JP7286981B2 - 層転写装置 - Google Patents

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本発明は、筐体本体の開口を開閉するカバーを備えた層転写装置に関する。
従来、画像形成装置として、シートにトナー像を定着させるための定着装置を備えたものが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術では、定着装置は、シートを加熱する加熱ローラと、加熱ローラとの間でシートを挟む加圧ローラと、加熱ローラを覆うカバーと、カバーをロックするためのロック部材と、を備えている。ロック部材は、加熱ローラの温度が所定温度以上のときにソレノイドがOFFとされることで、ロック位置に保持され、加熱ローラの温度が所定温度未満のときにソレノイドがONとされることで、非ロック位置に保持されるように構成されている。
特開平04-245276号公報
しかしながら、従来技術では、加熱ローラの温度が所定温度未満であるときにおいてソレノイドがONとなることでロック部材が非ロック位置に位置する状態において、電源がOFFされた場合には、ソレノイドへの通電が遮断されてOFFとなることで、ロック部材が非ロック位置からロック位置に移動して、カバーがロックされてしまう。そのため、この場合、加熱ローラの温度が十分下がっていてカバーを開けても問題ない状況であるにも関わらず、ユーザがカバーを開けることができないという問題が生じる。
そこで、本発明は、カバーをロックするための可動部材をロック位置と非ロック位置とに通電により切り替えることが可能な構造において、可動部材が非ロック位置に位置する状態で、電源がOFFされたとしても、ユーザがカバーを開けることができる層転写装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る層転写装置は、開口を有する筐体本体と、前記開口を閉じる閉位置と前記開口を開放する開位置との間で移動可能なカバーと、ソレノイドであって、前記カバーを前記閉位置でロックするロック位置と、前記ロックを解除する非ロック位置との間で移動可能なプランジャと、前記プランジャを、内方位置と前記内方位置よりも外方に位置する外方位置との間で移動可能に支持するハウジングと、通電により磁力を発生するコイルと、前記内方位置に位置する前記プランジャを、前記外方位置へ向かうのを規制する磁力で保持する永久磁石と、を有するソレノイドと、前記外方位置に位置する前記プランジャを、前記内方位置へ向かうのを規制する保持力で保持する保持部材と、を備える。
前記プランジャは、前記外方位置において前記コイルに第1電流が流れた場合に、前記コイルの第1磁力によって前記保持部材の保持力に抗して前記内方位置に向けて移動し、前記内方位置において前記コイルに前記第1電流とは逆向きの第2電流が流れた場合に、前記コイルの前記第1磁力とは逆向きの第2磁力によって前記永久磁石の磁力に抗して前記外方位置に向けて移動可能となる。
この構成によれば、コイルに通電し続けなくても、プランジャの位置をロック位置または非ロック位置に保持することができるので、例えば、プランジャをロック位置から非ロック位置に切り替えた後に電源がOFFにされた場合であっても、永久磁石または保持部材によってプランジャを非ロック位置に保持することができる。そのため、プランジャ(可動部材)が非ロック位置に位置する状態で、電源がOFFされたとしても、ユーザがカバーを開けることができる。
また、前記保持部材は、前記プランジャを前記外方位置に向けて付勢するバネと、前記バネの付勢力による前記プランジャの移動を規制する規制部と、を備え、前記プランジャは、前記外方位置において前記コイルに第1電流が流れた場合に、前記コイルの前記第1磁力によって前記バネの付勢力に抗して前記内方位置に向けて移動し、前記内方位置に到達した後、前記永久磁石によって前記内方位置に保持され、前記内方位置において前記コイルに前記第2電流が流れた場合に、前記コイルの前記第2磁力によって前記永久磁石の磁力が打ち消されることで、前記バネによって前記外方位置に向けて移動し、前記外方位置に到達した後、前記バネと前記規制部とによって前記外方位置に保持されるように構成されていてもよい。
また、前記プランジャは、前記内方位置において前記ロック位置に位置し、前記外方位置において前記非ロック位置に位置していてもよい。
また、前記プランジャの移動に連動して移動するスライド部材を備え、前記カバーは、前記閉位置に位置する状態において、前記筐体本体に係合可能な係合位置と、前記筐体本体から外れる非係合位置とに移動可能なロックレバーを備え、前記スライド部材は、前記プランジャが前記ロック位置に位置するときに、前記ロックレバーの前記係合位置から前記非係合位置に向かう移動を規制し、前記プランジャが前記非ロック位置に位置するときに、前記ロックレバーの前記係合位置から前記非係合位置に向かう移動を許容するように構成されていてもよい。
また、前記層転写装置は、前記プランジャと前記スライド部材とに連結される、回動可能な第1回動部材を備え、前記第1回動部材の回動軸から前記第1回動部材と前記プランジャの連結部分までの距離は、前記回動軸から前記第1回動部材と前記スライド部材の連結部分までの距離よりも小さくてもよい。
これによれば、プランジャのストローク量が小さくてもスライド部材のストローク量を大きくすることができるので、ロックレバーの移動の規制・解除をより良好に行うことができる。
また、前記層転写装置は、第1位置と第2位置との間で回動可能な第2回動部材を備え、前記第2回動部材は、前記ロックレバーが前記係合位置から前記非係合位置に向けて移動する際に、前記ロックレバーと係合して、前記第1位置から前記第2位置へ移動可能であり、前記スライド部材は、前記プランジャが前記ロック位置に位置するときに、前記第2回動部材と接触することで、前記第2回動部材の前記第1位置から前記第2位置に向かう移動を規制し、前記プランジャが前記非ロック位置に位置するときに、前記第2回動部材から離れることで、前記第2回動部材の前記第1位置から前記第2位置に向かう移動を許容するように構成されていてもよい。
これによれば、ロックレバーの動作に連動する第2回動部材を、ロックレバーとスライド部材との間に介在させるので、ロックレバーを大型化することなく、ロックレバーの移動を第2回動部材およびスライド部材で良好に規制することができる。
また、前記層転写装置は、前記ロックレバーが前記係合位置に位置することを検知する第1センサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記プランジャを前記ロック位置から前記非ロック位置に移動させることを決定した場合には、前記第1センサからの信号に基づいて前記ロックレバーが前記係合位置に位置すると判断した場合に限り、前記コイルに前記第2電流を流す指令を出力するように構成されていてもよい。
プランジャをロック位置から非ロック位置へ移動させる際に、ユーザがロックレバーを係合位置から非係合位置に動かそうとした場合には、ユーザの力がロックレバーを介してスライド部材に伝わり、バネの付勢力を使ってスライド部材を動かせない場合がある。これに対し、前述した構成では、ロックレバーが係合位置に位置する場合に限って、第2電流をコイルに流すため、バネによってスライド部材を確実に動かすことができる。
また、前記制御部は、前記プランジャを前記ロック位置から前記非ロック位置に移動させることを決定した場合において、前記第1センサからの信号に基づいて前記ロックレバーが前記係合位置に位置していないと判断した場合には、エラーを報知するように構成されていてもよい。
これによれば、スライド部材がバネの付勢力で動かせない場合には、エラーを報知するので、ユーザにカバーのロック解除ができないことを気づかせることができる。
