JP3553033B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード等の記録媒体に画像・文字などの各種情報を印刷するための印刷装置であって、特に、記録媒体の特性又は印刷する情報に応じて印刷方式を切り換えて上記各種情報を印刷することができる印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、クレジットカード、キャッシュカード、ライセンスカード、IDカード等のカード状記録媒体を作成する場合には、記録媒体に熱転写フィルムを介してサーマルヘッドで熱転写して所期の画像・文字などを記録する熱転写方式の印刷装置が用いられている。一例として特開平9−131930号公報には、画像・文字等を、熱転写フィルムを介して記録媒体に直接転写する直接転写方式の印刷装置が開示されている。この方式では、熱昇華性インクを用いることで、インク特性による階調表現性に優れることから高画質の画像が得られるという利点を有するものの、画像等が転写される記録媒体の表面にこのインクを受容する受容層が必須となるので、記録媒体が限定されたり、又は、記録媒体の表面に受容層を形成する必要がある。
【0003】
一般に、熱昇華性インクを受容可能な記録媒体としてポリ塩化ビニル製カード(所謂PVCカード)が多用されているが、不要となったPVCカードを焼却すると公害物質が生成される等の理由により、最近ではポリエチレンテレフタレート製カード(所謂PETカード)等への切り換えが検討されている。しかしながら、このPETカードは結晶性の材質であるため、熱昇華転写しにくいばかりでなく、エンボスを形成することが困難なことから、記録媒体にエンボスを形成する必要がある場合には当面従来のPVCカードを使用せざるを得ない。
【0004】
更に、近年その利用範囲が拡大しつつあるICカードのように、ICチップやアンテナを埋め込むタイプのカード状記録媒体では、内部に埋め込まれたこれらの素子により表面に凹凸が生じるので、上記凹凸面への画像転写に支障をきたすなどの欠点も指摘されている。
【0005】
上述した不具合を解消する熱転写方式の印刷装置として、特開平8−332742号公報には、一旦画像を中間転写媒体に転写した後に、この画像を被転写体に再転写する、所謂間接転写方式の印刷装置の技術が開示されている。この方式によると、直接転写方式で欠点とされた、受容層に関連した記録媒体の限定や記録媒体表面の凹凸面への画像転写時の不具合等の問題点を改善することができ、更には、カード状記録媒体への全面印刷が直接転写方式のものと比べて容易に行うことができる等の利点がある。
【0006】
また、特開平8−58125号公報には、サーマルヘッドにより中間転写フィルムにインクを転写して像形成した後に、このインク像を加熱ローラにより記録用紙の表面に再転写する構成と、上記サーマルヘッドとは別のサーマルヘッドにより記録用紙の裏面にインクを転写する構成とを併用させて、記録用紙の表裏両面に印刷を施す熱転写印刷装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、間接転写方式では中間転写媒体を使用する必要があるので、直接転写方式のものよりランニングコストが高く、印刷に要する処理時間も余分に掛かる、という不利な点があると共に、カードデザイン上、表面は全面印刷が必要でも、裏面はカードの使用上の注意等を印刷して表示することが多いので、全面印刷を必要とするケースは少ないなど、両方式には一長一短がある。また、特開平8−58125号公報の技術では、サーマルヘッド及びインクフィルムを複数設けているので、印刷装置としては大型化してしまい、コスト高とならざるを得ない。
【0008】
従って、PVCやPET等の記録媒体の材質の他、エンボス、IC素子などの有無等を含めた記録媒体の表面形状乃至特性、記録媒体への全面印刷を必要とするか等の印刷に関する情報や各種目的に応じて、直接転写方式と間接転写方式とでその印刷方式を切り換えて記録媒体に画像等を印刷できる印刷装置が得られれば、記録媒体に最適な印刷方式で印刷することが可能となると共に、印刷に伴うランニングコストの低減を図ることできる。また、直接転写方式と間接転写方式とで印刷処理に必要な部材が集約的に配置され、また、部材の一部共通化が図られれば、印刷装置全体が大型化することなく、コストが低減した印刷装置を実現することが可能となるので、このような印刷装置が普及するものと考えられる。
【0009】
本発明は上記事案に鑑み、直接転写方式と間接転写方式とを切り換えて印刷可能で、装置全体が大型化することなく低コストの印刷装置を提供するとともに、直接転写方式と間接転写方式との両者において高画質な画像を形成することができる印刷装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、記録媒体に第1の熱転写シートのインクを画像として形成する第1の印刷手段と、一時的に画像を保持する中間転写媒体に第2の熱転写シートのインクを画像として形成する第2の印刷手段と、中間転写媒体の画像を記録媒体に転写する転写手段と、第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと、第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールと、第1及び第2の供給スプールを装填可能な熱転写シート供給スプール軸と、第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと、第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールと、第1及び第2の巻取スプールを装填可能な熱転写シート巻取スプール軸と、熱転写シート巻取スプール軸を回転駆動するスプール軸回転手段と、を備え、熱転写シート供給スプール軸及び熱転写シート巻取スプール軸の夫々が単一のスプール軸で形成されるとともに、スプール軸回転手段による、第2の巻取スプールを回転させる第2の熱転写シートの巻取り時の熱転写シート巻取スプール軸の回転速度が、第1の巻取スプールを回転させる第1の熱転写シートの巻取り時の熱転写シート巻取スプール軸の回転速度よりも大きいことを要旨とする。
【0011】
本態様によれば、第1の印刷手段により記録媒体に直接転写を行うことができ、第2の印刷手段及び転写手段により記録媒体に間接転写を行うことができるので、記録媒体へ印刷する際に直接転写方式と間接転写方式とを切り換えて印刷が可能であると共に、第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールとを装填可能な熱転写シート供給スプール軸と、第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールとを装填可能な熱転写シート巻取スプール軸と、を有し、これら熱転写シート供給スプール軸及び熱転写シート巻取スプール軸の夫々を単一のスプール軸で形成しているので、部材の共通化が図れ、装置全体が大型化することなく低コストの印刷装置を得ることができると共に、熱転写シート巻取スプール軸を回転駆動するスプール軸回転手段を有し、第2の巻取スプールを回転させる第2の熱転写シートの巻取り時の熱転写シート巻取スプール軸の回転速度が、第1の巻取スプールを回転させる第1の熱転写シートの巻取り時の熱転写シート巻取スプール軸の回転速度よりも大きいので、記録媒体及び中間転写媒体に対し好適な速度で熱転写シートを搬送して印刷手段により高画質の画像を形成することができる。
【0012】
また、本発明の第2の態様は、記録媒体に第1の熱転写シートのインクを画像として形成する第1の印刷手段と、一時的に画像を保持する中間転写媒体に第2の熱転写シートのインクを画像として形成する第2の印刷手段と、中間転写媒体の画像を前記記録媒体に転写する転写手段と、第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと、第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールと、第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと、第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールと、第1及び第2の熱転写シートを搬送する熱転写シート搬送手段と、を備え、第1の供給スプールと第2の供給スプールとが単一の供給スプールで構成されるとともに、第1の巻取スプールと第2の巻取スプールとが単一の巻取スプールで構成され、第1及び第2の熱転写シートを同一のシートで構成し、更に、第2の印刷手段による中間転写媒体への画像形成時における第2の熱転写シートの搬送速度が、第1の印刷手段による記録媒体への画像形成時における第1の熱転写シートの搬送速度よりも大きくなるように熱転写シート搬送手段が駆動されることを要旨とする。
【0013】
本態様によれば、第1の印刷手段により記録媒体に直接転写を行うことができ、第2の印刷手段及び転写手段により記録媒体に間接転写を行うことができるので、記録媒体へ印刷する際に直接転写方式と間接転写方式とを切り換えて印刷が可能であると共に、第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールとが単一の供給スプールで構成されるとともに、第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールとが単一の巻取スプールで構成され、第1及び第2の熱転写シートを同一のシートで構成したので、部材の共通化が図れ、装置全体が大型化することなく低コストの印刷装置を得ることができると共に、第1及び第2の熱転写シートを搬送する熱転写シート搬送手段を有し、第2の印刷手段による中間転写媒体への画像形成時における第2の熱転写シートの搬送速度が、第1の印刷手段による記録媒体への画像形成時における第1の熱転写シートの搬送速度よりも大きくなるように熱転写シート搬送手段が駆動されるので、記録媒体及び中間転写媒体に対し好適な速度で熱転写シートを搬送して印刷手段により高画質の画像を形成することができる。
