JPH0940583A - 組換えDer f IIIアレルゲン及びその製造法 - Google Patents

組換えDer f IIIアレルゲン及びその製造法

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JPH0940583A
JPH0940583A JP7212953A JP21295395A JPH0940583A JP H0940583 A JPH0940583 A JP H0940583A JP 7212953 A JP7212953 A JP 7212953A JP 21295395 A JP21295395 A JP 21295395A JP H0940583 A JPH0940583 A JP H0940583A
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der
pro
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mite
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JP7212953A
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Chiharu Nishiyama
千春 西山
Takaomi Yasuhara
貴臣 安原
Toshifumi Yuki
敏文 結城
Yasushi Okumura
康 奥村
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NIKKA UISUKII KK
Asahi Breweries Ltd
Nikka Whisky Distilling Co Ltd
Torii Pharmaceutical Co Ltd
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NIKKA UISUKII KK
Asahi Breweries Ltd
Nikka Whisky Distilling Co Ltd
Torii Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farin
ae)由来の物質である組換えDer f III アレルゲンのプ
ロ体、このプロ体から得られる組換えDer f IIIアレル
ゲン、及びこれらの製造方法を提供する。 【解決手段】 特定のアミノ酸配列を有する蛋白質から
なることを特徴とする組換えDer f III アレルゲン、組
換えDer f III アレルゲンのプロ体。遺伝子組換え手法
を用い前記組換えDer f III アレルゲンのプロ体中の特
定アミノ酸を置換した改変組換え蛋白を用いることを特
徴とする組換えDer f III アレルゲンの製造法。 【効果】 本発明により得られたアレルゲンはヒョウヒ
ダニに感受性を有するアレルギー疾患の診断法や治療法
に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子工学によるヒョ
ウヒダニのアレルゲンの製造方法に関し、更に詳細に
は、コナヒョウヒダニ由来の物質である組換えDer f II
I アレルゲンのプロ体、このプロ体から得られる組換え
Der f III アレルゲン、及びこれらの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アレルギー疾患の多くは、その疾患の原
因抗原に感作されることにより、血清及び組織でアレル
ゲンに特異的なIgE抗体が産生され、再びその抗原に暴
露されることにより、各組織上で抗原とIgE抗体が抗原
抗体反応を起こし、その際に生じる種々の症状によるも
のと考えられている。特に、肥満細胞上のIgE抗体に抗
原が結合しIgE抗体間に架橋が起こることによって、肥
満細胞から種々の化学伝達物質が放出されて、即時型あ
るいは遅発型反応が生じることに起因すると考えられて
いる。このアレルギー疾患を根本的に治療する方法とし
て、減感作療法がある。この方法は、その原因抗原を少
量ずつ、また、症状に応じて投与量を徐々に増量しなが
ら、反復投与する方法である。この療法によりT細胞不
応答化、IgE抗体産生抑制、マスト細胞から遊離するヒ
スタミン量の低下等が起こり治療効果が得られると考え
られている。
【0003】一方、気管支喘息、小児喘息、アトピー性
皮膚炎などのアレルギー疾患は、室内塵中に生息してい
るダニに対するアレルギーが主な原因であることが明ら
かになっている。ダニの種類としては、コナヒョウヒダ
ニ(Dermatophagoides farinae(以下「Der f」と略
す。))とヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pterony
ssinuss(以下「Der p」と略す。))とがあり、日本には
主にDer fが多く生息していることが知られている。ま
た、上記ダニが産生するアレルゲン蛋白は既にいくつか
同定されているが(プラッツミルズ (Platts-Mills)
ら、ザ・ジャーナル・オブ・アレルギー・アンド・クリ
ニカル・イムノロジー (J. Allergy Clin. Immunol.) 8
0巻、755頁、1987年)、その中でダニの消化酵素(シス
テインプロテアーゼ)と考えられている分子量約25,000
のグループIアレルゲン、虫体中に多く含まれ、その機
能は不明の分子量約14,000のグループIIアレルゲン及び
セリンプロテアーゼ活性を持つ分子量約30,000のグルー
プIII アレルゲンが主要なアレルゲンだと考えられてい
る。これらはダニの種類によりそれぞれ、Der f IとDer
pI、Der f IIとDer p II、及びDer f IIIとDer p III
に分類される。このうち、グループI及びグループIIア
レルゲンについては、既に組換え蛋白の製造法が開示さ
れており(WO 95/17424 及び特開平6−7186)両主要
アレルゲンを用いた上記アレルギー疾患の減感作療法は
きわめて有効であることが期待される。
【0004】それに対して、グループIIIアレルゲンに
ついてはDer p IIIアレルゲンをコードするcDNAの
塩基配列及びこれから推定されるアミノ酸配列が開示さ
れている(スミス(Smith)ら、クリニカル・アンド・
イクスペリメンタル・アレルギー(Clin. Exp. Allerg
y)24巻、220頁、1994年)のみで、上記アレルゲンを組
換え蛋白として発現させた例はなく、従って、そのアレ
ルギー活性の有無すら不明である。Der f IIIに関して
は、N末端から20アミノ酸の配列が判明しているのみ
(ハイマン(Heymann)ら、ザ・ジャーナル・オブ・ア
レルギー・アンド・クリニカル・イムノロジー(J. All
ergy Clin. Immunol)83巻、1055頁、1989年)(安藤
ら、クリニカル・アンド・イクスペリメンタル・アレル
ギー(Clin. Exp. Allergy)23巻、777頁、1993年)
で、効率的組換えアレルゲンの製造にはほど遠い状況で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】それゆえ、本発明の目
的は、遺伝子工学を使ってダニ主要アレルゲン蛋白質De
r f IIIをコードするDNA配列を得ることであり、か
つそのDNAがコードしているダニ主要アレルゲンを発
現、生産して目的とするアレルゲン蛋白質を多量に調製
する方法を開示することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は以下の研究をおこなった。第一段階とし
てヒョウヒダニ(Dermatophgoides farinae)虫体から
作製したcDNA遺伝子ライブラリーからプラークハイ
ブリダイゼーション法でダニ主要アレルゲン蛋白質Der
f III遺伝子を保持しているクローンを単離し、当該遺
伝子を大腸菌を用いアレルゲン活性を保持している組換
えDer f IIIとして発現させた。更に第二段階として遺
伝子組換え手法を用いて当該遺伝子を改変し、大腸菌で
発現させた組換えプロDer f III蛋白を処理することで
効率的生産が可能になることを発見し、本発明を完結す
るに至った。
【0007】ダニ主要アレルゲンDer f IIIをコードす
る遺伝子を得る方法を説明する。ダニを動物飼育用飼料
(たとえば、実験動物飼育用配合飼料、家畜飼育用飼
料、愛玩動物飼育用飼料など)またはその組成物を用い
人工的に飼育し、特開昭49−69820に開示されている方
法などによってダニ虫体のみを単離することができる。
得られたダニ虫体からmRNAを得るには、チャーグウ
ィン (Chirgwin, J. M.ら、バイオケミストリー (Bioch
emistry) 18巻、5294-5299頁、1979年)の方法などが利
用できる。さらに、市販のRNA抽出キット(ファルマ
シア社製、XY-016-00-01もしくはアマシャム社製、RPN.
