JP5326289B2 - 有機el素子およびそれを備えた表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は有機EL素子およびそれを備えた表示装置に関し、特に有機発光媒体層が高分子化合物および無機化合物の積層構造からなる有機EL素子およびそれを備えた表示装置に関する。
有機EL素子は導電性の有機発光媒体層に電圧を印加することにより、陰極より注入された電子と陽極からの正孔を再結合させ、この再結合の際に有機発光層を構成する有機発光材料を発光させるものである。有機発光層へ電圧を印加すると共に光を外部へ取り出すために、前記有機発光媒体層の両側には第一電極と第二電極を設けて構成される。この素子は透光性基板上に、第一電極、有機発光媒体層、第二電極を順次積層して構成され、基板上に形成される第一電極は陽極、有機発光媒体層上に形成される第二電極は陰極として利用されることが通常である。
有機発光媒体層の例としては,正孔注入層に銅フタロシアニン、正孔輸送層にN,N’―ジ(1−ナフチル)―N,N’―ジフェニル−1,1’―ビフェニルー4,4’―ジアミン、発光体層にトリス(8―キノリノール)アルミニウムをそれぞれ用いたものが挙げられる。
更に発光効率を増大するなどの目的から、陽極と有機発光層の間に正孔輸送層、正孔注入層、又は有機発光層と陰極の間に電子輸送層、電子注入層が適宜選択して設けられ、有機EL素子として構成されることが多い。そして、有機発光層と正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層を合わせて有機発光媒体層と呼ばれている。
これら有機発光媒体層を構成し機能する物質(発光媒体材料)はいずれも低分子の化合物であり、各層は1〜100nm程度の厚みで抵抗加熱方式などの真空蒸着法などによって積層される。
これに対し、有機発光媒体層として高分子材料を用いた高分子EL素子がある。発光体層としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾールなどの高分子中に低分子の発光色素を溶解させたものや、ポリフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリアルキルフルオレン誘導体(PAF)等の高分子発光体が用いられる。これら高分子材料は、溶剤に溶解または分散することで塗布法や印刷法と言った湿式法により成膜することができるため、前述の低分子材料を用いた有機EL素子と比較して、大気圧下での成膜が可能であり設備コストが安い、という利点がある。
高分子有機EL素子においては、印加電圧を下げる為に正孔輸送層が設けられることが一般的である。代表的な例としては水中にドナー性分子とアクセプタ性分子の会合体が分散した高分子材料よりなるインキを用いて成膜され、優れた電荷注入特性を示すことが知られている。しかしながら、高分子材料からなる正孔輸送層は、膜の抵抗が高いために高電圧領域では膜に高負荷がかかり材料自身が劣化することで、輝度・電流密度が頭打ちになるといった問題がある。このように高分子材料からなる正孔輸送層を用いた素子は耐性に問題があり、発光特性の劣化や、寿命の低下といった懸念点がある。
また、遷移金属の酸化物や窒化物、酸窒化物やP型化合物半導体といった無機物を正孔注入層として用いることが提案されている。この場合、特に高電圧、高輝度領域で高分子材料を用いた場合より安定した特性を示しているが、高効率を得る為には正孔注入層と発光層の間に高分子材料より成る電子ブロック層が必須である。(特許文献1)
ここで、上述の正孔輸送層や正孔注入層、電子ブロック層のような、電極と有機発光層の間にあって、特性を向上させるための層はバッファ層と呼ばれている。
そして、上述の電子ブロック層は印加電圧の上昇を防ぐ為に有機発光媒体層よりも薄い膜厚で設けることが一般的であり、特にピクセル毎に画素が区切られた表示装置を作製する際には、高分子材料を用いた場合画素内外の膜均一性を得る為の技術課題は多い。
以下に公知の文献を記す。
特開2006−114759号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、膜厚ムラのない均一なバッファ層を得、さらには、耐性の良い安定性の高いバッファ層を用いることで信頼性の高い高分子有機EL素子を得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係わる発明は、透明電極と対向電極の間に少なくともバッファ層と高分子化合物よりなる有機発光層を含む有機発光媒体層を備えた有機EL素子において、バッファ層が少なくとも2種類の無機物からなることを特徴とする有機EL素子としたものである。
電極と有機発光層の間に少なくとも2種類の無機物からなるバッファ層を設けることで、有機物よりなるバッファ層を用いた場合と比較して、熱安定性や耐性に優れたより安定した有機EL素子を得ることが出来る。また、少なくとも2種類の無機物を用いることでキャリア輸送機能や注入機能およびキャリアブロック機能を制御し易くなり、より高効率な有機EL素子を得ることが出来る。
本発明の請求項2に係わる発明は、陽極と陰極との間に、少なくともバッファ層と高分子化合物を含有する有機発光層を含む有機発光媒体層を備えた有機EL素子において、バッファ層が少なくとも2種類の無機物からなることを特徴とする有機EL素子としたものである。
電極と有機発光層の間に少なくとも2種類の無機物からなるバッファ層を設けることで、有機物よりなるバッファ層を用いた場合と比較して、熱安定性や耐性に優れたより安定した有機EL素子を得ることが出来る。また、少なくとも2種類の無機物を用いることでキャリア輸送機能や注入機能およびキャリアブロック機能を制御し易くなり、より高効率な有機EL素子を得ることが出来る。
本発明の請求項3に係わる発明は、前記バッファ層が前記陽極側に設けられ、前記有機発光層が前記陰極側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の有機EL素子としたものである。
バッファ層を陽極側に設けることで、陽極からの正孔注入が容易となる。
本発明の請求項4に係わる発明は、バッファ層が少なくとも2種類の無機物の積層体であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の有機EL素子としたものである。
少なくとも2種類の無機物よりなるバッファ層を無機物の積層体とすることで、キャリア輸送機能や注入機能およびキャリアブロック機能を膜厚調整や材料の適切な選択により、簡易に調整することが出来る。
本発明の請求項5に係わる発明は、前記積層体が、前記陽極側に設けられた正孔輸送層と、前記有機発光層側に設けられた正孔注入機能または電子ブロック機能の少なくとも一方を有する機能層とを含むことを特徴とする請求項4に記載の有機EL素子としたものである。
バッファ層を構成する層のうちの一方を正孔輸送層とし、その上へ積層する機能層が正孔注入機能を有することで有機発光層への正孔注入を容易にし、駆動電圧の低減が可能になる。また、機能層が電子ブロック機能を有することで有機発光層内でのホールと電子の再結合を容易にし、発光効率の向上を得ることができる。
本発明の請求項6に係わる発明は、前記機能層が電子ブロック機能を有し、且つ、前記電子ブロック機能を有する機能層の電子親和力値の絶対値が有機発光層の電子親和力の絶対値よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子としたものである。
機能層の電子親和力値の絶対値が有機発光層の電子親和力の絶対値よりも小さく設ける事で、適切な電子ブロック能を得ることが可能になり、より高効率な有機EL素子を得ることが出来る。
本発明の請求項7に関わる発明は、前記機能層が正孔注入機能を有し、且つ、前記正孔注入機能を有する機能層の仕事関数の絶対値が有機発光層の仕事関数の絶対値よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子としたものである。
機能層の仕事関数値の絶対値が有機発光層の仕事関数値の絶対値よりも大きく設けることで、正孔輸送および注入の際の障壁が小さくなり、有機EL素子の駆動電圧の低減が可能である
本発明の請求項8に係わる発明は、正孔輸送層または機能層の少なくとも一方が遷移金属の酸化物を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子としたものである。
正孔輸送層または機能層の少なくとも一方へ遷移金属の酸化物を用いることで複数の電位レベルを取ることが出来て、正孔輸送および注入が容易になり駆動電圧の低減が可能になる。また、金属の価数を調整することで機能層若しくは正孔注入層の電位レベルを調整することが可能である。
本発明の請求項9に係わる発明は、正孔輸送層または機能層の少なくとも一方が遷移金属の窒化物を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子としたものである。