【0014】
更に、本発明の第3の態様は、記録媒体に第1の熱転写シートのインクを画像として形成する第1の印刷手段と、一時的に画像を保持する中間転写媒体に第2の熱転写シートのインクを画像として形成する第2の印刷手段と、中間転写媒体の画像を前記記録媒体に転写する転写手段と、第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと、第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールと、第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと、第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールと、第1及び第2の印刷手段を制御する熱エネルギー制御手段と、を備え、第1の供給スプールと第2の供給スプールとが単一の供給スプールで構成されるとともに、第1の巻取スプールと第2の巻取スプールとが単一の巻取スプールで構成され、第1及び第2の熱転写シートを同一のシートで構成し、更に、熱エネルギー制御手段は、第1の印刷手段による記録媒体への画像形成時における第1の印刷手段が第1の熱転写シートに与える熱エネルギーが第2の印刷手段による記録媒体への画像形成時における第2の印刷手段が第2の熱転写シートに与える熱エネルギーよりも大きくなるように制御することを要旨とする。
【0015】
本態様によれば、第1の印刷手段により記録媒体に直接転写を行うことができ、第2の印刷手段及び転写手段により記録媒体に間接転写を行うことができるので、記録媒体へ印刷する際に直接転写方式と間接転写方式とを切り換えて印刷が可能であると共に、第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールとが単一の供給スプールで構成されるとともに、第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールとが単一の巻取スプールで構成され、第1及び第2の熱転写シートを同一のシートで構成したので、部材の共通化が図れ、装置全体が大型化することなく低コストの印刷装置を得ることができると共に、第1及び第2の印刷手段を制御する熱エネルギー制御手段を有し、この熱エネルギー制御手段により、第1の印刷手段による記録媒体への画像形成時における第1の印刷手段が第1の熱転写シートに与える熱エネルギーが第2の印刷手段による記録媒体への画像形成時における第2の印刷手段が第2の熱転写シートに与える熱エネルギーよりも大きくなるように制御され、記録媒体及び中間転写媒体への画像形成時に好適な熱エネルギーが第1及び第2転写シートに供給されるので、高画質の画像を得ることができる。
【0016】
尚、第1及び第2の熱転写シートを同一のシートで構成した場合、このような熱転写シートとしては、例えば、複数のインク層領域と単一の接着層領域とを面順次に配置したものを用いることができる。
【0017】
また、第1及び第2の印刷手段の印刷素子を同一の印刷素子で構成するようにすれば、部材の共通化が図れるので低コストの印刷装置を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明を直接転写及び間接転写可能な印刷装置に適用した実施の形態について説明する。
【0019】
(構成)
図1に示すように、本実施形態の印刷装置1は、ハウジングとなる筐体2内に、記録媒体としてのカードCに情報を記録するためのカード搬送路となる第3カード搬送路P3、カードCに直接転写方式により画像を形成する(印刷する)ためのカード搬送路となる第1カード搬送路P1、中間転写媒体としての中間転写シートF上に一時的に保持された画像を間接転写方式によりカードCに転写するためのカード搬送路となる第2カード搬送経路P2を有している。第2カード搬送路P2及び第3カード搬送路P3は略水平方向に配されており、第1カード搬送路P1は略垂直方向に配されている。第2カード搬送路P2は第3カード搬送路P3より上側(図1の矢印U側)に第3カード搬送路P3と略平行に配されており、第2カード搬送路P2及び第3カード搬送路P3と第1カード搬送路P1とは交点X1及びX2でそれぞれ略直交状に交差している。尚、第1カード搬送路P1に臨んで後述する中間転写シートFが一方側に配置されるとともに、他方側には後述する熱転写シートRが配置されている。
【0020】
第3カード搬送路P3上には、ブランクの(磁気的記録処理及び印刷処理が施される前の)カードCを1枚ずつ分離して第3カード搬送路P3に送り出すカード供給部3、カード供給部3の下流側でブランクカードCの表面を清浄するクリーナ4、クリーナ4の下流側で交点X2を回転中心としてカードCを挟持したまま回転乃至反転させ第1カード搬送路P1方向にカードCの搬送経路を直交状に切り換え可能な第2反転部5、並びに、第2反転部5の下流側で、例えば、クレジットカード等に見られるカード面(裏面)に形成された磁気ストライプへのデータ書き込み及び読み込み等の処理を行う情報記録部8がそれぞれ配設されている。
【0021】
カード供給部3は、複数のブランクカードCを積層状に収容するカードスタッカを有している。カードスタッカの第3カード搬送路P3に臨む位置には、1枚のみのカードCの通過を許容する開口スロットを有したスタッカ側板32が配置されており、カードスタッカの底部には、回転することでカードスタッカに積層収容された複数のブランクカードCのうち最底部に位置するブランクカードCを1枚ずつ第3カード搬送路P3に送り出すキックローラ31が圧接配置されている。
【0022】
クリーナ4は、第3カード搬送路P3を挟んで対をなして対峙し表面に粘着性物質を塗着したゴム材料等のクリーニングローラ34とこのクリーニングローラ34に圧接する圧接ローラ35を有している。
【0023】
情報記録部8は、磁気ストライプに情報を磁気記録するとともに記録された磁気情報を読み取ってベリファイする(記録すべき磁気情報と記録された磁気情報を照合する)ための磁気デコーダ等の情報書込読取ヘッド41、ICカードに電気的に記録されたデータにアクセスするためのIC接点42、第2反転部5からブランクカードCを授受して、磁気ストライプへの磁気データ書き込み及び読み込み時に情報書込読取ヘッド41及びICカードに電気的に記録されたデータにアクセスするためのIC接点42に対して図1の矢印L方向へカードCの搬送を行うと共に、情報書込読取ヘッド41及び/又はIC接点42での記録終了後に図1の矢印R方向へ記録済みのカードCを搬送して第2反転部5に送出する正逆転可能な複数のローラ対を有している。
【0024】
第1カード搬送路P1上には、交点X1を回転中心としてカードCを挟持したまま回転乃至反転させ第1カード搬送路P1及び第2カード搬送路P2のいずれかに搬送経路を選択的に切り換える第1反転部6が配置されている。図1及び図2(A)に示すように、交点X2上に配置された第2反転部5と交点X1上に配置された第1反転部6とは、同一の構成を有しており、かつ、図示しない駆動部により同期して回転乃至反転する構成を有している。
【0025】
第2反転部5及び第1反転部6は、磁気記録済みのカードCを挟持可能に対をなすピンチローラ38、39、これらのピンチローラを回転可能に支持して交点X1又はX2を中心として回転乃至反転する回転枠40を有している。これらのピンチローラ38、39は、一方が駆動ローラであり、他方が従動ローラである。ピンチローラ38、39は、図1の実線で示すように、回転枠40が水平状態においては第3カード搬送路P3(第2反転部5の場合)又は第2カード搬送路P2(第1反転部6の場合)を挟んで圧接し合い、図2(A)(及び図1の二点鎖線)に示すように、垂直状態においては第1カード搬送路P1を挟んで圧接し合う。尚、第3カード搬送路P3上における第2反転部5の前後、また、第1カード搬送路P1上における第2反転部5と第1反転部6との間、及び第1反転部6と後述する画像形成部9との間、更には、第2カード搬送路P2における第1反転部6と後述する水平搬送ローラ対11との間にはカードCの存在を検出する図示しない一体型透過センサが夫々配設されている。
【0026】
ピンチローラ38、39の間にカードCを挟持した状態で回転枠40を回転乃至反転させると、ピンチローラ38、39も共回りしてカードCを変位させてしまうので、第2反転部5及び第1反転部6での回転乃至反転動作は、回転枠40の回転乃至反転とピンチローラ38、39との回転とは独立して駆動される。尚、回転枠40の回転角度を検出するために、図示を省略する一体型透過センサ(スリット板との組合せ)を設け、また、ピンチローラ38、39の回転方向を判断するために、ピンチローラ38、39のいずれか一方の位置を検出するための図示しない一体型透過センサ(半月板との組合せ)を設けているので、回転枠40の回転角度を任意に設定することができるとともに、ピンチローラ38、39によるカードCの搬送方向を制御することができる。
【0027】
図3に示すように、第1カード搬送路P1上で第1反転部6の下流側(図3の矢印U側)には、画像・文字等の画情報に従って熱転写インクを用いてカードC又は後述する中間転写シートに画像を形成する画像形成部9が配置されている。画像形成部9は、熱転写プリンタの構成が採用されており、カードCの一面への印刷時にカードCを支持するプラテンローラ21及びプラテンローラ21に対して進退可能に配設されたサーマルヘッド20を有している。プラテンローラ21とサーマルヘッド20との間には熱転写シートRが介在する。
