JP2005144756A - 通帳類捲り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通帳類の表紙の硬度や材質に係わらず、確実に捲ることができるようにする。
【解決手段】 搬送ローラ対81a〜81dによって搬送される通帳類Tの表紙Taの搬送方向先端部を捲りローラ82に当接させ、この当接後、捲りローラ82を回転させるとともに移動させて表紙Taの先端部側を持ち上げて捲りローラ82上に捲り上げ、この捲り上げ後に通帳類Tを搬送することにより表紙Taに対し捲りローラ82により反搬送方向の力を付与して表紙Taを綴目部Ttを中心に開いて開帳させる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、例えば、通帳類発行機に搭載されて通帳類の頁を自動的に捲る通帳類捲り装置に関する。
通帳類の自動発行を行なう通帳類発行機では、通帳類の頁捲り装置を搭載することで、オペレータの作業自動化に大きく貢献することを可能としている。
この種の通帳類捲り装置としては、図11に示すようなものが知られている。
この通帳類捲り装置は、図11(a)に示すように搬送されてくる通帳類Tの綴目部Tt側を搬送ローラ対102によりクランプした状態で、捲りローラ101と通帳押上ガイド103を傾斜させる。このとき、通帳押上ガイド103によって、通帳類T全体がカールされ、安定した捲りが実現される。ついで、図11(b)に示すように捲りローラ101を反時計方向に回転させ、一番上位側の表紙Taを捲り上げてカール状態とする。そして、このふくらました表紙Taを図11(c)に示すようにさらにカールさせ、はじき動作に備える。捲りローラ101を反時計方向にさらに回転させることで、図11(d)に示すように表紙Ta先端が捲りローラ101によって持ち上げられる。捲りローラ101を反時計方向にさらに回転させることで、図11(e)に示すように表紙Taの反発力とあわせてはじき、表紙Ta先端が捲りローラ101上側に移動される。ついで、図11(f)に示すように通帳類を左方向に搬送することで、図11(g)に示すように通帳類Tの捲りを完了する(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−255109号公報
しかしながら、従来においては、通帳押上ガイド103によって、通帳類全体をカールさせていたため、通帳類Tとしては、通帳類押上ガイド103によって通帳類全体がカールするような柔軟性がないと安定した通帳類の捲りが行えないことになる。
また、通帳類Tの表紙Taの表面に捲りローラ101を圧接して表紙Taをカールさせるため、通帳類Tとしては表紙Taの材質や表面状態によっては十分な摩擦力が得られない。このため、表紙Taの表面の材質等の仕様を規定する必要がある。
また、捲りローラ101としては、通帳類Tから発生する紙紛や捲りローラ101の磨耗紛、その他ホコリなどによる摩擦力低下等の問題が発生することから、高摩擦係数を維持できて、高い耐磨耗性を有するようなローラの材質を通帳類に合わせて選定する必要があり、手間取るものとなる。
さらに、通帳類Tの表紙Taを屈曲させながら、表紙Taの反発力と合わせてはじき、表紙Taの先端を捲りローラ101の上側に捲り上げるため、即ち、通帳類Tの表紙Taが大きく屈曲した状態となるため、通帳類Tとしては表紙Taにめくり動作で必要な柔軟性をもち、かつ屈曲しても折り目等がつかないような耐屈曲性を併せ持つ必要がある。
また、近年、偽造、変造を防止し、セキュリティ性を向上させるために、クレジットカード、健康保険証カード、身分証明書等において接触式あるいは非接触式のICモジュールを内蔵したカード等が増えてきている。
同様に通帳類においても非接触式のICモジュールが内蔵されることも考えられ、表紙TaにICモジュールが埋め込まれたような場合においては、現在の表紙Taと比較して表紙が硬く曲がりにくい材質となることが予想される。
さらに、従来の捲り機構では、表紙自体を撓ませて捲り動作を行うことから、内蔵されたICチップが破損することも考えられる。