1264)を使用することができる。一般に、真核性mRN
A群は、その3′末端にポリ(A)テールを持つことか
らオリゴ(dT)セルロースを用いたアフィニティクロ
マトグラフィーで簡便に精製できる(オーフレー (Auff
ray C.) 、ロージャン (Rougeon F.)、ヨーロピアン
ジャーナル オブ バイオケミストリー (Eur. J. Bioc
hem.), 107巻、303-304頁、1980年)。さらには、市販
のmRNA精製キット(ファルマシア社製、mRNA精
製キット XY-025-00-02)の使用が便利である。
【0008】精製mRNAは逆転写酵素およびプライマ
ーを用いて行なうcDNA第一鎖の合成の鋳型として用
いる。用いるプライマーはオリゴ(dT)または合成プ
ライマーが使用できる。cDNAの第二鎖は種々の従来
法によって合成できる(ハイン (Huynh T. V.) ら、D
NAクローニング、1巻、2章、49-78頁、1985年 (グ
ローバー (D. M. Glover) 編)。さらには、市販のcD
NA合成キット(アマシャム社製、RPN. 1256Y)も使用
できる。しかして得られた2本鎖cDNAは適当なベク
ター、好ましくはファージベクターλgt11のクローニン
グ部位に挿入することができる。二本鎖cDNAの挿入
は従来用いられてきた種々の方法を使うことが可能であ
る(マニアチス (Maniatis T. M.) ら、モレキュラー
クローニング (Molecular Cloning)、コールド スプリ
ング ハーバー ラボラトリー (Cold Spring Harbor L
aboratory), 1982年)。しかして得られたダニ虫体由来
のcDNA遺伝子ライブラリーはイン ビトロ パッケ
ージング後、適当な宿主、例えば大腸菌Y1090に形質導
入することによってプラークを形成させスクリーニング
に使用できる。
【0009】次に、形質導入した大腸菌の中から目的と
するダニ主要抗原Der f III遺伝子を保持しているプラ
−クを検索しなければならない。この目的のためには、
種々の方法が使用できるが、N末端のアミノ酸配列しか
判明していない今回の場合は、一旦、cDNAからPC
R法によって特異的にDer f III遺伝子のみを増幅し、
これをプローブとしてライブラリーの中からプラーク
ハイブリダイゼーション法で全遺伝子を単離する方法が
効率が良い。
【0010】天然界に存在するDer f IIIのN末端から
7番目のアミノ酸配列は次のように決定されている[Il
e-Val-Gly-Gly-Val-Lys-Ala-]。このアミノ酸配列から
Derf III遺伝子は、例えば次のような配列であることが
予想できる[5' ATT-GTT-GGT-GGT-GTT-AAA-GCA 3']。
この配列をプライマーの一方として、また、ベクターで
あるλgtllのクローニング部位の近傍の配列をもう一方
のプライマーとして、λgtllダニcDNAライブラリー
をPCR法で増幅すれば、Der f III遺伝子のみ特異的
に増幅されることが予想できる。このときプライマーの
5'末端に適当な制限酵素部位の配列を付加しておくと、
後のクローニングに便利である。このようにして増幅さ
れた断片は一旦、適当なプラスミドベクターにサブクロ
ーニングした後、大量に調製しプローブとして使用でき
る。
【0011】また、このようにして増幅されたDer f II
I遺伝子は、そのまま発現用遺伝子としても使用でき
る。しかし得られる遺伝子は天然界に存在するDer f II
IのN末端アミノ酸に対応する領域のみで、その上流の
遺伝子は得ることができない。Der f IIIはプロテアー
ゼであることからプレプロ配列が存在することが予想で
きるため、全遺伝子を単離するには同増幅断片をプロー
ブとして全遺伝子を保持するファージクローンをスクリ
ーニングする必要がある。それは例えば以下のようにし
て行なえる。
【0012】ファージ及び宿主菌Y1090をインキュベー
トした後、48℃から50℃に保温したLブロス軟寒天培地
(1%バクトトリプトン、0.5 %イーストエキストラク
ト、0.5%NaCl、0.8%バクトアガー、50μg/mlアンピシ
リン、pH7.4)と共にLブロス寒天プレート上に重層
し、37℃でプラークを形成させる。その後、ニトロセル
ロース フィルターにDNAを吸着固定させ、先に得ら
れた増幅断片をプローブとしてハイブリダイズするクロ
ーンをスクリーニングした。プローブの標識、およびハ
イブリダイズするクローンの検出にはラジオ アイソト
ープ、酵素標識等、種々の方法があるが、ECLラベリ
ング及びディテクションキット(アマシャム社製)を用
いるのが簡便である。この結果、約100,000プラークよ
り一株の陽性クローンを得ることができた。
【0013】前述した陽性ファージベクターに挿入され
ているダニ由来DNA断片は制限酵素、好ましくはEcoR
Iによる完全分解で切り出すことができる。切り出され
た当該DNA断片は、ダイデオキシ法(サンガー (Sang
er F.) ら、ジャーナル オブ モレキュラー バイオ
ロジー (J. Mol. Biol.), 162巻、729-773頁、1982年)
などを用いてその塩基配列を決定できる。しかして決定
されたダニ主要アレルゲン蛋白質をコードしているDN
A配列を、配列表の配列番号2に示した。また、配列番
号2にはその配列に対応するアミノ酸配列も示してあ
る。配列番号2の1番目から20番目のアミノ酸配列が精
製Der f IIIのN末端アミノ酸配列と一致したことか
ら、本発明者らが単離しその配列を決定したDNA配列
は、確かにダニ主要アレルゲンDer f IIIをコードして
いることが確かめられた。すなわち、今回の発明でDer
f IIIの全アミノ酸配列及びそれをコードするDNA配
列が配列表の配列番号1に示す配列であることが初めて
明らかとなった。また、予想通り、Der f III蛋白は27
アミノ酸からなるプレプロ配列を保持することが判明し
た。
【0014】本DNA断片およびその一部は適当なベク
ターとホストを用いさまざまな生物で発現させることが
できる。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラー
ゼとの融合蛋白質として外来遺伝子を大腸菌中で発現さ
せることができるpGEX4T-2(ファルマシア バイオテッ
ク社製)の場合、次のようにできる。pGEX4T-2のクロー
