WO2012077709A1 - 印刷装置 - Google Patents

Abstract

　転写フィルムとインクリボンの剥離時において、転写フィルムの進行経路の剥離部分での移送方向を進行方向と異ならせることで、剥離角度を大きく確保できることが可能な印刷装置を提供する。互いに圧接するプラテンローラ４５とサーマルヘッド４０との間の印刷位置にインクリボン４１と転写フィルム４６を給送して転写フィルム４６上に画像形成する印刷装置であって、転写フィルム４６は、装置フレームに着脱自在に装着されたフィルムカセット１００の供給スプール４８と巻取スプール４７との間に所定の走行パスを形成して巻回され、フィルム搬送ローラ４９とピンチローラ３２ａ、３２ｂとは、装置フレームに装着された転写フィルム４６の走行パスを所定量カセット内側に変位させる位置に配置させる。

Description

印刷装置

　本発明は、プラスチックカード、厚紙カードなどの記録媒体に電子情報或いは画像情報を記録する印刷装置に係わり、カード表面に顔写真、文字データなど画像を形成する機構の改良に関する。

　一般に、この種の印刷装置は、各種証明書用カード、決済用カードなどに使用されるカード類に情報記録する装置として広く知られている。カードはプラスチック、厚紙などで所定の規格サイズで作成され、このカード（ブランクカード）を装置のホッパに装填するか、或いはカードを収納したカセットを装置に装填するように構成している。

　溶融性或いは昇華性のインクリボンによって転写フィルムに一旦インク像を形成し、その後、その転写フィルムに形成されたインク像をカードに転写する再転写方式の印刷装置が知られている。この場合に、転写フィルムにインク像を形成した後は、インクリボンを転写フィルムから剥離して、カードに転写する必要がある。

　このような剥離を行う場合は、転写フィルムとインクリボンとを大きな角度、例えば略直角に引き剥がせば、転写フィルムの一部が転写フィルムに残存することが防止され、確実な剥離を行うことができる。

特許第４３３４４００号公報 特許第３８６２４７１号公報 特開２００３－２６３５１号公報 特表２００７－５２４５２５号公報

　しかしながら、転写フィルムとインクリボンとを大角度に引き剥がそうとすると、転写フィルムの進行方向に対して直交する方向にインクリボンを搬送しなければならず、その方向にスペースが必要となって装置が大型化する不具合を生じる。

　そこで本発明は、転写フィルムとインクリボンの剥離時において、転写フィルムの進行経路の剥離部分での移送方向を進行方向と異ならせることで、剥離角度を大きく確保できることが可能な印刷装置の提供をその課題としている。

　上記課題を達成するため本発明は、互いに圧接するプラテンローラとサーマルヘッドとの間の印刷位置にインクリボンと転写フィルムを給送して転写フィルム上に画像を形成する印刷装置において、未使用の前記転写フィルムを巻回する供給スプールと、使用済みの前記転写フィルムを巻回する巻取スプールと、装置フレームに着脱自在に構成され、前記供給スプールと前記巻取スプールとを保持するフィルムカセットと、前記プラテンローラの下流側に配置され、前記転写フィルムと前記インクリボンとを重ね合せた状態から剥離して異なる二方向に送る剥離部材と、前記剥離部材の下流側で、前記転写フィルムに対して前記フィルムカセットの内側に固定配置されたフィルム搬送ローラと、前記転写フィルムを挟んで前記フィルム搬送ローラに対向する位置に配置され、前記フィルム搬送ローラに前記転写フィルムを圧接する圧接位置と前記転写フィルムから離間した離間位置との間で移動可能に構成されたピンチローラと、前記フィルム搬送ローラを回転駆動する駆動手段と、を備え、前記ピンチローラが前記離間位置から前記圧接位置に移動することで、前記転写フィルムを前記フィルムカセットの内側に所定量変位させて前記フィルム搬送ローラに圧接し、前記フィルム搬送ローラの回転によって前記転写フィルムを搬送しながら前記転写フィルム上に画像を形成する印刷装置を提供する。

　ここで、前記プラテンローラは前記転写フィルムに対して前記フィルムカセットの内側に配置され、前記サーマルヘッドは前記転写フィルム及びインクリボンを挟んで前記プラテンローラに対向する位置に固定配置され、前記プラテンローラは前記転写フィルムから離間した非印刷位置と前記サーマルヘッドと前記転写フィルム及びインクリボンを狭持して前記転写フィルムに画像を形成する印刷位置との間で移動可能に構成され、前記プラテンローラが前記非印刷位置から前記印刷位置に移動することで、前記転写フィルムを前記フィルムカセットの外側に所定量変位させることを特徴とする。

　また、前記プラテンローラは、第１のカムの回転により前記サーマルヘッドに向けて進出する第１のブラケットに保持され、前記ピンチローラは、前記転写フィルムを搬送するフィルム搬送パスに沿った上流側と下流側に配置された一対のピンチローラで構成され、第２のカムの回転により前記フィルム搬送ローラに向けて進出する第２のブラケットに保持され、前記第１のブラケットに保持された前記プラテンローラを前記サーマルヘッドに押し付けるように付勢する第１のバネ部材と、前記第２のブラケットに保持された前記一対のピンチローラを前記フィルム搬送ローラに押し付けるように付勢する第２のバネ部材とを有し、前記フィルム搬送ローラと前記第１のカムと前記第１のブラケットとを第１のユニットとして一体化し、前記第２のカムと前記第２のブラケットとを第２のユニットとして一体化して構成したことを特徴とする。

　更に、前記剥離部材は、前記転写フィルムと前記インクリボンを重ね合せた状態でニップするローラ対で構成され、一方のローラは他方のローラと圧接・離間可能に配置されていると共に、前記非印刷位置から前記印刷位置に移動する前記プラテンローラに連動して圧接・離間することを特徴とする。または、前記剥離部材は、前記転写フィルムと前記インクリボンを重ね合せた状態でニップするローラ対で構成され、一方のローラは前記第１のブラケットに保持されて他方のローラと圧接・離間可能に配置されると共に、前記非印刷位置から前記印刷位置に移動する前記プラテンローラに連動して圧接・離間することを特徴とする。

　なお、前記プラテンローラの前記サーマルヘッドに対する接離移動と、前記ピンチローラの前記フィルム搬送ローラに対する接離移動の駆動は同一の駆動源であることを特徴とする。更に、前記第１のカムと前記第２のカムとは同一駆動源にて駆動することを特徴とする。

　また、前記サーマルヘッドを第３のユニットとしたことを特徴とする。

　ここで、前記プラテンローラは、該プラテンローラの両端をそれぞれ支持する一対のプラテン支持部材に保持されており、前記プラテン支持部材は前記第１のバネ部材を解して前記第１のブラケットに保持されていることを特徴とする。そして、前記第１のブラケットと前記プラテン支持部材とは、前記第１のカムと前記第１のバネ部材とを配置する間隔を設けて連結されていることを特徴とする。

　また、前記一対のピンチローラの各々は、中央部で前記第２のブラケットに回動自在に保持されるピンチローラ支持部材の両端にそれぞれ支持されていることを特徴とする。そして、中央軸支される前記第２のブラケットは、一端で前記第２のカムの付勢を受けて回動すると、他端で支持する前記ピンチローラ支持部材を前記フィルム搬送ローラに向けて移動させることを特徴とする。

　更に、前記第２のブラケットは、前記ピンチローラが前記転写フィルムを介して前記フィルム搬送ローラを圧接した際、圧接に反発する前記転写フィルムの張力を吸収するように前記転写フィルムと当接する張力受け部材を備えたことを特徴とする。

　前記フィルム搬送ローラの前記転写フィルムに対する摩擦係数は前記プラテンローラの前記転写フィルムに対する摩擦係数より高く設定されていることを特徴とする。また、前記プラテンローラの硬度は、前記フィルム搬送ローラの硬度より高く設定されていることを特徴とする。

　また、前記プラテンローラの上流側には、前記インクリボンと前記転写フィルムを重ね合せた状態で印刷位置に送るガイドローラが配置され、前記ガイドローラと前記剥離ローラを結ぶ直線に対して、前記プラテンローラとサーマルヘッドの圧接点は前記フィルムカセットの外側に所定量オフセットした位置に配置され、前記フィルム搬送ローラと前記ピンチローラの圧接点は前記フィルムカセットの内側に所定量オフセットしたことを特徴とする。

　更に、前記剥離部材の他方のローラは前記インクリボンを収容したリボンカセットに固定されたことを特徴とする。

　また、前記剥離部材によって剥離された前記インクリボンは、前記フィルムカセットの外側の傾斜する方向に巻き取られ、前記剥離部材を通過した前記転写フィルムと前記インクリボンとは相互に離間する方向に搬送されることを特徴とする。

　さらに、前記インクリボンの巻取りロールは、前記離間位置における前記ピンチローラを挟んで前記フィルム搬送ローラに対向する位置に配置されたことを特徴とする。

　本発明の印刷装置によれば、転写フィルムとインクリボンとの剥離箇所において、フィルム搬送ローラの移送方向をずらすことが可能となり、装置を大型化することなく、転写フィルムとインクリボンを大角度で離反することができ、確実な剥離を行うことが可能となる。

