WO2004078965A1 - 大腸菌における異種蛋白質の製造方法 - Google Patents

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    • C12P21/02Preparation of peptides or proteins having a known sequence of two or more amino acids, e.g. glutathione

Abstract

 発現誘導剤を含有しない異種蛋白質及びその製造方法を提供する。温度シフトにより発現誘導を行うことができるプロモーターの制御下に異種蛋白質を発現する組換え大腸菌を任意に低温培養して増殖させた後、発現誘導剤の非存在下に高温で培養して当該異種蛋白質を発現させる工程、又は前記大腸菌を高温培養して菌体の増殖及び異種蛋白質の発現を同時に行う工程を含む異種蛋白質の製造方法及び当該方法により得られる発現誘導剤を含有しない異種蛋白質。斯かる異種蛋白質の具体例は、ダニ主要アレルゲン、ブタ胸膜肺炎菌由来分泌性マクロファージ毒素及びブタ丹毒感染防御抗原である。

Description

明 細 書
大腸菌における異種蛋白質の製造方法
技術分野
本願発明は、 大腸菌を宿主とする異種蛋白質の工業生産スケールにおける製造 方法に関する。 より詳細には、 温度シフトにより発現誘導を行うことができるプ 口モーターの下流に異種蛋白質をコードする核酸断片が組み込まれた発現べクタ 一で大腸菌を形質転換し、 得られた組換え大腸菌 (異種蛋白質産生大腸菌) を任 意に低温で培養して工業生産レベルにまで増殖させた後、 これを発現誘導剤の非 存在下に高温で培養することにより当該異種蛋白質の発現誘導を行うことを特徴 とする異種蛋白質の製造方法、 及び当該製造方法により得られる、 発現誘導剤を 全く含有しない異種蛋白質に関する。
背景技術
大腸菌は組換え蛋白質を製造するのに欠くことのできない宿主である。 大腸菌 における異種蛋白質の発現に用いられるプロモーターとして、 例えば、 イソプロ ピル—ベータ一チォガラクトシドピラノシド (IPTG) を始めとする発現誘導剤の 存在下で機能するプロモーター、 p Hの変動により発現誘導を行うプロモーター、 特定のアミノ酸や糖の除去または低減により宿主を飢餓状態にすることにより発 現誘導を行うプロモータ一及び培養温度をシフトさせることにより発現誘導を行 うプロモーターなどが開発されている (例えば、 SAVVAS C. 匿 RIDES
Microbiological Reviers, Vol. 60, No. 3, p. 512 - 538, Sept. 1996;参照のた め本明細書に引用する) 。
発現誘導剤を使用する方法は、 目的とする異種蛋白質の工業的生産には好まし くない。 すなわち、 発現誘導剤の多くは代謝阻害剤であり、 その残留物の生体へ の影響が懸念される。 また、 培養の途中で菌体の増殖に合わせて発現誘導剤を無 菌的に添加するという煩雑な操作を行わなければならない。 更に、 非常に高価な 発現誘導剤の使用は製造コストの上昇に繋がるなどの問題がある。 したがって、 発現誘導剤などの高価な薬品を使用せずに、 安全、 簡便且つ低コストで異種蛋白 質を製造する方法の開発が望まれる。
温度シフトにより発現誘導を行う発現系は、 発現誘導剤を使用しないので、 こ のような製造目的に適した方法の一つといえる。 温度シフトにより発現誘導を行 うことができるプロモーターとして、 lac、 trc, tac、 PL、 T7、 L PL、 PL-9G- 50 及び cspAなどが報告されている。
しかしながら、 工業生産における大腸菌の培養には、 大型の発酵槽 (ファーメ ンタ) を用いた通気培養が一般的である。 目的産物の発現量を増大させるために は、 菌体の増殖を抑え、 目的産物の蓄積を優先させるために低温下で発現誘導を かける方法が用いられてきた。 例えば、 PL- 9G- 50または cspAプロモーターの制御 下に J3—ガラタトシダーゼ蛋白質が発現するように構築された組換え大腸菌が挙 げられる (例えば、 Hilla Giladiら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA Vol. 92, pp. 2184-2188, March 1995;参照のため本明細書に引用する) 。 この場合、 低温 シフトで発現量は上がるが、 ほとんど菌体の増殖は見られない。 このように、 低 温下での培養は菌体自体の代謝速度が低下すること力 ら、 培養時間が延びる傾向 があり、 作業性が良くなかった。 また、 培養時間が延びることは、 その期間だけ 更に無菌性を確保し続ける必要があり、 生産上のリスクも大きくなる。 このよう に、 工業生産においては、 解決すべき問題が多い。 例えば、 大腸菌を用いて組換 えダニ主要ァレルゲンを発現させることに成功したことが記載された結城らの報 告がある (例えば、 特許第 2 6 5 7 8 6 1号公報;参照のため本明細書に引用す る) 。 しかしながら、 彼らの方法は、 ダニ主要アレルゲンを発現させる際に、 発 現誘導剤として IPTGを使用する方法であり、 前述のような解決されるべき問題が 存在する。
ヒヨウヒダニは、 アレルギー性喘息、 了レルギ一性^炎、 アレルギー性皮膚炎 及びァレルギ一性結膜炎などのァレルギ一性疾患を引き起こす主要な因子として 知られている。 ァレルギ一性疾患の治療には抗ァレルギ一剤ゃ抗ヒスタミン剤が 用いられることが多いが、 対症療法である当該治療法では、 アレルギー性疾患を 根治することはできない。 ァレルギ一性疾患の原因抗原を注射する減感作療法が 唯一の根治療法であると考えられている。 減感作療法とはァレルギ一性疾患患者 にその原因となっているアレルゲンを少量ずつ注射し生体のァレルギ一反応をな くす治療法であり、 その有効率は 70%以上といわれている。
現在使用されている治療用アレルゲンは、 天然物から抽出したものである。 た とえば、 ダニアレルギー疾患の治療に用いられるアレルゲン製剤は、 室内塵 (ノヽ ウスダスト) の抽出液から製造される。 ハウスダスト抽出液には、 ダニ由来ァレ ルゲンだけでなく、 極めて多種類の不純物が含まれるので、 この抽出液から安定 した力価の製剤を製造することは極めて困難である。 このため、 ハウスダスト抽 出液を原材料として製造されたアレルゲン製剤を使用した場合、 常にアナフイラ キシーショックの危険性が付きまとうことになる。 臨床現場では、 ァレルゲン製 剤の製造ロットが変わる毎に、 投与量が調節されており、 これは、 医師、 患者双 方の大きな負担となっている。 また、 当該アレルゲン製剤は、 天然物を出発材料 とするため、 その製造量が限られるという問題がある。