正孔輸送層または機能層の少なくとも一方へ堅牢な遷移金属の窒化物を用いることでより安定性の高い有機EL素子を得ることが出来る。
本発明の請求項10に係わる発明は、正孔輸送層または機能層の少なくとも一方が遷移金属の酸窒化物を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子としたものである。
正孔輸送層または機能層の少なくとも一方へ遷移金属の酸窒化物を用いることでより安定性の高い有機EL素子を得ることが出来る。また、金属の価数を調整することで正孔輸送層または機能層の電位レベルを調整することが可能である。
本発明の請求項11に係わる発明は、正孔輸送層または機能層の少なくとも一方がIII−V族元素のP型化合物半導体を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子としたものである。
正孔輸送層または機能層の少なくとも一方へ適切なIII−V族元素のP型化合物半導体を選択することで、通電や温度による電気的特性も変化が少なく、電極材料との電気化学的反応もなく、更に透光性にも優れた正孔輸送層および電子ブロック層若しくは正孔注入層を得ることができる。
本発明の請求項12に係わる発明は、機能層が、少なくとも酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステンのいずれか一種の化合物を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子である。
機能層が、少なくとも酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステンのいずれか一種の化合物を含むことで、安定で正孔注入機能若しくは電子ブロック機能に優れた機能層を得ることができる。
本発明の請求項13に係わる発明は、積層体が陽極側に配置された正孔輸送層と有機発光層側に配置された電子ブロック層からなることを特徴とする請求項4に記載の有機EL素子としたものである。
バッファ層を構成する層のうちの一方を正孔輸送層とし、その上へ積層する機能層を電子ブロック層とすることで有機発光層内での正孔と電子の再結合を容易にし、発光効率の向上を得ることができる。
本発明の請求項14に係わる発明は、電子ブロック層の電子親和力値の絶対値が有機発光層の電子親和力の絶対値よりも小さい事を特徴とする請求項13に記載の有機EL素子としたものである。
電子ブロック層の電子親和力値の絶対値が有機発光層の電子親和力の絶対値よりも小さく設ける事で、適切な電子ブロック能を得ることが可能になり、より高効率な有機EL素子を得ることが出来る。
本発明の請求項15に係わる発明は、正孔輸送層および電子ブロック層が遷移金属の酸化物を含むことを特徴とする請求項13に記載の有機EL素子としたものである。
正孔輸送層および電子ブロック層へ遷移金属の酸化物を用いることで複数の電位レベルを取ることが出来て、正孔輸送および注入が容易になり駆動電圧の低減が可能になる。また、金属の価数を調整することで機能層若しくは正孔注入層の電位レベルを調整することが可能である。
本発明の請求項16に係わる発明は、正孔輸送層および電子ブロック層が遷移金属の窒化物を含むことを特徴とする請求項13に記載の有機EL素子としたものである。
正孔輸送層および電子ブロック層へ堅牢な遷移金属の窒化物を用いることでより安定性の高い有機EL素子を得ることが出来る。
本発明の請求項17に係わる発明は、正孔輸送層および電子ブロック層が遷移金属の酸窒化物を含むことを特徴とする請求項13に記載の有機EL素子としたものである。
正孔輸送層および電子ブロック層へ遷移金属の酸窒化物を用いることでより安定性の高い有機EL素子を得ることが出来る。また、金属の価数を調整することで正孔輸送層および電子ブロック層の電位レベルを調整することが可能である。
本発明の請求項18に係わる発明は、正孔輸送層および電子ブロック層がIII−V族元素のP型化合物半導体を含むことを特徴とする請求項13に記載の有機EL素子としたものである。
正孔輸送層および電子ブロック層へ適切なIII−V族元素のP型化合物半導体を選択することで、通電や温度による電気的特性も変化が少なく、電極材料との電気化学的反応もなく、更に透光性にも優れた正孔輸送層および電子ブロック層を得ることができる。
本発明の請求項19に係わる発明は、正孔輸送層が、少なくとも酸化モリブデン、酸化バナジウム、砒素化ガリウム、炭化珪素のいずれか一種を含むことを特徴とする請求項5または13に記載の有機EL素子としたものである。
正孔輸送層が、少なくとも酸化モリブデン、酸化バナジウム、砒素化ガリウム、炭化珪素のいずれか一種を含むことで、キャリア輸送性や透過性に優れた正孔輸送層を得ることができる。
本発明の請求項20に係わる発明は、有機発光層が湿式法により形成されたことを特徴とする請求項1から19いずれかに記載の有機EL素子としたものである。
有機発光層を湿式法により形成することで、有機発光層成膜時のコスト低減が可能になる。また、ドライプロセスで成膜される無機層と電極間に湿式法で成膜される有機発光層を設けることで、無機層や電極由来の突起や欠陥を被覆し短絡の低減が可能になる。
本発明の請求項21に係わる発明は、前記陽極または前記陰極の少なくとも一方が画素電極であることを特徴とする請求項2に記載の有機EL素子である。
電極の一方を画素電極とすることで、アクティブマトリクス駆動型の有機EL素子を得ることができる。
本発明の請求項22に係わる発明は、請求項1から21いずれかに記載の有機EL素子を表示素子として備えたことを特徴とする表示装置としたものである。
請求項1から21に記載の有機EL素子を表示素子として備えることで、より高効率で安定性もよく、かつ良好な表示特性を有する表示装置を得ることができる。
本発明は上記のような構成であるので、ウェットプロセスでは懸念される膜厚ムラのない均一なバッファ層を得ることが出来る。
また、本発明は上記のような構成であるので、バッファ層を高分子材料でウェットプロセスを用い成膜後、さらに有機発光層を積層した場合に懸念される膜間での溶出や層同士の混ざり合いが生じず、膜厚ムラのない均一なバッファ層を得ることが出来る。
さらには、耐性の良い安定性の高い無機物よりなるバッファ層を用いることで信頼性の高い高分子有機EL素子を得ることができる。
また、バッファ層を無機物よりなる正孔輸送層と機能層の積層構造とすることで、画素毎に塗り分ける必要がない正孔輸送層および機能層のドライプロセスによる一括製膜が可能になり、工程数やコストの大幅な削減が可能になる。
また、バッファ層を無機物よりなる正孔輸送層と電子ブロック層の積層構造とすることで、画素毎に塗り分ける必要がない正孔輸送層および電子ブロック層のドライプロセスによる一括製膜が可能になり、工程数やコストの大幅な削減が可能になる。
また、ドライプロセスで成膜される無機層と電極との間に湿式法で成膜される有機発光層を設けることで、短絡の低減が可能になりより高性能な有機EL素子を得ることが出来る。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明において参照する図面は、本発明の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さ、寸法等は、実際のものとは異なる。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下本発明による有機EL素子の一例を図1に基づいて説明する。
本発明における透光性基板101(図1)としては、透光性があり、ある程度の強度がある基材なら制限はないが、具体的にはガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。0.2〜1mmの薄いガラス基板を用いれば、バリア性が非常に高い薄型の有機EL素子を作製することができる。
透明導電層102としては、透明または半透明の電極を形成することのできる導電性物質なら特に制限はない。具体的にはインジウムと錫の複合酸化物(以下ITOという)を好ましく用いることができる。前記透光性基板101上に蒸着またはスパッタリング法により製膜することができる。また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基材上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法等により形成することもできる。あるいは、アルミニウム、金、銀等の金属が半透明状に蒸着されたものを用いることができる。あるいはポリアニリン等の有機半導体も用いることができる。
上記、透明導電層102は、必要に応じてエッチングによりパターニングを行ったり、UV処理、プラズマ処理などにより表面の活性化を行ってもよい。