また、前記層転写装置は、前記プランジャの位置を検知する第2センサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記コイルに前記第1電流を流す指令を出力したにも関わらず、前記第2センサからの信号に基づいて、前記プランジャが前記ロック位置に位置していないと判断した場合には、エラーを報知するように構成されていてもよい。
これによれば、カバーをロックすべき場合(第1電流を流す指令を出力した場合)なのに、回路の故障などによってカバーをロックできない場合には、第2センサで検知してエラーを報知するので、カバーをロックすべき場合においてユーザが誤ってカバーを開けてしまうのを抑制することができる。
また、前記層転写装置は、前記筐体本体内の温度を検知する温度センサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記コイルに通電することで、前記プランジャを前記非ロック位置から前記ロック位置へ移動させる第1通電処理と、前記コイルに前記第1通電処理とは異なる処理で通電することで、前記プランジャを前記ロック位置から前記非ロック位置へ移動させる第2通電処理と、を実行可能であり、前記温度が第1温度以上である場合に、前記第1通電処理を実行し、前記温度が第2温度未満である場合に、前記第2通電処理を実行してもよい。
これによれば、温度が第1温度以上である場合には、カバーがロックされるので、ユーザが筐体本体内の高温の部材に触れてしまうのを抑制することができる。
また、前記層転写装置は、複数の層からなる多層フィルムの少なくとも一層をシート上のトナー像に転写する層転写処理を実行可能な制御部を備え、前記制御部は、前記層転写処理を開始する場合には、前記筐体本体内の温度に関係なく、前記コイルに通電して、前記プランジャを前記非ロック位置から前記ロック位置へ移動させるように構成されていてもよい。
これによれば、層転写処理を開始するときには、筐体本体内の温度に関わらず、カバーがロックされるので、例えば層転写処理中にカバーが開けられることによって、ユーザが誤って回転中の部材に触れてしまうのを抑制することができる。
また、本発明に係る層転写装置は、開口を有する筐体本体と、前記開口を閉じる閉位置と前記開口を開放する開位置との間で移動可能なカバーと、前記カバーを前記閉位置でロックするロック位置と、前記ロックを解除する非ロック位置との間で移動可能なラックギヤと、前記ラックギヤと噛み合う切替ギヤと、通電により、前記切替ギヤを所定の方向に回転させる第1駆動力と前記切替ギヤを前記所定の方向とは逆向きに回転させる第2駆動力を発生するステッピングモータと、を備える。
前記ラックギヤは、前記非ロック位置において前記ステッピングモータが前記第1駆動力を発生した場合に、前記ロック位置に向けて移動し、前記ロック位置において前記ステッピングモータが前記第2駆動力を発生した場合に、前記非ロック位置に向けて移動する。
この構成によれば、ステッピングモータに通電し続けなくても、ラックギヤの位置をロック位置または非ロック位置に保持することができるので、例えば、ラックギヤをロック位置から非ロック位置に切り替えた後に電源がOFFにされた場合であっても、ラックギヤを非ロック位置に保持することができる。そのため、ラックギヤ(可動部材)が非ロック位置に位置する状態で、電源がOFFされたとしても、ユーザがカバーを開けることができる。
本発明によれば、カバーをロックするための可動部材(プランジャ、ラックギヤ)をロック位置と非ロック位置とに通電により切り替えることが可能な構造において、可動部材が非ロック位置に位置する状態で、電源がOFFされたとしても、ユーザがカバーを開けることができる。
本発明の一実施形態に係る層転写装置を示す図である。 層転写装置のカバーを開けた状態を示す図である。 ロックレバーを示す斜視図である。 ロックレバー周りの構造を示す側面図であり、ロックレバーが係合位置に位置する状態を示す図(a)と、ロックレバーが係合位置から僅かにずれた状態を示す図(b)と、ロックレバーが非係合位置に位置する状態を示す図(c)である。 ロック状態であるときのロックレバー規制機構を示す側面図である。 ソレノイドの構造を示す図であり、プランジャをロック位置に移動させるときの状態を示す図(a)と、プランジャをロック位置に保持するときの状態を示す図(b)と、プランジャを非ロック位置に移動させるときの状態を示す図(c)である。 ロック解除状態であるときのロックレバー規制機構を示す側面図である。 制御部の動作を示すフローチャートである。 第1通電処理を示すフローチャートである。 第2通電処理を示すフローチャートである。 ロックレバー規制機構の変形例を示す図である。
次に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、層転写装置の全体構成を簡単に説明した後、本願発明の特徴部分の構成について説明する。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1の右側を「前」とし、図1の左側を「後」とし、図1の紙面手前側を「左」とし、図1の紙面奥側を「右」とする。また、図1の上下を「上下」とする。
図1に示すように、層転写装置1は、例えばレーザプリンタ等の画像形成装置でシートSにトナー像を形成した後、シートSのトナー像の上に金箔等の箔を転写するための装置である。つまり、層転写装置1は、シートSのトナー像の上に箔を転写することで、シートSに箔の画像を形成している。層転写装置1は、筐体2と、シートトレイ3と、シート搬送部10と、フィルム供給部30と、転写部50とを備えている。
筐体2は、樹脂などからなり、筐体本体21と、カバー22とを備えている。筐体本体21は、上部に開口21A(図2参照)を有している。開口21Aは、筐体本体21に後述するフィルムユニットFUを着脱するための開口である。カバー22は、開口21Aを開閉するための部材である。カバー22の後端部は、筐体本体21に回動可能に支持されている。カバー22は、開口21Aを閉じる閉位置(図1の位置)と、開口21Aを開放する開位置(図2の位置)との間で回動可能となっている。
カバー22は、筐体本体21に係合可能なロックレバー81を備えている。ロックレバー81は、カバー22の前端部に位置している。なお、ロックレバー81については、後で詳述する。
シートトレイ3は、用紙、OHPフィルム等のシートSが載置されるトレイである。シートトレイ3は、筐体2の後部に設けられている。なお、シートSは、トナー像が形成された面を下向きにしてシートトレイ3上に載置される。
シート搬送部10は、シート供給機構11と、シート排出機構12とを備えている。シート供給機構11は、シートトレイ3上のシートSを一枚ずつ転写部50に向けて搬送する機構である。シート供給機構11は、ピックアップローラと搬送ローラを備えている。
シート排出機構12は、転写部50を通過したシートSを筐体2の外部に排出する機構である。シート排出機構12は、複数の搬送ローラを備えている。
フィルム供給部30は、シート供給機構11から搬送されたシートSに重ねるように多層フィルムFを供給する部分である。フィルム供給部30は、フィルムユニットFUと、図示せぬモータ等の駆動源を備えている。
フィルムユニットFUは、図2に示すように、後述する供給リール31の軸方向に直交する方向において、開口21Aを通過して筐体本体21に着脱可能となっている。フィルムユニットFUは、供給リール31と、巻取リール35とを備えている。供給リール31には、多層フィルムFが巻回されている。
多層フィルムFは、複数の層からなるフィルムである。詳しくは、多層フィルムFは、
支持層と、被支持層とを有する。支持層は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層を支持している。被支持層は、例えば、剥離層と、転写層と、接着層とを有する。剥離層は、支持層から転写層を剥離しやすくするための層であり、支持層と転写層との間に配置されている。剥離層は、支持層から剥離しやすい透明な材料、例えばワックス系樹脂を含んでいる。
