JP2020001864A - 媒体処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジャム発生時に第1筐体に対して第2筐体を開けて行う媒体の除去作業を容易に行うことができる媒体処理装置を提供する。【解決手段】シート状の媒体に対して処理を行う処理部と、駆動ローラー61Aと従動ローラー61Bとを有し、処理部により処理する領域を含む搬送経路で媒体を搬送する搬送ローラー対61と、処理部と搬送ローラー対61とを収容する第1筐体12と、第1筐体12に対して開閉可能な第2筐体31と、搬送ローラー対を離間位置と接触位置とに変位させる変位機構80と、を備える。変位機構80は、第2筐体31を開ける動作に連動して搬送ローラー対61を接触位置から離間位置に変位させる。【選択図】図8
Description
本発明は、例えば用紙等の媒体を搬送するローラーを備え、搬送される媒体に記録等の処理を施す媒体処理装置に関する。
従来から、この種の媒体処理装置として、用紙等の媒体を搬送する搬送装置と、搬送された媒体にインクを用いて文字や画像を記録する記録処理を施す記録ヘッド(記録部の一例)とを備えたプリンターが知られている。
特許文献1には、搬送経路内の媒体を複数のローラーによって挟むニップ状態と挟まないニップ解除状態とを実現可能であるとともにニップ状態にて媒体を搬送する第1搬送機構と、搬送経路の最上流にて印刷媒体を搬送する第2搬送機構と、搬送制御部とを備えたプリンターが開示されている。搬送制御部は、印刷時は、第1搬送機構と第2搬送機構とが共にローラーで媒体を挟んだニップ状態で媒体を搬送する。印刷後、所定期間が経過していない媒体を逆搬送する場合、第1搬送機構をニップ解除状態とし、第2搬送機構によって媒体を搬送する。ローラーはモーター等のアクチュエーターを用いてニップ状態とニップ解除状態とに変位する。
しかしながら、特許文献1に記載のプリンターでは、印刷時に複数のローラーに媒体がニップされた状態でジャムが発生した場合、ジャムの媒体を取り除こうとしたユーザーが媒体を引っ張った際に、媒体がローラーのニップ部分で引きちぎれ、ジャムの解消作業が面倒になる虞がある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する搬送装置は、シート状の媒体に対して処理を行う処理部と、駆動ローラーと従動ローラーとを有し、前記処理部により処理する領域を含む搬送経路で前記媒体を搬送するローラー対と、前記処理部と前記ローラー対とを収容する第1筐体と、前記第1筐体に対して開閉可能な第2筐体と、前記ローラー対を離間位置と接触位置とに変位させる変位機構と、を備え、前記変位機構は、前記第2筐体を開ける動作に連動して前記ローラー対を前記接触位置から前記離間位置に変位させる。
上記課題を解決する搬送装置は、シート状の媒体に対して処理を行う処理部と、駆動ローラーと従動ローラーとを有し、前記処理部により処理する領域を含む搬送経路で前記媒体を搬送するローラー対と、前記処理部と前記ローラー対とを収容する第1筐体と、前記第1筐体に対して開閉可能な第2筐体と、前記ローラー対を離間位置と接触位置とに変位させる変位機構と、を備え、前記変位機構は、前記第2筐体を開ける動作に連動して前記ローラー対を前記接触位置から前記離間位置に変位させる。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の媒体処理装置について図面を参照して説明する。本実施形態の媒体処理装置は、スキャン、印刷及びコピーの機構を備えた複合装置11(複合機)である。なお、以下の説明では、図1に示す複合装置11が水平面上に置かれているものとして鉛直方向Zを定義し、鉛直方向Zに直交する水平面に沿う方向を幅方向X及び搬送方向Yとする。すなわち、幅方向X、搬送方向Y、及び鉛直方向Zは、それぞれ異なる方向であり、相互に交差する。
以下、第1実施形態の媒体処理装置について図面を参照して説明する。本実施形態の媒体処理装置は、スキャン、印刷及びコピーの機構を備えた複合装置11(複合機)である。なお、以下の説明では、図1に示す複合装置11が水平面上に置かれているものとして鉛直方向Zを定義し、鉛直方向Zに直交する水平面に沿う方向を幅方向X及び搬送方向Yとする。すなわち、幅方向X、搬送方向Y、及び鉛直方向Zは、それぞれ異なる方向であり、相互に交差する。
図1に示すように、複合装置11は、記録ユニット20と読取ユニット30とを備えている。記録ユニット20及び読取ユニット30は、上下で重なる状態に配置されている。読取ユニット30は、記録ユニット20の上側に位置している。記録ユニット20は、シート状の媒体Mに文字、写真等の画像を記録可能である。読取ユニット30は、シート状の原稿Dに記録されている文字、写真等の画像を読取可能である。複合装置11は、筐体12と、筐体12の背面側端部を中心に回動することで開閉するカバー13とを備える。本例では、筐体12は、記録ユニット20の筐体となっている。また、本例では、読取ユニット30はカバー13を兼ねている。このため、記録ユニット20と読取ユニット30との筐体を区別するため、記録ユニット20の筐体を第1筐体12とし、読取ユニット30の筐体を第2筐体31とする。
記録ユニット20は、第1筐体12と、第1筐体12の下部の挿着孔14に前側から着脱可能な状態で挿着されたカセット21と、印刷された媒体Mが排出される排出トレイ22と、第1筐体12の前面上部に設けられた操作パネル23とを有している。記録ユニット20において、その上方から順に、操作パネル23、排出トレイ22、カセット21が並んで配置されている。カセット21は、ユーザーが着脱する際に指を掛ける把持部21Aを前面に有する。カセット21は、複数枚の媒体Mを積層状態に収容可能である。
操作パネル23は、複合装置11に指示を与えるために操作される複数のスイッチを含む操作部24と、メニュー及び各種メッセージなどが表示される表示部25とを有する。操作パネル23とカセット21との間には、カセット21から給送された媒体Mが記録ユニット20内で印刷された後に排出される排出口26が開口している。排出トレイ22は、図1に示す収納状態から印刷時に前方へスライドさせた延出状態で使用される。排出口26から排出された印刷後の媒体Mは、延出状態にある排出トレイ22の上面に排出される。
読取ユニット30は、スキャナー本体32と、スキャナー本体32に対して開閉可能な原稿台カバー33とを備える。第2筐体31は、詳しくはスキャナー本体32の筐体と、この筐体に対して開閉可能な原稿台カバー33の筐体とを備える。原稿台カバー33には、複数枚の原稿Dを1枚ずつ給送可能な自動原稿送り装置34が搭載されている。自動原稿送り装置34は、原稿Dを複数枚セット可能な原稿サポート35を有し、原稿サポート35にセットされた原稿Dを1枚ずつ給送する。自動原稿送り装置34から給送された原稿Dは給送経路の途中で読取部36(図9を参照)により読み取られる。読取り後の原稿Dは、原稿台カバー33の上面のうち原稿サポート35の下側となる領域よりなるスタッカー37上に排出される。
図2は、複合装置11のカバー13を開けた状態を示す。第1筐体12の上面には、媒体Mが印刷される領域の一部が露出する開口28が設けられている。開口28には、シート状の媒体Mに対して処理を行う処理部の一例としての記録部41の一部が露出する。詳しくは、開口28には、記録部41の一部を構成するキャリッジ42、キャリッジ42の走査領域SA、及びキャリッジ42を移動させる移動機構43の一部が露出する。移動機構43は、キャリッジ42を走査方向Xに移動可能に案内するレール44、及びキャリッジ42の走査方向Xの位置を検出するリニアエンコーダーよりなる第1エンコーダー45等が含まれる。また、開口28からは、走査領域SAの下側を搬送方向Yに搬送される媒体Mを支持する支持台46の一部、及び媒体Mを搬送する搬送部47(図3を参照)の一部も露出する。
キャリッジ42はレール44に案内されて走査方向Xに往復移動する。キャリッジ42の下部には媒体Mにインク等の液体を吐出する記録ヘッド48(図3を参照)が設けられている。キャリッジ42の移動過程で記録ヘッド48がノズルからインク滴を吐出することで、媒体Mに文書又は画像が印刷される。また、キャリッジ42は、その背面側に設けられた第1エンコーダー45から出力されるパルス信号に基づいて位置制御及び速度制御される。キャリッジ42は印刷が行われないときは、図2に示すホーム位置HPで待機する。ホーム位置HPにあるときのキャリッジ42の下方には、記録ヘッド48(図3を参照)と対向する位置に図示しないキャップを有するメンテナンス装置が配設されている。キャリッジ42がホーム位置HPに待機するときに、記録ヘッド48のノズルが開口するノズル面にキャップが当接することで記録ヘッド48がキャッピングされ、ノズル内のインクの増粘が抑制される。
図2に示すように、複合装置11では、第1筐体12に対して第2筐体31が一対のヒンジ16を介して開閉可能に取り付けられている。詳しくは、複合装置11は、一対のヒンジ16によって、第2筐体31が第1筐体12の上面12Aのいずれか1つの辺に沿って配置された回動軸を有し、第2筐体31が回動軸で回動することで第1筐体12の上方を開閉する。本例では、第2筐体31は、第1筐体12の上面12Aにおける背面側の1つの辺に沿って配置された一対のヒンジ16を介してそれらの回動軸を中心に回動することで、第1筐体12の上方を開閉する。
複合装置11は、第2筐体31を開閉する動作に連動して、媒体Mを搬送する後述するローラー対の一例としての搬送ローラー対61のニップを解除する変位機構80が設けられている。変位機構80は、ユーザーが第2筐体31を開閉する動作に連動して、第1筐体12の上面12Aから突出する状態で上下動するラック81を備える。図2に示す例では、第2筐体31を開けたときに第1筐体12の上面12Aの端部から湾曲形状のラック81が一部突出している。
