JP7188142B2 - 層転写装置 - Google Patents
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Description
本発明は、加熱部材を備えた層転写装置に関する。
従来、加熱部材によってシートに画像を定着させる熱定着装置が知られている(特許文献1参照)。この熱定着装置は、幅方向に複数個に分割されたヒータを個別にON、OFFできるようになっており、シートの幅が狭いときには、端部付近のヒータをOFFするようになっている。
ところで、層転写装置においては、シートの幅を考慮してヒータを制御しても、定着させる層の幅を考慮しないと、ヒータで加熱部材をムダに加熱してしまう虞がある。
そこで、本発明は、層転写装置の加熱部材をムダに加熱してしまうことを抑制することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る層転写装置は、シートのトナー像が形成された面に複数の層からなる多層フィルムを重ね、トナー像の上に多層フィルムの少なくとも一層を転写する層転写を実行可能である。
層転写装置は、多層フィルムと接触して多層フィルムを加熱する加熱部材であって、多層フィルムの搬送方向と直交する多層フィルムの幅方向に沿って延びる加熱部材と、加熱部材を加熱する第1ヒータおよび第2ヒータとを有する加熱部と、制御部と、を備えている。
第1ヒータは、加熱部材の第1部分を、幅方向に第1部分と並ぶ加熱部材の第2部分よりも強く加熱する。第2ヒータは、第2部分を、第1部分よりも強く加熱する。
制御部は、層転写時に、第1ヒータを所定の消費電力で制御するとともに、第2ヒータを第1の消費電力または第1の消費電力より小さな第2の消費電力で制御し、多層フィルムおよびシートの両方が第2部分の表面上を通過する場合、第2ヒータを第1の消費電力で制御し、多層フィルムおよびシートのうち少なくとも一方が第2部分の表面上を通過しない場合、第2ヒータを第2の消費電力で制御する。
層転写装置は、多層フィルムと接触して多層フィルムを加熱する加熱部材であって、多層フィルムの搬送方向と直交する多層フィルムの幅方向に沿って延びる加熱部材と、加熱部材を加熱する第1ヒータおよび第2ヒータとを有する加熱部と、制御部と、を備えている。
第1ヒータは、加熱部材の第1部分を、幅方向に第1部分と並ぶ加熱部材の第2部分よりも強く加熱する。第2ヒータは、第2部分を、第1部分よりも強く加熱する。
制御部は、層転写時に、第1ヒータを所定の消費電力で制御するとともに、第2ヒータを第1の消費電力または第1の消費電力より小さな第2の消費電力で制御し、多層フィルムおよびシートの両方が第2部分の表面上を通過する場合、第2ヒータを第1の消費電力で制御し、多層フィルムおよびシートのうち少なくとも一方が第2部分の表面上を通過しない場合、第2ヒータを第2の消費電力で制御する。
この構成によれば、多層フィルムおよびシートのうち少なくとも一方が加熱部材の第2部分の表面上を通過しない場合、第2ヒータを第2の消費電力で制御するので、ヒータが加熱部材をムダに加熱してしまうことを抑制できる。
また、前記した層転写装置において、制御部は、第1信号を受けることで、多層フィルムが第2部分の表面上を通過すると判定し、第2信号を受けることで、多層フィルムが第2部分の表面上を通過しないと判定する構成としてもよい。
また、前記した層転写装置において、多層フィルムが第2部分の表面上を通過するか否かを検知可能なフィルムセンサを備え、フィルムセンサは、多層フィルムが、第1部分と第2部分とに跨って対面するように層転写装置に保持されている場合に第1信号を制御部に出力し、多層フィルムが、第2部分と対面せず、第1部分のみに対面するように層転写装置に保持されている場合に第2信号を制御部に出力する構成としてもよい。
これによれば、フィルムセンサによって多層フィルムが第2部分の表面上を通過する否かを検知可能であるため、ユーザが多層フィルムの大きさを入力する必要がなくなる。
また、前記した層転写装置は、第1フィルムカートリッジ、または、第2フィルムカートリッジを装着可能であり、第1フィルムカートリッジは、層転写装置に装着された状態において、多層フィルムが第1部分と第2部分とに跨って対面するように多層フィルムを保持しており、第2フィルムカートリッジは、層転写装置に装着された状態において、多層フィルムが第2部分と対面せず、第1部分のみに対面するように多層フィルムを保持しており、フィルムセンサは、第1フィルムカートリッジが装着された場合に第1信号を制御部に出力し、第2フィルムカートリッジが装着された場合に第2信号を制御部に出力する構成としてもよい。
また、前記した層転写装置において、シートの搬送方向において加熱部材の上流側に配置され、シートが第2部分の表面上を通過するか否かを検知可能なシートセンサを備える構成としてもよい。
これによれば、シートセンサによってシートが第2部分の表面上を通過する否かを検知可能であるため、ユーザがシートの大きさを入力する必要がなくなる。
また、前記した層転写装置において、制御部は、第1信号をフィルムセンサから受けた場合、シートの搬送を開始する前から第2ヒータの第1の消費電力による制御を開始し、シートの搬送を開始した後、シートが第2部分の表面上を通過しないことを示す信号をシートセンサから受けた場合、第2ヒータを第1の消費電力による制御から第2の消費電力による制御に切り替える構成としてもよい。
これによれば、シート搬送を開始する前から第2ヒータの第1消費電力による制御を開始するので、シート搬送を開始してから転写するまでの時間を短縮できる。また、シートが加熱部材の第2部分の表面上を通過しない場合には、第2ヒータを第2の消費電力による制御に切り替えるので、第2ヒータが加熱部材をムダに加熱してしまうことを抑制できる。
また、前記した層転写装置において、制御部は、第2信号をフィルムセンサから受けた場合、シートの搬送を開始する前から第2ヒータの第2の消費電力による制御を開始する構成としてもよい。
これによれば、第2信号を受けた場合、すなわち多層フィルムが加熱部材の第2部分の表面上を通過しない場合には、第2ヒータを第2の消費電力による制御とするので、加熱部材のムダな加熱を抑制できる。
また、前記した層転写装置において、制御部は、多層フィルムが第2部分の表面上を通過すると判定し、かつ、シートのうち搬送方向下流部分が第2部分の表面上を通過しないと判定することにより、第2ヒータを第2の消費電力とした後、下流部分が第2部分の表面上を通過しないと判定したシートのうち搬送方向上流部分が第2部分の表面上を通過すると判定した場合、第2ヒータの制御を第2の消費電力による制御から第1の消費電力による制御に切り替える構成としてもよい。
これによれば、例えば、搬送方向下流部分の幅が狭く、搬送方向上流側の幅が広い形状のシートが搬送された場合であっても、制御部が第2の消費電力による制御から第1の消費電力による制御に切り替えるので、シートの幅が広い部分の加熱が弱くなることを抑制できる。
また、前記した層転写装置において、制御部は、多層フィルムが第2部分の表面上を通過すると判定し、かつ、シートが第2部分の表面上を通過しないと判定した場合、第2ヒータを第2の消費電力とし、第2ヒータを第2の消費電力とした後で、シートの層転写が終了した後に搬送されてきた他のシートが第2部分の表面上を通過しないと判定した場合、前記他のシートの搬送が終了する前に次のシートの搬送を開始し、第2ヒータを第2の消費電力とした後で、他のシートが第2部分の表面上を通過すると判定した場合、前記他のシートの搬送が終了する前に次のシートの搬送を開始するのを禁止する構成としてもよい。
これによれば、幅の狭いシートを層転写した後に、幅の広い他のシートが搬送されてきた場合、次のシートを搬送しないので、次のシートに対する層転写不良を抑制できる。
また、前記した層転写装置において、第1部分は、幅方向における加熱部材の中央部であり、第2部分は、幅方向における加熱部材の両端部である構成としてもよい。
本発明によれば、層転写装置の加熱部材のムダな加熱を抑制できる。
本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1の右側を「前」とし、図1の左側を「後」とし、図1の紙面手前側を「左」とし、図1の紙面奥側を「右」とする。また、図1の上下を「上下」とする。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1の右側を「前」とし、図1の左側を「後」とし、図1の紙面手前側を「左」とし、図1の紙面奥側を「右」とする。また、図1の上下を「上下」とする。
図1に示すように、層転写装置1は、例えばレーザプリンタ等の画像形成装置でシートSにトナー像を形成した後、シートのトナー像が形成された面に複数の層からなる多層フィルムを重ね、トナー像の上に多層フィルムの少なくとも一層を転写する層転写を実行可能である。層転写装置1は、筐体2と、シートトレイ3と、シート搬送部10と、フィルム供給部30と、転写部50と、制御部80とを備えている。
筐体2は、樹脂などからなり、筐体本体21と、カバー22とを備えている。
筐体本体21は、上部に開口21A(図2参照)を有している。開口21Aは、後述するフィルムユニットFUが通過可能な大きさを有している。
また、筐体本体21は、後述するように、フィルムユニットFUを着脱可能に保持する第1保持部GD1と第2保持部GD2を有する。詳細には、第1保持部GD1は、後述するボス111Cを保持し、第2保持部GD2は、後述する巻取リール35を保持する。
