JP3665035B2 - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
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    • B41J2/32Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads
    • B41J2/325Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads by selective transfer of ink from ink carrier, e.g. from ink ribbon or sheet

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の記録媒体乃至転写媒体に画像・文字などの各種情報を形成するための印刷装置及び印刷方法であって、特に、硬度の異なる複数種類の記録媒体乃至転写媒体に対して的確な押圧力を与えて上記各種情報を形成することができる印刷装置及び印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、クレジットカード、キャッシュカード、ライセンスカード、IDカード等のカード状記録媒体を作成する場合には、記録媒体に熱転写フィルムを介してサーマルヘッドで熱転写して所期の画像・文字などを記録する熱転写方式の印刷装置が用いられている。一例として特開平9−131930号公報には、画像・文字等を、熱転写フィルムを介して記録媒体に直接転写する直接転写方式の印刷装置が開示されている。この方式では、熱昇華性インクを用いることで、インク特性による階調表現性に優れることから高画質の画像が得られるという利点を有するものの、画像等が転写される記録媒体の表面にこのインクを受容する受容層が必須となるので、記録媒体が限定されたり、又は、記録媒体の表面に受容層を形成する必要がある。
【0003】
一般に、熱昇華性インクを受容可能な記録媒体としてポリ塩化ビニル製カード(所謂PVCカード)が多用されているが、不要となったPVCカードを焼却すると公害物質が生成される等の理由により、最近ではポリエチレンテレフタレート製カード(所謂PETカード)等への切り換えが検討されている。しかしながら、このPETカードは結晶性の材質であるため、熱昇華転写しにくいばかりでなく、エンボスを形成することが困難なことから、記録媒体にエンボスを形成する必要がある場合には当面従来のPVCカードを使用せざるを得ない。
【0004】
更に、近年その利用範囲が拡大しつつあるICカードのように、ICチップやアンテナを埋め込むタイプのカード状記録媒体では、内部に埋め込まれたこれらの素子により表面に凹凸が生じるので、上記凹凸面への画像転写に支障をきたすなどの欠点も指摘されている。
【0005】
上述した不具合を解消する熱転写方式の印刷装置として、特開平8−332742号公報には、一旦画像を中間転写媒体に転写した後に、この画像を被転写体に再転写する、所謂間接転写方式の印刷装置の技術が開示されている。この方式によると、直接転写方式で欠点とされた、受容層に関連した記録媒体の限定や記録媒体表面の凹凸面への画像転写時の不具合等の問題点を改善することができ、更には、カード状記録媒体への全面印刷が直接転写方式のものと比べて容易に行うことができる等の利点がある。
【0006】
また、特開平8−58125号公報には、サーマルヘッドにより中間転写フィルムにインクを転写して像形成した後に、このインク像を加熱ローラにより記録用紙の表面に再転写する構成と、上記サーマルヘッドとは別のサーマルヘッドにより記録用紙の裏面にインクを転写する構成とを併用させて、記録用紙の表裏両面に印刷を施す熱転写印刷装置が開示されている。
【0007】
しかしながら、間接転写方式では中間転写媒体を使用する必要があるので、直接転写方式のものよりランニングコストが高く、印刷に要する処理時間も余分に掛かる、という不利な点があると共に、カードデザイン上、表面は全面印刷が必要でも、裏面はカードの使用上の注意等を印刷して表示することが多いので、全面印刷を必要とするケースは少ないなど、両方式には一長一短がある。従って、PVCやPET等の記録媒体の材質の他、エンボス、IC素子などの有無等を含めた記録媒体の表面形状乃至特性、記録媒体への全面印刷を必要とするか等の印刷に関する情報や各種目的に応じて、直接転写方式と間接転写方式とでその転写方式を切り換えて記録媒体に画像等を印刷できる印刷装置が得られれば、記録媒体に最適な転写方式で転写(印刷)することが可能となると共に、印刷に伴うランニングコストの低減を図ることできる。また、直接転写方式と間接転写方式とで部材の一部共通化が図られれば、印刷装置全体が大型化することなく、コストが低減した印刷装置を実現することが可能となるので、このような印刷装置が普及するものと考えられるが、サーマルヘッドにより画像などの印刷情報が形成されるカードなどの記録媒体と中間転写フィルムなどの中間転写媒体とでは、それぞれが有する厚さや組成などに起因する硬度が異なるために一様な画像転写条件では高品位な画質を得ることは難しい。
【0008】
すなわち、サーマルヘッドを有する印刷装置においては、印刷時の記録媒体(転写媒体)をインクリボンを介してサーマルヘッドとの間で支持するプラテンローラが多用されているが、このプラテンローラはゴム製ローラが一般的であり、硬度の異なる複数の転写媒体に対して画像などの印刷情報を形成する際に、サーマルヘッドの押圧力を一定として、例えば硬度の大きい転写媒体に適した値の押圧力で硬度の小さい転写媒体に対して画像形成処理を行うと、プラテンローラの表面の凹凸形状を拾うことにより転写媒体上に細かな転写抜けと呼ばれる転写不良が発生し、画質を著しく損ねることとなる。これは、プラテンローラ側の硬度が相対的に小さいことも影響するため、プラテンローラの硬度を大きくすることも考えられるが、その表面部にゴミなどが付着した際にその部分が復元せずに窪んだ状態が維持され次の画像形成時に同様に転写抜けによる転写不良を招くこととなるので、プラテンローラの硬度はある程度下げて弾力性を持たせておくことが必要となる。一方、サーマルヘッドの押圧力を一定として、例えば硬度の小さい転写媒体に適した値の押圧力で硬度の大きい転写媒体に対して画像形成処理を行うと、両者の圧接力が大きすぎるので、転写媒体の画像形成時の搬送に支障を来たしたり、サーマルヘッドの摩耗を速めたり、或いはインクリボンに傷やひび割れといった劣化を起こさせるなど新たな不具合が発生し、総じて、満足な画像形成を得ることが難しい。
【0009】
そこで、複数種類の転写媒体に対してサーマルヘッドの押圧力を異ならせて画像形成を行うことが望ましく、この点について公知の従来技術では、例えば、特開平5−24305号公報に、サーマルヘッドの押圧力を可変とするプリンタのヘッド押圧装置の技術が開示されている。この技術では、官制はがきのように一般転写用紙より厚い用紙に対しては押圧力を高く設定して用紙のこしの強さによるマイナス分を考慮し、一般転写用紙に対しては押圧力を若干低く設定して、用紙厚や平滑度の異なる用紙に印字する際の印刷品質を確保している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平5−24305号公報の技術では、用紙厚や平滑度の異なる用紙間での印刷品質が確保可能なものの、上述した直接/間接の双方の転写が可能な印刷装置への適用を考えると、例えば、硬質のカード状記録媒体と軟質のフィルム状転写媒体との硬度差が大きすぎるために、両転写方式での印刷品質を確保することは難しい。特に、上述したカード状記録媒体は所持する本人を証明する身分証明書としても機能するので、直接転写や間接転写の転写方式に拘わらず、転写抜け等のない高度の印刷品質が要求される。
【0011】
本発明は上記事案に鑑み、転写方式に拘わらず複数の媒体に対して転写抜けのない高品位な画質を確保可能な印刷装置及び印刷方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、硬度の異なる複数の転写媒体に対し画像を形成する単一の印刷手段と、前記印刷手段に押圧力を付与する押圧力付与手段と、前記印刷手段が前記押圧力付与手段により押圧された状態で前記転写媒体に画像を形成する際に前記転写媒体を支持し所定硬度を有する支持手段と、を備えた印刷装置であって、前記押圧力付与手段は、前記印刷手段が前記転写媒体に画像を形成するときに、前記支持手段の硬度より小さい軟質の第1の転写媒体に対する押圧力を、前記支持手段より硬度の大きい硬質の第2の転写媒体に対する押圧力より大きくなるように前記印刷手段に押圧力を付与することを特徴とする。
【0013】
本態様では、硬度の異なる複数の転写媒体に画像を形成するときに、所定硬度を有する支持手段により転写媒体が支持され、画像を形成する単一の印刷手段に、押圧力付与手段により、支持手段より硬度の小さい軟質の第1の転写媒体に対して支持手段より硬度の大きい硬質の第2の転写媒体に対する押圧力より大きい押圧力が付与され、転写媒体に対し印刷手段が押圧された状態で転写媒体に画像が形成される。本態様によれば、押圧力付与手段により、印刷手段に、支持手段より硬度の小さい軟質の第1の転写媒体に対して支持手段より硬度の大きい硬質の第2の転写媒体に対する押圧力より大きい押圧力が付与されるため、硬度差に拘わらず転写媒体には適正な押圧力が加えられるので、転写抜けのない高品位な画質を確保することができる。第1の転写媒体には、例えば、フィルム状転写媒体を例示することができ、第2の転写媒体には、例えば、所定の硬度を有するカード状転写媒体を例示することができる。
【0014】
本態様において、第1の転写媒体に画像を形成する第1のモード、または第2の転写媒体に画像を形成する第2のモードを設定するためのモード設定手段と、このモード設定手段により設定される第1または第2のモードに応じて押圧力付与手段による印刷手段に付与する押圧力を異ならせるように制御する押圧力制御手段とを更に備えるようにすれば、モード設定手段で設定されたモードに応じて押圧力制御手段により押圧力付与手段による印刷手段に付与する押圧力が異なるように制御されるので、転写方式(モード)に応じて印刷手段に適切な押圧力を付与することができる。また、第1の転写媒体の存在を検出する検出手段と、この検出手段からの検出信号に基づいて、押圧力付与手段による印刷手段に付与する押圧力が大きくなるように制御する押圧力制御手段とを更に備えるようにすれば、検出手段で第1の転写媒体の存在が検出されると押圧力制御手段の制御により印刷手段には大きな押圧力が付与されるので、第1、第2の転写媒体間での作動ミスをなくすることができる。