マトリクス表示可能なディスプレイとして有機EL素子を製造する際には、透明導電層をストライプ状に形成し、有機発光媒体層を挟んで形成される対向電極を透明電極と直交するストライプ状に形成することで、各交点が発光する方式のパッシブマトリクス表示とすることができる。また、基板101に各画素に対応する薄膜トランジスタを形成し、これと導通するように各画素に対応する対向電極を各々設けアクティブマトリクス表示とすることもできる。
透明導電層102をエッチングによりパターン状に形成した場合、透明電極パターン端部の凹凸が大きく、上方に積層する有機発光媒体層では覆いきれない場合、透明電極と対向電極間で短絡が発生することが懸念される。そのため透明電極の端部は絶縁性の樹脂などで被覆することが好ましい。透明電極端部の被覆には、例えばポリイミド、アクリル、ポリウレタンなどの樹脂の組成物に感光性を持たせ、これを塗布、マスク露光、現像することで行うことが出来る。
また、透明電極の端部を覆う絶縁性の樹脂(絶縁性隔壁105とする)の高さを一定以上、例えば0.5μm以上1.5μm以下とすると、隣接する透明電極パターン同士に形成される有機発光媒体層が異なる場合に、画素同士の混色を防ぐ役割を果たす。
本発明における有機EL素子の有機発光媒体層103は、バッファ層103aおよび有機発光層103bの2層構造(図1)に限らず、これにさらに電子輸送層や絶縁層を設けた構造であっても本発明の効果を得ることが出来る。各層の厚みは任意であるが好ましくは0.1nm〜200nm、有機発光媒体層の総膜厚としては50nm〜500nmであることが好ましい。
バッファ層103aとしては少なくとも2種類の無機物からなる正孔輸送層103a1と、電子ブロック層103a2の積層構造が用いられる。
無機物よりなる正孔輸送層103a1としては遷移金属の酸化物、窒化物、酸窒化物若しくはP型化合物半導体などを用いることができる。正孔輸送層103a1の膜厚は任意であるが好ましくは0.1nm〜200nmであり、また0.1〜70nmであることが駆動電圧の上昇を防ぐことができる為より好ましい。また、絶縁性の高い材料である場合は膜厚は0.1〜10nmの範囲で成膜することで、良好な正孔輸送性が得られる。さらにバンドギャップが3.0eV以上であるあれば、可視光領域でほぼ透明であるため、より色度、輝度、発光効率に優れたEL特性を得ることが出来る。
ここで用いられる遷移金属酸化物としてはクロム(Cr)、タングステン(W)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)などの酸化物を挙げることができる。遷移金属の化合物は複数の酸化数をとるため、これにより複数の電位レベルを取ることが出来て、正孔注入が容易になり駆動電圧の低減が可能になる。成膜は主に真空蒸着法やスパッタリング法によって成膜することができる。
また、窒化物には非常に多くの種類があり、その多くが機能材料として活用されている。主にスパッタリングやCVD法によって成膜を行うことができる。半導体として用いられるものから、非常に絶縁性の高いものまでさまざまな化合物が知られているが、種々の実験の結果、絶縁性の高い化合物については成膜の際にその膜厚をおおむね5nm付近以下にすることでキャリア注入が可能になることがわかった。具体的な化合物として以下のものを挙げることができ、好ましくは窒化チタン(TiN)である。TiNは非常に堅牢な材料として知られており、熱に対して安定である。
この他、窒化マグネシウム(MgN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化タンタル(TaN)、窒化バナジウム(BaN)、窒化亜鉛(ZnN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化鉄(FeN)、窒化銅(CuN)、窒化クロム(CrN)、窒化イットリウム(YN)、窒化チタン(TiN)、およびこれらの複合窒化物等も適用可能である。
更に、本発明の有機エレクトロルミネッセント素子は、正孔輸送層がIII−V族元素のP型化合物半導体より成るものを含む。特にケイ素(Si)の炭化物SiCは大面積成膜も容易であり、ドーピングにより正孔輸送性を制御することも簡単である。また、通電や温度による電気的特性も変化が少なく、電極材料との電気化学的反応もない。更に透光性にも優れている。また、ガリウム(Ga)のヒ素化合物GaAsは陽極に用いられるITOと近い仕事関数を有することから、正孔輸送層として適用可能である。この場合は真空蒸着法などによって製膜できる。この他にも陽極材料と近い仕事関数値を有し、かつ電子親和力値が発光層のそれを下回るものであれば何れのIII−V族元素化合物半導体を用いても良い。成膜は主に真空蒸着法やスパッタリング法によって成膜することができる。
無機物よりなる電子ブロック層103a2としては遷移金属の酸化物、窒化物、酸窒化物やIII、IV、V族元素のP型化合物半導体などを用いることが出来る。電子ブロック層103a2の膜厚は任意であるが好ましくは0.1nm〜200nmであり、また0.1〜70nmであることが駆動電圧の上昇を防ぐことができる為より好ましい。また、絶縁性の高い材料である場合は膜厚は0.1〜10nmの範囲で成膜することで、発光層への正孔注入を妨げることなく良好なEL特性が得られる。さらにバンドギャップが3.0eV以上であるあれば、可視光領域でほぼ透明であるためより色度、輝度、発光効率に優れたEL特性を得ることが出来る。
無機物よりなる電子ブロック層103a2に用いる材料としては前に挙げた正孔輸送層103a1と同様の材料を用いることが出来る。この際、電子ブロック層は発光層へ注入された電子が正孔輸送側に抜けることを防ぐ必要がある為、電子ブロック層の電子親和力値が発光層の電子親和力値よりも小さな値を有する、若しくは電子輸送性の低い材料である必要がある。また、電子ブロック層の仕事関数値が正孔輸送層および発光層のそれに近い値を有するものであれば、発光層への正孔注入を妨げることなく良好な有機EL特性を得ることが出来る。
例えば、NiOの仕事関数値/電子親和力値は5.4 eV/1.9 eVと正孔注入能、電子ブロック能の何れにも優れた材料であり、電子ブロック層として適した材料である。このほかには先にあげたSiCを電子ブロック層として用いても良い。
バッファ層を無機物よりなる正孔輸送層と電子ブロック層の積層構造とすることで、画素毎に塗り分ける必要がない正孔輸送層および電子ブロック層のドライプロセスによる一括製膜が可能になり、工程数やコストの大幅な削減が可能になる。また、ウェットプロセスでは懸念される膜厚ムラのない均一なバッファ層を得ることが出来る。さらには、安定性の高い無機物よりなるバッファ層を用いることで信頼性の高い高分子有機EL素子を得ることができる。
有機発光層103bに用いる発光体としては、一般に有機発光材料として用いられているものであれば良く、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’―ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させたものや、PPV系やPAF系、ポリパラフェニレン系等の高分子発光体を用いることができる。
これら有機発光層はトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、メシチレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて有機発光塗布液とし、湿式法により成膜できる。特にトルエン、キシレン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン等の芳香族系溶媒は高分子発光材料の溶解性が良く、また大気圧中での沸点が180℃以下であることから扱いも容易であり、有機発光媒体層成膜後の溶媒除去の点で好ましい。また有機発光媒体層を形成する塗布液は必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤等を添加しても良い。
各画素部位に設けられる発光体層として同一の色彩に発光するものを配列することもできるが、この場合には、単一色の表示装置となる。カラー画面を表示する場合には、それぞれの画素部位に、互いに異なる色彩に発光する発光体層をパターン状に配列する必要がある。一般に、光の三原色に相当する赤(R)、緑(G)及び青(B)である。また、その補色に相当するイエロー(Y)、シアン(C)及びマゼンタ(M)が利用されることもある。
印刷法により有機発光層を成膜する際には、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの印刷法により塗布できるが、特に凸版印刷法は塗布液の粘度領域に適している点、基材を傷つけることなく印刷可能である点、材料の利用効率が良い点から特に有機EL素子作製に適している。
湿式法による成膜工程の後には乾燥工程が必要である。乾燥方法としては、発光特性に支障が出ない程度に溶媒を除くことが出来ればよく、加熱や減圧による方法を選択することが出来る。有機発光媒体層の熱による劣化を考慮すると、加熱は各材料のTg以下であることが好ましく、減圧状態を併用する溶媒除去がより好ましい。
