JP2004306321A - 通帳類作成装置及び通帳類作成方法 - Google Patents

通帳類作成装置及び通帳類作成方法 Download PDF

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Kenichi Araki
健一 荒木
Yosuke Jojima
陽介 城島
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Abstract

【課題】通帳類に対して損傷を与えることがなく、しかも通帳類に対して安定して高画質な印刷を行うことができる通帳類作成装置及び通帳類作成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】通帳類作成装置は、中間転写フィルム28に印刷された所定情報を開いた状態の通帳類1の所定頁に転写する転写ユニット4を備え、転写ユニット4は、熱エネルギを発生するヒータ65を内部に備えた回転可能なヒートローラ26と、ヒートローラ26の回転軸と平行な回転軸を有しヒートローラ26との間で中間転写フィルム28及び通帳類1を挟持する回転自在な円筒状のバックアップローラ27と、で構成される。ヒートローラ26は、円筒部26A及びこの円筒部26Aとの境界に回転軸に沿った稜部26Bを形成する凹部26Cを有している。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、通帳類作成装置及び通帳類作成方法に係り、特に、中間転写媒体に印刷した所定情報を被転写媒体としての通帳類に転写する印刷装置及び印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷対象とするセキュリティ印刷物としての通帳類など、例えば所持人個人を特定するID情報などの高セキュリティ情報が印刷される通帳類などの作成手続きにおいて、通帳類の表面状態になるべく影響を受けることなく高画質な印刷を行うことが可能な印刷装置が求められれている。この印刷装置の一つとして、中間転写媒体としての中間転写フィルムを用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
印刷部では、サーマルヘッドが所定情報に応じて発熱してインクリボンのインクを溶融することにより、中間転写フィルムの表面すなわち受像層上に文字やバーコードなどの所定情報が印刷される。
【0004】
転写部では、所定情報が印刷された中間転写フィルム及び見開き状態の通帳類がヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。この状態からヒートローラが回転して中間転写フィルム及び通帳類がバックアップローラに押し付けられるとともに加熱されることにより、中間転写フィルムの受像層とともに所定情報が通帳類の所定頁に転写される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−96510号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、転写部を構成するヒートローラは、金属製であって、しかも円筒形状である。このため、中間転写フィルムの転写開始位置を通帳類所定頁の転写開始位置に当接した際に、加圧力が分散してしまい、所定頁における転写開始位置及び転写終了位置での受像層のエッジが直線状にならず、見栄えが悪いといった問題を生ずる。また、受像層の不要な部分まで所定頁に転写されてしまったり、逆に、受像層の必要な部分が確実に所定頁に転写できなかったりすることがあり、セキュリティ印刷物としての信頼性を損なう。
【0007】
また、見開き状態の所定頁に所定情報を転写する場合、綴じ目を挟んで所定頁とは反対側の頁にヒートローラ及び中間転写フィルムが接触してしまう可能性があり、所定情報を転写可能な転写範囲が制約されてしまう。
【0008】
特許文献1によれば、円筒部と平坦部とを組み合わせた外周を有するD字状カット断面形状のヒートローラが開示されている。このようなヒートローラを適用することにより、ヒートローラのエッジ部すなわち円筒部と平坦部との境界に沿った稜部に圧力が集中し、所定頁における転写開始位置及び転写終了位置での受像層のエッジを直線状に形成することができ、見栄え及び信頼性を向上することができる。また、所定頁の綴じ目付近から所定情報を転写可能となり、転写範囲を拡大することができる。
【0009】
しかしながら、ヒートローラのエッジ部に圧力が集中することにより、通帳類所定頁にキズ(折り目)が発生してしまうおそれがある。また、所定頁の綴じ目付近から所定情報を転写する場合、綴じ目付近の状態(例えば所定頁とその反対側頁との段差が大きい状態や、反対側頁の表面が膨らんだ状態など)によっては、ヒートローラの平坦部が中間転写フィルムを綴じ目付近に接触させてしまい、汚れの発生を起こすなど通帳類に対して安定して高品質な印刷を行うことができないおそれがある。
【0010】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、通帳類に対して損傷を与えることがなく、しかも通帳類に対して安定して高画質な印刷を行うことができる通帳類作成装置及び通帳類作成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による通帳類作成装置は、
中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を、見開き状態の通帳類の所定頁に転写する転写手段と、を備え、
前記転写手段は、
熱エネルギを発生する加熱手段と、
前記加熱手段を内部に備えた回転可能な中空体であって、その外周形状が円筒部及びこの円筒部との境界に回転軸に沿った稜部を形成する凹部を有するヒートローラと、
前記ヒートローラの回転軸と平行な回転軸を有し、前記ヒートローラの円筒部との間で中間転写媒体及び通帳類を挟持する回転自在な円筒状のバックアップローラと、
前記ヒートローラを所定方向に回転駆動する駆動手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
この発明の第2の様態による通帳類作成方法は、
中間転写媒体に印刷された所定情報を、見開き状態の通帳類の所定頁に転写する通帳類作成方法であって、
熱エネルギを発生する加熱手段を内部に備えた回転可能な中空体であって、その外周形状が円筒部と、この円筒部との境界に回転軸に沿った第1稜部を形成する凹部と、円筒部と凹部とを繋ぎ円筒部との境界に回転軸に沿った第2稜部を形成する平坦部とを有するヒートローラと、
前記ヒートローラの回転軸と平行な回転軸を有し、前記ヒートローラの円筒部との間で中間転写媒体及び通帳類を挟持する回転自在な円筒状のバックアップローラと、
前記ヒートローラを所定方向に回転駆動する駆動手段と、を備えた転写部において、前記ヒートローラは、
待機時において、通帳類及び中間転写媒体をそれぞれ案内可能なギャップを形成するよう凹部を前記バックアップローラに対向させた状態で停止し、
転写時において、前記駆動手段によって回転駆動されることにより、第1稜部により中間転写媒体の転写開始位置を通帳類の綴じ目側に位置する転写開始位置に接触させ、第1稜部から第2稜部までの間の円筒部と前記バックアップローラとの間で中間転写媒体及び通帳類を加圧しつつ加熱することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る通帳類作成装置及び通帳類作成方法について図面を参照して説明する。この実施の形態では、被転写媒体として、銀行通帳などの個人ID情報がセキュリティ情報として記載された通帳類の通帳類作成装置を例に挙げて説明する。
【0014】
まず、セキュリティ情報を含む所定情報が印刷・転写された完成通帳類のイメージを図1及び図2に示す。
【0015】
図1に示すように、開いた状態(見開き状態)の通帳類1では、所定頁10に個人ID情報を含んだセキュリティ情報が印刷されている。すなわち、この通帳類1には、黒(Bk)インクによる文字印刷及びバーコード印刷、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色インクを順次重ね合わせたカラー印刷(例えば所持人の顔画像)、通常環境下では不可視であって紫外線照射によって可視化される無色蛍光インクを用いた無色蛍光印刷(所持人情報に関連する隠し画像)などが施されている。後に説明する中間転写印刷方式を採用した通帳類作成装置の特徴から、各印刷インクの表面にホログラム層を含む薄膜のオーバーコートがなされている。
