JPWO2010092798A1 - 発光素子の製造方法と発光素子、および発光装置の製造方法と発光装置 - Google Patents

発光素子の製造方法と発光素子、および発光装置の製造方法と発光装置 Download PDF

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Abstract

発光素子の製造方法では、第1ステップで、基板1における一方の主面上に、陽極2を形成し、第2ステップで、少なくとも陽極2の上方に、ホール注入層3を形成し、第3ステップで、少なくともホール注入層3の上を、保護膜40で覆い、第4ステップで、保護膜40の上に、一部領域に保護膜が露出する開口5aを有するバンク5を、ウェットプロセスを用い形成し、第5ステップで、保護膜40における開口5aから露出する部分を、ホール注入層3の一部が露出するまで除去し、第6ステップで、開口5aから露出したホール注入層3の上に、発光層を形成する。第7ステップで、発光層の上方に陰極を形成する。そして、保護膜40は、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し耐性を有する。

Description

本発明は、発光素子の製造方法と発光素子、および発光装置の製造方法と発光装置に関する。
近年、研究・開発が進んでいる有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と記載する。)は、固体蛍光性物質の電界発光現象を利用した発光素子である。有機EL素子は、陽極と陰極との間に有機発光層が介挿された構造を有する。なお、陽極と有機発光層との間、および陰極と有機発光層との間には、それぞれ電荷注入層や電荷輸送層が介挿された構造を採る場合がある。
ここで、従来の有機EL素子では、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料を用い電荷注入層などが形成されていたが、遷移金属酸化物などの金属化合物を用い電荷注入層を形成することが提案されている(例えば、特許文献1などを参照)。金属化合物を用い電荷注入層を形成する場合には、PEDOTを用い形成する場合に比べて、素子における電圧−電流密度特性が優れ、また、大きな電流を流して強い発光強度を得る場合にも劣化し難い、というような優位性を有する。
ところで、発光層は、陽極上に形成された電荷注入層および電荷輸送層の上に、井桁状あるいはライン状のバンクをウェットプロセスを用い形成した後、インクジェット法や印刷法などにより形成される。
特開2005−203339号公報
ところで、上記のように、電荷注入輸送層として金属化合物を適用した構成においても、発光特性について更なる改善を図る必要がある。
本発明は、上記要望を鑑みてなされたものであって、高い発光特性を有する発光素子の製造方法と発光素子、および発光装置の製造方法と発光装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、次のステップを実行することを特徴とする。
(第1ステップ)基板における一方の主面上に、電極を形成する。
(第2ステップ)少なくとも電極の上方に、金属化合物を有してなる層を形成する。
(第3ステップ)少なくとも金属化合物を有してなる層の上を、保護膜で覆う。
(第4ステップ)保護膜の上に、一部領域に保護膜が露出する開口を有するバンクを、ウェットプロセスを用い形成する。
(第5ステップ)保護膜における上記開口から露出する部分を、金属化合物を有してなる層の一部が露出するまで除去する。
(第6ステップ)第5ステップの実行により、上記開口から露出した前記金属化合物を有してなる層の上に、発光層を形成する。
(第7ステップ)上記発光層の上方に、上記第1電極と極性の異なる第2電極を形成する。
そして、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、保護膜が、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し耐性を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、金属化合物を有してなる層(以下では、「金属化合物層」と記載する。)の上を、保護膜で覆い、その状態でバンク形成を実行する。そして、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し、保護膜が耐性を有することを特徴とする。よって、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行によっても、保護膜で上面が覆われた金属化合物層は浸食を受けることがない。
従って、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、高い精度で金属化合物層の厚みを確保することができ、高い発光性能を有する発光素子を製造することができる。
また、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、上述のように、第4ステップにおけるウェットプロセスが実行される間、金属化合物層の上面が保護膜で覆われており、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行が終了してから保護膜の一部を除去し(第5ステップ)、その上に発光層を積層形成する(第6ステップ)ので、金属化合物層と発光層との間に、バンク形成に起因する不純物が介在することがない。
従って、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、金属化合物層と発光層との間に不純物が介在せず、高い発光性能を有する発光素子を製造することができる。
以上より、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
実施の形態1に係る発光装置100の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 実施の形態1に係る発光装置100の製造工程の一部を、順に示す模式端面図である。 実施の形態1に係る発光装置100の製造工程の一部を、順に示す模式端面図である。 発光装置100の要部構成を示す模式端面図である。 発光装置100におけるバンク5の形状を示す模式平面図である。 発光装置100の製造途中における詳細構成を示す模式端面図である。 発光装置100の構成の内、バンク5の下部における詳細構成を示す模式端面図である。 実施の形態2に係る発光装置の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 実施の形態2に係る発光装置の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 実施の形態3に係る発光装置の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 実施の形態3に係る発光装置の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 変形例としてのバンク形状を示す模式平面図である。
[本発明の一態様を得るに至った経緯]
本発明者等は、従来の金属化合物を用い形成された電荷注入層を採用する場合において、バンクの形成時のウェットプロセスで用いられる液により電荷注入層の表面が浸食されてしまうという問題があることを見出した。そして、電荷注入層が一部浸食されてしまった場合には、その浸食の度合によって電荷注入層の膜厚が変化する結果、発光特性のバラツキを生じることがあることを究明した。
また、本発明者等は、電荷注入層を形成した後、発光層を積層形成するまでの間に、バンクの形成などの工程が実行されることにより、電荷注入層の表面に不純物が付着してしまうという問題を生じ得ることも見出した。このように、不純物が付着したりした電荷注入層の上に発光層を積層形成した場合には、有機EL素子の発光特性の低下を招くことになることを究明した。このため、本発明者等は、上記のような問題の解決を図ろうと鋭意研究し、発光層の下部に金属化合物を有してなる層を備えながら、バンク形成に伴う浸食や不純物の付着を抑制することができ、高い発光特性を有する発光素子の製造方法と発光素子、および発光装置の製造方法と発光装置を提供することを目的として、本発明を行った。
[本発明の一態様の概要]
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、次のステップを実行することを特徴とする。
(第1ステップ)基板における一方の主面上に、第1電極を形成する。
(第2ステップ)少なくとも第1電極の上方に、金属化合物を有してなる層を形成する。
(第3ステップ)少なくとも金属化合物を有してなる層の上を、保護膜で覆う。
(第4ステップ)保護膜の上に、一部領域に保護膜が露出する開口を有するバンクを、ウェットプロセスを用い形成する。
(第5ステップ)保護膜における上記開口から露出する部分を、金属化合物を有してなる層の一部が露出するまで除去する。
(第6ステップ)第5ステップの実行により、上記開口から露出した前記金属化合物を有してなる層の上に、発光層を形成する。
(第7ステップ)上記発光層の上方に、第1電極と極性の異なる第2電極を形成する。
そして、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、保護膜が、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し耐性を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、金属化合物を有してなる層の上を、保護膜で覆い、その状態でバンク形成を実行する。そして、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し、保護膜が耐性を有することを特徴とする。よって、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行によっても、保護膜で上面が覆われた金属化合物を有してなる層は浸食を受けることがない。
従って、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、高い精度で金属化合物層の厚みを確保することができ、高い発光性能を有する発光素子を製造することができる。
また、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、上述のように、第4ステップにおけるウェットプロセスが実行される間、金属化合物を有してなる層の上面が保護膜で覆われており、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行が終了してから保護膜の一部を除去し(第5ステップ)、その上に発光層を積層形成する(第6ステップ)ので、金属化合物を有してなる層と発光層との間に、バンク形成に起因する不純物が介在することがない。
従って、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、金属化合物を有してなる層と発光層との間に不純物が介在せず、高い発光性能を有する発光素子を製造することができる。
以上より、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、前記第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液による浸食に対し、金属化合物を有してなる層よりも高い耐性を有し、また、第5ステップが、前記保護膜における前記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理において用いられる液による浸食に対し、保護膜よりも高い耐性を有することを特徴とする。
上記のように、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理において用いられる液による浸食に対し、保護膜よりも高い耐性を有するという特徴を採用する場合には、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行によっても、より確実に金属化合物を有してなる層の浸食を防止できる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、金属化合物を有してなる層に対し、同一の処理液に関して、異なるエッチングレートを示すことを特徴とする。
このように、保護膜と金属化合物を有してなる層とが、同一処理液に対して異なるエッチングレートを示すという特徴を採用する場合には、より確実に金属化合物を有してなる層の浸食を防止できる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し、金属化合物を有してなる層よりもエッチングレートが低く、また、第5ステップが、保護膜における上記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理において用いられる液に対し、保護膜よりもエッチングレートが低いことを特徴とする。
このように、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理において用いられる液に対し、保護膜よりもエッチングレートが低いという特徴を採用する場合には、第5ステップにおける保護膜の除去に際して、金属化合物を有してなる層を確実に保護することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第5ステップが、保護膜における上記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、保護膜が、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液によっては浸食されることなく、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液により浸食され、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液によっては浸食されないことを特徴とする。
このような構成を採用する場合には、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行の際に保護膜により金属化合物を有してなる層が確実に保護され、第5ステップの実行により、金属化合物を有してなる層を確実に保護しながら、開口相当部分の保護膜を除去することができる。このため、第6ステップの実行により、金属化合物を有してなる層の上に発光層が積層形成されることになり、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第4ステップにおけるウェットプロセスが、現像により前記バンクを形成する現像処理と、現像処理後に行われる洗浄処理とを含み、第5ステップが、エッチング処理後に洗浄する処理を含むことを特徴とする。そして、保護膜が、第4ステップにおける現像処理および洗浄処理で用いられる各々の液によっては浸食されることなく、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液により浸食され、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液によっては浸食されることなく、第5ステップにおける洗浄処理で用いられる液により浸食されることを特徴とする。