転写層は、トナー像に転写される層であり、箔を含んでいる。箔とは、金、銀、銅、アルミニウム等の金属であって薄く延された金属である。また、転写層は、金色、銀色、赤色などの着色材料と、熱可塑性樹脂とを含む。転写層は、剥離層と接着層との間に配置されている。接着層は、転写層をトナー像に接着しやすくするための層である。接着層は、後述する転写部50によって加熱されたトナー像に付着しやすい材料、例えば塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂を含んでいる。
供給リール31は、樹脂などからなり、多層フィルムFが巻回される供給軸部31Aを有している。供給軸部31Aには、多層フィルムFの一端が固定されている。多層フィルムFは、支持層を外側、被支持層を内側にして、供給リール31に巻回されている。
巻取リール35は、樹脂などからなり、多層フィルムFを巻き取るための巻取軸部35Aを有している。巻取軸部35Aには、多層フィルムFの他端が固定されている。多層フィルムFは、支持層を外側、被支持層を内側にして、巻取リール35に巻回されている。
なお、図1等においては、便宜上、供給リール31および巻取リール35の両方に多層フィルムFが最大に巻回された状態を図示することとする。実際には、フィルムユニットFUが新品の状態においては、供給リール31に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最大となっており、巻取リール35には多層フィルムFが巻回されていない、もしくは、巻取リール35に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最小となっている。また、フィルムユニットFUの寿命時(多層フィルムFを使い切ったとき)においては、巻取リール35に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最大となり、供給リール31には多層フィルムFが巻回されていない、もしくは、供給リール31に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最小となる。
フィルムユニットFUを層転写装置1に装着した状態において、巻取リール35は、図示せぬ駆動源によって図示反時計回りに回転駆動される。巻取リール35が回転すると、供給リール31に巻回された多層フィルムFが引き出され、引き出された多層フィルムFが巻取リール35に巻き取られていく。詳しくは、箔転写中において、後述する加圧ローラ51と加熱ローラ61によって多層フィルムFが送り出されることで、供給リール31から多層フィルムFが引き出される。そして、加圧ローラ51と加熱ローラ61から送り出された多層フィルムFが、巻取リール35に巻き取られていく。
転写部50は、シートSと多層フィルムFを重ねた状態で加熱および加圧することで、シートSに形成されたトナー像の上に転写層を転写するための部分である。転写部50は、加圧ローラ51と、加熱ローラ61とを備えている。転写部50は、加圧ローラ51と加熱ローラ61のニップ部において、シートSと多層フィルムFを重ねて加熱および加圧する。
加圧ローラ51は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ51は、多層フィルムFの上側に配置され、シートSの裏面(トナー像が形成された面と反対側の面)と接触可能となっている。
加圧ローラ51は、両端部がカバー22に回転可能に支持されている。加圧ローラ51は、加熱ローラ61との間でシートSおよび多層フィルムFを挟み、図示せぬ駆動源によって回転駆動されることで加熱ローラ61を従動回転させる。
加熱ローラ61は、円筒状に形成された金属管の内部にヒータを配置したローラであり、多層フィルムFおよびシートSを加熱している。加熱ローラ61は、多層フィルムFの下側に配置され、多層フィルムFと接触している。
なお、本実施形態では、加熱ローラ61を多層フィルムFに対して接触・離間させるための接離機構70によって加熱ローラ61を移動させている。接離機構70は、カバー22を閉じている状態においては、シートSが転写部50に供給されるタイミングに合わせて加熱ローラ61を、多層フィルムFに接触する接触位置に移動させている。また、接離機構70は、カバー22が開けられた場合や、転写部50においてシートSに箔転写を行わない場合には、加熱ローラ61を、多層フィルムFから離間する離間位置に位置させている。
このように構成された層転写装置1では、シートSの表面を下向きにしてシートトレイ3に載置されたシートSが、シート供給機構11により一枚ずつ転写部50に向けて搬送される。シートSは、転写部50のシート搬送方向における上流側で、供給リール31から供給された多層フィルムFと重ねられ、シートSのトナー像と多層フィルムFが接触した状態で転写部50に搬送される。
転写部50においては、シートSと多層フィルムFが加圧ローラ51と加熱ローラ61の間のニップ部を通過する際に、加熱ローラ61と加圧ローラ51により加熱および加圧され、トナー像の上に箔が転写される。転写部50の下流側において、多層フィルムFは、シートSから剥離される。
シートSから剥離された多層フィルムFは、巻取リール35に巻き取られていく。一方、多層フィルムFが剥離されたシートSは、シート排出機構12によって、箔が転写された表面を下に向けた状態で、筐体2の外部に排出される。
層転写装置1は、温度センサSaと、制御部100とをさらに備えている。温度センサSaは、筐体本体21内の温度を検知するセンサである。
制御部100は、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、ROM等に記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。なお、制御部100の動作については、後で詳述する。
図3に示すように、ロックレバー81は、円筒状のシャフト82の両端に1つずつ設けられている。シャフト82は、カバー22に回動可能に支持されている。シャフト82の軸方向中央部には、ユーザによって操作されるハンドル83が設けられている。各ロックレバー81およびハンドル83は、シャフト82に固定されている。これにより、ユーザがハンドル83を回動させると、シャフト82とともに各ロックレバー81が回動するようになっている。
図4(a)に示すように、ロックレバー81は、先端部がフック形状となっており、先端部が筐体本体21に設けられるロックピンRPに係合可能となっている。ロックレバー81は、カバー22が閉位置に位置する状態において、ロックピンRPに係合可能な係合位置(図4(a)の位置)と、ロックピンRPから外れる非係合位置(図4(c)の位置)とに移動可能となっている。
筐体本体21は、第1センサSbと、第2回動部材84と、第2センサScとをさらに備えている。第1センサSbは、ロックレバー81が係合位置に位置することを検知するためのセンサである。
第1センサSbは、ロックレバー81の先端部に接触可能なアーム部Sb1を有している。第1センサSbは、アーム部Sb1が図4(a)の位置に位置するときに、ロックレバー81が係合位置に位置することを示す信号を出力し、アーム部Sb1が図4(a)の位置から少しでもずれているときにロックレバー81が係合位置に位置しないことを示す信号を出力する機能を有している。
ここで、ロックレバー81の先端部は、例えばロックレバー81の中央部に比べ、ロックレバー81の回動中心から離れている。これにより、ロックレバー81の先端部は、ロックレバー81が所定量回動したときにおいて、中央部よりも移動量が大きい。そのため、第1センサSbのアーム部Sb1をロックレバー81の先端部に接触可能な位置に配置することで、ロックレバー81が係合位置から僅かに動いた場合であっても、ロックレバー81が係合位置に位置していないことを示す信号を第1センサSbから出力することが可能となっている。
