以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。なお、参照する図面では、便宜上、各ギアの歯は図示されていない。
図1および図2を参照し、印刷装置1の概略構成を説明する。以下では、図1の左下側、右上側、右下側、左上側、上側、および下側を、それぞれ、印刷装置1の左側、右側、前側、後側、上側、および下側と定義する。印刷装置1は、各種(例えば、レセプタタイプ、サーマルタイプ、ラミネートタイプ等)のカセットを1台で使用できる汎用タイプである。図2は、レセプタタイプのカセット7を模式的に示す。以下、カセットに収容される長尺状の各種印刷媒体(例えば、レセプタテープ5、ダイカットテープ9、感熱テープ、ステンシルテープ、両面粘着テープ、透明フィルムテープ)を、総称して「テープ」という。印刷装置1は、ネットワーク、ケーブル(図示略)等を介して外部端末(図示略)に接続できる。外部端末は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等である。例えば印刷装置1は、外部端末から送信される印刷データに基づいて、キャラクタをテープに印刷する。キャラクタは、文字、数字、記号、図形等である。
図1に示すように、印刷装置1は、筐体2とカバー3とを備える。筐体2は、略直方体状である。カバー3は、筐体2の上面の後端部によって回動可能に支持され、筐体2の上面に対して開閉できる。筐体2の前面の左上角部には、入力部4が設けられる。入力部4は、各種情報を印刷装置1に入力するためのボタンである。筐体2の前面において入力部4の右側には、排出口11が設けられる。排出口11は、上下方向に延びる開口であり、筐体2の内部と外部とに連通する。筐体2の上面には、装着部6が設けられる。装着部6は、筐体2の上面から下方に凹み、カセット7が着脱可能に装着される。
図2に示すように、装着部6には、サーマルヘッド60、テープ駆動軸61、リボン巻取軸62、およびマーク検出センサ31が設けられる。サーマルヘッド60は、ヘッドホルダ69の左面に設けられ、上下方向に並んだ複数の発熱体を含む。ヘッドホルダ69は、装着部6の左部に設けられ、左右方向に直交して延びる板状である。テープ駆動軸61は、ヘッドホルダ69の前側で上下方向に延び、回転可能である。リボン巻取軸62は、ヘッドホルダ69の右側で上下方向に延び、回転可能である。マーク検出センサ31は、透過型のフォトセンサであり、後述するダイカットテープ9に設けられたマーク99(図3参照)を検出する。
装着部6の左側には、プラテンホルダ63が設けられる。プラテンホルダ63の後端部は、軸64によって回転可能に支持される。軸64は、上下方向に延びる。プラテンホルダ63は、プラテンローラ65および搬送ローラ66を、それぞれ、平面視で時計回り方向および反時計回り方向に回転可能に支持する。プラテンローラ65は、サーマルヘッド60に左側から対向する。搬送ローラ66は、プラテンローラ65の前側に設けられ、テープ駆動軸61に左側から対向する。プラテンホルダ63の前端部が軸64を中心に略左右方向に揺動することで、プラテンローラ65および搬送ローラ66は、それぞれ、サーマルヘッド60およびテープ駆動軸61に対して、近接する位置(図2参照)と離隔する位置(図示略)とに移動する。
テープ駆動軸61、リボン巻取軸62、プラテンローラ65、および搬送ローラ66は、ギア(図示略)を介して搬送モータ68(図18参照)と連結する。搬送モータ68は、順送方向および逆送方向に回転駆動できる。順送方向および逆送方向は、互いに反対の回転方向である。
筐体2の内部において、排出口11の後側近傍には、内部ユニット10が設けられる。内部ユニット10は、切断ユニット100と排出ユニット200とを備える。切断ユニット100は、テープに対して幅方向に沿って厚み方向の少なくとも一部を切断する切断動作を実行する。排出ユニット200は、切断ユニット100によって切断されるテープを保持し、切断ユニット100によって切断されたテープを排出口11から印刷装置1の外部へ排出する。切断ユニット100および排出ユニット200の詳細は、後述する。
図2を参照し、カセット7を説明する。カセット7は、ケース70を備える。ケース70は、箱状であり、テープ駆動ローラ72、支持孔75〜78を有する。テープ駆動ローラ72は、ケース70の左前角部において上下方向に延びる円筒体であり、ケース70によって回転可能に支持される。テープ駆動ローラ72の左端部は、ケース70から外部に露出する。
支持孔75は、ケース70を上下方向に貫通し、第一テープスプール41を回転可能に支持する。第一テープスプール41は、上下方向に延び、第一のテープが巻回される。支持孔77は、ケース70を上下方向に貫通し、リボンスプール43を回転可能に支持する。リボンスプール43は、上下方向に延び、印刷に使用される前のインクリボン8が巻回される。支持孔78は、ケース70を上下方向に貫通し、リボン巻取スプール45を回転可能に支持する。リボン巻取スプール45は、上下方向に延びる筒状体であり、印刷に使用された後のインクリボン8が巻き取られて巻回される。支持孔76は、ケース70を上下方向に貫通し、第二テープスプール(図示略)を回転可能に支持する。第二テープスプールは、上下方向に延び、第二のテープが巻回される。
ケース70には、ヘッド開口71および一対の孔79が設けられる。ヘッド開口71は、ケース70の左部を上下方向に貫通する。ヘッド開口71の左前部では、テープが露出する。一対の孔79は、ケース70を上下方向に貫通し、第一テープスプール41から引き出されるテープを間に挟んで互いに対向する。
カセット7は、ケース70の内部に収容されるテープの種類、インクリボン8の有無等を適宜変更することによって、先述のサーマルタイプ、レセプタタイプ、ラミネートタイプ、チューブタイプ等に実装できる。
レセプタタイプのカセット7では、支持孔75は、第一のテープとしてレセプタテープ5またはダイカットテープ9が巻回された第一テープスプール41を支持する。レセプタタイプのカセット7では第二のテープが使用されないので、支持孔76は第二テープスプールを支持しない。支持孔77は、リボンスプール43を支持する。
サーマルタイプのカセット(図示略)では、支持孔75は、第一のテープとして感熱テープまたはステンシルテープが巻回された第一テープスプール41を支持する。支持孔76は、第二テープを支持しない。支持孔77は、リボンスプール43を支持しない。
ラミネートタイプのカセット(図示略)では、支持孔75は、第一のテープとして透明フィルムテープが巻回された第一テープスプール41を支持する。支持孔76は第二のテープとして両面粘着テープが巻回された第二テープスプールを支持する。支持孔77は、リボンスプール43を支持する。
図3を参照し、テープの一例として、レセプタテープ5、ダイカットテープ9、感熱テープ(図示略)、透明フィルムテープ(図示略)、および両面粘着テープ(図示略)を説明する。図3(A)に示すように、レセプタテープ5は、基材51と剥離紙52とを有する。基材51には、粘着層53が設けられる。粘着層53は、粘着剤が塗布された層である(後述する粘着層93も同様)。基材51のうち粘着層53が設けられた面とは反対側の面は、キャラクタが印刷される印刷面である。剥離紙52は、粘着層53を介して基材51に剥離可能に貼り付けられる。
図3(B)に示すように、ダイカットテープ9は、複数の基材91と剥離紙92とを有する。複数の基材91には、それぞれ、粘着層93が設けられる。剥離紙92は長尺状である。剥離紙92には、複数の基材91が、剥離紙92の長手方向に一定間隔で並んで、粘着層93を介して剥離可能に貼り付けられる。複数の基材91のうち粘着層93が設けられた面とは反対側の面は、キャラクタが印刷される印刷面である。剥離紙92のうち、基材91が設けられていない部分には、マーク99が設けられる。マーク99は、長手方向に一定間隔で並ぶ貫通孔である。レセプタテープ5およびダイカットテープ9は、インクリボン8のインクがサーマルヘッド60によって基材51、91の印刷面に熱転写されることで、キャラクタが印刷されるテープである。
感熱テープ(図示略)は、サーマルヘッド60によって熱が加えられることで、キャラクタが印刷されるテープである。ステンシルテープ(図示略)は、サーマルヘッド60によって熱が加えられることで、キャラクタの形状を模した孔が形成されるテープである。本実施形態の「印刷」は、キャラクタの形状を模した孔をテープに形成する動作も含む。
透明フィルムテープは、インクリボン8のインクがサーマルヘッド60によって印刷面に熱転写されることで、キャラクタが印刷されるテープである。印刷された透明フィルムテープの印刷面には、両面粘着テープが貼り合わされる。以下、印刷された透明フィルムテープに両面粘着テープが貼り合わされたテープを、「ラミネートテープ」ともいう。
本実施形態では、ダイカットテープ9は、レセプタテープ5および感熱テープよりも撓みやすい。レセプタテープ5および感熱テープは、ラミネートテープよりも撓みやすい。ラミネートテープは、ステンシルテープよりも撓みやすい。テープの撓みやすさは、テープの厚み、テープのヤング率等によって決定される。例えば、テープの厚みが厚いほど、またはテープのヤング率が大きいほど、テープは撓みにくい。レセプタテープ5、感熱テープ、ステンシルテープ、およびラミネートテープは、ダイカットテープ9に比べて損傷しやすい。テープの損傷しやすさは、テープの表面の材質(コーティングの有無を含む)、テープの表面の形状(例えば、凹凸の有無)等によって決定される。例えば、テープの表面の硬度が大きいほど、テープは損傷しにくい。なお、テープの種類はこれらに限定されず、チューブテープ等でもよい。上述した各テープの撓みやすさ、および損傷しやすさは、単なる一例である。
図1および図2を参照し、一例としてレセプタタイプのカセット7を使用して印刷装置1によって印刷が行われる手順を説明する。カバー3が開かれた状態では、プラテンローラ65および搬送ローラ66が、それぞれ、サーマルヘッド60およびテープ駆動軸61から左方に離隔する位置にある。この状態で、ユーザは、装着部6にカセット7を装着する。装着部6にカセット7が装着されると、リボン巻取スプール45にリボン巻取軸62が挿入される。テープ駆動ローラ72にテープ駆動軸61が挿入される。ヘッド開口71にヘッドホルダ69が挿入される。一対の孔79からマーク検出センサ31の発光部および受光部がケース70内に進入する。マーク検出センサ31の発光部および受光部は、第一テープスプール41から引き出されたテープを間にして対向する。レセプタテープ5およびインクリボン8は、幅方向が上下方向を向く姿勢で配置される。
カバー3が閉じられると、プラテンローラ65および搬送ローラ66が、それぞれ、サーマルヘッド60およびテープ駆動軸61に左側から近接する位置に移動する。これにより、プラテンローラ65はレセプタテープ5のうち基材51の印刷面側にインクリボン8を重ね合わせてサーマルヘッド60に押圧する。搬送ローラ66は、レセプタテープ5をテープ駆動ローラ72に押圧する。以上のように、装着部6にカセット7が装着され、且つカバー3が閉じられた状態を、「印刷準備状態」という。
以下、プラテンローラ65がサーマルヘッド60との間でテープを挟む搬送方向位置を、「印刷位置P1」という。搬送ローラ66がテープ駆動ローラ72との間でテープを挟む搬送方向位置を、「第一挟持位置P2」という。プラテンローラ65がサーマルヘッド60との間でテープを挟む荷重を、「印刷位置P1の挟持荷重」という。搬送ローラ66がテープ駆動ローラ72との間でテープを挟む荷重を、「第一挟持位置P2の挟持荷重」という。第一挟持位置P2は、印刷位置P1よりも搬送方向下流側にある。第一挟持位置P2の挟持荷重は、印刷位置P1の挟持荷重よりも小さい。
印刷装置1は、テープ駆動軸61、プラテンローラ65、および搬送ローラ66を回転させることで、テープを搬送できる。本実施形態の「搬送」は、「順送」と「逆送」とを含む。順送は、テープを搬送方向下流側へ搬送することである。すなわち、順送は、テープを第一テープスプール41から引き出すように搬送することである。逆送は、テープを搬送方向上流側へ搬送することである。
テープを順送する場合、印刷装置1は、搬送モータ68(図18参照)を順送方向に回転駆動することで、テープ駆動軸61を平面視で反時計回り方向に回転させ、且つプラテンローラ65および搬送ローラ66を平面視で時計回り方向に回転させる。この場合、テープ駆動ローラ72が平面視で反時計回り方向に回転する。これにより、テープが搬送ローラ66とテープ駆動ローラ72との間で挟まれて、順送される(すなわち、搬送方向下流側に搬送される)。プラテンローラ65とサーマルヘッド60との間でレセプタテープ5が挟まれて順送される。
テープを逆送する場合、印刷装置1は、搬送モータ68を逆送方向に回転駆動することで、テープ駆動軸61を平面視で時計回り方向に回転させ、且つプラテンローラ65および搬送ローラ66を平面視で反時計回り方向に回転させる。この場合、テープ駆動ローラ72が平面視で時計回り方向に回転する。これにより、テープが搬送ローラ66とテープ駆動ローラ72との間で挟まれて、逆送される(すなわち、搬送方向上流側に搬送される)。プラテンローラ65とサーマルヘッド60との間でレセプタテープ5が挟まれて逆送される。以下、テープを順送する動作を、「順送動作」ともいい、テープを逆送する動作を、「逆送動作」ともいう。
印刷装置1は、印刷動作を実行する前に、頭出し動作を実行する。頭出し動作では、印刷装置1は、搬送モータ68を制御することで、逆送動作および順送動作のうち少なくとも逆送動作を実行する。これにより、テープの頭出しが行われる。
頭出し動作の実行後、印刷装置1は、印刷動作を実行する。印刷動作では、印刷装置1は、テープを順送しながらテープに印刷を行う。詳細には、印刷装置1は、サーマルヘッド60を発熱させることで、インクリボン8を加熱する。これにより、インクリボン8のインクがレセプタテープ5のうち基材51の印刷面に熱転写されることで、印刷位置P1においてキャラクタが印刷される。印刷装置1は、搬送モータ68を順送方向に駆動させることで、リボン巻取軸62、テープ駆動軸61、プラテンローラ65、および搬送ローラ66を回転させる。リボン巻取軸62の回転によってリボン巻取スプール45が回転することで、リボン巻取スプール45にインクリボン8が巻き取られる。テープ駆動軸61の回転によってテープ駆動ローラ72が平面視で反時計回り方向に回転する。テープ駆動ローラ72および搬送ローラ66の回転によって第一挟持位置P2において搬送ローラ66とテープ駆動ローラ72との間でレセプタテープ5が挟まれて順送される。プラテンローラ65の回転によってプラテンローラ65とサーマルヘッド60との間でレセプタテープ5が挟まれて順送される。
印刷されたレセプタテープ5は、カセット7から排出された後、後述する切断ユニット100によって切断される。切断されたレセプタテープ5は、排出ユニット200によって排出口11から印刷装置1の外部へと排出される。
図4から図8を参照し、切断ユニット100の詳細構造を説明する。図5、図6では、切断ユニット100の構成要素のうち、第二フレーム109、および連結ギア105B、125、126の図示を省略する(図9、図10も同様)。切断ユニット100は、排出口11の後方、且つ搬送ローラ66の前方で筐体2の内部に設けられる。
図4に示すように、切断ユニット100は固定フレーム106を備える。固定フレーム106は筐体2(図1参照)の内部に固定される。固定フレーム106は、第一フレーム118と第二フレーム109とを備える。第二フレーム109は、背面視で矩形状であり、二点鎖線によって図示される。第一フレーム118は、第二フレーム109の前方に配置され、第一通過口118Aを備える。第一通過口118Aは、第一フレーム118を前後方向に貫通し、後述する第二通過口201の後方に並ぶ。テープは第一通過口118A内を通過する。第一通過口118Aの左側開口端には、案内部材147が設けられる。案内部材147には、右方に向けて凸状の複数のリブが、上下方向に並んで配置される。案内部材147は、順送されるテープを第二通過口201に向けて案内する。