【0015】
このとき、押圧力付与手段を、画像形成位置とこの画像形成位置から離間した退避位置との間で印刷手段を進退移動させる進退移動規制部材と、進退移動規制部材により位置規制される印刷手段の第1の転写媒体乃至第2の転写媒体に対する押圧方向とは反対方向に生ずる抗力を吸収する弾性部材とを有して構成すれば、押圧力付与手段は、進退移動規制部材により印刷手段の画像形成位置、退避位置間で押圧力に対応する進退動作を確保することができると共に、印刷手段の画像形成位置において、弾性部材により転写媒体に対する押圧方向とは反対方向に生ずる抗力が吸収されるので、第1乃至第2の転写媒体に対する押圧力をそれぞれの所定圧に保つことが可能となる。このような進退移動規制部材としては、例えば、第1の転写媒体に対して大きい押圧力を与えるための第1の基準位置と、第2の転写媒体に対して小さい押圧力を与えるための第2の基準位置と、第1乃至第2の転写媒体に対して押圧力を与えない第3の基準位置とを、その周面部に有する偏心カムを具備して構成してもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、記録媒体に画像を形成する第1の印刷手段と、
一時的に画像を保持する中間転写媒体に画像を形成する第2の印刷手段と、
前記中間転写媒体の画像を前記記録媒体と同一または異なる他の記録媒体に転写する転写手段と、
前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段による画像形成時に前記記録媒体または前記中間転写媒体を支持し所定硬度を有する単一の支持手段と、前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段を、画像形成位置とこの画像形成位置から離間した退避位置との間で進退させる進退移動手段と、を備えた印刷装置であって、前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段の印刷素子を同一の印刷素子で構成するとともに、前記進退移動手段により前記第2の印刷手段が画像形成位置に位置付けられるときの前記第2の印刷手段の前記支持手段より硬度の小さい前記中間転写媒体に対する押圧力が、前記進退移動手段により前記第1の印刷手段が画像形成位置に位置付けられるときの前記第1の印刷手段の前記支持手段より硬度の大きい前記記録媒体に対する押圧力より大きくなるように構成されている。
【0017】
本態様では、第1の印刷手段および第2の印刷手段の印刷素子を同一の印刷素子で構成されており、所定硬度を有する単一の支持手段により第1の印刷手段および第2の印刷手段による画像形成時に記録媒体または前記中間転写媒体が支持される。進退移動手段により、記録媒体に画像を形成する第1の印刷手段および一時的に画像を保持する中間転写媒体に画像を形成する第2の印刷手段が、画像形成位置とこの画像形成位置から離間した退避位置との間で進退する。そして、進退移動手段により第1、第2の印刷手段がそれぞれ画像形成位置に位置付けられるときに、第2の印刷手段の支持手段より硬度の小さい中間転写媒体に対する押圧力が第1の印刷手段の支持手段より硬度の大きい記録媒体に対する押圧力より大きい。本態様によれば、進退移動手段により第1、第2の印刷手段がそれぞれ画像形成位置に位置付けられるときに、第2の印刷手段の支持手段より硬度の小さい中間転写媒体に対する押圧力が第1の印刷手段の支持手段より硬度の大きい記録媒体に対する押圧力より大きくなるように構成することで、硬度の低い中間転写媒体に対して硬度の高い記録媒体に対する押圧力より大きい押圧力が付与されるため、転写媒体、記録媒体に硬度の高低があっても両媒体に対して適正な押圧力が付与されるので、転写抜けのない高品位な画質を確保することができる。本態様で、記録媒体には、例えば、所定の硬度を有するカード状記録媒体を例示することができ、中間転写媒体には、例えば、フィルム状に形成された転写媒体を例示することができる。
【0018】
本態様において、第2の印刷手段により中間転写媒体に画像を形成した後、転写手段により中間転写媒体の画像を記録媒体と同一または異なる他の記録媒体に転写する第1のモード、または第1の印刷手段により記録媒体に画像を形成する第2のモードを設定するためのモード設定手段と、このモード設定手段により設定される第1または第2のモードに応じて、進退移動手段により画像形成位置に位置付けられる第1または第2の印刷手段に付与する押圧力を異ならせるように制御する押圧力制御手段とを更に備えるようにすれば、モード設定手段で設定されたモードに応じて押圧力制御手段により進退移動手段による画像形成位置に位置付けられる第1または第2の印刷手段に付与する押圧力を異ならせるように制御されるので、印刷手段に媒体に応じた適切な押圧力を付与することができる。また、中間転写媒体の存在を検出する検出手段と、この検出手段からの検出信号に基づいて、進退移動手段により画像形成位置に位置付けられる第2の印刷手段に付与する押圧力が、進退移動手段により画像形成位置に位置付けられる第1の印刷手段に付与する押圧力より大きくなるように制御する押圧力制御手段とを更に備えるようにすれば、検出手段で中間転写媒体の存在が検出されると、押圧力制御手段の制御により、進退移動手段で画像形成位置に位置付けられる第1の印刷手段に大きな押圧力が付与されるので、中間転写媒体、記録媒体間での作動ミスをなくすることができる。
【0019】
このとき、進退移動手段は、第1の印刷手段および第2の印刷手段の進退移動における移動量を規制する偏心カムを有し、この偏心カムの回転により第1の印刷手段および第2の印刷手段が画像形成位置に位置付けられるように構成することができる。また、進退移動手段は、第1の印刷手段および第2の印刷手段による押圧力に対する抗力を吸収する弾性部材を更に有するようにしてもよい。更に、第1の印刷手段および第2の印刷手段は、熱転写印刷を行うサーマルヘッドを有し、偏心カムおよび弾性部材はサーマルヘッドの長手方向と同一方向に互いに対で配設されるようにしてもよい
【0020】
更に、上記課題を解決するために、本発明の第3の態様は、印刷方法であって、所定の硬度を有するカード状記録媒体を画像形成位置に搬送し、前記画像形成位置において前記記録媒体に画像を形成する第1の印刷工程と、一時的に画像を保持するフィルム状中間転写媒体を前記画像形成位置に搬送し、前記画像形成位置において前記中間転写媒体に画像を形成した後に、前記中間転写媒体を画像転写位置に搬送するとともに前記カード状記録媒体と同一または異なる他のカード状記録媒体を前記画像転写位置に搬送して、前記画像転写位置において前記中間転写媒体に形成された画像を前記カード状記録媒体と同一または異なる他のカード状記録媒体に転写して形成する第2の印刷工程と、を含み、前記第1および第2の印刷工程において前記カード状記録媒体および前記中間転写媒体には押圧力が付与された単一の印刷手段により画像が形成され、前記カード状記録媒体および前記中間転写媒体は画像が形成される際に所定硬度を有する支持手段で支持されるとともに、前記第2の印刷工程における前記支持手段より硬度の小さい記中間転写媒体への画像形成時の前記中間転写媒体に対する押圧力を、前記第1の印刷工程における前記支持手段より硬度の大きい前記カード状記録媒体への画像形成時の前記カード状記録媒体に対する押圧力より大きくして画像を形成することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明が適用可能な印刷装置の実施の形態について説明する。
【0022】
(構成)
図1に示すように、本実施形態の印刷装置1は、ハウジングとなる筐体2内に、カードCに直接転写方式により画像を形成する(印刷する)ためのカード搬送路となる第1カード搬送路P、及び、中間転写シートF上に一時的に保持された画像を間接転写方式によりカードCに転写するためのカード搬送路となる第2カード搬送路Pを有している。第2カード搬送路Pは略水平方向に配されており、第1カード搬送路Pは略垂直方向に配されている。第1カード搬送路Pと第2カード搬送路Pとは交点Xで直交状に交差している。
【0023】
第2カード搬送路P上には、カードCを1枚ずつ分離して第2カード搬送路Pに送り出すカード供給部3、カード供給部3の下流側でカードCの両面を清浄するクリーナ4、クリーナ4の下流側で交点Xを回転中心としてカードCを挟持したまま回転乃至反転させ第1カード搬送路P方向にカードCの搬送路を直交状に切り換え可能な反転部5がそれぞれ配設されている。
【0024】
カード供給部3は、複数のカードCを積層状に収容するカードスタッカを有している。カードスタッカの第2カード搬送路Pに臨む位置には、1枚のみのカードCの通過を許容する開口スロットを有したスタッカ側板32が配置されており、カードスタッカの底部には、回転することでカードスタッカに積層収容された複数のカードCのうち最底部に位置するカードCを第2カード搬送路Pに送り出すキックローラ31が圧接配置されている。
【0025】
クリーナ4は、第2カード搬送路Pを挟んで対をなして対峙し表面に粘着性物質を塗着したゴム材料等のクリーニングローラ34とこのクリーニングローラ34に圧接する圧接ローラ35を有している。
【0026】
反転部5は、カードCを挟持可能に対をなすピンチローラ38、39、これらのピンチローラを回転可能に支持して交点Xを中心として回転乃至反転する回転枠40を有している。これらのピンチローラ38、39は、一方が正逆転可能な駆動ローラであり、他方が従動ローラである。ピンチローラ38、39は、回転枠40が水平状態においては第2カード搬送路Pを挟んで圧接し合い(図1の実線の状態)、垂直状態においては第1カード搬送路Pを挟んで圧接し合う(図1の二点鎖線の状態)。ピンチローラ38、39の間にカードCを挟持した状態で回転枠40を回転乃至反転させると、ピンチローラ38、39も共回りしてカードCを変位させてしまうので、反転部5での回転乃至反転動作は、回転枠40の回転乃至反転とピンチローラ38、39との回転とは独立して駆動される。