以上のような理由から、通帳類Tの表紙Taが現状よりも硬くなったり、表紙Taの表面の材質が異なるものになった場合、現状の頁捲り機構では頁捲り動作が安定して行えないという不都合がある。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、通帳類の表紙の硬度や材質に係わらず、確実に捲ることができるようにした通帳類捲り装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載のものは、表紙と中紙とが綴目部を介して綴じられる通帳類を前記綴じ目部の反対側の端部を先端にして搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送される前記通帳類の表紙側の搬送方向先端部に当接する捲りローラと、この捲りローラに前記通帳類の表紙側の搬送方向先端部が当接されたのに基づき、前記捲りローラを回転させるとともに移動させて前記表紙側の搬送方向先端部側を持ち上げて前記捲りローラ上に捲り上げる駆動手段と、前記通帳類の表紙が前記捲りローラ上に捲り上げられたのに基づき、前記通帳類を搬送方向に搬送させて前記捲りローラを介して前記表紙に反搬送方向の力を付与することにより、前記表紙を前記綴目部を中心に開いて開帳させる制御手段とを具備する。
本発明によれば、通帳類の表紙の硬さや材質の変化に柔軟に対応し、安定した表紙捲り動作を実現できる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である通帳類印刷装置1を示す全体構成図である。
この通帳類印刷装置1は取出手段としての通帳類取込部4を備え、この通帳類取込部4には通帳類Tが閉じた状態で複数冊積層されてセットされ、一冊ずつ取り込まれるようになっている。この取込まれた通帳類Tは複数個の搬送ローラ対2によって搬送路3に沿って搬送される。搬送路3中には通帳類Tの搬送方向に沿って第1の読取手段としての第1のOCR読取部5、本願発明に係わる頁捲り装置6、直接印刷部7、印刷手段としての中間転写印刷部8、第2の読取手段としての第2のOCR読取部9、及び通帳類折畳み部14、さらに、無線情報処理手段としての無線IC R/Wユニット10が配設されている。
また、搬送路3の排出端側には通帳類Tの排出方向を第1の方向と第2の方向に切り換える排出ゲート11が設けられ、第1の方向には正常な通帳類Tを集積させる正常集積部12、第2の方向には不良な通帳類を集積させる不良集積部13が配設されている。
上記した通帳類取込部4は、複数の通帳類Tを重ねたまま投入可能であり、制御部の指示に応じて最も下側の1冊のみが取り出し手段であるピッカ(図示しない)によって取り出され、第1のOCR読取部5の方向に取り込まれる。
第1のOCR読取部5は、隣の頁捲り装置6で必要な頁が開かれた通帳類Tに初めから付与されている後述する通帳固有番号を、OCRで認識するものである。通帳固有番号は、後述するように一定のエリアに文字で表現されている。ここでは英数字が使われている。
頁捲り装置6は、後で詳しく述べるように通帳類取込部4から取り込まれた通帳類Tの表紙を捲ったり、さらに内側の中紙をめくる機能を有する。
めくった頁の認識は、通帳類Tに当初より印刷されているバーマークを、図示しないバーマークリーダで読み取ることで行う。
直接印刷部7は、印刷する通帳類Tの印刷頁表面上に、インクリボン7b、サーマルヘッド7aの順に押し当てて、サーマルヘッド7aが選択的に発熱することで画像や文字を印刷する。この実施の形態では、中間転写印刷部8で印刷される情報に比べて、セキュリティ度合いが低い情報を直接印刷部7によって印刷する。
なお、通帳類Tの全てが直接印刷部7で印刷されるわけではなく、また、直接印刷部7で印刷される頁は、中間転写印刷部8で印刷される頁とは異なる。このため、直接印刷部7での印刷が発生した場合は、まず印刷する頁を頁捲り装置6で捲り出して直接印刷を行った後に、再度頁捲り装置6に搬送して中間転写印刷を行う頁を捲り出す。直接印刷部7で印刷される情報がない場合は、通帳類Tは直接印刷部7を通過する。
