JP4334400B2 - 中間転写型熱転写印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム上に画像を熱転写した後、そのフィルム上の画像を記録媒体の表面に熱転写する中間転写型熱転写印刷装置に関する。
従来におけるこの種の装置として、例えば、特許文献1に記載された熱転写印刷装置がある。この熱転写印刷装置においては、透明剤リボン及びインクリボンを介在させて送りローラにサーマルヘッドが押圧されて、送りローラにより送られる透明剤リボンの透明剤にインクが熱転写される。続いて、その透明剤リボンが加熱ローラにより記録媒体に押圧されて、インクが熱転写された透明剤が記録媒体に熱転写される。
特開平5−261952号公報
しかしながら、上述したような熱転写印刷装置には、次のような問題がある。すなわち、インクリボンに塗布された各色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン等)のインクを熱転写するために送りローラにより透明剤リボンを往復動させると、透明剤リボン上においてインクが熱転写された領域が、各色毎にずれるおそれがある。更に、透明剤リボンを加熱ローラにより記録媒体に押圧する際に、透明剤リボン上においてインクが熱転写された領域が、記録媒体上の熱転写すべき領域からずれるおそれもある。そして、これらの事態が生じると、記録媒体における画像の印刷品質が劣化してしまう。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、記録媒体における画像の印刷品質を向上させることができる中間転写型熱転写印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る中間転写型熱転写印刷装置は、プラテンローラにより送られるフィルムに対しサーマルヘッドによりインクリボンを接触させてフィルム上に画像を熱転写した後、記録媒体に対しヒートローラによりフィルムを接触させて記録媒体の表面に画像を熱転写する中間転写型熱転写印刷装置において、サーマルヘッド側とプラテンローラ側との間を移動自在であり、プラテンローラ側に移動した際に、フィルム上に画像が熱転写される熱転写位置の上流側においてフィルムを介在させてプラテンローラに押し当てられる上流側当接ローラと、サーマルヘッド側とプラテンローラ側との間を移動自在であり、プラテンローラ側に移動した際に、熱転写位置の下流側においてフィルムを介在させてプラテンローラに押し当てられる下流側当接ローラと、プラテンローラの中心軸線と略平行な第1の軸線を中心として揺動自在であり、プラテンローラ側に傾動した際に、上流側当接ローラを保持してプラテンローラ側に押圧する上流側保持手段と、プラテンローラの中心軸線と略平行な第2の軸線を中心として揺動自在であり、プラテンローラ側に傾動した際に、下流側当接ローラを保持してプラテンローラ側に押圧する下流側保持手段とを備えることを特徴とする。
この中間転写型熱転写印刷装置においては、上流側及び下流側当接ローラがプラテンローラ側に移動すると、熱転写位置の上流側では上流側当接ローラがフィルムを介在させてプラテンローラに押し当てられ、熱転写位置の下流側では下流側当接ローラがフィルムを介在させてプラテンローラに押し当てられる。これにより、プラテンローラにより送られるフィルムは、上流側当接ローラの当接位置から下流側当接ローラの当接位置までプラテンローラに確実に巻き付けられることになる。そのため、プラテンローラにより送られるフィルムに対しサーマルヘッドによりインクリボンを接触させてフィルム上に画像を熱転写する際に、例えば、インクリボンに塗布された各色のインクを熱転写すべくプラテンローラによりフィルムを往復動させても、フィルム上においてインクが熱転写された領域が、各色毎にずれるようなことが防止される。更に、記録媒体に対しヒートローラによりフィルムを接触させて記録媒体の表面に画像を熱転写する際に、フィルム上において画像が熱転写された領域が、記録媒体上の熱転写すべき領域からずれようなことも防止される。従って、この中間転写型熱転写印刷装置によれば、記録媒体における画像の印刷品質を向上させることができる。更に、中間転写型熱転写印刷装置は、プラテンローラの中心軸線と略平行な第1の軸線を中心として揺動自在であり、プラテンローラ側に傾動した際に、上流側当接ローラを保持してプラテンローラ側に押圧する上流側保持手段と、プラテンローラの中心軸線と略平行な第2の軸線を中心として揺動自在であり、プラテンローラ側に傾動した際に、下流側当接ローラを保持してプラテンローラ側に押圧する下流側保持手段とを備えている。このような上流側保持手段を設けることで、熱転写位置の上流側における所定の位置で上流側当接ローラをプラテンローラに確実に押し当てることができる。同様に、下流側保持手段を設けることで、熱転写位置の下流側における所定の位置で下流側当接ローラをプラテンローラに確実に押し当てることができる。