第一フレーム118には、受台173が固定される。受台173は、板状である。受台173の下端173Aは、第一通過口118Aの下方に配置される。下端173Aは、凸部178を含む。凸部178は、下端173Aから前方に突出する。凸部178には、固定孔が形成される。固定孔は、正面視で円形状である。固定孔には、軸177が固定される。軸177は、前後方向に延びる。受台173は、延設部173Cおよび受板173Dを備える。延設部173Cは、受台173の下端173Aと上端173Bとの間で延びる。延設部173Cは、第一通過口118Aの左側において、二つの螺子176により、第一フレーム118に固定される。受板173Dは、延設部173Cの右端から前方に突出し、右側面視で上下方向に延びる矩形状である。受板173Dには、案内部材147よりも搬送方向上流側(すなわち後側)にあるテープが配置される。
第一通過口118Aよりも右側では、切断モータ105が第二フレーム109の下端に固定される。切断モータ105の出力軸105Aは、切断モータ105から上方に延びる。出力軸105Aには、連結ギア105Bが固定される。
切断モータ105の右下側且つ後側には、回転体150が設けられる。回転体150は、軸177よりも右側に配置され、正面視で円形状である。回転体150は、軸159(図8参照)によって回転可能に支持される。軸159は、第一フレーム118を前後方向に貫通し、第一フレーム118に固定される。
出力軸105Aの右側には、ギア列124が設けられる。ギア列124は、連結ギア125〜127、およびカムギア128を含む。連結ギア125〜127、カムギア128は、上側から順に上下方向に並び、いずれも前後方向を軸方向として回転可能である。連結ギア125〜127は、二段歯車である。連結ギア125、126は、第二フレーム109によって回転可能に支持される。連結ギア125は、連結ギア105Bと噛み合う。連結ギア127は第一フレーム118によって回転可能に支持される。カムギア128は、ギア列124のなかで最も従動側のギアであり、回転体150の外周面と一体的に形成される。連結ギア125〜127、カムギア128は、互いに噛み合う。従って、切断モータ105の駆動力は、連結ギア105Bとギア列124を介して回転体150に伝達される。
図5および図6に示すように、回転体150には、溝カム151、152が設けられる。溝カム151、152は、前方に開口し、互いに連続して一体的に形成される。溝カム151は、その両端である始端151Aから終端151Bまで、軸159に接近する方向に延びる。溝カム152は、始端151Aから正面視で時計回り方向に、軸159を中心とした円弧状に延びる。以下、溝カム151、152を総称する場合、「溝カム153」という。
回転体150の左上方には、支軸119が設けられる。支軸119は、第一フレーム118から前方に突出し、第一リンク部材110を揺動可能に支持する。第一リンク部材110は、第一フレーム118と前後方向に隙間を空けて対向し、上下方向に延びる。第一リンク部材110のうち支軸119よりも下方の部位は、前方に延び、さらに下方に折れ曲がって延びる。第一リンク部材110のうち支軸119よりも上方の部位は、上下方向に延びる。第一リンク部材110の下端部116は、回転体150の前方に配置される。下端部116には、ピン111が設けられる。ピン111は、下端部116から後方に突出し、溝カム153に係合する。回転体150の回転に伴い、溝カム151がピン111に対して摺動することで、第一リンク部材110は支軸119を中心にして揺動できる。
第一リンク部材110の上端部117には、ピン112と凹部139とが設けられる。ピン112は、上端部117から後方に突出し、貫通孔197(図8参照)に挿入される。貫通孔197は、第一フレーム118を前後方向に貫通する。凹部139は、支軸119を中心に正面視で時計回り方向に凹む。
第一リンク部材110と第一フレーム118との間には、第二リンク部材120が設けられる。第二リンク部材120は、支軸129によって、揺動可能に支持される。支軸129は、上端173Bよりも右側において、第一フレーム118から前方に突出する。第二リンク部材120は、支軸129を中心とした扇形状に形成された板状であり、第一フレーム118に前方から対向して接触する。第二リンク部材120のうち支軸129から離隔する方向側の端部121は、上端部117に後方から対向する。
図7に示すように、端部121には、溝カム122が設けられる。溝カム122は、ピン112と係合し、カム122A、122Bを備える。カム122A、122Bは、互いに連続して一体的に形成された溝であり、支軸129に近接する側から順に配置される。カム122Aは、支軸129から離隔する方向に延び、カム122Bは、支軸129からさらに離隔する方向にカム122Aから延びる。カム122Aの延設方向とカム122Bの延設方向とは、互いに交差する。第一リンク部材110の揺動に伴い、ピン112が溝カム122に対して摺動することで、第二リンク部材120は支軸129を中心にして揺動できる。端部121には、ピン113が設けられる。図7で示されるピン113は、端部121から前方に突出し、凹部139の内側に配置される。
図5および図6に示すように、第二リンク部材120の前側には、可動ホルダ130が設けられる。可動ホルダ130は、軸177によって揺動可能に支持される。可動ホルダ130の下端部137は、受台173の下端173Aよりも前方において、軸177に揺動可能に連結する。可動ホルダ130の上端部138は、第一リンク部材110の上端部117と前方から対向する。
可動ホルダ130は、固着部134、パーシャルカット刃103、および突部131を備える。固着部134は、下端部137と上端部138との間で延び、切断モータ105(図4参照)に後側から対向する。パーシャルカット刃103は、前後方向に厚さを有する板状であり、固着部134の後面に固着される。パーシャルカット刃103の左端は、刃付けされた刃先103Aである。刃先103Aは、可動ホルダ130の揺動方向に沿って左側へ、延設部173Cから僅かに突出する。刃先103Aは、可動ホルダ130の揺動方向に沿って、受台173の受板173Dと対向する。突部131は、可動ホルダ130の揺動方向に沿って左側へ上端部138から突出し、可動ホルダ130の揺動方向に沿って受板173Dと対向する。突部131の先端(すなわち左端)は、刃先103Aよりも僅かに左側にある。
図7に示すように、上端部138には、溝カム133が設けられる。溝カム133は、ピン113と係合し、溝133A、133Bを備える。溝133A、133Bは、互いに連続して一体的に形成される。溝133Aは、軸177(図6参照)から遠ざかる方向に延びる。溝133Bは、軸177からさらに遠ざかる方向に溝133Aから延びる。溝133A、133Bは、互いに異なる方向に延びる。
第二リンク部材120の揺動に伴い、ピン113が溝カム133に対して摺動することで、可動ホルダ130は、軸177を中心にして、パーシャルカット位置(図9参照)と退避位置(図5参照)とにわたって揺動できる。パーシャルカット位置は、突部131の先端が受板173Dと当接する可動ホルダ130の揺動位置である。退避位置は、パーシャルカット位置から右側に退避した可動ホルダ130の揺動位置である。可動ホルダ130が退避位置にある場合、刃先103Aは、受板173Dに配置されたテープから右側に離隔する。刃先103Aは、突部131の先端よりも右側にある。従って、可動ホルダ130がパーシャルカット位置にあるとき、刃先103Aと受台173との間には隙間が形成される。可動ホルダ130の揺動方向におけるこの隙間の大きさは、テープの厚さよりも小さい。
図8に示すように、第一フレーム118の後側には、固定刃179およびフルカット刃140が設けられる。固定刃179は、第一通過口118Aよりも右側で第一フレーム118に固定される。固定刃179は、背面視で上下方向に延びる矩形状の板状部材である。固定刃179の下端179Aには、軸199が固定される。軸199は前後方向に延び、第一フレーム118から後方に突出する。固定刃179は、刃先179Cを備える。刃先179Cは、固定刃179の左端に、上下方向に沿って刃付けされる。テープは、固定刃179の下端179Aと上端179Bとの間で刃先179Cに配置される。
フルカット刃140は、第一フレーム118とフルカット刃140の間となる前後位置において、軸199によって揺動可能に支持され、正面視でL字状の板状部材である。フルカット刃140は、アーム141、142を備える。アーム141は、軸199から上側へ延びる。アーム142は、軸199から右側へ延びる。軸199を中心とした背面視で反時計回り方向側におけるアーム141の端には、アーム141の延設方向に沿って刃先141Aが刃付けされる。刃先141Aは、フルカット刃140の揺動方向に沿って、固定刃179の刃先179Cと対向する。
アーム142の右部には、溝カム144が設けられる。溝カム144は、前後方向に開口し、ピン114と係合する。ピン114は、回転体150から後方に突出し、挿入孔115に挿入される。挿入孔115は、第一フレーム118を前後方向に貫通し、軸159を中心に円弧状に延びる。
溝カム144は、円弧カム145と延伸カム146を備える。円弧カム145と延伸カム146は、互いに連続して一体的に形成される溝である。円弧カム145は、その両端である始端145Aから終端145Bまで、軸159を中心に背面視で反時計回り方向側へ円弧状に延びる。延伸カム146は、円弧カム145の始端145Aから軸199に向けて直線状に延びる。
回転体150の回転に伴い、ピン114が延伸カム146に対して摺動することで、フルカット刃140は、軸199を中心にして、フルカット位置(図12参照)と離隔位置(図8参照)とにわたって揺動できる。フルカット位置は、刃先141Aが固定刃179の刃先179Cよりも右側に配置されるフルカット刃140の揺動位置である。離隔位置は、刃先179Cに配置されたテープから刃先141Aが左側へ離隔するフルカット刃140の揺動位置である。フルカット刃140の揺動方向は、可動ホルダ130の揺動方向と平行である。
図6、および図9から図11を参照し、切断ユニット100によるパーシャルカット動作を説明する。パーシャルカット動作は、テープの厚み方向の一部を残して、幅方向に沿って切断する切断動作である。パーシャルカット動作の開始前、テープは、印刷装置1の複数のローラによって第一通過口118Aを通過する位置まで搬送されており、受板173Dに配置されている。パーシャルカット動作の開始前、切断ユニット100は初期状態にある(図6、図8参照)。切断ユニット100が初期状態にある場合、ピン111は始端151Aと接触している。ピン112はカム122Aの上端と接触している。ピン113は溝133Aの下部と接触している。可動ホルダ130は退避位置に配置されている。ピン114は始端145Aと接触している。フルカット刃140は離隔位置に配置されている。
切断モータ105(図4参照)が駆動を開始することで、連結ギア105Bは出力軸105Aと共に回転する。ギア列124が、切断モータ105の駆動力を回転体150に伝達することで、回転体150は正面視で時計回り方向に回転する(矢印H0)。回転体150の溝カム151は、ピン111を右側に押圧しながら回転する(図6、図10参照)。これにより、第一リンク部材110は正面視で反時計回り方向に揺動する(矢印H1)。第一リンク部材110の揺動により、ピン112は、溝カム122のカム122Aを左側に押圧しながら揺動する。これにより、第二リンク部材120は、第一フレーム118に対して摺動しながら、正面視で時計回り方向に揺動する(矢印H2)。このとき、ピン112は、凹部139よりも上方に、第二リンク部材120に対して相対的に揺動する。第二リンク部材120の揺動により、ピン113は溝カム133の溝133Aを左側へ押圧する。これにより、可動ホルダ130は、退避位置からパーシャルカット位置に向けて揺動する(矢印H3)。このとき、ピン113は、溝カム133の延設方向の一方側(図7、図11の矢印V1方向側)から、他方側(矢印V2方向側)に向けて摺動する。
可動ホルダ130がパーシャルカット位置に向けて揺動する間、ピン114(図8参照)は、円弧カム145の始端145Aから終端145Bに向けて摺動するので、フルカット刃140を押圧しない。従って、フルカット刃140は離隔位置に停止した状態を維持する。
図9から図11に示すように、回転体150の回転に伴い、ピン111が終端151Bに向けて摺動する間に、ピン112は、カム122Aに代えてカム122Bに対して摺動し、ピン113は、溝133Aに代えて溝133Bに対して摺動する。可動ホルダ130が継続して揺動することで、刃先103Aは、下側から徐々にテープに切れ込みを入れ始める。
刃先103Aがテープに切れ込みを入れ始めるとき、摺動するピン112は、支軸129から離隔する方向に揺動しながら、カム122Bに対して摺動する。テープの上端まで切れ込みが入った後、突部131が受板173Dと当接したとき、可動ホルダ130はパーシャルカット位置に到達する。テープのうち刃先103Aと受台173との間に形成された隙間に配置された部分(すなわち、テープの幅方向の一部)は切断されない。これにより、パーシャルカット刃103は刃先103Aでテープを幅方向にわたってパーシャルカットする。切断モータ105は駆動を終了する。以下、パーシャルカット刃103がテープを幅方向にわたってパーシャルカットする搬送方向位置を、「第二切断位置P4」という(図2参照)。第二切断位置P4は、後述する第一切断位置P3よりも搬送方向下流側にある。
切断モータ105は、パーシャルカット動作の開始時とは反対方向に駆動する。回転体150、第一リンク部材110、第二リンク部材120、および可動ホルダ130は、パーシャルカット動作の開始時とは反対方向に動作する。ピン113は、上端部117の凹部139の内側まで戻る。切断ユニット100は初期状態に戻る。切断モータ105が駆動を終了することで、パーシャルカット動作は完了する。
図6、図8、および図12を参照し、切断ユニット100によるフルカット動作を説明する。フルカット動作は、テープの厚み方向の全部を幅方向に沿って切断する切断動作である。フルカット動作の開始前、切断ユニット100は初期状態にある。
切断モータ105は、パーシャルカット動作の開始時とは反対方向への回転駆動を開始する。これにより、回転体150は正面視で反時計回りに回転する(矢印F0)。このとき、溝カム153の溝カム152(図6参照)がピン111と摺動するので、溝カム153がピン111を押圧しない。従って、可動ホルダ130は退避位置に停止した状態を維持する。
回転体150の回転に伴い、ピン114は、延伸カム146に対して、下側に押圧しながら摺動する。これにより、可動ホルダ130は、フルカット位置に向けた揺動を開始する(矢印F1)。ピン114が、延伸カム146に対して摺動するに従い、フルカット刃140の刃先141Aは、下側から徐々に、固定刃179の刃先179Cとの間でテープを挟み込む。よって、テープは、下側から徐々に二つに切り離される。切れ込みが上下方向にわたってテープに入った後、フルカット刃140はフルカット位置に到達する。フルカット刃140は、刃先141A、179Cでテープをフルカットする。切断モータ105は駆動を停止する。以下、フルカット刃140がテープをフルカットする搬送方向位置を、「第一切断位置P3」という。第一切断位置P3は、第一挟持位置P2よりも搬送方向下流側にある。
切断モータ105は、フルカット動作の開始時とは反対方向に駆動する。回転体150とフルカット刃140は、フルカット動作の開始時とは反対方向に動作し、切断ユニット100は初期状態に戻る。切断モータ105が駆動を終了することで、フルカット動作は完了する。