本発明に係わる印刷装置の一実施形態を示す全体構成図。 ピンチローラとフィルム搬送ローラとが離反、プラテンローラとサーマルヘッドとが離反している待機ポジジョンにおけるカムによる制御状態の説明図。 ピンチローラとフィルム搬送ローラとが当接、プラテンローラとサーマルヘッドとが当接している印刷ポジジョンにおけるカムによる制御状態の説明図。 ピンチローラとフィルム搬送ローラとが当接、プラテンローラとサーマルヘッドとが当接している搬送ポジジョンにおけるカムによる制御状態の説明図。 印刷装置の待機ポジションの状態を説明する動作説明図。 印刷装置の搬送ポジションの状態を説明する動作説明図。 印刷装置の印刷ポジションの状態を説明する動作説明図。 フィルム搬送ローラとプラテンローラとその周辺部分を印刷装置に組み込むのに一体化した第１のユニットの構成を説明する外観図。 ピンチローラ及びその周辺部分を印刷装置に組み込むのに一体化した第２のユニットの構成を説明する外観図。 サーマルヘッドを印刷装置に組み込むのに一体化した第３のユニットの外観図。 図１に示す印刷装置の要部拡大図。 ガイドシャフト機構の一実施例を示す説明図。 ガイドシャフト機構の他の実施例を示す説明図。 ガイドシャフト機構の他の実施例を示す説明図。 ガイドシャフト機構の他の実施例において、転写フィルムがスキューしている状態を示す説明図。 カードクリーニング機構の各ローラを装着した状態を斜めから示す説明図。 カードクリーニング機構の各ローラを離脱した状態を斜めから示す説明図。 カードクリーニング機構のコンタクトローラを収納しているカートリッジを示す説明図。 カードクリーニング機構のクリーニングローラを収納しているカートリッジを示す説明図。 コンタクトローラとクリーニングローラとを取り外した状態を装置の正面から示す図。 コンタクトローラを装着した状態を装置の正面から示す図。 クリーニングローラを装着した状態を装置の正面から示す図。 装着したコンタクトローラとクリーニングローラとが更に接する状態を正面から示す図。 インターロック部材の動作を示す説明図。

　以下、好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。図１は本発明に係わる印刷装置１の全体構成を示す図である。印刷装置１は、各種証明用のＩＤカード、商取引用のクレジットカードなどのカードに情報を記録するもので、装置ハウジング２には、情報記録部Ａと画像形成部Ｂと媒体収容部Ｃと収容部Ｄとが備えられる。

　情報記録部Ａは、磁気記録部２４と、非接触式ＩＣ記録部２３と、接触式ＩＣ記録部２７とで構成される。

　媒体収容部Ｃは、複数枚のカードを立位姿勢で整列して収納する装置ハウジング２から分離したカードカセット３で構成する。カードカセット３の先端には分離開口７が設けられて、ピックアップローラ１９にて最前列のカードから繰り出し供給するようになっている。

　繰り出されたカードは、先ず搬入ローラ（コンタクトローラ）２２にてカード表面の塵埃が除去された後、反転ユニットＦに送られる。コンタクトローラ２２は、カードを挟持して送り出す際にカード表面と接して、表面の塵埃を除去する一対の第１ローラ２２ａと第２ローラ２２ｂとから成る。クリーニングローラＲｃは、第１ローラ２２ａの表面に付着した塵埃を取り除くよう、第１ローラ２２ａと接している。コンタクトローラ２２及びクリーニングローラＲｃは、交換或いはメンテナンスの面で、装置から着脱自在に構成しているが、詳しくは後述する。

　反転ユニットＦは装置ハウジング２に旋回動可能に軸受け支持された回転フレーム８０と、このフレームに支持された２つのローラ対２０、２１にて構成される。そして、ローラ対２０、２１は回転フレーム８０に回転自在に軸支持されている。回転フレーム８０は旋回モータ（パルスモータなど）で所定角度方向に旋回動し、これに取付けられているローラ対２０、２１は搬送モータで正逆転方向に回転するように構成されている。この駆動機構は図示しないが、１つのパルスモータで回転フレーム８０の旋回動とローラ対２０、２１の回転をクラッチで切り換えるように構成しても、回転フレーム８０の旋回動とローラ対２０、２１の回転を別駆動に構成してもよい。

　反転ユニットＦが旋回する外周には、磁気記録部２４と、非接触式ＩＣ記録部２３及び接触式ＩＣ記録部２７が配置されている。そして、ローラ対２０、２１は、これらの情報記録部２３、２４、２７の何れかに向けて搬入する媒体搬入経路６５を形成する。なお、図示２８はバーコードリーダであり、例えば後述する画像形成部Ｂで印刷したバーコードを読み取って正誤判別（エラー判別）するためのユニットである。

　反転ユニットＦで所定の角度方向に姿勢偏向されたカードをローラ対２０、２１にて形成される媒体搬入経路６５を通して、磁気記録部２４或いは非接触式ＩＣ記録部２３又は接触式ＩＣ記録部２７に移送すると、カードには磁気的若しくは電気的にデータ入力することが可能となる。またこれらの情報記録部２３、２４、２７で記録ミスが生じた場合にはリジェクトスタッカ２５に搬出する。

　画像形成部Ｂは、カードの表裏面に顔写真、文字データなど画像を形成するもので、媒体搬入経路６５の延長上にカードを移送する媒体搬送経路Ｐ１が設けられている。また、媒体搬送経路Ｐ１にはカードを搬送する搬送ローラ２９、３０が配置され、図示しない搬送モータに連結されている。

　画像形成部Ｂはフィルム状媒体搬送装置を備えており、この搬送装置にて搬送される転写フィルム４６に対して、先ずサーマルヘッド４０にて画像を印刷する一次転写部と、続いてヒートローラ３３にて媒体搬送経路Ｐ１にあるカードの表面に転写フィルム４６に印刷された画像を印刷する二次転写部とを備えている。

　画像形成部Ｂの下流側には収容スタッカ６０に印刷後のカードを移送する媒体搬送経路Ｐ２が設けられている。媒体搬送経路Ｐ２にはカードを搬送する搬送ローラ３７、３８が配置され、図示しない搬送モータに連結されている。

　搬送ローラ３７と搬送ローラ３８の間にはデカール機構３６が配置され、搬送ローラ３７、３８間に保持されたカード中央部を押圧することにより、ヒートローラ３３の熱転写により生じたカールを矯正する。このためデカール機構３６は図示しないカムなどによる昇降機構にて図１に示す上下方向に位置移動可能に構成されている。

　収容部Ｄは、画像形成部Ｂから送られたカードを収容スタッカ６０に収容するように構成されている。収容スタッカ６０は、昇降機構６１にて図１の下方に移動するように構成されている。

　上記した印刷装置１の全体構成の中で、本発明に特に係る画像形成部Ｂについて、更に詳しく説明する。

　転写フィルム４６は、モータＭｒ２の駆動にて回転するフィルムカセット１００の巻取ロール４７と操出ロール４８にそれぞれ巻回され、この転写フィルム４６はプラテンローラ３１とヒートローラ３３に転写画像を移送するように巻装されている。フィルム搬送ローラ４９は、転写フィルム４６を移送する主要な駆動ローラであり、フィルムカセット１００の内側に固定配置されている。このローラ４９の駆動を制御することで転写フィルム４６の搬送量及び搬送停止位置が決まる。フィルム搬送ローラ４９の駆動時にモータＭｒ２も駆動するが、巻取ロール４７が繰り出された転写フィルム４６を巻き取るためのものであって、転写フィルム４６を搬送の主体となって駆動するものではない。

　なお、転写フィルム４６は、インクリボン４１と同一速度で図１反時計方向に移動する。また、フィルム搬送ローラ４９の転写フィルム４６に対する摩擦係数は、プラテンローラ３１の転写フィルム４６に対する摩擦係数より高く設定されている。

　フィルム搬送ローラ４９の周面には、ピンチローラ３２ａとピンチローラ３２ｂとが配置されている。ピンチローラ３２ａ、３２ｂは、図１では示されていないが、フィルム搬送ローラ４９に対して進出及び退避するよう移動可能に構成されており、図の状態はフィルム搬送ローラ４９に進出して圧接することで転写フィルム４６をフィルム搬送ローラ４９に巻き付けている。これにより、転写フィルム４６はフィルム搬送ローラ４９の回転数に応じた距離の正確な搬送が行われる。

　インクリボン４１はカセット（リボンカセット）４２に収納され、このカセット４２に操出ロール（供給スプール）４３と巻取ロール（巻取スプール）４４が収容され、巻取ロール４４はモータＭｒ１にて駆動する。

　プラテンローラ４５とサーマルヘッド４０とは一次転写部を構成しており、プラテンローラ４５に対向する位置にサーマルヘッド４０が配置されている。サーマルヘッド４０は、ヘッドコントロール用ＩＣ（図示せず）により画像データに従って加熱制御されて、昇華型のインクリボン４１を用いて転写フィルム４６に画像を印刷する。なお、冷却ファン３９はサーマルヘッド４０を冷やすためのものである。

　転写フィルム４６への印刷が終了したインクリボン４１は、一対の剥離部材３４、３５によって転写フィルム４６から引き剥がされる。この一対の剥離部材３４、３５は、剥離ローラ（剥離コロ）３４と、ピンチローラ３５とで構成され、ピンチローラ３５はカセット４２に固設されており、剥離ローラ３４はこの固定されたピンチローラ３５に対して圧接・離間可能に配置されている。

　なお、プラテンローラ４５の上流側でインクリボン４１と転写フィルム４６を重ね合せた状態で印刷位置に送るガイドローラと、一対の剥離部材３４、３５を結ぶ直線に対して、プラテンローラ４５とサーマルヘッド４０の圧接点はフィルムカセット１００の外側に所定量オフセットした位置に配置され、フィルム搬送ローラ４９とピンチローラ３２の圧接点は前記フィルムカセット１００の内側に所定量オフセットさせている。

　なお、フィルムカセット１００は複数のガイドシャフトによって転写フィルム４６のフィルムパスを形成しており、図５では初期状態のフィルムパスが図示されている。この初期状態のフィルムパス（即ち、フィルム搬送ローラ４９及びプラテンローラ４５の上流側と下流側に配置されたガイドシャフトを結ぶ直線）に対して、プラテンローラ４５とサーマルヘッド４０の圧接点はフィルムカセット１００の外側に所定量オフセットした位置に配置され、フィルム搬送ローラ４９とピンチローラ３２ａ、３２ｂの圧接点は前記フィルムカセット１００の内側に所定量オフセットした位置に配置させる態様（図６参照）にしてもよい。さらに、剥離ローラ３４とピンチローラ３５との圧接点も初期状態のフィルムパスに対してフィルムカセット１００の外側（サーマルヘッド４０側）に所定量オフセットした位置に配置するのが好ましい。このように図５に示す初期状態のフィルムパスを図６のように変位させて画像形成時のフィルム搬送パスを形成することにより転写フィルム４６とインクリボン４２との剥離角度を大きくすることができる。