近年、 ダニアレルゲンの研究が進み、 すでにいくつかのダニ主要アレルゲン
(Der f 1, Der f 2, Der p 1, Der p 2など) が同定されており (例えば、 Platts- Millsら, J. Allergy Clin. Immunol. 80, 755 - 775, 1987) ;参照のた め本明細書に引用する) 、 また、 アナフィラキシーショックの惹起を低減するこ となどを目的とした、 組換え技術による改変型ダニ主要ァレルゲンの開発も進め られている。
例えば、 ダュ主要アレルゲン Der f 2のシスティン残基をセリン残基に置換し た改変 Der f 2をコードする遺伝子を含む発現ベクターで原核生物または真核生 物を形質転換し、 この形質転換体を培養して得られる培養物から改変型のダニ主 要ァレルゲンを製造する方法が報告されている (例えば、 特開平 6— 2 5 3 8 5 1号公報;参照のため本明細書に引用する) 。 しかしながら、 この報告において も、 ダニ主要アレルゲンを発現させる際に IPTGが使用されており、 生体への影響 の問題が残る。
発明の開示
(発明が解決しようとする技術的課題)
本願発明の目的は、 天然物の抽出によらず遺伝子組換え技術により異種蛋白質 を製造するに際して、 高価な発現誘導剤を使用することなく、 種々の異種蛋白質 を大量に、 しかも安全、 簡便且つ低コストで製造する方法を提供することにある。 また、 本願発明の他の目的は、 当該製造方法により得られる、 発現誘導剤を全 く含有しない異種蛋白質、 とりわけダニ主要アレルゲン、 プタ胸膜肺炎菌由来分 泌性マクロブァージ毒素及びプタ丹毒感染防御抗原を提供することにある。
(その解決方法)
そこで、 本願発明者らは、 上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、 所定のプロモーターを用いて遺伝子組換え技術により得られた異種蛋白質産生大 腸菌を発現誘導剤を使用することなく高温培養するだけで異種蛋白質を発現でき ること、 また、 高温培養する前に低温培養することにより工業生産レベルにまで 増殖させた後、 発現誘導剤の非存在下に高温培養することにより、 細胞の増殖を コント口ールしながら異種蛋白質を高レベルで発現できることを見出した。
すなわち、 本願発明は、 異種蛋白質の発現が温度シフトにより発現誘導を行う ことができるプロモーターの制御下におかれた発現ベクターで大腸菌を形質転換 し、 っレヽで得られる形質転換体を任意に 2 0〜 3 4 °C、 好ましくは 2 5〜 3 2 °C で低温培養することにより増殖させた後、 発現誘導剤の非存在下に 3 5〜4 0 °C、 好ましくは 3 7〜 3 8 °Cで培養することにより当該異種蛋白質を発現させること を含む、 異種蛋白質の製造方法に関する。
本願発明はまた、 上記方法によって得られた、 発現誘導剤を含有しない異種蛋 白質、 とりわけダニ主要アレルゲン、 ブタ胸膜肺炎菌由来分泌性マクロファージ 毒素及びブタ丹毒感染防御抗原に関する。
なお、 本願発明の方法に使用する trpプロモーター等の温度シフトにより発現 誘導を行うことができるプロモーターが、 発現誘導剤を使用することなく高温培 養 ( 3 5〜 4 0 °C、 好ましくは 3 7〜 3 8 °C) するだけで異種蛋白質を発現する ことはこれまでに報告されていない。
(従来技術より有効な効果)
本願発明の方法に従えば、 高価な発現誘導剤を使用することなく、 種々の異種 蛋白質を大量、 且つ安価に供給できる。 また、 本願発明の方法によれば、 培養温 度を高温にシフトするだけで発現誘導を行うことができるので、 発現誘導剤を使 用する方法とは異なり、 培養の途中で発現誘導剤を菌体の増殖に合わせて無菌的 に添加するような煩雑な操作をする必要はなく、 無菌性の確保が容易である。 更 に、 本願発明の方法において形質転換体を低温培養で増殖させた後に高温培養に シフトする態様によれば、 工業生産において種々の仕事 (細胞の回収、 培養中の 種々のァッセィなど) ができるように細胞の増殖をコント口ールすることができ る。
また、 本願発明の方法に従って得られた異種蛋白質は、 生体への影響が懸念さ れる発現誘導剤を全く含まない安全性の高いものである。 かかる異種蛋白質の例 示として挙げた組換えダニ主要ァレルゲンは、 ァレルギ一性疾患の治療あるいは 診断に利用される。 また、 マクロファージ毒素 (ApxIII) は、 プタの胸膜肺炎に 対するワクチン、 ブタ丹毒感染防御抗原 (A SpaA) は、 プタ丹毒感染症のヮクチ ンとして利用することができる。
図面の簡単な説明
図 1は、 発現ベクター pWUll- C8/119Sの構築方法を示す。
図 2は、 発現ベクター pFLUl l- C8/119Sの構築方法を示す。
図 3は、 発現誘導剤の存在下、 32°Cで培養して増殖させた組換え大腸菌の超音 波破砕液を、 SDS -ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を示す。
レーン 1 : pFLUll- C8/119S/J1109、 レーン 2 : pWUll- C8/119S/JM109、 レーン 3 : pFLUll- C8/119S/HB101、 レーン 4 : pWUll- C8/119S/HB101、 レーン 5 : pFLUll- C8/119S/LE392、 レーン 6 : pWUl卜 C8/119S/LE392、 レーン 7 : pFLUll- C8/119S/TBU レーン 8 : pWUll- C8/119S/TB1。
図 4は、 発現誘導剤の存在下、 37°Cで培養して増殖させた組換え大腸菌の超音 波破碎液を、 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を示す。
レーン 1 : pFLUll- C8/119S/J1109、 レーン 2 : pFLUll- C8/119S/HB101、 レーン
3 : pFLUll- C8/119S/LE392、 レーン 4 : pFLUll- C8/119S/TB1、 レーン 5 : p\VUll- C8/119S/J1109、 レーン 6 : pWUl l_C8/119S/HB101、 レーン 7 : p Ull- C8/119S/LE392、 レーン 8 : pWUll— C8/119S/TB1。
図 5は、 発現誘導剤の非存在下、 32°Cで培養して増殖させた組換え大腸菌の超 音波破砕液を、 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を示す。
