JPWO2011067955A1 - 鋼板の酸洗方法及び酸洗装置 - Google Patents

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Abstract

課題本発明は、Siを含有する鋼板の製造工程で生成した酸化物スケールを効率良く、均一に除去できる鋼板の酸洗方法及び酸洗装置を提供するものである。解決手段マイクロバブルを含有する酸性洗浄液に、28.0kHz以上1.0MHz未満の周波数の超音波であって、少なくとも2種類の周波数を有する超音波を印加した状態で、珪素を含有する鋼板を該洗浄液に浸漬する鋼板の酸洗方法、及び、鋼板を支持する支持部と、鋼板を移動させる搬送機と、鋼板を酸洗する酸洗槽とを少なくとも備えた、珪素を含有する鋼板の連続酸洗装置であって、前記酸洗槽が、マイクロバブルを供給する手段と、28.0kHz以上1.0MHz未満の周波数の超音波であって、少なくとも2種類の周波数を有する超音波を印加する手段と、を有する鋼板の連続酸洗装置である。

Description

本発明は、鋼板の酸洗方法及び酸洗装置に関するものであり、特に、Siを含有する鋼板の製造工程で生成した酸化物スケールを効率良く除去する方法及び装置に関するものである。
鋼板の製造工程においては、種々の目的で鋼板表面の洗浄が行われている。例えば、めっきや塗装前の鋼板の洗浄や、熱延鋼板の酸洗による酸化物スケール除去(脱スケール)などが挙げられる。脱スケールに関しては、通常、鋼板は熱処理されて圧延される過程で鋼板の表面に酸化物スケールが生成するので、前記酸化物スケールを除去しなければならない。即ち、前記酸化物スケールは、後工程の冷間圧延時に圧延ロールに巻き込まれ鋼板表面の損傷原因になることが多いため、スケール除去は必要不可欠な工程となっている。従来の酸化物スケール除去に関しては、複数の酸性溶液中に鋼板を浸漬し、連続で通板させて、酸洗除去することが多い。
このような鋼板の洗浄の促進や高効率化、洗浄力の向上等は、洗浄液の設計によることが大きいが、さらに洗浄時に洗浄アシストする方法の1つとして、20〜100kHzの超音波を印加する方法が、特許文献1、2、3に記載されている。洗浄液中で超音波を印加すると、洗浄対象の鋼板表面でキャビテーション現象が発生して洗浄効果を促進する。即ち、超音波によって洗浄液中で局部的に圧力が低下して蒸気圧よりも低くなり、水蒸気の発生や溶解している気体が膨張して、小さな気泡や空洞が急速に形成され激しく崩壊することで、洗浄の化学反応を促進し、なおかつ衝撃力を与えて洗浄効果が促進されるものである。したがって、超音波の印加は、熱延鋼板の脱スケール酸洗にも有効である。
また、特許文献4や5では、洗浄液に固体粒子を分散させることで、超音波付加の効果がさらに助長されるとしている。
また、特許文献6には、マイクロバブルを付加することにより超音波付加による洗浄効果向上をさらに高めることができることが記載されている。洗浄液及び酸洗液に超音波のみを供給する場合に比べ、マイクロバブルを併用した場合、超音波の伝播が三次元的に広がるため、洗浄対象物を均一に洗浄することができる。
また、洗浄対象物がガラス基板や半導体用シリコンウエハであるが、特許文献7では、被洗浄物に、マイクロバブルを含んだ洗浄液を供給するとともに、複数の周波数を組み合わせた超音波を照射することが開示されている。複数の周波数を組み合わせる理由は、5〜800kHzの低周波超音波でマイクロバブルを圧壊してマイクロバブルラジカルを発生させるとともに、1MHz以上の高周波超音波で該マイクロバブルラジカルを効果的に混合するとしており、これによる効果的に洗浄できるとしている。
脱スケール酸洗には、硫酸、塩酸、硝酸及びフッ酸等を単独あるいは数種類を混合した酸洗溶液が用いられている。前記酸洗溶液の酸洗速度を増大させるために、酸濃度の増加及び酸洗温度の上昇等が図られてきたが、薬剤及びエネルギーコストの増大、酸洗後鋼材表面の肌荒れ等のマイナス面があることから、酸洗速度向上には限界があり、超音波が併用されている。しかしながら、鋼板の製造コスト低減や鋼板の高品質化が望まれ、鋼板の洗浄や脱スケールに関しても洗浄効率の更なる向上、及び鋼板の表面の清浄性向上が必要である。
特開平4−341588号公報 特開2003−313688号公報 特開平5−125573号公報 特開昭61−235584号公報 特開平10−251911号公報 特開2000−256886号公報 特開2007−253120号公報
鋼板の洗浄効果や効率を向上させるために鋼板の酸洗に超音波を併用しようとすると、超音波は指向性が高いため、超音波の発信機を鋼板の直下に設置する必要がある。その上、設置条件によっては期待された酸化物スケールの溶解速度が得られない場合や、幅方向に均一に酸洗することが難しいといった問題が発生する。