　また、剥離ローラ３４及びピンチローラ３５の圧接点を通過した剥離後のインクリボン４２はフィルム搬送ローラ４６に対向する側（フィルムカセット１００の外側）で、初期状態のフィルムパスに対して傾斜する方向に搬送されて剥離角度を略９０度に設定されている。本実施形態では、ピンチローラ３５を中心に初期状態のフィルムパスの方向及びその直交する方向で画定される範囲内（本実施形態では図５の離間位置におけるピンチローラ３２ａ、３２ｂを挟んでフィルム搬送ローラ４９に対向する位置）にインクリボン４２の巻取りロール４４を配置しており、剥離後のインクリボン４２はその範囲内で傾斜する方向に巻き取られている。これにより、剥離後の転写フィルム４６及びインクリボン４２は初期状態のフィルムパスに対して相互に傾斜して離間する方向に巻き取られるため、剥離角度を大きく（略直交する方向で剥離）することができ、且つ装置の幅方向の大型化を防ぐことができる。

　なお、プラテンローラ４５とサーマルヘッド４０の圧接点と、剥離ローラ３４とピンチローラ３５の圧接点と、フィルム搬送ローラ４９とピンチローラ３２の圧接点とを、略直線状にして、その直線に対して略直交する方向にインクリボン４２を剥離してもよい。これにより、画像形成時において各圧接点が略直線状となることで、転写フィルム４６による剥離ローラ３４とピンチローラ３５の圧接を離反させる力を軽減することができるため、剥離ローラ３４とピンチローラ３５が確実にニップすることができ、剥離位置を適正に保つことが出来る。

　印刷時には剥離ローラ３４がピンチローラ３５側に移動し、両者で転写フィルム４６とインクリボン４１とを挟持することで剥離が行われる。そして、剥離されたインクリボン４１はモータＭｒ１の駆動により巻取ロール４４で巻き取られ、転写フィルム４６はフィルム搬送ローラ４９により、プラテンローラ３１とヒートローラ３３とを含む二次転写部まで搬送される。二次転写部では、転写フィルム４６はカードと共にヒートローラ３３及びプラテンローラ３１とで挟持されて、転写フィルム４６上の画像がカード表面に転写される。なお、ヒートローラ３３は、転写フィルム４６を介してプラテンローラ３１に圧接・離間するように昇降機構（不図示）に取り付けられている。このヒートローラ３３は加熱ローラで構成され、内部に配置されている加熱手段で転写フィルム４６上の画像をカード表面に転写する。なお、図示Ｓｅ１はインクリボン４１の位置検出センサであり、図示Ｓｅ２、Ｓｅ３は、それぞれ転写フィルム４６の有無検出センサ及び位置検出センサである。

　以下、一次転写部の構成をその作用と共に更に詳しく説明する。図２乃至図４にて示すように、ピンチローラ３２ａ、３２ｂはピンチローラ支持部材５７の上端部と下端部にそれぞれ支持されて、ピンチローラ支持部材５７はその中央部を挿通する支持シャフト５８に回動自在に支持されている。支持シャフト５８は、図９にて示すように、両端部がピンチローラ支持部材５７に設けられる長穴７６、７７に架け渡されると共に、中間部でブラケット５０の固定部７８にて固定されている。また、長穴７６、７７は支持シャフト５８に対して水平方向及び垂直方向に空間を持たせている。よって、後述するフィルム搬送ローラ４９に対するピンチローラ３２ａ、３２ｂの調整を可能にしている。

　そして、支持シャフト５８にはバネ部材５１（５１ａ、５１ｂ）が装着されて、ピンチローラ支持部材５７のピンチローラ３２ａ、３２ｂが装着される側の端部は、それぞれバネ部材５１と接してそのバネ力によりフィルム搬送ローラ４９の方向へ付勢されている。

　ブラケット５０は、カム受８１にてカム５３のカム作動面と当接しており、駆動モータ５４（図９に示す）にて駆動するカム軸８２を支点とするカム５３の矢印方向への回動に応じてフィルム搬送ローラ４９に対して図で左右方向に移動するように構成している。従って、ブラケット５０がフィルム搬送ローラ４９に向けて進出したとき（図３及び図４）、ピンチローラ３２ａ、３２ｂはバネ部材５１に抗して転写フィルム４６を挟んでフィルム搬送ローラ４９に圧接し、転写フィルム４６をフィルム搬送ローラ４９に巻き付ける。

　このときブラケット５０の回動支点となる軸９５から遠い位置にあるピンチローラ３２ｂが先ずフィルム搬送ローラ４９を圧接し、続いてピンチローラ３２ａが圧接する。このように、回動支点である軸９５をフィルム搬送ローラ４９より上方に配置することで、ピンチローラ支持部材５７は平行移動ではなく回動しながらフィルム搬送ローラ４９と当接することになり、平行移動させるよりも幅方向のスペースが少なくてすむ利点がある。

　また、ピンチローラ３２ａ、３２ｂがフィルム搬送ローラ４９へ圧接したときの圧接力は、バネ部材５１により転写フィルム４６の幅方向に対して均一となる。その際、ピンチローラ支持部材５７の両側に長穴７６、７７が設けられて支持シャフト５８は固定部７８で固定されているために、ピンチローラ支持部材５７を三方向に調整することができ、フィルム搬送ローラ４９の回転により転写フィルム４６はスキューを起こすことなく正しい姿勢にて搬送される。なお、ここで言う三方向の調整とは、（i）フィルム搬送ローラ４９に対してピンチローラ３２ａ、３２ｂの軸方向の圧接力を均一にするために、フィルム搬送ローラ４９の軸に対するピンチローラ３２ａ、３２ｂの軸の、水平方向の平行度を調整すること、（ii）フィルム搬送ローラ４９に対するピンチローラ３２ａの圧接力とフィルム搬送ローラ４９に対するピンチローラ３２ｂの圧接力とを均一にするために、フィルム搬送ローラ４９に対するピンチローラ３２ａとピンチローラ３２ｂとの移動距離を調整すること、及び（iii）フィルム進行方向に対してピンチローラ３２ａ、３２ｂの軸が垂直になるように、フィルム搬送ローラ４９の軸に対するピンチローラ３２ａ、３２ｂの軸の垂直方向の平行度を調整することである。

　そして、ブラケット５０には、ブラケット５０がフィルム搬送ローラ４９に向けて進出したとき、転写フィルム４６のフィルム搬送ローラ４９に巻き付けられていない部分と当接する張力受け部材５２を設けている。

　張力受け部材５２は、ピンチローラ３２ａ、３２ｂが転写フィルム４６をフィルム搬送ローラ４９に圧接した際に生じる転写フィルム４６の張力にて、ピンチローラ３２ａ、３２ｂがそれぞれバネ部材５１の付勢力に抗してフィルム搬送ローラ４９から退避するのを防止するために設けられる。よって、張力受け部材５２は、ピンチローラ３２ａ、３２ｂより図の左位置で転写フィルム４６と当接するようブラケット５０の回動側端部の先端に取り付けられている。図１は張力受け部材５２が転写フィルム４６と当接している状態を示している。

　これにより、転写フィルム４６の弾性から生じる張力は張力受け部材５２を通してカム５３にて直接受け止めることができる。従って、この張力にてピンチローラ３２ａ、３２ｂがフィルム搬送ローラ４９から退避してピンチローラ３２ａ、３２ｂの圧接力が弱まることが防止されるため、転写フィルム４６のフィルム搬送ローラ４９への密着した巻き付け状態が維持されて正確な搬送を行うことができる。

　転写フィルム４６の横幅方向に沿って配置されるプラテンローラ４５は、図８に示すように、軸７１を支点として回動自在な一対のプラテン支持部材７２に支持されている。一対のプラテン支持部材７２はプラテンローラ４５の両端を支持している。プラテン支持部材７２はそれぞれ、軸７１を共通の回動軸とするブラケット５０Ａの端部にバネ部材９９を介して接続されている。また、プラテンローラ４５も軸９６に回動自在に軸支されている。

　ブラケット５０Ａは、基板８７と、この基板８７からのプラテン支持部材７２の方向に折り曲げて形成されるカム受支持部８５とから成り、カム受支持部８５でカム受８４を保持している。そして、基板８７とカム受支持部８５の間には、駆動モータ５４（図９に示す）にて駆動するカム軸８３を支点に回動するカム５３Ａを配設して、カム作動面とカム受８４とが当接するよう構成している。従って、カム５３Ａの回動によりブラケット５０Ａがサーマルヘッド４０の方向へ進出すると、プラテン支持部材７２も移動してプラテンローラ４５はサーマルヘッド４０に圧接する。

　このようにブラケット５０Ａとプラテン支持部材７２との間にバネ部材９９とカム５３Ａとを上下に配置することにより、このプラテン移動ユニットはブラケット５０Ａとプラテン支持部材７２との間隔内に収めることができる。また、幅方向はプラテンローラ４５の幅内に収めることができ省スペース化が図れる。

　また、カム受支持部８５は、プラテン支持部材７２に形成した穿孔部７２ａ、７２ｂ（図８に示す）に嵌合させているために、カム受支持部８５をプラテン支持部材７２の方向に突出して形成しても、ブラケット５０Ａとプラテン支持部材７２との間隔が広がることがなく、その面でも省スペース化が図れる。

　プラテンローラ４５がサーマルヘッド４０に圧接したとき、それぞれのプラテン支持部材７２に接続されたバネ部材９９は、それぞれ転写フィルム４６の幅方向への圧接力が均一となるように作用する。よって、転写フィルム４６がフィルム搬送ローラ４９にて搬送されるときスキューが防止され、転写フィルム４６の印刷領域が幅方向にずれることがなくサーマルヘッド４０による熱転写を正確に行うことができる。

　ブラケット５０Ａの基板８７には、剥離ローラ３４の両端を支持する一対の剥離コロ支持部材８８がバネ部材９７を介して設けられており、剥離ローラ３４は、ブラケット５０Ａがカム５３Ａの回動にてサーマルヘッド４０に対し進出したとき、ピンチローラ３５と当接して両者で挟持している転写フィルム４６とインクリボン４１とを剥離する。剥離コロ支持部材８８もプラテン支持部材７２と同様に剥離ローラ３４の両端にそれぞれ設けられており、ピンチローラ３５に対する幅方向の圧接力が均一となるように構成されている。

