JP4252201B2 - 熱転写ラインプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラインサーマルヘッドによってマルチカラーインクフィルムのインクを中間転写媒体に転写して一次画像を形成し、この一次画像を再転写手段によって被転写媒体に再転写することにより、被転写媒体に画像を形成する中間転写方式の画像形成に好適な熱転写ラインプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ラインサーマルヘッドによってマルチカラーインクフィルムのインクを中間転写媒体に転写して一次画像を形成し、この一次画像を再転写手段によって被転写媒体に再転写することにより、被転写媒体に画像を形成する中間転写方式の熱転写ラインプリンタが、CD、カード類などの多種多様の被転写媒体に画像を容易に形成することができ、しかも、高印字品質、低騒音、低コスト、メンテナンスが容易であるなどの理由により、コンピュータ、ワードプロセッサなどの出力装置として多用されている。
【0003】
このような従来の熱転写ラインプリンタにおいては、一次画像形成部において、ラインサーマルヘッドを、インクフィルムおよび中間転写媒体をこの順に介してプラテンローラと当接させたヘッドダウン状態とし、この状態でインクフィルムおよび中間転写媒体を搬送しつつ、印刷情報(画像形成情報)に基づいてラインサーマルヘッドの発熱素子を選択的に発熱させることにより、インクフィルムに担持させたインクを部分的に溶融あるいは昇華させて中間転写媒体上に転写して、中間転写媒体上に1画面(1頁)分の一次画像としての反転画像を形成し、その後、中間転写媒体を搬送して中間転写媒体上に形成された一次画像を、再転写位部の直前まで搬送し、その後、中間転写媒体に形成した位置決めマークを用いて一次画像と被転写媒体との位置合わせを行った後、再転写部において、加熱ローラなどからなる再転写手段の熱および圧力を用いることにより、中間転写媒体上に形成された一次画像を溶融あるいは昇華させて被転写媒体上に一次画像を転写(再転写)して定着させることにより、被転写媒体に所望の画像を形成(印刷)するようになっている。
【0004】
この時、被転写媒体に1色の単色画像を形成する場合には、1パスで画像を形成することができる。
【0005】
これに対して被転写媒体に多色画像を形成する場合には、インクフィルムとして、複数色のインク領域を長手方向に対して異なる色を隣接させて繰返し配置したマルチカラーインクフィルムを用い、このマルチカラーインクフィルムに担持されている最初の色のインクによる反転画像を中間転写媒体上に形成した後、ラインサーマルヘッドをプラテンから離間させたヘッドアップ状態とし、この状態で中間転写媒体を逆方向に搬送(フィードバック)して、最初の色のインクにより形成した反転画像を転写位置に戻す頭出しをしてから、次の色の反転画像を最初の色の反転画像に重ねるように転写する、いわゆるスイングバック方式で多色の一次画像を形成している。
【0006】
具体的には、フルカラー画像を形成する場合、例えば、K(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の4色のインクにより形成された4色のインク領域を長手方向に対して異なる色を隣接させるようにこの順に繰返し配置するとともに、各インク領域の境界部分に色判別マークを設けたマルチカラーインクフィルムを用いてフルカラーの画像の形成が行われる。
【0007】
すなわち、最初にマルチカラーインクフィルムのK色(黒色)のインク領域を用いて中間転写媒体に1画面分のK色の反転画像の形成を行い、ついで、一次画像形成動作によって搬送された中間転写媒体をフィードバックさせて中間転写媒体に形成したK色の反転画像の頭出しを行うとともに、マルチカラーインクフィルムのK色に隣位するY色(黄色)のインク領域の頭出しを行ってマルチカラーインクフィルムのY色インク領域を用いて、前記中間転写媒体に形成した1画面分のK色の反転画像の上にY色の1画面分の反転画像を重ねるように形成し、以下同様にM色(赤紫色)のインク領域、C色(青緑色)のインク領域の順に中間転写媒体に反転画像を重ねることにより、中間転写媒体上に1画面分のフルカラーの一次画像を形成するようになっている。
【0008】
なお、従来の位置決めマークは、中間転写媒体上に予め形成したり、中間転写媒体に一次画像を形成する際に一次画像と同時に形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のインクフィルムを用いた熱転写ラインプリンタにおいては、中間転写媒体に形成される位置決めマークに起因して各種の問題点があった。
【0010】
例えば、図9に示すように、位置決めマーク1を中間転写媒体2上に予め形成する構成とした場合には、位置決めマーク1を基準として中間転写媒体2上に一次画像の形成(転写:中間転写)が行われ、さらに同一の位置決めマーク1を基準として中間転写媒体2上に形成された一次画像が被転写媒体と位置が合うように制御されて再転写されることになる。このため、例えば、図10に示すように、インクフィルムのインクを中間転写媒体2に転写して中間転写媒体2上に一次画像3を形成する中間転写時には、位置決めマーク1を基準としてインクの転写開始位置TPが設定されることになる。
【0011】
しかしながら、位置決めマーク1を検出するセンサの精度と、インクフィルムおよび中間転写媒体2を搬送する搬送精度との累積などにより、本来の転写開始位置TPに対して、実際の転写開始位置TP1がずれるという位置誤差(位置ずれ)ΔAが生じる。この位置誤差ΔAは、転写開始位置TPに対してプラス方向(図10において右側)に生じる場合と、マイナス方向(図10において左側)に生じる場合とがある。
【0012】
さらに、図11に示すように、中間転写媒体2上に形成された一次画像3を被転写媒体4に再転写して被転写媒体4に画像5を形成する再転写時には、同一の位置決めマーク1を基準として中間転写媒体2に対する被転写媒体4の重ね合わせの基準となる重ね位置OPが設定されることになる。
【0013】
しかしながら、位置決めマーク1を検出するセンサの精度と、中間転写媒体2および被転写媒体4を搬送する搬送精度との累積などにより、本来の重ね位置OPに対して、実際の重ね位置OP1がずれるという位置誤差(位置ずれ)ΔBが生じる。この位置誤差ΔBは、重ね位置OPに対してプラス方向(図11において右側)に生じる場合と、マイナス方向(図11において左側)に生じる場合とがある。
【0014】
したがって、中間転写時の位置誤差ΔAと再転写時の位置誤差ΔBとが累積されることになるため、被転写媒体4に形成される画像5の位置が、本来あるべき所望の画像5の位置に対して大きくずれてしまう。
【0015】
さらに、位置決めマーク1を予め中間転写媒体2上に形成した場合には、中間転写媒体2形成する一次画像3のサイズが、被転写媒体4に形成可能な画像形成領域の最大サイズより小さい場合であっても、位置決めマーク1の間隔は、被転写媒体4に形成可能な画像形成領域が基準となるため、例えば、図12に示すように、一次画像3のサイズを被転写媒体4に形成可能な画像形成領域6の最大サイズのほぼ半分とした場合、位置決めマーク1を無視した場合には、中間転写媒体2上に、次に形成する一次画像3の位置を図12において斜線領域にて示す位置とすることで、中間転写媒体2の使用量を少なくすることができるが、従来の位置決めマーク1を基準とした場合には、位置決めマーク1と転写開始位置TP(図10参照)との間隔が常に一定とされており、次の一次画像3を形成する場合、最初の一次画像3と同様に、次の位置決めマーク1を基準としているため、図12において黒塗り領域にて示すように次の一次画像3が形成されることになる。したがって、中間転写媒体2の使用量を一次画像3、すなわち被転写媒体4に形成する画像5の大きさに合わせて制御することができず、中間転写媒体2の使用効率がよくない。
【0016】
また、中間転写時に、位置決めマーク1Aを一次画像3と同時に形成する構成とした場合には、前述した一次画像3を形成する際の位置誤差ΔAをなくすことはできるものの、例えば、図13に示すように、画像形成領域6を外れた中間転写媒体2の長手方向の外側に位置決めマーク1を形成する必要がある。
【0017】
このため、図14に示すように、インクフィルム7としては、少なくとも最大サイズの画像形成領域6と同一サイズのインク領域8に加えて、位置決めマーク1を形成するために用いる専用のマーク転写用インク領域9が必要となる。
【0018】