さらに、酸化物スケール除去の際に酸洗槽内で鋼板と酸の反応によって気泡が発生するため、低い周波数を使用した場合はこの気泡によって超音波伝播が阻害され、超音波による酸化物スケールの溶解性向上効果が低下するといった問題もある。
したがって、鋼板の酸洗において超音波照射を適用しようとしても、酸化物スケールの溶解速度向上を十分に達成することは難しい。
さらに近年の鋼板の高強度化や高機能化に伴い、鋼板には種々の元素が添加されている。そのため、酸化物スケールと鋼板の界面において添加元素が濃化することがある。前記添加元素の濃化層が形成された場合、酸洗において酸化物スケール溶解の不均一性が起きてしまう。
特に、添加元素に珪素(Si)がある場合には、酸洗溶液中のSi酸化物の溶解度が小さいため、従来の酸洗の方法にて処理すると溶解速度が遅くなることが経験的に知られている。さらに、一度溶解したSi酸化物スケールがゲル状に変化し、鋼板表面に再付着することも観察されている。
珪素鋼板等のSiを多く含む鋼板の場合、この現象はさらに顕著であり、酸化物スケール層の地鉄側に鋼中のSiが酸化物として濃化するため、酸化物スケール層と地鉄との間にできるSi酸化物層を溶解除去して、全体の酸化物スケールを除去する必要がある。
また、前述したように、酸化物スケール酸化物スケールSi酸化物スケールは酸洗溶液中のSiイオンの濃度によっては溶液中でゲル状になり、鋼板の表面に付着していることもあるため、この観点からも、Si酸化物スケールの完全な溶解除去が求められている。
この酸化物スケール、特にSi酸化物スケールの溶解除去に対して、従来の酸洗方法では、スケールの溶解速度が十分に得られていないのが現状である。そのため、酸洗のラインスピードが上げられず、効率のよい酸洗が行われていないだけでなく、生産性を上げられない要因ともなっている。
例えば、特許文献4や5では、超音波洗浄の洗浄液に固体粒子を分散させるというような方法もあるが、鋼板の酸洗において超音波照射を適用し、更に、洗浄液に固体粒子を単に分散させるだけでは、上記問題を解決できない。なぜなら、Siを含有する鋼板の酸洗では、洗浄速度が向上せず、均一に洗浄もできないからである。
特許文献6にあるように、マイクロバブルを付加した洗浄液に、単に超音波を照射しても、超音波の周波数に合わせたマイクロバブルの平均気泡径を選定しないと、超音波がマイクロバブルに衝突や反射するために減衰が激しく、十分な洗浄効果が得られなかったり、均一に洗浄できなかったりする。更に、特許文献7のように、1MHz以上の高周波超音波を含む複数の超音波を照射したとしても、マイクロバブルラジカルで洗浄できるのは汚染有機物に限られるので、必ずしも酸化物スケールの洗浄に効果があるわけではない。
更に、洗浄液中に固体粒子とマイクロバブルの両方を分散させることも考えられるが、実際に本発明者らが検討した結果、単に固体粒子とマイクロバブルの両方を洗浄液に加えても、固体粒子によってマイクロバブルの安定化が損なわれたり(マイクロバブルの凝集が起こったり)、固体粒子がマイクロバブルの中や気液界面に捕えられて洗浄液中に効率よく分散しなかったりして、むしろ、洗浄力が低下し、効果的な洗浄や均一に洗浄できなかった。
本発明は、こうした従来技術の抱える問題を解決し、Siを含有する鋼板の製造工程で生成した酸化物スケール(Si酸化物スケールを含む)を効率良く、均一に除去できる鋼板の酸洗方法及び酸洗装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決する手段を鋭意検討した結果、マイクロバブルを含有する酸性洗浄液に、少なくとも2種類の周波数の超音波を印加することにより、高周波の超音波が低周波の超音波に重畳し、高周波の超音波がより遠くへ伝播され易くなり、さらに、マイクロバブルで散乱されるため、鋼板表面に均一に、効率よく超音波が伝播されることを見出し、本発明に至った。2周波数の超音波を重畳することにより、超音波の腹部の固定がなく、超音波エネルギー伝播の均一性が向上する。
また、酸化物スケールやSi酸化物スケールの溶解除去には、超音波の周波数によりその効果が異なることも見出した。特に、28.0kHz以上1.0MHz未満の周波数の範囲で、2種類以上の周波数の超音波を印加すると、鋼板の酸化物スケールやSi酸化物スケールを効率よく、効果的に除去できることを見出した。
即ち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)珪素を含有する鋼板の酸洗浄方法において、酸洗浄液がマイクロバブルを含有し、当該酸洗浄液に少なくとも2種類の周波数を有する超音波を印加し、当該超音波の周波数が28.0kHz以上1.0MHz未満の周波数であることを特徴とする鋼板の酸洗浄方法。
(2)前記超音波の周波数のうち、最も低い周波数f1と最も高い周波数f2とが、
0.24≦|log(f1)−log(f2)|≦1.55
の関係にあることを特徴とする(1)記載の鋼板の酸洗浄方法。
(3)前記酸洗浄液に、平均粒子径0.05〜50μmのセラミックスまたは酸化鉄の粒子が含まれることを特徴とする(1)又は(2)に記載の鋼板の酸洗浄方法。
