JP2004034658A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷効率を向上できるとともに被転写媒体の破損を防止でき、被転写媒体に対して安定して高画質な印刷を行うことができる印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
【解決手段】印刷装置20は、所定情報を有する中間転写リボン28を搬送する搬送機構30と、所定情報が印刷される印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体1を受け取る受取部2と、搬送機構30により搬送された中間転写リボン28と受取部2により受け取られた被転写媒体1とを圧着して中間転写リボンの所定情報を被転写媒体1に転写する転写部4と、転写部4により所定情報が転写された被転写媒体1の綴目側から中間転写リボンを剥離するガイドシャフト31c及び31dと、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】印刷装置20は、所定情報を有する中間転写リボン28を搬送する搬送機構30と、所定情報が印刷される印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体1を受け取る受取部2と、搬送機構30により搬送された中間転写リボン28と受取部2により受け取られた被転写媒体1とを圧着して中間転写リボンの所定情報を被転写媒体1に転写する転写部4と、転写部4により所定情報が転写された被転写媒体1の綴目側から中間転写リボンを剥離するガイドシャフト31c及び31dと、を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷装置及び印刷方法に係り、特に、中間転写媒体を介して被転写媒体に所定の印刷情報を印刷する中間転写方式の印刷装置及び印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カード類や通帳類などの被転写媒体の表面状態になるべく影響を受けることなく高画質な印刷を行うことが可能な印刷装置が求められれている。この印刷装置の一つとして、中間転写媒体としての中間転写リボンを用いるものが知られている。
【0003】
印刷装置の印刷部では、サーマルヘッドが所定情報に応じて発熱してインクリボンのインクを溶融することにより、中間転写リボンの表面に文字やバーコードなどの印刷情報が印刷される。
【0004】
印刷装置の転写部では、所定情報が印刷された中間転写リボンがヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。このとき、同時に、転写面が中間転写リボンに対向するように配置された被転写媒体がヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。この状態からヒートローラが回転されて中間転写リボン及び被転写媒体がバックアップローラに押し付けられるとともに加熱されることにより、印刷情報が被転写媒体の表面に転写される。転写後、中間転写リボンと被転写媒体は同時に搬送され、その下流でローラやガイド板などの剥離部材により、中間転写リボンが被転写媒体から剥離される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような中間転写方式の印刷装置では、転写・剥離・被転写媒体の排出は、中間転写リボンの一方向への搬送に伴って行われる。このため、通帳類などの印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体に印刷情報を転写した場合、必ずしも綴目側から中間転写リボンを剥離できるとは限らない。
【0006】
例えば、通帳類の搬送方向上流側に位置する印刷頁では、綴目側から中間転写リボンを剥離できるが、通帳類の搬送方向下流側に位置する印刷頁では、綴目でない側すなわち印刷頁の解放端側から中間転写リボンを剥離することになる。後者の場合、中間転写リボンを剥離するのに伴って印刷頁の解放端も中間転写リボンとともに引込まれ、中間転写リボンが剥がれずに通帳類を破壊するおそれがある。
【0007】
このような課題を防ぐためには、常に通帳類の綴目側から中間転写リボンを剥離するよう、印刷頁によって通帳類の挿入向きを変える必要がある。このように印刷頁によって通帳類の挿入向きを変えることは、操作員のミスを誘発し、通帳類廃棄の原因にもなる。
【0008】
また、開いた通帳類の両印刷頁に印刷情報を転写する場合であっても、一方の印刷頁の転写・剥離動作が終了後に、通帳類を一度排出し、挿入向きを変えて再度挿入された通帳類に対して転写・剥離動作を行う必要があり、印刷効率の低下を招く。
【0009】
さらに、通帳類の自動作成装置においては、通帳類の向きを回転させる機構が必要があり、非常に複雑でコストが高くなってしまう。
【0010】
また、転写直後の中間転写リボン及び通帳類には、転写動作に必要な熱が残っている。このため、転写後すぐに中間転写リボンと通帳類との剥離を開始すると、中間転写リボンの基材から転写されるべき層が剥がれにくい。したがって、中間転写リボン及び通帳類を剥離する際に、中間転写リボンのバリの発生、通帳類の印刷頁の破壊といった不具合を招くおそれがある。
【0011】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、印刷効率を向上できるとともに被転写媒体の破損を防止でき、被転写媒体に対して安定して高画質な印刷を行うことができる印刷装置及び印刷方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による印刷装置は、
所定情報を有する中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写位置から所定情報の転写長さ以上の距離をおいて配置され、前記転写手段により圧着された中間転写媒体及び被転写媒体が前記搬送手段により順方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する第1剥離手段と、
前記転写手段により圧着された中間転写媒体及び被転写媒体が前記搬送手段により逆方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する第2剥離手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明の第2の様態による印刷装置は、
所定情報を有する中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
所定情報が印刷される印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体を受け取る受取手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体と前記受取手段により受け取られた被転写媒体とを圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段により所定情報が転写された被転写媒体の綴目側から中間転写媒体を剥離する剥離手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
この発明の第3の様態による印刷方法は、
所定情報を有する中間転写媒体を搬送し、
搬送された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写し、
圧着された中間転写媒体及び被転写媒体を接触した状態で保持し、
保持された中間転写媒体及び被転写媒体が順方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離するとともに、保持された中間転写媒体及び被転写媒体が逆方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する、ことを特徴とする。
【0015】
この発明の第4の様態による印刷方法は、
所定情報を有する中間転写媒体を搬送し、
所定情報が印刷される印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体を受け取り、搬送された中間転写媒体と受け取られた被転写媒体とを圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写し、
所定情報が転写された被転写媒体の綴目側から中間転写媒体を剥離する、ことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る印刷装置及び印刷方法について図面を参照して説明する。この印刷装置は、カード類の他に、通帳類のような冊子状の被転写媒体への所定情報の印刷と、印刷面の保護膜付与とを同時に行う中間転写方式の印刷装置である。
(第1実施形態)
図1に示すように、印刷装置20は、印刷部3、搬送機構30、転写部4、テンション機構80、受取部2などを備えて構成されている。
【0017】
すなわち、印刷部3は、中間転写媒体としての中間転写リボン28に対して所定情報、すなわち識別情報や顔画像情報などの印刷情報を印刷する。この印刷部3は、サーマルヘッド5、このサーマルヘッド5に対向配置されたプラテンローラ6などを備えている。サーマルヘッド5とプラテンローラ6との間には、例えばイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の溶融インクをダンダラ状に有したインクリボン7が介在されている。この印刷部3では、このようなインクリボン7を用いてカラー画像や黒色文字の印刷が可能である。
【0018】
このインクリボン7は、その一端部が送出軸8に巻き付けられ、その他端部が巻取軸9に巻き付けられている。送出軸8及び巻取軸9の少なくとも一方は、正逆両方向に独立に駆動可能である。送出軸8から送出されたインクリボン7の中途部は、ガイドシャフト21a、21b、21c、21dに掛け渡されている。
【0019】
なお、インクリボン7としては、単色インクのみのリボンでも良く、また、紫外線によって発光する蛍光顔料インク、さらに、光沢面も持つ印刷用の金属薄膜(アルミ蒸着)層、或いは、印刷用のホログラム層等の機能を有するリボン材料を有していても良い。
【0020】
サーマルヘッド5は、所定の印刷位置において、中間転写媒体として機能する中間転写リボン28の印刷開始位置から所定情報を印刷する。プラテンローラ6は、正逆両方向に独立に駆動可能であり、中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。
【0021】
搬送手段として機能する搬送機構30は、所定情報を有する中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。この搬送機構30は、第1軸31A及び31Bを有し、一方の軸から他方の軸に向かって中間転写リボン28を搬送可能である。すなわち、中間転写リボン28は、その一端側が印刷部3の上部側に設けられた第2軸31Bに巻き付けられ、その他端側が印刷部3の下部側に設けられた第1軸31Aに巻き付けられている。
【0022】
第1軸31A及び第2軸31Bは、それぞれ駆動モータM1及びM2によって駆動され、正逆両方向に独立に駆動可能である。また、これら第1軸31A及び第2軸31Bを駆動する駆動モータM1及びM2は、モータ制御部90によって駆動制御され、印刷部3における印刷位置及び転写部4における転写位置に向けて中間転写リボン28を所定の搬送速度及び所定のトルクで搬送する。すなわち、モータ制御部90は、巻取軸として機能する第1軸31A及び第2軸31Bのトルクを制御するトルク制御手段として機能する。
【0023】
第1軸31Aが中間転写リボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第2軸31Bが中間転写リボン28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン28は、順方向Aに搬送される(順搬送)。また、第2軸31Bが中間転写リボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第1軸31Aが中間転写リボン28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン28は、逆方向Bに搬送される(逆搬送)。
【0024】
また、搬送機構30は、プラテンローラ6と転写部4との間に配置され、印刷部3にて所定情報を印刷された中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送するリボン搬送ローラ70を備えている。
【0025】
第2軸31B及び第1軸31Aとの間では、中間転写リボン28の中途部がガイドシャフト31a〜31eに掛け渡されている。ガイドシャフト31c及び31dは、後述するように、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1を剥離する剥離手段として機能する。これらガイドシャフト31c及び31dは、印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体に所定情報を転写する場合、被転写媒体の綴じ目側から中間転写リボン28を剥離する。
【0026】
転写手段として機能する転写部4は、転写ローラとしてのヒートローラ26、このヒートローラ26に対向配置されたバックアップローラ27などを備えている。このヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、中間転写リボン28が介在されている。
【0027】
図2に示すように、ヒートローラ26は、回転軸に対して垂直な平面において、ほぼ半円形状の断面を有している。すなわち、このヒートローラ26は、芯金35を有している。この芯金35は、その一部の外周面に平面状にカットされたカット面35Aを有している。芯金35の内部には、加熱減としてのヒータ65が設けられている。芯金35の円弧部35Bの外周面には、厚さ1mm〜2mmの耐熱性ゴム36が被覆されている。
【0028】
なお、耐熱性ゴム36は、芯金35の円弧部35Bのみならず、カット面35Aを含む全周を覆っても良い。また、ヒートローラ26は、耐熱性ゴムがなくて芯金のみでもよい。この場合、ヒートローラ表面には、汚れの付着防止のテフロン加工などを行うことが望ましい。また、ヒートローラ26は、その円弧部35Bの周方向に沿った長さが被転写媒体1の転写エリアの長さと略同等もしくはそれ以上の長さになるように形成されている。
【0029】
ヒートローラ26は、印刷待機時においては、図2の(a)に示すように、そのカット面35Aを被転写媒体の搬送路11に対してほぼ並行に対向して配置されている。これにより、ヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、被転写媒体1を配置可能な隙間が形成されている。このとき、中間転写リボン28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触していない。
【0030】
このヒートローラ26は、転写時にのみ回転し、中間転写リボン28に接触する。すなわち、中間転写リボン28への印刷動作に伴って、中間転写リボン28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触することなく搬送される。転写時には、これらヒートローラ26及びバックアップローラ27は、転写位置(ヒートローラ26とバックアップローラ27とが接触している位置)において、中間転写リボン28と被転写媒体1とを被転写媒体1の厚さによらず一定の圧力で圧着しつつヒータ65からの熱によって加熱することにより、中間転写リボン28の転写開始位置から中間転写リボン28上に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する。
【0031】
テンション付与手段として機能するテンション機構80は、搬送機構30によって搬送される中間転写リボン28に対して所定テンションを付与する。すなわち、このテンション機構80は、リボン搬送ローラ70と転写部4との間に配置される。
【0032】
このテンション機構80は、その一端部を支点81Aとして揺動自在に設けられたアーム81と、アーム81の他端部にて中間転写リボン28に接触し且つ所定のテンションを与えるテンショナ82と、テンショナ82を付勢するばね83とを備えて構成されている。
【0033】
このテンション機構80は、ロック機構84によってロック/解除が制御される。このロック機構84は、アーム81の折れ曲り部に設けられたカムフォロワ85、カムフォロワ85に係合し回転自在に設けられたカム86、及び、カム86を回転させる駆動モータ87を備えて構成されている。
【0034】
このロック機構84では、印刷動作/転写動作のそれぞれ開始指示に基づいて、駆動モータ87の駆動が制御される。すなわち、このロック機構84は、印刷部3による印刷動作中においては、カム86をカムフォロワ85に接触させ、アーム81を固定することでテンション機構80をロックする。
【0035】
また、ロック機構84は、転写部4における転写動作中においては、駆動モータ87を制御して、カム86を所定角度だけ回転させる。カム86が回転することにより、カムフォロワ85が追従し、アーム81が支点81Aを軸としてに回動する。カム86がある程度回転すると、テンショナ82を付勢しているバネ83の付勢力により、アーム81の回動が停止する。さらに、カム86が回転すると、カムフォロワ85とカム86とが離間する。これにより、アーム81は、バネ83によって付勢された状態でフリーとなり、ロックが解除される。このため、中間転写リボン28にたるみが生じても、テンショナ82によって中間転写リボン28に対して所定のテンション(第1テンション)を付与して、たるみを改善することができる。
【0036】
受取手段として機能する受取部2は、第1搬送ローラ対13A、第2搬送ローラ対13Bなどを備えて構成されている。第1搬送ローラ対13Aは、転写部4より搬送方向上流側に配置されている。また、第2搬送ローラ対13Bは、転写部4より搬送方向下流側に配置されている。
【0037】
これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、取込口2Aから挿入された被転写媒体(この実施の形態では印刷頁を開いた状態の通帳類)1を搬送路11に沿って転写部4の転写位置まで搬送する。これら第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bは、正逆両方向に独立に駆動可能である。
【0038】
すなわち、これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、共に正方向に回転し、取込口2から挿入された被転写媒体1の印刷頁における転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に整合するように被転写媒体1を搬送する。また、これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、共に逆方向に回転し、転写部4における転写動作が終了した被転写媒体1を取込口2に向けて搬送する。
【0039】
中間転写リボン28の供給路上には、第1センサS1及び第2センサS2が配置されている。これら第1センサS1及び第2センサS2は、後述する中間転写リボン28の有効領域の外側に配置されたバーマークを検知するための出力信号を出力する。被転写媒体1の搬送路11上には、第3センサS3及び第4センサS4が配置されている。これら第3センサS3及び第4センサS4は、取込口2Aから挿入された被転写媒体1の有無を検知するための出力信号を出力する。なお、これら第1乃至第4センサS1乃至S4は、例えば透過型センサであり、一対の発光部及び受光部を備えて構成されているが、反射型センサによって構成されてもよい。
【0040】
ところで、ガイドシャフト31dは、転写部4における転写位置から所定情報の転写長さ以上の距離をおいて順搬送方向下流側すなわち第1軸31A側に配置されている。より詳細には、図2の(b)に示すように、転写位置からガイドシャフト31dまでの長さL1は、ヒートローラ26の円弧部35Bの周方向に沿った長さL2より長い。
【0041】
このガイドシャフト31dは、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1が搬送機構30及び第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bにより順方向Aに搬送されたのに基づいて被転写媒体1から中間転写媒体28を剥離する第1剥離手段として機能する。
【0042】
すなわち、被転写媒体1は、第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bによって順方向Aに向けて搬送されるとともに、中間転写リボン28は、搬送機構30によって順方向Aに向けて搬送される。このとき、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって被転写媒体1から離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥離される。
【0043】
また、ガイドシャフト31cは、転写部4における転写位置から順搬送方向上流側すなわち第2軸31B側に配置されている。このガイドシャフト31cは、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1が搬送機構30及び第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bにより逆方向Bに搬送されたのに基づいて被転写媒体1から中間転写媒体28を剥離する第2剥離手段として機能する。
【0044】
すなわち、被転写媒体1は、第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bによって逆方向Bに向けて搬送されるとともに、中間転写リボン28は、搬送機構30によって逆方向Bに向けて搬送される。このとき、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31cに案内されながら第2軸31Bによって被転写媒体1から離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥離される。
【0045】
転写位置からガイドシャフト31dまでのエリアCAは、転写位置において圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1を接触した状態で保持可能であり、保持手段として機能する。このエリアCAでは、中間転写リボン28及び被転写媒体1を冷却可能である。
【0046】
すなわち、中間転写リボン28及び被転写媒体1は、ヒートローラ26からの熱(例えば150℃程度)により印刷情報を転写可能な温度まで加熱される。転写直後の中間転写リボン28及び被転写媒体1は、かなり高温であり(例えば120℃程度)、このような高温状態では、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥がれにくい。このため、エリアCAにおいて、転写直後の中間転写リボン28及び被転写媒体1を保持し、剥離可能な温度、例えば転写直後の半分の温度程度まで(例えば70℃程度)冷却する。
【0047】
この冷却は、所定時間にわたって放置することによる自然冷却であっても良いし、ファンFなどによる強制冷却であってもよい。このエリアCAにおいては、サーモパイルなどによって構成された温度検知部TSが配置されている。これにより、エリアCAにおける被転写媒体の表面温度を監視可能である。
【0048】
図3に示すように、印刷装置20は、装置全体を制御する制御手段として機能するCPU100を備えている。
【0049】
このCPU100には、メモリ部101、インタフェース部102などが接続されている。メモリ部101は、装置全体の駆動を制御するための制御プログラムなどを記憶している。また、メモリ部101は、インタフェース部102を介して受信した印刷データなどを一時的に記憶する。インタフェース部102は、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷に必要な印刷データを受信する。
【0050】
また、CPU100には、さらに、サーマルヘッド制御回路103、印刷部搬送制御回路104、ヒータ温度制御回路105、ヒートローラ回転制御回路106、搬送制御回路107、媒体搬送制御回路108、センサ入力回路109、ロック機構制御回路110、モータ制御部90、温度制御部112などが接続されている。
【0051】
サーマルヘッド制御回路103は、印刷データに基づいてサーマルヘッド5の印刷動作を制御する。印刷部搬送制御回路104は、印刷部3における搬送機構として機能する送出軸8及び巻取軸9の駆動を制御する。ヒータ温度制御回路105は、ヒートローラ26内部のヒータ65を駆動して、ヒートローラ26を所定の温度に維持するよう制御する。
【0052】
ヒートローラ回転制御回路106は、ヒートローラ26の回転駆動を制御する。すなわち、ヒートローラ回転制御回路106は、被転写媒体の転写開始位置と、ヒートローラ26による中間転写リボン28上に印刷された所定情報の転写開始位置とを整合した状態で、ヒートローラ26のカット面35Aのエッジ部を転写開始位置に当接させた後、所定方向にヒートローラ26を回転させることにより、中間転写リボン28上の所定情報を被転写媒体1に転写する。
【0053】
搬送制御回路107は、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70の駆動を制御する。媒体搬送制御回路108は、搬送ローラ対13A及び13Bの駆動を制御して、被転写媒体1を取込口2Aから取り込み、所定の転写位置まで搬送し、転写完了した被転写媒体1を取込口2Aから排出する。
【0054】
センサ入力回路109は、第1センサS1及び第2センサS2から出力信号に基づいて中間転写リボン28のバーマークを検知する。また、センサ入力回路109は、第3センサS3及び第4センサS4から出力信号に基づいて被転写媒体1の有無を検知する。
【0055】
ロック機構制御回路110は、印刷部3における印刷開始指示に基づいてテンション機構80をロックするよう駆動モータ87の駆動を制御し、カム86を所定の回転角度だけ回転させる。また、ロック機構制御回路110は、転写部4における転写開始指示に基づいてテンション機構80のロックを解除するように駆動モータ87を制御し、カム86を所定の回転角度だけ回転させる。
【0056】
モータ制御部90は、搬送機構30における第1軸30A及び第2軸30Bの回転方向を制御するとともに、これら第1軸30A及び第2軸30Bによる中間転写リボン28の搬送速度及び中間停車リボン28に対して所定のテンションを付与するようトルクを制御する。
【0057】
温度制御部112は、温度検知部TSからの出力信号に基づいて転写直後の被転写媒体1の表面温度を検知するとともに、中間転写リボン28を剥離可能な温度まで被転写媒体1を冷却するようファンFを駆動する。
【0058】
上述したような印刷装置20においては、図4に示すように、被転写媒体1の少なくとも一部、例えば通帳類1における印刷頁10の印刷エリア10’に、所定の印刷情報が印刷される。印刷情報として、固有の識別情報などの文字は黒色で印刷され、顔画像情報はカラーで印刷される。顔画像を含む所定領域は、所定パターンを有する透明ホログラム層を付与した保護膜によってオーバコートされてもよい。この保護膜は、例えば印刷頁10の搬送方向に沿った長さbを有するとともに幅wを有する領域に設けられる。
【0059】
次に、上述した印刷装置20に適用される中間転写リボンの構造について説明する。
【0060】
図5の(a)に示すように、中間転写リボン28は、例えば3層構造であり、長尺のベース層40、ベース層40上に配置された剥離層41、剥離層41上に配置された受像層42を備えて構成される。この受像層42は、接着層としての機能を備えている。受像層42上には、印刷部3により所定情報が印刷される。
【0061】
中間転写リボン28の3層のうち、剥離層41及び受像層42は、転写層として機能し、転写部4において、受像層42上に印刷された所定情報とともに被転写媒体1上に転写される。被転写媒体1上に転写された時に最上層に配置される剥離層41は、保護膜として機能する。
【0062】
なお、中間転写リボン28は、図5の(a)に示した構造に限らず、図5の(b)に示したように、ベース層40と剥離層41との間にホログラム層屋紫外線によって発光する蛍光発光層などの機能層43を配置した4層構造であっても良い。このような構造の場合、機能層43、剥離層41、及び受像層42が転写層として機能し、転写部4において、受像層42上に印刷された所定情報とともに被転写媒体1上に転写される。このとき、被転写媒体1上に転写された時に最上層に配置される機能層43は、保護膜として機能する。
【0063】
例えば、図5の(b)に示すような機能層43を有する中間転写リボン28は、図6に示すように、所定パターンの透明ホログラム層からなる第1領域43Aと、無地の透明な第2領域43Bと、マージンに相当する第3領域43Cと、を備えている。これら第1領域43A、第2領域43B、及び第3領域43Cは、中間転写リボン28の順搬送方向に沿って順に配置され、単位パターンを構成している。
【0064】
また、中間転写リボン28の機能層43は、第1領域43A、第2領域43B、及び第3領域43Cからなる単位パターンを規定するためのバーマーク43Dを有している。このバーマーク43Dは、例えば、中間転写リボン28の有効領域28−1の外側の領域28−2に配置されている。この外側領域28−2は、回折効果がない目視でほぼ透明な領域である。
【0065】
すなわち、機能層43の第1領域43Aは、所定の第1方向から入射した光を第2方向に回折する回折効果を有する領域であり、パターンそのものは文字、絵柄、ロゴなど自由にデザインできるが、印刷された所定情報の偽造防止効果を考慮すると、なるべく全面にパターンが形成されていることが望ましい。
【0066】
第2領域43Bは、機能層43内において可視光域及びその近傍の周波数帯域の光を回折する効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。第3領域43Cは、転写位置ズレなどを考慮したマージンに相当する領域であり、第2領域43Bと同様に回折効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。
【0067】
バーマーク43Dは、単位パターン毎に繰り返し配置され、回折効果を有する所定パターンを有している。このバーマーク43Dは、印刷装置の第1センサS1及び第2センサS2からの出力信号に基づいて検知される。すなわち、印刷装置は、このバーマーク43Dを検知することにより、中間転写リボン28の位置を検知することが可能となる。
【0068】
次に、印刷装置20の印刷部3による中間転写リボン28へ所定情報の印刷動作について説明する。
【0069】
すなわち、印刷装置20のCPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、モータ制御部90を制御して、搬送機構30の第1軸31A及び第2軸31Bを駆動し、中間転写リボン28を送出する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第1センサS1からの出力信号に基づいて、送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知する。
【0070】
続いて、CPU100は、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU100は、第1センサS1の位置でバーマーク43Dを検知してから、中間転写リボン28における所定の印刷開始位置がサーマルヘッド5による印刷位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0071】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、モータ制御部90を制御して、搬送機構30の第1軸31A及び第2軸31Bを駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の印刷開始位置をサーマルヘッド5による印刷位置に到達させる。
【0072】
続いて、CPU100は、印刷データに基づいてサーマルヘッド制御回路103を制御し、サーマルヘッド5を駆動して、中間転写リボン28の受像層42上における印刷開始位置からインクリボン7のインクを転写してカラーまたは黒色の所定情報45を印刷する。すなわち、サーマルヘッド5は、印刷データに基づいて発熱することにより、インクリボン7のインクが溶融されて中間転写リボン28の受像層42表面に転写される。
【0073】
このとき、CPU100は、ロック機構制御回路110を制御し、駆動モータ87によりテンション機構80をロックしている。また、CPU100は、モータ制御部90を制御して、搬送機構30の第1軸31Aの回転速度を印刷搬送速度より速くなるように設定し、中間転写リボン28に適度なテンションを付与する。
【0074】
印刷される所定情報は、黒などの単色印刷でも良く、また、Y、M、C、Kの4色を重ね合わせたカラー印刷でも良い。必要に応じて、インクリボンを単色や複数色繰り返し塗布すればよい。また、文字印刷のために溶融黒インクを使用し、カラー印刷のためにY、M、C、Kの昇華染料が繰り返し塗布されても良い。複数色の重ね合わせ印刷の場合は、中間転写リボン28がサーマルヘッド5を色数と同じ回数だけ往復することで行われる。
【0075】
次に、印刷装置の転写部4による被転写媒体1への所定情報の転写動作について説明する。この第1実施形態では、印刷部3で印刷された所定情報を有する中間転写リボン28の受像層42と被転写媒体としての通帳類1の該当印刷頁10とを重ね合わせて、所定情報とともに受像層42、剥離層41、及び機能層43を通帳類1上に同時に転写する。
【0076】
まず、通帳類1の挿入方向先方の印刷頁10Aに所定情報を転写する場合について説明する。
【0077】
すなわち、印刷装置20のCPU100は、センサ入力回路109を介して第4センサS4からの出力信号に基づいて取込口2Aから挿入されたことを検知したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを同一方向に駆動して、印刷頁10Aが開かれた通帳類1を綴目に対して垂直な方向、すなわちB方向に沿って搬送する。このとき、ヒートローラ26は、図2の(a)に示すような印刷待機状態となっており、カット面35Aを搬送路11に対してほぼ平行に対向して配置されている。
【0078】
続いて、CPU100は、センサ入力回路109を介して第4センサS4からの出力信号に基づいて通帳類1の通過を検知してから所定量だけ通帳類1を搬送したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0079】
そして、CPU100は、通帳類1上における印刷頁10Aの綴目側に近い転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを共に正方向または逆方向に駆動することにより通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10Aの綴目側の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0080】
一方、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、ロック機構制御回路110を制御して、駆動モータ87を駆動し、カム86を回転してテンション機構80のロックを解除する。これにより、中間転写リボン28に対して所定の第1テンションが付与される。
【0081】
また、CPU100は、搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、モータ制御部90を制御して、搬送機構30の第1軸31A及び31Bを駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28をA方向に送出する。このとき、第1軸31Aが巻取軸に相当し、第2軸31Bが送出軸に相当する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第2センサS2からの出力信号に基づいて送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知する。