ニング部位BamHI/XhoI部位に同制限酵素認識部位を付加
したDer f III遺伝子を挿入する。このとき制限酵素認
識部位を付加するにはPCR法、ベクターへのサブクロ
ーニング法など種々の方法が適用できる。得られたpGEX
/proDerfIIIプラスミドは大腸菌BL21中でIPTG(イソプ
ロピルーβ−チオガラクトピラノシド)存在下、グルタ
チオン−S−トランスフェラーゼとプロDer f IIIの融
合蛋白質として発現させることができる。発現した融合
蛋白質は大腸菌内で封入体の形で存在することが多い。
【0015】この封入体は大腸菌体を破砕した後、遠心
分離で沈殿画分を集めることで容易に回収精製すること
ができる。封入体は適当な変性剤、例えば8M尿素を用
いて可溶化でき、透析などで変性剤を徐々に除去するこ
とで発現蛋白を再生させることができる。再生可溶化し
た融合蛋白はグルタチオン−S−トランスフェラーゼと
特異的に結合するグルタチオン セファロース4B樹脂
を用いたアフィニティクロマトグラフィーによりカラム
精製できる。また、その後にプロテアーゼ(トロンビ
ン)で処理することでグルタチオン−S−トランスフェ
ラーゼとプロDerf IIIを切断分離することができ、分離
後再びグルタチオン セファロース4Bカラムを通せ
ば、プロDer f IIIのみを回収できる。このようにして
調製した組換えプロDer f IIIは確かにアレルギー患者
の血清中のIgEと反応し、アレルゲンとしての活性を保
持することが確認できた。この方法を用いれば大腸菌培
養液1リットルあたりから数十〜数百mgの精製組換えDe
r f IIIを製造することができる。
【0016】さて、上記方法でアレルゲン活性を保持す
る組換えDer f IIIを大量に調製することが可能となっ
たが、実際の診断薬、治療薬に用いるには天然と同一の
構造であることが望ましい。しかしながら上記方法で得
られる組換えDer f IIIはそのN末端に11アミノ酸残基
からなるプロ配列とベクター由来の2アミノ酸残基が付
加したままである。また、融合蛋白との分離にトロンビ
ンを使用しているが、製造に当たってこのプロセスはな
いことが望ましい。本発明者はDer f III自身がトリプ
シン様の活性を保持することに着目し、Der f III本来
のプロテアーゼ活性を用いて融合蛋白質から天然と同一
のDer f IIIを効率的に分離できることを見い出した。
【0017】ここで、一般的な消化酵素トリプシンにつ
いて説明しておく。生体内でトリプシンはまずプロ配列
のついた不活性型前駆体(トリプシノーゲン)として合
成される。その後、プロ配列のC末端のリジン残基と成
熟トリプシンのN末端アミノ酸イソロイシン残基の間で
エンテロキナーゼもしくはトリプシン自身の作用により
加水分解がおこり、プロ配列が脱離することで活性のあ
る成熟トリプシンとなり、ポリペプチド鎖中のリジンも
しくはアルギニン残基のカルボキシル基側のペプチド結
合を切断するようになる。Der f IIIは同様の活性を保
持しており、また、そのアミノ酸配列はトリプシンと相
同性が非常に高い。従って、Der f IIIも成熟過程を経
て生成されると考えられるが、プロ配列のアミノ酸配列
には相同性がほとんどなく、そのC末端残基もスレオニ
ン残基である。実際、上記で得られた組換えプロDer f
IIIは至適pHにおいても、プロ体の分離は起こらず、ま
たプロテアーゼ活性も保持していなかった。すなわちダ
ニトリプシンの成熟過程には哺乳類とは別の分離酵素が
存在することが推察される。
【0018】以上のことを踏まえて本発明者はDer f II
Iのプロ配列をほ乳類のそれに置き換えることで、Der f
III自身が保持しているプロテアーゼ活性を用い融合蛋
白質から天然のDer f IIIと同じアミノ酸配列の組換えD
er f IIIを得ることができると考え、遺伝子組換え手法
を用い改変組換えプロDer f III蛋白を作製することに
着手した。先に述べたようにDer f IIIのプロ配列のC
末端アミノ酸はスレオニンである。これをDer f IIIプ
ロテアーゼの切断認識アミノ酸の一つのアルギニンに置
換した改変組換えプロDer f III蛋白(配列表の配列番
号3)の作製とその切断活性を一例として次に述べる。
【0019】この改変体は合目的な任意な方法で製造す
ることができるが、部位特異的変異の方法が望ましい。
部位特異的変異をおこなう手法は既に確立されており、
様々な方法があるがPCR法を用いるのが簡便である。
先に得られたDer f III遺伝子のスレオニンに対応する
コドンはACTである。これをアルギニンに対応するコド
ン、例えばCGTに置き換えたオリゴヌクレオチドを合成
した。また、Der f III遺伝子の3'末端と相同性のある
オリゴヌクレオチドも合成した。このときクローニング
に便利なようにそれぞれのオリゴヌクレオチドの5'末端
にそれぞれ制限酵素認識配列(例えばBamHI、HindIII)
を付加した。両者をプライマーとしDer fIII遺伝子を鋳
型としPCRを行い、得られた増幅断片をpBluescriptI
I KS+ にサブクローニングして塩基配列を確認した後、
切り出し、pGEX4T-2のBamHI/XhoI部位にクローニングし
た。以降は野生型のプロDer f III遺伝子の場合と同様
に大腸菌内で融合蛋白を発現し、封入体を回収、変性、
再生処理を行った。再生をDer f IIIのプロテアーゼ活
性の至適pH9.0で行ったところ、天然型のようにトロン
ビン処理しなくてもグルタチオン−S−トランスフェラ
ーゼおよびDer f IIIのプロ配列が除去されたことが確
認できた。また、そのプロテアーゼ活性を測定したとこ
ろ、天然型Der f IIIと同様の基質特異性を示すことが
確認できた。すなわち天然のDer f IIIと同じ組換えDer
f IIIの効率的生産が可能になった。
【0020】遺伝子工学的に調製した本発明に従う組換
えDer f IIIは天然に存在するDer fIIIと同様のアレル
ギー活性及びプロテアーゼ活性を保持し、大腸菌で大量
に調製することができる。従って、この組換えDer f II
Iを用いればダニに起因する各種のアレルギー疾患の治
療あるいは診断に使用できる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、遺伝子工学を使ってヒ
ョウヒダニ主要アレルゲン蛋白質Derf IIIを、そのIgE
