JP2003266752A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

印刷装置及び印刷方法

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JP2003266752A
JP2003266752A JP2002067503A JP2002067503A JP2003266752A JP 2003266752 A JP2003266752 A JP 2003266752A JP 2002067503 A JP2002067503 A JP 2002067503A JP 2002067503 A JP2002067503 A JP 2002067503A JP 2003266752 A JP2003266752 A JP 2003266752A
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intermediate transfer
printing
thermal head
ribbon
platen roller
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JP2002067503A
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English (en)
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Yosuke Jojima
陽介 城島
Toshiaki Aoyanagi
利明 青柳
Takeo Miki
武郎 三木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた階調特性を得ることが可能な印刷装置及
び印刷方法を提供することを目的とする。 【解決手段】印刷装置は、サーマルヘッド5と、サーマ
ルヘッド5との間でインクリボン7及び中間転写リボン
28を挟持する回転自在のプラテンローラ6と、を備え
ている。サーマルヘッド5は、インクリボン7のインク
を熱溶融することによって中間転写リボン28上に転写
する発熱部502を備え、発熱部502を通過したのに
基づいてインクリボン7と中間転写リボン28とを剥離
するよう構成されている。プラテンローラ6は、その表
面に、硬度が85度以上で且つ最大高さがRmax6μ
m以下のゴム材料を巻きつけることによって構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印刷装置及び印
刷方法に係り、特に、中間転写媒体に印刷した所定情報
を通帳類等の被転写媒体に転写する印刷装置及び印刷方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カード類や通帳類などの被転写媒
体の表面状態になるべく影響を受けることなく高画質な
印刷を行う印刷装置が求められれている。この印刷装置
の一つとして、中間転写媒体としての中間転写リボンを
用いる中間転写方式の印刷装置が知られている。この印
刷装置は、印刷部と転写部とを備えている。印刷部は、
サーマルヘッド及びインクリボンを有している。転写部
は、ヒートローラ及びバックアップローラを有してい
る。
【0003】中間転写リボンは、印刷部に送り込まれ
る。この印刷部では、サーマルヘッドが所定情報に応じ
て発熱してインクリボンのインクを溶融することによ
り、中間転写リボンの表面に文字やバーコードなどの所
定情報が印刷される。所定情報が印刷された中間転写リ
ボンは、転写部のヒートローラとバックアップローラと
の間に送り込まれる。このとき、同時に、転写面が中間
転写リボンに対向するように配置された被転写媒体がヒ
ートローラとバックアップローラとの間に送り込まれ
る。
【0004】この状態からヒートローラが回転されて中
間転写リボン及び被転写媒体がバックアップローラに押
し付けられるとともに加熱されることにより、所定情報
が被転写媒体の表面に転写される。中間転写リボンは、
長尺の基材フィルムと、この基材フィルム上の塗布され
た転写層とにより構成され、転写部においては、転写層
上に印刷された所定情報とともに転写層が被転写媒体に
転写される。
【0005】一方で、インクリボンのインクを直接被転
写媒体に印刷する直接方式の印刷装置では、平面タイプ
のサーマルヘッドが適用され、サーマルヘッドとの間に
インクリボン及び被転写媒体を挟持するプラテンローラ
は、40度から60度程度の硬度を有するゴム材料によ
って構成している。
【0006】このような平面タイプのサーマルヘッドを
使用する場合、インクリボン及び被転写媒体は、サーマ
ルヘッドの発熱体を通過した後、溶融転写されたインク
が冷え固まるまで圧着した状態で搬送され、その後、剥
離板によって両者を剥離する、いわゆる冷時剥離方式が
採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような直接方
式の印刷装置の技術を中間転写方式の印刷装置に適用す
る場合、インクリボンから溶融されたインクを転写する
対象が薄いフィルム上の中間転写リボンであるため、階
調特性を有する印刷の低濃度部分で印刷ドットの形状安
定性が得られず、画質を低下することなく階調表現する
ことが困難である。この発明は、上述した問題点に鑑み
なされたものであって、その目的は、優れた階調特性を
得ることが可能な印刷装置及び印刷方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の様態に
よる印刷装置は、インクリボンのインクを熱溶融するこ
とによって中間転写媒体上に転写するサーマルヘッド
と、前記サーマルヘッドとの間でインクリボン及び中間
転写媒体を挟持する回転自在のプラテンローラとを備
え、前記プラテンローラは、その表面に、硬度が85度
以上で且つ最大高さがRmax6μm以下の弾性材料を
巻きつけることによって構成されたことを特徴とする。
【0009】この発明の第2の様態による印刷方法は、
インクリボンのインクを熱溶融することによって中間転
写媒体上に転写する発熱体を備えたサーマルヘッドと、
この発熱体とともにインクリボン及び中間転写媒体を挟
持する回転自在のプラテンローラとの間を通過したのに
基づいてインクリボンと中間転写媒体とを剥離する印刷
方法において、前記プラテンローラの表面に、硬度が8
5度以上で且つ最大高さがRmax6μm以下の弾性材
料を巻きつけることによって構成されたプラテンローラ
を用いることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
係る印刷装置及び印刷方法について図面を参照して説明
する。この印刷装置は、カード類や通帳類などの被転写
媒体への所定情報の印刷と、印刷面の保護膜付与とを同
時に行う中間転写方式の印刷装置である。図1に示すよ
うに、印刷装置20は、印刷手段として機能する印刷部
