することを簡単な方法で可能としたものである。
【0018】すなわち、本発明において、プラズマディ
スプレイの隔壁は、隔壁パターンの上部に黒色顔料を含
むペーストで形成された層を各種の塗布方法で形成し、
下部の隔壁と同時に焼成して形成されるものである。隔
壁パターンが形成された後、黒色顔料を含むペーストを
塗布する工程を加えることにより、1回の焼成工程で、
位置合わせの工程を行うことなく、コントラスト向上と
いう大きな効果を得ることができる。
【0019】本発明において隔壁上部に塗布される黒色
顔料を含むペーストとしては、黒色顔料として酸化物が
黒色の金属を含有するものが挙げられる。特に黒色顔料
が、Ru、Mn、Ni、Cr、Fe、Coの金属もしく
はそれらの酸化物を合計で2〜20重量%含有すること
ガラス成分からなることが好ましい。
【0020】また、黒色顔料を表面に被覆したガラス粉
末を用いてもよい。具体的には、前記した金属もしくは
金属酸化物をガラス粉末の表面に化学メッキした後、4
00〜500℃で30分間〜数時間焼成することによ
り、ガラス粉末を黒色化したものが挙げられる。より詳
細には、前記した金属の金属塩または金属錯体の水溶液
にガラス粉末を分散させておき、この分散物に還元剤を
添加して、ガラス粉末に金属を析出させ、その後、焼成
することにより金属を酸化して黒色としたものである。
【0021】この時金属塩または金属錯体は水溶性であ
れば特に限定されないが、例えば、ハロゲン化物、シア
ン化物、硫酸塩、硝酸塩、アンミン錯体、ニトロシル錯
体、カルボニル錯体、アクア錯体が好ましい。具体的に
は、Ruの場合、2RuCl2(OH)・7NH3・3H
2O、RuO2(NH32(OH)2、(NH42Ru
4、Ru(NO)Cl2・H2O、Ru(NO)Br2
2O、Ru(NO)I3などが好ましい。
【0022】付着または被覆する黒色酸化物の量は、ガ
ラス粉末の0.5〜5重量%であることが、黒色度およ
び焼結性の点で好ましい。
【0023】またガラス粉末の平均粒径としては0.1
〜5μmがメッキの容易さから好ましい。
【0024】ガラス粉末の組成としては、酸化ビスマス
または酸化鉛を主として用いた組成物や、アルカリ金属
化合物を主として用いた組成物が挙げられるが、ビスマ
スもしくは鉛の酸化物を15〜60重量%含有するもの
が好ましい。
【0025】ガラス粉末の組成としては、酸化ケイ素3
〜60重量%配合されることがガラス層の緻密性、強度
や安定性、熱膨張係数、熱軟化温度の点で好ましく、よ
り好ましくは10〜50重量%である。
【0026】酸化硼素は5〜50重量%の範囲で配合さ
れることが好ましく、より好ましくは10〜40重量%
である。この範囲で配合させることによって、電気絶縁
性、強度、熱膨張係数、絶縁層の緻密性などの電気、機
械、および熱特性を向上することができ、ガラスの安定
性も良好となる。
【0027】またガラス粉末中に、酸化アルミニウム、
酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等、特に酸化ア
ルミニウム、酸化バリウム、酸化亜鉛が配合されること
により、硬度や加工性を優れたものとできるが、熱軟化
点、熱膨張係数などの制御の点からは、その各含有量は
40重量%以下が好ましく、より好ましくは30重量%
以下であり、かつこれらの合計が50重量%以下である
ことが好ましい。
【0028】好ましく用いられるガラス粉末の組成の具
体例としては、酸化ケイ素10〜50重量%、酸化硼素
15〜40重量%、酸化バリウム2〜15重量%、酸化
アルミニウム6〜25重量%、酸化リチウム2〜15重
量%が挙げられる。
【0029】前記ガラス粉末の粒子径は、50重量%粒
子径が0.1〜5μmであることが好ましい。50重量
%粒子径が0.1μm以下では、粉末の凝集が生じやす
く、ペースト作製が困難になり、5μm以上では隔壁上
部の凹凸が大きくなる問題がある。
【0030】本発明において黒色顔料を含むペースト
