WO2006137239A1

WO2006137239A1 - 自動機械システムおよびその通信制御方法

Info

Publication number: WO2006137239A1
Application number: PCT/JP2006/310453
Authority: WO
Inventors: Hideo Nagata
Original assignee: Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki
Priority date: 2005-06-20
Filing date: 2006-05-25
Publication date: 2006-12-28
Also published as: DE112006001639T5; SE0702828L; TW200714429A; JP4596376B2; JPWO2006137239A1; TWI313219B; SE531329C2; US20100106299A1

Abstract

　無線化された可搬式教示操作部において、無線通信の通信障害が発生した場合でもロボット動作を停止させることのない、自動機械システムおよびその通信制御方法を提供する。　１つ以上の駆動機構を備える機構部と、前記機構部を駆動制御するコントローラと、前記機構部の操作や教示を行う可搬式教示操作部を備える自動機械システムにおいて、コントローラ（２）は、可搬式教示操作部（３）と無線通信を行うコントローラ無線通信部（２４）と、コントローラ無線通信部（２４）にて受信した可搬式教示操作部（３）からの指令信号に基づいて機構部（１）を駆動する駆動部（２２）とを備え、可搬式教示操作部（３）は、コントローラ（２）との無線通信を行う教示操作部無線通信部（１８）と、コントローラ（２）との無線通信の確立または解除を選択する無線切り替えスイッチ（１３）と、駆動部（２２）への駆動エネルギー供給を遮断し停止させる非常停止スイッチ（９）と、作業者に情報を提示する表示装置（８）とを備える。

Description

明細書

自動機械システムおよびその通信制御方法

技術分野

[0001] 本発明は、自動機械のコントローラと教示装置を、無線通信を介して接続する自動機械システムおよびその通信制御方法に関する。

背景技術

[0002] 自動機械やモータ、産業用ロボットを制御するシステムにおいては、当該自動機械やモータ、ロボットの作動を制御するための制御部を有するほか、教示作業時等に作業者が携帯する可搬式の教示操作部 (ペンダントとも指称される）を有して!/ヽる。従来、教示操作部と制御部との情報伝送には、ツイストペア線や光ファイバ等を信号伝送路として使用し、教示操作部への電源供給線を含む複合ケーブル (以後、単にケ一ブルと、う）が用いられて、た。

一例として、特許文献 1に記載された従来のロボットシステムの構成図を図 5に示す。図 5において、 101はロボット、 102はロボット 101の作動を制御する制御部、 103 は可搬式教示操作部、 104は制御部 102と可搬式教示操作部 103との間で操作ボタンや非常停止等の情報を伝送するケーブルである。可搬式教示操作部 103の詳細図を図 6に示す。図において、 105は略 T字型をなす筐体、 106は作業者が把持するハンド部である。筐体 105の操作面には、教示作業時に操作されるキーボード（ないしはキーシート） 107と、教示データやロボット位置等の種々の情報を表示する L CDディスプレイ 108と、非常停止スィッチ 109 (非常停止操作手段に相当する）とが設けられている。また、筐体 105にはケーブル 104の一端が接続されている。

作業者がキーボード 107のロボット各軸の方向キーを押下すると、ケーブル 104を介して軸動作情報が制御部 102に伝送され、制御部 102はロボット 101の図示しない駆動軸モータへ指令を出力することでロボット 101を動作させる。ここで、方向キーとは、教示作業時にモータの動作方向を指示するためのキーである。

同様に、作業者が非常停止スィッチ 109を押下すると、ケーブル 104を介して非常停止情報が制御部 102に伝送され、制御部 102はロボット 101の図示しない駆動モータへの電力供給を遮断し各駆動軸モータに図示しないブレーキをかけてロボット 1 01の動作を強制的に停止させる。これにより、万一の意図しない動作に対して確実にロボットを非常停止させることができる。