上記のように、保護膜が第4ステップにおける現像処理および洗浄処理で用いられる各々の液によっては浸食されないので、第4ステップの実行中における金属化合物を有してなる層を確実に保護することができる。また、保護膜が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液により浸食されるので、第5ステップにおけるエッチング処理の実行により、上記開口相当部分の保護膜を確実に除去することができる。
さらに、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液によっては浸食されることなく、第5ステップにおける洗浄処理で用いられる液により浸食されるので、第6ステップで積層形成される発光層が、金属化合物を有してなる層との間に不純物を介在することがない。よって、上記構成を採用する場合には、発光層の下部に金属化合物を有してなる層を備えながら、バンク形成(第4ステップ)に伴う浸食や不純物の付着を抑制することができ、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第5ステップで、金属化合物を有してなる層を、洗浄処理で用いられる液により浸食させて、その内面部を露出させ、第6ステップで、金属化合物を有してなる層の上記露出した内面部の上に、発光層を形成することを特徴とする。
このように、第5ステップで、金属化合物を有してなる層を、洗浄処理で用いられる液により浸食させて、その内面部を露出させ、当該露出させた部分に発光層を積層形成するので、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第5ステップで、保護膜における上記開口から露出する部分を除去するとともに、金属化合物を有してなる層の上記一部を除去して、金属化合物を有してなる層の内面部の一部を露出させ、第6ステップで、金属化合物を有してなる層の上記露出した内面部の一部の上に、発光層を形成することを特徴とする。
このような特徴を採用する場合には、第6ステップで発光層を形成する際に、インクを保持する能力を高く維持することができる。即ち、金属化合物を有してなる層の上記露出した内面部の一部が、インクを保持する能力が高いため、発光層の積層形成時のインクを保持する能力を高く維持することができ、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第5ステップで、保護膜における上記開口から露出する部分を除去し、保護膜における前記バンクに対応する部分を除去させることなく残存させることを特徴とする。
このような特徴を採用する場合には、保護膜における上記開口に対応する部分を除去することで、金属化合物を有してなる層の上に発光層を積層形成することができ、電荷注入性が良好となる。
また、バンクに覆われた保護膜の部分については、除去することなく残存させるので、金属化合物を有してなる層とバンクの密着性が高く保たれる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、絶縁材料を用い形成されることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、無機材料を用い形成されることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、SiO2を用い形成されることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、具体的に、電荷注入層であって、第5ステップで、保護膜における上記開口から露出する部分を除去することにより、電荷注入層が露出し、第6ステップで、電荷注入層の上に、発光層を積層形成することを特徴とする。
このような特徴を採用する場合には、保護膜における上記開口に対応する部分を除去することで、金属化合物を有してなる層(電荷注入層)の上に発光層を積層形成することができ、電荷注入性が良好となる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、ともに金属酸化物からなる電荷注入層と電荷輸送層とが、第1電極の側から順に積層された構造を有し、第5ステップで、電荷輸送層の上に、発光層を積層形成することを特徴とする。
このような特徴を採用する場合には、金属化合物を有する層が電荷注入層と電荷輸送層との積層構造を有し、電荷注入層と発光層との間に電荷輸送層が介挿される構成となるので、電荷注入性が良好となり、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
なお、上記において、「第1電極」が陰極である場合には、「金属化合物を有してなる層」が。「電子注入層または電子輸送層、あるいは電子注入輸送層」となる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第2ステップで、金属酸化物、または金属窒化物、または金属酸窒化物を用い、前記金属化合物を有してなる層を形成することを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第6ステップで、塗布型の有機材料を用い、前記発光層を形成することを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光装置の製造方法は、上記構成において、第6ステップで、インクジェット法を用い、前記発光層を形成することを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光装置の製造方法は、複数のサブピクセルの各々を、上記本発明の一態様に係る発光素子の製造方法を適用して形成することを特徴とする。これにより、上述のように、高い発光特性を有する発光装置を製造することができる。なお、本発明の一態様に係る「発光装置」とは、例えば、照明装置や表示装置などを指すものである。
本発明の一態様に係る発光素子は、基板の一方の主面上において、第1電極および第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介挿された発光層および金属化合物からなる層と、少なくとも前記発光層を規定するバンクとを有してなる発光素子である。そして、金属化合物を有してなる層は、少なくとも第1電極の上方に形成され、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間には、保護膜が介挿されており、保護膜は、バンクの開口に相当する領域が開口され、且つ、その上に積層形成されるバンクの形成に係るウェットプロセスで用いられる液による浸食に対し耐性を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る発光素子では、上記特徴を備えることにより、金属化合物層の厚みなどの精度、および金属化合物層と発光層との間への不純物の介在を防止することができ、高い発光性能を有する。
なお、上記構成において、金属化合物を有してなる層は、バンクの底面に沿って隣接するサブピクセルに向けて拡がっているという形態を採用することもできる。ここで、「バンクの底面に沿って」とは、バンクの底面全体に沿っている形態だけでなく、バンクの底面の一部に沿っている形態も含むものである。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、バンクの開口に相当する中央部側が、端部側よりも基板の一方の主面側に窪んだ凹形状を有することを特徴とする。このような構成を採用する場合には、金属化合物を有してなる層の凹形状部分を底部分として形成されることになり、インクの保持能力という観点から優れ、この点において、インクの保持能力が低い従来の構成に比べ、高い発光特性を得ることができる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、保護膜が、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との密着性を高めるための層であることを特徴とする。これにより、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間の高い密着性を得ることができ、高い品質を得ることができる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、保護膜が、絶縁材料を用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、保護膜が、無機材料を用い形成されている ことを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、保護膜が、SiO2を用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、電荷注入層であって、保護膜の上記開口領域で、電荷注入層の上に、発光層が積層形成されていることを特徴とする。このような特徴を採用する場合には、保護膜における上記開口に対応する部分において、金属化合物を有してなる層(電荷注入層)の上に発光層を積層形成することができ、電荷注入性が良好となる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、ともに金属酸化物からなる電荷注入層と電荷輸送層とが、第1電極の側から順に積層された構造を有し、保護膜の開口領域で、電荷輸送層の上に、発光層が積層形成されていることを特徴とする。このような特徴を採用する場合には、金属化合物を有する層が電荷注入層と電荷輸送層との積層構造を有し、電荷注入層と発光層との間に電荷輸送層が介挿される構成となるので、電荷注入性が良好となり、高い発光特性を有する。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、バンクの表面よりも高い親液性を有することを特徴とする。このような特徴を採用する場合には、発光層の形成時において、インクの保持能力を高く維持することができる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、発光層が、塗布型の有機材料を用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、基板の一方の主面上において、第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極との間に介挿された発光層および金属化合物からなる層と、少なくとも発光層を規定するバンクとを有してなる。そして、金属化合物を有してなる層は、少なくとも第1電極の上方に形成され、内底面部と当該内底面部に連続する内側面部とを備え、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間には、中間膜が介挿され、中間膜が、バンクの開口に相当する領域が開口されている。本発明の一態様に係る発光素子では、発光層の下部側が、金属化合物を有してなる層の凹形状部分の内底面部および内側面部に接触して形成されていることを特徴とする。
このような特徴を採用する発光素子では、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間に、中間膜が介在するので、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間の密着性を向上させることができる。なお、中間膜は、他の一態様における保護膜に対応する。
また、中間膜を、例えば、SiO2を用い形成する場合になどには、中間膜が撥液性を有することから、発光層の形成に影響を与えることも考えられるが、金属化合物を有してなる層の該当部分が凹形状に形成されているので、発光層は、凹形状部分の内底面部に加えて、内側面部にも接触する。このため、本発明の一態様に係る発光素子では、発光層が、下部側において金属化合物を有してなる層の凹形状部分内に形成・保持されるので、良好な発光層を備えることができる。このため、高い発光性能を有する。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、中間膜が、絶縁材料を用い形成されている ことを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、中間膜が、無機材料を用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、中間膜が、SiO2を用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光装置は、複数のサブピクセルの各々として、上記本発明の一態様に係る発光素子を備えることを特徴とする。これにより、本発明の一態様に係る発光装置は、上述のような理由から、高い発光特性を有する。
以下では、本発明を実施するための形態について、例を用い説明する。
なお、以下の説明で用いる実施の形態は、本発明の構成および作用・効果を分かりやすく説明するために用いる例であって、本発明は、その本質的な特徴部分以外に何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.発光装置100の製造方法
実施の形態1に係る発光装置100の製造方法について、図1から図3を用い、主となる部分について説明する。なお、図1から図3では、発光装置100の一部だけを抜き出して示している。
図1(a)に示すように、先ず、基板1の一方の面(Z軸方向の上側面)に陽極2を形成する。ここで、基板1は、実際にはTFT基板であり(回路などは、図示を省略。)、例えば、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコン系樹脂、あるいはアルミナなどの絶縁性材料等をベースとして形成されたものを用いる。
また、陽極2は、Ag(銀)を用い形成されている。なお、陽極2の形成には、Agの他に、APC(銀とパラジウムと銅との合金)、ARA(銀とルビジウムと金との合金)、MoCr(モリブデンとクロムとの合金)、NiCr(ニッケルとクロムとの合金)などを用いることもできる。
次に、図1(b)に示すように、陽極2が形成された基板1の面上を、陽極2の上面も含めて、ホール注入層3で覆い、さらに、その上を保護膜(中間膜)40で覆う。ここで、ホール注入層3は、WOX(酸化タングステン)またはMoWOX(モリブデン−タングステン酸化物)などの金属化合物を用い形成されている。なお、ホール注入層3の形成に用いる金属化合物としては、上記金属酸化物の他に、例えば、金属窒化物または金属酸窒化物を採用することができる。
ホール注入層3が特定の金属化合物で形成されている場合は、ホールを容易に注入することができ、発光層内で電子が有効に発光に寄与するため、良好な発光特性を得ることができる。前記の特定の金属化合物としては、遷移金属を含むことが望ましい。遷移金属は、複数の酸化数をとるため、これにより複数の順位レベルをとることができ、その結果、ホール注入が容易になり駆動電圧を低減することができる。
また、保護膜40は、SiO2(酸化シリコン)を用い形成されている。なお、保護膜40の形成には、SiO2の他に、クロムやチタンの酸化物および窒化物、さらにはメタル材料などの無機物材料を用いることができる。
次に、図1(c)に示すように、保護膜40の上を覆うように、バンク準備膜50を堆積形成する。ここで、バンク準備膜50の形成に用いる材料としては、例えば、ポリイミドなどの絶縁性有機材料を採用することができる。バンク準備膜50の形成は、例えば、具体的には、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法などを用いて行うことができる。
次に、図1(d)に示すように、バンク準備膜50の上の一部(開口を設けようとする箇所)にマスク501を形成し、この状態で露光する。
次に、露光後のバンク準備膜50に対して現像を行い、図2(a)に示すように、各サブピクセルに相当する箇所に開口5aを有するバンク5を形成する。バンク5は、サブピクセルにおける発光層6(図3(a)を参照。)を規定する仕切り部材として構成される。