は、例えば、前記のような組成と特性を有するガラス粉
末と金属もしくは金属酸化物にポリマバインダーを加
え、3本ローラを用いて混合分散して作製することがで
きる。
【0031】黒色顔料を含むペーストの粘度は有機溶媒
の添加量でコントロールできるが、塗布方法および塗布
厚さによって粘度を選択することが重要である。またペ
ーストに含有させる金属もしくは金属酸化物およびガラ
ス粉末と有機溶媒の割合は、焼成工程での収縮率を隔壁
パターンと同一にするために、パターン隔壁を形成する
ペーストと類似させることが好ましい。さらに、隔壁上
部の広がりを防止する点で、隔壁パターンを形成するペ
ーストより、黒色顔料を含むペースト収縮率を高めるこ
とが好ましく、ポリマバインダー成分の割合を、隔壁パ
ターンを形成するペーストよりわずかに多くしておくこ
とが好ましい。
【0032】また黒色顔料を含むペーストは、種々の方
法で作成された隔壁パターンの上部に塗布され、隔壁パ
ターンと同時に焼成されるので、その熱特性(ガラス転
移点、ガラス軟化点など)は隔壁パターンの形成に用い
られるペーストのガラス成分と類似していることが好ま
しいが、その組成や化学的および物理的特性が異なるも
のを使用することは可能である。
【0033】次に本発明において隔壁パターンを構成す
るペーストについて説明する。
【0034】隔壁パターンを構成するペーストとして
は、ガラス微粒子と感光性有機成分で構成されるものが
好ましく挙げられる。
【0035】隔壁形成には焼成工程が必須であり、隔壁
パターンが形成されるガラス基板が共に加熱されるの
で、隔壁パターンを構成するペースト中のガラス微粒子
の熱軟化温度が350〜600℃であることが好まし
い。350〜600℃であると、後の封着工程で隔壁層
が変形することなく、また焼成時に溶融することなく強
度の低い隔壁層が得られる。
【0036】熱軟化温度が600℃以下の温度特性を有
するガラス微粒子としては、酸化ビスマスを30重量%
以上含有するものや、酸化ビスマスが30重量%以下で
ありかつアルカリ金属の酸化物を1〜20重量%含有す
るものが挙げられる。酸化ビスマスを30重量%以下好
ましくは、20重量%以下の範囲でアルカリ金属と併用
することによって、少ない量のアルカリ金属酸化物の添
加で、各種特性を制御することができる。アルカリ金属
の酸化物の量は3〜20重量%であることが、熱膨張係
数や温度特性の制御が容易となり好ましい。アルカリ金
属の酸化物の量が20重量%を越えると、ガラスの吸水
性の点で好ましくない。
【0037】またアルカリ金属酸化物としては、酸化カ
リウム、酸化ナトリウム、酸化リチウムから選ばれる少
なくとも1種類を含むことがガラス微粒子と感光性有機
成分の屈折率を近似させ、ガラス微粒子の熱特性を適正
化する点で好ましく、特に、ペーストのポットライフの
点からは、酸化リチウムを含有することが好ましい。
【0038】さらに隔壁パターンを構成するペーストに
は、通常用いられる光重合開始剤や増感剤を含むものと
する。本発明のプラズマディスプレイにおいて、隔壁の
線幅20〜40μm、高さ100〜170μm、ピッチ
100〜160μmのストライプ状であることが好まし
く、このような高アスペクト比で高精細な隔壁を得るた
めには、隔壁パターンのペーストを構成するガラス成分
の平均屈折率と感光性有機成分の平均屈折率をできるだ
け近似させるとよい。
【0039】また本発明において、隔壁パターンは白色
もしくは透明なガラス層であることが、より優れたコン
トラストが得られる点で好ましい。
【0040】なお隔壁パターンを構成するペーストおよ
び黒色顔料を含むペーストは、前記した以外にポリマー
バインダーを含有してもよく、塗布方法に応じ、有機溶
媒などで適宜粘度を調整し用いることができる。
【0041】次に本発明のプラズマディスプレイの製造
方法について説明する。
【0042】まず、ガラス基板上に前記した隔壁パター
ンを構成するペーストを塗布し、隔壁パターンを形成す
る。