【0016】
これらの所定頁10に印刷される所定情報は、ほぼ円形またはほぼ楕円形の微小な印刷ドットによって再現される。これらのドット径(ドット面積)を変化させることにより、良好な階調特性を有する印刷することができる。この実施の形態によれば、特に濃度の低い部分、すなわちドット径の小さい部分での階調特性を良好に印刷することが可能となる。
【0017】
より具体的には、所定頁10において、その下側(綴じ目10Fとは反対側)には、所持人固有の識別情報を暗号化した文字列10Aや、所持人固有の識別情報をコード化したデータコード(バーコード)10Bなどが黒色などで印刷される。このような所定頁10の下側のエリアは、ホログラムパターンが形成されていないため、ほぼ透明な薄膜オーバコートによって覆われている。
【0018】
また、所定頁10の上側(綴じ目10F側)には、所持人の顔画像10Cがカラー印刷されるとともに、所持人の識別情報10Dなどが黒色などで印刷される。また、所定頁10の上側には、所持人情報に関連した蛍光画像10Eが無色蛍光印刷される。このような所定頁10の上側のエリア(図中の斜線部)は、ホログラムパターンを有するホログラム層を含む薄膜オーバコートによって覆われている。
【0019】
見開き状態の通帳類1において所定頁10の反対側の頁には、装置投入前から予め通帳固有の通帳識別情報(文字列など)が印刷されている。所定頁10の下側に印刷された文字列10Aには、この通帳識別情報の少なくとも一部が含まれていることも特徴である。
【0020】
すなわち、通帳識別情報は、通帳類1の製造過程から管理可能なシリアル番号を含んでおり、これに種別や使用目的などを加えた番号であることが一般的である。通帳識別情報を後に印刷される文字列10Aの一部に含めることで、通帳類1と印刷内容との整合を調査しやすくなり、所定頁10を剥がして入れ替えるなどの偽変造防止に効果がある。
【0021】
図1に示した通帳類1の例では、図2に示すように、セキュリティ情報を含む所定情報は中紙2頁目に印刷されており、通帳固有の通帳識別情報は中紙3頁目に付与されている。なお、図1に示した通帳類1の例では、所定情報と通帳識別情報とを見開きの状態で隣り合う頁にそれぞれ配置したが、同じ頁に配置しても良い。
【0022】
次に、上述したような構成の通帳類1の内側頁(例えば第2頁)に、セキュリティ情報として個人ID情報などを含む所定情報を中間転写印刷方式で印刷する通帳類作成装置について説明する。
【0023】
図3に示すように、通帳類作成装置は、通帳類作成装置は、中間転写媒体としての中間転写フィルム28に所定情報を印刷する印刷手段として機能する印刷ユニット3と、印刷ユニット3により中間転写フィルム28に印刷された所定情報を見開き状態の通帳類1の所定の所定頁10に転写する転写手段として機能する転写ユニット4と、第1搬送手段として機能する搬送機構30と、第2搬送手段として機能する通帳類搬送部2とを備えて構成されている。
【0024】
印刷ユニット3では、黒(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色インクに、無色蛍光インクなどを加えた5色以上のインクを順次に備えた溶融インクリボンを用い、印刷データに基づいてサーマルヘッドを駆動することによる溶融印刷方式により中間転写フィルム28上に所定情報に対応した画像を形成する。
【0025】
転写ユニット4では、通帳類1における所定頁10の表面と中間転写フィルム28の画像面とを位置合わせしてラミネート動作によって画像を転写する。これにより、通帳類1の所定頁10に所定情報が形成される。なお、印刷ユニット3に提供される印刷データには、通帳識別情報の少なくとも一部が含まれており、所定頁10の下側に、文字列10Aの一部として通帳識別情報の少なくとも一部も同時に印刷される。
【0026】
ここで、このような通帳類作成装置にて適用される中間転写フィルム28の構造について説明する。
【0027】
図4の(a)に示すように、中間転写フィルム28は、例えば3層構造であり、長尺のベース層40、ベース層40上に配置されたホログラム層41、ホログラム層41上に配置された受像層として機能する接着層42を備えて構成されている。接着層42上には、印刷ユニット3により所定情報が印刷される。
【0028】
ベース層40は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムによって形成される。剥離層として機能するホログラム層41は、例えばフェノキシ系樹脂、透明樹脂によるホログラム形成層、金属化合物の蒸着層などを組み合わせた透明ホログラム層などを有して形成される。接着層42は、例えばポリエステル系樹脂によって形成される。
【0029】
中間転写フィルム28の3層のうち、ホログラム層41及び接着層42は、転写層として機能し、転写ユニット4において、接着層42上に印刷された所定情報とともに通帳類1上に転写される。通帳類1上に転写された時に最上層に配置されるホログラム層41は、保護膜として機能する。
【0030】
なお、中間転写フィルム28は、図4の(a)に示した構造に限らず、図4の(b)に示したように、ベース層40とホログラム層41との間に剥離層43を配置した構造であっても良い。このような構造の場合、剥離層43、ホログラム層41、及び接着層42が転写層として機能する。
【0031】
また、中間転写フィルム28は、図4の(c)に示したように、ベース層40上に剥離層43、保護層44、ホログラム層41、及び接着層42をこの順に積層した構造であっても良い。このような構造の場合、剥離層43、保護層44、ホログラム層41、及び接着層42が転写層として機能する。
【0032】
さらに、中間転写フィルム28は、紫外線によって発光する蛍光発色層などの機能層を設け、転写ユニット4において、接着層42上に印刷された所定情報とともに通帳類1上に転写されるように構成しても良い。
【0033】
このような構成の中間転写フィルム28におけるベース層40の厚さや、受像層としての機能を兼ね備えた接着層42の総厚は、接着性や膜切れ特性に影響を与えるパラメータであり、中間転写フィルムの総厚は、10乃至100μmの範囲であり、望ましくは、25乃至50μmの範囲である。
【0034】
図3に示すように、印刷ユニット3は、中間転写フィルム28に対して所定情報、すなわち所持人固有の識別情報や顔画像などの所定情報を印刷する。この印刷ユニット3は、サーマルヘッド5、このサーマルヘッド5に対向配置され正逆方向に自由回転するプラテンローラ6などを備えて構成された熱溶融転写印刷方式を採用している。
【0035】
サーマルヘッド5とプラテンローラ6との間には、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)、紫外線照射によって発光する無色蛍光インクの各色の溶融インクをダンダラ(段だら)状に有したインクリボン7及び中間転写フィルム28が介在されている。この印刷ユニット3では、このようなインクリボン7を用いてカラー画像や黒色文字、蛍光画像の印刷が可能である。
【0036】
サーマルヘッド5は、印刷データに基づいて駆動され、印刷ユニット3における所定の印刷位置において、中間転写フィルム28の印刷開始位置から所定情報を印刷する。この印刷ユニット3に適用されるサーマルヘッド5は、発熱体をヘッドの端面に配置して構成された、いわゆる端面型サーマルヘッド、または、発熱体をヘッドのコーナ近傍に配置して構成された、いわゆるニアエッジ型サーマルヘッドである。
【0037】
このようなタイプのサーマルヘッドを使用した印刷装置では、インクリボン7及び中間転写フィルム28が、サーマルヘッド5の発熱体を通過した直後、すなわち溶融転写されたインクが冷え固まる前に、剥離板等を必要とすることなく剥離される、いわゆる熱時剥離方式が採用される。
【0038】