図2は、上記した中間転写印刷部8を示すものである。
中間転写印刷部8は機能的に情報印刷部(以下、印刷部という)16と、オーバーコート転写部(以下、転写部という)17とを有して構成されている。
印刷部16としては熱溶融転写印刷方式のものが採用されている。即ち、サーマルヘッド19とプラテンローラ20に挟まれるように中間転写フィルム21と溶融インクリボン22を配置し、これら中間転写フィルム21と溶融インクリボン22によって中間転写フィルム21の表面に情報等を印刷する。
この熱溶融転写方式の特徴としては、画像耐久性が高いこと、インク材料に機能性材料を適用することが比較的容易なこと(例えば蛍光顔料、アルミ蒸着薄膜)などがあり、偽造防止を目的とする印刷物に適している。
溶融インクリボン22のベースフィルム厚やインク層厚は、印刷ドット再現性に極めて重要なパラメータであり、インクリボン総厚としては3〜25μmであり、望ましくは4〜10μmである。
一方、中間転写フィルム21の後述するベースフィルムの厚さや、受像兼接着総厚は、接着性や膜切れ特性に影響を与えるパラメータであり、中間転写フィルム21の総厚は、10〜100μmであり、望ましくは25〜50μmである。
プラテンローラ20は硬質のゴム材料を表面に用いたローラで、ゴム硬度が上がるほどに微小ドットの再現性が向上するが、同時に最適なプラテンローラ20とサーマルヘッド19の位置関係を得ることが難しくなる。このため、硬度は75°以上、望ましくは85〜97°である。同時に研磨したゴム表面の表面粗さも、表面平滑性が上がるほどに微小ドットの再現性が向上する。このため、表面粗さは中心線平均粗さRaで1μm以下、望ましくは0.5μm程度であることが要求される。
中間転写フィルム21を搬送する駆動力は、一般的にプラテンローラ20に駆動機構を設けることが多いが、上記の硬度と平滑性から中間転写フィルム21とプラテンローラ20の摩擦係数が上がらず、また安定しない。
このため、プラテンローラ20の下流(ヒートローラ側)直近に別途フィルム駆動ローラ23を設ける。フィルム駆動ローラ23は硬度30〜60度のローラを用い、中間転写フィルム21はフィルム駆動ローラ23に対して出来るだけ巻付き角が大きいほうが良い。実施例では90°から130°の巻き付き角をえられるようにテンショナ24を配置する。
テンショナ24には図示しないバネ機構が設けられ、限られた可動範囲内で中間転写フィルム21にテンションを与えて、フィルム駆動ローラ23と中間転写フィルム21が常に適切に接触する状態を作り出す。
フィルム駆動ローラ23の駆動は5相ステッピングモータ、タイミングベルト、プーリによる減速機構の組み合わせにより、正確に搬送が行われる。また、サーマルヘッド19はニアエッジ、またはコーナエッジタイプのヘッドを用い、熱時剥離による印刷を行うことが望ましい。
また、転写部17は通帳類搬送路3を介して対向配置されるヒートローラ35とバックアップローラ36を備えている。ヒートローラ35はDCサーボモータ若しくはステッピングモータにより正確に一定速度で駆動可能になっており、回転自在なバックアップローラ36との間にはコイルバネ37で発生された圧力が付与されるようになっている。
図3(a)〜(c)は中間転写フィルム21の構成を示す断面図である。
図3(a)に示す中間転写フィルム21は、基材としてのポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)のフィルム26の表面に、透明樹脂によるホログラム形成層と金属化合物の蒸着層による透明ホログラム層28、受像層兼接着層としてのポリエステル系樹脂29を積層したものである。
また、図3(b)に示す中間転写フィルム21は、基材としてのPETフィルム26の表面に、剥離層としてのフェノキシ系樹脂27、透明樹脂によるホログラム形成層と金属化合物の蒸着層による透明ホログラム層28、受像層兼接着層としてのポリエステル系樹脂29を積層したものである。