図13から図17を参照し、排出ユニット200の詳細構造を説明する。図14は、排出ユニット200の構成要素のうち、第三フレーム213、案内フレーム214、および位置検出センサ295の図示を省略する。排出ユニット200は、排出口11の後方、且つ切断ユニット100よりも搬送方向下流側(すなわち、前側)で筐体2の内部に設けられる(図2参照)。
図13および図14に示すように、排出ユニット200は、固定フレーム210、排出ローラ220、対向ローラ230、排出モータ299、第一連結機構280、移動機構250、第二連結機構240、および位置検出センサ295を備える。固定フレーム210は、排出口11の後側近傍で筐体2の内部に固定され、第一フレーム211と第二フレーム212と第三フレーム213とを備える。
第一フレーム211は、排出ユニット200の下部に設けられ、上下方向に直交して延びる。第二フレーム212および第三フレーム213は、それぞれ、第一フレーム211から上方に、左右方向に直交して延びる。第三フレーム213は、第二フレーム212に対して左側から所定の隙間を開けて対向する。第二フレーム212と第三フレーム213との間の隙間は、第二通過口201である。第二通過口201は、第一通過口118Aの前側に並び、且つ排出口11の後側に並ぶ(図16、図17参照)。テープは、第一通過口118A、第二通過口201、排出口11の順に搬送方向上流側(すなわち、後側)から下流側(すなわち、前側)に向けて順送される。
例えばテープがレセプタテープ5の場合、レセプタテープ5は、基材51側が右側を向き、剥離紙52側が左側を向いた状態で、第一通過口118A、第二通過口201、排出口11を通過する。テープがダイカットテープ9の場合、ダイカットテープ9は、基材91側が右側を向き、剥離紙92側が左側を向いた状態で、第一通過口118A、第二通過口201、排出口11を通過する。
排出ローラ220は、搬送ローラ66およびテープ駆動軸61に対して搬送方向下流側(前側)において、第二通過口201の左側に設けられる(図16、図17参照)。すなわち、排出ローラ220は、レセプタテープ5のうち剥離紙52側に配置される。排出ローラ220は、上下方向に延びる円筒状の弾性体であり、孔213A(図16、図17参照)内に配置される。孔213Aは、第三フレーム213の後端部を左右方向に貫通し、側面視で上下方向に長い矩形状に延びる。
対向ローラ230は、搬送ローラ66およびテープ駆動軸61に対して搬送方向下流側(前側)において、第二通過口201の右側に設けられる(図16、図17参照)。すなわち、対向ローラ230は、レセプタテープ5のうち基材51側に配置される。対向ローラ230は、第二通過口201を間にして排出ローラ220に右側から対向する。対向ローラ230は、上下方向に延びる複数の円筒状の弾性体であり、孔212A内に配置される。複数の円筒状の弾性体は、上下方向に一定間隔を空けて並ぶ。孔212Aは、第二フレーム212の後端部を左右方向に貫通し、側面視で上下方向に長い矩形状に延びる。対向ローラ230の左端部は、第二フレーム212の左面よりも左側に配置される。対向ローラ230の中心孔には、回転軸230Aが回転可能に挿入される。回転軸230Aは、上下方向に延びる円柱体である。回転軸230Aの両端部は、孔212Aの上側および下側の内壁に固定される。
排出モータ299は、第一フレーム211の左端部に固定され、DCモータである。排出モータ299の出力軸299Aは、排出モータ299から下方に延びる。排出モータ299は、出力軸299Aを底面視で反時計回り方向(矢印R1)、および時計回り方向(矢印R2)に回転駆動できる。以下、排出モータ299が出力軸299Aを底面視で反時計回り方向に回転駆動することを、「正転駆動」といい、排出モータ299が出力軸299Aを底面視で時計回り方向に回転駆動することを、「逆転駆動」という。
第一連結機構280は、排出ユニット200の下部に設けられ、排出モータ299と排出ローラ220を駆動連結する。第一連結機構280は、連結ギア281〜284と移動ギア285と回転軸285Aとを備える。連結ギア281〜284および移動ギア285の回転軸線は、いずれも上下方向に延びる。連結ギア281は、出力軸299Aの下端部に固定され、平歯車である。
連結ギア282は、連結ギア281の前右側に設けられ、大径ギアおよび小径ギアからなる二段歯車である。連結ギア282の大径ギアの後左端部は、連結ギア281の前右端部に噛み合う。連結ギア282の中心孔には、回転軸282Aが回転可能に挿入される。回転軸282Aは、第一フレーム211に固定され、第一フレーム211から下方に延びる円柱体である。連結ギア283は、連結ギア282の前右側に設けられ、大径ギアおよび小径ギアからなる二段歯車である。連結ギア283の大径ギアの後左端部は、連結ギア282の小径ギアの前右端部に噛み合う。連結ギア283の中心孔には、回転軸283Aの下端部が挿入固定される。回転軸283Aは、上下方向に延び、第一フレーム211を貫通する。回転軸283Aの上端部は、第一フレーム211の上面よりも上側まで延びる。回転軸283Aは、第一フレーム211によって回転可能に支持される。回転軸283Aのうち第一フレーム211よりも上側の部位は、円柱状である。回転軸283Aのうち第一フレーム211よりも下側の部位は、Dカット形状である。
連結ギア284は、連結ギア283の右側に設けられ、大径ギアおよび小径ギアからなる二段歯車である。連結ギア284の大径ギアの左端部は、連結ギア283の小径ギアの右端部に噛み合う。連結ギア284の中心孔には、回転軸284Aが回転可能に挿入される。回転軸284Aは、第一フレーム211に固定され、第一フレーム211から下方に延びる円柱体である。移動ギア285は、連結ギア284の後側に設けられ、平歯車である。移動ギア285の前端部は、連結ギア284の小径ギアの後端部に噛み合う。回転軸285Aは、回転軸230Aと平行に延びる。回転軸285Aの下端部は、Dカット形状である。回転軸285Aのうち下端部以外の部位は、円柱状である。回転軸285Aの下端部は、第一フレーム211の下側まで延び、移動ギア285の中心孔に挿入固定される。回転軸285Aの上端部は、孔213Aの上端まで延び、排出ローラ220の中心孔に挿入固定される。
第一フレーム211には、案内孔211Aが設けられる。案内孔211Aは、第一フレーム211のうち連結ギア284の後側を上下方向に貫通し、平面視で連結ギア284の歯が設けられた外周面284Bに沿った円弧状(図17参照)に延びる。なお、図17は、案内孔211Aのうち排出ローラ220等で隠れている部分を破線で示す。案内孔211Aには、回転軸285Aのうち移動ギア285よりも上側の部位が挿入される。回転軸285Aは、案内孔211A内を案内孔211Aに沿って移動可能である。
移動機構250は、排出ローラ220を、対向ローラ230に対して接近する方向または離隔する方向に移動させる。本実施形態では、移動機構250は、排出ローラ220を、対向ローラ230に左側から近接する位置(以下、「ニップ位置」という。図13、図16参照)と対向ローラ230から左側に離隔する位置(以下、「リリース位置」という。図14、図17参照)とに移動させる。
移動機構250は、回転体251、偏心部材252、およびローラホルダ255を備える。回転体251は、第一フレーム211に対して連結ギア283とは反対側に設けられ、円筒体である。回転体251の中心孔には、回転軸283Aの上端部が回転可能に挿入される。偏心部材252は、回転体251のうち、回転軸283Aに対して偏心した位置から上方に延びる円柱体である。従って、偏心部材252は、回転体251の回転に伴って平面視で回転軸283Aを中心として回転する。
偏心部材252の下端部には、拡径部253が設けられる。拡径部253は、偏心部材252と回転体251の上面との固定部である。拡径部253は、偏心部材252よりも拡径し、平面視で半円状である。拡径部253には、凹部253A(図13参照)が設けられる。凹部253Aは、拡径部253の円弧部から回転軸283A(すなわち、偏心部材252の回転中心)に向かって凹む。凹部253Aには、付勢部材297が係合できる。付勢部材297は、固定部213Bに固定され、トーションばねである。固定部231Bは、第三フレーム213の上面のうち、回転体251の上前側近傍に設けられる。付勢部材297の両端は、後方に延びる。拡径部253が回転軸283Aに対して右側に配置されると、凹部253Aが右方に開口するので、付勢部材297の端部が凹部253Aに右側から係合する(図13参照)。拡径部253が回転軸283Aに対して左側に配置されると、凹部253Aが左方に開口するので、付勢部材297の端部は凹部253Aから離隔する(図示略)。
図15に示すように、ローラホルダ255は、第一部材260と第二部材270と付勢部材256(図14参照)とを備える。第一部材260は、正面視で右方に開口するU字状である。第一部材260の上側の壁部260Aおよび下側の壁部260Bには、それぞれ、係止孔262が設けられる。なお、壁部260A側の係止孔262の図示は省略する。係止孔262は、壁部260A、260Bの左端部を上下方向に貫通し、平面視で左右方向に長い矩形状である。壁部260Bには、凹部263が設けられる。凹部263は、壁部260Bの右端部から左方に凹む。
第一部材260の左側の壁部260Cには、突出部265と検出片269とが設けられる。突出部265は、壁部260Cの前面の右端部から前方に突出する。突出部265には、第一支持孔266が設けられる。第一支持孔266は、突出部265を上下方向に貫通し、前後方向に長い長孔である。第一支持孔266には、偏心部材252(図13参照)が挿入される。第一支持孔266は、偏心部材252を前後方向に移動可能に支持する。検出片269は、壁部260Cの左面の上端部から左方に延び、さらに上方に延びる。
第二部材270は、正面視で右方に開口するU字状であり、第一部材260よりも小さい。第二部材270は、第一部材260の凹部の内側に配置される。第二部材270の凹部内、すなわち、第二部材270の上側の壁部270Aおよび下側の壁部270Bの間には、排出ローラ220(図14参照)が配置される。第二部材270の右端部は、ローラホルダ255の右端部である。排出ローラ220の右端部は、ローラホルダ255の右端部よりも右側に配置される。壁部270A、270Bには、それぞれ、第二支持孔271が設けられる。第二支持孔271は、それぞれ、壁部270A、270Bの右端部を上下方向に貫通し、前後方向に長い長孔である。各第二支持孔271には、回転軸285Aが挿入される。第二支持孔271は、回転軸285Aを回転可能、且つ、前後方向に移動可能に支持する。
壁部270A、270Bには、それぞれ、係止片274が設けられる。なお、壁部270A側の係止片274の図示は省略する。係止片274は、壁部270A、270Bの各左端部から左方に突出し、互いに反対側を向く鉤状である。各係止片274の鉤状部は、各係止孔262に左右方向に移動可能に係合する。これにより、第二部材270は、第一部材260によって左右方向(すなわち、対向ローラ230に接近または離隔する方向)に移動可能に支持される。
図14に示すように、付勢部材256は、壁部260Cの右面と第二部材270の左側の壁部270Cの左面との間に設けられる。付勢部材256は、圧縮コイルばねであり、第一部材260に対して第二部材270を対向ローラ230に向けて右方に付勢する。従って、第二部材270に左方への力が働かない場合、第二部材270は、付勢部材256の付勢力により、各係止孔262の右端部に各係止片274の鉤状部が接触する位置に維持される。
図13、図16、および図17に示すように、ローラホルダ255は、第三フレーム213の左面の後部において、案内フレーム214の内側に設けられる。案内フレーム214は、第三フレーム213から左方に延び、左側面視でローラホルダ255の形状に沿った略矩形状である。案内フレーム214には開口部214A、214Bが設けられる。開口部214Aは、案内フレーム214の前下角部において、前方に開口する。突出部265は、開口部214Aから前側に突出する。開口部214Bは、案内フレーム214の左端において左方に開口する。検出片269は、開口部214Bから左方に突出する。案内フレーム214は、ローラホルダ255を左右方向に直動するように案内する。
図13から図14に示すように、第二連結機構240は、排出ユニット200の下部に設けられ、排出モータ299と移動機構250を駆動連結する。第二連結機構240は、複数の連結ギア281〜283と回転軸283Aとワンウェイクラッチ290とを備える。すなわち、複数の連結ギア281〜283は、排出モータ299と排出ローラ220を駆動連結し、且つ排出モータ299と移動機構250を駆動連結する。
ワンウェイクラッチ290は、回転体251の内壁と回転軸283Aの上端部との間に設けられる。図13は、回転軸283Aのうち連結ギア283、第一フレーム211、および回転体251の内側に配置される部位と、ワンウェイクラッチ290とを破線で示す。
ワンウェイクラッチ290は、排出モータ299の逆転駆動時に、排出モータ299と回転体251を駆動連結し、排出モータ299の正転駆動時に、排出モータ299と回転体251との駆動連結を解除する。本実施形態では、排出モータ299が逆転駆動すると(矢印R2)、連結ギア281〜283を介して、回転軸283Aが底面視で時計回り方向に回転する。ワンウェイクラッチ290は、回転軸283Aが底面視で時計回り方向に回転した場合に、回転体251を回転軸283Aと共に回転させる。排出モータ299が正転駆動すると(矢印R1)、連結ギア281〜283を介して、回転軸283Aが底面視で反時計回り方向に回転する。ワンウェイクラッチ290は、回転軸283Aが底面視で反時計回り方向に回転した場合に、回転軸283Aに対して回転体251を空転させる。
図13に示すように、位置検出センサ295は、案内フレーム214の上側において、第三フレーム213の左面に固定される。位置検出センサ295は、スイッチセンサであり、可動片295Aを有する。可動片295Aは、検出片269の上端部の右側に設けられる。可動片295Aは、常時左方に付勢され、且つ所定の係止位置で係止される。可動片295Aが右方に向かって所定の可動位置まで揺動すると、位置検出センサ295は検出信号を出力する。位置検出センサ295は、排出ローラ220がニップ位置にあるか否かを検出する。
図13から図14を参照し、排出モータ299が正転駆動した場合の排出ユニット200の各部材の動作を説明する。排出モータ299が正転駆動(矢印R1)したときの駆動力(以下、「排出モータ299の正転駆動力」という。)は、第一連結機構280によって、出力軸299Aから連結ギア281、282、283、284、移動ギア285、回転軸285Aの順に、排出ローラ220まで伝達する。これにより、排出モータ299の正転駆動時には、排出ローラ220が底面視で反時計回り方向(以下、「排出方向」という。矢印R3)に回転する。排出方向に回転している排出ローラ220にテープが接触すると、テープは順送される。
さらに、排出モータ299の正転駆動力は、第二連結機構240によって、出力軸299Aから連結ギア281、282、283、回転軸283Aの順に伝達する。この場合、排出モータ299と回転体251の駆動連結をワンウェイクラッチ290が解除するので、排出モータ299の正転駆動力は、回転軸283Aから回転体251へは伝達しない。よって、排出モータ299が正転駆動しても、回転体251は回転しない。従って、印刷装置1は、排出モータ299を正転駆動することで、排出ローラ220が配置されている位置を維持した状態で、排出ローラ220を排出方向に回転させることができる。すなわち、印刷装置1は、排出モータ299を正転駆動することで、排出ローラ220をニップ位置(図13、図16参照)とリリース位置(図14、図17参照)との間で移動させることなく、排出ローラ220を排出方向に回転させることができる。