　ブラケット５０Ａの軸７１側の端部と反対側の端部には、張力受け部材５２Ａが設けられている。張力受け部材５２Ａは、プラテンローラ４５と剥離ローラ３４とをサーマルヘッド４０とピンチローラ３５とにそれぞれ圧接する際に生じる転写フィルム４６の張力を吸収するように設けられている。バネ部材９９とバネ部材９７は、転写フィルム４６の幅方向への圧接力を均一にするために設けられるが、逆にバネ部材９９、９７が転写フィルム４６の張力に負けて転写フィルム４６への圧接力が弱まってしまわないよう、張力受け部材５２Ａにて転写フィルム４６からの張力を受けている。なお、張力受け部材５２Ａも上述の張力受け部材５２と同様にブラケット５０Ａに固定されているため、転写フィルム４６の張力はブラケット５０Ａを介してカム５３Ａで受けることになるので、転写フィルム４６の張力に負けることはない。これにより、サーマルヘッド４０とプラテンローラ４５との圧接力及び、ピンチローラ３５と剥離ローラ３４との圧接力が保たれるので、良好な印刷及び剥離を行うことができる。また、フィルム搬送ローラ４９の駆動時に転写フィルム４６の搬送量に誤差を生じることがなく、前記印刷領域の長さ分が正確にサーマルヘッド４０に搬送されて精度良く印刷できる。

　なお、張力受け部材５２Ａは、上述した一対の剥離部材３４、３５の剥離性能を損なわない範囲で、転写フィルム４６の張力を受けることとする。即ち、後に詳述するように、本発明では、剥離部分における転写フィルム４６の移送方向を進行方向と異ならせることで、インクリボン４１と転写フィルム４６との剥離角度を大きく取りその剥離性能を向上させているが、張力受け部材５２Ａは、この剥離角度を減ずる位置に配置される。そのため、張力受け部材５２Ａは、転写フィルム４６の張力を十分に吸収しつつも、剥離角度の減少を最小限に抑える位置に設置する。これにより、剥離部材３４、３５による剥離角度を十分に維持しながら、転写フィルム４６の張力によってサーマルヘッド４０とプラテンローラ４５との圧接力、及びピンチローラ３５と剥離ローラ３４との圧接力が弱まることを抑えることができる。

　カム５３とカム５３Ａは、ベルト９８（図２に示す）が張架されて同一の駆動モータ５４（図９に示す）にて駆動させている。

〔転写フィルムとインクリボンの剥離〕
　そこで以下、印刷動作と共に転写フィルムとインクリボンの剥離のための構成について説明する。図５はホームポジション（待機ポジション）の状態であり、画像形成部Ｂが図５に示す待機ポジションにあるときカム５３及びカム５３Ａは図２に示す状態にあり、ピンチローラ３２ａ、３２ｂはフィルム搬送ローラ４９に圧接しておらず、またプラテンローラ４５はサーマルヘッド４０に圧接していない。この状態で印刷命令が出されると、繰出ローラ４８が反時計方向に回転して転写フィルム４６を巻き取る。そして、転写フィルム４６に設定されている位置出し用マーク４６ａが、センサＳｅ３よりも繰出ローラ４８側に位置するまで巻き取られる。

　そして、カム５３及びカム５３Ａが連動して回転して図３に示す状態となると、画像形成部Ｂは図６に示す印刷ポジションに移行する。その際、まずピンチローラ３２ａ、３２ｂがフィルム搬送ローラ４９に転写フィルム４６を巻き付けると共に、張力受け部材５２は転写フィルム４６と当接する。その後プラテンローラ４５がサーマルヘッド４０に圧接する。この印刷ポジションでは、プラテンローラ４５がサーマルヘッド４０に向けて移動して転写フィルム４６とインクリボン４１を挟み圧接して、剥離ローラ３４がピンチローラ３５と接している。

　この状態で、フィルム搬送ローラ４９の回転により転写フィルム４６の搬送が開始されると、同時にインクリボン４１もモータＭｒ１の動作により巻取ロール４４にて巻き取られて同じ方向に搬送される。この搬送の間、転写フィルム４６に設けた位置出し用マーク４６ａがセンサＳｅ３を通過して所定量移動し、転写フィルム４６が印刷開始位置に到達した時点で、転写フィルム４６の所定領域にサーマルヘッド４０による印刷が行われる。特に印刷中は転写フィルム４６の張力が大きくなるため、転写フィルム４６の張力はフィルム搬送ローラ４６からピンチローラ３２ａ、２３ｂを離間させる方向及び、ピンチローラ３５とサーマルヘッド４０から剥離ローラ３４とプラテンローラ４５とを離間させる方向に働く。しかし、上記したように、転写フィルム４６の張力は張力受け部材５２、５２Ａが受けているため、ピンチローラ３２ａ、３２ｂの圧接力が弱くなることがなく、正確なフィルム搬送を行うことができ、サーマルヘッド４０とプラテンローラ４５との圧接力及び、ピンチローラ３５と剥離ローラ３４との圧接力も弱くなることがないため、正確な印刷及び剥離を行うことができる。印刷終了後のインクリボン４１は転写フィルム４６から引き剥がされて巻取ロール４４に巻き取られる。

　またここで特徴的なのは、印刷ポジションとなったと同時に印刷を開始するのではなく、先ず、プラテンローラ４５のサーマルヘッド４０への進出により転写フィルム４６をニップして、インクリボン４１と転写フィルム４６を重ね合せた状態で印刷開始位置まで移動させた後に印刷を開始する点である。これにより、インクリボン４１と転写フィルム４６との接触が確実となり印刷の精度が向上する。

　一方、サーマルヘッド４０による印刷が終了した転写フィルム４６とインクリボン４１は、剥離ローラ３４とピンチローラ３５とで挟持されつつ、インクリボン４１は巻取ロール４４に巻き取られて、また転写フィルム４６はフィルム搬送ローラ４９に巻き取られて両者は剥離される。このとき、インクリボン４１と転写フィルム４６を重ね合せた状態で印刷位置に送るガイドローラと、一対の剥離部材３４、３５を結ぶ直線に対して、プラテンローラ４５とサーマルヘッド４０の圧接点はフィルムカセット１００の外側に所定量オフセットした位置に配置され、フィルム搬送ローラ４９とピンチローラ３２ａ、３２ｂの圧接点は前記フィルムカセット１００の内側に所定量オフセットさせているために、転写フィルムと４６とインクリボン４１は大角度で離反することができ確実な剥離が行える。

　転写フィルム４６の搬送による移動量、すなわち印刷が施される前記印刷領域の搬送方向の長さは、フィルム搬送ローラ４９に設けたセンサ（不図示）にて検知され、それに応じてフィルム搬送ローラ４９の回転が停止し、同時にモータＭｒ２の動作による巻取ロール４４による巻取りも停止する。これにより、サーマルヘッド４０による転写フィルム４６の前記印刷領域への１色目の印刷が終了する。

　そして、カム５３及びカム５３Ａが連動して更に回転し図４に示す状態となると、画像形成部Ｂは図７に示す搬送ポジションに移行して、プラテンローラ４５はサーマルヘッド４０から退避する方向に復帰する。この状態では依然として、ピンチローラ３２ａ、３２ｂはフィルム搬送ローラ４９に転写フィルム４６を巻き付けて、張力受け部材５２は転写フィルム４６と接しており、フィルム搬送ローラ４９の逆方向の回転により転写フィルム４６は初期位置にまで逆搬送される。このときも転写フィルム４６の移動量はフィルム搬送ローラ４９の回転によって制御されるが、印刷が施された前記印刷領域の搬送方向の長さ分が逆搬送される。なお、インクリボン４１は停止しており、次に印刷する色のパネルを初期位置に待機させた状態にある。

　そして、カム５３、５３Ａによる制御状態は再び図３に示す状態となって図６に示す印刷ポジションとなり、プラテンローラ４５をサーマルヘッド４０に圧接させ、フィルム搬送ローラ４９が再び正方向への回転を行って転写フィルム４６を前記印刷領域の長さ分移動させると、サーマルヘッド４０にて次色による印刷が行われる。

　こうして、印刷ポジションと搬送ポジションでの動作は全ての色の印刷が終了するまで繰り返される。そして、サーマルヘッド４０による印刷（一次転写）が終了すると、転写フィルム４６の一次転写された領域をヒートローラ３３まで搬送するが、このときカム５３及び５３Ａは図２に示す状態に移動して、転写フィルム４６への圧接を解除する。その後の二次転写は巻取ロール４７の駆動で転写フィルム４６を搬送しながらカードへの転写が行われる。

　即ち、センサＳｅ２による検知を通じて転写フィルム４６に形成された画像の先端をヒートローラ３３の上方の転写開始位置にセットする。そして、カードの先端も転写開始位置までセットし、ヒートローラ３３を上昇させることにより、ヒートローラ３３とプラテンローラ３０とで転写フィルム４６とカードをニップしながら加熱することで転写を行う。このとき、転写フィルム４６は巻取ロール４７で巻取り、カードはヒートローラ３３の回転で搬送する。

〔一次転写部のユニット化〕
　上記構成の一次転写部は、三つのユニット９１、９２、９３に分割してそれぞれ一体化される。以下、一次転写部を構成する三つのユニット９１、９２、９３について詳述する。

　一般に、特許文献１に示すような転写フィルムにインクリボンにて転写を行う印刷装置においては、転写フィルムやインクリボンが消耗するとそれぞれを収納しているカセットを頻繁に交換する必要がある。しかしながら、カセットの着脱は、転写フィルムやインクリボンが搬送機構や熱転写機構の各部材に引っ掛かるなどするために注意を要する作業となる。特に、カセットを装着するときに、これら部材に転写フィルムやインクリボンを架け渡す際、装架する位置を誤ると印刷ができなくなる。

　一方で、転写フィルムやインクリボンの搬送機構や熱転写機構を構成する各部材間どうしの配置も正確に位置合わせされていないと、印刷にずれを生じて印刷品質が低下する問題もあり、製造時やメンテナンス時の調整において、これら部材の組み付けには非常に手間を要していた。

　上記点から本実施形態では、印刷装置における一次転写部分の各部材を複数のユニットに分割してそれぞれ一体化するもので、ユニットとして一体化するのに最適な構成を提供する。