(4)前記マイクロバブルが、平均気泡径の異なるマイクロバブルを2種類以上混合したものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の鋼板の酸洗浄方法。
(5)前記粒子が、平均粒子径の異なる粒子を2種類以上混合したものであることを特徴とする(3)に記載の鋼板の酸洗浄方法。
(6)前記鋼板に対して凹型となる曲面を有する反射板を用いて前記印加した超音波を反射させることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の鋼板の酸洗浄方法。
(7)少なくとも酸洗浄槽と当該酸洗浄槽中の酸洗浄液に超音波を印加する超音波印加装置と前記酸洗浄槽に酸洗浄液を供給する酸洗浄液供給装置を備える鋼板の酸洗浄装置であって、前記酸洗浄液供給装置にマイクロバブルを供給する手段を有し、前記超音波印加装置が少なくとも2種類の周波数を有する超音波を印加することができ、当該超音波の周波数が28.0kHz以上1.0MHz以下であることを特徴する鋼板の酸洗浄装置。
(8)前記酸洗浄液供給装置に、さらに平均粒子径0.05〜50μmのセラミックスまたは酸化鉄の粒子を供給する手段を有することを特徴とする(7)記載の鋼板の連続酸洗浄装置。
(9)前記マイクロバブルを供給する手段が、平均気泡径の異なるマイクロバブルを2種類以上混合することができることを特徴とする(7)又は(8)に記載の鋼板の連続酸洗浄装置。
(10)前記粒子を供給する手段が、平均粒子径の異なる粒子を2種類以上混合することができることを特徴とする(8)に記載の鋼板の連続酸洗浄装置。
(11)前記酸洗槽の中を通過する鋼板に対して凹型となる曲面を有し、前記超音波を反射する反射板が、前記酸洗槽の中に設置されていることを特徴とする(7)〜(10)のいずれか1項に記載の鋼板の連続酸洗浄装置。
本発明によれば、珪素(Si)を含む鋼板の酸化物スケール除去を効率よく、効果的に行え、脱スケール痕のない清浄な表権を形成することができる。さらに、酸洗速度が向上することにより、生産性のよい鋼板の酸洗浄を行うことができる。
図1は、走行中の鋼板の洗浄を行う洗浄ラインにおいて、超音波振動子及び曲面を持った反射板を設置した例を示す説明図である。
図2は、走行中の鋼板の洗浄を行う洗浄ラインにおいて、超音波振動子及び平板の反射板を設置した例を示す説明図である。
図3は、走行中の鋼板の洗浄を行う洗浄ラインの例を示す説明図である。
図4は、洗浄槽とリンス槽からなる走行中の鋼板洗浄を行う洗浄ラインの例を示す説明図である。
図5は、洗浄対象物を洗浄液に浸漬して洗浄する場合の、超音波振動子及び反射板の設置例を示す説明図である。
図6は、洗浄対象物を洗浄液に浸漬して洗浄する場合の、洗浄槽の上から見た場合の超音波振動子及び反射板の設置例を示す説明図である。
本発明者らは、周波数が28.0kHz以上1.0MHz未満である超音波であって、前記周波数の範囲内で2種類以上の周波数を洗浄液に加えること、及び、マイクロバブルを洗浄液に加えることで、前記洗浄液は、Siを含有する鋼板の脱スケールに極めて有効であることを見出した。即ち、これまでスケール除去が困難とされてきたSiを含有する鋼板の酸化物スケールを容易に除去でき、かつ、均一に除去できるものである。
Siを含有する鋼板における酸化物スケールが、酸洗液に溶解する過程を詳細に調べてみると、酸化物スケールが鋼板表面から徐々に溶解し、鋼板との界面付近に達する最終段階において、Si系酸化物が濃化している層が存在し、この層の部分で、残りの酸化物スケールが鋼板表面より離脱するのが遅いことが分かった。例えば、Fe、Fe、やFeO等のFe系酸化物からなる酸化物スケールと、その下層(地鉄との界面)にFeSiO等のSi系酸化物からなる酸化物スケール(Si系酸化物の濃化層)とが存在し、前記Si系酸化物からなる層がスケール除去を困難にしていたが、上記本発明の洗浄液を用いると、容易に除去できることが明らかになった。
また、前記Si系酸化物の濃化層はゲル状になっている場合も多く、前記ゲル状Si系酸化物は、鋼板表面からは遊離しているものの、表面近傍に漂っている状態が観察される。更に、それらの一部が、鋼板の表面に再付着する現象も見られる。
しかしながら、上記本発明の洗浄方法を用いると、前記のようなゲル状の形態が表面近傍で漂っている現象は見られず、よって、再付着の現象も殆どなくなっていることが確認された。
これらの効果は、洗浄液に加えた、マイクロバブルと特定の周波数範囲の2種類の超音波との相乗的作用によるものと考えられる。