なお、上流側及び下流側当接ローラがサーマルヘッド側に移動すると、各当接ローラはプラテンローラから離間するため、プラテンローラに対するフィルムの確実な巻き付けが解除されることになる。これにより、例えばフィルムの交換作業等を容易に行うことが可能になる。
また、上流側当接ローラ及び下流側当接ローラは、サーマルヘッドとプラテンローラとが対向する方向に沿って進退自在な移動手段に連結されていることが好ましい。
これにより、移動手段をプラテンローラ側に前進させるだけで、上流側及び下流側当接ローラをプラテンローラ側に移動させてプラテンローラに押し当てることができる。一方、移動手段をプラテンローラ側から後退させるだけで、上流側及び下流側当接ローラをサーマルヘッド側に移動させてプラテンローラから離間させることができる。つまり、簡単な構成でプラテンローラに対するフィルムの確実な巻き付け、及びその解除を実現することができる。
また、上流側保持手段は、第1の軸線を中心として揺動自在であり、カムによりプラテンローラ側に傾動させられる第1の本体部と、第1の軸線を中心として揺動自在であり、プラテンローラ側に傾動した際に、プラテンローラの両端部において上流側当接ローラを保持する一対の第1の保持部と、第1の本体部に螺合され、第1の本体部がプラテンローラ側に傾動した際に、第1の保持部のそれぞれをプラテンローラ側に押圧する一対の第1の調整ねじとを有し、下流側保持手段は、第2の軸線を中心として揺動自在であり、カムによりプラテンローラ側に傾動させられる第2の本体部と、第2の軸線を中心として揺動自在であり、プラテンローラ側に傾動した際に、プラテンローラの両端部において下流側当接ローラを保持する一対の第2の保持部と、第2の本体部に螺合され、第2の本体部がプラテンローラ側に傾動した際に、第2の保持部のそれぞれをプラテンローラ側に押圧する一対の第2の調整ねじとを有することが好ましい。
このような構成により、上流側保持手段では、第1の本体部において一対の第1の調整ねじのそれぞれを進退させることで、第1の本体部がプラテンローラ側に傾動した際に、プラテンローラの両端部おいて一対の第1の保持部のそれぞれが上流側当接ローラをプラテンローラ側に押圧する力を調整することができる。このことは、下流側保持手段でも同様である。これにより、プラテンローラに巻き付けられたフィルムの蛇行等を防止して、その走行を安定化させることが可能になる。
本発明によれば、記録媒体における画像の印刷品質を向上させることができる。
以下、本発明に係る中間転写型熱転写印刷装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示す中間転写型熱転写印刷装置1は、厚さ20μm程度の透明なフィルムF上に画像を一旦熱転写した後、このフィルムF上の画像をクレジットカードやICカード等のカード(記録媒体)Sの表面に再熱転写する装置であり、カードプリンタとも呼ばれるものである。
同図に示すように、熱転写印刷装置1は、印刷予定のカードSを積層状態でセッティングするためのストック部2を有している。カードSは、繰出し爪3の進退運動によってストック部2の一番下から一枚ずつ繰り出され、繰り出されたカードSは反転部4内に一旦装填される。
反転部4内にカードSが装填されると、反転部4は水平状態から90度回転する。そして、送りローラ6によってカードSが上方に送られると、カードSは磁気読み/書き部7内に装填される。この磁気読み/書き部7では、カードSの磁気ストライプ内に所定の情報が書き込まれたり、磁気ストライプ内から所定の情報が読み取られたりする。これに対し、送りローラ6によってカードSが下方に送られると、カードSは非接触IC読み/書き部8内に装填される。この非接触IC読み/書き部8では、カードSのIC内に所定の情報が書き込まれたり、IC内から所定の情報が読み取られたりする。
その後、磁気読み/書き部7又は非接触IC読み/書き部8から反転部4内にカードSが再装填されると、反転部4は水平状態に復帰し、ストック部2と反対側にカードSを送り出す。反転部4から送り出されたカードSは、着脱自在なクリーニングローラ10を通過した後、ガイド溝12で両側を支持されながら搬送ローラ11により画像印刷される位置の直前まで搬送される。
なお、磁気検出や非接触IC検出の必要がない場合には、反転部4は水平に維持される。また、磁気読み/書き部7又は非接触IC読み/書き部8で不適切と判断されたカードSは、反転部4の回転後、送りローラ6によってイジェクトボックス9内に排出される。