　図８に示す第１のユニット９１は、ユニット枠体７５にモータ５４（図９に示す）の駆動により回転する駆動軸７０を装架しており、駆動軸７０にフィルム搬送ローラ４９を装着している。フィルム搬送ローラ４９の下方には、ブラケット５０Ａと一対のプラテン支持部材７２とが配置されており、これら部材はユニット枠体７５の両側板に装架される軸７１に回動自在に支持されている。

　図８においては、プラテン支持部材７２に形成した穿孔部７２ａ、７２ｂからブラケット５０Ａの一部である一対のカム受支持部８５が表れている。カム受支持部８５は、その後方に配置される一対のカム受８４を保持する。そして、カム受８４の更に後方には、ユニット枠体７５を挿通しているカム軸８３に装着されるカム５３Ａが配置されている。カム軸８３はユニット枠体７５の両側板に装架される。

　転写フィルム４６とインクリボン４１の搬送パスを挟みプラテンローラ４５と対向する位置にはサーマルヘッド４０が配置される。サーマルヘッド４０、加熱に関する部材及び冷却ファン３９は図１０に示すように第３のユニット９３に一体化しており、第１のユニット９１に対向して配置される。

　第１のユニット９１は、移動可能なブラケット５０Ａにて、印刷動作により位置を変動するプラテンローラ４５と剥離ローラ３４と張力受け部材５２Ａとを一括して保持することで、これら部材間の位置調整が不要となる。しかも、カム５３の回動にてブラケット５０Ａを移動させることでこれら部材を所定の位置にまで移動させることができる。また、ブラケット５０Ａを設けたことで、固定のフィルム搬送ローラ４９と同一のユニットに収納でき、転写フィルムを精度良く搬送しなければならないフィルム搬送ローラ４９による搬送駆動部分と、プラテンローラ４５による転写位置規制部分とが同じユニットに含まれるために両者間の位置調整が不要となる。

　図９に示す第２のユニット９２は、ユニット枠体５５にカム５３が装着されるカム軸８２を挿通させて、カム軸８２を駆動モータ５４の出力軸に連結している。そして、第２のユニット９２は、カム５３と当接するようブラケット５０をユニット枠体５５に移動自在に支持しており、ブラケット５０には、ピンチローラ支持部材５７を回動自在に支持している支持シャフト５８と張力受け部材５２とが固設されている。

　ピンチローラ支持部材５７には、支持シャフト５８にバネ部材５１ａ、５１ｂが取り付けられていて、その端部をピンチローラ３２ａ、３２ｂを支持しているピンチローラ支持部材５７の両端にそれぞれ当接させて、フィルム搬送ローラ４９の方向へ付勢している。そして、ピンチローラ支持部材５７は、長穴７６、７７に支持シャフト５８を挿入しており、支持シャフト５８は中央部でブラケット５０に固定支持される。

　ブラケット５０とピンチローラ支持部材５７との間には、ピンチローラ支持部材５７をブラケット５０に向けて付勢するバネ８９を設けている。このバネ８９によりピンチローラ支持部材５７は第１のユニット９１のフィルム搬送ローラ４９から後退する方向に付勢されるために、フィルムカセット１００を印刷装置１にセットするときに第１のユニット９１と第２のユニット９２の間に転写フィルム４６を容易に通すことができる。

　第２のユニット９２は、印刷動作に応じて位置が変動するピンチローラ３２ａ、３２ｂと張力受け部材５２とをブラケット５０Ａにて保持し、カム５３の回動にてブラケット５０Ａを移動させることでピンチローラ３２ａ、３２ｂと張力受け部材５２とを移動させるために、両者間の位置調整やピンチローラ３２ａ、３２ｂとフィルム搬送ローラ４９との位置調整が簡略化される。このような第２のユニット９２は、転写フィルム４６を挟み第１のユニット９１に対向して配置される。

　このようにユニット化することで第１のユニット９１、第２のユニット９２及び第３のユニット９３は、転写フィルム４６やインクリボン４１の各カセットと同様に、それぞれ印刷装置１の本体から引き出すことも可能になる。従って、転写フィルム４６やインクリボン４１の消耗によるカセットの交換時にこれらユニット９１、９２、９３も必要に応じてユニットを取り出しておけばカセット挿入時の転写フィルム４６やインクリボン４１を簡単に装置内に装架することができる。

　上記したように、プラテンローラ４５とブラケット５０Ａとカム５３Ａとプラテン支持部材７２とを一体化した第１のユニット９１と、ピンチローラ３２ａ、３２ｂとブラケット５０とカム５３とバネ部材５１とを一体化した第２のユニット９２とを組み合わせると共に、サーマルヘッド４０が取り付けられた第３のユニット９３をプラテンローラ４５に対向して配置して組み付けることで、印刷装置の製造時における組み立てやメンテナンス時の調整を容易且つ正確に行うことができる。

　特に、転写フィルムを精度良く搬送しなければならない固定のフィルム搬送ローラ４９と、移動して転写フィルム４６を押圧することで転写位置を規定するプラテンローラ４５とを同一のユニットに一体化して構成することが可能となり、一体化することで搬送駆動部分と転写部分との位置調整が不要となる。

　そして、このユニットを基準にして他のユニットを構成することができるために製造やメンテナンス時の調整が容易となるばかりか、ユニット間及び各ユニットに含まれる部材間の位置精度が向上する。

　しかも、ユニットに一体化することで、転写フィルムやインクリボンのそれぞれのカセットの交換時に、転写フィルムやインクリボンを配置する位置を容易に認識することができると共に、装置からの取り外しも容易に行うことが可能で、取扱い性に優れた印刷装置が提供される。

　また、上記のように、張力受け部材５２にてフィルム搬送ローラ４９とピンチローラ３２ａ、３２ｂとの間で生じる弛み（圧接の解除）を防止し、張力受け部材５２Ａにてプラテンローラ４５とサーマルヘッド４０との間で生じる弛み（圧接の解除）と、ピンチローラ３５と剥離コロ（剥離ローラ）３４との間で生じる弛み（圧接の解除）とを防止することで、転写フィルム４６の張力の影響を受けず正確に搬送することが可能となり、精度良く印刷することができる。

　通常、インクリボン４１は、３色又は４色のインクを１フレームとして周期的に各色のインクが塗布されており、転写フィルム４６に画像形成するには転写フィルム４６を往復移動させる必要がある。そのため、転写フィルム４６は、適正な姿勢で且つ正確な位置まで搬送されないと、インクの転写位置にずれを生じて印刷品質が低下する問題があるが、上述のように構成したことで、常に転写フィルム４６への狭持の圧接力を均一にして搬送することが可能となり、印刷装置の印刷品質を高めることができる。

　なお、上記では印刷装置における転写フィルムを搬送する装置で説明したが、圧接部材と被圧接部材とによりフィルム状媒体の表面を狭持して搬送する装置であれば他にも適用可能である。

〔ガイドシャフト機構〕
　次に、搬送中のフィルムのスキューを矯正するためのガイドシャフト機構について説明する。例えば、特許文献２に示すガイドシャフトは、インクリボンをカード面に熱転写する印刷装置において、印刷後に媒体からインクリボンを引き剥がす剥離ローラとしての機能を有するものであるが、外周面が摩擦部材で覆われてなるとともに、インクリボンの幅方向に移動可能となるように弾性部材により弾性付勢されている。そして、インクリボンにスキューが発生したとき、このインクリボンのスキューにあわせてガイドシャフトが弾性移動して、スキューしているインクリボンを中央部に戻して矯正するものである。

　一般的に、ガイドシャフトはフィルムの送り方向に常に直交した状態でなければならないが、フィルムの巻取り移動にて同じ方向に滑らかに回転するには、ガイドシャフトを支持する機筺の孔部に対し遊びを設けて挿入されている。

　このため、従来技術によれば、フィルムのスキューでガイドシャフトの位置がフィルムの送り方向の中心から外れて斜めの状態となると、弾性部材の付勢にて中央に復帰しても斜めの姿勢は解消されずスキューは矯正されないことになる。

　そこで本実施形態のガイドシャフトでは、転写フィルムやインクリボンを搬送するためのフィルム搬送装置において、フィルムの送り方向からずれてもスキューを矯正することを可能にする。

　図１１は、図１に示す印刷装置１の要部拡大図であり、画像形成部Ｂを拡大して示している。図１１に示すように、巻取ロール４７と操出ロール４８間の転写フィルム４６は、フィルム搬送ローラ４９、ガイドシャフト１０１、ガイドコロ５６ａ、剥離コロ５６ｂ等に架け渡されて搬送される。フィルムカセット１００は複数のガイドシャフト１０１ａ～１０１ｅ、ガイドコロ５６ａ、剥離コロ５６ｂと後述の側壁１０２Ａ、１０２Ｂを含むカセット筐体で構成され、転写フィルム４６が巻回されている巻取ロール４７と操出ロール４８を保持している。そして、フィルムカセット１００は装置から着脱可能に設けられており、使用済みの転写フィルム４６を交換するときはフィルムカセット１００を装置から抜き取って転写フィルム４６を交換する。

　上述のようにインクリボン４１はカートリッジ４２に収納され、このカートリッジ４２に操出ロール４３と巻取ロール４４が収容され、モータＭｒ１の駆動にて巻取ロール４４に巻き取られて搬送される。カートリッジ４２もフィルムカセット１００と同様に装置に着脱可能に構成され、使用済みのインクリボン４１を交換可能に構成されている。

　二次転写部に配置しているガイドコロ５６ａは、プラテンローラ３１に転写フィルム４６を案内するもので、剥離コロ５６ｂは転写後の転写フィルム４６をカードから剥離するものである。すなわち、剥離コロ５６ｂは、モータＭｒ２による巻取ロール４７の巻取り動作により回転して、媒体搬送経路Ｐ２に対して略垂直方向に転写フィルム４６をカードから引き剥がす。

　ここで、搬送されるフィルムのスキューを矯正しながらガイドする本実施形態に係るガイドシャフト機構は、転写フィルム４６の搬送装置やインクリボン４１の搬送装置における各フィルム搬送パスの適宜の位置に配置される各ガイドシャフトに適用されるが、ここでは転写フィルム４６の搬送装置のガイドシャフト１０１ａに適用した場合の例を以下説明する。