【0082】
続いて、CPU100は、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU100は、第2センサS2の位置でバーマーク43Dを検知してから、中間転写リボン28における所定の転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0083】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、モータ制御部90を制御して、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の転写開始位置を転写部4における転写位置に到達させる。
【0084】
続いて、CPU100は、ヒータ温度制御回路105を制御して、ヒータ65を駆動し、ヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ回転制御回路106を制御して、ヒートローラ26を回転させる。
【0085】
すなわち、互いに位置決めされた中間転写リボン28及び通帳類1は、円周の一部が切り欠かれた形状のカット面35Aを有するヒートローラ26の回転とともに重ね合わされる。このとき、中間転写リボン28の搬送方向に直交する幅方向に対して、通帳類1の印刷頁10の綴目部が平行となるよう互いに重ね合わせて転写を開始する。
【0086】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26及びバックアップローラ27により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。
【0087】
また同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0088】
これにより、中間転写リボン28を逆方向Bに引っ張るテンションよりも順方向Aに引っ張るテンションが強くなり、中間転写リボン28を弛みなく安定して転写位置から順方向Aに搬送することができ、所定情報が転写不良を発生することなく通帳類1の印刷頁10Aに転写される。
【0089】
続いて、CPU100は、所定情報が転写された通帳類1の印刷頁10Aを転写位置の順方向A下流側において保持し、エリアCAにて中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却する。そして、CPU100は、通帳類1が所定温度まで冷却されたのに基づいて、中間転写リボン28と通帳類1との剥離動作を開始する。
【0090】
すなわち、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の順方向Aへの搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の順方向Aへの搬送とが行われる。そして、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって通帳類1の印刷頁10Aから離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、印刷頁10Aの綴目側から剥離される。
【0091】
このとき同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0092】
これにより、中間転写リボン28を逆方向Bに引っ張るテンションよりも順方向Aに引っ張るテンションが強くなり、しかも印刷頁10Aの綴目側から中間転写リボン28を剥離することができ、通帳類1及び各印刷頁10の破壊を防止することができる。
【0093】
CPU100は、さらに媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を取込口2Aから排出させる。
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10A上に所定情報を印刷することが可能となる。
【0094】
次に、通帳類1の挿入方向後方の印刷頁10Bに所定情報を転写する場合について説明する。
すなわち、印刷頁10Aに転写する場合と同様に、CPU100は、取込口2Aから挿入されたことを検知したのに基づいて、印刷頁10Bが開かれた通帳類1をB方向に沿って搬送する。
【0095】
続いて、CPU100は、通帳類1の通過を検知してから所定量だけ通帳類1を搬送したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0096】
そして、CPU100は、通帳類1上における印刷頁10Bの解放端側に近い転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを共に正方向または逆方向に駆動することにより通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10Bの解放端側の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0097】
一方、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、テンション機構80のロックを解除し、中間転写リボン28に対して所定の第1テンションが付与される。
【0098】
また、CPU100は、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、搬送機構30の第1軸31A及び31Bを駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28をA方向に送出する。そして、CPU100は、送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知し、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0099】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の転写開始位置を転写部4における転写位置に到達させる。
【0100】
続いて、CPU100は、ヒータ65を駆動してヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ26を回転させる。
【0101】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26及びバックアップローラ27により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。
【0102】
また同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0103】
続いて、CPU100は、所定情報が転写された通帳類1の印刷頁10Bを転写位置の順方向A下流側において保持し、エリアCAにて中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却する。そして、CPU100は、通帳類1が所定温度まで冷却されたのに基づいて、中間転写リボン28と通帳類1との剥離動作を開始する。
【0104】
すなわち、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の順方向Aへの搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の順方向Aへの搬送とが行われる。そして、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって通帳類1の印刷頁10Bから離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、印刷頁10Bの綴目側から剥離される。
【0105】
このとき同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0106】
CPU100は、さらに媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を取込口2Aから排出させる。
【0107】
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10B上に所定情報を印刷することが可能となる。
このように、第1実施形態によれば、転写部4による転写動作は、順方向Aに沿ってのみ行われるが、冊子状の被転写媒体1に所定情報を印刷する場合であっても、常に印刷頁の綴目側から中間転写リボン28を剥離することができる。
【0108】
すなわち、順方向Aの上流側の印刷頁10Aに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を順方向Aに沿って搬送して両者を剥離する。また、順方向Aの下流側の印刷頁10Bに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を逆方向Bに沿って搬送して両者を剥離する。これにより、転写動作時における被転写媒体1の破壊を防止する可能となる。
【0109】
また、印刷頁に対応して通帳類の挿入向きを変える必要もなく、コストの増大を抑えることができる。これにより、印刷効率を向上することが可能となる。 さらに、転写部4による転写位置の順方向A下流側に、転写直後の被転写媒体1及び中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却するエリアを設けたことにより、被転写媒体1が中間転写リボン28から剥がれやすくなり、中間転写リボン28のバリの発生や印刷頁の破壊を防止することができる。これにより、被転写媒体1に対して安定して高画質な印刷を行うことが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る印刷装置及び印刷方法について説明する。基本的な構成は、上述した第1実施形態と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0110】
この第2実施形態では、ガイドシャフト31c及び31dは、それぞれ転写部4における転写位置から所定情報の転写長さ以上の距離をおいて順搬送方向上流側及び下流側に配置されている。より詳細には、図7に示すように、転写位置からガイドシャフト31c及び31dまでの長さL1は、ヒートローラ26の円弧部35Bの周方向に沿った長さL2より長い。
【0111】
転写位置からガイドシャフト31c及び31dまでのエリアCA1及びCA2は、転写位置において圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1を接触した状態で保持可能であり、保持手段として機能する。すなわち、これらのエリアCA1及びCA2は、上述した第1実施形態と同様に構成され、転写直後の中間転写リボン28及び被転写媒体1を保持し、互いを剥離可能な温度まで冷却可能である。
【0112】
ガイドシャフト31dは、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1が搬送機構30及び第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bにより順方向Aに搬送されたのに基づいて被転写媒体1から中間転写媒体28を剥離する第1剥離手段として機能する。
【0113】
すなわち、被転写媒体1は、第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bによって順方向Aに向けて搬送されるとともに、中間転写リボン28は、搬送機構30によって順方向Aに向けて搬送される。このとき、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって被転写媒体1から離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥離される。
【0114】
ガイドシャフト31cは、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1が搬送機構30及び第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bにより逆方向Bに搬送されたのに基づいて被転写媒体1から中間転写媒体28を剥離する第2剥離手段として機能する。
【0115】
すなわち、被転写媒体1は、第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bによって逆方向Bに向けて搬送されるとともに、中間転写リボン28は、搬送機構30によって逆方向Bに向けて搬送される。このとき、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31cに案内されながら第2軸31Bによって被転写媒体1から離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥離される。
【0116】
次に、印刷装置の転写部4による被転写媒体1への所定情報の転写動作について説明する。なお、印刷部3に夜中間転写リボン28への所定情報の印刷動作については、上述した第1実施形態と同一であるので省略する。また、転写動作についても、上述した第1実施形態と同一の動作については簡単に説明する。この第2実施形態では、印刷部3で印刷された所定情報を有する中間転写リボン28の受像層42と被転写媒体としての通帳類1の該当印刷頁10とを重ね合わせて、所定情報とともに受像層42、剥離層41、及び機能層43を通帳類1上に同時に転写する。
【0117】
まず、通帳類1の挿入方向先方の印刷頁10Aに所定情報を転写する場合について説明する。
【0118】
すなわち、CPU100は、取込口2Aから挿入されたことを検知したのに基づいて、印刷頁10Aが開かれた通帳類1をB方向に沿って搬送する。そして、CPU100は、通帳類1の通過を検知してから所定量だけ通帳類1を搬送したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0119】
そして、CPU100は、通帳類1上における印刷頁10Aの綴目端側に近い転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10Aの綴目端側の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0120】
一方、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、テンション機構80のロックを解除し、中間転写リボン28に対して所定の第1テンションが付与される。
【0121】
また、CPU100は、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、搬送機構30の第1軸31A及び31Bを駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28をA方向に送出する。そして、CPU100は、送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知し、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0122】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の転写開始位置を転写部4における転写位置に到達させる。
【0123】
続いて、CPU100は、ヒータ65を駆動してヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ26を正方向に回転させる。
【0124】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の順方向Aへの搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の順方向Aへの搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26及びバックアップローラ27により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。
【0125】
また同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0126】
続いて、CPU100は、所定情報が転写された通帳類1の印刷頁10Bを転写位置の順方向A下流側において保持し、エリアCA1にて中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却する。そして、CPU100は、通帳類1が所定温度まで冷却されたのに基づいて、中間転写リボン28と通帳類1との剥離動作を開始する。
【0127】
すなわち、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の順方向Aへの搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の順方向Aへの搬送とが行われる。そして、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって通帳類1の印刷頁10Aから離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、印刷頁10Aの綴目側から剥離される。
【0128】
このとき同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0129】
CPU100は、さらに媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を取込口2Aから排出させる。
【0130】
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10A上に所定情報を印刷することが可能となる。