次に、開口5aを有するバンク5を形成した後に、純水などの洗浄液を用いて現像後の不要となった現像液を除去する(図2(b)を参照)。このように、バンク5の形成は、ウェットプロセスを用い実行される。
なお、バンク5の形成においては、バンク形成材料自体が感光性を有するものを採用すれば、レジストを別途設ける必要はない。また、ウェットエッチングも不要となる場合もある。
なお、バンク5の形成においては、発光層6(図3(a)を参照。)の形成に用いるインクが隣接するサブピクセルに漏れ出さないようにするため、少なくとも表面の一部に撥液性を持たせておくことができる。撥液性を持たせる方法としては、撥液性を有する材料を用いバンク5を形成する方法の他、プラズマ処理によりバンク5の表面にフッ素成分を露出させる(表面をテフロン(登録商標)化する)ことでも可能である。
また、バンク5の形成には、ポリイミドの他に、アクリル系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などの有機材料などを用いることもできる。
また、バンク5の形成において、ドライエッチング法を用いることもできる。この場合においても、保護膜40は、その下のホール注入層3の表面に不純物が付着するのを防止する、という役割から有効である。
次に、図2(c)に示すように、バンク5の開口5aの下部の部分の保護膜40を除去する。この状態においては、保護膜4は、バンク5の下部において、ホール注入層3との間に介挿され、開口4aからはホール注入層3が露出することになる。なお、SiO2の除去は、希フッ酸溶液を用いたエッチングにより可能である。
ここで、保護膜4がSiO2からなり、50[nm]程度の厚みに構成されている場合、0.5[%]の濃度を有する希フッ酸溶液を用いて、2[min.]間程度エッチングすることにより、保護膜4を除去し、バンク5の撥液性を維持することができることが確認された。
なお、エッチングに用いる希フッ酸溶液については、pHが中性よりも低い場合には、添加剤を添加することもできる。
上記エッチング処理において、ホール注入層3は、希フッ酸溶液が酸性を有するため、希フッ酸溶液に対し溶解することがない。
次に、図3(a)に示すように、バンク5で規定される凹状部分に発光層6を形成する。これにより、ホール注入層3の上に発光層6が積層される。ここで、発光層6は、例えば、インクジェット法を用いて発光層6の材料を含むインクをバンク5で規定される凹状部分に滴下し、インクを乾燥させることにより形成できる。なお、発光層6の形成に係るインクの滴下には、インクジェット法の他に、ディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷法、あるいは凸版印刷法などを用いることもできる。
発光層6の形成に係る材料としては、例えば、特開平05−163488号公報に開示されたものを用いることができる。具体的には、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物およびアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリン化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チオピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2,2'−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質を採用することができる。
次に、図3(b)に示すように、発光層6およびバンク5の表面を覆うように、電子注入層7を形成する。電子注入層7の形成には、例えば、バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、およびこれらの組み合わせ材料を用いることができる。
次に、図3(c)に示すように、電子注入層7の面上に、陰極8を形成する。陰極8の形成には、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)などを用いることができる。
次に、図3(d)に示すように、陰極8の上を封止層9で覆う。封止層9は、発光層6に対し水分が浸入することを抑制する機能を有する層であり、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)などを用い形成することができる。
なお、図示を省略しているが、封止層9の上にカラーフィルターや透光性基板を積層することもある。
以上のようにして、発光装置100が完成する。
2.効果
本実施の形態に係る発光装置100の製造方法は、次のような効果を奏する。
図1から図3に示すように、本実施の形態に係る発光装置100の製造方法では、金属化合物を用い、ホール注入層3を形成している。このため、本実施の形態に係る製造方法を用い製造される発光装置100では、PEDOTを用いホール注入層を形成する従来の場合に比べて、各ピクセルにおける電圧−電流密度特性が優れ、また、大きな電流を流して強い発光強度を得る場合にも劣化し難い、というような優位性を有する。
また、本実施の形態に係る製造方法では、金属化合物を用い形成されたホール注入層3の上を、保護膜40で覆い、当該状態でバンク5の形成を実行する。保護膜400は、上述のようにSiO2などの無機材料からなり、バンク5の形成時におけるウェットプロセスで用いる液に対し、耐性を有する。なお、保護膜40については、バンク5の形成時におけるウェットプロセスで用いる液に対して耐性を有する。ここで、保護膜40については、バンク5の形成時におけるウェットプロセスで用いる液による浸食に対し、金属化合物を用い形成されたホール注入層3よりも高い耐性を持たせることもできる。よって、本実施の形態に係る製造方法では、バンク5の形成に係るウェットプロセスの実行によっても、保護膜40で上面が覆われたホール注入層3が浸食を受けることがない。
ここで、上記における「耐性」とは、膜が処理液により浸食されない程度を示す物性であり、具体的には、処理液に対する浸食性、エッチングレートにより表される。例えば、次のように表される。
1)バンク形成ステップにおけるウェット工程
1−1)現像処理
現像液:TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド):0.1〜2.5[%](例えば、0.4[%])
・保護膜(SiO2):エッチングレート=略0[nm/min.](殆ど溶解しない)
・ホール注入層(WOX):エッチングレート=8[nm/min.](溶解する)
エッチングレート:保護膜(SiO2)<ホール注入層(WOX
1−2)洗浄処理(洗浄液;純粋(中性))
・保護膜(SiO2):エッチングレート=0[nm/min.](全く溶解しない)
・ホール注入層(WOX):エッチングレート=1[nm/min.](僅かに溶解する)
エッチングレート:保護膜(SiO2)<ホール注入層(WOX
2)保護膜の除去ステップ
2−1)エッチング処理
エッチング液:希フッ酸溶液(酸性)
・保護膜(SiO2):エッチングレート=109[nm/min.](溶解する)
・ホール注入層(WOX):エッチングレート=0[nm/min.](溶解しない)
エッチングレート:保護膜(SiO2)>ホール注入層(WOX
2−2)洗浄処理
洗浄液:純粋(中性)
・保護膜(SiO2):エッチングレート=0[nm/min.](全く溶解しない)
・ホール注入層(WOX):エッチングレート=1[nm/min.](僅かに溶解する)
エッチングレート:保護膜(SiO2)<ホール注入層(WOX
従って、本実施の形態に係る製造方法では、高い精度でホール注入層3の寸法精度を確保することができ、高い発光性能を有する発光装置100を製造することができる。
また、本実施の形態に係る製造方法では、上述のように、バンク5の形成の際におけるウェットプロセスの実行の間、ホール注入層3のZ軸方向上面が保護膜400で覆われており、バンク5の形成が終了してから保護膜400の一部を除去し、その上に発光層6を積層形成するので、ホール注入層3と発光層6との間に、バンク5の形成に起因する不純物が介在することがない。また、ホール注入層3の材料として用いている金属化合物(例えば、WOX、MoWOX)は、従来用いられていたPEDOTなどよりも親液性が高く、発光層6の形成時におけるインクとの密着性を高く維持することができる。
従って、本実施の形態に係る製造方法では、ホール注入層3と発光層6との間に不純物が介在せず、また、高い密着接合性を有するので、高い発光性能を有する発光装置100を製造することができる。
3.発光装置100の構成
上記製造方法を用い製造される本実施の形態に係る発光装置100の構成について、図4および図5を用い説明する。図4は、発光装置100の一つのサブピクセル10bと、これに隣接する2つのサブピクセルの一部とを示す模式端面図である。
図4に示すように、発光装置100は、基板1をベースとして形成されており、基板1のZ軸方向上面に互いに間隔をあけた状態で、複数の陽極2が形成されている。なお、図4では、X軸方向に互いに間隔をあけて配された複数の陽極2を示しているが、紙面に直交する方向においても、同様に互いに間隔をあけた状態で複数の陽極2が配されている。
そして、基板1および陽極2の面上を覆うように、ホール注入層3が形成されている。そして、ホール注入層3の面上であって、陽極2と陽極2との間に相当する箇所には、保護膜4を介してバンク5が形成されている。バンク5は、各ピクセル10a〜10cにおける発光層6を規定するものであって、Z軸方向上方に行くに従って断面積が減少する台形状断面を有する。
図5に示すように、 本実施の形態に係るバンク5は、井桁状の所謂ピクセルバンクを採用しており、Y軸方向に延伸するバンク要素5aにより、X軸方向において隣接するサブピクセルの発光層6aと発光層6bと発光層6cとの間が各々区分けされる。
一方、X軸方向に延伸するバンク要素5bにより、Y軸方向の上下に隣接するサブピクセルの発光層同士の間が各々区分けされる。
なお、図5に示すように、X軸方向に隣接する3つのサブピクセルが、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応し、それら隣接する3つのサブピクセルを1セットとして1つのピクセル(画素)が構成されている。
図4に戻って、電子注入層7、陰極8および封止層9は、全面に渡って形成されている。なお、図4では図示を省略しているが、発光装置100では、封止層9のさらに上に、サブピクセル10a〜10c毎にカラーフィルターが配され、また、透光性の基板が配されることもある。
発光装置100は、上記方法を用い製造されているので、上記の優位性を当然に有する。
ここで、ホール注入層3が金属化合物を用い形成されている。ホール注入層3の金属化合物とバンク5とは、直接的な密着性という点で不十分である。しかしながら、本実施の形態に係る発光装置100では、ホール注入層3とバンク5との間にSiO2などからなる保護膜4が介挿されているので、当該介挿によりホール注入層3とバンク5との密着性が補完されている。
よって、発光装置100では、上記構造面からも高い発光性能を有する。
4.発光装置100におけるホール注入層3の詳細構成
発光装置100におけるホール注入層3の詳細構成について、図6を用い説明する。図6は、図2(c)に示す状態を詳細に示すものである。
図6に示すように、バンク5の形成が終了した後、その開口5aの底部分のSiO2を除去し、保護膜4の開口4aからホール注入層3が露出するようにするのであるが、この状態において、保護膜4の開口4aから露出するホール注入層3には、浅い凹部3aが形成されることになる(矢印Aで示す部分)。
凹部3aは、SiO2の除去工程において、希フッ酸溶液によるエッチングの後、純水でエッチング溶液などを洗い流す際に生じる。ただし、ホール注入層3を構成するWOXは、上述のように、純水に対して溶解するが、前述の通り、純水による洗浄処理におけるエッチングレートは、ウェットプロセスによるエッチング処理におけるエッチングレートに比べて小さいため、バンク形成の際のウェットプロセスで形成される凹部よりは遥かに浅いものである。
このように本実施の形態に係る発光装置100の製造方法でも、ホール注入層3には浅い凹部3aは形成されるが、当該凹部3aは、発光層6の形成におけるインク滴下の際に、インクをホール注入層3の表面により密着させるのに有効である。即ち、上記のように、金属化合物を用い形成されているホール注入層3は、従来技術に係るPEDOTを用い形成されたホール注入層に比べて親液性が高く、滴下されたインクを保持する機能が高い。このため、椀状に凹部3aが形成されたホール注入層3では、単に平面の場合に比べて、凹部3aを囲む側壁でもインクと密着するので、よりインクを保持する能力が高くなる。
なお、上記において、ホール注入層3の浅い凹部3aの平均深さは、特に特定されるものではないが、例えば5[nm]〜100[nm]の範囲内とすることができる。凹部3aの平均深さについては、5[nm]以上確保することで、凹部3a内に十分な量のインクを溜めることができ、バンク5で規定された領域にインクを安定に留めることができる。また、バンク5端部まで発光層6がはじきなく形成されるため、陽極2と陰極8との間でのショートを防ぐことができる。
以上より、発光装置100は、ホール注入層3と発光層6との密着性が高く、高い発光性能を有する。
次に、バンク5の底面とホール注入層3との密着性について、図7を用い説明する。図7(a)は、本実施の形態におけるバンク5の底面部分を拡大した模式端面図であり、図7(b)は、比較例として、バンク95の底面とホール注入層93とが直に接合されている構成を示す模式端面図である。
図7(a)に示すように、本実施の形態に係るバンク5の底面は、基板1の上側主面上に形成されたホール注入層3に対し、間に保護膜4が介挿された状態で接合されている。ここで、本実施の形態では、一例として、ホール注入層3の構成材料としてWOXを用い、バンク5の構成材料として上記のような絶縁性有機材料を用いているが、間にSiO2からなる保護膜4が介挿されているので(B部分)、互いの密着性が高く保たれ、バンク焼成工程における降温時において、バンク5と保護膜4との間、および保護膜4とホール注入層3との間に"うき"を生じ難い。
一方、図7(b)に示すように、比較例として示す構成では、基板91の上側主面上に形成されたホール注入層93が、バンク95の底面と直に接している(C部分)。ホール注入層93およびバンク95の構成材料を、上記と同様とした場合において、互いの密着性という観点で課題が残る。具体的には、絶縁性有機材料から構成されたバンク95と、WOXを用い構成されたホール注入層93とは、図7(a)に示す本実施の形態の構成に比べて、その密着性が低く、バンク焼成工程における昇温時および/または降温時において、バンク5と保護膜4との間、および保護膜4とホール注入層3との間に"うき"を生じることが考えられる。
以上より、本実施の形態に係る発光装置100では、保護膜4の介挿により、バンク5とホール注入層3との高い密着性を確保することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る発光装置の製造方法について、図8および図9を用い説明する。なお、図8は、上記実施の形態1に係る製造方法における図1に示す工程に対応する工程を示し、図9は、図2に示す工程に対応する工程を示す。
図8(a)に示すように、基板21のZ軸方向上面に、陽極22を形成する。なお、図8(a)では、陽極22を一つだけ図示しているが、実際には、図4に示すのと同様に、互いに間隔をあけた状態で複数の陽極22が形成されている。また、基板21および陽極22の形成に用いる材料は、上記実施の形態1と同様である。
