JP5795001B2 - プリンタ装置およびプリンタ装置の用紙送り方法 - Google Patents

プリンタ装置およびプリンタ装置の用紙送り方法 Download PDF

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Description

本発明はプリンタ装置およびプリンタ装置の用紙送り方法に関し、詳細には、プラテンローラを駆動する歯車輪列等のバックラッシュ除去に関する。
興行チケットや金員収受のレシートなどの印字された用紙を発行するプリンタ装置は、その軸回りに回転自在に支持されたプラテンローラを備えた印刷部と、ステッピングモータ、およびこのステッピングモータを駆動させて発生した動力をプラテンローラに伝達してプラテンローラを上記軸回りに回転させる歯車輪列を有する動力部と、プラテンローラの正回転によって印刷部で印刷された用紙が送られる順送り方向の、プラテンローラよりも下流側に設けられた、用紙を所定位置で切断する切断部と、ステッピングモータの駆動および切断部の動作を制御する制御部とを備えている。
このように構成されたプリンタ装置は、プラテンローラを正回転させて用紙を順送り方向に送りながら印刷部による印刷を行うことで、用紙に所望の印刷を行い、印刷部による印刷が終了した後には、制御部がステッピングモータを第1のステップ数だけ駆動させてプラテンローラを正回転させることにより、用紙を、その順送り方向の下流側に送り、用紙の所定部分(印刷された部分よりも上流側となる無印刷部分)を切断部の所定位置に配置させる。
ここで、プラテンローラの回転は、制御部がステッピングモータを駆動し、このステッピングモータで発生した動力を、歯車輪列を介してプラテンローラに伝達することによって行っている。
ところで、動力部である歯車輪列はバックラッシュを有しているため、プラテンローラは、このバックラッシュ分だけ、用紙の送り方向に沿った空走(ガタつき)を生じることがある。
そして、この空走が生じた場合、印刷部での印刷がずれたり、送り不足による重複印刷で文字の潰れ等が発生する。
そこで、バックラッシュ分乃至このバックラッシュを超える長さ分だけ、ステッピングモータを逆回転させることで、バックラッシュを除去するプリンタ装置が提案されている(特許文献1,2)。
また、プリンタ装置に用いられるステッピングモータの駆動方法として、電源投入後や用紙の切断後に、用紙の順送り方向に対応したステッピングモータの正回転方向に、ステッピングモータを所定ステップだけ回転させることで、バックラッシュを除去する技術も提案されている(特許文献3,4)。
特開平8−267864号公報 特開平6−30598号公報 特開昭64−87377号公報 特開平5−246092号公報
ところで、印刷部での印刷はプラテンローラで用紙を順送り方向に送りながら行われるが、印刷部での印刷が終わった後は、印刷がなされていない無印刷部で用紙を切断する必要があるため、制御部がステッピングモータを正回転させるように所定のステップ数だけ駆動させてプラテンローラを回転させ、用紙を順送り方向に所定長さだけ送る。
ここで、ステッピングモータの駆動が停止した直後は、歯車輪列のバックラッシュやプラテンローラが支持されている部分の遊びなどの影響によって、プラテンローラは用紙の送り方向に沿って、あるいはその回転方向に沿って揺動している。
そして、ステッピングモータの駆動が停止した直後に切断部による切断動作が行われることで、用紙の送り方向に沿った切断位置がばらつくという問題がある。
この切断位置のばらつきが生じると、切断によって形成された用紙の先端と次回印刷された印刷開始位置との間の距離(無印刷の余白長さ)がばらつくだけでなく、歯車輪列とプラテンローラとの位置関係のばらつきによってバックラッシュもばらつき、印刷品質を向上させることが困難である。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、用紙の送り方向に沿った切断位置のばらつきおよびバックラッシュのばらつきを抑制することができるプリンタ装置およびプリンタ装置の用紙送り方法を提供することを目的とする。
本発明に係るプリンタ装置およびプリンタ装置の用紙送り方法は、印刷後の用紙を切断部に搬送した後、用紙の切断前に所定の時間待機させてプラテンローラの揺動を収束させるとともに、切断が終わった後に、プラテンローラを正回転方向に回転させてバックラッシュを除去するものである。
すなわち、本発明に係るプリンタ装置は、その軸回りに回転自在に支持されたプラテンローラを備えた印刷部と、ステッピングモータ、および前記ステッピングモータを駆動させて発生した動力を前記プラテンローラに伝達して前記プラテンローラを前記軸回りに回転させる歯車輪列を有する動力部と、前記プラテンローラの正回転によって前記印刷部で印刷された用紙が送られる順送り方向の、前記プラテンローラよりも下流側に設けられた、前記用紙を所定位置で切断する切断部と、前記ステッピングモータの駆動および前記切断部の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ステッピングモータを第1のステップ数だけ駆動させて前記プラテンローラを正回転させることにより前記用紙の所定部分を前記切断部の所定位置に配置させ、その状態でプラテンローラの揺動が収束するの に十分な時間待機させ、その後に前記切断部による切断動作を行わせるように制御するとともに、前記切断動作の後に、前記プラテンローラを正回転させるように前記ステッピングモータを歯車輪列のバックラッシュを取り除くのに必要な最小ステップ数である第2のステップ数だけ駆動させる制御を行うものであることを特徴とする。
また、本発明に係るプリンタ装置の用紙送り方法は、その軸回りに回転自在に支持されたプラテンローラを備えた印刷部と、ステッピングモータ、および前記ステッピングモータを駆動させて発生した動力を前記プラテンローラに伝達して前記プラテンローラを前記軸回りに回転させる歯車輪列を有する動力部と、前記プラテンローラの正回転によって前記印刷部で印刷された用紙が送られる順送り方向の、前記プラテンローラよりも下流側に設けられた、前記用紙を所定位置で切断する切断部と、前記ステッピングモータの駆動および前記切断部の動作を制御する制御部とを備えたプリンタ装置の用紙送り方法において、前記制御部は、前記ステッピングモータを第1のステップ数だけ駆動させて前記プラテンローラを正回転させることにより前記用紙の所定部分を前記切断部の所定位置に配置させ、その後に前記切断部により前記用紙を切断させるのに先立って、プラテンローラの揺 動が収束するのに十分な時間待機させ、前記プラテンローラを正回転させるように前記ステッピングモータを歯車輪列のバックラッシュを取り除くのに必要な最小ステップ数である第2のステップ数だけ駆動させることを特徴とする。
本発明に係るプリンタおよびプリンタ装置の用紙送り方法によれば、用紙の送り方向に沿った切断位置のばらつきおよびバックラッシュのばらつきを抑制することができる。
本発明の一実施形態としてのプリンタ装置を示す平面図である。 図1におけるA−A線に沿った断面を示す図である。 板金部材のストッパが印刷部の本体に設けられているロック部材のフックから外れている印刷不可状態を示す図である。 板金部材のストッパが印刷部の本体に設けられているロック部材のフックに係合している印刷可能状態を示す図である。 図1における矢視Bによる側面図である。 実施形態1のプリンタ装置の制御回路による制御内容を示すフローチャート(その1)である。 実施形態1のプリンタ装置の制御回路による制御内容を示すフローチャート(その2)である。 実施形態1のプリンタ装置の制御回路による制御内容に付加される実施形態2のプリンタ装置の制御回路による制御内容を示すフローチャート(その1)である。 実施形態1のプリンタ装置の制御回路による制御内容に付加される実施形態2のプリンタ装置の制御回路による制御内容を示すフローチャート(その2)である。