図13から図14、図16、および図17を参照し、排出モータ299が逆転駆動した場合の排出ユニット200の各部材の動作を説明する。図13から図14に示すように、排出モータ299が逆転駆動(矢印R2)したときの駆動力(以下、「排出モータ299の逆転駆動力」という。)は、第一連結機構280によって、出力軸299Aから連結ギア281、282、283、284、移動ギア285、回転軸285Aの順に、排出ローラ220まで伝達する。これにより、排出モータ299の逆転駆動時には、排出ローラ220が底面視で時計回り方向、すなわち排出方向とは反対方向(以下、「戻り方向」という。矢印R4)に回転する。
さらに、排出モータ299の逆転駆動力は、第二連結機構240によって、出力軸299Aから連結ギア281、282、283、回転軸283Aの順に伝達する。この場合、排出モータ299と回転体251とをワンウェイクラッチ290が駆動連結するので、排出モータ299の逆転駆動力は、回転軸283Aから回転体251へ伝達する。これにより、排出モータ299が逆転駆動すると、回転体251が回転軸283Aを中心に底面視で時計回り方向に回転する。この場合、偏心部材252が回転軸283Aを中心に底面視で時計回り方向に回転する。
この場合、図16および図17に示すように、偏心部材252は第一支持孔266内を前後方向に移動しながら突出部265を左方または右方に押圧する。これにより、ローラホルダ255が案内フレーム214内を、案内フレーム214に沿って左方または右方に移動する。ローラホルダ255の左方または右方への移動に伴って、第二支持孔271(図15参照)の内壁または凹部263(図15参照)が回転軸285Aを左方または右方に押圧する。これにより、回転軸285Aが左方または右方に移動することで、排出ローラ220がニップ位置とリリース位置との間を移動する。従って、印刷装置1は、排出モータ299を逆転駆動することで、移動機構250によって排出ローラ220をニップ位置(図16参照)とリリース位置(図17参照)とに移動させることができる。
排出ローラ220がニップ位置とリリース位置との間を移動する場合、回転軸285Aは、第二支持孔271(図15参照)内を前後方向に移動しながら案内孔211Aに沿って移動する。すなわち、回転軸285Aは、連結ギア284の外周面284Bに沿って移動する。よって、リリース位置からニップ位置に排出ローラ220が移動する場合、排出ローラ220は、対向ローラ230に対して、若干左斜め前側から接近する(図17参照)。移動ギア285は、回転軸285Aと一体的に、連結ギア284の外周面284Bに沿って移動する。従って、移動ギア285は、連結ギア284に噛み合った状態で移動する。このように、第一連結機構280によって排出モータ299と排出ローラ220とが駆動連結された状態が維持されたまま、排出ローラ220がニップ位置とリリース位置との間を移動する。すなわち、ニップ位置およびリリース位置のいずれに排出ローラ220がある場合でも、排出モータ299と排出ローラ220とは第一連結機構280により駆動連結される。
ニップ位置に排出ローラ220がある場合、排出ローラ220は、対向ローラ230との間でテープを挟む。テープがない場合には、排出ローラ220は、対向ローラ230と接触する。なお、排出ローラ220は、テープの厚みより小さい距離を開けて対向ローラ230と対向してもよい。リリース位置に排出ローラ220がある場合、排出ローラ220は、テープから左方に離隔する。以下、排出ローラ220が対向ローラ230との間でテープを挟む搬送方向位置を、「第二挟持位置P5」という。排出ローラ220と対向ローラ230との間でテープを挟む荷重を、「第二挟持位置P5の挟持荷重」という。第二挟持位置P5は、第二切断位置P4よりも搬送方向下流側にある。第二挟持位置P5の挟持荷重は、第一挟持位置P2の挟持荷重よりも小さい。
より詳細には、図17に示すように、回転軸283Aの左側に偏心部材252がある場合、偏心部材252は、偏心部材252の左右方向の移動範囲の左端にある。この場合、ローラホルダ255は、ローラホルダ255の左右方向の移動範囲の左端にあり、排出ローラ220は、リリース位置にある。この状態で、偏心部材252が平面視で回転軸283Aを中心として反時計回り方向に回転すると、偏心部材252が第一支持孔266内を後方に移動しながら突出部265を右方に押圧する。この場合、排出ローラ220がニップ位置に配置されるまで、すなわち、排出ローラ220が対向ローラ230との間でテープを挟む位置に配置されるまでは、第一部材260、第二部材270、および排出ローラ220は、一体的に右方に移動する。
図16に示すように、本実施形態では、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の右端に配置される前に、排出ローラ220が対向ローラ230との間でテープを挟む位置(すなわち、ニップ位置)に配置される。排出ローラ220がニップ位置に配置された後、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の右端までさらに移動すると、第一部材260が右方に移動する。この場合、第二部材270および排出ローラ220は、対向ローラ230によって、右方への移動が規制されている。すなわち、第一部材260が、付勢部材256の付勢力に抗って第二部材270および排出ローラ220に対して接近する。従って、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の左端と右端との間で移動する場合、排出ローラ220および第二部材270の左右方向の移動量よりも第一部材260の左右方向の移動量の方が大きい。
第一部材260が、付勢部材256の付勢力に抗って第二部材270および排出ローラ220に対して接近した場合、排出ローラ220を対向ローラ230に向けて付勢する付勢部材256の付勢力が大きくなる。よって、印刷装置1は、偏心部材252の左右方向位置に応じて第二挟持位置P5の挟持荷重を調整できる。排出ローラ220がニップ位置にある場合、対向ローラ230は、テープの厚みに応じて第一部材260に対して接近または離隔する。この場合、テープの厚みが厚くなるに従って、第一部材260に第二部材270が接近するので、付勢部材256の付勢力が大きくなる。従って、印刷装置1は、テープの厚みに応じて第二挟持位置P5の挟持荷重を変化させることができる。
図13に示すように、排出ローラ220がニップ位置にある場合、拡径部253は回転軸283Aに対して右側に配置される。従って、付勢部材297が凹部253Aに係合する。この場合、付勢部材297は、拡径部253を左斜め前側に付勢する。すなわち、付勢部材297は、回転体251を底面視で反時計回り方向に付勢する。付勢部材297は、回転体251が底面視で時計回り方向に回転することで、排出ローラ220がニップ位置からリリース位置に移動することを規制する。付勢部材297の付勢力は、回転体251を底面視で反時計回り方向に回転させるときに要する力よりも小さい。従って、排出ローラ220は、付勢部材297の付勢力によってニップ位置に保持される。
排出ローラ220がリリース位置にある場合、検出片269は可動片295Aから左方に離隔する(図示略)。排出ローラ220がリリース位置からニップ位置に移動する過程で、検出片269は可動片295Aを右方に押圧する。排出ローラ220がニップ位置まで移動すると、可動片295Aは、検出片269によって右方に押圧されながら可動位置まで揺動する。本実施形態では、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の右端に配置された場合、検出片269の左右方向の移動範囲の右端に配置される。この場合、可動片295Aが可動位置に配置される。このように、位置検出センサ295は、検出片269(すなわち、第一部材260)が、検出片269の左右方向の移動範囲の右端に配置されているか否かを検出することで、排出ローラ220がニップ位置にあるか否かを検出できる。
図18を参照し、印刷装置1の電気的構成を説明する。印刷装置1は、CPU81を備える。CPU81は、後述するメイン処理を実行するプロセッサとして機能し、印刷装置1を統括制御する。CPU81には、フラッシュメモリ82、ROM83、RAM84、サーマルヘッド60、搬送モータ68、切断モータ105、排出モータ299、入力部4、位置検出センサ295、マーク検出センサ31、およびテープ検出センサ32が接続される。フラッシュメモリ82は、非一時的な記憶媒体であり、CPU81にメイン処理を実行させるためのプログラム等を記憶する。ROM83は、非一時的な記憶媒体であり、各種プログラムの実行時にCPU81が必要な各種パラメータを記憶する。RAM84は、一時的な記憶媒体であり、タイマ、カウンタ等の一時的なデータを記憶する。
テープ検出センサ32は、テープ駆動軸61および搬送ローラ66よりも搬送方向下流側、且つ排出ローラ220よりも搬送方向上流側に設けられる。テープ検出センサ32は、透過型のフォトセンサであり、搬送方向において第一挟持位置P2と第二挟持位置P5との間の所定の検出位置(図示略)にテープがあるか否かを検出する。テープ検出センサ32は、検出位置にテープがある場合、検出信号を出力する。
図19から図24を参照し、メイン処理を説明する。ユーザは、印刷装置1を印刷準備状態にした後、印刷装置1の電源を投入する。印刷装置1の電源が投入されると、CPU81は、フラッシュメモリ82に記憶されたプログラムをRAM84において展開することで、メイン処理を開始する。
図19に示すように、CPU81は、初期処理を行う(S11)。初期処理では、CPU81は、切断モータ105を制御することで、切断ユニット100を初期状態とする。CPU81は、排出モータ299を逆転駆動することで、排出ユニット200を初期状態とする。排出ユニット200が初期状態にある場合、排出ローラ220はリリース位置に配置されている。CPU81は、位置検出センサ295から検出信号が出力されていないことを検出することで、排出ユニット200が初期状態にあることを確認する。なお、ニップ位置に排出ローラ220が配置されている状態が、排出ユニット200の初期状態とされてもよい。CPU81は、RAM84に記憶されている情報をクリアする。特に、CPU81は、印刷実行回数カウンタの値Kに「0」を設定する。印刷実行回数カウンタは、RAM84に記憶され、印刷動作が実行された回数を計数する。
CPU81は、テープ情報を取得する(S12)。テープ情報は、テープの種類(レセプタテープ5、ダイカットテープ9、感熱テープ、透明フィルムテープ、両面粘着テープ等)を示し、入力部4を介してユーザによって入力される。ユーザは、使用するカセットに収容されたテープの種類に応じて、テープ情報を入力する。取得されたテープ情報は、RAM84に記憶される。
CPU81は、取得されたテープ情報が示すテープが、ダイカットテープ9であるか否かを判断する(S13)。テープがダイカットテープ9でない場合(S13:NO)、CPU81は、処理をS21へ進める。
ダイカットテープ9では、長手方向(搬送方向)において、基材91がある部分と基材91がない部分とで厚みが異なるので、基材91がある部分と基材91がない部分との間には段差が形成される。このため、装着部6にカセットが装着された状態でダイカットテープ9の先端(搬送方向下流側の端部)が厚み方向に揺動すると、ダイカットテープ9の段差に固定刃179の刃先179C等が接触する可能性がある。ダイカットテープ9の段差には粘着層93があるので、粘着層93に固定刃179の刃先179C等が接触すると、剥離紙92から基材91が剥がれる可能性がある。ダイカットテープ9は、印刷装置1が搬送モータ68を順送方向に回転駆動しなくても、ダイカットテープ9自身の重さによって、カセットから意図せず排出される可能性がある。
テープがダイカットテープ9の場合(S13:YES)、CPU81は、排出モータ299の逆転駆動を開始することで、排出ローラ220のニップ位置(図16参照)への移動を開始する(S14)。CPU81は、位置検出センサ295からの検出信号を取得すると、排出モータ299の逆転駆動を停止することで、排出ローラ220をニップ位置に停止させる(S15)。このように、印刷装置1は、排出ローラ220と対向ローラ230との間でダイカットテープ9を挟むことで、ダイカットテープ9の先端の揺動を抑制できる。よって、印刷装置1は、ダイカットテープ9において、剥離紙92から基材91が剥がれることを抑制できる。印刷装置1は、排出ローラ220と対向ローラ230との間でダイカットテープ9を挟むことで、第二挟持位置P5で搬送方向下流側へのダイカットテープ9の移動を規制できる。よって、印刷装置1は、ダイカットテープ9がカセットから意図せず排出されることを抑制できる。先述したように、位置検出センサ295は、排出ローラ220がニップ位置にあるときに、検出信号を出力する。従って、CPU81は、位置検出センサ295からの検出信号に基づいて、排出ローラ220を確実にニップ位置に停止させることができる。
CPU81は、印刷数を取得する(S21)。印刷数は、印刷動作を繰り返し実行する回数を示し、入力部4を介してユーザによって入力される。取得された印刷数は、RAM84に記憶される。CPU81は、印刷指示を取得する(S22)。印刷指示は、入力部4を介してユーザによって入力される。印刷指示には、印刷データが含まれる。CPU81は、印刷データに基づいて、排出停止時間を算出する(S23)。排出停止時間は、印刷動作の開始から印刷動作の停止までにかかる印刷時間と所定の基準時間との差分の時間である。基準時間の長さは、モータ駆動時間の長さよりも短い。モータ駆動時間は、排出ローラ220をニップ位置からリリース位置まで移動するために排出モータ299を逆転駆動する時間である。すなわち、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の右端から左端まで(または左端から右端まで)移動するために排出モータ299を逆転駆動する時間である。基準時間およびモータ駆動時間は、ROM83に予め記憶されている。なお、基準時間は、モータ駆動時間の長さを超えない範囲で変更可能であってもよい。算出された排出停止時間は、RAM84に記憶される。
CPU81は、S12で取得されたテープ情報が示すテープの種類が、ダイカットテープ9であるか否かを判断する(S24)。テープがダイカットテープ9でない場合(S24:NO)、CPU81は、第一頭出し処理を実行する(S25)。テープがダイカットテープ9の場合(S24:YES)、CPU81は、第二頭出し処理を実行する(S26)。第一頭出し処理または第二頭出し処理の後、CPU81は、処理をS61(図20参照)へ進める。
図22を参照し、第一頭出し処理を説明する。第一頭出し処理では、ダイカットテープ9以外のテープ(レセプタテープ5、感熱テープ、ステンシルテープ、ラミネートテープ等)の頭出しが行われる。
CPU81は、搬送モータ68の逆送方向への回転駆動を開始することで、テープの逆送を開始する(S31)。これにより、サーマルヘッド60よりも搬送方向下流側にあるテープの長さが短くなる。CPU81は、逆送動作によってテープを所定量逆送させると、搬送モータ68の回転駆動を停止することで、テープの逆送を停止する(S32)。CPU81は、テープ検出センサ32からの検出信号に基づいて、検出位置にテープがあるか否かを判断する(S33)。テープの先端(搬送方向下流側の端部)が検出位置よりも搬送方向下流側にある場合、テープ検出センサ32は検出信号を出力する(S33:YES)。この場合、CPU81は、処理をメイン処理(図19参照)へ戻す。
