JP3862471B2 - 熱転写プリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱転写プリンタに係わり、特にインクリボンを記録媒体から引き剥がす時のインクリボンの位置ズレを修正可能な熱転写プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱転写プリンタは、図示を省略するが、プラテンローラが配設され、このプラテンローラには、ライン式のサーマルヘッドが接離可能に配設されている。
そして、プラテンローラとサーマルヘッドとの間には、記録媒体とインクリボンとが配設されるようになっている。
【0003】
前記インクリボンは、プラテンローラの回転で、記録媒体と共にサーマルヘッドの下流側に引き回しされると共に、サーマルヘッドの下流側に配設されている剥離ローラに引き回しされて巻取りコアに巻取り可能になっている。
このような従来の熱転写プリンタは、印刷時に記録媒体3に密着しているインクリボン4を、剥離ローラを用いて引っ張ることにより、サーマルヘッドの端部等で、記録媒体3から引き剥がすと共に、印刷終了後のインクリボン4のたるみをなくするようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような従来の熱転写プリンタは、印刷時に記録媒体に密着したインクリボンを、剥離ローラで引き剥がす時に、記録媒体への印刷が1行全部印刷されてない場合等には、インクリボンに加わる張力が左右で均等にならず、剥離ローラに対して位置ズレして斜行することがある。
このようなインクリボンに斜行が発生すると、印刷後のインクリボンを巻取るに従って、インクリボンが、サーマルヘッドの発熱素子から外れて、記録媒体に印刷できなくなるおそれがあった。
【0005】
また、インクリボンの位置ズレによって、サーマルヘッド端部のインクリボン剥離部分でしわが発生することがある。このようなしわが発生すると、サーマルヘッドの発熱素子に圧接される部分もしわが発生する。
このしわによって、インクリボンのインクを記録媒体に適正に転写することができず、印刷品質が低下するおそれがあった。
本発明は、前述したような問題点に鑑みてなされたもので、印刷後のインクリボン巻取り時に発生するインクリボンの斜行等を修正可能な剥離ローラを有する熱転写プリンタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の解決手段として本発明の熱転写プリンタは、インクリボンと、このインクリボンのインクを記録媒体に熱転写可能な複数の発熱素子を有するサーマルヘッドと、前記インクリボンを巻取り可能な巻取りリールと、前記記録媒体に前記インクリボンのインクを熱転写した印刷後に前記記録媒体から前記インクリボンを剥離可能な回転自在の剥離ローラとを有し、
この剥離ローラは、外周面が摩擦部材で覆われてなるとともに、印刷後に前記記録媒体に密着している前記インクリボンを前記記録媒体から剥離可能に印刷位置の前記インクリボンの送り方向下流側に前記インクリボンの送り方向と直交する方向である前記インクリボンの幅方向に移動可能となるように弾性部材により弾性付勢されている構成とした。
【0007】
また、前記課題を解決する第2の解決手段として、前記剥離ローラは、回転中心の両端部に前記弾性部材が配設され、前記記録媒体に印刷前の初期状態においては、前記弾性部材によって前記剥離ローラが中立位置に位置するようにした構成とした。
【0008】
また、前記課題を解決するための第3の解決手段として、前記弾性部材は、コイルバネから成る構成とした。
【0009】
また、前記課題を解決する第4の解決手段として、前記摩擦部材の幅方向の長さ寸法は、前記インクリボンの幅寸法より長く形成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のサーマルプリンタを図1、図2に基づいて説明する。まず、図1は本発明の熱転写プリンタの要部を説明する概略図であり、図2は本発明に係わる剥離ローラの要部断面図である。
本発明の1実施の形態の熱転写プリンタは、図1に示すような、矢印A方向の反時計回り方向に回転可能なプラテンローラ1と、このプラテンローラ1に圧接可能なサーマルヘッド2とが配設されている。