【0131】
次に、通帳類1の挿入方向後方の印刷頁10Bに所定情報を転写する場合について説明する。
すなわち、印刷頁10Aに転写する場合と同様に、CPU100は、取込口2Aから挿入されたことを検知したのに基づいて、印刷頁10Bが開かれた通帳類1をB方向に沿って搬送する。
【0132】
続いて、CPU100は、通帳類1の通過を検知してから所定量だけ通帳類1を搬送したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0133】
そして、CPU100は、通帳類1上における印刷頁10Bの綴目側に近い転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10Bの綴目側の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0134】
一方、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、テンション機構80のロックを解除し、中間転写リボン28に対して所定の第1テンションが付与される。
【0135】
また、CPU100は、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、搬送機構30の第1軸31A及び31Bを駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28をA方向に送出する。そして、CPU100は、送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知し、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0136】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の転写開始位置を転写部4における転写位置に到達させる。以上のステップまでは、搬送機構30における第1軸31Aが巻取軸として機能する。また、以降のステップでは、搬送機構30における第2軸31Bが巻取軸として機能する。
【0137】
すなわち、CPU100は、ヒータ65を駆動してヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ26を逆方向に回転させる。
【0138】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の逆方向Bへの搬送と、第2軸31B、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の逆方向Bへの搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26及びバックアップローラ27により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。
【0139】
また同時に、モータ制御部90は、巻取軸としての第2軸31Bの駆動モータM2のトルクを制御する。すなわち、第2軸31Bのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第3テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより小さくなるように設定される。
【0140】
続いて、CPU100は、所定情報が転写された通帳類1の印刷頁10Bを転写位置の逆方向B下流側において保持し、エリアCA2にて中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却する。そして、CPU100は、通帳類1が所定温度まで冷却されたのに基づいて、中間転写リボン28と通帳類1との剥離動作を開始する。
【0141】
すなわち、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の逆方向Bへの搬送と、第2軸31B、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の逆方向Bへの搬送とが行われる。そして、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第2軸31Bによって通帳類1の印刷頁10Bから離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、印刷頁10Bの綴目側から剥離される。
【0142】
このとき同時に、モータ制御部90は、第2軸31Bの駆動モータM2のトルクを制御する。すなわち、第2軸31Bのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第3テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより小さくなるように設定される。
【0143】
CPU100は、通帳類1から中間転写リボン28が剥離されたのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを順方向Aに駆動し、転写が完了した通帳類1を取込口2Aから排出させる。
【0144】
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10B上に所定情報を印刷することが可能となる。
このように、第2実施形態によれば、転写部4による転写動作は、常に印刷頁の綴目側からできるよう順方向A及び逆方向Bに沿って行われる。すなわち、順方向Aの上流側の印刷頁10Aに所定情報を転写する場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を順方向Aに沿って搬送する。また、順方向Aの下流側の印刷頁10Bに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を逆方向Bに沿って搬送する。
【0145】
また、被転写媒体1からの中間転写リボン28の剥離動作は、常に印刷頁の綴目側から行われる。順方向Aの上流側の印刷頁10Aに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を順方向Aに沿って搬送して両者を剥離する。また、順方向Aの下流側の印刷頁10Bに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を逆方向Bに沿って搬送して両者を剥離する。これにより、転写動作時における被転写媒体1の破壊を防止する可能となる。
【0146】
また、印刷頁に対応して通帳類の挿入向きを変える必要もなく、コストの増大を抑えることができる。これにより、印刷効率を向上することが可能となる。 さらに、転写部4による転写位置の順方向A下流側に、転写直後の被転写媒体1及び中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却するエリアを設けたことにより、被転写媒体1が中間転写リボン28から剥がれやすくなり、中間転写リボン28のバリの発生や印刷頁の破壊を防止することができる。これにより、被転写媒体1に対して安定して高画質な印刷を行うことが可能となる。
(第3実施形態)
次に、上述した印刷装置を備えた印刷システムについて説明する。
【0147】
すなわち、この印刷システムは、図8に示すように、閉じた状態の複数通の通帳類1を積層状態で収容し、一通ずつ取込む通帳取込部12、及びこの通帳取込部12から図中右方に延びた搬送路11を有している。搬送路11上には、通帳取込部12から取込まれた通帳類1を正逆両方向に搬送するための複数の搬送ローラ対13…が配設されている。以下の説明では、通帳取込部12から印刷部20に向う図中右方向を正方向とし、反対方向を逆方向とする。
【0148】
また、この印刷システムは、搬送路11に沿って、通帳類1の開かれた印刷頁10を検知するためのページ検知センサ14、及びページめくり機構15を有するページめくり部16、さらに、ページめくり部16にて所定の印刷頁が開かれた通帳類1に対して所定の情報を印刷する印刷部20を備えている。この印刷部20は、上述した印刷装置20と同一の構成であるため詳細な説明は省略する。
【0149】
ページ検知センサ14は、通帳類1の開かれた印刷頁の画像を検出し、その画像データに基づいて、当該頁の所定位置に付与された図示しないバーコードを読取り、通帳類1の開かれたページを認識する。
【0150】
ページめくり機構15は、搬送路11の下方に配設されたバックアッププレート17、搬送路11の上方に配設されためくりローラ18、及びバックアッププレート17の揺動の中心に設けられた支点19aを中心に揺動自在であるとともに、その揺動の先端にめくりローラ18を回動自在に取付けた揺動軸19を有している。揺動軸19が図中破線で示す位置に図示しないモータによって揺動されると、めくりローラ18が揺動されるとともにバックアッププレート17がそれに連動して揺動される。また、めくりローラ18は、図示しないモータによって時計回り或いは反時計回り方向に回転可能となっている。
【0151】
このページめくり機構15によって通帳類1の頁をめくる場合、まず、通帳類1をページめくり機構15内の所定位置まで搬送して停止させ、例えば図中破線で示すように揺動軸19を図中左方向へ揺動してめくりローラ18を通帳類1の上に押し当てる。このとき、揺動軸19の揺動にともない、バックアッププレート17も揺動され、傾いたバックアッププレート17によって通帳1の背面が上方へ押し上げられる。
【0152】
この状態で、通帳類1の搬送方向上流側の頁に押し当てられためくりローラ18を回転し、通帳類1の最上端の頁のめくり動作を開始する。このめくり動作によって当該ページがせり上がるように膨らみ、ある程度めくられたところでめくりローラ18を停止する。さらに、この状態から揺動軸19を図中実線で示す位置に戻した後、めくりローラ18を再度回転し、当該ページをめくりローラ18上に完全にめくり上げる。
【0153】
そして、通帳類1を逆方向に搬送し、ローラ上にめくり上げた頁を完全に開くとともに、開いた頁の画像データをページ検知センサ14を介して検出し、バーコードを読取って開いた頁を確認する。これにより、通帳類1の所望する頁を自動的に開くことができるとともに開いた頁を認識することができる。このようにして、その種類が認識されて所望する頁が開かれた通帳類1は、印刷部20へ搬送されて所定の情報が印刷されるとともにその表面に保護膜が転写される。
【0154】
尚、ページめくり機構15を上述した動作と逆に動作させることにより、通帳1のページを逆方向にも開くことができる。
【0155】
印刷部20において所定情報が印刷された通帳類1は、さらに搬送方向下流側に向けて搬送され、通帳排出部に排出される。
【0156】
このような印刷システムにより、所定情報が印刷された通帳類1を連続して自動的に作成することが可能となる。
【0157】
以上説明したように、各実施形態に係る印刷装置及び印刷方法によれば、中間転写媒体の受像層上に所定情報を印刷し、この所定情報とともに受像層を被転写媒体上に転写することにより、被転写媒体の表面状態に影響を受けることなく安定して高画質な印刷を行うことが可能となる。
【0158】
また、転写動作時及び剥離動作時には、テンション機構により、中間転写リボンに対して適度なテンションを与えることが可能となる。これにより、中間転写リボンのたるみに起因する転写不良を防止することが可能となる。
【0159】
さらに、転写位置から剥離位置までの間に、転写長さ1画面以上のエリアを設けたことにより、順方向及び逆方向からの中間転写リボンの剥離が可能となる。これにより、印刷頁によらず常に冊子状の被転写媒体の綴目側から剥離可能となり、剥離時の被転写媒体及び中間転写リボンの破壊を防止することができ、安定した剥離動作を実現できる。また、上述したエリアにおいて、転写直後の被転写媒体にかかる熱を除去することが可能となり、中間転写リボンのバリや被転写媒体の破壊といった問題を防止することができる。
【0160】
また、被転写媒体の挿入方向を一定とすることができ、印刷頁によって被転写媒体の挿入方向を変える必要が無いので、操作員のミスによる廃棄数を低減することができる。特に、第3実施形態で説明したような自動化されたシステムにおいては、被転写媒体の向きを内部で変更する必要がないため、コストの増大を招くことなく、処理効率の高い印刷システムを提供できる。
【0161】
さらに、開いた状態の被転写媒体の両印刷頁に対して所定情報を印刷する場合でも、被転写媒体への転写・剥離動作を続けて行なうことができるので、被転写媒体への印刷効率を改善することができる。
【0162】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0163】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、印刷効率を向上できるとともに被転写媒体の破損を防止でき、被転写媒体に対して安定して高画質な印刷を行うことができる印刷装置及び印刷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る印刷装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2の(a)は、図1に示した印刷装置に適用されるヒートローラの構成を概略的に示す図であり、図2の(b)は、転写位置から剥離位置までの間の長さと、転写長さとの関係を概略的に示す図である。
【図3】図3は、図1に示した印刷装置における制御系統の構成を概略的に示す図である。
【図4】図4は、図1に示した印刷装置によって印刷/転写された所定情報と保護膜とを有する被転写媒体の一例を示す図である。
【図5】図5の(a)及び(b)は、それぞれ図1に示した印刷装置に適用可能な中間転写リボンの構成を概略的に示す断面図である。
【図6】図6は、図1に示した印刷装置に適用される中間転写リボンの構成を概略的に示す平面図である。
【図7】図7は、他の実施の形態に係る印刷装置における転写部付近の構成を概略的に示す図である。
【図8】図8は、図1に示した印刷装置が適用された印刷システムの構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…通帳類(被転写媒体)
3…印刷部(印刷手段)
4…転写部(転写手段)
26…ヒートローラ(転写手段)
28…中間転写リボン(中間転写媒体)
30…搬送機構(搬送手段)
31A…第1軸(巻取軸)
31B…第2軸(巻取軸)
31c…ガイドシャフト(剥離手段)
31d…ガイドシャフト(剥離手段)
80…テンション機構(テンション付与手段)
90…モータ制御部(トルク制御手段)
100…CPU(制御手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷装置及び印刷方法に係り、特に、中間転写媒体を介して被転写媒体に所定の印刷情報を印刷する中間転写方式の印刷装置及び印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カード類や通帳類などの被転写媒体の表面状態になるべく影響を受けることなく高画質な印刷を行うことが可能な印刷装置が求められれている。この印刷装置の一つとして、中間転写媒体としての中間転写リボンを用いるものが知られている。
【0003】
印刷装置の印刷部では、サーマルヘッドが所定情報に応じて発熱してインクリボンのインクを溶融することにより、中間転写リボンの表面に文字やバーコードなどの印刷情報が印刷される。
【0004】
印刷装置の転写部では、所定情報が印刷された中間転写リボンがヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。このとき、同時に、転写面が中間転写リボンに対向するように配置された被転写媒体がヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。この状態からヒートローラが回転されて中間転写リボン及び被転写媒体がバックアップローラに押し付けられるとともに加熱されることにより、印刷情報が被転写媒体の表面に転写される。転写後、中間転写リボンと被転写媒体は同時に搬送され、その下流でローラやガイド板などの剥離部材により、中間転写リボンが被転写媒体から剥離される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような中間転写方式の印刷装置では、転写・剥離・被転写媒体の排出は、中間転写リボンの一方向への搬送に伴って行われる。このため、通帳類などの印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体に印刷情報を転写した場合、必ずしも綴目側から中間転写リボンを剥離できるとは限らない。
【0006】
例えば、通帳類の搬送方向上流側に位置する印刷頁では、綴目側から中間転写リボンを剥離できるが、通帳類の搬送方向下流側に位置する印刷頁では、綴目でない側すなわち印刷頁の解放端側から中間転写リボンを剥離することになる。後者の場合、中間転写リボンを剥離するのに伴って印刷頁の解放端も中間転写リボンとともに引込まれ、中間転写リボンが剥がれずに通帳類を破壊するおそれがある。
【0007】
このような課題を防ぐためには、常に通帳類の綴目側から中間転写リボンを剥離するよう、印刷頁によって通帳類の挿入向きを変える必要がある。このように印刷頁によって通帳類の挿入向きを変えることは、操作員のミスを誘発し、通帳類廃棄の原因にもなる。
【0008】
また、開いた通帳類の両印刷頁に印刷情報を転写する場合であっても、一方の印刷頁の転写・剥離動作が終了後に、通帳類を一度排出し、挿入向きを変えて再度挿入された通帳類に対して転写・剥離動作を行う必要があり、印刷効率の低下を招く。
【0009】
さらに、通帳類の自動作成装置においては、通帳類の向きを回転させる機構が必要があり、非常に複雑でコストが高くなってしまう。
【0010】
また、転写直後の中間転写リボン及び通帳類には、転写動作に必要な熱が残っている。このため、転写後すぐに中間転写リボンと通帳類との剥離を開始すると、中間転写リボンの基材から転写されるべき層が剥がれにくい。したがって、中間転写リボン及び通帳類を剥離する際に、中間転写リボンのバリの発生、通帳類の印刷頁の破壊といった不具合を招くおそれがある。