この場合、インクフィルム7としてフルカラーの画像を形成することのできるマルチカラーインクフィルム7aを用い、マルチカラーインクフィルム7aのK色、Y色、M色、C色のインクをこの順に重ねて1画面分の一次画像3を形成するとした場合、図15に示すように、マルチカラーインクフィルム7aは、K色インク領域8K、Y色インク領域8Y、M色のイク領域8M、C色インク領域8Cの4色のインク領域8と、これらのインク領域8の境界部分に形成される4色のインク領域8の色を判別するのに用いられる色判別マーク10(10K,10Y,10M,10C)と、最初の反転画像の形成に用いるK色インク領域8Kの手前(インクフィルム7の搬送方向の先頭側)に配設される位置決めマーク1を形成するためのインクを担持させたマーク転写用インク領域9とを1組とし、これらを長手方向に繰り返し配置する構成になる。その結果、マルチカラーインクフィルム7aの長さを一定とした場合、インク領域8の数、すなわち得られる画像5の数が少なくなり、マルチカラーインクフィルム7aのランニングコストが増加する。
【0019】
さらにまた、位置決めマーク1を画像形成領域6を外れた外側の他の位置、例えば、図16に示すように、中間転写媒体2に形成可能な最大サイズの画像形成領域6を外れた中間転写媒体2の幅方向の外側に形成する構成とした場合には、図17に示すように、インクフィルム7として、少なくとも画像形成に用いるためのインク領域8に加えて、位置決めマーク1を形成するために用いるマーク転写用インク領域9が少なくともインクフィルム7の幅方向の一端側に必要となる。この場合、インクフィルム7としてマルチカラーインクフィルム7aを用い、マルチカラーインクフィルム7aのK色、Y色、M色、C色のインクをこの順に重ねて1画面分の一次画像3を形成するとした場合、図18に示すように、マルチカラーインクフィルム7aは、K色インク領域8K、Y色インク領域8Y、M色インク領域8M、C色インク領域8Cの4色のインク領域8と、これらのインク領域8の境界部分に形成される4色のインク領域8の色を判別するのに用いられる色判別マーク10(10K,10Y,10M,10C)と、最初の反転画像の形成に用いるK色インク領域8Kの図18において上側に示す幅方向一端部側に配設される位置決めマーク1を形成するためのインクを担持させたマーク転写用インク領域9とを1組とし、これらを長手方向に繰り返し配置する構成になる。その結果、マルチカラーインクフィルム7aの幅方向のサイズを必要以上に大きくせざるを得ない。
【0020】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、中間転写媒体に一次画像を形成する際に、位置決めマークを一次画像と同時に形成することができ、しかも、マルチカラーインクフィルムの幅を大きくすることなくランニングコストを低減することのできる熱転写ラインプリンタを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため本発明に係る熱転写ラインプリンタの特徴は、複数色のインク領域を長手方向に対して異なる色を隣接させて繰返し配置されるとともに、前記各インク領域の境界部分に前記各インク領域の色を判別するための色判別マークが中間転写媒体に転写可能なインクにより形成されているマルチカラーインクフィルムを搬送するためのフィルム送出しロールおよびフィルム巻取りロールと、前記中間転写媒体を搬送するための中間転写媒体送出しロールおよび中間転写媒体巻取りロールと、前記中間転写媒体に前記マルチカラーインクフィルムのインクを転写して一次画像を形成するためのラインサーマルヘッドと、前記一次画像を被転写媒体に再転写するための再転写手段とを備え、前記ラインサーマルヘッドによって前記中間転写媒体に前記マルチカラーインクフィルムのインクを転写して一次画像を形成し、この一次画像を前記再転写手段によって被転写媒体に再転写することにより、前記被転写媒体に画像を形成する中間転写方式の熱転写ラインプリンタであって、記中間転写媒体に一次画像を形成する際に、前記マルチカラーインクフィルムの色判別マークを形成するインクを前記中間転写媒体に転写して再転写時の位置基準となる位置決めマークを、前記ラインサーマルヘッドの発熱素子の配列方向を横方向として横長な複数の線状の線マークとし、かつ、これらの線マークを横方向同列に整列配置するように形成するマーク形成部と、前記ラインサーマルヘッドと前記再転写手段との間に位置する前記中間転写媒体の搬送経路に臨むように配設され、前記位置決めマークを構成する複数の線マークのそれぞれを個別に検出する検出手段と記検出手段によって前記各線マークの通過時間の差を検出し、この通過時間の差が予め設定された閾値以内の場合には再転写動作を実行し、前記通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には前記中間転写媒体を逆方向に搬送してから再び前記中間転写媒体を搬送する再動作を実行する搬送制御部を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ラインサーマルヘッドによって色判別マークを中間転写媒体に転写することができるので、中間転写媒体に一次画像を形成する際に、位置決めマークを一次画像と同時に形成することができるとともに、マルチカラーインクフィルムに位置決めマークを形成する専用のインク領域を設けずとも、中間転写時に色判別マークを用いて位置決めマークを形成することができるので、マルチカラーインクフィルムのランニングコストを低減できる。さらに、ラインサーマルヘッドを用いて中間転写媒体に位置決めマークを効率よくかつ容易に形成することができるとともに、位置決めマークを再転写時における中間転写媒体の搬送姿勢の検出に用いることができる。さらにまた、中間転写媒体に形成した位置決めマークを検出手段で検出することで、中間転写媒体の搬送姿勢を容易に検出することができるとともに、中間転写媒体の搬送姿勢が適正な範囲にある場合には再転写動作を実行して被転写媒体に形成する画像の位置精度を向上でき、中間転写媒体の搬送姿勢が適正な範囲にない場合には中間転写媒体の搬送動作を自動的に再実行できる。
【0022】
また、本発明に係る他の熱転写ラインプリンタの特徴は、複数色のインク領域を長手方向に対して異なる色を隣接させて繰返し配置されるとともに、前記各インク領域の境界部分に前記各インク領域の色を判別するための色判別マークが中間転写媒体に転写可能なインクにより形成されているマルチカラーインクフィルムを搬送するためのフィルム送出しロールおよびフィルム巻取りロールと、前記中間転写媒体を搬送するための中間転写媒体送出しロールおよび中間転写媒体巻取りロールと、前記中間転写媒体に前記マルチカラーインクフィルムのインクを転写して一次画像を形成するためのラインサーマルヘッドと、前記一次画像を被転写媒体に再転写するための再転写手段とを備え、前記ラインサーマルヘッドによって前記中間転写媒体に前記マルチカラーインクフィルムのインクを転写して一次画像を形成し、この一次画像を前記再転写手段によって被転写媒体に再転写することにより、前記被転写媒体に画像を形成する中間転写方式の熱転写ラインプリンタであって、記中間転写媒体に一次画像を形成する際に、前記マルチカラーインクフィルムの色判別マークを形成するインクを前記中間転写媒体に転写して再転写時の位置基準となる位置決めマークを、前記ラインサーマルヘッドの発熱素子の配列方向を横方向として横長な複数の線状の線マークとし、かつ、これらの線マークを横方向同列に整列配置したものをさらに縦方向に複数列配置するように形成するマーク形成部と、前記ラインサーマルヘッドと前記再転写手段との間に位置する前記中間転写媒体の搬送経路に臨むように配設され、前記位置決めマークを構成する複数の線マークのそれぞれを縦方向毎に個別に検出する検出手段と記検出手段によって、前記各線マークのうちの横方向毎に、予め設定された通過順位に位置する線マークの通過時間の差を検出し、この通過時間の差が予め設定された閾値以内の場合には再転写動作を実行し、前記通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には前記中間転写媒体を逆方向に搬送してから再び前記中間転写媒体を搬送する再動作を実行する搬送制御部を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ラインサーマルヘッドによって色判別マークを中間転写媒体に転写することができるので、中間転写媒体に一次画像を形成する際に、位置決めマークを一次画像と同時に形成することができるとともに、マルチカラーインクフィルムに位置決めマークを形成する専用のインク領域を設けずとも、中間転写時に色判別マークを用いて位置決めマークを形成することができるので、マルチカラーインクフィルムのランニングコストを低減できる。さらに、ラインサーマルヘッドを用いて中間転写媒体に位置決めマークを効率よくかつ容易に形成することができるとともに、位置決めマークを再転写時における中間転写媒体の搬送姿勢の検出に用いることができる。さらにまた、中間転写媒体に形成した位置決めマークを検出手段で検出することで、中間転写媒体の搬送姿勢を容易に検出することができるとともに、中間転写媒体の搬送姿勢が適正な範囲にある場合には再転写動作を実行して被転写媒体に形成する画像の位置精度を向上でき、中間転写媒体の搬送姿勢が適正な範囲にない場合には中間転写媒体の搬送動作を自動的に再実行できる。
