以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る両面印刷装置の一実施の形態を示す概略の側断面図であり、図2は両面印刷装置の一部を構成する第1インクジェットプリンタの概略の拡大側断面図であり、図3は同両面印刷装置の他の実施の形態を示す概略の側断面図である。
図1において、符号1は本発明に係る両面印刷装置を示し、該両面印刷装置1は上下に配置された第1のインクジェットプリンタ2A及び第2のインクジェットプリンタ2Bを備えている。2台のインクジェットプリンタ2A、2Bは、キャスタ4付きの架台6に搭載されており、該架台6には2台のインクジェットプリンタ2A、2Bへインクを供給するためのインクカートリッジ6Aも搭載されている。
下側に位置する第1インクジェットプリンタ2Aは、記録実行部3と、該記録実行部3の用紙搬送方向における上流側に設けられる給紙部5と、記録実行部3の下流側に形成される排紙部7とを備えて成る。
給紙部5の上流側にはオートローディングローラ8が設けられ、該オートローディングローラ8に隣接してオートローディング検出器9が設けられている。オートローディングローラ8の上流側にはロール紙ホルダ10が配置され、そこに被記録材であるロール紙11が回転可能な状態でセットされている。ロール紙11はオートローディングローラ8の間を通過することで、ロール紙ロールから適正量の繰り出し作用を受ける。尚、本発明ではロール紙11の他、単票紙も被記録材として適用することができる。
送り出されたロール紙11は、下側の紙送り駆動ローラ15及び上側の紙送り従動ローラ17から構成される紙送りローラ19(図2)に至り、そこで印刷工程における精密な紙送り動作を受けながら、紙送りローラ19の下流側に位置する印刷ヘッド21へ、水平な搬送路に沿って給紙されるようになっている。印刷ヘッド21は、本実施の形態では、ロール紙11の搬送路の上側に位置する。
印刷ヘッド21は、キャリッジ23に支持されており、キャリッジ23は給紙方向と直交する方向へ往復移動できるようになっている。印刷ヘッド21と対向する位置にはプラテン25が設けられ、該プラテン25は、印刷ヘッド21によってロール紙11に印刷する際に、ロール紙11を下側から支持する作用をする。印刷ヘッド21とプラテン25との距離は、ロール紙11の厚さによって適宜調節できるようになっており、これによりロール紙11はプラテン25上を滑らかに通過しながら、高品質の印刷が行えるようになっている。印刷ヘッド21で印刷されたロール紙11は、排紙部7に設けられる排紙ローラ27によって排出される。
排紙ローラ27は、下側の排紙駆動ローラ29及び上側の排紙従動ギザローラ31から構成されており、ロール紙11が排紙駆動ローラ29の回転駆動により引き出されて排出される機構となっている。排紙ローラ27の下流側には第1搬送駆動ローラ33が設けられており、排紙ローラ27によって排紙されたロール紙11を上側に位置する第2インクジェットプリンタ2Bに向けて搬送するための駆動力をロール紙に付与している。
また、第1搬送駆動ローラ33の直前には、ロール紙11を切断するためのカッタ35が設けられている。このカッタ35は、第1インクジェットプリンタ2Aによってロール紙11に印刷された面の反対面に第2インクジェットプリンタ2Bの印刷ヘッド21によって印刷が開始される前にロール紙11を切断して、第1インクジェットプリンタ2Aによる印刷済みの部分を単票紙状態にする機能を果たす。尚、被記録材として単票紙を使用した場合には、カッタ35を設ける必要はない。
上側に位置する第2インクジェットプリンタ2Bは、下側に位置する第1インクジェットプリンタ2Aと基本的に同様な構成を備えるので、同じ機能を有する部材には第1インクジェットプリンタ2Aに関して使用した符号と同じ符号を付している。第2インクジェットプリンタ2Bにおける印刷ヘッド21は、繰り出されるロール紙11の下面(第2インクジェットプリンタ2Bでの印刷時には反転して上側の面となっている)に臨むように用紙搬送路の上側(第1インクジェットプリンタ2Aと同様)に位置する。
第2インクジェットプリンタ2Bは、第1インクジェットプリンタ2Aの直上に配置されており、また第1インクジェットプリンタ2Aの排紙部7と同じ側に第2インクジェットプリンタ2Bの給紙部5が位置している。
第2インクジェットプリンタ2B側には、前記オートローディングローラ8に相当するオートローディングローラ50が設けられ、その下流には用紙始端ガイド37が形成されている。尚、第2インクジェットプリンタ2Bの排紙ローラ27より下流側には送り出しローラ39が設けられ、該送り出しローラ39の直前にはカッタ41が設けられている。
第1インクジェットプリンタ2Aの排紙部7から第2インクジェットプリンタ2Bの給紙部5までの間には、第1インクジェットプリンタ2Aで印刷されたロール紙11を該ロール紙11の左右両端がそれぞれ同一平面内に位置する状態で第2インクジェットプリンタ2Bへ案内する案内路43が形成されている。上記で説明した搬送駆動ローラ33は、この案内路43の途中に配置されており、また紙端ガイド37は案内路43の一部を構成している。
そして図1に示す如く、案内路43の途中には、上下方向にU字形に湾曲した断面を有する反転経路45が形成されている。該反転経路45は、ロール紙11の左右両端がそれぞれ同一平面内を通過するように一方向にのみ湾曲しており、第1インクジェットプリンタ2A側に入口部47が形成され、第2インクジェットプリンタ2B側に出口部49が形成されている。第1搬送駆動ローラ33を通過したロール紙11は、反転経路45の入口部47に水平に入り、反転経路45内でU字形に変形しながら上方へ進行し、その後反転経路45の出口部49から紙端ガイド37へは水平に出ていくようになっている。
反転経路45の途中には、カッタ35で切断された単票紙に搬送駆動力を付与する第2搬送駆動ローラである前記オートローディングローラ50が設けられている。そのオートローディングローラ50の直後にオートローディング検出器が設けられている。また反転経路45の途中には、2つの紙重なり検出器51が設けられており、該検出器51により、カッタ35で切断された単票紙とロール紙11との重なりを検出し、重なっていると検出された場合には、第1インクジェットプリンタ2A側の紙搬送機能部を停止させて前記重なりを解消し、その後、第1インクジェットプリンタ2A側の紙搬送機能部を駆動(停止解除)させるようになっている。尚、前記単票紙またはロール紙11の搬送速度を調節して前記重なりを解消するようにしてもよい。
次に案内路43の距離について説明する。案内路43は、第1インクジェットプリンタ2Aの排紙部7から第2インクジェットプリンタ2Bの印刷ヘッド21までの距離が、第1インクジェットプリンタ2Aによってロール紙11に印刷された搬送方向での印刷長さより長くなるように規定されている。これにより第1インクジェットプリンタ2Aによってロール紙11に印刷された部分が第2インクジェットプリンタ2Bの印刷ヘッド21に至った時に、該印刷部分の終端側が第1インクジェットプリンタ2A側に残っていることが防止できる。
即ち、第1インクジェットプリンタ2Aによってロール紙11に印刷された部分の始端側が第2インクジェットプリンタ2Bの印刷ヘッド21に至った時に、該印刷部分の終端側が第1インクジェットプリンタ2A側に残っていれば、第2インクジェットプリンタ2Bの紙送りローラ19と第1インクジェットプリンタ2Aの排紙ローラ27(または紙送りローラ19)との紙送り速度を同期しなければならず、そのために複雑な機構を付加しなければならない。しかし、案内路43を上記のような距離に設定することにより、ロール紙11の始端が第2インクジェットプリンタ2Bの印刷ヘッド21に至る前にロール紙11を切断することが可能となり、第1インクジェットプリンタ2A側と第2インクジェットプリンタ2B側との紙送り機構の同期をとる必要がなくなる。
第1の実施の形態は、以上述べたような構成を備えるものであり、以下その作用について説明する。第1インクジェットプリンタ2Aの紙送りローラ19が駆動することにより、ロール紙11が水平状態で印刷ヘッド21の下方を通過し、ロール紙11の上面に印刷がなされる。該印刷部分は排紙部7、第1搬送駆動ローラ33を介して反転経路45に入り、該経路に沿って上方にU字形状に進行し紙面が反転する。このときロール紙11の両端は、それぞれ同一平面内で移動するため左右のぶれがなく、また捻れや屈曲等の用紙に癖が付きやすい動きはしない。第1インクジェットプリンタ2Aでの印刷が完了した後に、印刷部分の終端がカッタ35の位置を過ぎるとカッタ35がロール紙11に作用して印刷部分をロール紙11から切断する。
切断された印刷部分は単票紙状態になり、その先端側が第2搬送駆動ローラ50によって駆動力を受けることにより紙端ガイド37を介して第2インクジェットプリンタ2Bの紙送りローラ19に至る。第2インクジェットプリンタ2Bでは、第1インクジェットプリンタ2A同様に単票紙の反転して上側になった面(第1インクジェットプリンタ2Aで印刷されていない側の面)に印刷がなされ、排紙駆動ローラ29、送り出しローラ39によって搬出される。
カッタ41は、単票紙状態の印刷部分の前端及び後端を適宜切断して、単票紙が所定の長さになるようにする。尚、例えば単票紙状態になった用紙の前端部分がカッタ35によって既に正確な位置で切断されている場合には、カッタ41は単票紙の後端のみを正確な長さで切断するために使用することができる。また単票紙の上下余白部分をなくすためにカッタ41を作用させるようにしてもよい。
上記のようにしてロール紙11には、連続して両面に印刷がなされ、最終的に単票紙となって搬出される。このような両面印刷は例えばCD−Rのジャケットとインナーの印刷とを一連に行いたい場合に適用できる。