ところで、印刷時には、カセット21から排出口26までの搬送経路上で媒体Mが詰まるジャムが発生する場合がある。ジャムの原因としては、媒体Mのカール、媒体Mが搬送方向Yに対して斜めに傾くスキュー(斜行)、及びインクを吸収した媒体Mが膨張して波打つコックリング等が挙げられる。
複合装置11は、媒体Mの搬送中に発生したジャムの検出機能を備える。ジャムを検出した場合、複合装置11は印刷動作を非常停止するとともに、表示部25にジャム発生の旨のメッセージを表示する。メッセージにはジャムの発生場所及び詰まった媒体Mの除去を促す情報が含まれる。
ジャム発生時は、ユーザーは、図2に示すように第2筐体31を開け、第1筐体12の上面12Aの開口28から手を差し入れて媒体Mを引っ張って引き出す。このとき、媒体Mが搬送ローラー対61にニップされていると、ユーザーが媒体Mを引っ張ったときに媒体Mがニップ箇所付近の部分で引きちぎれる場合がある。媒体Mが引きちぎれてしまうと、媒体Mの残りの部分の除去に手間を要する。そこで、本実施形態では、第2筐体31を開ける動作に連動して、変位機構80により搬送ローラー対61のニップが解除される。
次に、図3を参照して、記録ユニット20について詳細に説明する。図3は、記録ユニット20の模式側断面を示す。なお、図3では、読取ユニット30は省略し、1つのカセット21のみ示している。図3に示すように、複合装置11は、第1筐体12内に、媒体Mを搬送する搬送部47と、媒体Mにインク等の液体を吐出して処理の一例として記録処理を行う処理部の一例としての記録部41とを収容する。
搬送部47は、媒体Mを給送する給送機構50と、記録部41と対向する領域を含む搬送路K1に沿って媒体Mを搬送する搬送機構60とを有する。給送機構50はカセット21内の媒体を最上位から1枚ずつ給送する。搬送機構60は、給送機構50から給送された媒体Mを、記録部41が記録を行う領域を通る経路で搬送する搬送動作と、記録部41により記録された媒体Mを排出する排出動作とを行う。
図3に示すように、給送機構50は、カセット21内の媒体Mのうち最上位の一枚を送り出す給送ローラー51と、給送ローラー51が送り出した媒体Mを記録(印刷)が行われる記録部41へ給送する中間ローラー52とを有する。中間ローラー52へ送られた媒体Mは、中間ローラー52が矢印方向に回転することで、その外周面上の2箇所で第1ローラー53と第2ローラー54との間にニップされつつ搬送路K1に沿って記録部41へ給送される。給送ローラー51と中間ローラー52は、図9に示す給送モーター58の動力で回転する。
搬送機構60は、搬送ローラー対61、第1排出ローラー対62、第2排出ローラー対63、及び複数の浮きローラー64等を有する。搬送ローラー対61は、搬送方向Yにおいて記録部41の記録ヘッド48よりも上流側に位置し、各排出ローラー対62,63は記録ヘッド48よりも下流側に位置する。搬送ローラー対61は、駆動ローラー61Aと従動ローラー61Bとを有する。搬送ローラー対61は、記録部41が記録する領域を含む第1搬送路K1で媒体Mを搬送する。
搬送ローラー対61は、媒体Mをニップしたときの媒体Mとの接触面積が、排出ローラー対62,63よりも大きい。これは、搬送ローラー対61は、媒体Mの印刷前の部分をニップして搬送することで媒体Mの搬送位置を決めているため、媒体Mとの滑りを抑えるために排出ローラー対62,63に比べニップ力を大きくしているためである。一方、各排出ローラー対62,63は、印刷後の媒体Mを搬送するために印刷面を擦らないように媒体Mとの接触面積を小さくした例えば歯付きローラーが用いられる。このため、搬送ローラー対61にニップされた媒体Mをジャム発生時にユーザーが引っ張った際に、媒体Mはより大きなニップ力でニップされた搬送ローラー対61のニップ箇所で引きちぎれやすい。特に媒体サイズが大きいほど、媒体Mの幅方向におけるニップ箇所の数が増えるため、ジャム解消時に媒体Mを引っ張った際にニップ箇所付近の部分で引きちぎれやすくなる。
なお、図3に示す記録ユニット20は、両面印刷機能を備える。第1面の印刷後に第1搬送路K1を通って第1方向Y1へ排出された媒体Mは、第2排出ローラー対63の逆転によりスイッチバックする。スイッチバックした媒体Mは、記録部41よりも搬送方向Yの下流側に配置されたフラップ65が、図3に実線で示す第1姿勢角から同図に二点鎖線で示す第2姿勢角に変更されることにより、第1搬送路K1の下側に設けられた反転用の第2搬送路K2へ誘導される。誘導された媒体Mは、第2搬送路K2を第2方向Y2へ搬送され、再び中間ローラー52の外周を経由して反転されたのち、第1面を下側にして記録部41へ再給送される。そして、記録部41は再給送された媒体Mの第2面に印刷する。第2搬送路K2上には媒体を第2方向Y2に搬送するための第2搬送ローラー対66が設けられている。
また、図3に示すように、記録ユニット20は、搬送路K1,K2上の複数箇所に媒体Mを検知するセンサー67〜69備える。センサー67〜69は、媒体Mの有無を検知するもので、媒体Mの先端及び後端を検知したときに信号レベルが切り換わる検知信号を出力する。センサー67〜69が、媒体Mの先端及び後端を検知することで、搬送経路上の媒体Mの位置が把握される。例えば、センサー68が、第1搬送路K1に給送された媒体Mの先端を検知した時の位置を原点として媒体Mの搬送量が計測され、その計測値から媒体Mの搬送経路上の位置が把握される。
図3に示す記録部41は、シリアル記録方式である。記録部41は、ガイド軸49及び図2に示すレール44に案内されて媒体Mの搬送方向Yと交差する走査方向Xに往復移動可能なキャリッジ42を備える。キャリッジ42は搬送路K1と対向する下部に記録ヘッド48を有する。キャリッジ42が走査方向Xに移動する途中で記録ヘッド48がインクを吐出することで、媒体Mに文字又は画像等を記録する。記録ヘッド48は、搬送方向Yにおいて搬送ローラー対61と第1排出ローラー対62との間に配置されている。搬送ローラー対61は、記録ヘッド48よりも搬送方向Yの上流側に位置で、媒体Mの記録前の部分をニップして媒体Mを搬送する。記録ヘッド48の移動経路と第1搬送路K1を挟んで対向する位置には、媒体Mを支持する支持台46が配置されている。媒体Mが支持台46に支持されることで、記録ヘッド48と媒体Mとの間に所定のギャップが保持される。
なお、第2搬送路K2の下側には把持部29Aを有する回動部材29が配置され、ユーザーが把持部29Aを掴んで回動部材29を下側へ回動させることにより、第2搬送路K2の一部が露出し、第2搬送路K2でジャムが発生した時の媒体Mの除去作業が可能となっている。また、記録ユニット20は、記録部41よりも搬送方向Yの下流側へ一旦排出された媒体Mを、第1搬送路K1を戻して再給送するために中間ローラー52の下側へ送るための反転用の第3搬送路K3も備える。例えば、一枚の両面印刷を行うときには、反転用の経路として第3搬送路K3が用いられる。また、複数枚の媒体Mを連続的に給送して複数枚の両面印刷を行うときには反転用の経路として第2搬送路K2が用いられる。
次に、図4を参照して、搬送ローラー対61の詳細な構成を説明する。搬送ローラー対61は、媒体案内部材70に案内される媒体Mを支持可能な高さ位置に回転可能に支持された駆動ローラー61Aと、駆動ローラー61Aの上方位置に配置された従動ローラー61Bとを備える。駆動ローラー61Aは、搬送モーター71(図9を参照)の動力により回転駆動される。
従動ローラー61Bは、フレーム17に対して軸部73を中心に回動可能に支持された保持部の一例としての保持部材74における搬送方向Yの下流側の先端部に回転可能に支持されている。保持部材74は、第1筐体12内に組み付けられたフレーム17に対して軸部73を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持されている。軸部73はその軸線が走査方向Xと平行になる向きに配置されている。図4に示すように、保持部材74は、第1付勢部材の一例としてのばね75により軸部73を中心として図4の時計回り方向へ付勢されている。つまり、ばね75は、従動ローラー61Bを駆動ローラー61Aに接触させる接触位置側に付勢されている。従動ローラー61Bのその付勢による押し付け力により媒体Mは駆動ローラー61Aと従動ローラー61Bとの間に挟持される。保持部材74の下面は、給送された媒体Mを搬送ローラー対61のニップ位置へ案内する案内面となっている。なお、ばね75は、図4に示す捩りコイルばねでもよいが、コイルばねでもよい。
駆動ローラー61Aの動力源である搬送モーター71(図9を参照)は、正逆転駆動可能な電動モーターである。搬送モーター71が正転駆動されると、駆動ローラー61Aは、媒体Mを搬送方向Yの下流側へ搬送できる図4における時計回り方向に回転する。また、搬送モーター71が逆転駆動されると、駆動ローラー61Aは、媒体Mを搬送方向Yの上流側へ逆搬送できる図4における反時計回り方向に逆転する。駆動ローラー61Aの逆転は、例えば媒体Mが給送される過程で媒体Mが搬送方向Yに対して傾くスキューを矯正するために媒体Mの逆搬送を伴うスキュー取り動作に用いられる。なお、媒体Mの逆搬送を伴わないスキュー取り動作を採用する記録ユニット20においては、駆動ローラー61Aが逆転できなくてもよい。
図4に示すように、保持部材74の搬送方向Yの上流側端部はカムフォロア76となっており、そのカムフォロア76の上方位置近傍には、カム軸77がその軸線方向を幅方向Xに一致させた向きに配置されている。カム軸77は、フレーム17に対して回動可能に支持されている。カム軸77は、その軸方向において従動ローラー61Bを支持する保持部材74と対応する箇所にカムフォロア76と係合可能な複数の偏心カム78を有している。偏心カム78は、その軸心から外周面までの径方向の距離が周方向の位置により異なる外周面形状を有している。偏心カム78は、軸心から外周面までの径方向の距離が相対的に長いカム面78Aと、カム面78Aよりも短い非係合面78Bとを有している。