レーン 1 : pFLUll- C8/119S/J1109、 レーン 2 : pFLUll- C8/119S/HB101、 レーン 3 : pFLUll- C8/119S/LE392、 レーン 4 : pFLUll - C8/119S/TB1、 レーン 5 : p Ull- C8/119S/JM109、 レーン 6 : pWUl卜 C8/119S/HB101、 レーン 7 : pWUll- C8/119S/LE392、 レーン 8 : pWUll- C8/119S/TB1。 図 6は、 発現誘導剤の非存在下、 37°Cで培養して増殖させた組換え大腸菌の超 音波石皮碎液を、 SDS -ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を示す。
レーン 1 : pFLUll_C8/119S/JM109、 レーン 2 : pFLUll- C8/119S/HB101、 レーン 3 : pFLUll- C8/119S/LE392、 レーン 4 : pFLUll- C8/119S/TB1、 レーン 5 : pWUll - C8/119S/J1109、 レーン 6 : pWUU-C8/119S/HB101、 レーン T i pWUll-
CS/ligS/LESgS レーン 8 : pWUll-C8/119S/TBl0
図 7は、 ファーメンタ培養時の菌体の増殖曲線を示す。
図 8は、 フアーメンタ培養して増殖させた組換え大腸菌を経時的にサンプリン グし、 超音波破砕処理し、 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を 示す。
レーン 1 : 37°C温度シフト前、 レーン 2 : 37°C温度シフト 1時間後、 レーン 3 : 温度シフト 3時間後、 レーン 4:温度シフト 5時間後、 レーン 5 :温度シフト 7時 間後、 レーン 6 :温度シフト 9時間後、 レーン 7 :温度シフト 12時間後。
図 9は、 プラスミド pUC- Trp/Myc- Hisの構築方法を示す。
図 1 0は、 発現べクタ一 pTrp-ApxIII Δ 2の構築方法を示す。
図 1 1は、 発現誘導剤の非存在下、 37°Cで培養して増殖させた ΑρχΙΠ Δ 2産生 大腸菌の超音波破碎液を、 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を 示す。
図 1 2は、 発現誘導剤の非存在下、 37°Cで培養して増殖させた ΑρχΙΠ Δ 2産生 大腸菌の超音波破碎液を、 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた後、 PVDF膜に転写し、 ペルォキシダーゼ標識抗 Hisタグ抗体で染色した結果を示す。 図 1 3は、 発現ベクター pUC- Trp Δ spaAの構築方法を示す。
図 1 4は、 30°Cで培養■増殖させた Δ SpaA産生大腸菌及ぴその後、 発現誘導剤 の非存在下に 37°Cで培養して発現誘導を行つた Δ SpaA産生大腸菌の超音波破碎液 を、 SDS -ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を示す。
レーン 1 : HB101 30°C 15時間培養、 レーン 2 : pUC - Trp Δ spaA/HB101 30°C 15 時間培養、 レーン 3 : HB101 30°C 15時間培養後、 更に 37°Cシフト 8時間培養、 レーン 4 : pUC - Trp A spaA/HBlOl 30°( · 15時間培養後、 更に 37°C 8時間培養、 レ ーン 5 : HB101 30°C 15時間培養後、 更に 37°Cシフト 12時間培養、 レーン 6 : pUC - Trp A spaA/HBlOl 30°C 15時間培養後、 更に 37°C 12時間培養、 レーン 7 : : HB101 30°C 15時間培養後、 更に 37°Cシフト 25時間培養、 レーン 8 : pUC - Trp A spaA/HBlOl 30°C 15時間培養後、 更に 37°C 25時間培養。
発明を実施するための最良の形態
本願発明者らは、 ベクター pUCの複製開始点、 trpプロモーター及び異種蛋白質 をコードする遺伝子としてダニ主要ァレルゲン遺伝子を含む発現べクタ一で大腸 菌を形質転換し、 得られた組換え大腸菌を発現誘導剤の非存在下、 32°C及び 37°C で培養したところ、 32°Cではダニ主要ァレルゲンはほとんど発現せず、 37°Cに温 度シフトして培養を続けることにより、 大量且つ効果的にダニ主要ァレルゲンを 生産できることを見出した。 また、 他の異種蛋白をコードする遺伝子としてブタ 胸膜肺炎菌由来分泌性マクロファージ毒素 (ΑρχΙΠ) 遺伝子及ぴブタ丹毒感染防 御抗原遺伝子を含む発現ベクターを用いることにより、 同様に、 発現誘導剤を使 用することなく、 これらの蛋白質を生産できることを見出し、 本願発明を完成す るに至った。
したがって、 本願発明は、 pUCの複製開始点、 trpプロモーター及びダニ主要ァ レルゲン遺伝子を含む発現べクターにより形質転換された組換え大腸菌を、 発現 誘導剤の非存在下、 32°Cで培養した後、 更に 37°Cで培養することからなるダニ主 要ァレルゲンの製造方法及び当該製造方法によって得られた、 発現誘導剤を全く 含有しないダニ主要ァレルゲンを包含する。 同様に、 ダニ主要アレルゲン遺伝子 の代わりにマクロファージ毒素の遺伝子またはブタ丹毒感染防御抗原の遺伝子を 用いた同様の製造方法及び当該製造方法によって得られた、 発現誘導剤を全く含 有しないマクロファージ毒素及びプタ丹毒感染防御抗原を包含する。
本願発明の方法は、 温度シフトにより発現誘導を行うことができるプロモータ 一、好ましくは trpプロモーターの下流に異種蛋白質遺伝子が組み込まれた発現 ベクターで大腸菌を形質転換する工程、 得られる組換え大腸菌 (異種蛋白質産生 大腸菌) を任意に低温で培養して工業生産レベルにまで増殖させる工程、 及び発 現誘導剤の非存在下に高温で培養して異種蛋白質の発現誘導を行う工程を含む異 種蛋白質の製造方法によつて特徴付けられる。 本願発明の方法を用いることによ り、 発現誘導剤を全く含有しない組換え異種蛋白質を大量に取得することができ る。
本発明の方法によって発現できる異種蛋白質としては、 上記ダュ主要アレルゲ ン、 ブタ胸膜肺炎菌由来分泌性マク口ファージ毒素及びブタ丹毒感染防御抗原以 外にも、 例えば、 組織プラスミノーゲンァクチべ一ター (t P A) ゃヒト成長ホ ルモンなどの生理活性物質は、 組換え医薬品として使用されているが、 発現誘導 剤などの不純物が混入していない方が望ましく、 これらの蛋白質の生産にも使用 できる。