3と、この印刷部3の下方部に設けられた転写手段とし
て機能する転写部4とを備えて構成されている。
【0011】印刷部3は、サーマルヘッド5、このサー
マルヘッド5に対向配置されたプラテンローラ6などを
備えて構成された熱溶融転写印刷方式を採用している。
例えばイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン
(C),ブラック(K)の各色の溶融インクを有したイ
ンクリボン7、及び、後述する中間転写媒体としての中
間転写リボン28は、サーマルヘッド5とプラテンロー
ラ6との間に挟持された状態で介在されている。
【0012】この印刷装置20に適用されるサーマルヘ
ッド5は、後に詳述するように、発熱体をヘッドの端面
に配置して構成された、いわゆる端面型サーマルヘッ
ド、または、発熱体をヘッドのコーナ近傍に配置して構
成された、いわゆるニアエッジ型サーマルヘッドであ
る。
【0013】このようなタイプのサーマルヘッドを使用
した印刷装置では、インクリボン及び中間転写リボン2
8が、サーマルヘッド5の発熱体を通過した直後、すな
わち溶融転写されたインクが冷え固まる前に、剥離板等
を必要とすることなく剥離される、いわゆる熱時剥離方
式が採用される。
【0014】プラテンローラ6は、弾性材料、例えば硬
質のゴム材料を巻きつけることによって構成されてい
る。ゴム材料の硬度が上がるほどに微小ドットの再現性
が向上するが、同時に最適なプラテンローラ6とサーマ
ルヘッド5との位置関係を得ることが困難となる。この
ため、この実施の形態では、プラテンローラ6は、その
表面に、硬度(「JIS−K6253」による)が85
度以上、望ましくは90度乃至97度の範囲のゴム材料
を巻きつけることによって構成されている。
【0015】同時に、研磨したゴム表面の平均表面粗さ
も、表面平滑性が上がるほどに微小ドットの再現性が向
上する。このため、この実施の形態では、プラテンロー
ラ6は、その表面に、平均表面粗さが最大高さRmax
で6μm以下、望ましくは4μm以下のゴム材料を巻き
つけることによって構成されている。
【0016】このインクリボン7は、その一端部が送出
軸8に巻き付けられ、その他端部が巻取軸9に巻き付け
られている。送出軸8は、インクリボン7のたるみを防
止する張力発生機構として、トルクリミッタを有してい
る。巻取軸9は、インクリボン7を巻き取る駆動機構と
して、ステッピングモータとトルクリミッタとを組み合
わせて使用している。送出軸8から送出されたインクリ
ボン7の中途部は、ガイドシャフト21,22に掛け渡
されている。
【0017】このような熱溶融転写方式の特徴として、
画像耐久性が高いこと、インク材料に機能性材料を適用
することが比較的容易なことなどが挙げられ、偽造防止
を目的とする印刷物に適している。なお、インクリボン
7としては、単色インクのみのリボンでも良く、また、
紫外線によって発光する蛍光顔料インク、さらに、光沢
面も持つ印刷用の金属薄膜(アルミ蒸着)層、或いは、
印刷用のホログラム層等の機能を有するリボン材料を有
していても良い。
【0018】このインクリボン7のベースフィルム厚や
インク層厚は、印刷ドット再現性に極めて重要なパラメ
ータであり、インクリボンの総厚としては、3乃至25
μmの範囲であり、望ましくは4乃至10μmの範囲内
である。転写部4は、ヒートローラ26、このヒートロ
ーラ26に対向配置されたバックアップローラ27など
を備えている。このヒートローラ26とバックアップロ
ーラ27との間には、中間転写媒体として機能する中間
転写リボン28が介在されている。
【0019】この中間転写リボン28は、その一端側が
印刷部3の上部側に設けられた送出軸30に巻き付けら
れ、その他端側が印刷部3の下部側に設けられた巻取軸
31に巻き付けられている。送出軸30及び巻取軸31
の少なくとも一方は、正逆両方向に独立に駆動可能であ
る。また、これら送出軸30及び巻取軸31は、印刷部
3に向けて中間転写リボン28を供給する機能を有して
いる。
【0020】送出軸30から送出された中間転写リボン
28の中途部は、ガイドシャフト31a〜31cに掛け
渡され、ほぼ一定のテンションに維持されている。ま
た、中間転写リボン28の中途部は、プラテンローラ6
の直後に配置され印刷部を通過した中間転写リボン28
を搬送駆動する搬送手段として機能する搬送ローラ32
に掛け渡されている。さらに、中間転写リボン28の中
途部は、ヒートローラ26を通過した後に、中間転写リ
ボン28と被転写媒体1とを剥離する剥離ガイド31d
に掛け渡されている。
【0021】中間転写リボン28を搬送する駆動力は、
一般的にプラテンローラ6に駆動機構を設けて駆動する
ことにより発生することが多いが、上述したようなプラ
テンローラ6の硬度と表面粗さとの関係から、中間転写
リボン28とプラテンローラ6との摩擦係数が上がら
ず、また、安定しない。
【0022】このため、この実施の形態では、プラテン
ローラ6の下流(ヒートローラ26側)直近に搬送ロー
ラ32を設けている。この搬送ローラ32は、硬度30
度乃至60度の範囲のゴム材料を用いたローラである。
中間転写リボン28は、搬送ローラ32に対してできる
だけ巻き付き角が大きい方が望ましい。この実施の形態
では、90°乃至130°の巻き付き角で巻きついてい
る。この搬送ローラ32は、5相ステッピングモータ3
2A、タイミングベルト32B、及び、プーリ32Cに
よる減速機構を組み合わせて、正確に中間転写リボン2
8の搬送を行う。
【0023】また、転写部4は、第1搬送ローラ対13
A、第2搬送ローラ対13B、及び、第3搬送ローラ対
13Cを備えている。第1搬送ローラ対13Aは、ヒー
トローラ26より搬送方向上流側に配置されている。第
2搬送ローラ対13Bは、ヒートローラ26より搬送方
向下流側に配置されている。また、第3搬送ローラ対1
3Cは、取込口2近傍に配置されている。
【0024】これら第1乃至第3搬送ローラ対13A乃
至13Cは、取込口2から挿入された被転写媒体(この
実施の形態では印刷頁が開かれた通帳類)1を搬送路1
1に沿ってヒートローラ26による所定の転写位置まで
搬送する。すなわち、これら第1乃至第3搬送ローラ対
13A乃至13Cは、被転写媒体1の印刷頁における転
写開始位置がヒートローラ26による転写位置に整合す
るように被転写媒体1を搬送する。
【0025】さらに、転写部4は、中間転写リボン28
の供給路に沿って配置された検知手段として機能する第
1センサS1及び第2センサS2を備えている。第1セ
ンサS1及び第2センサS2は、後述する中間転写リボ
ン28の有効領域の外側に配置されたバーマークを検知
するための出力信号を出力する。
【0026】また、転写部4は、被転写媒体1の搬送路
11に沿って配置された検知手段として機能する第3セ
ンサS3及び第4センサS4を備えている。第3センサ
S3及び第4センサS4は、取込口2から挿入された被
