JP5049435B2 - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷装置及び印刷方法に係り、特に、通帳類等の被転写媒体に所定情報を印刷する印刷装置及び印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カード類や通帳類などの被転写媒体の表面状態になるべく影響を受けることなく高画質な印刷を行う印刷装置が求められれている。この印刷装置の一つとして、中間転写媒体としての中間転写リボンを用いるものが知られている。この印刷装置は、印刷部と転写部とを備えている。印刷部は、サーマルヘッド及びインクリボンを有している。転写部は、ヒートローラ及びバックアップローラを有している。
【0003】
中間転写リボンは、印刷部に送り込まれる。この印刷部では、サーマルヘッドが所定情報に応じて発熱してインクリボンのインクを溶融することにより、中間転写リボンの表面に文字やバーコードなどの所定情報が印刷される。
【0004】
所定情報が印刷された中間転写リボンは、転写部のヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。このとき、同時に、転写面が中間転写リボンに対向するように配置された被転写媒体がヒートローラとバックアップローラとの間に送り込まれる。
【0005】
この状態からヒートローラが回転されて中間転写リボン及び被転写媒体がバックアップローラに押し付けられるとともに加熱されることにより、所定情報が被転写媒体の表面に転写される。中間転写リボンは、長尺の基材フィルムと、この基材フィルム上の塗布された転写層とにより構成され、転写部においては、転写層上に印刷された所定情報とともに転写層が被転写媒体に転写される。
【0006】
ところで、被転写媒体上の固有の所定情報を偽造防止するために、所定パターンを有する透明ホログラム層を付与した保護膜を被転写媒体上にオーバコートすることがある。上述したような印刷装置は、被転写媒体への所定情報の印刷と、表面の保護膜付与とを同時に行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような中間転写リボンにおいては、印刷された所定情報とともにホログラム層を被転写媒体に転写するために、中間転写リボンにおける転写開始位置を検出するための転写位置検出用マークが必要となる。
【0008】
このような転写位置検出用マークは、中間転写リボンの製造過程において黒色マークを印刷することによって形成される場合がある。この場合、中間転写リボンにおいて予め形成されたホログラム層に対して決まった位置に転写位置検出用マークを印刷する必要がある。
【0009】
このように、転写位置検出用マーク及びホログラム層を別工程でそれぞれ形成した場合、互いの位置関係を常に一定にすることが困難である。すなわち、転写位置検出用マークとホログラム層との位置精度が安定しない。このため、中間転写リボンに印刷された所定情報の位置と転写位置検出用マークとの位置関係も常に一定にすることが困難である。したがって、このような転写位置検出用マークに基づいて所定情報とともにホログラム層を転写した場合、所定情報を被転写媒体の所定位置に常に一定に転写することができないといった問題を生ずる。
【0010】
また、このような転写位置検出用マークは、中間転写リボンの製造過程においてホログラム層とともにホログラムマークとして同時に形成される場合がある。この場合、転写位置検出用マーク(ホログラムマーク)は、中間転写リボンにおいてホログラム層に対して常に決まった位置に形成される。
【0011】
しかしながら、ホログラムマークを検出するためのセンサは高価である。印刷位置検出用マークをホログラムマークで形成しているため、中間転写媒体上に所定情報を印刷する際にホログラムマークを検出するためのセンサが必ず必要となる。転写位置検出用マークもホログラムマークで形成した場合、高価なセンサが2つ必要となり、印刷装置のコストが増大する。
【0012】
また、ホログラムマークの位置検出精度が被転写媒体への転写位置精度の向上を妨げる。このため、このような転写位置検出用マークに基づいて所定情報とともにホログラム層を転写した場合、所定情報を被転写媒体の所定位置に常に一定に転写することができないといった問題を生ずる。
【0013】
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、コストを増大することなく、印刷された所定情報の被転写媒体への転写位置精度を向上することが可能な印刷装置及び印刷方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、
請求項1に記載の印刷装置は、
ホログラムによって形成された所定パターンを有する転写層を備えた中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された中間転写媒体の転写層上に所定情報とともに転写位置検出用マークを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により印刷された転写位置検出用マークを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された転写位置検出用マークに基づいて、転写位置において所定情報を転写層とともに被転写媒体に転写する転写手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の印刷装置は、
ホログラムによって形成された所定パターン及びマークを有する転写層を備えた中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
前記ホログラムマークを検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段により検出された前記ホログラムマークに基づいて、前記搬送手段により搬送された中間転写媒体の転写層上に所定情報とともに転写位置検出用マークを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により印刷された転写位置検出用マークを検出する第2検出手段と、
前記第2検出手段により検出された転写位置検出用マークに基づいて、転写位置において所定情報を転写層とともに被転写媒体に転写する転写手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の印刷方法は、