【0028】
プラテンローラ21に対するサーマルヘッド20の進退運動は、サーマルヘッド20を着脱可能に保持する図示しないホルダと、このホルダに固定された従動ローラ22と、従動ローラ22に周接しながらカム軸24を中心にいずれかの方向(図3の矢印A方向、またはその反対方向)に回転する非円形のサーマルヘッド進退カム23と、ホルダをサーマルヘッド進退カム23に圧接させる図示しないバネとを有する進退駆動ユニットにより実行される。
【0029】
図7(A)に示すように、熱転写シートRは、例えばフィルム上にカードCの長手方向の長さより若干長い幅で、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、及びBk(ブラック)のインクが順に塗着されており、Bk(ブラック)の次には画像が形成されたカードCの表面を保護する保護層領域Tを面順次に繰り返した帯状の形状を有している。また、図7(C)に示すように、熱転写シートRは、例えばフィルム上にカードCの長手方向の長さより若干長い幅で、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、及びBk(ブラック)のインクが順に塗着されており、Bk(ブラック)の次にはカードCの表面に画像を接着する接着層Hsを面順次に繰り返して配置したものでもよいが、この熱転写シートRにおける接着層Hsはポリカーボネートなどインクを受容しにくい材質のカードに対して特に適用されるものである。尚、図7(C)においては接着層HsをBk(ブラック)のインク層領域の次に配置しているが、Bk(ブラック)の前であってC(シアン)の次、つまりC(シアン)及びBk(ブラック)の各インク層領域の間に設けるように構成にしてもよい。
【0030】
図3に示すように、熱転写シートRは、熱転写シートRをロール状に捲回した供給スプールを装填する供給スプール軸を備えた熱転写シート供給部14から供給され、複数のガイドコロ53及び上述した図示しないホルダに固着されたガイド板25により案内されサーマルヘッド20の先端部に略全面を当接させながら、巻取ローラ対57の回転駆動と共に駆動し熱転写シートRをロール状に巻き取る巻取スプールを装填する巻取スプール軸を備えた熱転写シート巻取部15に巻き取られる。熱転写シート供給部14及び熱転写シート巻取部15は、サーマルヘッド20の両側の位置に配設されており、中心部はそれぞれスプール軸に装填されている。また、画像形成部9には、熱転写シートRの位置出し用マークあるいは後述するように熱転写シートRのBkの位置を検出するための発光素子S3及び受光素子S4が、熱転写シート供給部14及びサーマルヘッド20間に配設された2つのガイドコロ53の間に、熱転写シートRに対して離間状態で直交するように配置されている。
【0031】
なお、巻取ローラ対57の駆動側ローラ軸には同軸上に図示しないギヤが嵌着されており、このギヤは同軸上に図示しないクロック板を有するギヤに噛合している。また、図示しないクロック板の近傍には、熱転写シートRの巻き取り量を管理するために図示しないクロック板の回転を検出する図示しない一体型透過センサが配設されている。
【0032】
カードCに対する熱転写シートRを介してのサーマルヘッド20の印刷位置(加熱位置)Srは、プラテンローラ21の周部であって第1カード搬送路P1に接する部分に対応している(図5も参照)。画像形成部9の両側には、印刷位置Srに対してカードCを図3の矢印U又は矢印D方向に移動させるように同期して回転し、一定の回転速度を有するキャプスタンローラ74とキャプスタンローラ74に圧接するピンチローラ75とで構成されるローラ対、及び、キャプスタンローラ78とピンチローラ79とで構成されるローラ対が第1カード搬送路P1を挟むように配設されている。
【0033】
図1及び図4に示すように、カードCに間接転写で画像を形成する際には、プラテンローラ21に、中間転写シートFが掛け渡される。図7(B)に示すように、中間転写シートFは、ベースフィルムFa、ベースフィルムFaの背面側に形成された背面コート層Fb、インクを受容する受容層Fe及び受容層Feの表面を保護するオーバーコート層Fd、ベースフィルムFaの表面側に形成され加熱によりオーバーコート層Fd及び受容層Feを一体としてベースフィルムFaからの剥離を促進する剥離層Fcが、下側から背面コート層Fb、ベースフィルムFa、剥離層Fc、オーバーコート層Fd及び受容層Feの順で積層されて形成されている。中間転写シートFは、受容層Fe側が熱転写シートRと対向し、背面コート層Fb側がプラテンローラ21に当接するように掛け渡される。なお、画像形成部9には、図3及び図4に示すように、中間転写シートFの位置出し用マークを検出するための発光素子S1及び受光素子S2が、プラテンローラ21とガイドコロ91との間に中間転写シートFに対して離間状態で直交するように配置されている。
【0034】
図4に示すように、第2カード搬送路P2上には、第1反転部6の下流側(矢印L側)に、カードCを水平方向に搬送する水平搬送ローラ対11、画像形成部9で中間転写シートFに形成された画像をカードCに転写する転写部10、複数の搬送ローラ対を有しカードCを図4の矢印L側に搬送すると共に、カードCを筐体2の外部に排出する排出ローラ対を有する水平搬送部12が順に配設されている。
【0035】
転写部10は、カードCへの中間転写シートF又は後述するホログラムシートHの転写時にカードCを支持するプラテンローラ50及びプラテンローラ50に対して進退可能に配設されたヒートローラ45を有している。ヒートローラ45には、中間転写シートF又はホログラムシートHを加熱するための発熱ランプ46が内蔵されている。プラテンローラ50とヒートローラ45との間には中間転写シートF又はホログラムシートHが介在する。
【0036】
プラテンローラ50に対するヒートローラ45の進退運動は、ヒートローラ45を着脱可能に保持するホルダ49と、ホルダ49に固定された従動ローラ43と、従動ローラ43に周接しながらカム軸52を中心に一方向(図4の矢印B方向)に回転する非円形のヒートローラ昇降カム51と、ホルダ49に内蔵されホルダ49の上面をヒートローラ昇降カム51に圧接させる図示しないバネとを有する昇降駆動ユニットにより実行される。
【0037】
中間転写シートFは、中間転写シートFをロール状に捲回した中間転写シート供給部16から供給され、従動ローラ59を伴う搬送ローラ58、ガイドコロ60及びプラテンローラ21、ガイドコロ91、ピンチローラ89と共に中間転写シートFに逆張力を加えるバックテンションローラ88、ガイドコロ92、44、ヒートローラ45の両側に配置され転写部10を構成するフレームに固着されたガイド板47等で案内され、転写時にはカードCを介して第2カード搬送経路P2上でプラテンローラ50とヒートローラ45とに挟まれて、中間転写シートFをロール状に巻き取る中間転写シート巻取部17に巻き取られる。また、転写部10には、第2カード搬送経路P2を挟んで圧接し合いカードCを第2カード搬送経路P2上で図4の矢印L方向に搬送可能な搬送ローラ対48が、水平搬送ローラ対11の下流側かつプラテンローラ50の上流側に配設されている。なお、転写部10には、中間転写シートFの位置出し用マークを検出するための発光素子S5及び受光素子S6が、ガイドコロ44とガイド板47と間に中間転写シートFを跨ぐように配置されている。
【0038】
図5に示すように、図1に示した筐体2、第1カード搬送路P1及び第2カード搬送路P2で画定される領域には、正逆転可能なパルスモータM1、M2を駆動動力源とする駆動機構が配設されている。パルスモータM1のモータ軸には、タイミングプーリ(以下、単にプーリという。)61が嵌着されており、プーリ63との間に無端タイミングベルト(以下、単にベルトという。)62が巻き掛けられている。プーリ63の軸にはプーリ63より小径のプーリ64が嵌着されている。
【0039】
プーリ64にはベルト65がプーリ66との間で巻き掛けられている。プーリ66の軸には電磁クラッチ67が嵌着されている。電磁クラッチ67はサーマルヘッド20の直接印刷時及び直接印刷時のカードCの搬送時のみ電磁クラッチ67の軸に嵌着されたプーリ68にプーリ66の回転駆動力を連結する。プラテンローラ21には同軸上にプーリ70が嵌着されており、プーリ68とプーリ70とにはベルト69が巻き掛けられている。また、プラテンローラ21の同軸上にはプラテンローラ21より大径のギヤ71が嵌着されている。ギヤ71にはギヤ72、76が噛合している。ギヤ72は同軸上にピンチローラ75に圧接するキャプスタンローラ74を有するギヤ73に噛合しており、ギヤ76は同軸上にピンチローラ79に圧接するキャプスタンローラ78を有するギヤ77に噛合している。
【0040】
また、プーリ64には別のベルト81が捲き掛けられており、プーリ82に回転駆動力を伝達する。プーリ82の軸にはギヤ84に噛合するギヤ83が嵌着されている。ギヤ84の軸にはギヤ84より小径のギヤ85が嵌着されており、ギヤ85はギヤ86と噛合している。ギヤ86の軸にはトルクリミッタ87が嵌着されており、トルクリミッタ87を介して回転駆動力がバックテンションローラ88に伝達される。バックテンションローラ88にはピンチローラ89が圧接されている。バックテンションローラ88と同軸にはクロック板90が嵌着されている。後述するように中間転写シートFが正逆方向に送られるときに、バックテンションローラ88は中間転写シートFと同期して回転する。クロック板90の近傍には、中間転写フィルムFの送り量を管理するためにクロック板90の回転量を検出する一体型透過センサS7が配設されている。