図4に示すように、偏心カム78の非係合面78Bとカムフォロア76とが対向する状態では、保持部材74はばね75の付勢力により軸部73を中心に同図における時計回り方向に回動し、従動ローラー61Bは駆動ローラー61Aに当接するニップ位置に配置される。搬送ローラー対61がニップ位置にあるとき、搬送ローラー対61は媒体Mを所定の押し付け圧でニップする。例えば、ジャム発生時の媒体Mは、ばね75の付勢力で搬送ローラー対61に所定の押し付け圧でニップされているので、そのニップ状態のままユーザーが媒体Mを引き出そうとすると、ニップ箇所の周辺で媒体Mが引きちぎれる虞がある。特に媒体Mの幅寸法が長くなるほど、媒体Mが搬送ローラー対61によりニップされるニップ箇所の数が増えるので、媒体サイズの大きい媒体Mほどジャム発生時に引っ張ったときにちぎれやすい。
図5に示すように、偏心カム78が図4に示す第1回転角から図5に示す第2回転角に回転すると、カム面78Aがカムフォロア76と当接して保持部材74の後端部をばね75の付勢力に抗して下方へ押し込む。この結果、保持部材74は軸部73を中心に図5における反時計回り方向に回動することで従動ローラー61Bが上方へ変位し、駆動ローラー61Aから離間してニップ状態が解除されたレリース位置に配置される。本実施形態では、ジャム発生時にユーザーがジャムを解消するために第2筐体31を開ける動作に連動して、変位機構80を介して偏心カム78が図4に示す第1回転角度から図5に示す第2回転角度へ回転する。この結果、従動ローラー61Bが図4に示すニップ位置から図5に示すレリース位置へ移動することにより、搬送ローラー対61が接触位置から離間位置に変位する。このように従動ローラー61Bは保持部材74により駆動ローラー61Aに対して離接可能に保持される。
次に、図6〜図8を参照して、第2筐体31を開閉する動作に連動して、搬送ローラー対61を離間位置と接触位置との間で変位させる変位機構80の詳細な構成について説明する。図6に示すように、変位機構80は、第2筐体31の開閉動作に連動して変位可能なラック81と、ラック81の歯部81Aと噛合するピニオン歯車82を含む複数の歯車83〜86を有する歯車機構87を備える。つまり、変位機構80は、ラック81とピニオン歯車82とにより構成されるラックアンドピニン機構を含む。ラック81の上端部は第2筐体31に連結されている。歯車機構87のうちその動力伝達経路上において入力側のピニオン歯車82と反対側の出力側に位置する歯車86は、前述のカム軸77の軸端部に設けられている。ピニオン歯車82と歯車86との間には入力側から順番に、第1歯車83、第2歯車84及び第3歯車85が介在している。歯車86が回転することでカム軸77に突設された偏心カム78が、カム軸77と共に回転する。
ピニオン歯車82は二段歯車であり、大径の第1歯車部82Aと小径の第2歯車部82Bとを有する。ラック81の歯部81Aは、ピニオン歯車82の大径の第1歯車部82Aと噛合し、小径の第2歯車部82Bは第1歯車83と噛合している。第1歯車83も二段歯車であり、ピニオン歯車82とは大径の第1歯車部83Aが噛合し、小径の第2歯車部83Bは第2歯車84と噛合する。第2歯車84は、二段歯車である第3歯車85の小径の第1歯車部85Aと噛合し、第3歯車85の大径の第2歯車部85Bがカム軸77の端部に設けられた歯車86と噛合している。図6に示すように、幅方向Xに延びるカム軸77には、その軸方向に間隔をおいて複数の偏心カム78が突設されている。カム軸77が回転すると、複数の偏心カム78は、同期してそれぞれ対応する保持部材74のカムフォロア76と当接することで、搬送ローラー対61が挟持位置から離間位置へ切り換わる。
図6〜図8に示すように、ラック81は湾曲形状の板材よりなり、その凸曲面側の外周に沿って歯部81Aが形成されている。ラック81の側面にはその幅中心線に沿うように歯部81Aの湾曲形状に沿って湾曲するガイド孔81Bが開口している。ラック81はそのガイド孔81Bに挿入された支持ピン88にガイドされながら歯部81Aがピニオン歯車82と噛合可能な移動軌跡を描いて上下に移動する。
図7及び図8に示すように、ラック81の上端部は第2筐体31と連結されている。詳しくは、ラック81の上端部は、第2筐体31の内面に連結部89を介して連結されている。図7に示すように第2筐体31を閉じた状態では、ラック81は下方へ移動した状態にあり、このとき偏心カム78は非係合面78Bを保持部材74のカムフォロア76と対向させた第1回転角に位置する。このため、第2筐体31が閉じられた状態では、従動ローラー61Bはばね75の付勢力により所定の押し付け圧で駆動ローラー61Aに当接し、搬送ローラー対61は接触位置に配置される。
一方、図8に示すように、第2筐体31を開けると、第2筐体31の内面に上端部が連結部89を介して連結されているラック81が、第2筐体31を開ける動作に連動して上方へ移動する。このラック81の上方への移動によってその歯部81Aと噛合するピニオン歯車82が回転する。ピニオン歯車82の回転により歯車機構87を構成する各歯車83〜85の回転を介して歯車86が回転することでカム軸77が回転する。この結果、偏心カム78のカム面78Aがカムフォロア76をばね75の付勢力に抗して下方へ押し込む。このため、保持部材74が、図4及び図7に示す第1回転角から反時計回り方向に回転し、図5及び図8に示す第2回転角に配置されることで、従動ローラー61Bは上方へ変位し、搬送ローラー対61は離間位置に配置される。このように変位機構80は、第2筐体31の開放時に、ばね75の付勢力に抗して搬送ローラー対61を離間位置に変位させる。
第2筐体31はヒンジ16の機能により全開のときに第1筐体12の上面12Aに対して所定角度で止まる。所定角度は、第1筐体12の上面12Aと第2筐体31の内面とのなす角度で、45〜50度程度である。第2筐体31が全閉から全開まで回動するときのラック81の移動距離と、偏心カム78の必要な回動量とから、変位機構80の歯車比が設定されている。変位機構80に設定された所定の歯車比の下で、従動ローラー61Bを離接に必要な変位量だけ変位させるために必要な偏心カム78の回動量と、ラック81の移動距離とが対応している。第2筐体31の開閉に伴うラック81の移動距離は、搬送ローラー対61の離接の距離よりも長い。つまり、変位機構80は、減速歯車機構である。このため、第2筐体31をばね75の付勢力に抗して開ける構成の割に、第2筐体31を開けるために必要な操作力が小さく済む。読取ユニット30は第2筐体31内に図9に示す読取部36を収容する比較的重量物であるため、ヒンジ16は、第2筐体31を全開させるまでの角度範囲で複数段階の開度に保持可能な不図示のカムと、第2筐体31を開き側に付勢する不図示のばねとを内蔵する。第2筐体31は、ヒンジ16に内蔵されたばねによって開き側へ付勢されるため、ユーザーが第2筐体31を開けるときにばね75の付勢力に抗して操作されるものの、その操作力は比較的小さく済む。
次に、図9を参照して、複合装置11の電気的構成について説明する。複合装置11は、記録ユニット20と読取ユニット30とを制御する制御部90を有する。制御部90には、入力系として、カバーセンサー91、センサー67〜69、第1エンコーダー45及び第2エンコーダー92が電気的に接続されている。また、制御部90には、出力系として、記録ヘッド48、キャリッジ42を移動させる移動機構43を構成するキャリッジモーター93、給送モーター58及び搬送モーター71が電気的に接続されている。
制御部90は、CPU95、メモリー96、第1カウンター97、第2カウンター98及び検出部99を有している。CPU95は、メモリー96に記憶されたプログラムを実行することにより、記録ユニット20による記録制御および読取ユニット30による読取制御を行う。
カバーセンサー91は、第2筐体31の開閉を検知する。カバーセンサー91は、例えば第2筐体31が閉まった状態でオフし、第2筐体31が開いた状態でオンする。センサー67,68は、給送された媒体Mが記録ヘッド48に対向する位置に至る前の領域で媒体Mを検知する。また、センサー69は、第2搬送路K2上の媒体Mを検知する。
第1エンコーダー45は、キャリッジ42の移動量に比例する数のパルスを含むパルス信号を出力する。制御部90は、第1エンコーダー45から入力する二相のパルス信号の位相差を基にキャリッジ42の移動方向を把握する。第1カウンター97は、キャリッジ42のホーム位置HPを原点として第1エンコーダー45からのパルス信号のパルスエッジを検出する度に、キャリッジ42の往動時であれば計数値をインクリメントし、キャリッジ42の復動時であれば計数値をデクリメントする。これにより第1カウンター97は、キャリッジ42の走査方向Xにおける位置を示す計数値を計数する。制御部90は、第1カウンター97の計数値からホーム位置HPを原点とするキャリッジ42の走査方向Xの位置であるキャリッジ位置を把握する。
第2エンコーダー92は、搬送部47が媒体Mを搬送する搬送量に比例する数のパルスを含むパルス信号を出力するロータリーエンコーダーよりなる。第2カウンター98は、第2エンコーダー92からのパルス信号のパルスエッジを計数し、センサー68が媒体Mの先端を検知したときを基準とし、媒体Mの搬送量を示す計数値を取得する。制御部90は、第2カウンター98の計数値に基づき媒体Mの搬送方向における位置である搬送位置を把握する。