以上本発明の両面印刷装置の一実施の形態について説明したが、図3に示す如く、最初に印刷を行う第1インクジェットプリンタ2Aを上側に配置して第2インクジェットプリンタ2Bをその直下に配置するようにしてもよい。この場合、ロール紙ホルダ10は上側に位置し、インクカートリッジ6Aは下側に配置するようにすればよい。また反転経路45は、第1インクジェットプリンタ2Aの排紙部7から第2インクジェットプリンタ2Bの給紙部5まで、ロール紙11が上側から下側へ進行するように形成し、第2搬送駆動ローラ50及び紙重なり検出器51の位置もこれに応じて適宜位置を変える。
また図1に示す実施の形態では、第1インクジェットプリンタ2A及び第2インクジェットプリンタ2Bのいずれもロール紙11の上面側から印刷しているが、第1インクジェットプリンタ2A及び第2インクジェットプリンタ2Bのいずれも下面側から印刷するようにしてもよい。
次に図5〜図37を参照しながら本発明の更に他の実施の形態について説明する。
1.両面印刷装置の概要
先ず、図5及び図6を参照しつつ、本実施形態に係る「記録装置」としての両面印刷装置の概要について説明する。図5は両面印刷装置を正面上方から見た外観斜視図であり、図6は、両面印刷装置の側断面概略図であって、符号200は両面印刷装置を示している。
両面印刷装置200は、ロール状に巻かれた被記録材としての印刷用紙(符号Rで示す)を装置手前側の中央部に備えていて、且つ、印刷の行われた印刷用紙を同じ装置手前側の中央部から排出する、給紙側と排紙側とが一致した側面視略U字形の給送経路を備えている。尚、以下説明の便宜の為、ロール状に巻かれた被記録材の、当該ロール状態のものを「ロールR」と言い、当該ロールRから繰り出されて印刷が可能となった状態、或いは印刷が行われた状態の当該ロール紙を「ロール紙P」と言うこととする。
図5において符号101はロールRをセットするロール紙カセットを示していて、符号150Bは、印刷の行われたロール紙Pを所定の位置でカットするカッター装置を示している。図5に示す様に、ロール紙カセット101は両面印刷装置200の本体手前側中央下に配置され、ロールRの交換の為に、両面印刷装置200の手前側に抜脱することができる様になっている。
図6に示す様に、装置手前側から装置後方側(図6における右側から左側)に給送されるロール紙Pは装置後方において上方に反転湾曲されて装置手前側(図6におけるは右側)に進み、そしてロール紙カセット101の上方から排出される(図5参照)。ロール紙カセット101の蓋部102は、カッター装置150Bによってロール紙Pがカットされる際に発生するカットダストをスタックする為のダストスタッカ部2cを備えていて(図5では図示せず)、カッター装置150で発生するカットダストは、カッター装置150Bの下方に設けられた窓穴201(図5参照)からダストスタッカ部102cへと落下する様になっている。一方、目的物としての印刷が行われたロール紙Pについては、蓋部102の曲面102aを滑り落ちて、ロール紙カセット101の手前側に設けられる排紙スタッカ108(図5では図示せず)にスタックされる。尚、ロール紙カセット101及びカッター装置150Bの詳細な構成については後に詳述する。
次に、図6を参照しつつ、ロール紙Pの進行経路上に設けられる各構成要素について説明する。尚、以下においては説明の便宜の為、ロール紙Pが排出されるまでの一連の給送経路において、当該給送経路の上流側を「上流側」、当該給送経路の下流側を「下流側」と呼ぶこととする。
両面印刷装置200は装置中央付近において、上下に2つのインクジェット式記録装置を備えている。符号202Aは最初にロール紙Pに印刷を行う第1インクジェット式記録装置(以下「第1記録装置」と略称する)を示していて、符号202Bは、最後にロール紙Pに印刷を行う第2インクジェット式記録部(以下「第2記録装置」と略称する)を示している。第1記録装置202Aは、ロール紙Pの搬送を行う搬送駆動ローラ203a及び該搬送駆動ローラ203aに圧接する搬送従動ローラ203bとからなる搬送ローラ203と、キャリッジ204の底部に設けられる「記録部」としてのノズルヘッド204aと、ノズルヘッド204aの下流側に設けられる排紙駆動ローラ205a及び該排紙駆動ローラ205aとの間でロール紙Pをニップする排紙従動ローラ205bとからなる排紙ローラ205から構成されている。
搬送駆動ローラ203aは図示を省略する駆動モータによって回動駆動され、ノズルヘッド204aにロール紙Pを一定ピッチで搬送する。キャリッジ204はキャリッジ軸204bにガイドされつつ、図示を省略する駆動モータによって主走査方向(図6における紙面の裏表方向)に往復動作する。ノズルヘッド204aは、両面印刷装置200の装置手前側上部(図6における右上)に設けられるインクカートリッジ206からインクの供給を受け、下部に搬送されたロール紙Pへインクを吐出し、これによって印刷が行われる。排紙駆動ローラ205aは、図示を省略する駆動モータによって回動駆動され、印刷の行われたロール紙Pを下流側へ排紙する。
尚、第2記録装置202Bの構成も、第1記録装置202Aと同じなので、図6においては同一構成要素に同一符号を付してその説明は省略するが、第2記録装置を構成する搬送ローラ203,ノズルヘッド204a,排紙ローラ205は、それぞれ「第2搬送ローラ」,「第2記録部」,「第2排紙ローラ」としての機能を果たしている。
ロール紙カセット101から第1記録装置202Aへ至る経路において、ロール紙Pは、ロール紙カセット101に設けられた給紙ローラ111によって第1記録装置202Aへと給送される。第1記録装置202Aにおいては、ロール紙Pの片面(図6における上側面)に印刷が行われ、そしてロール紙Pの先端は、カッター装置150Aを通過し、カッター装置150Aの下流側近傍に設けられる補助駆動ローラ207の回動によって給紙ガイド208に突入する。
給紙ガイド208は図示の様に側面視略U字形の形状をなしていて、これによって該給紙ガイド208に突入したロール紙Pは上方に湾曲反転し、第1記録装置202Aによって記録の行われた面を下にした状態で第2記録装置202Bへと向かう。従って第2記録装置202Bにおいては、第2記録装置202Bにおけるノズルヘッド204aと対向するロール紙Pの面が第1記録面とは反対側の面となっていて、従って第2記録装置202Bによって印刷が行われることにより、以てロール紙Pの両面に印刷が行われる。
ところで、より詳しくは、第1記録装置202Aの下流側にはカッター装置150Aが配設されていて、ロール紙Pの先端が、給紙ガイド208によって形成されたU字形の給送経路の途中に設けられる補助給紙ローラ209にニップされた後に、ロール紙Pは該カッター装置150Aによってカットされ、従って単票紙状態となって第2記録装置202Bに給送され、そして印刷が行われる様になっている。この一連の給紙動作をより正確に行う為に、給紙ガイド208によって形成されるU字形の給送経路上には、紙重なり検出器212,212が設けられていて、該紙重なり検出器212,212により、カットされて単票紙状態となったロール紙Pの後端と、該後端に続く次のロール紙Pの先端との重なり状態を検出し、必要に応じて第1記録装置202A側と第2記録装置202B側との紙送り速度の同期を取るように構成されている。また、この際、カットされて単票紙状態となったロール紙Pの先端が第2記録装置202Bに到達した際に、該単票紙状態となったロール紙Pの後端が第1記録装置202Aに存在することが無い様に、第1記録装置202Aから第2記録装置202Bに至る給送経路長が充分確保されている。
次に、第2記録装置202Bの下流側にはカッター装置150Bが配設されていて、単票紙状態となり且つ両面に印刷が行われて排紙されるロール紙Pは、該カッター装置150Bによってその始端側と終端側の不要な部分が切り落とされ、また、更に必要に応じて所定の位置でカットされて、排紙スタッカ108に排紙される。以上が、両面印刷装置200の概略である。
尚、本実施形態においては最初にロール紙Pに記録を行う第1記録装置202Aを下部に配置し、最後にロール紙Pに記録を行う第2記録装置202Bを上方に配置して、第1記録装置202Aから排出されたロール紙Pを上方に反転湾曲させる構成としているが、これを逆の構成とし、第1記録装置202Aを上方に配置して、ロール紙Pを下方に反転湾曲させて給送する構成としても構わない。
2.ロール紙カセットの構成
2−1.ロール紙カセットの概略
以下、図7乃至図11を参照しつつロール紙カセット101の概略構成について説明する。ここで、図7はロール紙カセット101の蓋部102を閉じた状態を、図8は蓋部102を開放した状態を示す斜視図であり、図9はロール紙カセット101本体の平面図である。また、図10はロール紙カセット101乃至第1記録装置202Aに至る給送経路の側面図であり、図11は、ロール紙カセット101を後方側(両面印刷装置200の後方側)から見た正面図である。
図7に示す様に、ロール紙カセット101は蓋部102を上部に備えている。蓋部102はロール紙カセット101の前方側(両面印刷装置200の前方側)に回動支点102bを備え、該回動支点102bを中心にロール紙カセット101の前方側(両面印刷装置200からロール紙カセット101を抜脱する方向側)に回動することによって図8に示す様な開放状態とすることができる様になっている。即ち、該回動動作が、蓋部102の開放動作となる。
蓋部102にはロール紙カセット101の後方側にダストスタッカ部102cが形成されていて、該ダストスタッカ部102cは、前述した様にカッター装置150Bから発生するカットダストをスタックする役割を果たす。即ち、図5及び図6を参照しつつ既に述べた様に、ロール紙カセット101の上方にはカッター装置150Bが配設されていて、該カッター装置150Bで発生したカットダストは、図5及び図6に示す両面印刷装置200のガイド斜面210を滑り落ち、図5に示す窓穴201から蓋部102(ダストスタッカ部102c)へと落下する。