プラテンローラ6は、弾性材料、例えば硬質のゴム材料を巻きつけることによって構成されている。ゴム材料の硬度が上がるほどに微小ドットの再現性が向上するが、同時に最適なプラテンローラ6とサーマルヘッド5との位置関係を得ることが困難となる。このため、この実施の形態では、プラテンローラ6は、その表面に、硬度(「JIS−K6253」による)が75度以上、望ましくは85度乃至97度の範囲のゴム材料を巻きつけることによって構成されている。
【0039】
同時に、研磨したゴム表面の平均表面粗さも、表面平滑性が上がるほどに微小ドットの再現性が向上する。このため、この実施の形態では、プラテンローラ6は、その表面に、平均表面粗さが中心線平均粗さRaで1μm以下、望ましくは0.5μm以下のゴム材料を巻きつけることによって構成されている。
【0040】
インクリボン7は、その一端部が送出軸8に巻き付けられ、その他端部が巻取軸9に巻き付けられている。送出軸8及び巻取軸9の少なくとも一方は、正逆両方向に独立に駆動可能である。送出軸8から送出されたインクリボン7の中途部は、ガイドシャフト21a〜21dに掛け渡されている。
【0041】
このような熱溶融転写印刷方式の特徴として、画像耐久性が高いこと、インク材料に機能性材料を適用することが比較的容易なこと(例えば蛍光顔料、アルミ蒸着薄膜)などが挙げられ、偽造防止を目的とする印刷物に適している。なお、インクリボン7としては、単色インクのみのリボンでも良く、また、光沢面も持つ印刷用の金属薄膜(アルミ蒸着)層、或いは、印刷用のホログラム層等の機能を有するリボン材料を有していても良い。
【0042】
このインクリボン7を構成するベースフィルムの厚さやインク層の厚さは、印刷ドット再現性に極めて重要なパラメータであり、インクリボンの総厚としては、3乃至25μmの範囲であり、望ましくは4乃至10μmの範囲内に設定される。
【0043】
搬送機構30は、所定情報を有する中間転写フィルム28を所定の搬送速度で搬送する。この搬送機構30は、第1軸31A及び第2軸31Bを有し、一方の軸から他方の軸に向かって中間転写フィルム28を搬送可能である。すなわち、中間転写フィルム28は、その一端側が印刷ユニット3の上部側に設けられた第2軸31Bに巻き付けられ、その他端側が印刷ユニット3の下部側に設けられた第1軸31Aに巻き付けられている。
【0044】
第1軸31A及び第2軸31Bは、それぞれ駆動モータM1及びM2によって駆動され、正逆両方向に独立に駆動可能である。また、これら第1軸31A及び第2軸31Bを駆動する駆動モータM1及びM2は、後述するモータ制御回路107によって駆動制御され、印刷ユニット3における印刷位置及び転写ユニット4における転写位置に向けて中間転写フィルム28を所定のテンションで搬送する。駆動モータM1及びM2は、ブラシレスDCモータなどによって構成され、フィルムテンション調整が可能となっている。
【0045】
第1軸31Aが中間転写フィルム28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第2軸31Bが中間転写フィルム28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写フィルム28は、図3中の順方向Aに搬送される(順搬送)。また、第2軸31Bが中間転写フィルム28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第1軸31Aが中間転写フィルム28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写フィルム28は、図3中の逆方向Bに搬送される(逆搬送)。
【0046】
第2軸31B及び第1軸31Aとの間では、中間転写フィルム28の中途部がガイドシャフト31a〜31dに掛け渡され、ほぼ一定のテンションに維持されている。ガイドシャフト31cは、ヒートローラ26を通過した後に中間転写フィルム28と通帳類1とを剥離する剥離ガイドとして機能する。
【0047】
中間転写フィルム28を搬送する駆動力は、一般的にプラテンローラ6に駆動機構を設けて駆動することにより発生することが多いが、上述したようなプラテンローラ6の硬度と表面粗さとの関係から、中間転写フィルム28とプラテンローラ6との摩擦係数が上がらず、また、安定しない。
【0048】
このため、この実施の形態では、搬送機構30は、プラテンローラ6と転写ユニット4との間であって、プラテンローラ6の下流(ヒートローラ26側)直近に配置された搬送ローラ32を備えている。この搬送ローラ32は、硬度30度乃至60度の範囲のゴム材料を用いたローラである。中間転写フィルム28は、搬送ローラ32に対してできるだけ巻き付き角が大きい方が望ましい。この実施の形態では、中間転写フィルム28は、搬送ローラ32に対して90°乃至130°の巻き付き角で巻きついている。
【0049】
この搬送ローラ32は、正逆両方向に独立に駆動可能であり、印刷ユニット3にて所定情報を印刷された中間転写フィルム28を所定の搬送速度で搬送する。すなわち、中間転写フィルム28の搬送速度は、このような構成の搬送ローラ32によって決まる。このため、この搬送ローラ32は、図5に示すように、5相ステッピングモータ32A、タイミングベルト32B、及び、プーリ32Cによる減速機構を組み合わせた駆動機構によって、正確に駆動される。
【0050】
また、図5に示すように、テンション機構80は、搬送ローラ32と転写ユニット4との間に配置される。このテンション機構80は、限られた可動範囲内で搬送機構30によって搬送される中間転写フィルム28に対して所定テンションを付与する。
【0051】
すなわち、テンション機構80は、搬送される中間転写フィルム28にたるみが生じても、中間転写フィルム28に対して所定のテンションを付与する。これにより、搬送ローラ32と中間転写フィルム28とが常に適切に接触する状態を作り出して、たるみを改善することができる。
【0052】
転写ユニット4は、ヒートローラ26、このヒートローラ26に対向配置されたバックアップローラ27などを備えて構成されている。これらヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、中間転写フィルム28が介在されている。
【0053】
図6の(a)及び(b)に示すように、ヒートローラ26は、回転可能な中空体であって、回転軸Oに対して垂直な断面がほぼ半円形状の断面形状を有している。すなわち、ヒートローラ26は、円筒部26A、及び、この円筒部26Aとの境界に回転軸Oに沿った稜部(第1稜部)26Bを形成する凹部26Cを有している。
【0054】
円筒部26Aと凹部26Cとは、平坦部26Dによって繋がれ、円筒部26Aと平坦部26Dとの境界に回転軸Oに沿った稜部(第2稜部)26Eを形成する。凹部26Cは、ヒートローラ26による転写動作に伴って回転開始した当初に通帳類1の綴じ目10F付近と対向する部分に形成されている。また、この凹部26Cは、円筒面を組み合わせた曲面によって形成されている。
【0055】
このヒートローラ26は、中空の金属材料によって形成された芯部35を有している。この芯部35は、その外周面によってヒートローラ26の円筒部26A、稜部26B、凹部26C、平坦部26D、及び、稜部26Eを形成するよう成型されている。
【0056】
芯部35の内部には、熱エネルギを発生する加熱手段として機能するヒータ65が設けられている。芯部35における少なくとも円筒部26Aの表面は、被覆部36によって覆われている。この被覆部36は、弾性材料、好ましくは耐熱性ゴムなどの硬質のゴム材料によって構成されている。
【0057】
被覆部36を構成するゴム材料の厚さは、0.5mm〜2mmの範囲であることが望ましく、しかも、このゴム材料は、60乃至90度の範囲の硬度を有することが望ましい。なお、この実施の形態では、被覆部36は、約70度の硬度を有したゴム材料によって形成されている。
【0058】
なお、被覆部36は、ヒートローラ26の円筒部26Aのみならず、全周を覆うように設けても良い。また、ヒートローラ26は、耐熱性ゴムがなくて芯部35のみで構成してもよい。この場合、ヒートローラ26の表面には、汚れの付着防止のフッ素樹脂化合物によるコーティングなどを行うことが望ましい。
【0059】
