JP2004074557A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理効率を向上することが可能な印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
【解決手段】印刷装置は、中間転写リボン28に所定情報を印刷する印刷部3と、印刷部3により中間転写リボン28に印刷された所定情報を被転写媒体1に転写する転写部4と、を備え、印刷部3及び転写部4は互いに並行動作することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】印刷装置は、中間転写リボン28に所定情報を印刷する印刷部3と、印刷部3により中間転写リボン28に印刷された所定情報を被転写媒体1に転写する転写部4と、を備え、印刷部3及び転写部4は互いに並行動作することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷装置及び印刷方法に係り、特に、中間転写媒体に印刷した所定情報を通帳類等の被転写媒体に転写する印刷装置及び印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カード類や通帳類などの被転写媒体の表面状態になるべく影響を受けることなく高画質な印刷を行う印刷装置が求められれている。この印刷装置の一つとして、中間転写媒体としての中間転写リボンを用いる中間転写方式の印刷装置が知られている。
【0003】
印刷装置の印刷部では、所定の印刷位置に配置されたサーマルヘッドが所定情報に応じて発熱してインクリボンのインクを溶融することにより、印刷位置に供給された中間転写リボンの表面に文字やバーコードなどの所定情報が印刷される。
【0004】
印刷装置の転写部では、所定情報が印刷された中間転写リボンがヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。この送り込みに対して、印刷頁が中間転写リボンに対向するように配置された被転写媒体がヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。この状態からヒートローラが回転されて中間転写リボン及び被転写媒体がバックアップローラに押し付けられるとともに加熱されることにより、所定情報が被転写媒体の表面に転写される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような中間転写方式の印刷装置では、印刷部と転写部との間には機構的な制約により距離があり、中間転写リボン上へ所定情報を印刷する印刷動作と、中間転写リボン上の所定情報を転写部へ搬送する搬送動作と、被転写媒体へ所定情報を転写する転写動作とをそれぞれ異なる機構で実施する必要がある。
【0006】
転写動作終了後に次の印刷データに基づいて中間転写リボンへの印刷動作を行うと、中間転写リボンに印刷部から転写部までの距離に相当する「未使用エリア」が発生してしまう。このため、未使用エリアをできるだけ小さくするために、中間転写リボンを巻き戻す動作も必要となる。
【0007】
このように、従来の印刷装置では、1つの被転写媒体に対して所定情報を印刷するための処理時間は、印刷部での印刷動作と、転写部での転写動作と、中間転写リボンの巻き戻し動作とを足し合わせた時間以上が必要となる。したがって、複数の被転写媒体に対して連続的に所定情報を転写する場合、膨大な処理時間が必要なり、処理効率の向上が要求されている。
【0008】
この処理時間の短縮に対しては、印刷部と転写部との間に存在する中間転写リボンに、予め複数画像分の所定情報を印刷してストックしておくことに加え、印刷部と転写部との間に中間転写リボンを大幅に弛ませるバッファを持たせることで、印刷部における印刷動作と転写部における転写動作とで互いの影響を排除する方法が提案されている。
【0009】
しかしながら、印刷部と転写部との影響を完全に切り離すほどのバッファを持たせることは、機構の複雑化及び各部の調整の複雑化を招く結果となり、コストアップ及び印刷装置の大型化に繋がるといった問題がある。
【0010】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、処理効率を向上することが可能な印刷装置及び印刷方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による印刷装置は、
中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記印刷手段及び前記転写手段を並行動作させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
この発明の第2の様態による印刷装置は、
被転写媒体に付与された固有の識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた識別情報の少なくとも一部を含む所定情報に対応した印刷データを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段により生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明の第3の様態による印刷方法は、
印刷位置において中間転写媒体に所定情報を印刷し、
所定情報が印刷された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する印刷方法において、
印刷動作の少なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくとも1画像分の所定情報の転写動作の少なくとも一部と、を並行して行う、
ことを特徴とする。
【0014】
この発明の第4の様態による印刷方法は、
被転写媒体に付与された固有の識別情報を読み取り、
読み取られた識別情報の少なくとも一部を含む所定情報に対応した印刷データを生成し、
生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に所定情報を印刷し、
中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する、
ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る印刷装置及び印刷方法について図面を参照して説明する。この印刷装置は、カード類の他に、通帳形状の被転写媒体への所定情報の印刷と、印刷面の保護膜付与とを並行して行う中間転写方式の印刷装置である。
【0016】
(第1実施形態)
図1に示すように、印刷装置20は、印刷手段として機能する印刷部3と、搬送手段として機能する搬送機構30、転写手段として機能する転写部4と、を備えて構成されている。
【0017】
すなわち、印刷部3は、中間転写媒体としての中間転写リボン28に対して所定情報、すなわち固有の識別情報や顔画像情報などの所定情報を印刷する。この印刷部3は、サーマルヘッド5、このサーマルヘッド5に対向配置され正逆に自由回転するプラテンローラ6などを備えて構成された熱溶融転写印刷方式を採用している。
【0018】
サーマルヘッド5とプラテンローラ6との間には、例えばイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の溶融インクをダンダラ状に有したインクリボン7及び中間転写リボン28が介在されている。この印刷部3では、このようなインクリボン7を用いてカラー画像や黒色文字の印刷が可能である。
【0019】
サーマルヘッド5は、所定の印刷位置において、中間転写リボン28の印刷開始位置から所定情報を印刷する。この印刷装置20に適用されるサーマルヘッド5は、発熱体をヘッドの端面に配置して構成された、いわゆる端面型サーマルヘッド、または、発熱体をヘッドのコーナ近傍に配置して構成された、いわゆるニアエッジ型サーマルヘッドである。
【0020】
このようなタイプのサーマルヘッドを使用した印刷装置では、インクリボン及び中間転写リボン28が、サーマルヘッド5の発熱体を通過した直後、すなわち溶融転写されたインクが冷え固まる前に、剥離板等を必要とすることなく剥離される、いわゆる熱時剥離方式が採用される。
【0021】
プラテンローラ6は、弾性材料、例えば硬質のゴム材料を巻きつけることによって構成されている。ゴム材料の硬度が上がるほどに微小ドットの再現性が向上するが、同時に最適なプラテンローラ6とサーマルヘッド5との位置関係を得ることが困難となる。このため、この実施の形態では、プラテンローラ6は、その表面に、硬度(「JIS−K6253」による)が75度以上、望ましくは85度乃至97度の範囲のゴム材料を巻きつけることによって構成されている。
【0022】
同時に、研磨したゴム表面の平均表面粗さも、表面平滑性が上がるほどに微小ドットの再現性が向上する。このため、この実施の形態では、プラテンローラ6は、その表面に、平均表面粗さが中心線平均粗さRaで1μm以下、望ましくは0.5μm以下のゴム材料を巻きつけることによって構成されている。
【0023】
インクリボン7は、その一端部が送出軸8に巻き付けられ、その他端部が巻取軸9に巻き付けられている。送出軸8及び巻取軸9の少なくとも一方は、正逆両方向に独立に駆動可能である。送出軸8から送出されたインクリボン7の中途部は、ガイドシャフト21,22に掛け渡されている。
【0024】
このような熱溶融転写方式の特徴として、画像耐久性が高いこと、インク材料に機能性材料を適用することが比較的容易なこと(例えば蛍光顔料、アルミ蒸着薄膜)などが挙げられ、偽造防止を目的とする印刷物に適している。なお、インクリボン7としては、単色インクのみのリボンでも良く、また、紫外線によって発光する蛍光顔料インク、さらに、光沢面も持つ印刷用の金属薄膜(アルミ蒸着)層、或いは、印刷用のホログラム層等の機能を有するリボン材料を有していても良い。
【0025】
このインクリボン7のベースフィルム厚やインク層厚は、印刷ドット再現性に極めて重要なパラメータであり、インクリボンの総厚としては、3乃至25μmの範囲であり、望ましくは4乃至10μmの範囲内である。
【0026】
搬送機構30は、所定情報を有する中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。この搬送機構30は、第1軸31A及び31Bを有し、一方の軸から他方の軸に向かって中間転写リボン28を搬送可能である。すなわち、中間転写リボン28は、その一端側が印刷部3の上部側に設けられた第2軸31Bに巻き付けられ、その他端側が印刷部3の下部側に設けられた第1軸31Aに巻き付けられている。
【0027】
第1軸31A及び第2軸31Bは、それぞれ駆動モータM1及びM2によって駆動され、正逆両方向に独立に駆動可能である。また、これら第1軸31A及び第2軸31Bを駆動する駆動モータM1及びM2は、後述するモータ制御回路107によって駆動制御され、印刷部3における印刷位置及び転写部4における転写位置に向けて中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。
【0028】
第1軸31Aが中間転写リボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第2軸31Bが中間転写リボン28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン28は、順方向Aに搬送される(順搬送)。また、第2軸31Bが中間転写リボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第1軸31Aが中間転写リボン28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン28は、逆方向Bに搬送される(逆搬送)。
【0029】
また、搬送機構30は、プラテンローラ6と転写部4との間に配置され、印刷部3にて所定情報を印刷された中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する搬送ローラ32を備えている。搬送ローラ32は、正逆両方向に独立に駆動可能であり、中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。すなわち、中間転写リボン28の搬送速度は、主に搬送ローラ32によって決まるため、搬送ローラ32の駆動は、5相ステッピングモータと減速機構とを組み合わせて正確に行われる。
【0030】
第2軸31B及び第1軸31Aとの間では、中間転写リボン28の中途部がガイドシャフト31a〜31cに掛け渡され、ほぼ一定のテンションに維持されている。ガイドシャフト31cは、ヒートローラ26を通過した後に中間転写リボン28と被転写媒体1とを剥離する剥離ガイドとして機能する。
【0031】
中間転写リボン28を搬送する駆動力は、一般的にプラテンローラ6に駆動機構を設けて駆動することにより発生することが多いが、上述したようなプラテンローラ6の硬度と表面粗さとの関係から、中間転写リボン28とプラテンローラ6との摩擦係数が上がらず、また、安定しない。
【0032】
このため、この実施の形態では、プラテンローラ6の下流(ヒートローラ26側)直近に搬送ローラ32を設けている。この搬送ローラ32は、硬度30度乃至60度の範囲のゴム材料を用いたローラである。中間転写リボン28は、搬送ローラ32に対してできるだけ巻き付き角が大きい方が望ましい。この実施の形態では、90°乃至130°の巻き付き角で巻きついている。この搬送ローラ32は、図2に示すように、5相ステッピングモータ32A、タイミングベルト32B、及び、プーリ32Cによる減速機構を組み合わせて、正確に中間転写リボン28の搬送を行う。
【0033】
転写部4は、ヒートローラ26、このヒートローラ26に対向配置されたバックアップローラ27などを備えている。このヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、中間転写リボン28が介在されている。ヒートローラ26は、DCサーボモータもしくはステッピングモータにより正確な一定速度で駆動可能である。回転自在なバックアップローラ27は、ヒートローラ26との間に所定の圧力がかかるようにコイルバネ27Cによって付勢されている。
【0034】
図3に示すように、ヒートローラ26は、回転軸に対して垂直な平面において、ほぼ半円形状の断面を有している。すなわち、このヒートローラ26は、芯金35を有している。この芯金35は、その一部の外周面に平面状にカットされたカット面35Aを有している。芯金35の内部には、加熱源としてのヒータ65が設けられている。芯金35の円弧部35Bの外周面には、厚さ1mm〜2mmの耐熱性ゴム36が被覆されている。