カバー22は、開口21Aを開閉するための部材である。カバー22の後端部は、筐体本体21に回動可能に支持されている。カバー22は、開口21Aを閉じる閉位置(図1の位置)と、開口21Aを開放する開位置(図2の位置)との間で回動可能となっている。
筐体本体21は、上部に開口21A(図2参照)を有している。開口21Aは、後述するフィルムユニットFUが通過可能な大きさを有している。
また、筐体本体21は、後述するように、フィルムユニットFUを着脱可能に保持する第1保持部GD1と第2保持部GD2を有する。詳細には、第1保持部GD1は、後述するボス111Cを保持し、第2保持部GD2は、後述する巻取リール35を保持する。
カバー22は、開口21Aを開閉するための部材である。カバー22の後端部は、筐体本体21に回動可能に支持されている。カバー22は、開口21Aを閉じる閉位置(図1の位置)と、開口21Aを開放する開位置(図2の位置)との間で回動可能となっている。
シートトレイ3は、用紙、OHPフィルム等のシートSが載置されるトレイである。シートトレイ3は、筐体2の後部に設けられている。なお、シートSは、トナー像が形成された面を下向きにしてシートトレイ3上に載置される。
シート搬送部10は、シート供給機構11と、シート排出機構12とを備えている。シート供給機構11は、シートトレイ3上のシートSを一枚ずつ転写部50に向けて搬送する機構である。シート供給機構11は、供給ローラ11Aとリタードローラ11Bを備えている。供給ローラ11Aは、シートトレイ3上のシートSを転写部50に向けて搬送する。リタードローラ11Bは、供給ローラ11Aに対向している。リタードローラ11Bは、シートを戻す方向に回転してシートSを一枚ずつに分離する。
シート排出機構12は、転写部50を通過したシートSを筐体2の外部に排出する機構である。シート排出機構12は、複数の搬送ローラを備えている。
フィルム供給部30は、シート供給機構11から搬送されたシートSに重ねるように多層フィルムFを供給する部分である。フィルム供給部30は、フィルムユニットFUと、モータ等の駆動源(図示せず)を備えている。
フィルムユニットFUは、図2に示すように、後述する供給リール31の軸方向に直交する方向において、開口21Aを通過して筐体本体21に着脱可能となっている。図1に示すように、フィルムユニットFUは、多層フィルムFと、供給リール31と、巻取リール35と、第1案内軸41と、第2案内軸42と、第3案内軸43とを備えている。
多層フィルムFは、複数の層からなるフィルムである。詳しくは、多層フィルムFは、
支持層と、被支持層とを有する。支持層は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層を支持している。被支持層は、例えば、剥離層と、転写層と、接着層とを有する。剥離層は、支持層から転写層を剥離しやすくするための層であり、支持層と転写層との間に配置されている。
支持層と、被支持層とを有する。支持層は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層を支持している。被支持層は、例えば、剥離層と、転写層と、接着層とを有する。剥離層は、支持層から転写層を剥離しやすくするための層であり、支持層と転写層との間に配置されている。
転写層は、トナー像に転写される層であり、箔を含んでいる。箔とは、金、銀、銅、アルミニウム等の金属であって薄く延された金属である。転写層は、剥離層と接着層との間に配置されている。接着層は、転写層をトナー像に接着しやすくするための層である。
供給リール31は、樹脂などからなり、多層フィルムFが巻回される供給軸部31Aを有している。供給軸部31Aには、多層フィルムFの一端が固定されている。多層フィルムFは、支持層を外側、被支持層(転写層)を内側にして、供給リール31に巻回されている。
巻取リール35は、樹脂などからなり、多層フィルムFを巻き取るための巻取軸部35Aを有している。巻取軸部35Aには、多層フィルムFの他端が固定されている。多層フィルムFは、支持層を外側、被支持層(転写層)を内側にして、巻取リール35に巻回されている。
なお、図1等においては、便宜上、供給リール31および巻取リール35の両方に多層フィルムFが最大に巻回された状態を図示することとする。実際には、フィルムユニットFUが新品の状態においては、供給リール31に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最大となっており、巻取リール35には多層フィルムFが巻回されていない、もしくは、巻取リール35に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最小となっている。また、フィルムユニットFUの寿命時(多層フィルムFを使い切ったとき)においては、巻取リール35に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最大となり、供給リール31には多層フィルムFが巻回されていない、もしくは、供給リール31に巻回されたロール状の多層フィルムFの径は最小となる。
第1案内軸41は、供給リール31から引き出される多層フィルムFの進行方向を変更するための軸である。
第2案内軸42は、第1案内軸41で案内された多層フィルムFの進行方向を変更するための軸である。
第3案内軸43は、第2案内軸42で案内された多層フィルムFの進行方向を変更して巻取リール35に案内する軸である。
第2案内軸42は、第1案内軸41で案内された多層フィルムFの進行方向を変更するための軸である。
第3案内軸43は、第2案内軸42で案内された多層フィルムFの進行方向を変更して巻取リール35に案内する軸である。
フィルムユニットFUが筐体本体21に装着されることで層転写装置1にセットされると、巻取リール35は、筐体2に設けられた駆動源(図示せず)によって図示反時計回りに回転駆動される。巻取リール35が回転すると、供給リール31に巻回された多層フィルムFが引き出され、引き出された多層フィルムFが巻取リール35に巻き取られていく。詳しくは、層転写中において、後述する加圧ローラ51と加熱部60によって多層フィルムFが送り出されることで、供給リール31から多層フィルムFが引き出される。そして、加圧ローラ51と加熱部60から送り出された多層フィルムFが、巻取リール35に巻き取られていく。
第1案内軸41は、トナー像を下にした状態で搬送されるシートSに対して、供給リール31から引き出された多層フィルムFを下から重ねるように案内している。第1案内軸41は、供給リール31から引き出された多層フィルムFの搬送方向を変えて、シートSの搬送方向と略平行に多層フィルムFを案内する。
第2案内軸42は、転写部50を通過した多層フィルムFと接触し、転写部50を通過した多層フィルムFの搬送方向をシートSの搬送方向とは異なる方向に変更している。転写部50を通過してシートSと重なった状態で搬送された多層フィルムFは、第2案内軸42を通過する際にシートSとは異なる方向に案内され、シートSから剥離される。
転写部50は、シートSと多層フィルムFを重ねた状態で加熱および加圧することで、シートSに形成されたトナー像の上に転写層を転写するための部分である。転写部50は、加圧ローラ51と、加熱部60とを備えている。転写部50は、加圧ローラ51と加熱部60のニップ部において、シートSと多層フィルムFを重ねて加熱および加圧する。
加圧ローラ51は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ51は、多層フィルムFの上側に配置され、シートSの裏面(トナー像が形成された面と反対側の面)と接触可能となっている。
加圧ローラ51は、両端部がカバー22に回転可能に支持されている。加圧ローラ51は、加熱部60との間でシートSおよび多層フィルムFを挟み、駆動源(図示せず)によって回転駆動されることで加熱部60を従動回転させる。
加熱部60は、多層フィルムFの下側に配置され、多層フィルムFと接触して、多層フィルムFおよびシートSを加熱する部材である。加熱部60は、多層フィルムFの搬送方向と直交する多層フィルムFの幅方向(以下の説明では単に「幅方向」という。)に沿って延びている。図3に示すように、加熱部60は、加熱部材61と、第1ヒータ62と、第2ヒータ63とを有している。
加熱部材61は、円筒状に形成された金属管からなるローラである。加熱部材61は、多層フィルムFと接触して、多層フィルムFおよびシートSを加熱する部材である。
第1ヒータ62は、加熱部材61を加熱する。第1ヒータ62は、幅方向における中央部62Aの出力が幅方向における両端部62Bより出力が高い。このため、第1ヒータ62は、加熱部材61のうち、幅方向における中央部である第1部分61Aを、幅方向における両端部である第2部分61Bよりも強く加熱するようになっている。加熱部材61の第1部分61Aと第2部分61Bは幅方向に並んでいる。本実施形態では、第1部分61Aの幅は、150~180mmとなっており、第1ヒータ62のみでA5サイズのシートSを加熱可能である。
第2ヒータ63は、加熱部材61を加熱する。第2ヒータ63は、幅方向における両端部63Bの出力が幅方向における中央部63Aより出力が高い。このため、第2ヒータ63は、加熱部材61のうち、第2部分61Bを、第1部分61Aよりも強く加熱するようになっている。