洗浄液に加えられたマイクロバブルの作用は、まず、超音波発生器からの超音波を散乱させ、洗浄対象物である鋼板の表面に均一に該超音波が当たるようになる。この際、マイクロバブルによる超音波の散乱は減衰が少ない。即ち、マイクロバブルは、洗浄物に対して超音波の伝播の効率を上げるものである。また、マイクロバブルには、次のような作用もある。洗浄液の酸と超音波によって、鋼板の表面から剥離された酸化物スケール、特に、Si系酸化物等をマイクロバブルの気液界面や気泡の中に取り込み、洗浄液や超音波の洗浄作用を維持するというものである。また、ゲル状のSi系酸化物の再付着を抑制するという働きもある。
このようなマイクロバブルの作用を得るには、平均気泡径が0.01〜100μmであるマイクロバブルを洗浄液に加えればよい。平均気泡径は、マイクロバブルの直径に個数分布において、標本数が最大である直径をいう。平均気泡径が0.01μm未満の場合、バブル発生装置が大型になり、気泡径を整えてのバブルの供給が難しい場合がある。平均気泡径が100μm超の場合、バブル浮上速度が増加し、洗浄液中でのバブルの寿命が短くなって現実的な洗浄が出来なくなる場合がある。また、気泡径が大きすぎると、超音波の伝播がマイクロバブルにより阻害される場合があり、超音波の持つ洗浄力向上の効果が低下してしまう場合が生じる。Siを含有する鋼板の酸化物スケールを除去する場合において、上述のようなマイクロバブルの作用をより効果的に得るには、マイクロバブルの平均気泡径が0.01〜100μmであるのが好ましい。更に、好ましくは、0.1〜80μmである。
また、該マイクロバブルの洗浄液中の濃度(密度)は、5百個/ml〜50万個/mlが好ましい。5百個/ml未満では、上述のマイクロバブルの作用が十分得られない場合がある。50万個/ml超では、バブル発生装置が大型になったり、バブル発生装置の台数を増やすことになったりして、マイクロバブルの供給が現実的でない場合がある。Siを含有する鋼板の酸化物スケールを除去する場合において、上述のようなマイクロバブルの作用をより効果的に得るには、マイクロバブルの濃度が5千個/ml〜50万個/mlであるのが好ましい。更に、好ましくは、1万個/ml〜50万個/mlである。
上記マイクロバブルの平均気泡径や濃度(密度)は、液中パーティクルカウンターや気泡径分布計測装置等で計測できる。例えば、SALD−7100(島津製作所)、Multisizer4(Beckman Coulter)、VisiSizer system(日本レーザー)、音響式気泡径分布測定装置(ABS)(西日本流体技研)、LiQuilaz−E20/E20P(ソナック)、KS−42D(リオン)などの装置がある。本発明の実施例における、マイクロバブルの気泡径及び濃度は、前記パーティクルカウンターや気泡径分布計測装置、或いは前記装置と同等の計測器で計測されたものである。尚、ここでいう平均気泡径とは数平均気泡径である。
マイクロバブル発生の基本機構は、気泡のせん断、気泡の微細孔通過、気体の加圧溶解、超音波、電気分解、化学反応等があり、本発明ではどの方法を用いてもよい。マイクロバブルの気泡径と濃度が容易に制御できるマイクロバブル発生方法が好ましい。例えば、せん断方式でマイクロバブルを発生した後に、洗浄液を所定サイズの微細孔を持つフィルターに通すことにより、マイクロバブルの気泡径を制御し、洗浄に使用できる。
超音波の周波数は、上述のように、28kHz以上〜1MHz未満の周波数が好ましい。この周波数の範囲内で、周波数(波長)の異なる2種類以上の超音波をマイクロバブルとともに洗浄液に加えると、Siを含有する鋼板の脱スケールに有効となる。以下のような作用によるものと考える。
まず、超音波の波長と、除去し易いスケールの厚さとは、特定の関係にあり、波長が大きくなるほど(周波数が低くなるほど)、除去し易いスケールの厚さは大きくなる。例えば、38kHzでは10〜30μm程度の厚さのスケール除去に優れるのに対し、100kHzでは1〜5μm程度の厚さのスケール除去に優れている。概ね、超音波の波長L(mm)と除去し易いスケールの厚さS(μm)との間には、経験的に次のような関係式が成り立つ。
S=1000×(L/3500)
また、超音波の波長L(mm)は、音速をV(m/s)とすると、超音波の周波数F(Hz)から、
L=1000×(V/F)
で求められる。水中での音速Vが1444m/sとすると、38kHzでは、L=38mmとなり、S=11μmと計算される。100kHzでは、L=14.4mmとなり、S=4μmと計算される。
したがって、酸化物スケールのような均一な厚さではなく、厚さに幅がある付着物に対しては、周波数の異なる2種類以上の超音波を加えることで、どのような厚さの酸化物スケールに対しても幅広く作用することになる。
また、超音波の発信器から発生する超音波は、除去対象物である酸化物スケールに達するまで出来るだけ減衰しないことが好ましい。一般的には、高周波数の超音波は減衰し易く、低周波数の超音波は減衰し難く発信器から遠くまで大きな減衰をせずに届く。したがって、同じ発信強度であれば、低い周波数の超音波ではその強度は減衰せず、酸化物スケール除去性は維持されるが、高い周波数の超音波では、その強度が減衰するために酸化物スケール除去性に問題が生じる。特に、発信器の位置から鋼板までの距離が大きい場合や、マイクロバブルで超音波を散乱さる場合(実質的な超音波伝達距離が大きくなる)には、高い周波数の超音波の減衰が顕著に現れる。
