JPH0858125A - 熱転写印刷装置及び熱転写印刷方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置が大型化することなく、コスト高となる
ことなく、短い印刷時間で表，裏の両面に印刷を施すこ
とができる再転写方式の熱転写印刷装置を提供する。 【構成】 インクフィルム１のインクをサーマルヘッド
３によって加熱して中間転写フィルム７に転写する。中
間転写フィルム７に転写されたインク像と記録用紙２を
加熱ローラ１１とサーマルヘッド２６との間に搬送して
重ね合わせ、加熱ローラ１１の熱によってインク像を記
録用紙２の表面に再転写する。これと同時にインクフィ
ルム２７のインクをサーマルヘッド２６によって加熱し
て記録用紙２の裏面に転写する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、中間転写フィルムに一
旦インク像を形成し、その後、中間転写フィルムに形成
されたインク像を記録媒体（受像体）に転写する再転写
方式の熱転写印刷装置及び熱転写印刷方法に係り、特
に、記録媒体の両面にインク像を形成することができる
熱転写印刷装置及び熱転写印刷方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクフィルムに塗布された溶融性ある
いは昇華性のインクを中間転写フィルムに転写して中間
転写フィルム上に一旦インク像を形成し、その後、その
中間転写フィルムに形成されたインク像を記録媒体に転
写する再転写方式の熱転写印刷装置が考えられ、種々の
提案がなされている。

【０００３】図５はこの種の熱転写印刷装置の一例を示
す構成図である。図５において、インクフィルム１はイ
ンク塗布面をプラテンローラ４側に向け、ガイドシャフ
ト１５ａ〜１５ｃによってその搬送路が案内されて供給
リール５と巻き取りリール６との間に張架されている。
なお、インクフィルム１は、帯状ベースフィルム上に例
えば溶融性のイエロ（Ｙ），マゼンタ（Ｍ），シアン
（Ｃ）の３色もしくはイエロ（Ｙ），マゼンタ（Ｍ），
シアン（Ｃ），ブラック（Ｋ）の４色のインクを周期的
に塗布したものである。中間転写フィルム７は、ガイド
シャフト１６ａ〜１６ｇによってその搬送路が案内され
て供給リール８と巻き取りリール９との間に張架されて
いる。

【０００４】インクフィルム１の図中下側（ベースフィ
ルム側）には第１の加熱部であるサーマルヘッド３が配
置されており、サーマルヘッド３とプラテンローラ４と
の間でインクフィルム１と中間転写フィルム７とが密着
される。第１の加熱部に対し、中間転写フィルム７の搬
送方向下流側には第２の加熱部である加熱ローラ１１と
再転写ローラ１７が設けられており、中間転写フィルム
７は加熱ローラ１１と再転写ローラ１７との間を通り、
ガイドシャフト１６ｇによって上方に急峻に引き上げら
れて巻き取りリール９に巻き取られる。

【０００５】図中左端部には記録用紙２として例えばカ
ードが積載されて収納されるホッパ２０が設けられてお
り、ホッパ２０内の記録用紙２は給紙ローラ２１によっ
て給紙される。ホッパ２０外へと取り出された記録用紙
２は搬送ローラ２２ａ〜２２ｄによって順次搬送されて
加熱ローラ１１と再転写ローラ１７との間に送られる。
後に詳述する一連の記録動作によって中間転写フィルム
７から記録用紙２へインク像が転写されると、記録用紙
２はバネ等によって常に設定された圧力でお互いに圧着
している搬送ローラ１９ａ，１９ｂによって排紙され
る。

【０００６】次に、記録媒体２への記録動作について説
明する。まず、イニシャル状態において、サーマルヘッ
ド３はプラテンローラ４より十分離間しており、インク
フィルムマークセンサ２３によってインクフィルム１の
頭出しを行う。第１色目であるＹインクの頭出しを行
い、図示していないホストコンピュータからの印刷指示
を待つ。ホストコンピュータから指示がなされると、図
示していない押圧機構によってサーマルヘッド３がプラ
テンローラ４に押圧し、プラテンローラ４を回転させな
がら中間転写フィルム７にＹインクを転写する。Ｙイン
クの転写終了後、サーマルヘッド３をプラテンローラ４
より離間し、インクフィルム１の第２色目であるＭイン
クの頭出しを行う。また、プラテンローラ４の駆動系に
設けられている図示していないエンコーダのパルスをカ
ウントするか、もしくは駆動源としてステッピングモー
タを使用しそのステップ数を用いることにより、中間転
写フィルム７を正確に巻き戻す。

