JP4697116B2 - 自動機械システム - Google Patents
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Description
一例として、特許文献1に記載された従来のロボットシステムの構成図を図9に示す。図において、101はロボット、102はロボット101の作動を制御する制御部、103は可搬式教示操作部、104は制御部102と可搬式教示操作部103との間で操作ボタンや非常停止等の情報を伝送するケーブルである。可搬式教示操作部103の詳細図を図10に示す。図において、105は略T字型をなす筐体、106は作業者が把持するハンド部である。筐体105の操作面には、教示作業時に操作されるキーボード(ないしはキーシート)107と、教示データやロボット位置等の種々の情報を表示するLCDディスプレイ108と、非常停止スイッチ109(非常停止操作手段に相当する)とが設けられている。また、筐体105にはケーブル104の一端が接続されている。
作業者がキーボード107のロボット各軸の方向キーを押下すると、ケーブル104を介して軸動作情報が制御部102に伝送され、制御部102はロボット101の図示しない駆動軸モータへ指令を出力することでロボット101を動作させる。ここで、方向キーとは、教示作業時にモータの動作方向を指示するためのキーである。
同様に、作業者が非常停止スイッチ109を押下すると、ケーブル104を介して非常停止情報が制御部102に伝送され、制御部102はロボット101の図示しない駆動モータへの電力供給を遮断し各駆動軸モータに図示しないブレーキをかけてロボット101の動作を強制的に停止させる。これにより、万一の意図しない動作に対して確実にロボットを非常停止させることができる。
また、特許文献6には、無線通信中に有線制御ケーブルが切換回路に接続されることで無線通信から有線通信へと接続を自動的に切換える実現手段について記載されている。
また、モータへの電力供給を遮断せずに可搬式教示操作部の非常停止回路をコントローラの非常停止回路に自動または手動で接続するシステムでは、可搬式教示操作部をコントローラに接続しておかなければロボットの操作を一切行うことができず、緊急の場合に手元で非常停止操作を行えないという危険があり、さらに可搬式教示操作部を接続した場合にも、ケーブルを用いることによる問題は依然残ったままであった。
また、特許文献6のように無線通信から有線通信へと接続を自動的に切換えるシステムでは、通信状態検出手段により無線操縦車両及び無線操縦装置間の無線通信が行われていないことが検出されると無線による車両制御から有線による車両制御へと自動的に切換えられて、作業者が任意に有線通信と無線通信との切換えを行うことができないという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、無線化された可搬式教示装置を用いた自動機械システムにおいて、プレイバック運転時など必要に応じてシームレスに無線通信から有線通信に切替えることで、無線通信の通信障害が発生した場合でもロボット動作を停止させず、教示作業時にはケーブルレス環境を実現できる自動機械システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、自動機械のコントローラと前記自動機械の可搬式教示装置との間の通信を無線または接続ケーブルを介して行う自動機械システムであって、前記教示装置は、無線通信部と有線通信部とからなる教示装置通信部と、前記教示装置の電源となるバッテリと、前記自動機械を停止させるための非常停止スイッチと、前記接続ケーブルを接続する教示装置側接続端子部を備え、前記コントローラは、前記教示装置と通信を行う通信部と、前記通信部にて受信した前記教示装置からの指令信号に基づいて前記自動機械を駆動する駆動装置と、前記通信部にて受信した前記教示装置からの非常停止信号に基づいて機構部を非常停止させる非常停止装置とを備え、前記接続ケーブルによって前記コントローラと接続されて前記教示装置の無線通信部と無線通信を行うコントローラ無線通信部を有し、前記コントローラ無線通信部は、前記接続ケーブルを接続するコントローラ無線通信部側接続端子部を備え、前記接続ケーブルは、通信線と、電源供給線と、非常停止線と、接続切替信号線と、前記コントローラ無線通信部側接続端子部または前記教示装置側接続端子部に挿入され前記接続切替信号線と接続された2つの接続切替スイッチを備えるコネクタとで構成され、前記接続ケーブルの一端は前記コントローラに接続され、他端は前記コントローラ無線通信部側接続端子部または前記教示装置側接続端子部に選択的に接続されることを特徴とするものである。
また請求項2に記載の発明によれば、コントローラから出るケーブルを1つにまとめることができ、作業環境を整理することができる。
また請求項1、3に記載の発明によれば、教示装置とコントローラとを接続ケーブルによって接続している間に教示装置のバッテリを充電しておくことができるので、接続ケーブルを教示装置から離脱させた後に改めてバッテリを充電することなく、即座にコントローラとの無線通信が可能となる。
また請求項4、5に記載の発明によれば、コントローラ無線通信部に接続ケーブルを接続した際には接続ケーブルの非常停止線を短絡接続し、また教示装置に接続ケーブルを接続した際には非常停止スイッチと非常停止装置との接続を自動で行うことで、作業者が通信の接続切替えを意識することなく教示装置の非常停止スイッチを使用できるという効果がある。