図4(a)に示すように、層転写装置1は、シートSの通過を検知するシートセンサ90をさらに備えている。シートセンサ90は、シートSの搬送方向において、加熱部60の上流側に配置されている。シートセンサ90は、中央シートセンサ91と、サイドシートセンサ92とを有している。中央シートセンサ91およびサイドシートセンサ92は、筐体本体21に揺動可能に支持されている。中央シートセンサ91およびサイドシートセンサ92は、シートSに接触すると揺動してONとなる(図1参照)。
中央シートセンサ91は、幅方向において、加熱部材61の第1部分61Aに対応した位置に配置されている。中央シートセンサ91は、シートSが第1部分61Aの表面上を通過するか否かを検知可能である。本実施形態では、中央シートセンサ91は、幅方向において、シートSの搬送経路の中央に位置している。
サイドシートセンサ92は、幅方向において、加熱部材61の第2部分61Bに対応した位置に配置されている。サイドシートセンサ92は、シートSが第2部分61Bの表面上を通過するか否かを検知可能である。本実施形態では、サイドシートセンサ92は、幅方向において、シートSの搬送経路の中央からD1だけ、具体的には75~80mm離れて位置している。
図4(a),(b)に示すように、シートSが第1部分61Aと両側の第2部分61Bの表面上を通過するシートSH1である場合、中央シートセンサ91とサイドシートセンサ92の両方がONとなる。シートSH1は、例えばA4サイズ(横幅210mm)やレターサイズ(横幅215.9mm)である。
シートSが第1部分61Aの表面上を通過し、第2部分61Bの表面上を通過しないシートSH2である場合、中央シートセンサ91のみがONとなる。シートSH2は、例えばA5サイズ(148mm)やA6(105mm)を中央寄せしたものである。
シートSが第1部分61Aと片側の第2部分61Bの表面上を通過するシートSH3である場合、中央シートセンサ91とサイドシートセンサ92の両方がONとなる。シートSH3は、例えばA5サイズ(148mm)やA6(105mm)を片寄せしたものである。
シートSが第1部分61Aの表面上を通過し、第2部分61Bの表面上を通過しないシートSH2である場合、中央シートセンサ91のみがONとなる。シートSH2は、例えばA5サイズ(148mm)やA6(105mm)を中央寄せしたものである。
シートSが第1部分61Aと片側の第2部分61Bの表面上を通過するシートSH3である場合、中央シートセンサ91とサイドシートセンサ92の両方がONとなる。シートSH3は、例えばA5サイズ(148mm)やA6(105mm)を片寄せしたものである。
図1に戻って、本実施形態では、層転写装置1は、加圧ローラ51によって加熱部60を加圧する接触位置と、加熱部60と加圧ローラ51とを離間させる離間位置との間で、加熱部60と加圧ローラ51の少なくとも一方の部材を移動させる接離機構70を備えている。
接離機構70は、加熱部60を多層フィルムFに対して接触・離間させるため、加熱部60を移動させる。接離機構70は、カバー22を閉じている状態においては、制御部80が層転写制御を行うときに、加熱部60を多層フィルムFに接触する接触位置に移動させる。また、接離機構70は、カバー22が開けられた場合や、転写部50においてシートSに層転写を行わない場合には、加熱部60を多層フィルムFから離間する離間位置に位置させる。
接離機構70は、加熱部60を多層フィルムFに対して接触・離間させるため、加熱部60を移動させる。接離機構70は、カバー22を閉じている状態においては、制御部80が層転写制御を行うときに、加熱部60を多層フィルムFに接触する接触位置に移動させる。また、接離機構70は、カバー22が開けられた場合や、転写部50においてシートSに層転写を行わない場合には、加熱部60を多層フィルムFから離間する離間位置に位置させる。
制御部80は、CPU,ROM,RAM、不揮発性メモリなどを有し、予め用意されたプログラムに基づいて各種制御を行うように構成される。ROM,RAM、不揮発性メモリなどには、層転写制御に必要なデータとして例えば、装着された多層フィルムに対する最適な制御テーブルが記憶されている。そして、例えば、ユーザが筐体2のカバー22に設けられた操作パネル85を操作して、シートSに層転写を行う場合には、制御部80は、操作パネル85からの信号を受けて、層転写制御を行う。
このように構成された層転写装置1では、層転写を行う場合、シートSの表面を下向きにしてシートトレイ3に載置されたシートSが、シート供給機構11により一枚ずつ転写部50に向けて搬送される。シートSは、転写部50のシート搬送方向における上流側で、供給リール31から供給された多層フィルムFと重ねられ、シートSのトナー像と多層フィルムFが接触した状態で転写部50に搬送される。
転写部50においては、シートSと多層フィルムFが加圧ローラ51と加熱部60の間のニップ部を通過する際に、加熱部60と加圧ローラ51により加熱および加圧され、トナー像の上に層が転写される。
層が転写された後、シートSと多層フィルムFは密着した状態で第2案内軸42まで搬送される。シートSと多層フィルムFが第2案内軸42を通過すると、多層フィルムFの搬送方向がシートSの搬送方向と異なる方向に変わるため、シートSから多層フィルムFが剥離される。
シートSから剥離された多層フィルムFは、巻取リール35に巻き取られていく。一方、多層フィルムFが剥離されたシートSは、シート排出機構12によって、層が転写された表面を下に向けた状態で、筐体2の外部に排出される。
以下、図5および図6を参照して、フィルムユニットFUについて説明する。
図5に示すように、フィルムユニットFUは、樹脂などからなるホルダ100と、ホルダ100に着脱可能なフィルムカートリッジFCとを備えている。フィルムカートリッジFCは、前述した多層フィルムF、供給リール31および巻取リール35と、供給ケース32とを備えている。フィルムカートリッジFCは、ホルダ100に取り付けられた状態で、筐体本体21に着脱可能となっている。
図5に示すように、フィルムユニットFUは、樹脂などからなるホルダ100と、ホルダ100に着脱可能なフィルムカートリッジFCとを備えている。フィルムカートリッジFCは、前述した多層フィルムF、供給リール31および巻取リール35と、供給ケース32とを備えている。フィルムカートリッジFCは、ホルダ100に取り付けられた状態で、筐体本体21に着脱可能となっている。
供給リール31(詳しくは、供給ケース32)および巻取リール35は、ホルダ100に対して、供給リール31の軸方向に直交する方向に着脱可能となっている。
供給ケース32は、供給リール31を収容する中空のケースである。供給ケース32は、樹脂などからなり、略円筒状の外周壁32Aと、外周壁32Aの両端に設けられる略円板状の2つの側壁32Bとを有する。供給リール31は、供給ケース32の各側壁32Bに回転可能に支持されている。
外周壁32Aには、3つの凹部32Dが供給リール31の軸方向に並んで形成されており、識別子としての係合片P1,P2,P3が各凹部32Dに固定可能である。
各側壁32Bは、供給リール31の軸方向から見て長尺状の係合部32Cを有している。各係合部32Cは、後述するホルダ100の着脱ガイドGによってガイドされる部位であり、角丸長方形状に形成されている。
外周壁32Aには、3つの凹部32Dが供給リール31の軸方向に並んで形成されており、識別子としての係合片P1,P2,P3が各凹部32Dに固定可能である。
各側壁32Bは、供給リール31の軸方向から見て長尺状の係合部32Cを有している。各係合部32Cは、後述するホルダ100の着脱ガイドGによってガイドされる部位であり、角丸長方形状に形成されている。
ホルダ100は、ベースフレーム110と、ベースフレーム110に回動可能(移動可能)に支持される規制フレーム120とを有している。
ベースフレーム110は、前述した第1案内軸41と第2案内軸42を回転可能に支持している。また、ベースフレーム110は、第1保持部111と、第2保持部112と、2つの連結部113と、2つの取手114とを有している。
規制フレーム120は、第3案内軸43を回転可能に支持している。
ベースフレーム110は、前述した第1案内軸41と第2案内軸42を回転可能に支持している。また、ベースフレーム110は、第1保持部111と、第2保持部112と、2つの連結部113と、2つの取手114とを有している。
規制フレーム120は、第3案内軸43を回転可能に支持している。
第1保持部111は、供給ケース32を保持する部位である。第1保持部111は、供給ケース32を介して供給リール31を保持している。
第1保持部111の両側壁111Bは、供給ケース32の着脱時に供給ケース32を所定方向にガイドする着脱ガイドGを有している。着脱ガイドGは、各側壁111Bの軸方向内側の面(供給ケース32と軸方向で対面する内面)に形成されている。着脱ガイドGは、係合部32Cが挿入される入り口が狭く形成されている。
また、両側壁111Bの外側には、ボス111Cが設けられている。各ボス111Cは、フィルムユニットFUの筐体本体21への着脱時において、筐体本体21に形成された第1保持部GD1(図2参照)でガイドされる部位である。