【0024】
そして、マーク形成部は、マルチカラーインクフィルムの色判別マークのうちの最初に用いられる色の色判別マークを用いて位置決めマークを形成するように構成されていることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、位置決めマークを一次画像と同時に効率よく形成することができるとともに、マルチカラーインクフィルムのランニングコストをより低減できる。
【0026】
また、マーク形成部は、位置決めマークを複数箇所に形成するように構成されていることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、位置決めマークを再転写時における中間転写媒体の搬送姿勢の検出に用いることができる。
【0031】
また、搬送制御部は、再動作を複数回繰り返し、その後通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には中間転写媒体の搬送動作を停止するように構成されていることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、中間転写媒体の搬送姿勢が適正でない場合、操作者の手を煩わすことなく自動停止できる。
【0032】
エラーを操作者に認識させるための警告手段が設けられており、前記搬送制御部は、前記中間転写媒体の搬送動作を停止した際に、前記警告手段を駆動するように構成されていることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、停止したことを操作者に容易に認識させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0034】
まず、本発明に係る熱転写ラインプリンタに用いるマルチカラーインクフィルムの実施形態について説明する。
【0035】
図1および図2は本発明に係る熱転写ラインプリンタに用いるマルチカラーインクフィルムの実施形態を示すものであり、図1は要部を示す正面図、図2は色判別マークの他例を示す正面図である。
【0036】
本実施形態のマルチカラーインクフィルムは、フルカラーの画像形成を行うため黒(ブラック:K)、黄(イエロー:Y)、赤紫(マゼンタ:M)および青緑(シアン:C)の4色からなるインク領域を設けた構成を例示している。
【0037】
図1に示すように、本実施形態のマルチカラーインクフィルム21は、長尺に形成されたベースフィルム22の一面上に、K色、Y色、M色、C色の4色のインク領域23(符号23は、K色インク領域23K、Y色インク領域23Y、M色インク領域23M、C色インク領域23Cを総称する)が間隔をおいて長手方向に対して異なる色を隣接させてた状態で1組とされ、これらが繰返し配置されている。これらのインク領域23は、後述する中間転写媒体35(図3、図5)に反転画像からなる一次画像61(図5)を形成する中間転写時に、K色インク領域23K、Y色インク領域23Y、M色のンク領域23M、C色インク領域23Cの順に使用に供されるようになっている。
【0038】
前記各インク領域23の境界部分には、色の判別と頭出しとを行うための色判別マーク24(符号24は、K色インク領域23Kを判別する色判別マーク24K、Y色インク領域23Yを判別する色判別マーク24Y、M色インク領域23Mを判別する色判別マーク24M、C色インク領域23Cを判別する色判別マーク24Cを総称する)が形成されている。これらの色判別マーク24は、それぞれのインク領域23の図1において左側に示す搬送方向の先頭側に配設されている。これらの色判別マーク24は、マルチカラーインクフィルム21の長手方向に対して直交する幅方向に沿って延在するバーコード様に形成されている。
【0039】
また、各色判別マーク24のうちの少なくともK色インク領域23Kの色の判別に用いられる色判別マーク24Kは、K色インク領域23Kを形成するインクと同一の黒色インクにより形成されているとともに、後述する位置決めマーク60(図5)を形成するのに必要な形状、本実施形態においてはマルチカラーインクフィルム21の幅方向の両側に設けられた2つのべた黒部24Kaと、これらのべた黒部24Kaに両端が接続された太さの異なる複数の線により形成されたバーコード部24Kbとを有する形状に形成されている。
【0040】
なお、色判別マーク24Kの形状としては、図示しないセンサにより判別が容易で、しかも、位置決めマーク60を形成するのに必要な形状であればよく、特に本実施形態の色判別マーク24Kの形状に限定されるものではない。例えば、図2に示すように、色判別マーク24Kを、幅方向に延在する2つの太いべた黒部24Kaを僅かな隙間を隔てて隣接させた構成としてもよい。
【0041】
すなわち、本実施形態におけるマルチカラーインクフィルム21は、色判別マーク24を、中間転写媒体35に転写可能なインクにより形成するとともに、この色判別マーク24を再転写時の位置基準となる位置決めマーク60としても使用可能(転写可能)に形成されている。また、位置決めマーク60として使用する色判別マーク24が、複数色のインク領域23のうちの、中間転写媒体35に一次画像61を形成する際に最初に用いられる色(インク領域23K)の色判別マーク24Kとされている。
【0042】
なお、マルチカラーインクフィルム21としては、多色の画像を形成できるものであればよく、2色のインク領域23と、インク領域23の数と同一数の中間転写媒体35に転写可能なインクにより形成され、かつ位置決めマーク60としても使用可能な形状とされた色判別マーク24を具備する構成であればよい。
【0043】
このような構成のマルチカラーインクフィルム21によれば、位置決めマーク60を形成する専用のインク領域を設けずとも、中間転写時に色判別マーク24Kを用いて位置決めマーク60を形成することができるので、ランニングコストを低減できる。
【0044】
つぎに、本発明に係る熱転写ラインプリンタの実施形態について説明する。
【0045】
図3から図6は本発明に係る熱転写ラインプリンタの実施形態を示すものであり、図3は要部の構成を示す正面図、図4は制御手段の要部構成を示すブロック図、図5は位置決めマークの一例を示す平面図、図6は位置決めマークの他例を示す平面図である。
【0046】
本実施形態の熱転写ラインプリンタは、フルカラーの画像の形成ができるように、前述した実施形態のマルチカラーインクフィルム21を備えたものを例示している。
【0047】
図3に示すように、本実施形態の熱転写ラインプリンタ31のプリンタ本体31a内には、プラテンローラ32が回転自在に配設されている。このプラテンローラ32は、ステッピングモータなどのプラテン駆動モータ33(図4)の駆動力の伝達を受けて回転駆動可能に形成されている。このプラテン駆動モータ33は、後述する各部の動作を制御する制御手段55(図4)に電気的に接続されており、制御手段55から送出される制御指令に基づいて停止、起動、駆動速度(回転速度)などを制御できるようになっている。
【0048】
前記プラテンローラ32の図3左方に示す左側には、プラテンローラ32に対して接離自在とされたラインサーマルヘッド34が、その印刷面34aをプラテンローラ32の外周面と対向するようにして配設されている。このラインサーマルヘッド34は、プラテンローラ32の軸方向と平行な方向に延在している。さらに、ラインサーマルヘッド34の印刷面34aには、図3において矢印Aにて示すマルチカラーインクフィルム21および中間転写媒体35の搬送方向に対して直交する方向における寸法に相当する長さに亘って複数の発熱素子(図示せず)が整列配置されている。この発熱素子の形成長さは、被転写媒体36に形成する画像62(図5)の搬送方向に対して直交する方向のサイズより長く形成されている。また、ラインサーマルヘッド34は、後述する制御手段55(図4)に電気的に接続されており、各発熱素子は、印刷情報(画像形成情報)に基づいて制御手段55から送出される制御指令によって選択的に発熱されるようになっている。
【0049】