第2回動部材84は、図4(a)に示す第1位置と、図4(c)に示す第2位置との間で回動可能となっている。第2回動部材84は、ロックレバー81に接触可能な第1ボス84Aと、後述するスライド部材92に接触可能な第2ボス84B(図4(b)参照)とを有している。第2回動部材84は、ロックレバー81が係合位置から非係合位置に向けて移動する際に、ロックレバー81が第1ボス84Aに係合することで、第1位置から第2位置へ移動可能となっている。
詳しくは、ロックレバー81は、第1ボス84Aと接触可能な第1面81Aおよび第2面81Bを有している。第1面81Aは、第2面81Bよりもロックレバー81の回動中心の近くに位置している。第2面81Bは、第1面81Aから第1面81Aとは異なる角度で延びている。ロックレバー81が所定角度回動したときにおいて、第1面81Aによって第1ボス84Aを押し出す量は、第2面81Bによって第1ボス84Aを押し出す量よりも大きくなるように、第1面81Aおよび第2面81Bの角度が設定されている。
第2回動部材84は、図示せぬトーションバネによってロックレバー81に向けて付勢されている。これにより、ロックレバー81が非係合位置から係合位置に移動する際に、第2回動部材84は、第1ボス84Aが第1面81Aまたは第2面81Bで支えられながら、トーションバネの付勢力によって第2位置から第1位置に移動する。
スライド部材92は、図4(a),(b)に示すロック位置と、図4(c)に示す非ロック位置との間で直線的に移動可能となっている。図4(b)に示すように、スライド部材92は、ロック位置において、第2回動部材84の第2ボス84Bと接触することで、第2回動部材84の第1位置から前記第2位置に向かう移動を規制している。また、図4(c)に示すように、スライド部材92は、非ロック位置において、第2回動部材84の第2ボス84Bから離れることで、第2回動部材84の第1位置から第2位置に向かう移動を許容している。
これにより、スライド部材92は、ロック位置において、ロックレバー81の係合位置から非係合位置に向かう移動を、第2回動部材84を介して規制している。また、スライド部材92は、非ロック位置において、ロックレバー81の係合位置から非係合位置に向かう移動を許容している。
図4(a)に示すように、スライド部材92がロック位置に位置し、かつ、ロックレバー81が係合位置に位置するときには、第2回動部材84の第2ボス84Bとスライド部材92の間には、隙間が空いている。これにより、スライド部材92をロック位置と非ロック位置との間で直動させるときに、第2ボス84Bがスライド部材92の直動の妨げとならず、スライド部材92をスムーズに動かすことが可能となっている。また、このような隙間が形成されることで、係合位置に位置するロックレバー81は、ユーザの操作によって僅かに回動することが可能となっている。なお、このようにロックレバー81が係合位置から僅かに動いた場合には、前述したように、ロックレバー81が係合位置に位置していないことを示す信号を第1センサSbから出力される。
第2センサScは、スライド部材92の位置を検知するためのセンサである。なお、スライド部材92は、後述するプランジャ91Aと連動しているため、第2センサScは、スライド部材92の位置を検知することで、プランジャ91Aの位置も間接的に検知している。第2センサScは、光センサであり、光を出射する発光部Sc1と、発光部Sc1からの光を受光可能な受光部Sc2とを有している。スライド部材92は、ロック位置において、発光部Sc1と受光部Sc2との間に位置する被検知部92Aを有している。被検知部92Aは、スライド部材92がロック位置から非ロック位置に移動すると、発光部Sc1と受光部Sc2との間から外れるように構成されている。
第2センサScは、発光部Sc1の光が被検知部92Aで遮られることで受光部Sc2に光が入力されていないときに、スライド部材92がロック位置に位置することを示す信号を出力する。また、第2センサScは、発光部Sc1と受光部Sc2との間から被検知部92Aが外れることで受光部Sc2に光が入力されているときに、スライド部材92がロック位置に位置していないことを示す信号を出力する。詳しくは、第2センサScは、スライド部材92が、ロック位置から所定距離だけ非ロック位置側にずれた位置(光が被検知部92Aから外れた位置)から非ロック位置までの間の各位置において、ロック位置に位置していないことを示す信号を出力する。
図5に示すように、筐体本体21は、ロックレバー81が係合位置から非係合位置に向けて移動することを規制または許容するためのロックレバー規制機構90をさらに備えている。ロックレバー規制機構90は、ソレノイド91と、前述したスライド部材92と、第1回動部材93とを備えている。図6(a)に示すように、ソレノイド91は、磁性体からなるプランジャ91Aと、プランジャ91Aを移動可能に支持するハウジング91Bと、ハウジング91B内に設けられるコイル91Cおよび永久磁石91Dと、を備えている。
図6(a)に示すように、プランジャ91Aは、円柱状に形成され、実線で示す内方位置と、二点鎖線で示す、内方位置と前記内方位置よりも外方に位置する外方位置との間で軸方向に移動可能となっている。プランジャ91Aの一端部には、第1回動部材93(図5参照)と係合可能な係合溝A1が形成されている。なお、本実施形態では、後述するように、プランジャ91Aが内方位置に位置するときにカバー22が閉位置でロックされ、プランジャ91Aが外方位置に位置するときにカバー22のロックが解除されることとする。つまり、本実施形態では、プランジャ91Aは、内方位置においてロック位置に位置し、外方位置において非ロック位置に位置する。
永久磁石91Dは、プランジャ91Aをロック位置に保持する磁力を発生している(図6(b)参照)。つまり、永久磁石91Dは、コイル91Cに通電されていないときに、内方位置に位置するプランジャ91Aを、外方位置へ向かうのを規制する磁力で保持する。
コイル91Cは、通電により磁力を発生する部材である。コイル91Cは、第1電流が流されたときに、図6(a)に示すような所定の向きの第1磁力を発生し、この第1磁力と永久磁石91Dの磁力とを合わせた合力によって、プランジャ91Aをロック位置に移動させることが可能となっている。また、コイル91Cは、第1電流とは逆向きの第2電流が流されたときに、図6(c)に示すような、所定の向きとは反対向きの第2磁力を発生し、永久磁石91Dの磁力を打ち消すことが可能となっている。
図5および図7に示すように、第1回動部材93は、図5に示すロック位置と、図7に示す非ロック位置との間で、回動可能となっている。第1回動部材93は、プランジャ91Aの係合溝A1に係合する係合片93Aを有している。第1回動部材93は、係合片93Aが係合溝A1に係合することで、プランジャ91Aに連結され、プランジャ91Aと連動可能となっている。
第1回動部材93および第2回動部材84は、同一の回動軸X1を中心に回動可能となっている。第1回動部材93は、回動軸X1からスライド部材92に向けて延びている。第1回動部材93のスライド部材92側の端部には、長孔形状の係合穴93Bが形成されている。
スライド部材92は、第1回動部材93の係合穴93Bに係合する第1突起92Bを有している。スライド部材92は、第1突起92Bが係合穴93Bに係合することで、第1回動部材93に連結され、第1回動部材93と連動可能となっている。これにより、第1回動部材93とスライド部材92は、プランジャ91Aの移動に連動して、それぞれのロック位置または非ロック位置に移動可能となっている。
そして、プランジャ91A、スライド部材92および第1回動部材93がそれぞれ図5に示すロック位置に位置するときには、ロックレバー81が係合位置から非係合位置に移動することが規制されるので、カバー22は閉位置でロックされる。また、スライド部材92および第1回動部材93がそれぞれ図7に示す非ロック位置に位置するときには、ロックレバー81が係合位置から非係合位置に移動することが許容されるので、カバー22の閉位置へのロックが解除される。