ホログラムによって形成された所定パターンを有する転写層を備えた中間転写媒体を搬送し、
搬送された中間転写媒体の転写層上に所定情報とともに転写位置検出用マークを印刷し、
印刷された転写位置検出用マークを検出し、
検出された転写位置検出用マークに基づいて、転写位置において所定情報を転写層とともに被転写媒体に転写する、
ことを特徴とする。
【0017】
請求項13に記載の印刷方法は、
ホログラムによって形成された所定パターン及びマークを有する転写層を備えた中間転写媒体を搬送し、
前記ホログラムマークを検出し、
検出された前記ホログラムマークに基づいて、中間転写媒体の転写層上に所定情報とともに転写位置検出用マークを印刷し、
印刷された転写位置検出用マークを検出し、
検出された転写位置検出用マークに基づいて、転写位置において所定情報を転写層とともに被転写媒体に転写する、
ことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る印刷装置及び印刷方法について図面を参照して説明する。この印刷装置は、カード類や通帳類などの被転写媒体への所定情報の印刷と、印刷面の保護膜付与とを同時に行う中間転写方式の印刷装置である。
【0019】
図1に示すように、印刷装置20は、印刷手段として機能する印刷部3と、この印刷部3の下方部に設けられた転写手段として機能する転写部4とを備えて構成されている。
【0020】
印刷部3は、サーマルヘッド5、このサーマルヘッド5に対向配置されたプラテンローラ6などを備えている。サーマルヘッド5とプラテンローラ6との間には、例えばイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の溶融インクを有したインクリボン7が介在されている。
【0021】
このインクリボン7は、その一端部が送出軸8に巻き付けられ、その他端部が巻取軸9に巻き付けられている。送出軸8及び巻取軸9の少なくとも一方は、正逆両方向に独立に駆動可能である。送出軸8から送出されたインクリボン7の中途部は、ガイドシャフト21,22に掛け渡されている。
【0022】
なお、インクリボン7としては、単色インクのみのリボンでも良く、また、紫外線によって発光する蛍光顔料インク、さらに、光沢面も持つ印刷用の金属薄膜(アルミ蒸着)層、或いは、印刷用のホログラム層等の機能を有するリボン材料を有していても良い。
【0023】
サーマルヘッド5は、所定の印刷位置において、中間転写媒体として機能する中間転写リボン28の印刷開始位置から固有の所定情報、すなわち識別情報や顔画像情報などを印刷する。また、サーマルヘッド5は、所定の印刷位置において、中間転写リボン28の所定位置、例えば所定情報を印刷した位置の下流側の位置に転写位置検出用マークを印刷する。プラテンローラ6は、正逆両方向に独立に駆動可能である。このプラテンローラ6は、中間転写リボン28を所定の速度で搬送する搬送手段として機能する。
【0024】
転写部4は、転写ローラとしてのヒートローラ26、このヒートローラ26に対向配置されたバックアップローラ27などを備えている。このヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、中間転写リボン28が介在されている。
【0025】
ヒートローラ26は、所定の転写位置において、中間転写リボン28の転写開始位置から中間転写リボン28上に印刷された所定情報を被転写媒体に転写する。中間転写リボン28は、その一端側が印刷部3の上部側に設けられた送出軸30に巻き付けられ、その他端側が印刷部3の下部側に設けられた巻取軸31に巻き付けられている。
【0026】
送出軸30及び巻取軸31の少なくとも一方は、正逆両方向に独立に駆動可能である。また、これら送出軸30及び巻取軸31は、印刷部3における印刷位置及び転写部4における転写位置に向けて中間転写リボン28を所定速度で搬送する搬送手段として機能する。送出軸30から送出された中間転写リボン28の中途部は、ガイドシャフト31a〜31cに掛け渡されているとともに、テンションローラ32に掛け渡されてほぼ一定のテンションに維持されている。
【0027】
また、転写部4は、第1搬送ローラ対13A、及び第2搬送ローラ対13Bを備えている。第1搬送ローラ対13Aは、ヒートローラ26より搬送方向上流側に配置されている。また、第2搬送ローラ対13Bは、ヒートローラ26より搬送方向下流側に配置されている。
【0028】
これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、取込口2から挿入された被転写媒体(この実施の形態では印刷頁が開かれた通帳類)1を搬送路11に沿ってヒートローラ26による所定の転写位置まで搬送する。すなわち、これら第1及び第2搬送ローラ対13A及び13Bは、被転写媒体1の印刷頁における転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に整合するように被転写媒体1を搬送する。
【0029】
さらに、転写部4は、中間転写リボン28の供給路に沿って配置された第1センサS1及び第2センサS2A及びS2Bを備えている。第1センサS1は、第1検出手段として機能し、後述する中間転写リボン28のバーマーク(ホログラムマーク)を検知するための出力信号を出力する。この第1センサS1は、送出軸30とプラテンローラ6との間に配置される。
【0030】
第2センサS2A及びS2Bは、第2検出手段として機能し、後述する中間転写リボン28に印刷された転写位置検出用マークを検知するための出力信号を出力する。第2センサS2Aは、プラテンローラ6とテンションローラ32との間に配置される。この第2センサS2Aは、第2センサS2Bは、第2センサS2Aより下流側であって、ヒートローラ26に近い上流側の位置に配置されている。
【0031】
また、転写部4は、被転写媒体1の搬送路11に沿って配置された第3センサS3及び第4センサS4を備えている。第3センサS3及び第4センサS4は、取込口2から挿入された被転写媒体1の有無を検知するための出力信号を出力する。
【0032】
なお、これら第1乃至第4センサS1乃至S4は、例えば透過型センサであり、一対の発光部及び受光部を備えて構成されているが、反射型センサによって構成されてもよい。また、第1センサS1は、バーマークを形成するホログラムを検出可能なセンサであればよい。例えば、中間転写リボン28に向けて所定方向から光を発光する発光量の多い単色光源を備え、中間転写リボン28における回折機能を有するホログラムによって所定方向に回折された回折光を受光する受光量の小さな変化に追従可能な受光部を備えて構成されたセンサが望ましい。