検出部99は、媒体Mのジャムを検出する。検出部99は、センサー68の検知状況と第2エンコーダー92の計数値から把握される媒体Mの搬送量とに基づき、搬送路K1,K2上における媒体Mのジャムを検出する。検出部99は、給送モーター58が媒体Mの給送終了に十分な駆動量だけ駆動されたにも関わらず、センサー67,68が媒体Mを検知しないことをもって、給送途中の媒体Mに発生したジャムを検出する。また、検出部99は、媒体Mの排出時において、搬送モーター71が排出終了に十分な駆動量だけ駆動されたにも関わらず、センサー67,68が媒体Mを検知したままであることをもって、排出途中の媒体Mに発生したジャムを検出する。さらに、検出部99は、印刷中におけるキャリッジ42の移動中に、キャリッジモーター93の電流値がキャリッジ42に過大な負荷がかかっていることを示す閾値を超えたことをもって、キャリッジ42が媒体Mと接触したことに起因して発生したジャムを検出する。制御部90は、検出部99がジャムを検出した場合、記録ユニット20による記録動作を停止させる。また、制御部90は、ジャム検出時には、ジャムの発生の旨、ジャムの発生場所、及びジャムの解消を促すメッセージを表示部25に表示させる。
次に、図4〜図9等を参照して、複合装置11の作用について説明する。ユーザーは、ホスト装置の入力装置(いずれも図示せず)を操作して印刷条件情報を入力して印刷を指示する操作を行う。あるいはユーザーは、複合装置11の操作パネル23の操作部24を操作して印刷条件情報を入力したうえで印刷を指示する操作を行う。複合装置11内の制御部90は、印刷対象の画像データとともに印刷の指示を受け付けると、指示された画像データと印刷条件情報とを基に媒体Mに記録する記録制御を行う。また、ユーザーは、読取ユニット30に原稿Dをセットして操作部24中のコピーボタンを操作することで、複合装置11に対して原稿のコピーを指示する。複合装置11内の制御部90は、読取部36が原稿Dを読み取った画像データと読取条件情報とを基に記録ユニット20を制御し、媒体Mに原稿Dの読取り画像を記録する記録制御を行う。
制御部90は、印刷中に検出部99がジャムを検出すると、印刷動作を非常停止させるとともに、表示部25にジャム発生の旨とジャムの解消を促すメッセージ等を表示させる。ユーザーは表示部25のメッセージを見てジャムの発生を知ると、第2筐体31を例えば所定角度まで開ける。ヒンジ16に内蔵されたばねにより、第2筐体31は開方向側へ付勢されているため、第2筐体31を所定開度まで開けるときに必要な操作力は比較的小さく済む。ジャムの媒体Mを除去する作業を行うとき、ユーザーが作業し易いように第2筐体31は最大開度に開かれる。
ユーザーが第2筐体31を図7に示す閉じた状態から図8に示す状態に開けることで、この第2筐体31の開動作に連動して第2筐体31の内面に上端部が連結部89を介して連結されたラック81が上方へ移動する。第2筐体31を最大開度まで開けたときは、変位機構80を介してカム軸77は偏心カム78のカム面78Aが保持部材74のカムフォロア76を押し込む第2回転角まで回転する。この結果、ユーザーがジャム解消のために第2筐体31を所定角度まで開けると、搬送ローラー対61は接触位置から離間位置に変位する。このため、ユーザーは第1筐体12の上面12Aの開口28から手を差し入れて媒体Mを引っ張っても、媒体Mは引きちぎれることなく、比較的容易に取り除かれる。
上記実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)シート状の媒体Mに対して記録を行う記録部41と、駆動ローラー61Aと従動ローラー61Bとを有し、記録部41により記録する領域を含む搬送経路で媒体Mを搬送する搬送ローラー対61と、記録部41と搬送ローラー対61とを収容する第1筐体12と、第1筐体12に対して開閉可能な第2筐体31とを有する。さらに、複合装置11は、搬送ローラー対61を離間位置と接触位置とに変位させる変位機構80を有する。変位機構80は、第2筐体31を開ける動作に連動して搬送ローラー対61を接触位置から離間位置に変位させる。よって、媒体Mのジャム発生時にジャムの媒体Mを取り除くために第2筐体31を開けると、搬送ローラー対61が離間して媒体Mのニップが解除されるので、媒体Mを比較的簡単に除去できる。したがって、ジャム発生時に第2筐体31を開けて行う媒体Mの除去作業を容易に行うことができるうえ、搬送ローラー対61を接離させるためのアクチュエーター等の専用の動力源が必ずしも必要ないため、製造コストを低く抑えられる。
(1)シート状の媒体Mに対して記録を行う記録部41と、駆動ローラー61Aと従動ローラー61Bとを有し、記録部41により記録する領域を含む搬送経路で媒体Mを搬送する搬送ローラー対61と、記録部41と搬送ローラー対61とを収容する第1筐体12と、第1筐体12に対して開閉可能な第2筐体31とを有する。さらに、複合装置11は、搬送ローラー対61を離間位置と接触位置とに変位させる変位機構80を有する。変位機構80は、第2筐体31を開ける動作に連動して搬送ローラー対61を接触位置から離間位置に変位させる。よって、媒体Mのジャム発生時にジャムの媒体Mを取り除くために第2筐体31を開けると、搬送ローラー対61が離間して媒体Mのニップが解除されるので、媒体Mを比較的簡単に除去できる。したがって、ジャム発生時に第2筐体31を開けて行う媒体Mの除去作業を容易に行うことができるうえ、搬送ローラー対61を接離させるためのアクチュエーター等の専用の動力源が必ずしも必要ないため、製造コストを低く抑えられる。
(2)変位機構80は、第2筐体31を閉じる動作に連動して搬送ローラー対61を離間位置から接触位置に変位させる。よって、ユーザーがジャムの媒体Mを取り除いた後、第2筐体31を開じれば、その閉じた動作に連動して搬送ローラー対61が離間位置から接触位置に変位する。よって、その後、媒体Mに処理が施されるときは媒体Mを搬送ローラー対61により搬送できる。
(3)搬送ローラー対61を接触位置に付勢する第1付勢部材の一例としてのばね75を有し、変位機構80は第2筐体31の開放時に、ばね75の付勢力に抗して搬送ローラー対61を離間位置に変位させる。よって、第2筐体31を開けると、ばね75の付勢力に抗して搬送ローラー対61を離間させることができ、第2筐体31を閉めると、ばね75の付勢力に応じた適切なニップ圧で媒体Mを挟持できる。
(4)変位機構80は、第2筐体31の変位に伴って変位するラック81と、ラック81に噛み合うピニオン歯車82とを有する。搬送ローラー対61は、駆動ローラー61Aと従動ローラー61Bとを含む。従動ローラー61Bを離間位置と接触位置とに変位可能に保持する保持部の一例としての保持部材74を有する。変位機構80は、ラック81の変位がピニオン歯車82を介して保持部材74に伝達されることで、搬送ローラー対61を離接させる。よって、第2筐体31を開けるときの変位に伴って変位するラックとピニオン歯車82との噛み合いを介して変位が保持部に伝達され、駆動ローラー61A又は従動ローラー61Bが離間位置側に変位することで搬送ローラー対61が離接する。ジャムを解消するためにユーザーが第2筐体31を開けるときの操作力を利用して簡単な構成で搬送ローラー対61を離間させることができる。
(5)第2筐体31の開閉に伴うラックの移動距離は、搬送ローラー対61の離接の距離よりも長い。よって、第2筐体31を開けるとき搬送ローラー対61のニップを解除するための力が加わっても、比較的軽い操作力で第2筐体31を開けることができる。
(6)ラック81は、上端が第2筐体31に連結されている。よって、ラック81を、第2筐体31を開ける方向に付勢する第2付勢部材を設けなくても、第2筐体31を開ける動作に連動して搬送ローラー対61のニップを解除できる。
(7)第2筐体31は、第1筐体12の上面12Aのいずれか1つの辺に沿って配置された回動軸を有し、第2筐体31が回動軸で回動することで第1筐体12の上方を開閉する。よって、第2筐体31を回動することで、第1筐体12の上面を開放することができる。
(8)複合装置11は、第1筐体12に記録部41を収容する記録ユニット20と、記録ユニット20の上方に配置され、原稿Dから画像を読み取る読取部36を第2筐体31に収容する読取ユニット30とを備える。よって、複合装置11において、例えばコピーするときに記録ユニット20内でジャムが発生した場合も、読取ユニット30を記録ユニット20に対して開ける動作に連動して、搬送ローラー対61による媒体Mの挟持を解除できる。よって、コピー時のジャム発生時にも、媒体Mを容易に除去できる。また、単なるカバーに比べ、読取ユニット30は第2筐体31に読取部36を収容する重量物なので、複合装置11では、読取ユニット30を開けるときの操作を軽くするためにばねを内蔵するヒンジ16が設けられる。このため、読取ユニット30をばね75の付勢力に抗して開けることになるものの、その割に、付勢部材を必ずしも追加しなくても、第2筐体31を開けるときの操作力が比較的小さく済む。
(9)変位機構80は、ユーザーによる第2筐体31の開閉操作に連動して駆動される機械駆動式なので、電動モーター等の動力源を設ける必要がなく、ジャム発生時に搬送ローラー対61の挟持を解除して離間させる仕組みの追加を低コストで実現できる。
(10)ラック81を湾曲形状としたので、第2筐体31を開閉する過程で、第2筐体31の内面とラック81の上端部との相対位置関係が変化しない。ラック81と第2筐体31とを連結固定することができる。
(第2実施形態)
次に、図10、図11を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態とラックの構造が異なる。
次に、図10、図11を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態とラックの構造が異なる。
図10に示すように、ラック101は、直線状に真っ直ぐ延びた形状を有し、一方の側縁に長手方向に沿って歯部101Aが形成されている。ラック101は、歯部101Aがピニオン歯車82と噛合する状態で、その長手方向が鉛直方向Zに一致する向きに配置されている。
ラック101は、鉛直方向Zに延びるレール102に案内されて歯部101Aをピニオン歯車82に噛合する状態を保ちつつ上下動する。ラック101の上端部は連結部103を介して第2筐体31の内面と連結されている。第2筐体31の内面には第2筐体31の回動半径方向に沿って連結部を案内可能なレール39が設けられている。延びる移動可能に連結されている。