さらに、図3(c)に示す中間転写フィルム21は、基材としてのPETフィルム26の表面に、剥離層としてのフェノキシ系樹脂27、保護層30、透明樹脂によるホログラム形成層と金属化合物の蒸着層による透明ホログラム層28、受像層兼接着層としてのポリエステル系樹脂29を積層したものである。
その他、中間転写フィルム21としては紫外線によって発光する蛍光発色層などの機能層を設け、転写対象への転写と同時にこれらの機能層も転写するものであってもよい。
図4は上記した通帳類取込部4にセットされる通帳類Tを開いた状態で示すものである。
この通帳類Tは表紙Taを有し、この表紙Taには綴じ目部Ttを介して複数枚の中紙Tnが綴じ込められている。開かれた表紙Taの内面側には通帳類固有情報としての通帳類固有番号42が記録されているとともに、無線IC43が装備されている。
図5は上記した通帳類印刷装置1の駆動制御系を示すブロック図である。
図中51はデータ入力制御部で、このデータ入力制御部51に印刷装置1が接続されている。データ入力制御部51には主制御部52が設けられ、この主制御部52には制御回路を介してメモリ53、インターフエース部54、操作パネル55、及び画像入力部56が接続されている。
印刷装置1には生成手段としての生成部58a及び判別手段としての判別部58bを有して構成される装置制御部58が設けられ、この装置制御部58には制御回路を介して直接印刷画像処理部67、中間転写画像処理部68、ヒータ温度制御部60、通帳類搬送制御部61、画像形成制御部62、光学式文字認識部69、無線読取/書込部73が配設されている。
上記した直接印刷画像処理部67にはサーマルヘッド7aの印字動作を制御するヘッド制御部63が接続されている。中間転写画像処理部66にはサーマルヘッド19の印字動作を制御するヘッド制御部64が接続されている。
ヒータ温度制御部60には制御回路を介してヒートローラ35のヒータ65が接続されている。通帳類搬送制御部61には制御回路を介して通帳類搬送機構2A、通帳類取込機構4a、頁検知部6b、頁捲り機構6a及び排出ゲート制御部11aが接続されている。
画像形成制御部62には制御回路を介して転写リボン搬送機構32a、サーマルヘッド19を移動させるヘッド移動機構19a、ヒートローラ35を回転させる回転機構35aが接続されている。
光学式文字認識部69には第1及び第2の読取り光学系5,9が接続されている。無線IC読取/書込部73には、無線IC R/Wユニット10が接続されている。
次に、上記したように構成される通帳類印刷装置1の動作について説明する。
まず、図1に示す通帳類取込部4から通帳類Tが1冊のみ取出されて頁捲り装置6に搬送され、ここで、通帳類Tの表紙Taが後述するように捲られて所定のページが開いた状態となる。この後、第1のOCR読取部5で通帳類Tそれぞれに付与されている固有情報42が読み取られ、認識処理される。この認識処理された固有情報42は、セキュリティ情報に追加され、サーマルヘッド19に転送される黒印刷データとされる。
一方、このときには、図2に示すように送出側リール32から中間転写フィルム21が繰り出され、そのホログラム位置を示すマークがセンサ33によって検知される。このマーク検知結果を用いて中間転写フィルム21が印刷開始位置に制御される。
ついで、中間転写フィルム21の所定の位置に固有印刷情報等がサーマルヘッド19により印刷される。印刷される情報はY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の三原色に加えて黒の4色重ね合せによるカラー印刷である。これら複数色の重ね合わせ印刷は、中間転写フィルム21がサーマルヘッド19を色数と同じ回数往復することで、重ね合わせ印刷が行われる。また、印刷される情報は、反転画像であるという特徴がある。なお、印刷色は上記4色に加えて、蛍光顔料を含んだインクなど機能性インクを付与してもよい。