【0027】
なお、反転部5の近傍には、回転枠40の回転角度を検出する図示しない一体型透過センサ(スリット板との組合せ)が配置されている。また、ピンチローラ38、39の回転方向を判断するために、ピンチローラ38、39のいずれか一方の位置を検出するための図示しない一体型透過センサ(半月板との組合せ)が配設されており、回転枠40の回転角度を任意に設定することができると共に、ピンチローラ38、39によるカードCの搬送方向が制御される。
【0028】
また、印刷装置1には、第1カード搬送路P上で反転部5の下流側(図1の矢印U側)に、後述するサーマルヘッド制御部19H(図5参照)から供給される画像データ(正像データ、鏡像データ)に従って熱転写インクを用いてカードC又は中間転写シートFに画像を形成する画像形成部9が配置されている。画像形成部9は、熱転写プリンタの構成が採用されており、カードC又は中間転写シートFへの印刷時(画像形成時)にカードCや中間転写シートFを支持するプラテンローラ21及びプラテンローラ21に対して進退可能に配設されたサーマルヘッドユニット20を有している。プラテンローラ21には、約60°の硬度を有するゴムローラが用いられている。プラテンローラ21とサーマルヘッドユニット20との間には熱転写シートRが介在している。
【0029】
図4(A)に示すように、熱転写シートRは、例えばフィルム上にカードCの長手方向の長さより若干大きい幅で、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、及びBk(ブラック)の熱昇華性インクが順に塗着されており、Bk(ブラック)の次には画像が形成されたカードCの表面を保護する保護層領域Tを面順次に繰り返した帯状の形状を有しており、一般にインクリボンとも称呼される。一方、図4(B)に示すように、中間転写シートFは、ベースフィルムFa、ベースフィルムFaの背面側に形成された背面コート層Fb、インクを受容する受容層Fe及び受容層Feの表面を保護するオーバーコート層Fd、ベースフィルムFaの表面側に形成され加熱によりオーバーコート層Fd及び受容層Feを一体としてベースフィルムFaからの剥離を促進する剥離層Fcが、下側から背面コート層Fb、ベースフィルムFa、剥離層Fc、オーバーコート層Fd及び受容層Feの順で積層され、フィルム状に形成されている。
【0030】
図2(A)〜(C)及び図9(A)〜(C)に示すように、プラテンローラ21に対するサーマルヘッドユニット20の進退運動は、サーマルヘッドユニット20を着脱可能に保持するヘッドホルダ41と、ヘッドホルダ41に取り付けられた従動ローラ22と、従動ローラ22に周接しながら回転する非円形の偏心カム23と、ヘッドホルダ41を偏心カム23に接圧させるバネ24とを有するサーマルヘッド駆動機構42により実行される。すなわち、サーマルヘッド駆動機構42は、偏心カム23を回転させることでヘッドホルダ41に保持されたサーマルヘッドユニット20を印刷位置(加熱位置)Srに対して進退させる。印刷位置Srは、熱転写シートRを介して、プラテンローラ21の周部であって第1カード搬送路Pに接する部分に対応している。
【0031】
ヘッドホルダ41は、略函状の基枠41aと、基枠41aの内部に収められ、サーマルヘッドユニット20の先端部であって画像形成を実行するための複数の発熱素子を有するサーマルヘッド20aをカードC又は中間転写シートFに対して押圧する際にその押圧方向とは反対方向に生ずる抗力を吸収するバネ41bと、基枠の内部でバネ41bによってサーマルヘッド20a側に押圧されるバネ受け部材41cとからなる。基枠41aは、サーマルヘッドユニット20を取り付ける側でバネ受け部材41cを揺動可能に支持する支持片41dと、支持片41dに設けた案内ピン41eと、サーマルヘッドユニット20を係止する係止爪41fとを有しており、反対側の壁面41gで従動ローラ22を軸支している。基枠41aのサーマルヘッド20aの取り出し側の壁面41hには、指固定片41iが突設されている。
【0032】
一方、バネ受け部材41cは、基枠41aの支持片41d及び指固定片41iに対応して、支持片41dに平行に延出させた摺動片41jと、サーマルヘッドユニット20の進退往復運動方向に移動可能に案内ピン41eを受け入れる案内穴41kと、摺動片41jに形成した指固定片41iと平行に突出した指掛片41mとを有している。また、バネ受け部材41cは、指掛片41mの反対端にストッパ41nを有している。
【0033】
従って、常態においてバネ受け部材41cはバネ41bによって基枠41aのヘッド側に押圧され係止爪41fに当接し、基枠41aの指固定片41iとバネ受け部材41cの指掛片41mを指で挟んで掴圧することで指掛片41mが指固定片41iに接近し、結果として、基枠41aのサーマルヘッド20a側壁面とバネ受け部材41cとの間が離間する。
【0034】
サーマルヘッドユニット20は、基枠41aに対して着脱可能にするためのヘッド保持部材20bを有している。ヘッド保持部材20bは、基枠41aの係止爪41fとバネ受け部材41cとの間に挟持される係着片20cと、サーマルヘッドユニット20を装置側から引き出すための引出片20dとを有して構成されており、重合状の支持片41d、摺動片41j及びストッパ41nに囲われた空間の長手方向に着脱可能となる。また、偏心カム23、バネ24、従動ローラ22、バネ41bは、サーマルヘッド20aの長手方向(主走査方向)に沿って対で配設されている。
【0035】
サーマルヘッドユニット20は、サーマルヘッド駆動機構42の偏心カム23の回転を制御することにより、サーマルヘッド20aを印刷位置Srから離間させた退避位置での印刷待機状態(図9(A)参照)と、カードCなどの所定の厚さ、所定の硬度を有する記録媒体(転写媒体)に対し画像を形成する際に、サーマルヘッド20aを熱転写シートRを介してカードCの表面に圧接させる直接転写モードによる直接転写実行状態(図9(B)参照)と、硬度を殆ど有さない中間転写シートFに対し画像を形成する際に、サーマルヘッド20aを熱転写シートRを介して中間転写シートFなどの表面に圧接させる間接転写モードによる間接転写実行状態(図9(C)参照)のいずれかを選択的にとることができる。
【0036】
すなわち、図9(A)に示すように、印刷待機状態では、偏心カム23はその周面部において最小半径L3を有する第3の基準位置Zが従動ローラ22に接触して、サーマルヘッド20aを熱転写シートR(印刷位置Sr)から離間した退避位置に位置付けられ、印刷命令が出された場合はサーマルヘッド20aが速やかに熱転写シートRに接触する位置に移行できるように待機している。また、図9(B)に示すように、直接転写実行状態では、偏心カム23はその周面部において中間半径L2を有する第2の基準位置Yが従動ローラ22に接触し、サーマルヘッド20aは熱転写シートRを介してカードCに圧接する。この状態で、サーマルヘッド20aの複数の発熱素子を選択的に発熱駆動することで熱転写シートRに塗布された熱転写インク成分がカードCの表面に熱転写され、所期の画像情報がカード表面に印画される。更に、図9(C)に示すように、間接転写実行状態では、偏心カム23はその周面部において最大半径L1を有する第1の基準位置Xが従動ローラ22に接触し、サーマルヘッド20aは熱転写シートRを介して中間転写シートFに圧接する。この状態で、サーマルヘッド20aの複数の発熱素子を選択的に発熱駆動することで熱転写シートRに塗布された熱転写インク成分が中間転写シートFの表面に熱転写され、所期の画像情報が中間転写シートFに印画される。
【0037】
直接転写実行状態及び間接転写実行状態では、サーマルヘッド20aに相対して熱転写シートRとカードC又は中間転写シートFは、図9(B)の矢印Aの方向に等速で移動する(詳細後述)。カードC又は中間転写シートFが印刷位置Srを通過して印刷が完了すると、サーマルヘッド20aは図9(A)に示す印刷待機状態に移行する。引き続きカードC又は中間転写シートFを印刷する場合は、サーマルヘッド20aは図9(B)又は図9(C)の位置に移行する。つまり、カードCへの印刷を連続して実行する際には、サーマルヘッドユニット20は印刷待機状態と直接転写実行状態とを繰り返し、また、中間転写シートFへの印刷を連続して実行する際には、サーマルヘッドユニット20は印刷待機状態と間接転写実行状態とを繰り返し、或いは、カードCへの印刷及び中間転写シートFへの印刷とを混在させて実行する際には、サーマルヘッドユニット20は印刷待機状態、直接転写実行状態及び間接転写実行状態を任意の順で繰り返すことで両者への印刷を行うことができる。
【0038】
ここで、プラテンローラ21、カードC及び中間転写シートFの硬度について詳述すると、カードCの材質が例えばPVCであれば約98°Hs、中間転写シートFはフィルム状であるため殆ど硬度を有さず、プラテンローラ21の硬度に依存することとなる。すなわち、プラテンローラ21が約60°Hsの硬度を有するゴムローラであれば、中間転写シートFに対して画像形成する際には約60°Hsの硬度に相当する中間転写シートFに対して画像を形成することになる。
【0039】
また、直接転写実行状態及び間接転写実行状態では、サーマルヘッド20aは熱転写シートRを介してカードC又は中間転写シートFに当接し印刷位置Srに位置付けられる。このとき、サーマルヘッド駆動機構42の偏心カム23の回転により位置規制されるサーマルヘッドユニット20は、カードC又は中間転写シートFに対する方向における押圧力と、その反対方向に生ずる抗力との均衡状態によって印刷時の印刷位置Srにサーマルヘッド20aが位置規制される。上述したように、基枠41aの内部に収められたバネ41bは、この抗力を吸収する機能を有している。
【0040】
更に、図9(C)に示す中間転写シートFへの間接転写実行時におけるサーマルヘッド20a(サーマルヘッドユニット20)の中間転写シートFへの押圧力は、図9(B)に示すカードCへの直接転写実行時におけるサーマルヘッド20aのカードCへの押圧力より大きくなるように制御される。具体的には、カードCへの直接転写実行時におけるサーマルヘッド20aのカードCに対する押圧力は約39N(約4kgf)に設定されており、中間転写シートFへの間接転写実行時におけるサーマルヘッド20aの中間転写シートFへの押圧力は約78N(約8kgf)に設定されている。