【0035】
なお、耐熱性ゴム36は、芯金35の円弧部35Bのみならず、カット面35Aを含む全周を覆っても良い。また、ヒートローラ26は、耐熱性ゴムがなくて芯金のみでもよい。この場合、ヒートローラ表面には、汚れの付着防止のフッ素樹脂化合物によるコーティングなどを行うことが望ましい。また、ヒートローラ26は、その円弧部35Bの周方向に沿った長さが被転写媒体1の転写エリアの長さと略同等もしくはそれ以上の長さになるように形成されている。
【0036】
ヒートローラ26は、印刷待機時においては、図3に示すように、そのカット面35Aを搬送路11に対してほぼ並行に対向して配置されている。これにより、ヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、被転写媒体1を配置可能な隙間が形成されている。このとき、中間転写リボン28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触しないとともに、印刷開始時に進入してくる被転写媒体1の表面にも接触しない位置に配置されることが望ましい。
【0037】
このヒートローラ26は、転写時にのみ回転し、中間転写リボン28に接触する。すなわち、中間転写リボン28への印刷動作に伴って、中間転写リボン28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触することなく搬送される。転写時には、これらヒートローラ26及びバックアップローラ27は、転写位置(ヒートローラ26とバックアップローラ27とが接触している位置)において、中間転写リボン28と被転写媒体1とを被転写媒体1の厚さによらず一定の圧力で圧着しつつヒータ65からの熱によって加熱することにより、中間転写リボン28の転写開始位置から中間転写リボン28上に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する。
【0038】
図2に示すように、テンション機構80は、搬送ローラ32と転写部4との間に配置される。このテンション機構80は、搬送機構30によって搬送される中間転写リボン28に対して所定テンションを付与する。すなわち、テンション機構80は、搬送される中間転写リボン28にたるみが生じても、中間転写リボン28に対して所定のテンションを付与して、たるみを改善することができる。
【0039】
図1に示すように、被転写媒体搬送部2は、第1搬送ローラ対13A、第2搬送ローラ対13B、及び、第3搬送ローラ対13Cを備えている。第1搬送ローラ対13Aは、転写部4より搬送方向上流側に配置されている。第2搬送ローラ対13B及び第3搬送ローラ対13Cは、転写部4より搬送方向下流側に配置されている。
【0040】
これら第1乃至第3搬送ローラ対13A乃至13Cは、被転写媒体(この実施の形態では印刷頁を開いた状態の通帳類)1を搬送路11に沿って転写部4の転写位置まで搬送する。すなわち、これら第1乃至第3搬送ローラ対13A乃至13Cは、共に正方向に回転し、被転写媒体1の印刷頁における転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に整合するように被転写媒体1を搬送する。また、これら第1乃至第3搬送ローラ対13A乃至13Cは、共に正方向に回転し、転写部4における転写動作が終了した被転写媒体1をさらに下流側に向けて搬送する。
【0041】
中間転写リボン28の供給路上には、第1センサS1及び第2センサS2が配置されている。これら第1センサS1及び第2センサS2は、後述する中間転写リボン28の有効領域の外側に配置されたバーマークを検知するための出力信号を出力する。また、被転写媒体1の搬送路11上には、第3センサS3及び第4センサS4が配置されている。これら第3センサS3及び第4センサS4は、挿入された被転写媒体1の有無を検知するための出力信号を出力する。なお、これら第1乃至第4センサS1乃至S4は、例えば透過型センサであり、一対の発光部及び受光部を備えて構成されているが、反射型センサによって構成されてもよい。
【0042】
図4に示すように、印刷装置20は、装置全体を制御する制御手段として機能するCPU100を備えている。
【0043】
このCPU100には、装置全体の駆動を制御するための制御プログラムなどを記憶したメモリ部101や、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷に必要な印刷データを受信するインタフェース部102などが接続されている。インタフェース部102を介して受信した印刷データは、メモリ部101に一時的に記憶される。
【0044】
また、CPU100には、さらに、サーマルヘッド制御回路103、インクリボン搬送制御回路104、ヒータ温度制御回路105、ヒートローラ回転制御回路106、モータ制御回路107、媒体搬送制御回路108、センサ入力回路109などが接続されている。
【0045】
サーマルヘッド制御回路103は、印刷データに基づいてサーマルヘッド5の印刷動作を制御する。インクリボン搬送制御回路104は、印刷部3における搬送機構として機能する送出軸8及び巻取軸9の駆動を制御する。ヒータ温度制御回路105は、ヒートローラ26内部のヒータ65を駆動して、ヒートローラ26を所定の温度に維持するよう制御する。
【0046】
ヒートローラ回転制御回路106は、ヒートローラ26の回転駆動を制御する。すなわち、ヒートローラ回転制御回路106は、被転写媒体の転写開始位置と、ヒートローラ26による中間転写リボン28上に印刷された所定情報の転写位置とを整合した状態で、ヒートローラ26のカット面35Aのエッジ部を転写開始位置に当接させた後、所定方向にヒートローラ26を回転させることにより、中間転写リボン28上の所定情報を被転写媒体1に転写する。
【0047】
モータ制御回路107は、搬送機構30として機能する第1軸31A、第2軸31B、及び、搬送ローラ32の駆動を制御する。媒体搬送制御回路108は、搬送ローラ対13A、13B、及び、13Cの駆動を制御して、挿入された被転写媒体1を取り込み、所定の転写位置まで搬送し、転写完了した被転写媒体1を排出する。
【0048】
センサ入力回路109は、第1センサS1及び第2センサS2から出力信号に基づいて中間転写リボン28のバーマークを検知する。また、センサ入力回路109は、第3センサS3及び第4センサS4から出力信号に基づいて被転写媒体1の有無を検知する。
【0049】
上述したような印刷装置においては、図5に示すように、被転写媒体1の一部、例えば通帳類1における光学的に機械読み取りが適用される読取エリア10Bに、無地の透明な保護膜をオーバコートするとともに、被転写媒体1の他の部分、例えば通帳類1における印刷頁10の印刷エリア10Aに、所定パターンを有する透明ホログラム層を付与した保護膜をオーバコートする。このとき、透明ホログラム層のパターンは、層下側に形成された文字、画像などの目視確認を妨げない。
【0050】
印刷エリア10Aには、例えば固有の識別情報や顔画像情報などの所定情報が印刷される。識別情報などの文字情報は黒色で印刷され、顔画像情報は複数の色を順次重ね合わせたカラーで印刷される。これらの所定情報は、ほぼ円形またはほぼ楕円形の微小な印刷ドットによって再現される。これらのドット径(ドット面積)を変化させることにより、階調特性を有する印刷することができる。この実施の形態によれば、特に濃度の低い部分、すなわちドット径の小さい部分での階調特性を良好に印刷することが可能となる。
【0051】
読取エリア10Bには、例えば所持人固有の暗号化された識別情報を示す文字や、顔画像情報などの所定情報をコード化したデータコード(バーコード)が印刷される(以降、これらをセキュリティコードと称する)。この読取エリア10Bは、例えば印刷頁10の下端部に所定の幅を持って形成される。上記文字や、データコードのセキュリティコードは、黒色で印刷される。
【0052】
近年、セキュリティ情報を印刷する通帳類などの被転写媒体において、所持人に関する情報などの固有情報が印刷された出来上がり印刷物のセキュリティの重要性向上を考える場合、固有情報が印刷される前の被転写媒体そのものの盗難や盗難に伴う偽変造などに対する対策が求められている。その対策の一つとして、被転写媒体の製造工程で、被転写媒体そのものに固有の識別情報を付与しておくことが要求されている。
【0053】
この被転写媒体に予め付与された媒体固有の識別情報と、後から印刷するデータコード(セキュリティコード)の両方を同時に組み合わせて管理することで、未使用の被転写媒体の盗難で偽造物の発見、加えて、変造や全くの偽造物の発見や抑止にも効果がある。この場合、さらに望ましくは、媒体固有の識別情報は、そのままもしくは加工して、後から印刷するセキュリティコードの一部に加えて印刷される。
【0054】
図5に示した例では、上側頁すなわち印刷頁10の見開き頁側に被転写媒体固有の識別情報110が付与されている。この識別情報110は、被転写媒体が印刷装置20に取り込まれる以前に印刷されているものである。下側頁すなわち印刷頁10における印刷エリア10Aには、所持人の顔画像がカラー印刷されているとともに、所持人の識別情報が黒文字で印刷されている。これら顔画像や所持人の識別情報は、ホログラム層を有する保護膜で覆われている。また、印刷頁10における読取エリア10Bには、少なくとも一部に所持人の識別情報を含むセキュリティコードが黒色で印刷されている。
【0055】
次に、上述した印刷装置20に適用される中間転写リボンの構造について説明する。
【0056】
すなわち、図6の(a)に示すように、中間転写リボン28は、例えば3層構造であり、ベース層40、ベース層40上に配置されたホログラム層41、ホログラム層41上に配置された受像層として機能する接着層42を備えて構成されている。接着層42上には、印刷部3により所定情報が印刷される。
【0057】
ベース層40は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムによって形成される。剥離層として機能するホログラム層41は、例えばフェノキシ系樹脂、透明樹脂によるホログラム形成層、金属化合物の蒸着層からなる透明ホログラム層などを有して形成される。接着層42は、例えばポリエステル系樹脂によって形成される。
【0058】
中間転写リボン28の3層のうち、ホログラム層41及び接着層42は、転写層として機能し、転写部に4において、接着層42上に印刷された所定情報とともに被転写媒体1上に転写される。被転写媒体1上に転写された時に最上層に配置されるホログラム層41は、保護膜として機能する。
【0059】
なお、中間転写リボン28は、図6の(a)に示した構造に限らず、図6の(b)に示したように、ベース層40とホログラム層41との間に剥離層43を配置した構造であっても良い。このような構造の場合、剥離層43、ホログラム層41、及び接着層42が転写層として機能する。
【0060】
また、中間転写リボン28は、図6の(c)に示したように、ベース層40上に剥離層43、保護層44、ホログラム層41、及び接着層42をこの順に積層した構造であっても良い。このような構造の場合、剥離層43、保護層44、ホログラム層41、及び接着層42が転写層として機能する。
【0061】
さらに、中転写リボン28は、紫外線によって発光する蛍光発色層などの機能層を設け、転写部において、接着層42上に印刷された所定情報とともに被転写媒体上に転写されるよう構成しても良い。
【0062】
図6の(a)及び図7に示すように、中間転写リボン28のホログラム層41は、所定パターンの透明ホログラム層からなる第1領域41Aと、無地の透明な第2領域41Bと、マージンに相当する第3領域41Cと、を備えている。これら第1領域41A、第2領域41B、及び第3領域41Cは、中間転写リボン28の供給方向に沿って順に配置され、単位パターンを構成している。
【0063】
また、中間転写リボン28のホログラム層41は、第1領域41A、第2領域41B、及び第3領域41Cからなる単位パターンを規定するためのバーマーク41Dを有している。このバーマーク41Dは、中間転写リボン28の有効領域28−1の外側の領域28−2に配置されている。
【0064】
すなわち、ホログラム層41の第1領域41Aは、所定の第1方向から入射した光を第2方向に回折する回折効果を有する領域であり、パターンそのものは文字、絵柄、ロゴなど自由にデザインできるが、印刷された所定情報の偽造防止効果を考慮すると、なるべく全面にパターンが形成されていることが望ましい。
【0065】
第2領域41Bは、ホログラム層41内において可視光域及びその近傍の周波数帯域の光を回折する効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。第3領域41Cは、転写位置ズレなどを考慮したマージンに相当する領域であり、第2領域41Bと同様に回折効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。
【0066】
バーマーク41Dは、単位パターン毎に繰り返し配置され、回折効果を有する所定パターンを有している。このバーマーク41Dは、印刷装置の第1センサS1及び第2センサS2によって検知される。すなわち、印刷装置は、中間転写リボン28の外側領域28−2に対向して配置された第1センサS1及び第2センサS2からの出力信号に基づいてバーマーク41Dを検知することにより、中間転写リボン28の位置を検知することが可能となる。
【0067】
このような構成の中間転写リボン28におけるベース層40の厚さや、受像層としての機能を兼ね備えた接着層の総厚は、接着性や膜切れ特性に影響を与えるパラメータであり、中間転写リボンの総厚は、10乃至100μmの範囲であり、望ましくは、25乃至50μmの範囲である。
【0068】
次に、印刷装置20の印刷部3による中間転写リボン28への印刷動作について説明する。
【0069】
すなわち、印刷装置のCPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、モータ制御回路107を制御して、搬送機構30としての第1軸31A及び31B、及び、搬送ローラ32を駆動し、中間転写リボン28を送出する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第1センサS1からの出力信号に基づいて送出された中間転写リボン28のバーマーク41Dを検知する。