バックアップローラ27は、ヒートローラ26の回転軸と平行は回転軸を有し、ヒートローラ26の円筒部26Aとの間で中間転写フィルム28及び通帳類1を挟持する回転自在な円筒状に形成されている。このバックアップローラ27は、ステンレス材、あるいは鋼材にメッキ等のコーティングを施した金属材料によって形成されている。また、このバックアップローラ27は、その表面における平均表面粗さが中心線平均粗さRaで3.2μm以下に形成されている。
【0060】
これらヒートローラ26及びバックアップローラ27は、転写ユニット4における所定の転写位置(ヒートローラ26とバックアップローラ27とが接触している位置)において、加圧機構50により、中間転写フィルム28と通帳類1とを、通帳類1の厚さによらず一定の圧力で圧着するように構成されている。
【0061】
すなわち、この加圧機構50は、その一端部を支点51Aとして上下動自在に設けられたアーム51と、アーム51とバックアップローラ27との間に配置されバックアップローラ27を必要な所定圧力でヒートローラ26に向けて付勢するばね52とを備えている。
【0062】
また、この加圧機構50は、通帳類1の厚さに応じて加えられる所定圧力を一定に維持するように調整する調整機構として、アーム51の他端部に設けられたカムフォロワ53と、カムフォロワ53に係合し回転自在に設けられたカム54と、カム54を回転駆動する駆動モータ55とを備えている。
【0063】
この加圧機構50では、通帳類1の厚さに対応した情報に基づいて、駆動モータ55の駆動が制御され、カム54を所定角度だけ回転させる。カム54が回転することにより、カムフォロワ53が追従し、アーム51が支点51Aを軸として上下方向に回動する。
【0064】
これに伴って、バックアップローラ27は、ばね52を介して上下方向すなわちヒートローラ26に対して近接または離間する方向に遥動する。これにより、通帳類1の厚さに応じて、ヒートローラ26とバックアップローラ27との間のギャップが変更される。
【0065】
このヒートローラ26は、駆動手段として機能するDCサーボモータやステッピングモータなどの駆動機構により正確な一定速度で所定方向に回転駆動可能である。また、このヒートローラ26の回転角度は、センサSHによって検知される。すなわち、ヒートローラ26は、待機時においては、図6の(a)に示すように、その凹部26C及び平坦部26Dをバックアップローラに対向させた状態で停止しており、通帳類1の搬送路11に対してほぼ並行に対向して配置されている。
【0066】
そして、このヒートローラ26は、転写時にのみ駆動機構により回転駆動され、転写位置(ヒートローラ26とバックアップローラ27とが接触している位置)において、稜部26B、円筒部26A、稜部26Eの順に中間転写フィルム28に接触し、稜部26Bから稜部26Eまでの円筒部26Aとバックアップローラ27との間に中間転写フィルム28及び通帳類1を一定の圧力で圧着しつつヒータ65から発生された熱エネルギによって加熱することにより、中間転写フィルム28上に印刷された所定情報を通帳類1に転写する。
【0067】
図3に示すように、通帳類搬送部2は、所定頁10が開かれた状態の通帳類1を綴じ目10Fに対して直交する方向に搬送する。この通帳類搬送部2は、第1搬送ローラ対13A、及び、第2搬送ローラ対13Bを備えている。第1搬送ローラ対13Aは、転写ユニット4より搬送方向上流側に配置されている。第2搬送ローラ対13Bは、転写ユニット4より搬送方向下流側に配置されている。
【0068】
これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、所定頁10を開いた状態の通帳類1を搬送路11に沿って転写ユニット4の転写位置まで搬送する。すなわち、これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、共に正方向(時計回り)に回転し、矢印C方向に挿入された通帳類1の所定頁10における転写開始位置が転写部4における転写位置に整合するように通帳類1を上流側に向けて搬送する。また、これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、共に逆方向(反時計回り)に回転し、転写ユニット4における転写動作が終了した通帳類1を下流側に向けて搬送し、矢印D方向に排出する。
【0069】
通帳類1の搬送路11上には、センサS1及びS2が配置されている。センサS1は、図示しない挿入口にセットされた通帳類1の有無を検知するための検知信号を出力する。センサS2は、挿入口から挿入され転写ユニット4における所定の転写位置に配置された通帳類1の有無を検知するための検知信号を出力する。なお、これらのセンサS1及びS2は、例えば透過型センサであり、一対の発光部及び受光部を備えて構成されているが、反射型センサによって構成されてもよい。
【0070】
次に、上述した通帳類作成装置における制御系について説明する。
【0071】
図7に示すように、通帳類作成装置は、装置全体を制御する制御手段として機能するCPU100を備えている。このCPU100には、装置全体の駆動を制御するための制御プログラムなどを記憶したメモリ部101や、ホストコンピュータやデータ入力装置などの外部機器から印刷に必要な印刷データを受信するインタフェース部102などが接続されている。
【0072】
インタフェース部102を介して受信した印刷データは、メモリ部101に一時的に記憶される。この印刷データとしては、外部機器の画像入力部などを介して取得された所持人のカラー顔画像データや、外部機器の操作パネルなどを介して入力された所持人のセキュリティ文字情報に対応したデータなどである。
【0073】
また、CPU100には、サーマルヘッド制御回路103、インクリボン搬送制御回路104、ヒータ温度制御回路105、ヒートローラ回転制御回路106、モータ制御回路107、媒体搬送制御回路108、センサ入力回路109などが接続されている。
【0074】
サーマルヘッド制御回路103は、印刷データに基づいてサーマルヘッド5の印刷動作を制御する。インクリボン搬送制御回路104は、印刷ユニット3における送出軸8及び巻取軸9を駆動する駆動機構110を制御する。ヒータ温度制御回路105は、ヒートローラ26の芯部35に設置された図示しない温度センサからの出力信号に基づいて、ヒータ65を駆動して、ヒートローラ26を所定の温度に維持するよう制御する。
【0075】
ヒートローラ回転制御回路106は、センサSHからの出力信号に基づいてヒートローラ26を回転駆動する駆動手段として機能する駆動機構111を制御する。すなわち、ヒートローラ回転制御回路106は、待機時にはヒートローラ26の回転駆動を停止し、転写時には駆動機構111を制御して所定のタイミングでヒートローラ26を所定方向に回転駆動する。
【0076】
モータ制御回路107は、第1軸31A及び第2軸31Bをそれぞれ駆動する駆動モータM1及びM2、及び、搬送ローラ32を駆動する5相ステッピングモータ32Aなどの駆動機構112を制御して、印刷部3により所定情報が印刷された中間転写フィルム28の転写開始位置を転写部4における転写位置に搬送する。
【0077】
媒体搬送制御回路108は、搬送ローラ対13A、及び、13Bを駆動する駆動機構113を制御して、挿入された通帳類1を取り込み、通帳類1の所定頁における転写開始位置を転写部4における転写位置まで搬送するとともに、転写完了した通帳類1を排出する。センサ入力回路109は、センサS1及びS2からの検知信号に基づいて搬送路11上の通帳類1の有無を検知する。
【0078】
次に、印刷ユニット3による中間転写フィルム28への印刷動作について簡単に説明する。この実施の形態では、図2に示すように、セキュリティ情報を含む所定情報を中紙2頁に印刷する。
【0079】
すなわち、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、モータ制御回路107を制御して、駆動機構112を駆動し、第1軸31A及び31B、及び、搬送ローラ32によって中間転写フィルム28を送出する。一方で、CPU100は、インクリボン搬送制御回路104を制御して、駆動機構110を駆動し、送出軸8及び巻取軸9によりインクリボン7を送出する。
【0080】