以下、 ダェ主要アレルゲンを中心に本願発明について詳述する。
これまでに同定された Der f 1、 Der f 2、 Der p 1、 Der p 2など何れのダニ主 要アレルゲン遺伝子も本願発明に使用することができる。 これらのダュ主要ァレ ルゲン遺伝子を含む核酸断片は、 ダニから抽出した mRNAまたはゲノム DNAを出発 材料として、 Sambrookらが述べている一般的な遗伝子組換え技術 (Molecular Cloning, A Laboratory Manual Second Edition. Cold Spring Harbor
Laboratory Press, N. Y., 1989) に従って調製することができる。
実際には、 市販のキットが使用される。 例えば、 RNAの抽出には、 TRIzol試薬
(インビトロジェン社) 、 IS0GEN (二ツボンジーン社) 、 StrataPrep Total RNA Purification Kit (東洋紡) などの試薬、 mRNAの精製には、 mRNA
Purification Kit (アマシャムバイォサイェンス社) 、 Poly (A) Quick mRNA Isolation Kit (東洋紡) 、 mRNA Separator Kit (クロンテック社) などのキッ ト、 c DNAへの変換には、 Superscript plasmid system for cDNA synthesis and plasmid cloning (インビトロジェン社) 、 cDNA Synthesis Kit (宝酒造) 、 SMART PCR cDNA Synthesis & Library Construction Kits (クロンテック社) 、 Directionary cDNA Library Construction systems (ノノ ジェン社) など力 S使用 される。
塩基配列の一部を置換したダニ主要アレルゲン遺伝子を用いれば、 改変型のダ 二主要ァレルゲンを得ることができる。 このようなダニ主要ァレルゲン遺伝子を 含む核酸断片は、 特許第 2 6 5 7 8 6 1号公報に記載の方法に従って、 改変型ダ ェ主要アレルゲンの c DNAを保持しているプラスミドを作製し、 これを铸型とし て PCR法を実施することにより取得することができる。 本願発明では、 改変型ダ 二主要ァレルゲン遺伝子を含む核酸断片が使用される。
より具体的には、 かかる改変型ダニ主要アレルゲン遺伝子は、 改変型ダニ主要 アレルゲンの c DNAを保持しているプラスミド pFLTll_C8/119Sを錄型として 5,末 端に制限酵素切断部位 NspVを含むプライマー (配列表の配列番号 1 ) 及び 3'末端 に制限酵素切断部ィ imrulを含むプライマー (配列表の配列番号 2 ) を用いて PCR 法により取得される。 こうして得られた改変型ダニ主要ァレルゲンをコードする 核酸断片 (以下、 「C8/119SJ と称することもある) が発現ベクターに組込まれ る。
本願発明に用いられる発現ベクターは、 上記の C8/U9S断片を、 温度シフト (高温) により発現誘導を行うことができるプロモーターの下流に接続し、 これ を複製開始点を含有する DNA断片に結合させることによつて構築される。 このよ うなプロモーターとして、 trpプロモーター、 trcプロモーター、 PLプロモーター、 T7プロモーター、 lacプロモーター、 tacプロモーター及ぴ PLプロモーターが挙 げられる。 好ましくは、 数種の大腸菌株に対して使用することができる trpプロ モーターである。
複製開始点として、 例えば、 pBR322、 pUC pACYC、 pSC101、 ColElなどのプラ スミド由来の複製開始点を使用することができるが、 好ましくは、 宿主内におけ るコピー数の多いことが知られている pUC由来の複製開始点が用いられる
(Molecular Cloning, A Laboratory Manual Second Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, N. Y. , 1989) 。
上記の発現ベクターを用いて形質転換する大腸菌として、 HB101、 JM109、 LE392、 TBIなど一般的に市販されている株が使用できる。 後述の実施例 (図 6 ) から明らかなように、 ダニ主要アレルゲンの発現量は、 プロモーターと大腸菌株 との組合せによって異なる。 したがって、 ダニ主要アレルゲンを大量に発現させ るには、 両者の組合せが重要である。 例えば、 ti プロモーターが使用される場 合には、 HB101、 JM109、 または TBIのいずれかの株が選択され、 trcプロモーター が使用される場合は、 JM109株が選択される。 最も大量且つ効果的なダニ主要ァ レルゲンの発現は、 rpプロモーター、 ダニ主要アレルゲン遺伝子 (C8/119S) 及 ぴ pUC由来の複製開始点を含む発現ベクターで大腸菌 HB101または TBIを形質転換 したときに達成される。
大腸菌の形質転換は、 市販のコンビテントセル (Takara社) を用い、 添付の方 法に従って行うことができる。 あるいは、 バイオ実験イラストレイテッド (秀潤 社)に記載の方法に従って行うことができる。 大腸菌の培養に使用される培地 (例えば、 LB、 S0C、 SOBなどが使用できる) 及び形質転換体の選択に用いられる 試薬 (例えば、 アンピシリンなど) は、 一般に市販されているものを使用すれば よい。 また、 培地の pHは、 大腸菌の増殖に適した範囲 (pH6〜8) で用いられる。 ダニ主要アレルゲンを発現している組換え大腸菌のスクリーニングは、 以下の ように行われる。 発現誘導剤の存在下あるいは非存在下に、 培養-増殖した菌体 を遠心分離により回収し、 これに一定の生理食塩水を加え懸濁した後、 超音波処 理により菌体を破碎し、 高速遠心 (14000 r pm、 30分間) により封入体を回収す る。 再度、 適当量の生理食塩水に懸濁した後、 一定量を SDS-ポリアクリルアミド ゲル電気泳動にかけ、 クマシ一ブリリアントブルーで染色した後、 分子サイズ (約 15 kD) 及び染色像からダニ主要ァレルゲンの発現を確認する。 また、 回収 した封入体の湿重量を測定することにより、 発現量を確認する。 こうして得られ たダニ主要アレルゲン産生大腸菌は、 大量培養に供するための生産株としてダリ セリンストツクにさ る。