【0041】
一方、パルスモータM2のモータ軸には、プーリ93が嵌着されており、プーリ95との間にベルト94が巻き掛けられている。プーリ95の軸にギヤ96が嵌着されている。
【0042】
ギヤ96は、反時計回りでギヤ96からの駆動が伝達され時計回りでフリーとなる(空回りする)軸に嵌着されたワンウェイギヤ97に噛合している。ワンウェイギヤ97の軸にはギヤ98及びプーリ99が嵌着されており、ギヤ98は時計回りでフリーとなり反時計回りでロックされるワンウェイギヤ101に噛合している。プーリ99にはプーリ103との間でベルト102が捲き掛けられている。プーリ103の軸にはギヤ104が嵌着されており、ギヤ104はギヤ105と噛合している。ギヤ105の軸にはトルクリミッタ106が嵌着されており、トルクリミッタ106を介して回転駆動力がギヤ107に伝達される。ギヤ107の同軸上にはクロック板108が嵌着されている。ギヤ107は、中間転写シートFを巻き取るための巻取スプール軸110に嵌着されたギヤ109と噛合している。クロック板108の近傍には、クロック板108の回転を介して巻取スプール軸110の回転量を検出すると共に、巻取スプール軸110の回転を検出して中間転写シートFの巻き取りを検出する一体型透過センサS8が配設されている。
【0043】
また、ギヤ96は、ワンウェイギヤ97の反対側で、時計回りでギヤ96からの駆動が伝達され反時計回りでフリーとなる軸に嵌着されたワンウェイギヤ111に噛合している。ワンウェイギヤ111の軸にはギヤ112及びプーリ113が嵌着されており、ギヤ112は反時計回りでフリーとなり時計回りでロックされるワンウェイギヤ114に噛合している。プーリ113にはプーリ116及びプーリ125との間でベルト115が捲き掛けられている。尚、このベルト115が一定張力を保つように、ベルト115で連なるプーリ116とプーリ125の間にはテンションローラ126が配設されている。プーリ116の軸にはギヤ117が嵌着されており、ギヤ117はギヤ118と噛合している。ギヤ118の軸にはトルクリミッタ119が嵌着されており、トルクリミッタ119を介して回転駆動力がギヤ123に伝達される。ギヤ123と同軸にはクロック板121が嵌着されている。ギヤ123は、中間転写シートFを供給するための供給スプール軸120に嵌着されたギヤ124と噛合している。クロック板121の近傍には、クロック板121の回転を介して供給スプール軸120の回転を検出することにより中間転写シートFの送り出しを検出する一体型透過センサS9が配設されている。なお、供給スプール軸120には中間転写シート供給部16又はホログラムシート供給部29が装填され、巻取スプール軸110には中間転写シート巻取部17又はホログラムシート巻取部30が装填される。
【0044】
一方、プーリ113からの駆動はベルト115を介してプーリ125にも伝達される。プーリ125の軸にはギヤ127が嵌着されており、ギヤ127はギヤ128に噛合している。更に、ギヤ128と同軸に配設されたギヤ129を介して駆動がギヤ130へと伝達されていく。ギヤ130の軸には電磁クラッチ131が嵌着されている。電磁クラッチ131はサーマルヘッド20の中間転写シートFへの画像形成を行う中間転写シートFの巻き戻し(Rv)時のみ電磁クラッチ131の軸に嵌着されたギヤ132を介してギヤ130の回転駆動力をギヤ133に連結する。ギヤ133の軸にはトルクリミッタ134が嵌着されており、トルクリミッタ134を介して回転駆動力が中間転写Fを搬送する搬送ローラ58に伝達される。尚、上記電磁クラッチ131の駆動連結時における供給スプール軸120、プラテンローラ21及び搬送ローラ58による中間転写シートFの搬送速度は、供給スプール軸120>搬送ローラ58>プラテン21の関係にあり、トルク管理については、プラテン21>搬送ローラ58>供給スプール軸120となるように設定されている。
【0045】
中間転写シートFの送り(Fw)と巻き戻し(Rv)は主にパルスモータM2の回転方向を切り換えることにより行われ、中間転写シートFの巻き戻し(Rv)動作において行われる中間転写シートFへの画像形成時では、供給スプール軸120、プラテンローラ21及びバックテンションローラ88による中間転写シートFの搬送速度は、供給スプール軸120>プラテンローラ21>バックテンションローラ88の関係にある。このため、後述するように、サーマルヘッド20を離間して中間転写シートFを送る際には、中間転写シートFの弛みを防止するために、電磁クラッチ67により駆動が切り離される。なお、このときの中間転写シートFの搬送方向は供給スプール軸120からバックテンションローラ88への送り方向である。
【0046】
図6に示すように、本実施形態の印刷装置1は、手動により中間転写シートFに代えてホログラムシートHを装着することが可能である。この場合には、供給スプール軸120及び巻取スプール軸110からそれぞれロール状の中間転写シート供給部16及び中間転写シート巻取部17を取り外して、供給スプール軸120及び巻取スプール軸110にそれぞれロール状のホログラムシート供給部29及びホログラムシート巻取部30を装填してホログラムシートHを掛け渡す。ホログラムシートHは、図7(B)に示した中間転写シートFと同様の層構成を有しているが、受容層に代えて予めホログラムが形成されたホログラム層を有している点で異なっている。
【0047】
図1に示すように、筐体2の第2カード搬送路P2の矢印L方向への延長線上には、印刷等の処理が終了したカードCを筐体2の外部へ排出する排出口27が形成されている。排出口27の下側には、カードCを積層してストックするスタッカ13が筐体2に着脱可能に装着されている。なお、水平搬送部12と排出口27との間には、図示しない一体型透過センサが配置されている。また、情報記録部8でのデータの書き込み不良が判明した不良カードC、及び画像形成部9や転写部10で不具合が発生した不良カードCを、第2反転部5を図1の矢印DとRの中間位置である傾斜方向に回転させて、上記した不良カードを上記傾斜方向下方側にイジェクトするイジェクト口28が形成されている。イジェクト口28には不良カードCを一時的に保持する不良カード受け等を取り付けるようにしてもよい。
【0048】
また、印刷装置1は、筐体2内に、商用交流電源から各機構部及び制御部等を駆動/作動可能な直流電源に変換する電源部18及び印刷装置1全体の動作制御を行う制御部19を有している。更に、印刷装置1は、筐体2の上部に制御部19からの情報に従って印刷装置1の状態等を表示すると共に、オペレータによる操作で制御部19に操作命令が指示可能な図示しないタッチパネルを有している。
【0049】
制御部19は、印刷装置1の制御処理を行うCPUブロックを備えている。CPUブロックは、中央演算処理装置として高速クロックで作動するCPU、印刷装置1の制御動作が記憶されたROM、CPUのワークエリアとして働くRAM及びこれらを接続する内部バスで構成されている。
【0050】
CPUブロックには外部バスが接続されている。外部バスには、タッチパネルの表示や操作命令を制御するタッチパネル表示操作制御ユニット、各種センサからの信号を制御するセンサ制御ユニット、各モータに駆動パルスを送出するモータドライバや電磁クラッチ等を制御するアクチュエータ制御ユニット、サーマルヘッド20の熱エネルギーを制御するサーマルヘッド制御ユニット、外部コンピュータと印刷装置1の通信を行う外部入出力インタフェース、及びカードCに印刷すべき画情報等を格納するRAM等が接続されている。タッチパネル表示操作制御ユニット、センサ制御ユニット、アクチュエータ制御ユニット、サーマルヘッド制御ユニットは、それぞれ、タッチパネル、センサS1〜S9を含むセンサ、モータM1、M2のモータドライバを含むモータドライバ及び電磁クラッチ67、サーマルヘッド20に接続されている。
【0051】
(動作)
次に、本実施形態の印刷装置1の動作について説明する。なお、説明を簡単にするために、RAMには外部コンピュータから外部入出力インタフェースを介して受信した画情報が格納されているものとし、カードCに直接転写及び/又は間接転写のいずれ又は双方を行うか、その場合に片面又は両面に転写を行うか、その場合の画情報はどれか、直接転写を行う場合にホログラムシートHによるオーバーコートを行うか等の印刷情報、磁気ストライプやICチップに書き込むための記録情報やカードCの寸法等の記録・印刷に関する情報が、タッチパネル又は外部コンピュータから既に入力されているものとする。以下、(1)オペレータが、直接転写によりカードCの両面に印刷を行い、表面側(磁気ストライプの形成されていない面側)にのみホログラム処理を行うことを所望した場合の印刷装置1の動作と、(2)オペレータが、カードCの裏面側に直接転写方式による印刷を行い、表面側に間接転写方式の印刷を行うことを所望した場合の印刷装置1の動作と、の2つの場合を例にとって説明する。
【0052】
(1)両面直接転写(表面側ホログラム処理)での動作
まず、制御部19のCPU(以下、単にCPUという。)は、初期化動作において、中間転写シートF又はホログラムシートHを一画面分以上巻取り、この巻取り動作において受光センサS2がリボン位置検出マークを検出した場合は中間転写シートRが装着されていると判断し、受光センサS2がリボン位置検出マークを検出しない場合はホログラムシートHが装着されていると判断する。また、スプール軸110とスプール軸120は、どちらかが巻き取り動作をする場合には、図示しないクラッチの作用により駆動が切断されるため、センサS8、またはセンサS9を監視することで中間転写シートF又はホログラムシートHが装着されていない場合、或いは、破断している場合を検出することが可能である。この判断が終了した後に上記一画面分以上を巻き戻すことでリボン種別判断を終了する。