次に、図8(b)に示すように、本実施の形態に係る製造方法では、基板21および陽極22の上面全体を覆うように、ホール注入層23およびホール輸送層30を、この順に積層形成する。そして、さらにその上に、保護膜240を積層形成する。ここで、ホール注入層23の形成に用いる材料は、上記実施の形態1と同様であるが、ホール輸送層30についても、ホール注入層3と同様の金属化合物を用い形成する。また、保護膜240の形成に用いる材料は、上記実施の形態1と同様である。
次に、図8(c)に示すように、保護膜240の上全体を覆うように、バンク準備膜250を堆積形成する。ここで、バンク準備膜250の形成に用いる材料としては、上記同様に、例えばポリイミドなどの絶縁性有機材料を採用することができる。バンク準備膜250の形成についても、上記同様に、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法などを用いて行うことができる。
次に、図8(d)に示すように、バンク準備膜250の上の一部(開口を設けようとする箇所)にマスク502を形成し、この状態で露光する。
次に、露光後のバンク準備膜250に対して現像を行い、図9(a)に示すように、各サブピクセルに相当する箇所に開口25aを有するバンク25を形成する。
次に、開口25aを有するバンク25を形成した後に、純水などの洗浄液を用いて現像後の不要となった現像液を除去する(図9(b)を参照)。このように、バンク25の形成は、上記実施の形態1と同様に、ウェットプロセスを用い実行される。
なお、バンク25の形成においては、バンク自体が感光性を有するものを採用すれば、レジストを別途設ける必要はない。また、ウェットエッチングも不要となる場合もある。
なお、バンク自体が感光性を有さない形態において、レジストを用いた場合、バンクをエッチングした後のレジストの剥離により、バンクの開口部が剥離液に曝されることになる。このとき、保護膜が介在しているので、レジスト剥離液によるホール注入層に対する影響またはダメージが防止される。
なお、バンク25の形成においては、発光層の形成に用いるインクが隣接するサブピクセルに漏れ出さないようにするため、少なくとも表面の一部に撥液性を持たせておくことができる。撥液性を持たせる方法としては、撥液性を有する材料を用いバンク25を形成する方法の他、プラズマ処理によりバンク25の表面にフッ素成分を露出させる(表面をテフロン化する)ことでも可能である。
この場合、フッ素を含んだガスの環境下におけるプラズマ処理によっても、バンクの表面をフッ素化させることも可能である。
また、バンク25の形成には、上記実施の形態1と同様に、ポリイミドの他に、アクリル系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などの有機材料などを用いることもできる。
また、バンク25の形成において、ドライエッチング法を用いることもできる。この場合においても、保護膜240は、その下のホール輸送層30の表面に不純物が付着するのを防止する、という役割から有効である。また、バンクは、ネガ型材料の他、ポジ型材料も適用できる。
次に、図9(c)に示すように、バンク25の開口25aの下部の部分の保護膜240を除去する。この状態においては、保護膜24は、バンク25の下部において、ホール輸送層30との間に介挿され、保護膜24の開口24aからはホール輸送層30の一部が露出することになる。なお、SiO2の除去は、希フッ酸溶液を用いたエッチングにより可能である。
上記エッチング処理において、ホール輸送層30は、希フッ酸溶液が酸性を有するため、希フッ酸溶液に対し溶解することがないことは、上記実施の形態1におけるホール注入層3と同様である。
本実施の形態に係る製造方法では、ホール輸送層30の上に発光層を積層する。このとき、本実施の形態に係る製造方法では、ホール輸送層30も金属化合物を用い形成しているので、バンク25の形成時に保護膜240によりホール輸送層30が保護されている。
従って、本実施の形態に係る方法を用い製造される発光装置も、ホール輸送層30と発光層との間に不純物の介在がなく、また、ホール輸送層30の寸法精度も高く保障されているので、高い発光特性を有する。
[実施の形態3]
実施の形態3に係る発光装置の製造方法について、図10および図11を用い説明する。なお、図10および図11においても、上記実施の形態1に係る製造方法における工程に内、図1および図2にそれぞれ相当する工程だけを示している。
図10(a)に示すように、基板41のZ軸方向上面に、陽極42を形成する。本実施の形態でも、陽極42は、互いに間隔をあけた状態で複数配されている。次に、図10(b)に示すように、陽極42のZ軸方向上面に、ホール注入層43および保護膜440を、この順に積層する。
なお、本実施の形態では、上記実施の形態1,2と相違し、ホール注入層43および保護膜440を、陽極42の上面に選択的に積層形成し、残りの基板41の表面には、これらを形成していない。
次に、図10(c)に示すように、保護膜440および基板41の主面の露出部分の上全体を覆うように、バンク準備膜450を堆積形成する。ここで、バンク準備膜450の形成に用いる材料としては、上記実施の形態1,2と同様に、例えばポリイミドなどの絶縁性有機材料を採用することができる。バンク準備膜450の形成についても、上記実施の形態1,2と同様に行うことができる。
次に、図10(d)に示すように、バンク準備膜450の上の一部(開口を設けようとする箇所)にマスク503を形成し、この状態で露光する。
次に、露光後のバンク準備膜450に対して現像を行い、図11(a)に示すように、各サブピクセルに相当する箇所に開口45aを有するバンク45を形成する。
なお、図11(a)に示すように、バンク45は、開口45a側の一部が保護膜440の上に積層され(D部分)、他の部分は基板41上に積層される(E部分)。
本実施の形態に係る製造方法では、ホール注入層43についても、隣接するサブピクセルとの間で区分けされており、隣接するサブピクセル間での発光に係る影響をより低減することができる。そして、本実施の形態に係る製造方法においても、ホール注入層43の形成に金属化合物(例えば、WOX)を用いるのであるが、図11(a)に示すように、ホール注入層43のZ軸方向上面とバンク45との間にSiO2などからなる保護膜440が介挿されているので、互いの密着性を高くすることができる。
ここで、図10(b)に示すように、本実施の形態では、保護膜440とホール注入層43とを同一パターンを以って形成することとしている。この場合においては、フォトリソグラフィ工程を一括して実行することが可能である。即ち、一枚のマスクでの実行が可能となる。
なお、マスクを別々に用いることを許容し、ホール注入層43のエッジを覆うように保護膜440を形成するようにすれば、エッジから剥がれやすいというホール注入層43の特性を補うことができる。
次に、図11(b)に示すように、開口45aを有するバンク45を形成した後に、純水などの洗浄液を用いて使用後の不要となった現像液を除去する。このように、バンク45の形成は、上記実施の形態1,2と同様に、ウェットプロセスを用い実行される。
なお、バンク45の形成においては、バンク自体が感光性を有するものを採用すれば、レジストを別途設ける必要はない。また、ウェットエッチングも不要となる場合もある。
また、本実施の形態でも、バンク45の形成において、発光層の形成に用いるインクが隣接するサブピクセルに漏れ出さないようにするため、少なくとも表面の一部に撥液性を持たせておくことができる。撥液性を持たせる方法としては、上記同様である。
また、バンク45の形成には、上記実施の形態1,2と同様の材料および方法を用いることも可能である。
次に、図11(c)に示すように、バンク45の開口45aの下部の部分の保護膜440を除去する。この状態においては、保護膜44は、バンク45の下部(図11(a)のD部分)において、ホール注入層43との間に介挿され、保護膜44の開口44aからはホール注入層43の一部が露出することになる。なお、SiO2の除去は、希フッ酸溶液を用いたエッチングにより可能である。
本実施の形態に係る製造方法においても、この後、発光層、電子注入層、陰極、封止層などを順に積層形成することで発光装置が完成する(図3を参照)。
[バンクの形状に関する補足]
上記実施の形態1では、図5に示すように、バンク5の平面形状については、所謂、ピクセルバンク(井桁状バンク)としたが、その他に、ラインバンクなどを採用することができる。バンクの平面形状について、図12を用い補足する。
(ラインバンク)
図12に示すように、ライン状のバンク(ラインバンク)65を採用する場合には、X軸方向に隣接するピクセルの発光層66aと発光層66bと発光層66cとを区分けする。
なお、図12に示すように、ラインバンク65を採用する場合には、Y軸方向に隣接するピクセルの発光層同士はバンク要素により規定されていないが、駆動方法および陽極のサイズおよび間隔などにより、発光における互いの影響を抑制することができる。
[その他の事項]
上記実施の形態1〜3では、基板1,21,41上に陽極2,22,42を形成することとしたが、基板上に陰極を形成し、積層体の上部に陽極を形成することとしてもよい。このような構成を採用する場合には、陰極上に電子注入層または電子輸送層、あるいは電子注入輸送層を形成し、その上を保護膜40,240,440で覆いバンク5,25,45を形成することになる。この場合においても、バンク5,25,45の形成に係る電子注入層などへの不純物の付着および液による浸食を抑制することができる。
また、上記実施の形態1〜3に係る発光装置100などでは、トップエミッション型を採用したが、ボトムエミッション型を採用することとしてもよい。
また、上記実施の形態1〜3に係る製造方法で用いた方法および材料などは、一例として示したものであり、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明は、高い発光性能を有し、照明装置や表示装置として用いることが好適な発光素子を実現するのに有用である。
1,21,41.基板
2,22,42.陽極
3,23,43.ホール注入層
4,24,40,44,240,440.保護膜
5,25,45,65.バンク
6,6a,6b,6c,66a,66b,66c.発光層
7.電子注入層
8.陰極
9.封止層
10a,10b,10c.サブピクセル
30.ホール輸送層
50,250,450.バンク準備層
100.発光装置
501,502,503.マスク
本発明は、発光素子の製造方法と発光素子、および発光装置の製造方法と発光装置に関する。
近年、研究・開発が進んでいる有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と記載する。)は、固体蛍光性物質の電界発光現象を利用した発光素子である。有機EL素子は、陽極と陰極との間に有機発光層が介挿された構造を有する。なお、陽極と有機発光層との間、および陰極と有機発光層との間には、それぞれ電荷注入層や電荷輸送層が介挿された構造を採る場合がある。
ここで、従来の有機EL素子では、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料を用い電荷注入層などが形成されていたが、遷移金属酸化物などの金属化合物を用い電荷注入層を形成することが提案されている(例えば、特許文献1などを参照)。金属化合物を用い電荷注入層を形成する場合には、PEDOTを用い形成する場合に比べて、素子における電圧−電流密度特性が優れ、また、大きな電流を流して強い発光強度を得る場合にも劣化し難い、というような優位性を有する。
ところで、発光層は、陽極上に形成された電荷注入層および電荷輸送層の上に、井桁状あるいはライン状のバンクをウェットプロセスを用い形成した後、インクジェット法や印刷法などにより形成される。
特開2005−203339号公報
ところで、上記のように、電荷注入輸送層として金属化合物を適用した構成においても、発光特性について更なる改善を図る必要がある。
本発明は、上記要望を鑑みてなされたものであって、高い発光特性を有する発光素子の製造方法と発光素子、および発光装置の製造方法と発光装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、次のステップを実行することを特徴とする。
(第1ステップ)基板における一方の主面上に、電極を形成する。
(第2ステップ)少なくとも電極の上方に、金属化合物を有してなる層を形成する。
(第3ステップ)少なくとも金属化合物を有してなる層の上を、保護膜で覆う。
(第4ステップ)保護膜の上に、一部領域に保護膜が露出する開口を有するバンクを、ウェットプロセスを用い形成する。
(第5ステップ)保護膜における上記開口から露出する部分を、金属化合物を有してなる層の一部が露出するまで除去する。
(第6ステップ)第5ステップの実行により、上記開口から露出した前記金属化合物を有してなる層の上に、発光層を形成する。
(第7ステップ)上記発光層の上方に、上記第1電極と極性の異なる第2電極を形成する。
そして、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、保護膜が、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し耐性を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、金属化合物を有してなる層(以下では、「金属化合物層」と記載する。)の上を、保護膜で覆い、その状態でバンク形成を実行する。そして、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し、保護膜が耐性を有することを特徴とする。よって、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行によっても、保護膜で上面が覆われた金属化合物層は浸食を受けることがない。
従って、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、高い精度で金属化合物層の厚みを確保することができ、高い発光性能を有する発光素子を製造することができる。
また、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、上述のように、第4ステップにおけるウェットプロセスが実行される間、金属化合物層の上面が保護膜で覆われており、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行が終了してから保護膜の一部を除去し(第5ステップ)、その上に発光層を積層形成する(第6ステップ)ので、金属化合物層と発光層との間に、バンク形成に起因する不純物が介在することがない。
従って、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、金属化合物層と発光層との間に不純物が介在せず、高い発光性能を有する発光素子を製造することができる。
以上より、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
実施の形態1に係る発光装置100の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 実施の形態1に係る発光装置100の製造工程の一部を、順に示す模式端面図である。 実施の形態1に係る発光装置100の製造工程の一部を、順に示す模式端面図である。 発光装置100の要部構成を示す模式端面図である。 発光装置100におけるバンク5の形状を示す模式平面図である。 発光装置100の製造途中における詳細構成を示す模式端面図である。 発光装置100の構成の内、バンク5の下部における詳細構成を示す模式端面図である。 実施の形態2に係る発光装置の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 実施の形態2に係る発光装置の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 実施の形態3に係る発光装置の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 実施の形態3に係る発光装置の製造工程の一部を、工程順に示す模式端面図である。 変形例としてのバンク形状を示す模式平面図である。