転写媒体1の有無を検知するための出力信号を出力す
る。
【0027】なお、これら第1乃至第4センサS1乃至
S4は、例えば透過型センサであり、一対の発光部及び
受光部を備えて構成されているが、反射型センサによっ
て構成されてもよい。図2に示すように、ヒートローラ
26は、回転軸に対して垂直な平面において、ほぼ半円
形状の断面を有している。すなわち、このヒートローラ
26は、芯金35を有している。この芯金35は、その
一部の外周面に平面状にカットされたカット面35Aを
有している。芯金35の内部には、ヒータ65が設けら
れている。芯金35の円弧部35Bの外周面には、厚さ
1mm〜2mmの耐熱性ゴム36が被覆されている。
【0028】なお、耐熱性ゴム36は、芯金35の円弧
部35Bのみならず、カット面35Aを含む全周を覆っ
ても良い。また、ヒートローラ26は、耐熱性ゴムがな
くて芯金のみでもよい。この場合、ヒートローラ表面に
は、汚れの付着防止のテフロン(登録商標)加工などを
行うことが望ましい。また、ヒートローラ26は、その
円弧部35Bの周方向に沿った長さが被転写媒体1の転
写エリアの長さと略等しく形成されている。
【0029】ヒートローラ26は、印刷待機時において
は、図2に示すように、そのカット面35Aを搬送路1
1に対してほぼ並行に対向して配置されている。これに
より、ヒートローラ26とバックアップローラ27との
間には、被転写媒体1を配置可能な隙間が形成されてい
る。このとき、中間転写リボン28は、ヒートローラ2
6及びバックアップローラ27に接触しないとともに、
印刷開始時に進入してくる被転写媒体1の表面にも接触
しない位置に配置されることが望ましい。
【0030】図3に示すように、印刷装置20は、装置
全体を制御する制御手段として機能するCPU100を
備えている。
【0031】このCPU100には、装置全体の駆動を
制御するための制御プログラムなどを記憶したメモリ部
101や、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷
に必要な印刷データを受信するインタフェース部102
などが接続されている。インタフェース部102を介し
て受信した印刷データは、メモリ部101に一時的に記
憶される。
【0032】また、CPU100には、さらに、サーマ
ルヘッド制御回路103、印刷部搬送制御回路104、
ヒータ温度制御回路105、ヒートローラ回転制御回路
106、転写部搬送制御回路107、媒体搬送制御回路
108、センサ入力回路109などが接続されている。
【0033】サーマルヘッド制御回路103は、印刷デ
ータに基づいてサーマルヘッド5の印刷動作を制御す
る。印刷部搬送制御回路104は、印刷部3における搬
送機構として機能する送出軸8及び巻取軸9の駆動を制
御する。ヒータ温度制御回路105は、ヒートローラ2
6内部のヒータ65を駆動して、ヒートローラ26を所
定の温度に維持するよう制御する。
【0034】ヒートローラ回転制御回路106は、ヒー
トローラ26の回転駆動を制御する。すなわち、ヒート
ローラ回転制御回路106は、被転写媒体の転写開始位
置と、ヒートローラ26による中間転写リボン28上に
印刷された所定情報の転写位置とを整合した状態で、ヒ
ートローラ26のカット面35Aのエッジ部を転写開始
位置に当接させた後、所定方向にヒートローラ26を回
転させることにより、中間転写リボン28上の所定情報
を被転写媒体1に転写する。
【0035】転写部搬送制御回路107は、転写部4に
おける搬送機構として機能するプラテンローラ6、送出
軸30、巻取軸31、及び、搬送ローラ32の駆動を制
御する。媒体搬送制御回路108は、搬送ローラ対13
A、13B、及び、13Cの駆動を制御して、被転写媒
体1を取込口2から取り込み、所定の転写位置まで搬送
し、転写完了した被転写媒体1を取込口2から排出す
る。
【0036】センサ入力回路109は、第1センサS1
及び第2センサS2から出力信号に基づいて中間転写リ
ボン28のバーマークを検知する。また、センサ入力回
路109は、第3センサS3及び第4センサS4から出
力信号に基づいて被転写媒体1の有無を検知する。
【0037】次に、上述した印刷装置に適用される印刷
方法、すなわち第1印刷モード及び第2印刷モードにつ
いて説明する。第1印刷モードでは、図4の(a)に示
すように、被転写媒体1全体、例えば通帳類1における
印刷頁10全面の印刷エリア10Aに、所定パターンを
有する透明ホログラム層を付与した保護膜をオーバコー
トする。
【0038】すなわち、この第1印刷モードでは、透明
ホログラム層を付与した保護膜は、印刷頁10の搬送方
向に沿った長さa全体、且つ、搬送方向に直交する方向
に沿った幅w全体にわたってオーバコートされる。
【0039】第2印刷モードでは、図4の(b)に示す
ように、被転写媒体1の一部、例えば通帳類1における
光学的に読み取られる読取エリア10Bに、無地の透明
な保護膜をオーバコートするとともに、被転写媒体1の
他の部分、例えば通帳類1における印刷頁10の印刷エ
リア10Aに、所定パターンを有する透明ホログラム層
を付与した保護膜をオーバコートする。
【0040】すなわち、この第2印刷モードでは、透明
ホログラム層を付与した保護膜は、印刷頁10の搬送方
向に沿った長さb、且つ、幅w全体にわたってオーバコ
ートされる。また、無地の透明な保護膜は、印刷頁10
の搬送方向に沿った長さc(=a−b)、且つ、幅w全
体にわたってオーバコートされる。
【0041】印刷エリア10Aには、例えば固有の識別
情報や顔画像情報などの所定情報が印刷される。これら
の所定情報は、ほぼ円形またはほぼ楕円形の微小な印刷
ドットによって再現される。これらのドット径(ドット
面積)を変化させることにより、階調特性を有する印刷
することができる。この実施の形態によれば、特に濃度
の低い部分、すなわちドット径の小さい部分での階調特
性を良好に印刷することが可能となる。
【0042】読取エリア10Bには、例えば固有の識別
情報や顔画像情報などの所定情報をコード化したデータ
コード(バーコード)が印刷される。この読取エリア1
0Bは、例えば印刷頁10の下端部に所定の幅を持って
形成される。この実施の形態では、図4の(a)に示す
ように、印刷頁10の全面に印刷エリア10Aが形成さ
れた通帳類1に保護膜をオーバーコートする場合に第1
印刷モードが実行される。また、図4の(b)に示すよ
うに、印刷頁10の一部に読取エリア10Bが形成され
且つ他の部分に印刷エリア10Aが形成された通帳類1
に保護膜をオーバーコートする場合に第2印刷モードが
実行される。
【0043】上述したように、印刷エリア10A及び読
取エリア10Bの配置条件が異なる被転写媒体が不規則
に供給された場合であっても、供給された被転写媒体ご
とに最適な印刷モードを判断し、判断された第1印刷モ
ードまたは第2印刷モードを実行することにより、それ
ぞれの被転写媒体に対して最適な保護膜をオーバコート
することが可能となる。