以下、本発明のプリンタ装置およびこのプリンタ装置の用紙送り方法についての具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
図1,2は、本発明の一実施形態(実施形態1)としてのプリンタ装置100を示す図であり、図1はプリンタ装置100の平面図、図2は図1におけるA−A線に沿った断面を示す図、図3はプラテンローラ22の印刷不可状態を示す図、図4はプラテンローラ22の印刷可能状態を示す図、図5は図1における矢視Bによる側面図である。
図示のプリンタ装置100は、ロール状に巻かれた長尺の用紙P(感熱紙)に、所定の情報を印刷(文字以外の情報を印刷することも含む)し、その印刷された後の用紙Pを所定の長さで切断し、切断された用紙Pを排出口90を通じて、このプリンタ装置100の外部に排出させるように構成された、発券機等の一部として構成されたものである。
用紙Pは、図2の二点鎖線で示したように、印刷前はロール状に巻かれていて、その軸回りに回転自在に支持する用紙支持部10に支持されている。
そして、ロール状の最外周の端部から引き出された用紙Pは、排出口90に向かって延びた搬送路に沿って送られるが、用紙Pが排出口90に向かって進む方向を順送り方向(図1,2において矢印で示す)とする。
このプリンタ装置100の搬送路上の、用紙支持部10よりも順送り方向の下流側には、制御回路70(制御部)、印刷部20、動力部40、切断部30、用紙搬送部80が、設けられている。
用紙支持部10は、このプリンタ装置100の幅方向の両端(以下、両側端という)の側板に掛け渡された用紙支持軸11を備え、ロール状に巻かれている長尺の用紙Pは、この用紙支持軸11によって、回転自在に支持される。
そして用紙支持部10には、ロール状の用紙Pの慣性による衝撃を緩衝するためのダンパー12が備えられている。
ダンパー12は、一方の側板に沿って延びたダンパーアーム12aと、ダンパーアーム12aの先端に結合され、用紙Pの幅方向に延びて用紙Pに接するダンパーシャフト12bと、ダンパーシャフト12bを用紙Pの表面に接触するように付勢する、図示を省略したダンパースプリングとで構成されている。
また、この用紙支持部10と印刷部20との間には、ロール状の用紙Pの最外周から巻きほどかれた用紙Pが弛むのを防止するテンションローラ18が設けられている。
印刷部20は、後述する制御回路70によって制御されたサーマルプリントヘッド21と、用紙Pを挟んでサーマルプリントヘッド21の反対側に設けられ、サーマルプリントヘッド21に対する用紙Pの送りを制御するプラテンローラ22(図3参照)とを備えている。
プラテンローラ22は、所定の板金部材25aに取り付けられているが、この板金部材25aは、図2に示すように、プリンタ装置100の本体110に対して軸25b回りに回動可能に支持されていて、図3に示すように、板金部材25aのストッパ25cが印刷部20の本体に設けられているロック部材26のフック26bから外れている状態では、プラテンローラ22は、サーマルプリントヘッド21から離れた状態となっている。
一方、図3の状態から板金部材25aを軸25b回りに矢印K方向(時計回り方向)に回動させ、ロック部材26を軸26a回りに矢印−K方向(反時計回り方向)に回動させ、板金部材25aのストッパ25cがロック部材26のフック26bに係合した状態(図4に示す状態)では、プラテンローラ22は、サーマルプリントヘッド21と対向して用紙Pを挟んだ印刷可能の状態となっている。
この図4に示した固定された状態が解除されると、プラテンローラ22が設けられている板金部材25aは、軸25b回りに矢印−K方向に回動して、プラテンローラ22は用紙Pから離れた状態となり、この状態は印刷ができない状態となる。
なお、プラテンローラ22の固定が解除された状態から、プラテンローラ22の固定がされた状態に復帰させるには、図3に示すように、プラテンローラ22が設けられている板金部材25aを、軸25b回りに矢印K方向に回動させて、プラテンローラ22を用紙Pの下面に強く押し付けた状態とし、板金部材25aのストッパ25cにロック部材26のフック26bを係合した状態(図4に示す状態)とすればよい。
板金部材25aには、プラテンローラ22の他に、空回りするアイドルローラ28も備えられていて、搬送路上における用紙Pのガイドとなっている。
また、プラテンローラ22には、図5に示すように、その同軸に、プラテンローラ22とともに回転するプラテンローラギヤ22aが設けられている。
動力部40は、制御回路70によってそのステップ数が駆動制御されるステッピングモータ41、およびステッピングモータ41を駆動させて発生した動力をプラテンローラ22に伝達してプラテンローラ22をその軸回りに回転させる歯車輪列42を備えている。
すなわち、ステッピングモータ41には、その回転軸にモータギヤ41aが設けられていて、このモータギヤ41aが歯車輪列42に噛み合うことで、ステッピングモータ41を駆動させて発生した動力を歯車輪列42に伝達し、また、プラテンローラ22を支持している板金部材25aのストッパ25cがロック部材26のフック26bに係合した状態(図4参照)において歯車輪列42がプラテンローラギヤ22aに噛み合うことで、歯車輪列42に伝達された動力をプラテンローラ22に伝達する。
一方、プラテンローラ22を支持している板金部材25aのストッパ25cがロック部材26のフック26bに係合していない状態(図3参照)においては、プラテンローラギヤ22aが歯車輪列42に噛み合っていないため、歯車輪列42に伝達された動力がプラテンローラ22に伝達されず、プラテンローラ22は回転しない。
ステッピングモータ41の駆動方向(回転方向)、駆動速度(回転速度)および駆動量(ステップ数)は、制御回路70によって制御されていて、用紙Pを図示の順送り方向下流側に送るような回転方向を、以下、正回転方向とし、用紙Pを図示の順送り方向上流側に送る(逆送り(バックフィード)する)ような回転方向を、以下、逆回転方向とする。
この回転方向については、上述した用紙Pの送り方向を基準として、プラテンローラ22の回転方向についても同様に定義するものとし、用紙Pを順送り方向下流側に送るような回転方向を正回転方向、用紙Pを図示の順送り方向上流側に送るような回転方向を逆回転方向とする。
本実施形態のプリンタ装置100は、ステッピングモータ41を駆動する動力源として一般の商用電源を適用したものであるため動力源の表示を省略しているが、本発明のプリンタ装置は、このような商用電源の他、一次電池や二次電池などを動力源としたものであってもよい。
切断部30は、印刷部20で印刷された用紙Pが送られる順送り方向の、プラテンローラ22よりも下流側に設けられていて、用紙Pを、その送り方向の所定位置で、その送り方向に直交して切断する、用紙Pよりも図示上側に配設された可動カッター刃31a(切断手段)および用紙Pよりも図示下側で板金部材25aに配設された固定カッター刃31b(切断手段)と、この2つのカッター刃31a,31bのうち可動カッター刃31aを上下に駆動するカッターモータ32とを備えている。
ここで、カッターモータ32は、制御回路70によって、その駆動が制御されていて、可動カッター刃31aを下方に降下させることにより、固定カッター刃31bと可動カッター刃31aとで用紙Pを剪断して、用紙Pを送り方向に対して直交して切断する。