ここで、ダストスタッカ部102cは、図7に示す様に略箱形形状をなしているので、ダストスタッカ部102cに堆積したカットダストを廃棄するには、図7の状態から図8の状態への変化の様にダストスタッカ部102cの天地が逆となる様なダスト廃棄動作を行う必要がある。しかし、当該ダスト廃棄動作は、蓋部2の開放動作そのものであるので、蓋部2の開放動作を行うと、必ずダストスタッカ部102cのダスト廃棄動作が行われることになる。換言すると、蓋部102の開放動作が、ダストスタッカ部102cのダスト廃棄動作を兼ねることになる。従って、ユーザのダスト廃棄忘れを防止して、ダストスタッカ部102cからカットダストが溢れ出る様なスタックオーバー現象を効果的に防止することが可能となっている。また、本実施形態においては、ダストスタッカ部102cのスタック可能容量が、1巻分のロールRの印刷工程において発生が見込まれるカットダスト量以上となっているので、従って少なくともロールRの交換時迄にカットダストの堆積量がダストスタッカ部102cのスタック可能容量を超えることが無く、確実にスタックオーバーを防止できる。
尚、本実施形態においてはロールRをセットするロール紙カセット101において、前述の様なダスト廃棄動作と蓋部開放動作とを兼ねる作用効果を得ているが、複数枚の単票紙を堆積した状態でセットする、所謂給紙カセットにおいても同様な作用効果を得ることができることは言うまでも無い。
次に、ロール紙カセット101の内部構成について図9及び図10を参照しつつ説明する。図9及び図10において、ロール紙カセット101の手前側(図9の下側:図10の右側)下部には「ロール紙回動手段」としてのドラム回動ローラ104がドラム回動ローラ軸104bに取り付けられていて、また、ドラム回動ローラ軸104bの片端(図9において左側)には、ドラム回動ローラ歯車104cが取り付けられていて、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着された際、該ドラム回動ローラ歯車104cが両面印刷装置200側に設けられた動力伝達歯車(図9及び図10では図示せず)と噛合し、そして回動力が伝達される様になっている。尚、当該歯車の噛合方法についての詳細は後に説明する。
ところで、ロールRは、ロール紙カセット101において、図12に示す様な回転ドラム106に取り付けられた状態で回動する様に構成されている。ここで、図12は、ロールRを取り付ける回転ドラム106の分解斜視図である。即ち、回転ドラム106のドラム軸106bと、ロールRの軸芯rとが摩擦固定される様にドラム軸106bが軸芯rを軸通し、これによって回転ドラム106の鍔部106a,106a外周に回動力が伝達されると、ロールRが回動する様になっている。前述したドラム回動ローラ104は、該回転ドラム106の鍔部106a,106aに回動力を伝達するものであり、従って鍔部106a,106aがドラム回動ローラ104に担持され、そしてドラム回動ローラ104が回動することによってロールRが回動する様になっている。尚、図9及び図10に示す様に、ロール紙カセット101の中央下部には、ドラム補助ローラ105がドラム補助ローラ軸105bに図示の如く取り付けられていて、ドラム回動ローラ104と共に回転ドラム106を担持し、そして従動回動する様になっている。
ここで、回転ドラム106は、ドラム回動ローラ104上に単に載置されるような形となっているので、回転ドラム106(ロールR)は軸方向に移動可能となり、この様な回転ドラム104とドラム回動ローラ104とからなるロールRの「ロール紙移動可能化手段」によって、ロールRを給紙カセット101へセットする際に精密に軸方向の位置決めを行う必要が無く、ロールRの給紙カセット101へのセット作業が容易となっている。
次に、図9において、ロール紙カセット101の底部には、ドラム回動ローラ軸104bとドラム補助ローラ軸105bとの間に、ロール紙終端検出装置107が設けられている。ロールRの終端部分には、終端から一定長さであることを示す終端マークが付されていて、ロール紙終端検出装置107は、当該終端マークを読み取ることによってロールRの残り量を検出し、無駄な印刷動作を防止する機能を果たしている。尚、当該ロール紙終端検出装置107の詳細な構成については後に説明する。
次に、ロール紙カセット101の中程からやや後方側(図9における上方側)には、後に詳述するロール紙弛み形成装置109の弛み検出部を構成する回動部材118が配設されている。ロール紙弛み形成装置109は、ロールRと、第1記録装置202Aとの間のロール紙Pの弛み状態の適否を検出して、弛み状態「否」を検出した場合には、前述したドラム回動ローラ104を回動させて、ロールRと第1記録装置202Aとの間にロール紙Pの弛み状態「適」を形成する。ここで、弛み状態が「否」とは、ロールRと第1記録装置202Aとの間に弛みが少ししか無い状態又は殆ど弛みが無い状態を言い、場合によっては高いテンションが生じている状態をも含む。一方、弛み状態が「適」とは、ロールRと第1記録装置202Aとの間に弛みが形成された状態を言う。
従ってこれにより、第1記録装置202Aに搬送負荷(バックテンション)が加わらず、第1記録装置202Aにおいて安定した紙送り動作を行うことが可能となっている。尚、ロール紙弛み形成装置109の詳細な構成については、後に説明する。
次に、ロール紙カセット101の最も後方側には、第1記録装置202Aにロール紙Pを給送する給紙装置110が設けられている。給紙装置110は給紙ローラ111と給紙従動ローラ112(図9では図示せず:図10参照)とから大略構成され、ロール紙Pが給紙ローラ111と給紙従動ローラ112との間でニップされた状態で給紙ローラ111が回動駆動されることにより、ロール紙Pが第1記録装置202Aに給送される様になっている。また、給紙ローラ111の上流側近傍には補助ローラ138が補助ローラ軸138aに取り付けられていて、当該位置において補助ローラ138がロール紙Pに接触して従動回動することによって給紙動作をガイドしている。尚、当該給紙装置110の詳細な構成については、後に説明する。
次に、ロール紙カセット101においては、前述のロール紙終端検出装置107或いはロール紙弛み形成装置109が、両面印刷装置200の図示しない制御部と電気的に接続される必要がある。従って、図11に示す様に、ロール紙カセット101の後部には、両面印刷装置200との間の電気信号ラインを接続する為の副コネクタ114が固設されている。副コネクタ114は、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着された際に、両面印刷装置200側に設けられる主コネクタ113(図11では図示せず:図26参照)と接続して、ロール紙カセット101と両面印刷装置200本体との電気信号ラインを接続する。尚、主コネクタ113と副コネクタ114との接続方法についての詳細は、後に説明する。
次に、図9に戻って、ロール紙カセット101は、両面印刷装置200に装着された際に、両面印刷装置200に強固に固定される為の装着位置固定手段115A及び115Bを、後部両側に備えている。装着位置固定手段115A及び115Bは、給紙ローラ111を回動させる為の、ロール紙カセット101側に設けられる第2給紙ローラ歯車116b(図9及び図10では図示せず:図21参照)と、該第2給紙ローラ歯車116bに回動力を伝達する、両面印刷装置200本体側に設けられる動力伝達歯車117(図9及び図10では図示せず:図21参照)との噛合状態を確実なものとして、給紙ローラ111によるロール紙Pの給送を確実なものとしている。尚、当該装着位置固定手段115A、115Bの詳細な構成については、後に説明する。
以上が、ロール紙カセット101の概略である。
2−2.給紙装置の構成及び作用効果
次に、図13乃至図17を参照しつつ、給紙装置110の構成及び作用効果について詳述する。ここで、図13乃至図17はロール紙カセット101の一部構成要素のみを示した側断面概略図であり、ロール紙カセット101を両面印刷装置200に装着する際の、給紙装置110及び後に詳述するロール紙弛み形成装置109を構成する回動部材118の動作推移を示すものである。
先ず、図13を参照しつつ、給紙装置110の構成について説明する。図13において、給紙装置110は給紙ローラ111と給紙従動ローラ112を備えていて、これら2つのローラでロール紙Pをニップし、当該ニップした状態で給紙ローラ111が回動することによりロール紙Pを給送する。ここで、給紙ローラ111は給紙ローラ軸111aに一定間隔で複数個取り付けられるが(図9参照)、給紙ローラ軸111aは回動駆動される為に、いずれの方向にも変位しない様にロール紙カセット101に軸支されている。一方で、給紙従動ローラ112を取り付ける給紙従動ローラ軸112aは、図13において回動部材120の中程において軸支されているが、回動部材120は、給紙従動ローラ軸112aと平行な回動軸120aを中心に図13に示す時計方向及び反時計方向に回動可能となっているので、これによって給紙従動ローラ112は、鉛直位置を変位し、従って給紙ローラ111と離間及び近接(圧接)可能な状態となっている。
回動部材120において、給紙従動ローラ112を挟んで回動軸120aから更に離間した位置には、回動軸120aの軸方向に平坦な板状の加圧部120bが形成されていて、更に、該加圧部120bの下には、側面視略「く」の字形の形状をなすねじりコイルばね121が、その開口側をロール紙カセット101の手前側(図13において右側)にした状態で取り付けられている。ねじりコイルばね121は、図13に示した両面印刷装置200との非係合状態においては加圧部120bにその押圧力を付与していないが、両面印刷装置200との係合状態においては、加圧部120bに押圧力を作用させて、従って給紙従動ローラ112が給紙ローラ111に圧接する様になっている。