【０００７】以上のようにして中間転写フィルム７を３
往復あるいは４往復して３色分もしくは４色分のインク
を重ね合わせて転写することにより、中間転写フィルム
７上にフルカラーの絵，文字等の画像（インク像）が形
成されることとなる。

【０００８】そして、中間転写フィルム７の巻き取りリ
ール９を回転させてインク像を加熱ローラ１１の部分に
次のようにして搬送する。なお、中間転写フィルム７を
加熱ローラ１１の部分に搬送する際、加熱ローラ１１は
再転写ローラ１７より離間している。中間転写フィルム
センサ２４でインク像の先頭位置を検出し、プラテンロ
ーラ４の駆動系が持っているエンコーダで中間転写フィ
ルム７の移動距離をカウントすることにより、中間転写
フィルム７に転写されたフルカラーのインク像を加熱ロ
ーラ１１の直下まで移動させる。この動作と同時にホッ
パ２０に収納されたカード等の記録用紙２を図示してい
ない駆動系にて駆動された給紙ローラ２１及び図示して
いない分離機構によって記録用紙２を１枚のみ取り出
し、さらに、搬送ローラ２２ａ〜２２ｄによって加熱ロ
ーラ１１の直下まで移動させる。なお、２５は記録用紙
センサである。

【０００９】中間転写フィルム７のインク像の先端と記
録用紙２の先端との位置合わせが完了し、両者が停止し
たら、図示していない押圧機構により加熱ローラ１１を
再転写ローラ１７に押圧すると同時に駆動系１８を駆動
して再転写ローラ１７を一定速度で回転させ、中間転写
フィルム７と記録用紙２とを密着させて搬送する。この
時、加熱ローラ１１の熱によって中間転写フィルム７に
形成されたインク像を溶融させて記録用紙２に再転写す
る。中間転写フィルム７のインク像部分及び記録用紙２
が加熱ローラ１１を通過すると、所定時間経過後、記録
用紙２に再転写されたインク像は冷却される。中間転写
フィルム７はガイドシャフト１６ｇを境にして上方に急
峻に引き上げられ、搬送方向が急激に変えられる。これ
によって、中間転写フィルム７は記録用紙２より確実に
分離される。分離された記録用紙２は搬送ローラ１９
ａ，１９ｂによって挟持されて排紙口へと導かれる。