[0003] 以上述べた従来のロボットシステムでは、作業者は可搬式教示操作部 103を持ち運ぶ際に、ケーブルを引きずりながら教示作業を行う必要があり作業者にとって負担が大きぐまた教示をする際の動作自由度も制約されるという問題があった。そのため、制御部 102と可搬式教示操作部 103との間のケーブル 104を無線ィ匕することが強く望まれていた。例えば、特許文献 2には、ロボットの駆動モータへの電力供給を遮断してロボットを非常停止状態とするための非常停止操作手段を備えた可搬式教示操作部が、ロボットを制御するための制御部と互いに無線で通信を行うように構成されたロボットシステムにおける、非常停止機能の実現手段について記載されている。同様に、例えば特許文献 3には、可搬式教示操作部に設けられた常用発信器力もの信号が途絶えた場合に、ロボットの動作を停止させる停止信号を制御部へ出力し、制御部は停止信号を入力されると何らかの異常があると判断して、ロボットの作動を停止させ、ロボットの暴走を回避する実現手段にっ、て記載されて、る。

[0004] 特許文献 1 :特開 2000— 280193号公報（第 7頁、図 1および図 2)

特許文献 2 :特開 2004— 148488号公報

特許文献 3 :特開平 7— 195285号公報 (第 3頁、図 1)

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] しカゝしながら、特許文献 2や特許文献 3の様に、コントローラと可搬式教示操作部とを無線で接続するシステムでは、可搬式教示操作部を常には必要としな、再生運転中に無線通信の通信障害が発生した場合にはロボットの動作が停止してしま、、生産工程に重大な影響が出る可能性があった。

本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、無線化された可搬式教示操作部にお 1ヽて、再生運転時など必要に応じて無線通信を切断する手段を備えることで、無線通信の通信障害が発生する状況になった場合でもロボット動作を停止させることのな、、自動機械システムおよびその通信制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

本発明では、上記問題点を解決するため次のように構成した。

請求項 1に記載の発明は、 1つ以上の駆動機構を備える機構部と、前記機構部を駆動制御するコントローラと、前記機構部の操作や教示を行う可搬式教示操作部を備える自動機械システムにおいて、前記コントローラは、前記可搬式教示操作部と無線通信を行うコントローラ無線通信部と、前記コントローラ無線通信部にて受信した前記可搬式教示操作部力の指令信号に基づいて前記機構部を駆動する駆動部とを備え、前記可搬式教示操作部は、前記コントローラとの無線通信を行う教示操作部無線通信部と、前記コントローラとの無線通信の確立または解除を選択する無線切り替えスィッチと、前記駆動部への駆動エネルギー供給を遮断し停止させる非常停止スィッチと、作業者に情報を提示する表示装置とを備えることを特徴とする。請求項 2に記載の発明は、前記可搬式教示操作部は、前記無線切り替えスィッチにて解除側を選択することで、前記コントローラに無線通信解除要求を送信し、前記コントローラは、前記無線通信解除要求を受信すると前記可搬式教示操作部との無線通信確立状態を解除するとともに、前記可搬式教示操作部の非常停止スィッチによる前記駆動部の停止を無効化することを特徴とする。

請求項 3に記載の発明は、前記可搬式教示操作部は、前記無線切り替えスィッチにて確立側を選択することで、前記コントローラに無線通信確立要求を送信し、前記コントローラは、前記無線通信確立要求を受信すると前記可搬式教示操作部との無線通信を確立するとともに、前記可搬式教示操作部の非常停止スィッチによる前記駆動部の停止を有効化することを特徴とする。

請求項 4に記載の発明は、前記コントローラは、前記機構部が教示された動作を再生する際には、前記可搬式教示操作部との無線通信確立を解除するとともに、前記可搬式教示操作部の非常停止スィッチによる前記駆動部の停止を無効化することを特徴とする。

請求項 5に記載の発明は、前記可搬式教示操作部は、無線通信未確立時に複数の前記コントローラの各々について無線通信確立のための設定を行い、接続対象コントローラを選択した後、前記無線切り替えスィッチで確立側を選択することで、選択した前記コントローラに無線通信確立要求を送信することを特徴とする。