つまり、ねじりコイルばね121の一端121aは、加圧部120bへ付勢力を作用させる為の「付勢力作用部」をなし、また、ねじりコイばね121の他端121bは、加圧部120bへ付勢力を作用させる為の「付勢力支点部」をなしていることになる。
以下、図13乃至図17を参照しつつ、ロール紙カセット101の両面印刷装置200への装着過程において、ねじりコイルばね121の付勢力が給紙従動ローラ112に作用するまでの、給紙装置110の動作推移について説明する。
図中、符号122は両面印刷装置200側に設けられる本体側加圧部を示している。図13に示す様に本体側加圧部122とねじりコイルばね121とは最初非係合状態であるので、給紙従動ローラ112は給紙ローラ111に圧接せず、従って給紙ローラ111との間で一定のクリアランスを形成した状態となっている。そして、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着される際、図14に示す様にねじりコイルばね121の一端121bが本体側加圧部122と接触して加圧部120bに上方に向かう力を作用させ、従って回動部材120が回動軸120aを中心に図13に示す時計方向に回動し、給紙ローラ111と給紙従動ローラ112とのクリアランスがゼロとなる。そして当該状態から更にロール紙カセット101が両面印刷装置200に向かって進むことにより、図15に示す様にねじりコイルばね121が本体側加圧部122に完全に乗り上げ、本体側加圧部122と加圧部120bとの間で付勢力を発揮し、以て給紙従動ローラ112が給紙ローラ111に圧接した状態となる。以上が、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着される際の、給紙装置110の動作推移である。
この様に構成された給紙装置110の作用効果について以下説明する。ロールRをロール紙カセット101にセットし、そして当該ロール紙カセット101を両面印刷装置200にセットする際には、ロールRから予め一定量のロール紙Pを繰り出し、そして給紙ローラ111と給紙従動ローラ112との間に一定量繰り出したロール紙Pを挿通させる必要があるが、当該挿通作業時に給紙ローラ111と給紙従動ローラ112とが既に圧接状態にある場合、当該圧接状態を手動で解除した後にロール紙Pを挿通させなければならず、当該挿通作業が手間となる。しかし、給紙装置110は、ロール紙カセット101が両面印刷装置200から抜脱された状態においては給紙ローラ111と給紙従動ローラ112とを非圧接状態とし(図13の状態)、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着された状態において初めて給紙ローラ111と給紙従動ローラ112との圧接状態を形成するので(図15の状態)、従って前述したロール紙Pの挿通作業を容易に行うことができる。
2−3.ロール紙弛み形成装置の構成
ところで、給紙装置110と同様な構成によってその機能を発揮する別の装置が存在する。図13乃至図17に示した回動部材118及びねじりコイルばね123を主な構成要素とする、既に概説したロール紙弛み形成装置(以下「弛み形成装置」と略称する)109がそれであり、以下図13乃至図17及び図18乃至図20を参照しつつ、弛み形成装置109について詳述する。
先ず、弛み形成装置109の構成について図17を参照しつつ説明する。図17において、回動部材118は回動中心118aを中心にロール紙Pの給送経路を側面視して時計方向及び反時計方向に回動可能に取りつけられている。回動中心118aから離間してロール紙Pと接触する接触端にはガイド・ローラ124が取り付けられていて(図19参照)、ロール紙Pに接触して従動回動することによりロール紙Pとの間の接触摩擦抵抗を軽減する様に構成されている。また、回動部材118にはねじりコイルばね123が取り付けられていて、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着された状態において、該ねじりコイルばね123の一端が本体側加圧部122と係合して、回動部材118が立ち上がる方向に回動部材118を回動付勢している。
回動中心118aとガイド・ローラ124との間には、半月状のセンサ係合部118bが下方に尖る様に形成されている。図19は回動部材118を斜め上方から視た斜視図であり、センサ係合部118bとセンサ検出部119とが非係合状態にある状態(回動部材118が立ち上がっている状態)を示している。図19に示す様に、センサ係合部118bと係合するセンサ検出部119が設けられていて、回動部材118が寝る方向に回動すると、センサ係合部118bがセンサ検出部119を横切って、これによってロール紙Pの弛み状態「否」を検出するようになっている。逆に、ロール紙Pに弛み状態が形成されて回動部材118が立ち上がる方向に回動すると、センサ係合部118bとセンサ検出部119との係合状態が解除されて、ロール紙Pの弛み状態「適」を検出する様になっている。
ここで、ロール紙Pの弛み状態の変化と、回動部材118の回動方向との関係について図18を参照しつつ説明する。図18(A)はロール紙Pの弛みが減少し、回動部材118が寝ている状態を、図18(B)はロール紙Pが一定の弛みを形成し、回動部材118が立ち上がっている状態を示している。図18(B)に示す様に、ロール紙Pが充分に弛むと、回動部材118がねじりコイルばね123の付勢力によって立ち上がり、ロール紙Pの弛みが減少すると、ロール紙Pがねじりコイルばね123の付勢力に抗して回動部材118を寝る方向に回動させて、図18(A)の様な状態となる様に構成されている。尚、本実施形態においては、ロールRの巻き方向が図18における反時計回りとなった状態でロールRがロール紙カセット101にセットされているが、これを逆の状態、即ち時計回りの状態となる様にロール紙カセット101にセットしても構わない。
ところで、ねじりコイルばね123は、本体側加圧部122と係合することによって回動部材118に付勢力を付与する様になっていて、本体側加圧部122との非係合状態においては、その一端がフリー状態となっている為に回動部材118に付勢力を付与しない様になっている。図13は当該状態を示したものであり、ねじりコイルばね123と本体側加圧部122との非係合状態によって回動部材118が寝た状態となっている。これにより、給紙ローラ111と給紙従動ローラ112との間へロール紙Pを挿通させる際においても回動部材118が邪魔にならず、当該ロール紙Pの挿通作業がより容易なものとなっている。そして、図14及び図15に示す様に、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着される際に、最初に給紙装置110を構成するねじりコイルばね121が本体側加圧部122と係合してその機能を発揮し、次に、図15乃至図17に示す順序で弛み形成装置109を構成するねじりコイルばね123が本体側加圧部122と係合し、回動部材118を付勢して、以て弛み形成装置109の機能を発揮させる様になっている。
次に、弛み形成装置109の作用効果について図20を参照しつつ説明する。図20(A)は印刷動作中における弛み形成装置109の処理ルーチンを示すフローチャートであり、図20(B)は、ロールRの巻き取り動作中における弛み形成装置109の処理ルーチンを示すフローチャートである。
先ず、印刷動作中における弛み形成装置109の作用効果について図20(A)を参照しつつ説明する。弛み形成装置109はロール紙Pの弛み状態「否」を検出すると(ステップ501の肯定枝)、ドラム回動ローラ104を正転駆動してロールRを正転させることにより(ステップ502)、ロール紙Pの弛み状態「適」を形成する。従って、第1記録装置202Aにおける印刷動作の実行中、ロールRから第1記録装置202Aへの給送経路においては常にロール紙Pの弛み状態が形成されることになり、従って第1記録装置202Aに搬送負荷がかかることなく、以て第1記録装置202Aにおいて正常な印刷動作を行うことが可能となる。尚、ロール紙Pの弛み状態「否」を検出しない場合には、ドラム回動ローラ104の回動駆動を停止して(ステップ503)、ロール紙Pの弛み状態「否」を検出する迄待機する。これにより、ロール紙Pの送り出し過ぎも防止できる。以上により、弛み形成装置109により、ロールRの重量が増加してロールRを回動させる為に必要な力(ロール紙Pを繰り出す為に必要な力)が増大した場合においても、第1記録装置202Aにおいて正常な印刷動作を行うことができる。
次に、ロールRの巻き取り動作中における弛み形成装置109の作用効果について図20(B)を参照しつつ説明する。ロール紙Pが第1記録装置202Aの搬送ローラ203から一定量繰り出されている場合、これを巻き取る為には搬送ローラ203,給紙ローラ111を逆転させる必要があるが、この場合、第1記録装置202AとロールRとの間で極端な弛み状態が形成され、ロール紙Pの折れ曲がり等を発生させる場合がある。しかし、弛み形成装置109によってロール紙Pの弛み状態「適」が検出された場合にドラム回動ローラ104を逆転駆動し、ロールRを逆転方向に回動させてロール紙Pを巻き取ることによって、前述の様な不具合を回避することができる。従って、弛み形成装置109がロール紙Pの弛み状態「否」を検出しない場合、即ち、弛み状態「適」を検出した場合(ステップ601の否定枝)に、ドラム回動ローラ104を逆転駆動してロールRを逆転方向に回動させて弛み部分の巻き取りを行い(ステップ602)、そして弛み状態「否」を検出した場合には(ステップ601の肯定枝)、ドラム回動ローラ104を停止させて再びロール紙Pに弛みが形成されるまで待機する。
