JP2002337410A

JP2002337410A - 熱転写ラインプリンタ

Info

Publication number: JP2002337410A
Application number: JP2001143450A
Authority: JP
Inventors: Taku Onozato; 卓小野里; Hiroshi Takahashi; 洋高橋; Tadami Kikuchi; 忠美菊地
Original assignee: Alps Electric Co Ltd
Current assignee: Alps Alpine Co Ltd
Priority date: 2001-05-14
Filing date: 2001-05-14
Publication date: 2002-11-27
Also published as: US6486904B1; EP1258365A3; US20020167582A1; EP1258365A2

Abstract

(57)【要約】【課題】簡単な構成で、中間転写シートの張力を一定
に保持することのできる熱転写ラインプリンタを提供す
る。【解決手段】テンションローラ１７ａ，１７ｂと、テ
ンションローラ１７ａ，１７ｂを回転自在に支持すると
ともに、テンションローラ１７ａ，１７ｂを中間転写シ
ート７に向けて付勢する回動可能なテンションローラ支
持フレーム１８ａａ、１８ａｂ、１８ｂａ、１８ｂｂ
と、テンションローラ１７ａ，１７ｂの位置を検出する
検出子２０およびセンサ２１を具備するテンションロー
ラ位置検出手段２２と、少なくとも中間転写シート７を
搬送させる中間転写シート搬送モータ１６の動作を制御
する制御部４とを有し、制御部４は、中間転写シート７
を搬送する際に、センサ２１ａ，２１ｂの検出範囲に検
出子２０ａ，２０ｂが位置するように中間転写シート搬
送モータ１６を制御するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ラインサーマルヘ
ッドによってマルチカラーインクシートのインクを中間
転写シートに転写して一次画像を形成し、この一次画像
を再転写手段によって被転写媒体に再転写することによ
り、被転写媒体に画像を形成する中間転写方式の画像形
成に好適な熱転写ラインプリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、ラインサーマルヘッドによっ
てマルチカラーインクフィルムのインクを中間転写媒体
に転写して一次画像を形成し、この一次画像を再転写手
段によって被転写媒体に再転写することにより、被転写
媒体に画像を形成する中間転写方式の熱転写ラインプリ
ンタが、普通紙に加えてＣＤ、ＣＤ−Ｒ、ＭＯ、ＤＶ
Ｄ、カード類などの多種多様の被転写媒体に画像を容易
に形成することができ、しかも高印字品質、低騒音、低
コスト、メンテナンスが容易であるなどの理由により、
コンピュータ、ワードプロセッサなどの出力装置として
多用されている。

【０００３】このような従来の熱転写ラインプリンタに
おいては、一次画像形成部において、ラインサーマルヘ
ッドを、それぞれ長尺のシート状に形成されたインクシ
ートおよび中間転写シートをこの順に介してプラテンロ
ーラと当接させたヘッドダウン状態とし、この状態でイ
ンクシートおよび中間転写シートを搬送しつつ、印刷情
報に基づいてラインサーマルヘッドの発熱素子を選択的
に発熱させることにより、インクシートに担持させたイ
ンクを部分的に溶融あるいは昇華させて中間転写シート
上に転写して、中間転写シート上に１画面分すなわち１
頁単位の一次画像としての反転画像を形成し、その後、
中間転写シートを搬送して中間転写シート上に形成され
た一次画像を、再転写部の直前まで搬送し、その後、中
間転写シートに形成した位置決めマークを用いて一次画
像と被転写媒体との位置合わせを行った後、再転写部に
おいて、加熱ローラなどからなる再転写手段の熱および
圧力を用いることにより、中間転写シート上に形成され
た一次画像を溶融あるいは昇華させて被転写媒体上に一
次画像を再転写して定着させることにより、被転写媒体
に所望の画像を形成するようになっている。

【０００４】この時、被転写媒体に１色の単色画像を形
成する場合には、１パスで画像を形成することができ
る。

【０００５】これに対して被転写媒体に多色画像を形成
する場合には、インクシートとして、複数色のインク領
域を長手方向に対して異なる色を隣接させて繰返し配置
したマルチカラーインクシートを用い、このマルチカラ
ーインクシートに担持されている最初の色のインクによ
る反転画像を中間転写シート上に形成した後、ラインサ
ーマルヘッドをプラテンから離間させたヘッドアップ状
態とし、この状態で中間転写シートを印刷準備位置まで
逆方向に搬送して、最初の色のインクにより形成した反
転画像を転写位置に戻す頭出しをしてから、次の色の反
転画像を最初の色の反転画像に重ねるように転写する、
いわゆるスイングバック方式で多色の一次画像を形成し
ている。