【0070】
続いて、CPU100は、バーマーク41Dを検知した位置を基準として中間転写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU100は、第1センサS1の位置でバーマーク41Dを検知してから、ホログラム層41における所定の印刷開始位置がサーマルヘッド5による印刷位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。そして、CPU100は、算出した送出量に基づいてモータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出する。
【0071】
続いて、CPU100は、インクリボン搬送制御回路104を制御して送出軸8及び巻取軸9を駆動するとともに、メモリ部101に記憶した印刷データに基づいてサーマルヘッド制御回路103を制御してサーマルヘッド5を駆動し、インクリボン7のインクを中間転写リボン28の接着層42上に転写してカラーまたは黒色の所定情報を印刷する。印刷された所定情報は、反転画像であるという特徴がある。
【0072】
すなわち、サーマルヘッド5は、中間転写リボン28が順方向Aに搬送されている間に印刷データに基づいて発熱することにより、インクリボン7のインクが溶融されて中間転写リボン28の接着層42表面に転写される。複数色の重ね合わせ印刷の場合は、中間転写リボン28がサーマルヘッド5を色数と同じ回数だけ往復することで行われる。つまり、カラー印刷を行う場合、中間転写リボン28への複数の色のうちの第1色目の印刷動作が完了した後、中間転写リボン28を逆方向Bに搬送し、中間転写リボン28における印刷開始位置をサーマルヘッド5による印刷位置に整合させ、中間転写リボン28への第2色目の印刷動作を行う。そして、必要に応じて複数の色を順次重ね合わせる。
【0073】
なお、ここで顔画像情報などの所定情報をカラー印刷する場合には、文字画像情報を印刷する色よりもイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)などの色の重ね合わせ印刷を優先して行う。文字画像情報を印刷する色、例えば黒色(K)は、最後に重ね合わせられる。
【0074】
図6及び図7に示したような中間転写リボン28では、第1領域41Aに対応する接着層42上に顔画像情報がカラー印刷された後、第1領域41A及び第2領域41Bに対応する接着層42上に文字画像情報が黒色で印刷される。
【0075】
上述したような印刷動作によって中間転写リボン28上に印刷された所定情報は、印刷部3における印刷位置と転写部4における転写位置との間に少なくとも1画像分ストックされる。図1に示した例では、印刷予定エリアに所定情報を印刷する前の状態で、印刷位置と転写位置との間にストックされた印刷済みの画像が2つある場合を示している。
【0076】
次に、印刷装置の転写部4による被転写媒体1への所定情報の転写動作について説明する。この実施の形態では、印刷部3で印刷された所定情報を有する中間転写リボン28の接着層42と被転写媒体としての通帳類1の該当印刷頁10とを重ね合わせて、所定情報とともに接着層42及びホログラム層41を通帳類1上に転写する。
【0077】
まず、図8の(a)に示すように、印刷装置20のCPU100は、モータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28を順方向Aに向けて送出する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第2センサS2からの出力信号に基づいて送出された中間転写リボン28のバーマーク41Dを検知する。
【0078】
続いて、CPU100は、バーマーク41Dを検知した位置を基準として中間転写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU100は、第2センサS2の位置でバーマーク41Dを検知してから、ホログラム層41における所定の転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。そして、CPU100は、算出した送出量に基づいてモータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出する。そして、CPU100は、算出した送出量に基づいてモータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出する。
【0079】
一方、CPU100は、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、印刷頁10を開いた状態で取り込まれた通帳類1を転写部4における転写位置まで搬送する。印刷頁10は、表紙見返し頁でも、他の中紙頁でもかまわない。
【0080】
続いて、図8の(b)に示すように、印刷装置のCPU100は、センサ入力回路109を介して第3センサS3からの出力信号に基づいて通帳類1の後端部の通過を検知したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0081】
そして、CPU100は、通帳類1上における転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bにより通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10の綴じ目の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0082】
続いて、図8の(c)に示すように、CPU100は、ヒータ温度制御回路105を制御してヒータ65を駆動し、ヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ回転制御回路106を制御して、ヒートローラ26を回転させる。
【0083】
すなわち、互いに位置決めされた中間転写リボン28及び通帳類1は、円周の一部が切り欠かれた形状のカット面35Aを有するヒートローラ26の回転とともに重ね合わされる。このとき、中間転写リボン28の供給方向に直交する幅方向に対して、通帳類1の印刷頁10の綴じ目部が平行となるよう互いに重ね合わせて転写を開始する。
【0084】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の搬送と、搬送機構30による中間転写リボン28の搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。その後、通帳類に対して60°〜110°の角度をもって中間転写リボン28のベース層40が引き上げられて、所定情報が印刷された接着層42及びホログラム層41が通帳類1の印刷頁10に転写される。
【0085】
続いて、図10の(d)に示すように、CPU100は、媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を印刷頁10を開いた状態で排出させる。
【0086】
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10上に所定情報を印刷するとともに、固有の所定情報が印刷された印刷エリア10A全面は、回折効果を有する保護膜で覆い、光学的に読み取られる所定情報が印刷された読取エリア10B全面は、回折効果を持たない保護膜で覆うことが可能となる。
【0087】
ところで、上述した印刷装置20での処理効率を向上するために、印刷部3と転写部4との各動作時間をできるだけ重ね合わせるように並行動作を行う。すなわち、印刷部3による印刷動作の少なくとも一部は、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくとも1画像分の所定情報の転写部4による転写動作の少なくとも一部と並行して行われる。
【0088】
上述したような印刷装置20では、印刷部3において処理に要する時間が最も長く、この処理時間内に転写部4における転写動作を重ね合わせることが望ましい。つまり、転写動作は、4色(又はそれ以上の色)の重ね合わせ印刷動作において最後に重ね合わせられる色の印刷動作とほぼ同時に行われる。
【0089】
転写部4では、ヒートローラ26で加熱された後の樹脂材料が一定の温度以下になるように、ヒートローラ26から剥離シャフト31cまでの剥離距離Xが設けられている。このため、重ね合わせる最後の色の印刷動作と同時に転写動作を行うことにより、印刷部4において中間転写リボン28を逆搬送する必要がなく、転写部4を通過した中間転写リボン28が剥離されるまでの距離を余分に搬送することが可能になる。なお、ヒートローラ26から剥離シャフト31cまでの剥離距離Xは、30〜100mmが望ましい。
【0090】
図1に示した例では、中間転写リボン28の印刷予定エリアへの複数の色の重ね合わせ印刷を行い、最後に重ね合わせられる色すなわち黒色の印刷動作時に、印刷位置と転写位置との間にストックされた画像ストック1を被転写媒体1に転写する転写動作をほぼ同時に行う。
【0091】
このような並行動作を可能とする制御により、機構を複雑化したり各部を複雑に調整したりすることなく、しかも、装置を大型化することなく、処理効率を向上することが可能となる。このような制御は、特に複数の被転写媒体に対して連続的に所定情報を転写する場合に有利である。
【0092】
上述したような並行動作を行う際、印刷動作時における中間転写リボン28の搬送速度と、転写動作時における中間転写リボン28の搬送速度とを、ほぼ同一とすることが望ましい。これにより、可動範囲の狭いテンション機構80であっても限られた速度変動を吸収することができ、各々の並行動作を可能とする。
【0093】
このとき、中間転写リボン28の搬送速度は、印刷部3においてはサーマルヘッド5の耐印加エネルギ特性やインクリボン7を構成する基材フィルムの耐熱性などに起因し、転写部4においては中間転写リボン28を構成する接着層42を軟化するのに必要なエネルギやベース層40の耐熱温度などに起因し、共に5〜20mm/秒が望ましい。
【0094】
図2に示したように、テンション機構80においては、印刷動作時と転写動作時との速度差をできるだけ小さくするように材料選定やヒートローラ温度選択などを行うことで、テンション機構80の動作範囲を中間転写リボン28の経路長換算した長さMと、通帳類への転写長さTの関係を、
M<0.5×T (式1)
とすることができる。これにより、テンション機構80を、搬送ローラ32への巻き付き力を発生させるために利用可能となり、簡略化及びスペースの最小化が可能になる。
【0095】
図1では、「印刷予定エリア」への印刷が開始される直前の状態を示し、既に印刷部3と転写部4との間には、画像ストック1及び画像ストック2が蓄積されている。図9では、サーマルヘッド5とヒートローラ26との間の中間転写リボン28の経路を展開して、ストックされた画像と機構的な関係を示している。サーマルヘッド5とヒートローラ26との経路距離Lは、(式2)で表される。
【0096】
L=P×n+α (式2)
ただし、α<P、n:画像ストック数(n=1,2...)、P:単位繰り返し長さ、α:フィルム余分長さである。nはできるだけ小さくなるように機構配置がなされることが望ましく、図9に示した場合はn=2である。また、αが小さいほど中間転写リボン28の無駄な部分が少なくなる。位置合わせマージンは、中間転写リボン28の印刷開始位置及び転写開始位置をそれぞれ印刷位置及び転写位置に整合する頭だし動作に最低限必要なフィルム搬送距離である。
【0097】
(第2実施形態)
次に、上述した印刷装置20を備えた印刷システムについて説明する。
すなわち、この印刷システムは、図10に示すように、閉じた状態の複数通の通帳類1を積層状態で収容し、一通ずつ取込む通帳取込部12、及びこの通帳取込部12から図中右方に延びた搬送路11を有している。搬送路11上には、通帳取込部12から取込まれた通帳類1を正逆両方向に搬送するための複数の搬送ローラ対13…が配設されている。以下の説明では、通帳取込部12から印刷装置20に向う図中右方向を正方向とし、反対方向を逆方向とする。
【0098】
また、この印刷システムは、搬送路11に沿って、読取手段として機能する読取部14、頁捲り手段として機能する頁捲り部16、直接印刷部90、及び、上述した構成の印刷装置20を備えている。
【0099】
読取部14は、OCRすなわち光学式文字読取装置を備えている。この読取部14は、開かれた状態の通帳類1の画像を撮像し、その画像データに基づいて文字認識を行い、通帳類1に予め付与された固有の識別情報を読み取る。
【0100】
頁捲り部16は、搬送路11の下方に配設されたバックアッププレート17、搬送路11の上方に配設されためくりローラ15、及びバックアッププレート17の揺動の中心に設けられた支点19aを中心に揺動自在であるとともに、その揺動の先端にめくりローラ15を回動自在に取付けた揺動軸19を有している。揺動軸19が図中破線で示す位置に図示しないモータによって揺動されると、めくりローラ15が揺動されるとともにバックアッププレート17がそれに連動して揺動される。また、めくりローラ15は、図示しないモータによって時計回り或いは反時計回り方向に回転可能となっている。
【0101】
この頁捲り部16によって通帳類1の頁をめくる場合、まず、通帳類1を頁捲り機構内の所定位置まで搬送して停止させ、例えば図中破線で示すように揺動軸19を図中左方向へ揺動してめくりローラ15を通帳類1の上に押し当てる。このとき、揺動軸19の揺動にともない、バックアッププレート17も揺動され、傾いたバックアッププレート17によって通帳1の背面が上方へ押し上げられる。
【0102】
この状態で、通帳類1の搬送方向上流側の頁に押し当てられためくりローラ15を回転し、通帳類1の最上端の頁のめくり動作を開始する。このめくり動作によって当該ページがせり上がるように膨らみ、ある程度めくられたところでめくりローラ15を停止する。さらに、この状態から揺動軸19を図中実線で示す位置に戻した後、めくりローラ15を再度回転し、当該ページをめくりローラ15上に完全にめくり上げる。
【0103】
そして、通帳類1を逆方向に搬送し、ローラ上にめくり上げた頁を完全に開くとともに、開いた頁を読取部14を介して撮像し、画像データを解析することにより開いた頁を確認する。これにより、通帳類1の所望する頁を自動的に開くことができるとともに開いた頁を認識することができる。また同時に、通帳類固有の識別情報も読み取っておく。
【0104】