スライド部材92は、筐体本体21に形成された長孔21Hに係合する第2突起92Cをさらに有している。スライド部材92は、バネの一例としてのコイルバネ94によって非ロック位置に向けて付勢されている。つまり、コイルバネ94は、スライド部材92および第1回動部材93を介してプランジャ91Aを非ロック位置(外方位置)に向けて付勢している。コイルバネ94は、一端が筐体本体21に設けられるバネ支持部21Sで支持され、他端がスライド部材92に接触している。
スライド部材92は、非ロック位置において、コイルバネ94の付勢力によって、第2突起92Cが長孔21Hの一端に接触することで、非ロック位置に保持される。つまり、長孔21H、詳しくは長孔21Hが形成される筐体本体21のフレームは、コイルバネ94の付勢力によるプランジャ91Aの移動を規制する規制部に相当する。また、コイルバネ94と、長孔21H、詳しくは長孔21Hが形成される筐体本体21のフレームは、ソレノイド91のコイル91Cに通電されていないときにスライド部材92を非ロック位置に保持する。つまり、コイルバネ94と長孔21Hは、外方位置に位置するプランジャ91Aを、内方位置へ向かうのを規制する保持力で保持する保持部材に相当する。
第1回動部材93の回動軸X1から第1回動部材93とプランジャ91Aの連結部分(係合片93A)までの距離は、回動軸X1から第1回動部材93とスライド部材92の連結部分(第1突起92B)までの距離よりも小さい。これにより、プランジャ91Aのストロークに対して、スライド部材92のストロークを大きくすることが可能となっている。
以上のように構成されるロックレバー規制機構90の動作について説明する。
図6(c)に示すように、プランジャ91Aが非ロック位置に位置する状態において、コイル91Cに第1電流が流れると、コイル91Cの第1磁力と永久磁石91Dの磁力の合力によってプランジャ91Aが図6(a)に示すロック位置に向けて移動する。この際、プランジャ91Aは、図7に示すスライド部材92および第1回動部材93を介して伝わってくるコイルバネ94の付勢力に抗して移動する。
プランジャ91Aが図6(a)に示すロック位置に到達した後、コイル91Cへの通電を切ると、図6(b)に示すように、永久磁石91Dによってプランジャ91Aがロック位置に保持される。詳しくは、永久磁石91Dによってプランジャ91Aをロック位置に保持する力は、コイルバネ94の付勢力よりも大きく設定されており、これにより、プランジャ91A、スライド部材92および第1回動部材93が、図5に示すロック位置に保持される。
図6(b)に示すように、プランジャ91Aがロック位置に保持された状態において、コイル91Cに第1電流とは逆向きの第2電流が流れると、図6(c)に示すように、コイル91Cの第1磁力とは逆向きの第2磁力によって永久磁石91Dの磁力が打ち消される。これにより、コイルバネ94によってプランジャ91A、スライド部材92および第1回動部材93がロック位置から非ロック位置に向けて移動する。プランジャ91A、スライド部材92および第1回動部材93が非ロック位置に到達した後は、スライド部材92の第2突起92Cが長孔21Hの一端に接触することで、プランジャ91A、スライド部材92および第1回動部材93が非ロック位置に保持される。なお、この状態において、コイル91Cの通電を切っても、永久磁石91Dのみではコイルバネ94の付勢力に打ち負けてプランジャ91Aをロック位置に引き込むことができないため、プランジャ91A、スライド部材92および第1回動部材93が非ロック位置に保持される。
次に、制御部100の動作について図8~図10を参照して説明する。制御部100は、層転写装置1の電源がONされている間、常時図8に示す処理を繰り返し実行している。
図8に示す処理において、制御部100は、まず、温度センサSaから受ける信号に基づき、筐体本体21内の温度を検出する(S1)。ステップS1の後、制御部100は、温度が所定温度以上であるか否かを判断する(S2)。
ステップS2において温度が所定温度以上であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、第2センサScからの信号に基づいて、スライド部材92が非ロック位置に位置するか否かを判断する(S3)。
ステップS3においてスライド部材92が非ロック位置に位置すると判断した場合には(Yes)、制御部100は、第1通電処理を実行して(S4)、ステップS7の処理に進む。ここで、第1通電処理は、コイル91Cに通電することで、プランジャ91A等を非ロック位置からロック位置へ移動させる処理である。なお、第1通電処理については、後で詳述する。ステップS3においてスライド部材92が非ロック位置に位置しないと判断した場合には(No)、制御部100は、ステップS4を飛ばしてステップS7の処理に進む。
ステップS2において温度が所定温度未満であると判断した場合には(No)、制御部100は、第2センサScからの信号に基づいて、スライド部材92がロック位置に位置するか否かを判断する(S5)。ステップS5においてスライド部材92がロック位置に位置すると判断した場合には(Yes)、制御部100は、第2通電処理を実行して(S6)、ステップS7の処理に進む。ここで、第2通電処理は、コイル91Cに第1通電処理とは異なる処理で通電することで、プランジャ91A等をロック位置から非ロック位置へ移動させる処理である。なお、第2通電処理については、後で詳述する。ステップS5においてスライド部材92がロック位置に位置しないと判断した場合には(No)、制御部100は、ステップS6を飛ばしてステップS7の処理に進む。ここで、所定温度は、第1温度と第2温度の一例である。つまり、本実施形態では、第1温度と第2温度を、同じ値に設定している。なお、第1温度と第2温度は、これに限定されず、それぞれ異なる温度としてもよい。例えば、第2温度を第1温度よりも低い値に設定し、筐体本体21内の温度が第1温度以上となった場合に第1通電処理を実行し、第1通電処理を実行した後、第1温度以上であった筐体本体21内の温度が第2温度未満になった場合に第2通電処理を実行するようにしてもよい。
ステップS7において、制御部100は、層転写指令があるか否かを判断する。ステップS7において層転写指令がないと判断した場合には(No)、制御部100は、本処理を終了する。
ステップS7において層転写指令があると判断した場合には(Yes)、制御部100は、第2センサScからの信号に基づいて、スライド部材92が非ロック位置に位置するか否かを判断する(S8)。ステップS8においてスライド部材92が非ロック位置に位置すると判断した場合には(Yes)、制御部100は、第1通電処理を実行して、スライド部材92等を非ロック位置からロック位置に移動させる(S9)。
ステップS9の後、または、ステップS8でNoと判断した場合には、制御部100は、層転写処理を実行して(S10)、本処理を終了する。層転写処理において、制御部100は、シート搬送部10、フィルム供給部30および転写部50を制御することで、シートS上のトナー像に多層フィルムFの転写層を転写させる。
制御部100は、層転写指令を受けることで層転写処理を開始する場合には、ステップS8,S9の処理を実行することで、コイル91Cに第1電流を流す指令を出力したにも関わらずスライド部材92がロック位置に移動しない異常が発生している場合を除き、スライド部材92等を必ずロック位置に位置させる制御を実行する。つまり、制御部100は、層転写処理を開始する場合において、スライド部材92等がロック位置に位置しない場合には、筐体本体21内の温度に関係なく、コイル91Cに通電して、スライド部材92等を非ロック位置からロック位置へ移動させる。
図9に示す第1通電処理において、制御部100は、まず、コイル91Cに第1電流を流す指令を出力することで、コイル91Cに第1電流を流す(S21)。ステップS21の後、制御部100は、第2センサScから信号を取得して(S22)、この信号に基づいてスライド部材92がロック位置に位置するか否かを判断する(S23)。