そして、切断後は、制御回路70がカッターモータ32を制御して可動カッター刃31aを上方に引き上げ、その引き上げた状態で次回の切断動作まで待機させる。
用紙搬送部80は、切断部30と排出口90との間(用紙Pの順送り方向の、切断部30よりも下流側で、かつ排出口よりも上流側の範囲)に設けられ、用紙Pを順送り方向またはその反対方向(逆送り方向)に送る搬送ローラ(プレゼンターローラ)82,83と、搬送ローラ82を駆動する、制御回路70によって制御された搬送モータ81とを備えている。
搬送モータ81はステッピングモータであり、この駆動方向(回転方向)、駆動速度(回転速度)および駆動量(ステップ数)は、制御回路70によって制御されている。なお、搬送ローラ82の、用紙Pを順送り方向下流側に送るような回転方向(用紙Pを排出口90に送る方向に対応した回転方向)を正回転方向とし、用紙Pを逆送り方向に送るような回転方向を逆回転方向とする。
搬送ローラ82,83のうち、搬送モータ81によって直接駆動される搬送ローラ82は用紙Pの下面に接するように配設され、搬送モータ81によって直接駆動されないアイドルローラである搬送ローラ83は用紙Pの上面に接するように配設されている。
そして、用紙Pは搬送ローラ82と搬送ローラ83との間に挟まれて、搬送ローラ82の正回転方向への回転により順送り方向に搬送され、搬送ローラ82の逆回転方向への回転により逆送り方向に搬送される。
制御回路70は、印刷部20のサーマルプリントヘッド21に対する制御、ステッピングモータ41を制御することによるプラテンローラ22に対する間接的な制御、切断部30のカッターモータ32に対する制御、用紙搬送部80の搬送モータ81に対する制御を行う。
具体的には、制御回路70は、印刷部20による印刷動作中は、サーマルプリントヘッド21およびステッピングモータ41を制御して、用紙Pを順送り方向に送りながら感熱印刷を行なわせる。
この印刷動作中は、用紙Pの順送り方向下流側の先端は、切断部30を通過し、さらに切断部30よりも順送り方向下流側に設けられた用紙案内板89に沿って順送り方向の下流側に進行し、用紙Pの順送り方向下流側の先端が、用紙搬送部80の搬送ローラ82,83に挟まれる位置まで進む。
ここで、搬送ローラ82,83は制御回路70の制御によって、搬送モータ81が正回転することによって回転するが、搬送ローラ82,83よりも順送り方向の上流側に設けられている、用紙Pの有無を検出するフォトリフレクタ等の検出センサ85(図2参照)によって用紙Pの順送り方向の下流側先端が検出されると、制御回路70がその検出されたときからさらに規定のステップ数(検出センサ85と搬送ローラ82,83との間の搬送路に沿った距離に対応するステップ数)経過した状態で、用紙Pの順送り方向の下流側先端が搬送ローラ82,83に到達したと判定して、搬送モータ81の駆動を停止させるように制御し、搬送ローラ82,83の回転を停止させる。
搬送ローラ82,83が停止することにより用紙Pの先端は停止するが、印刷動作がさらに続いているときは、プラテンローラ22の正回転が続いているため、印刷部20と搬送ローラ82,83との間に送られた用紙Pの長さは、印刷部20と搬送ローラ82,83との間の搬送路の長さよりも長くなることがあり、この場合は、図4に示すように、用紙案内板89の下方に形成されている隙間89aに、搬送路の長さよりも長くなった用紙P(図4において二点鎖線で示す)の部分が撓んで収容されるように形成されている。
そして、印刷部20に対する印刷動作の制御が終了すると、制御回路70は、その終了からさらに第1のステップ数n1だけステッピングモータ41を駆動させてプラテンローラ22を正回転させることにより用紙Pの所定部分(印刷部20による印刷が完了した部分よりも、順送り方向の所定長さ上流側の無印刷部分)を、切断部30のカッター刃31a,31bで切断される位置(所定位置)に配置させる。
制御回路70は、この状態で例えば100[msec(ミリ秒)](所定の時間)待機させ、その後に切断部30のカッターモータ32を駆動してカッター刃31a,31bにより用紙Pの切断動作を行わせるように制御する。
すなわち、印刷部20で印刷された用紙Pを切断部30に送った後、その直後に切断動作を行わせるのではなく、切断動作前に例えば100[msec(ミリ秒)]待機させ、その後に切断動作を行わせる制御を行う。
制御回路70がステッピングモータ41を駆動するための第1のステップ数n1は、予め設定された規定値であるが、その規定値の具体的な値は、印刷部20と切断部30との間の距離等に応じて適宜設定することができる。
制御回路70によるカッターモータ32への制御により切断部30で切断された後の用紙Pのうち、順送り方向下流側の用紙Pは、所定の長さに切断されたものとなるが、この切断された所定の長さの用紙Pは、制御回路70が搬送モータ81を駆動させる制御により正回転方向に回転する搬送ローラ82によって、用紙Pの、順送り方向上流側の端部が搬送ローラ82,83に挟持された状態まで送られ、その後、搬送モータ81を逆回転させるように制御して搬送ローラ82を逆回転させ、用紙Pの、順送り方向上流側の端部が、用紙Pを内部に回収保管する分岐路の側に設けられた検出センサ86によって検出された状態で、搬送モータ81を停止させる。
これにより、用紙Pの順送り方向の下流側の一部が、ローラ排出口90から突出した状態となり、その停止状態で所定時間待機される。
この搬送モータ81の駆動も制御回路70の制御によるものであり、搬送モータ81に対して、用紙Pの、順送り方向上流側の端部が搬送ローラ82,83に挟持された状態となるのに対応するステップ数を与えている。
ここで、制御回路70は、搬送モータ81の駆動速度を2段階に切り替えるように制御する。すなわち、制御回路70は、搬送モータ81を、例えば用紙Pの順送り方向に沿った速度350[mm/sec]に対応する高速度の角速度で駆動させるように制御し、検出センサ85が、用紙Pを検出しなくなる直前(用紙Pの、順送り方向上流側の端部が、検出センサ85に到達する直前)に、搬送モータ81を、速度350[mm/sec]よりも遅い、例えば用紙Pの順送り方向に沿った速度300[mm/sec]に対応する中速度の角速度に切り替えて駆動させるように制御する。
なお、検出センサ85が用紙Pを検出しなくなる直前というタイミングについて説明する。
搬送モータ81はパルス駆動されるステップモータであるため、制御回路70は搬送モータ81をフィードフォワード制御しているのであって、検出センサ85の検出結果に基づくフィードバック制御しているのではない。
すなわち、制御回路70は、印刷部20においてプラテンローラ22が用紙Pを送ったときの送り量(ステッピングモータ41に与えたステップ数)を記憶しており、その記憶されたステップ数に基づいて、用紙Pの、順送り方向上流側の端部が、検出センサ85に到達する直前のタイミング(用紙Pの、順送り方向上流側の端部が、検出センサ85に到達するまでの、搬送モータ81の駆動量に対応したステップ数の残りが所定の数に達したとき)を予め求めることができる。
したがって、その求められたステップ数を搬送モータ81に与えることにより、検出センサ85が用紙Pを検出しなくなる直前となり、そのとき、制御回路70は、搬送モータ81を、速度300[mm/sec]という中速度に切り替えて駆動させるように制御する。
なお、制御回路70は、搬送モータ81の駆動速度を高速度から中速度に切り替えた後、予め設定された規定のステップ数(送りの速度を中速度に切り替えてから、用紙Pの順送り方向の上流側の端部が搬送ローラ82,83に到達する距離に対応したステップ数)だけ用紙Pを順送り方向下流側に搬送し、その後、搬送モータ81を逆回転させるように制御し、検出センサ86が用紙Pの後端部(順送り方向上流側の端部)を検出したタイミングで搬送モータ81を停止させる制御を行い、用紙Pの一部(後端部の近傍部分)が搬送ローラ82,83に挟まれた状態で用紙Pを保持する。