テープの先端が検出位置よりも搬送方向上流側にある場合、テープ検出センサ32は検出信号を出力しない(S33:NO)。この場合、CPU81は、排出モータ299の正転駆動を開始することで、排出ローラ220の排出方向への回転を開始する(S34)。これにより、排出ローラ220は、リリース位置に配置された状態のまま、排出方向(矢印R3)へ回転する(図17参照)。この状態で、排出ローラ220にテープが接触しても、テープは第一挟持位置P2で挟まれているので、順送されない。
CPU81は、搬送モータ68の順送方向への回転駆動を開始することで、テープの順送を開始する(S35)。この状態で、排出ローラ220にテープが接触しても、排出ローラ220が排出方向(矢印R3)へ回転しているので、テープの順送は妨げられない(図17参照)。CPU81は、テープ検出センサ32から検出信号を取得すると、搬送モータ68の回転駆動を停止することで、テープの順送を停止する(S36)。これにより、テープの先端がテープ検出センサ32による検出位置、または検出位置よりも搬送方向下流側に配置される。CPU81は、排出モータ299の正転駆動を停止することで、排出ローラ220の回転を停止する(S37)。CPU81は、処理をメイン処理へ戻す。
第一頭出し処理が行われることで、印刷位置P1よりも搬送方向下流側にあるテープの長さが短くなる。よって、印刷装置1は、テープのうちキャラクタが印刷されない部分の面積を小さくできる。テープの先端が少なくともテープ検出センサ32による検出位置、または検出位置よりも搬送方向下流側に配置される。検出位置は第一挟持位置P2よりも搬送方向下流側にある。よって、印刷装置1は、テープが第一挟持位置P2で挟持されないことに起因するテープの搬送不良を抑制できる。
図23を参照し、第二頭出し処理を説明する。第二頭出し処理では、ダイカットテープ9の頭出しが行われる。第二頭出し処理のうち主に第一頭出し処理とは異なる部分を説明する。
CPU81は、排出モータ299の逆転駆動を開始することで、排出ローラ220のリリース位置への移動を開始する(S41)。CPU81は、モータ駆動時間だけ排出モータ299を逆転駆動すると、排出モータ299の逆転駆動を停止することで、排出ローラ220をリリース位置に停止させる(S42)。なお、排出モータ299には、ステッピングモータが採用されてもよい。この場合、CPU81は、ニップ位置に排出ローラ220があるときから、逆転駆動する排出モータ299の回転量を制御することで、排出ローラ220をリリース位置に停止させることができる。
S43〜S49は、それぞれ、S31〜S37と同じ処理である。CPU81は、ダイカットテープ9の搬送中、すなわち、ダイカットテープ9の逆送中(S43、S44)またはダイカットテープ9の順送中(S47、S48)に、マーク検出センサ31によってマーク99が検出されたか否かを判断する(S51)。マーク検出センサ31は、マーク99を検出した場合、検出信号を出力する。ダイカットテープ9の搬送中にマーク検出センサ31からの検出信号を取得した場合(S51:YES)、CPU81は、処理をS56へ進める。
ダイカットテープ9の搬送中にマーク検出センサ31からの検出信号を取得しなかった場合(S51:NO)、CPU81は、排出モータ299の正転駆動を開始することで、排出ローラ220の排出方向への回転を開始する(S52)。これにより、排出ローラ220は、リリース位置に配置された状態のまま、排出方向(矢印R3)へ回転する(図17参照)。CPU81は、搬送モータ68の順送方向への回転駆動を開始することで、ダイカットテープ9の順送を開始する(S53)。CPU81は、マーク検出センサ31からの検出信号を取得すると、搬送モータ68の順送方向への回転駆動を停止することで、ダイカットテープ9の順送を停止する(S54)。CPU81は、排出モータ299の正転駆動を停止することで、排出ローラ220の回転を停止する(S55)。
CPU81は、補正順送量を算出する(S56)。補正順送量は、ダイカットテープ9のうち基材91を印刷位置P1上に配置するためにダイカットテープ9を順送する量である。ダイカットテープ9において、基材91およびマーク99は、それぞれ、一定間隔で配置されている。このため、CPU81は、マーク検出センサ31によってマーク99が検出されたときのダイカットテープ9の搬送方向位置を基準として、補正順送量を算出できる。算出された補正順送量は、RAM84に記憶される。
CPU81は、排出モータ299の正転駆動を開始することで、排出ローラ220の排出方向への回転を開始する(S57)。これにより、排出ローラ220は、リリース位置に配置された状態のまま、排出方向(矢印R3)へ回転する(図17参照)。CPU81は、搬送モータ68の順送方向への回転駆動を開始することで、ダイカットテープ9の順送を開始する(S58)。CPU81は、S56で算出された補正順送量だけダイカットテープ9を順送すると、搬送モータ68の回転駆動を停止することで、ダイカットテープ9の順送を停止する(S59)。これにより、ダイカットテープ9のうち基材91が印刷位置P1上に配置される。よって、ダイカットテープ9のうち隣り合う基材91の間(すなわち、剥離紙92)にキャラクタが印刷されることが抑制される。CPU81は、排出モータ299の正転駆動を停止することで、排出ローラ220の回転を停止する(S60)。CPU81は、処理をメイン処理(図19参照)へ戻す。
図20に示すように、CPU81は、排出モータ299の正転駆動を開始することで、排出ローラ220の排出方向への回転を開始する(S61)。これにより、排出ローラ220は、リリース位置に配置された状態のまま、排出方向(矢印R3)へ回転する(図17参照)。この状態で、CPU81は、印刷動作を開始する(S62)。詳細には、CPU81は、搬送モータ68の順送方向への回転駆動を開始する。CPU81は、サーマルヘッド60の複数の発熱体を選択的に発熱させる。これにより、テープは、順送されながらライン単位でキャラクタが印刷される。
CPU81は、S62で印刷動作を開始してから、S23で算出された排出停止時間が経過したか否かを判断する(S63)。排出停止時間が経過していない場合(S63:NO)、CPU81は、排出停止時間が経過するまで待機する。排出停止時間が経過した場合(S63:YES)、CPU81は、排出モータ299の正転駆動を停止することで、排出ローラ220の回転を停止する(S64)。これにより、印刷動作の実行中に、排出ローラ220の排出方向への回転が停止する。CPU81は、排出モータ299の逆転駆動を開始することで、排出ローラ220のニップ位置(図16参照)への移動を開始する(S65)。すなわち、印刷動作の実行中に排出ローラ220のニップ位置への移動が開始される。基準時間の長さがモータ駆動時間の長さよりも短いので、印刷動作の実行中に排出ローラ220がニップ位置まで移動することはない。
CPU81は、印刷動作を停止する(S66)。詳細には、CPU81は、サーマルヘッド60の制御を停止した後、搬送モータ68の回転駆動を停止する。これにより、テープの印刷が停止され、その後、テープの順送が停止する。より詳細には、CPU81は、印刷動作の後にフルカット動作を行うのであれば、第一切断位置P3にテープの切断位置が配置されるように、テープの順送を停止する。CPU81は、印刷動作の後にパーシャルカット動作を行うのであれば、第二切断位置P4にテープの切断位置が配置されるように、テープの順送を停止する。さらに、テープがダイカットテープ9の場合には、印刷動作の後にフルカット動作を行うのであれば、CPU81は、マーク検出センサ31からの検出信号に基づいて、マーク99の搬送方向位置を特定する。CPU81は、特定されたマーク99の搬送方向位置に基づいて、ダイカットテープ9のうち隣り合う基材91の間が第一切断位置P3に配置されるように、ダイカットテープ9の順送を停止する。
CPU81は、印刷実行回数カウンタの値Kに「1」を加算する(S67)。CPU81は、位置検出センサ295からの検出信号を取得すると、排出モータ299の逆転駆動を停止することで、排出ローラ220をニップ位置に停止させる(S68)。
図21に示すように、CPU81は、回転量決定テーブル30(図24参照)を参照することで、排出ローラ220の切断前回転量を決定する(S71)。排出ローラ220の切断前回転量は、後述するS75およびS76において排出ローラ220が回転する量である。
図24に示すように、回転量決定テーブル30には、テープの種類毎に排出ローラ220の切断前回転量が対応付けられている。図24では、便宜的に、排出ローラ220の切断前回転量を、「大」、「中」「小」、「無し」で示している。排出ローラ220の切断前回転量は、「大」、「中」、「小」の順に小さくなる。「小」は、「0」よりも大きい回転量である。「無し」は、排出ローラ220の切断前回転量が「0」、すなわち、排出ローラ220を回転させる制御を行わないことを示す。
本実施形態では、レセプタテープ5および感熱テープに、「大」が対応付けられている。ラミネートテープに、「中」が対応付けられている。ステンシルテープに、「小」が対応付けられている。ダイカットテープ9に、「無し」が対応付けられている。すなわち、回転量決定テーブル30は、ダイカットテープ9を除き、テープが撓みやすいほど、排出ローラ220の切断前回転量が大きくなるように構成されている。S71では、CPU81は、回転量決定テーブル30を参照することで、S12で取得されたテープ情報に基づいて、テープの種類に対応する排出ローラ220の切断前回転量に決定する。決定された排出ローラ220の切断前回転量は、RAM84に記憶される。
図21に示すように、CPU81は、S71で排出ローラ220の切断前回転量が「無し」に決定されたか否かを判断する(S72)。例えばダイカットテープ9の場合には、排出ローラ220の切断前回転量が「無し」に決定される(S72:YES)。この場合、CPU81は、処理をS81へ進める。
例えば、レセプタテープ5、感熱テープ、ステンシルテープ、およびラミネートテープの場合には、排出ローラ220の切断前回転量が「無し」に決定されない(S72:NO)。この場合、CPU81は、印刷実行回数カウンタの値Kが「1」であるか否かを判断する(S73)。上述したように、印刷実行回数カウンタの値Kは、1回の印刷動作が実行される毎にS67(図20参照)で「1」ずつ加算される。よって、1回目の印刷動作が実行された後、2回目の印刷動作が実行される前までは、印刷実行回数カウンタの値Kは「1」である(S73:YES)。この場合、CPU81は、処理をS75へ進める。
2回目の印刷動作が実行された後は、印刷実行回数カウンタの値Kは「2」以上である(S73:NO)。この場合、CPU81は、排出ローラ220の切断前回転量を補正する(S74)。具体的には、CPU81は、S71で決定された排出ローラ220の切断前回転量から所定量小さい回転量に設定する。「大」、「中」、「小」のそれぞれに対応する所定量が、ROM83に予め記憶されている。「大」、「中」、「小」のそれぞれに対応する所定量は、「大」、「中」、「小」のそれぞれに対応する切断前回転量よりも小さい回転量である。補正された回転量は、排出ローラ220の切断前回転量としてRAM84に記憶される。
CPU81は、排出モータ299の正転駆動を開始することで、排出ローラ220の排出方向への回転を開始する(S75)。これにより、排出ローラ220は、ニップ位置に配置された状態のまま、排出方向(矢印R3)へ回転する(図16参照)。この場合、第二挟持位置P5の挟持荷重が第一挟持位置P2の挟持荷重よりも小さいので、テープは順送されない。よって、テープには搬送方向下流側に向かって張力がかかるので、仮にS68(図20参照)でテープに皺がある状態で排出ローラ220と対向ローラ230との間でテープが挟まれていたとしても、テープの皺が解消される。これにより、テープの幅方向が上下方向を向くので、印刷装置1は、後述のS83またはS91で精度よくテープを切断できる。上述したように、ダイカットテープ9の場合、S75、S76の処理が行われない。ダイカットテープ9は、隣り合う基材91間にある剥離紙92が切断されるので、精度よく切断する必要がない。すなわち、仮にダイカットテープ9に皺があったとしても、皺を解消する必要がないためである。
CPU81は、S71で決定され、またはS74で補正された切断前回転量(すなわち、RAM84に記憶されている切断前回転量)だけ排出ローラ220を回転させると、排出モータ299の正転駆動を停止することで、排出ローラ220の回転を停止する(S76)。
CPU81は、印刷実行回数カウンタの値KがS21(図19参照)で取得された印刷数と等しいか否かを判断する(S81)。印刷数分の印刷動作が終了するまでは、印刷実行回数カウンタの値Kは、印刷数よりも小さい(S81:NO)。この場合、CPU81は、S12(図19参照)で取得されたテープ情報が示すテープの種類が、ダイカットテープ9であるか否かを判断する(S82)。テープがダイカットテープ9の場合(S82:YES)、CPU81は、処理をS24(図19参照)へ戻す。
テープがダイカットテープ9でない場合(S82:NO)、CPU81は、切断モータ105を制御することで、パーシャルカット動作を実行する(S83)。これにより、テープは排出ローラ220と対向ローラ230との間で挟まれた状態でパーシャルカットされる。CPU81は、排出モータ299の逆転駆動を開始することで、排出ローラ220のリリース位置への移動を開始する(S84)。CPU81は、モータ駆動時間だけ排出モータ299を逆転駆動すると、排出モータ299の逆転駆動を停止することで、排出ローラ220をリリース位置に停止させる(S85)。CPU81は、処理をS24へ戻す。これにより、印刷実行回数カウンタの値Kが印刷数と等しくなるまで、すなわち、印刷数分の印刷動作が終了するまで、上述したS24〜S76が繰り返し実行される。
S81において、印刷数分の印刷動作が終了した場合、印刷実行回数カウンタの値Kは、印刷数と等しくなる(S81:YES)。この場合、CPU81は、切断モータ105を制御することで、フルカット動作を実行する(S91)。これにより、テープは排出ローラ220と対向ローラ230との間で挟まれた状態でフルカットされる。第二挟持位置P5が第一切断位置P3よりも搬送方向下流側にあるので、切断されたテープ(元巻側から分断されたテープ)は、排出ローラ220と対向ローラ230との間で保持される。CPU81は、排出モータ299の正転駆動を開始することで、排出ローラ220の排出方向への回転を開始する(S92)。これにより、排出ローラ220は、ニップ位置に配置された状態のまま、排出方向(矢印R3)へ回転する(図16参照)。よって、切断されたテープが順送されて、排出口11から印刷装置1の外部へ排出される。
CPU81は、切断されたテープの長さに応じて、排出モータ299の正転駆動を停止することで、排出ローラ220の回転を停止する(S93)。詳細には、切断されたテープの搬送方向上流側の端部が第二挟持位置P5に配置された場合に、CPU81は、排出モータ299の正転駆動を停止する。これにより、切断されたテープの搬送方向上流側の端部が排出ローラ220と対向ローラ230との間で挟まれる。よって、切断されたテープは、排出口11から印刷装置1の外部に落下することなく、切断されたテープの先端(搬送方向下流側の端部)が排出口11から突出した状態に維持される。
CPU81は、排出モータ299の逆転駆動を開始することで、排出ローラ220のリリース位置への移動を開始する(S94)。CPU81は、モータ駆動時間だけ排出モータ299を逆転駆動すると、排出モータ299の逆転駆動を停止することで、排出ローラ220をリリース位置に停止させる(S95)。これにより、切断されたテープが排出口11から印刷装置1の外部へと落下する。なお、ユーザは、S93の後であってS94の前、すなわち切断されたテープの先端(搬送方向下流側の端部)が排出口11から突出した状態において、切断されたテープを取ってもよい。CPU81は、処理をS11(図19参照)へ戻す。