【0033】
図2に示すように、ヒートローラ26は、回転軸に対して垂直な平面において、ほぼ半円形状の断面を有している。すなわち、このヒートローラ26は、芯金35を有している。この芯金35は、その一部の外周面に平面状にカットされたカット面35Aを有している。芯金35の内部には、ヒータ65が設けられている。芯金35の円弧部35Bの外周面には、厚さ1mm〜2mmの耐熱性ゴム36が被覆されている。
【0034】
なお、耐熱性ゴム36は、芯金35の円弧部35Bのみならず、カット面35Aを含む全周を覆っても良い。また、ヒートローラ26は、耐熱性ゴムがなくて芯金のみでもよい。この場合、ヒートローラ26表面には、汚れ付着防止のテフロン加工などを行うことが望ましい。また、ヒートローラ26は、その円弧部35Bの周方向に沿った長さが被転写媒体1の転写エリアの長さと略等しく形成されている。
【0035】
ヒートローラ26は、印刷待機時においては、図2に示すように、そのカット面35Aを搬送路11に対してほぼ並行に対向して配置されている。これにより、ヒートローラ26とバックアップローラ27との間には、被転写媒体1を配置可能な隙間が形成されている。このとき、中間転写リボン28は、ヒートローラ26及びバックアップローラ27に接触しないとともに、印刷開始時に進入してくる被転写媒体1の表面にも接触しない位置に配置されることが望ましい。
【0036】
図3に示すように、印刷装置20は、装置全体を制御する制御手段として機能するとともに、送出軸30、巻取軸31、及び、プラテンローラ6によって構成された搬送機構による中間転写リボン28の搬送量を算出する算出手段として機能するCPU100を備えている。
【0037】
このCPU100には、装置全体の駆動を制御するための制御プログラムなどを記憶したメモリ部101や、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷に必要な印刷データを受信するインタフェース部102などが接続されている。インタフェース部102を介して受信した印刷データは、メモリ部101に一時的に記憶される。
【0038】
また、CPU100には、さらに、サーマルヘッド制御回路103、印刷部搬送制御回路104、ヒータ温度制御回路105、ヒートローラ回転制御回路106、転写部搬送制御回路107、媒体搬送制御回路108、センサ入力回路109などが接続されている。
【0039】
サーマルヘッド制御回路103は、印刷データに基づいてサーマルヘッド5の印刷動作を制御する。印刷部搬送制御回路104は、印刷部3における搬送機構として機能する送出軸8及び巻取軸9の駆動を制御する。ヒータ温度制御回路105は、ヒートローラ26内部のヒータ65を駆動して、ヒートローラ26を所定の温度に維持するよう制御する。
【0040】
ヒートローラ回転制御回路106は、ヒートローラ26の回転駆動を制御する。すなわち、ヒートローラ回転制御回路106は、中間転写リボン28の転写開始位置と、ヒートローラ26による中間転写リボン28上に印刷された所定情報の転写位置とを整合した状態で、ヒートローラ26のカット面35Aのエッジ部を転写開始位置に当接させた後、所定方向にヒートローラ26を回転させることにより、中間転写リボン28上の所定情報を被転写媒体1に転写する。
【0041】
転写部搬送制御回路107は、転写部4における搬送機構として機能するプラテンローラ6、送出軸30、及び、巻取軸31の駆動を制御する。媒体搬送制御回路108は、搬送ローラ対13A及び13Bの駆動を制御して、被転写媒体1を取込口2から取り込み、所定の転写位置まで搬送し、転写完了した被転写媒体1を取込口2から排出する。
【0042】
センサ入力回路109は、第1センサS1から出力信号に基づいて中間転写リボン28のバーマークを検知する。また、センサ入力回路109は、第2センサS2A及びS2Bから出力信号に基づいて中間転写リボン28の転写位置検出用マークを検知する。さらに、センサ入力回路109は、第3センサS3及び第4センサS4から出力信号に基づいて被転写媒体1の有無を検知する。
【0043】
次に、上述した印刷装置に適用される印刷方法について説明する。
【0044】
この印刷方法によれば、図4に示すように、被転写媒体1の少なくとも一部、例えば通帳類1における印刷頁10の印刷エリア10Aに、所定パターンを有する透明ホログラム層を付与した保護膜をオーバコートする。
【0045】
すなわち、この印刷方法では、まず、印刷エリア10Aに、固有の識別情報や顔画像情報などの所定情報が印刷される。そして、所定パターンを有する透明ホログラム層を付与した保護膜が、印刷頁10の搬送方向に沿った長さb、且つ、幅w全体にわたってオーバコートされる。
【0046】
次に、上述した印刷装置に適用される中間転写リボンの構造について説明する。
【0047】
すなわち、図6の(a)に示すように、中間転写リボン28は、例えば3層構造であり、ベース層40、ベース層40上に配置されたホログラム層41、ホログラム層41上に配置された受像層として機能する接着層42を備えて構成されている。接着層42上には、印刷部3により所定情報が印刷される。
【0048】
中間転写リボン28の3層のうち、ホログラム層41及び接着層42は、転写層として機能し、転写部に4において、接着層42上に印刷された所定情報とともに被転写媒体1上に転写される。被転写媒体1上に転写された時に最上層に配置されるホログラム層41は、保護膜として機能する。
【0049】
なお、中間転写リボン28は、図6の(a)に示した構造に限らず、図6の(b)に示したように、ベース層40とホログラム層41との間に剥離層43を配置した構造であっても良い。このような構造の場合、剥離層43、ホログラム層41、及び接着層42が転写層として機能する。
【0050】
また、中間転写リボン28は、図6の(c)に示したように、ベース層40上に剥離層43、保護層44、ホログラム層41、及び接着層42をこの順に積層した構造であっても良い。このような構造の場合、剥離層43、保護層44、ホログラム層41、及び接着層42が転写層として機能する。
【0051】
図5の(a)及び図6の(a)に示すように、中間転写リボン28のホログラム層41は、所定パターンの透明ホログラム層からなる第1領域28Aと、無地の透明な第2領域28Bと、マージンに相当する第3領域28Cと、を備えている。これら第1領域28A、第2領域28B、及び第3領域28Cは、中間転写リボン28の供給方向に沿って順に配置され、単位パターンを構成している。