第1保持部111の両側壁111Bは、供給ケース32の着脱時に供給ケース32を所定方向にガイドする着脱ガイドGを有している。着脱ガイドGは、各側壁111Bの軸方向内側の面(供給ケース32と軸方向で対面する内面)に形成されている。着脱ガイドGは、係合部32Cが挿入される入り口が狭く形成されている。
また、両側壁111Bの外側には、ボス111Cが設けられている。各ボス111Cは、フィルムユニットFUの筐体本体21への着脱時において、筐体本体21に形成された第1保持部GD1(図2参照)でガイドされる部位である。
第2保持部112は、巻取リール35を保持する部位である。詳しくは、第2保持部112は、規制フレーム120とともに、中空のケースを構成しており、中空のケース内に巻取リール35を収容している。
2つの連結部113は、第1保持部111と第2保持部112とを連結する部位である。各連結部113は、供給リール31の軸方向に間隔を開けて配置されている。
このように連結部113が形成されることで、ホルダ100は、供給リール31の軸方向に直交する直交方向に貫通する貫通穴100Aを有する。
各取手114は、各連結部113の上に配置されている。各取手114は、ホルダ100のうち巻取リール35の軸方向両端にそれぞれ配置されている。
このように連結部113が形成されることで、ホルダ100は、供給リール31の軸方向に直交する直交方向に貫通する貫通穴100Aを有する。
各取手114は、各連結部113の上に配置されている。各取手114は、ホルダ100のうち巻取リール35の軸方向両端にそれぞれ配置されている。
フィルムカートリッジFCをホルダ100から取り外す際は、供給ケース32を前後に少し回転させ、各係合部32Cをホルダ100の着脱ガイドGから引き抜ける角度に合わせた後、直交方向に持ち上げることで、供給ケース32を第1保持部111から引き抜く。また、規制フレーム120を開けて、巻取リール35を直交方向に持ち上げることで、第2保持部112から巻取リール35を引き抜く。
一方、フィルムカートリッジFCをホルダ100に装着する際は、供給ケース32を第1保持部111に装着し、巻取リール35を第2保持部112に装着する。供給ケース32の装着は、各係合部32Cが着脱ガイドGの入り口を通過できる角度で第1保持部111に挿入した後、供給リール31が外れないように、供給ケース32を少し回転させて、各係合部32Cを着脱ガイドGの奥側に位置させることで行う。巻取リール35の装着は、巻取リール35を第2保持部112に挿入した後、規制フレーム120を閉めることで行う。
このように、フィルムカートリッジFCは、供給リール31が供給ケース32およびホルダ100のボス111Cを介して第1保持部GD1に着脱可能であり、巻取リール35GD1が第2保持部GD2に着脱可能である。
一方、フィルムカートリッジFCをホルダ100に装着する際は、供給ケース32を第1保持部111に装着し、巻取リール35を第2保持部112に装着する。供給ケース32の装着は、各係合部32Cが着脱ガイドGの入り口を通過できる角度で第1保持部111に挿入した後、供給リール31が外れないように、供給ケース32を少し回転させて、各係合部32Cを着脱ガイドGの奥側に位置させることで行う。巻取リール35の装着は、巻取リール35を第2保持部112に挿入した後、規制フレーム120を閉めることで行う。
このように、フィルムカートリッジFCは、供給リール31が供給ケース32およびホルダ100のボス111Cを介して第1保持部GD1に着脱可能であり、巻取リール35GD1が第2保持部GD2に着脱可能である。
ホルダ100には、多層フィルムFの幅と位置が異なるフィルムカートリッジFCを装着することが可能である。例えば、ホルダ100には、第1フィルムカートリッジFC1、第2フィルムカートリッジFC2、または、第3フィルムカートリッジFC3を装着可能である。
図6(a)に示すように、幅がH1である多層フィルムFを有する第1フィルムカートリッジFC1が装着されたフィルムユニットFUを第1フィルムユニットFU1と呼ぶ。第1フィルムユニットFU1は、層転写装置1に装着された状態において、多層フィルムFが第1部分61Aと第2部分61Bとに跨って対面するように多層フィルムFを保持している。なお、幅H1は、フィルムユニットFUに配置可能な多層フィルムFの最大幅であり、一例として、220mmである。
第1フィルムユニットFU1は、外周壁32Aに形成された3つの凹部32Dのすべてに係合片P1,P2,P3が固定されている。
第1フィルムユニットFU1は、外周壁32Aに形成された3つの凹部32Dのすべてに係合片P1,P2,P3が固定されている。
図6(b)に示すように、幅がH2である多層フィルムFを有し、多層フィルムFが中央に寄せられて配置された第2フィルムカートリッジFC2が装着されたフィルムユニットを第2フィルムユニットFU2と呼ぶ。第2フィルムユニットFU2は、層転写装置1に装着された状態において、多層フィルムFが第2部分61Bと対面せず、第1部分61Aのみに対面するように多層フィルムFを保持している。なお、幅H2は、幅H1より小さく、一例として、110mmである。
第2フィルムユニットPU2は、外周壁32Aに形成された3つの凹部32Dのうち、左右両側の2つの凹部32Dには係合片P1,P3が固定されており、中央の凹部32Dには係合片が固定されていない。
第2フィルムユニットPU2は、外周壁32Aに形成された3つの凹部32Dのうち、左右両側の2つの凹部32Dには係合片P1,P3が固定されており、中央の凹部32Dには係合片が固定されていない。
図6(c)に示すように、幅がH3である多層フィルムFを有し、多層フィルムFが多層フィルムFの幅方向の片側に寄せられて配置された第3フィルムカートリッジFC3が装着されたフィルムユニットを第3フィルムユニットFU3と呼ぶ。第3フィルムユニットFU3は、層転写装置1に装着された状態において、多層フィルムFが第1部分61Aと第2部分61Bとに跨って対面するように多層フィルムFを保持している。なお、幅H3は、幅H1より小さく、一例として、110mmである。
第3フィルムユニットPU3は、外周壁32Aに形成された3つの凹部32Dのうち、中央の凹部32Dと、左右片側の凹部32Dに係合片P1,P2が固定されており、左右片側のもう一方の凹部32Dには係合片が固定されていない。
第3フィルムユニットPU3は、外周壁32Aに形成された3つの凹部32Dのうち、中央の凹部32Dと、左右片側の凹部32Dに係合片P1,P2が固定されており、左右片側のもう一方の凹部32Dには係合片が固定されていない。
図7(a)に示すように、層転写装置1は、多層フィルムFが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過するか否かを検知可能なフィルムセンサの一例としての3つの装着検知センサAS1,AS2,AS3を備えている。
装着検知センサAS1,AS2,AS3は、アクチュエータAT1,AT2,AT3と、アクチュエータAT1,AT2,AT3に対応して設けられた透過型の光センサLS(図8(b)に、アクチュエータAT3に対応する光センサLS3のみを図示する)を備える。
光センサLSは、発光素子LEと受光素子(図示せず)を備え、発光素子LEと受光素子の間には、アクチュエータAT1,AT2,AT3が位置している。光センサLSは、受光素子(図示せず)が発光素子LEからの光Lを受光すると、制御部80にLOWを表す信号を送る。また、光センサLSは、受光素子が発光素子LEからの光Lを受光しない場合、制御部80にHIGHを表す信号を送る。
光センサLSは、発光素子LEと受光素子(図示せず)を備え、発光素子LEと受光素子の間には、アクチュエータAT1,AT2,AT3が位置している。光センサLSは、受光素子(図示せず)が発光素子LEからの光Lを受光すると、制御部80にLOWを表す信号を送る。また、光センサLSは、受光素子が発光素子LEからの光Lを受光しない場合、制御部80にHIGHを表す信号を送る。
アクチュエータAT1,AT2,AT3は、例えば、フィルムユニットFUが筐体本体21に装着された状態で、供給ケース32の外周壁32Aに形成された3つ凹部32Dに対応する位置に配置されている。
各アクチュエータAT1,AT2,AT3は、受光素子(図示せず)が発光素子LEからの光Lを受光しない遮蔽位置(図8(a)参照)と、受光素子(図示せず)が発光素子LEからの光Lを受光する開放位置(図8(b)参照)との間で回動可能となっている。
各アクチュエータAT1,AT2,AT3は、受光素子(図示せず)が発光素子LEからの光Lを受光しない遮蔽位置(図8(a)参照)と、受光素子(図示せず)が発光素子LEからの光Lを受光する開放位置(図8(b)参照)との間で回動可能となっている。
第1フィルムユニットFU1が筐体本体21に装着されると、3つの係合片P1,P2,P3と係合して、すべてのアクチュエータAT1,AT2,AT3が、遮蔽位置から開放位置へと回動する。
第2フィルムユニットFU2が筐体本体21に装着されると、2つの係合片P1,P3と係合して、アクチュエータAT1,AT3が遮蔽位置から開放位置へと回動する。
第3フィルムユニットFU3が筐体本体21に装着されると、2つの係合片P1,P2と係合して、アクチュエータAT1,AT2が遮蔽位置から開放位置へと回動する。
第2フィルムユニットFU2が筐体本体21に装着されると、2つの係合片P1,P3と係合して、アクチュエータAT1,AT3が遮蔽位置から開放位置へと回動する。