【0044】このため、例えば主に光学的読取装置によ
る読取目的で使用され、印刷エリア10Aに印刷された
所定情報に対応するデータコードは、光学的読取装置に
よる読取時に透明ホログラム層の所定パターンとともに
読み取られることがない。したがって、読取時にデータ
コードを正確に読み取ることができ、確実な認識を行う
ことが可能となる。
【0045】データコードが印刷されている通帳類1の
下端を光学系に沿って移動させるタイプの光学的読取装
置の場合、データ以外のノイズは、読取率などに影響す
る。このため、この実施の形態のように、通帳類1の下
端から一定の高さの部分までの読取エリア10Bをすべ
て無地の透明な保護膜によってオーバコートすることが
有効である。
【0046】一方、第1印刷モード及び第2印刷モード
のいずれであっても、通帳類1の印刷頁10における印
刷エリア10Aは、すべて所定パターンを有する透明ホ
ログラム層を付与した保護膜によってオーバコートされ
る。このため、印刷された所定情報の偽造防止効果を十
分に得ることが可能となる。
【0047】次に、上述した印刷装置に適用される中間
転写リボンの構造について説明する。すなわち、図6の
(a)に示すように、中間転写リボン28は、例えば3
層構造であり、ベース層40、ベース層40上に配置さ
れたホログラム層41、ホログラム層41上に配置され
た受像層として機能する接着層42を備えて構成されて
いる。接着層42上には、印刷部3により所定情報が印
刷される。
【0048】ベース層40は、例えばPET(ポリエチ
レンテレフタレート)フィルムによって形成される。剥
離層として機能するホログラム層41は、例えばフェノ
キシ系樹脂、透明樹脂によるホログラム形成層、金属化
合物の蒸着層からなる透明ホログラム層などを有して形
成される。接着層42は、例えばポリエステル系樹脂に
よって形成される。
【0049】中間転写リボン28の3層のうち、ホログ
ラム層41及び接着層42は、転写層として機能し、転
写部に4において、接着層42上に印刷された所定情報
とともに被転写媒体1上に転写される。被転写媒体1上
に転写された時に最上層に配置されるホログラム層41
は、保護膜として機能する。
【0050】なお、中間転写リボン28は、図6の
(a)に示した構造に限らず、図6の(b)に示したよ
うに、ベース層40とホログラム層41との間に剥離層
43を配置した構造であっても良い。このような構造の
場合、剥離層43、ホログラム層41、及び接着層42
が転写層として機能する。
【0051】また、中間転写リボン28は、図6の
(c)に示したように、ベース層40上に剥離層43、
保護層44、ホログラム層41、及び接着層42をこの
順に積層した構造であっても良い。このような構造の場
合、剥離層43、保護層44、ホログラム層41、及び
接着層42が転写層として機能する。
【0052】さらに、中転写リボン28は、紫外線によ
って発光する蛍光発色層などの機能層を設け、転写部に
おいて、接着層42上に印刷された所定情報とともに被
転写媒体上に転写されるよう構成しても良い。図5及び
図6の(a)に示すように、中間転写リボン28のホロ
グラム層41は、所定パターンの透明ホログラム層から
なる第1領域41Aと、無地の透明な第2領域41B
と、マージンに相当する第3領域41Cと、を備えてい
る。これら第1領域41A、第2領域41B、及び第3
領域41Cは、中間転写リボン28の供給方向に沿って
順に配置され、単位パターンを構成している。
【0053】また、中間転写リボン28のホログラム層
41は、第1領域41A、第2領域41B、及び第3領
域41Cからなる単位パターンを規定するためのバーマ
ーク41Dを有している。このバーマーク41Dは、中
間転写リボン28の有効領域28−1の外側の領域28
−2に配置されている。
【0054】すなわち、ホログラム層41の第1領域2
8Aは、所定の第1方向から入射した光を第2方向に回
折する回折効果を有する領域であり、パターンそのもの
は文字、絵柄、ロゴなど自由にデザインできるが、印刷
された所定情報の偽造防止効果を考慮すると、なるべく
全面にパターンが形成されていることが望ましい。
【0055】第2領域28Bは、ホログラム層41内に
おいて可視光域及びその近傍の周波数帯域の光を回折す
る効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。第3領域
28Cは、転写位置ズレなどを考慮したマージンに相当
する領域であり、第2領域28Bと同様に回折効果はな
く、目視でほぼ透明な領域である。
【0056】バーマーク41Dは、単位パターン毎に繰
り返し配置され、回折効果を有する所定パターンを有し
ている。このバーマーク41Dは、印刷装置の第1セン
サS1及び第2センサS2によって検知される。すなわ
ち、印刷装置は、このバーマーク41Dを検知すること
により、中間転写リボン28の位置を検知することが可
能となる。
【0057】また、このバーマーク41Dは、有効領域
28−1の外側の領域28−2に配置されている。すな
わち、この外側領域28−2は、回折効果がない目視で
ほぼ透明な領域であり、中間転写リボン28の供給方向
に沿ってバーマーク41D以外は配置されていない。こ
のため、印刷装置は、中間転写リボン28の外側領域2
8−2に対向して配置された第1センサS1及び第2セ
ンサS2からの出力信号に基づいてバーマーク41Dを
確実に検知することが可能となる。
【0058】図5に示すように、第1領域41A、第2
領域41B、及び第3領域41Cからなる単位パターン
は、中間転写リボン28の供給方向に沿ってピッチPで
配置されている。第1領域41Aは、供給方向に沿った
長さA及び有効領域28−1の幅W1にわたって長方形
状に形成されている。第1領域41Aは、最大転写長さ
に相当する被転写媒体1における印刷エリア10Aの搬
送方向長さaよりやや長めの長さAを有している。
【0059】すなわち、第1領域41Aの長さAは、第
1印刷モードにおける被転写媒体1の印刷エリア10A
への転写に必要な長さaより長い。当然、第1領域41
Aの長さAは、第2印刷モードにおける被転写媒体1の
印刷エリア10Aへの転写に必要な長さb(<a)より
長い。また、第1領域41Aの幅W1は、被転写媒体の
幅wとほぼ同等かそれ以上の長さを有している。
【0060】第2領域41Bは、供給方向に沿った長さ
B及び中間転写リボン28の幅W2にわたって長方形状
に形成されている。第2領域41Bは、最大転写長さに
相当する被転写媒体1における読取エリア10Bの搬送
方向長さbよりやや長めの長さBを有している。また、
第2領域41Bの幅W2は、被転写媒体の幅wより長
い。
【0061】第3領域41Cは、供給方向に沿った長さ
C及び有効領域28−1の幅W1にわたって長方形状に
形成されている。このとき、 P=A+B+C (C>0) となり、望ましくは、第3領域41Cの長さCは、5乃
至50mmの範囲に設定される。