ダニ主要アレルゲンの発現の確認 (またはダニ主要ァレルゲンの検出) には、 上記の分子サイズに基づく方法以外に、 ELISA法、 ウェスタンプロット法、 ドッ トプロット法などの抗原抗体反応に基づく方法がとられることもある。 いずれも 大腸菌で発現させた異種蛋白を検出する際の一般的な方法であり、 目的に応じて 適宜選択すればよい。
本願発明の特徴の一つは、 上記のダニ主要アレルゲン産生大腸菌を、 ダニ主要 ァレルゲンが発現しない条件で工業生産レベルにまで培養増殖した後、 発現誘導 剤を使用することなく培養温度を高温にシフトさせて効率よく当該蛋白質を生産 することにある。 より具体的には、 前記のグリセリンストックを L液体培地に接 種し低温培養する。 この培養により菌体は増殖するがダニ主要アレルゲンはほと んど発現しない。 菌体数が適当に増加した時点で、 発現誘導剤を添加することな く、 培養温度を高温にシフトし、 培養を続ける。 この温度シフトにより初めてダ 二主要アレルゲンの発現が加速される。 このような培養方法をとることより、 菌 体は、 栄養源の少ない培地中で効率よく増殖し、 且つダニ主要アレルゲンの大量 発現が達成される。
大腸菌を増殖させるときの培養温度として、 20〜34°Cを使用できるが、 好まし くは 25〜32°Cである。 ダニ主要ァレルゲンを効果的に発現させるときの温度は、 使用される発現ベクターの種類によって異なるが、 35〜40°Cの範囲で使用される。 好ましくは、 37〜38°Cである。 本願発明は、 低温培養で細胞を増殖させた後に、 高温培養で異種蛋白質を発現させることを特徴とするが、 目的によっては、 最初 から高温培養を行い、 菌体の増殖及び異種蛋白質の発現を同時に行うことによつ て異種蛋白質を産生させることもできる。
培養期間は、 培凝温度及びダニ主要ァレルゲンの製造スケールに依存するが、 低温培養は、 組換え大腸菌が対数増殖期の中期に達するまで行うのが好ましい。 また、 高温培養は、 ダニ主要ァレルゲンの量がピークに達するまで行うのが好ま しい。 より具体的には、 組換え大腸菌 (pWUll-C8/119S/HB101) のグリセリンス トツク 10mlを約 1 Lの培地に接種し、 32°Cで 6〜10時間培養した後、 これを 200〜 300Lの培地に接種し、 25°Cで 12〜17時間培養する。 その後、 37°Cで 8〜16時間培 養することにより、 湿重量で約 7〜10 g /Lのダェ主要ァレルゲンを含む封入体が 生産できる。
かかるダニ主要ァレルゲン産生大腸菌からダュ主要ァレルゲンを精製する際に は、 一般的に、 蛋白質化学において使用される精製方法、 例えば、 塩析法、 限外 ろ過法、 等電点沈殿法、 電気泳動法、 イオン交換クロマト法、 ゲルろ過クロマト 法、 アブイ二ティークロマト法、 疎水クロマト法、 ハイドロキシァパタイトク口 マト法などの方法が用いられる。 実際には、 細胞由来の多種類の夾雑物が混在す るため、 ダニ主要ァレルゲンの精製は、 上記方法の複雑な組み合わせにより行わ れる。
上述したダニ主要アレルゲンの製造方法は、 大腸菌における異種蛋白質の製造 方法の一例である。 ダニ主要アレルゲン遺伝子の代わりに他の蛋白質をコードす る遺伝子またはその一部の遺伝子断片を用いることによって、 発現誘導剤を含有 しない当該蛋白質またはその一部のオリゴペプチド若しくはポリペプチドを効率 よく取得することができる。 このような他の蛋白質遺伝子の例として、 プタ胸膜 肺炎菌由来分泌性マクロファージ毒素 (ΑρχΙΠ) をコードする遺伝子、 プタ丹毒 感染防御抗原をコードする遺伝子などが挙げられる。
以下に、 実施例を挙げて本願発明を具体的に説明するが、 本願発明はこれら実 施例に何等限定されるものではない。
実施例 1 :ダニ主要アレルゲン産生大腸菌の作製
( 1 ) トリプトファン (trp) プロモーターを有する発現ベクター pWUl卜 C8/119S 先ず、 trpプロモーターの下流に改変ダニ主要アレルゲン (C8/119S) 遺伝子断 片を結合した遺伝子断片を以下のように構築した。
trpプロモーターを含む 0. 5キロ塩基対の遺伝子断片は、 大腸菌プラスミド ptrp ED 5-1 (Hallewellら、 Gene 9, 27-47, 1980) を Hinf Iで完全消化して得た。 得 られたトリプトファンプロモーター遺伝子断片の粘着末端を埋め、 5,及び 3,末端 に EcoRIリンカー (TaKaRa社製) を結合した後、 pBR322の EcoRIサイトに揷入し、 組換えべクター pWを作製した。
次に、 改変ダニ主要アレルゲン遺伝子 (C8/119S) を含む核酸断片を、 当該改 変ダェ主要ァレルゲン遺伝子を保持しているプラスミド PFLT11-C8/119S (特許第 2 6 5 7 8 6 1号公報参照) を鏺型として、 5,末端に制限酵素切断部位 NspVを含 む合成ブライマ一 (配列表の配列番号 1 ) 及ぴ 3'末端に制限酵素切断部位 Nrulを 含む合成プライマー (配列表の配列番号 2 ) を用いて、 PCR法を実施することに より取得した。
この核酸断片を制限酵素 NspV及び Nrulで完全消化して得られる断片と制限酵素 Clal及び Nrulで完全消化した組換えベクター pWとを T4リガーゼ (TaKaRa社製) で 連結して、 発現ベクター PW11-C8/119Sを作製した。
次に、 発現量を増加させる目的で、 pWll - C8/119Sに含まれる PBR322由来の複製 開始点を PUC18由来の複製開始点に置換した。 プラスミド pUCISを、 制限酵素 Pvul 及び PvuIIで完全消化して、 複製開始点を含む遺伝子断片を得た。 一方で、 ブラ スミド pWll- C8/119Sを Nru I及ぴ Pvulで完全消化して、 改変ダニ主要ァレルゲン 遺伝子 (C8/119S) を含む核酸断片を得た。 調製した二つの核酸断片を T4リガ一 ゼで連結して、 発現プラスミド pWUll- C8/119Sを得た (図 1 )。
( 2 ) trp . lac融合プロモーター (trc) を有する発現ベクター pFLUl卜 C8/119S trp- lac融合プロモーターである trcプロモーターは、 発現プラスミド pKK233_2 (アマシャム社製) から調製した。 ρΚΚ233 - 2を制限酵素 Ncol及び Hindlllで完全 消化して 4. 6キロ塩基対の遺伝子断片を得た。 改変ダニ主要ァレルゲン遺伝子