【0011】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、印刷効率を向上できるとともに被転写媒体の破損を防止でき、被転写媒体に対して安定して高画質な印刷を行うことができる印刷装置及び印刷方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による印刷装置は、
所定情報を有する中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写位置から所定情報の転写長さ以上の距離をおいて配置され、前記転写手段により圧着された中間転写媒体及び被転写媒体が前記搬送手段により順方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する第1剥離手段と、
前記転写手段により圧着された中間転写媒体及び被転写媒体が前記搬送手段により逆方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する第2剥離手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明の第2の様態による印刷装置は、
所定情報を有する中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
所定情報が印刷される印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体を受け取る受取手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体と前記受取手段により受け取られた被転写媒体とを圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段により所定情報が転写された被転写媒体の綴目側から中間転写媒体を剥離する剥離手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
この発明の第3の様態による印刷方法は、
所定情報を有する中間転写媒体を搬送し、
搬送された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写し、
圧着された中間転写媒体及び被転写媒体を接触した状態で保持し、
保持された中間転写媒体及び被転写媒体が順方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離するとともに、保持された中間転写媒体及び被転写媒体が逆方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する、ことを特徴とする。
【0015】
この発明の第4の様態による印刷方法は、
所定情報を有する中間転写媒体を搬送し、
所定情報が印刷される印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体を受け取り、搬送された中間転写媒体と受け取られた被転写媒体とを圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写し、
所定情報が転写された被転写媒体の綴目側から中間転写媒体を剥離する、ことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る印刷装置及び印刷方法について図面を参照して説明する。この印刷装置は、カード類の他に、通帳類のような冊子状の被転写媒体への所定情報の印刷と、印刷面の保護膜付与とを同時に行う中間転写方式の印刷装置である。
(第1実施形態)
図1に示すように、印刷装置20は、印刷部3、搬送機構30、転写部4、テンション機構80、受取部2などを備えて構成されている。
【0017】
すなわち、印刷部3は、中間転写媒体としての中間転写リボン28に対して所定情報、すなわち識別情報や顔画像情報などの印刷情報を印刷する。この印刷部3は、サーマルヘッド5、このサーマルヘッド5に対向配置されたプラテンローラ6などを備えている。サーマルヘッド5とプラテンローラ6との間には、例えばイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の溶融インクをダンダラ状に有したインクリボン7が介在されている。この印刷部3では、このようなインクリボン7を用いてカラー画像や黒色文字の印刷が可能である。
【0018】
このインクリボン7は、その一端部が送出軸8に巻き付けられ、その他端部が巻取軸9に巻き付けられている。送出軸8及び巻取軸9の少なくとも一方は、正逆両方向に独立に駆動可能である。送出軸8から送出されたインクリボン7の中途部は、ガイドシャフト21a、21b、21c、21dに掛け渡されている。
【0019】
なお、インクリボン7としては、単色インクのみのリボンでも良く、また、紫外線によって発光する蛍光顔料インク、さらに、光沢面も持つ印刷用の金属薄膜(アルミ蒸着)層、或いは、印刷用のホログラム層等の機能を有するリボン材料を有していても良い。
【0020】
サーマルヘッド5は、所定の印刷位置において、中間転写媒体として機能する中間転写リボン28の印刷開始位置から所定情報を印刷する。プラテンローラ6は、正逆両方向に独立に駆動可能であり、中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。
【0021】
搬送手段として機能する搬送機構30は、所定情報を有する中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。この搬送機構30は、第1軸31A及び31Bを有し、一方の軸から他方の軸に向かって中間転写リボン28を搬送可能である。すなわち、中間転写リボン28は、その一端側が印刷部3の上部側に設けられた第2軸31Bに巻き付けられ、その他端側が印刷部3の下部側に設けられた第1軸31Aに巻き付けられている。
【0022】
第1軸31A及び第2軸31Bは、それぞれ駆動モータM1及びM2によって駆動され、正逆両方向に独立に駆動可能である。また、これら第1軸31A及び第2軸31Bを駆動する駆動モータM1及びM2は、モータ制御部90によって駆動制御され、印刷部3における印刷位置及び転写部4における転写位置に向けて中間転写リボン28を所定の搬送速度及び所定のトルクで搬送する。すなわち、モータ制御部90は、巻取軸として機能する第1軸31A及び第2軸31Bのトルクを制御するトルク制御手段として機能する。
【0023】
第1軸31Aが中間転写リボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第2軸31Bが中間転写リボン28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン28は、順方向Aに搬送される(順搬送)。また、第2軸31Bが中間転写リボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第1軸31Aが中間転写リボン28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン28は、逆方向Bに搬送される(逆搬送)。
【0024】
また、搬送機構30は、プラテンローラ6と転写部4との間に配置され、印刷部3にて所定情報を印刷された中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送するリボン搬送ローラ70を備えている。
【0025】
第2軸31B及び第1軸31Aとの間では、中間転写リボン28の中途部がガイドシャフト31a〜31eに掛け渡されている。ガイドシャフト31c及び31dは、後述するように、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1を剥離する剥離手段として機能する。これらガイドシャフト31c及び31dは、印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体に所定情報を転写する場合、被転写媒体の綴じ目側から中間転写リボン28を剥離する。
【0026】
転写手段として機能する転写部4は、転写ローラとしてのヒートローラ26、このヒートローラ26に対向配置されたバックアップローラ27などを備えている。このヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、中間転写リボン28が介在されている。
【0027】
図2に示すように、ヒートローラ26は、回転軸に対して垂直な平面において、ほぼ半円形状の断面を有している。すなわち、このヒートローラ26は、芯金35を有している。この芯金35は、その一部の外周面に平面状にカットされたカット面35Aを有している。芯金35の内部には、加熱減としてのヒータ65が設けられている。芯金35の円弧部35Bの外周面には、厚さ1mm〜2mmの耐熱性ゴム36が被覆されている。
【0028】
なお、耐熱性ゴム36は、芯金35の円弧部35Bのみならず、カット面35Aを含む全周を覆っても良い。また、ヒートローラ26は、耐熱性ゴムがなくて芯金のみでもよい。この場合、ヒートローラ表面には、汚れの付着防止のテフロン加工などを行うことが望ましい。また、ヒートローラ26は、その円弧部35Bの周方向に沿った長さが被転写媒体1の転写エリアの長さと略同等もしくはそれ以上の長さになるように形成されている。
【0029】
ヒートローラ26は、印刷待機時においては、図2の(a)に示すように、そのカット面35Aを被転写媒体の搬送路11に対してほぼ並行に対向して配置されている。これにより、ヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、被転写媒体1を配置可能な隙間が形成されている。このとき、中間転写リボン28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触していない。
【0030】
このヒートローラ26は、転写時にのみ回転し、中間転写リボン28に接触する。すなわち、中間転写リボン28への印刷動作に伴って、中間転写リボン28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触することなく搬送される。転写時には、これらヒートローラ26及びバックアップローラ27は、転写位置(ヒートローラ26とバックアップローラ27とが接触している位置)において、中間転写リボン28と被転写媒体1とを被転写媒体1の厚さによらず一定の圧力で圧着しつつヒータ65からの熱によって加熱することにより、中間転写リボン28の転写開始位置から中間転写リボン28上に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する。
【0031】
テンション付与手段として機能するテンション機構80は、搬送機構30によって搬送される中間転写リボン28に対して所定テンションを付与する。すなわち、このテンション機構80は、リボン搬送ローラ70と転写部4との間に配置される。
【0032】
このテンション機構80は、その一端部を支点81Aとして揺動自在に設けられたアーム81と、アーム81の他端部にて中間転写リボン28に接触し且つ所定のテンションを与えるテンショナ82と、テンショナ82を付勢するばね83とを備えて構成されている。
【0033】
このテンション機構80は、ロック機構84によってロック/解除が制御される。このロック機構84は、アーム81の折れ曲り部に設けられたカムフォロワ85、カムフォロワ85に係合し回転自在に設けられたカム86、及び、カム86を回転させる駆動モータ87を備えて構成されている。
【0034】
このロック機構84では、印刷動作/転写動作のそれぞれ開始指示に基づいて、駆動モータ87の駆動が制御される。すなわち、このロック機構84は、印刷部3による印刷動作中においては、カム86をカムフォロワ85に接触させ、アーム81を固定することでテンション機構80をロックする。
【0035】
また、ロック機構84は、転写部4における転写動作中においては、駆動モータ87を制御して、カム86を所定角度だけ回転させる。カム86が回転することにより、カムフォロワ85が追従し、アーム81が支点81Aを軸としてに回動する。カム86がある程度回転すると、テンショナ82を付勢しているバネ83の付勢力により、アーム81の回動が停止する。さらに、カム86が回転すると、カムフォロワ85とカム86とが離間する。これにより、アーム81は、バネ83によって付勢された状態でフリーとなり、ロックが解除される。このため、中間転写リボン28にたるみが生じても、テンショナ82によって中間転写リボン28に対して所定のテンション(第1テンション)を付与して、たるみを改善することができる。
【0036】
受取手段として機能する受取部2は、第1搬送ローラ対13A、第2搬送ローラ対13Bなどを備えて構成されている。第1搬送ローラ対13Aは、転写部4より搬送方向上流側に配置されている。また、第2搬送ローラ対13Bは、転写部4より搬送方向下流側に配置されている。
【0037】
これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、取込口2Aから挿入された被転写媒体(この実施の形態では印刷頁を開いた状態の通帳類)1を搬送路11に沿って転写部4の転写位置まで搬送する。これら第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bは、正逆両方向に独立に駆動可能である。
【0038】
すなわち、これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、共に正方向に回転し、取込口2から挿入された被転写媒体1の印刷頁における転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に整合するように被転写媒体1を搬送する。また、これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、共に逆方向に回転し、転写部4における転写動作が終了した被転写媒体1を取込口2に向けて搬送する。
【0039】
中間転写リボン28の供給路上には、第1センサS1及び第2センサS2が配置されている。これら第1センサS1及び第2センサS2は、後述する中間転写リボン28の有効領域の外側に配置されたバーマークを検知するための出力信号を出力する。被転写媒体1の搬送路11上には、第3センサS3及び第4センサS4が配置されている。これら第3センサS3及び第4センサS4は、取込口2Aから挿入された被転写媒体1の有無を検知するための出力信号を出力する。なお、これら第1乃至第4センサS1乃至S4は、例えば透過型センサであり、一対の発光部及び受光部を備えて構成されているが、反射型センサによって構成されてもよい。
【0040】
ところで、ガイドシャフト31dは、転写部4における転写位置から所定情報の転写長さ以上の距離をおいて順搬送方向下流側すなわち第1軸31A側に配置されている。より詳細には、図2の(b)に示すように、転写位置からガイドシャフト31dまでの長さL1は、ヒートローラ26の円弧部35Bの周方向に沿った長さL2より長い。
【0041】
このガイドシャフト31dは、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1が搬送機構30及び第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bにより順方向Aに搬送されたのに基づいて被転写媒体1から中間転写媒体28を剥離する第1剥離手段として機能する。
【0042】
すなわち、被転写媒体1は、第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bによって順方向Aに向けて搬送されるとともに、中間転写リボン28は、搬送機構30によって順方向Aに向けて搬送される。このとき、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって被転写媒体1から離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥離される。
【0043】
また、ガイドシャフト31cは、転写部4における転写位置から順搬送方向上流側すなわち第2軸31B側に配置されている。このガイドシャフト31cは、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1が搬送機構30及び第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bにより逆方向Bに搬送されたのに基づいて被転写媒体1から中間転写媒体28を剥離する第2剥離手段として機能する。
【0044】
すなわち、被転写媒体1は、第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bによって逆方向Bに向けて搬送されるとともに、中間転写リボン28は、搬送機構30によって逆方向Bに向けて搬送される。このとき、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31cに案内されながら第2軸31Bによって被転写媒体1から離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥離される。
【0045】
転写位置からガイドシャフト31dまでのエリアCAは、転写位置において圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1を接触した状態で保持可能であり、保持手段として機能する。このエリアCAでは、中間転写リボン28及び被転写媒体1を冷却可能である。
【0046】
すなわち、中間転写リボン28及び被転写媒体1は、ヒートローラ26からの熱(例えば150℃程度)により印刷情報を転写可能な温度まで加熱される。転写直後の中間転写リボン28及び被転写媒体1は、かなり高温であり(例えば120℃程度)、このような高温状態では、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥がれにくい。このため、エリアCAにおいて、転写直後の中間転写リボン28及び被転写媒体1を保持し、剥離可能な温度、例えば転写直後の半分の温度程度まで(例えば70℃程度)冷却する。
【0047】