【0011】
前記サーマルヘッド2は、複数の発熱素子2aがプラテンローラ1の軸方向と平行方向に整列して形成され、サーマルヘッド2をヘッドダウンさせると、発熱素子2aがプラテンローラ1に圧接するようになっている。
また、サーマルヘッド2の図示左側には、後述するインクリボン4を記録媒体3から引き剥がすための引き剥がし端部2bが突出形成されている。
また、プラテンローラ1の図示右側である上流側には、記録媒体3を収納する給紙部(図示せず)が配設され、記録媒体3は、給紙部から矢印B方向の下流側に搬送されて、プラテンローラ1とサーマルヘッド2との間に位置するようになっている。
【0012】
また、プラテンローラ1とサーマルヘッド2との間に搬送されて位置する記録媒体3の上部には、インクリボン4が引き回しされて位置するようになっている。
また、印刷後記録媒体3に密着しているインクリボン4を、所定の角度αで記録媒体3から引き剥がし可能な、回転自在の剥離ローラ5が配設されている。
この剥離ローラ5は、巻取りリール(図示せず)によりインクリボン4を矢印C方向の巻取り方向に巻取ることにより、矢印D方向に回転可能になっている。
【0013】
このような剥離ローラ5は、図2に示すように、回転中心に金属棒からなる回転軸5aを有し、この回転軸5aの周囲が摩擦部材5bで覆われて円柱状をなしている。そして、回転軸5aの両端部は、摩擦部材5bから図示左右にそれぞれ突出形成されている。
前記摩擦部材5bの幅方向の長さ寸法は、インクリボン4の幅寸法より長く形成されている。
また、摩擦部材5bから図示左右に突出する回転軸5aは、プリンタの本体部(図示せず)側に取り付けられた軸受け部材6に軸支されて回転自在になっている。前記軸受け部材6は、プリンタの本体部に取り付け可能なネジ部6aと、剥離ローラ5の回転軸5aを回転自在に軸支可能な軸受け部6bとが形成されている。
【0014】
この軸受け部6bには、摩擦抵抗の小さいナイロン製の軸受け部材7が形成され、この軸受け部材7に剥離ローラ5の回転軸5aが回転自在に軸支可能になっている。
また、軸受け部材7に嵌合した状態の回転軸5aの左右両端部は、所定の厚さのワッシャ8を介して、コイルバネから成る弾性部材9が配設されて、弾性付勢されている。そのために、剥離ローラ5は、中央部の中立位置に位置すると共に、弾性部材9の付勢力で、矢印E、F方向に弾性移動可能になっている。
また、剥離ローラ5は、ワッシャ8との間で回転するようになっているので、剥離ローラ5を回転させても、弾性部材9が回転方向にねじれることがない。そのために、剥離ローラ5は、巻取りリール(図示せず)によるインクリボン4の巻取り力で容易に回転させることができる。
【0015】
即ち、本発明の熱転写プリンタは、記録媒体3にインクリボン4のインクを熱転写して印刷後のインクリボン4を、記録媒体3から剥離させて巻取りリール(図示せず)に巻取り可能な剥離ローラ5を有し、この剥離ローラ5は、巻取りリールにインクリボン4を矢印C方向に巻取る巻取り方向と直交する方向に弾性付勢されている。
そのために、剥離ローラ5は、印刷前の初期状態においては、弾性部材9によって中立位置に位置するように自調可能になっている。
【0016】
このような、本発明の熱転写プリンタの印刷動作は、まず、プラテンローラ1とサーマルヘッド2との間に、インクリボン4と記録媒体3を位置させて、サーマルヘッド2をヘッドダウンさせ、インクリボン4と記録媒体3をプラテンローラ1に圧接する。
そして、プラテンローラ1を矢印A方向に回転させると共に、発熱素子2aを印刷情報に従って選択的に発熱させると、インクリボン4のインクが記録媒体3に熱転写されて、記録媒体3に所望の画像を印刷することができる。
この印刷後のインクリボン4は、巻取りリール(図示せず)の巻取り動作で、剥離ローラ5が矢印D方向に回転し、所定の角度αで、サーマルヘッド2の引き剥がし端部2bから図示斜め上方の引き回しされて、記録媒体3から剥離される。
【0017】
前記印刷後のインクリボン4は、印刷後記録媒体3から引き剥がし時において、記録媒体3に印刷した画像が1行全てに印刷されてない場合には、インクリボン4の幅方向における引っ張り力がばらつく。