前記ラインサーマルヘッド34は、ヘッド接離モータ37(図4)の駆動力をもって動作する図示しないヘッド接離機構により、少なくとも図3において破線にて示すプラテンローラ32から離間したヘッドアップ状態をなすヘッドアップ位置と、図3において実線にて示すプラテンローラ32に圧接したヘッドダウン状態をなすヘッドダウン位置との2位置を選択的に取り得るように形成されている。そして、ヘッド接離モータ37は、後述する各部の動作を制御する制御手段55(図4)に電気的に接続されており、制御手段55から送出される制御指令に基づいて所定のタイミングでラインサーマルヘッド34の位置が制御されるようになっている。
【0050】
前記プラテンローラ32とラインサーマルヘッド34との間には、ラインサーマルヘッド34側から順に、マルチカラーインクフィルム21と中間転写媒体35とが供給されるようになっている。
【0051】
一方のマルチカラーインクフィルム21は、プリンタ本体31a内の図3左上角部近傍に配設されたフィルム送出しロール38と、その下方に配設されたフィルム巻取りロール39との間に巻回されている。そして、少なくともフィルム巻取りロール39を、ステッピングモータなどの制御モータからなるフィルム搬送モータ40(図4)の駆動力をもって回転駆動させることで、マルチカラーインクフィルム21は、フィルム送出しロール38から繰り出され、フィルム巻取りロール39に巻き取られるように構成されている。また、フィルム送出しロール38から繰り出されるマルチカラーインクフィルム21は、プリンタ本体31a内に回転自在に配設された複数、本実施形態においては4つのガイドロール41a,41b,41c,41dをこの順に経てフィルム巻取りロール39に巻き取られるように、搬送経路および搬送方向(図3において矢印Aにて示す)が制御されている。さらに、マルチカラーインクフィルム21の搬送経路は、インク領域23が形成されていない背面側がラインサーマルヘッド34と対向するように形成されている。そして、フィルム搬送モータ40は、後述する各部の動作を制御する制御手段55(図4)に電気的に接続されており、制御手段55から送出される制御指令に基づいて停止、起動、駆動速度(回転速度)などが制御されるようになっている。
【0052】
他方の中間転写媒体35は、プリンタ本体31a内のフィルム送出しロール38の右側近傍に配設された中間転写媒体送出しロール42と、プリンタ本体31a内の図3右上角部近傍に配設された中間転写媒体巻取りロール43との間に巻回されている。そして、少なくとも中間転写媒体巻取りロール43を、中間転写媒体搬送モータ44(図4)の駆動力をもって回転駆動させることで、中間転写媒体35は、中間転写媒体送出しロール42から繰り出され、中間転写媒体巻取りロール43に巻き取られるように構成されている。また、中間転写媒体送出しロール42から繰り出される中間転写35は、プリンタ本体31a内に回転自在に配設された複数、本実施形態においては2つのガイドロール41e,41bをこの順に介してからプラテンローラ32の外周に沿い、その後、プリンタ本体31a内に回転自在に配設された複数、本実施形態においては3つのガイドロール41f,41g,41hをこの順に経て中間転写媒体巻取りロール43に巻き取られるように、搬送経路および搬送方向(図3において矢印Aにて示す)が制御されている。さらに、中間転写媒体35は、ガイドロール41bとプラテンローラ32との間において、マルチカラーインクフィルム21と重なるように搬送経路が形成されており、この部位においては、中間転写媒体35がマルチカラーインクフィルム21のインク領域と23に対向し得るように構成されている。
【0053】
前記中間転写媒体送出しロール42は、中間転写媒体逆搬送モータ45(図4)の駆動力をもって逆回転駆動可能に形成されており、中間転写媒体逆搬送モータ45を駆動することで、中間転写媒体35を、図3において矢印Bにて示すように、中間転写媒体巻取りロール43から中間転写媒体送出しロール42に向かって搬送経路を逆搬送することができるように構成されている。
【0054】
前記中間転写媒体搬送モータ44および中間転写媒体逆搬送モータ45は、後述する各部の動作を制御する制御手段55(図4)に電気的に接続されており、制御手段55から送出される制御指令に基づいて停止、起動、駆動速度(回転速度)などが制御されるようになっている。
【0055】
また、本実施形態における中間転写媒体35には、ポリエチレンテレフタート(PET)を素材とする長尺で透明な樹脂フィルムあるいは樹脂シート、または前記フィルムあるいはシートに後の再転写を良好にするための素材をコーティングしたものが使用されている。さらに、このような中間転写媒体35は、図3において矢印Aにて示す搬送方向に対して直交する幅方向のサイズが、マルチカラーインクフィルム21の幅方向のサイズとほぼ同一寸法に形成されたものが用いられている。この中間転写媒体35としては、マルチカラーインクフィルム21のインクが転写可能で、かつ、中間転写媒体35に転写したインクを、被転写媒体36に再転写可能なものであればよく、その素材としては、薄紙類、樹脂フィルムなどの多種多様のものから選択使用できる。
【0056】
前記プラテンローラ32とラインサーマルヘッド34とにより、本実施形態のマルチカラーインクフィルム21のインクを中間転写媒体35に転写して、反転画像からなる一次画像を中間転写媒体35に形成する一次画像形成部46が構成されている。
【0057】
また、プラテンローラ32に対してラインサーマルヘッド34が所定の当接力をもって圧接した図3において実線にて示すヘッドダウン状態におけるラインサーマルヘッド34とプラテンローラ32との当接位置が、マルチカラーインクフィルム21のインクを中間転写媒体35に転写して、反転画像からなる一次画像61を中間転写媒体35に形成する中間転写位置PP1とされている。
【0058】
なお、中間転写位置PP1より搬送方向の上流側には、マルチカラーインクフィルム21の色判別マーク24を検出するための図示しないセンサ、および、マルチカラーインクフィルム21の4色のインク領域23を重ねて1画面分の一次画像61を形成する際の最初の色の一次画像61の形成時に形成される位置決めマーク60を検出するための図示しないセンサとが配設されており、これらのセンサによって、4色のインク領域23と位置決めマーク60を検出することで、各色のインク領域23と一次画像61との重ね合わせ位置である転写開始位置の位置誤差をなくすことができるように形成されている。
【0059】
前記一次画像形成部46より搬送方向の下流側、詳しくは、プラテンローラ32の配設位置より図3右方には、再転写手段としての加熱ローラ47が中間転写媒体35の搬送経路に臨むようにして配設されている。この加熱ローラ47は、中間転写媒体35の搬送経路の一部を構成する2つのガイドロール41f,41gの間に配設されている。そして、加熱ローラ47は、ステッピングモータなどの加熱ローラ駆動モータ48(図4)の駆動力の伝達を受けて回転駆動可能に形成されている。また、加熱ローラ47は、加熱ローラ接離モータ49(図4)の駆動力をもって動作する図示しないローラ接離機構によって、少なくとも図3において破線にて示す中間転媒体35から離間した離間状態をなす離間位置と、図3において実線にて示す中間転写媒体35に圧接した圧接状態をなす圧接位置との2位置を選択的に取り得るように形成されている。そして、加熱ローラ接離モータ49は、後述する各部の動作を制御する制御手段55(図4)に電気的に接続されており、制御手段55から送出される制御指令に基づいて所定のタイミングで加熱ローラ47の位置が制御されるようになっている。
【0060】
前記加熱ローラ47の下方には、中間転写媒体35を間において被転写媒体36、本実施形態においてはコンパクトディスク(CD)が供給されるようになっている。この被転写媒体36は、平板状に形成された移動台50の上面に載置されており、移動台搬送動モータ51(図4)の駆動力をもって移動台50を図3において両矢印Cにて示す左右方向に往復移動可能に形成されている。そして、移動台搬送モータ51の駆動力をもって移動台50を往復移動させることにより、被転写媒体36を少なくとも図3において実線にて示す供給・取出位置SPと、図3において破線にて示す再転写待機位置WPとの2位置の間を往復移動可能に構成されている。また、移動台搬送モータ51は、後述する各部の動作を制御する制御手段55(図4)に電気的に接続されており、制御手段55から送出される制御指令に基づいて停止、起動、駆動速度(回転速度)などが制御されるようになっている。なお、被転写媒体36は、図3において実線にて示す供給・取出位置SPにおいて、プリンタ本体31aの外部に露出しており、被転写媒体36の移動台50への供給と、移動台50からの取り出しとが容易に実行できるように構成されている。