【0053】
図4に示す状態では、受光センサS6の検出信号により中間転写シートF又はホログラムシートHの存在が検出され(両者いずれかのシートが装填されており、切断されていないことが検出され)、受光センサS2により中間転写シートFの存在が検出されるので、ホログラム処理を施すことが不能と判定する。不能判定のときには、タッチパネル上に中間転写シートFをホログラムシートHに代えるように表示し、図示しない開閉扉が一度開閉されるまで待機し、開閉扉の開閉後再度判定を行う。なお、受光センサS6により中間転写シートF及びホログラムシートHのいずれの存在も検出されないときには、タッチパネルに中間転写シートF又はホログラムシートHが切断されたか装填されていない旨を表示し同様に図示しない開閉扉が一度開閉されるまで待機して、開閉後中間転写シートF又はホログラムシートHの存在を検出する。一方、図6に示す状態では、受光センサS6により中間転写シートF又はホログラムシートHの存在が検出され、受光センサS2により中間転写シートFではないこと(ホログラムシートHであること)が検出されるので、ホログラム処理可能と判定する。
【0054】
ホログラム処理可能のときは、第3カード搬送路P3上に配されたカード供給部3、クリーナ4、第2反転部5を作動させる。これにより、カード供給部3のブランクカードCは図1の矢印L方向に搬送される。すなわち、カード供給部3のキックローラ31が回転することでカードスタッカの最底部のブランクカードCは第3カード搬送路P3上に送出され、クリーナ4のクリーニングローラ34でブランクカードCの両面が清浄され、ブランクカードCの先端が第2反転部5とクリーナ4との間に配設された図示しない一体型透過センサで検知されるとカード供給部3のキックローラ31が回転を停止する。ブランクカードCは上記一体型センサから第2反転部5までの所定パルス数搬送された後停止され、水平状態の第2反転部5はブランクカードCを挟持した状態となる(図1参照)。
【0055】
続いて、情報記録部8に記録情報を送出し、第2反転部5と情報記録部8との間でブランクカードCの授受が行われる。情報記録部8は、CPUからの命令によりブランクカードCを搬入する方向に複数の搬送ローラの回転駆動を開始する。CPUは、第2反転部5と情報記録部8との間に配設した図示しない一体型透過センサからの信号に従って、カードCを情報記録部8に送出した第2反転部5のピンチローラ38、39に回転動作を停止させる。情報記録部8は、ブランクカードCに対し、制御部19から送出された記録情報による磁気データ及び/又はICデータの書き込み等の処理を行う。CPUは、書き込み不良が生じたか否かのベリファイ情報を情報記録部8から受信し、第2反転部5のピンチローラ38、39をカードCの受け入れ方向に回転駆動させ、情報記録部8に対してカードCの排出命令を行う。CPUは、第2反転部5と情報記録部8との間に配設した図示しない一体型透過センサからの信号に従って、第2反転部5のピンチローラ38、39の回転動作を停止させる。ブランクカードCは上記一体型センサから第2反転部5までの所定パルス数搬送された後停止され、水平状態の第2反転部5はブランクカードCを挟持した状態となる(図1参照)。情報記録部8から入手したベリファイ情報が書き込み不良のときは、第2反転部5を図1の矢印DとRの中間位置である傾斜方向に回転させて、不良カードを上記した傾斜方向下方側に配設したイジェクト口28に向けてピンチローラ38、39を回転駆動させる。
【0056】
一方、情報記録部8から受信したベリファイ情報が書き込み良のとき(書き込み不良でないとき)は、CPUは、第2反転部5を(第1反転部6と共に)90°回転させる(図2(A)参照)。続いて図1の矢印U方向にカードCを搬送するように第2反転部5のピンチローラ38、39を回転駆動させ、第1反転部6のピンチローラ38、39も同様に回転駆動させる。これにより、第2反転部5と第1反転部6との間でカードCの授受が行われる(図2(A)の状態)。CPUは、第2反転部5と第1反転部6との間に配設された図示しない一体型透過センサがカードCを検出後、所定パルス搬送した後に第1反転部6及び第2反転部5のピンチローラ38、39の回転駆動を停止させる。第1反転部6にカードCが挟持される状態となると(図3の状態)、CPUはパルスモータM1のモータドライバへパルスモータM1の回転駆動を開始させると共に、電磁クラッチ67を連結させる。これにより、プラテンローラ21、キャプスタンローラ74、及びキャプスタンローラ78の回転駆動が開始される。
【0057】
この間、サーマルヘッド20はプラテンローラ21に対して離間した位置にあり(図3参照)、熱転写シートRは、例えば、Y(イエロー)の開始端が印刷位置Srの位置となるまで所定距離送られる。このような制御は、例えば、受光センサS4により熱転写シートRのBk(ブラック)の後端を検出し、熱転写シートR上に予め等間隔の幅が定められているBk(ブラック)の後端からY(イエロー)の開始端までの距離を、巻取ローラ対57の近傍に配設した図示しないクロック板の回転を図示しない一体型透過センサで検出することで実行することができる。
【0058】
第1反転部6のピンチローラ38、39は、第1反転部6と画像形成部9の間に配設された図示しない一体型透過センサでカードCの後端を検出した時点で回転動作を停止する。画像形成部9に挿入されたカードCは、第1カード搬送路P1上を第1反転部6及びキャプスタンローラ78、ピンチローラ79により図3の矢印U方向に搬送される。CPUは、キャプスタンローラ78とサーマルヘッド20の間に配設された図示しない一体型透過センサでカードCの先端を検知した後、印画開始位置までの所定パルス分カードCを矢印U方向へ搬送して印画位置までカードCを搬送して、サーマルヘッド進退カム23の回転動作を開始させる。この時点で、カードCは、サーマルヘッド進退カム23の図3の矢印A方向への回転動作により裏面側がプラテンローラ21に支持され、表面側が熱転写シートRを介してサーマルヘッド20に押し当てられる。
【0059】
CPUは、予め画情報に従ってYMC毎の印画データを熱エネルギーに変換し画像形成対象がカードCの種類や中間転写シートRの別による所定の係数を上記熱エネルギーに加味した加熱情報をサーマルヘッド20に送出させている。サーマルヘッド20の各素子はこの加熱情報に従って加熱される。パルスモータM1の駆動によりプラテンローラ21は反時計回りに回転し、同期して熱転写シートRは熱転写シート巻取部15に巻き取られ、カードCには直接転写によるY(イエロー)の画像形成(印刷)が行われる。
【0060】
CPUは、Y(イエロー)による画像形成が終了すると、サーマルヘッド進退カム23を図3の矢印Aとは逆の方向へ更に回転させて、カードCからサーマルヘッド20を後退させる。サーマルヘッド20が後退した後にパルスモータM1の逆転駆動を開始させる。これにより、プラテンローラ21、キャプスタンローラ74、ピンチローラ75及びキャプスタンローラ78、ピンチローラ79は逆転し、カードCは図3の矢印D方向に搬送される。CPUは、カードCの先端部がキャプスタンローラ78とサーマルヘッド20の間に配設された図示しない一体型透過センサを通過し、所定パルス搬送された後、パルスモータM1の逆転駆動を停止させる。CPUは、次の染料M(マゼンタ)を印画するために、パルスモータM1を正転駆動させてキャプスタンローラ78とサーマルヘッド20の間に配設された図示しない一体型透過センサでカードCの先端を検知した後、印画開始位置までの所定パルス分カードCを矢印U方向へ搬送する。この間、CPUは、印刷位置Srに次のM(マゼンダ)の先端部が位置するまで熱転写シートRを若干量送らせる。そして、サーマルヘッド進退カム23を矢印A方向に更に回転させることで、カードCに熱転写シートRを介してサーマルヘッド20を押し当ててサーマルヘッド20によりカードCへY(イエロー)に重ねてM(マゼンダ)の画像を形成する。CPUは、順次以上の処理を繰り返し、カードCの表面側にYMCのインクで画像を重ねて形成させる。
【0061】
CPUは、カードCの表面側への画像形成が終了すると、サーマルヘッド進退カム23を図3の矢印Aとは逆の方向へ更に回転させて、カードCからサーマルヘッド20を後退させる。サーマルヘッド20が後退した後にピンチローラ38、39を回転駆動させてからパルスモータM1の逆転駆動を開始させてプラテンローラ21、キャプスタンローラ74、ピンチローラ75及びキャプスタンローラ78、ピンチローラ79の逆転によりカードCを図3の矢印D方向に搬送させる。第1反転部6がカードCを挟持した状態で、パルスモータM1の逆転の駆動及び電磁クラッチ67の連結を停止させると共に、ピンチローラ38、39の回転駆動を停止させる(図3の状態)。
【0062】
次に、CPUは、第1反転部6を第2反転部5と共に反転(180°回転)させる(図2(B)参照)。カードCは、この反転により第1カード搬送路P1に対して表裏面が反対となる。CPUは、上記と同様にカードCの裏面側に画像形成を行わせる。なお、カードCの裏面側の印刷は一般にBk(ブラック)一色が指定されることが多く、そのような場合には、上記と同様にしてBk(ブラック)のみによる画像形成がなされ、YMCによる画像形成は行われない。CPUは、カードCの裏面側への画像形成が終了し、カードCを挟持したまま第1反転部6のピンチローラ38、39を停止させた状態で、第1反転部6を第2反転部5と共に90°回転させる(図6参照)。これにより、カードCは第2カード搬送経路P2上に位置することとなり、ホログラム処理の開始が可能な状態となる。
【0063】