[本発明の一態様を得るに至った経緯]
本発明者等は、従来の金属化合物を用い形成された電荷注入層を採用する場合において、バンクの形成時のウェットプロセスで用いられる液により電荷注入層の表面が浸食されてしまうという問題があることを見出した。そして、電荷注入層が一部浸食されてしまった場合には、その浸食の度合によって電荷注入層の膜厚が変化する結果、発光特性のバラツキを生じることがあることを究明した。
また、本発明者等は、電荷注入層を形成した後、発光層を積層形成するまでの間に、バンクの形成などの工程が実行されることにより、電荷注入層の表面に不純物が付着してしまうという問題を生じ得ることも見出した。このように、不純物が付着したりした電荷注入層の上に発光層を積層形成した場合には、有機EL素子の発光特性の低下を招くことになることを究明した。このため、本発明者等は、上記のような問題の解決を図ろうと鋭意研究し、発光層の下部に金属化合物を有してなる層を備えながら、バンク形成に伴う浸食や不純物の付着を抑制することができ、高い発光特性を有する発光素子の製造方法と発光素子、および発光装置の製造方法と発光装置を提供することを目的として、本発明を行った。
[本発明の一態様の概要]
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、次のステップを実行することを特徴とする。
(第1ステップ)基板における一方の主面上に、第1電極を形成する。
(第2ステップ)少なくとも第1電極の上方に、金属化合物を有してなる層を形成する。
(第3ステップ)少なくとも金属化合物を有してなる層の上を、保護膜で覆う。
(第4ステップ)保護膜の上に、一部領域に保護膜が露出する開口を有するバンクを、ウェットプロセスを用い形成する。
(第5ステップ)保護膜における上記開口から露出する部分を、金属化合物を有してなる層の一部が露出するまで除去する。
(第6ステップ)第5ステップの実行により、上記開口から露出した前記金属化合物を有してなる層の上に、発光層を形成する。
(第7ステップ)上記発光層の上方に、第1電極と極性の異なる第2電極を形成する。
そして、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、保護膜が、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し耐性を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、金属化合物を有してなる層の上を、保護膜で覆い、その状態でバンク形成を実行する。そして、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し、保護膜が耐性を有することを特徴とする。よって、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行によっても、保護膜で上面が覆われた金属化合物を有してなる層は浸食を受けることがない。
従って、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、高い精度で金属化合物層の厚みを確保することができ、高い発光性能を有する発光素子を製造することができる。
また、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、上述のように、第4ステップにおけるウェットプロセスが実行される間、金属化合物を有してなる層の上面が保護膜で覆われており、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行が終了してから保護膜の一部を除去し(第5ステップ)、その上に発光層を積層形成する(第6ステップ)ので、金属化合物を有してなる層と発光層との間に、バンク形成に起因する不純物が介在することがない。
従って、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、金属化合物を有してなる層と発光層との間に不純物が介在せず、高い発光性能を有する発光素子を製造することができる。
以上より、本発明の一態様に係る発光素子の製造方法では、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、前記第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液による浸食に対し、金属化合物を有してなる層よりも高い耐性を有し、また、第5ステップが、前記保護膜における前記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理において用いられる液による浸食に対し、保護膜よりも高い耐性を有することを特徴とする。
上記のように、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理において用いられる液による浸食に対し、保護膜よりも高い耐性を有するという特徴を採用する場合には、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行によっても、より確実に金属化合物を有してなる層の浸食を防止できる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、金属化合物を有してなる層に対し、同一の処理液に関して、異なるエッチングレートを示すことを特徴とする。
このように、保護膜と金属化合物を有してなる層とが、同一処理液に対して異なるエッチングレートを示すという特徴を採用する場合には、より確実に金属化合物を有してなる層の浸食を防止できる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液に対し、金属化合物を有してなる層よりもエッチングレートが低く、また、第5ステップが、保護膜における上記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理において用いられる液に対し、保護膜よりもエッチングレートが低いことを特徴とする。
このように、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理において用いられる液に対し、保護膜よりもエッチングレートが低いという特徴を採用する場合には、第5ステップにおける保護膜の除去に際して、金属化合物を有してなる層を確実に保護することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第5ステップが、保護膜における上記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、保護膜が、第4ステップにおけるウェットプロセスで用いられる液によっては浸食されることなく、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液により浸食され、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液によっては浸食されないことを特徴とする。
このような構成を採用する場合には、第4ステップにおけるウェットプロセスの実行の際に保護膜により金属化合物を有してなる層が確実に保護され、第5ステップの実行により、金属化合物を有してなる層を確実に保護しながら、開口相当部分の保護膜を除去することができる。このため、第6ステップの実行により、金属化合物を有してなる層の上に発光層が積層形成されることになり、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第4ステップにおけるウェットプロセスが、現像により前記バンクを形成する現像処理と、現像処理後に行われる洗浄処理とを含み、第5ステップが、エッチング処理後に洗浄する処理を含むことを特徴とする。そして、保護膜が、第4ステップにおける現像処理および洗浄処理で用いられる各々の液によっては浸食されることなく、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液により浸食され、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液によっては浸食されることなく、第5ステップにおける洗浄処理で用いられる液により浸食されることを特徴とする。
上記のように、保護膜が第4ステップにおける現像処理および洗浄処理で用いられる各々の液によっては浸食されないので、第4ステップの実行中における金属化合物を有してなる層を確実に保護することができる。また、保護膜が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液により浸食されるので、第5ステップにおけるエッチング処理の実行により、上記開口相当部分の保護膜を確実に除去することができる。
さらに、金属化合物を有してなる層が、第5ステップにおける保護膜へのエッチング処理で用いられる液によっては浸食されることなく、第5ステップにおける洗浄処理で用いられる液により浸食されるので、第6ステップで積層形成される発光層が、金属化合物を有してなる層との間に不純物を介在することがない。よって、上記構成を採用する場合には、発光層の下部に金属化合物を有してなる層を備えながら、バンク形成(第4ステップ)に伴う浸食や不純物の付着を抑制することができ、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第5ステップで、金属化合物を有してなる層を、洗浄処理で用いられる液により浸食させて、その内面部を露出させ、第6ステップで、金属化合物を有してなる層の上記露出した内面部の上に、発光層を形成することを特徴とする。
このように、第5ステップで、金属化合物を有してなる層を、洗浄処理で用いられる液により浸食させて、その内面部を露出させ、当該露出させた部分に発光層を積層形成するので、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第5ステップで、保護膜における上記開口から露出する部分を除去するとともに、金属化合物を有してなる層の上記一部を除去して、金属化合物を有してなる層の内面部の一部を露出させ、第6ステップで、金属化合物を有してなる層の上記露出した内面部の一部の上に、発光層を形成することを特徴とする。
このような特徴を採用する場合には、第6ステップで発光層を形成する際に、インクを保持する能力を高く維持することができる。即ち、金属化合物を有してなる層の上記露出した内面部の一部が、インクを保持する能力が高いため、発光層の積層形成時のインクを保持する能力を高く維持することができ、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第5ステップで、保護膜における上記開口から露出する部分を除去し、保護膜における前記バンクに対応する部分を除去させることなく残存させることを特徴とする。
このような特徴を採用する場合には、保護膜における上記開口に対応する部分を除去することで、金属化合物を有してなる層の上に発光層を積層形成することができ、電荷注入性が良好となる。
また、バンクに覆われた保護膜の部分については、除去することなく残存させるので、金属化合物を有してなる層とバンクの密着性が高く保たれる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、絶縁材料を用い形成されることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、無機材料を用い形成されることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、保護膜が、SiOを用い形成されることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、具体的に、電荷注入層であって、第5ステップで、保護膜における上記開口から露出する部分を除去することにより、電荷注入層が露出し、第6ステップで、電荷注入層の上に、発光層を積層形成することを特徴とする。
このような特徴を採用する場合には、保護膜における上記開口に対応する部分を除去することで、金属化合物を有してなる層(電荷注入層)の上に発光層を積層形成することができ、電荷注入性が良好となる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、ともに金属酸化物からなる電荷注入層と電荷輸送層とが、第1電極の側から順に積層された構造を有し、第5ステップで、電荷輸送層の上に、発光層を積層形成することを特徴とする。
このような特徴を採用する場合には、金属化合物を有する層が電荷注入層と電荷輸送層との積層構造を有し、電荷注入層と発光層との間に電荷輸送層が介挿される構成となるので、電荷注入性が良好となり、高い発光特性を有する発光素子を製造することができる。
なお、上記において、「第1電極」が陰極である場合には、「金属化合物を有してなる層」が。「電子注入層または電子輸送層、あるいは電子注入輸送層」となる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第2ステップで、金属酸化物、または金属窒化物、または金属酸窒化物を用い、前記金属化合物を有してなる層を形成することを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子の製造方法は、上記構成において、第6ステップで、塗布型の有機材料を用い、前記発光層を形成することを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光装置の製造方法は、上記構成において、第6ステップで、インクジェット法を用い、前記発光層を形成することを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光装置の製造方法は、複数のサブピクセルの各々を、上記本発明の一態様に係る発光素子の製造方法を適用して形成することを特徴とする。これにより、上述のように、高い発光特性を有する発光装置を製造することができる。なお、本発明の一態様に係る「発光装置」とは、例えば、照明装置や表示装置などを指すものである。
本発明の一態様に係る発光素子は、基板の一方の主面上において、第1電極および第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介挿された発光層および金属化合物からなる層と、少なくとも前記発光層を規定するバンクとを有してなる発光素子である。そして、金属化合物を有してなる層は、少なくとも第1電極の上方に形成され、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間には、保護膜が介挿されており、保護膜は、バンクの開口に相当する領域が開口され、且つ、その上に積層形成されるバンクの形成に係るウェットプロセスで用いられる液による浸食に対し耐性を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る発光素子では、上記特徴を備えることにより、金属化合物層の厚みなどの精度、および金属化合物層と発光層との間への不純物の介在を防止することができ、高い発光性能を有する。