以上の様に、弛み形成装置109によって、印刷実行中の搬送負荷低減と、紙戻し動作中のロール紙Pの折れ曲がり防止という作用効果を得ることができる。
2−4.ロール紙カセットの位置決め及び装着位置固定手段
次に、図21乃至図25を参照しつつ、ロール紙カセット101の両面印刷装置200に対する位置決め及び装着位置固定手段について説明する。ここで、図21乃至図24はロール紙カセット101の側断面図であり、両面印刷装置200に装着する際の、ロール紙カセット101の各構成要素の動作推移を示すものである。また、図25は、ロール紙カセット101の後部斜視図である。
先ず、図21において、ロール紙カセット101の前方側(図21において右側)には、前述したドラム回動ローラ歯車104cが取り付けられている。当該ドラム回動ローラ歯車104cは、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着された際に、両面印刷装置200側に設けられてドラム回動ローラ歯車104cに回動力を伝達する動力伝達歯車125と噛合して、これによってドラム回動ローラ104が回動する。尚、符号126は駆動モータを示していて、該駆動モータ126に取り付けられたピニオン歯車127が歯車125aを介して動力伝達歯車125と常に連結された状態となっている。
次に、ロール紙カセット101の後方側(図21における左側)において、給紙ローラ軸111aの一端に取り付けられた第1給紙ローラ歯車116aが第2給紙ローラ歯車116bと噛合した状態で取り付けられている。ロール紙カセット101が両面印刷装置200に取り付けられた際、第2給紙ローラ歯車116bが両面印刷装置200側に取り付けられた動力伝達歯車117と噛合して、これによって給紙ローラ軸111a(給紙ローラ111)が回動する様になっている。尚、符号126a〜126dで示す歯車輪列は、図示を省略する駆動モータから動力伝達歯車117へ回動力を伝達する為の歯車輪列を示している。
以上説明した歯車同士の噛合状態、即ち、ドラム回動ローラ歯車104cと動力伝達歯車125との噛合状態及び、第2給紙ローラ歯車116bと動力伝達歯車117との噛合状態は、両面印刷装置200に対するロール紙カセット101の装着状態によってその適否が決定される。即ち、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に正確な位置に装着され、且つ、該装着状態が強固に保持されないと、前記歯車の回動によってロール紙カセット101が両面印刷装置200から離脱する方向に移動する虞がある。従って、ロール紙カセット101を両面印刷装置200に適切な状態で装着する為に、ロール紙カセット101は装着位置固定手段115Aを有していて、該装着位置固定手段115Aが、本体側ロック部材128Aと係合することによって、両面印刷装置200に正確な位置に装着され、且つ、該装着状態を強固に保持することができる様になっている。以下、当該装着位置固定手段115A及び本体側ロック部材128Aの構成について説明する。
ロール紙カセット101の後部(図21において左側)には、その突端部に装着位置固定手段115Aを構成するU字状溝部127が設けられている。当該U字状溝部127は図示の如くロール紙カセット101の装着方向側(図21における左側)に開口部を有する様に形成されていて、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着された際、両面印刷装置200側に設けられる本体側ロック部材128Aを構成する第1位置決めピン129aと係合し、ロール紙カセット101の装着方向(図21における左方向)への移動を規制して、ドラム回動ローラ歯車104cと動力伝達歯車125との噛合状態及び第2給紙ローラ歯車116bと動力伝達歯車117との噛合状態におけるバックラッシを最適化する様になっている。
次に、U字状溝部127の近傍には、装着位置固定手段115Aを構成するフック部材131が取り付けられている。フック部材131は、本体側ロック部材128を構成する第2位置決めピン130と引っ掛かる様に係合し、ロール紙カセット101が両面印刷装置200から離脱する方向(図21における右方向)への移動を規制する。より詳しくは、フック部材131は第2位置決めピン130の軸方向に直交する方向に回動する為の回動支点131aを備え、該回動支点131aを中心に回動することによって第2位置決めピン130との係合状態及び非係合状態を切り替える。回動支点131aの下方には、鉛直下方に延びるばね係合部131bが形成されていて、更に、該ばね係合部131bには図示の如く引っ張りコイルばね132が取り付けられていて、これによってフック部材131は第2位置決めピン130との係合状態を常に維持する方向に回動付勢されている。
また、第2の位置決めピン130との係合部から回動支点131aを挟んで更に離間した位置には、回動力作用部131cが回動支点131aから離間する方向に延びる様に形成されていて、該回動力作用部131cを上方から押下することによってフック部材131を第2位置決めピン130との係合状態を解除する方向に回動させることができる様になっている。一方、両面印刷装置200側には、ロール紙カセット101が装着された際に回動力作用部131cの上方に位置して該回動力作用部131cを押下可能なフック回動部133が設けられていて、装着状態にあるロール紙カセット101を両面印刷装置200から抜脱させる際に、ロール紙カセット101を上方に持ち上げることによってフック回動部133が回動力作用部131cを押下し、以てフック部材131と第2位置決めピン130との係合状態を解除することができる様になっている。
次に、両面印刷装置200へのロール紙カセット101の装着時における、装着位置固定手段115Aと本体側ロック部材128Aとの係合状態の推移について図21乃至図24を参照しつつ説明する。
先ず、図21において、ロール紙カセット101の底部には下に凸となる様なカセット側突起部134が形成されている。一方、両面印刷装置200側には上に凸となる様な本体側突起部135が形成されていて、ロール紙カセット101を両面印刷装置200に装着する際に、ロール紙カセット101を上方に少し持ち上げた状態で両面印刷装置200に装着する様になっている(図26も参照)。
次に、図22は、カセット側突起部134が本体側突起部135に乗り上げた状態を示している。当該状態において、U字状溝部127が第1位置決めピン129aとの係合を開始する。また、フック部材131においては、ロール紙カセット101の装着方向側先端部131dが、第2位置決めピン130との係合を開始する際に第2位置決めピン130に抵抗無く乗り上がる様に斜面状に形成されている為、従って先端部131dが第2位置決めピン130に乗り上がることによってフック部材131が図22における時計方向に若干回動した状態となっている。
次に、図22の状態からロール紙カセット101が更に装着方向に進み、カセット側突起部134が本体側突起部135を完全に通過した際においては、図23に示す様にU字状溝部127と第1位置決めピン129との係合状態が完了して、第2給紙ローラ歯車116bと動力伝達歯車117との噛合状態及びドラム回動ローラ歯車104cと動力伝達歯車125との噛合状態が最適な状態となる。
次に、図23に示す状態から図24に示す様に、カセット側突起部134が本体側突起部135の装置後方側(図23及び図24における左側)に完全に嵌り込んでロール紙カセット101が水平状態に戻り、カセット側突起部134と本体側突起部135との係合が完了すると、フック部材131と第2位置決めピン130との係合も完了し、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に完全に装着された状態、即ち、適正な位置に装着され、且つ、当該適正な位置に強固に固定された状態となる。
ところで、ロール紙カセット101における、動力伝達歯車117及び第2給紙ローラ歯車116b等の軸方向(図24における紙面の裏表方向)への装着位置固定は、図25に示す様な構成によって行われる。即ち、U字状溝部127と係合する第1位置決めピン129aは、図示の如くU字状溝部127と嵌合する嵌合部129bの両側に太径部を有している。該太径部の軸径は、U字状溝部127における径方向寸法よりも大なる様に形成されているので、U字状溝部127が第1位置決めピン129aと係合すると、U字状溝部127は嵌合する嵌合部129bの両側の前記太径部によって第1位置決めピン129aの軸方向への移動が拘束される。従ってこれにより、ロール紙カセット101は、図24における紙面の表裏方向への移動が拘束され、以て更に確実に両面印刷装置200に対する装着位置が固定される。
尚、ロール紙カセット101において、装着位置固定手段115Aが設けられる側と反対の側においては装着位置固定手段115Bが設けられていて(図9参照:装着位置固定手段115Aと同様な構成)、また、両面印刷装置200本体側には該装着位置固定手段115Bと係合する本体側ロック部材(図示せず:本体側ロック部材118Aと同様な構成)が設けられていて、これによってロール紙カセット101は更に確実に両面印刷装置200に保持固定される様になっている。
ところで、この様に構成された装着位置固定手段115Aは、単に両面印刷装置200に対するロール紙カセット101の装着状態を適切なものとするのみならず、以下の様な作用効果を奏している。即ち、図24に示す様に、装着位置固定手段115Aは、ロール紙カセット101が両面印刷装置200に装着された際に、動力伝達歯車117及び第2給紙ローラ歯車116bの近傍において両面印刷装置200本体側に設けられた本体側ロック部材118Aと係合して、その機能を発揮する。一方、動力伝達歯車117及び第2給紙ローラ歯車116bとが噛合し、そして回動力が伝達されると、第2給紙ローラ歯車116bは動力伝達歯車117から離間する方向の力を受け、ロール紙カセット101を両面印刷装置200から抜脱させようとする。しかし、装着位置固定手段115Aが、動力伝達歯車117及び第2給紙ローラ歯車116bの近傍に設けられているので、従って前記離間する方向の力に確実に抗することができ、以て動力伝達歯車117と第2給紙ローラ歯車116bとの適切な噛合状態をより精密な状態で保持することが可能となる。