【0052】
また、中間転写リボン28のホログラム層41は、第1領域41A、第2領域41B、及び第3領域41Cからなる単位パターンを規定するためのバーマーク41Dを有している。このバーマーク41Dは、中間転写リボン28の有効領域28−1の外側の領域28−2に配置されている。
【0053】
すなわち、ホログラム層41の第1領域41Aは、所定の第1方向から入射した光を第2方向に回折する回折効果を有する領域であり、パターンそのものは文字、絵柄、ロゴなど自由にデザインできるが、図5の(b)に示すように印刷部3において印刷された所定情報X1の偽造防止効果を考慮すると、なるべく全面にパターンが形成されていることが望ましい。
【0054】
第2領域41Bは、ホログラム層41内において可視光域及びその近傍の周波数帯域の光を回折する効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。この第2領域41Bは、図5の(b)に示すように印刷部3において転写位置検出用マークX2が印刷されるマーク印刷用領域に相当する。すなわち、この転写位置検出用マークX2は、所定情報X1とともに同時に印刷され、互いに所定の位置関係で配置される。第2領域に印刷された転写位置検出用マークX2は、印刷装置の第2センサS2A及びS2Bによって検知される。
【0055】
すなわち、印刷装置は、この転写位置検出用マークX2を検知することにより、中間転写リボン28の位置を検知することが可能となり、この転写位置検出用マークX2を検知した位置を基準として転写部4における転写位置まで中間転写リボン28の転写開始位置を搬送するための搬送量が算出される。
【0056】
また、この転写位置検出用マークX2は、有効領域28−1に印刷される。このため、印刷装置は、中間転写リボン28の有効領域28−1に対向して配置された第2センサS2A及びS2Bからの出力信号に基づいて転写位置検出用マークX2を検知する。
【0057】
第3領域41Cは、転写位置ズレなどを考慮したマージンに相当する領域であり、第2領域41Bと同様に回折効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。
【0058】
バーマーク41Dは、単位パターン毎に繰り返し配置され、回折効果を有する所定パターンを有している。このバーマーク41Dは、第1領域41Aの透明ホログラム層とともに予め形成され、互いに所定の位置関係で配置されている。このバーマーク41Dは、印刷装置の第1センサS1によって検知される。
【0059】
すなわち、印刷装置は、このバーマーク41Dを検知することにより、中間転写リボン28の位置を検知することが可能となり、このバーマーク41Dを検知した位置を基準として印刷部3における印刷位置まで中間転写リボン28の印刷開始位置を搬送するための搬送量が算出される。
【0060】
また、このバーマーク41Dは、有効領域28−1の外側の領域28−2に配置されている。すなわち、この外側領域28−2は、回折効果がない目視でほぼ透明な領域であり、中間転写リボン28の供給方向に沿ってバーマーク41D以外は配置されていない。このため、印刷装置は、中間転写リボン28の外側領域28−2に対向して配置された第1センサS1からの出力信号に基づいてバーマーク41Dを確実に検知することが可能となる。
【0061】
図5の(a)に示すように、第1領域41A、第2領域41B、及び第3領域41Cからなる単位パターンは、中間転写リボン28の供給方向に沿ってピッチPで配置されている。
【0062】
第1領域41Aは、供給方向に沿った長さA及び有効領域28−1の幅W1にわたって長方形状に形成されている。第1領域41Aは、最大転写長さに相当する被転写媒体1における印刷エリア10Aの搬送方向長さよりやや長めの長さAを有している。また、第1領域41Aの幅W1は、被転写媒体1の幅wとほぼ同等かそれ以上の長さを有している。
【0063】
第2領域41Bは、供給方向に沿った長さB及び有効領域28−1の幅W1にわたって長方形状に形成されている。この第2領域41Bは、中間転写リボン28の供給方向に沿って第1領域41Aの後部に配置されている。
【0064】
第3領域41Cは、供給方向に沿った長さC及び有効領域28−1の幅W1にわたって長方形状に形成されている。この第3領域41Cは、中間転写リボン28の供給方向に沿って第2領域41Bの後部に配置され、且つ、次の所定情報が印刷される第1領域41Aの前部に配置されている。この第3領域41Cの長さCは、印刷部3における印刷位置から第2センサS2Aまでの距離とほぼ等しく形成されていることが望ましい。
【0065】
このように、第1領域41Aの長さA及び幅W1を設定することにより、被転写媒体1の印刷エリア10Aを確実に所定パターンのホログラム層41を付与した保護膜で覆うことが可能となる。
【0066】
次に、印刷装置の印刷部3による中間転写リボン28への印刷動作について説明する。
【0067】
すなわち、印刷装置のCPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、転写部搬送制御回路107を制御して、搬送機構としてのプラテンローラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、中間転写リボン28を送出する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第1センサS1からの出力信号に基づいて送出された中間転写リボン28のバーマーク41Dを検知する。
【0068】
続いて、CPU100は、検知したバーマーク41Dの位置を基準とし、印刷データに基づいてバーマーク41Dの基準位置からの中間転写リボン28の搬送量を算出する。すなわち、CPU100は、第1センサS1の位置でバーマーク41Dを検知してから、ホログラム層41における第1領域41Aの所定の印刷開始位置がサーマルヘッド5による印刷位置に到達するまでの中間転写リボン28の搬送量を算出する。
【0069】
続いて、CPU100は、算出した搬送量に基づいて転写部搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、中間転写リボン28を所定の搬送量だけ送出し、第1領域41Aの所定の印刷開始位置をサーマルヘッド5による印刷位置に到達させる。
【0070】