この結果、用紙Pの順送り方向下流側の一部分は排出口90から外部に突出した状態とされて、この用紙Pが引き取られるのを待つ引き取り待ち状態となる。
この引き取り待ち状態で所定時間経過しても、排出口90から一部が突出した用紙Pが引き取られないときは、制御回路70が搬送モータ81を逆回転させる制御を行なうことで、搬送ローラ82が逆回転し、これにより、搬送ローラ82,83に挟まれて保持されていた用紙Pは、排出口90から内部に引き戻され、搬送ローラ82,83よりも順送り方向の上流側に設けられている回収用案内板87に沿って搬送され、図示を略した、回収用案内板87の下方に設けられた回収箱等に回収される。
この回収用案内板87には、検出センサ85と同様に用紙Pの有無を検出する検出センサ86が設けられていて、用紙Pが回収用案内板87に沿って搬送されている期間中は、検出センサ86により用紙Pの存在が検出されており、用紙Pが回収箱などに回収される等して回収用案内板87から離れると、検出センサ86は用紙Pの存在が検出されなくなり、この検出センサ86による、用紙Pの存在から不存在への切り替わりによって、制御回路70は搬送モータ81に対する逆回転の駆動を停止させる。
なお、この待機状態で所定時間経過しても用紙Pが引き取られないことの検出は、例えば、検出センサ86が用紙Pの存在を検出している期間中は、用紙Pが引き取られていない状態であると制御回路70が判定し、搬送モータ81を駆動していない状態において検出センサ86による検出結果が、用紙Pの存在を検出している状態から用紙Pの存在を検出していない状態(用紙Pの不存在を検出している状態)に変化したときは、用紙Pが引き取られた状態であると制御回路70が判定すればよい。
また、搬送ローラ82や搬送ローラ83に、その回転の有無を検出するセンサ(例えば、エンコーダ等)を設け、用紙Pが引き取られた際に、用紙Pを保持している搬送ローラ82,83が連れ回ったことを、その回転を検出するセンサで検出し、そのセンサの検出結果に基づいて制御回路70が、用紙Pが引き取られたか否かを判定してもよい。
一方、切断部30で切断された後の用紙Pのうち、順送り方向上流側の用紙Pは、プラテンローラ22とサーマルプリントヘッド21との間に挟まれた状態となっているが、制御回路70は、用紙Pの切断後に、プラテンローラ22を正回転させるようにステッピングモータ41を、第2のステップ数n2だけ駆動させる制御を行う。
この第2のステップ数n2は、実験等によって求められた、予め設定された規定値であるが、その規定値の具体的な値は、用紙Pを完全に切断したときに歯車輪列42に生じるバックラッシュを取り除くのに必要な最小のステップ数として適宜設定され、用紙Pを順送り方向下流側に向けて搬送する、例えばサーマルプリントヘッドでの印字8ドット分に対応するステップ数などを適用することができる。
なお、この第2のステップ数n2の具体的な値については、任意に採用することができるが、例えば、試用される用紙Pの厚さに応じたものとすることもできる。
すなわち、用紙Pの厚さが厚くなるにしたがって、第2のステップ数n2を大きくし、用紙Pの厚さが薄くなるにしたがって、第2のステップ数n2を小さくしてもよい。
また、用紙Pの厚さの入力を受ける厚さ入力部を設けて、その厚さ入力部に入力された厚さを用紙Pの厚さとして制御回路70に入力し、制御回路70の内部に予め記憶された、用紙Pの厚さと第2のステップ数n2とを対応づけた参照テーブルを制御回路が参照して、入力された厚さに対応づけられた第2のステップ数n2を、ステッピングモータ41に入力するようにしてもよい。
以上のように構成された本実施形態のプリンタ装置100によれば、図6のフローチャートに示すように、制御回路70の制御によって、用紙Pに対する印刷動作(サーマルプリントヘッド21による印刷(S1)およびプラテンローラ22による印刷送り(S2))が行われ、用紙Pの順送り方向下流側の先端を搬送ローラ82,83で停止させる(S3,S4)。
なお、制御回路70は、この印刷動作とともに搬送モータ81を駆動させるように制御している。
具体的には、用紙搬送部80の検出センサ85が用紙の順送り方向の下流側先端を検出する(S3)まで、プラテンローラ22による印刷送り(S2)を行い、検出センサ85が用紙の順送り方向の下流側先端を検出してからさらに上述した規定のステップ数経過した時点で搬送ローラ82,83を停止させる(S4)。
印刷動作がさらに必要の場合は、印刷動作を続行させて、用紙Pを図4に示したように、隙間89aに撓ませる。
印刷動作が終了したときは、制御回路70はサーマルプリントヘッド21に対する制御を終了するとともに、ステッピングモータ41に対して第1のステップ数n1を与えて、用紙Pの所定部分(無印刷部分)を切断部30の所定位置に配置させる。
この時点で、ステッピングモータ41は、用紙Pを、その順送り方向下流側の先端から後端(所定部分:切断予定位置)まで送ったことになるため、それに要したステップ数(切断される用紙Pの長さに対応したステップ数)が制御回路70によって記憶される。
第1のステップ数n1が付与されてそのステップ数n1に対応した駆動されたステッピングモータ41は、その後停止する(S5)が、停止直後は、歯車輪列42のバックラッシュやプラテンローラ22が支持されている部分(例えば、板金部材25aの回動中心となっている軸25bおよびプリンタ装置100の本体110に形成された、この軸25bを支持する孔)の遊びなどの影響によって、プラテンローラ22は用紙Pの送り方向に沿って、あるいはその回転方向に沿って揺動している。
このため、ステッピングモータ41の駆動が停止した後、すなわち、用紙Pの所定部分を切断部30の所定位置に配置させた直後に切断部30による切断動作が行われると、プラテンローラ22が揺動した状態で用紙Pが切断されることになり、プラテンローラ22の揺動が収束した後における用紙Pの、送り方向に沿った切断位置はばらついたものとなる。
これに対して、本実施形態のプリンタ装置100は、用紙Pの所定部分を切断部30に位置させた直後に切断部30による切断動作を行わせるのではなく、制御回路70がカッターモータ32に対して、切断動作前に所定の時間(本実施形態では、100[msec])待機させる(S6)。
これにより、プラテンローラ22の上述した揺動が収束し、用紙Pの、送り方向に沿った切断位置のばらつきを抑えることができる。
なお、制御回路70が切断部30の切断動作を待機させる所定の時間としては、プラテンローラ22の揺動が収束するのに対応した時間であり、通常のプリンタ装置であれば100[msec]程度であれば十分であるが、必ずしもこの具体的な時間に限るものではなく、そのプリンタ装置におけるプラテンローラの揺動時間に応じて、100[msec]よりも長い時間を適用してもよいし、これとは反対に短い時間を適用してもよい。
このように、プラテンローラ22の揺動が収束した状態での歯車輪列42の噛み合い状態やプラテンローラ22を支持する部分(板金部材25aの回動中心となっている軸25bおよびプリンタ装置100の本体110に形成された、この軸25bを支持する孔等)での位置関係は、その収束の都度変化するものではなく、略一定の状態、一定の位置関係にあるため、プラテンローラ22の揺動が収束した状態で制御回路70が切断部30による切断動作を行わせる(S7)ことで、用紙Pの、送り方向に沿った切断位置のばらつきを抑制することができる。