【００１０】以上のような再転写方式の熱転写印刷装置
において、記録用紙２の表，裏の両面に印刷する場合
は、以下のようにして両面印刷を行う。図５におけるホ
ッパ２０，給紙ローラ２１の部分を給紙部２００とし、
インクフィルム１，サーマルヘッド３，プラテンローラ
４，中間転写フィルム７，加熱ローラ１１等の印刷する
部分を印刷部３００とすると、図６に示すように、２つ
の印刷部３００の間に反転装置１００を設け、１つ目の
印刷部でまず記録用紙２の表面（第１の面）に印刷し、
反転装置１００で記録用紙２を反転させた後、２つ目の
印刷部で記録用紙２の裏面（第２の面）に印刷する。ま
た、他の方法として、図７に示すように、給紙部２００
と印刷部３００との間に反転装置１００を設け、まず記
録用紙２の表面に印刷し、記録用紙２を反転装置１００
まで戻して記録用紙２を反転させた後、記録用紙２の裏
面に印刷する。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところが、図６，図７
に示すような従来の表裏印刷の手法では、印刷部３００
が２つ必要であったり、反転装置１００が必要であった
りして、装置が大型化すると共に、コストの高いものと
なってしまうという問題点がある。また、記録用紙２の
１枚当たりの印刷時間が長いという問題点もある。本発
明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、装置
が大型化することなく、コスト高となることなく、短い
印刷時間で表，裏の両面に印刷を施すことができる再転
写方式の熱転写印刷装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、（１）第１のインクフィ
ルムに塗布されたインクを第１のサーマルヘッドによっ
て加熱することにより中間転写フィルムに転写してイン
ク像を形成し、この中間転写フィルムに転写されたイン
ク像を加熱ローラによって受像体の第１の面に再転写す
るようにした熱転写印刷装置において、前記受像体の前
記第１の面とは反対側の第２の面側に第２のインクフィ
ルムと第２のサーマルヘッドとを設け、前記受像体と前
記第２のインクフィルムとを前記加熱ローラと前記第２
のサーマルヘッドとで挟持し、前記第２のインクフィル
ムに塗布されたインクを前記第２のサーマルヘッドによ
って加熱することにより前記受像体の前記第２の面に転
写してインク像を形成するよう構成したことを特徴とす
る熱転写印刷装置を提供し、（２）インクフィルムに塗
布されたインクを第１の加熱部によって加熱することに
より中間転写フィルムに転写してインク像を形成し、こ
の中間転写フィルムに転写されたインク像を第２の加熱
部によって受像体に再転写するようにした熱転写印刷装
置において、前記第２の加熱部を前記中間転写フィルム
のインク像形成面とは反対側の前記受像体の第１及び第
２の面側に設けた第１及び第２の加熱ローラとし、前記
中間転写フィルムのインク像形成面側より搬送される前
記受像体をインク像が形成された前記中間転写フィルム
と共に前記第１及び第２の加熱ローラ間に搬送し、前記
第１及び第２の加熱ローラによって前記受像体及び前記
中間転写フィルムを加熱押圧して前記中間転写フィルム
のインク像を前記受像体の前記第１及び第２の面に再転
写するよう構成したことを特徴とする熱転写印刷装置を
提供し、（３）インクフィルムに塗布されたインクを第
１の加熱部によって加熱することにより中間転写フィル
ムに転写してインク像を形成し、この中間転写フィルム
に転写されたインク像を第２の加熱部によって受像体に
再転写するようにした熱転写印刷方法であり、前記イン
クフィルムに塗布されたインクを前記第１の加熱部によ
って加熱し、前記中間転写フィルムに前記受像体の第１
の面に転写する第１のインク像と前記受像体の第２の面
に転写する第２のインク像とを長手方向に隣接して並べ
たインク像を形成する第１の工程と、前記中間転写フィ
ルムのインク像を前記第２の加熱部に搬送する第２の工
程と、前記受像体を前記中間転写フィルムのインク像形
成面側より前記受像体の端部が前記インク像における前
記第１のインク像と前記第２のインク像との境界部に当
接するように搬送し、前記受像体の前記第１の面に前記
第１のインク像を前記第２の面に前記第２のインク像を
密着させる第３の工程と、前記第２の加熱部によって前
記受像体及び前記中間転写フィルムを加熱押圧して前記
中間転写フィルムの前記第１及び第２のインク像を前記
受像体の前記第１及び第２の面に同時に再転写する第４
の工程とよりなることを特徴とする熱転写印刷方法を提
供するものである。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の熱転写印刷装置について、添
付図面を参照して説明する。図１は本発明の熱転写印刷
装置の第１実施例を示す構成図、図２は本発明の熱転写
印刷装置の第２実施例を示す構成図、図３は本発明の熱
転写印刷装置の第２実施例の部分拡大図、図４は本発明
の熱転写印刷装置の第２実施例を説明するための図であ
る。なお、図１及び図２において、図５と同一部分には
同一符号が付してある。

【００１４】まず、図１に示す本発明の熱転写印刷装置
の第１実施例について説明する。図１において、インク
フィルム１はインク塗布面をプラテンローラ４側に向
け、ガイドシャフト１５ａ〜１５ｃによってその搬送路
が案内されて供給リール５と巻き取りリール６との間に
張架されている。供給リール５及び巻き取りリール６は
図示していない駆動源により制御駆動され、供給リール
５には図示していない摩擦クラッチによりバックテンシ
ョンが与えられている。なお、インクフィルム１は、帯
状ベースフィルム上に例えば溶融性のイエロ（Ｙ），マ
ゼンタ（Ｍ），シアン（Ｃ）の３色もしくはイエロ
（Ｙ），マゼンタ（Ｍ），シアン（Ｃ），ブラック
（Ｋ）の４色のインクを周期的に塗布したものである。
中間転写フィルム７は、ガイドシャフト１６ａ〜１６ｇ
によってその搬送路が案内されて供給リール８と巻き取
りリール９との間に張架されている。供給リール８及び
巻き取りリール９は図示していない駆動源により制御駆
動される。