また、熱転写印刷装置1は、カードSへの画像印刷を可能にするために、フィルムFに画像を熱転写する一次転写部Aと、フィルムF上において画像が熱転写された領域とカードSの表面とを接触させて、カードSの表面に画像を熱転写する二次転写部Bと、画像が熱転写された後のカードSの反りを矯正する反り矯正部Cとを備えている。
更に、熱転写印刷装置1は、抜き差しにより交換可能なフィルムカートリッジ13とリボンカートリッジ14とを有している。フィルムカートリッジ13では、フィルムFが上下一対のボビン15,16に巻かれており、リボンカートリッジ14では、インクリボンRが上下一対のボビン17,18に巻かれている。リボンカートリッジ14内のインクリボンRには、溶融性又は昇華性のイエロー・マゼンタ・シアンの3色(又はブラックを加えた4色)のインクを1フレームとして、周期的に各色のインクが塗布されている。
上述した一次転写部Aでは、フィルムF及びインクリボンRを挟むようにしてプラテンローラ20とサーマルヘッド21とが水平方向において対向配置されている。これにより、プラテンローラ20により送られるフィルムFに対しサーマルヘッド21によりインクリボンRが接触させられて、フィルムF上にインクリボンR上のイエローのインクが熱転写される。
このとき、一次転写部Aでは、フィルム巻付け機構30により、プラテンローラ20の略半周面にフィルムFが巻き付けられている。具体的には、図2及び図3に示すように、フィルム巻付け機構30は、サーマルヘッド21側とプラテンローラ20側との間を移動自在な上流側当接ローラ31及び下流側当接ローラ32を有している。各当接ローラ31,32は、図2に示すように、フィルムF上に画像が熱転写される際にプラテンローラ20側に移動する。そして、フィルムF上に画像が熱転写される熱転写位置Pの上流側ではフィルムFを介在させて上流側当接ローラ31がプラテンローラ20に押し当てられ、熱転写位置Pの下流側ではフィルムFを介在させて下流側当接ローラ32がプラテンローラ20に押し当てられる。これにより、プラテンローラ20により送られるフィルムFは、上流側当接ローラ31の当接位置から下流側当接ローラ32の当接位置までプラテンローラ20の略半周面に確実に巻き付けられることになる。
フィルムF上にインクリボンR上のイエローのインクが熱転写されると、図2に示すように、ラック・ピニオン駆動機構22によってサーマルヘッド21が後退させられ、フィルムFとインクリボンRとが離間する。この状態でプラテンローラ20が逆転し、フィルムFが巻き戻されて元の位置に復帰する。その後、上述した熱転写動作を繰り返しながら、フィルムF上にマゼンタ、シアン等の各色毎にインクが重層され、所望のカラー画像がフィルムF上に形成される。なお、各色のインクが熱転写される際には、フィルムFとインクリボンRとは同一速度で送られる。また、プラテンローラ20は、フィルムFを走行させるための駆動ローラとして機能する。
その後、図1に示すように、駆動ローラであるプラテンローラ20がメインとなって、フィルムF上において画像が熱転写された領域がヒートローラ23の手前まで移動させられる。このとき、カードSの先端は、フィルムF上において画像が熱転写された領域の先端と位置合わせされ、カードSとフィルムFとは、重ね合わされた状態で二次転写部Bに送り込まれる。
この二次転写部Bでは、位置合わせされたカードSとフィルムFとが重ね合わされた状態でヒートローラ23と押圧ローラ24とで挟み込まれる。そして、160〜200℃に加熱されたヒートローラ23と押圧ローラ24との協働により、カードS及びフィルムFが加圧搬送されて、フィルムF上に熱転写された画像がカードSの表面に徐々に熱転写されていく。このとき、フィルムFは、カードSから剥離されながらボビン16に巻き取られていく。また、ヒートローラ23によって加熱されたカードSには反りが発生するため、カードSは、反り矯正部Cに送り込まれて加圧処理された後、真っ直ぐな状態で熱転写印刷装置1外に排出される。
以上のように、熱転写印刷装置1においては、上流側及び下流側当接ローラ31,32がプラテンローラ20側に移動すると、熱転写位置Pの上流側では上流側当接ローラ31がフィルムFを介在させてプラテンローラ20に押し当てられ、熱転写位置Pの下流側では下流側当接ローラ32がフィルムFを介在させてプラテンローラ20に押し当てられる。これにより、プラテンローラ20により送られるフィルムFは、上流側当接ローラ31の当接位置から下流側当接ローラ32の当接位置までプラテンローラ20に確実に巻き付けられることになる。
そのため、プラテンローラ20により送られるフィルムFに対しサーマルヘッド21によりインクリボンRを接触させてフィルムF上に画像を熱転写する際に、インクリボンRに塗布された各色のインクを熱転写すべくプラテンローラ20によりフィルムFを往復動させても、フィルムF上においてインクが熱転写された領域が、各色毎にずれるようなことが防止される。更に、カードSに対しヒートローラ23によりフィルムFを接触させてカードSの表面に画像を熱転写する際に、フィルムF上において画像が熱転写された領域が、カードS上の熱転写すべき領域からずれようなことも防止される。従って、熱転写印刷装置1によれば、カードSにおける画像の印刷品質を向上させることができる。