【０００６】具体的には、フルカラー画像を形成する場
合、例えば、Ｋ（ブラック）、Ｙ（イエロー）、Ｍ（マ
ゼンタ）、Ｃ（シアン）の４色のインクにより形成され
た４色のインク領域を長手方向に対して異なる色を隣接
させるようにこの順に繰返し配置するとともに、各イン
ク領域の境界部分に色判別マークを設けたマルチカラー
インクシートを用いてフルカラーの画像の形成が行われ
る。

【０００７】すなわち、最初にマルチカラーインクシー
トのＫ色のインク領域を用いて中間転写シートに１画面
分のＫ色の反転画像の形成を行い、ついで、一次画像形
成動作によって搬送された中間転写シートを印刷準備位
置まで逆方向に搬送させて中間転写シートに形成したＫ
色の反転画像の頭出しを行うとともに、マルチカラーイ
ンクシートのＫ色に隣位するＹ色のインク領域の頭出し
を行ってマルチカラーインクシートのＹ色インク領域を
用いて、前記中間転写シートに形成した１画面分のＫ色
の反転画像の上にＹ色の１画面分の反転画像を重ねるよ
うに形成し、以下同様にＭ色のインク領域、Ｃ色のイン
ク領域の順に中間転写シートに反転画像を重ねることに
より、中間転写シート上に１画面分のフルカラーの一次
画像を形成するようになっている。

【０００８】なお、従来の位置決めマークは、中間転写
シート上に予め形成したり、中間転写シートに一次画像
を形成する際に一次画像と同時に形成している。

【０００９】また、中間転写シートは、中間転写シート
送出しローラと、中間転写シート巻取りローラとの間に
巻回されており、反転画像を形成する際には、中間転写
シート搬送モータの駆動力をもって中間転写シート巻取
りローラを回転駆動させることで、中間転写シートは、
中間転写シート送出しローラから繰り出され、中間転写
シート巻取りローラに巻き取られるように構成されてい
る。さらに、フルカラー画像を形成するために中間転写
シートを印刷準備位置まで逆搬送する場合には、中間転
写シート搬送モータの駆動力をもって中間転写シート送
出しローラを逆回転させることで、中間転写シートは、
中間転写シート巻取りローラ側から中間転写シート送出
しローラ側に向かって逆方向に搬送されるようになって
いる。

【００１０】したがって、中間転写シートの消費にとも
なって、中間転写シート送出しローラに巻回されている
中間転写シートの長さが減少して中間転写シート送出し
ローラの外径寸法が減少し、中間転写シート巻取りロー
ラに巻回される中間転写シートの長さが増加して中間転
写シート巻取りローラの外径寸法が増加するようになっ
ている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の熱転写ラインプリンタにおいては、中間転写シ
ートの消費にともなう中間転写シート送出しローラおよ
び中間転写シート巻取りローラの外径寸法が変化するこ
とに起因して、中間転写シートの張力が変化するという
問題点があった。

【００１２】この中間転写シートの張力の変化は、フル
カラー画像を形成するために中間転写シートを印刷準備
位置まで逆搬送する際の中間転写シートの搬送量を変化
させてしまい、中間転写シートに反転画像を重ねる際に
位置ずれが生じ、被転写媒体に印刷する画像の品質が低
下することになる。

【００１３】そこで、簡単な構成で、中間転写シートの
張力を一定に保持することのできる熱転写ラインプリン
タが求められている。

【００１４】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、簡単な構成で、中間転写シートの張力を一定に
保持することのできる熱転写ラインプリンタを提供する
ことを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため本発明に係る熱転写ラインプリンタの特徴は、中間
転写シートの搬送経路に臨むように配設されたテンショ
ンローラと、テンションローラを回転自在に支持すると
ともに、テンションローラを中間転写シートに向けて付
勢する回動可能なテンションローラ支持フレームと、テ
ンションローラの位置を検出するテンションローラ位置
検出手段と、少なくとも中間転写シートを搬送させる中
間転写シート搬送モータの動作を制御する制御部とを有
し、テンションローラ位置検出手段は、テンションロー
ラ支持フレームに配設された検出子と、この検出子の位
置を検出するセンサとを具備し、制御部は、中間転写シ
ートを搬送する際に、センサの検出範囲に検出子が位置
するように中間転写シート搬送モータを制御する点にあ
る。