第3フィルムユニットFU3が筐体本体21に装着されると、2つの係合片P1,P2と係合して、アクチュエータAT1,AT2が遮蔽位置から開放位置へと回動する。
より詳細には、図8(a)および図8(b)に示すように、各アクチュエータAT1,AT2,AT3は同様に構成され、略三角形形状の本体部A1と、本体部A1の一辺に沿って一方向に延びる第1脚部A2と、本体部A1の一辺に沿って第1脚部A2とは異なる方向に延びる第2脚部A3とを有している。
本体部A1は、筐体本体21に回動可能に支持される回動軸A5を有している。第1脚部A2は、対応する係合片P1,P2,P3と係合可能な係合面A7を一端に有している。第2脚部A3は、発光素子LEと受光素子(図示せず)の間を遮る遮蔽面A8を有している。
また、各アクチュエータAT1,AT2,AT3は、バネ(図示せず)により、図8(a)に示す遮蔽位置に付勢されている。
本体部A1は、筐体本体21に回動可能に支持される回動軸A5を有している。第1脚部A2は、対応する係合片P1,P2,P3と係合可能な係合面A7を一端に有している。第2脚部A3は、発光素子LEと受光素子(図示せず)の間を遮る遮蔽面A8を有している。
また、各アクチュエータAT1,AT2,AT3は、バネ(図示せず)により、図8(a)に示す遮蔽位置に付勢されている。
図8(a)に示すように、第2フィルムユニットFU2が筐体本体21に装着されると、供給ケース32の外周壁32Aに形成された3つ凹部32Dのうち、中央の凹部32Dには係合片が固定されていないので、アクチュエータAT2は遮蔽位置から回動することはない。
このとき、アクチュエータAT2の遮蔽面A8は、発光素子LEと受光素子(図示せず)の間に位置しており、発光素子LEからの光Lを遮断しているので、受光素子は発光素子LEからの光Lを受光することができない。
一方、図8(b)に示すように、外周壁32Aに形成された3つ凹部32Dのうち、右側の凹部32Dには係合片P3が固定されているので、第2フィルムユニットFU2が筐体本体21に装着されると、係合片P3がアクチュエータAT3の係合面A7と係合して、アクチュエータAT3を図示時計回りに回動させる。その結果、アクチュエータAT3が遮蔽位置から開放位置へ回動して、遮蔽面A8で遮蔽されていた発光素子LEからの光Lが受光素子で受光されるようになる。
このとき、アクチュエータAT2の遮蔽面A8は、発光素子LEと受光素子(図示せず)の間に位置しており、発光素子LEからの光Lを遮断しているので、受光素子は発光素子LEからの光Lを受光することができない。
一方、図8(b)に示すように、外周壁32Aに形成された3つ凹部32Dのうち、右側の凹部32Dには係合片P3が固定されているので、第2フィルムユニットFU2が筐体本体21に装着されると、係合片P3がアクチュエータAT3の係合面A7と係合して、アクチュエータAT3を図示時計回りに回動させる。その結果、アクチュエータAT3が遮蔽位置から開放位置へ回動して、遮蔽面A8で遮蔽されていた発光素子LEからの光Lが受光素子で受光されるようになる。
制御部80は、フィルムセンサ、すなわち3つの装着検知センサAS1,AS2,AS3からの信号を受けることで、第1フィルムユニットFU1、第2フィルムユニットFU2または第3フィルムユニットFU3のどれが筐体本体21に装着されているのか判断することができる。
具体的には、図7(b)の表に示すように、アクチュエータAT1に対応する光センサ(第1センサ)と、アクチュエータAT2に対応する光センサ(第2センサ)と、アクチュエータAT3に対応する光センサ(第3センサ)からの信号が、いずれもLOWである場合には、制御部80は、第1フィルムユニットFU1が筐体本体21に装着されていると判断する。
また、制御部80は、第1センサおよび第3センサからの信号がLOWで、第2センサからの信号がHIGHである場合には、第2フィルムユニットFU2が筐体本体21に装着されていると判断する。
また、第1センサおよび第2センサからの信号がLOWで、第3センサからの信号がHIGHである場合には、制御部80は、第3フィルムユニットFU3が筐体本体21に装着されていると判断する。
さらに、第1センサ、第2センサおよび第3センサからの信号がいずれもHIGHである場合には、制御部80は、第1フィルムユニットFU1、第2フィルムユニットFU2または第3フィルムユニットFU3のいずれも筐体本体21に装着されていないと判断する。
また、制御部80は、第1センサおよび第3センサからの信号がLOWで、第2センサからの信号がHIGHである場合には、第2フィルムユニットFU2が筐体本体21に装着されていると判断する。
また、第1センサおよび第2センサからの信号がLOWで、第3センサからの信号がHIGHである場合には、制御部80は、第3フィルムユニットFU3が筐体本体21に装着されていると判断する。
さらに、第1センサ、第2センサおよび第3センサからの信号がいずれもHIGHである場合には、制御部80は、第1フィルムユニットFU1、第2フィルムユニットFU2または第3フィルムユニットFU3のいずれも筐体本体21に装着されていないと判断する。
3つの装着検知センサAS1,AS2,AS3は、多層フィルムFが、第1部分61Aと第2部分61Bとに跨って対面するように層転写装置1に保持されている場合に第1信号を制御部80に出力する。つまり、3つの装着検知センサAS1,AS2,AS3は、第1フィルムユニットFU1または、第3フィルムユニットFU3が装着された場合に第1信号を制御部80に出力する。
3つの装着検知センサAS1,AS2,AS3は、多層フィルムFが、第2部分61Bと対面せず、第1部分61Aのみに対面するように層転写装置1に保持されている場合に第2信号を制御部80に出力する。つまり、3つの装着検知センサAS1,AS2,AS3は、第2フィルムユニットFU2が装着された場合に第2信号を制御部80に出力する。
制御部80は、第1信号を受けることで、多層フィルムFが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過すると判定する。
制御部80は、第2信号を受けることで、多層フィルムFが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しないと判定する。
制御部80は、第2信号を受けることで、多層フィルムFが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しないと判定する。
制御部80は、層転写時に、第1ヒータ62を所定の消費電力で制御するとともに、第2ヒータ63を第1の消費電力または第1の消費電力より小さな第2の消費電力で制御することが可能である。第2の消費電力は、第1の消費電力より小さく、消費電力がゼロである場合すなわち第2ヒータがOFFである状態を含む。本実施形態では、第2の消費電力をゼロとしており、第2ヒータを第2の消費電力で制御するとき、OFFとしている。
制御部80は、第1信号を3つの装着検知センサAS1,AS2,AS3から受けた場合、シートSの搬送を開始する前から第2ヒータ63の第1の消費電力による制御を開始する。
そして、制御部80は、シートSの搬送を開始した後、シートSが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しないことを示す信号をシートセンサ90から受けた場合、詳しくは、中央シートセンサ91がONして所定時間以内(シートSがサイドシートセンサ92に対応する位置を通過するまでの時間)にサイドシートセンサ92がONしない場合、第2ヒータ63を第1の消費電力による制御から第2の消費電力による制御に切り替える。
制御部80は、第2信号を3つの装着検知センサAS1,AS2,AS3から受けた場合、シートSの搬送を開始する前から第2ヒータ63の第2の消費電力による制御を開始する。
そして、制御部80は、シートSの搬送を開始した後、シートSが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しないことを示す信号をシートセンサ90から受けた場合、詳しくは、中央シートセンサ91がONして所定時間以内(シートSがサイドシートセンサ92に対応する位置を通過するまでの時間)にサイドシートセンサ92がONしない場合、第2ヒータ63を第1の消費電力による制御から第2の消費電力による制御に切り替える。
制御部80は、第2信号を3つの装着検知センサAS1,AS2,AS3から受けた場合、シートSの搬送を開始する前から第2ヒータ63の第2の消費電力による制御を開始する。
制御部80は、多層フィルムFおよびシートSの両方が加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過する場合、詳しくは、中央シートセンサ91がONして所定時間以内(シートSがサイドシートセンサ92に対応する位置を通過するまでの時間)にサイドシートセンサ92がONする場合、第2ヒータ63を第1の消費電力で制御する。
制御部80は、多層フィルムFおよびシートSのうち少なくとも一方が加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しない場合、第2ヒータ63を第2の消費電力で制御する。
制御部80は、多層フィルムFおよびシートSのうち少なくとも一方が加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しない場合、第2ヒータ63を第2の消費電力で制御する。