なお、上流側及び下流側当接ローラ31,32がサーマルヘッド21側に移動すると、各当接ローラ31,32はプラテンローラ20から離間するため、プラテンローラ20に対するフィルムFの確実な巻き付けが解除されることになる(図3参照)。これにより、例えば、フィルムカートリッジ13の抜き差しによるフィルムFの交換作業を容易に行うことが可能になる。
次に、上述したフィルム巻付け機構30の移動手段40について説明する。図4は、上流側及び下流側当接ローラ31,32がサーマルヘッド21側に移動した際の一次転写部A周辺の平面図であり、図5は、上流側及び下流側当接ローラ31,32がサーマルヘッド21側に移動した際の一次転写部A周辺の背面図である。
図4及び図5に示すように、プラテンローラ20は、所定の間隔をとって並設された側板33と側板34との間に掛け渡されており、駆動モータ(図示せず)に連結されている。このプラテンローラ20にフィルムFを巻き付けるための上流側及び下流側当接ローラ31,32を回転自在に支持する軸35は、側板34に形成されたガイド孔34aを介して側板34の外側に突出している。
側板34の外側には、移動手段40が設置されている。この移動手段40は、サーマルヘッド21とプラテンローラ20とが対向する方向に沿って延在する一対のガイドロッド41を有しており、これらのガイドロッド41には、移動体42が摺動自在に取り付けられている。なお、一対のガイドロッド41は、側板32の外面に固定された枠体43により支持されている。
更に、移動手段40は、プラテンローラ20の中心軸線CLと略平行な軸44を中心として揺動自在なスウィングアーム45を有しており、このスウィングアーム45の基端部にはカム46が係合している。スウィングアーム45の先端部は、側板34と移動体42との間に延在しており、その先端部に形成された長穴45a内には、移動体42に立設されたピン42aが配置されている。
このように構成された移動手段40には、上流側及び下流側当接ローラ31,32が連結されている。具体的には、上流側当接ローラ31の軸35は、側板34の外側において、軸36及び軸受37を介して回転自在に移動体42に取り付けられた連結アーム38の先端部に軸受37を介して回転自在に取り付けられている。また、下流側当接ローラ32の軸35は、側板34の外側において、軸36及び軸受37を介して回転自在に移動体42に取り付けられた連結アーム39の先端部に軸受37を介して回転自在に取り付けられている。
この上流側及び下流側当接ローラ31,32と移動手段40との連結により次のような作用効果が奏される。すなわち、図6及び図7に示すように、カム46を正転させてスウィングアーム45をプラテンローラ20側に傾動させ、移動体42をガイドロッド41に沿ってプラテンローラ20側に前進させるだけで、上流側及び下流側当接ローラ31,32をプラテンローラ20側に移動させてプラテンローラ20に押し当てることができる。一方、カム46を逆転させてスウィングアーム45をプラテンローラ20と反対側に傾動させ、移動体42をガイドロッド41に沿ってプラテンローラ20から後退させるだけで、図5に示すように、上流側及び下流側当接ローラ31,32をサーマルヘッド21側に移動させてプラテンローラ20から離間させることができる。つまり、簡単な構成でプラテンローラ20に対するフィルムFの確実な巻き付け、及びその解除を実現することができる。
続いて、フィルム巻付け機構30の上流側保持手段50及び下流側保持手段60について説明する。図8は、上流側及び下流側当接ローラ31,32がサーマルヘッド21側に移動した際の一次転写部A周辺の正面図である。
図4及び図8に示すように、上流側保持手段50は、側板33と側板34との間において、プラテンローラ20の中心軸線CLと略平行な第1の軸線L1を中心として揺動自在な第1の本体部51を有している。この第1の本体部51には、下方に延在する立設部52が一体的に形成されており、この立設部52にカム53が係合することによって第1の本体部51はプラテンローラ20側に傾動する。また、第1の本体部51は、第1の軸線L1に沿って延在するL字部材51aを有しており、このL字部材51aの両端部には、六角穴付の第1の調整ねじ54が螺合されている。なお、第1の調整ねじ54は所定の位置でロックナット55により固定される。