CPUは、第1反転部6のピンチローラ38、39、水平搬送ローラ対11、搬送ローラ対48及び水平搬送部12の複数のローラ対を回転駆動させ、カードCを第2カード搬送経路P2上を図6の矢印L方向へ搬送させる。CPUは、第1反転部6と水平搬送部12との間に配設された図示しない一体型センサでカードCの後端を検出するとピンチローラ38、39の回転動作を停止し、図示しない一体型透過センサからのヒートローラ45までの所定パルス量分カードCを搬送することでカードCの先端部をヒートローラ45に当接する位置に位置付ける。次にヒートローラ昇降カム51を矢印B方向へ回転させる。これにより、ヒートローラ45は予めプラテンローラ50から離間していた状態からプラテンローラ50に当接する状態へ移行する。なお、ヒートローラ45内の発熱ランプ46は予め点灯され所定の転写温度に到達している。
【0064】
この時点で、カードCの先端部は、裏面側がプラテンローラ50に支持され、表面側がホログラムシートHを介してヒートローラ45に押し当てられる。カードCは、裏面側が反時計回りに回転するプラテンローラ50に支持され、表面側がホログラムシートHを介してヒートローラ45に押し当てられ、図6の矢印L方向に搬送される。ホログラムシートHの剥離層は発熱ランプ46の熱によりベースフィルムから剥離され、カードCの表面にはホログラム層とオーバーコート層とが一体で転写される。ホログラム層及びオーバーコート層の転写に同期してホログラムシートHはホログラムシート巻取部30に巻き取れる。
【0065】
CPUは、カードCの寸法サイズに従ってカードCの表面側へのホログラムシートHの転写が終了すると、パルスモータM2の送り方向への回転駆動を停止させると共に、ヒートローラ昇降カム51を矢印B方向へ再度回転させてプラテンローラ50に対してヒートローラ45を退避させる。カードCは水平搬送部12を通過し排出口27を経てスタッカ13へ排出される。CPUは、水平搬送部12と排出口27との間に配設された図示しない一体型透過センサからの信号を受信すると所定時間後に、第2カード搬送経路P2上のローラ駆動を停止させ、処理済みのカード枚数や処理の完了等をタッチパネル上に表示する。
【0066】
(2)裏面直接転写、表面間接転写での動作
CPUは、まず、両面直接転写の場合と同様に、受光センサS2、S6の検出信号、及び、センサS8、センサS9の検出信号により、中間転写シートFが存在するか否かを判断し、否定判断のときは、タッチパネル上に中間転写シートFに代えるように表示して開閉扉が一度開閉されるまで待機し、肯定判断のときは、上述したようにカードCの裏面側に直接転写により画像形成を行った後、カードCを挟持したまま第1反転部6のピンチローラ38、39を停止させた状態で、第1反転部6を第2反転部5と共に90°回転させる(図4の状態)。なお、直接転写及び間接転写の双方で画像形成する際には、中間転写シートFが、プラテンローラ21、バックテンションローラ88に掛け渡され、カードCの裏面への画像形成時のカードCの搬送方向と、中間転写シートFへの画像形成時の中間転写シートFの搬送方向とは、同一方向となるようにパルスモータM1、M2が回転駆動されるが、印刷位置Srでの中間転写シートFの搬送速度はカードCの搬送速度より大きい。これは画像形成のためのインク層を有する熱転写シートRについても同様であり、熱転写シートRの搬送手段としての巻取ローラ対57及びこの巻取ローラ対57の回転駆動と共に駆動して熱転写シートRを巻き取る熱転写シート巻取部15による熱転写シートRの搬送速度が、カードCへの画像形成時よりも中間転写シートFへの画像形成時の方が大きくなるように巻取ローラ対57及び熱転写シート巻取部15が回転駆動される。このように、熱転写シートRの搬送速度を異ならせるためには、巻取ローラ対57とともに熱転写シートRをロール状に捲回した巻取側のスプールを装填する巻取スプール軸の回転速度を、カードCへの画像形成時よりも中間転写シートFへの画像形成時の方が大きくなるように異ならせて回転させるものである。尚、これら巻取ローラ対57及び巻取スプール軸を回転させる駆動源として、本実施態様においては図示を省略するDCモータが用いられている。
【0067】
次に、CPUは、熱転写シートRのインクをサーマルヘッド20で加熱することで、中間転写シートFの受容層Feに画像を形成させる。画像形成時には、パルスモータM1を回転させてプラテンローラ21を反時計回りに回転させると共に、パルスモータM2を回転させて中間転写シートFを中間転写シート供給部16に巻き取り、同期して熱転写シートRを熱転写シート巻取部15に巻き取ることにより行われる。すなわち、CPUは、受光センサS2を監視することで中間転写シートFに設けられている位置出し用マークを認識し、中間転写シートFの送りや戻しと常に一体で正逆転するバックテンションローラ88に接続されているクロック板90の回転量を一体型透過センサS7で監視し、印画開始位置までの所定距離中間転写シートFを搬送する。サーマルヘッド20はプラテンローラ21に対して離間した位置にあり、熱転写シートRは、上述したように、例えば、Y(イエロー)の開始端が印刷位置Srの位置となるまで所定距離送られる。CPUは、Y(イエロー)の開始端が印刷位置Srの位置に到達すると、サーマルヘッド進退カム23を図4の矢印A方向へ回転させてサーマルヘッド20を熱転写シートRを介してプラテンローラ21に押し当てさせ、同時に、パルスモータM1及びパルスモータM2を巻き戻し(Rv)方向へ回転させる。これにより、中間転写シートFにはY(イエロー)の画像形成が行われる。
【0068】
CPUは、中間転写シートF上へのY(イエロー)の画像形成が終了すると、サーマルヘッド進退カム23を回転させて、サーマルヘッド20をプラテンローラ21に対して退避させ、パルスモータM1、M2を送り(Fw)方向に回転させることにより、巻取スプール軸110を反時計回りに回転させて中間転写シートFに設けた位置出し用マークが受光センサS2を通過するまで巻き取る。次に、Y(イエロー)と同様に受光センサS2を監視することで中間転写シートFに設けられている位置出し用マークを認識し、中間転写シートFの送りや戻しと常に一体で正逆転するバックテンションローラ88に接続されているクロック板90の回転量を一体型透過センサS7で監視し、印画開始位置までの所定距離中間転写シートFを搬送する。印刷位置Srに次のM(マゼンダ)の先端部が位置するまで熱転写シートRを若干量送らせる。そして、Y(イエロー)の場合と同様に、サーマルヘッド進退カム23を再び回転させてサーマルヘッド20を押し当てて熱転写シートRの受容層FeにY(イエロー)に重ねてM(マゼンダ)の画像形成を行わせる。CPUは、順次以上の処理を繰り返し、中間転写シートFにYMCの染料で画像を重ねて形成させた後、サーマルヘッド20をプラテンローラ21に対して退避させる。
【0069】
なお、中間転写シートFとカードCとでは熱容量などの特性の違いがあるため、制御部19のサーマルヘッド制御ユニットによる中間転写シートFへの画像形成時にサーマルヘッド20により熱転写シートRに与えられる熱エネルギーは、カードCへの直接転写時にサーマルヘッド20により熱転写シートRに与えられる熱エネルギーよりも小さく(カードCへの直接転写時の方が大きく)なるように制御され、このような熱エネルギーの演算は、上述した熱エネルギーへの係数を変更することにより行われる。
【0070】
次いで、CPUは、パルスモータM1、M2を送り(Fw)方向へ回転させ、予めプラテンローラ50から離間されているヒートローラ45の位置まで、一体型透過センサS7が検出するクロック板90の回転量に従って中間転写シートFを搬送する。なお、この搬送時に受光センサS6を監視することで中間転写シートの位置出し用マークが検出され、この時点で搬送量を再度設定することが可能となり、搬送精度が向上する。CPUは、この間、上述した両面直接転写の場合と同様に、第1反転部6のピンチローラ38、39、水平搬送ローラ対11、搬送ローラ対48及び水平搬送部12の複数のローラ対を回転駆動させ、カードCを第2カード搬送経路P2上を図4の矢印L方向へ搬送させる。
【0071】
CPUは、カードCの先端部がヒートローラ45に当接する位置に至ると、ヒートローラ昇降カム51を矢印B方向へ回転させて、ヒートローラ45をプラテンローラ50から離間していた状態からプラテンローラ50に当接する状態へ移行させて、ヒートローラ昇降カム51の回転動作を停止させる。この時点で、カードCの先端部は、裏面側がプラテンローラ50に支持され、表面側が中間転写シートFを介してヒートローラ45に押し当てられる。CPUは、パルスモータM2を送り(Fw)方向に回転駆動させる。カードCは、裏面側が反時計回りに回転するプラテンローラ50に支持され、表面側が中間転写シートFを介してヒートローラ45に押し当てられ、図4の矢印L方向に搬送される。中間転写シートFの剥離層Fcは発熱ランプ46の熱によりベースフィルムFaから剥離され、カードCの表面に画像が形成された受容層Feとオーバーコート層Fdとが一体で転写される。この転写に同期して中間転写シートFは中間転写シート巻取部17に巻き取られる。
【0072】
CPUはカードCの寸法サイズに従ってカードCの表面側への中間転写シートFの転写が終了すると、パルスモータM1、M2の送り方向への回転駆動を停止させると共に、ヒートローラ昇降カム51を再度回転させてプラテンローラ50に対してヒートローラ45を退避させる。カードCは水平搬送部12を通過し排出口27を経てスタッカ13へ排出される。
【0073】
(作用等)
次に、本実施形態の印刷装置1の作用等について説明する。
【0074】