【0062】このように、第1領域41Aの長さA及び
幅W1を設定することにより、第1印刷モード及び第2
印刷モードにおいて、被転写媒体1の印刷エリア10A
を確実に所定パターンのホログラム層41を付与した保
護膜で覆うことが可能となる。
【0063】また、上述したように第2領域41bの長
さB及び幅W2を設定することにより、第2印刷モード
において、被転写媒体1の読取エリア10Bを確実に無
地の透明な保護膜で覆うことが可能となる。さらに、マ
ージンとしての第3領域41Cの長さC及び幅W1を上
述したように設定することにより、転写位置等のズレが
生じた場合であっても、確実に印刷エリア10Aを第1
領域41Aで覆うとともに、読取エリア10bを第2領
域41Bで覆うことが可能となる。
【0064】このような中間転写リボン28におけるベ
ース層40の厚さや、受像層としての機能を兼ね備えた
接着層の総厚は、接着性や膜切れ特性に影響を与えるパ
ラメータであり、中間転写リボンの総厚は、10乃至1
00μmの範囲であり、望ましくは、25乃至50μm
の範囲である。
【0065】次に、この印刷装置20に適用されるサー
マルヘッドの構造について、より詳細に説明する。熱時
剥離方式が採用可能な端面型サーマルヘッド5は、図7
に示すように、アルミナ製の基板501と、発熱部50
2と、駆動IC503と、放熱板504と、コネクタ5
05と、を備えて構成されている。
【0066】発熱部502は、図8に示すように、サー
マルヘッドの端面に配置されている。この発熱部502
は、基板501上に凸状に配置されたグレーズ601
と、このグレーズ601を覆うように配置された発熱体
602と、発熱体602上に配置された電極603と、
これら発熱体602と電極603とを覆うように配置さ
れた保護膜604とによって構成されている。なお、電
極603は、グレーズ601の頂部に配置された発熱体
602を露出するように配置されている。
【0067】駆動IC503は、発熱体602に選択的
にエネルギを与えて発熱される。放熱板504は、例え
ばアルミニウムによって形成され、発熱によって発生し
た余分な熱を放熱する。コネクタ505は、駆動IC5
03と印刷装置20本体におけるCPU100とを接続
する。
【0068】このように構成された端面型サーマルヘッ
ド5は、図7に示すように、その発熱部502がプラテ
ンローラ6に圧着されるように配置されている。インク
リボン7及び中間転写リボン28は、発熱体502とプ
ラテンローラ6との間に挟持されている。
【0069】インクリボン7のインクを中間転写リボン
28に溶融転写する際、発熱部502を図8に示したよ
うな構造としたことにより、中間転写リボン28に対し
てより強い圧力を印加することができる。このため、イ
ンクリボン7及び中間転写リボン28は、発熱体502
を通過した直後、すなわちインクリボン7から中間転写
リボン28に溶融転写されたインクが冷え固まる前に剥
離することにより、印刷品質を向上することが可能とな
る。
【0070】また、図9に示すように、熱時剥離方式が
採用可能なニアエッジ型サーマルヘッド5も、発熱部5
02の配置位置がヘッドのコーナ近傍であること以外
は、上述した端面型サーマルヘッドと同様に構成されて
いる。このようなサーマルヘッド5であっても、同様の
熱時剥離方式により印刷品質を向上することが可能とな
る。
【0071】次に、印刷装置の印刷部3による中間転写
リボン28への印刷動作について説明する。すなわち、
印刷装置のCPU100は、印刷開始指示を受信したの
に基づいて、第1印刷モードまたは第2印刷モードのい
ずれを実行するか判断する。このとき、CPU100
は、例えば、印刷開始指示とともに受信したデータ、メ
モリ部101に記憶された印刷データ、取込口2から挿
入された被転写媒体1の印刷頁10に関するデータなど
に基づいて、印刷モードを判断する。
【0072】続いて、CPU100は、転写部搬送制御
回路107を制御して、搬送機構としてのプラテンロー
ラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、中間転写
リボン28を送出する。そして、CPU100は、セン
サ入力回路109を介して第1センサS1からの出力信
号に基づいて送出された中間転写リボン28のバーマー
ク41Dを検知する。
【0073】続いて、CPU100は、検知したバーマ
ーク41Dの位置を基準とし、印刷データ及び印刷モー
ドに基づいてバーマーク41Dの基準位置からの中間転
写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU1
00は、第1センサS1の位置でバーマーク41Dを検
知してから、ホログラム層41における第1領域41A
または第2領域41Bの所定の印刷位置がサーマルヘッ
ド5による印刷開始位置に到達するまでの中間転写リボ
ン28の送出量を算出する。
【0074】続いて、CPU100は、算出した送出量
に基づいて転写部搬送制御回路107を制御して、プラ
テンローラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、
中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、第1領
域41Aまたは第2領域41Bの所定の印刷位置をサー
マルヘッド5による印刷開始位置に到達させる。
【0075】続いて、CPU100は、印刷データに基
づいてサーマルヘッド制御回路103を制御し、サーマ
ルヘッド5を駆動して、インクリボン7のインクを中間
転写媒体28の接着層42上に転写してカラーまたは黒
色の所定情報を印刷する。すなわち、サーマルヘッド5
は、印刷データに基づいて発熱することにより、インク
リボン7のインクが溶融されて中間転写リボン28の接
着層42表面に転写される。
【0076】つまり、CPU100は、第1印刷モード
では、印刷部3における中間転写リボン28への印刷動
作を、第1領域41Aの先端部分に近い位置に対応する
接着層42上の印刷位置から開始するよう中間転写リボ
ン28の位置を制御し、第2領域41Bに対応する接着
層42上に所定情報を印刷することはない。
【0077】また、CPU100は、第2印刷モードで
は、印刷動作を、第1領域41Aの中間部分に近い位置
に対応する接着層42上の印刷位置から開始するよう中
間転写リボン28の位置を制御し、必要に応じて第2領
域41Bに対応する接着層42上にも所定情報を印刷す
る。
【0078】印刷される所定情報は、黒などの単色印刷
でも良く、また、Y、M、C、Kの4色を重ね合わせた
カラー印刷でも良い。必要に応じて、インクリボンを単
色や複数色繰り返し塗布すればよい。また、文字印刷の
ために溶融黒インクを使用し、カラー印刷のためにY、
M、C、Kの昇華染料が繰り返し塗布されても良い。複
数色の重ね合わせ印刷の場合は、中間転写リボン28が
サーマルヘッド5を色数と同じ回数だけ往復することで