【００１６】この時、テンションローラを一次画像形成
部の両側の少なくとも一方に配設することが好ましく、
テンションローラを一次画像形成部の両側に配設するこ
とがより好ましい。

【００１７】そして、このような構成を採用したことに
より、簡単な構成で、中間転写シートの張力を一定に保
持することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態により説明する。

【００１９】図１から図４は本発明に係る熱転写ライン
プリンタの実施形態を示すものであり、図１は全体構成
の要部を示す正面図、図２は図１の要部の斜視図、図３
は図２の背面図、図４は制御部の要部構成を示すブロッ
ク図である。

【００２０】本実施形態の熱転写ラインプリンタは、
Ｋ、Ｙ、Ｍ、Ｃの４色のインクにより形成された４色の
インク領域を長手方向に対して異なる色を隣接させるよ
うにこの順に繰返し配置するとともに、各インク領域の
境界部分に色判別マークを設けたマルチカラーインクシ
ートを用いてフルカラーの画像の形成を行うものを例示
している。

【００２１】図１に示すように、本実施形態の熱転写ラ
インプリンタ１のプリンタ本体１ａ内には、プラテンロ
ーラ２が回転自在に配設されている。このプラテンロー
ラ２は、ステッピングモータなどのプラテン駆動モータ
３（図４）の駆動力の伝達を受けて回転駆動可能に形成
されている。このプラテン駆動モータ３は、後述する各
部の動作を制御する制御部４（図４）に電気的に接続さ
れており、制御部４から送出される制御指令に基づいて
停止、起動、回転速度、回転方向などを制御できるよう
になっている。

【００２２】前記プラテンローラ２の図１右方に示す右
側には、プラテンローラ２に対して接離自在とされたラ
インサーマルヘッド５が、その印刷面５ａをプラテンロ
ーラ２の外周面と対向するようにして配設されている。
このラインサーマルヘッド５は、プラテンローラ２の軸
方向と平行な方向に延在している。さらに、ラインサー
マルヘッド５の印刷面５ａには、図１において矢印Ａに
て示すマルチカラーインクシート６の搬送方向、およ
び、図１において矢印Ｂにて示す中間転写シート７の搬
送方向のそれぞれに対して直交する方向における寸法に
相当する長さに亘って複数の発熱素子（図示せず）が整
列配置されている。この発熱素子の形成長さは、被転写
媒体８に形成する画像の搬送方向に対して直交する方向
のサイズより長く形成されている。また、ラインサーマ
ルヘッド５は、後述する制御部４（図４）に電気的に接
続されており、各発熱素子は、印刷情報に基づいて制御
部４から送出される制御指令によって選択的に発熱され
るようになっている。

【００２３】前記ラインサーマルヘッド５は、ヘッド接
離モータ９（図４）の駆動力をもって動作する図示しな
いヘッド接離機構により、少なくとも図１において実線
にて示すプラテンローラ２から離間したヘッドアップ状
態をなすヘッドアップ位置と、図１において破線にて示
すプラテンローラ２に圧接したヘッドダウン状態をなす
ヘッドダウン位置との２位置を選択的に取り得るように
形成されている。そして、ヘッド接離モータ９は、後述
する各部の動作を制御する制御部４（図４）に電気的に
接続されており、制御部４から送出される制御指令に基
づいて所定のタイミングでラインサーマルヘッド５の位
置を制御するようになっている。

【００２４】前記プラテンローラ２とラインサーマルヘ
ッド５との間には、ラインサーマルヘッド５側から順
に、マルチカラーインクシート６と中間転写シート７と
が供給されるようになっている。