このようにして、その種類が認識されて所望する頁が開かれた通帳類1は、印刷装置20へ搬送される。印刷装置20のCPU100は、データ生成手段として機能し、通帳類1に印刷すべき所定情報の各色毎の印刷データをメモリ部101に一時的に記憶するとともに、読取部14にて通帳類1から読み取った固有の識別情報を受け取って、識別情報の少なくとも一部を含む所定情報に対応した印刷データを生成する。この実施の形態では、読取部14から受け取った識別情報は、黒色の印刷データに加えられる。
【0105】
印刷装置20では、これら各色毎の印刷データに基づいて中間転写リボン28に対して複数の色を重ね合わせて所定情報を印刷した後、対応する通帳類に所定情報とともにその表面に保護膜が転写される。
【0106】
尚、めくりローラ15を上述した動作と逆に動作させることにより、通帳類1のページを逆方向にも開くことができる。
印刷部20において所定情報が印刷された通帳類1は、さらに搬送方向下流側に向けて搬送され、通帳排出部に排出される。
このような印刷システムにより、所定情報が印刷された通帳類1を連続して自動的に作成することが可能となる。
【0107】
次に、図10及び図11を参照して、上述した印刷システムにおいて、印刷装置20の中間転写リボン28にストックされた画像との関係と、印刷動作と通帳類に付与された識別情報の読取動作との並行動作について説明する。ここで、読取部14において読み取られた固有の識別情報は、印刷装置20の印刷部3において黒色印刷データのみに組み込まれて反映されることが特徴である。
【0108】
印刷装置20の印刷部3では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒色(K)のそれぞれに対応した印刷データに基づいて、中間転写リボン28の表面にC、M、Y、Kの順序で所定情報が印刷される。
【0109】
すなわち、まずは、中間転写リボン28の印刷予定エリアにおいて、C,M,Yで所持人の顔画像情報がカラー印刷される。これら複数の色による顔画像情報などのカラー印刷動作中に、通帳取り込み部12による通帳類1の取込動作、頁捲り部16による頁捲り動作、読取部14による識別情報の読取動作及び認識動作などが並行して行われる。通帳取り込み部12では、閉じた状態で複数冊が重ねてセットされた通帳類1のうち1冊のみを取り込む。頁捲り部16では、取り込まれた通帳類1の表紙がめくられて所定の印刷頁を開いた状態とする。読取部14では、読取対象の通帳類から予め付与された固有の識別情報を読み取り、認識処理を行う。
【0110】
読取部14にる認識結果は、印刷装置20側に転送される。印刷装置20のCPU100は、認識結果として受け取った識別情報を黒色で印刷される各種所定情報に追加し、黒色用の印刷データを生成する。ここまでの工程は、C、M、Yによるカラー印刷動作中に行われる。
【0111】
続いて、黒色用の印刷データに基づいて、中間転写リボン28の印刷予定エリアに黒色の所定情報が印刷される。この黒色印刷動作時においては、中間転写リボン28が順方向に搬送されるが、この中間転写リボン28の搬送速度とほぼ等しい速度で転写部4におけるヒートローラ26を駆動する。これにより、黒色印刷動作中に、転写動作が並行して行われる。つまり、画像ストック1と通帳ストック1とがヒートローラ26で加圧・加熱され、通帳類1に所定情報とともにホログラム層が転写される。転写位置を通過した中間転写リボン28は、転写部4で剥離完了の位置まで搬送される。
【0112】
この印刷部3での中間転写リボン28の印刷予定エリアへの4色の印刷動作完了に伴って、印刷予定エリアに印刷された所定情報は、画像ストック2の位置に移動する。また、転写部4での画像ストック1の通帳ストック1への転写動作完了に伴って、通帳ストック2は、転写部4における通帳ストック1の位置まで搬送され、読取部14にて識別情報が読み取られた読取対象の通帳類も、直接印刷部90における通帳ストック2の位置に搬送される。
【0113】
直接印刷部90では、必要に応じてデータの印刷が行われるが、図5に示した通帳類の例では印刷が行われていない。
【0114】
上述したように、通帳類の取込動作、頁捲り動作、識別情報の読取動作などは、印刷装置20の印刷部3によって最後に重ね合わせられる色の印刷動作よりも先の色の印刷動作と並行して行われ、読取動作によって読み取られた識別情報は、最後に重ね合わせられる色の印刷動作において印刷される。また、最後に重ね合わせられる色の印刷動作は、転写部における転写動作と並行して行われる。これにより、複数の通帳類に対して連続的に所定情報を転写することが可能となり、処理効率を向上することが可能となる。
【0115】
図11において、読取部14から印刷装置20の転写部4までの搬送路11上に存在する通帳類の冊数をPbとすると、
Pb=n+1 (式3)
(実施例ではn=2、Pb=3)
の関係が成り立っている。Pbは印刷システム全体の大きさに影響し、また通帳類の滞留部を設けることで複雑になったりコスト上昇の原因ともなるため、できるだけ少ない方が良い。
【0116】
なお、上述した動作例では直接印刷部90での印刷を行わなかったが、次のような直接印刷の動作を行うことができる。
【0117】
(a)図5に示した上側頁に、所持人のセキュリティ情報に関係しない運用管理番号など改ざんのメリットがない情報を印刷する。また、上側頁に、下側頁に加えられない情報を印刷する。
【0118】
(b)頁捲り部16を用いて図5で示したホログラム層が付与される印刷頁以外を開き、必要に応じて追加情報などを印刷する。追加情報のセキュリティ重要度が高くない場合、高価なホログラムパターンを持つ薄膜オーバーコートを用いなくても、追加情報が印刷可能となり、通帳印刷の運用に自由度が加わる。また、頁捲り部16と組み合わされることで、追加情報の有無によらず、通帳類の自動作成が可能となる。
【0119】
(第3実施形態)
印刷部3の色に関係なく通帳固有データが印刷に用いられたり、頁捲り動作と読取及び認識動作の時間が、通帳固有データと関係しない印刷色の印刷動作中に終了しない場合、(式3)を満たす通帳類1を搬送路上に存在させるとすると、印刷動作中又は印刷開始前に待ち時間が発生することになる。
【0120】
待ち時間を勘案の上、システム全体のサイズを優先させる場合は
Pb=n+1 (式3)’
とする。
【0121】
また、連続動作による見かけ上の1冊当たり通帳類作成時間を短くするためには、
Pb=n+2 (式4)
とすることで、通帳固有データの印刷有無に関係なく待ち時間を回避することが可能となる。
【0122】
(第4実施形態)
図12に印刷システム全体を示す。図10に示した第2実施形態では、直接印刷部90の搬送路スペースを通帳滞留部として利用していたが、直接印刷部90が不要の場合には、図12に示したように通帳類1を積極的に滞留させる通帳滞留部1及び2を設け、通帳類1の搬送をゲートで切り替える。なお、通帳滞留部1及び2は、図12に示したように印刷装置20の手前すなわち通帳類の搬送方向上流側に設けても良いし、印刷装置20の後方すなわち通帳類の搬送方向下流側に設けても良い。
【0123】
以上説明したように、この印刷装置及び印刷方法によれば、中間転写媒体の受像層(接着層)上に所定情報を印刷し、この所定情報とともに接着層を被転写媒体上に転写することにより、被転写媒体の表面状態に影響を受けることなく安定して高画質な印刷を行うことが可能となる。
【0124】
また、印刷部3と転写部4とを並行に動作することにより、1被転写媒体当たりの作成時間を短縮することができる。また、印刷動作及び転写動作における中間転写リボンの搬送速度をほぼ同一とすることにより、印刷部3と転写部4との間に必要となる搬送速度差吸収用のテンション機構を簡易で小型の機構にすることができる。このため、装置全体を小型化することができ、コストも低減できる。
【0125】
さらに、被転写媒体に予め付与された固有の識別情報を読み取って、この識別情報の少なくとも一部を通帳類に転写される所定情報に含ませることにより、被転写媒体のセキュリティ性を向上することができる。
【0126】
また、識別情報は、最後に重ね合わせられる色で印刷することにより、固有の識別情報の読取動作は、先に重ね合わせられる色の印刷動作中に行うことができる。この印刷動作中においては、読取動作の他に、通帳類の取込動作やページめくり動作などを並行して行うことができる。したがって、通帳類の作成時間を短縮することができる。
【0127】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、処理効率を向上することが可能な印刷装置及び印刷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る印刷装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示した印刷装置に適用されるテンション機構の構成を概略的に示す図である。
【図3】図3は、図1に示した印刷装置に適用されるヒートローラの構成を概略的に示す図である。
【図4】図4は、図1に示した印刷装置における制御系統の構成を概略的に示す図である。
【図5】図5は、図1に示した印刷装置によって印刷される印刷対象物としての被転写媒体の一例を示す図である。
【図6】図6の(a)乃至(c)は、それぞれ図1に示した印刷装置に適用可能な中間転写リボンの構成を概略的に示す断面図である。
【図7】図7は、図1に示した印刷装置に適用される中間転写リボンの構成を概略的に示す平面図である。
【図8】図8の(a)乃至(d)は、図1に示した転写部による中間転写リボン上の所定情報を被転写媒体に転写する転写動作を説明するための図である。
【図9】図9は、印刷位置から転写位置までにストックされた中間転写リボン上の画像の位置関係を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態にかかる印刷システムの構成を概略的に示す図である。
【図11】図11は、図10に示した印刷システムにおける読取部から印刷装置までの間の機構を概略的に示す図である。
【図12】図12は、第4実施形態にかかる印刷システムの構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…被転写媒体
3…印刷部(印刷手段)
4…転写部(転写手段)
5…サーマルヘッド(印刷手段)
6…プラテンローラ
14…読取部(読取手段)
16…頁捲り部(頁捲り手段)
20…印刷装置
30…搬送機構(搬送手段)
32…搬送ローラ(搬送手段)
100…CPU(制御手段、データ生成手段)
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷装置及び印刷方法に係り、特に、中間転写媒体に印刷した所定情報を通帳類等の被転写媒体に転写する印刷装置及び印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カード類や通帳類などの被転写媒体の表面状態になるべく影響を受けることなく高画質な印刷を行う印刷装置が求められれている。この印刷装置の一つとして、中間転写媒体としての中間転写リボンを用いる中間転写方式の印刷装置が知られている。
【0003】
印刷装置の印刷部では、所定の印刷位置に配置されたサーマルヘッドが所定情報に応じて発熱してインクリボンのインクを溶融することにより、印刷位置に供給された中間転写リボンの表面に文字やバーコードなどの所定情報が印刷される。
【0004】
印刷装置の転写部では、所定情報が印刷された中間転写リボンがヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。この送り込みに対して、印刷頁が中間転写リボンに対向するように配置された被転写媒体がヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。この状態からヒートローラが回転されて中間転写リボン及び被転写媒体がバックアップローラに押し付けられるとともに加熱されることにより、所定情報が被転写媒体の表面に転写される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような中間転写方式の印刷装置では、印刷部と転写部との間には機構的な制約により距離があり、中間転写リボン上へ所定情報を印刷する印刷動作と、中間転写リボン上の所定情報を転写部へ搬送する搬送動作と、被転写媒体へ所定情報を転写する転写動作とをそれぞれ異なる機構で実施する必要がある。
【0006】
転写動作終了後に次の印刷データに基づいて中間転写リボンへの印刷動作を行うと、中間転写リボンに印刷部から転写部までの距離に相当する「未使用エリア」が発生してしまう。このため、未使用エリアをできるだけ小さくするために、中間転写リボンを巻き戻す動作も必要となる。
【0007】
このように、従来の印刷装置では、1つの被転写媒体に対して所定情報を印刷するための処理時間は、印刷部での印刷動作と、転写部での転写動作と、中間転写リボンの巻き戻し動作とを足し合わせた時間以上が必要となる。したがって、複数の被転写媒体に対して連続的に所定情報を転写する場合、膨大な処理時間が必要なり、処理効率の向上が要求されている。
【0008】
この処理時間の短縮に対しては、印刷部と転写部との間に存在する中間転写リボンに、予め複数画像分の所定情報を印刷してストックしておくことに加え、印刷部と転写部との間に中間転写リボンを大幅に弛ませるバッファを持たせることで、印刷部における印刷動作と転写部における転写動作とで互いの影響を排除する方法が提案されている。
【0009】
しかしながら、印刷部と転写部との影響を完全に切り離すほどのバッファを持たせることは、機構の複雑化及び各部の調整の複雑化を招く結果となり、コストアップ及び印刷装置の大型化に繋がるといった問題がある。
【0010】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、処理効率を向上することが可能な印刷装置及び印刷方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による印刷装置は、
中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記印刷手段及び前記転写手段を並行動作させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
この発明の第2の様態による印刷装置は、