このように固有印刷情報が印刷された中間転写フィルム21は順方向(ヒートローラ35の方向)に巻き取られ、図6(a)に示すように経路途中の転写部マーク検知センサ39によって中間転写フィルム21の位置が把握される。この把握結果に基づいて転写開始位置まで中間転写フィルム21が送られる。
また、このとき通帳類Tは、転写される頁が開かれた状態で図6(b)に示すように取り込まれて、ヒートローラ35に対して決められた位置に搬送される。転写される頁は、表紙見返し頁でも、他の中紙頁でもかまわない。
このように互いに位置決めされた中間転写フィルム21と通帳類Tの該当ベージは、図6(c)に示すように円周の一部が切り欠かれた形状の金属製ヒートローラ35の回転と共に合わされ、搬送と同時に加圧されるとともに加熱される。その後、図7に示すように通帳類Tに対して60°〜110°の角度をもって転写フィルムベース26が引き上げられて、固有印刷情報と受像兼接着層29、ホログラム層28の転写が完了し、図8に示すように固有情報42、固有情報42が転写されたものを含み、数字、文字、記号、バーコード等からなるセキュリティ情報46及び所持人のカラー顔画像44が転写される。転写が完了した通帳類Tは、図6(d)に示すように頁が開かれた状態のまま次の第2のOCR読取部9に搬送される。
上記した第1のOCR読取部5で読み取られた通帳類Tの固有情報42(この場合は文字)は光学式文字認識部69で認識され、この認識結果が印刷装置制御部58に送信される。印刷装置制御部58では、データ入力制御部50から送られてくる画像入力部56で取得された所持人のカラー顔画像データ、操作パネル55で入力された所持人のセキュリティ文字情報などに通帳類固有の文字情報に基づいた印刷データを加えて処理を行い、生成部58aで印刷データを生成し、中間転写画像処理部68に送信する。これにより、通帳類固有情報が付与されたセキュリティ情報が中間転写フィルム21の表面に印刷される。
また、第2のOCR読取部9で読み取られた固有情報42と、固有印刷情報とは光学式文字認識部69で認識され、この認識結果が印刷装置制御部58に送信される。印刷装置制御部58では、判別部58bでデータの照合処理を行い、判断した結果を通帳類搬送制御部61に送信する。
判別部58bでのデータの照合結果で不良と判断された場合には、印刷装置制御部58からデータ入力制御部50に対し、作成した通帳類が不良であったことを通知する。データ入力制御部50では作成された通帳類が不良であったという通知を受信することに基づいて再度同一の印刷処理命令を印刷装置制御部58に送信し、自動的に通帳類の再作成を行わせる。
通帳類搬送・制御部61では照合の結果から、正常通帳類であれば正常通帳類集積部12へ搬送する。また、不良通帳類であれば不良通帳類集積部13へ搬送するが、このとき、すぐさま不良通帳類集積部13に通帳類Tを搬送して集積するのではなく、無線IC R/Wユニット10にて、不良通帳類であることを知らせる旨のデータを通帳類Tの無線IC43に記録してから不良通帳類集積部13に集積する。
また、第2のOCR読取部9で読み取ったデータの照合結果が正しかった場合には、上述した中間転写印刷部8の印刷動作で説明したように、第1のOCR読取部5で読み取った通帳類固有情報42を光学式文字認識部69が認識し、その認識結果を印刷装置制御部58に送信している。従って、印刷装置制御部58では、データ入力制御部50から送られてきた、画像入力部56で取得された所持人のカラー顔画像データ、操作パネル55で入力された所持人のセキュリティ文字情報などに通帳類固有の文字情報に基づいた記録データを加えて処理を行い、無線ICへの記録データを生成し、無線IC R/W制御部73に送信する。これにより、通帳類固有情報が付与されたセキュリティ情報が無線ICR/Wユニット10にて通帳類Tの無線IC43に記録(書き込み)される。
書き込み動作(通信)が終了したら、正常にデータが書き込めたかどうかをベリファイする。即ち、無線IC R/Wユニット10は記録の終わった通帳類Tの無線IC43から書き込んだデータを読み出し、送信したデータと照合を取る。照合結果が正しかった場合は正常通帳類集積部12へ通帳類Tを搬送し、通帳類Tを集積する。