更に、上流側保持手段50は、側板33と側板34との間において第1の本体部51の両側に、第1の軸線L1を中心として揺動自在な第1の保持部56を有している。各第1の保持部56のL字部材51a側の端面56aには、第1の本体部51がプラテンローラ20側に傾動した際に第1の調整ねじ54の先端が当接する。そして、各第1の保持部56がプラテンローラ20側に傾動すると、プラテンローラ20に押し当てられた上流側当接ローラ31をプラテンローラ20の両側において保持する。具体的には、各第1の保持部56は、プラテンローラ20の周面に対向するように形成された切欠き56b内に、上流側当接ローラ31の両端から突出する軸35を配置させることで、上流側当接ローラ31を保持する。
なお、第1の保持部材56のプラテンローラ20側への傾動は、例えば、第1の保持部材56に形成したピンを側壁33や側壁34に形成した引掛け孔内に配置することで、第1の保持部材56がプラテンローラ20に接触することのないように制限されている。
一方、下流側保持手段60は、側板33と側板34との間において、プラテンローラ20の中心軸線CLと略平行な第2の軸線L2を中心として揺動自在な第2の本体部61を有している。この第2の本体部61には、上方に延在する立設部62が一体的に形成されており、この立設部62にカム63が係合することによって第2の本体部61はプラテンローラ20側に傾動する。また、第2の本体部61は、第2の軸線L2に沿って延在するL字部材61aを有しており、このL字部材61aの両端部には、六角穴付の第2の調整ねじ64が螺合されている。なお、第2の調整ねじ64は所定の位置でロックナット65により固定される。
更に、下流側保持手段60は、側板33と側板34との間において第2の本体部61の両側に、第2の軸線L2を中心として揺動自在な第2の保持部66を有している。各第2の保持部66のL字部材61a側の端面66aには、第2の本体部61がプラテンローラ20側に傾動した際に第2の調整ねじ64の先端が当接する。そして、各第2の保持部66がプラテンローラ20側に傾動すると、プラテンローラ20に押し当てられた下流側当接ローラ32をプラテンローラ20の両側において保持する。具体的には、各第2の保持部66は、プラテンローラ20の周面に対向するように形成された切欠き66b内に、下流側当接ローラ32の両端から突出する軸35を配置させることで、下流側当接ローラ32を保持する。
以上のように構成された上流側保持手段50及び下流側保持手段60により次のような作用効果が奏される。すなわち、図9に示すように、上流側及び下流側当接ローラ31,32がプラテンローラ20側に移動すると、図10に示すように、上流側当接ローラ31はプラテンローラ20に当接し、上流側当接ローラ31の軸35は第1の保持部56の切欠き56b内に配置される。これと同時に、下流側当接ローラ32はプラテンローラ20に当接し、下流側当接ローラ32の軸35は第2の保持部66の切欠き66b内に配置される。
その後、図11に示すように、カム53が180°回転して第1の本体部51がプラテンローラ20側に傾動させられ、第1の調整ネジ54により第1の保持部材56がプラテンローラ20側に押圧される。これと同時に、カム63が回転して第2の本体部61がプラテンローラ20側に傾動させられ、第2の調整ネジ64により第2の保持部材66がプラテンローラ20側に押圧される。
このように、上流側保持手段50を設けることで、熱転写位置Pの上流側における所定の位置で上流側当接ローラ31をプラテンローラ20に確実に押し当てることができる。同様に、下流側保持手段60を設けることで、熱転写位置Pの下流側における所定の位置で下流側当接ローラ32をプラテンローラ20に確実に押し当てることができる。
また、上流側保持手段50では、第1の本体部51において一対の第1の調整ねじ54のそれぞれを進退させることで、第1の本体部51がプラテンローラ20側に傾動した際に、プラテンローラ20の両端部おいて一対の第1の保持部56のそれぞれが上流側当接ローラ31をプラテンローラ20側に押圧する力を調整することができる。このことは、下流側保持手段60でも同様である。これにより、プラテンローラ20に巻き付けられたフィルムFの蛇行等を防止して、その走行を安定化させることが可能になる。