【0043】隔壁パターンを形成する方法としては、感
光性ペースト法やサンドブラスト法が挙げられる。感光
性ペースト法は、ガラス微粒子と感光性有機成分からな
る感光性ペーストを所定の厚さにガラス基板上に塗布し
乾燥した後、パターン露光し、現像して隔壁パターンを
形成するものであり、工程数が少なく簡便な方法であ
る。 一方サンドブラスト法は、ガラス微粒子を含有す
るペーストを塗布し乾燥した後、その上にフォトレジス
トを塗布して、これにパターン露光し現像する。フォト
レジストを保護層として用い、サンドブラストでガラス
微粒子を含有するペースト層をエッチングして隔壁パタ
ーンを形成する方法である。
【0044】サンドブラスト法は、塗布工程やレジスト
の剥離工程などが加わり工程数が多く、サンドブラスト
のために用いる研磨剤の処理の問題などがあるので、本
発明においては、感光性ペースト法が好ましい。
【0045】次に形成された隔壁パターンの上部への黒
色顔料を含むペーストの塗布を行う。この時塗布の方法
は特に限定されないが、好ましくは、ローラー上に塗布
した黒色顔料を含むペーストを、ストライプ状の隔壁パ
ターン上部に転写する方法が挙げられる。その際にロー
ラーをストライプの方向に移動する方法が好ましい。例
えば線幅20〜40μmの隔壁を得るためには、焼成収
縮率が30%の場合、焼成前の隔壁パターンにおいては
30〜60μmの幅を有する。この時隔壁パターン上部
にダレなくペーストを塗布するために、ペーストの粘度
とローラの硬度を適正化するとよい。
【0046】ローラーからペーストを隔壁パターンに塗
布する上記方法は、印刷法における凸版印刷版へのイン
キングに相当するものであるが、一方、オフセット方式
により、平滑な金属板やガラス板または樹脂シート表面
に予め所定の厚みに全面塗布した黒色顔料を含むペース
ト膜に、ガラス基板上の隔壁パターンを押し付けて隔壁
パターンの上部に黒色顔料を含むペーストを転写する方
法も好ましい。これらの方法においては、ローラーや金
属板等上の黒色顔料を含むペースト層の厚みは、0.5
〜10μmが好ましい。
【0047】黒色顔料を含むペーストを塗布された隔壁
パターンを焼成し、得られたガラス基板を用いて本発明
のプラズマディスプレイを製造することができる。本発
明において、焼成工程は1回のみでよく、位置合わせの
工程も不要であり、コントラストの優れたプラズマディ
スプレイを容易に製造できる。
【0048】以下に、本発明を実施例により具体的に説
明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではな
い。また、実施例中の濃度(%)は重量%である。
【0049】
【実施例】
実施例1 まずガラス基板上に隔壁パターンを形成するための感光
性ペーストを準備した。 ガラス微粒子として、酸化リ
チウム9%、酸化ケイ素22%、酸化硼素33%、酸化
バリウム4%、酸化亜鉛2%、酸化マグネシウム7%の
組成のガラスを、アトラクターで微粉末にし、平均粒子
径2.6μm、屈折率1.58の非球状粉末としたもの
を用意した(ガラス粉末A)。
【0050】次に、ガラス粉末Aに対し0.1%の紫外
線吸光剤スダンIV(登録商標)をアセトンに溶解させ、
分散剤を加えてホモジナイザで均質に攪拌し、この溶液
中にガラス粉末Aを添加して均質に分散・混合後、ロー
タリーエバポレーターを用いて、150〜200℃の温
度で乾燥し、アセトンを蒸発させた。このようにしてス
ダンIVをガラス粉末Aの表面に均質にコーテイングし
た粉末を作製した。
【0051】さらに感光性有機成分として、感光性モノ
マ、感光性ポリマ、光重合開始剤、増感剤を準備した。
【0052】感光性モノマとしては、キシレンジアミン
1モルとグリシジルメタクリレート4モルとの反応で得
られる4官能性のメタクリレート化合物を用意した。
【0053】感光性ポリマとしては、40%のメタクリ
ル酸、30%のメチルメタクリレートおよび30%のス
チレンからなる共重合体のカルボキシル基に対して0.