また、切断部30のカッター刃31a,31bが用紙Pを切断する際には、カッター刃31a,31bが用紙Pを剪断するため、カッター刃31a,31bに対して順送り方向に沿った上流側の用紙Pの部分は、カッター刃31a,31bによって、その順送り方向の下流側に引っ張られることになり、このように用紙Pが順送り方向の下流側に引っ張られることにより、用紙Pに接しているプラテンローラ22も用紙Pに引っ張られて、用紙Pを順送り方向に送る正回転方向に、強制的に回転させられた状態(ステッピングモータ41の駆動に従った回転ではない回転状態)となる。
このとき、プラテンローラ22には、用紙Pと印刷部20のサーマルプリントヘッド21等との間の摩擦力や、歯車輪列42の噛み合う歯間に作用する押圧力の反作用力等によって、正回転とは反対の回転方向(逆回転の方向)に回転させる力が作用していて、カッター刃31a,31bによる、用紙Pを順送り方向の下流側に引っ張る力と釣り合っているが、カッター刃31a,31bが用紙Pを完全に切断したとき、用紙Pを順送り方向の下流側に引っ張る力が無くなるため、用紙Pを順送り方向の上流側に引き戻す力により、プラテンローラ22が逆回転方向に、歯車輪列42のバックラッシュや支持されている部分の遊び等の分だけ回転し、用紙Pも上流側に引き戻される。
ここで、前述したように、プラテンローラ22が揺動した状態のままで切断が行われて、切断位置のばらつきがあるときは、切断後に用紙Pが引き戻された状態で、その用紙Pの順送り方向下流側の先端がサーマルプリントヘッド21の位置まで戻されることがあり、次回の印刷動作の際に、印刷された文字等の切れや歯車輪列42のバックラッシュ分の空転による文字等の潰れなどが発生する虞がある。
しかし、本実施形態のプリンタ装置100は、制御回路70が、切断部30による切断動作(S7)の後に、用紙Pの順送り方向の下流側に例えば8ドット分送る量に対応させてステッピングモータ41を第2のステップ数n2だけ正回転方向に駆動させるように制御する(S8)ことで、歯車輪列42のバックラッシュが、用紙Pの順送り方向とは反対側に寄せられるため、用紙Pの順送り方向への動きに対して除去された状態とすることができる。
したがって、次回の印刷動作が開始される際には、このバックラッシュが既に除去された状態となっているため、次回の印刷動作の中で歯車輪列42のバックラッシュの影響を受けることがなく、印刷された文字等の切れや潰れなどが発生するのを防止することができる。
また、本実施形態のプリンタ装置100は、印刷開始の前に、バックラッシュの除去動作を行うものではないため、印刷動作の指示がプリンタ装置100に入力されてから実際に印刷動作が開始されるまでの時間を短縮することができる。
なお、本実施形態においては、バックラッシュの除去の動作(S8)の後に、切断されて分断された用紙Pの順送り方向下流側の部分を排出口90に送る動作(S9〜S12)を行う順次動作であるが、バックラッシュの除去の動作(S8)を、用紙Pを切断した(S7)後に行わせることで、バックラッシュの除去の動作(S8)と、切断されて分断された用紙Pの順送り方向下流側の部分を排出口90に送る動作(S9〜S12)とを並行して行わせることもできる。
この場合、その用紙Pの順送り方向下流側の部分を排出口90から排出させる動作の時間を遅延させることがなく、したがって、印刷動作の指示がプリンタ装置100に入力されてから印刷された用紙P(切断された用紙Pのうち順送り方向下流側の部分)が排出口90から排出されるまでの実質的な所要時間が、バックラッシュの除去動作によって長くなることもない。
ここで、切断されて分断された用紙Pの順送り方向下流側の部分に対する動作を詳細に説明する。
まず、制御回路70が切断部30を制御して用紙Pを切断した(S7)後、用紙Pを高速度(350[mm/sec])で順送り方向に送るように、制御回路70は搬送モータ81の駆動を制御する。この制御により、用紙Pは搬送ローラ82,83によって高速度で順送り方向下流側の排出口90に向けて送られる(S9)。
そして、制御回路70が、用紙Pをステッピングモータ41で送ったときに記憶したステップ数に基づいて搬送モータ81を駆動制御することで、切断された用紙Pの後端(用紙Pの順送り方向の上流側の端部)が用紙搬送部80に設けられている検出センサ85に到達する直前に(S10)、搬送モータ81に対する制御を、高速度の送りから中速度の送り(300[mm/sec])に切り替える。
この制御により、用紙Pは搬送ローラ82,83によって中速度で順送り方向下流側の排出口90に向けて送られる(S11)。
さらに制御回路70は、所定の距離(規定のステップ数)だけ、搬送モータ81に対して前述した中速度での制御を行った後、搬送モータ81を一旦停止させ、その後、搬送モータ81を逆回転させる制御を行なって、切断された用紙Pの後端すなわち順送り方向上流側の端部を検出センサ86が検出したとき搬送モータ81を停止させる制御を行い、排出口90から外部に、その一部が突出した用紙Pの引き取り待ち状態(S12)となる。
なお、排出口90から外部に、その一部が突出した用紙Pの引き取り待ち状態(S12)では、用紙Pの後端の近傍部分が搬送ローラ82,83に保持された状態となっている。
制御回路70は、この引き取り待ち状態で、予め設定された所定時間だけ待機し、その所定時間経過するまでの間に用紙Pが引き取られていた場合は、用紙搬送部80への制御を終了し、一方、所定時間経過しても用紙Pが引き取られていない場合は、用紙Pを内部に回収するように用紙搬送部80を制御する。
具体的には、検出センサ86が用紙Pの有無を検出し、用紙Pが引き取られているときは、検出センサ86は用紙Pを検出していない(S13)ため、この検出結果に基づいて、制御回路70は用紙搬送部80への制御を終了する。
一方、用紙Pが引き取られていないときは、検出センサ86は用紙Pを検出している(S13)ため、この検出結果に基づいて、制御回路70は、待機時間として所定時間経過したか否かを判定し(S14)、所定時間経過していないときは所定時間経過するまで、用紙Pの有無の検出(S13)と所定時間の経過待ち(S14)との処理を繰り返し、用紙Pが検出されたままで所定時間が経過したときは、制御回路70は、用紙搬送部80に対して用紙Pを回収させる制御を行う(S15)。
この用紙Pの回収は、制御回路70が搬送モータ81を逆回転させることで、搬送ローラ82を逆回転させ、搬送ローラ82,83に挟まれて保持されていた用紙Pを、排出口90から内部に引き戻し、搬送ローラ82,83よりも順送り方向の上流側に設けられている回収用案内板87に沿って搬送し、図示を略した、回収用案内板87の下方に設けられた回収箱等に回収するものである。
そして、回収動作中に、用紙Pが回収用案内板87に沿って搬送されている期間中、回収用案内板87に設けられている検出センサ86が用紙Pの存在を検出し、用紙Pが回収箱などに回収される等して回収用案内板87から離れて検出センサ86が用紙Pの存在を検出しなくなったとき、制御回路70は用紙Pの回収が完了したものと判定し、搬送モータ81の逆回転による回収動作を終了させ(S16)、用紙搬送部80への制御を終了する。
以上、詳細に説明したように、本実施形態のプリンタ装置100およびその作用であるプリンタ装置100の用紙送り方法によれば、プラテンローラ22の揺動による切断位置のばらつきの抑制と、歯車輪列42のバックラッシュ等による印刷位置ずれの抑制とが相まって、用紙への印刷品質の向上を実現することができる。
また、本実施形態のプリンタ装置100においては、用紙Pの厚さが厚くなるにしたがって、用紙Pの切断に要する剪断力は大きくなり、用紙Pを順送り方向の下流側に引っ張る力が強くなり、その反作用の力も大きくなる。
したがって、用紙Pが切断されて用紙Pを順送り方向の下流側に引っ張る力がなくなると、用紙Pが順送り方向の上流側に引き戻される量も大きくなる。