制御部80は、多層フィルムFが第2部分61Bの表面上を通過すると判定し、かつ、シートSのうち搬送方向下流部分が第2部分61Bの表面上を通過しないと判定することにより、第2ヒータ63を第2の消費電力とした後、前記下流部分が前記第2部分の表面上を通過しないと判定したシートSのうち搬送方向上流部分が第2部分61Bの表面上を通過すると判定した場合、第2ヒータ63の制御を第2の消費電力による制御から第1の消費電力による制御に切り替える。
例えば、図10(a)に示すように、シートSの前端部分(搬送方向下流側)の幅が狭く、後端部分(搬送方方向上流側)の幅が広いシートSH5を搬送させた場合の制御部80の動作を説明する。
図10(b)に示すように、長方形のシートSH1を搬送した場合、中央シートセンサ91がONになるのと同時にサイドシートセンサ92がONになる(T=t1)。その後、中央シートセンサ91がOFFになるのと同時にサイドシートセンサ92がOFFになる(T=t3)。
一方、図10(c)に示すように、シートSH5を搬送した場合、中央シートセンサ91がONになる時(T=t1)より遅れてサイドシートセンサ92がONになる(T=t2)。その後、中央シートセンサ91がOFFになるのと同時にサイドシートセンサ92がOFFになる(T=t3)。
制御部80は、中央シートセンサ91がONになった時からOFFになるまでの間(t1~t3)にサイドシートセンサ92がONになった場合、シートSが、シートSH5のような、搬送方向下流部分が第2部分61Bの表面上を通過せず、搬送方向上流部分が第2部分61Bの表面上を通過するシートであると判断できる。
例えば、図10(a)に示すように、シートSの前端部分(搬送方向下流側)の幅が狭く、後端部分(搬送方方向上流側)の幅が広いシートSH5を搬送させた場合の制御部80の動作を説明する。
図10(b)に示すように、長方形のシートSH1を搬送した場合、中央シートセンサ91がONになるのと同時にサイドシートセンサ92がONになる(T=t1)。その後、中央シートセンサ91がOFFになるのと同時にサイドシートセンサ92がOFFになる(T=t3)。
一方、図10(c)に示すように、シートSH5を搬送した場合、中央シートセンサ91がONになる時(T=t1)より遅れてサイドシートセンサ92がONになる(T=t2)。その後、中央シートセンサ91がOFFになるのと同時にサイドシートセンサ92がOFFになる(T=t3)。
制御部80は、中央シートセンサ91がONになった時からOFFになるまでの間(t1~t3)にサイドシートセンサ92がONになった場合、シートSが、シートSH5のような、搬送方向下流部分が第2部分61Bの表面上を通過せず、搬送方向上流部分が第2部分61Bの表面上を通過するシートであると判断できる。
また、幅の狭いシート(例えばシートSH2)を搬送した後、幅の広いシート(例えばシートSH1)を搬送した場合の制御部80の動作を説明する。
制御部80は、多層フィルムFが第2部分61Bの表面上を通過すると判定し、かつ、所定のシートSが第2部分61Bの表面上を通過しないと判定した場合、第2ヒータ63を第2の消費電力とする。
制御部80は、第2ヒータ63を第2の消費電力とした後で、シートSの層転写が終了した後に搬送されてきた他のシートSが第2部分61Bの表面上を通過しないと判定した場合、他のシートSの搬送が終了する前に次のシートの搬送を開始する。
制御部80は、第2ヒータ63を第2の消費電力とした後で、他のシートが第2部分61Bの表面上を通過すると判定した場合、他のシートSの搬送が終了する前に次のシートSの搬送を開始するのを禁止する。
制御部80は、多層フィルムFが第2部分61Bの表面上を通過すると判定し、かつ、所定のシートSが第2部分61Bの表面上を通過しないと判定した場合、第2ヒータ63を第2の消費電力とする。
制御部80は、第2ヒータ63を第2の消費電力とした後で、シートSの層転写が終了した後に搬送されてきた他のシートSが第2部分61Bの表面上を通過しないと判定した場合、他のシートSの搬送が終了する前に次のシートの搬送を開始する。
制御部80は、第2ヒータ63を第2の消費電力とした後で、他のシートが第2部分61Bの表面上を通過すると判定した場合、他のシートSの搬送が終了する前に次のシートSの搬送を開始するのを禁止する。
次に、図9のフローチャートを参照して、本実施形態における、制御部80の動作の一例を説明する。
図9に示すように、制御部80は、まず、層転写指令があるかどうか判断する(S1)。ステップS1において層転写指令がないと判断した場合には(S1,No)、制御部80は、層転写指令があるまで待つ。
図9に示すように、制御部80は、まず、層転写指令があるかどうか判断する(S1)。ステップS1において層転写指令がないと判断した場合には(S1,No)、制御部80は、層転写指令があるまで待つ。
ステップS1において、制御部80は、層転写指令があると判断した場合には(S1,Yes)、筐体本体21に装着されたフィルムユニットFUが第1フィルムユニットFU1または第3フィルムユニットFU3であるかを判断する(S2)。
ステップS2において、制御部80は、装着されたフィルムユニットFUが第1フィルムユニットFU1または第3フィルムユニットFU3でないと判断した場合には(S2,No)、第1ヒータ62をON、第2ヒータ63をOFFにする(S21)。ステップS21の後、加熱部材61の温度が所定の温度になったら、シートSの搬送を開始する(S22)。ステップS22の後、制御部80は、層転写が完了したかを判断する(S23)。
ステップS23において、層転写が完了していないと判断した場合には(S23,No)、層転写が完了するまで待ち、層転写が完了したと判断した場合には(S23,Yes)、ステップS18に移行する。
一方、ステップS2において、制御部80は、フィルムユニットFUが第1フィルムユニットFU1または第3フィルムユニットFU3であると判断した場合には(S2,Yes)、第1ヒータ62および第2ヒータ63をONにする(S11)。ステップS11の後、加熱部材61の温度が所定の温度になったら、シートSの搬送を開始する(S12)。ステップS12の後、制御部80は、中央シートセンサ91がONしたかを判断する(S13)。
ステップS13において、制御部80は、中央シートセンサ91がONしていないと判断した場合には(S13,No)、中央シートセンサ91がONするまで待ち、中央シートセンサ91がONしたと判断した場合には(S13,Yes)、サイドシートセンサ92が所定時間内にONしたかを判断する(S14)。
ステップS14において、制御部80は、サイドシートセンサ92が所定時間内にONしていないと判断した場合には(S14,No)、第2ヒータ63をOFFし(S24)、ステップS17に移行する。一方、ステップS14において、制御部80は、サイドシートセンサ92が所定時間内にONしたと判断した場合には(S14,Yes)、前のシートSと現在搬送中のシートSのサイズ(幅)が違うかを判断する(S15)。
ステップS15において、制御部80は、前のシートSと現在搬送中のシートSのサイズ(幅)が違うと判断した場合(S15,Yes)、現在搬送中のシートSを排出し(S25)、本制御を終了する。このため、制御部80は層転写指令が残っていても次のシートを搬送しない。
一方、ステップS15において、制御部80は、前のシートSと現在搬送中のシートSのサイズ(幅)が違わないと判断した場合(S15,No)、第2ヒータ63をONし(S16)、層転写完了かを判断する(S17)。なお、層転写完了かどうか判断するには、例えば、中央シートセンサ91がOFFになってからの経過時間に基づいて判断すればよい。
ステップS17において、制御部80は、層転写終了でないと判断した場合(S17,No)、ステップS14に移行する。一方、ステップS17において、制御部80は、層転写終了であると判断した場合(S17,Yes)、次に層転写するシートがあるかを判断する(S18)。
ステップS18において、制御部80は、次に層転写するシートがあると判断した場合(S18,Yes)、ステップS2に移行し、次に層転写するシートがないと判断した場合(S18,No)、本制御を終了する。
次に、第1フィルムユニットFU1または第3フィルムユニットFU3が装着されている状態で、シートSH5(図10(a)参照)を搬送させた場合の制御部80の動作を説明する。
ここでは、第1フィルムユニットFU1または第3フィルムユニットFU3が装着されているので、ステップS2において、制御部80は、多層フィルムFが第2部分61Bの表面上を通過すると判断し(S2,Yes)、第1ヒータ62および第2ヒータ63をONし(S11)、シートSの搬送を開始(S12)してステップS13に進む。
制御部80は、中央シートセンサ91がONされた後(S13)、シートSH5(正確にはシートSH5の搬送方向下流部分)がサイドシートセンサ92をONしないので(S14,No)、第2ヒータ63をOFFとする(S24)。
制御部80は、ステップS24の後、層転写が完了していないので(S17,No)再びステップS14に移行する。ステップS14において、層転写が完了する前に、シートSH5(正確にはシートSH5の搬送方向上流部分)がサイドシートセンサ92をONすると、制御部80は、シートSH5が第2部分61Bの表面上を通過すると判断し(S14,Yes)、ステップS15に進む。