照合結果が正しくなかった場合は第2のOCR読取部9での照合エラーと同様に、無線IC R/Wユニット10より、不良通帳類である旨を知らせるデータを通帳類Tの無線IC43に記録し、不良通帳類集積部13へ集積する。
ところで、上記した頁捲り装置6は図9に示すように構成されている。
ここで前提となる通帳類Tは通常銀行等で使用されているようなものを想定しており、構成としては図4で説明したように表紙Taに中紙Tnが綴じこまれており、通帳類Tを閉じた際に中紙Tnはその先端面が表紙Taに対しておおよそ揃うようなものである。また、表紙Taは硬質で、ほとんど曲がらないもので、中紙Tnは表紙Taに対して薄く柔軟な材質で構成されているものとする。
頁捲り装置6は通帳類Tの搬送方向に亘って所定間隔を存して配設される搬送手段としての第1の搬送ローラ対2a,2bと第2の搬送ローラ対2c,2d、さらに、第1の搬送ガイド板81aと第2の搬送ガイド板81bを有している。
上下対になっている第1及び第2の搬送ローラ対2a,2b、2c,2dは上下とも回転駆動可能となっており、下部側の搬送ローラ2b,2dはバネ(図示しない)によって付勢されてピンチ力を発生させ通帳類Tを搬送する。第1及び第2の搬送ローラ対2a,2b、2c,2dは第3の駆動モータ90の駆動によって回転される。第1及び第2の搬送ガイド板81a,81bは第1及び第2の搬送ローラ2a,2b、2c,2dの周辺に配置され、通帳類Tの動きを規制する。
また、第1の搬送ローラ対2a,2bと第2の搬送ローラ対2c,2dとの間には、捲りローラ82及び通帳押上げガイド83が配設されている。捲りローラ82は捲りローラアーム84の上端部に正逆方向に回転自在に取付けられ、捲りローラアーム84の下端部は支軸85により揺動自在に支持されている。捲りローラアーム84は駆動手段としての第1の駆動モータ88の正逆回転により揺動され、その揺動位置は可動範囲内であれば任意に設定可能となっている。通帳押し上ガイド83は、捲りローラアーム84の回転中心と同軸で揺動可能となっており、捲りローラアーム84とは独立して揺動位置を設定できるようになっている。
捲りローラ82は駆動手段としての第2の駆動モータ89の正逆回転により正逆方向に回転される。捲りローラ82は通帳類Tが搬送されくるまでは2点鎖線で示す位置にあり、搬送されてくる通帳類Tの表紙Taの先端部を当接させるようになっている。このときの捲りローラ82の高さは、その中心が通帳類Tの表紙Taの高さに一致するような位置が望ましい。
捲りローラ82に対する通帳類Tの当接は、検知センサ91によって検知されるようになっている。検知センサ91には信号回路を介して制御手段としての制御部92が接続され、制御部92には制御回路を介して上記した第1乃至第3の駆動モータ88〜90が接続されている。
また、第1の搬送ローラ対2a,2bの上部側の搬送ローラ2a及び第1の搬送ガイド板81aは一体的にユニット化され、揺動アーム86によって揺動されるようになっている。揺動アーム86は付勢部材としてのバネ材87により上部側の搬送ローラ2aを下部側の搬送ローラ2bに当接させる方向に付勢されている。上部側の搬送ローラ2a及び第1の搬送ガイド板81aは、後述する表紙Taの捲り動作の際には、バネ材87の付勢力に抗して退避される。
次に、上記した頁捲り装置6による通帳類Tの頁捲り動作について図10を参照して説明する。