そこで、本実施形態のプリンタ装置100において、制御回路70が、第2のステップ数n2を、用紙Pの厚さに応じて調整するものとすれば、用紙Pの厚さが厚くなるにしたがって、第2のステップ数n2を大きくすることで、厚さの異なる用紙Pを用いた場合にも、適正な頭出し(用紙Pの順送り方向の下流側先端の位置設定)を行うことができる。
また、本実施形態のプリンタ装置100によれば、切断後に用紙Pを排出する速度を従来(例えば、300[mm/sec]程度の中速度)よりも相対的に高速である350[mm/sec]とすることで、用紙Pが排出口90から排出されるまでの時間を短縮することができる。
ここで、用紙Pを単に高速度で排出したのでは、搬送ローラ82,83を停止させるために搬送モータ81を停止させても、排出される用紙Pの慣性により、用紙Pを排出口90の所定位置(例えば、用紙Pの一部が排出口90から外部に突出した状態となる位置)で精度よく停止させることが困難になる。
これに対して、本実施形態のプリンタ装置100は、制御回路70が、切断された用紙Pを高速度(350[mm/sec])で排出口90に送るように搬送モータ81を制御して、用紙Pの排出に要する時間を従来よりも短縮しつつ、その高速度での送りによって、切断された用紙Pの後端部(順送り方向の上流側の端部)が検出センサ85を通過する直前に、制御回路70が搬送モータ81の駆動を、高速度(350[mm/sec])よりも遅い中速度(300[mm/sec])で用紙Pを送る中速度送りに切り替えることで、用紙Pの慣性を低下させ、用紙Pを排出口90の所定位置(例えば、用紙Pの一部が排出口90から外部に突出した状態となる位置)で精度よく停止させることができる。
なお、用紙Pの排出口90への排出のための2段階の搬送速度は、上述した350[mm/sec]と300[mm/sec]との組み合わせに限定されるものではなく、高速度として350[mm/sec]以上の速度を適用し、中速度として300[mm/sec]以下の速度を適用し、これら高速度での搬送時間と中速度での搬送時間との合計時間が、従来の中速度一定での搬送時間より短くなる任意の組み合わせを適用することができる。
また、制御回路70が、用紙Pの排出速度を高速度から中速度に切り替えるタイミングは、上述した検出センサ85による用紙Pの後端部の検出直前のタイミングに限定されるものではない。
すなわち、搬送モータ81はステップモータであるため、駆動量を、付与するステップ数(パルス数)によって予め設定するフィードフォワード制御に適しており、したがって、制御回路70が搬送モータ81に付与するステップ数が任意の所定値になったタイミングで、速度を切り替えるようにしてもよい。
また、検出センサ85によって、用紙Pの後端部が通過したことを検出したタイミング(用紙Pの不存在を検出したタイミング)に基づくようにしてもよい。
上述した実施形態のプリンタ装置100において、用紙Pを排出口90から排出させる際に、用紙Pが何らかの原因で排出口90から突出させる(引き取り待ちの状態にする)ことができなかった場合のエラー処理の制御と、用紙Pの引き取り待ち後の用紙Pの回収動作の際に、用紙Pが何らかの原因で回収動作を完了させることができなかった場合のエラー処理の制御とを追加した実施形態2について説明する。
すなわち、従来のプリンタ装置においては、悪戯の目的等で排出口を手で塞いで用紙が排出口から排出されるのを強制的に阻止したり、あるいは、引き取り待ち状態の用紙のうち排出口から突出している部分を指で掴んで回収動作を強制的に阻止するなどされると、用紙が正常に排出されないことを検出して、用紙の排出異常が検出され、その検出結果が制御回路に入力されると、プリンタ装置の全ての動作を停止させていた。
そして、このような排出異常の判定で停止したプリンタ装置は、メンテナンスのサービス員がこのプリンタ装置を点検し、異常が無いことを確認した上で復帰処理を施すことで、正常動作に復帰させていた。
しかし、このようなプリンタ装置では、メンテナンスのサービス員が到着し、点検が完了し、復帰処理が完了するまでの間、このプリンタ装置を使用することができないだけでなく、その使用が再開されるまでの期間が非常に長い時間になりがちであった。
この実施形態2のプリンタ装置100は、このような問題点を解決するものであり、前述した実施形態1のプリンタ装置100における制御回路70が、用紙Pの中速度での排出動作(S11)の後(実施形態1における規定のステップ数だけ搬送モータ81を正回転駆動させ、その後、一旦停止させた状態)において、引き続き検出センサ85(用紙排出検出部)が用紙Pを検出している場合は、用紙Pの前方(順送り方向下流)への移動が成功しなかったと判定する(図8のS21)。
この場合は、用紙Pが正常に排出されなかったことになる(排出口90が手で塞がれて、搬送ローラ82,83と用紙Pとの間でスリップが生じ、用紙Pの一部が排出口90から突出されなかった場合など。)。
一方、中速度での排出動作(S11)の後、検出センサ85が用紙Pを検出していない場合(検出センサ86が用紙Pを検出している状態)は、用紙Pの前方への移動が成功したと判定する(図8のS21)。
この場合は、用紙Pが正常に引き取り待ち状態になった(S12)ことになる。
そして、上述した検出センサ85による検出結果に基づいて、用紙Pが正常に排出されていない(引き取り待ち状態になっていない)ときは、搬送ローラ82,83を、用紙Pを順送り方向とは逆方向に搬送するように逆回転させ(直接的には搬送モータ81を逆回転方向に駆動させるように制御し)、その後、搬送ローラ82,83を、用紙Pを排出口90に向けて再度送るように正回転させる再排出動作(引き取り待ち状態にするための動作)を行うように制御する。
このとき、上述した制御回路70による再排出動作の制御によっても、用紙Pが正常に排出されなかった(検出センサ85が用紙Pを検出している状態)と制御回路70が判定したときは、制御回路70は上述した再排出動作の制御を所定時間(予め設定されたリトライ時間)間隔ごとに繰り返す(図8のS22〜S26)。
そして、この再排出動作の制御を繰り返しているうちに、検出センサ85が用紙Pを検出していない状態となったときは、制御回路70は、用紙Pが正常に引き取り待ち状態になったと判定する(S26→S12)。
一方、この再排出動作を所定回数(予め設定されたリトライ回数)繰り返しても、用紙Pが正常に排出されないことを検出したときは、制御回路70は排出に異常が生じたことを確定させて再排出動作を終了させる(S22→S27)。
なお、この再排出動作を繰り返す回数(上記所定回数)は、制御回路70に予め記憶されていて、制御回路70が排出動作を繰り返すごとに、記憶されている回数が減じられ、回数が0(ゼロ)になると、上述したように排出に異常が生じたことを確定させて再排出動作を終了させる。
また、本実施形態のプリンタ装置100は、上述した排出動作時に異常を検出した場合の再排出動作の他に、用紙Pの回収動作時に異常を検出した場合の再回収動作も行うように制御回路が用紙搬送部80を制御するものである。
すなわち、用紙Pの回収動作(S15)の後に引き続き検出センサ86(用紙回収検出部)が用紙Pを検出している場合、制御回路70は、用紙Pが正常に回収されなかったと判定する(図9のS31)。
一方、用紙Pの回収動作(S15)の後に、検出センサ86が用紙Pを検出していない場合、制御回路70は、用紙Pが正常に回収されたと判定する(図9のS31)。
そして、検出センサ86による検出結果に基づく用紙Pの回収成功または回収失敗の判定により、用紙Pが正常に回収されていないと判定したときは、一旦停止した搬送ローラ82,83を再度回転(用紙Pを回収する逆回転方向への回転)させて(直接的には搬送モータ81を逆回転方向に駆動させるように制御し)、再回収動作を行うように制御する。