本実施形態の印刷装置1は、カードC又は中間転写シートFに画像を形成する画像形成部9及び中間転写シートFに形成された画像をカードCに転写する転写部10を有しているので、直接転写及び間接転写を切り換えて印刷が可能である。また、印刷装置1は、転写部10により直接転写の画像が形成されたカードCをホログラムシートHで被覆することができる。このため、オペレータは、PVCやPET等のカードCの材質、エンボス、IC素子等の有無等を含めたカードCの表面形状や特性、カードCへの全面印刷を必要とするか等の種々の印刷に関する情報や各種目的に応じて、直接転写方式と間接転写方式とで最適な印刷方式に切り換えて印刷することができると共に、カードCの印刷に伴うランニングコストの低減を図ることできる。
【0075】
更に、印刷装置1では、カードCへの画像形成や中間転写シートFへの画像形成が単一のサーマルヘッド20及び単一の熱転写シートRで行われると共に、カードCへの間接転写シートFやホログラムシートHの転写が単一のヒートローラ45で行われる。また、サーマルヘッド20に対向して配置されるプラテンローラ21やヒートローラ45に対向して配置されるプラテンローラ50は、カードC又は中間転写シートFへの画像形成時、カードCへの間接転写シートF又はホログラムシートHの転写時にそれぞれ共通して使用される。従って、印刷装置1では、直接転写、間接転写及びオーバーコートで部材の共通化が図られているので、印刷装置1を大型化することなく低コストとすることができる。
【0076】
また、印刷装置1では、中間転写シートFを供給する中間転写シート供給部16と、ホログラムシートHを供給するホログラムシート供給部29と、を共通の供給スプール軸120を使用して装填し、中間転写シートFを巻き取る中間シート巻取部17と、ホログラムシートHを巻き取るホログラムシート巻取部30と、を共通の巻取スプール軸110を使用して装填するようにしたので、中間転写シートF及びホログラムシートHの供給機構、並びに、中間転写シートF及びホログラムシートHの巻取機構を共通して使用することが可能となり、これらの機構を重複して設けない分、印刷装置1の小型化を図ることができる。
【0077】
更に、印刷装置1では、パルスモータM2により巻取スプール軸110と供給スプール軸120とを回転させるようにしたので、駆動部の共通化により印刷装置1の低コスト化を図ることができる。また、パルスモータM1により、中間転写シートFの搬送経路中で中間転写シートFを搬送すると共に、カードCを搬送するようにし、電磁クラッチ67で中間転写シートFの弛みを防止するようにしたので、中間転写シートFへのYMC3色で重ねて画像形成が可能となると共に、カードCの画像形成部9近傍での搬送駆動部を別に設けることが不要となる。従って、印刷装置1のコストを一層低減することができる。しかも、パルスモータM1、M2は正逆転可能なモータであり、中間転写シートFの搬送経路中に中間転写シートFの送り量及び戻し量を回転量として検出する一体型透過センサS7で検出するようにしたので、Y、M、Cの各色を重ねて印刷しても色ズレを生じることがない。
【0078】
また、印刷装置1では、制御部19のサーマルヘッド制御ユニットにより、カードCへの画像形成時にサーマルヘッド20により熱転写シートRに与える熱エネルギーを中間転写シートFへの画像形成時にサーマルヘッド20により熱転写シートRに与える熱エネルギーより大きくなるように制御すると共に、制御部19のアクチュエータ制御ユニットにより、図5に示した駆動機構の構成により中間転写シートFへの画像形成時の中間転写シートFの搬送速度をカードCへの画像形成時のカードCの搬送速度より大きくし、また、サーマルヘッド20による中間転写シートFへの画像形成時における熱転写シートRの搬送速度をカードCへの画像形成時における熱転写シートRの搬送速度より大きくしたので、カードC及び中間転写シートFの熱容量などの特性の相違に拘わらず、印刷等の処理能力を低下させることなく高品質の画像を得ることができる。
【0079】
また更に、印刷装置1では、カードCの裏面への画像形成時のカードCの搬送方向と、中間転写シートFへの画像形成時の中間転写シートFの搬送方向とを、同一方向となるようにパルスモータM1、M2を回転駆動するようにしたので、画像形成部9近傍でカードCを搬送するキャプスタンローラ74、78等をプラテンローラ50に接近してコンパクトに配置することができ、画像形成部9の小型化を図ることができる。
【0080】
また、印刷装置1では、画像形成部9を第1カード搬送路P1上に、転写部10を第2カード搬送路P2上に交差する位置に配置したので、印刷装置1全体が細長い直方体とはならず、デザインの自由度を有しつつコンパクト化を図ることができる。
【0081】
更に、印刷装置1では、第1カード搬送路P1と第2カード搬送路P2との交点X1に、カードCを回転乃至反転させる第1反転部6を配置し、第1カード搬送路P1と第3カード搬送路P3との交点X2に、カードCを回転乃至反転させる第2反転部5を配置したので、これらの反転部によりカードCの搬送方向を切り換えることが可能となるので、印刷装置1全体のカードCの搬送路をコンパクトな空間内に収めることができる。
【0082】
また、印刷装置1では、第1反転部6が第1カード搬送路P1、第2カード搬送路P2にカードCを送出し、第1カード搬送路P1、第2カード搬送路P2間でカードCの授受を行うと共に、第2反転部5がカードCに記録処理を行う情報記録部8との間で記録媒体の授受を行うようにし、また、第1反転部6及び第2反転部5を上下方向に連接したので、搬送性能を低下させることなくコンパクトな空間で記録媒体を搬送することができる。更に、第1反転部6の上方に画像形成部9を配設すると共に、側方に転写部10を配設し、情報記録部8を転写部10の下方に配置したので、印刷装置1の構成部材を合理的に配置することができる。
【0083】
更に、印刷装置1では、第2カード搬送路P2の終端部に排出口27を設けたので、転写部10でカードCに中間転写シートF又はホログラムシートHが転写された後、そのままカードCを排出することができるので、印刷装置1の搬送経路を短くすることができる。また、情報記録部8で書き込み不良が検出されたカードCをイジェクトするイジェクト口28を設け、第2反転部5に書き込み不良が検出されたカードCを回転させてイジェクト口28からイジェクトさせるようにしたので、情報記録部8で書き込み不良が検出されたカードCを外部に搬送するための搬送路が不要となり、印刷装置1をコンパクトにすることができる。
【0084】
なお、本実施形態の印刷装置1では、情報記録部8に記録用の磁気エンコーダ及び接触型ICライタ/リーダを例示したが、例えば、記録対象が非接触型ICカードであれば、カード内のICチップに電気的に書き込んだり読み取るための非接触型のアンテナを用いるようにしてもよい。また、磁気的記録及び電気的記録を選択的に行うために、第2反転部6とイジェクト口28との間にICライタ等を配置するようにしてもよく、更にもう1つの反転部を第2反転部と情報記録部8との間に配置し、90°の角度を隔てて2種の情報記録部を配置するようにしてもよい。ちなみに、磁気エンコーダの場合の情報書き込みは、通常、磁気データ書き込み、ベリファイ等の処理で情報書込読取ヘッドに対して1パス乃至複数パスの往復搬送が実行されるが、これらのカードの搬送は情報記録部内の複数の搬送ローラを回転又は逆転駆動させることにより対応することができる。
【0085】
また、本実施形態では、第1反転部6及び第2反転部5を同期(連動)して回転乃至逆転させる例を示したが、これらの反転部を別々に回転乃至反転させるようにしてもよい。更に、本実施形態では、回転枠40とピンチローラ38、39とを独立して駆動させる例を示したが、カードCの変位を防止するために、回転枠40を回転乃至反転させる際にピンチローラ38、39を同じ角回転量だけ逆転させるようにしてもよい。
【0086】
更に、本実施形態では、第1カード搬送路P1を略垂直方向に形成して画像形成部9を配設し、第2カード搬送路P2を略水平方向に形成して転写部10を配設した例を示したが、第1カード搬送路P1を略水平方向に、第2カード搬送路P2を略垂直方向に形成するようにしてもよい。この場合は、第1反転部6や第2反転部5等の配置を若干変更すればよいだけで、画像形成部9と転写部10とは90°の角度で隔てられるので、本実施形態と同様の作用効果を奏する印刷装置を得ることができる。
【0087】
また、本実施形態では、カードCを被覆するシートとしてホログラムシートHを例示したが、ホログラムシートHに代えてホログラムのない単にカードCを被覆するだけのコートフィルムを用いるようにしてもよい。ホログラムシートHで被覆するのは、カードCの表面にホログラムを形成することによってカードCのセキュリティを高めるためであるが、このようなコートフィルムでもカードC上に直接形成された受容層をホログラムシートHと同様に保護することができる。
【0088】
更に、本実施形態では、説明を簡単にするために、中間転写シートFとホログラムシートHとを手動で交換する例を示したが、公知の技術により、これらを同軸上で電動により切り換えるようにしてもよい。この場合に、巻取スプール軸110及び供給スプール軸120の同軸上に、それぞれ中間転写シート巻取部17及びホログラムシート巻取部30、中間転写シート供給部16及びホログラムシート供給部29を配置するようにしてもよいし、巻取スプール軸110の同軸上にのみ中間転写シート巻取部17及びホログラムシート巻取部30を配置し、中間転写シート供給部16及びホログラムシート供給部29は別々のスプール軸としたり、逆に、供給スプール軸120の同軸上にのみ中間転写シート供給部16及びホログラムシート供給部29を配置し、中間転写シート巻取部17及びホログラムシート巻取部30は別々のスプール軸とするようにしてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、両面直接転写の場合に一体型透過センサでカードCの位置決めを行い3色を重ねて画像形成する例を示したが、上述した間接転写の場合のように、例えば、キャプスタンローラ78にクロック板を配しその回転量を一体型透過センサで検出するようにしてもよい。