ステップS15において、制御部80は、前のシートSとサイズが違わないと判断し(S15,No)、第2ヒータ63をONする(S16)。
ここでは、第1フィルムユニットFU1または第3フィルムユニットFU3が装着されているので、ステップS2において、制御部80は、多層フィルムFが第2部分61Bの表面上を通過すると判断し(S2,Yes)、第1ヒータ62および第2ヒータ63をONし(S11)、シートSの搬送を開始(S12)してステップS13に進む。
制御部80は、中央シートセンサ91がONされた後(S13)、シートSH5(正確にはシートSH5の搬送方向下流部分)がサイドシートセンサ92をONしないので(S14,No)、第2ヒータ63をOFFとする(S24)。
制御部80は、ステップS24の後、層転写が完了していないので(S17,No)再びステップS14に移行する。ステップS14において、層転写が完了する前に、シートSH5(正確にはシートSH5の搬送方向上流部分)がサイドシートセンサ92をONすると、制御部80は、シートSH5が第2部分61Bの表面上を通過すると判断し(S14,Yes)、ステップS15に進む。
ステップS15において、制御部80は、前のシートSとサイズが違わないと判断し(S15,No)、第2ヒータ63をONする(S16)。
次に、第1フィルムユニットFU1または第3フィルムユニットFU3が装着されている状態で、中寄せ、幅狭のシートS(例えばシートSH2)の層転写が終了した後に、搬送されてきた他のシートSが幅広である場合(例えばシートSH1)の制御部80の動作を説明する。
ここでは、第1フィルムユニットFU1または第3フィルムユニットFU3が装着されているので、ステップS2において、制御部80は、多層フィルムFが第2部分61Bの表面上を通過すると判断し(S2,Yes)、第1ヒータ62および第2ヒータ63をONし(S11)、シートSの搬送を開始(S12)してステップS13に進む。
中央シートセンサ91がONされた後(S13)、シートSH2がサイドシートセンサ92をONしないので(S14,No)、制御部80は、第2部分61Bの表面上を通過しないと判断して、第2ヒータ63をOFFとする(S24)。
ステップS24の後、層転写が完了すると(S17,Yes)、制御部80は、次に層転写するシートSH1があるので(S18,Yes)、ステップS2に戻った後、ステップS11~S14を実行する。
すると、ステップS14において、サイドシートセンサ92がONとなるので、制御部80は、次に搬送されてきた他のシートSH1が第2部分61Bの表面上を通過すると判断し(S14,Yes)、ステップS15に進む。
ステップS15において、制御部80は、前のシートとサイズが違うと判断し(S15,Yes)、現在のシートSH1を排出し(S25)、制御を終了するので、次のシートSを搬送しない。
ここでは、第1フィルムユニットFU1または第3フィルムユニットFU3が装着されているので、ステップS2において、制御部80は、多層フィルムFが第2部分61Bの表面上を通過すると判断し(S2,Yes)、第1ヒータ62および第2ヒータ63をONし(S11)、シートSの搬送を開始(S12)してステップS13に進む。
中央シートセンサ91がONされた後(S13)、シートSH2がサイドシートセンサ92をONしないので(S14,No)、制御部80は、第2部分61Bの表面上を通過しないと判断して、第2ヒータ63をOFFとする(S24)。
ステップS24の後、層転写が完了すると(S17,Yes)、制御部80は、次に層転写するシートSH1があるので(S18,Yes)、ステップS2に戻った後、ステップS11~S14を実行する。
すると、ステップS14において、サイドシートセンサ92がONとなるので、制御部80は、次に搬送されてきた他のシートSH1が第2部分61Bの表面上を通過すると判断し(S14,Yes)、ステップS15に進む。
ステップS15において、制御部80は、前のシートとサイズが違うと判断し(S15,Yes)、現在のシートSH1を排出し(S25)、制御を終了するので、次のシートSを搬送しない。
以上によれば、本実施形態において、以下のような効果を得ることができる。
制御部80は、多層フィルムFおよびシートSのうち少なくとも一方が加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しない場合、第2ヒータ63を第2の消費電力で制御する。このため、第2ヒータ63が加熱部材61をムダに加熱してしまうことを抑制できる。このため、層転写装置1の消費電力を抑制することができる。
制御部80は、多層フィルムFおよびシートSのうち少なくとも一方が加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しない場合、第2ヒータ63を第2の消費電力で制御する。このため、第2ヒータ63が加熱部材61をムダに加熱してしまうことを抑制できる。このため、層転写装置1の消費電力を抑制することができる。
層転写装置1は、多層フィルムFが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過するか否かを検知可能なフィルムセンサを備える。このため、ユーザが多層フィルムFの大きさをわざわざ入力する必要がなくなる。
層転写装置1は、シートSが第2部分61Bの表面上を通過するか否かを検知可能なシートセンサ90を備える。このため、ユーザがシートSの大きさをわざわざ入力する必要がなくなる。
また、制御部80がシート搬送を開始する前から第2ヒータ63の第1消費電力による制御を開始するので、シート搬送を開始してから層転写するまでの時間を短縮できる。
また、シートSが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しない場合には、制御部80が第2ヒータ63を第2の消費電力による制御に切り替えるので、第2ヒータ63が加熱部材61をムダに加熱してしまうことを抑制できる。このようにして、層転写するまでの時間を短くすることができるとともに消費電力を小さくすることができる。
また、シートSが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しない場合には、制御部80が第2ヒータ63を第2の消費電力による制御に切り替えるので、第2ヒータ63が加熱部材61をムダに加熱してしまうことを抑制できる。このようにして、層転写するまでの時間を短くすることができるとともに消費電力を小さくすることができる。
また、制御部80が第2信号を受けた場合、すなわち多層フィルムFが加熱部材61の第2部分61Bの表面上を通過しない場合には、第2ヒータ63を第2の消費電力による制御とするので、加熱部材61のムダな加熱を抑制できる。
また、制御部80は、多層フィルムFが第2部分61Bの表面上を通過すると判定し、かつ、シートSのうち搬送方向下流部分が第2部分61Bの表面上を通過しないと判定することにより、第2ヒータ63を第2の消費電力とした後、下流部分が第2部分61Bの表面上を通過しないと判定したシートSのうち搬送方向上流部分が第2部分61Bの表面上を通過すると判定した場合、+第2ヒータ63の制御を第2の消費電力による制御から第1の消費電力による制御に切り替える。このため、例えば、搬送方向下流部分の幅が狭く、搬送方向上流側の幅が広い形状の長方形でないようなシートSが搬送された場合であっても、制御部80が第2の消費電力による制御から第1の消費電力による制御に切り替えるので、シートSの幅が広い部分の加熱が弱くなることを抑制できる。
また、制御部80は、多層フィルムFが第2部分61Bの表面上を通過すると判定し、かつ、シートSが第2部分61Bの表面上を通過しないと判定した場合、第2ヒータ63を第2の消費電力とし、第2ヒータ63を第2の消費電力とした後で、シートSの層転写が終了した後に搬送されてきた他のシートSが第2部分61Bの表面上を通過しないと判定した場合、他のシートSの搬送が終了する前に次のシートSの搬送を開始し、第2ヒータ63を第2の消費電力とした後で、他のシートSが第2部分61Bの表面上を通過すると判定した場合、他のシートSの搬送が終了する前に次のシートSの搬送を開始するのを禁止する。このため、幅の狭いシートSを層転写した後に、幅の広い他のシートSが搬送されてきた場合、次のシートSを搬送しないので、次のシートSに対する層転写不良を抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、加熱部材61が円筒形に形成された金属管からなるローラであったが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、加熱部材はフィルムやベルトであってもよい。また、加熱部材を加熱するヒータは、加熱部材の内部に配置されていても外部に配置されていてもよい。
前記実施形態では、第2ヒータ63は、両端部63Bの出力が中央部63Aの出力より高く、加熱部材61の両端部である第2部分61Bを第1部分61Aよりも強く加熱するものであったが、両端部63Bのうち片方の端部63Bの出力のみが中央部63Aの出力より高く、加熱部材61の第2部分61Bのうち一方のみを第1部分61Aよりも強く加熱するものであってもよい。この場合において、幅方向における両端部のうち一端部の出力のみが中央部の出力より高く、加熱部材61の第2部分61Bのうち他方のみを第1部分61Aよりも強く加熱する第3のヒータを配置してもよい。