【００２５】一方のマルチカラーインクシート６は、プ
リンタ本体１ａ内の図１右部近傍に配設されたインクシ
ート送出しローラ１０と、その下方に配設されたインク
シート巻取りローラ１１との間に巻回されている。そし
て、少なくともインクシート巻取りローラ１１を、ステ
ッピングモータなどの制御モータからなるインクシート
搬送モータ１２（図４）の駆動力をもって回転駆動させ
ることで、マルチカラーインクシート６は、インクシー
ト送出しローラ１０から繰り出され、インクシート巻取
りローラ１１に巻き取られるように構成されている。ま
た、インクシート送出しローラ１０から繰り出されるマ
ルチカラーインクシート６は、図１において矢印Ａにて
示すように、プリンタ本体１ａ内に回転自在に配設され
た４つのガイドローラ１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ
をこの順に経てインクシート巻取りローラ１１に巻き取
られるように搬送経路および搬送方向が制御されてい
る。さらに、マルチカラーインクシート６の搬送経路
は、そのインク領域（図示せず）が形成されていない背
面側がラインサーマルヘッド５と対向するように形成さ
れている。そして、インクシート搬送モータ１２は、後
述する各部の動作を制御する制御部４（図４）に電気的
に接続されており、制御部４から送出される制御指令に
基づいて停止、起動、回転速度などが制御されるように
なっている。

【００２６】他方の中間転写シート７は、プリンタ本体
１ａ内のプラテンローラ２の上方やや左側に配設された
中間転写シート送出しローラ１４と、プリンタ本体１ａ
内の図１左上角部近傍に配設された中間転写シート巻取
りローラ１５との間に巻回されている。そして、少なく
とも中間転写シート巻取りローラ１５を、中間転写シー
ト搬送モータ１６（図４）の駆動力をもって回転駆動さ
せることで、中間転写シート７は、中間転写シート送出
しローラ１４から繰り出され、中間転写シート巻取りロ
ーラ１５に巻き取られるように構成されている。

【００２７】また、中間転写シート送出しローラ１４か
ら繰り出される中間転写シート７は、図１において矢印
Ｂにて示すように、プリンタ本体１ａ内に回転自在に配
設されたガイドローラ１３ｅおよびテンションローラ１
７ａをこの順に介してからプラテンローラ２の外周に沿
い、その後、プリンタ本体１ａ内に回転自在に配設され
たテンションローラ１７ｂおよび３つのガイドローラ１
３ｆ，１３ｇ，１３ｈをこの順に経て中間転写シート巻
取りローラ１５に巻き取られるように搬送経路および搬
送方向が制御されている。

【００２８】前記プラテンローラ２の両側に配設されて
いる２つのテンションローラ１７ａ，１７ｂは、中間転
写シート７の張力を一定に保持するのに用いるものであ
り、中間転写シート７の搬送経路に臨むように配設され
ている。そして、図２に示すように、プラテンローラ２
の上方に配設されたテンションローラ１７ａは、一対の
テンションローラ支持フレーム１８ａａ，１８ａｂによ
って回転自在に片持ち支持されている。また、プラテン
ローラ２の左側方に配設されたテンションローラ１７ｂ
は、一対のテンションローラ支持フレーム１８ｂａ，１
８ｂｂによって回転自在に両持ち支持されている。そし
て、各テンションローラ支持フレーム１８ａａ，１８ａ
ｂ，１８ｂａ，１８ｂｂは、図示しない取付フレームに
回転自在に支持されており、図２上方に示すテンション
ローラ支持フレーム１８ａａ，１８ａｂは、図２上方に
一点鎖線にて示す回転中心Ｒａを中心にして回動可能に
形成されている。また、図２下方に示すテンションロー
ラ支持フレーム１８ｂａ，１８ｂｂは、図２下方に一点
鎖線にて示す回転中心Ｒｂを中心にして回動可能に形成
されている。さらに、図２上方に示すテンションローラ
支持フレーム１８ａａと、図２下方に示すテンションロ
ーラ支持フレーム１８ｂｂとは、図示しないリンク板に
よって連結されており、各テンションローラ支持フレー
ム１８ａａ，１８ａｂ，１８ｂａ，１８ｂｂが連動動作
するように形成されている。さらにまた、図２下方に示
すテンションローラ支持フレーム１８ｂｂには、圧縮コ
イルばね１９の一端が取着されており、この圧縮コイル
ばね１９の他端は図示しない取付フレームに取着されて
いる。これにより、図２下方に示すテンションローラ支
持フレーム１８ｂａ，１８ｂｂは、回転中心Ｒｂを中心
として反時計方向に付勢されており、図２上方に示すテ
ンションローラ支持フレーム１８ａａ，１８ａｂは、回
転中心Ｒａを中心として時計方向に付勢されている。す
なわち、テンションローラ支持フレーム１８ａａ，１８
ａｂ，１８ｂａ，１８ｂｂは、テンションローラ１７
ａ，１７ｂを中間転写シート７に向けて付勢するように
構成されている。