行われる。中間転写リボン28の搬送は、主にプラテン
ローラ6によって搬送速度が決まり行われるため、プラ
テンローラ6の駆動は、5相ステッピングモータと減速
機構とを組み合わせて正確に行われる。また印刷される
所定情報は、反転画像であるという特徴がある。
【0079】次に、印刷装置の転写部4による被転写媒
体1への所定情報の転写動作について説明する。この実
施の形態では、印刷部3で印刷された所定情報を有する
中間転写リボン28の接着層42と被転写媒体としての
通帳類1の該当印刷頁10とを重ね合わせて、所定情報
とともに接着層42及びホログラム層41を通帳類1上
に同時に転写する。
【0080】すなわち、図10の(a)に示すように、
印刷装置のCPU100は、センサ入力回路109を介
して第4センサS4からの出力信号に基づいて取込口2
から挿入されたことを検知したのに基づいて、媒体搬送
制御回路108を制御し、搬送機構としての第1搬送ロ
ーラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、印
刷頁10が開かれた通帳類1を転写位置まで搬送する。
【0081】続いて、図10の(b)に示すように、印
刷装置のCPU100は、センサ入力回路109を介し
て第3センサS3からの出力信号に基づいて通帳類1の
先端部を検知したのに基づいて、媒体搬送制御回路10
8を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ロー
ラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0082】そして、CPU100は、印刷データ及び
印刷モードなどに基づいて通帳類1上における転写開始
位置と転写部4における転写位置とを整合するよう媒体
搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A
及び第2搬送ローラ対13Bにより通帳類1の位置を微
調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が
回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35
Aのエッジ部が印刷頁10の綴じ目の近傍に当接される
よう位置決めされる。
【0083】一方、CPU100は、印刷開始指示を受
信したのに基づいて、第1印刷モードまたは第2印刷モ
ードのいずれを実行するか判断する。続いて、CPU1
00は、転写部搬送制御回路107を制御して、プラテ
ンローラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、印
刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン2
8を送出する。そして、CPU100は、センサ入力回
路109を介して第2センサS2からの出力信号に基づ
いて送出された中間転写リボン28のバーマーク41D
を検知する。
【0084】続いて、CPU100は、検知したバーマ
ーク41Dの位置を基準とし、印刷データ及び印刷モー
ドに基づいてバーマーク41Dの基準位置からの中間転
写リボン28の送出量を算出する。すなわち、CPU1
00は、第2センサS2の位置でバーマーク41Dを検
知してから、ホログラム層41における第1領域41A
または第2領域41Bの所定位置がヒートローラ26に
よる転写位置に到達するまでの中間転写リボン28の送
出量を算出する。
【0085】続いて、CPU100は、算出した送出量
に基づいて転写部搬送制御回路107を制御して、プラ
テンローラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、
中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出し、第1領
域41Aまたは第2領域41Bの所定の印刷位置を転写
部4における転写位置に到達させる。
【0086】続いて、図10の(c)に示すように、C
PU100は、ヒータ温度制御回路105を制御して、
ヒータ65を駆動し、ヒートローラ26を所定の温度に
加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミング
でヒートローラ回転制御回路106を制御して、ヒート
ローラ26を回転させる。
【0087】すなわち、互いに位置決めされた中間転写
リボン28及び通帳類1は、円周の一部が切り欠かれた
形状のカット面35Aを有するヒートローラ26の回転
とともに重ね合わされる。このとき、中間転写リボン2
8の供給方向に直交する幅方向に対して、通帳類1の印
刷頁10の綴じ目部が平行となるよう互いに重ね合わせ
て転写を開始する。
【0088】これと同時に、搬送ローラ対13A及び1
3Bによる通帳類1の搬送と、送出軸30、巻取軸3
1、及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の
搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26によ
り、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されなが
ら加熱される。
【0089】これにより、所定情報が印刷された接着層
24及びホログラム層41が通帳類1の印刷面10に転
写される。なお、この実施の形態では、ヒートローラ2
6は、DCサーボモータもしくはステッピングモータに
より正確な一定速度で駆動が可能であり、回転自由なバ
ックアップローラとの間にはコイルバネで発生された圧
力がかかるようになっている。
【0090】この転写工程をより詳細に説明すると、C
PU100は、第1印刷モードでは、転写部4における
中間転写リボン28への転写動作を、第1領域41Aの
先端部分に近い位置から開始するよう中間転写リボン2
8の位置を制御する。そして、ヒートローラ26の円弧
部35Bにより、中間転写リボン28のホログラム層4
1における第1領域41Aのみが通帳類1の印刷頁10
上に圧着される。すなわち、円弧部35B上には、中間
転写リボン28のホログラム層41における第2領域4
1Bは位置していない。これにより、ホログラム層41
の第1領域41A、接着層42、及び接着層42上に印
刷された所定情報が通帳類1の印刷頁10に転写され
る。
【0091】また、CPU100は、第2印刷モードで
は、転写動作を、第1領域41Aの中間部分に近い位置
から開始するよう中間転写リボン28の位置を制御す
る。そして、ヒートローラ26の円弧部35Bにより、
中間転写リボン28のホログラム層41における第1領
域41A及び第2領域41Bが通帳類1の印刷頁10上
に圧着される。これにより、ホログラム層41の第1領
域41A、ホログラム層41の第2領域41B、接着層
42、及び接着層42上に印刷された所定情報が通帳類