上述したように通帳類取込部4から取り出された通帳類Tは頁捲り装置6に送られ、図10(a)に示すように第1の搬送ローラ対2a,2bによりその綴目部Ttと反対の端部を先端にして右から左方向に挟持搬送され、その先端部が捲りローラ82に当接される。この当接は検知センサ91によって検知され、検知センサ91から信号回路を介して制御部92に検知信号が送信される。この検知信号に基づいて制御部92は制御回路を介して第3の駆動モータ90を停止させて通帳類Tの搬送を停止させるとともに、第1及び第2の駆動モータ89,90を駆動させて図10(b)に示すように捲りローラアーム84を上方へ回動させるとともに、捲りローラ82を反時計方向に回転させる。これにより、通帳類Tの表紙Taと中紙Tnの一部(数枚)が一緒に上方へ持ち上げられたのち捲りローラ82の上部側に捲り上げられる。このとき、第1の搬送ローラ対の上部側の搬送ローラ2aと第1の搬送ガイド板81aはバネ材87の付勢力に抗して上方へ退避され表紙Taが開くことを妨げないようにすると同時に、バネカによって表紙Taを押さえ、通帳類Tが後退することを防ぐ。
なお、表紙Taのみを捲ることは困難であるため、上述のように中紙Tnもその数枚は一緒に捲り上げられる。このように表紙Taと中紙Tnを一緒に捲り上げたのちは、図10(c)に示すように、捲りローラ82が逆転されて時計回りに回転される。これにより、捲りローラ82と中紙Tnとの摩擦力によって、中紙Tnが従来のめくり動作のように、座屈しながらめくり戻される。
図10(d)に示すように、全ての中紙Tnがめくり戻されても、表紙Taは座屈することはないので表紙Taのみが捲りローラ82の上部側に乗った状態で残り、中紙Tnの捲り戻しが完了する。
なお、中紙Tnのめくり戻しが完全に終了したこと(つまり表紙Taのみがめくれたこと)をめくり装置内で検知することは困難なため、めくり戻し動作としては、実験的に中紙Tnをめくり戻すのに必要な時間(捲りローラ82の回転数)を求めておき、ある一定時間,捲りローラ82を回転させるだけとする。基本的には中紙Tnはこの時点で全てめくり戻されているはずであるが、中紙Tnが実際にめくり戻し終わったのかは装置としては認識していないため、一度、図1中の第1のOCR読取部5まで、通帳類Tを搬送し、そこで通帳類Tに予め印刷してある通帳ページ番号(もしくはページが判断できるマーク)を読み取り、現在開いているページが確かに表紙Taのみをめくったものであることを確認する。従って、通帳類Tには上記の、予め印刷してある通帳ページ番号(もしくはページが判断できるマーク、頁マーク)が必要であり、かつそれを判別する機能、即ち、図5に示す判別部58bが必要である。
通帳ページ番号やページマークについては公知例としてあげた特開平10−255109号公報では頁マークMとして述べられているが、それと同様に本案ではOCR機能を有するため、マークでなくとも単なる頁番号が規定の位置に印刷されていれば良い。
本提案では図4に示すように、表紙Taにページ番号(1)が記録されている。
また、ページ番号(あるいは頁マーク)は表紙Taだけでなく、中紙Tnを捲っていく際にも、該当ページを捲ることが出来たがどうかを確認するのに必要なため、各中紙ページにも印刷されている必要がある。つまり、表紙Ta、中紙Tnによらず、捲り動作を行った後には、必ず該当ページを捲ることが出来たかどうかを一度、図1中の第1のOCR読取部5まで通帳類Tを搬送してページ番号を確認する必要がある。
また、中紙Tnを捲り戻す際には、中紙Tnが折れることを防止するため、スペース的な制約のなかで、なるべく捲りローラ82は起こした状態で捲り返すことが望ましく、さらに、捲りローラ82は小径である方が有利である。
中紙Tnの捲り戻しが完了したのちは、第3の駆動モータ90を駆動させて図10(e)に示すように、再度、通帳類Tを左方向に搬送するとともに、図10(f)に示すように、捲りローラ82を最も高い位置まで移動する。これにより、表紙Taに対して捲りローラ82により反搬送方向の力が付与されて、表紙Taは綴目部Ttを中心にして開かれて開帳され、捲り動作が完了する。
なお、表紙Taを捲った後に、さらに中紙Tnを捲る必要がある際には、表紙Taが全く曲がらない本例の場合には、従来の捲り動作で行っているような、通帳押上ガイド83によって通帳類T自身を予めカールさせることは困難である。
従って、通帳類押上ガイド83は動作させず、中紙Tnに対しては捲りローラ82と中紙Tnとの摩擦力を十分評価し、中紙捲りは通帳類Tのカールがなくとも行えるような工夫が必要となる。