被転写媒体に付与された固有の識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた識別情報の少なくとも一部を含む所定情報に対応した印刷データを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段により生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明の第3の様態による印刷方法は、
印刷位置において中間転写媒体に所定情報を印刷し、
所定情報が印刷された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する印刷方法において、
印刷動作の少なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくとも1画像分の所定情報の転写動作の少なくとも一部と、を並行して行う、
ことを特徴とする。
【0014】
この発明の第4の様態による印刷方法は、
被転写媒体に付与された固有の識別情報を読み取り、
読み取られた識別情報の少なくとも一部を含む所定情報に対応した印刷データを生成し、
生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に所定情報を印刷し、
中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する、
ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る印刷装置及び印刷方法について図面を参照して説明する。この印刷装置は、カード類の他に、通帳形状の被転写媒体への所定情報の印刷と、印刷面の保護膜付与とを並行して行う中間転写方式の印刷装置である。
【0016】
(第1実施形態)
図1に示すように、印刷装置20は、印刷手段として機能する印刷部3と、搬送手段として機能する搬送機構30、転写手段として機能する転写部4と、を備えて構成されている。
【0017】
すなわち、印刷部3は、中間転写媒体としての中間転写リボン28に対して所定情報、すなわち固有の識別情報や顔画像情報などの所定情報を印刷する。この印刷部3は、サーマルヘッド5、このサーマルヘッド5に対向配置され正逆に自由回転するプラテンローラ6などを備えて構成された熱溶融転写印刷方式を採用している。
【0018】
サーマルヘッド5とプラテンローラ6との間には、例えばイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の溶融インクをダンダラ状に有したインクリボン7及び中間転写リボン28が介在されている。この印刷部3では、このようなインクリボン7を用いてカラー画像や黒色文字の印刷が可能である。
【0019】
サーマルヘッド5は、所定の印刷位置において、中間転写リボン28の印刷開始位置から所定情報を印刷する。この印刷装置20に適用されるサーマルヘッド5は、発熱体をヘッドの端面に配置して構成された、いわゆる端面型サーマルヘッド、または、発熱体をヘッドのコーナ近傍に配置して構成された、いわゆるニアエッジ型サーマルヘッドである。
【0020】
このようなタイプのサーマルヘッドを使用した印刷装置では、インクリボン及び中間転写リボン28が、サーマルヘッド5の発熱体を通過した直後、すなわち溶融転写されたインクが冷え固まる前に、剥離板等を必要とすることなく剥離される、いわゆる熱時剥離方式が採用される。
【0021】
プラテンローラ6は、弾性材料、例えば硬質のゴム材料を巻きつけることによって構成されている。ゴム材料の硬度が上がるほどに微小ドットの再現性が向上するが、同時に最適なプラテンローラ6とサーマルヘッド5との位置関係を得ることが困難となる。このため、この実施の形態では、プラテンローラ6は、その表面に、硬度(「JIS−K6253」による)が75度以上、望ましくは85度乃至97度の範囲のゴム材料を巻きつけることによって構成されている。
【0022】
同時に、研磨したゴム表面の平均表面粗さも、表面平滑性が上がるほどに微小ドットの再現性が向上する。このため、この実施の形態では、プラテンローラ6は、その表面に、平均表面粗さが中心線平均粗さRaで1μm以下、望ましくは0.5μm以下のゴム材料を巻きつけることによって構成されている。
【0023】
インクリボン7は、その一端部が送出軸8に巻き付けられ、その他端部が巻取軸9に巻き付けられている。送出軸8及び巻取軸9の少なくとも一方は、正逆両方向に独立に駆動可能である。送出軸8から送出されたインクリボン7の中途部は、ガイドシャフト21,22に掛け渡されている。
【0024】
このような熱溶融転写方式の特徴として、画像耐久性が高いこと、インク材料に機能性材料を適用することが比較的容易なこと(例えば蛍光顔料、アルミ蒸着薄膜)などが挙げられ、偽造防止を目的とする印刷物に適している。なお、インクリボン7としては、単色インクのみのリボンでも良く、また、紫外線によって発光する蛍光顔料インク、さらに、光沢面も持つ印刷用の金属薄膜(アルミ蒸着)層、或いは、印刷用のホログラム層等の機能を有するリボン材料を有していても良い。
【0025】
このインクリボン7のベースフィルム厚やインク層厚は、印刷ドット再現性に極めて重要なパラメータであり、インクリボンの総厚としては、3乃至25μmの範囲であり、望ましくは4乃至10μmの範囲内である。
【0026】
搬送機構30は、所定情報を有する中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。この搬送機構30は、第1軸31A及び31Bを有し、一方の軸から他方の軸に向かって中間転写リボン28を搬送可能である。すなわち、中間転写リボン28は、その一端側が印刷部3の上部側に設けられた第2軸31Bに巻き付けられ、その他端側が印刷部3の下部側に設けられた第1軸31Aに巻き付けられている。
【0027】
第1軸31A及び第2軸31Bは、それぞれ駆動モータM1及びM2によって駆動され、正逆両方向に独立に駆動可能である。また、これら第1軸31A及び第2軸31Bを駆動する駆動モータM1及びM2は、後述するモータ制御回路107によって駆動制御され、印刷部3における印刷位置及び転写部4における転写位置に向けて中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。
【0028】
第1軸31Aが中間転写リボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第2軸31Bが中間転写リボン28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン28は、順方向Aに搬送される(順搬送)。また、第2軸31Bが中間転写リボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第1軸31Aが中間転写リボン28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン28は、逆方向Bに搬送される(逆搬送)。
【0029】
また、搬送機構30は、プラテンローラ6と転写部4との間に配置され、印刷部3にて所定情報を印刷された中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する搬送ローラ32を備えている。搬送ローラ32は、正逆両方向に独立に駆動可能であり、中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。すなわち、中間転写リボン28の搬送速度は、主に搬送ローラ32によって決まるため、搬送ローラ32の駆動は、5相ステッピングモータと減速機構とを組み合わせて正確に行われる。
【0030】
第2軸31B及び第1軸31Aとの間では、中間転写リボン28の中途部がガイドシャフト31a〜31cに掛け渡され、ほぼ一定のテンションに維持されている。ガイドシャフト31cは、ヒートローラ26を通過した後に中間転写リボン28と被転写媒体1とを剥離する剥離ガイドとして機能する。
【0031】
中間転写リボン28を搬送する駆動力は、一般的にプラテンローラ6に駆動機構を設けて駆動することにより発生することが多いが、上述したようなプラテンローラ6の硬度と表面粗さとの関係から、中間転写リボン28とプラテンローラ6との摩擦係数が上がらず、また、安定しない。
【0032】
このため、この実施の形態では、プラテンローラ6の下流(ヒートローラ26側)直近に搬送ローラ32を設けている。この搬送ローラ32は、硬度30度乃至60度の範囲のゴム材料を用いたローラである。中間転写リボン28は、搬送ローラ32に対してできるだけ巻き付き角が大きい方が望ましい。この実施の形態では、90°乃至130°の巻き付き角で巻きついている。この搬送ローラ32は、図2に示すように、5相ステッピングモータ32A、タイミングベルト32B、及び、プーリ32Cによる減速機構を組み合わせて、正確に中間転写リボン28の搬送を行う。
【0033】
転写部4は、ヒートローラ26、このヒートローラ26に対向配置されたバックアップローラ27などを備えている。このヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、中間転写リボン28が介在されている。ヒートローラ26は、DCサーボモータもしくはステッピングモータにより正確な一定速度で駆動可能である。回転自在なバックアップローラ27は、ヒートローラ26との間に所定の圧力がかかるようにコイルバネ27Cによって付勢されている。
【0034】
図3に示すように、ヒートローラ26は、回転軸に対して垂直な平面において、ほぼ半円形状の断面を有している。すなわち、このヒートローラ26は、芯金35を有している。この芯金35は、その一部の外周面に平面状にカットされたカット面35Aを有している。芯金35の内部には、加熱源としてのヒータ65が設けられている。芯金35の円弧部35Bの外周面には、厚さ1mm〜2mmの耐熱性ゴム36が被覆されている。
【0035】
なお、耐熱性ゴム36は、芯金35の円弧部35Bのみならず、カット面35Aを含む全周を覆っても良い。また、ヒートローラ26は、耐熱性ゴムがなくて芯金のみでもよい。この場合、ヒートローラ表面には、汚れの付着防止のフッ素樹脂化合物によるコーティングなどを行うことが望ましい。また、ヒートローラ26は、その円弧部35Bの周方向に沿った長さが被転写媒体1の転写エリアの長さと略同等もしくはそれ以上の長さになるように形成されている。
【0036】
ヒートローラ26は、印刷待機時においては、図3に示すように、そのカット面35Aを搬送路11に対してほぼ並行に対向して配置されている。これにより、ヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、被転写媒体1を配置可能な隙間が形成されている。このとき、中間転写リボン28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触しないとともに、印刷開始時に進入してくる被転写媒体1の表面にも接触しない位置に配置されることが望ましい。
【0037】
このヒートローラ26は、転写時にのみ回転し、中間転写リボン28に接触する。すなわち、中間転写リボン28への印刷動作に伴って、中間転写リボン28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触することなく搬送される。転写時には、これらヒートローラ26及びバックアップローラ27は、転写位置(ヒートローラ26とバックアップローラ27とが接触している位置)において、中間転写リボン28と被転写媒体1とを被転写媒体1の厚さによらず一定の圧力で圧着しつつヒータ65からの熱によって加熱することにより、中間転写リボン28の転写開始位置から中間転写リボン28上に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する。
【0038】
図2に示すように、テンション機構80は、搬送ローラ32と転写部4との間に配置される。このテンション機構80は、搬送機構30によって搬送される中間転写リボン28に対して所定テンションを付与する。すなわち、テンション機構80は、搬送される中間転写リボン28にたるみが生じても、中間転写リボン28に対して所定のテンションを付与して、たるみを改善することができる。
【0039】
図1に示すように、被転写媒体搬送部2は、第1搬送ローラ対13A、第2搬送ローラ対13B、及び、第3搬送ローラ対13Cを備えている。第1搬送ローラ対13Aは、転写部4より搬送方向上流側に配置されている。第2搬送ローラ対13B及び第3搬送ローラ対13Cは、転写部4より搬送方向下流側に配置されている。
【0040】
これら第1乃至第3搬送ローラ対13A乃至13Cは、被転写媒体(この実施の形態では印刷頁を開いた状態の通帳類)1を搬送路11に沿って転写部4の転写位置まで搬送する。すなわち、これら第1乃至第3搬送ローラ対13A乃至13Cは、共に正方向に回転し、被転写媒体1の印刷頁における転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に整合するように被転写媒体1を搬送する。また、これら第1乃至第3搬送ローラ対13A乃至13Cは、共に正方向に回転し、転写部4における転写動作が終了した被転写媒体1をさらに下流側に向けて搬送する。
【0041】
中間転写リボン28の供給路上には、第1センサS1及び第2センサS2が配置されている。これら第1センサS1及び第2センサS2は、後述する中間転写リボン28の有効領域の外側に配置されたバーマークを検知するための出力信号を出力する。また、被転写媒体1の搬送路11上には、第3センサS3及び第4センサS4が配置されている。これら第3センサS3及び第4センサS4は、挿入された被転写媒体1の有無を検知するための出力信号を出力する。なお、これら第1乃至第4センサS1乃至S4は、例えば透過型センサであり、一対の発光部及び受光部を備えて構成されているが、反射型センサによって構成されてもよい。
【0042】
図4に示すように、印刷装置20は、装置全体を制御する制御手段として機能するCPU100を備えている。
【0043】
このCPU100には、装置全体の駆動を制御するための制御プログラムなどを記憶したメモリ部101や、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷に必要な印刷データを受信するインタフェース部102などが接続されている。インタフェース部102を介して受信した印刷データは、メモリ部101に一時的に記憶される。
【0044】