抗体結合活性およびプロテアーゼ活性を保持した形で大
量に製造することが可能になった。それゆえ、これらの
組換えDer f IIIを用いて各種アレルギー疾患の治療あ
るいは診断に利用することができる。
【0022】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではな
い。実施例1 cDNAライブラリーの作製及びDer f IIIcDNAのス
クリーニング 温度25℃、湿度75%の条件下、実験動物飼育用飼料中で
約30日間人工飼育したダニを飽和食塩水で餌と分離し、
吸引ろ過してダニ虫体のみを調製した(特開昭49-6982
0)。得られた虫体(約4g)を液体窒素につけて、急
速凍結させ、それから総RNAを“RNA抽出キット”
(ファルマシア社製 XY-016-00-01)を用いて抽出精製
した。その総RNAからmRNAをオリゴ−dTカラム
(ファルマシア社製mRNA抽出キット;XY-025-00-0
2)を用いて精製し、約2μgのmRNAが得られた。
その全量を用いてcDNAを合成したがその合成には
“cDNA合成システム・プラス”を用いた(アマシャ
ム社 RPN. 1256Y)。RNA抽出、mRNA精製および
cDNA合成はすべてキットに添付されているマニュア
ルに従って実施した。
【0023】発現ベクタ−はヤング(Young)等によっ
て報告されているλファージベクターgtll(サイエンス
(Science)222巻、778頁、1983年)を用いた。クロー
ニング手順はハイメール(Haymerle)等の方法(ヌクレ
イック アッシド リサーチ(Nucl. Acids Res.) 14
巻、8615-8624頁、1986年)に従い、試薬等は“cDN
Aクローニングシステムλgt11”(アマシャム社製 RP
N. 1280)を用いた。合成したcDNAをλファージベ
クターgt11へ連結した後、パッケージングキット(スト
ラテジーン社製、商品名、ギガパックIIゴールド)を用
いてイン ビトロパッケジーングを行いダニcDNAラ
イブラリーとした。
【0024】Der f IIIcDNAスクリーニングは、プ
ラークハイブリダイゼーション法により行った。このと
き宿主に用いる細菌としては大腸菌Y1090(遺伝子型 h
sd(rk -mk +), lacU169, ProA+, Ion -, araD139, strA, S
upF, trpC22:Tn10(pMC9))を用いた。スクリーニング
に用いたプローブは、以下の方法で作製した。報告され
ているDer f IIIのN末端側アミノ酸配列から予想し、
その5'側に制限酵素BamHI部位をもつように合成したオ
リゴヌクレオチド[5' GGGGATCCATTGTTGGTGGTGTTAAAGCA
3']と、ベクターであるλgt11上の配列から作製した
合成オリゴヌクレオチド[5' GTGTGGCGACGACTCCTGGAGCC
CG 3']をプライマーとし、D. farinaeのcDNAを鋳
型としてポリメラーゼ・チェーン・リアクション(PC
R)を行なった。酵素は東洋紡が販売しているTaq poly
meraseと添付の反応緩衝液を用いた。PCRは94℃ 1
分、55℃ 2分、72℃ 3分の温度変化を25サイクル繰り返
して行った。得られたDNA断片を制限酵素BamHIとEco
RIで消化後、同酵素で処理したプラスミドpBluescriptI
I KS+ に連結した。この様にして作製したプラスミドを
大量調製し、再びBamHI/EcoRIで切り出したDNA断片
をECLラベリングキット(アマシャム社製)を用いて標
識し、プローブとした。大腸菌の形質導入株は、48℃か
ら50℃に保温した0.8%寒天を含むLブロス軟寒天培地
に懸濁したのち2%寒天を含むLブロス寒天培地上に広
げ、37℃にて培養を行った。プラークの直径が1から2
mmになったところでプレートを4℃に移し1時間以上お
いたのち、ニトロセルロースフィルター(アマシャム社
製、商品名、ハイボンド−N+)に転写しDNAをアルカ
リ変性して膜上に固定した。固定方法はハイボンド−N+
の説明書に従った。続いて先に調製したプローブ用DN
A断片を用いてこのニトロセルロースフィルターからDe
r f IIIcDNAのスクリーニングを行ったが、そのス
クリーニングにはECLデテクションキット(アマシャ
ム社製)を用い、本キットの説明書に従って行った。こ
の操作を約100,000株の形質転換株について行い、1株
の陽性クローンを得た。
【0025】実施例2 Der f III遺伝子の塩基配列決定 実施例1で得られた陽性クローン株からファージDNA
精製キット(キアゲン社製、商品名、キアゲンファ−ジ
プレップ)を用いてファージDNAを調製し、EcoRI/Cl
aI処理により切り出した約700bpと約500bpの2本のDN
A断片をそれぞれpBluescriptII KS+ のEcoRI/ClaI部位
にクローニングし、サンガーの配列決定法(プロシーデ
ィング・イン・ナショナル・アカデミー・オブー・サイ
エンス(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、74巻、5463-54
67頁、1977年)に従って塩基配列を決定した。塩基配列
の決定にはアプライド・バイオシステム社製DNAシー
クエンサー370Aを用いた。この塩基配列及び塩基配列か
ら予想されるDer f IIIのアミノ酸配列は、配列表の配
列番号2に示すとおりであり、N−末端の上流に27個の
アミノ酸残基からなるプレプロ配列を保持した配列であ
ることが判明した。
【0026】実施例3 融合蛋白質の発現及びそのアレルゲン活性の確認 Der f IIIのcDNAをコードするファージDNAを鋳
型とし、PCRを行った。プライマーとしては、配列表
の番号2の−11番目から−6番目のアミノ酸配列に対応
するDNA配列にその5' 側に制限酵素BamHI 部位を持
つようにした合成オリゴヌクレオチド[5' AGTGGATCCAC
ACCGATTCTTCCATCA 3']と同じく配列番号2の226番目か
ら232番目のアミノ酸配列に対応するDNA配列の相補
鎖の配列に5' 側に制限酵素HindIII 部位を持つように
した合成オリゴヌクレオチド[5'CGAAGCTTACTGTGAACGTT
TTGATTCAAT 3']を用いた。
【0027】反応条件は実施例1と同様である。このP