また請求項1、6、7に記載の発明によれば、接続ケーブルのコネクタに有線接続か無線接続かを自動で切替えるスイッチを設けることで、教示装置またはコントローラ無線通信部との接続/離脱で自動的に有線通信と無線通信を切替えられ、作業者が通信の接続切替えを意識したり、通信設定の変更をしたりすることなく教示装置を使用できるという効果がある。
教示装置3の詳細図を図2に示す。図において、5は略T字型をなす筐体、6は作業者が把持するハンド部である。筐体5の操作面には、教示作業時に作業者によって操作されるキーボード(ないしはキーシート)7と、教示データやロボット位置等の種々の情報を表示するLCDディスプレイ8と、非常停止スイッチ9(非常停止操作手段に相当する)とが設けられている。また、筐体5には無線通信4の送受信手段であるアンテナ10、コントローラ2から独立して電源を供給するためのバッテリ11、電源の供給を開始/停止するための電源スイッチ12が設けられている。更に、教示装置3には、コントローラ2と通信接続するための無線通信部131と有線通信部132からなる教示装置通信部13と、キーボード7からの情報やコントローラ2からの情報を処理してLCDディスプレイ8に表示するための演算処理部15と、接続ケーブル30を接続するための接続端子部14が設けられている。
図3では、コントローラ通信部24は接続ケーブル30を介してコントローラ無線通信部31と接続されているが、接続ケーブル30を繋ぎ替えることで教示装置2の有線通信部132と有線通信で接続することもできる。この様子を図4(a)に示す。
コントローラ通信部24は、図3に示したように接続ケーブル30の先端にコントローラ無線通信部31を接続することで、教示装置3の無線通信部131と無線通信で接続可能である。この様子を図4(b)に示す。なお図7に示すようにコントローラ無線通信部31は教示装置3と無線通信を行うためのアンテナ35を備え、さらに教示装置3と同様、接続ケーブル30を接続するための接続端子部34を備えている。
また、コントローラ無線通信部31には、接続ケーブル30を接続した際に、非常停止線303を短絡させる短絡回路33が設けられている。短絡回路33については後述する。
無線通信接続の場合には図4(b)に示すように、作業者は接続ケーブル30の先端にコントローラ無線通信部31を接続する。なお、接続ケーブル30はコントローラ無線通信部31をロボット1の近傍に配置することができる程度に十分に長いものとする。
接続ケーブル30の先端にコントローラ無線通信部31を接続して教示装置3との無線通信接続確立後、作業者が教示装置3のキーボード7に割り当てられたロボット1の軸毎の誘導操作ボタンを押すと、演算処理部15によって誘導操作ボタンの情報が取り込まれ、無線通信情報としてコントローラ2へと送られる。詳しくは、演算処理部15から通信部13の無線通信部131を介し、アンテナ10によりコントローラ無線通信部31へ無線送信され、コントローラ無線通信部31で有線通信へ変換され、接続ケーブル30内の有線通信線301を介してコントローラ通信部24へ送られる。
ここで、図7に示すようにコントローラ無線通信部31には非常停止線303を短絡させる短絡回路33が設けられており、接続ケーブル30のコネクタをコントローラ無線通信部31の接続端子部34に接続した際には安全回路26への非常停止線303からの信号は常時非常停止OFF状態となり、無線通信4による制御部21からの非常停止情報のみが有効に作用する。無線接続時にはバッテリ用電源27からの電源供給線302と安全回路26からの非常停止線303は機能していないため、図4(b)では点線で示している。
教示作業の修正など、ロボット1の近傍での作業が発生した場合は、図4(b)に示すように、作業者は教示装置3を接続ケーブル30から離脱させ、代わりにコントローラ無線通信部31を接続ケーブル30と接続することで、教示装置3とコントローラ2間の通信を有線通信41から無線通信4に切替える。これにより、作業者は教示装置3を持ち運ぶ際にケーブルを引きずりながら教示作業を行う必要がなく、教示の際の作業性も制約されることがない。
作業者は、有線接続の場合には接続ケーブル30と教示装置3の接続端子部14を接続し、無線接続の場合には接続ケーブル30とコントローラ無線通信部31と接続する。教示装置3とコントローラ無線通信部31のどちらと接続したかは、接続ケーブル30の先端のコネクタ部分に配置した接続切替スイッチ32により認識される。接続切替スイッチ32のスイッチ信号が接続切替信号線304を介して制御部21に伝送されることで、制御部21では教示装置3と有線接続するのか無線接続するのかの判定と、教示装置3に対する通信接続要求の発行および通信確立までを自動的に行うことができる。
一方、図6および図7に示すように、接続ケーブル30とコントローラ無線通信部31の接続端子部34を接続した場合には、接続端子部34内に配置された凸型の突起により、2つの接続切替スイッチ32の内、下部スイッチが押されてON状態となる。一方の上部スイッチはOFF状態のままとなる。