しかしながら、マイクロバブルが含まれる洗浄液において、高い周波数の超音波と同時に低い周波数の超音波も照射すると、高い周波数の超音波によると思われるサイズの酸化物スケールも効率よく除去できることが確認された。特に、式1の関係にある周波数の超音波を少なくとも2種類照射するとより顕著な除去効果が得られることを見出した。
0.24≦|log(f1)−log(f2)|≦1.55 ・・・(式1)
即ち、式1の関係にあるf1の周波数の超音波とf2の周波数の超音波の2種類を少なくとも含む超音波を、マイクロバブルが含まれる洗浄液中に照射すると、前記洗浄液中に浸漬された珪素(Si)含有鋼板の酸化物スケールの除去が更に効率よく、均一に行われる。3以上の周波数を含む超音波の場合、最も低い周波数f1と最も高い周波数f2とが、式1を満たすようにするとよい。
式1の関係にある高い周波数の超音波と低い周波数の超音波の組み合わせにすると、減衰し難い低い周波数の超音波に高い周波数の超音波が重畳して、高い周波数の超音波も減衰せずに(減衰が抑制されて)鋼板まで到達するものと考えられる。そのために、酸化物スケールを効率よく均一に除去できるものと推測される。この効果は、脱スケールが困難であるSiを含有する鋼板で特に有効なものとなる。
Siを含有する鋼板の脱スケールに対して、上記複数の周波数を有する超音波をマイクロバブルが含まれる洗浄液中に照射すると、効果的に酸化物スケールを除去できるのは、上述のSi系酸化物からなる層に超音波が効果的に作用しているからであるとも推測される。上述のように、低い周波数の超音波に高い周波数の超音波が重畳して照射されることで、Fe系酸化物からなる酸化物スケールの下層にあるSi系酸化物からなる酸化物スケールにも超音波が効果的に作用して脱スケールを容易にしているとも考えられる。
また、上述のような条件で超音波を照射すると、その物理的な衝撃で酸化物スケールにクラックを発生させ、このクラックを通じて酸性洗浄液がスケール内部まで浸透することで効率良く脱スケールをすることができるとも解することができる。
ここで、超音波の周波数は、28.0kHz以上〜1.0MHz未満の範囲である必要がある。28kHz未満の周波数を使用した場合、鋼板と酸洗液の反応により、鋼板表面から500μm以上の気泡が発生し、この大きな気泡によって超音波伝播が阻害され、超音波の溶解性向上効果が低下する。一方、1MHz以上の周波数を使用した場合、超音波の直進性が強くなり洗浄の均一性が低下する場合がある。1MHz以上の周波数の超音波では、マイクロバブルが存在しても、超音波が洗浄液中を散乱し難くなり、酸化物スケールを均一に洗浄できないからである。
より好ましくは、35〜430KHz、更に好ましくは、35〜200KHzの範囲で周波数を設定するとよい。
本発明による酸洗方法は、鋼板中のSiの含有量が、0.1質量%〜7.00質量%である鋼板で優れた脱スケールの効率向上の効果が得られることが確認されている。ここで、脱スケールの効率向上効果とは、同じ液条件であれば、より短時間で(より早い通板速度)で脱スケールを完了することができ、同じ時間であれば、より低温若しくは酸濃度が低い条件でも脱スケールを完了することができるという効果をいう。
0.75質量%〜7.00質量%である鋼板で更に優れた脱スケールの効率向上の効果が得られ、1.0〜3.5質量%である鋼板ではより著しい脱スケールの効率向上の効果が得られる。鋼板中に含まれるSiの含有量が0.75質量%以上になると、Si系酸化物からなる層が生成しやすいため、顕著な脱スケールの効率の向上効果が得られ、1.0質量%以上では脱スケールの効率向上効果は確実に得られる。一方、鋼板中に含まれるSiの含有量が7.00質量%を超えると酸化物スケールの構造が変わらなくなるため、得られる脱スケールの効率の向上効果は変わらなくなり、それ以上では脱スケール効率が一定となる場合がある。特に3.5質量%以上になると、脱スケール性がしだいに悪くなり超音波とマイクロバブルを適用しても脱スケールし難くなる。従って、効果がより顕著に出るのは1.0〜3.5質量%である。
次に、粒子を添加した場合の効果について説明する。洗浄液に粒子、例えば、マグネシア(MgO)、アルミナ(Al)、窒化珪素(Si)、シリカ(SiO)等のセラミックス粒子や酸化鉄(Fe、Fe)粒子を入れることで、超音波によるキャビテーションによる洗浄性向上に加え、粒子が洗浄物表面に衝突することによる衝撃力で、酸化物スケールをより効果的に取り除くことができる。更に、粒子サイズをマイクロバブルのサイズの半分程度にすることにより、超音波の伝播を阻害せずに粒子の衝突による衝撃力を確保して脱スケールの効率がより向上する。前記粒子の添加による脱スケール向上の効果は、1種類の周波数の超音波を照射した場合でも得られるが、上述のような周波数(波長)の異なる2種類以上の超音波を照射した場合には、さらに顕著になる。