続いて、CPU100は、図7に示すように、印刷データに基づいてサーマルヘッド制御回路103を制御し、サーマルヘッド5を駆動して、インクリボン7のインクを中間転写リボン28の第1領域41Aに対応する接着層42上に転写してカラーまたは黒色の所定情報X1を印刷する。すなわち、サーマルヘッド5は、印刷データに基づいて発熱することにより、インクリボン7のインクが溶融されて中間転写リボン28の接着層42表面に転写される。
【0071】
続いて、CPU100は、サーマルヘッド制御回路103を制御し、サーマルヘッド5を駆動して、インクリボン7のインクを中間転写リボン28の第2領域41Bに対応する接着層42上に転写してカラーまたは黒色の転写位置検出用マークX2を印刷する。これにより、図5の(b)に示すように、中間転写リボン28に所定情報X1及び転写位置検出用マークX2が印刷される。
【0072】
印刷される所定情報X1及び転写位置検出用マークX2は、黒などの単色印刷でも良く、また、Y、M、C、Kの4色を重ね合わせたカラー印刷でも良い。必要に応じて、インクリボンを単色や複数色繰り返し塗布すればよい。また、文字印刷のために溶融黒インクを使用し、カラー印刷のためにY、M、C、Kの昇華染料が繰り返し塗布されても良い。複数色の重ね合わせ印刷の場合は、中間転写リボン28がサーマルヘッド5を色数と同じ回数だけ往復することで行われる。
【0073】
このとき、単色または複数色を重ね合わせによって新たに印刷された転写位置検出用マークX2は、バーマーク41Dに対して位置決めされており、以降、被転写媒体1に転写を行う際には、この転写位置検出用マークX2を検出すればよい。このインクによって形成された転写位置検出用マークX2の検出は、マークの透過光量の減衰幅が大きいため、安価な光学センサを用いて達成できる。
【0074】
中間転写リボン28の搬送は、主にプラテンローラ6によって搬送速度が決まり行われるため、プラテンローラ6の駆動は、5相ステッピングモータと減速機構とを組み合わせて正確に行われる。また印刷される所定情報は、反転画像であるという特徴がある。
【0075】
このように、印刷部3においては、まず、搬送された中間転写リボン28のバーマーク41Dを検出する。そして、検出したバーマーク41Dに基づいて、中間転写リボン28の接着層42上に所定情報X1とともに転写位置検出用マークX2を印刷する。このとき、検出したバーマーク41Dに基づいて中間転写リボン28の搬送が制御され、印刷部3における印刷位置まで中間転写リボン28の印刷開始位置が搬送される。
【0076】
このため、印刷部3において、中間転写リボン28に対して所定情報X1とともに転写位置検出用マークX2を常に所定の位置関係で印刷することが可能となる。これら所定情報X1及び転写位置検出用マークX2は、精度よく検出されたバーマーク41Dに対しても正確な位置関係で常に一定に印刷される。
【0077】
したがって、この転写位置検出用マークX2を検出して被転写媒体1に転写を行うことにより、第1領域41Dのホログラム層41も、接着層42上に印刷された所定情報X1も被転写媒体1に対して特定の位置に転写を行うことができる。
【0078】
次に、印刷装置の転写部4による被転写媒体1への所定情報の転写動作について説明する。この実施の形態では、印刷部3で印刷された所定情報を有する中間転写リボン28の接着層42と被転写媒体としての通帳類1の該当印刷頁10とを重ね合わせて、所定情報とともに接着層42及びホログラム層41を通帳類1上に同時に転写する。
【0079】
すなわち、図8の(a)に示すように、印刷装置のCPU100は、センサ入力回路109を介して第4センサS4からの出力信号に基づいて取込口2から挿入されたことを検知したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、搬送機構としての第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、印刷頁10が開かれた通帳類1を転写位置まで搬送する。
【0080】
続いて、図8の(b)に示すように、印刷装置のCPU100は、センサ入力回路109を介して第3センサS3からの出力信号に基づいて通帳類1の先端部を検知したのに基づいて、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bの駆動を一端停止する。
【0081】
そして、CPU100は、印刷データなどに基づいて通帳類1上における転写開始位置と転写部4における転写位置とを整合するよう媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bにより通帳類1の位置を微調整する。すなわち、通帳類1は、ヒートローラ26が回転した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が印刷頁10の綴じ目の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0082】
一方、CPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、転写部搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写リボン28を送出する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第2センサS2Bからの出力信号に基づいて送出された中間転写リボン28の転写位置検出用マークX2を検知する。
【0083】
続いて、CPU100は、検知した転写位置検出用マークX2の位置を基準とし、印刷データに基づいて転写位置検出用マークX2の基準位置からの中間転写リボン28の搬送量を算出する。すなわち、CPU100は、第2センサS2Bの位置で転写位置検出用マークX2を検知してから、ホログラム層41における第1領域41Aの所定の転写開始位置がヒートローラ26による転写位置に到達するまでの中間転写リボン28の搬送量を算出する。
【0084】
続いて、CPU100は、算出した搬送量に基づいて転写部搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、中間転写リボン28を所定の搬送量だけ送出し、第1領域41Aの所定の転写開始位置を転写部4における転写位置に到達させる。
【0085】
続いて、図8の(c)に示すように、CPU100は、ヒータ温度制御回路105を制御して、ヒータ65を駆動し、ヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタイミングでヒートローラ回転制御回路106を制御して、ヒートローラ26を回転させる。