以上説明したように、印刷装置1は、搬送ローラ66、サーマルヘッド60、排出ローラ220、対向ローラ230、移動機構250、および切断ユニット100を備える。搬送ローラ66は、テープを挟んで搬送する。サーマルヘッド60は、搬送ローラ66によって搬送されるテープに印刷する。排出ローラ220は、搬送ローラ66およびサーマルヘッド60に対してテープの搬送方向下流側に設けられる。対向ローラ230は、排出ローラ220と対向する。移動機構250は、排出ローラ220を、ニップ位置とリリース位置とに移動させる。ニップ位置において、排出ローラ220は、対向ローラ230との間でテープを挟む。リリース位置において、排出ローラ220は、テープから離隔する。切断ユニット100は、搬送方向において、第一挟持位置P2と第二挟持位置P5との間で、テープの幅方向および厚み方向の少なくとも一部を切断する切断動作を実行する。第一挟持位置P2は、搬送ローラ66によってテープが挟まれる搬送方向位置である。第二挟持位置P5は、排出ローラ220および対向ローラ230によってテープが挟まれる搬送方向位置である。CPU81は、リリース位置に排出ローラ220が配置された状態で、印刷動作を制御する(S62)。印刷動作では、CPU81は、搬送ローラ66によってテープを搬送しながらサーマルヘッド60によってテープに印刷を行う。CPU81は、印刷動作が停止された場合(S66)、切断ユニット100による切断動作を実行する(S83、S91)。CPU81は、排出ローラ220のニップ位置への移動を、切断動作が実行される前に完了するように、移動機構250を制御する(S65、S68)。CPU81は、排出ローラ220のニップ位置への移動が完了した場合(S68)、排出ローラ220を、排出方向に回転させて(S75)、切断動作が実行される前に停止させる(S76)。
上記態様によれば、S56で印刷動作が停止すると、S83、S91で切断動作が実行される前に、テープが、第一挟持位置P2と第二挟持位置P5との2箇所で挟まれる。この状態で、切断動作が実行される前に排出ローラ220が排出方向に回転して停止する。このため、仮にテープに皺があったとしても、テープに張力がかかることによって皺は解消される。印刷装置1は、テープの皺が解消された状態でテープを切断する。よって、印刷装置1は、テープを精度よく切断できる。
CPU81は、印刷動作の実行中に(S62、S66)、排出ローラ220のニップ位置への移動を開始する(S65)。このため、印刷装置1は、印刷動作の停止後から排出ローラ220のニップ位置への移動を開始する場合に比べて、印刷動作から切断動作までにかかる時間を短縮できる。
印刷実行回数カウンタの値が「2」以上の場合には、既に1回以上S75、S76が実行されている。このため、印刷実行回数カウンタの値Kが「2」以上の場合には、印刷実行回数カウンタの値Kが「1」のときに比べて、皺の量が小さい可能性が高い。切断ユニット100は、パーシャルカット刃103とフルカット刃140とを備える。パーシャルカット刃103は、テープの厚み方向の一部を残して幅方向に沿って切断するパーシャルカット動作を実行する。フルカット刃140は、テープの厚み方向の全部を幅方向に沿って切断するフルカット動作を実行する。印刷実行回数カウンタの値Kが「2」以上のときにおける排出ローラ220の切断前回転量は、印刷実行回数カウンタの値Kが「1」のときにおける排出ローラ220の切断前回転量よりも小さくなるように、排出ローラ220の切断前回転量を補正する(S74)。よって、印刷装置1は、2回目以降の印刷動作(S66)から切断動作(S83、S91)までの時間を短縮できる。印刷装置1は、印刷実行回数カウンタの値Kが「2」以上のときにおけるS75、S76で消費される電力を抑制できる。
排出ローラ220は、レセプタテープ5のうち剥離紙52側に配置される。対向ローラ230は、レセプタテープ5のうち基材51側に配置される。これによれば、基材51には回転駆動されない対向ローラ230が接触するので、印刷装置1は、回転駆動される排出ローラ220が基材51に接触するよりも、基材51が損傷することを抑制できる。
第一挟持位置P2は、印刷位置P1よりも搬送方向下流側にある。第二挟持位置P5の挟持荷重は、第一挟持位置P2の挟持荷重よりも小さい。このため、ニップ位置に排出ローラ220が配置された状態で、排出方向に排出ローラ220が回転しても、テープは、第一挟持位置P2からずれにくい。よって、印刷装置1は、頭出し動作の際にテープが印刷位置P1からずれることを抑制できる。
CPU81は、テープ情報を取得する(S12)。CPU81は、取得されたテープ情報に応じて、排出ローラ220の切断前回転量を決定する(S71)。これによれば、S75、S76でテープに応じて適切な回転量で排出ローラ220を回転させることで、印刷装置1は、テープの皺を適切に解消できる。よって、印刷装置1は、テープをさらに精度よく切断できる。
CPU81は、取得されたテープ情報に応じて、S75、S76で排出ローラ220が回転されることを禁止する(S72:YES)。例えば、印刷装置1は、テープの種類によっては、テープを精度よく切断する必要がない場合がある。この場合、テープの種類に応じて切断動作の前に排出ローラ220が回転する制御が行われないので、印刷装置1は、印刷動作から切断動作までにかかる時間を短縮できる。印刷装置1は、S75、S76で消費される電力を抑制できる。
CPU81は、取得されたテープ情報が示すテープの種類がダイカットテープ9である場合、S75、S76で排出ローラ220が回転されることを禁止する(S72:YES)。例えば、印刷装置1は、ダイカットテープ9の隣り合う基材91の間にある剥離紙92を切断する場合には、精度よく切断する必要がない。この場合、テープがダイカットテープ9であれば、切断動作の前に排出ローラ220が回転する制御が行われないので、印刷装置1は、印刷動作から切断動作までにかかる時間を短縮できる。印刷装置1は、S75、S76で消費される電力を抑制できる。
上記実施形態において、テープが、本発明の「印刷媒体」に相当する。搬送ローラ66が、本発明の「搬送手段」に相当する。サーマルヘッド60が、本発明の「印刷手段」に相当する。排出ローラ220が、本発明の「ローラ」に相当する。対向ローラ230が、本発明の「対向部材」に相当する。排出ローラ220が、本発明の「移動部材」に相当する。ニップ位置が、本発明の「第一位置」に相当する。リリース位置が、本発明の「第二位置」に相当する。移動機構250が、本発明の「移動機構」に相当する。切断ユニット100が、本発明の「切断手段」に相当する。図20のS62を実行するCPU81が、本発明の「第一制御手段」に相当する。図21のS83およびS91を実行するCPU81が、本発明の「第二制御手段」に相当する。図20のS65およびS68を実行するCPU81が、本発明の「第三制御手段」に相当する。図21のS75およびS76を実行するCPU81が、本発明の「第四制御手段」に相当する。
テープ情報が、本発明の「媒体情報」に相当する。パーシャルカット動作が、本発明の「第一切断動作」に相当する。パーシャルカット刃103が、本発明の「第一切断手段」に相当する。フルカット動作が、本発明の「第二切断動作」に相当する。フルカット刃140が、本発明の「第二切断手段」に相当する。印刷数が2以上のときに図20のS62が実行されから図21のS91が実行されるまでの動作が、本発明の「連続印刷動作」に相当する。図20のS62、図21のS83およびS91を実行するCPU81が、本発明の「第五制御手段」に相当する。粘着層53が、本発明の「第一粘着層」に相当する。基材51が、本発明の「第一基材」に相当する。剥離紙52が、本発明の「第一剥離紙」に相当する。レセプタテープ5が、本発明の「第一テープ」に相当する。図19のS12を実行するCPU81が、本発明の「取得手段」に相当する。図21のS71を実行するCPU81が、本発明の「決定手段」に相当する。図21のS72で排出ローラ220の切断前回転量が「無し」の場合にS75およびS76を実行しないCPU81が、本発明の「禁止手段」に相当する。粘着層93が、本発明の「第二粘着層」に相当する。基材91が、本発明の「第二基材」に相当する。剥離紙92が、本発明の「第二剥離紙」に相当する。ダイカットテープ9が、本発明の「第二テープ」に相当する。
本発明は、上記実施形態から種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、排出ローラ220がニップ位置とリリース位置との間を移動する場合、回転軸285Aが連結ギア284の外周面284Bに沿って移動する。これに対し、排出ローラ220がニップ位置とリリース位置との間を移動する場合、回転軸285Aは、外周面284Bに沿って移動しなくてもよい。一例として、図25を参照し、第一変形例に係る排出ユニット200Aを説明する。なお、上記実施形態と同一の形状および機能を有する部材および同一の処理には、上記実施形態と同一または対応する符号を付し、説明を省略または簡略化する。第一変形例では、印刷装置1の構成要素のうち排出ユニット200A以外の構成要素は、上記実施形態と同じである(後述する第二変形例、第三変形例、第四変形例、第五変形例も同様)。
排出ユニット200Aは、第一連結機構280の代わりに第一連結機構280Aを備える点で、上記実施形態の排出ユニット200と異なる。第一連結機構280Aは、排出ユニット200Aの下部に設けられ、排出モータ299と排出ローラ220を駆動連結する。第一連結機構280Aは、連結ギア281〜284と移動ギア285と回転軸285Aとを備え、さらに連結ギア286を備える。連結ギア281〜284、286および移動ギア285の回転軸線は、いずれも上下方向に延びる。
連結ギア286は、連結ギア283の後側に設けられ、大径ギアおよび小径ギアからなる二段歯車である。連結ギア286の大径ギアの前端部は、連結ギア283の小径ギアの後端部に噛み合う。連結ギア286の中心孔には、回転軸286Aが回転可能に挿入される。回転軸286Aは、第四フレーム215から下方に延びる円柱体である。第四フレーム215は、第一フレーム211の左端部から後方に延びる。移動ギア285は、連結ギア284の後側、且つ連結ギア286の右側の位置に設けられる。
第一フレーム211には、上記実施形態の案内孔211Aの代わりに案内孔211Bが設けられる。案内孔211Bは、第一フレーム211のうち連結ギア284の後側を上下方向に貫通し、左右方向に長い長孔である。案内孔211Bには、回転軸285Aのうち移動ギア285よりも上側の部位が挿入される。回転軸285Aは、案内孔211B内を案内孔211Bに沿って左右方向に移動可能である。
回転軸285Aが案内孔211Bの右端にある場合、移動ギア285の前端部は、連結ギア284の小径ギアの後端部に噛み合う(図25参照)。この場合、移動ギア285は、連結ギア286の小径ギアから右方に離隔した位置にある。すなわち、移動ギア285の左端部は、連結ギア286の小径ギアの右端部に噛み合っていない。回転軸285Aが案内孔211Bの左端にある場合、移動ギア285の左端部は、連結ギア286の小径ギアの右端部に噛み合う(図示略)。この場合、移動ギア285は、連結ギア284の小径ギアから左斜め後側に離隔した位置にある。すなわち、回転軸285Aが案内孔211Bの左端にある場合、移動ギア285の前端部は、連結ギア284の小径ギアの後端部に噛み合わない。
排出モータ299が正転駆動した場合の排出ユニット200Aの各部材の動作について、上記実施形態と異なる点を説明する。移動ギア285の前端部が連結ギア284の小径ギアの後端部に噛み合う場合、排出モータ299の正転駆動力は、第一連結機構280Aによって、出力軸299Aから連結ギア281、282、283、284、移動ギア285、回転軸285Aの順に、排出ローラ220まで伝達する。これにより、排出ローラ220が排出方向(矢印R3)に回転する。移動ギア285の左端部が連結ギア286の小径ギアの右端部に噛み合う場合、排出モータ299の正転駆動力は、第一連結機構280Aによって、出力軸299Aから連結ギア281、282、283、286、移動ギア285、回転軸285Aの順に、排出ローラ220まで伝達する。これにより、排出ローラ220が排出方向(矢印R3)に回転する。
排出モータ299が逆転駆動した場合の排出ユニット200Aの各部材の動作について、上記実施形態と異なる点を説明する。移動ギア285の前端部が連結ギア284の小径ギアの後端部に噛み合う場合、排出モータ299の逆転駆動力は、第一連結機構280Aによって、出力軸299Aから連結ギア281、282、283、284、移動ギア285、回転軸285Aの順に、排出ローラ220まで伝達する。これにより、排出ローラ220が底面視で時計回り方向、すなわち戻り方向(矢印R4)に回転する。
さらに、排出モータ299の逆転駆動力は、上記実施形態と同様に、第二連結機構240によって、出力軸299Aから連結ギア281、282、283、回転軸283Aの順に伝達する。この場合、上記実施形態と同様に、移動機構250は、排出ローラ220をニップ位置(図示略)とリリース位置(図25参照)とに移動させることができる。
排出ローラ220がニップ位置とリリース位置との間を移動する場合、回転軸285Aは、案内孔211Bに沿って左右方向に移動する。よって、リリース位置からニップ位置に排出ローラ220が移動する場合、排出ローラ220は、対向ローラ230に対して、左側(すなわち、搬送方向に対して直交する方向)から接近する。移動ギア285は、回転軸285Aと一体的に左右方向に移動する。排出ローラ220がニップ位置にある場合、回転軸285Aは、案内孔211Bの右端にある。排出ローラ220がリリース位置にある場合、回転軸285Aは、案内孔211Bの左端にある。従って、排出ローラ220がニップ位置とリリース位置との間を移動する場合、移動ギア285は、連結ギア284に噛み合った位置と連結ギア286に噛み合った位置との間を移動する。このように、ニップ位置およびリリース位置のいずれに排出ローラ220がある場合でも、排出モータ299と排出ローラ220とは第一連結機構280Aにより駆動連結される。
排出ユニット200Aでは、排出ローラ220がニップ位置とリリース位置との間を移動する場合、回転軸285Aが左右方向に直動するので、第二支持孔271は、前後方向に長い長孔でなくてもよい。すなわち、第二支持孔271は、回転軸285Aを回転可能に支持するだけでよい。
第一変形例において、第一連結機構280Aは、連結ギア286を備えなくてもよい。この場合、リリース位置に排出ローラ220がある場合、移動ギア285はいずれの連結ギアとも噛み合わない。従って、この場合には、排出モータ299が駆動しても、排出ローラ220は回転しない。
上記実施形態では、1つの排出モータ299の正転駆動および逆転駆動が切り替えられることで、排出ローラ220の回転と、排出ローラ220のニップ位置およびリリース位置の移動とが切り替えられる。これに対し、排出ローラ220の回転と、排出ローラ220のニップ位置およびリリース位置の移動とを、異なるモータで駆動してもよい。一例として、図26を参照し、第二変形例に係る排出ユニット200Bを説明する。排出ユニット200Bは、排出モータ298をさらに備え、第一連結機構280の代わりに第一連結機構280Bを備え、第二連結機構240の代わりに第二連結機構240Bを備える点で、上記実施形態の排出ユニット200と異なる。排出モータ298は、第一フレーム211の右端部において、第二フレーム212の右側に固定され、CPU81(図18参照)に接続する。排出モータ298の出力軸298Aは、排出モータ298から下方に延びる。排出モータ298は、出力軸298Aを底面視で時計回り方向(矢印R5)、および反時計回り方向(矢印R6)に回転駆動できる。