正孔ブロック層および電子輸送層に用いる正孔ブロック材料および電子輸送材料としては、一般に電子輸送材料として用いられているものであれば良く、トリアゾール系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、シロール系、ボロン系等の低分子系材料を用いて真空蒸着法による成膜が可能である。また、これらの電子輸送性材料およびこれら電子輸送材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて電子輸送塗布液とし、印刷法により成膜出来る。
電子注入層に用いる電子注入材料としては前述の電子輸送層に用いられるのと同様な材料の他に、フッ化リチウムや酸化リチウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩や酸化物等をもちいて真空蒸着による成膜が可能である。また、これらの電子輸送性材料およびこれら電子輸送材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて電子輸送塗布液とし、印刷法により成膜出来る。
印刷法にこれらの層を成膜する際には、有機発光層と同様に凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの印刷法により塗布できるが、特に凸版印刷法は塗布液の粘度領域に適している点、基材を傷つけることなく印刷可能である点、材料の利用効率が良い点から特に有機EL素子作製に適している。
対向電極である陰極104としてはMg,Al,Yb等の金属単体を用いたり、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数の低い金属と安定な金属との合金系、例えばMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。陰極の形成方法は材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法を用いることができる。陰極の厚さは、10nm―1000nm程度が望ましい。
最後にこれら有機EL積層体を、外部の酸素や水分から保護する為に、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機EL素子を得ることができる。また透光性基板が可とう性を有する場合は封止剤と可とう性フィルムを用いて密閉封止を行う。
図1においては、透光性基板101上に陽極としての電極から積層されているが、陰極としての電極からの積層も適宜可能である。
また、図1においては、透光性基板101上に透明導電層102を設け、透光性基板側が表示側であるが、透光性基板101側と反対側の電極を透明電極とし、反対側からの表示も適宜可能である。この場合、図1の透光性基板101は透光性でなくてもよく、また、透明導電層102は透明でなくてもよい。
以下、本発明による有機EL素子およびそれを備えた表示装置の別の例を図3に基づいて説明する。
図3の本発明の実施の形態に係る有機EL素子を備えた表示装置100は、薄膜トランジスタ(以下、単に「TFT」という場合がある。)を備えた基板5と、画素毎に設けられた画素電極13と、画素毎に区画するために形成された隔壁14と、画素電極13の上方に形成された正孔輸送層3a及び機能層3bからなるバッファ層3と、バッファ層3上に形成された有機発光層15と、有機発光層15上に形成された対向電極2とを備えているアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置である。
図3の表示装置100においては、正孔輸送層3aおよび機能層3bからなるバッファ層3ならびに有機発光層15が有機発光媒体層16である。
図4は、図3の概略上面図であり、表示領域1、画素電極13、有機発光媒体層16、対向電極2が示されている。
[基板5]
図3に示すように、本発明の実施の形態に係るアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100に用いる基板(バックプレーン)5には、TFT(薄膜トランジスタ)と画素電極13が設けられており、かつ、TFTと画素電極13とが電気的に接続されている。
TFTや、TFTの上方に構成される有機EL素子は基板5で支持される。基板5としては機械的強度、絶縁性を有し寸法安定性に優れた基板5であれば如何なる材料も使用することができる。
基板5の材料は例えば、ガラスや石英、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシート、または、これらプラスチックフィルムやシートに酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜を単層もしくは積層させた透光性基材や、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、シート、板、プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属膜を積層させた非透光性基材などを用いることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
表示装置100の光取出しをどちらの面から行うかに応じて基板5の透光性を選択すればよい。これらの材料からなる基板5は、表示装置100内への水分の浸入を避けるために、無機膜を形成したり、フッ素樹脂を塗布したりして、防湿処理や疎水性処理を施してあることが好ましい。特に、有機発光媒体層16(後述する)への水分の浸入を避けるために、基板5における含水率及びガス透過係数を小さくすることが好ましい。
本発明の実施の形態に係る基板5上に設ける薄膜トランジスタは、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。具体的には、主として、ソース/ドレイン領域10、12及びチャネル領域が形成される活性層6、ゲート絶縁膜7及びゲート電極8から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
活性層6は、特に限定されるものではなく、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、セレン化カドミウム、金属酸化物等の無機半導体材料又はチオフェン、オリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)等の有機半導体材料により形成することができる。
活性層6は、例えば、アモルファスシリコンをプラズマCVD法により積層し、イオンドーピングする方法;SiHガスを用いてLPCVD法(減圧化学気相成長法)によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法;Siガスを用いてLPCVD法により、また、SiHガスを用いてPECVD法(プラズマ化学気相成長法)によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザ等のレーザによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピング法によりイオンドーピングする方法(低温プロセス);減圧CVD法又はLPCVD法によりポリシリコンを積層し、1000℃以上で熱酸化してゲート絶縁膜を形成し、その上にnポリシリコンのゲート電極8を形成し、その後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法(高温プロセス)等が挙げられる。
本発明の実施の形態に係るゲート絶縁膜7としては、通常、ゲート絶縁膜7として使用されているものを用いることができ、例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiO;ポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等を用いることができる。
本発明の実施の形態に係るゲート電極8としては、通常、ゲート電極8として使用されているものを用いることができ、例えば、アルミニウム、銅等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;ポリシリコン;高融点金属のシリサイド;ポリサイド;等が挙げられるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
本発明の実施の形態に係る薄膜トランジスタは、シングルゲート構造、ダブルゲート構造、ゲート電極が3つ以上のマルチゲート構造であってもよい。また、LDD構造、オフセット構造を有していてもよい。さらに、1つの画素中に2つ以上の薄膜トランジスタが配置されていてもよい。