なお、上記構成において、金属化合物を有してなる層は、バンクの底面に沿って隣接するサブピクセルに向けて拡がっているという形態を採用することもできる。ここで、「バンクの底面に沿って」とは、バンクの底面全体に沿っている形態だけでなく、バンクの底面の一部に沿っている形態も含むものである。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、バンクの開口に相当する中央部側が、端部側よりも基板の一方の主面側に窪んだ凹形状を有することを特徴とする。このような構成を採用する場合には、金属化合物を有してなる層の凹形状部分を底部分として形成されることになり、インクの保持能力という観点から優れ、この点において、インクの保持能力が低い従来の構成に比べ、高い発光特性を得ることができる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、保護膜が、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との密着性を高めるための層であることを特徴とする。これにより、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間の高い密着性を得ることができ、高い品質を得ることができる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、保護膜が、絶縁材料を用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、保護膜が、無機材料を用い形成されている ことを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、保護膜が、SiOを用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、電荷注入層であって、保護膜の上記開口領域で、電荷注入層の上に、発光層が積層形成されていることを特徴とする。このような特徴を採用する場合には、保護膜における上記開口に対応する部分において、金属化合物を有してなる層(電荷注入層)の上に発光層を積層形成することができ、電荷注入性が良好となる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、ともに金属酸化物からなる電荷注入層と電荷輸送層とが、第1電極の側から順に積層された構造を有し、保護膜の開口領域で、電荷輸送層の上に、発光層が積層形成されていることを特徴とする。このような特徴を採用する場合には、金属化合物を有する層が電荷注入層と電荷輸送層との積層構造を有し、電荷注入層と発光層との間に電荷輸送層が介挿される構成となるので、電荷注入性が良好となり、高い発光特性を有する。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、金属化合物を有してなる層が、バンクの表面よりも高い親液性を有することを特徴とする。このような特徴を採用する場合には、発光層の形成時において、インクの保持能力を高く維持することができる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、発光層が、塗布型の有機材料を用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、基板の一方の主面上において、第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極との間に介挿された発光層および金属化合物からなる層と、少なくとも発光層を規定するバンクとを有してなる。そして、金属化合物を有してなる層は、少なくとも第1電極の上方に形成され、内底面部と当該内底面部に連続する内側面部とを備え、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間には、中間膜が介挿され、中間膜が、バンクの開口に相当する領域が開口されている。本発明の一態様に係る発光素子では、発光層の下部側が、金属化合物を有してなる層の凹形状部分の内底面部および内側面部に接触して形成されていることを特徴とする。
このような特徴を採用する発光素子では、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間に、中間膜が介在するので、バンクの底面と金属化合物を有してなる層との間の密着性を向上させることができる。なお、中間膜は、他の一態様における保護膜に対応する。
また、中間膜を、例えば、SiOを用い形成する場合になどには、中間膜が撥液性を有することから、発光層の形成に影響を与えることも考えられるが、金属化合物を有してなる層の該当部分が凹形状に形成されているので、発光層は、凹形状部分の内底面部に加えて、内側面部にも接触する。このため、本発明の一態様に係る発光素子では、発光層が、下部側において金属化合物を有してなる層の凹形状部分内に形成・保持されるので、良好な発光層を備えることができる。このため、高い発光性能を有する。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、中間膜が、絶縁材料を用い形成されている ことを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、中間膜が、無機材料を用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光素子は、上記構成において、中間膜が、SiOを用い形成されていることを特徴とすることもできる。
本発明の一態様に係る発光装置は、複数のサブピクセルの各々として、上記本発明の一態様に係る発光素子を備えることを特徴とする。これにより、本発明の一態様に係る発光装置は、上述のような理由から、高い発光特性を有する。
以下では、本発明を実施するための形態について、例を用い説明する。
なお、以下の説明で用いる実施の形態は、本発明の構成および作用・効果を分かりやすく説明するために用いる例であって、本発明は、その本質的な特徴部分以外に何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.発光装置100の製造方法
実施の形態1に係る発光装置100の製造方法について、図1から図3を用い、主となる部分について説明する。なお、図1から図3では、発光装置100の一部だけを抜き出して示している。
図1(a)に示すように、先ず、基板1の一方の面(Z軸方向の上側面)に陽極2を形成する。ここで、基板1は、実際にはTFT基板であり(回路などは、図示を省略。)、例えば、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコン系樹脂、あるいはアルミナなどの絶縁性材料等をベースとして形成されたものを用いる。
また、陽極2は、Ag(銀)を用い形成されている。なお、陽極2の形成には、Agの他に、APC(銀とパラジウムと銅との合金)、ARA(銀とルビジウムと金との合金)、MoCr(モリブデンとクロムとの合金)、NiCr(ニッケルとクロムとの合金)などを用いることもできる。
次に、図1(b)に示すように、陽極2が形成された基板1の面上を、陽極2の上面も含めて、ホール注入層3で覆い、さらに、その上を保護膜(中間膜)40で覆う。ここで、ホール注入層3は、WO(酸化タングステン)またはMoWO(モリブデン−タングステン酸化物)などの金属化合物を用い形成されている。なお、ホール注入層3の形成に用いる金属化合物としては、上記金属酸化物の他に、例えば、金属窒化物または金属酸窒化物を採用することができる。
ホール注入層3が特定の金属化合物で形成されている場合は、ホールを容易に注入することができ、発光層内で電子が有効に発光に寄与するため、良好な発光特性を得ることができる。前記の特定の金属化合物としては、遷移金属を含むことが望ましい。遷移金属は、複数の酸化数をとるため、これにより複数の順位レベルをとることができ、その結果、ホール注入が容易になり駆動電圧を低減することができる。
また、保護膜40は、SiO(酸化シリコン)を用い形成されている。なお、保護膜40の形成には、SiOの他に、クロムやチタンの酸化物および窒化物、さらにはメタル材料などの無機物材料を用いることができる。
次に、図1(c)に示すように、保護膜40の上を覆うように、バンク準備膜50を堆積形成する。ここで、バンク準備膜50の形成に用いる材料としては、例えば、ポリイミドなどの絶縁性有機材料を採用することができる。バンク準備膜50の形成は、例えば、具体的には、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法などを用いて行うことができる。
次に、図1(d)に示すように、バンク準備膜50の上の一部(開口を設けようとする箇所)にマスク501を形成し、この状態で露光する。
次に、露光後のバンク準備膜50に対して現像を行い、図2(a)に示すように、各サブピクセルに相当する箇所に開口5aを有するバンク5を形成する。バンク5は、サブピクセルにおける発光層6(図3(a)を参照。)を規定する仕切り部材として構成される。
次に、開口5aを有するバンク5を形成した後に、純水などの洗浄液を用いて現像後の不要となった現像液を除去する(図2(b)を参照)。このように、バンク5の形成は、ウェットプロセスを用い実行される。
なお、バンク5の形成においては、バンク形成材料自体が感光性を有するものを採用すれば、レジストを別途設ける必要はない。また、ウェットエッチングも不要となる場合もある。
なお、バンク5の形成においては、発光層6(図3(a)を参照。)の形成に用いるインクが隣接するサブピクセルに漏れ出さないようにするため、少なくとも表面の一部に撥液性を持たせておくことができる。撥液性を持たせる方法としては、撥液性を有する材料を用いバンク5を形成する方法の他、プラズマ処理によりバンク5の表面にフッ素成分を露出させる(表面をテフロン(登録商標)化する)ことでも可能である。
また、バンク5の形成には、ポリイミドの他に、アクリル系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などの有機材料などを用いることもできる。
また、バンク5の形成において、ドライエッチング法を用いることもできる。この場合においても、保護膜40は、その下のホール注入層3の表面に不純物が付着するのを防止する、という役割から有効である。
次に、図2(c)に示すように、バンク5の開口5aの下部の部分の保護膜40を除去する。この状態においては、保護膜4は、バンク5の下部において、ホール注入層3との間に介挿され、開口4aからはホール注入層3が露出することになる。なお、SiOの除去は、希フッ酸溶液を用いたエッチングにより可能である。
ここで、保護膜4がSiOからなり、50[nm]程度の厚みに構成されている場合、0.5[%]の濃度を有する希フッ酸溶液を用いて、2[min.]間程度エッチングすることにより、保護膜4を除去し、バンク5の撥液性を維持することができることが確認された。
なお、エッチングに用いる希フッ酸溶液については、pHが中性よりも低い場合には、添加剤を添加することもできる。
上記エッチング処理において、ホール注入層3は、希フッ酸溶液が酸性を有するため、希フッ酸溶液に対し溶解することがない。
次に、図3(a)に示すように、バンク5で規定される凹状部分に発光層6を形成する。これにより、ホール注入層3の上に発光層6が積層される。ここで、発光層6は、例えば、インクジェット法を用いて発光層6の材料を含むインクをバンク5で規定される凹状部分に滴下し、インクを乾燥させることにより形成できる。なお、発光層6の形成に係るインクの滴下には、インクジェット法の他に、ディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷法、あるいは凸版印刷法などを用いることもできる。
発光層6の形成に係る材料としては、例えば、特開平05−163488号公報に開示されたものを用いることができる。具体的には、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物およびアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリン化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チオピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2,2‘−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質を採用することができる。
次に、図3(b)に示すように、発光層6およびバンク5の表面を覆うように、電子注入層7を形成する。電子注入層7の形成には、例えば、バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、およびこれらの組み合わせ材料を用いることができる。
次に、図3(c)に示すように、電子注入層7の面上に、陰極8を形成する。陰極8の形成には、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)などを用いることができる。
次に、図3(d)に示すように、陰極8の上を封止層9で覆う。封止層9は、発光層6に対し水分が浸入することを抑制する機能を有する層であり、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)などを用い形成することができる。
なお、図示を省略しているが、封止層9の上にカラーフィルターや透光性基板を積層することもある。
以上のようにして、発光装置100が完成する。
2.効果
本実施の形態に係る発光装置100の製造方法は、次のような効果を奏する。
図1から図3に示すように、本実施の形態に係る発光装置100の製造方法では、金属化合物を用い、ホール注入層3を形成している。このため、本実施の形態に係る製造方法を用い製造される発光装置100では、PEDOTを用いホール注入層を形成する従来の場合に比べて、各ピクセルにおける電圧−電流密度特性が優れ、また、大きな電流を流して強い発光強度を得る場合にも劣化し難い、というような優位性を有する。
また、本実施の形態に係る製造方法では、金属化合物を用い形成されたホール注入層3の上を、保護膜40で覆い、当該状態でバンク5の形成を実行する。保護膜400は、上述のようにSiOなどの無機材料からなり、バンク5の形成時におけるウェットプロセスで用いる液に対し、耐性を有する。なお、保護膜40については、バンク5の形成時におけるウェットプロセスで用いる液に対して耐性を有する。ここで、保護膜40については、バンク5の形成時におけるウェットプロセスで用いる液による浸食に対し、金属化合物を用い形成されたホール注入層3よりも高い耐性を持たせることもできる。よって、本実施の形態に係る製造方法では、バンク5の形成に係るウェットプロセスの実行によっても、保護膜40で上面が覆われたホール注入層3が浸食を受けることがない。
ここで、上記における「耐性」とは、膜が処理液により浸食されない程度を示す物性であり、具体的には、処理液に対する浸食性、エッチングレートにより表される。例えば、次のように表される。
1)バンク形成ステップにおけるウェット工程
1−1)現像処理
現像液:TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド):0.1〜2.5[%](例えば、0.4[%])
・保護膜(SiO):エッチングレート=略0[nm/min.](殆ど溶解しない)
・ホール注入層(WO):エッチングレート=8[nm/min.](溶解する)
エッチングレート:保護膜(SiO)<ホール注入層(WO
1−2)洗浄処理(洗浄液;純粋(中性))
・保護膜(SiO):エッチングレート=0[nm/min.](全く溶解しない)
・ホール注入層(WO):エッチングレート=1[nm/min.](僅かに溶解する)
エッチングレート:保護膜(SiO)<ホール注入層(WO