この冷却は、所定時間にわたって放置することによる自然冷却であっても良いし、ファンFなどによる強制冷却であってもよい。このエリアCAにおいては、サーモパイルなどによって構成された温度検知部TSが配置されている。これにより、エリアCAにおける被転写媒体の表面温度を監視可能である。
【0048】
図3に示すように、印刷装置20は、装置全体を制御する制御手段として機能するCPU100を備えている。
【0049】
このCPU100には、メモリ部101、インタフェース部102などが接続されている。メモリ部101は、装置全体の駆動を制御するための制御プログラムなどを記憶している。また、メモリ部101は、インタフェース部102を介して受信した印刷データなどを一時的に記憶する。インタフェース部102は、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷に必要な印刷データを受信する。
【0050】
また、CPU100には、さらに、サーマルヘッド制御回路103、印刷部搬送制御回路104、ヒータ温度制御回路105、ヒートローラ回転制御回路106、搬送制御回路107、媒体搬送制御回路108、センサ入力回路109、ロック機構制御回路110、モータ制御部90、温度制御部112などが接続されている。
【0051】
サーマルヘッド制御回路103は、印刷データに基づいてサーマルヘッド5の印刷動作を制御する。印刷部搬送制御回路104は、印刷部3における搬送機構として機能する送出軸8及び巻取軸9の駆動を制御する。ヒータ温度制御回路105は、ヒートローラ26内部のヒータ65を駆動して、ヒートローラ26を所定の温度に維持するよう制御する。
【0052】
ヒートローラ回転制御回路106は、ヒートローラ26の回転駆動を制御する。すなわち、ヒートローラ回転制御回路106は、被転写媒体の転写開始位置と、ヒートローラ26による中間転写リボン28上に印刷された所定情報の転写開始位置とを整合した状態で、ヒートローラ26のカット面35Aのエッジ部を転写開始位置に当接させた後、所定方向にヒートローラ26を回転させることにより、中間転写リボン28上の所定情報を被転写媒体1に転写する。
【0053】
搬送制御回路107は、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70の駆動を制御する。媒体搬送制御回路108は、搬送ローラ対13A及び13Bの駆動を制御して、被転写媒体1を取込口2Aから取り込み、所定の転写位置まで搬送し、転写完了した被転写媒体1を取込口2Aから排出する。
【0054】
センサ入力回路109は、第1センサS1及び第2センサS2から出力信号に基づいて中間転写リボン28のバーマークを検知する。また、センサ入力回路109は、第3センサS3及び第4センサS4から出力信号に基づいて被転写媒体1の有無を検知する。
【0055】
ロック機構制御回路110は、印刷部3における印刷開始指示に基づいてテンション機構80をロックするよう駆動モータ87の駆動を制御し、カム86を所定の回転角度だけ回転させる。また、ロック機構制御回路110は、転写部4における転写開始指示に基づいてテンション機構80のロックを解除するように駆動モータ87を制御し、カム86を所定の回転角度だけ回転させる。
【0056】
モータ制御部90は、搬送機構30における第1軸30A及び第2軸30Bの回転方向を制御するとともに、これら第1軸30A及び第2軸30Bによる中間転写リボン28の搬送速度及び中間停車リボン28に対して所定のテンションを付与するようトルクを制御する。
【0057】
温度制御部112は、温度検知部TSからの出力信号に基づいて転写直後の被転写媒体1の表面温度を検知するとともに、中間転写リボン28を剥離可能な温度まで被転写媒体1を冷却するようファンFを駆動する。
【0058】
上述したような印刷装置20においては、図4に示すように、被転写媒体1の少なくとも一部、例えば通帳類1における印刷頁10の印刷エリア10’に、所定の印刷情報が印刷される。印刷情報として、固有の識別情報などの文字は黒色で印刷され、顔画像情報はカラーで印刷される。顔画像を含む所定領域は、所定パターンを有する透明ホログラム層を付与した保護膜によってオーバコートされてもよい。この保護膜は、例えば印刷頁10の搬送方向に沿った長さbを有するとともに幅wを有する領域に設けられる。
【0059】
次に、上述した印刷装置20に適用される中間転写リボンの構造について説明する。
【0060】
図5の(a)に示すように、中間転写リボン28は、例えば3層構造であり、長尺のベース層40、ベース層40上に配置された剥離層41、剥離層41上に配置された受像層42を備えて構成される。この受像層42は、接着層としての機能を備えている。受像層42上には、印刷部3により所定情報が印刷される。
【0061】
中間転写リボン28の3層のうち、剥離層41及び受像層42は、転写層として機能し、転写部4において、受像層42上に印刷された所定情報とともに被転写媒体1上に転写される。被転写媒体1上に転写された時に最上層に配置される剥離層41は、保護膜として機能する。
【0062】
なお、中間転写リボン28は、図5の(a)に示した構造に限らず、図5の(b)に示したように、ベース層40と剥離層41との間にホログラム層屋紫外線によって発光する蛍光発光層などの機能層43を配置した4層構造であっても良い。このような構造の場合、機能層43、剥離層41、及び受像層42が転写層として機能し、転写部4において、受像層42上に印刷された所定情報とともに被転写媒体1上に転写される。このとき、被転写媒体1上に転写された時に最上層に配置される機能層43は、保護膜として機能する。
【0063】
例えば、図5の(b)に示すような機能層43を有する中間転写リボン28は、図6に示すように、所定パターンの透明ホログラム層からなる第1領域43Aと、無地の透明な第2領域43Bと、マージンに相当する第3領域43Cと、を備えている。これら第1領域43A、第2領域43B、及び第3領域43Cは、中間転写リボン28の順搬送方向に沿って順に配置され、単位パターンを構成している。
【0064】
また、中間転写リボン28の機能層43は、第1領域43A、第2領域43B、及び第3領域43Cからなる単位パターンを規定するためのバーマーク43Dを有している。このバーマーク43Dは、例えば、中間転写リボン28の有効領域28−1の外側の領域28−2に配置されている。この外側領域28−2は、回折効果がない目視でほぼ透明な領域である。
【0065】
すなわち、機能層43の第1領域43Aは、所定の第1方向から入射した光を第2方向に回折する回折効果を有する領域であり、パターンそのものは文字、絵柄、ロゴなど自由にデザインできるが、印刷された所定情報の偽造防止効果を考慮すると、なるべく全面にパターンが形成されていることが望ましい。
【0066】
第2領域43Bは、機能層43内において可視光域及びその近傍の周波数帯域の光を回折する効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。第3領域43Cは、転写位置ズレなどを考慮したマージンに相当する領域であり、第2領域43Bと同様に回折効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。
【0067】
バーマーク43Dは、単位パターン毎に繰り返し配置され、回折効果を有する所定パターンを有している。このバーマーク43Dは、印刷装置の第1センサS1及び第2センサS2からの出力信号に基づいて検知される。すなわち、印刷装置は、このバーマーク43Dを検知することにより、中間転写リボン28の位置を検知することが可能となる。
【0068】
次に、印刷装置20の印刷部3による中間転写リボン28へ所定情報の印刷動作について説明する。
【0069】
すなわち、印刷装置20のCPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、モータ制御部90を制御して、搬送機構30の第1軸31A及び第2軸31Bを駆動し、中間転写リボン28を送出する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第1センサS1からの出力信号に基づいて、送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知する。
【0070】
続いて、CPU100は、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU100は、第1センサS1の位置でバーマーク43Dを検知してから、中間転写リボン28における所定の印刷開始位置がサーマルヘッド5による印刷位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0071】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、モータ制御部90を制御して、搬送機構30の第1軸31A及び第2軸31Bを駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の印刷開始位置をサーマルヘッド5による印刷位置に到達させる。
【0072】
続いて、CPU100は、印刷データに基づいてサーマルヘッド制御回路103を制御し、サーマルヘッド5を駆動して、中間転写リボン28の受像層42上における印刷開始位置からインクリボン7のインクを転写してカラーまたは黒色の所定情報45を印刷する。すなわち、サーマルヘッド5は、印刷データに基づいて発熱することにより、インクリボン7のインクが溶融されて中間転写リボン28の受像層42表面に転写される。
【0073】
このとき、CPU100は、ロック機構制御回路110を制御し、駆動モータ87によりテンション機構80をロックしている。また、CPU100は、モータ制御部90を制御して、搬送機構30の第1軸31Aの回転速度を印刷搬送速度より速くなるように設定し、中間転写リボン28に適度なテンションを付与する。
【0074】
印刷される所定情報は、黒などの単色印刷でも良く、また、Y、M、C、Kの4色を重ね合わせたカラー印刷でも良い。必要に応じて、インクリボンを単色や複数色繰り返し塗布すればよい。また、文字印刷のために溶融黒インクを使用し、カラー印刷のためにY、M、C、Kの昇華染料が繰り返し塗布されても良い。複数色の重ね合わせ印刷の場合は、中間転写リボン28がサーマルヘッド5を色数と同じ回数だけ往復することで行われる。
【0075】
次に、印刷装置の転写部4による被転写媒体1への所定情報の転写動作について説明する。この第1実施形態では、印刷部3で印刷された所定情報を有する中間転写リボン28の受像層42と被転写媒体としての通帳類1の該当印刷頁10とを重ね合わせて、所定情報とともに受像層42、剥離層41、及び機能層43を通帳類1上に同時に転写する。
【0076】
まず、通帳類1の挿入方向先方の印刷頁10Aに所定情報を転写する場合について説明する。
【0077】
すなわち、印刷装置20のCPU100は、センサ入力回路109を介して第4センサS4からの出力信号に基づいて取込口2Aから挿入されたことを検知したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを同一方向に駆動して、印刷頁10Aが開かれた通帳類1を綴目に対して垂直な方向、すなわちB方向に沿って搬送する。このとき、ヒートローラ26は、図2の(a)に示すような印刷待機状態となっており、カット面35Aを搬送路11に対してほぼ平行に対向して配置されている。
【0078】
続いて、CPU100は、センサ入力回路109を介して第4センサS4からの出力信号に基づいて通帳類1の通過を検知してから所定量だけ通帳類1を搬送したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0079】
そして、CPU100は、通帳類1上における印刷頁10Aの綴目側に近い転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを共に正方向または逆方向に駆動することにより通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10Aの綴目側の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0080】
一方、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、ロック機構制御回路110を制御して、駆動モータ87を駆動し、カム86を回転してテンション機構80のロックを解除する。これにより、中間転写リボン28に対して所定の第1テンションが付与される。
【0081】
また、CPU100は、搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、モータ制御部90を制御して、搬送機構30の第1軸31A及び31Bを駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28をA方向に送出する。このとき、第1軸31Aが巻取軸に相当し、第2軸31Bが送出軸に相当する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第2センサS2からの出力信号に基づいて送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知する。
【0082】
続いて、CPU100は、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU100は、第2センサS2の位置でバーマーク43Dを検知してから、中間転写リボン28における所定の転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0083】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、モータ制御部90を制御して、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の転写開始位置を転写部4における転写位置に到達させる。
【0084】
続いて、CPU100は、ヒータ温度制御回路105を制御して、ヒータ65を駆動し、ヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ回転制御回路106を制御して、ヒートローラ26を回転させる。
【0085】
すなわち、互いに位置決めされた中間転写リボン28及び通帳類1は、円周の一部が切り欠かれた形状のカット面35Aを有するヒートローラ26の回転とともに重ね合わされる。このとき、中間転写リボン28の搬送方向に直交する幅方向に対して、通帳類1の印刷頁10の綴目部が平行となるよう互いに重ね合わせて転写を開始する。
【0086】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26及びバックアップローラ27により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。
【0087】
また同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0088】
これにより、中間転写リボン28を逆方向Bに引っ張るテンションよりも順方向Aに引っ張るテンションが強くなり、中間転写リボン28を弛みなく安定して転写位置から順方向Aに搬送することができ、所定情報が転写不良を発生することなく通帳類1の印刷頁10Aに転写される。
【0089】
続いて、CPU100は、所定情報が転写された通帳類1の印刷頁10Aを転写位置の順方向A下流側において保持し、エリアCAにて中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却する。そして、CPU100は、通帳類1が所定温度まで冷却されたのに基づいて、中間転写リボン28と通帳類1との剥離動作を開始する。
【0090】
すなわち、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の順方向Aへの搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の順方向Aへの搬送とが行われる。そして、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって通帳類1の印刷頁10Aから離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、印刷頁10Aの綴目側から剥離される。
【0091】
このとき同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0092】
これにより、中間転写リボン28を逆方向Bに引っ張るテンションよりも順方向Aに引っ張るテンションが強くなり、しかも印刷頁10Aの綴目側から中間転写リボン28を剥離することができ、通帳類1及び各印刷頁10の破壊を防止することができる。
【0093】
CPU100は、さらに媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を取込口2Aから排出させる。
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10A上に所定情報を印刷することが可能となる。
【0094】
次に、通帳類1の挿入方向後方の印刷頁10Bに所定情報を転写する場合について説明する。
すなわち、印刷頁10Aに転写する場合と同様に、CPU100は、取込口2Aから挿入されたことを検知したのに基づいて、印刷頁10Bが開かれた通帳類1をB方向に沿って搬送する。
【0095】
続いて、CPU100は、通帳類1の通過を検知してから所定量だけ通帳類1を搬送したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0096】
そして、CPU100は、通帳類1上における印刷頁10Bの解放端側に近い転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを共に正方向または逆方向に駆動することにより通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10Bの解放端側の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0097】