(C8/119S) を含む核酸断片は、 5'末端に制限酵素切断部位 Ncolを含む合成ブラ ィマー (配列表の配列番号 3 ) 及び 3,末端に制限酵素切断部位 Hindlllを含む合 成プライマー (配列表の配列番号 4 ) を用いる以外は、 (1 ) と同様に PCR法を 実施することにより取得した。 この核酸断片を制限酵素 Ncol及び Hindlllで完全 消化して得られる断片と、 trcプロモーターを含む 4. 6キロ塩基対の遺伝子断片と を T4リガーゼで連結して発現べクター pFLKll-C8/119Sを作製した。 ( 1 ) と同じ 方法により、 pFLKll- C8/119Sに含まれる pBR322由来の複製開始点を pUC18由来の 複製開始点に置換した発現プラスミ ド PFLU11-C8/119Sを作製した (図 2 ) 。
( 3 ) 組換え大腸菌の作製
上記 ( 1 ) 及び (2 ) で得られた発現プラスミド p衝 11-C8/119S及び pFLUll- C8/119Sを用いて、 大腸菌株 HB101、 扉 9、 TBI及び LE392をそれぞれ形質転換し、 組換え大腸菌株 pWUll-C8/119S/HB101、 pWUll- C8/119S/JM109、 pWUll- C8/119S/TB1及び pWUl 1- C8/119S/LE392、 並びに pFLUl卜 C8/119S/HB101、 pFLUl 1- C8/119S/JM109、 pFLUll- C8/119S/TB1及び pFLUll- C8/119S/LE392を得た。
実施例 2 :ダニ主要ァレルゲンを発現している組換え大腸菌のスクリ一ユング ( 1 ) 発現誘導剤の存在下におけるダニ主要ァレルゲンの発現
発現誘導剤の存在下において、 ダ-主要ァレルゲンを大量に発現している組換 え大腸菌のスクリ一二ングを以下の方法により実施した。 L型試験管に分注され た 50 /i g/mlのアンピシリンを含む L液体培地 (10ml) に、 糸且換え体 pWUll -
C8/119S/HB101、 pWUll- C8/119S/JM109、 pWUll- C8/119S/TB1、 pWUll- C8/119S/LE392、 pFLUU- C8/119S/HB101、 pFLUl卜 C8/119S/J1109、 pFLUll - C8/119S/TB1及び pFLUll_C8/119S/LE392をそれぞれ接種し、 32°Cで約 2〜3時間振 盪培養した。 菌体の濁度 (0D600ntn) が 0. 4以上になったところで、 trpプロモー ターを使用した発現系には、 終濃度で 50 g/mlのインドール酢酸 (シグマ社製) を添加した。 また trcプロモーターを使用した発現系には、 終濃度で ImMのイソプ 口ピル- ]3 - D-チォガラタトピラノシド (和光純薬社製) を添加した。 その後更に 6時間培養することにより発現誘導を行った。
培養後の菌体は、 3000 r pmで 10分間遠心して沈殿として回収した。 この菌体 に適当量の生理食塩水を添加して再懸濁して、 菌体濁度 (0D600nm) が 20になる ように調製した。 各 lmlの菌体懸濁液をサンプルチューブ (アシスト社製) に取 り、 超音波処理して菌体を破碎した。 OOOrpmで 30分間遠心して、 封入体を沈 殿として回収した。 回収した封入体は再度 lmlの生理食塩水に懸濁した。 封入体 懸濁液と等量の SDSサンプルバッファーを混合し、 100°Cで 2分間の加熱処理を行 つた後、 SDS -ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、 クマシ一ブリリアントプ ルー (ナカライテスタ社製) で染色した。 15kD付近のバンドの染色像を比較した 結果、 ダニ主要アレルゲンは、 組換え体 pTOll- C8/119S/HB101で最も発現量が多 く、 次いで pTOll_C8/119S/JM109及び p冊 11- C8/119S/TB1の系で発現していること が判明した (図 3 ) 。
次に、 37°Cで培養した場合のダニ主要アレルゲンの発現量を確認した。 培養温 度を 37°Cで行うこと以外は、 上記と同じ方法に従って行った。 その結果、 ダニ主 要ァレルゲンは、 組換え体 pWUll- C8/119S/HB101及び pWUll_C8/119S/TBlの系でよ り多く発現し、 次いで pWUll- C8/119S/JM109の系で発現していることが判明した (図 4 ) 。
( 2 ) 発現誘導剤の非存在下におけるダニ主要ァレルゲンの発現
発現誘導剤の非存在下において、 ダニ主要ァレルゲンを大量努現している組換 え大腸菌のスクリーニングを (1 ) と同じ方法により実施した。 その結果、 32°C での振盪培養した場合には、 何れの組換え体においても、 ダ-主要アレルゲンの 発現はほとんど確認できなかったが (図 5 ) 、 37°Cで振盪培養した場合には、 組 換え体 pWUll- C8/119S/HB101及び pWUll-C8/119S/TBlは、 ダニ主要ァレルゲンを産 生していた (図 6 ) 。 また、 pWUll- C8/119S/JM109及び pFLUll- C8/119S/JM109も 前記の組換え体よりも発現量は少ないが、 ダニ主要アレルゲンの発現を確認する ことができた (図 6 ) 。 菌体当りのダニ主要アレルゲンの発現量は発現誘導剤を 用いた場合と同等であった。 しかしながら、 発現誘導剤を添カ卩しなかった場合の 菌体の増殖 (菌体密度) は、 発現誘導剤を添加した場合よりも2〜 4割程度高かつ た (表 1 ) 。 したがって、 ダニ主要アレルゲンの培養容量当りの生産量は、 発現 誘導剤を使用した場合よりも多くなることが判明した。
Figure imgf000016_0001
組換え体 pWUl 1-C8/119S/HB101をダニ主要ァレルゲンの生産株として、 グリセ リンストックを作製した。 グリセリンストックは、 以下の方法で調製した。 50 μ g/mlのアンピシリンを含む L液体培地 1Lに組換え体を接種し、 32°Cでー晚振盪培 養した。 この培養液に、 等量の滅菌したグリセリン (和光純薬社製) を添加して 充分混和した。 アシストチューブ (アシスト社製) に 10mlずつ 200本分注し、 超 低温冷凍庫に凍結保存した。
グリセリンストックの 1本を、 50 μ g/tnlのァンピシリンを含有する L液体培地 (1. 5L) に接種し、 32°Cで 8時間振盪培養した。 この培養菌液を 250Lの L液体培地 に接種し、 25°Cでー晚通気培養した後、 37°Cに培養温度を上げて更に 12時間通気 培養した (図 7 ) 。 この期間、 菌体の増殖に合わせてアミノ酸等の添加を適時実 施した。