本発明は薄膜トランジスタが表示装置100のスイッチング素子として機能するように接続される必要があり、薄膜トランジスタのドレイン電極12と画素電極13とが電気的に接続されている。
[画素電極13]
図3に示すように、本発明の実施の形態に係る画素電極13は、基板5上に成膜し、必要に応じてパターニングをおこなう。画素電極13は隔壁14によって区画されてもよい。
画素電極13の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
画素電極13を陽極とする場合にはITOなど仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。下方(基板5側)から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション構造の場合は透光性のある材料を選択する必要がある。必要に応じて、画素電極13の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。
ここで、上方(基板5側とは反対方向)から光を取り出す、いわゆるトップエミッション構造の場合は、画素電極13は、透光性のある材料を選択する必要はなく、対向電極2を透光性のある材料とすればよい。また、画素電極を陰極とすることもできる。さらには、基板5上に対向電極2から積層することもできる。
画素電極13の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
画素電極13のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィ法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。基板5としてTFTを形成した物を用いる場合は下層の画素に対応して導通を図ることができるように形成する。
[隔壁14]
必要に応じ、隔壁14を、各画素に対応した発光領域を区画するように形成することができる。画素電極13の端部を覆うように形成するのが好ましい(図3参照)。一般にアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100は、各画素に対して画素電極13が形成され、それぞれの画素ができるだけ広い面積を占有しようとするため、画素電極13の端部を覆うように形成される隔壁14の最も好ましい形状は各画素電極13を最短距離で区切る格子状を基本とする。
隔壁14の形成方法としては、従来と同様、基体(薄膜トランジスタ及び画素電極13)上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を積層し、フォトリソグラフィ法により所定のパターンとする方法が挙げられるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。必要に応じて撥水剤を添加したり、プラズマやUVを照射したりして形成後にインクに対する撥液性を付与することもできる。
隔壁14の好ましい高さは0.1μm以上10μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上2μm以下程度である。10μmより高すぎると対向電極2の形成及び封止を妨げ、0.1μmより低すぎると画素電極13の端部を覆い切れない、あるいは有機発光媒体層16形成時に隣接する画素とショートしたり混色したりしてしまうからである。
[有機発光媒体層16]
本発明の実施の形態に係る有機発光媒体層16は、正孔輸送層3aおよび機能層3bよりなるバッファ層3と有機発光層15を備えている。また、さらに電子輸送層や絶縁層を設けた構造であっても本発明の効果を得ることが出来る。各層の厚みは任意であるが好ましくは0.1nm〜200nm、有機発光媒体層16の総膜厚としては50nm〜500nmであることが好ましい。
隔壁14形成後、バッファ層3を形成することができる。バッファ層3は少なくとも2種類の無機物からなる。バッファ層は少なくとも2種類の無機物の積層体であってもよい。無機物の積層体には、正孔輸送層3aと、機能層3bの積層構造を用いることができる。
無機物よりなる正孔輸送層3aとしては遷移金属の酸化物、窒化物、酸窒化物若しくはP型化合物半導体などを用いることができる。正孔輸送層3aの膜厚は任意であるが好ましくは0.1nm〜200nmであり、また0.1〜70nmであることが駆動電圧の上昇を防ぐことができる為より好ましい。また、絶縁性の高い材料である場合は膜厚は0.1〜10nmの範囲で成膜することで、良好な正孔輸送性が得られる。さらにバンドギャップが3.0eV以上であるあれば、可視光領域でほぼ透明であるため、より色度、輝度、発光効率に優れたEL特性を得ることが出来る。
ここで用いられる遷移金属酸化物としてはクロム(Cr)、タングステン(W)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)などの酸化物を挙げることができる。遷移金属の化合物は複数の酸化数をとるため、これにより複数の電位レベルを取ることが出来て、正孔注入が容易になり駆動電圧の低減が可能になる。成膜は主に真空蒸着法やスパッタリング法によって成膜することができる。
特に真空蒸着法で成膜される酸化モリブデンは加熱昇華して基板上に堆積する過程で還元を受け、6価から3価の酸化数と複数の電位レベルをもつことから正孔輸送が容易になり、駆動電圧の低減が可能になる。最も価数の大きいMoOの仕事関数/電子親和力値は5.4 eV/2.4 eVと正孔注入層として適した材料である。このほかにもVやWOなど陽極と有機発光層の間にある仕事関数値を有するものであれば何れの遷移金属酸化物を用いても良い。
また、窒化物には非常に多くの種類があり、その多くが機能材料として活用されている。主にスパッタリングやCVD法によって成膜を行うことができる。半導体として用いられるものから、非常に絶縁性の高いものまでさまざまな化合物が知られているが、種々の実験の結果、絶縁性の高い化合物については成膜の際にその膜厚をおおむね5nm付近以下にすることでキャリア注入が可能になることがわかった。具体的な化合物として以下のものを挙げることができ、好ましくは窒化チタン(TiN)である。TiNは非常に堅牢な材料として知られており、熱に対して安定である。
この他、窒化マグネシウム(MgN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化タンタル(TaN)、窒化バナジウム(BaN)、窒化亜鉛(ZnN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化鉄(FeN)、窒化銅(CuN)、窒化クロム(CrN)、窒化イットリウム(YN)、窒化チタン(TiN)、およびこれらの複合窒化物等も適用可能である。
酸窒化物の例としては、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、などの酸窒化物をあげることができる。これら遷移金属の酸窒化物は主にスパッタリング法やCVD法で成膜を行うことができる。
更に、本発明の有機エレクトロルミネッセント素子は、正孔輸送層3aがIII−V族元素のP型化合物半導体より成るものを含む。特にケイ素(Si)の炭化物SiCは大面積成膜も容易であり、ドーピングにより正孔輸送性を制御することも簡単である。また、通電や温度による電気的特性も変化が少なく、電極材料との電気化学的反応もない。更に透光性にも優れている。また、ガリウム(Ga)のヒ素化合物GaAsは陽極に用いられるITOと近い仕事関数を有することから、正孔輸送層として適用可能である。この場合は真空蒸着法などによって製膜できる。この他にも陽極材料と近い仕事関数値を有し、かつ電子親和力値が発光層のそれを下回るものであれば何れのIII−V族元素化合物半導体を用いても良い。成膜は主に真空蒸着法やスパッタリング法によって成膜することができる。
ここで、正孔輸送層3aは、図3に示すように複数の隔壁14間と隔壁14とに連続して設けられていてもよい。あるいは隔壁14に隔てられて形成されていても良い。
図3に示すように、複数の隔壁14間と隔壁14に連続して形成すると、プロセス効率を向上させることができる。一方、隔壁14に隔てられて形成されていれば、画素間の電荷のもれを確実に防止できる。
正孔輸送層3a形成後、無機物よりなる機能層3bを形成することができる。無機物よりなる機能層3bとしては遷移金属の酸化物、窒化物、酸窒化物やIII、IV、V族元素のP型化合物半導体などを用いることが出来る。機能層3bの膜厚は任意であるが好ましくは0.1nm〜200nmであり、また0.1〜70nmであることが駆動電圧の上昇を防ぐことができる為より好ましい。また、絶縁性の高い材料である場合は膜厚は0.1〜10nmの範囲で成膜することで、有機発光層への正孔注入を妨げることなく良好なEL特性が得られる。さらにバンドギャップが3.0eV以上であるあれば、可視光領域でほぼ透明であるためより色度、輝度、発光効率に優れたEL特性を得ることが出来る。