そして、CPU100は、中間転写フィルム28における所定の印刷開始位置が印刷ユニット3における所定の印刷位置に到達したのに基づいて、メモリ部101に記憶した印刷データに基づいてサーマルヘッド制御回路103を制御してサーマルヘッド5を駆動し、インクリボン7のインクを中間転写フィルム28の接着層42上に転写し、カラー、黒色、または無色蛍光の所定情報を印刷する。印刷された所定情報は、反転画像であるという特徴がある。
【0081】
すなわち、サーマルヘッド5は、中間転写フィルム28が順方向Aに搬送されている間に印刷データに基づいて発熱することにより、インクリボン7のインクを溶融して中間転写フィルム28の接着層42表面に転写する。複数色を重ね合わせてカラー印刷する場合には、中間転写フィルム28をサーマルヘッド5に対して色数と同じ回数だけ往復させることで行われる。
【0082】
つまり、カラー印刷を行う場合、中間転写フィルム28への複数の色のうちの第1色目の印刷動作が完了した後、中間転写フィルム28を逆方向Bに搬送し、中間転写フィルム28における印刷開始位置を印刷ユニット3における印刷位置に整合させ、中間転写フィルム28への第2色目の印刷動作を行う。そして、必要に応じて複数の色を順次重ね合わせる。
【0083】
なお、ここで顔画像情報などの所定情報をカラー印刷する場合には、文字画像情報を印刷する色よりもイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)などの色の重ね合わせ印刷を優先して行う。文字画像情報を印刷する色、例えば黒色(Bk)は、最後に重ね合わせられる。これにより、中間転写フィルム28上に、所持人に関するセキュリティ情報を含む所定情報、すなわち、黒色の文字情報や画像情報、カラー顔画像情報、蛍光画像情報などが印刷される。
【0084】
次に、印刷装置の転写ユニット4による通帳類1への所定情報の転写動作について説明する。この実施の形態では、印刷ユニット3で印刷された所定情報を有する中間転写フィルム28の接着層42と通帳類1の所定頁(印刷頁)10とを重ね合わせて、所定情報とともに接着層42及びホログラム層41を通帳類1上に転写する。
【0085】
まず、図8の(a)に示すように、待機時においては、通帳類1の所定頁10における転写開始位置と、中間転写フィルム28上に印刷された所定情報の転写開始位置とを転写部4における所定の転写位置に整合するまでの間は、ヒートローラ26は、回転駆動されることなく初期位置にて停止している。
【0086】
すなわち、ヒートローラ26は、その凹部26C及び平坦部26Dを通帳類1の搬送路11に対してほぼ並行に対向して配置されている。また、このとき、バックアップローラ27は、加圧機構50による付勢が成されず、搬送路11から外れた退避位置に配置されている。
【0087】
これにより、ヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、通帳類1及び中間転写フィルム28を所定位置に案内可能なギャップが形成されている。このようなギャップを形成したことにより、中間転写フィルム28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触せず、しかも、挿入されてくる通帳類1の表面にも接触しない。
【0088】
このような待機時においては、CPU100は、モータ制御回路107を制御して駆動機構112を駆動し、印刷ユニット3において所定情報が印刷された中間転写フィルム28を図3中の順方向Aに向けて搬送し、中間転写フィルム28における転写開始位置を転写ユニット4における所定の転写位置に整合した状態で搬送を停止する。
【0089】
このような中間転写フィルム28の搬送制御は、例えば、中間転写フィルム28の搬送経路上に配置したセンサからの出力信号に基づいて中間転写フィルム28に予め形成されたバーマークを検知し、バーマークを検知した位置(センサの位置)を基準として算出した中間転写フィルム28の送出量に基づいてモータ制御回路107を制御して駆動機構110を駆動することで成される。このとき、CPU100は、センサの位置でバーマークを検知してから、ホログラム層41における所定の転写開始位置が転写ユニット4における転写位置に到達するまでの中間転写フィルム28の送出量を算出する。
【0090】
一方、CPU100は、センサ入力回路109を介してセンサS1からの検知信号に基づいて挿入口にセットされた通帳類1を検知したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御して駆動機構113を駆動することにより、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bにより所定頁10を開いた状態の通帳類1を搬送路11に取り込み、転写ユニット4における転写位置まで搬送する。所定頁10は、ここでは中紙の2頁目に該当するが、表紙見返し頁でも、他の中紙頁でもかまわない。
【0091】
そして、図8の(b)に示すように、CPU100は、センサ入力回路109を介してセンサS2からの検知信号に基づいて通帳類1の搬送方向先端部を検知したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bによる駆動を停止する。
【0092】
そして、CPU100は、所定頁10における綴じ目側に位置する転写開始位置と転写ユニット4における転写位置とを整合するよう媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bにより通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26における稜部26Bが所定頁10における綴じ目10F近傍の転写開始位置に当接されるよう位置決めされる。
【0093】
そして、図8の(c)に示すように、転写時において、バックアップローラ27は、加圧機構50により付勢され、退避位置から搬送路11側に上昇する。このとき、加圧機構50では、通帳類1の厚さに対応した情報に基づいて、駆動モータ55の駆動が制御され、通帳類1の厚さに応じて加えられる所定圧力を一定に維持するよう、ヒートローラ26とバックアップローラ27との間に所定のギャップを形成する。
【0094】
一方で、CPU100は、ヒータ温度制御回路105を制御してヒータ65を駆動し、ヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ回転制御回路106を制御して、ヒートローラ26を所定の転写速度に対応する周速で回転させ、転写動作が開始される。
【0095】
同時に、CPU100は、媒体搬送制御回路108を制御して第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bにより、通帳類1を所定の転写速度に対応する速度で搬送するとともに、モータ制御回路107を制御して駆動機構112を駆動することにより、中間転写フィルム28を所定の転写速度に対応する速度で搬送する。
【0096】
これにより、互いに位置決めされた中間転写フィルム28及び通帳類1は、ヒートローラ26の回転に伴って円筒部26Aとバックアップローラ27との間に挟持されることによって重ね合わされる。このとき、ヒートローラ26により、中間転写フィルム28及び通帳類1は、加圧・加熱される。
【0097】
この転写動作では、まず、図9の(a)に示すように、ヒートローラ26の稜部26Aが中間転写フィルム28を介して所定頁10の綴じ目10F側から接触し、バックアップローラ27との間に中間転写フィルム28及び通帳類1を噛み込む。つまり、ヒートローラ26が回転駆動することにより、稜部26Bは、転写位置において、中間転写フィルム28の転写開始位置を所定頁10の綴じ目10F側に位置する転写開始位置に接触させる。
【0098】
そして、図9の(b)に示すように、ヒートローラ26の稜部26Bから稜部26Eまでの間の円筒部26Aとバックアップローラ27との間で中間転写フィルム28及び通帳類1を通帳類1の厚さによらず一定の圧力で圧着しつつヒータ65から発生された熱エネルギによって加熱する。
【0099】