【００１５】インクフィルム１の図中下側（ベースフィ
ルム側）には第１の加熱部であるサーマルヘッド３が配
置されており、サーマルヘッド３とプラテンローラ４と
の間でインクフィルム１と中間転写フィルム７とが密着
される。第１の加熱部に対し、中間転写フィルム７の搬
送方向下流側には第２の加熱部である加熱ローラ１１と
裏面印刷用のサーマルヘッド２６が設けられており、中
間転写フィルム７は加熱ローラ１１とサーマルヘッド２
６との間を通り、ガイドシャフト１６ｇによって上方に
急峻に引き上げられて巻き取りリール９に巻き取られ
る。加熱ローラ１１とサーマルヘッド２６との間には、
供給リール２８と巻き取りリール２９との間に張架さ
れ、ガイドシャフト３０ａ，３０ｂによってその搬送路
が案内されたインクフィルム２７がインク塗布面を加熱
ローラ１１側に向けて設けられている。

【００１６】図中左端部には記録用紙２として例えばカ
ードが積載されて収納されるホッパ２０が設けられてお
り、ホッパ２０内の記録用紙２は給紙ローラ２１によっ
て給紙される。ホッパ２０外へと取り出された記録用紙
２は搬送ローラ２２ａ〜２２ｄによって順次搬送されて
加熱ローラ１１とサーマルヘッド２６との間に送られ
る。後に詳述する一連の記録動作によって中間転写フィ
ルム７から記録用紙２へインク像が転写されると、記録
用紙２はバネ等によって常に設定された圧力でお互いに
圧着している搬送ローラ１９ａ，１９ｂによって排紙さ
れる。ところで、ホッパ２０外へと取り出された記録用
紙２は搬送ローラ２２ａ〜２２ｄによって加熱ローラ１
１とサーマルヘッド２６との間へと送られ、さらに、搬
送ローラ１９ａ，１９ｂによって排紙口へと導かれる
が、記録用紙２が略々直線で搬送されるように、これら
の一連の搬送経路は略々直線となるよう一平面内に構成
されている。

【００１７】次に、記録媒体２への記録動作について説
明する。まず、イニシャル状態において、サーマルヘッ
ド３はプラテンローラ４より十分離間しており、インク
フィルムマークセンサ２３によってインクフィルム１の
頭出しを行う。第１色目であるＹインクの頭出しを行
い、図示していないホストコンピュータからの印刷指示
を待つ。ホストコンピュータから指示がなされると、図
示していない押圧機構によってサーマルヘッド３がプラ
テンローラ４に押圧し、プラテンローラ４を回転させな
がら中間転写フィルム７にＹインクを転写する。Ｙイン
クの転写終了後、サーマルヘッド３をプラテンローラ４
より離間し、インクフィルム１の第２色目であるＭイン
クの頭出しを行う。また、プラテンローラ４の駆動系に
設けられている図示していないエンコーダのパルスをカ
ウントするか、もしくは駆動源としてステッピングモー
タを使用しそのステップ数を用いることにより、中間転
写フィルム７を正確に巻き戻す。

【００１８】この時、中間転写フィルム７のガイドシャ
フト１６ｂ，１６ｃは、中間転写フィルム７がプラテン
ローラ４に対して巻付け角が１２０°以上になるように
設定されているので、プラテンローラ４の外周面と中間
転写フィルム７との摩擦力によって中間転写フィルム７
がプラテンローラ４に対してスリップすることなく巻き
戻される。以上のようにして中間転写フィルム７を３往
復あるいは４往復して３色分もしくは４色分のインクを
重ね合わせて転写することにより、中間転写フィルム７
上にフルカラーの絵，文字等の画像（インク像）が形成
されることとなる。

【００１９】そして、中間転写フィルム７の巻き取りリ
ール９を回転させてインク像を加熱ローラ１１の部分に
次のようにして搬送する。なお、中間転写フィルム７を
加熱ローラ１１の部分に搬送する際、加熱ローラ１１は
サーマルヘッド２６より離間している。中間転写フィル
ムセンサ２４でインク像の先頭位置を検出し、プラテン
ローラ４の駆動系が持っているエンコーダで中間転写フ
ィルム７の移動距離をカウントすることにより、中間転
写フィルム７に転写されたフルカラーのインク像を加熱
ローラ１１の直下まで移動させる。この動作と同時にホ
ッパ２０に収納されたカード等の記録用紙２を図示して
いない駆動系にて駆動された給紙ローラ２１及び図示し
ていない分離機構によって記録用紙２を１枚のみ取り出
し、さらに、搬送ローラ２２ａ〜２２ｄによって加熱ロ
ーラ１１の直下まで移動させる。なお、２５は記録用紙
センサである。