一方、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、テンション機構80のロックを解除し、中間転写リボン28に対して所定の第1テンションが付与される。
【0098】
また、CPU100は、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、搬送機構30の第1軸31A及び31Bを駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28をA方向に送出する。そして、CPU100は、送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知し、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0099】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の転写開始位置を転写部4における転写位置に到達させる。
【0100】
続いて、CPU100は、ヒータ65を駆動してヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ26を回転させる。
【0101】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26及びバックアップローラ27により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。
【0102】
また同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0103】
続いて、CPU100は、所定情報が転写された通帳類1の印刷頁10Bを転写位置の順方向A下流側において保持し、エリアCAにて中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却する。そして、CPU100は、通帳類1が所定温度まで冷却されたのに基づいて、中間転写リボン28と通帳類1との剥離動作を開始する。
【0104】
すなわち、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の順方向Aへの搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の順方向Aへの搬送とが行われる。そして、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって通帳類1の印刷頁10Bから離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、印刷頁10Bの綴目側から剥離される。
【0105】
このとき同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0106】
CPU100は、さらに媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を取込口2Aから排出させる。
【0107】
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10B上に所定情報を印刷することが可能となる。
このように、第1実施形態によれば、転写部4による転写動作は、順方向Aに沿ってのみ行われるが、冊子状の被転写媒体1に所定情報を印刷する場合であっても、常に印刷頁の綴目側から中間転写リボン28を剥離することができる。
【0108】
すなわち、順方向Aの上流側の印刷頁10Aに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を順方向Aに沿って搬送して両者を剥離する。また、順方向Aの下流側の印刷頁10Bに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を逆方向Bに沿って搬送して両者を剥離する。これにより、転写動作時における被転写媒体1の破壊を防止する可能となる。
【0109】
また、印刷頁に対応して通帳類の挿入向きを変える必要もなく、コストの増大を抑えることができる。これにより、印刷効率を向上することが可能となる。 さらに、転写部4による転写位置の順方向A下流側に、転写直後の被転写媒体1及び中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却するエリアを設けたことにより、被転写媒体1が中間転写リボン28から剥がれやすくなり、中間転写リボン28のバリの発生や印刷頁の破壊を防止することができる。これにより、被転写媒体1に対して安定して高画質な印刷を行うことが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る印刷装置及び印刷方法について説明する。基本的な構成は、上述した第1実施形態と同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0110】
この第2実施形態では、ガイドシャフト31c及び31dは、それぞれ転写部4における転写位置から所定情報の転写長さ以上の距離をおいて順搬送方向上流側及び下流側に配置されている。より詳細には、図7に示すように、転写位置からガイドシャフト31c及び31dまでの長さL1は、ヒートローラ26の円弧部35Bの周方向に沿った長さL2より長い。
【0111】
転写位置からガイドシャフト31c及び31dまでのエリアCA1及びCA2は、転写位置において圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1を接触した状態で保持可能であり、保持手段として機能する。すなわち、これらのエリアCA1及びCA2は、上述した第1実施形態と同様に構成され、転写直後の中間転写リボン28及び被転写媒体1を保持し、互いを剥離可能な温度まで冷却可能である。
【0112】
ガイドシャフト31dは、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1が搬送機構30及び第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bにより順方向Aに搬送されたのに基づいて被転写媒体1から中間転写媒体28を剥離する第1剥離手段として機能する。
【0113】
すなわち、被転写媒体1は、第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bによって順方向Aに向けて搬送されるとともに、中間転写リボン28は、搬送機構30によって順方向Aに向けて搬送される。このとき、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって被転写媒体1から離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥離される。
【0114】
ガイドシャフト31cは、転写部4により圧着された中間転写リボン28及び被転写媒体1が搬送機構30及び第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bにより逆方向Bに搬送されたのに基づいて被転写媒体1から中間転写媒体28を剥離する第2剥離手段として機能する。
【0115】
すなわち、被転写媒体1は、第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bによって逆方向Bに向けて搬送されるとともに、中間転写リボン28は、搬送機構30によって逆方向Bに向けて搬送される。このとき、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31cに案内されながら第2軸31Bによって被転写媒体1から離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、被転写媒体1から剥離される。
【0116】
次に、印刷装置の転写部4による被転写媒体1への所定情報の転写動作について説明する。なお、印刷部3に夜中間転写リボン28への所定情報の印刷動作については、上述した第1実施形態と同一であるので省略する。また、転写動作についても、上述した第1実施形態と同一の動作については簡単に説明する。この第2実施形態では、印刷部3で印刷された所定情報を有する中間転写リボン28の受像層42と被転写媒体としての通帳類1の該当印刷頁10とを重ね合わせて、所定情報とともに受像層42、剥離層41、及び機能層43を通帳類1上に同時に転写する。
【0117】
まず、通帳類1の挿入方向先方の印刷頁10Aに所定情報を転写する場合について説明する。
【0118】
すなわち、CPU100は、取込口2Aから挿入されたことを検知したのに基づいて、印刷頁10Aが開かれた通帳類1をB方向に沿って搬送する。そして、CPU100は、通帳類1の通過を検知してから所定量だけ通帳類1を搬送したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0119】
そして、CPU100は、通帳類1上における印刷頁10Aの綴目端側に近い転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10Aの綴目端側の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0120】
一方、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、テンション機構80のロックを解除し、中間転写リボン28に対して所定の第1テンションが付与される。
【0121】
また、CPU100は、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、搬送機構30の第1軸31A及び31Bを駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28をA方向に送出する。そして、CPU100は、送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知し、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0122】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の転写開始位置を転写部4における転写位置に到達させる。
【0123】
続いて、CPU100は、ヒータ65を駆動してヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ26を正方向に回転させる。
【0124】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の順方向Aへの搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の順方向Aへの搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26及びバックアップローラ27により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。
【0125】
また同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0126】
続いて、CPU100は、所定情報が転写された通帳類1の印刷頁10Bを転写位置の順方向A下流側において保持し、エリアCA1にて中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却する。そして、CPU100は、通帳類1が所定温度まで冷却されたのに基づいて、中間転写リボン28と通帳類1との剥離動作を開始する。
【0127】
すなわち、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の順方向Aへの搬送と、第1軸31A、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の順方向Aへの搬送とが行われる。そして、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第1軸31Aによって通帳類1の印刷頁10Aから離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、印刷頁10Aの綴目側から剥離される。
【0128】
このとき同時に、モータ制御部90は、第1軸31Aの駆動モータM1のトルクを制御する。すなわち、第1軸31Aのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第2テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより大きくなるように設定される。
【0129】
CPU100は、さらに媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を取込口2Aから排出させる。
【0130】
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10A上に所定情報を印刷することが可能となる。
【0131】
次に、通帳類1の挿入方向後方の印刷頁10Bに所定情報を転写する場合について説明する。
すなわち、印刷頁10Aに転写する場合と同様に、CPU100は、取込口2Aから挿入されたことを検知したのに基づいて、印刷頁10Bが開かれた通帳類1をB方向に沿って搬送する。
【0132】
続いて、CPU100は、通帳類1の通過を検知してから所定量だけ通帳類1を搬送したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0133】
そして、CPU100は、通帳類1上における印刷頁10Bの綴目側に近い転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10Bの綴目側の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0134】
一方、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、テンション機構80のロックを解除し、中間転写リボン28に対して所定の第1テンションが付与される。
【0135】
また、CPU100は、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、搬送機構30の第1軸31A及び31Bを駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28をA方向に送出する。そして、CPU100は、送出された中間転写リボン28のバーマーク43Dを検知し、検知したバーマーク43Dの位置を基準とし、バーマーク43Dの基準位置からの中間転写リボン28の送出量を算出する。
【0136】
続いて、CPU100は、算出した送出量に基づいて、プラテンローラ6及びリボン搬送ローラ70を駆動するとともに、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、中間転写リボン28の所定の転写開始位置を転写部4における転写位置に到達させる。以上のステップまでは、搬送機構30における第1軸31Aが巻取軸として機能する。また、以降のステップでは、搬送機構30における第2軸31Bが巻取軸として機能する。
【0137】
すなわち、CPU100は、ヒータ65を駆動してヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ26を逆方向に回転させる。
【0138】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の逆方向Bへの搬送と、第2軸31B、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の逆方向Bへの搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26及びバックアップローラ27により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。
【0139】
また同時に、モータ制御部90は、巻取軸としての第2軸31Bの駆動モータM2のトルクを制御する。すなわち、第2軸31Bのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第3テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより小さくなるように設定される。
【0140】
続いて、CPU100は、所定情報が転写された通帳類1の印刷頁10Bを転写位置の逆方向B下流側において保持し、エリアCA2にて中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却する。そして、CPU100は、通帳類1が所定温度まで冷却されたのに基づいて、中間転写リボン28と通帳類1との剥離動作を開始する。
【0141】
すなわち、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の逆方向Bへの搬送と、第2軸31B、搬送ローラ70及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の逆方向Bへの搬送とが行われる。そして、中間転写リボン28は、ガイドシャフト31dに案内されながら第2軸31Bによって通帳類1の印刷頁10Bから離れる方向に巻き取られる。これにより、中間転写リボン28は、印刷頁10Bの綴目側から剥離される。
【0142】
このとき同時に、モータ制御部90は、第2軸31Bの駆動モータM2のトルクを制御する。すなわち、第2軸31Bのトルクによって中間転写リボン28に対して付与される第3テンションは、テンション機構80によって中間転写リボン28に対して付与される第1テンションより小さくなるように設定される。
【0143】
CPU100は、通帳類1から中間転写リボン28が剥離されたのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを順方向Aに駆動し、転写が完了した通帳類1を取込口2Aから排出させる。