【0041】
図1に示すように、熱転写シートRは、熱転写シートRをロール状に捲回した熱転写シート供給部14から供給され、複数のガイドコロ53及び上述した図示しないホルダに固着されたガイド板25により案内されサーマルヘッドユニット20の先端部に略全面を当接させながら、巻取ローラ対57の回転駆動と共に駆動し熱転写シートRをロール状に巻き取る熱転写シート巻取部15に巻き取られる。熱転写シート供給部14及び熱転写シート巻取部15は、サーマルヘッドユニット20の両側の位置に配設されており、中心部はそれぞれスプール軸に装填されている。また、画像形成部9には、熱転写シートRの位置出し用マーク又は熱転写シートRのBkの位置を検出するための発光素子S及び受光素子S(以下、受光センサSという。)が、熱転写シート供給部14及びサーマルヘッドユニット20間に配設された2つのガイドコロ53の間に、熱転写シートRに対して離間状態で直交するように配置されている。
【0042】
なお、巻取ローラ対57の駆動側ローラ軸には同軸上に図示しないギヤが嵌着されており、このギヤは同軸上に図示しないクロック板を有するギヤに噛合している。また、図示しないクロック板の近傍には、熱転写シートRの巻き取り量を管理するために図示しないクロック板の回転を検出する図示しない一体型透過センサが配設されている。熱転写シートRの巻き上げのための動力と、上述した偏心カム23の回転のための動力とは、ギア等による異なる動力伝達系統を介して単一の駆動源となる図示を省略したパルスモータM4から供給される。
【0043】
図1に示すように、画像形成部9の両側には、印刷位置Srに対してカードCを上下方向に搬送するように同期して回転し、一定の回転速度を有するキャプスタンローラ74とキャプスタンローラ74に圧接するピンチローラ75とで構成される上部ローラ対、及び、キャプスタンローラ78とピンチローラ79とで構成される下部ローラ対が第1カード搬送路Pを挟むように配設されている。
【0044】
また、プラテンローラ21には中間転写シートFがサーマルヘッドユニット20側の周面に掛け渡されている。中間転写シートFは、受容層Fe側が熱転写シートRと対向し、背面コート層Fb側がプラテンローラ21に当接している。印刷位置Srにおいて、カードCに直接転写方式で印刷される際(図9(B)参照)及び中間転写シートに画像が形成される際(図9(C)参照)の中間転写シートFの搬送速度は、熱転写シートRの搬送速度と同一搬送速度に設定されている。更に、カードCに直接転写方式で印刷される際には、中間転写シートFの搬送速度とカードCの搬送速度とが同一搬送速度に設定されている。なお、画像形成部9には、図1に示すように、中間転写シートFの位置出し用マークを検出するための発光素子S及び受光素子S(以下、受光センサSという。)が、プラテンローラ21とガイドコロ91との間に中間転写シートFに対して離間状態で直交するように配置されている。
【0045】
更に、印刷装置1には、第2カード搬送路P上で反転部5の下流側(矢印L側)に、カードCを水平方向に搬送する水平搬送ローラ対11、画像形成部9で中間転写シートFに形成された画像をカードCに転写する転写部10、カードCを筐体2の外部に排出する排出ローラ対142を含むと共に、複数の搬送ローラ対を有しカードCを水平方向に搬送する水平搬送部12が順に配設されている。
【0046】
転写部10は、カードCへの中間転写シートFの転写時にカードCを支持するプラテンローラ50及びプラテンローラ50に対して進退可能に配設されたヒートローラ45を有している。ヒートローラ45には、中間転写シートFを加熱するための発熱ランプ46が内蔵されている。プラテンローラ50とヒートローラ45との間には中間転写シートFが介在している。
【0047】
図10(A)、(B)に示すように、プラテンローラ50に対するヒートローラ45の進退運動は、ヒートローラ45を着脱可能に保持するホルダ49と、ホルダ49に固定された従動ローラ43と、従動ローラ43に周接しながらカム軸52を中心に一方向(矢印B方向)に回転する非円形のヒートローラ昇降カム51と、ホルダ49に内蔵されホルダ49の上面をヒートローラ昇降カム51に圧接させる図示しないバネとを有する昇降駆動ユニットにより実行される。
【0048】
図1に示すように、中間転写シートFは、中間転写シートFをロール状に捲回した中間転写シート供給部16から供給され、従動ローラ59を伴う搬送ローラ58、ガイドコロ60及びプラテンローラ21、ガイドコロ91、ピンチローラ89と共に中間転写シートFに逆張力を加えるバックテンションローラ88、ガイドコロ92、ガイドコロ44、ヒートローラ45の両側に配置され転写部10を構成するフレームに固着されたガイド板47等で案内され、転写時にはカードCを介して第2カード搬送路P上でプラテンローラ50とヒートローラ45とに挟まれて、中間転写シートFをロール状に巻き取る中間転写シート巻取部17に巻き取られる。
【0049】
また、転写部10には、第2カード搬送路Pを挟んで圧接し合い、水平搬送部12の転写部10側に配置されたキャプスタンローラ対141と共にカードCを矢印L方向又は矢印R方向に搬送可能で、キャプスタンローラを駆動ローラとする搬送ローラ対48が、水平搬送ローラ対11の下流側かつプラテンローラ50の上流側に配設されている。第2カード搬送路P上で反転部5より下流側の水平搬送ローラ対11、搬送ローラ対48、プラテンローラ50、及び水平搬送部12の各ローラ対は、複数のギヤを介して正逆転可能な図示しないパルスモータM3により回転駆動される。なお、転写部10には、中間転写シートFの存在を検出すると共に位置出し用マークを検出するための発光素子S及び受光素子S(以下、受光センサSという。)が、ガイドコロ44とガイド板47と間に中間転写シートFを跨ぐように配置されている。
【0050】
図3に示すように、図1に示した筐体2、第1カード搬送路P及び第2カード搬送路Pで画定される領域には、正逆転可能なパルスモータM1と、同じく正逆転可能なパルスモータM2とを駆動動力源とする駆動機構が配設されている。パルスモータM1のモータ軸には、タイミングプーリ(以下、単にプーリという。)61が嵌着されており、プーリ63との間に無端タイミングベルト(以下、単にベルトという。)62が巻き掛けられている。プーリ63の軸にはプーリ63より小径のプーリ64が嵌着されている。
【0051】
プーリ64にはベルト65がプーリ66との間で巻き掛けられている。プーリ66の軸には駆動連結切換手段としての電磁クラッチ67が嵌着されている。電磁クラッチ67は、直接転写におけるカードCの搬送時、サーマルヘッドユニット20のカードCへの直接転写時、及び、サーマルヘッドユニット20の中間転写シートFへの画像形成時に、電磁クラッチ67の軸に嵌着されたプーリ68にプーリ66の回転駆動力を連結する。プラテンローラ21には同軸上にプーリ70が嵌着されており、プーリ68とプーリ70とにはベルト69が巻き掛けられている。また、プラテンローラ21の同軸上にはプラテンローラ21より大径のギヤ71が嵌着されている。ギヤ71にはギヤ72、76が噛合している。ギヤ72は同軸上にピンチローラ75に圧接するキャプスタンローラ74を有するギヤ73に噛合しており、ギヤ76は同軸上にピンチローラ79に圧接するキャプスタンローラ78を有するギヤ77に噛合している。
【0052】
また、プーリ64には別のベルト81が捲き掛けられており、プーリ82に回転駆動力を伝達する。プーリ82の軸にはギヤ84に噛合するギヤ83が嵌着されている。ギヤ84の軸にはギヤ84より小径のギヤ85が嵌着されており、ギヤ85はギヤ86と噛合している。ギヤ86の軸にはトルクリミッタ87が嵌着されており、トルクリミッタ87を介して回転駆動力がバックテンションローラ88に伝達される。バックテンションローラ88にはピンチローラ89が圧接されている。バックテンションローラ88と同軸にはクロック板90が嵌着されている。中間転写シートFが正逆方向に送られるときに、バックテンションローラ88は中間転写シートFと同期して回転する。クロック板90の近傍には、中間転写フィルムFの搬送量(送り量、戻し量)を管理するためにクロック板90の回転量を検出する一体型透過センサSが配設されている。
【0053】
一方、パルスモータM2のモータ軸には、プーリ93が嵌着されており、プーリ95との間にベルト94が巻き掛けられている。プーリ95の軸にギヤ96が嵌着されている。
【0054】
ギヤ96は、反時計回りでギヤ96からの駆動が伝達され時計回りでフリーとなる(空回りする)軸に嵌着されたワンウェイギヤ97に噛合している。ワンウェイギヤ97の軸にはギヤ98及びプーリ99が嵌着されており、ギヤ98は時計回りでフリーとなり反時計回りでロックされるワンウェイギヤ101に噛合している。プーリ99にはプーリ103との間でベルト102が捲き掛けられている。プーリ103の軸にはギヤ104が嵌着されており、ギヤ104はギヤ105と噛合している。ギヤ105の軸にはトルクリミッタ106が嵌着されており、トルクリミッタ106を介して回転駆動力がギヤ107に伝達される。ギヤ107の同軸上にはクロック板108が嵌着されている。ギヤ107は、中間転写シートFを巻き取るための巻取スプール軸110に嵌着されたギヤ109と噛合している。クロック板108の近傍には、クロック板108の回転を介して巻取スプール軸110の回転量を検出すると共に、巻取スプール軸110の回転を検出して中間転写シートFの破断不良を検出する一体型透過センサSが配設されている。
【0055】