請求項 6に記載の発明は、前記無線切り替えスィッチは、前記可搬式教示操作部の表示画面上に設けられたタツチスィッチであることを特徴とする。

請求項 7に記載の発明は、前記無線切り替えスィッチは、前記コントローラとの無線通信の確立または解除に加え前記コントローラの状態を取得するモニタモードを選択でき、前記可搬式教示操作部は、前記無線切り替えスィッチにてモニタモードを選択することで、モニタ要求を前記コントローラに送信し、前記コントローラは、前記モニタ要求を受信すると前記可搬式教示操作部の非常停止スィッチによる前記駆動部の停止を無効化すると共に、前記コントローラ内の情報を前記教示装置へ送信し、前記可搬式教示操作部は、前記コントローラ内の情報を前記表示画面上にて表示することを特徴とする。

請求項 8に記載の発明は、前記機構部は、ロボットであることを特徴とする。

請求項 9に記載の発明は、 1つ以上の駆動機構を備える機構部を駆動制御するコントローラと、前記機構部を操作する可搬式教示操作部を備える自動機械システムの通信制御方法にぉヽて、前記可搬式教示操作部の無線切り替えスィッチを操作することにより、前記可搬式教示操作部と前記コントローラとの無線通信を確立または解除し、無線通信が確立された場合には、前記可搬式教示操作部の非常停止スイッチにより前記機構部への駆動エネルギー供給を遮断し停止させる機能を前記コントローラにて有効化し、無線通信確立が解除された場合には、前記可搬式教示操作部の非常停止スィッチにより前記機構部への駆動エネルギー供給を遮断し停止させる機能を前記コントローラにて無効化することを特徴とする。

発明の効果

請求項 1乃至 2に記載の発明によれば、教示した動作を再生する際に、作業者が可搬教示操作部の無線切り替えスィッチで教示装置とコントローラとの無線通信確立を解除し、可搬教示操作部の非常停止スィッチ操作によって機構部が非常停止する機能を無効化することで、再生運転中などに無線通信障害が発生した場合でも機構部の動作が停止せず、生産工程に影響を与えな!/、と、う効果がある。また請求項 3に記載の発明によれば、再生運転以外では可搬教示操作部の無線切り替えスィッチで可搬教示操作部とコントローラとの無線通信を確立し、可搬教示操作部の非常停止スィッチ操作によって機構部が非常停止する機能を有効化することで、作業者が可搬教示操作部の非常停止スィッチを操作することで機構部の動作を停止でき、また無線通信障害が発生した場合にも機構部の動作を安全に停止できるという効果がある。

また請求項 4に記載の発明によれば、教示した動作を再生する際に、自動的に可搬教示操作部とコントローラとの無線接続確立を解除するとともに、可搬教示操作部の非常停止スィッチ操作によって機構部が非常停止する機能を無効化することで、作業者が無線切り替えスィッチの操作を忘れた場合でも、再生運転中の無線通信障害によって機構部が停止することがな、と、う効果がある。

また請求項 5に記載の発明によれば、可搬教示操作部上で複数のコントローラ各々との無線通信について設定した後、接続対象コントローラを選択して無線切り替えスィッチで無線接続を確立することで、 1つの可搬教示操作部で複数のコントローラを切り替えながら操作することができ、更には接続対象コントローラの設定を予め登録でき、選択およびスィッチ操作と!/ヽぅ手順を踏むことで作業者の誤操作で意図しな Vヽ制御装置との無線接続確立を防止できると!、う効果もある。

また請求項 6に記載の発明によれば、無線切り替えスィッチを可搬教示操作部の表示画面上にあるタツチスィッチとすることで、可搬教示操作部上にキーを配置するスペースがない場合にも対応可能としたり、可搬教示操作部を小型化したりすることが可能となる。

また請求項 7に記載の発明によれば、無線切り替えスィッチの操作で、モニタ要求を可搬教示操作部カゝらコントローラに送信し、可搬教示操作部の非常停止スィッチ操作によって機構部が非常停止する機能を無効化すると共に、コントローラ内の情報を可搬教示操作部へ送信して、表示画面上に提示することで、再生運転中に無線通信障害が発生した場合でも機構部の動作が停止することがなぐさらには作業者がコントローラの状態を手元の可搬教示操作部にてモニタできるという効果がある。