【0061】
前記被転写媒体36としては、CDに限らず、例えば、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、観賞券、入場券、チケット、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、葉書、名刺、ICカード、光ディスク、カレンダー、ポスター、パンフレット、装身具、文房具、文具などの各種のものを例示できる。また、被転写媒体36の素材としては、再転写時の熱により変形しないものであればよく、紙、樹脂、ガラス、金属、セラミックス、布などの各種のものを例示できる。
【0062】
前記加熱ローラ47により、本実施形態の中間転写媒体35に形成した一次画像61を被転写媒体36に再転写して、被転写媒体36に画像62を形成(印刷)する再転写部52が構成されている。
【0063】
また、被転写媒体36に対して加熱ローラ47が所定の当接力をもって圧接した図3において実線にて示す圧接位置が、中間転写媒体35に形成した一次画像61を被転写媒体36に再転写して、被転写媒体36に画像62を形成する再転写位置PP2とされている。
【0064】
前記ラインサーマルヘッド34と前記加熱ローラ47との間、すなわち、中間転写位置PP1と再転写位置PP2との間には、中間転写媒体35に形成された後述する位置決めマーク60を検出するための検出手段としての光センサ(反射型光センサ)53が中間転写媒体35の搬送経路に臨むようにして配設されている。
【0065】
本実施形態においては、後述するように、位置決めマーク60が、ラインサーマルヘッド34の発熱素子の配列方向を横方向として横長な2つの線状の線マーク60a,60bとし、かつ、これらの線マーク60a,60bを横方向同列に整列配置するように構成されているため、2つの光センサ53a,53bを中間転写媒体35の搬送方向に対して直交する横方向同列に整列配置するように形成されている。これらの光センサ53は、後述する各部の動作を制御する制御手段55(図4)に電気的に接続されており、位置決めマーク60の検出信号を制御手段55に送出することができるようになっている。
【0066】
なお、本実施形態における光センサ53の配設位置は、中間転写媒体35の搬送経路の上方、すなわち、中間転写媒体35の一次画像61および位置決めマーク60が転写される面と反対側に位置する裏面に対向するようにして配設し、透明な中間転写媒体35を透過して位置決めマーク60を検出するように構成したが、中間転写媒体35が不透明な場合などにおいては、例えば、中間転写媒体35の搬送経路の下方、すなわち、中間転写媒体35の一次画像61および位置決めマーク60が形成された面に対向するようにして配設するとよい。但し、この場合には、光センサ53を被転写媒体36と干渉しない位置に配設することが肝要である。
【0067】
図4に示すように、本実施形態の熱転写ラインプリンタ31は、各部の動作を制御する制御手段55を有しており、この制御手段55には、少なくともCPU56と、適宜な容量のROM、RAMなどにより形成されたメモリ57とを有している。この制御手段55には、少なくとも前記プラテン駆動モータ33、ラインサーマルヘッド34、ヘッド接離モータ37、フィルム搬送モータ40、中間転写媒体搬送モータ44、中間転写媒体逆搬送モータ45、加熱ローラ接離モータ49、移動台搬送モータ51、光センサ53a,53b、エラーを操作者に認識させるための表示灯あるいはブザーなどにより形成される警告手段54および図示しない電源スイッチや印刷動作にかかわる公知の各種のスイッチ類などが電気的に接続されている。また、前記プラテン駆動モータ33、ラインサーマルヘッド34、ヘッド接離モータ37、フィルム搬送モータ40、中間転写媒体搬送モータ44、中間転写媒体逆搬送モータ45、加熱ローラ接離モータ49および移動台搬送モータ51などは、それぞれを駆動するためのコントローラとも称される図示しない専用の駆動回路を介して接続されている。
【0068】
本実施形態のメモリ57は、少なくともマーク形成部58と、搬送制御部59とを有している。
【0069】
本実施形態のマーク形成部58には、一次画像61を形成する中間転写時に、マルチカラーインクフィルム21の色判別マーク24のうちの最初に用いられる色の色判別マーク24Kを用いて位置決めマーク60を形成するとともに、この位置決めマーク60を、ラインサーマルヘッド34の発熱素子の配列方向を横方向として横長な2本の線状の線マーク60a,60bとし、かつ、これらの線マーク60a,60bを横方向同列に整列配置するプログラムが格納されている。このマーク形成部58の制御動作により、中間転写媒体35上に形成された位置決めマーク60としての2つの線マーク60a,60bの一例を図5に示す。
【0070】
本実施形態の搬送制御部59には、検出手段としての2つの光センサ53a,53bによって、各線マーク60a,60bの通過時間の差を検出し、この通過時間の差が予め設定された閾値以内の場合には再転写動作を指示する制御指令を送出し、通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には中間転写媒体35を逆方向に搬送してから再び中間転写媒体35を搬送する再動作を複数回繰り返す制御指令を送出し、その後通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には中間転写媒体35の搬送動作を停止するとともに、中間転写媒体35の搬送動作を停止した際に、警告を指示する制御指令、詳しくは、警告手段58を動作させる制御指令を送出するプログラムが格納されている。
【0071】
なお、マーク形成部58としては、一次画像61を形成する中間転写時に、前記マルチカラーインクフィルム21の色判別マーク24を中間転写媒体35に転写することにより、再転写時の位置基準となる位置決めマーク60を中間転写媒体35に形成するプログラムを格納したものであってもよい。そして、このような構成を採用すると、位置決めマーク60を一次画像61と同時に効率よく形成することができるとともに、マルチカラーインクフィルム21のランニングコストをより低減できる。
【0072】
また、マーク形成部58としては、マルチカラーインクフィルム21の色判別マーク24のうちの最初に用いられる色の色判別マーク24Kを用いて位置決めマーク60を形成するプログラムを格納したものでもよい。そして、このような構成を採用すると、位置決めマーク60を一次画像61と同時に効率よく形成することができるとともに、マルチカラーインクフィルム21のランニングコストをより低減できる。
【0073】
さらに、マーク形成部58としては、位置決めマーク60を、ラインサーマルヘッド34の発熱素子の配列方向を横方向として横長な線状の線マークとするプログラムを格納したものでもよい。そして、このような構成を採用すると、ラインサーマルヘッド34を用いて中間転写媒体35に位置決めマーク60を効率よくかつ容易に形成することができる。
【0074】
また、マーク形成部58としては、位置決めマーク60を複数箇所に形成するプログラムを格納したものでもよい。そして、このような構成を採用すると、位置決めマーク60を再転写時における中間転写媒体35の搬送姿勢の検出に用いることができる。
【0075】
さらにまた、マーク形成部58としては、位置決めマーク60をラインサーマルヘッド34の発熱素子の配列方向を横方向として横長な複数の線状の線マークとし、かつ、これらの線マークを横方向同列に整列配置するプログラムを格納したものでもよい。そして、このような構成を採用すると、ラインサーマルヘッド34を用いて中間転写媒体35に位置決めマーク60を効率よくかつ容易に形成することができるとともに、位置決めマーク60を再転写時における中間転写媒体35の搬送姿勢の検出に用いることができる。
【0076】
また、マーク形成部58としては、位置決めマーク60をラインサーマルヘッド34の発熱素子の配列方向を横方向として横長な複数の線状の線マークとし、かつ、これらの線マークを横方向同列に整列配置したものをさらに縦方向に複数列配置するプログラムを格納したものでもよい。このマーク形成部58の制御動作により、中間転写媒体35上に形成された位置決めマーク60としての2つの線マーク60a,60bを横方向同列に整列配置(中間転写媒体35の搬送方向に対して直交する幅方向の両端部近傍に配置)し、かつ、これらの線マーク60a,60bを縦方向(中間転写媒体35の搬送方向)に4列配置したものを図6に誇張して示す。そして、このような構成を採用すると、ラインサーマルヘッド34を用いて中間転写媒体35に位置決めマーク60を効率よくかつ容易に形成することができるとともに、位置決めマーク60を再転写時における中間転写媒体35の搬送姿勢の検出に用いることができる。