使用する粒子サイズ(平均粒子径)は0.05〜50μmであるが、より好ましくは、0.05〜30μmである。粒子の液中の濃度としては数百個/ml〜数万個/mlが好ましい。さらに、液中濃度としては、5百個/ml〜5千個/mlが好ましい。平均粒子径が0.05μm未満の粒子を使用した場合、粒子が洗浄物表面に衝突する衝撃力が弱くなり、脱スケールの向上が期待できない場合がある。また、粒子径が小さ過ぎると、マイクロバブルの中や気液界面に粒子が捕獲されて、超音波を照射しても粒子が洗浄物表面に衝突できず、粒子添加による脱スケールの向上効果が得られない場合がある。平均粒子径が50μm超の粒子を使用した場合、超音波の伝播及びマイクロバブルの洗浄物表面への移動を阻害するため洗浄力の低下が起こる。また、大きな粒子になると、該粒子表面にマイクロバブルを付着させてしまい、実質的に有効なマイクロバブルの濃度が低下するので十分な洗浄力が得られなくなる。なお、本発明における粒子の粒子径の測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法や細孔電気抵抗法を用いた粒度分布測定装置や画像解析から粒度分布を測定する方法が挙げられる。また、ここでいう平均粒子径は数平均粒子径のことを意味する。
また、共存するマイクロバブルと粒子との関係は、マイクロバブルの平均気泡径Dmに対する粒子の平均粒子径Dpが、Dm/2≦Dp≦2×Dmであるのがより好ましく、Dm/2≦Dp≦Dmであればさらに好ましい。Dp<Dm/2だと、粒子が衝突することによって与えるエネルギーが小さくなるため効果が小さくなる。また、Dp>2×Dmだと、粒子が超音波の伝播やマイクロバブルの均一な分布を妨げるため効果が小さくなる。前記のような関係にあると、マイクロバブルの安定性がより向上し、マイクロバブルと粒子が超音波を効果的に散乱でき、更に粒子の洗浄対象物表面への衝突が効果的になり、これらの結果、優れた脱スケール効果が得られ、均一な脱スケールを行うことができるものと考えられる。
また、粒子のサイズに関し、0.05〜50μmの平均粒子径の範囲の中で、平均粒子径の異なる2種類以上の粒子を混合したものがより好ましい。前記2種類の平均粒子径としては、3〜20μmの範囲と20μm超50μm以下の範囲との2種類以上を組み合わせるのが更に好ましい。
また、マイクロバブルのサイズに関し、平均気泡径の異なる2種類以上のマイクロバブルを混合したものであるのがより好ましい。前記2種類の平均気泡径としては、0.1〜35μmの範囲と35μm超100μm以下の範囲との2種類以上を組みわせるのが更に好ましいい。
マイクロバブルの気泡径は超音波周波数に合わせて選定する必要があり、超音波の周波数が28KHz〜1.0MHzでは
0.22≦|log(m1)−log(m2)|≦1.52
とすることが望ましい。
ここでm1.m2はマイクロバブルの気泡径(μm)である。
超音波周波数がより好ましい範である35〜430kHzでは
0.28≦|log(m1)−log(m2)|≦1.08
が望ましい。
さらに好ましい超音波周波数範囲の35〜200kHzでは
0.28≦|log(m1)−log(m2)|≦0.75
が望ましい。
本発明に係る酸性洗浄液(酸洗浄液)は、通常の酸化物スケール除去用の酸洗液でよい。例えば、塩酸水溶液、硫酸水溶液、フッ酸水溶液(フッ化水素酸)あるいはこれらの溶液に硝酸、酢酸、蟻酸などが含まれる水溶液が使用できる。酸洗液の酸の濃度は、特に限定されないが、2質量%〜20質量%の範囲である。2質量%未満では、酸化物スケールを溶解する速度が十分得られない場合がある。20質量%を超えると、酸洗槽の腐食が著しくなる場合があったり、リンス槽を大きくする必要が出てきたりする場合がある。
また、前記酸洗液に、Fe2+イオンを添加してもよい。Fe2+イオン濃度は、30〜150g/Lがより好ましい。30g/L未満では、安定した酸洗が出来ない場合がある。150g/Lを超えると、酸洗速度が遅くなる場合がある。また、前記酸洗液に、Fe3+イオンを添加してもよい。
酸洗液の温度は、特に限定されないが、酸洗効率や温度管理等の理由で常温から97℃であるのがより好ましい。
本発明のように、洗浄液に超音波とマイクロバブルを併用した場合、洗浄槽全体に均一に超音波が伝わることが望ましい。これによって洗浄の均一性が上がるが、洗浄槽壁等、洗浄対象物以外にも超音波が伝播し、エロージョンによるエネルギーロス等が生じ、振動子にかけた出力が無駄になってしまう場合がある。そのため、洗浄槽内に超音波の反射板を設置することで、超音波を洗浄物に対して有効に伝えることができる。設置方法としては、図1に示すような洗浄物に対して凹型となる曲面を持ち洗浄物を挟む形で設置するのが好ましい。図2に示すような位置に平板の反射板を設置することでも効果が期待できる。反射板は、硬く密度が高い材質が望ましい。例えば、鋼板やSUS板、セラミックス等が考えられる。また、酸洗等での耐薬品性が必要な場合には、耐酸レンガ等のセラミックス部材の使用が考えられる。