また請求項 8に記載の発明によれば、ロボットの再生運転中などに無線通信障害が発生した場合でもロボットの動作が停止せず、生産工程に影響を与えな、と、う効果がある。

また請求項 9に記載の発明によれば、再生運転中は可搬教示操作部の無線切り替えスィッチで可搬教示操作部とコントローラとの無線通信確立を解除し、可搬教示操作部の非常停止スィッチ操作によって機構部が非常停止する機能を無効化することで、再生運転中などに無線通信障害が発生した場合でも機構部の動作が停止せず、生産工程に影響を与えないという効果がある。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]本発明の第 1実施例におけるロボットシステムの構成図

[図 2]本発明の第 1実施例における可搬式教示操作部の詳細図

[図 3]本発明の第 1実施例におけるロボットシステムの詳細図

[図 4]本発明の第 3実施例における可搬式教示操作部の詳細図

[図 5]従来のロボットシステムの構成図

[図 6]従来の可搬式教示操作部の詳細図

符号の説明

[0009] 1 ロボット

2 コントローラ

3 可搬式教示操作部

4 無線通信

5 筐体

6 ハンド部

7 キーボード

8 LCDディスプレイ

9 非常停止スィッチ

10 アンテナ

11 バッテリ

12 電源スィッチ

13 無線切り替えスィッチ 14 動作モード切り替えスィッチ

15 無線通信確立タツチスィッチ

16 設定タツチスィッチ

21 制御部

22 サーボアンプ

23 駆動モータ

24 アンテナ

25 LCDディスプレイ

26 動作モード切り替えスィッチ

101 ロボット

102 制御部

103 可搬式教示操作部

104 ケーブル

105 筐体

106 ハンド部

107 キーボード

108 LCDディスプレイ

109 非常停止スィッチ

発明を実施するための最良の形態

[0010] 以下、本発明の方法の具体的実施例について、図に基づいて説明する。

実施例 1

[0011] 図 1は、本発明の第 1実施例における自動機械 (ここでは、ロボットとする）システムの構成図である。図において、 1はロボット、 2はロボット 1の作動を制御するコントローラ、 3は可搬式教示操作部、 4はコントローラ 2と可搬式教示操作部 3との間で操作ボタンや非常停止等の情報を伝送する無線通信である (符号 4は模式的に描いている

) o

可搬式教示操作部 3の詳細図を図 2に示す。図において、 5は略 T字型をなす筐体、 6は作業者が把持するハンド部である。筐体 5の操作面には、教示作業時に作業者によって操作されるキーボード (ないしはキーシート） 7と、教示データやロボット位置等の種々の情報を表示する LCDディスプレイ 8と、非常停止スィッチ 9 (非常停止操作手段に相当する）とが設けられている。 LCDディスプレイは、有機 ELディスプレイなど他の表示手段であってもよ、。

また、筐体 5には無線通信 4の送受信手段であるアンテナ 10、コントローラ 2から独立して電源を供給するためのバッテリ 11、電源の供給を開始 Z停止するための電源スィッチ 12が設けられている。

[0012] コントローラ 2の詳細図を図 3に示す。図において、 21は駆動モータへの電流指令を演算する制御部、 22は電流指令により駆動モータを駆動するサーボアンプ、 23はロボット 1に取り付けられた駆動モータ、 24は無線通信 4の送受信手段であるアンテナ、 25はロボットの運転状態やアラーム等を表示する LCDディスプレイである。可搬式教示操作部と同様に LCDディスプレイは、有機 ELディスプレイなど他の表示手段であってもよい。

作業者が可搬式教示操作部 3のキーボード 7に割り当てられたロボット 1の軸毎の誘導操作ボタンを押すことで、無線通信 4を介して軸動作情報がコントローラ 2の制御部 21に伝送され、制御部 21はロボット 1の駆動モータ 23への電力を供給することでロボット 1を動作させる。