【００２９】したがって、プラテンローラ２の上方に配
設されたテンションローラ１７ａは、図１矢印Ｃにて示
すように、中間転写シート７を図１右側から左側に向か
って付勢するように当接されている。また、プラテンロ
ーラ２の左側に配設されたテンションローラ１７ｂは、
図１矢印Ｄにて示すように、中間転写シート７を図１下
方から左斜め上方に向かって付勢するように当接されて
いる。

【００３０】なお、中間転写シート７を逆搬送しない場
合には、プラテンローラ２の左側である巻取り側に位置
するテンションローラ１７ｂのみを設ける構成としても
よい。

【００３１】図２に示すように、図２上右および図２下
右の２つのテンションローラ支持フレーム１８ａｂ，１
８ｂｂには、ほぼ平板状に形成された検出子２０ａ，２
０ｂの基端部がそれぞれ取着されている。これらの検出
子２０ａ，２０ｂの先端部分には、図示しない取付フレ
ームに固着された光センサ（フォトインタラプタ）から
なるセンサ２１ａ，２１ｂがそれぞれ配設されており、
検出子２０ａ，２０ｂがセンサ２１ａ，２１ｂを遮蔽、
開放することにより検出子２０ａ，２０ｂの位置が検出
できるようになっている。これらのセンサ２１ａ，２１
ｂは、後述する各部の動作を制御する制御部４（図４）
に電気的に接続されており、検出子２０ａ，２０ｂがセ
ンサ２１ａ，２１ｂを遮蔽あるいは開放した検出信号を
制御部４に送出することができるようになっている。

【００３２】前記センサ２１ａ，２１ｂおよび検出子２
０ａ，２０ｂにより、本実施形態のテンションローラ１
７ａ，１７ｂの位置を検出するテンションローラ位置検
出手段２２が構成されている。なお、テンションローラ
１７ａ，１７ｂの位置検出についての説明は後述する。

【００３３】図１に戻って、中間転写シート７は、プラ
テンローラ２との当接位置においてマルチカラーインク
シート６と重なるように搬送経路が形成されており、こ
の部位においては、中間転写シート７がマルチカラーイ
ンクシート６のインク領域に対向し得るように構成され
ている。

【００３４】図３に示すように、前記中間転写シート送
出しローラ１４および中間転写シート巻取りローラ１５
は、正・逆回転可能なサーボモータあるいはパルスモー
タなどからなる中間転写シート搬送モータ１６の駆動力
をもって回転駆動可能に形成されている。すなわち、中
間転写シート搬送モータ１６の駆動力は、ギア列２３の
出力端に配設された揺動ギア２３ａによって中間転写シ
ート送出しローラ駆動ギア１４ａおよび中間転写シート
巻取りローラ駆動ギア１５ｂのいずれか一方に選択的に
伝達されるように形成されており、中間転写シート搬送
モータ１６の駆動力をもって中間転写シート巻取りロー
ラ駆動ギア１５ａを回転駆動させることで、中間転写シ
ート７は、中間転写シート送出しローラ１４から繰り出
され、中間転写シート巻取りローラ１５に巻き取られる
ように構成されている。また、中間転写シート搬送モー
タ１６の駆動力をもって中間転写シート送出しローラ駆
動ギア１４ａを逆回転駆動させることで、中間転写シー
ト７は、中間転写シート巻取りローラ１５側から中間転
写シート送出しローラ１４側に逆搬送できるように構成
されている。なお、中間転写シート送出しローラ駆動ギ
ア１４ａおよび中間転写シート巻取りローラ駆動ギア１
５ａのそれぞれを個別の中間転写シート搬送モータ１６
により独立的に駆動させる構成としてもよい。

【００３５】また、本実施形態における中間転写シート
７には、ポリエチレンテレフタート（ＰＥＴ）を素材と
する長尺で透明な樹脂フィルムあるいは樹脂シート、ま
たは前記フィルムあるいはシートに後の再転写を良好に
するための素材をコーティングしたものが使用されてい
る。さらに、このような中間転写シート７は、図１にお
いて矢印Ｂにて示す搬送方向に対して直交する幅方向の
サイズが、マルチカラーインクシート６の幅方向のサイ
ズとほぼ同一寸法に形成されたものが用いられている。
この中間転写シート７としては、マルチカラーインクシ
ート６のインクが転写可能で、かつ、中間転写シート７
に転写したインクを、被転写媒体８に再転写可能なもの
であればよく、その素材としては、薄紙類、樹脂フィル
ムなどの多種多様のものから選択使用できる。