37°Cで培養している間は、 培養液の一部を経時的にサンプリングした。 サンプ リングした培養液中の菌体は、 3000rpmで 10分間遠心して沈殿として回収した。 この菌体に適当量の生理食塩水を添加して再懸濁して、 菌体濁度 (0D600nm) 力 S 20になるように調製した。 各菌体懸濁液の lmlをサンプルチューブ (アシスト社 製) に取り、 超音波処理して菌体を破碎した。 14000rpmで 30分間遠心して封入体 を沈殿として回収した。 回収した封入体は再度 lralの生理食塩水に懸濁した。 封 入体懸濁液と等量の SDSサンプルバッファーを混合し、 100°Cで 2分間の過熱処理 を行った後、 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、 クマシープリリアン トブルー (ナカライテスタ社製) で染色し、 発現を確認した。 その結果、 培養温 度を 37°Cに昇温して 3時間後にはダニ主要ァレルゲンが封入体として蓄積されて いることが判明した。 菌体は培養終了まで増殖し続け (図 7 ) 、 その間ダニ主要 アレルゲンの単位菌体当りの発現量も漸増した (図 8 ) 。
実施例 4 : Actinobacillus pleurop匿 moniae^k<Dマク口ファージ毒素蛋白質 (ΑρχΙΙΙ Δ 2)を生産する組換え大腸菌の作製
( 1 ) プラスミ ド pUC- Trp/Myc- Hisの構築
trpプロモーターの制御下にマクロファージ毒素蛋白質(ΑρχΙΙΙ Δ 2)を発現させ るための発現カセット Trp/Myc-Hi sを有するプラスミド pUC- Trp/Myc_Hisを以下の ように構築した (図 9 ) 。
①市販プラスミド pBAD/Myc-His B (インビトロジェン) を制限酵素 Mlul、 Ncolで 消化し、 約 3. 9Kbpの断片を精製した。
②センス鎖、 アンチセンス鎖の trpプロモーター領域の合成 01 igo DNA (配列表の 配列番号 5及び 6 ) (シグマゲノシス社に合成委託) を等モルで混合し、 94°Cで 1 分、 75°Cで 10分加熱し、 室温まで徐々に温度を下げることで、 アニーリングさせ た。 プロモーターの上流側には Mlul、 下流側には Ncolの突出末端の相補鎖を付加 した。
③アニーリングさせた trpプロモーター DNAフラグメント (②) を、 先に調製した 3. 9Kbpの pBAD/Myc- HisB (①) に、 Ligation Kit Verl (宝酒造) を用いてライゲ ーシヨンした (10°C、 一昼夜) 。 これを市販の大腸菌 T0P10 (インビトロジェン 社) に導入した。 得られたプラスミドを pBR- Trp/Myc - Hisとした。
④ pBR- Trp/Myc - Hisを制限酵素 Mlulと BsrBIで処理し、 約 0. 5Kbpのフラグメントを 精製した。 このフラグメントには、 trpプロモーターと pBAD/Myc_His由来のマル チタローニングサイト、 Histidine Hexamerの DNA配列及び大腸菌由来 rrnB T1及 ぴ T2の転写終結配列からなる発現カセット Trp/Myc- Hisを含む。 この約 0. 5Kbpフ ラグメントを Blunting Highキット (東洋紡) を用いて平滑末端処理した。
⑤プラスミド PUC18 (宝酒造) を制限酵素 PvuII、 Ndelで処理し、 2. 2Kbpの断片を 精製し、 Blunting Highキット (東洋紡) を用いて平滑末端処理した。
⑥ trpプロモーターを含む平滑末端処理した約 0. 5Kbpフラグメント (④) を制限 酵素処理 ·平滑末端処理した PUC18 DNAに、 Ligation Kit Verl (宝酒造) を用い てライゲーシヨンし (10°C、 一昼夜) 、 これを大腸菌 (JM109) に導入し、 得ら れた形質転換体から Trp/Myc- Hisを有するプラスミド PUC- Trp/Myc - Hisを精製した (図 9 ) 。
( 2 ) 発現べクタ一 pTrp- ΑρχΙΙΙ Δ 2の構築
ΑρχΙΙΙの Ν末端側疎水性領域以外の部分 (ΑρχΙΙΙ Δ 2) をコードする遺伝子断 片をプラスミド pUC- Trp/Myc_Hisに揷入した発現べクター pTrp - ΑρχΙΠ Δ 2を以下 のように構築した (図 1 0 ) 。 DNA抽出キット IS0PLA T (和光純薬) を用いて
Actinobacillus pleuropneumonias NG-22株 (血清型 2型) の DNAを抽出し、 これ を鐯型に ΑρχΙΠ Δ 2をコードする領域を PCRキット (宝酒造 LA Taq) を用いて増 幅した。 PCRには、 Changら (DNA Cell Biol 1993; 12 : 351-62) が報告した apxIIIAの塩基配列 (GeneBank Accession No. L12145) に基づき選定された塩基 配列に、 Fsplサイ 1、が付加された上流側プラィマー (配列表の配列番号 7 ) 及び Notlサイトが付加された下流側プライマー (配列表の配列番号 8 ) を用いた。 PCRにより得られた断片を市販のべクタ一 pCR2. 1 T0P0 (ィンビトロジェン社) に クローエングし、 PCR - ΑρχΙΠ Δ 2を得た。 得られたプラスミドを制限酵素 Fspl, Notlで処理し、 約 1. 8Kbpの DNA断片を精製し、 Blunting Highキット (東洋紡) を用いて平滑末端処理した。 一方、 ( 1 )で得た pUC- Trp/Myc-Hisを制限酵素 NcoI、 Xbalで処理し、 同キットで平滑末端処理した後、 ェビ由来アルカリ性フォスファ ターゼ(プロメガ社)で処理した。 この DNAと先に調製した ΑρχΙΙΙ Δ 2をコードして いる 1. 8Kbp DNA断片をライゲーシヨンし、 発現べクタ一 pTrp-ApxIII Δ 2を構築し た (図 1 0 ) 。
( 3 ) 発現誘導剤の非存在下における ΑρχΙΠ Δ 2の発現
上記の発現ベクター pTrp- ΑρχΙΠ Δ 2を大腸菌 HB101 (宝酒造) に導入し、 pTrp- ΑρχΙΙΙ Δ 2を有する HB101形質転換体を得た。 これをサークルグロ一培地
(BI0101) に接種し、 37°Cで約 16時間培養した。 培養菌液 lmlを 10000回転/分、 1 分間遠心し、 菌体を回収した。 これに 400 μ ΐの SDSサンプルバッファーを混合し、 100°Cで 2分間の加熱処理を行った後、 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行 い、 クマシ一ブリリアントブルーで染色した (図 1 1 ) 。 また、 電気泳動後、 PVDF膜に転写し、 ペルォキシダーゼ標識抗 Hisタグ抗体 (ィンビトロジェン社) と 4°C一夜反応後、 コニカイムノスティン (生化学工業) を用いて発現蛋白を染 色した(図 1 2 )。 約 69 kDaの ΑρχΙΠ Δ 2の発現が認められた。