第一連結機構280Bは、排出ユニット200Bの下部に設けられ、排出モータ298と排出ローラ220を駆動連結する。第一連結機構280Bは、連結ギア284、移動ギア285、および回転軸285Aを備え、さらに連結ギア281〜283の代わりに連結ギア287〜289を備える。連結ギア284、287〜289、移動ギア285の回転軸線は、いずれも上下方向に延びる。連結ギア287は、出力軸298Aの下端部に固定され、平歯車である。
連結ギア288は、連結ギア287の後左側に設けられ、平歯車である。連結ギア288の前右端部は、連結ギア287の後左端部に噛み合う。連結ギア288の中心孔には、回転軸288Aが回転可能に挿入される。回転軸288Aは、第一フレーム211に固定され、第一フレーム211から下方に延びる円柱体である。連結ギア289は、連結ギア288の前左側に設けられ、平歯車である。連結ギア289の後右端部は、連結ギア288の前左端部に噛み合う。連結ギア289の中心孔には、回転軸289Aが回転可能に挿入される。回転軸289Aは、第一フレーム211に固定され、第一フレーム211から下方に延びる円柱体である。連結ギア284は、連結ギア289の左側に設けられる。連結ギア284の右端部は、連結ギア289の左端部に噛み合う。
図26には図示しないが、上記実施形態と同様に、移動ギア285は、連結ギア284の後側に設けられる。回転軸285Aの下端部は、連結ギア284に挿入固定される。第一フレーム211には、案内孔211Aが設けられる。
第二連結機構240Bは、排出ユニット200Bの下部に設けられ、排出モータ299と移動機構250を駆動連結する。第二連結機構240Bは、複数の連結ギア281、282と回転軸283Aとを備え、連結ギア283の代わりに、連結ギア241を備える。第二連結機構240Bは、ワンウェイクラッチ290を備えない。連結ギア241は、連結ギア282の前右側に設けられ、平歯車である。連結ギア241の後左端部は、連結ギア282の小径ギアの前右端部に噛み合う。回転軸283Aの下端部は、連結ギア241の中心孔に挿入固定される。上記実施形態の連結ギア283とは異なり、連結ギア241は、連結ギア284とは噛み合わない。
排出モータ298が駆動した場合の排出ユニット200Bの各部材の動作を説明する。排出モータ298の駆動力は、第一連結機構280Bによって、出力軸298Aから連結ギア287、288、289、284、移動ギア285、回転軸285Aの順に、排出ローラ220まで伝達する。これにより、排出モータ298が底面視で時計回り方向(矢印R5)に回転駆動した場合、排出ローラ220は排出方向(矢印R3)に回転する。排出モータ298が底面視で反時計回り方向(矢印R6)に回転駆動した場合、排出ローラ220は戻り方向(矢印R4)に回転する。印刷装置1は、排出モータ298を駆動することで、排出ローラ220が配置されている位置を維持した状態で、排出ローラ220を排出方向および戻り方向に回転させることができる。すなわち、印刷装置1は、排出モータ298を駆動することで、排出ローラ220をニップ位置とリリース位置との間で移動させることなく、排出ローラ220を排出方向および戻り方向に回転させることができる。
排出モータ299が駆動した場合の排出ユニット200Bの各部材の動作を説明する。排出モータ299の駆動力は、第二連結機構240Bによって、出力軸299Aから連結ギア281、282、241、回転軸283Aの順に回転体251まで伝達する。これにより、排出モータ299が逆転駆動すると(矢印R2)、回転体251が回転軸283Aを中心に底面視で時計回り方向に回転する。この場合、上記実施形態と同様に、移動機構250は、排出ローラ220をニップ位置とリリース位置とに移動させることができる。
第二変形例に排出ユニット200Bによれば、印刷装置1は、排出モータ298、299を同時に駆動することで、排出ローラ220をニップ位置とリリース位置との間を移動させながら、排出ローラ220を排出方向および戻り方向に回転させることができる。この場合、第二変形例に係るCPU81は、上記実施形態の第一頭出し処理に代えて、以下説明する第一頭出し処理を実行してもよい。
図27を参照し、第二変形例に係る第一頭出し処理を説明する。CPU81は、排出モータ298の底面視で反時計回り方向(矢印R6)への回転駆動を開始することで、排出ローラ220の戻り方向(矢印R4)への回転を開始する(S131)。CPU81は、搬送モータ68の逆送方向への回転駆動を開始することで、テープの逆送を開始する(S31)。CPU81は、搬送モータ68の回転駆動を停止することで、テープの逆送を停止する(S32)。CPU81は、排出モータ298の回転駆動を停止することで、排出ローラ220の回転を停止する(S132)。S33以降の処理は、上記実施形態の第一頭出し処理のS33以降の処理と同じであるので、説明を省略する。CPU81は、第二頭出し処理において、S42の後においてS43の前にS131と同じ処理を行い、S44の後においてS45の前にS132と同じ処理を行ってもよい。
第二変形例に係る第一頭出し処理によれば、逆送動作の実行中には、排出ローラ220は、戻り方向に回転する。このため、逆送動作中にテープが排出ローラ220に接触しても、逆送動作が妨げられることが抑制される。よって、印刷装置1は、逆送動作の実行中にジャムが発生することを抑制できる。
なお、第二変形例に係る移動機構250は、回転体251と偏心部材252の代わりにラックアンドピニオン機構を有してもよい。例えば、回転軸283Aの上端部にピニオンが設けられる。ラックは、左右方向に延び、ピニオンと噛み合う。ラックには、上下方向に延びる棒が設けられる。棒は、第一支持孔266に挿入される。印刷装置1は、排出モータ299の正転駆動と逆転駆動とを切り替えることで、ラックアンドピニオン機構により、ローラホルダ255を左右方向に移動させてもよい。この場合、第一支持孔266は、前後方向に長い長孔でなくてもよい。
上記実施形態では、排出ローラ220がニップ位置とリリース位置とに移動し、且つ排出モータ299によって回転駆動される。これに対し、排出ローラ220は、排出モータ299によって回転駆動されなくてもよい。一例として、図28を参照し、第三変形例に係る排出ユニット200Cを説明する。排出ユニット200Cは、排出モータ296をさらに備え、第一連結機構280の代わりに第一連結機構280Cを備え、第二連結機構240の代わりに第二連結機構240Cを備える点で、上記実施形態の排出ユニット200と異なる。排出モータ296は、第一フレーム211の右端部において、第二フレーム212の右側に固定され、CPU81(図18参照)に接続する。排出モータ296の出力軸296Aは、排出モータ296から下方に延びる。排出モータ296は、出力軸296Aを底面視で時計回り方向(矢印R7)、および反時計回り方向(矢印R8)に回転駆動できる。
第一連結機構280Cは、排出ユニット200Cの下部に設けられ、排出モータ296と対向ローラ230を駆動連結する。第一連結機構280Cは、連結ギア243〜246、および回転軸230Bを備える。連結ギア243〜246の回転軸線は、いずれも上下方向に延びる。連結ギア243は、出力軸296Aの下端部に固定され、平歯車である。
連結ギア244は、連結ギア243の後左側に設けられ、平歯車である。連結ギア244の前右端部は、連結ギア243の後左端部に噛み合う。連結ギア244の中心孔には、回転軸244Aが回転可能に挿入される。回転軸244Aは、第一フレーム211に固定され、第一フレーム211から下方に延びる円柱体である。連結ギア245は、連結ギア244の前左側に設けられ、大径ギアおよび小径ギアからなる二段歯車である。連結ギア245の小径ギアの後右端部は、連結ギア244の前左端部に噛み合う。連結ギア245の中心孔には、回転軸245Aが回転可能に挿入される。回転軸245Aは、第一フレーム211に固定され、第一フレーム211から下方に延びる円柱体である。連結ギア246は、連結ギア245の前左側に設けられ、平歯車である。連結ギア246の後右端部は、連結ギア245の大径ギアの前左端部に噛み合う。
回転軸230Bは、上記実施形態の回転軸230Aの代わりに設けられ、回転軸285Aと平行に延びる。図28では、回転軸230Bのうち、対向ローラ230の下端よりも下側の部位を破線で示す。回転軸230Bの下端部は、Dカット形状である。回転軸230Bのうち下端部以外の部位は、円柱状である。回転軸230Bの下端部は、第一フレーム211の下側まで延び、連結ギア246の中心孔に挿入固定される。回転軸230Bの上端部は、孔212Aの上端まで延び、対向ローラ230の中心孔に挿入固定される。回転軸230Bは、孔212Aの上側および下側の内壁によって、回転可能に支持される。第二連結機構240Cは、第二変形例に係る第二連結機構240Bと同じ機構であるので、説明を省略する。
排出モータ296が駆動した場合の排出ユニット200Cの各部材の動作を説明する。排出モータ296の駆動力は、第一連結機構280Cによって、出力軸296Aから連結ギア243、244、245、246、回転軸230Bの順に、対向ローラ230まで伝達する。これにより、排出モータ296が底面視で反時計回り方向(矢印R7)に回転駆動した場合、対向ローラ230は底面視で時計回り方向に回転する。底面視で反時計回り方向に回転している対向ローラ230にテープが接触すると、テープは順送される。排出モータ296が底面視で時計回り方向(矢印R8)に回転駆動した場合、対向ローラ230は底面視で時計回り方向に回転する。底面視で時計回り方向に回転している対向ローラ230にテープが接触すると、テープは逆送される。排出モータ299が駆動した場合の排出ユニット200Cの各部材の動作は、排出モータ299が駆動した場合の排出ユニット200Bの各部材の動作と同じであるので、説明を省略する。
上記実施形態では、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の左端にある場合、排出ローラ220は、テープから離隔する。すなわち、排出ローラ220はリリース位置に配置される。これに対し、排出ローラ220は、リリース位置に移動しなくてもよい。すなわち、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の左端にある場合に、排出ローラ220は、対向ローラ230との間でテープを挟んでもよい。一例として、第四変形例に係る排出ユニット(図示略)を説明する。この場合、上記実施形態と比較して、偏心部材252と回転軸283Aとの間の径方向の距離が小さくなるように、偏心部材252が設けられるとよい。より詳細には、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の左端にある場合、排出ローラ220の右端と対向ローラ230の左端との間の距離がテープの厚みよりも小さければよい。偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の左端にある場合、テープがない状態で、排出ローラ220の右端と対向ローラ230の左端とが接触してもよい。
この構成によれば、第四変形例に係る印刷装置1は、偏心部材252が配置される左右方向位置に応じて、第二挟持位置P5の挟持荷重を調整できる。印刷装置1は、第二挟持位置P5の挟持荷重を、第一荷重、第三荷重、および第四荷重の3段階に調整できる。以下では、第三荷重と第四荷重とを総称する場合、「第二荷重」ともいう。なお、印刷装置1は、第二挟持位置P5の挟持荷重を、第一荷重と第二荷重の2段階のみに調整できてもよいし、4段階以上に調整できてもよい。
第二荷重は、第一荷重よりも小さい。第四荷重は、第三荷重よりも小さい。第四変形例に係る印刷装置1では、第一荷重は、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の右端にある場合における第二挟持位置P5の挟持荷重である。第三荷重は、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の中央にある場合における第二挟持位置P5の挟持荷重である。第四荷重は、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の左端にある場合における第二挟持位置P5の挟持荷重である。この場合、CPU81は、以下説明するメイン処理を実行してもよい。
図29から図33を参照し、第四変形例に係るメイン処理を説明する。なお、主に上記実施形態のメイン処理と異なる点を説明する。
図29に示すように、CPU81は、初期処理を行う(S211)。S211の初期処理は、第二挟持位置P5の挟持荷重が第四荷重に調整される点が上記実施形態の初期処理(S11)とは異なる。具体的には、CPU81は、排出モータ299を逆転駆動することで、偏心部材252を偏心部材252の左右方向の移動範囲の左端まで移動させる。CPU81は、処理をS12へ進める。
S13において、テープがダイカットテープ9の場合(S13:YES)、CPU81は、第二挟持位置P5の挟持荷重を第一荷重に調整する(S212)。具体的には、CPU81は、排出モータ299を位置検出センサ295から検出信号を取得するまで逆転駆動する。これにより、偏心部材252が偏心部材252の左右方向の移動範囲の右端まで移動する。CPU81は、処理をS21へ進める。S25、S26では、それぞれ、以下説明する第一頭出し処理および第二頭出し処理が行われる。
図32を参照し、第四変形例に係る第一頭出し処理を説明する。CPU81は、搬送モータ68の逆送方向への回転駆動を開始することで、テープの逆送を開始する(S31)。これにより、第二挟持位置P5の挟持荷重が第四荷重の状態で、テープが逆送する。CPU81は、調整時間が経過したか否かを判断する(S231)。調整時間は、ROM83に予め記憶される。調整時間は、テープを逆送する時間(すなわち、S31を実行してからS32を実行するまでの間の時間)よりも短い。調整時間が経過していない場合(S231:NO)、CPU81は、調整時間が経過するまで待機する。
調整時間が経過した場合(S231:YES)、CPU81は、第二挟持位置P5の挟持荷重を第三荷重に調整する(S232)。具体的には、CPU81は、排出モータ299を所定の時間だけ逆転駆動することで、偏心部材252を偏心部材252の左右方向の移動範囲の中央まで移動させる。これにより、第二挟持位置P5の挟持荷重が第三荷重の状態で、テープが逆送する。CPU81は、搬送モータ68の回転駆動を停止することで、テープの逆送を停止する(S32)。
図33を参照し、第四変形例に係る第二頭出し処理を説明する。CPU81は、第二挟持位置P5の挟持荷重を第四荷重に調整する(S241)。具体的には、CPU81は、排出モータ299を所定の時間だけ逆転駆動することで、偏心部材252を偏心部材252の左右方向の移動範囲の左端まで移動させる。S242、S243は、それぞれ、S231、S232と同じ処理である。
図30に示すように、第一頭出し処理または第二頭出し処理の後、CPU81は、排出モータ299を逆転駆動することで、第二挟持位置P5の挟持荷重を第四荷重に調整する(S261)。CPU81は、S64、S66、S67の順に処理を実行した後、処理をS271(図31参照)へ進める。すなわち、上記実施形態のメイン処理におけるS65、S68(図20参照)は省略される。
図31に示すように、CPU81は、排出モータ299を逆転駆動することで、第二挟持位置P5の挟持荷重を第一荷重に調整する(S271)。CPU81は、処理をS71へ進める。S83の後、CPU81は、排出モータ299を逆転駆動することで、第二挟持位置P5の挟持荷重を第四荷重に調整する(S281)。CPU81は、処理をS24(図29参照)へ戻す。S93の後、CPU81は、排出モータ299を逆転駆動することで、第二挟持位置P5の挟持荷重を第四荷重に調整する(S291)。CPU81は、処理をS211(図29参照)へ戻す。