【００３６】前記プラテンローラ２とラインサーマルヘ
ッド５とにより、本実施形態のマルチカラーインクシー
ト６のインクを中間転写シート７に転写して、図示しな
い反転画像からなる一次画像を中間転写シート７に形成
する一次画像形成部２４が構成されている。

【００３７】また、プラテンローラ２に対してラインサ
ーマルヘッド５が所定の当接力をもって圧接した図１に
おいて破線にて示すヘッドダウン状態におけるラインサ
ーマルヘッド５とプラテンローラ２との当接位置が、マ
ルチカラーインクシート６のインクを中間転写シート７
に転写して、反転画像からなる一次画像を中間転写シー
ト７に形成する中間転写位置ＰＰ１とされている。

【００３８】前記一次画像形成部２４より中間転写シー
ト７の搬送方向の下流側、詳しくは、プラテンローラ２
の配設位置より図１左方に位置する２つのガイドローラ
１３ｆ，１３ｇの間には、再転写手段としての加熱ロー
ラ２５が中間転写シート７の搬送経路に上方から臨むよ
うにして配設されている。そして、加熱ローラ２５は、
ステッピングモータなどの加熱ローラ駆動モータ２６
（図４）の駆動力の伝達を受けて回転駆動可能に形成さ
れている。また、加熱ローラ２５は、加熱ローラ接離モ
ータ２７（図４）の駆動力をもって動作する図示しない
加熱ローラ接離機構によって、少なくとも図１において
実線にて示す中間転写シート７から離間した離間状態を
なす離間位置と、図１において破線にて示す中間転写シ
ート７に圧接した圧接状態をなす圧接位置との２位置を
選択的に取り得るように形成されている。また、加熱ロ
ーラ駆動モータ２６および加熱ローラ接離モータ２７
は、後述する各部の動作を制御する制御部４（図４）に
電気的に接続されており、制御部４から送出される制御
指令に基づいて所定のタイミングで加熱ローラ２５の回
転および加熱ローラ２５の位置が制御されるようになっ
ている。

【００３９】前記加熱ローラ２５の下方には、中間転写
シート７を間において被転写媒体８、本実施形態におい
てはコンパクトディスク（ＣＤ）が供給されるようにな
っている。この被転写媒体８は、平板状に形成された移
動台２８の上面に載置されており、移動台搬送モータ２
９（図４）の駆動力をもって移動台２８を図１において
両矢印Ｅにて示す左右方向に往復移動可能に形成されて
いる。そして、移動台搬送モータ２９の駆動力をもって
移動台２８を往復移動させることにより、被転写媒体８
を少なくとも図１において実線にて示す供給・取出位置
ＳＰと、図１において破線にて示す再転写待機位置ＷＰ
との２位置の間を往復移動可能に構成されている。ま
た、移動台搬送モータ２９は、後述する各部の動作を制
御する制御部４（図４）に電気的に接続されており、制
御部４から送出される制御指令に基づいて停止、起動、
回転速度、回転方向などが制御されるようになってい
る。なお、被転写媒体８は、図１において実線にて示す
供給・取出位置ＳＰにおいて、プリンタ本体１ａの外部
に露出しており、被転写媒体８の移動台２８への供給
と、移動台２８からの取り出しとが容易に実行できるよ
うに構成されている。

【００４０】前記被転写媒体８としては、ＣＤに限ら
ず、例えば、ＣＤ−Ｒ、ＭＯ、ＤＶＤ、株券、証券、証
書、通帳類、乗車券、観賞券、入場券、チケット、キャ
ッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、
葉書、名刺、ＩＣカード、光ディスク、カレンダー、ポ
スター、パンフレット、装身具、文房具、文具などの各
種のものを例示できる。また、被転写媒体８の素材とし
ては、再転写時の熱により変形しないものであればよ
く、紙、樹脂、ガラス、金属、セラミックス、布などの
各種のものを例示できる。

【００４１】前記加熱ローラ２５により、本実施形態の
中間転写シート７に形成した一次画像を被転写媒体８に
再転写して、被転写媒体８に画像を形成する再転写部３
０が構成されている。