【0086】
すなわち、互いに位置決めされた中間転写リボン28及び通帳類1は、円周の一部が切り欠かれた形状のカット面35Aを有するヒートローラ26の回転とともに重ね合わされる。このとき、中間転写リボン28の供給方向に直交する幅方向に対して、通帳類1の印刷頁10の綴じ目部が平行となるよう互いに重ね合わせて転写を開始する。
【0087】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる通帳類1の搬送と、送出軸30、巻取軸31、及びプラテンローラ6による中間転写リボン28の搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26により、中間転写リボン28及び通帳類1は、加圧されながら加熱される。
【0088】
これにより、所定情報X1が印刷された接着層24及びホログラム層41が通帳類1の印刷面10に転写される。なお、この実施の形態では、ヒートローラ26は、DCサーボモータもしくはステッピングモータにより正確な一定速度で駆動が可能であり、回転自由なバックアップローラとの間にはコイルバネで発生された圧力がかかるようになっている。
【0089】
この転写工程をより詳細に説明すると、CPU100は、転写部4における中間転写リボン28への転写動作を第1領域41Aの先端部分に近い転写開始位置から開始するよう中間転写リボン28の位置を制御する。そして、ヒートローラ26の円弧部35Bにより、中間転写リボン28のホログラム層41における第1領域41Aのみが通帳類1の印刷頁10上に圧着される。すなわち、円弧部35B上には、中間転写リボン28のホログラム層41における第2領域41Bは位置していない。これにより、ホログラム層41の第1領域41A、接着層42、及び接着層42上に印刷された所定情報X1が通帳類1の印刷頁10に転写される。このとき、第2領域41Bに対応する接着層42上に印刷された転写位置検出用マークX2は、印刷頁10に転写されることはない。
【0090】
続いて、図8の(d)に示すように、CPU100は、媒体搬送制御回路108を制御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した通帳類1を取込口2から排出させる。
【0091】
このように、転写部4においては、まず、搬送された中間転写リボン28に印刷された転写位置検出用マークX2を検出する。そして、検出した転写位置検出用マークX2に基づいて、転写位置において中間転写リボン28の接着層42とともに接着層42上に印刷された所定情報X1を通帳類1の印刷頁10上に転写する。このとき、検出した転写位置検出用マークX2に基づいて中間転写リボン28の搬送が制御され、転写部3における転写位置まで中間転写リボン28の転写開始位置が搬送される。
【0092】
したがって、精度よく検出された転写位置検出用マークX2に対して所定の位置関係で印刷された所定情報X1を、被転写媒体1に対して正確な位置関係で転写することが可能となる。
【0093】
次に、転写部4による転写終了後に実行される中間転写リボン28の逆搬送動作について説明する。
【0094】
すなわち、印刷装置のCPU100は、転写部4による第1印刷開始位置からの所定情報の転写動作が終了したことを検知したのに基づいて、転写部搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、転写部4において所定情報が転写された中間転写リボン28を再び印刷部3に向けて逆搬送する。そして、CPU100は、センサ入力回路109を介して第2センサS2Aからの出力信号に基づいて、逆搬送された中間転写リボン28の転写位置検出用マークX2を検知する。
【0095】
続いて、CPU100は、検知した転写位置検出用マークX2の位置を基準とし、転写位置検出用マークX2の基準位置からの中間転写リボン28の搬送量を算出する。すなわち、CPU100は、第2センサS2Aの位置で転写位置検出用マークX2を検知してから、中間転写リボン28の第2印刷開始位置(先の所定情報が印刷開始される第1印刷開始位置に続き、後の所定情報が印刷開始される位置)がサーマルヘッド5による印刷位置に到達するまでの中間転写リボン28の搬送量を算出する。
【0096】
続いて、CPU100は、算出した搬送量に基づいて転写部搬送制御回路107を制御して、プラテンローラ6、送出軸30、及び巻取軸31を駆動し、中間転写リボン28を所定の搬送量だけ逆搬送し、第1領域41Aの所定の第2印刷開始位置を印刷部3における印刷位置に到達させる。
【0097】
続いて、CPU100は、印刷データに基づいてサーマルヘッド制御回路103を制御し、サーマルヘッド5を駆動して、第2印刷開始位置からインクリボン7のインクを中間転写リボン28の第1領域41Aに対応する接着層42上に転写してカラーまたは黒色の第2の所定情報X1を印刷する。
【0098】
続いて、CPU100は、サーマルヘッド制御回路103を制御し、サーマルヘッド5を駆動して、インクリボン7のインクを中間転写リボン28の第2領域41Bに対応する接着層42上に転写してカラーまたは黒色の転写位置検出用マークX2を印刷する。
【0099】
このように、まず、先の第1印刷データに基づいて中間転写リボン28の第1印刷開始位置から第1所定情報X1を印刷した後にこの所定情報の後部に転写位置検出用マークX2を印刷し、印刷した第1印刷データに基づく第1所定情報X1を被転写媒体1に転写する。この転写動作終了後、転写終了後に中間転写リボン28を逆搬送し、第1所定情報X1とともに印刷した転写位置検出用マークX2を検出する。
【0100】
そして、検出した転写位置検出用マークX2に基づいて、中間転写リボン28の第2印刷開始位置を印刷部3の印刷位置に搬送する。そして、印刷位置において、中間転写リボン28の第2印刷開始位置から第2印刷データに基づいて第2所定情報X1を印刷する。
【0101】
したがって、中間転写リボンを有効に利用することが可能となり、未使用部分を最小限に抑え、無駄の発生を抑制できる。これにより、印刷コストを削減することが可能となる。
【0102】
なお、上述した説明では、中間転写リボン28を逆搬送し、転写位置検出用マークX2を検出したのに基づいて、中間転写リボン28の第2印刷開始位置を印刷部3における印刷位置まで搬送する搬送量を算出したが、この例に限定されるものではない。
【0103】