同時に、中間転写フィルム28及び通帳類1をヒートローラ26の回転速度に合わせて搬送させる。加圧・加熱の後、ガイドシャフト31cの作用により通帳類1に対して60°〜110°の角度をもって中間転写フィルム28のベース層40が引き上げられる。これにより、中間転写フィルム28上に印刷された所定情報とともに接着層42及びホログラム層41が通帳類1の所定頁10に転写される。
【0100】
続いて、図9の(c)に示すように、CPU100は、媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を所定頁10を開いた状態で搬送方向下流側に排出させる。また、CPU100は、ヒートローラ回転制御回路106を制御して、センサSHからの検知信号に基づいてヒートローラ26の回転角度を検知し、転写動作終了後のヒートローラ26を初期位置まで回転させ停止させる。
【0101】
上述したような通帳類作成方法によれば、通帳類の綴じ目付近から所定情報を転写することができ、転写範囲を拡大することができる。また、転写開始時には、ヒートローラの稜部を通帳類の所定頁に突き当てることで、稜部に圧力が集中し、所定頁における転写開始位置及び転写終了位置での転写層のエッジを直線状に形成することができる。また、所定頁における転写開始位置及び転写終了位置付近において、中間転写フィルムの通帳類への不所望な接触を防止することができ、汚れの付着を防止することが可能となる。このため、完成した通帳類の出来栄え及び信頼性を向上することができる。
【0102】
また、転写開始時において所定頁に突き当てられるヒートローラの稜部は、適度な硬度を有する被覆部によって覆われている。また、バックアップローラは、中間転写フィルムの転写層が付着しにくい金属材料によって構成されている。このため、ヒートローラの稜部を適度な圧力で所定頁に突き当てることができ、稜部に過剰な圧力が集中することによるキズ(折り目)の発生や、汚れの付着(転写層のバリの発生)を防止することができる。また、金属製のバックアップローラを適用したことにより、ゴムローラを適用した場合に比べて転写層がローラ表面に食い込みにくくなり、汚れの付着を抑制することができる。また、バックアップローラ表面への汚れの付着を防止するための特殊なコーティングが不要となり、ローラのコストを削減することができる。
【0103】
さらに、ヒートローラは、待機時の初期状態から回転開始した当初に通帳類の綴じ目に対向する部分に凹部を備えている。このため、転写開始時において、ヒートローラが中間転写フィルムを通帳類の綴じ目付近に加熱しつつ押し当てることがなくなり、綴じ目付近及び所定頁とは反対側の頁への汚れの付着を防止することができる。
【0104】
したがって、この実施の形態による通帳類作成装置及び通帳類作成方法によれば、通帳類に対して損傷を与えることがなく、しかも通帳類に対して安定して高画質な印刷を行うことが可能なを提供することができる。
【0105】
なお、図1及び図6の(a)に示すように、ヒートローラ26においては、その円筒部26Aの周方向に沿った長さすなわち回転方向に沿った長さRは、所定頁10の長さL2より短くなるように形成されている。しかも、円筒部26Aの長さRは、通帳類1の搬送方向に沿った転写層の長さL1とほぼ同等もしくはそれ以上の長さに形成されている。
【0106】
このような長さの関係に設定することにより、所定頁10の下の頁やバックアップローラ27に中間転写フィルム28を接触させることがなく、通帳類1の他の頁やバックアップローラ27への汚れの付着を防止することができる。また、この汚れの付着に起因したジャムの発生を防止できるとともに、通帳類1の出来栄えを向上することができる。
【0107】
また、バックアップローラ27を頻繁に清掃する必要がなくなり、オペレータや保守の手間を省くことができる。さらに、バックアップローラ27を頻繁に交換する必要もなくなり、コストを削減することができる。
【0108】
図10に示すように、通帳類1の所定頁において、全幅にわたって中間転写フィルム28の転写層を転写する場合、ヒートローラ26の回転軸に沿った幅をW1、中間転写フィルム28の搬送方向に直交する幅をW2、通帳類1の搬送方向に直交する所定頁10の幅をW3としたとき、W1>W2>W3の関係に設定されることが望ましい。
【0109】
このような幅の関係に設定したことにより、所定頁10の幅W3より外側に延出されたバックアップローラ27の表面に中間転写フィルム28を接触させることがなく、バックアップローラ27への汚れの付着を防止することができる。
【0110】
図11に示すように、通帳類1の所定頁10において、四方に空白(マージン)を確保して中間転写フィルム28の転写層を転写する場合、W1>W3>W2の関係に設定されることが望ましい。
【0111】
このような幅の関係に設定したことにより、中間転写フィルム28が綴じ目方向で所定頁10よりはみ出すことがない。このため、バックアップローラ27の表面に中間転写フィルム28を接触させることがなく、バックアップローラ27への汚れの付着を防止することができる。
【0112】
また、通帳類1の所定頁10において、四方に空白(マージン)を確保して中間転写フィルム28の転写層を転写する場合には、W2>W3>W1の関係に設定しても良い。
【0113】
このような幅の関係に設定したことにより、中間転写フィルム28の綴じ目方向で所定頁10からはみ出した部分が加熱・加圧されることは無い。このため、バックアップローラ27の表面に中間転写フィルム28を接触させることがなく、バックアップローラ27への汚れの付着を防止することができる。
【0114】
図12の(a)に示すように、円筒部と平坦部とを組み合わせた外周を有するDカット断面形状のヒートローラ26を適用した場合、待機時において平坦部と中間転写フィルム28との距離が近いため、ヒートローラ26から放射される熱エネルギの影響により、中間転写フィルム28の転写層が軟化しやすい。このような状態において、通帳類1が中間転写フィルム28に接触すると、通帳類1に転写層の一部が汚れとして付着してしまうおそれがある。
【0115】
このような課題に対しても、この実施の形態で説明した凹部26Cを有するヒートローラ26を適用することにより、ヒートローラ26と中間転写フィルム28とのギャップが広がり、ヒートローラ26による熱の影響を軽減することができる。
【0116】
さらに、図12の(b)に示すように、ヒートローラ26は、円筒部26Aと、この円筒部26Aとの境界に回転軸に沿った第1稜部26Bを形成する第1凹部26Cと、円筒部26Aと第1凹部26Cとを繋ぎ円筒部26Aとの境界に回転軸に沿った第2稜部26Eを形成する第2凹部26Fとを有するような形状に形成しても良い。これらの第1凹部26C及び第2凹部26Fは、円筒面を組み合わせた曲面によって形成されている。
【0117】
このヒートローラ26は、図6の(a)及び(b)に示した例と同様に、中空の金属材料によって形成された芯部35と、芯部35の内部に配置された熱エネルギを発生するヒータ65と、芯部35における少なくとも円筒部26Aの表面を覆う被覆部36と、によって構成されている。
【0118】
このヒートローラ26は、DCサーボモータやステッピングモータなどの駆動機構により正確な一定速度で所定方向に回転駆動可能である。また、このヒートローラ26の回転角度は、センサSHによって検知される。すなわち、ヒートローラ26は、待機時においては、図12の(b)に示すように、その第1凹部26C及び第2凹部26Fをバックアップローラ27に対向させた状態で停止しており、通帳類1の搬送路11に対してほぼ並行に対向して配置されている。
【0119】
そして、この待機時には、ヒートローラ26とバックアップローラ27との間に、通帳類1及び中間転写フィルム26をそれぞれ案内可能なギャップを形成している。また、ヒートローラ26は、第1凹部26C及び第2凹部26Fを中間転写フィルム28と対向した状態で静止しているため、中間転写フィルム28との間のギャップをさらに拡大することができる。
【0120】
このため、中間転写フィルム28に対するヒートローラ26からの熱の影響をさらに軽減することができ、例え搬送路11に取り込まれた通帳類1と中間転写フィルム28とが接触したとしても、中間転写フィルム28の転写層の一部が通帳類1に転写されることがなく、通帳類1への汚れの付着を防止することができる。
【0121】