【００２０】中間転写フィルム７のインク像の先端と記
録用紙２の先端との位置合わせが完了し、両者が停止し
たら、図示していない押圧機構により加熱ローラ１１を
サーマルヘッド２６に押圧し、加熱ローラ１１を回転さ
せながら熱によって中間転写フィルム７に形成されたイ
ンク像を溶融させて記録用紙２の表面（第１の面）に再
転写すると同時に、インクフィルム２７を搬送しながら
サーマルヘッド２６によってインクフィルム２７のイン
クを溶融させて記録用紙２の裏面（第２の面）に印刷を
施す。中間転写フィルム７のインク像部分及び記録用紙
２が加熱ローラ１１，サーマルヘッド２６間を通過する
と、所定時間経過後、記録用紙２に再転写されたインク
像及び裏面に形成されたインク像は自然冷却される。中
間転写フィルム７はガイドシャフト１６ｇを境にして上
方に急峻に引き上げられ、搬送方向が急激に変えられ
る。これによって、中間転写フィルム７は記録用紙２よ
り確実に分離される。分離された記録用紙２は搬送ロー
ラ１９ａ，１９ｂによって挟持されて排紙口へと導かれ
る。

【００２１】この図１の構成においては、加熱ローラ１
１が裏面印刷用のサーマルヘッド２６に対するプラテン
ローラの役割を果たしている。そして、図５に示す再転
写ローラ１７，駆動系１８の再転写ユニットを図１に示
すサーマルヘッド２６，インクフィルム２７，供給リー
ル２８，巻き取りリール２９，ガイドシャフト３０ａ，
３０ｂの裏面印刷ユニットとすることにより、容易に表
裏印刷が可能な熱転写印刷装置とすることができる。こ
れらの再転写ユニットと裏面印刷ユニットとを入れ替え
るようにすれば、表面印刷の装置と表裏印刷の装置とに
対応が可能となる。

【００２２】次に、図２に示す本発明の熱転写印刷装置
の第２実施例について説明する。図２において、インク
フィルム１はインク塗布面をプラテンローラ４側に向
け、ガイドシャフト３１ａ，３１ｂによってその搬送路
が案内されて供給リール５と巻き取りリール６との間に
張架されている。なお、インクフィルム１は、帯状ベー
スフィルム上に例えば溶融性のイエロ（Ｙ），マゼンタ
（Ｍ），シアン（Ｃ）の３色もしくはイエロ（Ｙ），マ
ゼンタ（Ｍ），シアン（Ｃ），ブラック（Ｋ）の４色の
インクを周期的に塗布したものである。中間転写フィル
ム７は、ガイドシャフト３２ａ〜３２ｇによってその搬
送路が案内されて供給リール８と巻き取りリール９との
間に張架されている。

【００２３】インクフィルム１の図中上側（ベースフィ
ルム側）には第１の加熱部であるサーマルヘッド３が配
置されており、サーマルヘッド３とプラテンローラ４と
の間でインクフィルム１と中間転写フィルム７とが密着
される。第１の加熱部に対し、中間転写フィルム７の搬
送方向下流側の図中左側（インク像形成面側）には記録
用紙２として例えばカードを搬送する一対の搬送ローラ
３３ａ，３３ｂが設けられ、図中右側（インク像形成面
とは反対側）には第２の加熱部である一対の加熱ローラ
３４ａ，３４ｂが設けられている。加熱ローラ３４ａは
記録用紙２の表面（第１の面）側となるよう、加熱ロー
ラ３４ｂは記録用紙２の裏面（第２の面）側となるよう
に配置されている。また、記録用紙２の搬送路にはセン
サ３５が設けられている。

【００２４】次に、記録媒体２への記録動作について説
明する。まず、イニシャル状態において、サーマルヘッ
ド３はプラテンローラ４より十分離間しており、インク
フィルム１の頭出しを行う。第１色目であるＹインクの
頭出しを行い、図示していないホストコンピュータから
の印刷指示を待つ。ホストコンピュータから指示がなさ
れると、図示していない押圧機構によってサーマルヘッ
ド３がプラテンローラ４に押圧し、プラテンローラ４を
回転させながら中間転写フィルム７にＹインクを転写す
る。Ｙインクの転写終了後、サーマルヘッド３をプラテ
ンローラ４より離間し、インクフィルム１の第２色目で
あるＭインクの頭出しを行う。