また、作業者が非常停止スィッチ 9を押下すると、無線通信 4を介して非常停止情報がコントローラ 2に伝送され、制御部 21はロボット 1の駆動モータ 23への電力供給を遮断することでロボット 1の動作を強制的に停止させる。この非常停止機能により、万一の意図しない動作に対して確実にロボット 1を停止させる。

[0013] 図 1のようなロボットシステムでは、作業者はまず可搬式教示操作部 3上の操作ボタンによりロボット 1を適切な位置へと動作させ、その位置を記憶させていくという操作を繰り返し、一連の動作を構成する教示作業を行う。教示作業が完了すると、可搬式教示操作部 3やコントローラ 2からの指令により、ロボット 1に教示した一連の動作を連続して再生運転させ、所望の作業を行わせる。

[0014] 本発明においては、可搬式教示操作部 3に無線切り替えスィッチ 13を新たに設けている。無線切り替えスィッチ 13では、可搬式教示操作部 3とコントローラ 2との無線通信を確立するカゝ遮断するかを選択することができる。

教示作業時は、作業者が無線切り替えスィッチ 13を確立側に切り替えることで、可搬式教示操作部 3からコントローラ 2に無線通信確立要求を送信し、コントローラ 2では可搬式教示操作部 3との無線通信を確立する。この無線通信の確立により、コントローラ 2では、可搬式教示操作部 3からの非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22 への通電制御を有効化する。

ここで、非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22への通電制御とは、非常停止スィツチ 9が押し下げられて、な、 (OFF)状態ではサーボアンプ 22へ通電し、非常停止スィッチ 9が押し下げられた (ON)状態ではサーボアンプ 22への通電を遮断することを意味する。サーボアンプ 22への通電が遮断されると駆動モータ 23への電力供給も遮断されロボット 1は停止する。

この機能が有効化されることで、作業者は安全にロボット 1のモータ 23を駆動して口ボット 1の教示作業を行うことができる。

[0015] 例えば教示作業中に作業者とロボット 1が接触しそうになつた場合、作業者が非常停止スィッチ 9を押し下げると、その非常停止スィッチ操作情報が無線通信 4により可搬式教示操作部 3からコントローラ 2へ送信され、コントローラ 2ではモータ 23に接続されたサーボアンプ 22への通電を遮断する。モータ 23への駆動電源供給も遮断されるので、直ぐにロボット 1を安全に停止できる。

[0016] 教示作業終了後、教示した動作をロボット 1に再生運転させる場合は、作業者が無線切り替えスィッチ 13を解除側に切り替えることで、可搬式教示操作部 3からコント口ーラ 2に無線通信解除要求を送信し、コントローラ 2では無線通信確立を解除する。これにより、コントローラ 2では、可搬式教示操作部 3からの非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22への通電制御を無効化する。

ここで非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22への通電制御の無効化とは、非常停止スィッチ操作に係わらず、サーボアンプ 22へ通電された状態が継続することを意味する。

これにより、非常停止スィッチ 9を押してもロボット 1は停止することなぐ再生運転が行える。 [0017] また、前述したように、従来であれば可搬式教示操作部 3とコントローラ 2との間で無線通信障害が発生すると、安全のためロボット 1が停止していた力コントローラ 2にて可搬式教示操作部 3との無線通信確立を解除する際に可搬式教示操作部 3からの非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22の通電制御も無効化されて、るので、無線通信の電波状態に係わらず、コントローラ 2単体でロボット 1を動作させることができる本方式によれば、作業者が可搬式教示操作部 3上の無線切り替えスィッチ 13を操作することで、教示作業時には可搬式教示操作部 3からの無線通信による非常停止スィッチ情報に応じてロボット 1を任意に停止でき、再生運転時には可搬式教示操作部 3からの無線通信による非常停止スィッチ情報や周囲の無線通信環境に係わらず、ロボット 1を再生運転し続けることができる。