そして、このヒートローラ26は、転写時にのみ駆動機構により回転駆動され、転写位置において、第1稜部26B、円筒部26A、第2稜部26Eの順に中間転写フィルム28に接触し、第1稜部26Bから第2稜部26Eまでの円筒部26Aとバックアップローラ27との間に中間転写フィルム28及び通帳類1を一定の圧力で圧着しつつヒータ65から発生された熱エネルギによって加熱することにより、中間転写フィルム28上に印刷された所定情報を通帳類1に転写する。詳細な転写動作については、図8の(a)乃至(c)及び図9の(a)乃至(c)を参照して説明した通りである。
【0122】
次に、上述したような構成の通帳類1の内側頁(例えば第2頁)に、セキュリティ情報として個人ID情報などを含む所定情報を中間転写印刷方式で印刷する通帳類作成システムについて説明する。
【0123】
すなわち、この通帳類作成システム200は、図13に示すように、通帳取り込み部201、OCR読み取り部202、ページめくり部203、中間転写印刷部205、通帳集積部210などを備えて構成されている。
【0124】
通帳取り込み部201は、使用前の閉じた通帳類1を複数冊積み重ねた状態で収容可能であり、必要に応じて1冊づつ装置内部に取り込む。このとき、閉じた状態の通帳類1の綴じ目10Fは、搬送方向に対して直交する向きで取り込まれる。
【0125】
OCR読み取り部202は、通帳取り込み部201の搬送方向下流側に配置されている。このOCR読み取り部202は、OCRすなわち光学式文字読取装置を備えており、見開き状態の通帳類1の画像を撮像し、その画像データに基づいて文字認識を行い、通帳類1に予め付与された固有の識別情報を読み取る。そして、このOCR読み取り部202は、読み取り結果を出力する。
【0126】
例えば、OCR読み取り部202は、通帳類1に予め付与されていた頁番号(または頁マーク)を読み取る。これにより、隣接するページめくり部203で捲り出された頁を認識することが可能となり、さらに捲り出し動作が必要なのか否かなどの判断を行う。加えて、通帳の挿入方向が誤っていることを検知することができる。また、このOCR読み取り部202は、上述した頁番号以外に、所定頁が捲り出された通帳類1から通帳固有の通帳識別情報の読み取る。
【0127】
ページめくり部203は、OCR読み取り部202の搬送方向下流側に配置されている。このページめくり部203は、閉じた状態の通帳類1の表紙及び中紙のページ捲りを行い、印刷に必要な頁を開く。なお、図13に示したレイアウト例では、ページめくり部203を、OCR読み取り部202の下流側に配置したが、上流側に配置しても良い。
【0128】
すなわち、このページめくり部203は、図14に示すように、搬送路の下方に配設されたバックアッププレート203A、搬送路の上方に配設されためくりローラ203B、バックアッププレート203Aの揺動の中心に設けられた支点203Cを中心に揺動自在であるとともにその揺動の先端にめくりローラ203Bを回動自在に取付けた揺動軸203Dを有している。揺動軸203Dが図中破線で示す位置に図示しないモータによって揺動されると、めくりローラ203Bが揺動されるとともにバックアッププレート203Aがそれに連動して揺動される。また、めくりローラ203Bは、図示しないモータによって時計回り或いは反時計回り方向に回転可能となっている。
【0129】
このページめくり部203によって通帳類1の頁をめくる場合、まず、通帳類1を綴じ目10F側が後方となるような状態でページめくり部203内の所定位置まで搬送して停止させ、例えば図中破線で示すように揺動軸203Dを図中左方向へ揺動してめくりローラ203Bを通帳類1の対向する面に押し当てる。このとき、揺動軸203Dの揺動にともない、バックアッププレート203Aも揺動され、傾いたバックアッププレート203Aによって通帳類1(背面)がバックアッププレート203A側から上方へ押し上げられる。
【0130】
この状態で、通帳類1のめくり対象の頁に押し当てられためくりローラ203Bを反時計回りに回転し、通帳類1の最上端の頁のめくり動作を開始する。このめくり動作によって当該めくり対象の頁がせり上がるように膨らみ、ある程度めくられたところでめくりローラ203Bの回転を停止する。さらに、この状態から揺動軸203Dを図14中実線で示す位置に戻した後、めくりローラ203Bを再度反時計回りに回転し、当該めくり対象頁をめくりローラ203B上に完全にめくり上げる。
【0131】
そして、通帳類1を逆方向(搬送方向上流側)に搬送し、めくりローラ203B上にめくり上げた頁を完全に開くとともに、開いた頁をOCR読み取り部202を介して撮像し、画像データを解析することにより開いた頁を確認する。これにより、通帳類1の所望する頁を自動的に開くことができるとともに開いた頁を認識することができる。
【0132】
中間転写印刷部205は、ページめくり部203の搬送方向下流側に配置されている。この中間転写印刷部205は、上述した通帳類作成装置によって構成され、中間転写フィルム28に所定情報を印刷する印刷ユニット3と、印刷ユニット3により中間転写フィルム28に印刷された所定情報を見開き状態の通帳類1の所定の所定頁10に転写する転写ユニット4とを備えている。
【0133】
通帳集積部210は、中間転写印刷部205の搬送方向下流側に配置されている。この通帳集積部210は、所定情報が印刷された通帳類を集積する。
【0134】
このような構成の通帳類作成システム200に上述した通帳類作成装置を適用した場合であっても、同様に、通帳類1に対して損傷を与えることがなく、しかも通帳類1に対して安定して高画質な印刷を行うことができる。
【0135】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、通帳類に対して損傷を与えることがなく、しかも通帳類に対して安定して高画質な印刷を行うことができる通帳類作成装置及び通帳類作成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この実施の形態に係る通帳類作成装置にて作成される通帳類の開いた状態の一例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した通帳類の頁構成を説明するための図である。
【図3】図3は、この発明の一実施の形態に係る通帳類作成装置の構成を概略的に示す図である。
【図4】図4の(a)乃至(c)は、それぞれ図3に示した通帳類作成装置に適用可能な中間転写フィルムの構成を概略的に示す断面図である。
【図5】図5は、図3に示した通帳類作成装置に適用される搬送ローラ及びテンション機構の構成を概略的に示す図である。
【図6】図6の(a)は、図3に示した通帳類作成装置に適用可能なヒートローラの構造を概略的に示す断面図であり、(b)は、(a)に示したヒートローラの構造を概略的に示す斜視図である。
【図7】図7は、図3に示した通帳類作成装置における制御系統の構成を概略的に示す図である。
【図8】図8の(a)乃至(c)は、転写ユニットによる中間転写フィルム上の所定情報を通帳類に転写する転写動作を説明するための図である。
【図9】図9の(a)乃至(c)は、転写ユニットによる中間転写フィルム上の所定情報を通帳類に転写する転写動作を説明するための図である。
【図10】図10は、通帳類の所定頁全幅にわたって中間転写フィルムの転写層を転写する場合のヒートローラ幅、中間転写フィルム幅、所定頁幅の関係を説明するための図である。
【図11】図11は、通帳類の所定頁の四方に空白を確保して中間転写フィルムの転写層を転写する場合のヒートローラ幅、中間転写フィルム幅、所定頁幅の関係を説明するための図である。
【図12】図12の(a)は、中間転写フィルムに対するヒートローラからの熱の影響について説明するための図であり、(b)は、図3に示した通帳類作成装置に適用可能な他のヒートローラの構造を概略的に示す図である。
【図13】図13は、図3に示した通帳類作成装置を適用した通帳類作成システムの構成を概略的に示す図である。
【図14】図14は、図3に示した通帳類作成装置におけるページめくり部の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…通帳類、3…印刷ユニット(印刷手段)、4…転写ユニット(転写手段)、10…所定頁、26…ヒートローラ、27…バックアップローラ、28…中間転写フィルム、65…ヒータ、100…CPU