1の印刷頁10に転写される。
【0092】続いて、図10の(d)に示すように、C
PU100は、媒体搬送制御回路108を制御して、第
1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆
動し、転写が完了した通帳類1を取込口2から排出させ
る。
【0093】上述したような印刷動作及び転写動作によ
り、被転写媒体1の印刷頁10上に所定情報を印刷する
とともに、固有の所定情報が印刷された印刷エリア10
A全面は、回折効果を有する保護膜で覆い、光学的に読
み取られる所定情報が印刷された読取エリア10B全面
は、回折効果を持たない保護膜で覆うことが可能とな
る。
【0094】次に、印刷装置20に適用されるプラテン
ローラ6の硬度と、上述したような印刷動作及び転写動
作により被転写媒体に転写された制御可能な最小ドット
径との関係について説明する。ここでは、以下に示す実
験条件に基づいて、それぞれプラテンローラ6の硬度
(JIS‐K6253による)を変更した場合に得られ
る最小ドット径(μm)を測定した。
【0095】実験条件としては、サーマルヘッド5は、
熱時剥離方式を採用し、プラテンローラ6の径φ:35
mm(芯金部径φ:25mm、ゴム厚:5mm)、中間
転写リボン28の総厚:35±5μm、インクリボン7
の総厚:7±2μmとした。図11に実験結果を示す。
【0096】すなわち、プラテンローラ6表面に配置さ
れたゴム材料の硬度が50度の場合及び70度の場合に
は、最小ドット径が50μm程度になるのに対して、ゴ
ム材料の硬度が90度及び95度の場合には、最小ドッ
ト径が30μm以下となる。この実験結果から、硬度が
85度以上、望ましくは90度乃至97度の範囲のゴム
材料を採用することにより、低濃度部分を再現する印刷
ドットの形状を安定して、しかもより小さく形成するこ
とができ、画質を低下することなく階調表現することが
可能となる。
【0097】次に、印刷装置20に適用されるプラテン
ローラ6の表面粗さと、上述したような印刷動作及び転
写動作により被転写媒体に転写された制御可能な最小ド
ット径との関係について説明する。ここでは、先に説明
した実験条件に基づいて、それぞれプラテンローラ6の
表面粗さRmax(μm)を変更した場合に得られる最
小ドット径(μm)を測定した。なお、ここでは、プラ
テンローラ6の硬度は90度とした。図12に実験結果
を示す。
【0098】すなわち、プラテンローラ6表面に配置さ
れたゴム材料の最大高さRmaxが10μmの場合に
は、最小ドット径が50μm程度になるのに対して、ゴ
ム材料の最大高さRmaxが6μm及び4μmの場合に
は、最小ドット径が40μm以下となる。この実験結果
から、最大高さRmaxが6μm以下、望ましくは4μ
m以下の範囲のゴム材料を採用することにより、低濃度
部分を再現する印刷ドットの形状を安定して、しかもよ
り小さく形成することができ、画質を低下することなく
階調表現することが可能となる。
【0099】上述したように、プラテンローラは、その
表面に硬度が85度以上で且つ最大高さが6μm以下の
ゴム材料を巻きつけて構成したことにより、30μm程
度からベタ印刷の範囲まで印刷ドットを安定して制御す
ることが可能となる。このため、階調特性に優れた印刷
特性を実現することが可能となる。これにより、単色カ
ラー印刷(Y、M、Cのぞれぞれの単色印刷)におい
て、反射濃度の下限として0.25を安定して得られ、
被転写媒体へのカラー階調画像として十分な画質となる
ことが確認できた。
【0100】次に、上述した印刷装置を備えた印刷シス
テムについて説明する。すなわち、この印刷システム
は、図13に示すように、閉じた状態の複数通の通帳類
1を積層状態で収容し、一通ずつ取込む通帳取込部1
2、及びこの通帳取込部12から図中右方に延びた搬送
路11を有している。搬送路11上には、通帳取込部1
2から取込まれた通帳類1を正逆両方向に搬送するため
の複数の搬送ローラ対13…が配設されている。以下の
説明では、通帳取込部12から印刷部20に向う図中右
方向を正方向とし、反対方向を逆方向とする。
【0101】また、この印刷システムは、搬送路11に
沿って、通帳類1の開かれた印刷頁10を検知するため
のページ検知センサ14、及びページめくり機構15を
有するページめくり部16、さらに、ページめくり部1
6にて所定の印刷頁が開かれた通帳類1に対して所定の
情報を印刷する印刷部20を備えている。この印刷部2
0は、上述した印刷装置20と同一の構成であるため詳
細な説明は省略する。
【0102】ページ検知センサ14は、通帳類1の開か
れた印刷頁の画像を検出し、その画像データに基づい
て、当該頁の所定位置に付与された図示しないバーコー
ドを読取り、通帳類1の開かれたページを認識する。
【0103】ページめくり機構15は、搬送路11の下
方に配設されたバックアッププレート17、搬送路11
の上方に配設されためくりローラ18、及びバックアッ
ププレート17の揺動の中心に設けられた支点19aを
中心に揺動自在であるとともに、その揺動の先端にめく
りローラ18を回動自在に取付けた揺動軸19を有して
いる。揺動軸19が図中破線で示す位置に図示しないモ
ータによって揺動されると、めくりローラ18が揺動さ
れるとともにバックアッププレート17がそれに連動し
て揺動される。また、めくりローラ18は、図示しない
モータによって時計回り或いは反時計回り方向に回転可
能となっている。
【0104】このページめくり機構15によって通帳類
1の頁をめくる場合、まず、通帳類1をページめくり機
構15内の所定位置まで搬送して停止させ、例えば図中
破線で示すように揺動軸19を図中左方向へ揺動してめ
くりローラ18を通帳類1の上に押し当てる。このと
き、揺動軸19の揺動にともない、バックアッププレー
ト17も揺動され、傾いたバックアッププレート17に
よって通帳1の背面が上方へ押し上げられる。
【0105】この状態で、通帳類1の搬送方向上流側の
頁に押し当てられためくりローラ18を回転し、通帳類
1の最上端の頁のめくり動作を開始する。このめくり動
作によって当該ページがせり上がるように膨らみ、ある
程度めくられたところでめくりローラ18を停止する。
さらに、この状態から揺動軸19を図中実線で示す位置
に戻した後、めくりローラ18を再度回転し、当該ペー
ジをめくりローラ18上に完全にめくり上げる。
【0106】そして、通帳類1を逆方向に搬送し、ロー
ラ上にめくり上げた頁を完全に開くとともに、開いた頁
の画像データをページ検知センサ14を介して検出し、
バーコードを読取って開いた頁を確認する。これによ
り、通帳類1の所望する頁を自動的に開くことができる
とともに開いた頁を認識することができる。このように
して、その種類が認識されて所望する頁が開かれた通帳
類1は、印刷部20へ搬送されて所定の情報が印刷され
るとともにその表面に保護膜が転写される。
【0107】尚、ページめくり機構15を上述した動作