また、ギヤ96は、ワンウェイギヤ97の反対側で、時計回りでギヤ96からの駆動が伝達され反時計回りでフリーとなる軸に嵌着されたワンウェイギヤ111に噛合している。ワンウェイギヤ111の軸にはギヤ112及びプーリ113が嵌着されており、ギヤ112は反時計回りでフリーとなり時計回りでロックされるワンウェイギヤ114に噛合している。プーリ113にはプーリ116及びプーリ125との間でベルト115が捲き掛けられている。なお、このベルト115が一定張力を保つように、ベルト115で連なるプーリ116とプーリ125の間にはテンションローラ126が配設されている。プーリ116の軸にはギヤ117が嵌着されており、ギヤ117はギヤ118と噛合している。ギヤ118の軸にはトルクリミッタ119が嵌着されており、トルクリミッタ119を介して回転駆動力がギヤ123に伝達される。ギヤ123と同軸にはクロック板121が嵌着されている。ギヤ123は、中間転写シートFを供給するための供給スプール軸120に嵌着されたギヤ124と噛合している。クロック板121の近傍には、クロック板121の回転を介して供給スプール軸120の回転を検出すると共に、供給スプール軸120の回転を検出して中間転写シートFの破断不良を検出する一体型透過センサSが配設されている。なお、供給スプール軸120には中間転写シート供給部16が装填され、巻取スプール軸110には中間転写シート巻取部17が装填されている。
【0056】
一方、プーリ113からの駆動はベルト115を介してプーリ125にも伝達される。プーリ125の軸にはギヤ127が嵌着されており、ギヤ127はギヤ128に噛合している。更に、ギヤ128と同軸に配設されたギヤ129を介して駆動がギヤ130へと伝達されていく。ギヤ130の軸には電磁クラッチ131が嵌着されている。電磁クラッチ131は、中間転写シートFの巻き戻し(Rv)時のみ電磁クラッチ131の軸に嵌着されたギヤ132を介してギヤ130の回転駆動力をギヤ133に連結する。ギヤ133の軸にはトルクリミッタ134が嵌着されており、トルクリミッタ134を介して回転駆動力が中間転写シートFを搬送する搬送ローラ58に伝達される。なお、上記電磁クラッチ131の駆動連結時における供給スプール軸120、プラテンローラ21及び搬送ローラ58による中間転写シートFの搬送速度は、供給スプール軸120>搬送ローラ58>プラテン21の関係にあり、トルク管理については、プラテン21>搬送ローラ58>供給スプール軸120となるように設定されている。
【0057】
中間転写シートFの送り(Fw)と巻き戻し(Rv)は主にパルスモータM2の回転方向を切り換えることにより行われ、中間転写シートFの巻き戻し(Rv)動作において行われる中間転写シートFへの画像形成時では、供給スプール軸120、プラテンローラ21及びバックテンションローラ88による中間転写シートFの搬送速度は、供給スプール軸120>プラテンローラ21>バックテンションローラ88の関係にある。このため、サーマルヘッドユニット20を離間して中間転写シートFを送る際には、中間転写シートFの弛みを防止するために、電磁クラッチ67により駆動が切り離される。
【0058】
図1に示すように、筐体2には、第2カード搬送路Pの矢印L方向への延長線上に、印刷処理が終了したカードCを筐体2の外部へ排出する排出口27が形成されている。排出口27の下側には、カードCを積層してストックするスタッカ13が筐体2に着脱可能に装着されている。なお、クリーナ4と反転部5との間に一体型透過センサSが、反転部5の近傍でキャプスタンローラ78側に一体型透過センサSが、キャプスタンローラ78とサーマルヘッドユニット20との間に一体型透過センサSが、搬送ローラ対48の近傍で水平搬送ローラ対11側に一体型透過センサS10が、キャプスタンローラ対141と排出ローラ対142との間に配設された駆動を持たないローラ対の近傍で排出ローラ対142側に一体型透過センサS11が、水平搬送部12と排出口27との間に一体型透過センサS12が、水平搬送ローラ対側の反転部5の近傍に一体型透過センサS13が、それぞれ配設されており(図示省略)、第1カード搬送路P又は第2カード搬送路Pに沿って搬送されるカードCの先端又は後端が検出される。なお、以下の説明においては、カードCは矢印U方向、矢印D方向の他に、矢印L方向、矢印U方向にも搬送されることから、一律にカードCの搬送方向を基準として、カードCの搬送方向先端を先端、搬送方向後端を後端という。
【0059】
更に、図1に示すように、印刷装置1は、筐体2内に、商用交流電源から各機構部及び制御部等を駆動/作動可能な直流電源に変換する電源部18、印刷装置1全体の動作制御を行う制御部19、並びに、筐体2の上部に制御部19からの情報に従って印刷装置1の状態等を表示すると共に、オペレータによる操作で制御部19に操作命令が指示可能なタッチパネル8を備えている。
【0060】
図5に示すように、制御部19は、印刷装置1の制御処理を行うマイコン19Aを有している。マイコン19Aは、中央演算処理装置として高速クロックで作動するCPU、印刷装置1の制御動作が記憶されたROM、CPUのワークエリアとして働くRAM及びこれらを接続する内部バスで構成されている。
【0061】
マイコン19Aには外部バス19Bが接続されている。外部バス19Bには、タッチパネル8の表示や操作命令を制御するタッチパネル表示操作制御部19C、各種センサからの信号を制御するセンサ制御部19D、各パルスモータに駆動パルスを送出するモータドライバを制御するモータ制御部19E、外部コンピュータと印刷装置1の通信を行うための外部入出力インタフェース19F、カードCに印刷すべき画像情報等を一時的に格納するバッファメモリ19G、サーマルヘッドユニット20の熱エネルギーを制御するサーマルヘッド制御部19H、及び、電磁クラッチのオン・オフの制御信号を出力するクラッチ制御部19Jが接続されている。タッチパネル表示操作制御部19C、センサ制御部19D、サーマルヘッド制御部19H及びクラッチ制御部19Jは、タッチパネル8、センサSa〜Sc、S〜S13を含むセンサ、パルスモータM1〜M4のドライバを含むドライバ、サーマルヘッドユニット20、電磁クラッチ67、131にそれぞれ接続されている。
【0062】
(動作)
次に、フローチャートを参照して、本実施形態の印刷装置1の動作について制御部19のマイコン19AのCPUを主体として説明する。なお、RAMには、既に外部コンピュータから外部入出力インタフェース19F、バッファメモリ19Gを介して受信した画像情報が正像データ、鏡像データに変換されて格納されているものとする。
【0063】
印刷装置1に電源が投入されると、CPUは、タッチパネル表示操作制御部19Cを介してタッチパネル8に初期画面を表示させる。この時点でタッチパネル8(又は外部コンピュータの表示画面)には、第1のモードとしての間接転写モード、第2のモードとしての直接転写モードの別を設定するためのモード設定ボタン、モード設定ボタンで設定されたモードをクリアするためのクリアボタン、印刷装置1に設定されたモードでの印刷を開始させるためのスタートボタン、並びに、印刷装置1のスタンバイ又は印刷可能状態の別、印刷済みカード枚数等が表示され、カードCに画像形成(印刷)を行うための画像形成ルーチンの実行が可能な状態となる。
【0064】
図6に示すように、この画像形成ルーチンでは、まず、ステップ202でタッチパネル8(又は外部コンピュータ)から間接転写モード又は直接転写モードのモード入力があるまで待機し、モード入力の指示があると、次のステップ204において、入力された中間転写モード又は直接転写モードのデフォルト値をRAMに格納(取得)する。次にステップ206でタッチパネル8(又は外部コンピュータ)から印刷開始の指示があるまで待機し、印刷開始の指示があると、ステップ208においてRAMに格納した転写モードが間接転写か否かを判断する。ステップ208での判断が肯定のときは、次のステップ210において、受光センサSが中間転写シートFの存在を検出したか否かを判定し、否定判定のときは、間接転写方式による画像形成を行うことができないので、タッチパネル8に中間転写シートFがない旨を表示して(又は、外部コンピュータに中間転写シートFがない旨を通知して)画像形成ルーチンを終了してステップ202へ戻り、肯定判定のときは、次のステップ214において、カードCに間接転写方式により画像形成(第2の印刷工程)を行うための間接転写処理サブルーチンを実行する。
【0065】
図7に示すように、間接転写処理サブルーチンでは、ステップ302において、パルスモータM1、M2を送り(Fw)方向に回転させ、次のステップ304において、受光センサSを監視することで中間転写シートFに形成されている位置出し用マークを認識し、中間転写シートFの送りや戻しと常に一体で正逆転するバックテンションローラ88に接続されているクロック板90の回転量を一体型透過センサSで検出することにより、印刷開始位置まで中間転写シートFが搬送されたか否かを判断し、否定判断のときは、ステップ302へ戻り中間転写シートFの搬送を続行し、肯定判断のときは、次のステップ306において、パルスモータM1、M2の駆動を停止させる。この間、サーマルヘッド20aはプラテンローラ21に対して離間した位置にあり(偏心カム23は第3基準位置Zに位置しており)、熱転写シートRは、例えば、Y(イエロー)の開始端が印刷位置Srの位置となるまで所定距離送られる。このような制御は、例えば、受光センサSにより熱転写シートRのBk(ブラック)の後端を検出し、熱転写シートR上に予め等間隔の幅が定められているBk(ブラック)の後端からY(イエロー)の開始端までの距離を、巻取ローラ対57の近傍に配設した図示しないクロック板の回転を図示しない一体型透過センサで検出することで実行することができる。
【0066】
次いでステップ308では、パルスモータM4を駆動して偏心カム23を第1の基準位置Xに位置付けてサーマルヘッド20aを熱転写シートRを介してプラテンローラ21に押し当てさせ、次のステップ310において、パルスモータM1及びパルスモータM2を巻き戻し(Rv)方向へ回転させると共に、電磁クラッチ67、131の連結によりプラテンローラ21を反時計回りに回転させ、搬送ローラ58も反時計回りに回転させる。これにより、中間転写シートFにはY(イエロー)の画像形成が開始される。すなわち、熱転写シートRのY(イエロー)インク層をサーマルヘッド20aで加熱することで、中間転写シートFの受容層Feへの画像形成が開始され、パルスモータM1の駆動力によりプラテンローラ21は反時計回りに回転し、パルスモータM2の駆動力により中間転写シートFは中間転写シート供給部16に巻き取られ、同期して熱転写シートRは熱転写シート巻取部15に巻き取られる。
【0067】