無機物よりなる機能層3bに用いる材料としては前に挙げた正孔輸送層3aと同様の材料を用いることができる。
機能層3bの電子親和力値が有機発光層15の電子親和力値よりも小さな値を有する場合、機能層3bは電子ブロック機能を示し有機発光層15へ注入された電子が正孔輸送層3a側に抜けることを防ぎ、高い発光効率を得ることができる。
また、機能層3bの仕事関数値が有機発光層15の仕事関数値より大きな値を有する場合、機能層3bは正孔注入機能を有する。この場合、有機発光層15への正孔注入を妨げることなく駆動電圧の低い良好な有機EL特性を得ることが出来る。
図6は本発明の実施の形態に係る有機EL素子のエネルギー概略図である。図6において17は陽極のエネルギーレベルを示す線、18は陰極のエネルギーレベルを示す線、19は正孔輸送層の部位を示し、20は機能層の部位を、21は有機発光層の部位を示す。22は陽極と正孔輸送層の界面を示す線、23は正孔輸送層と機能層の界面を示す線、24は機能層と有機発光層の界面を示す線、25は有機発光層と陰極の界面を示す線である。また、26は正孔輸送層の仕事関数のエネルギーレベル、27は機能層の仕事関数値を示す線、28は機能層の電子親和力値を示す線、29は有機発光層の仕事関数値を示す線、30は有機発光層の電子親和力値を示す線である。31は正孔を32は電子を示す。なお、ここで示した図6は簡略化、モデル化された概念図である。
図6の様な表記をする場合、正孔31はより下方にあるものが高いエネルギーを有し、電子32はより上方にあるものが高いエネルギーを有する。よって有機発光層21内の正孔31は陽極の正孔31よりも高いエネルギーを持っていることになる。このとき、よりエネルギーの低い陽極上の正孔31を有機発光層21へ注入する為にはエネルギーの差に見合ったエネルギーを外部から与える必要がある。
ここで、陽極と有機発光層の仕事関数値のエネルギー値の中間に位置するエネルギーレベルを有する層を複数挿入することで、より小さなエネルギー差を各層間に生じさせることができ正孔注入が容易になる。すなわち駆動電圧の低減が可能になる。
陰極上の電子32は、有機発光層の電子親和力値30と同じエネルギーレベルに注入されたのち、有機発光層21内で正孔31と再結合することで発光を生じる。この際、有機発光層21と隣接する陽極側の層の電子親和力値が有機発光層の電子親和力値30よりもより下方にある場合、有機発光層21へ注入された電子32は有機発光層21内で再結合されることなく陽極側へ抜けてしまう確率が高くなる。そこで、有機発光層21に隣接する陽極側の層の電子親和力値を上方に設けることで、有機発光層21内により多くの電子32を留めておくことが可能になり、高い発光効率を得られる。
例えば、NiOの仕事関数値/電子親和力値は5.4eV/1.9eVと正孔注入機能、電子ブロック機能の何れにも優れた材料であり、機能層として適した材料である。このほかには先にあげたSiCを機能層として用いても良い。
ここで、機能層3bは、正孔輸送層と同様に図3に示すように複数の隔壁14間と隔壁14とに連続して設けられていてもよい。あるいは隔壁14に隔てられて形成されていても良い。複数の隔壁14間と隔壁14に連続して形成すると、プロセス効率を向上させることができる。
そして、バッファ層を無機物よりなる正孔輸送層と機能層の積層構造とすることで、ウェットプロセスでは懸念される膜厚ムラのない均一なバッファ層を得ることが出来る。さらには、安定性の高い無機物よりなるバッファ層を用いることで信頼性の高い高分子有機EL素子を得ることができる。
バッファ層3を形成後、有機発光層15を形成することができる。本発明の実施の形態に係る有機発光層15は電流を流すことにより発光する層であり、有機発光層15を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系などの発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
これら有機発光材料の仕事関数値/電子親和力値は4〜6eV/2〜6eVを有する物が多く、各機能層のエネルギーマッチングを適宜考慮して効率の良い材料を選ぶことが出来る
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの単独またはこれらの混合溶媒が上げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
各画素部位に設けられる発光体層として同一の色彩に発光するものを配列することもできるが、この場合には、単一色の表示装置となる。カラー画面を表示する場合には、それぞれの画素部位に、互いに異なる色彩に発光する発光体層をパターン状に配列する必要がある。一般に、光の三原色に相当する赤(R)、緑(G)及び青(B)である。また、その補色に相当するイエロー(Y)、シアン(C)及びマゼンタ(M)が利用されることもある。
有機発光層15は、上記有機発光インキを用い、湿式法で設けることが、大型化やコスト面で有利であるので好ましい。湿式法としては、スピンコート法、ディップコート法、スリットコート法、インクジェット印刷法などが挙げられるが、特に簡易なプロセスでかつ高精細なパターニングが可能である印刷法が好ましい。
印刷法により有機発光層を成膜する際には、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの印刷法により塗布できるが、特に凸版印刷法は塗布液の粘度領域に適している点、基材を傷つけることなく印刷可能である点、材料の利用効率が良い点から特に有機EL素子作製に適している。
図7には有機発光材料からなる有機発光インキを、画素電極13、隔壁14、バッファ層3が形成された被印刷基板39上にパターン印刷する際の凸版印刷装置300の概略図を示した。本発明の実施の形態に係る凸版印刷装置300は、インクタンク33と、インキチャンバー34と、アニロックスロール35と、凸版が設けられた版38がマウントされた版胴37とを有している。インクタンク33には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー34にはインクタンク33より有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール35はインキチャンバー34のインキ供給部に接して回転可能に指示されている。
アニロックスロール35の回転に伴い、アニロックスロール35表面に供給された有機発光インキのインキ層36は均一な膜厚に形成される。このインキ層36のインキはアニロックスロール35に近接して回転駆動される版胴37にマウントされた版38の凸部に転移する。平台40に設置された、画素電極13(透明電極)、バッファ層3が形成された被印刷基板39に対して、版38の凸部にあるインキが印刷され、必要に応じて乾燥工程を経て被印刷基板39上に有機発光層15が形成される。
さらには、有機発光層16を形成後、正孔ブロック層および電子輸送層、電子注入層等を好適に形成することができる。正孔ブロック層および電子輸送層に用いる正孔ブロック材料および電子輸送材料としては、一般に電子輸送材料として用いられているものであれば良く、トリアゾール系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、シロール系、ボロン系等の低分子系材料を用いて真空蒸着法による成膜が可能である。また、これらの電子輸送性材料およびこれら電子輸送材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて電子輸送塗布液とし、印刷法により成膜出来る。
電子注入層に用いる電子注入材料としては前述の電子輸送層に用いられるのと同様な材料の他に、フッ化リチウムや酸化リチウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩や酸化物等をもちいて真空蒸着による成膜が可能である。また、これらの電子輸送性材料およびこれら電子輸送材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて電子輸送塗布液とし、印刷法により成膜出来る。
印刷法でこれらの層を成膜する際には、有機発光層15と同様に凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの印刷法により塗布できるが、特に凸版印刷法は塗布液の粘度領域に適している点、基材を傷つけることなく印刷可能である点、材料の利用効率が良い点から特に有機EL作製に適している。
[対向電極2]
次に、本発明の実施の形態に係る対向電極2を形成することができる(図3参照)。対向電極2を陰極とする場合には有機発光層15への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いることができる。