すなわち、転写位置検出用マークX2の位置から第2印刷開始位置までの中間転写リボン28の供給方向に沿った長さ(すなわち、第3領域41Cの長さCに実質的に等しい)を、サーマルヘッド5による印刷位置から第2センサS2Aまでの中間転写リボン28の供給路に沿った長さとほぼ等しくして設定しておく。これにより、中間転写リボン28を逆搬送し、転写位置検出用マークX2を検出したのに基づいて、中間転写リボン28の逆搬送を停止した場合、サーマルヘッド5による印刷位置は、中間転写リボン28の第2印刷開始位置にほぼ一致することになる。これにより、CPU100による制御の負荷を軽減することが可能となる。
【0104】
次に、上述した印刷装置を備えた印刷システムについて説明する。
【0105】
すなわち、この印刷システムは、図10に示すように、閉じた状態の複数通の通帳類1を積層状態で収容し、一通ずつ取込む通帳取込部12、及びこの通帳取込部12から図中右方に延びた搬送路11を有している。搬送路11上には、通帳取込部12から取込まれた通帳類1を正逆両方向に搬送するための複数の搬送ローラ対13…が配設されている。以下の説明では、通帳取込部12から印刷部20に向う図中右方向を正方向とし、反対方向を逆方向とする。
【0106】
また、この印刷システムは、搬送路11に沿って、通帳類1の開かれた印刷頁10を検知するためのページ検知センサ14、及びページめくり機構15を有するページめくり部16、さらに、ページめくり部16にて所定の印刷頁が開かれた通帳類1に対して所定の情報を印刷する印刷部20を備えている。この印刷部20は、上述した印刷装置20と同一の構成であるため詳細な説明は省略する。
【0107】
ページ検知センサ14は、通帳類1の開かれた印刷頁の画像を検出し、その画像データに基づいて、当該頁の所定位置に付与された図示しないバーコードを読取り、通帳類1の開かれたページを認識する。
【0108】
ページめくり機構15は、搬送路11の下方に配設されたバックアッププレート17、搬送路11の上方に配設されためくりローラ18、及びバックアッププレート17の揺動の中心に設けられた支点19aを中心に揺動自在であるとともに、その揺動の先端にめくりローラ18を回動自在に取付けた揺動軸19を有している。揺動軸19が図中破線で示す位置に図示しないモータによって揺動されると、めくりローラ18が揺動されるとともにバックアッププレート17がそれに連動して揺動される。また、めくりローラ18は、図示しないモータによって時計回り或いは反時計回り方向に回転可能となっている。
【0109】
このページめくり機構15によって通帳類1の頁をめくる場合、まず、通帳類1をページめくり機構15内の所定位置まで搬送して停止させ、例えば図中破線で示すように揺動軸19を図中左方向へ揺動してめくりローラ18を通帳類1の上に押し当てる。このとき、揺動軸19の揺動にともない、バックアッププレート17も揺動され、傾いたバックアッププレート17によって通帳1の背面が上方へ押し上げられる。
【0110】
この状態で、通帳類1の搬送方向上流側の頁に押し当てられためくりローラ18を回転し、通帳類1の最上端の頁のめくり動作を開始する。このめくり動作によって当該ページがせり上がるように膨らみ、ある程度めくられたところでめくりローラ18を停止する。さらに、この状態から揺動軸19を図中実線で示す位置に戻した後、めくりローラ18を再度回転し、当該ページをめくりローラ18上に完全にめくり上げる。
【0111】
そして、通帳類1を逆方向に搬送し、ローラ上にめくり上げた頁を完全に開くとともに、開いた頁の画像データをページ検知センサ14を介して検出し、バーコードを読取って開いた頁を確認する。これにより、通帳類1の所望する頁を自動的に開くことができるとともに開いた頁を認識することができる。このようにして、その種類が認識されて所望する頁が開かれた通帳類1は、印刷部20へ搬送されて所定の情報が印刷されるとともにその表面に保護膜が転写される。
【0112】
尚、ページめくり機構15を上述した動作と逆に動作させることにより、通帳1のページを逆方向にも開くことができる。
【0113】
印刷部20において所定情報が印刷された通帳類1は、さらに搬送方向下流側に向けて搬送され、通帳排出部に排出される。
【0114】
このような印刷システムにより、所定情報が印刷された通帳類1を連続して自動的に作成することが可能となる。
【0115】
なお、中間転写リボン28の構造は、図5の(a)及び(b)に示したような構造に限定されるものではない。すなわち、図10に示すように、中間転写リボン28は、図5の(a)及び(b)に示した構造とは異なり、有効領域28−1の幅方向の外側に外側領域を有していない。所定パターンのホログラム層41からなる第1領域41Aは、中間転写リボンの全幅方向にわたって形成されている。
【0116】
バーマーク41Dは、中間転写リボン28の有効領域28−1内に配置されている。このバーマーク41Dは、第1領域41Aと同様にホログラムによって形成されているが、第1領域41Aに形成されたホログラムとは回折角度が異なる。すなわち、第1領域41Aを形成するホログラムは、第1方向から入射した光を第2方向に回折する回折効果を有するのに対して、バーマーク41Dを形成するホログラムは、同様に第1方向から入射した光を第2方向とは異なる第3方向に回折する回折効果を有する。
【0117】
このバーマーク41Dは、第1方向から入射する光を発光する発光部と、第3方向に回折された回折光を受光する受光部とを備えたセンサによって検知される。これにより、第1領域41Aのホログラムと、バーマーク41Dとを識別して正確に検知することが可能となる。
【0118】
このような構造の中間転写リボン28は、有効領域28−1の外側にバーマーク41Dを設ける領域を設ける必要がないため、中間転写リボン28の幅を狭くすることが可能となり、リボン材料を削減することができる。したがって、印刷コストを削減することが可能となる。
【0119】
また、同時に、サーマルヘッド5の幅を狭くすることができるため、サーマルヘッド5自体の小型化と、これに伴う印刷装置全体の小型化を図ることも可能となる。
【0120】
以上説明したように、この印刷装置及び印刷方法によれば、中間転写媒体の受像層(接着層)上に所定情報を印刷し、この所定情報とともに接着層を被転写媒体上に転写することにより、被転写媒体の表面状態に影響を受けることなく安定して高画質な印刷を行うことが可能となる。
【0121】