次のステップ312では、中間転写シートFに形成される画像の長手方向の大きさに対応する所定パルス数パルスモータM1(又はパルスモータM2)が回転駆動したか否かを判断することにより、中間転写シートFへの画像形成が終了したか否かを判定する。否定判定のときは、ステップ310へ戻り中間転写シートFへの画像形成を続行し、肯定判定のときは、ステップ314において、パルスモータM1、M2の駆動を停止させると共に、電磁クラッチ67、131に、プラテンローラ21、搬送ローラ58への連結を解除させる。なお、CPUは、画像データを読み出し、1ライン(又は数ライン)毎に、サーマルヘッド制御部19Hを介して、熱エネルギーに変換させ中間転写シートFの種類による所定の係数を熱エネルギーに加味した鏡像データをサーマルヘッドユニット20に送出させている。サーマルヘッド20aの各印画素子はこの鏡像データに従って加熱される。
【0068】
次いでステップ316では、パルスモータM4を駆動して偏心カム23を第3の基準位置Zに位置付けてサーマルヘッド20aをプラテンローラ21に対して退避させ、次のステップ318において、所定色(YMC)分の画像形成が終了したか否かを判断する。否定判断のときには、次の色(例えば、M)を中間転写シートFの受容層Feに既に形成された色(例えば、Y)に重ねて画像形成を行うためにステップ302へ戻り、肯定判断のとき、すなわち、YMCによる画像形成が終了したときは、次のステップ320へ進む。これにより、中間転写シートF上には画像が鏡像で形成される。
【0069】
ステップ320では、パルスモータM2を駆動させて、予めプラテンローラ50から離間されているヒートローラ45の位置まで、バックテンションローラ88に接続されているクロック板の回転量に従って中間転写シートFを搬送する。この搬送時に転写部10内にガイドコロ44とガイド板47との間に配置された受光センサSからの出力を監視することで中間転写シートFの位置出し用マークが検出され、この時点で搬送量を再度設定することが可能となり、搬送精度が向上する。また、ステップ320では、中間転写シートFの転写部10への搬送に並行させて、カード供給部3からカードCを送り出し、カードCの先端をヒートローラ45に当接する位置まで第2カード搬送路Pに沿って搬送する。すなわち、カード供給部3、クリーナ4、反転部5のピンチローラ38、39を回転駆動させると共に、図示しないパルスモータM3を駆動することで、水平搬送ローラ対11、搬送ローラ対48及び水平搬送部12の各ローラ対を回転させ、カード供給部3からカードCを1枚第2カード搬送路P上に送出し、クリーナ4で両面を清浄し、カードCの先端が図示しない一体型透過センサSで検出されると、キックローラ31の回転を停止させる。続いて、カードCを反転部5を通過させて第2カード搬送路Pに沿って更に矢印L方向へ搬送させる。搬送ローラ対48の近傍で水平搬送ローラ対11側に配置された図示しない一体型透過センサS10がカードCの先端を検出すると、更に所定パルス数カードCを矢印L方向に搬送する。これにより、カードCの先端はヒートローラ45に当接する位置まで搬送される。なお、図示しない一体型透過センサS10がカードCの先端を検出した時点でピンチローラ38、39の回転駆動は停止される。
【0070】
次にステップ322において、ヒートローラ昇降カム51を図10の矢印B方向へ回転させて、ヒートローラ45をプラテンローラ50から離間していた状態(図10(A)の状態)からプラテンローラ50に当接する状態(図10(B)の状態)へ移行させて、ヒートローラ昇降カム51の回転動作を停止させる。この時点で、カードCの先端は、一方面がプラテンローラ50に支持され、他方面が中間転写シートFを介してヒートローラ45に押し当てられる。
【0071】
次のステップ324では、カードCの一方面に、画像形成部9で中間転写シートFの受容層Feに形成された画像をヒートローラ45で加熱・加圧して熱転写する間接転写を実行する。このステップ324における動作について詳述すれば、カードCは、他方面が反時計回りに回転するプラテンローラ50に支持され、一方面が中間転写シートFを介してヒートローラ45に押し当てられ、矢印L方向に搬送される。中間転写シートFの剥離層Fcは発熱ランプ46の熱によりベースフィルムFaから剥離され、ヒートローラ45の加圧により、カードCの他方面に、画像が形成された受容層Feとオーバーコート層Fdとが一体で転写される。この転写に同期して中間転写シートFは中間転写シート巻取部17に巻き取られる。この間、ステップ326において、カードCの先端が、キャプスタンローラ対141と排出ローラ対142との間に配設された駆動を持たないローラ対の近傍で排出ローラ対142側に配設された一体型透過センサS11の位置に位置したかを監視することで中間転写が終了したか否かを判断しており、間接転写が未了のときはステップ324へ戻り間接転写を続行し、間接転写が完了すると、次のステップ328に進む。この転写部10での転写により、カードCの全面には、正像の画像が形成される。なお、間接転写時のカードC及び中間転写シートFの搬送速度は同一速度に設定されている。
【0072】
ステップ328では、パルスモータM2、M3の駆動停止により中間転写シートFの送り搬送(中間転写シート巻取部17への巻き取り)及びカードCの矢印L方向への搬送を停止させ、ヒートローラ昇降カム51を再度回転させてプラテンローラ50に対してヒートローラ45を退避させ、次のステップ330において、カードCを第2カード搬送路P2上を搬送して印刷装置1の外に排出する搬送・排出処理を実行する。
【0073】
ステップ330での搬送・排出処理では、図示しないパルスモータM3を駆動させてカードCを第2カード搬送路Pに沿って更に矢印L方向へ搬送させ、水平搬送部12と排出口27との間に配置された図示しない一体型透過センサS12がカードCの先端を検出したか否かを判断し、否定判断のときは、カードCを更に搬送し、肯定判断のときは、カードCを完全に筐体2の外に排出するために所定時間搬送を続行する。これにより、カードCは排出口27を経てスタッカ13へ排出される。次に、図示しないパルスモータM3の回転駆動を停止させ、パルスモータM1、M2を逆転駆動させ、中間転写シートFを所定距離搬送したか否かを上述した一体型透過センサSで検出することで判断し、否定判断のときは中間転写シートFの搬送を続行し、肯定判断のときはパルスモータM1、M2の駆動を停止させて、間接転写処理サブルーチンを終了しステップ202へ戻る。
【0074】
一方、図6のステップ208で否定判断(直接転写モード)のときは、ステップ216において、カードCに直接転写方式により画像形成(第1の印刷工程)を行うための直接転写処理サブルーチンを実行する。
【0075】
図8に示すように、直接転写処理サブルーチンでは、ステップ402において、第2カード搬送路P上に配されたカード供給部3、クリーナ4、反転部5の各ローラを作動させて、カード供給部3のカードCを矢印L方向に搬送させ反転部5のピンチローラ38、39にカードCを挟持させる。すなわち、カード供給部3のキックローラ31が回転することでカードスタッカの最底部のカードCは第2カード搬送路P上に送出され、クリーナ4のクリーニングローラ34でカードCの両面が清浄される。カードCの先端がクリーナ4と反転部5との間に配置された図示しない一体型透過センサSで検出されると、カード供給部3のキックローラ31の回転を停止させる。カードCは一体型透過センサSで検出された位置から反転部5までの所定パルス数搬送された後停止し(ピンチローラ38、39の回転駆動も停止し)、水平状態の反転部5はカードCの両端を挟持した状態となる。
【0076】
次にステップ404では、第1カード搬送路P上を矢印U方向にカードCを搬送するために反転部5を90°回転させて垂直状態(図1の二点鎖線参照)の姿勢とし、次のステップ506において、ピンチローラ38、39を回転駆動させ、パルスモータM1のモータドライバへパルスモータM1の回転駆動を開始させると共に、電磁クラッチ67をパルスモータM1からの駆動力をプラテンローラ21へ伝達させる状態とする。これにより、ピンチローラ38、39、プラテンローラ21、キャプスタンローラ74、78の回転駆動が開始され、カードCは第1カード搬送路Pに沿って画像形成部9方向への搬送が開始される。また、中間転写シートFは中間転写シート供給部16への搬送(巻き戻し)が開始される。
【0077】
次のステップ408では、キャプスタンローラ78とサーマルヘッドユニット20との間に配置された図示しない一体型透過センサSがカードCの先端を検出したか否かを判断し、否定判断のときは、ステップ406へ戻り画像形成部9へのカードCの搬送を続行し、肯定判断のときは、次のステップ410において、カードCの先端が印刷位置Srに至るまでの所定パルス数カードCを矢印U方向に搬送する。なお、反転部5のピンチローラ38、39は、反転部5と画像形成部9の間に配置された図示しない一体型透過センサSでカードCの後端が検出された時点で回転動作を停止する。この間、サーマルヘッド20aはプラテンローラ21に対して離間した位置にあり(偏心カム23は第3基準位置Zに位置しており)、熱転写シートRは、Bk(ブラック)の開始端が印刷位置Srの位置となるまで所定距離送られる。また、ステップ410では、熱転写シートRを所定距離送った後、パルスモータM4を駆動して偏心カム23を第2の基準位置Yに位置付ける。これにより、カードCは、他方面が中間転写シートFを介してプラテンローラ21に支持され、一方面が熱転写シートRを介してサーマルヘッドユニット20に押し当てられる。
【0078】
続いてステップ412ではカードCの一方面への直接転写方式による画像形成が実行される。CPUは、画像データを1ライン(又は数ライン)毎に、画像形成制御部19Cを介して、熱エネルギーに変換させカードCの種類による所定の係数を熱エネルギーに加味した正像データをサーマルヘッドユニット20に送出させている。サーマルヘッド20aの各印画素子はこの正像データに従って加熱される。パルスモータM1の駆動によりプラテンローラ21は反時計回りに回転し、同期して熱転写シートRは熱転写シート巻取部15に巻き取られ、カードCの一方面には直接転写方式でBk(ブラック)による注意書き等の画像形成(印刷)が行われる。これにより、カードCの全面(全領域)には、正像の画像が形成される。なお、中間転写シートFは熱転写シートR及びカードCと同一速度で搬送される。
【0079】