鋼板の酸洗方法は、図3に示すような酸洗槽1からなる洗浄ライン、及び、図4に示すような酸洗槽1とリンス槽8からなる酸洗浄装置が一般的である。これらの酸洗装置に、鋼板2を通板して脱スケール処理を行う。このとき、酸洗槽1とリンス槽8はそれぞれ2つ以上組み合わされていても良い。これらの酸洗浄装置の酸洗液供給ライン(装置)にマイクロバブル発生装置や微粒子添加装置を設置し、酸洗液4に所定サイズのマイクロバブルや微粒子を添加し酸洗槽1内に入れる。超音波振動子3の設置場所は、酸洗液4中であれば槽底面・側面を問わず、どの位置に設置してもよい。また、さらに振動面の向きにも制限がない。さらに、リンス槽8のある洗浄ラインの場合、リンス槽8内にも超音波・マイクロバブル・微粒子を必要に応じて導入することができる。これにより、リンスの効率も向上させることができる。
上記鋼板の酸洗方法は、酸洗槽1に鋼板2を浸漬しての脱スケールにも適用可能である。この場合にも、酸洗液4にマクロバブルや微粒子が添加されていれば、超音波振動子3の位置に制限はない。また、反射板5は、図5、図6に示すように洗浄物9を囲むような円筒形のものを使用することが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
珪素(Si)を用いた熱延鋼材を用いて酸化物スケールの除去試験(酸洗)を実施した。鋼板の成分酸化物スケールは、C:0.061質量%、Si:0.89質量%、Mn:1.19質量%、P:0.018質量%、S:0.0018質量%、Al:0.04質量%、Ni:0.021質量%、Cr:0.084質量%、Cu:0.016質量%、残部Fe及び不可避的不純物である。鋼板表面に酸化物スケールが3〜15μmあるものを試験に用いた。酸洗液として塩酸(HCl)水溶液を用い、試験中、塩酸が6〜9質量%の範囲内になるように調整、制御した。更に、溶液中のFe2+が80g/Lになるように、FeClを添加した。また、Fe3+に関しても同様に、溶液中のFe3+が1g/Lになるように、FeClも添加した。酸洗液の温度は、85℃(±5℃)になるように加温した。
超音波発生装置は出力1200Wであり、振動子はSUS製で表面を耐酸加工したものを用い、表1に示した周波数で試験を行った。酸洗試験前に、表1に示した平均気泡径のマイクロバブル、表1に示した平均粒子径のMgO粒子をHCl水溶液中に分散添加し、超音波を印加してから酸洗試験を行った。マイクロバブルの発生は、OHR流体研究所製 2FKV−27M/MX−F13を用いた。酸洗槽に鋼板を100m/minの速度で走行させ、脱スケール試験を行った。前記マイクロバブルの気泡径の測定は、気泡径分布計測装置を用いた。前記MgO粒子の粒子径の測定は、レーザー回折散乱型粒度分布測定装置(リオン製KS−42Dを用いた。
評価方法としては、30秒酸洗処理後の鋼板表面の酸化物スケール除去面積率が、100%以下〜95%以上の場合:AA、95%未満〜90%以上の場合:A、90%未満〜85%以上の場合:BB、85%未満〜80%以上の場合:B、80%未満〜70%以上の場合:BC、70%未満〜60%以上の場合:C、60%未満〜50%以上の場合:CD、50%未満〜40%以上の場合:D、40%未満の場合:Xとした。
表1に、評価結果を示す。マイクロバブルを導入した酸洗液に、28.0kHz以上1.0kHz未満の周波数の超音波を用いて、2種類の周波数で超音波を照射すると、酸化物スケールの除去が効果的にできた。
Figure 2011067955
(実施例2)
次に実施例1と同じ鋼材酸化物スケール酸化物スケールで、表面に酸化物スケールが5〜20μmある鋼板を用いて脱スケール処理を行った。酸洗液、マイクロバブル、添加粒子、超音波印加装置は、実施例1と同じでとし、実施例1と同様に、30秒酸洗処理後の鋼板表面の酸化物スケール除去面積率で評価した。
表2に、評価結果を示す。マイクロバブルを導入した酸洗液に、28.0kHz以上1.0kHz未満の周波数の超音波を用いて、2種類の周波数で超音波を照射すると、実施例1と同様に酸化物スケールの除去が効果的にできることが確認された。
Figure 2011067955
Figure 2011067955
(実施例3)
次にSiの含有量の異なる鋼材を用いて酸化物スケールの除去試験(酸洗)を実施した。鋼材としては、表3に示したSi含有量で、C:0.061質量%、Mn:1.01質量%、P:0.015質量%、S:0.0017質量%、Al:0.03質量%、Ni:0.020質量%、Cr:0.085質量%、Cu:0.015質量%、残部Fe及び不可避的不純物である。試験に用いた試験材は、鋼板表面に酸化物スケールが3〜25μmあるもので、この試験材24枚の酸化物スケール厚さの平均は10μmであった。酸洗液としてHCl水溶液を用い、試験中、塩酸が6〜9質量%の範囲内になるように調整、制御した。更に、溶液中のFe2+が75g/Lになるように、FeClを添加した。また、Fe3+に関しても同様に、溶液中のFe3+が1.1g/Lになるように、FeClも添加した。酸洗液の温度は、85℃(±5℃)になるように加温した。