図34を参照し、第五変形例に係る排出ユニット200Dを説明する。排出ユニット200Dは、第一連結機構280の代わりに第一連結機構280Dを備える点で、上記実施形態と異なる。第一連結機構280Dは、連結ギア281〜284と移動ギア285と回転軸285Aとを備え、さらにワンウェイクラッチ291を備える。ワンウェイクラッチ291は、移動ギア285の中心孔と回転軸285Aの下端部との間に設けられる。図34は、回転軸285Aのうち移動ギア285および第一フレーム211の内側に配置される部位と、ワンウェイクラッチ291とを破線で示す。この場合、回転軸285Aは、の下端部は、移動ギア285の中心孔に回転可能に挿入される。なお、ワンウェイクラッチ291は、回転軸285Aの上端部と排出ローラ220の中心孔との間に設けられてもよい。
ワンウェイクラッチ291は、排出モータ299の正転駆動時に、排出モータ299と回転軸285A(排出ローラ220)を駆動連結し、排出モータ299の逆転駆動時に、排出モータ299と回転体251(排出ローラ220)との駆動連結を解除する。排出モータ299が正転駆動すると(矢印R1)、連結ギア281〜284を介して、移動ギア285が底面視で反時計回り方向に回転する。ワンウェイクラッチ291は、移動ギア285が底面視で反時計回り方向に回転した場合に、回転軸285Aを移動ギア285と共に回転させる。排出モータ299が逆転駆動すると(矢印R2)、連結ギア281〜284を介して、移動ギア285が底面視で時計回り方向に回転する。ワンウェイクラッチ291は、移動ギア285が底面視で時計回り方向に回転した場合に、回転軸285Aを移動ギア285に対して空転させる。
第一連結機構280Dは、排出モータ299の正転方向への回転駆動時に排出モータ299と排出ローラ220を駆動連結し、排出モータ299の逆転方向への回転駆動時に排出モータ299と排出ローラ220との駆動連結を解除する第二切換機構(ワンウェイクラッチ291)を有する。
この場合、排出モータ299の逆転駆動力は、移動ギア285から排出ローラ220へは伝達しない。このため、排出モータ299が逆転駆動しても、排出ローラ220は戻り方向(矢印R4)に回転しない。従って、印刷装置1は、排出モータ299を逆転駆動することで、排出ローラ220の回転が停止した状態を維持したまま、排出ローラ220をニップ位置とリリース位置とに移動させることができる。よって、第五変形例に係る印刷装置1は、排出ローラ220のニップ位置とリリース位置との移動中に、排出ローラ220にテープが接触しても、テープが逆送されることを抑制できる。
上記実施形態は、さらに以下のような変形も可能である。例えば、上記実施形態では、付勢部材297は、トーションばねであるが、圧縮コイルばね、皿ばね、板ばね等、他の種類のばねでもよいし、ゴム等の弾性体でもよい。付勢部材256は、圧縮コイルばねであるが、皿ばね、板ばね等、他の種類のばねでもよいし、ゴム等の弾性体でもよい。
印刷装置1は、付勢部材(図示略)をさらに備えてもよい。付勢部材は、固定部に固定され、例えばトーションばねである。なお、この付勢部材も、付勢部材297と同様に、トーションばねに限定されない。固定部は、回転体251の下後側近傍に設けられる。付勢部材の両端は、前方に延びる。排出ローラ220がニップ位置にある場合、拡径部253が回転軸283Aに対して右側に配置される。この場合、凹部253Aが右方に開口するので、付勢部材の端部は凹部253Aから離隔する。排出ローラ220がリリース位置にある場合、拡径部253が回転軸283Aに対して左側に配置される。この場合、凹部253Aが左方に開口するので、付勢部材の端部が凹部253Aに左側から係合する。付勢部材は、拡径部253を右斜め後側に付勢する。すなわち、付勢部材は、回転体251を底面視で反時計回り方向に付勢する。付勢部材は、回転体251が底面視で反時計回り方向に回転することで、排出ローラ220がリリース位置からニップ位置に移動することを規制する。付勢部材の付勢力は、回転体251を底面視で反時計回り方向に回転させるときに要する力よりも小さい。従って、排出ローラ220は、付勢部材の付勢力によってリリース位置に保持される。すなわち、印刷装置1は、排出ローラ220がリリース位置にある場合に、排出ローラ220をリリース位置に保持するように回転体251を付勢する付勢部材を備えてもよい。この場合、印刷装置1は、排出ローラ220が意図せずリリース位置からニップ位置に移動することを抑制できる。なお、この付勢部材と付勢部材297とは、一体をなす部材であってもよい。すなわち、付勢部材297は、排出ローラ220がリリース位置にある場合に、排出ローラ220をリリース位置に保持するように回転体251を付勢してもよい。
切断ユニット100の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、切断ユニット100は、フルカット動作またはパーシャルカット動作のいずれか一方だけを実行できる構成でもよい。切断ユニット100は、1つの切断刃でテープをフルカットまたはパーシャルカットできる構成を採用してもよい。切断ユニット100は、円盤状であり、回転することでテープを切断する所謂ロータリカッタを採用してもよい。切断ユニット100は、テープの幅方向に沿って移動することでテープを切断する所謂スライド式カッタを採用してもよい。切断ユニット100は、切断モータ105を備えず、手動式のカッタを採用してもよい。切断ユニット100は、幅方向に延びるミシン目を形成することで、テープをパーシャルカットしてもよい。
連結ギア281〜284の個数は、上記実施形態に限定されない。第一連結機構280および第二連結機構240は、それぞれ、ベルト、プーリ等を備えてもよい。印刷装置1は、搬送ローラ66の代わりにベルト等によってテープを搬送してもよい。
上記実施形態では、ローラホルダ255は、案内フレーム214によって、左右方向に直動する。これに対し、印刷装置1は、ローラホルダ255を連結ギア284の外周面284Bに沿って移動するように案内する部材を案内フレーム214の代わりに備えてもよい。この場合、第二支持孔271は、前後方向に長い長孔でなくてもよい。すなわち、第二支持孔271は、回転軸285Aを回転可能に支持するだけでよい。
第一フレーム211は、移動ギア285の下側にあってもよい。この場合、第一フレーム211には、案内孔211Aの代わりに案内溝が設けられてもよい。案内溝は、第一フレーム211から下方に凹む。回転軸285Aの下端部は、案内溝内を摺動する。第一支持孔266および第二支持孔271の代わりに、それぞれ、突起が設けられてもよい。この場合、偏心部材252および回転軸285Aの上端に、それぞれ凹部が設けられてもよい。凹部に突起が挿入されることで、偏心部材252および回転軸285Aが支持される。
上記実施形態では、第二挟持位置P5の挟持荷重は、第一挟持位置P2の挟持荷重よりも小さい。第一挟持位置P2の挟持荷重は、印刷位置P1の挟持荷重よりも小さい。これに対し、第二挟持位置P5の挟持荷重は、第一挟持位置P2の挟持荷重以上でもよく、印刷位置P1の挟持荷重以上でもよい。第一挟持位置P2の挟持荷重は、印刷位置P1の挟持荷重以上でもよい。
上記実施形態では、マーク検出センサ31およびテープ検出センサ32は、透過型のフォトセンサであるが、反射型のフォトセンサ等、他のセンサでもよい。位置検出センサ295は、スイッチセンサであるが、フォトセンサ等、他のセンサでもよい。上記実施形態では、位置検出センサ295は、第一部材260の位置を検出することで、排出ローラ220がニップ位置にあるか否かを検出する。これに対し、位置検出センサ295は、排出ローラ220の位置を直接検出してもよい。例えば、位置検出センサ295の可動片295Aは、回転軸285Aの移動経路上に設けられてもよい。位置検出センサ295は、排出ローラ220がリリース位置にあるか否かを検出してもよい。マーク99は、貫通孔に限定されず、凹凸、色彩等、マーク検出センサ31によって検出可能な印であればよい。マーク99が設けられる位置は、隣り合う基材91間の剥離紙92に限定されず、基材91でもよいし、剥離紙92のうち基材91とは反対側でもよい。
対向ローラ230は、複数の円筒体であるが、1つの円筒体でもよい。排出ローラ220は、1つの円筒体であるが、複数の円筒体でもよい。排出ローラ220および対向ローラ230は、弾性体であるが、金属等の弾性を有しない物体でもよい。対向ローラ230は、回転不能でもよく、例えば板状の弾性体でもよい。
印刷装置1は、排出モータ299を省略してもよい。すなわち、排出ローラ220および対向ローラ230は、搬送されるテープに接触することで、回転してもよい。排出ローラ220は、手動でニップ位置とリリース位置とに移動するように構成されてもよい。
上記実施形態では、回転量決定テーブル30において、排出ローラ220の切断前回転量は、「大」、「中」、「小」、「無し」の4段階あるが、5段階以上でもよいし、3段階以下でもよい。例えば、ダイカットテープ9は、「無し」以外と対応付けられていてもよいし、ダイカットテープ9以外のテープが「無し」と対応付けられていてもよい。回転量決定テーブル30には、他のテープ(チューブテープ等)と排出ローラ220の切断前回転量とが対応付けられていてもよい。
上記実施形態では、印刷装置1は、各種のカセットを1台で使用できる汎用タイプである。これに対し、印刷装置1は、特定の1種類のカセットを使用する専用タイプであってもよい。この場合、印刷装置1は、テープ情報を取得しなくてもよい。例えばダイカットテープ9が収容されたカセット専用の印刷装置の場合、CPU81は、初期処理において、排出ローラ220をニップ位置に移動させてもよい。この場合、印刷装置1は、ダイカットテープ9において、剥離紙92から基材91が剥がれることをさらに抑制できる。印刷装置1は、ダイカットテープ9がカセットから意図せず排出されることをさらに抑制できる。
上記実施形態では、CPU81は、入力部4を介してテープ情報が入力されることで、テープ情報を取得する。これに対し、CPU81は、外部端末を介してテープ情報が印刷装置1に入力されることで、テープ情報を取得してもよい。カセット7は、テープ情報を示す識別部を備え、印刷装置1は、識別部からテープ情報を読み取るセンサを備えてもよい。識別部は、例えばテープの種類に応じたパターンで形成される凹凸、QRコード(登録商標)、ICチップ等である。CPU81は、センサによって読み取られたテープ情報を取得してもよい。
上記実施形態では、CPU81は、入力部4を介して印刷指示が入力されることで、印刷指示を取得する。これに対し、CPU81は、外部端末を介して印刷指示が印刷装置1に入力されることで、印刷指示を取得してもよい。
印刷装置1は、テープを逆送しながら、テープに印刷する機能を有してもよい。この場合、印刷装置1は、排出ローラ220をリリース位置に配置した状態で、テープを逆送しながら、テープに印刷してもよい。
上記実施形態では、印刷実行回数カウンタの値Kが「2」以上の場合における排出ローラ220の切断前回転量は、印刷実行回数カウンタの値Kが「1」の場合における排出ローラ220の切断前回転量よりも小さいが、等しくてもよいし、大きくてもよい。すなわち、印刷装置1は、S73、S74を省略してもよい。
上記実施形態では、CPU81は、S62で印刷動作を開始する前に、S61で排出ローラ220の排出方向への回転を開始する。これに対し、CPU81は、S62で印刷動作を開始した後、テープの先端が第二挟持位置P5まで順送された場合に、排出ローラ220の排出方向への回転を開始してもよい。テープの先端が第二挟持位置P5よりも搬送方向上流側にある場合には、テープが排出ローラ220に接触しない。このような場合に排出モータ299の駆動を行わないことにより、印刷装置1は、消費電力を抑制できる。
上記実施形態では、CPU81は、S66で印刷動作を停止する前に、S65で排出ローラ220のニップ位置への移動を開始する。これに対し、CPU81は、S66で印刷動作を停止した後に、排出ローラ220のニップ位置への移動を開始してもよい。この場合、印刷装置1は、確実にテープが搬送されていない状態で、排出ローラ220と対向ローラ230との間でテープを挟むことができる。よって、印刷装置1は、テープの搬送中に排出ローラ220がテープに接触することで、テープの搬送が妨げられることを抑制できる。この場合、CPU81は、S66で印刷動作を停止した後、排出ローラ220のニップ位置への移動を開始する前に、排出ローラ220の排出方向への回転を停止してもよい。これにより、印刷動作の実行中には、排出ローラ220は、常に排出方向に回転する。よって、印刷装置1は、印刷動作の実行中にテープが排出ローラ220に接触しても、テープの搬送が妨げられることを抑制できる。
上記実施形態では、排出停止時間が経過した場合(S63:YES)、CPU81は、排出ローラ220の回転を停止する(S64)。印刷動作中の排出ローラ220の回転を停止するタイミングは、これに限定されない。例えば、CPU81は、サーマルヘッド60の制御を停止した後、搬送モータ68の回転駆動を停止するまでの間に、排出ローラ220の回転を停止してもよい。複数のキャラクタを印刷する場合には、CPU81は、最後に印刷されるキャラクタから所定の個数前のキャラクタの印刷が完了した場合に、排出ローラ220の回転を停止してもよい。CPU81は、印刷されるキャラクタの総ライン数から所定のライン数前のラインが印刷された場合に、排出ローラ220の回転を停止してもよい。例えば、印刷動作の途中からスルーダウン印刷が行われてもよい。スルーダウン印刷は、搬送モータ68を制御することで、テープの搬送速度を減速させながら、サーマルヘッド60を制御することで、テープに印刷を行うことをいう。この場合、CPU81は、スルーダウン印刷が開始された場合に、排出ローラ220の回転を停止してもよい。
CPU81は、S54でマーク99を検出するまでダイカットテープ9を順送する。これに対し、CPU81は、一定量だけダイカットテープ9を順送してもよい。この場合、CPU81は、ダイカットテープ9を一定量順送した後、マーク検出センサ31から検出信号を取得したか否かを判断してもよい。マーク検出センサ31からの検出信号がない場合、CPU81は、スピーカ(図示略)、表示画面(図示略)等により、エラー報知をしてもよい。
上記実施形態の第二頭出し処理では、CPU81は、S43、S44でダイカットテープ9の逆送を実行する前に、S41、S42で排出ローラ220のリリース位置への移動を実行する。これに対し、CPU81は、排出ローラ220のリリース位置への移動を実行する前に、ダイカットテープ9の逆送を実行してもよい。すなわち、CPU81は、第二頭出し処理が開始された場合に、S43、S44、S41、S42の順に処理を実行してもよい。なお、ダイカットテープ9に限定されず、CPU81は、テープの種類に応じて、テープの逆送を実行する前に、排出ローラ220のリリース位置への移動を実行するか否かを決定してもよい。例えば、CPU81は、撓みにくいテープの場合には、テープの逆送を実行する前に、排出ローラ220のリリース位置への移動を実行しないことを決定してもよい。
CPU81の代わりに、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が、プロセッサとして用いられてもよい。メイン処理は、複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。非一時的な記憶媒体は、情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は、一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。プログラムは、例えば、ネットワークに接続されたサーバからダウンロードされて(すなわち、伝送信号として送信され)、フラッシュメモリ82に記憶されてもよい。この場合、プログラムは、サーバに備えられたハードディスクドライブ等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。