実施例 2

[0018] 作業者の操作性を向上させるためには、無線通信の確立 Z解除の切り替え忘れを排除する必要がある。一般的に、可搬式教示操作部 3またはコントローラ 2上には、教示作業モードと再生運転モードなどを切り替える動作モード切り替えスィッチ 14が配置されている。この動作モード切り替えスィッチ 14で、無線切り替えスィッチ 13の代わりをさせるのが本発明の第 2実施例である。

作業者が、動作モード切り替えスィッチ 14を教示作業モードに切り替えることで、無線切り替えスィッチ 13を確立側に切り替えた際に実行した処理と同じ処理を実行する。同様に、動作モード切り替えスィッチ 14を再生運転モードに切り替えることで、無線切り替えスィッチ 13を解除側に切り替えた際に実行した処理と同じ処理を実行する。

[0019] 実際の処理の流れは次のようになる。動作モード切り替えスィッチ 14が可搬式教示操作部 3に配置されている場合には、動作モード切り替えスィッチ 14を教示作業モードに切り替えると、可搬式教示操作部 3からコントローラ 2に対して無線通信確立要求を送信し、コントローラ 2では無線通信を確立する。同時に、可搬式教示操作部 3 の非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22への通電制御を有効化し教示作業モードに切り替える。同様に、動作モード切り替えスィッチ 14を再生運転モードに切り替えると、可搬式教示操作部 3からコントローラ 2に対して無線通信確立解除要求を送信し、コントローラ 2では無線通信確立を解除する。同時に、可搬式教示操作部 3の非常停止スイツチ 9によるサーボアンプ 22への通電制御を無効化し再生運転モードに切り替える。

[0020] また、動作モード切り替えスィッチ 26がコントローラ 2に配置されている場合には、動作モード切り替えスィッチ 26を教示作業モードに切り替えると、コントローラ 2から可搬式教示操作部 3に対して無線通信確立要求を送信し、コントローラ 2では無線通信を確立する。同時に、可搬式教示操作部 3の非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22への通電制御を有効化する。

同様に、動作モード切り替えスィッチ 26を再生運転モードに切り替えると、コント口ーラ 2から可搬式教示操作部 3に対して、無線通信解除要求を送信し、コントローラ 2 では無線通信を解除する。同時に、可搬式教示操作部 3の非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22への通電制御を無効化する。

[0021] また、図示しない上位システムからの遠隔操作でコントローラ 2の動作モードが切り替えられる場合でも、コントローラ 2の動作モード変更に応じて、自動的に無線通信を確立 Z解除する構成にしても良い。

本方式によれば、作業者が特に無線通信を意識することなぐ動作モード切り替えスィッチの操作によって無線通信の確立 Z解除をも自動的に切り替えることができる実施例 3

[0022] 1つの可搬式教示操作部 3に対して無線通信の対象となるコントローラが複数ある場合、危険防止のため、複雑な手続き無しに目的とする対象を指定できるようにする必要がある。このことを考慮したのが本発明の第 3実施例である。

可搬式教示操作部 3上では、予め複数の無線通信対象コントローラとの無線通信 4 に関し、通信方法や設定 (例えば無線 LANを利用するのであれば接続対象コント口ーラの IPアドレスやチャンネル番号など)をそれぞれ個別に設定しておく。

特定のコントローラ 2に接続されたロボット 1を用いて教示作業などを実施する必要がある場合、作業者は可搬式教示操作部 3と複数の無線通信対象コントローラとの無線通信 4が通信確立しているかどうかを可搬式教示操作部 3上の LCDディスプレィ 8の表示で確認する。

[0023] 図 4は、複数の無線通信対象コントローラについて、各々の無線通信確立可 Z不可の状態を LCDディスプレイ 8上に表示した例である。図において 15および 16はタツチスクリーン機能を有する LCDディスプレイ 8上に表示されたタツチスィッチで、 LC Dディスプレイ 8上のスィッチ部分を触ることで実際のスィッチを押した場合と同様の効果をもたらす。