尚、ロール紙カセット101を両面印刷装置200から抜脱する抜脱作業は、前述と逆の順序を経ることによって行うことができる。即ち、図24に示す装着状態から、ロール紙カセット101を上方に持ち上げながら両面印刷装置200前方側(図24における右方向)に引き出すことにより、ロール紙カセット101を両面印刷装置200から抜脱することができる。より詳しくは、ロール紙カセット101を上方に持ち上げることによって、フック回動部133によってフック部材131の回動力作用部131cを押下し、そしてフック部材131と第2位置決めピン130との係合状態を解き、そしてロール紙カセット101が抜脱可能な状態となる。ここで、装着状態にあるロール紙カセット101の後方側はユーザ側から視認することができず、従ってフック部材131,第2位置決めピン130,フック回動部133のこれらの関係を理解できない為にユーザによってはロール紙カセット101を上方に持ち上げることによって抜脱可能となることが理解できない場合があるが、ロール紙カセット101及び両面印刷装置200においては、着脱作業時にユーザ側から視認可能となる位置にカセット側突起部134及び本体側突起部135が設けられている為、これらの関係によってロール紙カセット101の抜脱時にロール紙カセット101を上方に持ち上げる必要性を理解することができ、以てユーザが容易にロール紙カセット101の抜脱作業を行うことができる様になっている。
2−5.接続コネクタ取付装置及び接続方法
次に、図26乃至図28を参照しつつ、主コネクタ113の取付装置の構成及び、主コネクタ113と副コネクタ114との接続方法について説明する。ここで、図26は主コネクタ113の取付状態を示す斜視図であり、図27(A)は主コネクタ113を取り付ける接続コネクタ取付装置136の平面図、図27(B)は同側断面図である。また、図28(a)〜(e)は、主コネクタ113と副コネクタ114との接続方法を示す側断面図である。
先ず、図26に示す様に、主コネクタ113は、ロール紙カセット101が装着される両面印刷装置200の中程において、装置手前側(ロール紙カセット101に対向する方向)に接続口を向けた状態で図示の如く接続コネクタ取付装置136によって取り付けられている。主コネクタ113はロール紙カセット101が装着された際、ロール紙カセット101底部に設けられる副コネクタ114(図11参照)と接続可能な位置に取り付けられている。ここで、副コネクタ114は、ロール紙カセット101において揺動することの無い様に固設されていて、一方で主コネクタ113は、その接続口が副コネクタ114に対して揺動可能な様に接続コネクタ取付装置136によって取り付けられている。
次に、図27を参照しつつ、接続コネクタ取付装置136の詳細な構成について説明する。図27において、主コネクタ113はコネクタ取付板141に取り付けられている。コネクタ取付板141は図27(B)に示す様に、側面視において下部が装置後方側(図27(B)における左側)に向かって延びる様なL字形状をなしている。コネクタ取付板141を挟む様に第1ガイド部材140及び第2ガイド部材139が設けられていて、コネクタ取付板141は、第1ガイド部材140と第2ガイド部材139との間で一定のクリアランスを形成した状態に置かれ、且つ、コネクタ取付板141に形成されたストッパ部141bが、第1ガイド部材140の下部と当接可能となっていることにより、コネクタ取付板141(主コネクタ113)の上方への移動を規制する様になっている。
第1ガイド部材140とストッパ部141bとの間には引っ張りコイルばね137が取り付けられていて、ストッパ板141(主コネクタ113)は、これによって常に上方に付勢された状態となっている。
以上により、図27(B)の矢印で示す様にコネクタ取付板141が第1ガイド部材140と第2ガイド部材139との間で揺動可能となり、従って主コネクタ113が揺動可能となっている。以上が、接続コネクタ取付装置136の構成である。
次に、図28を参照しつつ、接続コネクタ取付装置136の作用効果について説明する。図28において符号114はロール紙カセット101に固設される副コネクタを示していて、また、主コネクタ113は雄形状コネクタ113aと雌形状コネクタ113bとからなり、更に、副コネクタ114は雌形状コネクタ114aと雄形状コネクタ114aとからなっていて、雄形状コネクタ113aと雌形状コネクタ114aとが接続され、同時に、雌形状コネクタ113bと雄形状コネクタ114bとが接続される様になっている。
先ず、図28(a)に示す様に、主コネクタ113は、副コネクタ114との接続前においては略水平状態を保っている。一方、ロール紙カセット101に固設された副コネクタ114は、主コネクタ114に対し角度αを有した状態で接近する(図22に示したロール紙カセット101の状態)。
次に、図28(b)に示す様に、副コネクタ114の先端が主コネクタ113に嵌入を開始し、少し嵌入した時点で図28(c)に示す状態となる。ここで、副コネクタ114が角度αを有した状態となっていて、且つ、主コネクタ113が図27(B)に示す矢印の方向に揺動可能となっているので、主コネクタ113は、副コネクタ114の姿勢に合わせて上向きの角度αを形成した状態に変位する。
次に、図28(d)に示す様に副コネクタ114が主コネクタ113に完全に嵌入し(ロール紙カセット101は図23に示した状態)、そして、ロール紙カセット101が水平状態となるに従い(図24に示した状態)、図28(e)に示す様に副コネクタ114が主コネクタ113を水平状態にするとともに、引っ張りコイルばね137の付勢力に抗して主コネクタ113を下方に変位させる。
この様に、主コネクタ113は、図28(c)に示す様な「出迎え時コネクタ角度」と、図28(e)に示す様な「接続時コネクタ角度」とを、副コネクタ114との係合状態に従って自在に変位可能に取り付けられているので、主装置としての両面印刷装置200に対する、副装置としてのロール紙カセット101の着脱動作において、図21乃至図24に示した様にロール紙カセット101が両面印刷装置200に対して種々の角度を形成する様な場合においても、主コネクタ113が副コネクタ114の姿勢に合わせることができ、従ってコネクタ同士の接続或いは切り離し動作を無理無く円滑に行うことが可能となる。
尚、本実施形態においては、主コネクタ113は副コネクタ114との非係合状態において略水平状態をなしているが、予め副コネクタ114の進入角度(α)と同じ角度をなす様に設けておくことで、更に円滑に主コネクタ113と副コネクタ114との接続或いは切り離し動作を行うことが可能となる。また、本実施形態においては、接続コネクタ取付装置136を、両面印刷装置200とロール紙カセット101との間におけるコネクタ間接続に適用してその作用効果を得ているが、その他の一般的な装置間接続、即ち、主装置と該主装置に着脱可能に設けられる副装置との間におけるコネクタ間接続に適用可能であることは言うまでも無い。
2−6.ロール紙終端検出装置の構成及び作用効果
次に、図7,図9及び図29を参照しつつ、ロール紙終端検出装置107の詳細な構成及び作用効果について説明する。ここで、図29は、ロール紙カセット101乃至第1記録装置202Aに至るロール紙Pの給送経路の側面図である。
図7及び図9において、ロール紙終端検出装置(以下「終端検出装置」と言う)107は、ロール紙カセット101の底部に設けられる。終端検出装置107はロールRの回動軸と平行な回動軸142aを有する回動部材142と、該回動部材142において回動軸142aから離間した位置に設けられる、「終端マーク読み取りセンサ」としての反射率センサ144とから大略構成されている。
回動部材142は図示を省略する付勢部材によって立ち上がる方向(ロールRに圧接する方向)に回動付勢されていて、ロールRの残量が減少するに従ってロールRの外径が縮小しても、回動軸142aから離間した位置に設けられるガイド・ローラ143,143が、常にロールRの外周面に接触して従動回動することができる様になっている。
ロールRは、その終端部分において、終端から一定長さに渡って終端マーク(例えば、特定の色の塗りつぶし)が付されていて、反射率センサ144は、終端マークの付されていない部分の色(例えば、白色)と、終端マークの付されている部分の色との反射率差を検出して、反射率センサ144が当該反射率差を検出すると、終端検出装置107は、反射率センサ144の検出位置においてロールRが終端にさしかかったことを両面印刷装置200の図示しない制御部へ送信する様になっている。
次に、図29において、符号lは、反射率センサ144の終端マーク検出位置から、第1記録装置202Aにおいて記録動作を開始する際のロール紙P先端位置までの経路長、即ちロール紙Pの長さを示している。
両面印刷装置200においては、1回の記録動作において必要なロール紙Pの長さが、最も長いもので長さmとなっている。ここで、前記経路長lと、前記1回の記録動作において必要なロール紙Pの長さmとの関係が、l>mとなる様に、反射率センサ144及び第1記録装置202Aが配置されている。
従って、反射率センサ144が終端マークを検出しない場合には、少なくとも残り1回の印刷動作に必要な長さが必ず存在すると判断することができ、当該状態において印刷動作を開始すれば印刷途中でロール紙Pの残り長さが不足して無駄な印刷動作を行う不具合を回避することができる。従って終端マークを検出した場合には、残り1回の印刷動作に必要な長さが存在しないと判断することができるので、この場合は印刷動作を開始せず、場合によっては搬送駆動ローラ203a,給紙ローラ111及びドラム回動ローラ104を逆転駆動することによってロール紙Pを巻き取る。