対向電極2の具体的な材料にはMg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、有機発光媒体層16と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いたりしてもよい。または電子注入効率と安定性とを両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金を使用することができる。
対向電極2の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
本発明の実施の形態においては、アクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100について述べてきたが、本発明は、有機発光媒体層16を挟持する画素電極13と対向電極2とが、相互に交差する陽極ラインと陰極ラインである、パッシブマトリクス駆動型有機EL表示装置200についても好適に適用することができる。例えば、図5に示すように、ストライプ状に設けられた有機発光媒体層16の上部に対向電極2を設けることでアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100と同様の効果を得ることができる。ここで、図5は、概略上面図である。
[封止体]
表示装置100としては電極間(画素電極13と対向電極2との間)に発光材料を挟み、電流を流すことで発光させることができるが、有機発光材料は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため通常は外部と遮断するための封止体を設けることができる(図示せず)。封止体は例えば封止材上に樹脂層を設けて作製することができる。
封止材としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、封止材の材料の一例として、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、耐湿性フィルムなどを挙げることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。
樹脂層を封止材の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する表示装置100の大きさや形状により任意に決定されるが、5μm〜500μm程度が望ましい。なお、ここでは封止材上に樹脂層として形成したが直接表示装置100側に形成することもできる。
最後に、表示装置100と封止体との貼り合わせを封止室で行う。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。
熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。
以下、本発明の有機EL素子の実施例を挙げるが、本発明は下記実施例に何ら制限されるものではない。
<実施例1>
図2へ示す様に、厚さ0.7mm、100mm四方のガラス基板を透光性基板201とし、800μピッチ(L/S=700/100)のITOラインを透明電極202として設けた。その後、ITO端をカバーする様に絶縁性レジストをフォトリソ法でパターニングし、絶縁性隔壁205を設けた。
透明電極上に、バッファ層としてGaAsを真空蒸着法により厚さ30nmに形成し正孔輸送層203a1を得た。続いてバッファ層としてNiOを真空蒸着法により厚さ10nmに形成し、電子ブロック層203a2とした。
続いて、有機発光材料であるPPV系高分子材料 1Vol%、トルエン84Vol%、アニソール15Vol%を用い凸版印刷法によりRGB各色にパターン形成し有機発光層203bとした。最後に対向電極204としてMgAgを2元蒸着法により150nmの厚みで800μmピッチ(L/S=700/100)の透明電極202と直交するストライプ状にパターン形成後ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、パッシブ駆動型の有機EL素子を作成した。
得られたパッシブ型有機EL素子は3.5Vの印加で1000cd/mの発光を得ることができ、初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は4500時間であった。
<実施例2>
実施例2においては正孔輸送層203aとしてSiCを真空蒸着法により30nmに成膜した後、電子ブロック層としてMoOを真空蒸着法により4nmに成膜した。そのほかの条件は実施例1と同様である
得られたパッシブ型有機EL素子は3.3Vの印加で1100cd/mの発光を得ることができ、初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は5200時間であった。
<実施例3>
図3に示すように、基板5上に設けられたスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタと、その上方に形成された画素電極13とを備えたアクティブマトリクス基板5を用いた。基板5のサイズは対角5インチ、画素数は320×240である。
この基板5上に設けられている画素電極13の端部を被覆し画素を区画するような形状で隔壁14を形成した。隔壁14の形成は、日本ゼオン社製、ポジレジスト、商品名「ZWD6216−6」を用いて、スピンコーター法にて基板5全面に厚み2μmで形成した後、フォトリソグラフィ法を用いて幅40μmにパターニングして隔壁14を形成した。これによりサブピクセル数960×240ドット、0.12mm×0.36mmピッチ画素領域が区画された。
画素電極13上に正孔輸送層3aとして、厚み30nmのVを、真空蒸着法によりシャドーマスク法でパターン成膜した。パターン領域は表示領域全面に成膜されるように120mm×100mmの開口のあるメタルマスクを用いて成膜を行った。
次いで正孔輸送層3a上に機能層3bとして、厚み10nmのNiOを真空蒸着法によりシャドーマスク法でパターン成膜した。パターン領域は正孔輸送層同様に表示領域全面に成膜されるように120mm×100mmの開口のあるメタルマスクを用いて成膜を行った。
有機発光層15の有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、基板5上に形成された画素電極13、隔壁14、正孔輸送層3a及び機能層3bを図7に示すように凸版印刷装置300の被印刷基板39としてセッティングし、隔壁14に挟まれた機能層3の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層15を凸版印刷法で印刷を行った。このとき150線/インチのアニロックスロール35及び水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。印刷、乾燥後の有機発光層15の膜厚は80nmとなった。
その後、対向電極2として真空蒸着法でカルシウム膜を120mm×100mmの開口のあるメタルマスクを用いて厚み20nmで成膜し、その後124mm×104mmの開口のあるメタルマスクを用いてアルミニウムを厚み150nmで成膜した。
その後、封止材としてガラス板を用いて、発光領域全てをカバーするように載せ、約90℃で1時間接着剤を熱硬化して封止を行った。こうして得られたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100(図4)を駆動したところ3.5Vの印加で1000cd/mの発光を得ることができ、初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は4500時間であった。
<実施例4>
実施例4においては、正孔輸送層3aを成膜する前までは実施例3と同様の手順で作製し、正孔輸送層3aとしてSiCを真空蒸着法によりシャドーマスク法で30nmの厚みでパターン成膜した。パターン領域は表示領域全面に成膜されるように120mm×100mmの開口のあるメタルマスクを用いて成膜を行った。正孔輸送層と同様に機能層3bとしてMoOを真空蒸着法によりシャドーマスク法で5nmにパターン成膜した。また、有機発光層15は実施例1と同様の手順で作製した。
その後、対向電極2として真空蒸着法でカルシウム膜を120mm×100mmの開口
のあるメタルマスクを用いて厚み20nmで成膜し、その後124mm×104mmの開
口のあるメタルマスクを用いてアルミニウム膜を厚み150nmで成膜した。
その後、封止材としてガラス板を用いて、発光領域全てをカバーするように載せ、約9
0℃で1時間接着剤を熱硬化して封止を行った。こうして得られたアクティブマトリクス
駆動型有機EL表示装置100を駆動したところ、3.3Vの印加で1100cd/mの発光を得ることができ、初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は5200時間であった。
<実施例5>