また、印刷部においては、ホログラムパターン及びこのホログラムパターンに対して所定の位置関係で形成されたホログラムマークを備えた中間転写媒体からホログラムマークを精度よく検出し、検出したホログラムマークに基づいて固有の所定情報とともに転写位置検出用マークを印刷する。これら所定情報及び転写位置検出用マークは、ホログラムマークに対して精度よく位置決めされた状態で印刷される。
【0122】
転写部においては、転写位置検出用マークを精度よく検出し、検出した転写位置検出用マークに基づいて印刷された所定情報をホログラムパターンとともに被転写媒体上に転写する。転写される所定情報は、転写位置検出用マークに対して所定の位置関係で同時に印刷されたため、被転写媒体の所定位置に常に一定に転写することが可能となり、転写位置精度を向上することが可能となる。
【0123】
また、先の印刷データに基づいて印刷された所定情報の転写部における転写動作終了後に、中間転写リボンを逆搬送し、印刷された転写位置検出用マークを精度よく検出し、検出した転写位置検出用マークに基づいて、後の印刷データに基づいて所定情報を印刷する。このため、中間転写リボンを有効利用することが可能となる。
【0124】
さらに、ホログラムを検出するセンサを2個以上配置する必要がなくなり、装置全体のコストを削減することが可能となる。
【0125】
またさらに、ホログラムマークを中間転写リボンの有効領域内に配置し、ホログラムマークの回折特性をホログラムパターンとことなるように設定しておくことにより、精度よくホログラムマークを検知することが可能となる。また、中間転写リボンの幅、及びサーマルヘッドの幅を狭くすることができ、装置全体を小型化することも可能である。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、コストを増大することなく、印刷された所定情報の被転写媒体への転写位置精度を向上することが可能な印刷装置及び印刷方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る印刷装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示した印刷装置に適用されるヒートローラの構成を概略的に示す図である。
【図3】図3は、図1に示した印刷装置における制御系統の構成を概略的に示す図である。
【図4】図4は、それぞれ図1に示した印刷装置によって印刷/転写された所定情報と保護膜とを有する被転写媒体の一例を示す図である。
【図5】図5の(a)は、図1に示した印刷装置に適用される中間転写リボンの構成を概略的に示す図であり、図5の(b)は、印刷部において印刷処理された中間転写リボンを概略的に示す図である。
【図6】図6の(a)乃至(c)は、それぞれ図1に示した印刷装置に適用可能な中間転写リボンの構成を概略的に示す断面図である。
【図7】図7は、図1に示した印刷部による中間転写リボン上に所定情報を印刷する印刷動作を説明するための図である。
【図8】図8の(a)乃至(d)は、図1に示した転写部による中間転写リボン上の所定情報を被転写媒体に転写する転写動作を説明するための図である。
【図9】図9は、図1に示した印刷装置が適用された印刷システムの構成を概略的に示す図である。
【図10】図10は、図1に示した印刷装置に適用される中間転写リボンの他の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…通帳類(被転写媒体)
3…印刷部(印刷手段)
4…転写部(転写手段)
6…プラテンローラ(搬送手段)
8…送出軸
9…巻取軸
11…搬送路
13…搬送ローラ対
26…ヒートローラ(転写ローラ)
28…中間転写リボン(中間転写媒体)
30…送出軸(搬送手段)
31…巻取軸(搬送手段)
41…ホログラム層
41A…第1領域(ホログラムパターン)
41B…第2領域
41C…第3領域
41D…バーマーク(ホログラムマーク)
100…CPU(制御手段;算出手段)
S1…第1センサ(検出手段;第1検出手段)
S2A及びS2B…第2センサ(検出手段;第2検出手段)
S3…第3センサ
S4…第4センサ
X1…所定情報
X2…転写位置検出用マーク
Claims (2)
- ホログラムによって形成された所定パターン及びホログラムマークを有する転写層を備えた中間転写媒体を搬送する搬送手段と、
前記ホログラムマークを検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段により検出された前記ホログラムマークに基づいて、印刷位置において前記搬送手段により搬送された中間転写媒体の転写層上における第1印刷開始位置から所定情報を印刷するとともに第1印刷開始位置に続く第2印刷開始位置まで中間転写媒体の供給方向に沿って所定距離だけ離間した位置に転写位置検出用マークを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段の印刷位置から中間転写媒体の供給路に沿って前記所定距離だけ離間した位置に配置され、前記印刷手段により印刷された転写位置検出用マークを検出する第2検出手段と、
前記第2検出手段により検出された転写位置検出用マークに基づいて、転写位置において所定情報を転写層とともに被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段による転写終了後、前記搬送手段を制御して中間転写媒体を逆搬送させ、前記第2検出手段により転写位置検出用マークを検出したのに基づいて中間転写媒体の逆搬送を停止させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。 - ホログラムによって形成された所定パターン及びホログラムマークを有する転写層を備えた中間転写媒体を搬送し、
前記ホログラムマークを検出し、
検出された前記ホログラムマークに基づいて、印刷位置において搬送された中間転写媒体の転写層上における第1印刷開始位置から所定情報を印刷するとともに第1印刷開始位置に続く第2印刷開始位置まで中間転写媒体の供給方向に沿って所定距離だけ離間した位置に転写位置検出用マークを印刷し、
印刷された転写位置検出用マークを検出し、
検出された転写位置検出用マークに基づいて、転写位置において所定情報を転写層とともに被転写媒体に転写し、
転写終了後、中間転写媒体を逆搬送させ、印刷位置から中間転写媒体の供給路に沿って前記所定距離だけ離間した位置で転写位置検出用マークを検出したのに基づいて中間転写媒体の逆搬送を停止させる、
ことを特徴とする印刷方法。
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