このとき、上述した制御回路70による再回収動作の制御によっても、用紙Pが正常に回収されなかった(検出センサ86が用紙Pを検出している状態)と制御回路70が判定したときは、制御回路70は上述した再回収動作の制御を所定時間(予め設定されたリトライ時間)間隔ごとに繰り返す(図9のS23〜S35)。
そして、この再回収動作の制御を繰り返しているうちに、検出センサ86が用紙Pを検出していない状態となったときは、制御回路70は、用紙Pが正常に回収されたと判定する(S35→S16)。
一方、この再回収動作を所定回数(予め設定されたリトライ回数)繰り返しても、用紙Pが正常に回収されないことを検出したときは、制御回路70は、回収に異常が生じたことを確定させて再回収動作を終了させる(S32→S36)。
なお、この再回収動作を繰り返す回数(上記所定回数)は、制御回路70に予め記憶されていて、制御回路70が回収動作を繰り返すごとに、記憶されている回数が減じられ、回数が0になると、上述したように回収に異常が生じたことを確定させて再回収動作を終了させる。
このように構成された実施形態2のプリンタ装置100によれば、排出口90が塞がれる等しているときは、用紙Pの中速度での排出動作(S11)の後に、図8に示すように、検出センサ85により用紙Pの前方(順送り方向の下流側)への移動の失敗が検出される(S21)ため、制御回路70はこの検出結果に基づいて、予め記憶されている再排出動作回数(リトライ回数)が0でないかを判定し(S22)、再排出動作回数が0でないときは、再排出動作を行うまでに所定時間待機し(S23)、所定時間が経過した後に、用紙Pの順送り方向下流側の先端を搬送ローラ82,83の位置まで引き戻すように、搬送モータ81を逆回転させ(S24)、この一旦引き戻した用紙Pを排出口90に向けて再度順送りするように、搬送モータ81を正回転させ(S25)、この一連の再排出動作によって、用紙Pの前方移動が成功したか否かを、検出センサ85により検出し(S26)、用紙Pが正常に排出されたと検出されたときは、用紙Pの引き取り待ち状態(S12)に移行するように、用紙搬送部80等を制御する。
1回の再排出動作で用紙Pの排出が失敗したとき(S26)は、記憶されている再排出動作回数から1を減算し、その結果が0でないかを判定し(S22)、再排出動作回数が0でないときは、この再排出動作回数が0になるまで(S22)、または用紙Pの排出動作が成功する(S26)まで、上述と同様の再排出動作を繰り返すように、制御回路70が用紙搬送部80等を制御する。
用紙Pの正常な排出がされないままで、再排出動作回数が0になったとき(S22)は、制御回路70は、排出動作の異常であると最終的に判定し(S27)、プリンタ装置100の動作を停止させて処理を終了する。
この場合は、サービス員によるメンテナンスに委ねられる。
一方、用紙Pが排出口90から正常に排出されない場合であっても、再排出動作を行うと、用紙Pは正常に排出口90から排出される場合も多い。また、排出口90が長時間に亘って塞がれている状態も少ないため、排出口90を塞いでいる障害物が除去された状態で再排出動作を行うと、用紙Pは正常に排出口90から排出される。
したがって、用紙Pの排出が正常でないことが1回だけあったとしても、再度の排出動作を行わせる本実施形態のプリンタ装置100によれば、1回の異常判定で停止制御していた従来のプリンタ装置とは異なり、プリンタ装置100のメンテナンスのためのサービス員を派遣させる機会を大幅に低減させることができる。
また、そのようなサービス員によるメンテナンス中は、プリンタ装置100を稼働できなくなるが、本実施形態のプリンタ装置100ではそのような機会を大幅に減らすことができるため、プリンタ装置100の稼働率を高めることができる。
さらに、本実施形態のプリンタ装置100は、この再排出動作を所定回数繰り返すため、用紙Pの排出動作を正常に戻すことができる可能性を高めることができる。
また、本実施形態のプリンタ装置100は、用紙Pは排出口90に通じる狭い搬送路上で詰まった状態となって、正常に排出できない状態となった場合であっても、排出動作を単に繰り返すのではなく、用紙Pを一旦、順送り方向の上流側に引き戻すように制御するため、用紙Pの詰まりが解消される可能性を高めることができ、これによって再排出動作による正常な排出状態に戻される可能性を一層高めることができる。
本実施形態のプリンタ装置100によれば、用紙Pの回収動作の際(図9においてS15)に、排出口90から突出している用紙Pの一部が掴まれている等したときは、用紙Pが正常に回収されないため、検出センサ86によって、用紙Pの回収動作の失敗が検出される(S31)ため、制御回路70はこの検出結果に基づいて、予め記憶されている再回収動作回数(リトライ回数)が0でないかを判定し(S32)、再回収動作回数が0でないときは、再回収動作を行うまでに所定時間待機し(S33)、所定時間が経過した後に、再度回収動作を行うように搬送モータ81を逆回転させ(S34)、この一連に再回収動作によって、用紙Pの回収が成功したか否かを、検出センサ86により検出し(S35)、用紙Pが正常に回収されたと検出されたときは、用紙Pの回収動作を完了する(S16)ように、用紙搬送部80等を制御する。
1回の再回収動作で用紙Pの回収が失敗したとき(S35)は、記憶されている再回収動作回数から1を減算し、その結果が0でないかを判定し(S32)、再回収動作回数が0でないときは、この再回収動作回数が0になるまで(S32)、または用紙Pの回収動作が成功する(S35)まで、上述と同様の再回収動作を繰り返すように、制御回路70が用紙搬送部80等を制御する。
用紙Pの正常な回収がされないままで、再回収動作回数が0になったとき(S32)は、制御回路70は、回収動作の異常であると最終的に判定し(S36)、プリンタ装置100の動作を停止させて処理を終了する。
この場合は、サービス員によるメンテナンスに委ねられる。
一方、用紙Pが正常に回収されない場合であっても、再回収動作を行うと、用紙Pは正常に回収される場合も多い。また、用紙Pが長時間に亘って掴まれている状態も少ないため、そのような障害が除去された状態で再回収動作を行うと、用紙Pは正常に回収される。
したがって、用紙Pの回収が正常でないことが1回だけあったとしても、再度の回収動作を行わせる本実施形態のプリンタ装置100によれば、1回の異常判定で停止制御していた従来のプリンタ装置とは異なり、プリンタ装置100のメンテナンスのためのサービス員を派遣させる機会を大幅に低減させることができる。
また、そのようなサービス員によるメンテナンス中は、プリンタ装置100を稼働できなくなるが、本実施形態のプリンタ装置100ではそのような機会を大幅に減らすことができるため、プリンタ装置100の稼働率を高めることができる。
さらに、本実施形態のプリンタ装置100は、この再回収動作を所定回数繰り返すため、用紙Pの回収動作を正常に戻すことができる可能性を高めることができる。
なお、実施形態1の変形例として示した実施形態2のプリンタ装置100は、上述した効果の他に、すでに実施形態1のプリンタ装置100において説明した効果も同様に発揮することはいうまでもない。
また、この実施形態2のプリンタ装置100の作用は、本発明のプリンタ装置の用紙送り方向の一実施形態でもある。
関連出願の相互参照
本出願は、2010年11月17日に日本国特許庁に出願された特願2010−256737に基づいて優先権を主張し、その全ての開示は完全に本明細書で参照により組み込まれる。

Claims (14)