実施例5においては、正孔輸送層3aを成膜する前までは実施例3と同様の手順で作製し、正孔輸送層3aとしてMoOを真空蒸着法によりシャドーマスク法で30nmの厚みでパターン成膜した。パターン領域は表示領域全面に成膜されるように120mm×100mmの開口のあるメタルマスクを用いて成膜を行った。正孔輸送層と同様に機能層3bとしてWOを真空蒸着法によりシャドーマスク法で5nmにパターン成膜した。また、有機発光層15は実施例1と同様の手順で作製した。
その後、対向電極2として真空蒸着法でカルシウム膜を120mm×100mmの開口
のあるメタルマスクを用いて厚み20nmで成膜し、その後124mm×104mmの開
口のあるメタルマスクを用いてアルミニウム膜を厚み150nmで成膜した。
その後、封止材としてガラス板を用いて、発光領域全てをカバーするように載せ、約9
0℃で1時間接着剤を熱硬化して封止を行った。こうして得られたアクティブマトリクス
駆動型有機EL表示装置100を駆動したところ、3.3Vの印加で1100cd/mの発光を得ることができ、初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は5200時間であった。
<比較例1>
比較例1においては、バッファ層として正孔輸送層203aのGaAsのみを30nmに成膜した。その他の条件は実施例1と同様である。
得られたパッシブ型有機EL素子は、実施例1の素子と比較すると駆動電圧はほぼ同等であったが、電流密度に対して得られる輝度が小さく、電流が発光に寄与していないことが分かる。電流過剰で発光効率の低い素子であったため、初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は700時間と短かった。
<比較例2>
比較例2においては、バッファ層として正孔輸送層203aのSiCのみを30nmに成膜した。その他の条件は実施例2と同様である。
得られたパッシブ型有機EL素子は、実施例2の素子と比較すると駆動電圧はほぼ同等であったが、電流密度に対して得られる輝度が小さく、電流が発光に寄与していないことが分かる。電流過剰で発光効率の低い素子であったため、初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は900時間と短かった。
<比較例3>
比較例3においては、バッファ層として正孔輸送層3aのVのみを30nmに成膜した。その他の条件は実施例3と同様である。
得られたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100を駆動したところ、実施例3と比較すると駆動電圧はほぼ同等であったが、電流密度に対して得られる輝度が小さく、電流が発光に寄与していないことが分かる。電流過剰で発光効率の低い素子であったため、初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は700時間と短かった。
<比較例4>
比較例4においては、バッファ層として正孔輸送層3aのSiCのみを30nmに成膜した。その他の条件は実施例4と同様である。
得られたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100を駆動したところ、実施例4と比較すると駆動電圧はほぼ同等であったが、電流密度に対して得られる輝度が小さく、電流が発光に寄与していないことが分かる。電流過剰で発光効率の低い素子であったため、初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は900時間と短かった。
<比較例5>
比較例5においては、バッファ層として正孔輸送層3aのMoOのみを30nmに成膜した。その他の条件は実施例5と同様である。
得られたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100を駆動したところ、実施例5と比較する1200cd/m発光次の駆動電圧が4.5Vと上昇していることが分かった。また、電流密度に対して得られる輝度が低く、発光効率の低下が伺える。初期輝度500cd/mにおける輝度半減時間は720時間であった。
本発明の有機EL素子構造を示す説明図である 本発明の実施例の一例の断面図を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る有機EL素子を備えた表示装置の概略断面図である。 本発明の実施の形態に係るアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置の概略上面図である。 本発明の実施の形態に係る有機EL素子の作用を説明する為のエネルギー概略図である。 本発明の実施の形態に係るパッシブマトリクス駆動型有機EL表示装置の概略上面図である。 本発明の実施の形態に係る凸版印刷装置の概略図である。
符号の説明
101,201:透光性基板
102,202:透明導電層
103,203:有機発光媒体層
103a,203a:バッファ層
103a1,103a2:正孔輸送層
103a2,103a2:電子ブロック層
103b,203b:有機発光層
104,204:対向電極
105,205:絶縁性隔壁
1 表示領域
2 対向電極
3 バッファ層
3a正孔輸送層
3b機能層
4 表示装置
5 基板
6 活性層
7 ゲート絶縁膜
8 ゲート電極
9 層間絶縁膜
10 ソース電極
11 走査線
12 ドレイン電極
13 画素電極
14 隔壁
15 有機発光層
16 有機発光媒体層
17 陽極のエネルギーレベル
18 陰極のエネルギーレベル
19 正孔輸送層
20 機能層
21 有機発光層
22 陽極−正孔輸送層界面
23 正孔輸送層―機能層界面
24 機能層―有機発光層界面
25 有機発光層―陰極界面
26 正孔輸送層の仕事関数を示すエネルギーレベル
27 機能層の仕事関数値を示すエネルギーレベル
28 機能層の電子親和力値を示すエネルギーレベル
29 有機発光層の仕事関数値を示すエネルギーレベル
30 有機発光層の電子親和力値を示すエネルギーレベル
31 正孔
32 電子
33 インクタンク
34 インキチャンバー
35 アニロックスロール
36 インキ層
37 版胴
38 版
39 被印刷基板
40 平台
100 アクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置
200 パッシブマトリクス駆動型有機EL表示装置
300 凸版印刷装置

Claims (4)

  1. 陽極と陰極との間に、少なくともバッファ層と高分子化合物を含有する有機発光層を含む有機発光媒体層を備えた有機EL素子において、バッファ層が少なくとも2種類の無機物からなり、
    前記バッファ層が前記陽極側に設けられ、前記有機発光層が前記陰極側に設けられ、
    前記バッファ層が少なくとも2種類の無機物の積層体であり、
    前記積層体が陽極側に配置された正孔輸送層と有機発光層側に配置された電子ブロック層からなり、
    前記正孔輸送層および前記電子ブロック層が遷移金属の酸化物を含むことを特徴とする有機EL素子。
  2. 陽極と陰極との間に、少なくともバッファ層と高分子化合物を含有する有機発光層を含む有機発光媒体層を備えた有機EL素子において、バッファ層が少なくとも2種類の無機物からなり、
    前記バッファ層が前記陽極側に設けられ、前記有機発光層が前記陰極側に設けられ、
    前記バッファ層が少なくとも2種類の無機物の積層体であり、
    前記積層体が陽極側に配置された正孔輸送層と有機発光層側に配置された電子ブロック層からなり、
    前記正孔輸送層および前記電子ブロック層が遷移金属の窒化物を含むことを特徴とする有機EL素子。
  3. 陽極と陰極との間に、少なくともバッファ層と高分子化合物を含有する有機発光層を含む有機発光媒体層を備えた有機EL素子において、バッファ層が少なくとも2種類の無機物からなり、
    前記バッファ層が前記陽極側に設けられ、前記有機発光層が前記陰極側に設けられ、
    前記バッファ層が少なくとも2種類の無機物の積層体であり、
    前記積層体が陽極側に配置された正孔輸送層と有機発光層側に配置された電子ブロック層からなり、
    前記正孔輸送層および前記電子ブロック層が遷移金属の酸窒化物を含むことを特徴とする有機EL素子。
  4. 陽極と陰極との間に、少なくともバッファ層と高分子化合物を含有する有機発光層を含む有機発光媒体層を備えた有機EL素子において、バッファ層が少なくとも2種類の無機物からなり、
    前記バッファ層が前記陽極側に設けられ、前記有機発光層が前記陰極側に設けられ、
    前記バッファ層が少なくとも2種類の無機物の積層体であり、
    前記積層体が陽極側に配置された正孔輸送層と有機発光層側に配置された電子ブロック層からなり、
    前記正孔輸送層および前記電子ブロック層がIII−V族元素のP型化合物半導体を含むことを特徴とする有機EL素子。
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