一方、多少の柔軟性を持ち合わせる表紙を有する通帳類の場合、もしくは通常の通帳類の場合には、中紙Tnをめくる際には、従来通り通帳押上ガイド83を動作させ、予め通帳類Tをカールさせておくことで安定した中紙Tn捲りが行える。
従って、通帳押上ガイド83を捲りローラ82及び捲りローラアーム84とは独立して動作可能としておくことにより、表紙の硬さが異なる通帳類が混在し、そのいずれの通帳類をも捲り動作する必要がある場合でも、予めその通帳類の種類を何らかの方法で検知しておけば、安定した表紙捲り及び中紙めくりが実現できる。
さらに、従来の捲り方法においては、表紙の表面の材質や表面状態等によって捲りローラと通帳類の表紙との間の摩擦力が異なってしまうことから、表紙が異なる通帳類を同時に扱うには微調整が必要であるが、この実施の形態では綴目部Ttを中心に表紙Taを「開く」ことになるため、摩擦力については特に注意する必要はない。
上記したようにこの実施の形態によれば、通帳類Tの表紙Taが硬質で、大きく屈曲させることができないものであっても捲ることができる。
また、表紙Taの材質が異なる複数種の通帳類Tの表紙Taをも捲ることができる。
さらに、通帳類Tの表紙Taに無線IC43等が内蔵されていてもその破損を防止することができる。
なお、本発明は、上記一実施の形態に限られることなく、その要旨の範囲内で種々変形実施可能なことは勿論である。
本発明の一実施の形態である通帳類印刷装置を概略的に示す構成図。 同通帳類印刷装置に備えられる転写印刷部を示す構成図。 同転写印刷部で用いられる転写フィルムを示すもので、(a)はその第1の例、(b)はその第2の例、(c)はその第3の例を示す構成図。 同通帳類印刷装置で印刷される通帳類を開いた状態で示す平面図。 同通帳類印刷装置の制御部を示すブロック図。 同転写印刷部の転写動作を示す図。 同転写印刷部の転写動作の一部を拡大して示す図。 同通帳類印刷装置で印刷された通帳類を示す平面図。 同通帳類印刷装置の頁捲り装置を示す構成図。 同頁捲り装置の頁捲り動作を示す図。 従来の頁捲り装置の動作を示す図。
符号の説明
Ta…表紙、Tn…中紙、Tt…綴目部、T…通帳類、2a〜2d…第1及び第2の搬送ローラ対(搬送手段)、82…捲りローラ、92…制御部(制御手段)、88〜90…第1乃至第3の駆動モータ(駆動手段)、43…無線IC。

Claims (6)

  1. 表紙と中紙とが綴目部を介して綴じられる通帳類を前記綴じ目部の反対側の端部を先端にして搬送する搬送手段と、
    この搬送手段によって搬送される前記通帳類の表紙側の搬送方向先端部に当接する捲りローラと、
    この捲りローラに前記通帳類の表紙側の搬送方向先端部が当接されたのに基づき、前記捲りローラを回転させるとともに移動させて前記表紙側の搬送方向先端部側を持ち上げて前記捲りローラ上に捲り上げる駆動手段と、
    前記通帳類の表紙が前記捲りローラ上に捲り上げられたのに基づき、前記通帳類を搬送方向に搬送させて前記捲りローラを介して前記表紙に反搬送方向の力を付与することにより、前記表紙を前記綴目部を中心に開いて開帳させる制御手段と
    を具備することを特徴とする通帳類捲り装置。
  2. 前記捲りローラは第1の方向に回転することにより前記表紙及び中紙の一部の先端部側を持ち上げて前記捲りローラ上に捲り上げたのち、前記第1の方向とは逆の第2の方向に回転して前記中紙を捲り戻すことを特徴とする請求項1記載の通帳類捲り装置。
  3. 前記通帳類はその表紙が硬質で、大きく屈曲できないことを特徴とする請求項1記載の通帳類捲り装置。
  4. 前記通帳類はその表紙に無線ICを備えることを特徴とする請求項1記載の通帳類捲り装置。
  5. 前記通帳類にはその表紙の摩擦係数を異にする複数種のものがあることを特徴とする請求項1記載の通帳類捲り装置。
  6. 前記通帳類にはその屈曲率を異にする複数種のものがあることを特徴とする請求項1記載の通帳類捲り装置。
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