このため、図11に示すように、ユーザーが第2筐体31を開けると、ラック101の上端部の連結部103がレール39に沿って第2筐体31の回動半径方向に移動することにより、ラック101はその長手方向を鉛直方向Zに一致させた姿勢を保持しつつ上方へ移動する。
カバーを開けたときの開動作に連動してラック101が上方へ移動することで、ラック101と噛合するピニオン歯車82が回転し歯車機構87を介してカム軸77が回転する。この結果、偏心カム78により保持部材74のカムフォロア76が押し下げられ、従動ローラー61Bが駆動ローラー61Aから離間するレリース位置に配置される。こうして搬送ローラー対61は、図10に示す挟持状態から図11に示す離間状態に切り換わる。
また、図11に示すように、ラック101を、第2筐体31を開ける方向、つまり本例では上方向に付勢する同図に二点鎖線で示す第2付勢部材の一例としてのばね104を設けてもよい。この構成の場合、第2筐体31をばね75の付勢力に抗して開けることになっても、第2筐体31を開けるときにばね104の付勢力により開け方向の力がアシストされるので、その操作が重くなることを回避できる。
以上詳述したように第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の(1)〜(9)の効果が得られる他、以下の効果を得ることができる。
(11)ラック81を、第2筐体31を開ける方向に付勢する第2付勢部材の一例としてのばね104を備える。よって、ラック81がばね104の付勢力により第2筐体31を開ける方向に付勢されているので、第2筐体31を開けるときの操作力を利用して搬送ローラー対61を離間する構成としても、第2筐体31を開けるときの操作力が比較的小さく済む。
(11)ラック81を、第2筐体31を開ける方向に付勢する第2付勢部材の一例としてのばね104を備える。よって、ラック81がばね104の付勢力により第2筐体31を開ける方向に付勢されているので、第2筐体31を開けるときの操作力を利用して搬送ローラー対61を離間する構成としても、第2筐体31を開けるときの操作力が比較的小さく済む。
(第3実施形態)
次に、図12〜図14を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、ジャム発生時以外のときは第2筐体31を開けても搬送ローラー対61のニップが解除されない。
次に、図12〜図14を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、ジャム発生時以外のときは第2筐体31を開けても搬送ローラー対61のニップが解除されない。
図12に示すように、変位機構80は、歯車機構87の動力伝達経路の途中に、ラック81とカム軸77との間の動力伝達の接続及び切離しを行うクラッチ機構110を備える。クラッチ機構110は、ジャムを検出していないときは第2筐体31が開けられるときの変位を搬送ローラー対61に伝達する動力伝達経路を切断し、ジャムを検出したときにその動力伝達経路を接続する。
クラッチ機構110は、1つの切換え用の歯車111と、その歯車111を軸方向に移動可能に支持する軸部112と、歯車111の側面から走査領域SAに向かって延出する切換えレバー113とを備える。レバー113は、キャリッジ42(図13を参照)の走査領域SAの両側のうちの一方側の所定位置に配置されている。図12に示す例では、切換えレバー113は、走査方向Xにホーム位置HPと反対側となる反ホーム位置AP側に位置する。
図13に示すように、キャリッジ42には走査方向Xに移動する過程で切換えレバー113と係合可能な操作レバー114が設けられている。キャリッジ42が反ホーム位置AP側へ移動すると、操作レバー114が切換えレバー113を押してクラッチ用の歯車111を第1方向X1へ移動させて歯車機構87を構成する他の歯車115と噛合する。クラッチ用の歯車111は、第1方向X1と反対側の第2方向X2に不図示のばねにより付勢されている。
このため、キャリッジ42が反ホーム位置APへ向かって移動する過程で、操作レバー114が切換えレバー113を押して歯車111が他の歯車115と噛み合う接続位置に配置される。歯車111は接続位置に配置されると、その位置で係止され、再びキャリッジ42が切換えレバー113を押すと、その係止が外れる機構(図示せず)が設けられている。そのため、キャリッジ42が、歯車111が接続位置に配置されている状態で再び切換えレバー113を押すと、歯車111の係止が外れ、キャリッジ42がホーム位置HP側へ向かって離れると、歯車111はばねの付勢力により接続位置から切断位置へ移動する。このように、クラッチ機構110は、キャリッジ42の動作により歯車111を他の歯車115と噛合する接続位置と、他の歯車115と噛合しない切断位置とに移動させることで切り換えられる。なお、歯車機構87を構成するピニオン歯車82は、第1実施形態のラック81又は第2実施形態のラック101と噛み合っている。
図9に示す制御部90のメモリー96には、図14にフローチャートで示されるプログラムが記憶されている。制御部90は、CPU95が図14に示すプログラムを実行することにより搬送ローラー対61のレリース制御を行う。
以下、図14を参照して第3実施形態の複合装置11の作用を説明する。ユーザーは、ジャム発生時に第2筐体31を開ける場合と、インクエンド時にキャリッジ42上のインクカートリッジの交換又はキャリッジ42上のタンクへのインク注入を目的として第2筐体31を開ける場合とがある。なお、ユーザーが印刷中に誤って第2筐体31を開ける場合もありうる。印刷中に第2筐体31を開けた場合、カバーセンサー91がそれを検知して印刷を停止する。また、インクエンドが印刷中に発生したときに印刷を中断して表示部25にインクカートリッジ交換又はインク補充を促すメッセージが表示される機種もある。この場合、印刷途中に搬送ローラー対のニップが解除されると、媒体Mの位置が若干ずれる。この印刷途中での媒体Mの位置ずれは印刷品質を低下させる原因となる。そこで、本実施形態では、ジャム発生時以外で第2筐体31を開けたときは変位機構80を機能させない。つまり、ジャム発生時に第2筐体31を開けたときに変位機構80を機能させる。
ステップS11では、制御部90は、ジャムを検出したか否かを判断する。制御部90は、センサー68の検知状況と搬送モーター71の回動量から把握される媒体Mの搬送量とに基づいて搬送ローラー対61を含む搬送部47が媒体Mを搬送できなくなるジャムを検出する。給送モーター58の駆動による媒体Mの給送時において、給送終了に必要な十分な駆動量が駆動されたにも関わらず、センサー67,68が媒体Mを検知しないときは、給送途中にジャムが発生したと判定する。また、搬送モーター71の駆動による媒体Mの排出時において、排出終了に必要な回転量よりも多めの十分な駆動量が駆動されたにも関わらず、センサー67,68が媒体Mを検知したままであるときは排出途中にジャムが発生したと判定する。また、印刷のためにキャリッジ42が移動しているときに、キャリッジモーター93の電流値が閾値を超えてキャリッジ42にかかる過大な負荷を検出した場合は、キャリッジ42が媒体Mと接触したことに起因するジャムが発生したと判定する。制御部90はジャムを検出すればステップS12に進み、ジャムを検出しなければ当該ルーチンを終了する。例えば、制御部90は、印刷中はジャム検出処理を実行しており、ジャム検出処理においてジャムを検出すると、イベントが起動しステップS12からの処理を実行する構成でもよい。
ステップS12では、制御部90は、クラッチを接続する。すなわち、制御部90は、キャリッジモーター93を駆動させてキャリッジ42をホーム位置HPから反ホーム位置側のクラッチ切換え位置まで移動し、操作レバー114により切換えレバー113を押し込んで解除位置から接続位置へ押込み操作する。操作レバー114で切換えレバー113を押し操作することでクラッチ機構110を接続する。クラッチ接続操作により、切換え用の歯車111が切断位置から接続位置に移動して歯車機構87を構成する他の歯車115と噛合する。なお、ジャムの原因が、キャリッジ42と媒体Mとの接触に起因する場合、ジャム発生時のキャリッジ42の移動方向がクラッチ切換え位置に向かう方向である場合は、媒体Mを更に酷いジャム状態にする心配があるので、キャリッジ42によるクラッチ接続状態への切換え操作を行わないことが好ましい。
ステップS13では、制御部90は、表示部25にジャムの旨を表示する。例えば、表示部25には、ジャムが発生した旨と、ジャム発生場所とを含むメッセージが表示される。ユーザーは読取ユニット30よりなる第2筐体31を開けて搬送経路上の媒体Mを取り除くことでジャムを解消する。ユーザーはジャムを解消するために第2筐体31を開け、ジャムを解消すると第2筐体31を閉じる。そして、ジャムを解消した後にその旨を複合装置11に通知するために操作部24のうち指定のボタンを操作する。
ステップS14では、制御部90は、カバー開を検知したか否かを判断する。すなわち、制御部90は、カバーセンサー91からカバーを開けたときの検知信号を入力したか否かを判断する。カバーの開状態を検知していなければ、検知するまでそのまま待機し、カバーの開状態を検知すればステップS15に進む。
ステップS15では、制御部90は、カバー閉を検知したか否かを判断する。すなわち、制御部90は、カバーセンサー91からカバーを閉じたときの信号を入力したか否かを判断する。第2筐体31の開状態を検知していなければ、検知するまでそのまま待機し、第2筐体31の閉状態を検知すればステップS16に進む。
ステップS16では、制御部90は、ボタン操作があったか否かを判断する。すなわち、制御部90は、ジャム解消後にユーザーが操作すべき指定のボタンが操作されたか否かを判断する。ボタン操作があればステップS17に進み、ボタン操作がなければ操作があるまで待機する。