【0144】
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10B上に所定情報を印刷することが可能となる。
このように、第2実施形態によれば、転写部4による転写動作は、常に印刷頁の綴目側からできるよう順方向A及び逆方向Bに沿って行われる。すなわち、順方向Aの上流側の印刷頁10Aに所定情報を転写する場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を順方向Aに沿って搬送する。また、順方向Aの下流側の印刷頁10Bに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を逆方向Bに沿って搬送する。
【0145】
また、被転写媒体1からの中間転写リボン28の剥離動作は、常に印刷頁の綴目側から行われる。順方向Aの上流側の印刷頁10Aに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を順方向Aに沿って搬送して両者を剥離する。また、順方向Aの下流側の印刷頁10Bに所定情報を印刷した場合には、被転写媒体1及び中間転写リボン28を逆方向Bに沿って搬送して両者を剥離する。これにより、転写動作時における被転写媒体1の破壊を防止する可能となる。
【0146】
また、印刷頁に対応して通帳類の挿入向きを変える必要もなく、コストの増大を抑えることができる。これにより、印刷効率を向上することが可能となる。 さらに、転写部4による転写位置の順方向A下流側に、転写直後の被転写媒体1及び中間転写リボン28を剥離可能な温度まで冷却するエリアを設けたことにより、被転写媒体1が中間転写リボン28から剥がれやすくなり、中間転写リボン28のバリの発生や印刷頁の破壊を防止することができる。これにより、被転写媒体1に対して安定して高画質な印刷を行うことが可能となる。
(第3実施形態)
次に、上述した印刷装置を備えた印刷システムについて説明する。
【0147】
すなわち、この印刷システムは、図8に示すように、閉じた状態の複数通の通帳類1を積層状態で収容し、一通ずつ取込む通帳取込部12、及びこの通帳取込部12から図中右方に延びた搬送路11を有している。搬送路11上には、通帳取込部12から取込まれた通帳類1を正逆両方向に搬送するための複数の搬送ローラ対13…が配設されている。以下の説明では、通帳取込部12から印刷部20に向う図中右方向を正方向とし、反対方向を逆方向とする。
【0148】
また、この印刷システムは、搬送路11に沿って、通帳類1の開かれた印刷頁10を検知するためのページ検知センサ14、及びページめくり機構15を有するページめくり部16、さらに、ページめくり部16にて所定の印刷頁が開かれた通帳類1に対して所定の情報を印刷する印刷部20を備えている。この印刷部20は、上述した印刷装置20と同一の構成であるため詳細な説明は省略する。
【0149】
ページ検知センサ14は、通帳類1の開かれた印刷頁の画像を検出し、その画像データに基づいて、当該頁の所定位置に付与された図示しないバーコードを読取り、通帳類1の開かれたページを認識する。
【0150】
ページめくり機構15は、搬送路11の下方に配設されたバックアッププレート17、搬送路11の上方に配設されためくりローラ18、及びバックアッププレート17の揺動の中心に設けられた支点19aを中心に揺動自在であるとともに、その揺動の先端にめくりローラ18を回動自在に取付けた揺動軸19を有している。揺動軸19が図中破線で示す位置に図示しないモータによって揺動されると、めくりローラ18が揺動されるとともにバックアッププレート17がそれに連動して揺動される。また、めくりローラ18は、図示しないモータによって時計回り或いは反時計回り方向に回転可能となっている。
【0151】
このページめくり機構15によって通帳類1の頁をめくる場合、まず、通帳類1をページめくり機構15内の所定位置まで搬送して停止させ、例えば図中破線で示すように揺動軸19を図中左方向へ揺動してめくりローラ18を通帳類1の上に押し当てる。このとき、揺動軸19の揺動にともない、バックアッププレート17も揺動され、傾いたバックアッププレート17によって通帳1の背面が上方へ押し上げられる。
【0152】
この状態で、通帳類1の搬送方向上流側の頁に押し当てられためくりローラ18を回転し、通帳類1の最上端の頁のめくり動作を開始する。このめくり動作によって当該ページがせり上がるように膨らみ、ある程度めくられたところでめくりローラ18を停止する。さらに、この状態から揺動軸19を図中実線で示す位置に戻した後、めくりローラ18を再度回転し、当該ページをめくりローラ18上に完全にめくり上げる。
【0153】
そして、通帳類1を逆方向に搬送し、ローラ上にめくり上げた頁を完全に開くとともに、開いた頁の画像データをページ検知センサ14を介して検出し、バーコードを読取って開いた頁を確認する。これにより、通帳類1の所望する頁を自動的に開くことができるとともに開いた頁を認識することができる。このようにして、その種類が認識されて所望する頁が開かれた通帳類1は、印刷部20へ搬送されて所定の情報が印刷されるとともにその表面に保護膜が転写される。
【0154】
尚、ページめくり機構15を上述した動作と逆に動作させることにより、通帳1のページを逆方向にも開くことができる。
【0155】
印刷部20において所定情報が印刷された通帳類1は、さらに搬送方向下流側に向けて搬送され、通帳排出部に排出される。
【0156】
このような印刷システムにより、所定情報が印刷された通帳類1を連続して自動的に作成することが可能となる。
【0157】
以上説明したように、各実施形態に係る印刷装置及び印刷方法によれば、中間転写媒体の受像層上に所定情報を印刷し、この所定情報とともに受像層を被転写媒体上に転写することにより、被転写媒体の表面状態に影響を受けることなく安定して高画質な印刷を行うことが可能となる。
【0158】
また、転写動作時及び剥離動作時には、テンション機構により、中間転写リボンに対して適度なテンションを与えることが可能となる。これにより、中間転写リボンのたるみに起因する転写不良を防止することが可能となる。
【0159】
さらに、転写位置から剥離位置までの間に、転写長さ1画面以上のエリアを設けたことにより、順方向及び逆方向からの中間転写リボンの剥離が可能となる。これにより、印刷頁によらず常に冊子状の被転写媒体の綴目側から剥離可能となり、剥離時の被転写媒体及び中間転写リボンの破壊を防止することができ、安定した剥離動作を実現できる。また、上述したエリアにおいて、転写直後の被転写媒体にかかる熱を除去することが可能となり、中間転写リボンのバリや被転写媒体の破壊といった問題を防止することができる。
【0160】
また、被転写媒体の挿入方向を一定とすることができ、印刷頁によって被転写媒体の挿入方向を変える必要が無いので、操作員のミスによる廃棄数を低減することができる。特に、第3実施形態で説明したような自動化されたシステムにおいては、被転写媒体の向きを内部で変更する必要がないため、コストの増大を招くことなく、処理効率の高い印刷システムを提供できる。
【0161】
さらに、開いた状態の被転写媒体の両印刷頁に対して所定情報を印刷する場合でも、被転写媒体への転写・剥離動作を続けて行なうことができるので、被転写媒体への印刷効率を改善することができる。
【0162】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0163】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、印刷効率を向上できるとともに被転写媒体の破損を防止でき、被転写媒体に対して安定して高画質な印刷を行うことができる印刷装置及び印刷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る印刷装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2の(a)は、図1に示した印刷装置に適用されるヒートローラの構成を概略的に示す図であり、図2の(b)は、転写位置から剥離位置までの間の長さと、転写長さとの関係を概略的に示す図である。
【図3】図3は、図1に示した印刷装置における制御系統の構成を概略的に示す図である。
【図4】図4は、図1に示した印刷装置によって印刷/転写された所定情報と保護膜とを有する被転写媒体の一例を示す図である。
【図5】図5の(a)及び(b)は、それぞれ図1に示した印刷装置に適用可能な中間転写リボンの構成を概略的に示す断面図である。
【図6】図6は、図1に示した印刷装置に適用される中間転写リボンの構成を概略的に示す平面図である。
【図7】図7は、他の実施の形態に係る印刷装置における転写部付近の構成を概略的に示す図である。
【図8】図8は、図1に示した印刷装置が適用された印刷システムの構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…通帳類(被転写媒体)
3…印刷部(印刷手段)
4…転写部(転写手段)
26…ヒートローラ(転写手段)
28…中間転写リボン(中間転写媒体)
30…搬送機構(搬送手段)
31A…第1軸(巻取軸)
31B…第2軸(巻取軸)
31c…ガイドシャフト(剥離手段)
31d…ガイドシャフト(剥離手段)
80…テンション機構(テンション付与手段)
90…モータ制御部(トルク制御手段)
100…CPU(制御手段)
Claims (12)
- 所定情報を有する中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写位置から所定情報の転写長さ以上の距離をおいて配置され、前記転写手段により圧着された中間転写媒体及び被転写媒体が前記搬送手段により順方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する第1剥離手段と、
前記転写手段により圧着された中間転写媒体及び被転写媒体が前記搬送手段により逆方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する第2剥離手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 所定情報を有する中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写位置から所定情報の転写長さ以上の距離をおいて設けられ、前記転写手段により圧着された中間転写媒体及び被転写媒体を接触した状態で保持可能な保持手段と、
前記保持手段により保持された中間転写媒体及び被転写媒体が前記搬送手段により順方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する第1剥離手段と、
前記保持手段により保持された中間転写媒体及び被転写媒体が前記搬送手段により逆方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する第2剥離手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 所定情報を有する中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
所定情報が印刷される印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体を受け取る受取手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体と前記受取手段により受け取られた被転写媒体とを圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段により所定情報が転写された被転写媒体の綴目側から中間転写媒体を剥離する剥離手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 所定情報を有する中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
所定情報が印刷される印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体を受け取る受取手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体と前記受取手段により受け取られた被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写位置から所定情報の転写長さ以上の距離をおいて設けられ、前記転写手段により圧着された中間転写媒体及び被転写媒体を接触した状態で保持可能な保持手段と、
前記保持手段により保持された中間転写媒体及び被転写媒体が前記搬送手段により搬送されたのに基づいて、前記転写手段により所定情報が転写された被転写媒体の綴目側から中間転写媒体を剥離する剥離手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 前記転写手段により圧着された中間転写媒体及び被転写媒体を剥離する前に冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 所定情報を有する中間転写媒体を巻き取ることで搬送する巻取軸を備えた搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される中間転写媒体に所定テンションを付与するテンション付与手段と、
前記テンション付与手段と前記搬送手段との間に配置され、前記搬送手段により搬送された中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段により所定情報を転写する際に、中間転写媒体に対して前記所定テンションよりも大きなテンションを付与するよう前記巻取軸のトルクを制御するトルク制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 所定情報を有する中間転写媒体を巻き取ることで搬送する巻取軸を備えた搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段と前記搬送手段との間に配置され、前記搬送手段によって搬送される中間転写媒体に所定テンションを付与するテンション付与手段と、
前記転写手段により所定情報を転写する際に、中間転写媒体に対して前記所定テンションよりも小さなテンションを付与するよう前記巻取軸のトルクを制御するトルク制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 第1軸及び第2軸を有し、一方の軸から他方の軸に向かって所定情報を有する中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
前記第1軸と前記第2軸との間に配置され、前記搬送手段によって搬送される中間転写媒体に所定テンションを付与するテンション付与手段と、
前記第1軸から前記第2軸に向けて中間転写媒体を順搬送する際に中間転写媒体に対して前記所定テンションよりも大きなテンションを付与するよう前記第2軸のトルクを制御するとともに、前記第2軸から前記第1軸に向けて中間転写媒体を逆搬送する際に中間転写媒体に対して前記所定テンションよりも小さなテンションを付与するように前記第1軸のトルクを制御するトルク制御手段と、
前記テンション付与手段と前記第2軸との間に配置され、前記搬送手段により順搬送及び逆搬送された中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 所定情報を有する中間転写媒体を搬送し、
搬送された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写し、
圧着された中間転写媒体及び被転写媒体を接触した状態で保持し、
保持された中間転写媒体及び被転写媒体が順方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離するとともに、保持された中間転写媒体及び被転写媒体が逆方向に搬送されたのに基づいて被転写媒体から中間転写媒体を剥離する、
ことを特徴とする印刷方法。 - 所定情報を有する中間転写媒体を搬送し、
所定情報が印刷される印刷頁を開いた状態の冊子状の被転写媒体を受け取り、搬送された中間転写媒体と受け取られた被転写媒体とを圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写し、
所定情報が転写された被転写媒体の綴目側から中間転写媒体を剥離する、
ことを特徴とする印刷方法。 - 所定情報を有する中間転写媒体を巻取軸によって巻き取ることで搬送し、
搬送される中間転写媒体に対してテンション付与手段により所定テンションを付与し、
前記テンション付与手段と前記巻取軸との間の転写位置において、搬送された中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写し、
所定情報を転写する際に、中間転写媒体に対して前記所定テンションよりも大きなテンションを付与するよう前記巻取軸のトルクを制御する、
ことを特徴とする印刷方法。 - 所定情報を有する中間転写媒体を巻取軸によって巻き取ることで搬送し、
転写位置において、搬送された中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写し、
前記転写位置と前記巻取軸との間のテンション付与手段により、搬送される中間転写媒体に対して所定テンションを付与し、
所定情報を転写する際に、中間転写媒体に対して前記所定テンションよりも小さなテンションを付与するよう前記巻取軸のトルクを制御する、
ことを特徴とする印刷方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002198751A JP2004034658A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 印刷装置及び印刷方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-07-08 JP JP2002198751A patent/JP2004034658A/ja active Pending
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