作業者は無線通信確立可能なコントローラの一覧の中から、タツチスィッチ 15を押すことで特定のコントローラを選択し、可搬式教示操作部 3上の無線切り替えスィッチ 13を確立側に切り替えることで、その特定のコントローラとの無線通信確立を行う。ここで、タツチスィッチ 15を押すだけで即座に無線通信が確立されると、作業者の誤操作により意図しない他のコントローラとの間で無線通信を行う危険性があるため、タツチスィッチ 15による選択の後、無線切り替えスィッチ 13を操作することで実際に無線通信確立を行う 2段階操作としている。あるいは、タツチスィッチ 15を押した際に、「本当に無線通信を確立して良、か」と作業者に尋ねるメッセージと共に確認のためのタツチスィッチを LCDディスプレイ 8上に表示する処理をカ卩えることで、無線切り替えスィッチ 13の切り替え処理を省いても良い。

[0024] また、特定のコントローラ 2を選択する以外に、タツチスィッチ 16にてコントローラとの接続設定画面を直ぐに呼び出し、変更できる構成であっても良い。

また、無線切り替えスィッチ 13も LCDディスプレイ 8上に表示されるタツチスィッチとすることで、可搬式教示操作部 3上にキー配置のスペースがない場合にも対応可能となる。

キー配置のスペースがある場合には、特定のコントローラ 2を選択する手段として、タツチスィッチではなぐ予め複数の無線通信対象コントローラを同数の複数個のスィツチに割り当ててぉ、て選択できるようにしても良、。

本方式によれば、 1つの可搬式教示操作部 3に対して複数の対象コントローラがある場合に、作業者が複雑な手続きを経ることなく通信対象を選択したり、コントローラごとに通信設定を簡単に変更したりできる。また、接続可能なコントローラを一覧で表示して選択できることで、作業者の直感的な操作を可能としている。

実施例 4

[0025] 作業者は、再生運転時のコントローラ 2の内部情報やロボット 1の動作状態を監視することが必要となる場合がある。このことを考慮したのが本発明の第 4実施例である本実施例では、可搬式教示操作部 3の無線切り替えスィッチ 13に無線通信の確立 Z解除の他にモニタモードを選択できる機能を設ける。

作業者が可搬式教示操作部 3の無線切り替えスィッチ 13をモニタモードに切り替えると、可搬式教示操作部 3からコントローラ 2にモニタ要求を送信する。これにより、コントローラ 2では、可搬式教示操作部 3との無線通信確立を維持しつつ、可搬式教示操作部 3の非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22への通電制御を無効化する。これにより可搬式教示操作部 3の非常停止スィッチ操作に係わらずロボット 1のモータ 23を駆動することができ、ロボット 1の再生運転が行える。

[0026] ここで、第 1の実施例との違いは、再生運転時であってもコントローラ 2と可搬式教示操作部 3との無線通信確立を解除しないことである。これにより、作業者は無線通信 4により可搬式教示操作部 3へ送信されたコントローラ 2の内部情報やロボット 1の動作状態を確認できる。

また、前述したように、従来であれば可搬式教示操作部 3とコントローラ 2との間で無線通信障害が発生すると、安全のためロボット 1が停止していた力本実施例では非常停止スィッチ 9によるサーボアンプ 22への通電制御の機能のみを無効化しておくことで、無線通信の電波状態に係わらず、コントローラ 2単体でロボット 1を動作させることができる。

本方式によれば、作業者が可搬式教示操作部 3上の無線切り替えスィッチ 13を操作することで、教示作業時には可搬式教示操作部 3からの無線通信による非常停止スィッチ情報に応じてロボット 1を任意に停止でき、再生運転時には可搬式教示操作部 3からの無線通信による非常停止スィッチ情報や周囲の無線通信環境に係わらず、ロボット 1を再生運転し続けることができる。更に、再生運転中にコントローラ 2の内部情報やロボットの動作状態をモニタする機能が追加される。

産業上の利用可能性

本発明は、溶接'塗装 ·組立等を用途とする産業用ロボットの無線化された可搬式教示操作部に広く適用でき、再生運転時に無線通信を解除するスィッチを設けることで、再生運転中に無線通信の通信障害が発生した場合でもロボットを継続して動作させることがでさる。