CRにより得られたDNA断片をBamHI/HindIIIで処理
した後同酵素で処理したpBluescriptII KS+ に連結し
た。続いてBamHI/XhoI処理によりこのプラスミドから切
り出したDNA断片をプラスミドpGEX 4T-2(ファルマ
シア・バイオテック社製)のBamHI/XhoI部位に連結し
た。このようにして得られたプラスミドpGEX/pro Der f
IIIは、Der f IIIの前駆体であるプロDer f IIIをグル
タチオン−S−トランスフェラーゼとの融合蛋白質とし
て大腸菌内に発現させるのに用いることができる。pGEX
/pro Der f IIIを保持する大腸菌BL21(ファルマシア・
バイオテック社製、pGEX 4T-2添付)を50μg/mlアンピ
シリンを含むLブロス液体培地(L-Ap培地)5mlに接種
し30℃で一晩培養した。この培養液を150mlのL-Ap液体
培地に1%接種し30℃で2時間培養した後、イソプロピ
ル−ベーター−チオガラクトピラノシドを終濃度100ng/
mlとなるように添加し更に4時間培養を行った。融合蛋
白質は大腸菌内で封入体を形成していたため、この培養
液から大腸菌体を遠心回収し、超音波処理により菌体を
粉砕した後、封入体を含む不溶画分を遠心回収した。不
溶画分を8M尿素を含む50mMトリス塩酸、pH9.0中で変
性可溶化し、50mMトリス塩酸、pH9.0で透析し、融合蛋
白質を可溶化した。グルタチオン・セファロース4B(フ
ァルマシア・バイオテック社製)でアフィニティー精製
した融合蛋白質をトロンビン処理し、N末端にGly-Ser
のポリペプチドを付加したDer f IIIのプロ体を得た。
本蛋白質をドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
ドゲル (SDS-PAGE) 電気泳動(第一化学社製、垂直型カ
セット電気泳動システム、ゲル濃度4〜20%)で分離
し、一部はクーマシーブリリアントブルーで染色し、一
部はウェスタン・プロット法(トゥビン (Towbin) ら、
プロシーディング・イン・ナショナルアカデミー・オブ
・サイエンス (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) 、69巻、
1409-1412頁、1972年)を用いて検出した。すなわち、
ニトロセルロースメンブレン(バイオラッド社製)上に
ゲルで分離した蛋白を転写し、1%トゥイーンを含むP
BS緩衝液でメンブレンをブロッキングした後、0.05%
トゥイーン-PBSで1/2に希釈したハウスダストに対するI
gE抗体をもつアトピー性皮膚炎、或いは喘息の患者血清
を添加し、4℃にて一晩振とうを行った。2次抗体とし
て0.05%トゥイーン−PBSで1/1000に希釈したパー
オキシダーゼ標識したヤギ抗ヒトIgE抗体(カペル (Cap
pel)社製)を添加し、室温で更に5時間振とうした後、
洗浄し、基質(4-chloro-l-naphtol)を反応させた。そ
の結果、用いた2種類のプール血清、1名の患者血清全
てにおいて、グルタチオン−S−トランスフェラーゼは
発色しなかったのに対し、Der f IIIのプロ体及びその
融合蛋白質とも陽性を示した。
【0028】実施例4 Der f III変異体の調製及びそのプロテアーゼ活性 配列表3の−11番目から−1番目のアミノ酸配列に対応
するDNA配列にその5’側に制限酵素BamHI 部位を持
つようにしたオリゴヌクレオチド[5' GCGGATCCACACCGA
TTCTTCCATCATCACCAAATGCACGT 3']と同じく配列番号2
の226 番目から232 番目のアミノ酸配列に対応するDN
A配列の相補鎖の配列に5’側に制限酵素HindIII 部位
を持つようにしたオリゴヌクレオチド[5' CGAAGCTTACT
GTGAACGTTTTGATTCAAT 3']を合成した。これらをプライ
マーとし、pGEX/pro Der f IIIを鋳型としてPCRを行
い、Der f IIIのプロ配列のC末端のアミノ酸であるス
レオニンをアルギニンに置換した変異体T(-1)Rの遺伝
子を作製し、実施例3の野生型プロDer f IIIと同様の
方法でpGEX 4T-2に連結して変異体の発現ベクターを得
た。
【0029】このプラスミドを用いて野生型の場合と同
様に、大腸菌菌体内に変異体T(-1)Rを融合蛋白質とし
て発現させ、変性、再生操作を行った。透析による再生
操作の際、変異体T(-1)Rの融合蛋白質はSDS-PAGE上、
自己消化様の蛋白質の断片化を示した。この断片化はセ
リンプロテアーゼのインヒビターであるロイペプチン、
p−アミノベンズアミジンで濃度依存的に阻害された。
T(-1)R変異体のプロテアーゼ活性を合成基質を用いて
測定した結果、すでに報告されている(高橋ら、インタ
ーナショナル・アーカイブス・アレルギー・アンド・ア
プライド・イムノロジー (Int. Arch. Allergy Appl. I
mmunol.)、91巻、80-85頁、1990年;安藤ら、クリニカ
ル・アンド・エクスペリメンタル・アレルギー (Clinic
al and Experimental Allergy)、23巻、777-784頁、199
3年)天然型Der f IIIと同様の基質特異性を示した。
【0030】
【配列表】以下、本発明のアレルゲンの配列表を示す。
【0031】配列番号:1 配列の長さ:699 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:デルマトファゴイデス ファリナエ(Der