超音波発生装置は、実施例1、2と同様で出力1200Wであり、振動子はSUS製で表面を耐酸加工したものを用い、表3に示した周波数で試験を行った。酸洗試験前に、表3に示した平均気泡径のマイクロバブル、及び、表3に示した平均粒子径のアルミナ粒子をHCl水溶液中に分散させ、超音波を印加してから酸洗試験を行った。洗浄槽に鋼板を100m/minの速度で走行させ、脱スケール試験を行った。前記マイクロバブルの気泡径の測定は、気泡径分布計測装置を用いた。前記アルミナ微粒子の粒子径の測定は、レーザー回折散乱型粒度分布測定装置を用いた。
評価方法としては、40秒酸洗処理後の鋼板表面の酸化物スケール除去面積率が、100%以下〜95%以上の場合:AA、95%未満〜90%以上の場合:A、90%未満〜85%以上の場合:BB、85%未満〜80%以上の場合:B、80%未満〜70%以上の場合:BC、70%未満〜60%以上の場合:C、60%未満〜50%以上の場合:CD、50%未満〜40%以上の場合:D、40%未満の場合:Xとした。
表3に、評価結果を示す。Siの含有量が、0.1質量%〜7.00質量%である鋼板で優れた脱スケールの効率向上の効果が得られた。
Figure 2011067955
Figure 2011067955
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、鉄鋼の製造過程における鋼板の酸洗浄において利用することができる。
1 洗浄槽
2 走行する鋼板
3 超音波振動子
4 マイクロバブルと微粒子を含んだ洗浄液
5 反射板
6 ロール
7 リンス液
8 リンス槽
9 洗浄物

Claims (11)

  1. 珪素を含有する鋼板の酸洗浄方法において、酸洗浄液がマイクロバブルを含有し、当該酸洗浄液に少なくとも2種類の周波数を有する超音波を印加し、当該超音波の周波数が28.0kHz以上1.0MHz未満の周波数であることを特徴とする鋼板の酸洗浄方法。
  2. 前記超音波の周波数のうち、最も低い周波数f1と最も高い周波数f2とが、
    0.24≦|log(f1)−log(f2)|≦1.55
    の関係にあることを特徴とする請求項1記載の鋼板の酸洗浄方法。
  3. 前記酸洗浄液に、平均粒子径0.05〜50μmのセラミックスまたは酸化鉄の粒子が含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼板の酸洗浄方法。
  4. 前記マイクロバブルが、平均気泡径の異なるマイクロバブルを2種類以上混合したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼板の酸洗浄方法。
  5. 前記粒子が、平均粒子径の異なる粒子を2種類以上混合したものであることを特徴とする請求項3に記載の鋼板の酸洗浄方法。
  6. 前記鋼板に対して凹型となる曲面を有する反射板を用いて前記印加した超音波を反射させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼板の酸洗浄方法。
  7. 少なくとも酸洗浄槽と当該酸洗浄槽中の酸洗浄液に超音波を印加する超音波印加装置と前記酸洗浄槽に酸洗浄液を供給する酸洗浄液供給装置を備える鋼板の酸洗浄装置であって、前記酸洗浄液供給装置にマイクロバブルを供給する手段を有し、前記超音波印加装置が少なくとも2種類の周波数を有する超音波を印加することができ、当該超音波の周波数が28.0kHz以上1.0MHz以下であることを特徴する鋼板の酸洗浄装置。
  8. 前記酸洗浄液供給装置に、さらに平均粒子径0.05〜50μmのセラミックスまたは酸化鉄の粒子を供給する手段を有することを特徴とする請求項7記載の鋼板の連続酸洗浄装置。
  9. 前記マイクロバブルを供給する手段が、平均気泡径の異なるマイクロバブルを2種類以上混合することができることを特徴とする請求項7又は8に記載の鋼板の連続酸洗浄装置。
  10. 前記粒子を供給する手段が、平均粒子径の異なる粒子を2種類以上混合することができることを特徴とする請求項8に記載の鋼板の連続酸洗浄装置。
  11. 前記酸洗槽の中を通過する鋼板に対して凹型となる曲面を有し、前記超音波を反射する反射板が、前記酸洗槽の中に設置されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の鋼板の連続酸洗浄装置。
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