【0077】
なお、図6に示す位置決めマーク60を用いる場合には、検出手段としての光センサ53(53a,53b)によって、各線マーク60a,60bのうちの横方向毎に、予め設定された通過順位に位置する線マーク60a,60bの通過時間の差を検出し、この通過時間の差が予め設定された閾値以内の場合には再転写動作を指示する制御指令を送出し、通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には中間転写媒体35を逆方向に搬送してから再び中間転写媒体35を搬送する再動作を複数回繰り返す制御指令を送出し、その後通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には中間転写媒体35の搬送動作を停止するとともに、中間転写媒体35の搬送動作を停止した際に、警告を指示する制御指令、詳しくは、警告手段58を動作させる制御指令を送出するプログラムを格納した搬送制御部59を設けることが好ましい。
【0078】
また、搬送制御部59としては、検出手段としての光センサ53によって各線マーク60a,60bの通過時間の差を検出し、この通過時間の差が予め設定された閾値以内の場合には再転写動作を指示する制御指令を送出し、通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には中間転写媒体35を逆方向に搬送してから再び中間転写媒体35を搬送する再動作を指示する制御指令を送出するプログラムを格納したものでもよい。そして、このような構成を採用すると、中間転写媒体35に形成した位置決めマーク60としての各線マーク60a,60bを検出手段としての光センサ53(53a,53b)で検出することで、中間転写媒体35の搬送姿勢を容易に検出することができるとともに、中間転写媒体35の搬送姿勢が適正な範囲にある場合には再転写動作を実行して被転写媒体36に形成する画像62の位置精度を向上することができ、中間転写媒体35の搬送姿勢が適正な範囲にない場合には中間転写媒体35の搬送動作を自動的に再実行できる。
【0079】
さらに、搬送制御部59としては、再動作を複数回繰り返す制御指令を送出し、その後通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には中間転写媒体35の搬送動作を停止するプログラムを格納したものでもよい。そして、このような構成を採用すると、中間転写媒体35の搬送姿勢が適正でない場合、操作者の手を煩わすことなく自動停止できる。
【0080】
また、搬送制御部59としては、中間転写媒体35の搬送動作を停止した際に、警告を指示する制御指令を送出するプログラムを格納したものでもよい。そして、このような構成を採用すると、自動停止したことを操作者に容易に認識させることができる。
【0081】
また、本実施形態のメモリ57には、各部の動作および動作順序を制御するプログラムや、電源投入時のイニシャライズ動作を行うプログラムなどの各種のプログラムや、位置決めマークを形成するのに必要な位置決めマークデータ、中間転写および再転写を実行する際に必要なデータなどの各種のデータなども記憶されている。
【0082】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態熱転写ラインプリンタの作用について説明する。
【0083】
本実施形態の熱転写ラインプリンタ31による画像形成動作が開始されると、まず制御手段55からの指令により、フィルム搬送モータ40を駆動してマルチカラーインクフィルム21を図3矢印Aにて示す搬送方向に搬送させ、図示しないセンサを通過する色判別マーク24を検出し、最初に用いるK色インク領域23Kを判別する色判別マーク24Kの先頭がラインサーマルヘッド34の発熱素子の位置にくるように頭出しを行う。ついで、中間転写媒体搬送モータ44を駆動して中間転写媒体35の空送りを実行し、図示しないセンサにより未使用部を検出し、未使用領域の先頭がラインサーマルヘッド34の発熱素子の位置にくるように頭出しを行う。
【0084】
ついで、ヘッド接離モータ37を駆動して、ラインサーマルヘッド34を図3において実線にて示すヘッドダウン状態とすることで、マルチカラーインクフィルム21と中間転写媒体35とをラインサーマルヘッド34とプラテンローラ32との間に挟持する。この状態でフィルム搬送モータ40および中間転写媒体搬送モータ44に加えてプラテン駆動モータ33を駆動することでプラテンローラ32を回転し、マルチカラーインクフィルム21と中間転写媒体35とを、図3矢印Aにて示す搬送方向に所定の速度で搬送する。
【0085】
この時、マルチカラーインクフィルム21の黒色インクにより形成された色判別マーク24Kと中間転写媒体35とが重なって中間転写位置PP1を通過する際に、マーク形成部58に格納されたプログラムとメモリ57に格納された位置決めマークデータに基づいてラインサーマルヘッド34の発熱素子を選択的に発熱させることにより、図5に示すように、中間転写媒体35上に、位置決めマーク60としての2つの線マーク60a,60bを形成する。このように、位置決めマーク60をラインサーマルヘッド34の発熱素子の配列方向に沿った線マーク60a,60bとして形成することにより、ラインサーマルヘッド34の複数の発熱素子を部分的に発熱させるという簡単な制御により、位置決めマーク60を効率的かつ簡単に形成することができる。さらに、マルチカラーインクフィルム21の最初に用いるK色インク領域23Kと中間転写媒体35とが重なって中間転写位置PP1を通過する際に、印刷情報(画像形成情報)に基づいてラインサーマルヘッド34の発熱素子を選択的に発熱させることにより、中間転写媒体35の画像形成領域25内にK色の反転画像61Kが形成される。
【0086】
すなわち、本実施形態においては、中間転写媒体35に、一次画像61の一部を構成するK色の反転画像61Kを形成するのと同時に、画像形成領域25を外れた位置に位置決めマーク60を形成することができる。
【0087】
続いて、ヘッド接離モータ37を駆動して、ラインサーマルヘッド34を図3において破線にて示すヘッドアップ状態とすることでプラテンローラ32から離間させるとともに、フィルム搬送モータ44を駆動して次に用いるマルチカラーインクフィルム21のY色インク領域23Yの頭出しをおこなう。ついで、中間転写媒体逆搬送モータ45を駆動して中間転写媒体35を図3矢印Bにて示す搬送方向に逆搬送し、図示しないセンサが位置決めマーク60を検出したら、中間転写媒体逆搬送モータ45を停止してから、中間転写媒体搬送モータ44を駆動して位置決めマーク60を基準としてラインサーマルヘッド34の発熱素子の位置と、先に形成した反転画像61Kの先端部が一致するように頭出しを実行する。
【0088】
ついで、ヘッド接離モータ37を駆動して、ラインサーマルヘッド34を図3において実線にて示すヘッドダウン状態とすることで、マルチカラーインクフィルム21と中間転写媒体35とをラインサーマルヘッド34とプラテンローラ32との間に挟持する。この状態でフィルム搬送モータ40および中間転写媒体搬送モータ44に加えてプラテン駆動モータ33を駆動することでプラテンローラ32を回転し、マルチカラーインクフィルム21と中間転写媒体35とを、図3矢印Aにて示す搬送方向に所定の速度で搬送する。
【0089】
この時、マルチカラーインクフィルム21の次に用いるY色インク領域23Yと中間転写媒体35とが重なって中間転写位置PP1を通過する際に、印刷情報(画像形成情報)に基づいてラインサーマルヘッド34の発熱素子を選択的に発熱させることにより、中間転写媒体35の画像形成領域25内に既に形成されたK色の反転画像61Kの上に、Y色の反転画像61Yが重ねて形成される。
【0090】
以下、Y色の反転画像61Yの形成と同様にして、M色インク領域23Mを用いてM色の反転画像61M、C色インク領域23Cを用いてC色の反転画像61Cを重ねて形成することで、中間転写媒体35上にフルカラーの一次画像61を形成する。
【0091】
ついで、中間転写媒体35上にフルカラーの一次画像61の形成を終了したら、ヘッド接離モータ37を駆動して、ラインサーマルヘッド34を図3において破線にて示すヘッドアップ状態とすることでプラテンローラ32から離間させるとともに、中間転写媒体搬送モータ44を駆動して、中間転写媒体35を図3矢印Aにて示す搬送方向に所定の速度で搬送することで、一次画像61を再転写位置PP2に向かって搬送する。