と逆に動作させることにより、通帳1のページを逆方向
にも開くことができる。印刷部20において所定情報が
印刷された通帳類1は、さらに搬送方向下流側に向けて
搬送され、通帳排出部に排出される。このような印刷シ
ステムにより、所定情報が印刷された通帳類1を連続し
て自動的に作成することが可能となる。
【0108】以上説明したように、この印刷装置及び印
刷方法によれば、中間転写媒体の受像層(接着層)上に
所定情報を印刷し、この所定情報とともに接着層を被転
写媒体上に転写することにより、被転写媒体の表面状態
に影響を受けることなく安定して高画質な印刷を行うこ
とが可能となる。
【0109】また、第1印刷モード及び第2印刷モード
のいずれであっても、被転写媒体における印刷エリア
は、すべて回折効果を有する所定パターンの透明ホログ
ラム層を付与した保護膜によってオーバコートされる。
このため、印刷された所定情報の偽造防止効果を十分に
得ることが可能となる。
【0110】また、この印刷装置及び印刷方法によれ
ば、中間転写方式を採用し、インクリボンのインクを熱
溶融することによって中間転写リボンに転写するサーマ
ルヘッドと、サーマルヘッドとの間でインクリボン及び
中間転写リボンを挟持するプラテンローラと、を備え、
このプラテンローラは、その表面に、硬度が85度以上
で且つ最大高さがRmax6μm以下のゴム材料を巻き
つけることによって構成されている。
【0111】このため、中間転写リボンのような比較的
薄いフィルムが転写対象であっても、優れた階調特性を
実現することができる。また、低濃度部分を再現するた
めの30μm程度の比較的小さい印刷ドット径であって
も、安定した形状で制御可能となる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、優れた階調特性を得ることが可能な印刷装置及び印
刷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る印刷装
置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示した印刷装置に適用されるヒ
ートローラの構成を概略的に示す図である。
【図3】図3は、図1に示した印刷装置における制御系
統の構成を概略的に示す図である。
【図4】図4の(a)及び(b)は、それぞれ図1に示
した印刷装置に適用可能な第1印刷モード及び第2印刷
モードを説明するための図である。
【図5】図5は、図1に示した印刷装置に適用される中
間転写リボンの構成を概略的に示す平面図である。
【図6】図6の(a)乃至(c)は、それぞれ図1に示
した印刷装置に適用可能な中間転写リボンの構成を概略
的に示す断面図である。
【図7】図7は、図1に示した印刷装置に適用されるサ
ーマルヘッドの構成を概略的に示す図である。
【図8】図8は、図7に示したサーマルヘッドの発熱部
の構成を概略的に示す図である。
【図9】図9は、図1に示した印刷装置に適用可能な他
のサーマルヘッドの構成を概略的に示す図である。
【図10】図10の(a)乃至(d)は、図1に示した
転写部による中間転写リボン上の所定情報を被転写媒体
に転写する転写動作を説明するための図である。
【図11】図11は、プラテンローラの硬度と、そのと
きに再生される印刷画像の最小ドット径と、の実験結果
を示す図である。
【図12】図12は、プラテンローラの表面粗さと、そ
のときに再生される印刷画像の最小ドット径と、の実験
結果を示す図である。
【図13】図13は、図1に示した印刷装置が適用され
た印刷システムの構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…被転写媒体 3…印刷部(印刷手段) 4…転写部(転写手段) 5…サーマルヘッド(印刷手段) 6…プラテンローラ 32…搬送ローラ(搬送手段) 502…発熱部 602…発熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 武郎 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町事業所内 Fターム(参考) 2C065 AB09 DA29 GB01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクリボンのインクを熱溶融することに
    よって中間転写媒体上に転写するサーマルヘッドと、 前記サーマルヘッドとの間でインクリボン及び中間転写
    媒体を挟持する回転自在のプラテンローラとを備え、 前記プラテンローラは、その表面に、硬度が85度以上
    で且つ最大高さがRmax6μm以下の弾性材料を巻き
    つけることによって構成されたことを特徴とする印刷装
    置。
  2. 【請求項2】インクリボンのインクを熱溶融することに
    よって中間転写媒体上に転写する発熱体を備え、前記発
    熱体を通過したのに基づいてインクリボンと中間転写媒
    体とを剥離するよう構成されたサーマルヘッドと、 前記サーマルヘッドとの間でインクリボン及び中間転写
    媒体を挟持する回転自在のプラテンローラとを備え、 前記プラテンローラは、その表面に、硬度が85度以上
    で且つ最大高さがRmax6μm以下の弾性材料を巻き
    つけることによって構成されたことを特徴とする印刷装
    置。
  3. 【請求項3】前記サーマルヘッドは、前記発熱体をヘッ
    ドの端面に配置して構成されたことを特徴とする請求項
    2に記載の印刷装置。
  4. 【請求項4】前記サーマルヘッドは、前記発熱体をヘッ
    ドのコーナ近傍に配置して構成されたことを特徴とする
    請求項2に記載の印刷装置。
  5. 【請求項5】前記サーマルヘッドにより印刷された所定
    情報を被転写媒体に転写する転写手段を備えたことを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装
    置。
  6. 【請求項6】前記プラテンローラと前記転写手段との間
    に前記中間転写媒体を搬送駆動する搬送手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
  7. 【請求項7】インクリボンのインクを熱溶融することに
    よって中間転写媒体上に転写する発熱体を備えたサーマ
    ルヘッドと、この発熱体とともにインクリボン及び中間
    転写媒体を挟持する回転自在のプラテンローラとの間を
    通過したのに基づいてインクリボンと中間転写媒体とを
    剥離する印刷方法において、 前記プラテンローラの表面に、硬度が85度以上で且つ
    最大高さがRmax6μm以下の弾性材料を巻きつける
    ことによって構成されたプラテンローラを用いることを
    特徴とする印刷方法。
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