実施例 5 :ブタ丹毒菌の感染防御抗原蛋白質 (ASpaA) を生産する組換え大腸菌 の作製
( 1 ) 発現ベクター pUC- Trp A spaAの構築
ブタ丹毒菌の感染防御抗原蛋白質遺伝子 (spaA) の第 88〜1293番目に相当する 1206bpの塩基配列によってコードされる当該蛋白質 (以下、 「A SpaA」 と称す る) をコードする遺伝子断片 (以下、 r A s aAj と称する) がプラスミド pUC_ Trp/Myc_Hisに揷入された発現べクタ一 pUC-Trp Δ spaAを以下のように構築した (図 1 3 ) 。
ブタ丹毒菌 SE- 9株の培養菌体より IS0PLANT (二ツボンジーン社) を用いて抽出 した DNAをテンプレートとし、 公表された塩基配列情報 (Imada, Yつ Goji, N., Ishikawa, H., ishima, M. and Sekiza i, T. Truncated surrace protective antigen (SpaA) of Erysipelothrix rhusiopathiae serotype la elicits protection against challenge with serotypes la and 2b in pigs. : Infect. Imraun. 67 (9) , 4376—4382 (1999) ) / GeneBank Accession No. AB019124) に基 づき合成した 2種類のプライマー、 Ncolサイトが付加された上流プラィマー(配 列表の配列番号 9 )及び BaraHIサイトが付加された下流プライマー (配列表の配列 番号 1 0 )を用いて PCRを行った。 増幅した Δ spaAを含む断片を制限酵素 Ncol及び BamHIで 2重消化した後、 これを同様の酵素処理を行ったプラスミド pETlld (ノバ ジェン社)に T4 DNAリガーゼ処理して連結した。 連結 DNAで大腸菌 BL21 (DE3) 株 を形質転換し、 アンピシリン 50 μ g/ml含有 LB寒天培地に塗布して、 アンピシリン 耐性を持つ株を選択した。 選択株よりプラスミドを抽出して、 A spaAを保持する プラスミド pETlld Δ spaAを得た (図 1 3 ) 。
次に、 実施例 4の (1 ) で得たプラスミド PUC- Trp/Myc- Hisを制限酵素 Ncol及 び Hindlllで 2重消化した後、 0. 8%ァガロースゲル電気泳動により、 troプロモ 一ターを含む約 2. 7kbの核酸断片を回収した。 一方、 ETlld A spaAを制限酵素 Ncol及ひ Hindlllで 2重消化した後、 0. 8%ァガ口ースゲル電気泳動により、 約 1. 5kbの Δ spaAを含む核酸断片を回収し、 これを先に得た約 2. 7kbの核酸断片に T4 DNAリガーゼ処理して連結した。 連結 DNAで大腸菌 HB101株を形質転換し、 アンピ シリン 50 μ g/ral含有 LB寒天培地に塗布して、 了ンピシリン耐性を持つ株を選択し、 発現ベクター pUC- Trp Δ spaAを保持する組換え大腸菌を得た (図 1 3 ) 。
( 2 ) 発現誘導剤の非存在下における A SpaAの発現
上記の発現べクター pUC-Trp Δ spaAを保持する組換え大腸菌をサークルグロ一 培地 (BI0101) に接種し、 30°Cで約 15時間培養した後、 37°Cで約 25時間培養した。 コントロールとして非形質転換大腸菌 (HB101) を用いた。 経時的にサンプリン グした培養菌液に等量の SDSサンプルバッファーを等量混合し、 100°Cで 2分間の 加熱処理を行った後、 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、 クマシーブ リリアントブルーで染色した。 その結果、 培養温度を 30°Cから 37°Cにシフトする ことによって、 約 50kDaの Δ SpaAの発現が認められた (図 1 4 ) 。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 異種蛋白質の発現が温度シフトにより発現誘導を行うことができるプロモー ターの制御下にお力ゝれた発現ベクターで大腸菌を形質転換し、 ついで得られる形 質転換体を任意に低温培養することにより増殖させた後、 発現誘導剤の非存在下 に 3 5〜4 0 °C、 好ましくは 3 7〜3 8 °Cで培養することにより当該異種蛋白質 を発現させることを含む、 異種蛋白質の製造方法。
2. 形質転換体を低温培養することにより増殖させた後、 発現誘導剤の非存在下 に 3 5〜 4 0 °C、 好ましくは 3 7〜 3 8 °Cで培養する、 請求項 1記載の製造方法。
3 . 低温培養の温度が 2 0〜 3 4 °C、 好ましくは 2 5〜 3 2 °Cである、 請求項 1 または 2記載の製造方法。
4. 温度シフトにより発現誘導を行うことができるプロモーターが、 trpプロモ 一ター、 trcプロモーター、 PLプロモーター、 T7プロモーター、 lacプロモーター、 tacプロモーター及び; I PLプロモーターよりなる群から選ばれる、 請求項 1ない し 3のいずれかに記載の製造方法。
5 . 温度シフトにより発現誘導を行うことができるプロモーターが trpプロモー ターまたは trcプロモーターである、 請求項 4記載の製造方法。
6 . 大腸菌が HB101株, JM109株または TBI株のいずれかである、 請求項 1ないし
5のいずれかに記載の製造方法。
7 . 異種蛋白質がダニ主要アレルゲン、 ブタ胸膜肺炎菌由来分泌性マクロファー ジ毒素またはブタ丹毒感染防御抗原のレヽずれかである、 請求項 1ないし 6のいず れかに記載の製造方法。
8 . 請求項 7記載の製造方法により得られる、 発現誘導剤を含有しないダニ主要
9 . 請求項 7記載の製造方法により得られる、 発現誘導剤を含有しないブタ胸膜 肺炎菌由来分泌性マク口ファージ毒素。
1 0 . 請求項 7記載の製造方法により得られる、 発現誘導剤を含有しないブタ丹 毒感染防御抗原。
PCT/JP2004/002017 2003-03-05 2004-02-20 大腸菌における異種蛋白質の製造方法 WO2004078965A1 (ja)

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