【0092】
そして、一次画像61が再転写位置PP2に到達する前に、光センサ53が位置決めマーク60を検出して、一次画像61の位置検出を行うとともに、中間転写媒体35の搬送姿勢、すなわち、被転写媒体36に対して再転写する一次画像61の姿勢が適正か否かを検出する。
【0093】
この中間転写媒体35の搬送姿勢が適正か否かの判断は、搬送制御部59に格納されたプログラムに基づいて、各線マーク60a,60bの通過時間の差を検出し、この通過時間の差を予め設定された閾値と比較することにより行う。
【0094】
例えば、図7に示すように、一方のマーク60aを検出する光センサ53aによる検出信号の立ち上がり時点と、他方のマーク60bを検出する光センサ53bによる検出信号の立ち上がり時点との差により、通過時間の差ΔTを検出し、この通過時間の差ΔTを閾値と比較して、閾値以内の場合には、中間転写媒体35の搬送姿勢が適正と判断する。一方、通過時間の差ΔTが閾値を越える場合には、中間転写媒体35が斜行するなどして搬送姿勢が適正ではないと判断する。
【0095】
また、図6に示す位置決めマーク60を用いた場合には、例えば、図8に示すように、各線マーク60a,60bのうちの横方向毎に、予め設定された通過順位、例えば3番目に位置する線マーク60a,60bの通過時間の差ΔTを検出し、この通過時間の差ΔTを閾値と比較して、中間転写媒体35の搬送姿勢の適否を判断する。
【0096】
前記中間転写媒体35の搬送姿勢を適正と判断した場合には、再転写動作を指示する制御指令を送出し、位置決めマーク60を基準として一次画像61の搬送方向の先頭に位置する先端部が再転写位置PP2にくるように頭出しを行う。ついで、移動台搬送モータ51を駆動して、予め再転写待機位置WPに位置させた被転写媒体36を図3右方に示す供給・取出位置SPに向かって搬送して被転写媒体36の頭出しを行う。ついで、加熱ローラ接離モータ49を駆動して、所定温度に保持した加熱ローラ47を図3において実線にて示す当接位置とすることで、中間転写媒体35を加熱ローラ47と被転写媒体36の間に挟持する。この時、被転写媒体36は一次画像61と対向する。そして、一次画像61を被転写媒体36に圧接した状態で中間転写媒体搬送モータ44および移動台搬送モータ51に加えて加熱ローラ駆動モータ48を駆動することで加熱ローラ47を回転し、中間転写媒体35と被転写媒体36を図3右方に所定の速度で搬送する。この時、一次画像61と被転写媒体36とが重なって再転写位置PP2を通過する際に、加熱ローラ47の熱と圧力とにより、一次画像61を溶融あるいは昇華して中間転写媒体35から被転写媒体36に再転写し、被転写媒体36の所定位置に画像62を形成する。なお、一次画像61が再転写位置PP2を通過したら加熱ローラ接離モータ49を駆動して、加熱ローラ47を中間転写媒体35から離間した離間位置に移動する。
【0097】
前記中間転写媒体35の搬送姿勢を適正でないと判断した場合には、中間転写媒体35の搬送を停止し、中間転写媒体35を逆方向に搬送してから再び中間転写媒体35を搬送する再動作を実行して、光センサ53による位置決めマーク60の検出と、中間転写媒体35の搬送姿勢の適否を判別する動作を繰り返す。すなわち、中間転写媒体35の搬送動作を自動的に再実行する。そして、中間転写媒体35の搬送動作の繰り返し数が所定の回数に達する前に、中間転写媒体35の搬送姿勢が適正と判断された場合には、再転写動作を行う。一方、中間転写媒体35の搬送動作の繰り返し数が所定の回数に達しても、中間転写媒体35の搬送姿勢が適正でないと判断した場合には、搬送動作を停止し、警告手段54を動作する。
【0098】
また、本実施形態においては、中間転写媒体35につぎの一次画像61を形成する場合、直前の中間転写時に形成された位置決めマーク60を基準にして、つぎの一次画像61の形成位置を設定することができるので、中間転写媒体35の使用量を一次画像61、すなわち被転写媒体36に形成する画像62の大きさに合わせて制御することができ、中間転写媒体35の使用効率を向上させることが容易にできる。
【0099】
このように、本実施形態のマルチカラーインクフィルム21によれば、色判別マーク24を位置決めマーク60として使用できるので、位置決めマーク60を形成する専用のインク領域を設けずとも、中間転写時に色判別マーク24を用いて位置決めマーク60を容易に形成することができる。したがって、マルチカラーインクフィルム21の長さを一定とした場合、従来の位置決めマークを形成するための専用のインク領域を設ける分を、画像62を形成するためのインク領域23として用いることができるので、ランニングコストを低減できる。また、色判別マーク24を位置決めマーク60としても使用可能に形成してあるので、幅方向のサイズを必要以上に大きくする必要もない。
【0100】
さらに、本実施形態のマルチカラーインクフィルム21によれば、複数色のインク領域23のうちの、一次画像61を形成する際に最初に用いられる色の色判別マーク24Kを用いて位置決めマーク60を形成しているので、ランニングコストをより低減できる。
【0101】
また、本実施形態の熱転写ラインプリンタ31によれば、ラインサーマルヘッド34によってマルチカラーインクフィルム21の色判別マーク24を中間転写媒体35に転写することで、中間転写媒体35に一次画像61を形成する際に、位置決めマーク60を一次画像61と同時に容易かつ確実に形成できる。したがって、マルチカラーインクフィルム21に位置決めマーク61を形成する専用のインク領域を設けずとも、中間転写時に色判別マーク24を用いて位置決めマーク60を形成することができるので、マルチカラーインクフィルム21のランニングコストを低減できる。
【0102】
さらに、本実施形態の熱転写ラインプリンタ31によれば、最初に用いられる色の色判別マーク24Kを用いて位置決めマーク60を形成しているので、位置決めマーク60を一次画像61と同時に効率よく形成することができるとともに、マルチカラーインクフィルム21のランニングコストをより低減できる。
【0103】
また、本実施形態の熱転写ラインプリンタ31によれば、中間転写媒体35上に一次画像61と同時に形成された位置決めマーク60を基準にして一次画像61を被転写媒体36に再転写することができるので、被転写媒体36に形成する画像36の位置精度を向上できる。
【0104】
さらに、本実施形態の熱転写ラインプリンタ31によれば、位置決めマーク60を2つの線マーク60a,60bとして形成するとともに、これらの線マーク60a,60bを2つの光センサ53a,53bで個別に検出することで位置決めマーク60を再転写時における中間転写媒体35の搬送姿勢の検出に用いることができ、この中間転写媒体35の搬送姿勢の適否に基づいて再転写動作の実行と再実行とを選択することができるので、被転写媒体36に形成する画像36の位置精度を飛躍的に向上できる。すなわち、中間転写媒体35の搬送姿勢が適正な場合のみ再転写動作を実行できる。したがって、本実施形態の位置決めマーク60は、再転写時の一次画像の位置基準と、一次画像61の姿勢の判断基準としての2つの機能を兼ね備えたものである。
【0105】
さらにまた、本実施形態の熱転写ラインプリンタ31によれば、再転写時に、中間転写媒体35の搬送姿勢が適正な範囲にない場合には中間転写媒体35の搬送動作を自動的に再実行できる。
【0106】
またさらに、本実施形態の熱転写ラインプリンタ31によれば、再転写時に、中間転写媒体35の搬送姿勢が適正でない場合、操作者の手を煩わすことなく自動停止でき、しかも停止したことを操作者に容易に認識させることができる。
【0107】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る熱転写ラインプリンタによれば、ラインサーマルヘッドを用いてマルチカラーインクフィルムの色判別マークを中間転写媒体に転写するという簡単な動作で、中間転写媒体上に位置決めマークを形成することができるので、マルチカラーインクフィルムのランニングコストを低減できるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0109】
さらに、本発明に係る熱転写ラインプリンタによれば、中間転写媒体の使用量を被転写媒体に形成する画像の大きさに合わせて制御することができるため、中間転写媒体の使用効率を向上させることが容易にできるので、中間転写媒体のランニングコストを低減できるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0110】