4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させた重
量平均分子量43,000、酸化95の側鎖にカルボキ
シル基と反応性のメタクリレート基を有するものを用意
した。
【0054】光重合開始剤としては、2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)
−ブタノン−1、増感剤としては2,4−ジエチルチオ
キサントンを用意した。
【0055】前記スダンIV処理したガラス粉末60重
量部、感光性有機成分(感光性モノマ28%、感光性ポ
リマ45%、光重合開始剤16%、増感剤10%)25
重量部および溶媒(γ−ブチロラクトン)15重量部の
割合になるように添加し、3本ローラーで混合・分散し
て感光性ペーストを作製した。
【0056】ストライプ状のデータ電極と白色誘電体層
を形成した100mm角ガラス基板上に前記の感光性ペ
ーストをスリットダイコーターにより均一に塗布した。
その後、80℃で1時間保持して乾燥した。乾燥後の厚
みは160μmであった。続いて150μmピッチ、線
幅20μmのネガ型クロムマスクを用いて50mW/c
2出力の超高圧水銀灯で1J/cm2の紫外線露光を行
った。次に35℃に保持したモノエタノールアミンの
0.5%水溶液をシャワーで90秒間かけることにより
現像し、光硬化していないスペース部分を除去してガラ
ス基板上にストライプ状の隔壁パターンを形成した。
【0057】一方、黒色顔料を含むペースト用として、
酸化ナトリウム2%、酸化ケイ素12%、酸化チタン2
%、酸化硼素15%、酸化クロム4%、二三酸化鉄5
%、酸化コバルト3%、酸化アルミニウム1%、酸化亜
鉛14%、酸化ビスマス39%、酸化ジルコニウム3%
の組成を有するガラス成分を用いた。この組成のガラス
をアトラクターで微粉末にし、平均粒径2.6μmの非
球状粉末を得た。
【0058】このガラス粉末60重量部とポリマバイン
ダー(40%のメタクリル酸、30%のメチルメタクリ
レートおよび30%のスチレンからなる共重合体)25
重量部を溶媒(γ−ブチロラクトン)15重量部と混合
・分散して黒色顔料を含むペーストを得た。
【0059】このペーストを凸版印刷機のインキング機
構を用いて、隔壁パターンが形成されたガラス基板のス
トライプ方向にローラーを移動させて塗布した。乾燥し
た後の塗布厚みは約5μmであった。
【0060】さらに上部に黒色顔料を含むペーストが塗
布された隔壁パターンを560℃で30分間焼成するこ
とにより全体に白色で上部のみが黒色を有する隔壁が形
成されたガラス基板が得られた。
【0061】このようにして、電極、誘電体、隔壁が形
成された基板上に、蛍光体層を形成し、前面板と合わせ
た後、封着、ガス封入し駆動回路を接続してプラズマデ
ィスプレイを作製した。このパネルに電圧を印加して表
示を行った。全面点灯時の輝度と消灯時の反射率からコ
ントラスト比を測定した。コントラスト比は測光機MC
PD−200(大塚電子社製)を用いて測定した。コン
トラスト比は110:1であり優れたものであった。
【0062】実施例2 紫外線吸光剤でコーティングする前に、ガラス粉末Aの
表面をガラス粉末Aの3%の量の酸化ルテニウムで被覆
したこと以外は、実施例1と同様にプラズマディスプレ
イを作製した。コントラスト比は100:1であり、優
れたものであった。
【0063】実施例3 実施例1で用いた黒色顔料を含むペーストの塗布にロー
ラーを用いず、平滑なガラス基板上にペーストの厚み6
μmの塗布膜を形成した後、隔壁パターンが形成された
ガラス基板を塗布膜に平行にして接触させて隔壁上部に