ステップS23においてスライド部材92がロック位置に位置していないと判断した場合には(No)、制御部100は、エラーを報知して(S24)、本処理を終了する。つまり、制御部100は、コイル91Cに第1電流を流す指令を出力したにも関わらず(S21)、第2センサScからの信号に基づいて、スライド部材92(プランジャ91A)がロック位置に位置していないと判断した場合には(S23:No)、エラーを報知する(S24)。
ここで、制御部100がコイル91Cに第1電流を流す指令を出力したにも関わらず、スライド部材92がロック位置に移動しない異常が発生する原因としては、例えば、コイル91Cに電流を供給する回路の故障などが挙げられる。この場合、第1通電処理によってロックレバー規制機構90をロック状態にすべきであるのに、ロック状態にすることができないため、制御部100は、例えば「カバー22のロックを正常に行えませんでしたので、カバー22を開けないでください。」などといった、カバー22を開けないことをユーザに促すエラーメッセージを、画像や音声などによってユーザに報知する。
ステップS23においてスライド部材92がロック位置に位置すると判断した場合には(Yes)、ロックレバー規制機構90を正常にロック状態にすることができているので、制御部100は、エラーを報知することなく、第1通電処理を終了する。
図10に示す第2通電処理において、制御部100は、まず、第1センサSbから信号を取得して(S31)、この信号に基づいてロックレバー81が係合位置に位置するか否かを判断する(S32)。ステップS32においてロックレバー81が係合位置に位置していないと判断した場合には(No)、制御部100は、エラーを報知して(S36)、第2通電処理を終了する。つまり、制御部100は、スライド部材92等をロック位置から非ロック位置に移動させることを決定した場合(本実施形態では、図8に示すステップS2でNoと判断し、かつ、ステップS5でYesと判断した場合)において、第1センサSbからの信号に基づいてロックレバー81が係合位置に位置していないと判断した場合には、エラーを報知する。
ここで、ロックレバー81が係合位置に位置していない原因としては、例えば図4(b)に示すように、ユーザの操作によって、ロックレバー81が係合位置から僅かに傾いて第2回動部材84がスライド部材92に強く押し付けられていることが挙げられる。この場合には、コイル91Cに第2電流を流しても、スライド部材92が第2回動部材84との摩擦で動かないことがある。そのため、制御部100は、例えば「カバー22のロックを解除できないおそれがあるので、ハンドル83の操作をやめて、ハンドル83の向きを正しい向きに直してください。」などのエラーメッセージを、画像や音声などによってユーザに報知する。
ステップS32においてロックレバー81が係合位置に位置すると判断した場合には(Yes)、制御部100は、コイル91Cに第2電流を流す指令を出力することで、コイル91Cに第2電流を流す(S33)。つまり、制御部100は、スライド部材92等をロック位置から非ロック位置に移動させることを決定した場合には、第1センサSbからの信号に基づいてロックレバー81が係合位置に位置すると判断した場合に限り、コイル91Cに第2電流を流す指令を出力する。ステップS33において、制御部100は、コイル91Cに第1電流を流す指令を出力する処理とは異なる、コイル91Cに第2電流を流す指令を出力する処理で、コイル91Cに通電する。
ステップS33の後、制御部100は、第2センサScから信号を取得して(S34)、この信号に基づいてスライド部材92が非ロック位置に位置するか否かを判断する(S35)。ステップS35においてスライド部材92が非ロック位置に位置していないと判断した場合には(No)、制御部100は、エラーを報知して(S36)、第2通電処理を終了する。
ここで、制御部100がコイル91Cに第2電流を流す指令を出力したにも関わらず、スライド部材92が非ロック位置に移動しない異常が発生する原因としては、例えば、コイル91Cに電流を供給する回路の故障などが挙げられる。そのため、ステップS35でNoと判断した場合には、制御部100は、例えば「カバー22のロックの解除を正常に行えませんでした。」などのエラーメッセージを、画像や音声などによってユーザに報知する。
ステップS35においてスライド部材92が非ロック位置に位置していると判断した場合には(Yes)、ロックレバー規制機構90を正常にロック解除状態にすることができているので、制御部100は、エラーを報知することなく、第2通電処理を終了する。
次に、制御部100およびロックレバー規制機構90の動作の一例について説明する。
筐体本体21内の温度が所定温度以上である場合には、制御部100は、ステップS3,S4の処理を実行することで、ロックレバー規制機構90をロック状態にする。詳しくは、制御部100は、筐体本体21内の温度が所定温度以上で、かつ、スライド部材92等が非ロック位置である場合には、第1通電処理を実行する。
これにより、図6(a)に示すように、コイル91Cに第1電流が流れるので、コイル91Cと永久磁石91Dの磁力によって、プランジャ91Aがロック位置に移動し、プランジャ91Aに連動して、スライド部材92等が図4(a)に示すロック位置に移動する。
スライド部材92等がロック位置に移動すると、制御部100は、ステップS3においてNoと判断するので、それ以後は、第1通電処理を実行しない。このように第1通電処理を実行しない状態、つまりコイル91Cへの通電を行わない状態では、永久磁石91Dによってプランジャ91A等がロック位置に保持されるので(図6(b)参照)、ロックレバー規制機構90がロック状態に維持される。
その後、筐体本体21内の温度が所定温度未満になると、制御部100は、ステップS2,S5でYesと判断して、第2通電処理を実行する(S6)。これにより、図6(c)に示すように、コイル91Cに第2電流が流れるので、永久磁石91Dの磁力がコイル91Cの磁力で打ち消され、スライド部材92等が、コイルバネ94(図5参照)の付勢力によって、図4(c)に示す非ロック位置に移動して、ロックレバー81が係合位置から非係合位置に移動可能となる。
このようにスライド部材92等が非ロック位置に移動した後は、層転写装置1の電源がOFFされても、スライド部材92等は非ロック位置に位置したままの状態となる。つまり、図6(c)の状態から、コイル91Cへの通電が切れても、永久磁石91Dの磁力だけでは、コイルバネ94(図5参照)の付勢力に抗して、プランジャ91Aをロック位置へ引き込むことができないため、プランジャ91A等が非ロック位置に保持される。そのため、スライド部材92等の位置をロック位置から非ロック位置に切り替えた後に電源がOFFされても、コイルバネ94および長孔21Hによってスライド部材92等が非ロック位置に保持されるので、ユーザがカバー22を開けることができる。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
コイル91Cに通電し続けなくても、スライド部材92等をロック位置または非ロック位置に保持することができるので、スライド部材92等が非ロック位置に位置する状態で、電源がOFFされたとしても、ユーザがカバー22を開けることができる。
第1回動部材93の回動軸X1から第1回動部材93とプランジャ91Aの連結部分までの距離を、回動軸X1から第1回動部材93とスライド部材92の連結部分までの距離よりも小さくすることで、プランジャ91Aのストローク量に対してスライド部材92のストローク量を大きくすることができるので、ロックレバー81の移動の規制・解除をより良好に行うことができる。
ロックレバー81の動作に連動する第2回動部材84を、ロックレバー81とスライド部材92の間に介在させるので、ロックレバー81を大型化することなく、ロックレバー81の移動を第2回動部材84およびスライド部材92で良好に規制することができる。
ロックレバー81が係合位置に位置する場合に限って、制御部100が第2電流をコイル91Cに流す指令を出力するので、コイルバネ94によってスライド部材92を確実に非ロック位置に移動させることができる。