また、CPU100には、さらに、サーマルヘッド制御回路103、インクリボン搬送制御回路104、ヒータ温度制御回路105、ヒートローラ回転制御回路106、モータ制御回路107、媒体搬送制御回路108、センサ入力回路109などが接続されている。
【0045】
サーマルヘッド制御回路103は、印刷データに基づいてサーマルヘッド5の印刷動作を制御する。インクリボン搬送制御回路104は、印刷部3における搬送機構として機能する送出軸8及び巻取軸9の駆動を制御する。ヒータ温度制御回路105は、ヒートローラ26内部のヒータ65を駆動して、ヒートローラ26を所定の温度に維持するよう制御する。
【0046】
ヒートローラ回転制御回路106は、ヒートローラ26の回転駆動を制御する。すなわち、ヒートローラ回転制御回路106は、被転写媒体の転写開始位置と、ヒートローラ26による中間転写リボン28上に印刷された所定情報の転写位置とを整合した状態で、ヒートローラ26のカット面35Aのエッジ部を転写開始位置に当接させた後、所定方向にヒートローラ26を回転させることにより、中間転写リボン28上の所定情報を被転写媒体1に転写する。
【0047】
モータ制御回路107は、搬送機構30として機能する第1軸31A、第2軸31B、及び、搬送ローラ32の駆動を制御する。媒体搬送制御回路108は、搬送ローラ対13A、13B、及び、13Cの駆動を制御して、挿入された被転写媒体1を取り込み、所定の転写位置まで搬送し、転写完了した被転写媒体1を排出する。
【0048】
センサ入力回路109は、第1センサS1及び第2センサS2から出力信号に基づいて中間転写リボン28のバーマークを検知する。また、センサ入力回路109は、第3センサS3及び第4センサS4から出力信号に基づいて被転写媒体1の有無を検知する。
【0049】
上述したような印刷装置においては、図5に示すように、被転写媒体1の一部、例えば通帳類1における光学的に機械読み取りが適用される読取エリア10Bに、無地の透明な保護膜をオーバコートするとともに、被転写媒体1の他の部分、例えば通帳類1における印刷頁10の印刷エリア10Aに、所定パターンを有する透明ホログラム層を付与した保護膜をオーバコートする。このとき、透明ホログラム層のパターンは、層下側に形成された文字、画像などの目視確認を妨げない。
【0050】
印刷エリア10Aには、例えば固有の識別情報や顔画像情報などの所定情報が印刷される。識別情報などの文字情報は黒色で印刷され、顔画像情報は複数の色を順次重ね合わせたカラーで印刷される。これらの所定情報は、ほぼ円形またはほぼ楕円形の微小な印刷ドットによって再現される。これらのドット径(ドット面積)を変化させることにより、階調特性を有する印刷することができる。この実施の形態によれば、特に濃度の低い部分、すなわちドット径の小さい部分での階調特性を良好に印刷することが可能となる。
【0051】
読取エリア10Bには、例えば所持人固有の暗号化された識別情報を示す文字や、顔画像情報などの所定情報をコード化したデータコード(バーコード)が印刷される(以降、これらをセキュリティコードと称する)。この読取エリア10Bは、例えば印刷頁10の下端部に所定の幅を持って形成される。上記文字や、データコードのセキュリティコードは、黒色で印刷される。
【0052】
近年、セキュリティ情報を印刷する通帳類などの被転写媒体において、所持人に関する情報などの固有情報が印刷された出来上がり印刷物のセキュリティの重要性向上を考える場合、固有情報が印刷される前の被転写媒体そのものの盗難や盗難に伴う偽変造などに対する対策が求められている。その対策の一つとして、被転写媒体の製造工程で、被転写媒体そのものに固有の識別情報を付与しておくことが要求されている。
【0053】
この被転写媒体に予め付与された媒体固有の識別情報と、後から印刷するデータコード(セキュリティコード)の両方を同時に組み合わせて管理することで、未使用の被転写媒体の盗難で偽造物の発見、加えて、変造や全くの偽造物の発見や抑止にも効果がある。この場合、さらに望ましくは、媒体固有の識別情報は、そのままもしくは加工して、後から印刷するセキュリティコードの一部に加えて印刷される。
【0054】
図5に示した例では、上側頁すなわち印刷頁10の見開き頁側に被転写媒体固有の識別情報110が付与されている。この識別情報110は、被転写媒体が印刷装置20に取り込まれる以前に印刷されているものである。下側頁すなわち印刷頁10における印刷エリア10Aには、所持人の顔画像がカラー印刷されているとともに、所持人の識別情報が黒文字で印刷されている。これら顔画像や所持人の識別情報は、ホログラム層を有する保護膜で覆われている。また、印刷頁10における読取エリア10Bには、少なくとも一部に所持人の識別情報を含むセキュリティコードが黒色で印刷されている。
【0055】
次に、上述した印刷装置20に適用される中間転写リボンの構造について説明する。
【0056】
すなわち、図6の(a)に示すように、中間転写リボン28は、例えば3層構造であり、ベース層40、ベース層40上に配置されたホログラム層41、ホログラム層41上に配置された受像層として機能する接着層42を備えて構成されている。接着層42上には、印刷部3により所定情報が印刷される。
【0057】
ベース層40は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムによって形成される。剥離層として機能するホログラム層41は、例えばフェノキシ系樹脂、透明樹脂によるホログラム形成層、金属化合物の蒸着層からなる透明ホログラム層などを有して形成される。接着層42は、例えばポリエステル系樹脂によって形成される。
【0058】
中間転写リボン28の3層のうち、ホログラム層41及び接着層42は、転写層として機能し、転写部に4において、接着層42上に印刷された所定情報とともに被転写媒体1上に転写される。被転写媒体1上に転写された時に最上層に配置されるホログラム層41は、保護膜として機能する。
【0059】
なお、中間転写リボン28は、図6の(a)に示した構造に限らず、図6の(b)に示したように、ベース層40とホログラム層41との間に剥離層43を配置した構造であっても良い。このような構造の場合、剥離層43、ホログラム層41、及び接着層42が転写層として機能する。
【0060】
また、中間転写リボン28は、図6の(c)に示したように、ベース層40上に剥離層43、保護層44、ホログラム層41、及び接着層42をこの順に積層した構造であっても良い。このような構造の場合、剥離層43、保護層44、ホログラム層41、及び接着層42が転写層として機能する。
【0061】
さらに、中転写リボン28は、紫外線によって発光する蛍光発色層などの機能層を設け、転写部において、接着層42上に印刷された所定情報とともに被転写媒体上に転写されるよう構成しても良い。
【0062】
図6の(a)及び図7に示すように、中間転写リボン28のホログラム層41は、所定パターンの透明ホログラム層からなる第1領域41Aと、無地の透明な第2領域41Bと、マージンに相当する第3領域41Cと、を備えている。これら第1領域41A、第2領域41B、及び第3領域41Cは、中間転写リボン28の供給方向に沿って順に配置され、単位パターンを構成している。
【0063】
また、中間転写リボン28のホログラム層41は、第1領域41A、第2領域41B、及び第3領域41Cからなる単位パターンを規定するためのバーマーク41Dを有している。このバーマーク41Dは、中間転写リボン28の有効領域28−1の外側の領域28−2に配置されている。
【0064】
すなわち、ホログラム層41の第1領域41Aは、所定の第1方向から入射した光を第2方向に回折する回折効果を有する領域であり、パターンそのものは文字、絵柄、ロゴなど自由にデザインできるが、印刷された所定情報の偽造防止効果を考慮すると、なるべく全面にパターンが形成されていることが望ましい。
【0065】
第2領域41Bは、ホログラム層41内において可視光域及びその近傍の周波数帯域の光を回折する効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。第3領域41Cは、転写位置ズレなどを考慮したマージンに相当する領域であり、第2領域41Bと同様に回折効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。
【0066】
バーマーク41Dは、単位パターン毎に繰り返し配置され、回折効果を有する所定パターンを有している。このバーマーク41Dは、印刷装置の第1センサS1及び第2センサS2によって検知される。すなわち、印刷装置は、中間転写リボン28の外側領域28−2に対向して配置された第1センサS1及び第2センサS2からの出力信号に基づいてバーマーク41Dを検知することにより、中間転写リボン28の位置を検知することが可能となる。
【0067】
このような構成の中間転写リボン28におけるベース層40の厚さや、受像層としての機能を兼ね備えた接着層の総厚は、接着性や膜切れ特性に影響を与えるパラメータであり、中間転写リボンの総厚は、10乃至100μmの範囲であり、望ましくは、25乃至50μmの範囲である。
【0068】
次に、印刷装置20の印刷部3による中間転写リボン28への印刷動作について説明する。
【0069】
すなわち、印刷装置のCPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、モータ制御回路107を制御して、搬送機構30としての第1軸31A及び31B、及び、搬送ローラ32を駆動し、中間転写リボン28を送出する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第1センサS1からの出力信号に基づいて送出された中間転写リボン28のバーマーク41Dを検知する。
【0070】
続いて、CPU100は、バーマーク41Dを検知した位置を基準として中間転写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU100は、第1センサS1の位置でバーマーク41Dを検知してから、ホログラム層41における所定の印刷開始位置がサーマルヘッド5による印刷位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。そして、CPU100は、算出した送出量に基づいてモータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出する。
【0071】
続いて、CPU100は、インクリボン搬送制御回路104を制御して送出軸8及び巻取軸9を駆動するとともに、メモリ部101に記憶した印刷データに基づいてサーマルヘッド制御回路103を制御してサーマルヘッド5を駆動し、インクリボン7のインクを中間転写リボン28の接着層42上に転写してカラーまたは黒色の所定情報を印刷する。印刷された所定情報は、反転画像であるという特徴がある。
【0072】
すなわち、サーマルヘッド5は、中間転写リボン28が順方向Aに搬送されている間に印刷データに基づいて発熱することにより、インクリボン7のインクが溶融されて中間転写リボン28の接着層42表面に転写される。複数色の重ね合わせ印刷の場合は、中間転写リボン28がサーマルヘッド5を色数と同じ回数だけ往復することで行われる。つまり、カラー印刷を行う場合、中間転写リボン28への複数の色のうちの第1色目の印刷動作が完了した後、中間転写リボン28を逆方向Bに搬送し、中間転写リボン28における印刷開始位置をサーマルヘッド5による印刷位置に整合させ、中間転写リボン28への第2色目の印刷動作を行う。そして、必要に応じて複数の色を順次重ね合わせる。
【0073】
なお、ここで顔画像情報などの所定情報をカラー印刷する場合には、文字画像情報を印刷する色よりもイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)などの色の重ね合わせ印刷を優先して行う。文字画像情報を印刷する色、例えば黒色(K)は、最後に重ね合わせられる。
【0074】
図6及び図7に示したような中間転写リボン28では、第1領域41Aに対応する接着層42上に顔画像情報がカラー印刷された後、第1領域41A及び第2領域41Bに対応する接着層42上に文字画像情報が黒色で印刷される。
【0075】
上述したような印刷動作によって中間転写リボン28上に印刷された所定情報は、印刷部3における印刷位置と転写部4における転写位置との間に少なくとも1画像分ストックされる。図1に示した例では、印刷予定エリアに所定情報を印刷する前の状態で、印刷位置と転写位置との間にストックされた印刷済みの画像が2つある場合を示している。
【0076】
次に、印刷装置の転写部4による被転写媒体1への所定情報の転写動作について説明する。この実施の形態では、印刷部3で印刷された所定情報を有する中間転写リボン28の接着層42と被転写媒体としての通帳類1の該当印刷頁10とを重ね合わせて、所定情報とともに接着層42及びホログラム層41を通帳類1上に転写する。
【0077】
まず、図8の(a)に示すように、印刷装置20のCPU100は、モータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28を順方向Aに向けて送出する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第2センサS2からの出力信号に基づいて送出された中間転写リボン28のバーマーク41Dを検知する。
【0078】
続いて、CPU100は、バーマーク41Dを検知した位置を基準として中間転写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU100は、第2センサS2の位置でバーマーク41Dを検知してから、ホログラム層41における所定の転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。そして、CPU100は、算出した送出量に基づいてモータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出する。そして、CPU100は、算出した送出量に基づいてモータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出する。
【0079】
一方、CPU100は、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、印刷頁10を開いた状態で取り込まれた通帳類1を転写部4における転写位置まで搬送する。印刷頁10は、表紙見返し頁でも、他の中紙頁でもかまわない。
【0080】