ペーストを転写した以外は実施例1と同様にプラズマデ
ィスプレイを作製した。得られたプラズマディスプレイ
のコントラストは90:1であり、優れたものであっ
た。
【0064】比較例1 ガラス粉末Aを用いた感光性ペーストで形成される隔壁
パターンの乾燥後の厚み180μmとし、黒色顔料を含
むペーストを塗布しないこと以外は実施例1と同様にプ
ラズマディスプレイを作製した。隔壁は白色層のみで形
成されたものである。パネルに電圧を印加して表示を行
い、コントラスト比を測定したところ、30:1であ
り、本発明の実施例に比べて劣るものであった。
【0065】
【発明の効果】本発明のプラズマディスプレイは、隔壁
がガラス基板上に隔壁パターンを形成し、該隔壁パター
ンの上部に黒色顔料を含むペーストを塗布した後、焼成
されたものであるため、高アスペクト比で高精度のコン
トラストの高いプラズマディスプレイが簡単に製造でき
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隔壁が、ガラス基板上に隔壁パターンを形
    成し、該隔壁パターンの上部に黒色顔料を含むペースト
    を塗布した後、焼成されたものであることを特徴とする
    プラズマディスプレイ。
  2. 【請求項2】隔壁パターンが白色もしくは透明なガラス
    層であり、該ガラス層が、酸化カリウム、酸化ナトリウ
    ム、酸化リチウムの少なくとも1種類を合計で3〜20
    重量%含有するガラス成分からなることを特徴とする請
    求項1記載のプラズマディスプレイ。
  3. 【請求項3】黒色顔料が、Ru、Mn、Ni、Cr、F
    e、Coの金属もしくはそれらの酸化物を合計で2〜2
    0重量%含有するガラス成分からなることを特徴とする
    請求項1または2記載のプラズマディスプレイ。
  4. 【請求項4】黒色顔料のガラス成分が、ビスマスもしく
    はその酸化物を15〜60重量%含有することを特徴と
    する請求項3記載のプラズマディスプレイ。
  5. 【請求項5】隔壁の形状が、線幅20〜40μmのスト
    ライプ状であり、高さが100〜170μm、ピッチが
    100〜160μmであることを特徴とする請求項1〜
    4いずれか1項記載のプラズマディスプレイ。
  6. 【請求項6】ローラー上に塗布した黒色顔料を含むペー
    ストを、隔壁パターン上部に転写することを特徴とする
    請求項1記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  7. 【請求項7】隔壁パターンがストライプ状であり、スト
    ライプ方向にローラーを移動し隔壁パターン上部に黒色
    顔料を含むペーストを転写することを特徴とする請求項
    6記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  8. 【請求項8】表面が平滑な金属板、ガラス板または樹脂
    シートに形成した黒色顔料を含むペースト塗布膜に隔壁
    パターンの上部を接触させることにより、黒色顔料を含
    むペーストを隔壁パターンの上部に転写することを特徴
    とする請求項1記載のプラズマディスプレイの製造方
    法。
  9. 【請求項9】黒色顔料を含むペーストの塗布厚みが0.
    5〜10μmであることを特徴とする請求項6〜8いず
    れか1項記載のプラズマディスプレイの製造方法。
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