本発明に係る中間転写型熱転写印刷装置の一実施形態の正面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがプラテンローラ側に移動した際の一次転写部の正面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがサーマルヘッド側に移動した際の一次転写部の正面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがサーマルヘッド側に移動した際の一次転写部周辺の平面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがサーマルヘッド側に移動した際の一次転写部周辺の背面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがプラテンローラ側に移動中の一次転写部周辺の背面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがプラテンローラ側に移動した際の一次転写部周辺の背面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがサーマルヘッド側に移動した際の一次転写部周辺の正面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがプラテンローラ側に移動中の一次転写部周辺の正面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがプラテンローラ側に移動した際の一次転写部周辺の正面図である。 図1の中間転写型熱転写印刷装置において上流側及び下流側当接ローラがプラテンローラ側に移動して上流側及び下流側保持手段が作用した際の一次転写部周辺の正面図である。
符号の説明
1…中間転写型熱転写印刷装置、20…プラテンローラ、21…サーマルヘッド、23…ヒートローラ、31…上流側当接ローラ、32…下流側当接ローラ、40…移動手段、50…上流側保持手段、51…第1の本体部、53,63…カム、54…第1の調整ねじ、56…第1の保持部、60…下流側保持手段、61…第2の本体部、64…第2の調整ねじ、66…第2の保持部、S…カード(記録媒体)、F…フィルム、R…インクリボン、P…熱転写位置、CL…中心軸線、L1…第1の軸線、L2…第2の軸線。

Claims (3)

  1. プラテンローラにより送られるフィルムに対しサーマルヘッドによりインクリボンを接触させて前記フィルム上に画像を熱転写した後、記録媒体に対しヒートローラにより前記フィルムを接触させて前記記録媒体の表面に前記画像を熱転写する中間転写型熱転写印刷装置において、
    前記サーマルヘッド側と前記プラテンローラ側との間を移動自在であり、前記プラテンローラ側に移動した際に、前記フィルム上に前記画像が熱転写される熱転写位置の上流側において前記フィルムを介在させて前記プラテンローラに押し当てられる上流側当接ローラと、
    前記サーマルヘッド側と前記プラテンローラ側との間を移動自在であり、前記プラテンローラ側に移動した際に、前記熱転写位置の下流側において前記フィルムを介在させて前記プラテンローラに押し当てられる下流側当接ローラと
    前記プラテンローラの中心軸線と略平行な第1の軸線を中心として揺動自在であり、前記プラテンローラ側に傾動した際に、前記上流側当接ローラを保持して前記プラテンローラ側に押圧する上流側保持手段と、
    前記プラテンローラの中心軸線と略平行な第2の軸線を中心として揺動自在であり、前記プラテンローラ側に傾動した際に、前記下流側当接ローラを保持して前記プラテンローラ側に押圧する下流側保持手段とを備えることを特徴とする中間転写型熱転写印刷装置。
  2. 前記上流側当接ローラ及び前記下流側当接ローラは、前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとが対向する方向に沿って進退自在な移動手段に連結されていることを特徴とする請求項1記載の中間転写型熱転写印刷装置。
  3. 前記上流側保持手段は、
    前記第1の軸線を中心として揺動自在であり、カムにより前記プラテンローラ側に傾動させられる第1の本体部と、
    前記第1の軸線を中心として揺動自在であり、前記プラテンローラ側に傾動した際に、前記プラテンローラの両端部において前記上流側当接ローラを保持する一対の第1の保持部と、
    前記第1の本体部に螺合され、前記第1の本体部が前記プラテンローラ側に傾動した際に、前記第1の保持部のそれぞれを前記プラテンローラ側に押圧する一対の第1の調整ねじとを有し、
    前記下流側保持手段は、
    前記第2の軸線を中心として揺動自在であり、カムにより前記プラテンローラ側に傾動させられる第2の本体部と、
    前記第2の軸線を中心として揺動自在であり、前記プラテンローラ側に傾動した際に、前記プラテンローラの両端部において前記下流側当接ローラを保持する一対の第2の保持部と、
    前記第2の本体部に螺合され、前記第2の本体部が前記プラテンローラ側に傾動した際に、前記第2の保持部のそれぞれを前記プラテンローラ側に押圧する一対の第2の調整ねじとを有することを特徴とする請求項1又は2記載の中間転写型熱転写印刷装置。
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