Claims (12)

  1. 中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
    前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を、見開き状態の通帳類の所定頁に転写する転写手段と、を備え、
    前記転写手段は、
    熱エネルギを発生する加熱手段と、
    前記加熱手段を内部に備えた回転可能な中空体であって、その外周形状が円筒部及びこの円筒部との境界に回転軸に沿った稜部を形成する凹部を有するヒートローラと、
    前記ヒートローラの回転軸と平行な回転軸を有し、前記ヒートローラの円筒部との間で中間転写媒体及び通帳類を挟持する回転自在な円筒状のバックアップローラと、
    前記ヒートローラを所定方向に回転駆動する駆動手段と、
    を備えたことを特徴とする通帳類作成装置。
  2. 中間転写媒体を搬送する第1搬送手段と、
    見開き状態の通帳類を搬送する第2搬送手段と、
    前記第1搬送手段により搬送された中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
    前記印刷手段により中間転写媒体に印刷された所定情報を、前記第2搬送手段により搬送された通帳類の所定頁に転写する転写手段と、を備え、
    前記転写手段は、
    熱エネルギを発生する加熱手段と、
    前記加熱手段を内部に備えた回転可能な中空体であって、その外周形状が円筒部及びこの円筒部との境界に回転軸に沿った稜部を形成する凹部を有するヒートローラと、
    前記ヒートローラの回転軸と平行な回転軸を有し、前記ヒートローラの円筒部との間で中間転写媒体及び通帳類を挟持する回転自在な円筒状のバックアップローラと、
    前記第1搬送手段及び前記第2搬送手段により通帳類及び中間転写媒体のそれぞれの転写開始位置を所定位置に案内した状態で前記ヒートローラを所定方向に回転駆動する駆動手段と、
    を備えたことを特徴とする通帳類作成装置。
  3. 前記ヒートローラは、円筒部と、この円筒部との境界に回転軸に沿った第1稜部を形成する凹部と、円筒部と凹部とを繋ぎ円筒部との境界に回転軸に沿った第2稜部を形成する平坦部とを有し、
    待機時において、前記第1搬送手段及び前記第2搬送手段により通帳類及び中間転写媒体をそれぞれ案内可能なギャップを形成するよう凹部を前記バックアップローラに対向させた状態で停止し、
    転写時において、前記駆動手段によって回転駆動されることにより、第1稜部により中間転写媒体の転写開始位置を通帳類の綴じ目側に位置する転写開始位置に接触させ、第1稜部から第2稜部までの間の円筒部と前記バックアップローラとの間で中間転写媒体及び通帳類を加圧しつつ加熱することを特徴とする請求項2に記載の通帳類作成装置。
  4. 前記ヒートローラは、円筒部と、この円筒部との境界に回転軸に沿った第1稜部を形成する第1凹部と、円筒部と第1凹部とを繋ぎ円筒部との境界に回転軸に沿った第2稜部を形成する第2凹部とを有し、
    待機時において、前記第1搬送手段及び前記第2搬送手段により通帳類及び中間転写媒体をそれぞれ案内可能なギャップを形成するよう第1凹部及び第2凹部を前記バックアップローラに対向させた状態で停止し、
    転写時において、前記駆動手段によって回転駆動されることにより、第1稜部により中間転写媒体の転写開始位置を通帳類の綴じ目側に位置する転写開始位置に接触させ、第1稜部から第2稜部までの間の円筒部と前記バックアップローラとの間で中間転写媒体及び通帳類を加圧しつつ加熱することを特徴とする請求項2に記載の通帳類作成装置。
  5. 前記ヒートローラの円筒部の回転方向に沿った長さは、通帳類の搬送方向に沿った所定頁の長さより短いことを特徴とする請求項2に記載の通帳類作成装置。
  6. 前記ヒートローラの回転軸に沿った幅をW1、中間転写媒体の搬送方向に直交する幅をW2、通帳類の搬送方向に直交する所定頁の幅をW3としたとき、W1>W2>W3の関係にあることを特徴とする請求項2に記載の通帳類作成装置。
  7. 前記ヒートローラの回転軸に沿った幅をW1、中間転写媒体の搬送方向に直交する幅をW2、通帳類の搬送方向に直交する所定頁の幅をW3としたとき、W1>W3>W2の関係にあることを特徴とする請求項2に記載の通帳類作成装置。
  8. 前記ヒートローラの回転軸に沿った幅をW1、中間転写媒体の搬送方向に直交する幅をW2、通帳類の搬送方向に直交する所定頁の幅をW3としたとき、W2>W3>W1の関係にあることを特徴とする請求項2に記載の通帳類作成装置。
  9. 前記ヒートローラは、中空の金属材料によって形成された芯部と、前記芯部における少なくとも前記円筒部の表面を覆うゴム材料によって形成された被覆部とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の通帳類作成装置。
  10. 前記バックアップローラは、金属材料によって形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の通帳類作成装置。
  11. 中間転写媒体に印刷された所定情報を、見開き状態の通帳類の所定頁に転写する通帳類作成方法であって、
    熱エネルギを発生する加熱手段を内部に備えた回転可能な中空体であって、その外周形状が円筒部と、この円筒部との境界に回転軸に沿った第1稜部を形成する凹部と、円筒部と凹部とを繋ぎ円筒部との境界に回転軸に沿った第2稜部を形成する平坦部とを有するヒートローラと、
    前記ヒートローラの回転軸と平行な回転軸を有し、前記ヒートローラの円筒部との間で中間転写媒体及び通帳類を挟持する回転自在な円筒状のバックアップローラと、
    前記ヒートローラを所定方向に回転駆動する駆動手段と、を備えた転写部において、前記ヒートローラは、
    待機時において、通帳類及び中間転写媒体をそれぞれ案内可能なギャップを形成するよう凹部を前記バックアップローラに対向させた状態で停止し、
    転写時において、前記駆動手段によって回転駆動されることにより、第1稜部により中間転写媒体の転写開始位置を通帳類の綴じ目側に位置する転写開始位置に接触させ、第1稜部から第2稜部までの間の円筒部と前記バックアップローラとの間で中間転写媒体及び通帳類を加圧しつつ加熱することを特徴とする通帳類作成方法。
  12. 中間転写媒体に印刷された所定情報を、見開き状態の通帳類の所定頁に転写する通帳類作成方法であって、
    熱エネルギを発生する加熱手段を内部に備えた回転可能な中空体であって、その外周形状が円筒部と、この円筒部との境界に回転軸に沿った第1稜部を形成する第1凹部と、円筒部と第1凹部とを繋ぎ円筒部との境界に回転軸に沿った第2稜部を形成する第2凹部とを有するヒートローラと、
    前記ヒートローラの回転軸と平行な回転軸を有し、前記ヒートローラの円筒部との間で中間転写媒体及び通帳類を挟持する回転自在な円筒状のバックアップローラと、
    前記ヒートローラを所定方向に回転駆動する駆動手段と、を備えた転写部において、前記ヒートローラは、
    待機時において、通帳類及び中間転写媒体をそれぞれ案内可能なギャップを形成するよう第1凹部及び第2凹部を前記バックアップローラに対向させた状態で停止し、
    転写時において、前記駆動手段によって回転駆動されることにより、第1稜部により中間転写媒体の転写開始位置を通帳類の綴じ目側に位置する転写開始位置に接触させ、第1稜部から第2稜部までの間の円筒部と前記バックアップローラとの間で中間転写媒体及び通帳類を加圧しつつ加熱することを特徴とする通帳類作成方法。
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JP2012121183A (ja) * 2010-12-07 2012-06-28 Toppan Printing Co Ltd 情報記録装置
JP2012254601A (ja) * 2011-06-10 2012-12-27 Toppan Printing Co Ltd 印刷装置

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