次にステップ414において、パルスモータM4を駆動して偏心カム23を第3の基準位置Zに位置付けることで、カードCからサーマルヘッド20aを退避させ、ステップ416において、ピンチローラ38、39を逆転駆動させてからパルスモータM1の逆転駆動を開始させてプラテンローラ21、キャプスタンローラ74、78の逆転によりカードCを矢印D方向に搬送させる。
【0080】
次のステップ418では、カードCの後端が図示しない一体型透過センサSの位置まで搬送されたか否かを判断する。否定判断のときはステップ416へ戻り図1の矢印D方向へのカードCの搬送を続行し、肯定判断のときは次のステップ420において、所定パルス数カードCを更に図1の矢印D方向へ搬送する。次いで、ステップ422において、パルスモータM1の駆動を停止させると共に電磁クラッチ67にプラテンローラ21への連結を停止させ、更に、ピンチローラ38、39の逆転を停止させて垂直状態の反転部5のピンチローラ38、39にカードCを挟持させ、次のステップ424において、カードCを第2カード搬送路P2上を搬送して印刷装置1の外に排出する搬送・排出処理を実行する。
【0081】
ステップ424での搬送・排出処理では、第1カード搬送路P上に位置しているカードCを第2カード搬送路P上を図1の矢印L方向に搬送可能なように、垂直状態の反転部5を90°回転させる。これにより、カードCは他方面を上側にして第2カード搬送路P上に位置することになる。次いで、図示しないパルスモータM3を駆動させてカードCを第2カード搬送路Pに沿って更に図1の矢印L方向へ搬送させ、水平搬送部12と排出口27との間に配置された図示しない一体型透過センサS12がカードCの先端を検出したか否かを判断し、否定判断のときは、カードCを更に搬送し、肯定判断のときは、カードCを完全に筐体2の外に排出するために所定時間搬送を続行し、図示しないパルスモータM3の回転駆動を停止させて、直接転写処理サブルーチンを終了しステップ202へ戻る。これにより、カードCは排出口27を経てスタッカ13へ排出される。なお、図示しない一体型透過センサS10がカードCの先端を検出した時点でピンチローラ38、39の回転駆動は停止される。また、直接転写では、図10(A)に示すように、転写部10のヒートローラ45はプラテンローラ50から離間した状態に保持されている。
【0082】
(作用等)
次に、本実施形態の印刷装置1の作用等について説明する。
【0083】
本実施形態の印刷装置1は、カードC又は中間転写シートFに画像を形成する画像形成部9及び中間転写シートFに形成された画像をカードCに転写する転写部10を有しているので、画像形成ルーチンで示したように、直接転写方式及び間接転写方式双方の印刷が可能である。しかも、本実施形態では、カードCへの画像形成と中間転写シートFへの画像形成とを単一のサーマルヘッドユニット20で行っているので、印刷装置1の小型化と低コスト化を図ることができる。
【0084】
また、本実施形態の印刷装置1では、間接転写処理サブルーチン(第2の印刷工程)において、間接転写モード(第1のモード)で中間転写シートFに画像形成を行う際に、図示を省略したパルスモータM4を駆動して偏心カム23を第1の基準位置Xに位置付けることで、サーマルヘッド20aはフィルム状で殆ど硬度を有さない(軟質の)中間転写シートFに押圧力約78Nを付与している(ステップ308)。また、中間転写シートFは約60°Hsの硬度を有するプラテンローラ21に直接支持されているため、見かけ上、サーマルヘッド20aは約60°Hsの硬度を有する中間転写シートFに対して約78Nで押圧していることとなる。一方、直接転写処理サブルーチン(第1の印刷工程)では、直接転写モード(第2のモード)でカードCに画像形成を行う際に、パルスモータM4を駆動して偏心カム23を第2の基準位置Yに位置付けることで、サーマルヘッド20aは98°Hsの(硬質の)カードCに押圧力(約39N)を付与している(ステップ410)。従って、画像形成時に、軟質の中間転写シートFには、硬質のカードCに対する押圧力より大きな押圧力がサーマルヘッド20aから付与されており、かつ、プラテンローラ21に支持され見かけ上の硬度が大きくなっている。このため、硬度差が極端に異なる中間転写シートF及びカードCに単一のサーマルヘッド20aで間接転写方式/直接転写方式で画像を形成しても、サーマルヘッド20aが中間転写シートF及びカードCに付与する単位面積当たりの圧力が適正となるので、中間転写シートF及びカードCには、転写抜けのない高品質の画像を形成することができる。
【0085】
更に、本実施形態の印刷装置1では、印刷待機状態で偏心カム23は中間転写シートF及びカードCに押圧力を付与しない(熱転写シートR、中間転写シートF及びカードCの全てに接触しない)第3の基準位置Zに位置付けられているので(ステップ316、414)、熱転写シートR、中間転写シートF及びカードC等の搬送障害となったり誤作動の原因となることもない。
【0086】
また、本実施形態の印刷装置1では、サーマルヘッド駆動機構42を、中間転写シートF及びカードCに対する押圧方向とは反対方向に生ずる抗力を吸収するバネ41bを有して構成したので、偏心カム23で付与した押圧力に対する中間転写シートF及びカードCからの抗力を吸収して押圧力を夫々一定に保つことができると共に、偏心カム23、バネ24、従動ローラ22、バネ41bをサーマルヘッドユニット20の長手方向と同一方向に互いに対で配設したので、サーマルヘッド20aの全面を中間転写シートF及びカードCに対して略均一に当接させることができ、印刷(画像形成)精度を確保して画質の安定した画像を得ることができる。
【0087】
更に、本実施形態の印刷装置1では、受光センサSにより中間転写シートFの存在を検出してから間接転写を行うので(ステップ210)、中間転写シートFへサーマルヘッド駆動機構42から付与する押圧力を適正に設定することができ、中間転写シートF及びカードC間での誤作動を防止することができる。
【0088】
なお、本実施形態では、ステップ202でモード入力があるまで待機し、モード入力の指示があると、ステップ204で入力されたモードのデフォルト値をRAMに格納して、ステップ208で中間転写モードか否かを判断する例を示したが、ステップ202、204及び208を省略し、ステップ206でスタートボタンが押下されたときに、ステップ210において受光センサSにより中間転写シートFの存在を検出したか否かを判断して、ステップ214において間接転写処理サブルーチンを実行するようにしてもよい。このようにしても、中間転写シートFの存在を検出することで、図示を省略したパルスモータM4を駆動して偏心カム23を第1の基準位置Xに位置付けることができ、サーマルヘッド20aに付与する押圧力を(カードCに付与する場合より)大きくすることができると共に、作動ミスをなくすることができる。
【0089】
また、本実施形態では、サーマルヘッドユニット20の二つの印刷実行状態、及び印刷待機状態といった一連の動作状態は、サーマルヘッド駆動機構42の偏心カム23の回転を制御することによって行われるが、この偏心カム23の回転方向についてはいずれか一方向であっても、正逆双方向に回転可能に構成してもよい。正逆双方向に回転可能に構成すれば、サーマルヘッド20aをいずれの位置(状態)にも迅速に対応可能なため高速処理が期待でき、いずれか一方に回転可能に構成すれば、パルスモータM4及びモードドライバのコストを低減することができる。
【0090】
更に、本実施形態では、カードCの片面に直接転写方式又は間接転写方式で画像を形成する例を示したが、カードCの一面に直接転写方式で画像を形成し、カードCの他面に間接転写方式で画像を形成するようにしてもよい。このような両面印刷を行うには、反転部5の機能に着目して、図7のステップ330を除く間接転写処理サブルーチンを実行した後、カードCを反転部5に搬送して90°回転させて間接転写がなされた面とは反対の面に直接転写方式による画像形成を行うために、図8のステッ406以降の直接転写処理サブルーチンを実行するようにしても、図8のステップ424を除く直接転写処理サブルーチンを実行した後、カードCを反転部5に挟持させたまま、図7の間接転写処理サブルーチンを実行し、間接転写処理サブルーチンのステップ320で反転部5に挟持させたままのカードCを90°回転させて転写部10へ搬送するようにしてもよい。なお、この場合に、水平搬送ローラ対11側の反転部5の近傍に配設された一体型透過センサS13は、図1の矢印R方向に搬送されるカードCの先端を検出して、CPUは、その検出後、所定ステップカードCを矢印R方向に搬送させて反転部5に挟持させる。
【0091】
また、本実施形態では、供給スプール軸120に中間転写シート供給部16が装填され、巻取スプール軸110に中間転写シート巻取部17が装填された中間転写シートFについて例示したが、供給スプール軸120にホログラムシート供給部を装填し、巻取スプール軸110にホログラムシート巻取部17を装填して、カードCに、セキュリティのために所定の模様等が連続印刷されたホログラムシートを転写するようにしてもよい。この場合に、巻取スプール軸110を共有して供給スプール軸120とは別のホログラムシート用の供給スプール軸を設けるようにしてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、タッチパネル8からモード入力や印刷スタートの開始を行う例を中心に説明したが、外部コンピュータからこのような操作が行ってもよいことは論を待たない。更に、本実施形態では、外部コンピュータから画像データを受信した例を示したが、画像データは、例えば、FD、MO、ZIP等の情報記録媒体を介して制御部19のマイコン19AのRAMやVRAM、SDRAM等に格納してもよいことは云うまでもない。そして、本発明は上述したプラテンローラ21、中間転写シートF及びカードCの硬度に限定されるものではなく、上述した特許請求の範囲において種々の変更が可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、押圧力付与手段により、印刷手段に、支持手段より硬度の小さい軟質の第1の転写媒体に対して支持手段より硬度の大きい硬質の第2の転写媒体に対する押圧力より大きい押圧力が付与されるため、硬度差に拘わらず転写媒体には適正な押圧力が加えられるので、転写抜けのない高品位な画質を確保することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の印刷装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】実施形態の印刷装置の画像形成部を示し、(A)は外観斜視図、(B)は一部破断側面図、(C)は一部破断平面図である。