このインクリボン4の引っ張り力のバラツキによって、剥離ローラ5に引き回しされるインクリボン4に斜行が発生するが、剥離ローラ5は、インクリボン4の斜行にあわせて、中立位置から矢印E、又はF方向に弾性移動する。
【0018】
しかし、剥離ローラ5は、弾性部材9の弾性力で、中立位置である初期位置に自力で戻ることができ、インクリボン4の斜行を修正することができる。
そのために、インクリボン4を、常に剥離ローラ5の中央部に位置させることができ、インクリボン4の幅方向が、サーマルヘッド2の発熱素子2aから外れることがない。
本発明の実施の形態の説明では、弾性部材9をコイルバネで説明したが、弾性部材9は、スポンジ等のような弾力性のあるものであれば良い。
【0019】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の熱転写プリンタは、剥離ローラがインクリボンの巻取り方向と直交する方向に弾性付勢されているので、印刷後のインクリボンに斜行等が発生したとしても、このインクリボンの斜行にあわせて剥離ローラが弾性移動して、斜行しているインクリボンを中央部に戻して斜行を修正することができる。
そのために、インクリボンの幅方向がサーマルヘッドの発熱素子から外れることがなく、高品質の印刷が可能な熱転写プリンタを提供できる。
【0020】
また、前記剥離ローラは、回転中心の両端部に弾性部材が配設され、前記記録媒体に印刷前の初期状態においては、前記弾性部材によって前記剥離ローラが中立位置に位置するようにしたので、印刷後のインクリボンに斜行等が発生しても、容易に斜行等を修正することができる。そのために高品質の印刷が可能である。
【0021】
また、前記弾性部材は、コイルバネから成るので、剥離ローラの左右両端部の弾性部材の弾性力を容易に均等にすることができる。また、弾性部材がコイルバネなので、製造が簡単で低コストである。
【0022】
また、前記剥離ローラは、前記回転中心に回転軸を有し、この回転軸の周囲が摩擦部材で覆われて円柱状をなし、前記摩擦部材の幅方向の長さ寸法は、前記インクリボンの幅寸法より長く形成されているので、インクリボンに斜行等が発生しても、インクリボンの幅方向が摩擦部材から外れることがない。そのために、高品質なリボン巻き取りが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写プリンタの要部を説明する概略図である。
【図2】本発明に係わる剥離ローラの要部断面図である。
【符号の説明】
1 プラテンローラ
2 サーマルヘッド
2a 発熱素子
2b 引き剥がし端部
3 記録媒体
4 インクリボン
5 剥離ローラ
5a 回転軸
5b 摩擦部材
6 軸受け部材
6a ネジ部
6b 軸受け部
7 軸受け部材
8 ワッシャ
9 弾性部材
Claims (4)
- インクリボンと、このインクリボンのインクを記録媒体に熱転写可能な複数の発熱素子を有するサーマルヘッドと、前記インクリボンを巻取り可能な巻取りリールと、前記記録媒体に前記インクリボンのインクを熱転写した印刷後に前記記録媒体から前記インクリボンを剥離可能な回転自在の剥離ローラとを有し、
この剥離ローラは、外周面が摩擦部材で覆われてなるとともに、印刷後に前記記録媒体に密着している前記インクリボンを前記記録媒体から剥離可能に印刷位置の前記インクリボンの送り方向下流側に前記インクリボンの送り方向と直交する方向である前記インクリボンの幅方向に移動可能となるように弾性部材により弾性付勢されている熱転写プリンタ。 - 前記剥離ローラは、回転中心の両端部に前記弾性部材が配設され、前記記録媒体に印刷前の初期状態においては、前記弾性部材によって前記剥離ローラが中立位置に位置するようにしたことを特徴とする請求項1記載の熱転写プリンタ。
- 前記弾性部材は、コイルバネから成ることを特徴とする請求項1、又は2記載の熱転写プリンタ。
- 前記摩擦部材の幅方向の長さ寸法は、前記インクリボンの幅寸法より長く形成されていることを特徴とする請求項1、2、又は3記載の熱転写プリンタ。
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