ステップS17では、制御部90は、クラッチの切離しを行う。すなわち、制御部90は、キャリッジモーター93を駆動させてキャリッジ42をクラッチ切換え位置まで移動させてレバーにより切換えレバーを押込む操作をする。切換えレバーが押込み操作されることにより不図示のロック機構のロックが解除され、不図示のばねの付勢力により切換え用の歯車が接続位置から非接続位置へ移動する。これによりクラッチが切り離される。
こうしてユーザーがジャムを解消したのちにボタンを操作すれば、クラッチが切り離される。よって、ジャム発生時以外のときは、仮に印刷途中にカバーを開閉しても印刷が一時的に中断してもカバーを閉じれば印刷を再開する。このとき、第2筐体31を開けたときに搬送ローラー対は印刷途中の媒体Mをニップするニップ状態にある。例えば印刷途中に搬送ローラー対61のニップ状態が解除されると、ニップ解除中に媒体Mの搬送方向Yの位置が若干ずれ、搬送ローラー対61が媒体Mを再度ニップするニップ状態に戻ったときに媒体Mが元の位置と多少ずれてしまう。しかし、第3実施形態では、ジャム発生時以外のときはカバーを開けても、搬送ローラー対61が媒体Mをニップするニップ状態に保持されるので、印刷中に第2筐体31を開けて印刷が中断されて第2筐体31を閉じたのちに印刷が再開されても、その印刷再開時点の印刷位置にずれが発生しにくい。
以上詳述したように第3実施形態によれば、前記各実施形態と同様の効果(1)〜(11)が得られる他、以下の効果を得ることができる。
(12)制御部90は、媒体Mのジャムを検出する検出部99を備える。変位機構80は、ジャムを検出していないときは第2筐体31が開けられるときの変位を搬送ローラー対61に伝達する動力伝達経路を切断し、ジャム検出時に第2筐体31が開けられるときの変位を搬送ローラー対61に伝達する動力伝達経路を接続するクラッチ機構110を備える。よって、ジャムが発生していないときは第2筐体31を開けても搬送ローラー対61が挟持位置にあるので、仮にユーザーが記録途中でジャム以外の理由で第2筐体31を開けても、媒体Mは搬送ローラー対61にニップされたままなので、媒体Mのニップが一時的に解除されることによる位置ずれに起因する記録品質の低下を回避できる。
(12)制御部90は、媒体Mのジャムを検出する検出部99を備える。変位機構80は、ジャムを検出していないときは第2筐体31が開けられるときの変位を搬送ローラー対61に伝達する動力伝達経路を切断し、ジャム検出時に第2筐体31が開けられるときの変位を搬送ローラー対61に伝達する動力伝達経路を接続するクラッチ機構110を備える。よって、ジャムが発生していないときは第2筐体31を開けても搬送ローラー対61が挟持位置にあるので、仮にユーザーが記録途中でジャム以外の理由で第2筐体31を開けても、媒体Mは搬送ローラー対61にニップされたままなので、媒体Mのニップが一時的に解除されることによる位置ずれに起因する記録品質の低下を回避できる。
(13)複合装置11は、媒体Mを搬送するローラー対61を含む搬送部47と、処理部の一例である記録部41に備えられ、媒体Mに処理の一例として記録を施すために媒体Mの搬送方向Yと交差する走査方向Xに移動可能なキャリッジ42とを備える。クラッチ機構110は、既存のキャリッジモーター93の動力によるキャリッジ42の移動を利用して機械的に切り換えられる。よって、クラッチ機構110が複合装置11の既存の動力源を利用して駆動されるので、専用の動力源を追加する必要がない。
(第4実施形態)
次に、図15を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第3実施形態と同様に、ジャム発生時以外のときは第2筐体31を開けても搬送ローラー対61のニップが解除されない。クラッチ機構の構成及びクラッチ機構を切り換える動力源が、前記第3実施形態と異なる。その他の構成及び制御内容は、前記第3実施形態と同様である。前記第3実施形態では、キャリッジモーター93を動力源として移動するキャリッジ42の動作を利用してクラッチ機構110を機械的に切り換えたが、第4実施形態では、搬送部47の動力源である搬送モーター71の動力を利用してクラッチ機構120を切り換える。
次に、図15を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第3実施形態と同様に、ジャム発生時以外のときは第2筐体31を開けても搬送ローラー対61のニップが解除されない。クラッチ機構の構成及びクラッチ機構を切り換える動力源が、前記第3実施形態と異なる。その他の構成及び制御内容は、前記第3実施形態と同様である。前記第3実施形態では、キャリッジモーター93を動力源として移動するキャリッジ42の動作を利用してクラッチ機構110を機械的に切り換えたが、第4実施形態では、搬送部47の動力源である搬送モーター71の動力を利用してクラッチ機構120を切り換える。
図15に示すように、変位機構80は、歯車機構87の動力伝達経路の途中にクラッチ機構120を有している。クラッチ機構120は、ジャムを検出していないときは第2筐体31が開けられるときの変位を搬送ローラー対61に伝達する動力伝達経路を切断し、ジャムを検出したときに動力伝達経路を接続する。クラッチ機構120は、1つの切換え用の歯車121と、その歯車121を支持する揺動可能なアーム122とを備える。
切換え用の歯車121は、アーム122に支持された大径の第1歯車部121Aと、第1歯車部121Aと同軸で自由回転可能な小径の第2歯車部121Bとを有する。第1歯車部121Aは、搬送モーター71の動力で回転する駆動歯車123と噛合している。第1歯車部121Aはその回転方向に応じた方向にアーム122を回動させる。
また、駆動歯車123は、駆動ローラー61Aの軸部に設けられた歯車124とも噛合している。歯車124は、駆動ローラー61Aの軸部に対して例えばワンウェイクラッチを介して取着されている。このため、歯車124は、媒体Mを搬送するときの一方向のみ駆動ローラー61Aと共に回転し、逆方向へは駆動ローラー61Aの軸部に対して空転する。切換え用の歯車121の第2歯車部121Bは、図15に示すように、アーム122が第1方向R1に回動したときに歯車機構87を構成する図示しない他の歯車と噛合可能となっている。
搬送モーター71が媒体Mを搬送するときに正転駆動されると、駆動歯車123が正転し、駆動歯車123と噛合する歯車124が正転することで駆動ローラー61Aが正転する。また、搬送モーター71が正転駆動されると、駆動歯車123と噛合する切換え用の歯車121の第1歯車部121Aが正転することで、アーム122が第1方向R1に回動して切換え用の歯車121が図15に示す切断位置に配置される。切換え用の歯車121が切断位置にあるとき、その第2歯車部121Bは、歯車機構87から離間する。この結果、クラッチ機構120が切り離される。
一方、搬送モーター71が逆転駆動されると、駆動歯車123が逆転するが、駆動ローラー61Aはワンウェイクラッチの機能により逆転しない。また、搬送モーター71が逆転駆動されて駆動歯車123が逆転すると、切換え用の歯車121の第1歯車部121Aが逆転するため、アーム122が図15に示す切断位置から第1方向R1と反対側となる第2方向R2に回動し、切換え用の歯車121が図16に示す接続位置に配置される。この結果、切換え用の歯車121の第2歯車部121Bが、歯車機構87を構成する他の歯車(図示せず)と噛合する。つまり、搬送モーター71を逆転駆動させると、駆動ローラー61Aを回転させることなく、クラッチ機構120を切断位置から接続位置へ切り換えることができる。なお、クラッチ機構120は、例えばカム機構又は遊星歯車機構などから構成してもよい。
また、切換え用の歯車121の軸は、アーム122に対して図示しない摩擦クラッチを介して接続されている。搬送モーター71が正転駆動されたときにアーム122が切断位置まで回動して図示しないストッパに当たると、摩擦クラッチの接続が外れ、アーム122のそれ以上の回動が規制される。このため、印刷中に搬送モーター71が正転駆動されるとき、クラッチ機構120は切断状態に維持される。また、制御部90は、第3実施形態と同様に、媒体Mのジャムを検出する図9に示す検出部99を備える。制御部90は、検出部99がジャムを検出して印刷動作を非常停止したとき搬送モーター71を逆転駆動させてクラッチ機構120を接続し、ジャム非検出時は搬送モーター71を逆転駆動させずにクラッチ機構120を切離し状態に維持する。なお、制御部90は、ジャム検出時に印刷動作を非常停止して表示部25にジャムの旨を表示した後、ジャムが解消された旨のボタン操作を受け付けた場合、搬送モーター71を所定量だけ正転駆動させてクラッチ機構120の接続を切り離す。
なお、図15に示すように、駆動ローラー61Aの軸端部には第2エンコーダー92が設けられている。また、フレーム17にはプーリー125が軸支され、プーリー125に巻き掛けられたタイミングベルト126が走査方向Xに沿って延びている。キャリッジ42はタイミングベルト126の一部に固定され、キャリッジモーター93の動力でタイミングベルト126が回転することで走査方向Xに移動する。
制御部90は、前記第3実施形態と同様に図14に示すルーチンを実行する。制御部90は、検出部99がジャムを検出していないとき、クラッチ機構120を切断状態に保持する。このため、第2筐体31が開けられると、ラック81は上方へ移動するものの、その開動作の力はカム軸77に伝達されない。この結果、ローラー対61はニップ状態に維持される。一方、制御部90は、検出部99がジャムを検出すると、印刷動作を停止するとともに、搬送モーター71を逆転駆動させる。この結果、ジャムの媒体Mをニップする搬送ローラー対61を回転させることなく、クラッチ機構120が切断状態から接続状態に切り換えられる。このため、ジャムの媒体Mを取り除くためにユーザーが第2筐体31を開けると、このときの開動作に連動してラック81が上方へ移動することで、歯車機構87を介してカム軸77が回転し、ローラー対61のニップ状態が解除される。よって、ユーザーがジャムの媒体Mを取り除く作業が簡単となる。