ロックレバー81が係合位置に位置していない場合、つまり、スライド部材92がコイルバネ94の付勢力で動かせない場合には、エラーを報知するので、ユーザにカバー22のロック解除ができないことを気づかせることができる。
カバー22をロックすべき場合(第1電流を流す指令を出力した場合)なのに、回路の故障などによってカバー22をロックできない場合には、第2センサScで検知してエラーを報知するので、カバー22をロックすべき場合においてユーザが誤ってカバー22を開けてしまうのを抑制することができる。
筐体本体21内の温度が所定温度以上である場合には、カバー22がロックされるので、ユーザが筐体本体21内の高温の部材に触れてしまうのを抑制することができる。
層転写処理を開始するときには、筐体本体21内の温度に関わらず、カバー22がロックされるので、例えば層転写処理中にカバー22が開けられることによって、ユーザが誤って回転中の部材に触れてしまうのを抑制することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、ロックレバー81および第2回動部材84の回動を規制するためのロックレバー規制機構を、プランジャ91A、スライド部材92および第1回動部材93で構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、ロックレバー規制機構として、実線で示すロック位置と、二点鎖線で示す非ロック位置との間で移動可能なラックギヤ210を備えた機構を用いてもよい。
具体的に、この形態に係るロックレバー規制機構200は、ラックギヤ210と、ステッピングモータ220と、ラックギヤ210と噛み合う切替ギヤ231と、ステッピングモータ220の駆動力を切替ギヤ231に伝達するギヤ232とで構成されている。ステッピングモータ220は、通電により、切替ギヤ231を所定の方向に回転させる第1駆動力と、切替ギヤ231を所定の方向とは逆向きに回転させる第2駆動力とを発生することが可能となっている。
ラックギヤ210は、非ロック位置においてステッピングモータ220が第1駆動力を発生した場合に、ロック位置に向けて移動する。また、ラックギヤ210は、ロック位置においてステッピングモータ220が第2駆動力を発生した場合に、非ロック位置に向けて移動する。この形態でも、ステッピングモータ220に通電されていないときに、ラックギヤ210の位置がロック位置または非ロック位置に保持されるので、例えば、ラックギヤ210をロック位置から非ロック位置に切り替えた後に電源がOFFにされた場合であっても、ラックギヤ210を非ロック位置に保持することができる。そのため、ラックギヤ210が非ロック位置に位置する状態で、電源がOFFされたとしても、ユーザがカバーを開けることができる。
なお、この形態では、ラックギヤ210は、磁性体でなくてもよい。
なお、カバー22を閉位置にロックまたはロックを解除するための機構は、前記実施形態で例示したようなソレノイドのプランジャのみで構成されていてもよい。この場合、プランジャを、カバーに形成した穴に抜き差しすることで、カバーのロック・解除を行うことができる。また、この場合、プランジャを図6(b)の位置から図6(c)の位置へ移動させるバネは、プランジャと、ソレノイドのハウジングとの間に設ければよい。
また、ロックレバー規制機構は、前記実施形態のような第1回動部材93を省いて、プランジャと、プランジャの先端に固定されるスライド部材とから構成することもできる。
前記実施形態では、永久磁石91Dの磁力によってプランジャ91A等をロック位置に保持し、コイルバネ94の付勢力などによってプランジャ91A等を非ロック位置に保持したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、これとは逆に、永久磁石の磁力によってプランジャ等を非ロック位置に保持し、コイルバネの付勢力などによってプランジャ等をロック位置に保持してもよい。つまり、プランジャは、内方位置において非ロック位置に位置し、外方位置においてロック位置に位置するように構成されていてもよい。
また、実施形態におけるコイルバネ94の代わりにスライド部材92を非ロック位置に移動させる磁力を発生するソレノイドを設けてもよい。この形態であっても、一方のソレノイドに第1電流を流し、他方のソレノイドに第2電流を流すことで、プランジャ等をロック位置に移動させることができる。また、この状態において、各ソレノイドの通電を切ると、一方のソレノイドの永久磁石によってプランジャ等をロック位置に保持することができる。同様に、各ソレノイドに前述とは逆の電流を流すことで、プランジャ等を非ロック位置に移動させることができ、その後、通電を切ると、他方のソレノイドの永久磁石によってプランジャ等を非ロック位置に保持することができる。
前記実施形態では、第2回動部材84をスライド部材92に接触させることで、ロックレバー81の移動を規制したが、本発明はこれに限定されず、第2回動部材84を設けずに、ロックレバー81をスライド部材92に接触させることで、ロックレバー81の移動を規制してもよい。
前記実施形態では、カバー22を回動可能にしたが、本発明はこれに限定されず、カバー22をスライド移動可能にしてもよい。
前記実施形態では、バネとしてコイルバネ94を例示したが、本発明はこれに限定されず、バネは、例えばトーションバネや板バネなどであってもよい。
前記実施形態では、規制部として長孔21Hを例示したが、本発明はこれに限定されず、規制部は、例えば突起などであってもよい。
前記実施形態では、ロックレバー81の動きに連動するアーム部Sb1を備える第1センサSbを例示したが、本発明はこれに限定されず、第1センサは、例えば、光センサであってもよい。また、前記実施形態では、第1センサSbを、ロックレバー81の位置を検出できる位置に設けたが、本発明はこれに限定されず、ロックレバー81と連動する部材(例えば第2回動部材84)の位置を検出できる位置に第1センサを設けてもよい。
前記実施形態では、第2センサScとして光センサを例示したが、本発明はこれに限定されず、第2センサは、例えば、前記実施形態の第1センサSbのような接触式のセンサなどであってもよい。また、前記実施形態では、第2センサScを、スライド部材92の位置を検出することで、プランジャ91Aの位置を間接的に検知するように構成したが、本発明はこれに限定されず、第2センサは、プランジャ91Aの位置を直接検知するセンサであってもよいし、第1回動部材93の位置を検出するセンサであってもよい。
前記実施形態では、第1センサSbとして、ロックレバー81が係合位置に位置するときと、位置しないときの両方のときに信号を出力するセンサを例示したが、本発明はこれに限定されず、ロックレバー81が係合位置に位置するときと、位置しないときのうち、一方のときには信号を出力し、他方のときには信号を出力しないセンサであってもよい。第2センサも、同様に、スライド部材92がロック位置に位置するときと、位置しないときのうち、一方のときには信号を出力し、他方のときには信号を出力しないセンサであってもよい。
前記実施形態では、レーザプリンタ等の画像形成装置とは別の装置として層転写装置1を構成したが、本発明はこれに限定されず、層転写装置は画像形成装置と一体に構成されていてもよい。
前記実施形態では、箔を含む転写層を例示したが、本発明はこれに限定されず、転写層は、例えば、箔や着色材料を含まず、熱可塑性樹脂から形成されていてもよい。
前記実施形態では、多層フィルムFを4層で構成したが、本発明はこれに限定されず、多層フィルムは、転写層と支持層を有していれば、層の数はいくつであってもよい。
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
1 層転写装置
21 筐体本体
21A 開口
21H 長孔
22 カバー
91 ソレノイド
91A プランジャ
91B ハウジング
91C コイル
91D 永久磁石