【００２５】以上のようにして中間転写フィルム７を３
往復あるいは４往復して３色分もしくは４色分のインク
を重ね合わせて転写することにより、中間転写フィルム
７上にフルカラーの絵，文字等の画像（インク像）が形
成されることとなる。この時、中間転写フィルム７上に
記録媒体２の表面に印刷するインク像と記録媒体２の裏
面に印刷するインク像とを中間転写フィルム７の長手方
向に隣接して並べて１つのインク像として印刷する。

【００２６】そして、中間転写フィルム７の巻き取りリ
ール９を回転させ、図４に示すインク像の境界部３６が
記録媒体２の搬送路上となるように中間転写フィルム７
を搬送してインク像を移動させる。なお、中間転写フィ
ルム７の位置制御は中間転写フィルム７にマーカを印刷
してこれをセンサで検出したり、第１実施例と同様にス
テッピングモータにより制御すればよい。中間転写フィ
ルム７が移動したら、搬送ローラ３３ａ，３３ｂによっ
てカード等の記録用紙２を図中左方向から右方向へと搬
送し、記録用紙２の端部を中間転写フィルム７に垂直に
押し付け、図３に示すように、加熱ローラ３４ａ，３４
ｂの間に記録用紙２を中間転写フィルム７と共に押し込
む。これにより、記録用紙２の表面に表面印刷のインク
像が、記録用紙２の裏面に裏面印刷のインク像が密着す
る。さらに、加熱ローラ３４ａ，３４ｂを押圧加熱しな
がら回転させ、記録用紙２がセンサ３５を遮るまで記録
用紙２を送る。なお、加熱ローラ３４ａ，３４ｂと記録
用紙２との間には記録用紙２の位置を十分に制御するだ
けの摩擦力があり、加熱ローラ３４ａ，３４ｂとセンサ
３５との距離は記録用紙２の搬送距離とほぼ同じになっ
ている。

【００２７】記録用紙２がセンサ３５を遮ったら、加熱
ローラ３４ａ，３４ｂを逆転させ、記録用紙２を搬送ロ
ーラ３３ａ，３３ｂの間へと再び戻す。この時、中間転
写フィルム７に転写されたインク像は記録用紙２の表，
裏の両面に同時に転写される。なお、供給リール８及び
巻き取りリール９は中間転写フィルム７が弛まないよう
に制御駆動される。このようにして両面に印刷された記
録用紙２は搬送ローラ３３ａ，３３ｂによって図中左方
向へと排紙される。

【００２８】以上説明した第１，第２実施例では、中間
転写フィルム７にインクを転写し、インクのみを記録媒
体２に再転写する構成の熱転写記録装置について説明し
たが、中間転写フィルム７をベースフィルムに透明材が
塗布されているものとし、この透明材上にインクを転写
し、その透明材と共にインクを記録媒体２に再転写する
構成の熱転写記録装置としてもよいことは勿論である。
第２実施例の構成は、記録媒体２の表，裏の両面に透明
材と共にインクを再転写することができるという特長を
有する。なお、本発明は本実施例に限定されることはな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可
能である。

【００２９】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の熱
転写印刷装置の第１実施例では、受像体（記録用紙）の
第１の面（表面）とは反対側の第２の面（裏面）側に加
熱ローラに対向して第２のインクフィルムと第２のサー
マルヘッドとを設け、受像体と第２のインクフィルムと
を加熱ローラと第２のサーマルヘッドとで挟持し、第２
のインクフィルムに塗布されたインクを第２のサーマル
ヘッドによって加熱することにより受像体の第２の面に
転写してインク像を形成するよう構成したので、装置が
大型化することなく、コスト高となることなく、短い印
刷時間で表，裏の両面に印刷を施すことができる。

【００３０】また、本発明の熱転写印刷装置の第２実施
例では、第２の加熱部を中間転写フィルムのインク像形
成面とは反対側の受像体の第１及び第２の面側に設けた
第１及び第２の加熱ローラとし、中間転写フィルムのイ
ンク像形成面側より搬送される受像体をインク像が形成
された中間転写フィルムと共に第１及び第２の加熱ロー
ラ間に搬送し、第１及び第２の加熱ローラによって受像
体及び中間転写フィルムを加熱押圧して中間転写フィル
ムのインク像を受像体の第１及び第２の面に再転写する
よう構成したので、装置が大型化することなく、コスト
高となることなく、短い印刷時間で表，裏の両面に印刷
を施すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す構成図である。