【0090】
更に、本実施形態では、両面直接印刷の場合に、カードCの表面側を先に印刷する例を示したが、裏面側を先に印刷するようにしてもよい。また、本実施形態では上記2つの動作で中間転写シートF及びホログラムシートH等のオーバーコートをしない例については触れなかったが、転写部10による熱処理を行わずにそのまま排出すればオーバーコートのないカードCを排出することができることは云うまでもない。更にまた、本実施形態では、第2カード搬送路P2上のローラ対を図1の矢印L方向にのみ回転させる例を示したが、矢印R方向へも搬送できるようにすれば、カードCの表面側に直接印刷を行った後その上にホログラムシートHで被覆し、矢印R方向へ逆送して裏面側に直接印刷を行って排出するようにしてもよい。同様に、直接転写及び間接転写を行う場合にも、上記の動作では間接転写を後に行う例を示したが、間接転写を行った後に直接転写を行うようにしてもよい。
【0091】
そして、本実施形態では、印刷装置1に情報記録部8を内蔵した例を示したが、図8に示すように、カードCへの情報記録を印刷装置1の外部で行うか又は記録を必要としないカードを想定した場合には、第1反転部6の上流側にクリーナ4、更にその上流側にカード供給部3を配設することで、第2反転部5、情報記録部8を印刷装置内に配設する必要がないので、印刷装置1のオプションとしてこのような配設例を採ることができると共に、第2反転部5、情報記録部8を省いて印刷装置の小型化を図るようにしてもよい。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の態様によれば、第1の印刷手段により記録媒体に直接転写を行うことができ、第2の印刷手段及び転写手段により記録媒体に間接転写を行うことができるので、記録媒体へ印刷する際に直接転写方式と間接転写方式とを切り換えて印刷が可能であると共に、第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールとを装填可能な熱転写シート供給スプール軸と、第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールとを装填可能な熱転写シート巻取スプール軸と、を有し、これら熱転写シート供給スプール軸及び熱転写シート巻取スプール軸の夫々を単一のスプール軸で形成しているので、部材の共通化が図れ、装置全体が大型化することなく低コストの印刷装置を得ることができると共に、熱転写シート巻取スプール軸を回転駆動するスプール軸回転手段を有し、第2の巻取スプールを回転させる第2の熱転写シートの巻取り時の熱転写シート巻取スプール軸の回転速度が、第1の巻取スプールを回転させる第1の熱転写シートの巻取り時の熱転写シート巻取スプール軸の回転速度よりも大きいので、記録媒体及び中間転写媒体に対し好適な速度で熱転写シートを搬送して印刷手段により高画質の画像を形成することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施の形態の印刷装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】実施の形態の印刷装置の第2反転部及び第1反転部間の連接状態を示す側面図であり、(A)はカードの授受における垂直状態、(B)は同期反転後の垂直状態を示す。
【図3】実施の形態の印刷装置により直接印刷及びホログラム処理を行う場合の画像形成部近傍の側面図である。
【図4】直接印刷及び間接印刷を行う場合の実施の形態の印刷装置の側面図である。
【図5】実施の形態の印刷装置の中間転写シートの搬送機構及び画像形成部近傍のカード搬送機構を示す側面図である。
【図6】ホログラム処理を行う場合の実施の形態の印刷装置の側面図である。
【図7】熱転写シート及び中間転写シートの説明図であり、(A)及び(C)は熱転写シートを模式的に示す正面図、(B)は中間転写シートを模式的に示す断面図である。
【図8】本発明が適用可能な印刷装置の他の態様の概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 印刷装置
9 画像形成部(第1の印刷手段、第2の印刷手段)
10 転写部(転写手段)
14 熱転写シート供給部(第1及び第2の供給スプール)
15 熱転写シート巻取部(第1及び第2の巻取スプール、熱転写シート巻取スプール軸、熱転写シート搬送手段の一部)
19 制御部(熱エネルギー制御手段)
20 サーマルヘッド(印刷素子)
21 プラテンローラ
45 ヒートローラ(転写手段)
57 巻取ローラ対(熱転写シート搬送手段の一部)
C カード(記録媒体)
F 中間転写シート(中間転写媒体)
R 熱転写シート(第1の熱転写シート、第2の熱転写シート)
Claims (5)
- 記録媒体に第1の熱転写シートのインクを画像として形成する第1の印刷手段と、
一時的に画像を保持する中間転写媒体に第2の熱転写シートのインクを画像として形成する第2の印刷手段と、
前記中間転写媒体の画像を前記記録媒体に転写する転写手段と、
前記第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと、
前記第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールと、
前記第1及び第2の供給スプールを装填可能な熱転写シート供給スプール軸と、
前記第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと、
前記第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールと、
前記第1及び第2の巻取スプールを装填可能な熱転写シート巻取スプール軸と、
前記熱転写シート巻取スプール軸を回転駆動するスプール軸回転手段と、
を備え、
前記熱転写シート供給スプール軸及び前記熱転写シート巻取スプール軸の夫々が単一のスプール軸で形成されるとともに、前記スプール軸回転手段による、前記第2の巻取スプールを回転させる前記第2の熱転写シートの巻取り時の前記熱転写シート巻取スプール軸の回転速度が、前記第1の巻取スプールを回転させる前記第1の熱転写シートの巻取り時の前記熱転写シート巻取スプール軸の回転速度よりも大きいことを特徴とする印刷装置。 - 記録媒体に第1の熱転写シートのインクを画像として形成する第1の印刷手段と、
一時的に画像を保持する中間転写媒体に第2の熱転写シートのインクを画像として形成する第2の印刷手段と、
前記中間転写媒体の画像を前記記録媒体に転写する転写手段と、
前記第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと、
前記第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールと、
前記第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと、
前記第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールと、
前記第1及び第2の熱転写シートを搬送する熱転写シート搬送手段と、
を備え、
前記第1の供給スプールと前記第2の供給スプールとが単一の供給スプールで構成されるとともに、前記第1の巻取スプールと前記第2の巻取スプールとが単一の巻取スプールで構成され、前記第1及び第2の熱転写シートを同一のシートで構成し、更に、前記第2の印刷手段による前記中間転写媒体への画像形成時における前記第2の熱転写シートの搬送速度が、前記第1の印刷手段による前記記録媒体への画像形成時における前記第1の熱転写シートの搬送速度よりも大きくなるように前記熱転写シート搬送手段が駆動されることを特徴とする印刷装置。 - 記録媒体に第1の熱転写シートのインクを画像として形成する第1の印刷手段と、
一時的に画像を保持する中間転写媒体に第2の熱転写シートのインクを画像として形成する第2の印刷手段と、
前記中間転写媒体の画像を前記記録媒体に転写する転写手段と、
前記第1の熱転写シートを供給する第1の供給スプールと、
前記第2の熱転写シートを供給する第2の供給スプールと、
前記第1の熱転写シートを巻き取る第1の巻取スプールと、
前記第2の熱転写シートを巻き取る第2の巻取スプールと、
前記第1及び第2の印刷手段を制御する熱エネルギー制御手段と、
を備え、
前記第1の供給スプールと前記第2の供給スプールとが単一の供給スプールで構成されるとともに、前記第1の巻取スプールと前記第2の巻取スプールとが単一の巻取スプールで構成され、前記第1及び第2の熱転写シートを同一のシートで構成し、更に、前記熱エネルギー制御手段は、前記第1の印刷手段による前記記録媒体への画像形成時における前記第1の印刷手段が前記第1の熱転写シートに与える熱エネルギーが前記第2の印刷手段による前記記録媒体への画像形成時における前記第2の印刷手段が前記第2の熱転写シートに与える熱エネルギーよりも大きくなるように制御することを特徴とする印刷装置。 - 前記第1及び第2の熱転写シートが、複数のインク層領域と単一の接着層領域とを面順次に配置してなることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の印刷装置。
- 前記第1及び第2の印刷手段の印刷素子を同一の印刷素子で構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
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