matophagoides farinae) 配列の特徴:1-699 E CDS 配列 ATT GTT GGT GGT GTG AAA GCA CAA GCC GGT GAT TGT CCA TAT CAA 45 Ile Val Gly Gly Val Lys Ala Gln Ala Gly Asp Cys Pro Tyr Gln 1 5 10 15 ATT TCA TTG CAA TCA AGC AGC CAT TTT TGT GGT GGT AGT ATC CTG 90 Ile Ser Leu Gln Ser Ser Ser His Phe Cys Gly Gly Ser Ile Leu 20 25 30 GAT GAA TAT TGG ATC TTG ACC GCT GCA CAT TGT GTC AAT GGA CAA 135 Asp Glu Tyr Trp Ile Leu Thr Ala Ala His Cys Val Asn Gly Gln 35 40 45 TCA GCA AAA AAA CTT TCA ATT CGT TAC AAT ACT CTT AAA CAT GCA 180 Ser Ala Lys Lys Leu Ser Ile Arg Tyr Asn Thr Leu Lys His Ala 50 55 60 TCT GGT GGT GAA AAG ATT CAA GTG GCG GAA ATT TAT CAA CAT GAA 225 Ser Gly Gly Glu Lys Ile Gln Val Ala Glu Ile Tyr Gln His Glu 65 70 75 AAT TAT GAT AGC ATG ACT ATC GAT AAT GAT GTT GCA TTG ATA AAA 270 Asn Tyr Asp Ser Met Thr Ile Asp Asn Asp Val Ala Leu Ile Lys 80 85 90 CTC AAA ACA CCA ATG ACA TTG GAT CAA ACA AAT GCT AAA CCC GTA 315 Leu Lys Thr Pro Met Thr Leu Asp Gln Thr Asn Ala Lys Pro Val 95 100 105 CCA TTA CCA GCA CAA GGA TCA GAT GTA AAA GTT GGT GAT AAA ATT 360 Pro Leu Pro Ala Gln Gly Ser Asp Val Lys Val Gly Asp Lys Ile 110 115 120 CGT GTT TCT GGT TGG GGT TAT CTT CAG GAA GGA AGT TAT TCA TTA 405 Arg Val Ser Gly Trp Gly Tyr Leu Gln Glu Gly Ser Tyr Ser Leu 125 130 135 CCA TCG GAA TTA CAA CGT GTT GAT ATT GAT GTT GTA TCA CGT GAA 450 Pro Ser Glu Leu Gln Arg Val Asp Ile Asp Val Val Ser Arg Glu 140 145 150 CAA TGT GAC CAA TTA TAT TCA AAA GCA GGC GCC GAT GTT AGT GAA 495 Gln Cys Asp Gln Leu Tyr Ser Lys Ala Gly Ala Asp Val Ser Glu 155 160 165 AAT ATG ATT TGC GGC GGT GAT GTC GCT AAT GGT GGT GTT GAT TCA 540 Asn Met Ile Cys Gly Gly Asp Val Ala Asn Gly Gly Val Asp Ser 170 175 180 TGT CAA GGT GAT TCT GGC GGA CCA GTT GTT GAT GTT GCC ACT AAA 585 Cys Gln Gly Asp Ser Gly Gly Pro Val Val Asp Val Ala Thr Lys 185 190 195 CAA ATT GTT GGT ATT GTT TCA TGG GGT TAT GGT TGT GCA CGT AAA 630 Gln Ile Val Gly Ile Val Ser Trp Gly Tyr Gly Cys Ala Arg Lys 200 205 210 GGT TAT CCA GGT GTC TAT ACA CGT GTT GGT AAT TTT GTC GAT TGG 675 Gly Tyr Pro Gly Val Tyr Thr Arg Val Gly Asn Phe Val Asp Trp 215 220 225 ATT GAA TCA AAA CGT TCA CAG TGA 699 Ile Glu Ser Lys Arg Ser Gln 230
【0032】配列番号:2 配列の長さ:780 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:デルマトファゴイデス ファリナエ(Der
matophagoides farinae) 配列 ATG ATG ATT TTA ACC ATT GTC GTG TTA TTG GCT GCA 36 Met Met Ile Leu Thr Ile Val Val Leu Leu Ala Ala -25 -20 AAC ATT TTG GCC ACA CCG ATT CTT CCA TCA TCA CCA AAT GCA ACT 81 Asn Ile Leu Ala Thr Pro Ile Leu Pro Ser Ser Pro Asn Ala Thr -15 -10 -5 -1 ATT GTT GGT GGT GTG AAA GCA CAA GCC GGT GAT TGT CCA TAT CAA 126 Ile Val Gly Gly Val Lys Ala Gln Ala Gly Asp Cys Pro Tyr Gln 1 5 10 15 ATT TCA TTG CAA TCA AGC AGC CAT TTT TGT GGT GGT AGT ATC CTG 171 Ile Ser Leu Gln Ser Ser Ser His Phe Cys Gly Gly Ser Ile Leu 20 25 30 GAT GAA TAT TGG ATC TTG ACC GCT GCA CAT TGT GTC AAT GGA CAA 216 Asp Glu Tyr Trp Ile Leu Thr Ala Ala His Cys Val Asn Gly Gln 35 40 45 TCA GCA AAA AAA CTT TCA ATT CGT TAC AAT ACT CTT AAA CAT GCA 261 Ser Ala Lys Lys Leu Ser Ile Arg Tyr Asn Thr Leu Lys His Ala 50 55 60 TCT GGT GGT GAA AAG ATT CAA GTG GCG GAA ATT TAT CAA CAT GAA 306 Ser Gly Gly Glu Lys Ile Gln Val Ala Glu Ile Tyr Gln His Glu 65 70 75 AAT TAT GAT AGC ATG ACT ATC GAT AAT GAT GTT GCA