続いて、図8の(b)に示すように、印刷装置のCPU100は、センサ入力回路109を介して第3センサS3からの出力信号に基づいて通帳類1の後端部の通過を検知したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0081】
そして、CPU100は、通帳類1上における転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bにより通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10の綴じ目の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0082】
続いて、図8の(c)に示すように、CPU100は、ヒータ温度制御回路105を制御してヒータ65を駆動し、ヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ回転制御回路106を制御して、ヒートローラ26を回転させる。
【0083】
すなわち、互いに位置決めされた中間転写リボン28及び通帳類1は、円周の一部が切り欠かれた形状のカット面35Aを有するヒートローラ26の回転とともに重ね合わされる。このとき、中間転写リボン28の供給方向に直交する幅方向に対して、通帳類1の印刷頁10の綴じ目部が平行となるよう互いに重ね合わせて転写を開始する。
【0084】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の搬送と、搬送機構30による中間転写リボン28の搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。その後、通帳類に対して60°〜110°の角度をもって中間転写リボン28のベース層40が引き上げられて、所定情報が印刷された接着層42及びホログラム層41が通帳類1の印刷頁10に転写される。
【0085】
続いて、図10の(d)に示すように、CPU100は、媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を印刷頁10を開いた状態で排出させる。
【0086】
上述したような印刷動作及び転写動作により、被転写媒体1の印刷頁10上に所定情報を印刷するとともに、固有の所定情報が印刷された印刷エリア10A全面は、回折効果を有する保護膜で覆い、光学的に読み取られる所定情報が印刷された読取エリア10B全面は、回折効果を持たない保護膜で覆うことが可能となる。
【0087】
ところで、上述した印刷装置20での処理効率を向上するために、印刷部3と転写部4との各動作時間をできるだけ重ね合わせるように並行動作を行う。すなわち、印刷部3による印刷動作の少なくとも一部は、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくとも1画像分の所定情報の転写部4による転写動作の少なくとも一部と並行して行われる。
【0088】
上述したような印刷装置20では、印刷部3において処理に要する時間が最も長く、この処理時間内に転写部4における転写動作を重ね合わせることが望ましい。つまり、転写動作は、4色(又はそれ以上の色)の重ね合わせ印刷動作において最後に重ね合わせられる色の印刷動作とほぼ同時に行われる。
【0089】
転写部4では、ヒートローラ26で加熱された後の樹脂材料が一定の温度以下になるように、ヒートローラ26から剥離シャフト31cまでの剥離距離Xが設けられている。このため、重ね合わせる最後の色の印刷動作と同時に転写動作を行うことにより、印刷部4において中間転写リボン28を逆搬送する必要がなく、転写部4を通過した中間転写リボン28が剥離されるまでの距離を余分に搬送することが可能になる。なお、ヒートローラ26から剥離シャフト31cまでの剥離距離Xは、30〜100mmが望ましい。
【0090】
図1に示した例では、中間転写リボン28の印刷予定エリアへの複数の色の重ね合わせ印刷を行い、最後に重ね合わせられる色すなわち黒色の印刷動作時に、印刷位置と転写位置との間にストックされた画像ストック1を被転写媒体1に転写する転写動作をほぼ同時に行う。
【0091】
このような並行動作を可能とする制御により、機構を複雑化したり各部を複雑に調整したりすることなく、しかも、装置を大型化することなく、処理効率を向上することが可能となる。このような制御は、特に複数の被転写媒体に対して連続的に所定情報を転写する場合に有利である。
【0092】
上述したような並行動作を行う際、印刷動作時における中間転写リボン28の搬送速度と、転写動作時における中間転写リボン28の搬送速度とを、ほぼ同一とすることが望ましい。これにより、可動範囲の狭いテンション機構80であっても限られた速度変動を吸収することができ、各々の並行動作を可能とする。
【0093】
このとき、中間転写リボン28の搬送速度は、印刷部3においてはサーマルヘッド5の耐印加エネルギ特性やインクリボン7を構成する基材フィルムの耐熱性などに起因し、転写部4においては中間転写リボン28を構成する接着層42を軟化するのに必要なエネルギやベース層40の耐熱温度などに起因し、共に5〜20mm/秒が望ましい。
【0094】
図2に示したように、テンション機構80においては、印刷動作時と転写動作時との速度差をできるだけ小さくするように材料選定やヒートローラ温度選択などを行うことで、テンション機構80の動作範囲を中間転写リボン28の経路長換算した長さMと、通帳類への転写長さTの関係を、
M<0.5×T (式1)
とすることができる。これにより、テンション機構80を、搬送ローラ32への巻き付き力を発生させるために利用可能となり、簡略化及びスペースの最小化が可能になる。
【0095】
図1では、「印刷予定エリア」への印刷が開始される直前の状態を示し、既に印刷部3と転写部4との間には、画像ストック1及び画像ストック2が蓄積されている。図9では、サーマルヘッド5とヒートローラ26との間の中間転写リボン28の経路を展開して、ストックされた画像と機構的な関係を示している。サーマルヘッド5とヒートローラ26との経路距離Lは、(式2)で表される。
【0096】
L=P×n+α (式2)
ただし、α<P、n:画像ストック数(n=1,2...)、P:単位繰り返し長さ、α:フィルム余分長さである。nはできるだけ小さくなるように機構配置がなされることが望ましく、図9に示した場合はn=2である。また、αが小さいほど中間転写リボン28の無駄な部分が少なくなる。位置合わせマージンは、中間転写リボン28の印刷開始位置及び転写開始位置をそれぞれ印刷位置及び転写位置に整合する頭だし動作に最低限必要なフィルム搬送距離である。
【0097】
(第2実施形態)
次に、上述した印刷装置20を備えた印刷システムについて説明する。
すなわち、この印刷システムは、図10に示すように、閉じた状態の複数通の通帳類1を積層状態で収容し、一通ずつ取込む通帳取込部12、及びこの通帳取込部12から図中右方に延びた搬送路11を有している。搬送路11上には、通帳取込部12から取込まれた通帳類1を正逆両方向に搬送するための複数の搬送ローラ対13…が配設されている。以下の説明では、通帳取込部12から印刷装置20に向う図中右方向を正方向とし、反対方向を逆方向とする。
【0098】
また、この印刷システムは、搬送路11に沿って、読取手段として機能する読取部14、頁捲り手段として機能する頁捲り部16、直接印刷部90、及び、上述した構成の印刷装置20を備えている。
【0099】
読取部14は、OCRすなわち光学式文字読取装置を備えている。この読取部14は、開かれた状態の通帳類1の画像を撮像し、その画像データに基づいて文字認識を行い、通帳類1に予め付与された固有の識別情報を読み取る。
【0100】
頁捲り部16は、搬送路11の下方に配設されたバックアッププレート17、搬送路11の上方に配設されためくりローラ15、及びバックアッププレート17の揺動の中心に設けられた支点19aを中心に揺動自在であるとともに、その揺動の先端にめくりローラ15を回動自在に取付けた揺動軸19を有している。揺動軸19が図中破線で示す位置に図示しないモータによって揺動されると、めくりローラ15が揺動されるとともにバックアッププレート17がそれに連動して揺動される。また、めくりローラ15は、図示しないモータによって時計回り或いは反時計回り方向に回転可能となっている。
【0101】
この頁捲り部16によって通帳類1の頁をめくる場合、まず、通帳類1を頁捲り機構内の所定位置まで搬送して停止させ、例えば図中破線で示すように揺動軸19を図中左方向へ揺動してめくりローラ15を通帳類1の上に押し当てる。このとき、揺動軸19の揺動にともない、バックアッププレート17も揺動され、傾いたバックアッププレート17によって通帳1の背面が上方へ押し上げられる。
【0102】
この状態で、通帳類1の搬送方向上流側の頁に押し当てられためくりローラ15を回転し、通帳類1の最上端の頁のめくり動作を開始する。このめくり動作によって当該ページがせり上がるように膨らみ、ある程度めくられたところでめくりローラ15を停止する。さらに、この状態から揺動軸19を図中実線で示す位置に戻した後、めくりローラ15を再度回転し、当該ページをめくりローラ15上に完全にめくり上げる。
【0103】
そして、通帳類1を逆方向に搬送し、ローラ上にめくり上げた頁を完全に開くとともに、開いた頁を読取部14を介して撮像し、画像データを解析することにより開いた頁を確認する。これにより、通帳類1の所望する頁を自動的に開くことができるとともに開いた頁を認識することができる。また同時に、通帳類固有の識別情報も読み取っておく。
【0104】
このようにして、その種類が認識されて所望する頁が開かれた通帳類1は、印刷装置20へ搬送される。印刷装置20のCPU100は、データ生成手段として機能し、通帳類1に印刷すべき所定情報の各色毎の印刷データをメモリ部101に一時的に記憶するとともに、読取部14にて通帳類1から読み取った固有の識別情報を受け取って、識別情報の少なくとも一部を含む所定情報に対応した印刷データを生成する。この実施の形態では、読取部14から受け取った識別情報は、黒色の印刷データに加えられる。
【0105】
印刷装置20では、これら各色毎の印刷データに基づいて中間転写リボン28に対して複数の色を重ね合わせて所定情報を印刷した後、対応する通帳類に所定情報とともにその表面に保護膜が転写される。
【0106】
尚、めくりローラ15を上述した動作と逆に動作させることにより、通帳類1のページを逆方向にも開くことができる。
印刷部20において所定情報が印刷された通帳類1は、さらに搬送方向下流側に向けて搬送され、通帳排出部に排出される。
このような印刷システムにより、所定情報が印刷された通帳類1を連続して自動的に作成することが可能となる。
【0107】
次に、図10及び図11を参照して、上述した印刷システムにおいて、印刷装置20の中間転写リボン28にストックされた画像との関係と、印刷動作と通帳類に付与された識別情報の読取動作との並行動作について説明する。ここで、読取部14において読み取られた固有の識別情報は、印刷装置20の印刷部3において黒色印刷データのみに組み込まれて反映されることが特徴である。
【0108】
印刷装置20の印刷部3では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒色(K)のそれぞれに対応した印刷データに基づいて、中間転写リボン28の表面にC、M、Y、Kの順序で所定情報が印刷される。
【0109】
すなわち、まずは、中間転写リボン28の印刷予定エリアにおいて、C,M,Yで所持人の顔画像情報がカラー印刷される。これら複数の色による顔画像情報などのカラー印刷動作中に、通帳取り込み部12による通帳類1の取込動作、頁捲り部16による頁捲り動作、読取部14による識別情報の読取動作及び認識動作などが並行して行われる。通帳取り込み部12では、閉じた状態で複数冊が重ねてセットされた通帳類1のうち1冊のみを取り込む。頁捲り部16では、取り込まれた通帳類1の表紙がめくられて所定の印刷頁を開いた状態とする。読取部14では、読取対象の通帳類から予め付与された固有の識別情報を読み取り、認識処理を行う。
【0110】
読取部14にる認識結果は、印刷装置20側に転送される。印刷装置20のCPU100は、認識結果として受け取った識別情報を黒色で印刷される各種所定情報に追加し、黒色用の印刷データを生成する。ここまでの工程は、C、M、Yによるカラー印刷動作中に行われる。
【0111】
続いて、黒色用の印刷データに基づいて、中間転写リボン28の印刷予定エリアに黒色の所定情報が印刷される。この黒色印刷動作時においては、中間転写リボン28が順方向に搬送されるが、この中間転写リボン28の搬送速度とほぼ等しい速度で転写部4におけるヒートローラ26を駆動する。これにより、黒色印刷動作中に、転写動作が並行して行われる。つまり、画像ストック1と通帳ストック1とがヒートローラ26で加圧・加熱され、通帳類1に所定情報とともにホログラム層が転写される。転写位置を通過した中間転写リボン28は、転写部4で剥離完了の位置まで搬送される。
【0112】
この印刷部3での中間転写リボン28の印刷予定エリアへの4色の印刷動作完了に伴って、印刷予定エリアに印刷された所定情報は、画像ストック2の位置に移動する。また、転写部4での画像ストック1の通帳ストック1への転写動作完了に伴って、通帳ストック2は、転写部4における通帳ストック1の位置まで搬送され、読取部14にて識別情報が読み取られた読取対象の通帳類も、直接印刷部90における通帳ストック2の位置に搬送される。
【0113】
直接印刷部90では、必要に応じてデータの印刷が行われるが、図5に示した通帳類の例では印刷が行われていない。
【0114】
上述したように、通帳類の取込動作、頁捲り動作、識別情報の読取動作などは、印刷装置20の印刷部3によって最後に重ね合わせられる色の印刷動作よりも先の色の印刷動作と並行して行われ、読取動作によって読み取られた識別情報は、最後に重ね合わせられる色の印刷動作において印刷される。また、最後に重ね合わせられる色の印刷動作は、転写部における転写動作と並行して行われる。これにより、複数の通帳類に対して連続的に所定情報を転写することが可能となり、処理効率を向上することが可能となる。
【0115】
図11において、読取部14から印刷装置20の転写部4までの搬送路11上に存在する通帳類の冊数をPbとすると、
Pb=n+1 (式3)
(実施例ではn=2、Pb=3)
の関係が成り立っている。Pbは印刷システム全体の大きさに影響し、また通帳類の滞留部を設けることで複雑になったりコスト上昇の原因ともなるため、できるだけ少ない方が良い。