また、本発明に係る熱転写ラインプリンタによれば、位置決めマークを中間転写媒体の搬送姿勢の検出に用いることができるので、被転写媒体に形成する画像の位置精度を向上できるなどの極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る熱転写ラインプリンタに用いるマルチカラーインクフィルムの実施形態の要部を示す正面図
【図2】 図1に示すマルチカラーインクフィルムの色判別マークの他例を示す正面図
【図3】 本発明に係る熱転写ラインプリンタの実施形態の要部の構成を示す正面図
【図4】 図3に示す熱転写ラインプリンタの制御手段の要部構成を示すブロック図
【図5】 位置決めマークの一例を示す平面図
【図6】 位置決めマークの他例を示す平面図
【図7】 光センサによる中間転写媒体の搬送姿勢の判別動作を説明する説明図
【図8】 光センサによる中間転写媒体の搬送姿勢の判別動作の他例を説明する説明図
【図9】 従来の熱転写ラインプリンタにおける中間転写媒体に予め形成された位置決めマークを示す平面図
【図10】 従来の熱転写ラインプリンタにおける中間転写時の中間転写媒体に予め形成された位置決めマークと転写開始位置と位置誤差との関係を示す平面図
【図11】 従来の熱転写ラインプリンタにおける再転写時の中間転写媒体に予め形成された位置決めマークと重ね位置と被転写媒体と位置誤差との関係を示す平面図
【図12】 従来の熱転写ラインプリンタにおける中間転写媒体に予め形成された位置決めマークを基準とした場合の一次画像の形成位置を示す平面図
【図13】 従来の熱転写ラインプリンタにおける中間転写時に一次画像と同時に中間転写媒体上に形成された位置決めマークの一例を示す平面図
【図14】 図12に示す位置決めマークの形成に用いられるインクフィルムを示す平面図
【図15】 図14に示すインクフィルムをマルチカラーインクフィルムとした場合を示す平面図
【図16】 従来の熱転写ラインプリンタにおける中間転写時に一次画像と同時に中間転写媒体上に形成された位置決めマークの一例を示す平面図
【図17】 図16に示す位置決めマークの形成に用いられるインクフィルムを示す平面図
【図18】 図17に示すインクフィルムをマルチカラーインクフィルムとした場合を示す平面図
【符号の説明】
21 マルチカラーインクフィルム
23 インク領域
23K K色インク領域
23Y Y色インク領域
23M M色インク領域
23C C色インク領域
24、24K、24Y、24M、24C 色判別マーク
25 画像形成領域
31 熱転写ラインプリンタ
32 プラテンローラ
34 ラインサーマルヘッド
35 中間転写媒体
36 被転写媒体
46 一次画像形成部
47 (再転写手段としての)加熱ローラ
52 再転写部
53、53a、53b (検出手段としての)光センサ
54 警告手段
55 制御手段
56 CPU
57 メモリ
58 マーク形成部
59 搬送制御部
60 位置決めマーク
60a、60b (位置決めマークとしての)線マーク
61 一次画像
62 画像
PP1 中間転写位置
PP2 再転写位置
SP 供給・取出位置
WP 再転写待機位置
ΔT (通過時間の)差

Claims (6)

  1. 複数色のインク領域を長手方向に対して異なる色を隣接させて繰返し配置されるとともに、前記各インク領域の境界部分に前記各インク領域の色を判別するための色判別マークが中間転写媒体に転写可能なインクにより形成されているマルチカラーインクフィルムを搬送するためのフィルム送出しロールおよびフィルム巻取りロールと、
    前記中間転写媒体を搬送するための中間転写媒体送出しロールおよび中間転写媒体巻取りロールと、
    前記中間転写媒体に前記マルチカラーインクフィルムのインクを転写して一次画像を形成するためのラインサーマルヘッドと、
    前記一次画像を被転写媒体に再転写するための再転写手段と、を備え、
    前記ラインサーマルヘッドによって前記中間転写媒体に前記マルチカラーインクフィルムのインクを転写して一次画像を形成し、この一次画像を前記再転写手段によって被転写媒体に再転写することにより、前記被転写媒体に画像を形成する中間転写方式の熱転写ラインプリンタであって、
    記中間転写媒体に一次画像を形成する際に、前記マルチカラーインクフィルムの色判別マークを形成するインクを前記中間転写媒体に転写して再転写時の位置基準となる位置決めマークを、前記ラインサーマルヘッドの発熱素子の配列方向を横方向として横長な複数の線状の線マークとし、かつ、これらの線マークを横方向同列に整列配置するように形成するマーク形成部と、
    記ラインサーマルヘッドと前記再転写手段との間に位置する前記中間転写媒体の搬送経路に臨むように配設され、前記位置決めマークを構成する複数の線マークのそれぞれを個別に検出する検出手段と
    記検出手段によって前記各線マークの通過時間の差を検出し、この通過時間の差が予め設定された閾値以内の場合には再転写動作を実行し、前記通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には前記中間転写媒体を逆方向に搬送してから再び前記中間転写媒体を搬送する再動作を実行する搬送制御部と、
    を設けたことを特徴とする熱転写ラインプリンタ。
  2. 複数色のインク領域を長手方向に対して異なる色を隣接させて繰返し配置されるとともに、前記各インク領域の境界部分に前記各インク領域の色を判別するための色判別マークが中間転写媒体に転写可能なインクにより形成されているマルチカラーインクフィルムを搬送するためのフィルム送出しロールおよびフィルム巻取りロールと、
    前記中間転写媒体を搬送するための中間転写媒体送出しロールおよび中間転写媒体巻取りロールと、
    前記中間転写媒体に前記マルチカラーインクフィルムのインクを転写して一次画像を形成するためのラインサーマルヘッドと、
    前記一次画像を被転写媒体に再転写するための再転写手段と、を備え、
    前記ラインサーマルヘッドによって前記中間転写媒体に前記マルチカラーインクフィルムのインクを転写して一次画像を形成し、この一次画像を前記再転写手段によって被転写媒体に再転写することにより、前記被転写媒体に画像を形成する中間転写方式の熱転写ラインプリンタであって、
    記中間転写媒体に一次画像を形成する際に、前記マルチカラーインクフィルムの色判別マークを形成するインクを前記中間転写媒体に転写して再転写時の位置基準となる位置決めマークを、前記ラインサーマルヘッドの発熱素子の配列方向を横方向として横長な複数の線状の線マークとし、かつ、これらの線マークを横方向同列に整列配置したものをさらに縦方向に複数列配置するように形成するマーク形成部と、
    記ラインサーマルヘッドと前記再転写手段との間に位置する前記中間転写媒体の搬送経路に臨むように配設され、前記位置決めマークを構成する複数の線マークのそれぞれを縦方向毎に個別に検出する検出手段と
    記検出手段によって、前記各線マークのうちの横方向毎に、予め設定された通過順位に位置する線マークの通過時間の差を検出し、この通過時間の差が予め設定された閾値以内の場合には再転写動作を実行し、前記通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には前記中間転写媒体を逆方向に搬送してから再び前記中間転写媒体を搬送する再動作を実行する搬送制御部と、を設けたことを特徴とする熱転写ラインプリンタ
  3. 前記マーク形成部は、前記マルチカラーインクフィルムの色判別メークのうちの最初に用いられる色の色判別マークを用いて前記位置決めマークを形成するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写ラインプリンタ。
  4. 前記マーク形成部は、前記位置決めマークを複数箇所に形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写ラインプリンタ。
  5. 前記搬送制御部は、前記再動作を複数回繰り返し、その後前記通過時間の差が予め設定された閾値を越える場合には前記中間転写媒体の搬送動作を停止するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写ラインプリンタ。
  6. エラーを操作者に認識させるための警告手段が設けられており、
    前記搬送制御部は、前記中間転写媒体の搬送動作を停止した際に、前記警告手段を駆動するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の熱転写ラインプリンタ。
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