以上により、残量の判別し難いロールRにおいても、少なくとも残り1回の印刷動作を行うことが可能か否かが印刷動作開始前に正確に判断可能となり、以て無駄な印刷動作を排除することができる。
尚、1回の印刷動作に必要なロール紙Pの長さmが長く、前記経路長lを充分に確保できない様な場合には、一旦ロール紙Pを第1記録装置202Aから一定量繰り出してロール紙P先端から反射率センサ144の検出位置までの経路長をm以上とし、当該状態において反射率センサ144によって終端マークの有無を検出し、終端マークが非検出であれば、再度ロール紙P先端が印刷動作開始位置まで戻る様に紙戻し動作を行い、そして印刷動作を開始することによって同様な作用効果を得ることができる。
3.カッター装置の構成及び作用効果
3−1.カッター装置の概略構成
次に、図30乃至図33を参照しつつ、カッター装置150Bの概略構成について説明する。図30はカッター装置150Bを正面上方から視た外観斜視図であり、図31は、カッター装置150Bに設けられる排紙フレーム168を取り外した状態を示す同外観斜視図である。また、図32は、カッター刃ユニット151の斜視図であり、図33(A),(B)はカッター装置150Bの両側面図である。
図30及び図31において、カッター装置150Bはサイドフレーム161a,161cと、該サイドフレーム161a,161cの間に設けられる、ロール紙Pの幅方向に長いメインフレーム161bと、同様にロール紙Pの幅方向に長い排紙フレーム168のこれらフレーム部材によってその基体が大略構成され、カットされるロール紙Pは、排紙フレーム168の下部を、図30及び図31における奥側から手前側に向かって進み、そして排出される様になっている。尚、図5及び図6に示した様に、図30及び図31におけるカッター装置150Bの奥側(上流側)には第2記録装置202Bが配置されていて、カッター装置150Bは該第2記録装置202Bにおいて印刷の行われたロール紙Pを所定の位置でカットする。
排紙フレーム168の奥側には図31に示す様にカッター刃ユニット151が配設されている。カッター刃ユニット151は、メインフレーム161bの両端部付近にそれぞれ設けられる駆動プーリ(図示せず)及び従動プーリ(図示せず)に掛架される駆動ベルト(図示せず)に固定され、サイドフレーム161cに取り付けられた駆動モータ156によって前記駆動プーリ(図示せず)が回動されることにより、図30及び図31における左右方向(ロール紙Pの幅方向)に往復動することができる様になっている。
図32はカッター刃ユニット151の拡大斜視図である。カッター刃ユニット151はロータリカッター刃152と該ロータリカッター刃152を軸支するカッター刃ホルダ154とから構成されている。ロータリカッター刃152は、円盤面がロール紙Pの進行を遮る様な垂直面と平行に配置され、且つ、図31に示す様なロール紙Pの幅方向に長い、水平面に平行に設けられる剪断板153の端面から、円盤の上部が少し上方に突出した状態で、且つ円盤面が前記剪断板153の端面と接触する様に設けられている。また、ロータリカッター刃152は、回動軸152aを中心に回動可能にカッター刃ホルダ154に軸支されていて、カッター刃ユニット151が図32の矢印方向に往復動すると、剪断板153との摩擦力によって従動回動し、ロール紙Pを剪断板153との間で剪断する様になっている。
次に、図30及び図31に戻って、排紙フレーム168の下部には排紙駆動ローラ軸155aがサイドフレーム161a,161cに軸支され、該排紙駆動ローラ軸155aには、軸方向に渡って複数個の排紙駆動ローラ155が取り付けられている。排紙駆動ローラ軸155aへは、両面印刷装置200本体側に設けられる駆動モータ(図示せず)から、サイドフレーム161cに設けられる歯車輪列158を介して回動力が伝達され、そして排紙駆動ローラ155が回動する様になっている。図33(B)は当該歯車輪列158を示したものであり、図示の様に歯車輪列158はカッター装置150Bの最も上流側(図33における左側)に取り付けられた歯車174と、排紙駆動ローラ軸155aの一端に取り付けられた歯車172と、歯車174と歯車172とを連結する連結歯車173とからなり、両面印刷装置200に設けられた動力伝達歯車175に歯車174が噛合することにより、排紙駆動ローラ軸155aが回動する様になっている。
次に、図30に戻って排紙フレーム168には排紙従動ローラ取付装置160がロール紙Pの幅方向に渡って複数取り付けられていて、また、該排紙従動ローラ取付装置160によって、排紙駆動ローラ155と接触して従動回動する排紙従動ローラ163が取り付けられている(図30では図示せず)。従って、ロータリカッター刃152によってカットされたロール紙Pは、排紙駆動ローラ155と排紙従動ローラ163とによってニップされ、当該ニップされた状態で排紙駆動ローラ155が回動することにより排出方向(図30における手前側方向)へ排出される。尚、排紙従動ローラ取付装置160の詳細な構成については、後に説明する。
以上が、カッター装置150Bの概略構成である。
3−2.排紙従動ローラ取付装置の構成及び作用効果
次に、図34及び図35を参照しつつ、排紙従動ローラ取付装置160の詳細な構成及び作用効果について説明する。ここで、図34は、排紙従動ローラ取付装置160の斜視図であり、図35(A),(B)は、排紙従動ローラ取付装置160の側断面図である。
図34に示す様に、排紙従動ローラ取付装置160は、排紙フレーム168に取り付けられる枠部材162と、該枠部材162に回動可能に取り付けられる、排紙従動ローラ163を軸支する回動部材164と、枠部材162と回動部材164との間に掛架される引っ張りコイルばね165とから構成されている。
枠部材162は回動部材164を囲む様な形状をなし、図35に示す様に側面視略L字形の形状をなす排紙フレーム168のコーナー部分において回動部材164の回動軸164bを軸受ける軸受部162bを有している。また、下流側(図35において右側)には引っ張りコイルばね165の一端が係合する係合部162aが形成されている。
回動部材164は、図35に示す軸支部164aによって排紙従動ローラ163を図34に示す様に軸方向に2ヶ軸支する。排紙従動ローラ163は、歯車形状をなすスター・ホイルからなり、これによって印刷の行われたロール紙Pと点接触して半乾燥状態となっている印刷面における、インクの再付着を防止している。尚、本実施形態においては排紙従動ローラ163にロール紙Pと点接触を行うスター・ホイルを用いているが、印刷面のインクの乾燥状態が良好であれば、これをロール紙Pと弾性的に接触する弾性ローラとし、弾性的な接触によって印刷面を保護する様にすることもできる。
ここで、回動部材164は、上流側(図35における左側)に設けられた回動軸164bを中心に図35に示す時計方向及び反時計方向に回動可能となっていて、回動することにより、排紙従動ローラ163が、仮想線で示す排紙駆動ローラ155に対して離間及び接近(圧接)することができる様になっている。また、回動部材164には、上流側斜め上方(図35における左上)に向かって延びる様なアーム部164cが形成されていて、該アーム部164cの突端には、引っ張りコイルばね165の一端が係合する係合部164dが形成されてる。該係合部164dと枠部材162に形成された係合部162aとの間には前述の様に引っ張りコイルばね165が掛架されているので、これにより、回動部材164は、常に図35に示す時計方向に回動付勢された状態となり、従って排紙従動ローラ163は、常に排紙駆動ローラ155に圧接する方向に付勢された状態となっている。
以上の様に構成された排紙従動ローラ取付装置160の作用効果について以下図35を参照しつつ説明する。先ず、前述の様にカッター装置150Bにおいてはロータリカッター刃152がロール紙Pの幅方向に移動しつつ、ロール紙Pを剪断板153との間で剪断するが、この際に剪断されるロール紙Pは上方に浮き上がろうとする(図35(B)の状態)為、当該浮き上がろうとする部分は、引っ張りコイルばね165によって付勢されている排紙従動ローラ163から押さえ付けられる様な押圧力を受ける。
ここで、ロール紙Pの厚さ或いは材質等によって、前記ロール紙Pが浮き上がろうとする力は異なるものとなり、従ってロール紙Pの材質等に応じた適正な押圧力を設定する必要があるが、当該押圧力の設定は、引っ張りコイルばね165のばね定数を変更するのみで行うことができる。即ち、引っ張りコイルばね165は、係合部164dと係合部162aとの間に掛架されて、回動部材164を回動付勢する役割のみを果たしているので、図37に示した従来技術に係る棒ばね191の如く、排紙従動ローラ190の軸支部材と付勢部材とを兼ねる様な構成と比してばね定数の変更の自由度が向上し、従って容易に且つ簡単に、ロール紙Pを押圧する押圧力の設定を行うことが可能となる。
また、図30に示した様に、排紙従動ローラ取付装置160はロール紙Pの幅方向に渡って複数設けられ、従ってそれぞれ単独で排紙従動ローラ163を鉛直方向に変位可能に取り付けているので、ロール紙Pの幅方向に渡って複数設けられる排紙従動ローラ163が全て一体的に排紙駆動ローラ155に対して近接及び離間する様な構成と比して、ロータリカッター刃152によってカットされて浮き上がろうとするロール紙Pの部分と、それ以外の部分と、において適切な押圧力を付与することができる。
尚、本実施形態においては、前述の様な作用効果を奏する排紙従動ローラ取付装置160をカッター装置150Bに設けられる排紙従動ローラ163の取付に適用したが、図6に示した、第1記録装置202A或いは第2記録装置202Bに設けられる排紙従動ローラ205b等の取付に適用可能であることは言うまでも無い。