【0116】
なお、上述した動作例では直接印刷部90での印刷を行わなかったが、次のような直接印刷の動作を行うことができる。
【0117】
(a)図5に示した上側頁に、所持人のセキュリティ情報に関係しない運用管理番号など改ざんのメリットがない情報を印刷する。また、上側頁に、下側頁に加えられない情報を印刷する。
【0118】
(b)頁捲り部16を用いて図5で示したホログラム層が付与される印刷頁以外を開き、必要に応じて追加情報などを印刷する。追加情報のセキュリティ重要度が高くない場合、高価なホログラムパターンを持つ薄膜オーバーコートを用いなくても、追加情報が印刷可能となり、通帳印刷の運用に自由度が加わる。また、頁捲り部16と組み合わされることで、追加情報の有無によらず、通帳類の自動作成が可能となる。
【0119】
(第3実施形態)
印刷部3の色に関係なく通帳固有データが印刷に用いられたり、頁捲り動作と読取及び認識動作の時間が、通帳固有データと関係しない印刷色の印刷動作中に終了しない場合、(式3)を満たす通帳類1を搬送路上に存在させるとすると、印刷動作中又は印刷開始前に待ち時間が発生することになる。
【0120】
待ち時間を勘案の上、システム全体のサイズを優先させる場合は
Pb=n+1 (式3)’
とする。
【0121】
また、連続動作による見かけ上の1冊当たり通帳類作成時間を短くするためには、
Pb=n+2 (式4)
とすることで、通帳固有データの印刷有無に関係なく待ち時間を回避することが可能となる。
【0122】
(第4実施形態)
図12に印刷システム全体を示す。図10に示した第2実施形態では、直接印刷部90の搬送路スペースを通帳滞留部として利用していたが、直接印刷部90が不要の場合には、図12に示したように通帳類1を積極的に滞留させる通帳滞留部1及び2を設け、通帳類1の搬送をゲートで切り替える。なお、通帳滞留部1及び2は、図12に示したように印刷装置20の手前すなわち通帳類の搬送方向上流側に設けても良いし、印刷装置20の後方すなわち通帳類の搬送方向下流側に設けても良い。
【0123】
以上説明したように、この印刷装置及び印刷方法によれば、中間転写媒体の受像層(接着層)上に所定情報を印刷し、この所定情報とともに接着層を被転写媒体上に転写することにより、被転写媒体の表面状態に影響を受けることなく安定して高画質な印刷を行うことが可能となる。
【0124】
また、印刷部3と転写部4とを並行に動作することにより、1被転写媒体当たりの作成時間を短縮することができる。また、印刷動作及び転写動作における中間転写リボンの搬送速度をほぼ同一とすることにより、印刷部3と転写部4との間に必要となる搬送速度差吸収用のテンション機構を簡易で小型の機構にすることができる。このため、装置全体を小型化することができ、コストも低減できる。
【0125】
さらに、被転写媒体に予め付与された固有の識別情報を読み取って、この識別情報の少なくとも一部を通帳類に転写される所定情報に含ませることにより、被転写媒体のセキュリティ性を向上することができる。
【0126】
また、識別情報は、最後に重ね合わせられる色で印刷することにより、固有の識別情報の読取動作は、先に重ね合わせられる色の印刷動作中に行うことができる。この印刷動作中においては、読取動作の他に、通帳類の取込動作やページめくり動作などを並行して行うことができる。したがって、通帳類の作成時間を短縮することができる。
【0127】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、処理効率を向上することが可能な印刷装置及び印刷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る印刷装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示した印刷装置に適用されるテンション機構の構成を概略的に示す図である。
【図3】図3は、図1に示した印刷装置に適用されるヒートローラの構成を概略的に示す図である。
【図4】図4は、図1に示した印刷装置における制御系統の構成を概略的に示す図である。
【図5】図5は、図1に示した印刷装置によって印刷される印刷対象物としての被転写媒体の一例を示す図である。
【図6】図6の(a)乃至(c)は、それぞれ図1に示した印刷装置に適用可能な中間転写リボンの構成を概略的に示す断面図である。
【図7】図7は、図1に示した印刷装置に適用される中間転写リボンの構成を概略的に示す平面図である。
【図8】図8の(a)乃至(d)は、図1に示した転写部による中間転写リボン上の所定情報を被転写媒体に転写する転写動作を説明するための図である。
【図9】図9は、印刷位置から転写位置までにストックされた中間転写リボン上の画像の位置関係を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態にかかる印刷システムの構成を概略的に示す図である。
【図11】図11は、図10に示した印刷システムにおける読取部から印刷装置までの間の機構を概略的に示す図である。
【図12】図12は、第4実施形態にかかる印刷システムの構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…被転写媒体
3…印刷部(印刷手段)
4…転写部(転写手段)
5…サーマルヘッド(印刷手段)
6…プラテンローラ
14…読取部(読取手段)
16…頁捲り部(頁捲り手段)
20…印刷装置
30…搬送機構(搬送手段)
32…搬送ローラ(搬送手段)
100…CPU(制御手段、データ生成手段)
Claims (12)
- 中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記印刷手段及び前記転写手段を並行動作させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 印刷位置において中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により所定情報が印刷された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記印刷手段による印刷動作の少なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくとも1画像分の所定情報の前記転写手段による転写動作の少なくとも一部と、を並行して行うよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 印刷位置において中間転写媒体に複数の色を順次重ね合わせて所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により所定情報が印刷された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記印刷手段によって最後に重ね合わせられる色の印刷動作の少なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくとも1画像分の所定情報の前記転写手段による転写動作の少なくとも一部と、を並行して行うよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送されている中間転写媒体に印刷位置において所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により所定情報が印刷された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記印刷手段による印刷動作の少なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくとも1画像分の所定情報の前記転写手段による転写動作の少なくとも一部と、を並行して行い、且つ、ほぼ同一の搬送速度で行うよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 被転写媒体に付与された固有の識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた識別情報の少なくとも一部を含む所定情報に対応した印刷データを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段により生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 被転写媒体に付与された固有の識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた識別情報を含む所定情報に対応した印刷データを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段により生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に複数の色を順次重ね合わせて所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記読取手段による読取動作を、前記印刷手段によって最後に重ね合わせられる色の印刷動作より先に行うよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 被転写媒体に付与された固有の識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた識別情報を含む所定情報に対応した印刷データを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段により生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に複数の色を順次重ね合わせて所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記読取手段により読み取られた識別情報を、前記印刷手段によって最後に重ね合わせられる色によって印刷するよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 通帳形状の被転写媒体において頁を捲ることにより固有の識別情報を有する頁及び所定の印刷頁を開いた状態とする頁捲り手段と、
被転写媒体から固有の識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた識別情報を含む所定情報に対応した印刷データを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段により生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に複数の色を順次重ね合わせて所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体の印刷頁に転写する転写手段と、
前記頁捲り手段による頁捲り動作、及び、前記読取手段による読取動作を、前記印刷手段による前記複数の色のうちの1色目の印刷動作中に行い、前記読取手段により読み取られた識別情報を前記印刷手段によって前記複数の色のうちの最後に重ね合わせられる色によって印刷するよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 被転写媒体から固有の識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた識別情報を含む所定情報に対応した印刷データを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段により生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に印刷位置において複数の色を順次重ね合わせて所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により所定情報が印刷された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記読取手段による読取動作と、前記印刷手段による前記複数の色のうちの1色目の印刷動作とを並行して行い、しかも、前記読取手段により読み取られた識別情報を前記印刷手段によって前記複数の色のうちの最後に重ね合わせられる色によって印刷する印刷動作と、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくとも1画像分の所定情報の前記転写手段による転写動作とを並行して行うよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 前記識別情報を黒色で印刷することを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 印刷位置において中間転写媒体に所定情報を印刷し、
所定情報が印刷された中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置において圧着して中間転写媒体の所定情報を被転写媒体に転写する印刷方法において、
印刷動作の少なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくとも1画像分の所定情報の転写動作の少なくとも一部と、を並行して行う、
ことを特徴とする印刷方法。 - 被転写媒体に付与された固有の識別情報を読み取り、
読み取られた識別情報の少なくとも一部を含む所定情報に対応した印刷データを生成し、
生成された印刷データに基づいて中間転写媒体に所定情報を印刷し、
中間転写媒体に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する、
ことを特徴とする印刷方法。
Priority Applications (1)
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JP2002237378A JP2004074557A (ja) | 2002-08-16 | 2002-08-16 | 印刷装置及び印刷方法 |
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JP2002237378A JP2004074557A (ja) | 2002-08-16 | 2002-08-16 | 印刷装置及び印刷方法 |
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