【図２】本発明の第２実施例を示す構成図である。

【図３】本発明の第２実施例の部分拡大図である。

【図４】本発明の第２実施例を説明するための図であ
る。

【図５】再転写方式の熱転写印刷装置の一例を示す構成
図である。

【図６】従来例を示す構成図である。

【図７】従来例を示す構成図である。

【符号の説明】

１，２７ インクフィルム ２ 記録用紙（受像体） ３，２６ サーマルヘッド ４ プラテンローラ ５，２８ 供給リール ６，２９ 巻き取りリール ７ 中間転写フィルム ８ 供給リール ９ 巻き取りリール １１，３４ａ，３４ｂ 加熱ローラ １７ 再転写ローラ １８ 駆動系 １９ａ，１９ｂ，２２ａ〜２２ｄ，３３ａ，３３ｂ 搬
送ローラ ３６ 境界部

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４１Ｊ 35/16 Ｄ Ｂ４１Ｍ 5/26 Ｂ４１Ｊ 3/20 １１７ Ｃ 7267−2Ｈ Ｂ４１Ｍ 5/26 Ｐ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１のインクフィルムに塗布されたインク
   を第１のサーマルヘッドによって加熱することにより中
   間転写フィルムに転写してインク像を形成し、この中間
   転写フィルムに転写されたインク像を加熱ローラによっ
   て受像体の第１の面に再転写するようにした熱転写印刷
   装置において、 前記受像体の前記第１の面とは反対側の第２の面側に第
   ２のインクフィルムと第２のサーマルヘッドとを設け、 前記受像体と前記第２のインクフィルムとを前記加熱ロ
   ーラと前記第２のサーマルヘッドとで挟持し、前記第２
   のインクフィルムに塗布されたインクを前記第２のサー
   マルヘッドによって加熱することにより前記受像体の前
   記第２の面に転写してインク像を形成するよう構成した
   ことを特徴とする熱転写印刷装置。
2. 【請求項２】インクフィルムに塗布されたインクを第１
   の加熱部によって加熱することにより中間転写フィルム
   に転写してインク像を形成し、この中間転写フィルムに
   転写されたインク像を第２の加熱部によって受像体に再
   転写するようにした熱転写印刷装置において、 前記第２の加熱部を前記中間転写フィルムのインク像形
   成面とは反対側の前記受像体の第１及び第２の面側に設
   けた第１及び第２の加熱ローラとし、 前記中間転写フィルムのインク像形成面側より搬送され
   る前記受像体をインク像が形成された前記中間転写フィ
   ルムと共に前記第１及び第２の加熱ローラ間に搬送し、
   前記第１及び第２の加熱ローラによって前記受像体及び
   前記中間転写フィルムを加熱押圧して前記中間転写フィ
   ルムのインク像を前記受像体の前記第１及び第２の面に
   再転写するよう構成したことを特徴とする熱転写印刷装
   置。
3. 【請求項３】インクフィルムに塗布されたインクを第１
   の加熱部によって加熱することにより中間転写フィルム
   に転写してインク像を形成し、この中間転写フィルムに
   転写されたインク像を第２の加熱部によって受像体に再
   転写するようにした熱転写印刷方法であり、 前記インクフィルムに塗布されたインクを前記第１の加
   熱部によって加熱し、前記中間転写フィルムに前記受像
   体の第１の面に転写する第１のインク像と前記受像体の
   第２の面に転写する第２のインク像とを長手方向に隣接
   して並べたインク像を形成する第１の工程と、 前記中間転写フィルムのインク像を前記第２の加熱部に
   搬送する第２の工程と、 前記受像体を前記中間転写フィルムのインク像形成面側
   より前記受像体の端部が前記インク像における前記第１
   のインク像と前記第２のインク像との境界部に当接する
   ように搬送し、前記受像体の前記第１の面に前記第１の
   インク像を前記第２の面に前記第２のインク像を密着さ
   せる第３の工程と、 前記第２の加熱部によって前記受像体及び前記中間転写
   フィルムを加熱押圧して前記中間転写フィルムの前記第
   １及び第２のインク像を前記受像体の前記第１及び第２
   の面に同時に再転写する第４の工程とよりなることを特
   徴とする熱転写印刷方法。