また、第2ヒータ63が、両端部63Bのうち片方の端部の出力のみが中央部63Aの出力より高く、加熱部材61の第2部分61Bのうち一方のみを第1部分61Aよりも強く加熱するものである場合において、第1ヒータ62を、中央部62Aの出力と両端部62Bのうち一端部の出力が両端部62Bのうち他端部の出力より高く、第1部分61Aと第2部分61Bのうち他方を第2部分61Bのうち一方よりも強く加熱するものとしてもよい。
また、第2ヒータ63が、両端部63Bのうち片方の端部の出力のみが中央部63Aの出力より高く、加熱部材61の第2部分61Bのうち一方のみを第1部分61Aよりも強く加熱するものである場合において、第1ヒータ62を、中央部62Aの出力と両端部62Bのうち一端部の出力が両端部62Bのうち他端部の出力より高く、第1部分61Aと第2部分61Bのうち他方を第2部分61Bのうち一方よりも強く加熱するものとしてもよい。
前記実施形態では、シートセンサが中央シートセンサとサイドシートセンサを1つずつ有していたが、シートセンサは、中央シートセンサおよびサイドシートセンサを複数有する構成としてもよい。この場合において、複数のサイドシートセンサは、中央シートセンサの幅方向における両側に配置するとよい。
前記実施形態では、フィルムカートリッジFCをホルダ100に装着した状態であるフィルムユニットFUを層転写装置に装着していたが、フィルムカートリッジFCをホルダに装着せずに直接、層転写装置に装着する構成であってもよい。この場合、前記実施形態のホルダ100に相当する部分が層転写装置の筐体と一体に形成されている形態とすればよい。
前記実施形態では、第1フィルムユニットFU1が装着された場合に、フィルムセンサが第1信号を制御部80に出力していたが、第1フィルムユニットFU1が装着されたことをユーザが操作部から入力してもよい。同様に、第2フィルムユニットFU2が装着された場合に、フィルムセンサが第2信号を制御部80に出力していたが、第2フィルムユニットFU2が装着されたことをユーザが操作部から入力してもよい。
前記実施形態では、転写する層の種類によって定着速度(プロセス速度)を変更させていなかったが、転写する層の種類のよって定着速度(プロセス速度)を変更させてもよい。また、層を構成する材質、厚さに応じて定着速度(プロセス速度)を変更してもよい。
例えば、制御部80は、転写層が金属箔を含む判断したときには、プロセス速度をV1とし、転写層が箔を含まないと判断したときには、プロセス速度をV1より遅いV2とすればよい。
例えば、制御部80は、転写層が金属箔を含む判断したときには、プロセス速度をV1とし、転写層が箔を含まないと判断したときには、プロセス速度をV1より遅いV2とすればよい。
前記実施形態では、層転写装置1は、接離機構70によって加熱部60を移動可能に構成したが、加圧部材を接離機構によって移動させたり、加熱部材と加圧部材の両方を接離機構によって移動させたりすることもできる。
また、前記した各実施形態で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
1 層転写装置
50 転写部
51 加圧ローラ
60 加熱部
61 加熱部材
61A 第1部分
61B 第2部分
62 第1ヒータ
63 第2ヒータ
80 制御部
90 シートセンサ
F 多層フィルム
FC フィルムカートリッジ
FU フィルムユニット
S シート
50 転写部
51 加圧ローラ
60 加熱部
61 加熱部材
61A 第1部分
61B 第2部分
62 第1ヒータ
63 第2ヒータ
80 制御部
90 シートセンサ
F 多層フィルム
FC フィルムカートリッジ
FU フィルムユニット
S シート
Claims (10)
- シートのトナー像が形成された面に複数の層からなる多層フィルムを重ね、前記トナー像の上に前記多層フィルムの少なくとも一層を転写する層転写を実行可能な層転写装置であって、
前記多層フィルムと接触して前記多層フィルムを加熱する加熱部材であって、前記多層フィルムの搬送方向と直交する前記多層フィルムの幅方向に沿って延びる加熱部材と、前記加熱部材を加熱する第1ヒータおよび第2ヒータとを有する加熱部と、
制御部と、を備え、
前記第1ヒータは、前記加熱部材の第1部分を、前記幅方向に前記第1部分と並ぶ前記加熱部材の第2部分よりも強く加熱し、
前記第2ヒータは、前記第2部分を、前記第1部分よりも強く加熱し、
前記制御部は、
層転写時に、前記第1ヒータを所定の消費電力で制御するとともに、前記第2ヒータを第1の消費電力または前記第1の消費電力より小さな第2の消費電力で制御し、
前記多層フィルムおよび前記シートの両方が前記第2部分の表面上を通過する場合、前記第2ヒータを前記第1の消費電力で制御し、
前記多層フィルムおよび前記シートのうち少なくとも一方が前記第2部分の表面上を通過しない場合、前記第2ヒータを前記第2の消費電力で制御することを特徴とする層転写装置。 - 前記制御部は、
第1信号を受けることで、前記多層フィルムが前記第2部分の表面上を通過すると判定し、
第2信号を受けることで、前記多層フィルムが前記第2部分の表面上を通過しないと判定することを特徴とする請求項1に記載の層転写装置。 - 前記多層フィルムが前記第2部分の表面上を通過するか否かを検知可能なフィルムセンサを備え、
前記フィルムセンサは、
前記多層フィルムが、前記第1部分と前記第2部分とに跨って対面するように前記層転写装置に保持されている場合に前記第1信号を前記制御部に出力し、
前記多層フィルムが、前記第2部分と対面せず、前記第1部分のみに対面するように前記層転写装置に保持されている場合に前記第2信号を前記制御部に出力することを特徴とする請求項2に記載の層転写装置。 - 前記層転写装置は、第1フィルムカートリッジ、または、第2フィルムカートリッジを装着可能であり、
前記第1フィルムカートリッジは、前記層転写装置に装着された状態において、前記多層フィルムが前記第1部分と前記第2部分とに跨って対面するように前記多層フィルムを保持しており、
前記第2フィルムカートリッジは、前記層転写装置に装着された状態において、前記多層フィルムが前記第2部分と対面せず、前記第1部分のみに対面するように前記多層フィルムを保持しており、
前記フィルムセンサは、
前記第1フィルムカートリッジが装着された場合に前記第1信号を前記制御部に出力し、
前記第2フィルムカートリッジが装着された場合に前記第2信号を前記制御部に出力することを特徴とする請求項3に記載に層転写装置。 - 前記シートの搬送方向において前記加熱部材の上流側に配置され、前記シートが前記第2部分の表面上を通過するか否かを検知可能なシートセンサを備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の層転写装置。
- 前記制御部は、
前記第1信号を前記フィルムセンサから受けた場合、前記シートの搬送を開始する前から前記第2ヒータの前記第1の消費電力による制御を開始し、
前記シートの搬送を開始した後、前記シートが前記第2部分の表面上を通過しないことを示す信号を前記シートセンサから受けた場合、前記第2ヒータを前記第1の消費電力による制御から前記第2の消費電力による制御に切り替えることを特徴とする請求項5に記載の層転写装置。 - 前記制御部は、前記第2信号を前記フィルムセンサから受けた場合、前記シートの搬送を開始する前から前記第2ヒータの前記第2の消費電力による制御を開始することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の層転写装置。
- 前記制御部は、前記多層フィルムが前記第2部分の表面上を通過すると判定し、かつ、前記シートのうち搬送方向下流部分が前記第2部分の表面上を通過しないと判定することにより、前記第2ヒータを前記第2の消費電力とした後、前記下流部分が前記第2部分の表面上を通過しないと判定した前記シートのうち搬送方向上流部分が前記第2部分の表面上を通過すると判定した場合、前記第2ヒータの制御を前記第2の消費電力による制御から前記第1の消費電力による制御に切り替えることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の層転写装置。
- 前記制御部は、
前記多層フィルムが前記第2部分の表面上を通過すると判定し、かつ、前記シートが前記第2部分の表面上を通過しないと判定した場合、前記第2ヒータを前記第2の消費電力とし、
前記第2ヒータを前記第2の消費電力とした後で、前記シートの層転写が終了した後に搬送されてきた他のシートが前記第2部分の表面上を通過しないと判定した場合、前記他のシートの搬送が終了する前に次のシートの搬送を開始し、
前記第2ヒータを前記第2の消費電力とした後で、前記他のシートが前記第2部分の表面上を通過すると判定した場合、前記他のシートの搬送が終了する前に次のシートの搬送を開始するのを禁止することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の層転写装置。 - 前記第1部分は、前記幅方向における前記加熱部材の中央部であり、
前記第2部分は、前記幅方向における前記加熱部材の両端部であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の層転写装置。
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