　ガイドシャフト１０１ａが配置されている箇所は、印刷終了後の転写フィルム４６が剥離コロ５６ｂにてカードから剥離され、巻取ロール４７に巻取り搬送される位置である。ガイドシャフト１０１ａの表面は転写フィルム４６の滑り性を良くするために、フッ素樹脂系やシリコン系の材質でコーティングを施している。また、ガイドシャフト１０１ａをステンレスで構成し、その表面を磨くことでも必要な滑り性を確保することができる。

　このガイドシャフト１０１ａは、図１２で示すように、印刷装置１内にあって転写フィルム４６の搬送通路を形成する側壁１０２Ａ、１０２Ｂ（フィルムカセット１００の筐体）に装架されており、その両端にはフランジ１０３Ａ、１０３Ｂが挿入されている。そして、側壁１０２Ａ及びフランジ１０３Ａの間と側壁１０２Ｂ及びフランジ１０３Ｂ間には、それぞれ付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂがそれぞれ配置している。付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂは、ガイドシャフト１０１ａに挿入して取り付けるスプリングバネであるが、図１３に示すように一端が側壁１０２Ａ、１０２Ｂに当接して他端がフランジ１０３Ａ、１０３Ｂに当接する板バネでも良い。

　フランジ１０３Ａ、１０３Ｂはそれぞれ付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂに付勢されて、中央部を貫通しているガイドシャフト１０１ａに沿って移動する。しかしながら、ガイドシャフト１０１ａの転写フィルム４６と接するフィルム当接部材１０５に画定している部分の径は他の部分の径よりも大きく設定しているため、この段差１０６が規制部となって、フランジ１０３Ａ、１０３Ｂはガイドシャフト１０１がガイドする転写フィルム４６の幅よりも内側に移動しないよう規制している。

　付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂの付勢力は、転写フィルム４６が張っているときの転写フィルム４６の弾性力より弱く、転写フィルム４６が弛んでいるときの転写フィルム４６の弾性力よりは強く設定している。このような付勢力に設定することで、張っているときの転写フィルム４６の弾性力が付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂの付勢力に負けてフランジ１０３部分で転写フィルム４６が折れ曲がってしまうことがない。なお、本実施形態の付勢部材１０４の付勢力（バネ圧）はそれぞれ５グラムに設定してあるが、転写フィルム４６の弾性力に応じて適宜設定可能である。

　転写フィルム４６が弛むのは、ヒートローラ３３とプラテンローラ３１とが離反した瞬間である。ヒートローラ３３とプラテンローラ３１の圧接にて保持されていたのが、急に圧接が外れた瞬間は転写フィルム４６が撓み弛んだ状態となる。その後、転写フィルム４６は搬送機構に搬送されることで再び張った状態に戻るが、弛みを生じた瞬間にスキューを生じると、スキューした状態で転写フィルム４６が保持されることになる。そうすると、次回のカードへの印刷時には、転写フィルム４６のインクの塗布部分とカード表面とに位置ずれが生じる不具合が生じる。

　このようなスキューは、特に転写フィルム４６をカードから剥離するときに、転写フィルム４６の幅方向で画像データに応じてインク濃度が異なるために均一に剥離できず、一方の端部の剥離に時間が掛かったときなどに発生する。

　そして、一旦スキューが発生すると巻取ロール４７にあっては、回転軸と転写フィルム４６の幅方向とが正対しない状態で巻取りが行われるために、巻取りの度にその誤差が拡大され巻取りできない状態となりジャムが発生し印刷停止の事態に陥る。

　しかしながら、このように転写フィルム４６が弛んでスキューしたとき、フィルムの長手方向の偏向側端部が対向するどちらかのフランジ１０３Ａ、１０３Ｂに当たって外側に向けて移動しようとするが、当該フランジ１０３Ａ、１０３Ｂに対応している付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂの付勢力により偏向移動が阻止される。従って、転写フィルム４６に弛みが生じたときは、転写フィルム４６の長手方向の端部から直接規制が加えられるためにスキューが矯正されて、転写フィルム４６は適正な姿勢で巻取ロール４７に巻き取られる。

　そして、転写フィルム４６が張った状態で搬送されているときはスキューを生じないが、搬送中に転写フィルム４６の長手方向の端部がフランジ１０３Ａ、１０３Ｂに当たるときがあり、このような場合は付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂは外側に後退するために、転写フィルム４６の搬送を妨害することがない。

　また、ガイドシャフト１０１を装架する側壁１０２Ａ、１０２Ｂには、ガイドシャフト１０１の直径よりも大きめの孔部が穿設されて、ガイドシャフト１０１はその両端部をこの孔部に挿通して回動自在に支持されている。従って、巻取ロール４７の重量バランスや転写フィルム４６の幅方向で皺等により両端に不均一が生じていると、ガイドシャフト１０１自体が転写フィルム４６の進行方向と直角でなくなることがある。これもガイドシャフト１０１のずれもスキューの原因となるが、付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂにて矯正されるため巻取ロール４７にて正常な巻取りが行われる。

　上記したように本発明に係るフィルム搬送装置におけるガイドシャフト機構は、搬送される転写フィルム４６のスキューを矯正しながらガイドするものであるが、カードからの剥離後に限るものではなく、転写フィルム４６の搬送パスに配置される何れのガイドシャフトにも適用される。また、インクリボン４１の搬送パスに配置されるガイドシャフトに適用しても良い。なお、本実施形態ではガイドシャフト１０１ａがフィルムカセット１００に設けられている例を示したが、フィルムカセット１００ではなく、転写フィルム４６の搬送パスを形成するために印刷装置１本体に設けられたシャフトに適用しても良い。

　なお、ガイドシャフト１０１ａは図１４に示す構成でもよい。この形態では、ガイドシャフト１０１ａの周りにフランジ１０３Ａ、１０３Ｂとフィルム当接部材１０５とが一体となってガイドシャフト１０１ａの軸方向に移動可能に設けられている。ガイドシャフト１０１ａは両端の径が小さく、中央部の径が大きくなるように構成されており、段差１０６（規制部）が形成されている。

　ガイドシャフト１０１ａの両端側（径が小さい部分）には付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂと、この付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂでフランジ１０３Ａ、１０３Ｂを押圧して付勢するフランジ押圧部材１０７Ａ、１０７Ｂが設けられており、フランジ１０３Ａ、１０３Ｂを押すことでガイドシャフト１０１ａの軸方向に移動させる。なお、規制部１０６によって、フランジ押圧部材１０７Ａ、１０７Ｂの移動が規制される。これにより、ガイドシャフト１０１ａと転写フィルム４６とが直交する位置にフランジ１０３Ａ、１０３Ｂ及びフィルム当接部材１０５を位置づけることができる（図１４の状態）。

　また、フランジ１０３Ａ、１０３Ｂ及びフィルム当接部材１０５はガイドシャフト１０１ａの周面で回転可能に設けられており、フランジ１０３Ａとフランジ押圧部材１０７Ａ及びフランジ１０３Ｂとフランジ押圧部材１０７Ｂとの間はそれぞれ摺動可能である。この場合、フィルム当接部材１０５の周面の滑り性を良くする必要はない。

　付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂの付勢力は、転写フィルム４６が張っているときの転写フィルム４６の弾性力より弱く、転写フィルム４６が弛んでいるときの転写フィルム４６の弾性力よりは強く設定している。よって、転写フィルム４６が張っているときは図１５のようにフランジ１０３Ａ、１０３Ｂ及びフィルム当接部材１０５が移動するが、転写フィルム４６が弛んだ瞬間に図１４に示す位置（ガイドシャフト１０１ａと転写フィルム４６とが直交する位置）に付勢部材の力で戻り、転写フィルム４６のスキューが修正される。付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂの付勢力については図１２に示した実施形態と同様である。

　なお、本例では付勢部材１０４Ａ、１０４Ｂがスプリングである例を示したが、図１３に示すように板バネ形状にすることによって、付勢部材とフランジ押圧部材とを一体で形成することも可能である。

　上記のように、本実施形態では、フィルムの搬送通路を形成する一対の側壁に装架されるガイドシャフトと、前記ガイドシャフトの両端部にそれぞれ設けられる一対のフランジと、一対の前記フランジの間に形成されて搬送される前記フィルムと横幅方向で接するフィルム当接部と、相対向する前記側壁と前記フランジとの間に設けられる付勢部材と、前記フランジが前記フィルム当接部へ進出するのを阻止する規制部とを備えた構成としたので、付勢部材により付勢されたフランジにより直接搬送するフィルム状媒体を規制するために、ガイドシャフトはスキューを矯正しながらフィルムをガイドすることを可能にしたのである。

〔カードクリーニング機構〕
　次に、カードカセット３から供給されたカードから塵埃を取り除くためのクリーニング機構について説明する。カードに電子情報、或いは画像情報を記録する際に、カードに塵埃が付着していると、記録情報ミス、画像ミスを引き起こすことがあるため、収容したカード表面の塵埃を除去して記録部に給送することが一般的に行われている。

　例えば特許文献３には、カード表面に接するローラとカード裏面に接するローラを粘着性ローラで構成して通過するカードをクリーニングする機構が開示されている。同文献にはカードを挟む一対の粘着性ローラと、このローラの一方と接してローラ表面をクリーニングするクリーニングローラをユニットとして構成し、このクリーニングユニットを装置の搬送経路に着脱可能に装着する機構が開示されている。

　また、特許文献４には、カートの搬送経路に粘着性ローラを配置し、このローラの表面に付着した塵埃をクリーニングローラで取り除く機構が開示されている。同文献には、搬送経路の粘着性ローラと接するクリーニングローラを印字用のリボンカセットに配置している。そして、リボンカセットの装着時には、装置内の粘着性ローラの軸方向にカセットのクリーニングローラを挿入している。

　このためクリーニングローラは粘着性ローラと接触する位置と、これから離間した位置との間で移動可能にカセットに内蔵され、その接触位置と離間位置との間で位置移動する機構をカセットに設けてカセット装着動作に連動させている。具体的には、リボンカセットを装着するための開閉カバー（装置フロントカバー）を開蓋するとクリーニングローラは離間位置に、閉止すると接触位置に連動するように構成している。