2)保護膜の除去ステップ
2−1)エッチング処理
エッチング液:希フッ酸溶液(酸性)
・保護膜(SiO):エッチングレート=109[nm/min.](溶解する)
・ホール注入層(WO):エッチングレート=0[nm/min.](溶解しない)
エッチングレート:保護膜(SiO)>ホール注入層(WO
2−2)洗浄処理
洗浄液:純粋(中性)
・保護膜(SiO):エッチングレート=0[nm/min.](全く溶解しない)
・ホール注入層(WO):エッチングレート=1[nm/min.](僅かに溶解する)
エッチングレート:保護膜(SiO)<ホール注入層(WO
従って、本実施の形態に係る製造方法では、高い精度でホール注入層3の寸法精度を確保することができ、高い発光性能を有する発光装置100を製造することができる。
また、本実施の形態に係る製造方法では、上述のように、バンク5の形成の際におけるウェットプロセスの実行の間、ホール注入層3のZ軸方向上面が保護膜400で覆われており、バンク5の形成が終了してから保護膜400の一部を除去し、その上に発光層6を積層形成するので、ホール注入層3と発光層6との間に、バンク5の形成に起因する不純物が介在することがない。また、ホール注入層3の材料として用いている金属化合物(例えば、WO、MoWO)は、従来用いられていたPEDOTなどよりも親液性が高く、発光層6の形成時におけるインクとの密着性を高く維持することができる。
従って、本実施の形態に係る製造方法では、ホール注入層3と発光層6との間に不純物が介在せず、また、高い密着接合性を有するので、高い発光性能を有する発光装置100を製造することができる。
3.発光装置100の構成
上記製造方法を用い製造される本実施の形態に係る発光装置100の構成について、図4および図5を用い説明する。図4は、発光装置100の一つのサブピクセル10bと、これに隣接する2つのサブピクセルの一部とを示す模式端面図である。
図4に示すように、発光装置100は、基板1をベースとして形成されており、基板1のZ軸方向上面に互いに間隔をあけた状態で、複数の陽極2が形成されている。なお、図4では、X軸方向に互いに間隔をあけて配された複数の陽極2を示しているが、紙面に直交する方向においても、同様に互いに間隔をあけた状態で複数の陽極2が配されている。
そして、基板1および陽極2の面上を覆うように、ホール注入層3が形成されている。そして、ホール注入層3の面上であって、陽極2と陽極2との間に相当する箇所には、保護膜4を介してバンク5が形成されている。バンク5は、各ピクセル10a〜10cにおける発光層6を規定するものであって、Z軸方向上方に行くに従って断面積が減少する台形状断面を有する。
図5に示すように、 本実施の形態に係るバンク5は、井桁状の所謂ピクセルバンクを採用しており、Y軸方向に延伸するバンク要素5aにより、X軸方向において隣接するサブピクセルの発光層6aと発光層6bと発光層6cとの間が各々区分けされる。
一方、X軸方向に延伸するバンク要素5bにより、Y軸方向の上下に隣接するサブピクセルの発光層同士の間が各々区分けされる。
なお、図5に示すように、X軸方向に隣接する3つのサブピクセルが、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応し、それら隣接する3つのサブピクセルを1セットとして1つのピクセル(画素)が構成されている。
図4に戻って、電子注入層7、陰極8および封止層9は、全面に渡って形成されている。なお、図4では図示を省略しているが、発光装置100では、封止層9のさらに上に、サブピクセル10a〜10c毎にカラーフィルターが配され、また、透光性の基板が配されることもある。
発光装置100は、上記方法を用い製造されているので、上記の優位性を当然に有する。
ここで、ホール注入層3が金属化合物を用い形成されている。ホール注入層3の金属化合物とバンク5とは、直接的な密着性という点で不十分である。しかしながら、本実施の形態に係る発光装置100では、ホール注入層3とバンク5との間にSiOなどからなる保護膜4が介挿されているので、当該介挿によりホール注入層3とバンク5との密着性が補完されている。
よって、発光装置100では、上記構造面からも高い発光性能を有する。
4.発光装置100におけるホール注入層3の詳細構成
発光装置100におけるホール注入層3の詳細構成について、図6を用い説明する。図6は、図2(c)に示す状態を詳細に示すものである。
図6に示すように、バンク5の形成が終了した後、その開口5aの底部分のSiOを除去し、保護膜4の開口4aからホール注入層3が露出するようにするのであるが、この状態において、保護膜4の開口4aから露出するホール注入層3には、浅い凹部3aが形成されることになる(矢印Aで示す部分)。
凹部3aは、SiOの除去工程において、希フッ酸溶液によるエッチングの後、純水でエッチング溶液などを洗い流す際に生じる。ただし、ホール注入層3を構成するWOは、上述のように、純水に対して溶解するが、前述の通り、純水による洗浄処理におけるエッチングレートは、ウェットプロセスによるエッチング処理におけるエッチングレートに比べて小さいため、バンク形成の際のウェットプロセスで形成される凹部よりは遥かに浅いものである。
このように本実施の形態に係る発光装置100の製造方法でも、ホール注入層3には浅い凹部3aは形成されるが、当該凹部3aは、発光層6の形成におけるインク滴下の際に、インクをホール注入層3の表面により密着させるのに有効である。即ち、上記のように、金属化合物を用い形成されているホール注入層3は、従来技術に係るPEDOTを用い形成されたホール注入層に比べて親液性が高く、滴下されたインクを保持する機能が高い。このため、椀状に凹部3aが形成されたホール注入層3では、単に平面の場合に比べて、凹部3aを囲む側壁でもインクと密着するので、よりインクを保持する能力が高くなる。
なお、上記において、ホール注入層3の浅い凹部3aの平均深さは、特に特定されるものではないが、例えば5[nm]〜100[nm]の範囲内とすることができる。凹部3aの平均深さについては、5[nm]以上確保することで、凹部3a内に十分な量のインクを溜めることができ、バンク5で規定された領域にインクを安定に留めることができる。また、バンク5端部まで発光層6がはじきなく形成されるため、陽極2と陰極8との間でのショートを防ぐことができる。
以上より、発光装置100は、ホール注入層3と発光層6との密着性が高く、高い発光性能を有する。
次に、バンク5の底面とホール注入層3との密着性について、図7を用い説明する。図7(a)は、本実施の形態におけるバンク5の底面部分を拡大した模式端面図であり、図7(b)は、比較例として、バンク95の底面とホール注入層93とが直に接合されている構成を示す模式端面図である。
図7(a)に示すように、本実施の形態に係るバンク5の底面は、基板1の上側主面上に形成されたホール注入層3に対し、間に保護膜4が介挿された状態で接合されている。ここで、本実施の形態では、一例として、ホール注入層3の構成材料としてWOを用い、バンク5の構成材料として上記のような絶縁性有機材料を用いているが、間にSiOからなる保護膜4が介挿されているので(B部分)、互いの密着性が高く保たれ、バンク焼成工程における降温時において、バンク5と保護膜4との間、および保護膜4とホール注入層3との間に“うき”を生じ難い。
一方、図7(b)に示すように、比較例として示す構成では、基板91の上側主面上に形成されたホール注入層93が、バンク95の底面と直に接している(C部分)。ホール注入層93およびバンク95の構成材料を、上記と同様とした場合において、互いの密着性という観点で課題が残る。具体的には、絶縁性有機材料から構成されたバンク95と、WOを用い構成されたホール注入層93とは、図7(a)に示す本実施の形態の構成に比べて、その密着性が低く、バンク焼成工程における昇温時および/または降温時において、バンク5と保護膜4との間、および保護膜4とホール注入層3との間に“うき”を生じることが考えられる。
以上より、本実施の形態に係る発光装置100では、保護膜4の介挿により、バンク5とホール注入層3との高い密着性を確保することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2に係る発光装置の製造方法について、図8および図9を用い説明する。なお、図8は、上記実施の形態1に係る製造方法における図1に示す工程に対応する工程を示し、図9は、図2に示す工程に対応する工程を示す。
図8(a)に示すように、基板21のZ軸方向上面に、陽極22を形成する。なお、図8(a)では、陽極22を一つだけ図示しているが、実際には、図4に示すのと同様に、互いに間隔をあけた状態で複数の陽極22が形成されている。また、基板21および陽極22の形成に用いる材料は、上記実施の形態1と同様である。
次に、図8(b)に示すように、本実施の形態に係る製造方法では、基板21および陽極22の上面全体を覆うように、ホール注入層23およびホール輸送層30を、この順に積層形成する。そして、さらにその上に、保護膜240を積層形成する。ここで、ホール注入層23の形成に用いる材料は、上記実施の形態1と同様であるが、ホール輸送層30についても、ホール注入層3と同様の金属化合物を用い形成する。また、保護膜240の形成に用いる材料は、上記実施の形態1と同様である。
次に、図8(c)に示すように、保護膜240の上全体を覆うように、バンク準備膜250を堆積形成する。ここで、バンク準備膜250の形成に用いる材料としては、上記同様に、例えばポリイミドなどの絶縁性有機材料を採用することができる。バンク準備膜250の形成についても、上記同様に、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法などを用いて行うことができる。
次に、図8(d)に示すように、バンク準備膜250の上の一部(開口を設けようとする箇所)にマスク502を形成し、この状態で露光する。
次に、露光後のバンク準備膜250に対して現像を行い、図9(a)に示すように、各サブピクセルに相当する箇所に開口25aを有するバンク25を形成する。
次に、開口25aを有するバンク25を形成した後に、純水などの洗浄液を用いて現像後の不要となった現像液を除去する(図9(b)を参照)。このように、バンク25の形成は、上記実施の形態1と同様に、ウェットプロセスを用い実行される。
なお、バンク25の形成においては、バンク自体が感光性を有するものを採用すれば、レジストを別途設ける必要はない。また、ウェットエッチングも不要となる場合もある。
なお、バンク自体が感光性を有さない形態において、レジストを用いた場合、バンクをエッチングした後のレジストの剥離により、バンクの開口部が剥離液に曝されることになる。このとき、保護膜が介在しているので、レジスト剥離液によるホール注入層に対する影響またはダメージが防止される。
なお、バンク25の形成においては、発光層の形成に用いるインクが隣接するサブピクセルに漏れ出さないようにするため、少なくとも表面の一部に撥液性を持たせておくことができる。撥液性を持たせる方法としては、撥液性を有する材料を用いバンク25を形成する方法の他、プラズマ処理によりバンク25の表面にフッ素成分を露出させる(表面をテフロン(登録商標)化する)ことでも可能である。
この場合、フッ素を含んだガスの環境下におけるプラズマ処理によっても、バンクの表面をフッ素化させることも可能である。
また、バンク25の形成には、上記実施の形態1と同様に、ポリイミドの他に、アクリル系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などの有機材料などを用いることもできる。
また、バンク25の形成において、ドライエッチング法を用いることもできる。この場合においても、保護膜240は、その下のホール輸送層30の表面に不純物が付着するのを防止する、という役割から有効である。また、バンクは、ネガ型材料の他、ポジ型材料も適用できる。
次に、図9(c)に示すように、バンク25の開口25aの下部の部分の保護膜240を除去する。この状態においては、保護膜24は、バンク25の下部において、ホール輸送層30との間に介挿され、保護膜24の開口24aからはホール輸送層30の一部が露出することになる。なお、SiOの除去は、希フッ酸溶液を用いたエッチングにより可能である。
上記エッチング処理において、ホール輸送層30は、希フッ酸溶液が酸性を有するため、希フッ酸溶液に対し溶解することがないことは、上記実施の形態1におけるホール注入層3と同様である。
本実施の形態に係る製造方法では、ホール輸送層30の上に発光層を積層する。このとき、本実施の形態に係る製造方法では、ホール輸送層30も金属化合物を用い形成しているので、バンク25の形成時に保護膜240によりホール輸送層30が保護されている。
従って、本実施の形態に係る方法を用い製造される発光装置も、ホール輸送層30と発光層との間に不純物の介在がなく、また、ホール輸送層30の寸法精度も高く保障されているので、高い発光特性を有する。
[実施の形態3]
実施の形態3に係る発光装置の製造方法について、図10および図11を用い説明する。なお、図10および図11においても、上記実施の形態1に係る製造方法における工程に内、図1および図2にそれぞれ相当する工程だけを示している。
図10(a)に示すように、基板41のZ軸方向上面に、陽極42を形成する。本実施の形態でも、陽極42は、互いに間隔をあけた状態で複数配されている。次に、図10(b)に示すように、陽極42のZ軸方向上面に、ホール注入層43および保護膜440を、この順に積層する。
なお、本実施の形態では、上記実施の形態1,2と相違し、ホール注入層43および保護膜440を、陽極42の上面に選択的に積層形成し、残りの基板41の表面には、これらを形成していない。
次に、図10(c)に示すように、保護膜440および基板41の主面の露出部分の上全体を覆うように、バンク準備膜450を堆積形成する。ここで、バンク準備膜450の形成に用いる材料としては、上記実施の形態1,2と同様に、例えばポリイミドなどの絶縁性有機材料を採用することができる。バンク準備膜450の形成についても、上記実施の形態1,2と同様に行うことができる。
次に、図10(d)に示すように、バンク準備膜450の上の一部(開口を設けようとする箇所)にマスク503を形成し、この状態で露光する。
次に、露光後のバンク準備膜450に対して現像を行い、図11(a)に示すように、各サブピクセルに相当する箇所に開口45aを有するバンク45を形成する。
なお、図11(a)に示すように、バンク45は、開口45a側の一部が保護膜440の上に積層され(D部分)、他の部分は基板41上に積層される(E部分)。
本実施の形態に係る製造方法では、ホール注入層43についても、隣接するサブピクセルとの間で区分けされており、隣接するサブピクセル間での発光に係る影響をより低減することができる。そして、本実施の形態に係る製造方法においても、ホール注入層43の形成に金属化合物(例えば、WO)を用いるのであるが、図11(a)に示すように、ホール注入層43のZ軸方向上面とバンク45との間にSiOなどからなる保護膜440が介挿されているので、互いの密着性を高くすることができる。
ここで、図10(b)に示すように、本実施の形態では、保護膜440とホール注入層43とを同一パターンを以って形成することとしている。この場合においては、フォトリソグラフィ工程を一括して実行することが可能である。即ち、一枚のマスクでの実行が可能となる。
なお、マスクを別々に用いることを許容し、ホール注入層43のエッジを覆うように保護膜440を形成するようにすれば、エッジから剥がれやすいというホール注入層43の特性を補うことができる。
次に、図11(b)に示すように、開口45aを有するバンク45を形成した後に、純水などの洗浄液を用いて使用後の不要となった現像液を除去する。このように、バンク45の形成は、上記実施の形態1,2と同様に、ウェットプロセスを用い実行される。