  1. その軸回りに回転自在に支持されたプラテンローラを備えた印刷部と、
    ステッピングモータ、および前記ステッピングモータを駆動させて発生した動力を前記プラテンローラに伝達して前記プラテンローラを前記軸回りに回転させる歯車輪列を有する動力部と、
    前記プラテンローラの正回転によって前記印刷部で印刷された用紙が送られる順送り方向の、前記プラテンローラよりも下流側に設けられた、前記用紙を所定位置で切断する切断部と、
    前記ステッピングモータの駆動および前記切断部の動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記ステッピングモータを第1のステップ数だけ駆動させて前記プラテンローラを正回転させることにより前記用紙の所定部分を前記切断部の所定位置に配置させ、その状態でプラテンローラの揺動が収束するのに十分な時間待機させ、その後に前記切断部による切断動作を行わせるように制御するとともに、前記切断動作の後に、前記プラテンローラを正回転させるように前記ステッピングモータを前記歯車輪列のバックラッシュを取り除くのに必要な最小ステップ数である第2のステップ数だけ駆動させる制御を行うものであることを特徴とするプリンタ装置。
  2. 前記制御部は、前記第2のステップ数を、前記用紙の厚さに応じて調整することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
  3. 前記用紙の順送り方向の、前記切断部よりも下流側に、前記用紙を排出する排出口に向けて送る、前記制御部に制御された搬送ローラを備え、
    前記制御部は、前記切断部で切断された後の用紙を相対的に高速度で送る高速送りから、前記高速送りの後に前記高速度よりも遅い中速度で送る中速送りに切り替えるように、前記搬送ローラの送り速度を制御するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のプリンタ装置。
  4. 前記用紙を排出する排出口から前記用紙が正常に排出されないことを検出する用紙排出検出部と、前記用紙の順送り方向の、前記切断部よりも下流側に、前記用紙を前記排出口に向けて送る、前記制御部に制御された搬送ローラとを備え、
    前記制御部は、前記用紙排出検出部により前記用紙が正常に排出されないことを検出したとき、前記搬送ローラを、前記用紙を前記順送り方向とは逆方向に搬送するように逆回転させ、その後、前記搬送ローラを、前記用紙を前記排出口に向けて送るように正回転させる再排出動作を行うように制御することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のプリンタ装置。
  5. 前記制御部は、前記搬送ローラによる前記再排出動作を行わせても、前記用紙排出検出部により前記用紙が正常に排出されないことを検出したとき、前記用紙排出検出部により前記用紙が正常に排出されたことを検出するまで、前記搬送ローラに対して、所定時間間隔ごとに前記再排出動作を繰り返し、前記再排出動作を所定回数繰り返しても前記用紙排出検出部により前記用紙が正常に排出されないことを検出したとき、異常である旨を出力して動作を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項4に記載のプリンタ装置。
  6. 前記用紙が正常に回収されないことを検出する用紙回収検出部と、前記用紙の順送り方向の、前記切断部よりも下流側に、前記用紙を排出する排出口に向けて送る、前記制御部に制御された搬送ローラとを備え、
    前記制御部は、前記用紙回収検出部により前記用紙が正常に回収されないことを検出したとき、前記搬送ローラを再度回転させる再回収動作を行うように制御することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載のプリンタ装置。
  7. 前記制御部は、前記搬送ローラによる前記再回収動作を行わせても、前記用紙回収検出部により前記用紙が正常に回収されないことを検出したとき、前記用紙回収検出部により前記用紙が正常に回収されたことを検出するまで、前記搬送ローラに対して、所定時間間隔ごとに前記再回収動作を繰り返し、前記再回収動作を所定回数繰り返しても前記用紙回収検出部により前記用紙が正常に回収されないことを検出したとき、異常である旨を出力して動作を停止させる制御を行うことを特徴とする請求項6に記載のプリンタ装置。
  8. その軸回りに回転自在に支持されたプラテンローラを備えた印刷部と、
    ステッピングモータ、および前記ステッピングモータを駆動させて発生した動力を前記プラテンローラに伝達して前記プラテンローラを前記軸回りに回転させる歯車輪列を有する動力部と、
    前記プラテンローラの正回転によって前記印刷部で印刷された用紙が送られる順送り方向の、前記プラテンローラよりも下流側に設けられた、前記用紙を所定位置で切断する切断部と、
    前記ステッピングモータの駆動および前記切断部の動作を制御する制御部とを備えたプリンタ装置の用紙送り方法において、
    前記制御部は、前記ステッピングモータを第1のステップ数だけ駆動させて前記プラテンローラを正回転させることにより前記用紙の所定部分を前記切断部の所定位置に配置させ、
    その後に前記切断部により前記用紙を切断させるのに先立って、プラテンローラの揺動 が収束するのに十分な時間待機させ、
    前記切断部による切断の後、前記プラテンローラを正回転させるように前記ステッピングモータを前記歯車輪列のバックラッシュを取り除くのに必要な最小ステップ数である第2のステップ数だけ駆動させることを特徴とするプリンタ装置の用紙送り方法。
  9. 前記制御部は、前記第2のステップ数を、前記用紙の厚さに応じて調整することを特徴とする請求項8に記載のプリンタ装置の用紙送り方法。
  10. 前記切断部で切断された後の前記用紙を排出する排出口に向けて送るに際して、
    前記切断部で切断された後の用紙を相対的に高速度で送る高速送りから、前記高速送りの後に前記高速度よりも遅い中速度で送る中速送りに切り替えることを特徴とする請求項8または9に記載のプリンタ装置の用紙送り方法。
  11. 前記切断部で切断された後の前記用紙を排出する排出口に向けて送るに際して、前記排出口から前記用紙が正常に排出されないとき、前記用紙を前記順送り方向とは逆方向に搬送し、その後、前記用紙を前記排出口に向けて順送り方向に送る再排出動作を行うことを特徴とする請求項8から10のうちいずれか1項に記載のプリンタ装置の用紙送り方法。
  12. 前記再排出動作を行っても前記用紙が正常に排出されないとき、前記用紙が正常に排出されるまで、所定時間間隔ごとに前記再排出動作を繰り返し、前記再排出動作を所定回数繰り返しても前記用紙が正常に排出されないとき、異常である旨を出力して動作を停止させることを特徴とする請求項11に記載のプリンタ装置の用紙送り方法。
  13. 前記用紙が正常に回収されないことを検出したときは、前記用紙を回収する回収動作を再度行うことを特徴とする請求項8から12のうちいずれか1項に記載のプリンタ装置の用紙送り方法。
  14. 前記再度の回収動作を行っても、前記用紙が正常に回収されないとき、前記用紙が正常に回収されたことを検出するまで、所定時間間隔ごとに前記回収動作を繰り返し、前記回収動作を所定回数繰り返しても前記用紙が正常に回収されないことを検出したとき、異常である旨を出力して動作を停止させることを特徴とする請求項13に記載のプリンタ装置の用紙送り方法。

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