3−3.ロール紙挟圧手段の構成及び作用効果
次に、図36を参照しつつ、ロータリカッター刃152の上流側近傍でロール紙Pを挟圧保持する挟圧手段の構成及び作用効果について説明する。ここで、図36はカッター装置150Bの側断面図であり、(A)はロータリカッター刃152(カッター刃ユニット151)が待機位置(図8における左側端)にある状態を、(B)はロータリカッター刃152が待機位置に無い状態(ロール紙Pを剪断している状態)を示している。
図36(A)において、ロータリカッター刃152の下流側近傍には前述の様に排紙駆動ローラ155及び排紙従動ローラ153が配設されている。排紙駆動ローラ155は排紙駆動ローラ軸155aに取り付けられているが、排紙駆動ローラ軸155aの一端には、第1カムフォロア部167が設けられていて(図31参照)、該第1カムフォロア部167には、ロール紙Pの幅方向に長い遮断板166が連結されている(図31参照)。第1カムフォロア部167は排紙駆動ローラ軸155aを中心に図36に示す時計方向及び反時計方向に回動可能に設けられていて、また、第1カムフォロア部167に連結された遮断板166も、同様に排紙駆動ローラ軸155aを中心に回動する様になっている。更に、第1カムフォロア部167は、図示しないねじりコイルばねによって図36(A)に示す反時計方向(遮断面166aが垂直状態に向かう回動方向)に回動付勢された状態となっている。
第1カムフォロア部167は、カッター刃ユニット151が待機位置に無い場合(ロール紙Pのカット動作中である場合)には「カム部」としてのカッター刃ユニット151との係合状態が解かれ、前記ねじりコイルばね(図示せず)の付勢力によって図36(B)に示す様に遮断面166aが略垂直状態となった状態に置かれている。一方で、カッター刃ユニット151が待機位置にある場合にはカッター刃ユニット151の第1カム面151a(図32参照)と係合して図36(A)に示す様な状態に置かれ、これにより、遮断板166の遮断面166aが水平面に対して鋭角をなした状態となる。
ここで、ロール紙Pは、カッター装置150Bの非カット動作時において剪断板153と、後に詳述する挟圧駆動ローラ169との間のクリアランスを通過し、排紙駆動ローラ155と排紙従動ローラ153とにニップされて下流側(図36(A)において矢印で示す方向)に進行するが、剪断板153と挟圧駆動ローラ169との間を通過したロール紙Pの先端が、場合によって排紙駆動ローラ155の手前で下方に垂れ下がることにより、ロール紙Pの先端が排紙駆動ローラ155の下側に潜り込んで正規の進行経路を進まない虞がある。しかし、遮断板166の遮断面166aが図36(A)に示す様に水平面に対して鋭角をなした状態となっていることにより、ロール紙Pの先端が排紙駆動ローラ155の下に潜り込む様な不具合を防止し、ロール紙Pが確実に正規の進行経路を辿る様に構成している。
次に、剪断板153の下部には回動部材170が回動軸170bを回動中心として図36に示す時計方向及び反時計方向に回動可能に設けられ、且つ、ねじりコイルばね171によって、常に図36に示す反時計方向に回動付勢された状態に置かれている。回動部材170は、回動軸170bから離間した位置において挟圧駆動ローラ軸169aを軸支し、該挟圧駆動ローラ軸169aには、挟圧駆動ローラ169が取り付けられていて、該挟圧駆動ローラ軸169が、回動部材170の回動により、剪断板153に対して離間及び圧接可能となっている。
回動部材170においてカッター刃ユニット151の下方に位置する部分には第2カムフォロア部170aが形成されていて、該第2カムフォロア部170aは、第1カムフォロア部167と同様、カッター刃ユニット151が待機位置に無い場合(ロール紙Pのカット動作中である場合)にはカッター刃ユニット151下部の第2カム面151bとの係合状態が解かれ、これにより、ねじりコイルばね171の付勢力によって図36(B)に示す様に挟圧駆動ローラ169が剪断板153に圧接した状態となる。一方で、カッター刃ユニット151が待機位置にある場合にはカッター刃ユニット151の第2カム面151bと係合して図36(A)に示す様な状態に置かれ、これにより、剪断板153と挟圧駆動ローラ169との間にロール紙Pが通過する一定のクリアランスを形成する様になっている。
尚、挟圧駆動ローラ軸169aには回動力が伝達され、従って挟圧駆動ローラ169が回動可能となる様に構成されている。図33(A)は当該挟圧駆動ローラ169を回動可能とする歯車機構157の構成を示したものであり、符号180は、挟圧駆動ローラ軸169aの一端に設けられる歯車を示している。歯車機構157は図30に示した様にカッター装置150Bのサイドフレーム161aに設けられていて、該サイドフレーム161aにおいて、歯車176乃至179が噛合した状態で回動可能に固設されている。また、歯車180は歯車179と常に噛合した状態に設けられているが、前述の通り、歯車180を取り付ける挟圧駆動ローラ軸169aは回動部材170の回動によってその軸心位置が変位する為、従って図33(A)においては、歯車180は、歯車179を太陽歯車とする遊星歯車となっている。歯車180に動力を伝達する歯車176は、排紙駆動ローラ軸155aに取り付けられていて、従って排紙駆動ローラ軸155aの回動により、挟圧駆動ローラ軸169aが回動する様になっている。尚、排紙駆動ローラ軸155aを回動させる歯車機構158は、図33(B)を参照しつつ前述した通りである。
以上の様に構成された挟圧駆動ローラ169によるロール紙Pの挟圧手段について以下図36を参照しつつその作用効果を説明する。ロール紙Pをカッター装置150Bによって所定の位置でカットする際、例えばロール紙Pの始端部分における僅かな長さをカットする様な場合には、ロータリカッター刃152から上流側(図36における左側)においては充分な長さのロール紙Pが存在する為にロール紙Pはその姿勢が拘束され、従って斜行することなく安定してカットされるが、ロール紙Pの終端部分における僅かな長さのみをカットする場合には、ロータリカッター刃152から上流側(図36における左側)には充分な長さのロール紙Pが存在しない為にロール紙Pはその姿勢が拘束されず、従ってカット時にロール紙Pが斜行して適正なカットが行われない虞がある。しかし、前述したロール紙Pの挟圧手段、即ち、挟圧駆動ローラ169がロール紙Pを剪断板153との間で挟圧保持することにより、カット時においてはロール紙Pがその姿勢を拘束され、従ってロール紙Pの後端の僅かな部分をカットする際にも斜行することなく安定したカットを行うことができ、また、ロール紙Pの後端の僅かな部分をカットする場合以外においても、ロール紙Pを挟圧保持することによって更に確実に安定したカットを行うことが可能となる。
また、例えばロール紙Pの後端部分を切断した場合には、そのカット屑が挟圧駆動ローラ169と剪断板153との間で挟圧保持された状態となっているが、当該状態から単に挟圧保持状態を解除したのみでは、前記カット屑がいずれの方向(挟圧駆動ローラ169から上流側か、或いは下流側か)に落下するかが定まらず、従って目的の場所へカット屑を落下させることができない場合がある。しかし、カット屑を挟圧保持した状態においても挟圧駆動ローラ169は回動することが可能となっているので、これによって前述の様な不具合を招かずに、目的とする方向へカット屑を落下させることが可能となる。即ち、カット屑を挟圧保持した状態で挟圧駆動ローラ169を正転方向(図36に示す時計方向)に回動させることによって、カット屑を下流側に排出することができ、また、逆転方向(図36に示す反時計方向)に回動させることによって、カット屑を上流側に排出することができる。
本発明によれば、第1プリンタから第2プリンタへの搬送中に連続紙が水平方向に進行し180度U字形に反転した後、再び水平方向に進行する経路をとる。従って搬送途中で捻りや余分な屈曲を生じないから、変な撓み癖が付いたり、搬送経路を逸脱する可能性がなくなり、搬送途中でのジャムや用紙ずれがほとんど生じなくなる。
また、案内路の途中に第1プリンタで印刷された連続紙の部分を、第2プリンタでの印刷が開始される前に切断する切断装置を備えるようにすれば、第2プリンタによる印刷が開始される前に、連続紙を切断装置により切断して単票紙の状態にすることができるので、第1プリンタにおける紙送りローラの回転と第2プリンタにおける紙送りローラの回転との同期をとる必要がない。
またロール紙カセットの蓋部を開放する蓋部開放動作が、ダストスタッカに堆積したカットダストを廃棄するダスト廃棄動作を兼ねているので、これによってダストスタッカに堆積したカットダストの廃棄忘れを効果的に防止することが可能となる。
更に長尺化によって重量の増加した、ロール状に巻かれた被記録材を用いて記録を行う場合にあっても、弛み形成装置が、ロール紙ロールと搬送ローラとの間で強制的に前記被記録材の弛み状態を「適」にするので、搬送ローラは重量の増加した、大なる繰り出し力を必要とするロール紙の影響を受けずに、精密な紙送り動作を維持することができる。
更にまた本発明によれば、給紙ローラ及び給紙従動ローラを圧接状態とするローラ付勢部材が、給紙装置の着状態においては記録装置本体の一部と係合して給紙ローラ又は給紙従動ローラに前記圧接方向への付勢力を付与し、一方で、給紙装置の脱状態においては記録装置本体の一部との係合状態を解除して前記付勢力を付与しない圧接状態切り換え構造となっている。即ち、給紙装置装着前は給紙ローラと給紙従動ローラとが非圧接状態となっていて、給紙装置を装着することによって初めて給紙ローラと給紙従動ローラとが圧接状態となるので、これによって給紙装置装着前において、被記録材を給紙ローラと給紙従動ローラとの間に容易に挿通させることが可能となり、以て給紙装置の操作性を向上させることが可能となる。