以上詳述したように第4実施形態によれば、前記第1実施形態の効果(1)〜(10)、前記第2実施形態の効果(11)、及び第3実施形態の効果(12)を同様に得られる他、以下の効果を得ることができる。
(14)複合装置11は、媒体Mを搬送するローラー対61を含む搬送部47と、記録部41に備えられ、媒体Mに記録を施すために媒体の搬送方向Yと交差する走査方向Xに移動可能なキャリッジ42とを備える。クラッチ機構120は、搬送部47の動力源の動力を利用して切り換えられるので、専用の動力源を追加する必要がない。また、キャリッジ42が媒体Mと接触してジャムが発生した場合、キャリッジ42を移動させるとジャムを酷くさせる心配がある。しかし、本例では、媒体Mを搬送させることのない搬送モーター71の逆転駆動によってクラッチ機構120を切断状態から接続状態へ切り換える構成であるため、クラッチ機構120の接続動作によりジャムを酷くする心配がない。
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のように変更してもよい。
・第1実施形態及び第3実施形態において、ラック81を上方へ付勢する第2付勢部材を設けてもよい。
・第1実施形態及び第3実施形態において、ラック81を上方へ付勢する第2付勢部材を設けてもよい。
・媒体処理装置は、複合装置11に限定されず、読取ユニット30のないプリンターでもよい。この種のプリンターは、プリンター本体を構成する筐体と、ジャム時に媒体Mを取り除くために筐体12に対して開閉可能なカバーとを備える。この場合、プリンター本体を構成する筐体が第1筐体に相当し、カバーが第2筐体に相当する。なお、第2筐体は、第1筐体12の上面に開閉可能に設けられる構成に限らず、第1筐体12の側面に対して開閉可能に設けられてもよい。例えば、第2筐体31は、第1筐体12の排出口26側の側面である前面、又は第1筐体12における媒体Mの給送経路を露出させることが可能な側面である背面に開閉可能に設けられてもよい。
・前記各実施形態において、ラック81,101の歯部81A,101Aと、カム軸77の歯車86とを直接噛合させてもよい。
・第3実施形態において、クラッチ機構は、切換え用の歯車を軸方向にスライドさせる方式に限らない。例えば、切換え用の歯車をその軸と交差する方向に直動又は回動させる方式でもよい。
・第3実施形態において、クラッチ機構は、切換え用の歯車を軸方向にスライドさせる方式に限らない。例えば、切換え用の歯車をその軸と交差する方向に直動又は回動させる方式でもよい。
・第3実施形態及び第4実施形態において、クラッチ機構は、歯車を含まない構成でもよい。例えば、歯車機構を構成する歯車の軸に、キャリッジモーター93、給送モーター58及び搬送モーター71のうち1つの動力で切り換えられるクラッチが介在する構成でもよい。クラッチとしては摩擦クラッチ等が挙げられる。
・第2筐体31の開閉動作に連動して搬送ローラー対61を接触位置と離間位置とに変位させることができれば、変位機構はラックアンドピニオン機構を含む構成に限定されない。例えば、第2筐体31から突出する突起でもよい。第2筐体31の開閉動作に応じて変位する突起が変位機構を構成する歯車又はカム軸77を回転させる構成でもよい。
・ラックアンドピ二オン機構で、従動ローラー61Bに替えて駆動ローラー61Aを移動させてもよいし、駆動ローラー61Aと従動ローラー61Bとの両方を変位させてもよい。
・前記各実施形態において、ラック81,101を第1筐体12における幅方向Xの両側に設けてもよい。
・前記各実施形態において、搬送ローラー対61に替え又は加え、他のローラー対を第2筐体31の開閉動作に連動して離間位置と接触位置とに変位させる構成とし、第2筐体31を開ける動作に連動してローラー対が接触位置から離間位置に変位する構成としてもよい。例えば、第2搬送ローラー対66を変位させる変位機構を設けてもよいし、排出ローラー対62,63の一方又は両方を変位させる変位機構を設けてもよい。
・前記各実施形態において、搬送ローラー対61に替え又は加え、他のローラー対を第2筐体31の開閉動作に連動して離間位置と接触位置とに変位させる構成とし、第2筐体31を開ける動作に連動してローラー対が接触位置から離間位置に変位する構成としてもよい。例えば、第2搬送ローラー対66を変位させる変位機構を設けてもよいし、排出ローラー対62,63の一方又は両方を変位させる変位機構を設けてもよい。
・前記実施形態において、媒体Mは、用紙に限らず、フィルム、布、樹脂製シート、ラミネートシート及び金属箔等でもよい。
・複合装置11の記録ユニット20、又は媒体処理装置の一例としての印刷装置は、インクジェット式プリンターに限らず、電子写真式プリンター、ドットインパクト式プリンター、熱転写式プリンター及び捺染印刷装置でもよい。また、媒体処理装置は、シリアルプリンター、ラテラル式プリンター、ラインプリンター、ページプリンターのいずれであってもよい。さらに媒体処理装置は、媒体に記録する処理を行う記録機能を有したが、処理は記録に限らず、その他の処理であってもよい。例えば、原稿を読み取る読取処理を行う読取部を有するスキャナー等の画像読取装置でもよい。
・複合装置11の記録ユニット20、又は媒体処理装置の一例としての印刷装置は、インクジェット式プリンターに限らず、電子写真式プリンター、ドットインパクト式プリンター、熱転写式プリンター及び捺染印刷装置でもよい。また、媒体処理装置は、シリアルプリンター、ラテラル式プリンター、ラインプリンター、ページプリンターのいずれであってもよい。さらに媒体処理装置は、媒体に記録する処理を行う記録機能を有したが、処理は記録に限らず、その他の処理であってもよい。例えば、原稿を読み取る読取処理を行う読取部を有するスキャナー等の画像読取装置でもよい。
前記実施形態及び変更例から把握される技術思想を、以下に効果と共に記載する。
媒体処理装置において、シート状の媒体に対して処理を行う処理部と、駆動ローラーと従動ローラーとを有し、前記処理部により処理する領域を含む搬送経路で前記媒体を搬送するローラー対と、前記処理部と前記ローラー対とを収容する第1筐体と、前記第1筐体に対して開閉可能な第2筐体と、前記ローラー対を離間位置と接触位置とに変位させる変位機構と、を備え、前記変位機構は、前記第2筐体を開ける動作に連動して前記ローラー対を前記接触位置から前記離間位置に変位させる。
媒体処理装置において、シート状の媒体に対して処理を行う処理部と、駆動ローラーと従動ローラーとを有し、前記処理部により処理する領域を含む搬送経路で前記媒体を搬送するローラー対と、前記処理部と前記ローラー対とを収容する第1筐体と、前記第1筐体に対して開閉可能な第2筐体と、前記ローラー対を離間位置と接触位置とに変位させる変位機構と、を備え、前記変位機構は、前記第2筐体を開ける動作に連動して前記ローラー対を前記接触位置から前記離間位置に変位させる。
この構成によれば、媒体のジャム発生時に、ユーザーがジャムの媒体を取り除くために第2筐体を開けると、その第2筐体を開ける動作に連動して、ローラー対が接触位置から離間位置に変位する。よって、ユーザーはローラー対による媒体のニップが解除された状態の下で、媒体を比較的簡単に除去できる。したがって、ジャム発生時に第1筐体に対して第2筐体を開けて行う媒体の除去作業を容易に行うことができる。
上記媒体処理装置において、前記変位機構は、前記第2筐体を閉じる動作に連動して前記ローラー対を前記離間位置から前記接触位置に変位させることが好ましい。
この構成によれば、ユーザーがジャムの媒体を取り除いた後、第2筐体を開じる動作に連動してローラー対が離間位置から接触位置に変位する。よって、その後、媒体に処理が施されるときは媒体をローラー対により搬送できる。
この構成によれば、ユーザーがジャムの媒体を取り除いた後、第2筐体を開じる動作に連動してローラー対が離間位置から接触位置に変位する。よって、その後、媒体に処理が施されるときは媒体をローラー対により搬送できる。
上記媒体処理装置において、前記ローラー対を前記接触位置側に付勢する第1付勢部材を有し、前記変位機構は前記第2筐体の開放時に、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記ローラー対を前記離間位置に変位させることが好ましい。
この構成によれば、ユーザーが第2筐体を開けると、第1付勢部材の付勢力に抗してローラー対を離間させることができ、第2筐体を閉めると、第1付勢部材の付勢力に応じた適切な挟持圧で媒体を挟持できる。
上記媒体処理装置において、前記媒体のジャムを検出する検出部を更に備え、前記変位機構は、ジャムを検出していないときは前記第2筐体が開けられるときの変位を前記ローラー対に伝達する動力伝達経路を切断し、ジャムを検出したときに前記動力伝達経路を接続するクラッチ機構を備えることが好ましい。
この構成によれば、ジャムが検出されていないときは、第2筐体を開けてもローラー対が挟持位置にあるので、仮に記録途中にジャム以外の理由でユーザーが第2筐体を開けても、媒体はローラー対に挟持されたままなので、媒体の位置ずれに起因する記録品質の低下が発生しにくい。一方、ジャムが検出されたときは、クラッチ機構により動力伝達経路が接続されるので、第2筐体を開ければローラー対が離間位置に配置されるので、ジャムの解消を目的にユーザーが第2筐体を開ければ、媒体はローラー対に挟持されていないので、媒体を比較的簡単に取り除いてジャムを簡単に解消できる。
上記媒体処理装置において、前記媒体を搬送する前記ローラー対を含む搬送部を更に備え、前記処理部は、前記媒体に処理を施すために前記媒体の搬送方向と交差する移動方向に移動可能なキャリッジを備え、前記クラッチ機構は、前記キャリッジの動力源又は前記搬送部の動力源により切り換えられることが好ましい。