【００４２】また、被転写媒体８に対して加熱ローラ２
５が所定の当接力をもって圧接した図１において破線に
て示す圧接位置が、中間転写シート７に形成した一次画
像を被転写媒体８に再転写して、被転写媒体８に画像を
形成する再転写位置ＰＰ２とされている。

【００４３】図４に示すように、本実施形態の熱転写ラ
インプリンタ１は、各部の動作を制御する制御部４を有
しており、この制御部４には、少なくともＣＰＵ３１
と、適宜な容量のＲＯＭ、ＲＡＭなどにより形成された
メモリ３２とを有している。この制御部４には、少なく
とも前記プラテン駆動モータ３、ラインサーマルヘッド
５、ヘッド接離モータ９、インクシート搬送モータ１
２、中間転写シート搬送モータ１６、加熱ローラ駆動モ
ータ２６、加熱ローラ接離モータ２７、移動台搬送モー
タ２９、センサ２１ａ，２１ｂ、図示しないエラーを操
作者に認識させるための表示灯あるいはブザーなどによ
り形成される警告手段および電源スイッチや印刷動作に
かかわる公知の各種のスイッチ類などが電気的に接続さ
れている。

【００４４】また、前記プラテン駆動モータ３、ライン
サーマルヘッド５、ヘッド接離モータ９、インクシート
搬送モータ１２、中間転写シート搬送モータ１６、加熱
ローラ駆動モータ２６、加熱ローラ接離モータ２７およ
び移動台搬送モータ２９などは、それぞれを駆動するた
めのコントローラとも称される図示しない専用の駆動回
路を介して接続されている。

【００４５】本実施形態のメモリ３２には、少なくとも
中間転写シート７を搬送する際に、前記センサ２１ａ，
２１ｂの検出範囲に検出子２０ａ，２０ｂが位置するよ
うに中間転写シート搬送モータ１６を制御、詳しくは中
間転写シート搬送モータ１６を駆動する電圧を制御する
プログラムが格納されている。また、メモリ３２には、
各部の動作および動作順序を制御するプログラムや、電
源投入時のイニシャライズ動作を行うプログラムなどの
各種のプログラムや、中間転写および再転写を実行する
際に必要なデータなどの各種のデータなども記憶されて
いる。

【００４６】つぎに、前述した構成からなる本実施形態
の作用について説明する。

【００４７】本実施形態の熱転写ラインプリンタ１によ
る被転写媒体８への画像の形成動作そのものは従来の熱
転写ラインプリンタと同様とされているので、その詳し
い説明は省略し、本発明の要旨にかかわる部分について
のみ説明する。

【００４８】本実施形態の熱転写ラインプリンタ１によ
れば、中間転写シート７を搬送する際に、センサ２１
ａ，２１ｂの検出範囲に検出子２０ａ，２０ｂが位置す
るように中間転写シート搬送モータ１６を制御してい
る。

【００４９】すなわち、中間転写シート７を搬送した際
に、検出子２０ａ，２０ｂがセンサ２１ａ，２１ｂの検
出範囲に位置していると、検出子２０ａ，２０ｂがセン
サ２１ａ，２１ｂを遮蔽した検出信号、例えばＯＦＦ信
号を制御部４に送出する。また、検出子２０ａ，２０ｂ
がセンサ２１ａ，２１ｂの検出範囲を越えると検出子２
０ａ，２０ｂがセンサ２１ａ，２１ｂを開放した検出信
号、例えばＯＮ信号を制御部４に送出する。

【００５０】すると、制御部４は、検出子２０ａ，２０
ｂがセンサ２１ａ，２１ｂの検出範囲に位置した状態を
保持するように、中間転写シート搬送モータ１６を制
御、本実施形態においては中間転写シート搬送モータ１
６を駆動させる電圧を制御する。