92 スライド部材
93 第1回動部材
94 コイルバネ

Claims (9)

  1. 開口を有する筐体本体と、
    前記開口を閉じる閉位置と前記開口を開放する開位置との間で移動可能なカバーと、
    ソレノイドであって、
    前記カバーを前記閉位置でロックするロック位置と、前記ロックを解除する非ロック位置との間で移動可能なプランジャと、
    前記プランジャを、内方位置と前記内方位置よりも外方に位置する外方位置との間で移動可能に支持するハウジングと、
    通電により磁力を発生するコイルと、
    前記内方位置に位置する前記プランジャを、前記外方位置へ向かうのを規制する磁力で保持する永久磁石と、を有するソレノイドと、
    前記外方位置に位置する前記プランジャを、前記内方位置へ向かうのを規制する保持力で保持する保持部材と、
    前記筐体本体内の温度を検知する温度センサと、
    制御部と、を備え、
    前記プランジャは、
    前記外方位置において前記コイルに第1電流が流れた場合に、前記コイルの第1磁力によって前記保持部材の保持力に抗して前記内方位置に向けて移動し、
    前記内方位置において前記コイルに前記第1電流とは逆向きの第2電流が流れた場合に、前記コイルの前記第1磁力とは逆向きの第2磁力によって前記永久磁石の磁力に抗して前記外方位置に向けて移動可能となり、
    前記制御部は、
    前記コイルに通電することで、前記プランジャを前記非ロック位置から前記ロック位置へ移動させる第1通電処理と、
    前記コイルに前記第1通電処理とは異なる処理で通電することで、前記プランジャを前記ロック位置から前記非ロック位置へ移動させる第2通電処理と、を実行可能であり、
    前記温度が第1温度以上である場合に、前記第1通電処理を実行し、
    前記温度が第2温度未満である場合に、前記第2通電処理を実行することを特徴とする層転写装置。
  2. 前記保持部材は、前記プランジャを前記外方位置に向けて付勢するバネと、前記バネの付勢力による前記プランジャの移動を規制する規制部と、を備え、
    前記プランジャは、
    前記外方位置において前記コイルに第1電流が流れた場合に、前記コイルの前記第1磁力によって前記バネの付勢力に抗して前記内方位置に向けて移動し、前記内方位置に到達した後、前記永久磁石によって前記内方位置に保持され、
    前記内方位置において前記コイルに前記第2電流が流れた場合に、前記コイルの前記第2磁力によって前記永久磁石の磁力が打ち消されることで、前記バネによって前記外方位置に向けて移動し、前記外方位置に到達した後、前記バネと前記規制部とによって前記外方位置に保持されることを特徴とする請求項1に記載の層転写装置。
  3. 前記プランジャは、
    前記内方位置において前記ロック位置に位置し、
    前記外方位置において前記非ロック位置に位置することを特徴とする請求項2に記載の層転写装置。
  4. 開口を有する筐体本体と、
    前記開口を閉じる閉位置と前記開口を開放する開位置との間で移動可能なカバーと、
    ソレノイドであって、
    前記カバーを前記閉位置でロックするロック位置と、前記ロックを解除する非ロック位置との間で移動可能なプランジャと、
    前記プランジャを、内方位置と前記内方位置よりも外方に位置する外方位置との間で移動可能に支持するハウジングと、
    通電により磁力を発生するコイルと、
    前記内方位置に位置する前記プランジャを、前記外方位置へ向かうのを規制する磁力で保持する永久磁石と、を有するソレノイドと、
    前記外方位置に位置する前記プランジャを、前記内方位置へ向かうのを規制する保持力で保持する保持部材と、
    前記プランジャの移動に連動して移動するスライド部材と、
    第1位置と第2位置との間で回動可能な第2回動部材と、を備え、
    前記プランジャは、
    前記外方位置において前記コイルに第1電流が流れた場合に、前記コイルの第1磁力によって前記保持部材の保持力に抗して前記内方位置に向けて移動し、
    前記内方位置において前記コイルに前記第1電流とは逆向きの第2電流が流れた場合に、前記コイルの前記第1磁力とは逆向きの第2磁力によって前記永久磁石の磁力に抗して前記外方位置に向けて移動可能となり、
    前記カバーは、前記閉位置に位置する状態において、前記筐体本体に係合可能な係合位置と、前記筐体本体から外れる非係合位置とに移動可能なロックレバーを備え、
    前記スライド部材は、
    前記プランジャが前記ロック位置に位置するときに、前記ロックレバーの前記係合位置から前記非係合位置に向かう移動を規制し、
    前記プランジャが前記非ロック位置に位置するときに、前記ロックレバーの前記係合位置から前記非係合位置に向かう移動を許容し、
    前記第2回動部材は、前記ロックレバーが前記係合位置から前記非係合位置に向けて移動する際に、前記ロックレバーと係合して、前記第1位置から前記第2位置へ移動可能であり、
    前記スライド部材は、
    前記プランジャが前記ロック位置に位置するときに、前記第2回動部材と接触することで、前記第2回動部材の前記第1位置から前記第2位置に向かう移動を規制し、
    前記プランジャが前記非ロック位置に位置するときに、前記第2回動部材から離れることで、前記第2回動部材の前記第1位置から前記第2位置に向かう移動を許容することを特徴とする層転写装置。
  5. 前記プランジャと前記スライド部材とに連結される、回動可能な第1回動部材を備え、
    前記第1回動部材の回動軸から前記第1回動部材と前記プランジャの連結部分までの距離は、前記回動軸から前記第1回動部材と前記スライド部材の連結部分までの距離よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の層転写装置。
  6. 前記ロックレバーが前記係合位置に位置することを検知する第1センサと、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記プランジャを前記ロック位置から前記非ロック位置に移動させることを決定した場合には、前記第1センサからの信号に基づいて前記ロックレバーが前記係合位置に位置すると判断した場合に限り、前記コイルに前記第2電流を流す指令を出力することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の層転写装置。
  7. 前記制御部は、
    前記プランジャを前記ロック位置から前記非ロック位置に移動させることを決定した場合において、前記第1センサからの信号に基づいて前記ロックレバーが前記係合位置に位置していないと判断した場合には、エラーを報知することを特徴とする請求項に記載の層転写装置。
  8. 前記プランジャの位置を検知する第2センサと、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記コイルに前記第1電流を流す指令を出力したにも関わらず、前記第2センサからの信号に基づいて、前記プランジャが前記ロック位置に位置していないと判断した場合には、エラーを報知することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の層転写装置。
  9. 複数の層からなる多層フィルムの少なくとも一層をシート上のトナー像に転写する層転写処理を実行可能な制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記層転写処理を開始する場合には、前記筐体本体内の温度に関係なく、前記コイルに通電して、前記プランジャを前記非ロック位置から前記ロック位置へ移動させることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の層転写装置。
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