この構成によれば、クラッチ機構が媒体処理装置の既存の動力源を利用して駆動されるので、専用の動力源を追加する必要がない。
上記媒体処理装置において、前記変位機構は、前記第2筐体を開閉する動作に連動して変位するラックと、当該ラックに噛み合うピニオン歯車とを有し、前記ローラー対は、駆動ローラーと従動ローラーとを含み、前記従動ローラーを前記駆動ローラーに対して離接可能に保持する保持部を有し、前記変位機構は、前記ラックの変位が前記ピニオン歯車を介して前記保持部に伝達されることで、前記ローラー対を前記離間位置と前記接触位置とに変位させることが好ましい。
上記媒体処理装置において、前記変位機構は、前記第2筐体を開閉する動作に連動して変位するラックと、当該ラックに噛み合うピニオン歯車とを有し、前記ローラー対は、駆動ローラーと従動ローラーとを含み、前記従動ローラーを前記駆動ローラーに対して離接可能に保持する保持部を有し、前記変位機構は、前記ラックの変位が前記ピニオン歯車を介して前記保持部に伝達されることで、前記ローラー対を前記離間位置と前記接触位置とに変位させることが好ましい。
この構成によれば、ユーザーが第2筐体を開けるときの動作に連動してラックが変位すると、このラックの変位がラックと噛み合うピニオン歯車の回転を介して保持部に伝達され、保持部に保持された従動ローラーが駆動ローラー又は従動ローラーが離間位置に変位することでローラー対が離接する。ジャムを解消するためにユーザーが第2筐体を開けるときの操作力を利用して簡単な構成でローラー対を離間させることができる。
上記媒体処理装置において、前記第2筐体の開閉に伴う前記ラックの移動距離は、前記ローラー対の離接の距離よりも長いことが好ましい。
この構成によれば、変位機構が減速機能を果たす。このため、ユーザーが第2筐体を開けるときの操作力としてローラー対のニップを解除するための力が余分に加わっても、第2筐体を比較的軽い操作力で開けることができる。
この構成によれば、変位機構が減速機能を果たす。このため、ユーザーが第2筐体を開けるときの操作力としてローラー対のニップを解除するための力が余分に加わっても、第2筐体を比較的軽い操作力で開けることができる。
上記媒体処理装置において、前記ラックを、前記第2筐体を開ける方向に付勢する第2付勢部材を更に備えることが好ましい。
この構成によれば、ラックを第2付勢部材の付勢力により第2筐体を開ける方向に付勢されているので、第2筐体を開けるときの操作力を利用してローラー対を離間させる構成としても、第2筐体を開けるときの操作力が比較的小さく済む。
この構成によれば、ラックを第2付勢部材の付勢力により第2筐体を開ける方向に付勢されているので、第2筐体を開けるときの操作力を利用してローラー対を離間させる構成としても、第2筐体を開けるときの操作力が比較的小さく済む。
上記媒体処理装置において、前記ラックは、上端が前記第2筐体に連結されていることが好ましい。
この構成によれば、ラックを、第2筐体を開ける方向に付勢する第2付勢部材を必ずしも設けなくても、第2筐体を開ける動作に連動してローラー対のニップを解除できる。
この構成によれば、ラックを、第2筐体を開ける方向に付勢する第2付勢部材を必ずしも設けなくても、第2筐体を開ける動作に連動してローラー対のニップを解除できる。
上記媒体処理装置において、前記第2筐体が前記第1筐体の上面のいずれか1つの辺に沿って配置された回動軸を有し、前記第2筐体が前記回動軸で回動することで前記第1筐体の上方を開閉することが好ましい。
この構成によれば、第2筐体は第1筐体の上面のいずれか1つの辺を回動軸として回動することで、第1筐体の上面を開放することができる。
上記媒体処理装置において、前記処理部は前記媒体に処理としての記録を行う記録部であり、前記第1筐体に前記記録部を収容する記録ユニットと、前記記録ユニットの上方に配置され、前記第2筐体に原稿から画像を読み取る読取部を収容する読取ユニットと、を備えた複合装置であることが好ましい。
上記媒体処理装置において、前記処理部は前記媒体に処理としての記録を行う記録部であり、前記第1筐体に前記記録部を収容する記録ユニットと、前記記録ユニットの上方に配置され、前記第2筐体に原稿から画像を読み取る読取部を収容する読取ユニットと、を備えた複合装置であることが好ましい。
この構成によれば、複合装置で例えばコピー時にジャムが発生したとき、読取ユニットを記録ユニットに対して開けると、ローラー対による媒体の挟持を解除できる。よって、ジャムの媒体を容易に取り除くことができる。
11…媒体処理装置の一例としての複合装置、12…第1筐体、13…カバー、20…記録ユニット、21…カセット、22…排出トレイ、23…操作パネル、24…操作部、25…表示部、26…排出口、30…読取ユニット、31…第2筐体、32…スキャナー本体、36…読取部、39…レール、41…処理部の一例としての記録部、42…キャリッジ、45…第1エンコーダー、46…支持台、47…搬送部、48…記録ヘッド、50…給送部、51…給送ローラー、52…中間ローラー、53…第1ローラー、54…第2ローラー、58…給送モーター、61…ローラー対の一例としての搬送ローラー対、61A…駆動ローラー、61B…従動ローラー、62,63…排出ローラー対、71…搬送モーター、74…保持部の一例としての保持部材、75…第1付勢部材の一例としてのばね、77…カム軸、78…カム、80…変位機構、81…ラック、82…ピニオン歯車、87…歯車機構、88…支持ピン、89…連結部、90…制御部、91…カバーセンサー、92…第2エンコーダー、93…キャリッジモーター、95…CPU、96…メモリー、97…第1カウンター、98…第2カウンター、99…検出部、101…ラック、103…連結部、104…第2付勢部材の一例としてのばね、110…クラッチ機構、120…クラッチ機構、M…媒体、D…原稿、X…走査方向(幅方向)、Y…搬送方向、Z…鉛直方向。
Claims (11)
- シート状の媒体に対して処理を行う処理部と、
駆動ローラーと従動ローラーとを有し、前記処理部により処理する領域を含む搬送経路で前記媒体を搬送するローラー対と、
前記処理部と前記ローラー対とを収容する第1筐体と、
前記第1筐体に対して開閉可能な第2筐体と、
前記ローラー対を離間位置と接触位置とに変位させる変位機構と、を備え、
前記変位機構は、前記第2筐体を開ける動作に連動して前記ローラー対を前記接触位置から前記離間位置に変位させる、ことを特徴とする媒体処理装置。 - 前記変位機構は、前記第2筐体を閉じる動作に連動して前記ローラー対を前記離間位置から前記接触位置に変位させる、ことを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
- 前記ローラー対を前記接触位置側に付勢する第1付勢部材を有し、
前記変位機構は前記第2筐体の開放時に、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記ローラー対を前記離間位置に変位させる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の媒体処理装置。 - 前記媒体のジャムを検出する検出部を更に備え、
前記変位機構は、ジャムを検出していないときは前記第2筐体が開けられるときの変位を前記ローラー対に伝達する動力伝達経路を切断し、ジャムを検出したときに前記動力伝達経路を接続するクラッチ機構を備える、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の媒体処理装置。 - 前記媒体を搬送する前記ローラー対を含む搬送部を更に備え、
前記処理部は、前記媒体に処理を施すために前記媒体の搬送方向と交差する移動方向に移動可能なキャリッジを備え、
前記クラッチ機構は、前記キャリッジの動力源又は前記搬送部の動力源により切り換えられる、ことを特徴とする請求項4に記載の媒体処理装置。 - 前記変位機構は、前記第2筐体を開閉する動作に連動して変位するラックと、当該ラックに噛み合うピニオン歯車とを有し、
前記ローラー対は、駆動ローラーと従動ローラーとを含み、
前記従動ローラーを前記駆動ローラーに対して離接可能に保持する保持部を有し、
前記変位機構は、前記ラックの変位が前記ピニオン歯車を介して前記保持部に伝達されることで、前記ローラー対を前記離間位置と前記接触位置とに変位させる、ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の媒体処理装置。 - 前記第2筐体の開閉に伴う前記ラックの移動距離は、前記ローラー対の離接の距離よりも長い、ことを特徴とする請求項6に記載の媒体処理装置。
- 前記ラックを、前記第2筐体を開ける方向に付勢する第2付勢部材を更に備える、ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の媒体処理装置。
- 前記ラックは、上端が前記第2筐体に連結されている、ことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
- 前記第2筐体が前記第1筐体の上面のいずれか1つの辺に沿って配置された回動軸を有し、前記第2筐体が前記回動軸で回動することで前記第1筐体の上方を開閉する、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
- 前記処理部は前記媒体に処理としての記録を行う記録部であり、
前記第1筐体に前記記録部を収容する記録ユニットと、前記記録ユニットの上方に配置され、前記第2筐体に原稿から画像を読み取る読取部を収容する読取ユニットと、を備えた複合装置である、ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の媒体処理装置。
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