TTG ATA AAA 351 Asn Tyr Asp Ser Met Thr Ile Asp Asn Asp Val Ala Leu Ile Lys 80 85 90 CTC AAA ACA CCA ATG ACA TTG GAT CAA ACA AAT GCT AAA CCC GTA 396 Leu Lys Thr Pro Met Thr Leu Asp Gln Thr Asn Ala Lys Pro Val 95 100 105 CCA TTA CCA GCA CAA GGA TCA GAT GTA AAA GTT GGT GAT AAA ATT 441 Pro Leu Pro Ala Gln Gly Ser Asp Val Lys Val Gly Asp Lys Ile 110 115 120 CGT GTT TCT GGT TGG GGT TAT CTT CAG GAA GGA AGT TAT TCA TTA 486 Arg Val Ser Gly Trp Gly Tyr Leu Gln Glu Gly Ser Tyr Ser Leu 125 130 135 CCA TCG GAA TTA CAA CGT GTT GAT ATT GAT GTT GTA TCA CGT GAA 531 Pro Ser Glu Leu Gln Arg Val Asp Ile Asp Val Val Ser Arg Glu 140 145 150 CAA TGT GAC CAA TTA TAT TCA AAA GCA GGC GCC GAT GTT AGT GAA 576 Gln Cys Asp Gln Leu Tyr Ser Lys Ala Gly Ala Asp Val Ser Glu 155 160 165 AAT ATG ATT TGC GGC GGT GAT GTC GCT AAT GGT GGT GTT GAT TCA 621 Asn Met Ile Cys Gly Gly Asp Val Ala Asn Gly Gly Val Asp Ser 170 175 180 TGT CAA GGT GAT TCT GGC GGA CCA GTT GTT GAT GTT GCC ACT AAA 666 Cys Gln Gly Asp Ser Gly Gly Pro Val Val Asp Val Ala Thr Lys 185 190 195 CAA ATT GTT GGT ATT GTT TCA TGG GGT TAT GGT TGT GCA CGT AAA 711 Gln Ile Val Gly Ile Val Ser Trp Gly Tyr Gly Cys Ala Arg Lys 200 205 210 GGT TAT CCA GGT GTC TAT ACA CGT GTT GGT AAT TTT GTC GAT TGG 756 Gly Tyr Pro Gly Val Tyr Thr Arg Val Gly Asn Phe Val Asp Trp 215 220 225 ATT GAA TCA AAA CGT TCA CAG TGA 780 Ile Glu Ser Lys Arg Ser Gln 230
【0033】配列番号:3 配列の長さ:732 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:デルマトファゴイデス ファリナエ(Der
matophagoides farinae) 配列 ACA CCG ATT CTT CCA TCA TCA CCA AAT GCA CGT 33 Thr Pro Ile Leu Pro Ser Ser Pro Asn Ala Arg -10 -5 -1 ATT GTT GGT GGT GTG AAA GCA CAA GCC GGT GAT TGT CCA TAT CAA 78 Ile Val Gly Gly Val Lys Ala Gln Ala Gly Asp Cys Pro Tyr Gln 1 5 10 15 ATT TCA TTG CAA TCA AGC AGC CAT TTT TGT GGT GGT AGT ATC CTG 123 Ile Ser Leu Gln Ser Ser Ser His Phe Cys Gly Gly Ser Ile Leu 20 25 30 GAT GAA TAT TGG ATC TTG ACC GCT GCA CAT TGT GTC AAT GGA CAA 168 Asp Glu Tyr Trp Ile Leu Thr Ala Ala His Cys Val Asn Gly Gln 35 40 45 TCA GCA AAA AAA CTT TCA ATT CGT TAC AAT ACT CTT AAA CAT GCA 213 Ser Ala Lys Lys Leu Ser Ile Arg Tyr Asn Thr Leu Lys His Ala 50 55 60 TCT GGT GGT GAA AAG ATT CAA GTG GCG GAA ATT TAT CAA CAT GAA 258 Ser Gly Gly Glu Lys Ile Gln Val Ala Glu Ile Tyr Gln His Glu 65 70 75 AAT TAT GAT AGC ATG ACT ATC GAT AAT GAT GTT GCA TTG ATA AAA 303 Asn Tyr Asp Ser Met Thr Ile Asp Asn Asp Val Ala Leu Ile Lys 80 85 90 CTC AAA ACA CCA ATG ACA TTG GAT CAA ACA AAT GCT AAA CCC GTA 348 Leu Lys Thr Pro Met Thr Leu Asp Gln Thr Asn Ala Lys Pro Val 95 100 105 CCA TTA CCA GCA CAA GGA TCA GAT GTA AAA GTT GGT GAT AAA ATT 393 Pro Leu Pro Ala Gln Gly Ser Asp Val Lys Val Gly Asp Lys Ile 110 115 120 CGT GTT TCT GGT TGG GGT TAT CTT CAG GAA GGA AGT TAT TCA TTA 438 Arg Val Ser Gly Trp Gly Tyr Leu Gln Glu Gly Ser Tyr Ser Leu 125 130 135 CCA TCG GAA TTA CAA CGT GTT