なお、バンク45の形成においては、バンク自体が感光性を有するものを採用すれば、レジストを別途設ける必要はない。また、ウェットエッチングも不要となる場合もある。
また、本実施の形態でも、バンク45の形成において、発光層の形成に用いるインクが隣接するサブピクセルに漏れ出さないようにするため、少なくとも表面の一部に撥液性を持たせておくことができる。撥液性を持たせる方法としては、上記同様である。
また、バンク45の形成には、上記実施の形態1,2と同様の材料および方法を用いることも可能である。
次に、図11(c)に示すように、バンク45の開口45aの下部の部分の保護膜440を除去する。この状態においては、保護膜44は、バンク45の下部(図11(a)のD部分)において、ホール注入層43との間に介挿され、保護膜44の開口44aからはホール注入層43の一部が露出することになる。なお、SiOの除去は、希フッ酸溶液を用いたエッチングにより可能である。
本実施の形態に係る製造方法においても、この後、発光層、電子注入層、陰極、封止層などを順に積層形成することで発光装置が完成する(図3を参照)。
[バンクの形状に関する補足]
上記実施の形態1では、図5に示すように、バンク5の平面形状については、所謂、ピクセルバンク(井桁状バンク)としたが、その他に、ラインバンクなどを採用することができる。バンクの平面形状について、図12を用い補足する。
(ラインバンク)
図12に示すように、ライン状のバンク(ラインバンク)65を採用する場合には、X軸方向に隣接するピクセルの発光層66aと発光層66bと発光層66cとを区分けする。
なお、図12に示すように、ラインバンク65を採用する場合には、Y軸方向に隣接するピクセルの発光層同士はバンク要素により規定されていないが、駆動方法および陽極のサイズおよび間隔などにより、発光における互いの影響を抑制することができる。
[その他の事項]
上記実施の形態1〜3では、基板1,21,41上に陽極2,22,42を形成することとしたが、基板上に陰極を形成し、積層体の上部に陽極を形成することとしてもよい。このような構成を採用する場合には、陰極上に電子注入層または電子輸送層、あるいは電子注入輸送層を形成し、その上を保護膜40,240,440で覆いバンク5,25,45を形成することになる。この場合においても、バンク5,25,45の形成に係る電子注入層などへの不純物の付着および液による浸食を抑制することができる。
また、上記実施の形態1〜3に係る発光装置100などでは、トップエミッション型を採用したが、ボトムエミッション型を採用することとしてもよい。
また、上記実施の形態1〜3に係る製造方法で用いた方法および材料などは、一例として示したものであり、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明は、高い発光性能を有し、照明装置や表示装置として用いることが好適な発光素子を実現するのに有用である。
1,21,41.基板
2,22,42.陽極
3,23,43.ホール注入層
4,24,40,44,240,440.保護膜
5,25,45,65.バンク
6,6a,6b,6c,66a,66b,66c.発光層
7.電子注入層
8.陰極
9.封止層
10a,10b,10c.サブピクセル
30.ホール輸送層
50,250,450.バンク準備層
100.発光装置
501,502,503.マスク

Claims (34)

  1. 基板における一方の主面上に、第1電極を形成する第1ステップと、
    少なくとも前記第1電極の上方に、金属化合物を有してなる層を形成する第2ステップと、
    少なくとも前記金属化合物を有してなる層の上を、保護膜で覆う第3ステップと、
    前記保護膜の上に、一部領域に前記保護膜が露出する開口を有するバンクを、ウェットプロセスを用い形成する第4ステップと、
    前記保護膜における前記開口から露出する部分を、前記金属化合物を有してなる層の一部が露出するまで除去する第5ステップと、
    前記第5ステップの実行により、前記開口から露出した前記金属化合物を有してなる層の上に、発光層を形成する第6ステップと、
    前記発光層の上方に、前記第1電極と極性の異なる第2電極を形成する第7ステップと、
    を有し、
    前記保護膜は、前記第4ステップにおける前記ウェットプロセスで用いられる液に対し耐性を有する
    ことを特徴とする発光素子の製造方法。
  2. 前記保護膜は、前記第4ステップにおける前記ウェットプロセスで用いられる液による浸食に対し、前記金属化合物を有してなる層よりも高い耐性を有し、
    前記第5ステップは、前記保護膜における前記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、
    前記金属化合物を有してなる層は、前記第5ステップにおける前記保護膜への前記エッチング処理において用いられる液による浸食に対し、前記保護膜よりも高い耐性を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  3. 前記保護膜は、前記金属化合物を有してなる層に対し、同一の処理液に関して、異なるエッチングレートを示す
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  4. 前記保護膜は、前記第4ステップにおける前記ウェットプロセスで用いられる液に対し、前記金属化合物を有してなる層よりもエッチングレートが低く、
    前記第5ステップは、前記保護膜における前記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、
    前記金属化合物を有してなる層は、前記第5ステップにおける前記保護膜への前記エッチング処理において用いられる液に対し、前記保護膜よりもエッチングレートが低い
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  5. 前記第4ステップにおける前記ウェットプロセスは、現像により前記バンクを形成する現像処理と、前記現像処理後に行われる洗浄処理とを含み、
    前記第5ステップは、前記保護膜における前記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、
    前記保護膜は、前記第4ステップにおける前記現像処理および前記洗浄処理で用いられる各々の液に対し、前記金属化合物を有してなる層よりもエッチングレートが低く、
    前記金属化合物を有してなる層は、前記第5ステップにおける前記保護膜への前記エッチング処理で用いられる液に対し、前記保護膜よりもエッチングレートが低い
    ことを特徴とする請求項4に記載の発光素子の製造方法。
  6. 前記第5ステップは、前記保護膜における前記開口から露出する部分をエッチングにより除去する処理を含み、
    前記保護膜は、前記第4ステップにおける前記ウェットプロセスで用いられる液によっては浸食されることなく、前記第5ステップにおける前記保護膜へのエッチング処理で用いられる液により浸食され、
    前記金属化合物を有してなる層は、前記第5ステップにおける前記保護膜への前記エッチング処理で用いられる液によっては浸食されない
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  7. 前記第4ステップにおける前記ウェットプロセスは、現像により前記バンクを形成する現像処理と、前記現像処理後に行われる洗浄処理とを含み、
    前記第5ステップは、前記エッチング処理後に洗浄する処理を含み、
    前記保護膜は、前記第4ステップにおける前記現像処理および前記洗浄処理で用いられる各々の液によっては浸食されることなく、前記第5ステップにおける前記保護膜への前記エッチング処理で用いられる液により浸食され、
    前記金属化合物を有してなる層は、前記第5ステップにおける前記保護膜への前記エッチング処理で用いられる液によっては浸食されることなく、前記第5ステップにおける前記洗浄処理で用いられる液により浸食される
    ことを特徴とする請求項6に記載の発光素子の製造方法。
  8. 前記第5ステップでは、前記金属化合物を有してなる層を、前記洗浄処理で用いられる液により浸食させて、その内面部を露出させ、
    前記第6ステップでは、前記金属化合物を有してなる層の前記露出した内面部の上に、発光層を形成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記第5ステップでは、前記保護膜における前記開口から露出する部分を除去するとともに、前記金属化合物を有してなる層の前記一部を除去して、前記金属化合物を有してなる層の内面部の一部を露出させ、
    前記第6ステップでは、前記金属化合物を有してなる層の前記露出した内面部の一部の上に、前記発光層を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記第5ステップでは、前記保護膜における前記開口から露出する部分を除去し、前記保護膜における前記バンクに対応する部分を除去させることなく残存させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  11. 前記保護膜は、絶縁材料を用い形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  12. 前記保護膜は、無機材料を用い形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  13. 前記保護膜は、SiO2を用い形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  14. 前記金属化合物を有してなる層は、電荷注入層であって、
    前記第5ステップでは、前記保護膜における前記開口から露出する部分を除去することにより、前記電荷注入層が露出し、
    前記第6ステップでは、前記電荷注入層の上に、前記発光層を積層形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  15. 前記金属化合物を有してなる層は、ともに金属酸化物からなる電荷注入層と電荷輸送層とが、前記第1電極の側から順に積層された構造を有し、
    前記第5ステップでは、前記電荷輸送層の上に、前記発光層を積層形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  16. 前記第2ステップでは、金属酸化物、または金属窒化物、または金属酸窒化物を用い、前記金属化合物を有してなる層を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  17. 前記第6ステップでは、塗布型の有機材料を用い、前記発光層を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  18. 前記第6ステップでは、インクジェット法を用い、前記発光層を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
  19. 複数のサブピクセルを有してなる発光装置の製造方法であって、
    請求項1から18の何れかの発光素子の製造方法を適用して、前記複数のサブピクセルの各々を形成する
    ことを特徴とする発光装置の製造方法。
  20. 基板の一方の主面上において、第1電極および第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介挿された発光層および金属化合物からなる層と、少なくとも前記発光層を規定するバンクとを有してなる発光素子であって、
    前記金属化合物を有してなる層は、少なくとも前記第1電極の上方に形成され、
    前記バンクの底面と前記金属化合物を有してなる層との間には、保護膜が介挿されており、
    前記保護膜は、前記バンクの開口に相当する領域が開口され、且つ、その上に積層形成される前記バンクの形成に係るウェットプロセスで用いられる液による浸食に対し耐性を有する
    ことを特徴とする発光素子。
  21. 前記金属化合物を有してなる層は、前記バンクの開口に相当する中央部側が、端部側よりも前記基板の一方の主面側に窪んだ凹形状を有する
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
  22. 前記保護膜は、前記バンクの底面と前記金属化合物を有してなる層との密着性を高めるための層である
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
  23. 前記保護膜は、絶縁材料を用い形成されている
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
  24. 前記保護膜は、無機材料を用い形成されている
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
  25. 前記保護膜は、SiO2を用い形成されている
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
  26. 前記金属化合物を有してなる層は、電荷注入層であって、
    前記保護膜の開口領域では、前記電荷注入層の上に、前記発光層が積層形成されている
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
  27. 前記金属化合物を有してなる層は、ともに金属酸化物からなる電荷注入層と電荷輸送層とが、前記第1電極の側から順に積層された構造を有し、
    前記保護膜の開口領域では、前記電荷輸送層の上に、前記発光層が積層形成されている
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
  28. 前記金属化合物を有してなる層は、前記バンクの表面よりも高い親液性を有する
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
  29. 前記発光層は、塗布型の有機材料を用い形成されている
    ことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
  30. 基板の一方の主面上において、第1電極および第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介挿された発光層および金属化合物からなる層と、少なくとも前記発光層を規定するバンクとを有してなる発光素子であって、
    前記金属化合物を有してなる層は、少なくとも前記第1電極の上方に形成され、内底面部と当該内底面部に連続する内側面部とを備え、
    前記バンクの底面と前記金属化合物を有してなる層との間には、中間膜が介挿され、
    前記中間膜は、前記バンクの開口に相当する領域が開口されており、
    前記発光層は、その下部側が、前記金属化合物を有してなる層の前記凹形状部分の内底面部および内側面部に接触して形成されている
    ことを特徴とする発光素子。
  31. 前記中間膜は、絶縁材料を用い形成されている
    ことを特徴とする請求項30に記載の発光素子。
  32. 前記中間膜は、無機材料を用い形成されている
    ことを特徴とする請求項30に記載の発光素子。
  33. 前記中間膜は、SiO2を用い形成されている
    ことを特徴とする請求項30に記載の発光素子。
  34. 複数のサブピクセルを有してなる発光装置であって、
    請求項20から33の何れかの発光素子を、前記複数のサブピクセルの各々として備える
    ことを特徴とする発光装置。
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