Claims

請求の範囲

[1] 1つ以上の駆動機構を備える機構部と、前記機構部を駆動制御するコントローラと、前記機構部の操作や教示を行う可搬式教示操作部を備える自動機械システムにおいて、

前記コントローラは、前記可搬式教示操作部と無線通信を行うコントローラ無線通信部と、前記コントローラ無線通信部にて受信した前記可搬式教示操作部からの指令信号に基づいて前記機構部を駆動する駆動部とを備え、

前記可搬式教示操作部は、前記コントローラとの無線通信を行う教示操作部無線通信部と、前記コントローラとの無線通信の確立または解除を選択する無線切り替えスィッチと、前記駆動部への駆動エネルギー供給を遮断し停止させる非常停止スイツチと、作業者に情報を提示する表示装置とを備えることを特徴とする自動機械システム。

[2] 前記可搬式教示操作部は、前記無線切り替えスィッチにて解除側を選択することで、前記コントローラに無線通信解除要求を送信し、

前記コントローラは、前記無線通信解除要求を受信すると前記可搬式教示操作部との無線通信確立状態を解除するとともに、前記可搬式教示操作部の非常停止スィツチによる前記駆動部の停止を無効化することを特徴とする請求項 1記載の自動機械システム。

[3] 前記可搬式教示操作部は、前記無線切り替えスィッチにて確立側を選択することで、前記コントローラに無線通信確立要求を送信し、

前記コントローラは、前記無線通信確立要求を受信すると前記可搬式教示操作部との無線通信を確立するとともに、前記可搬式教示操作部の非常停止スィッチによる前記駆動部の停止を有効化することを特徴とする請求項 1記載の自動機械システム

[4] 前記コントローラは、前記機構部が教示された動作を再生する際には、前記可搬式教示操作部との無線通信確立を解除するとともに、前記可搬式教示操作部の非常停止スィッチによる前記駆動部の停止を無効化することを特徴とする請求項 1記載の自動機械システム。

[5] 前記可搬式教示操作部は、無線通信未確立時に複数の前記コントローラの各々について無線通信確立のための設定を行い、接続対象コントローラを選択した後、前記無線切り替えスィッチで確立側を選択することで、選択した前記コントローラに無線通信確立要求を送信することを特徴とする請求項 1記載の自動機械システム。

[6] 前記無線切り替えスィッチは、前記可搬式教示操作部の表示画面上に設けられたタツチスィッチであることを特徴とする請求項 1記載の自動機械システム。

[7] 前記無線切り替えスィッチは、前記コントローラとの無線通信の確立または解除に加え前記コントローラの状態を取得するモニタモードを選択でき、

前記可搬式教示操作部は、前記無線切り替えスィッチにてモニタモードを選択することで、モニタ要求を前記コントローラに送信し、

前記コントローラは、前記モニタ要求を受信すると前記可搬式教示操作部の非常停止スィッチによる前記駆動部の停止を無効化すると共に、前記コントローラ内の情報を前記教示装置へ送信し、

前記可搬式教示操作部は、前記コントローラ内の情報を前記表示画面上にて表示することを特徴とする請求項 1記載の自動機械システム。

[8] 前記機構部は、ロボットであることを特徴とする請求項 1記載の自動機械システム。

[9] 1つ以上の駆動機構を備える機構部を駆動制御するコントローラと、前記機構部を操作する可搬式教示操作部を備える自動機械システムの通信制御方法にぉヽて、前記可搬式教示操作部の無線切り替えスィッチを操作することにより、前記可搬式教示操作部と前記コントローラとの無線通信を確立または解除し、

無線通信が確立された場合には、前記可搬式教示操作部の非常停止スィッチにより前記機構部への駆動エネルギー供給を遮断し停止させる機能を前記コントローラにて有効化し、

無線通信確立が解除された場合には、前記可搬式教示操作部の非常停止スイツチにより前記機構部への駆動エネルギー供給を遮断し停止させる機能を前記コントローラにて無効化することを特徴とする自動機械システムの通信制御方法。