GAT ATT GAT GTT GTA TCA CGT GAA 483 Pro Ser Glu Leu Gln Arg Val Asp Ile Asp Val Val Ser Arg Glu 140 145 150 CAA TGT GAC CAA TTA TAT TCA AAA GCA GGC GCC GAT GTT AGT GAA 528 Gln Cys Asp Gln Leu Tyr Ser Lys Ala Gly Ala Asp Val Ser Glu 155 160 165 AAT ATG ATT TGC GGC GGT GAT GTC GCT AAT GGT GGT GTT GAT TCA 573 Asn Met Ile Cys Gly Gly Asp Val Ala Asn Gly Gly Val Asp Ser 170 175 180 TGT CAA GGT GAT TCT GGC GGA CCA GTT GTT GAT GTT GCC ACT AAA 618 Cys Gln Gly Asp Ser Gly Gly Pro Val Val Asp Val Ala Thr Lys 185 190 195 CAA ATT GTT GGT ATT GTT TCA TGG GGT TAT GGT TGT GCA CGT AAA 663 Gln Ile Val Gly Ile Val Ser Trp Gly Tyr Gly Cys Ala Arg Lys 200 205 210 GGT TAT CCA GGT GTC TAT ACA CGT GTT GGT AAT TTT GTC GAT TGG 708 Gly Tyr Pro Gly Val Tyr Thr Arg Val Gly Asn Phe Val Asp Trp 215 220 225 ATT GAA TCA AAA CGT TCA CAG TGA 732 Ile Glu Ser Lys Arg Ser Gln 230
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 7804−4B C12N 1/21 // C12N 1/21 9162−4B 15/00 ZNAA (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 安原 貴臣 東京都大田区大森北2−13−1 アサヒビ ール株式会社中央研究所内 (72)発明者 結城 敏文 東京都大田区大森北2−13−1 アサヒビ ール株式会社中央研究所内 (72)発明者 奥村 康 東京都大田区大森北2−13−1 アサヒビ ール株式会社中央研究所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号1で示すアミノ酸配列を有する蛋
    白質からなることを特徴とする組換えDer f III アレル
    ゲン。
  2. 【請求項2】配列番号2で示すアミノ酸配列を有する蛋
    白質からなることを特徴とする組換えDer f III アレル
    ゲンのプロ体。
  3. 【請求項3】ダニアレルギー患者の抗ダニIgEと反応す
    ることを特徴とする請求項1記載の組換えDer f III ア
    レルゲン。
  4. 【請求項4】ダニアレルギー患者の抗ダニIgEと反応す
    ることを特徴とする請求項2記載の組換えDer f III ア
    レルゲンのプロ体。
  5. 【請求項5】請求項1記載の組換えDer f III アレルゲ
    ンを産生するに当たり、遺伝子組換え手法を用い請求項
    2記載の組換えDer f III アレルゲンのプロ体中の特定
    アミノ酸を置換した改変組換え蛋白を用いることを特徴
    とする組換えDer f III アレルゲンの製造法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の改変組換え蛋白中、プロ配
    列のC末端アミノ酸がアルギニンであることを特徴とす
    る、配列番号3で示すアミノ酸配列を有する改変プロDe
    r f III 蛋白。
  7. 【請求項7】ダニアレルギー患者の抗ダニIgEと反応す
    ることを特徴とする請求項6記載の改変プロDer f III
    蛋白。
  8. 【請求項8】配列番号1で示すポリペプチドをコードす
    るDNA鎖。
  9. 【請求項9】配列番号2で示すポリペプチドをコードす
    るDNA鎖。
  10. 【請求項10】配列番号3で示すポリペプチドをコード
    するDNA鎖。
  11. 【請求項11】請求項1記載の組換えDer f III アレル
    ゲンを用いる、ヒョウヒダニに感受性を有するアレルギ
    ー疾患の診断法。
  12. 【請求項12】請求項2記載の組換えDer f III アレル
    ゲンのプロ体を用いる、ヒョウヒダニに感受性を有する
    アレルギー疾患の診断法。
  13. 【請求項13】請求項6記載の改変プロDer f III 蛋白
    を用いる、ヒョウヒダニに感受性を有するアレルギー疾
    患の診断法。
  14. 【請求項14】請求項1記載の組換えDer f III アレル
    ゲンを用いる、ヒョウヒダニに感受性を有するアレルギ
    ー疾患の治療法。
  15. 【請求項15】請求項2記載の組換えDer f III アレル
    ゲンのプロ体を用いる、ヒョウヒダニに感受性を有する
    アレルギー疾患の治療法。
  16. 【請求項16】請求項6記載の改変プロDer f III 蛋白
    を用いる、ヒョウヒダニに感受性を有するアレルギー疾
    患の治療法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002030968A1 (en) * 2000-10-13 2002-04-18 National University Of Singapore Novel mite allergens and uses therefor
WO2004078965A1 (ja) * 2003-03-05 2004-09-16 Juridical Foundation The Chemo-Sero-Therapeutic Research Institute 大腸菌における異種蛋白質の製造方法

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