　上述のように、カードを記録部に給送する前に、カード表面の塵埃を除去するクリーニング機構は広く知られている。そして、特許文献１には、カード表面に接触する粘着ローラと、このローラに付着した塵埃を除去するクリーニングローラをユニット化して装置に装着するクリーニング機構が提案されている。また、特許文献２には、装置内に設けた粘着性ローラの塵埃をリボンカセットのクリーニングローラで除去するクリーニング機構が提案されている。

　このように、カードと接触する粘着性ローラと、ローラ表面に付着除去した塵埃をクリーニングローラで除去することは既に知られている。この場合、特許文献３で提案されているようにカードと接触する粘着性ローラとクリーニングローラをユニット化して装置に着脱する機構を採用すると、クリーニングユニットを装置から取り外してクリーニングローラを交換するときには、この交換時に粘着性ローラの表面を破損する問題を生ずる。

　一方、特許文献４に提案されている機構を採用すると、装置内に準備されているカードと接触する粘着性ローラに不具合が生じたとき、例えば金属片が付着してクリーニングローラで除去できないときには、オペレータが装置内でローラ表面に付着した金属片を取り除かなければならない。これと同時に、インクリボンの交換時にクリーニングローラを同時に交換しなければならず、経済的なロスを伴うことになる。

　上述のようにカード表面に付着した塵埃を除去する際に、カードと接触する粘着性ローラは不具合が発生した都度、これを交換或いはメンテナンスする必要があり、クリーニングローラは、その破損程度に応じて定期的に交換する必要があり、インクリボンはその消費量に応じて交換する必要がある。

　そこで本発明者は、インクリボンの交換と、クリーニングローラの交換と、カードと接触する粘着性ローラのメンテナンスを、それぞれ必要が生じたときに個別に装置内に着脱できるようにするとの知見に至った。このとき粘着性ローラとクリーニングローラはそれぞれ表面が粘着性を有するため、両ローラを個別に装置内に着脱する際には両ローラを引き離さなければならない問題と、これらを個別に装置に着脱する場合に、ローラの一つが装着されていないとその状態で装置が再起動してしまう問題が新たに発生する。

　そこで以下の本実施形態では、カード表面と接して塵埃を除去するコンタクトローラと、コンタクトローラ表面に付着した塵埃を取り除くクリーニングローラとを、それぞれの状態に応じて適時に装置に着脱交換或いはメンテナンス可能に構成している。上記した本発明に係わる印刷装置１の全体構成の中で、コンタクトローラ２２及びクリーニングローラＲｃを交換或いはメンテナンスのために、装置から着脱自在にした構成について以下に説明する。

　図１６及び図１７は、印刷装置１のコンタクトローラ２２及びクリーニングローラＲｃ及びその周辺を斜視図にて示すもので、図１６はクリーニングローラＲｃとコンタクトローラ２２を装置フレーム１１０に装着している状態、図１７はこれらローラを装置フレーム１１０から取り外した状態をそれぞれ示している。この装置フレーム１１０には、コンタクトローラ２２とクリーニングローラＲｃを分離した状態で個別に回転軸方向に着脱可能な装着口１７４が形成されている。

　本実施形態においては、コンタクトローラ２２とクリーニングローラＲｃは、それぞれホルダ部材に収納されて、カートリッジ形式によりホルダ部材ごとに装置より着脱可能となっている。コンタクトローラ２２の一対のローラ２２ａ及びローラ２２ｂと一緒に保持するホルダ部材はカートリッジ１６３（図１８参照）を構成している。一方、カートリッジ１６４（図１９参照）はクリーニングローラＲｃを収納している。そして、カートリッジ１６４のホルダ部材には、後述する操作ハンドル１７０を形成している。

　コンタクトローラ２２とクリーニングローラＲｃは、それぞれ表面に粘着性を有するローラ体と、このローラ体と一体の回転軸で構成されている。

　一対のコンタクトローラ２２は、ローラ２２ｂが駆動ローラ、ローラ２２ａが従動ローラである。カード収納部から供給される記録カードは、一対のコンタクトローラ２２に挟持されて反転ユニットＦに送られる間、その表面に付着している塵埃が除去される。

　コンタクトローラ２２のローラ２２ａと表面同士が接触しているクリーニングローラＲｃは、コンタクトローラ２２に連動して回転することにより、コンタクトローラ２２が記録カードの表面から除去して自身の表面に付着させた塵埃を除去する。従って、これら三通りのローラ表面の粘度は図示の右側から左側のローラにかけて高くなるように設定しており、すなわちクリーニングローラＲｃの粘度が一番高い。

　コンタクトローラ２２及びクリーニングローラＲｃは、それぞれが収納されているカートリッジ１６３、１６４ごとに、交換やメンテナンスの目的で装置フレーム１１０から取り出せるようになっている。

　クリーニングローラＲｃを収納するカートリッジ１６４には、装置フレーム１１０の装着口１７４に装着された状態で、ローラ表面をコンタクトローラ２２から離間させるための操作部材１６１と、コンタクトローラの装着口１７４からの離間を阻止するカバー部材１６２が設けられており、操作部材１６１とカバー部材１６２は一体で操作ハンドル１７０を構成している。

　そして、カートリッジ１６４には、クリーニングローラＲｃの回転軸１６５とは異なる支軸１６６が設けられており、装置フレーム１１０の装着口１７４の軸承部１８５に支持されて、操作ハンドル１７０の操作により、ロック姿勢位置と解除姿勢位置に移動可能となっている。操作ハンドル１７０がロック姿勢にあると、コンタクトローラ２２を収納したカートリッジ１６３が装着口１７４から離脱するのを阻止し、操作ハンドル１７０が解除姿勢にあると、クリーニングローラＲｃの表面をコンタクトローラ２２の表面から離間させて、カートリッジ１６４が装着口１７４より引き出せる状態となる。

　また、装置フレーム１１０には、クリーニングローラＲｃの表面をコンタクトローラ２２の表面に接触させる圧接スプリング１７６が設けられており、操作部材１６１を操作して、カートリッジ１６４を、支軸１６６を中心に圧接スプリング１７６に抗して揺動させることで、クリーニングローラＲｃをコンタクトローラ２２の表面から離間させることできる。

　遮閉部材１６７は、コンタクトローラ２２を収納したカートリッジ１６３が装置フレーム１１０へ装着されていないと、クリーニングローラＲｃを収納したカートリッジ１６４が装置フレーム１１０へ挿入されるのを阻止するよう設けられている。この遮閉部材１６７は、装置フレーム１１０の軸１６８に搖動自在に支持されると共に、カム部材１６９を具備しており、カートリッジ１６３が挿入されていないときは、カートリッジ１６４（クリーニングローラＲｃ）の装着を阻止するよう係止位置にバネ（図示せず）により付勢されているが、装着口１７４にカートリッジ１６３が挿入されて、カートリッジ１６３とカム部材１６９とが接触すると搖動して、カートリッジ１６４の装着を許容する解除位置となる。

　図２４において、インターロック部材１７１は、装置フレーム１１０に回動自在に軸１８１に軸止されており、カートリッジ１６４が挿入されていないとき（図２０、図２１）及びカートリッジ１６４が挿入されて、且つ操作ハンドル１７０が解除姿勢にあるとき（図２２参照）はバネ１７２に付勢されて、装置フレーム１１０の前面に形成した装着口１７４を塞ぐ位置にある。この状態では、装置フレーム１１０の前面を開閉する開閉カバー１７５に形成したピン１８２が開口１８３に挿入されず、開閉カバー１７５は装置フレーム１１０の前面を閉止できない。

　一方、カートリッジ１６４が装着口１７４に挿入されて、且つ操作ハンドル１７０がロック姿勢にあると（図２３参照）、インターロック部材１７１はカートリッジ１６４に押されてバネ１７２に抗して回動するために、装置フレーム１１０の前面に形成した開口１８３が現れ、開閉カバー１７５のピン１８２が開口１８３に挿入でき、開閉カバー１７５は装置フレーム１１０の前面を閉止することができる。

　上記構成の遮閉部材１６７、操作ハンドル１７０、インターロック部材１７１の動作を図２０から図２３までに基づき説明する。

　図２０は、カートリッジ１６３及びカートリッジ１６４が非装着の状態を示しており、遮閉部材１６７はカートリッジ１６４（クリーニングローラＲｃ）の装着口１７４への装着を阻止する係止位置にバネ付勢されている。一方、カートリッジ１６３は装着可能な状態となっている。また、インターロック部材１７１もバネ１７２に付勢されて、開口１８３を覆う位置にある。

　図２０の状態からカートリッジ１６３を挿入した図２１の状態では、カートリッジ１６３とカム部材１６９との当接により遮閉部材１６７は下方に搖動して、の装着口１７４から退避してカートリッジ１６４装着を許容する解除位置となる。これにより、コンタクトローラ２２とクリーニングローラＲｃを装着する場合は、コンタクトローラ２２次いでクリーニングローラＲｃの順となる。

　そして、図２２はカートリッジ１６４を装着口１７４に挿入した状態であるが、カートリッジ１６４に形成されている操作ハンドル１７０はこの状態では解除姿勢にあり、クリーニングローラＲｃの表面とコンタクトローラ２２の表面とは離間している。

　図２２の状態で、操作ハンドル１７０を軸６６（図１９参照）を支点に下方に回動させて図２３の状態となると、クリーニングローラＲｃの表面とコンタクトローラ２２の表面とが接して、記録カードのクリーニング動作が可能となる。このとき、操作ハンドル１７０の下方への回動により、遮閉部材１６７によりカートリッジ１６３の引出側は覆われて、装置フレーム１１０から取り出すことができなくなる。そして、インターロック部材１７１はカートリッジ１６４に押されて回動し、装置フレーム１１０の前面の開口１８３が現れ、開閉カバー１７５を閉じればピン１８２が開口１８３に挿入して装置フレーム１１０の前面を閉止することができる。

　以上はコンタクトローラ２２とクリーニングローラＲｃを装着する場合の動作説明であるが、これらローラを装置フレーム１１０から取り出すときは、逆に図２３の状態からの動作となる。すなわち、操作ハンドル１７０を操作して上方に回動させて、クリーニングローラＲｃの表面とコンタクトローラ２２の表面とを離間させた図２２の状態の後、カートリッジ１６４を引き出すことで遮閉部材１６７による閉塞が解除され、これによりカートリッジ１６３を引き出せる。従って、コンタクトローラ２２とクリーニングローラＲｃを引き出す場合は、クリーニングローラ２２次いでコンタクトローラＲｃの順となる。