【００５１】そして、検出子２０ａ，２０ｂがセンサ２
１ａ，２１ｂの検出範囲に位置した状態を保持すること
により、回転中心Ｒａを中心として回転するテンション
ローラ支持フレーム１８ａａ，１８ａｂの回転角度と、
回転中心Ｒｂを中心として回転するテンションローラ支
持フレーム１８ｂａ，１８ｂｂの回転角度との両者が、
ともに一定の角度に保持される。その結果、テンション
ローラ支持フレーム１８ａａ，１８ａｂに回転自在に支
持されたテンションローラ１７ａの回転中心Ｒａを中心
とした回転角度と、テンションローラ支持フレーム１８
ｂａ，１８ｂｂに回転自在に支持されたテンションロー
ラ１７ｂの回転中心Ｒｂを中心とした回転角度とが所定
の角度に固定される。この時、回転中心Ｒａ，Ｒｂを中
心として回転するテンションローラ１７ａ，１７ｂの回
転角度と、中間転写シート７の張力とは一定の関係にあ
るので、回転中心Ｒａ，Ｒｂを中心として回転するテン
ションローラ１７ａ，１７ｂの回転角度を所定の角度、
すなわち、検出子２０ａ，２０ｂが設定されたセンサ２
１ａ，２１ｂの検出範囲に位置させることで、中間転写
シート７の張力を一定にすることができる。

【００５２】なお、テンションローラ１７ａ，１７ｂの
かわりにピンチローラを用いても中間転写シート７の張
力を一定にすることができるが、この場合には構造が複
雑になる。

【００５３】したがって、本実施形態の熱転写ラインプ
リンタ１によれば、簡単な構成で、中間転写シート７の
張力を一定に保持することができる。

【００５４】また、本実施形態の熱転写ラインプリンタ
１によれば、テンションローラ１７ａ，１７ｂを一次画
像形成部２４の両側に設けているので、中間転写シート
７の搬送方向にかかわらず、中間転写シート７の張力を
一定に保持することができる。

【００５５】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、必要に応じて種々変更することができ
る。

【００５６】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る熱転写
ラインプリンタによれば、簡単な構成で、中間転写シー
トの張力を一定に保持することができるなどの極めて優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】発明に係る熱転写ラインプリンタの実施形態の
全体構成の要部を示す正面図

【図２】図１の要部の斜視図

【図３】図２の背面図

【図４】制御部の要部構成を示すブロック図

【符号の説明】

１熱転写ラインプリンタ２プラテンローラ４制御部５ラインサーマルヘッド６マルチカラーインクシート７中間転写シート８被転写媒体１４中間転写シート送出しローラ１５中間転写シート巻取りローラ１６中間転写シート搬送モータ１７ａ、１７ｂテンションローラ１８ａａ、１８ａｂ、１８ｂａ、１８ｂｂテンション
ローラ支持フレーム１９圧縮コイルばね２０ａ、２０ｂ検出子２１ａ、２１ｂセンサ２２テンションローラ位置検出手段２４一次画像形成部２５加熱ローラ２８移動台３０再転写部３１ＣＰＵ３２メモリＲａ、Ｒｂ回転中心ＳＰ供給・取出位置ＷＰ再転写待機位置ＰＰ１中間転写位置ＰＰ２再転写位置

フロントページの続き (72)発明者菊地忠美東京都大田区雪谷大塚町１番７号アルプス電気株式会社内Ｆターム(参考） 2C058 AB04 AC06 AD04 AE04 AE09 AF06 AF15 AF20 AF23 AF57 AF59 GA02 GB05 GB20 GB48 GB53 GE03 GE09 GE10 GE24 2C060 CB02 CB15 CB21 CB31 3F048 AA05 AB06 AC04 BA21 BB02 CC03 DA06 DC13 EB29

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ラインサーマルヘッドによって中間転写
シートにマルチカラーインクシートのインクを転写して
一次画像を形成し、この一次画像を再転写手段によって
被転写媒体に再転写することにより、前記被転写媒体に
フルカラー画像を形成する中間転写方式の熱転写ライン
プリンタであって、前記中間転写シートの搬送経路に臨むように配設された
テンションローラと、前記テンションローラを回転自在に支持するとともに、
前記テンションローラを前記中間転写シートに向けて付
勢する回動可能なテンションローラ支持フレームと、前記テンションローラの位置を検出するテンションロー
ラ位置検出手段と、少なくとも前記中間転写シートを搬送させる中間転写シ
ート搬送モータの動作を制御する制御部とを有し、前記テンションローラ位置検出手段は、前記テンション
ローラ支持フレームに配設された検出子と、この検出子
の位置を検出するセンサとを具備し、前記制御部は、前記中間転写シートを搬送する際に、前
記センサの検出範囲に前記検出子が位置するように前記
中間転写シート搬送モータを制御することを特徴とする
熱転写ラインプリンタ。
【請求項２】前記テンションローラが、一次画像形成
部の両側の少なくとも一方に配設されていることを特徴
とする請求項１に記載の熱転写ラインプリンタ。