2つの接続切替スイッチ32のON/OFF情報は制御部21で判定される。上部スイッチがON状態の場合は教示装置3と無線接続すると判定され、コントローラ通信部24に教示装置3へ無線通信による接続要求を行わせる。下部スイッチがON状態の場合は教示装置3と有線接続すると判定され、コントローラ通信部24に教示装置3へ有線通信による接続要求を行わせる。接続要求を受けた教示装置3は、コントローラ2との無線あるいは有線による通信を確立させる。
その他の部分においては前述の実施例と同様である。本方式によれば、コントローラ2から出るケーブルが1つにまとまり、作業環境を整理することができる。
2 コントローラ
3 教示装置
4 無線通信
41 有線通信
5 筐体
6 ハンド部
7 キーボード
8 LCDディスプレイ
9 非常停止スイッチ
10 アンテナ
11 バッテリ
12 電源スイッチ
13 教示装置通信部
131 無線通信部
132 有線通信部
14 接続端子部
15 演算処理部
21 制御部
22 サーボアンプ
23 駆動モータ
24 コントローラ通信部
25 LCDディスプレイ
26 安全回路
27 バッテリ用電源
30 接続ケーブル
301 有線通信線
302 電源供給線
303 非常停止線
304 接続切替信号線
31 コントローラ無線通信部
32 接続切替スイッチ
33 短絡回路
34 接続端子部
35 アンテナ
101 ロボット
102 制御部
103 可搬式教示操作部
104 ケーブル
105 筐体
106 ハンド部
107 キーボード
108 LCDディスプレイ
109 非常停止スイッチ
Claims (7)
- 自動機械のコントローラと前記自動機械の可搬式教示装置との間の通信を無線または接続ケーブルを介して行う自動機械システムであって、
前記教示装置は、無線通信部と有線通信部とからなる教示装置通信部と、前記教示装置の電源となるバッテリと、前記自動機械を停止させるための非常停止スイッチと、前記接続ケーブルを接続する教示装置側接続端子部を備え、
前記コントローラは、前記教示装置と通信を行う通信部と、前記通信部にて受信した前記教示装置からの指令信号に基づいて前記自動機械を駆動する駆動装置と、前記通信部にて受信した前記教示装置からの非常停止信号に基づいて機構部を非常停止させる非常停止装置とを備え、
前記接続ケーブルによって前記コントローラと接続されて前記教示装置の無線通信部と無線通信を行うコントローラ無線通信部を有し、
前記コントローラ無線通信部は、前記接続ケーブルを接続するコントローラ無線通信部側接続端子部を備え、
前記接続ケーブルは、通信線と、電源供給線と、非常停止線と、接続切替信号線と、前記コントローラ無線通信部側接続端子部または前記教示装置側接続端子部に挿入され前記接続切替信号線と接続された2つの接続切替スイッチを備えるコネクタとで構成され、
前記接続ケーブルの一端は前記コントローラに接続され、他端は前記コントローラ無線通信部側接続端子部または前記教示装置側接続端子部に選択的に接続されることを特徴とする自動機械システム。 - 前記接続ケーブルは、前記自動機械と前記コントローラとを結ぶケーブルと一体であって、一端は前記コントローラに接続され、他端は前記自動機械を経由して前記コントローラ無線通信部側接続端子部または前記教示装置側接続端子部に選択的に接続されることを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
- 前記コントローラは、前記教示装置のバッテリに電力を供給するバッテリ用電源を備え、前記教示装置側接続端子部に前記接続ケーブルのコネクタを接続した際に、前記接続ケーブルの電源供給線を介して前記バッテリを充電することを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
- 前記コントローラ無線通信部は、前記コントローラ無線通信部側接続端子部に前記接続ケーブルのコネクタを接続した際に、前記接続ケーブルの非常停止線を短絡接続することを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
- 前記教示装置の非常停止スイッチは、前記教示装置に前記接続ケーブルを接続した際に、前記接続ケーブルの非常停止線によって前記非常停止装置と接続されることを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
- 前記コントローラ無線通信部側接続端子部は突起を備え、
前記コントローラ無線通信部側接続端子部に前記接続ケーブルのコネクタを接続する際に前記突起が前記2つの接続切替スイッチのうち第1の接続切替スイッチを押すことによって、前記コントローラは前記教示装置へ無線通信確立要求を行い、前記コントローラと前記教示装置との間の通信が前記接続ケーブルによる有線通信から前記コントローラ無線通信部を介した無線通信へと切替わることを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。 - 前記教示装置側接続端子部は突起を備え、
前記教示装置側接続端子部に前記接続ケーブルのコネクタを接続する際に前記突起が前記2つの接続切替スイッチのうち第2の接続切替スイッチを押すことによって、前記コントローラは前記教示装置へ有線通信確立要求を行い、前記コントローラと前記教示装置との間の通信が前記コントローラ無線通信部を介した無線通信から前記接続ケーブルによる有線通信へと切替わることを特徴とする請求項1記載の自動機械システム。
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