　このように、本発明によれば、それぞれ表面が粘着性を有するコンタクトローラ２２とクリーニングローラＲｃを個別に装置内に着脱するときに、装着する場合には、遮閉部材１６７の作用によりコンタクトローラ２２次いでクリーニングローラＲｃの順でなければ装着できず、離脱する場合には、操作ハンドル１７０の作用により両ローラを確実に離間させ、且つカバー部材１６２によりクリーニングローラ２２次いでコンタクトローラＲｃの順でなければ脱着できないようになっている。従って、クリーニングローラ２２及びコンタクトローラＲｃを個別に確実に着脱することができる。

　しかも、操作ハンドル１７０の操作によりコンタクトローラ２２とクリーニングローラＲｃとを接触させないと、開閉カバー１７５が閉止できないようにしたことで、クリーニングローラＲｃの装着忘れや、コンタクトローラ２２とクリーニングローラＲｃとが離脱した状態で装置が再起動するようなことが防止される。

　上記のように構成することで、クリーニングローラを装置に装着する際には、その前にコンタクトローラが装着されていなければならないため、コンタクトローラの装着を忘れる恐れがなく、複数のローラを確実に装置に装着することが可能となる。これと共に、クリーニングローラにローラ同士の粘接着を解除する操作部材が設けてあるから各ローラを簡単に装置に装着することができ、その装着後にクリーニングローラとコンタクトローラを粘接着することができる。

　また、各ローラユニットを装置から離脱する際には、クリーニングローラにコンタクトローラを装着口から離脱するのを阻止するカバー部材が設けてあるから、ローラ同士が粘接着した状態でコンタクトローラを引き出す恐れがなく、その誤操作によるローラ表面の破損を招くことがない。

　更に、装置ハウジングにカード搬送経路を開閉する開閉カバーを設け、このカバーをクリーニングローラの操作部材が非接触状態の時には開閉禁止することによって開閉カバーが閉じられないときには、クリーニングローラと、コンタクトローラが装置内に装着されていないことを警告することが可能となる。

　本発明はプラスチックカード、厚紙カードなどの記録媒体に電子情報或いは画像情報を記録する印刷装置に関するもので、産業上の利用可能性を有する。

３２ａ、３２ｂ　　ピンチローラ
３４　　　剥離コロ（剥離ローラ）
３５　　　ピンチローラ
４０　　　サーマルヘッド
４１　　　インクリボン
４２　　　カセット（リボンカセット）
４５　　　プラテンローラ
４６　　　転写フィルム
４７　　　巻取ロール（巻取スプール）
４８　　　操出ロール（供給スプール）
４９　　　フィルム搬送ローラ
５０　　　ブラケット（第２のブラケット）
５０Ａ　　ブラケット（第１のブラケット）
５１　　　バネ部材（第２のバネ部材）
５２　　　張力受け部材（第２の張力受け部材）
５２Ａ　　張力受け部材（第１の張力受け部材）
５３　　　カム（第２のカム）
５３Ａ　　カム（第１のカム）
７２　　　プラテン支持部材
９１　　　第１のユニット
９２　　　第２のユニット
９３　　　第３のユニット
１００　　フィルムカセット

Claims (19)

1. 　互いに圧接するプラテンローラとサーマルヘッドとの間の印刷位置にインクリボンと転写フィルムを給送して転写フィルム上に画像を形成する印刷装置において、
   　未使用の前記転写フィルムを巻回する供給スプールと、
   　使用済みの前記転写フィルムを巻回する巻取スプールと、
   　装置フレームに着脱自在に構成され、前記供給スプールと前記巻取スプールとを保持するフィルムカセットと、
   　前記プラテンローラの下流側に配置され、前記転写フィルムと前記インクリボンとを重ね合せた状態から剥離して異なる二方向に送る剥離部材と、
   　前記剥離部材の下流側で、前記転写フィルムに対して前記フィルムカセットの内側に固定配置されたフィルム搬送ローラと、
   　前記転写フィルムを挟んで前記フィルム搬送ローラに対向する位置に配置され、前記フィルム搬送ローラに前記転写フィルムを圧接する圧接位置と前記転写フィルムから離間した離間位置との間で移動可能に構成されたピンチローラと、
   　前記フィルム搬送ローラを回転駆動する駆動手段と、を備え、
   前記ピンチローラが前記離間位置から前記圧接位置に移動することで、前記転写フィルムを前記フィルムカセットの内側に所定量変位させて前記フィルム搬送ローラに圧接し、前記フィルム搬送ローラの回転によって前記転写フィルムを搬送しながら前記転写フィルム上に画像を形成する印刷装置。
2. 　前記プラテンローラは前記転写フィルムに対して前記フィルムカセットの内側に配置され、前記サーマルヘッドは前記転写フィルム及びインクリボンを挟んで前記プラテンローラに対向する位置に固定配置され、
   　前記プラテンローラは前記転写フィルムから離間した非印刷位置と前記サーマルヘッドと前記転写フィルム及びインクリボンを狭持して前記転写フィルムに画像を形成する印刷位置との間で移動可能に構成され、
   前記プラテンローラが前記非印刷位置から前記印刷位置に移動することで、前記転写フィルムを前記フィルムカセットの外側に所定量変位させることを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
3. 　前記プラテンローラは、第１のカムの回転により前記サーマルヘッドに向けて進出する第１のブラケットに保持され、
   　前記ピンチローラは、前記転写フィルムが搬送されるフィルム搬送パスに沿った上流側と下流側に配置された一対のピンチローラで構成され、第２のカムの回転により前記フィルム搬送ローラに向けて進出する第２のブラケットに保持され、
   　前記第１のブラケットに保持された前記プラテンローラを前記サーマルヘッドに押し付けるように付勢する第１のバネ部材と、前記第２のブラケットに保持された前記一対のピンチローラを前記フィルム搬送ローラに押し付けるように付勢する第２のバネ部材とを有し、
   　前記フィルム搬送ローラと前記第１のカムと前記第１のブラケットとを第１のユニットとして一体化し、前記第２のカムと前記第２のブラケットとを第２のユニットとして一体化して構成したことを特徴とする請求項２に記載の印刷装置。
4. 　前記剥離部材は、前記転写フィルムと前記インクリボンを重ね合せた状態でニップするローラ対で構成され、
   　一方のローラは他方のローラと圧接・離間可能に配置されていると共に、前記非印刷位置から前記印刷位置に移動する前記プラテンローラに連動して圧接・離間することを特徴とする請求項２に記載の印刷装置。
5. 　前記剥離部材は、前記転写フィルムと前記インクリボンを重ね合せた状態でニップするローラ対で構成され、
   　一方のローラは前記第１のブラケットに保持されて他方のローラと圧接・離間可能に配置されると共に、前記非印刷位置から前記印刷位置に移動する前記プラテンローラに連動して圧接・離間することを特徴とする請求項３に記載の印刷装置。
6. 　前記プラテンローラの前記サーマルヘッドに対する接離移動と、前記ピンチローラの前記フィルム搬送ローラに対する接離移動の駆動は同一の駆動源であることを特徴とする請求項２に記載の印刷装置。
7. 　前記第１のカムと前記第２のカムとは同一駆動源にて駆動することを特徴とする請求項３に記載の印刷装置。
8. 　前記サーマルヘッドを第３のユニットとしたことを特徴とする請求項３に記載の印刷装置。
9. 　前記プラテンローラは、該プラテンローラの両端をそれぞれ支持する一対のプラテン支持部材に保持されており、前記プラテン支持部材は前記第１のバネ部材を解して前記第１のブラケットに保持されていることを特徴とする請求項３に記載の印刷装置。
10. 　前記第１のブラケットと前記プラテン支持部材とは、前記第１のカムと前記第１のバネ部材とを配置する間隔を設けて連結されていることを特徴とする請求項９に記載の印刷装置。
11. 　前記一対のピンチローラの各々は、中央部で前記第２のブラケットに回動自在に保持されるピンチローラ支持部材の両端にそれぞれ支持されていることを特徴とする請求項３に記載の印刷装置。
12. 　中央軸支される前記第２のブラケットは、一端で前記第２のカムの付勢を受けて回動すると、他端で支持する前記ピンチローラ支持部材を前記フィルム搬送ローラに向けて移動させることを特徴とする請求項１１に記載の印刷装置。
13. 　前記第２のブラケットは、前記ピンチローラが前記転写フィルムを介して前記フィルム搬送ローラを圧接した際、圧接に反発する前記転写フィルムの張力を吸収するように前記転写フィルムと当接する張力受け部材を備えたことを特徴とする請求項３に記載の印刷装置。
14. 　前記フィルム搬送ローラの前記転写フィルムに対する摩擦係数は前記プラテンローラの前記転写フィルムに対する摩擦係数より高く設定されていることを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
15. 　前記プラテンローラの硬度は、前記フィルム搬送ローラの硬度より高く設定されていることを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
16. 　前記プラテンローラの上流側には、前記インクリボンと前記転写フィルムを重ね合せた状態で印刷位置に送るガイドローラが配置され、
    　前記ガイドローラと前記剥離ローラを結ぶ直線に対して、
    　前記プラテンローラとサーマルヘッドの圧接点は前記フィルムカセットの外側に所定量オフセットした位置に配置され、
    　前記フィルム搬送ローラと前記ピンチローラの圧接点は前記フィルムカセットの内側に所定量オフセットしたことを特徴とする請求項２に記載の印刷装置。
17. 　前記剥離部材の他方のローラは前記インクリボンを収容したリボンカセットに固定されたことを特徴とする請求項４又は５に記載の印刷装置。
18. 　前記剥離部材によって剥離された前記インクリボンは、前記フィルムカセットの外側の傾斜する方向に巻き取られ、前記剥離部材を通過した前記転写フィルムと前記インクリボンとは相互に離間する方向に搬送されることを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
19. 　前記インクリボンの巻取りロールは、前記離間位置における前記ピンチローラを挟んで前記フィルム搬送ローラに対向する位置に配置されたことを特徴とする請求項１８に記載の印刷装置。

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