【図3】実施形態の印刷装置の中間転写シートの搬送機構及び画像形成部近傍のカード搬送機構を示す側面図である。
【図4】熱転写シート及び中間転写シートを模式的に示す説明図であり、(A)は熱転写シートの正面図、(B)は中間転写シートの断面図である。
【図5】実施形態の印刷装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態の印刷装置の制御部のCPUが実行する画像形成ルーチンのフローチャートである。
【図7】画像形成ルーチンのステップ214の詳細を示す間接転写処理サブルーチンのフローチャートである。
【図8】画像形成ルーチンのステップ216の詳細を示す直接転写処理サブルーチンのフローチャートである。
【図9】実施形態の印刷装置の画像形成部の側面図であり、(A)は偏心カムが第3の基準位置に位置した状態、(B)は偏心カムが第2の基準位置に位置した状態、(C)は偏心カムが第1の基準位置に位置した状態を示す。
【図10】実施形態の印刷装置の転写部の側面図であり、(A)はヒートローラが退避した状態、(B)は間接転写によりカードに画像を転写している状態を示す。
【符号の説明】
1 印刷装置
8 タッチパネル(モード設定手段の一部)
9 画像形成部(印刷手段、第1の印刷手段、第2の印刷手段)
10 転写部(転写手段)
19 制御部(押圧力制御手段の一部)
21 プラテンローラ(支持手段)
23 偏心カム(進退移動規制部材)
41b バネ(弾性部材)
42 サーマルヘッド駆動機構(押圧力付与手段の一部、進退移動手段の一部)
C カード(転写媒体、第2の転写媒体、カード状転写媒体、記録媒体)
F 中間転写シート(転写媒体、第1の転写媒体、フィルム状転写媒体、中間転写媒体)
発光素子(検出手段の一部)
受光素子(検出手段の一部)

Claims (14)

  1. 硬度の異なる複数の転写媒体に対し画像を形成する単一の印刷手段と、
    前記印刷手段に押圧力を付与する押圧力付与手段と、
    前記印刷手段が前記押圧力付与手段により押圧された状態で前記転写媒体に画像を形成する際に前記転写媒体を支持し所定硬度を有する支持手段と、
    を備え
    前記押圧力付与手段は、前記印刷手段が前記転写媒体に画像を形成するときに、前記支持手段の硬度より小さい軟質の第1の転写媒体に対する押圧力を、前記支持手段より硬度の大きい硬質の第2の転写媒体に対する押圧力より大きくなるように前記印刷手段に押圧力を付与することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記第1の転写媒体に画像を形成する第1のモード、または前記第2の転写媒体に画像を形成する第2のモードを設定するためのモード設定手段と、このモード設定手段により設定される前記第1または第2のモードに応じて前記押圧力付与手段による前記印刷手段に付与する押圧力を異ならせるように制御する押圧力制御手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記第1の転写媒体の存在を検出する検出手段と、この検出手段からの検出信号に基づいて、前記押圧力付与手段による前記印刷手段に付与する押圧力が大きくなるように制御する押圧力制御手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記押圧力付与手段は、画像形成位置とこの画像形成位置から離間した退避位置との間で前記印刷手段を進退移動させる進退移動規制部材と、前記進退移動規制部材により位置規制される前記印刷手段の前記第1の転写媒体乃至前記第2の転写媒体に対する押圧方向とは反対方向に生ずる抗力を吸収する弾性部材とを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記進退移動規制部材は、前記第1の転写媒体に対して大きい押圧力を与えるための第1の基準位置と、前記第2の転写媒体に対して小さい押圧力を与えるための第2の基準位置と、前記第1乃至第2の転写媒体に対して押圧力を与えない第3の基準位置とを、その周面部に有する偏心カムを具備することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記第1の転写媒体がフィルム状転写媒体からなり、前記第2の転写媒体が所定の硬度を有するカード状転写媒体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置。
  7. 記録媒体に画像を形成する第1の印刷手段と、
    一時的に画像を保持する中間転写媒体に画像を形成する第2の印刷手段と、
    前記中間転写媒体の画像を前記記録媒体と同一または異なる他の記録媒体に転写する転写手段と、
    前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段による画像形成時に前記記録媒体または前記中間転写媒体を支持し所定硬度を有する単一の支持手段と、
    前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段を、画像形成位置とこの画像形成位置から離間した退避位置との間で進退させる進退移動手段と、
    を備え、
    前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段の印刷素子を同一の印刷素子で構成するとともに、
    前記進退移動手段により前記第2の印刷手段が画像形成位置に位置付けられるときの前記第2の印刷手段の前記支持手段より硬度の小さい前記中間転写媒体に対する押圧力が、前記進退移動手段により前記第1の印刷手段が画像形成位置に位置付けられるときの前記第1の印刷手段の前記支持手段より硬度の大きい前記記録媒体に対する押圧力より大きくなるように構成されたことを特徴とする印刷装置。
  8. 前記第2の印刷手段により前記中間転写媒体に画像を形成した後、前記転写手段により前記中間転写媒体の画像を前記記録媒体と同一または異なる他の記録媒体に転写する第1のモード、または前記第1の印刷手段により前記記録媒体に画像を形成する第2のモードを設定するためのモード設定手段と、このモード設定手段により設定される前記第1または第2のモードに応じて、前記進退移動手段により画像形成位置に位置付けられる前記第1または第2の印刷手段に付与する押圧力を異ならせるように制御する押圧力制御手段とを更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
  9. 前記中間転写媒体の存在を検出する検出手段と、この検出手段からの検出信号に基づいて、前記進退移動手段により画像形成位置に位置付けられる前記第2の印刷手段に付与する押圧力が、前記進退移動手段により画像形成位置に位置付けられる前記第1の印刷手段に付与する押圧力より大きくなるように制御する押圧力制御手段とを更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
  10. 前記進退移動手段は、前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段の進退移動における移動量を規制する偏心カムを有し、この偏心カムの回転により前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段が画像形成位置に位置付けられることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の印刷装置。
  11. 前記進退移動手段は、前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段による押圧力に対する抗力を吸収する弾性部材を更に有することを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
  12. 前記第1の印刷手段および前記第2の印刷手段が熱転写印刷を行うサーマルヘッドを有し、前記偏心カムおよび前記弾性部材が前記サーマルヘッドの長手方向と同一方向に互いに対で配設されたことを特徴とする請求項11に記載の印刷装置。
  13. 前記記録媒体が所定の硬度を有するカード状記録媒体からなり、前記中間転写媒体がフィルム状に形成された転写媒体からなることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか一項に記載の印刷装置。
  14. 所定の硬度を有するカード状記録媒体を画像形成位置に搬送し、前記画像形成位置において前記記録媒体に画像を形成する第1の印刷工程と、
    一時的に画像を保持するフィルム状中間転写媒体を前記画像形成位置に搬送し、前記画像形成位置において前記中間転写媒体に画像を形成した後に、前記中間転写媒体を画像転写位置に搬送するとともに前記カード状記録媒体と同一または異なる他のカード状記録媒体を前記画像転写位置に搬送して、前記画像転写位置において前記中間転写媒体に形成された画像を前記カード状記録媒体と同一または異なる他のカード状記録媒体に転写して形成する第2の印刷工程と、
    を含み、
    前記第1および第2の印刷工程において前記カード状記録媒体および前記中間転写媒体には押圧力が付与された単一の印刷手段により画像が形成され、前記カード状記録媒体および前記中間転写媒体は画像が形成される際に所定硬度を有する支持手段で支持されるとともに、
    前記第2の印刷工程における前記支持手段より硬度の小さい記中間転写媒体への画像形成時の前記中間転写媒体に対する押圧力を、前記第1の印刷工程における前記支持手段より硬度の大きい前記カード状記録媒体への画像形成時の前記カード状記録媒体に対する押圧力より大きくして画像を形成することを特徴とする印刷方法。
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