JP2000268973A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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JP2000268973A
JP2000268973A JP11071784A JP7178499A JP2000268973A JP 2000268973 A JP2000268973 A JP 2000268973A JP 11071784 A JP11071784 A JP 11071784A JP 7178499 A JP7178499 A JP 7178499A JP 2000268973 A JP2000268973 A JP 2000268973A
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organic
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polymer
hole
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JP11071784A
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Michio Arai
三千男 荒井
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機材料と無機材料の有するメリットを併せ持
ち、高効率、長寿命で低コストな有機EL素子を提供す
る。 【解決手段】 一対のホール注入電極2と電子注入電極
6と、これらの電極2,6間に発光機能に関与する有機
層4とを有し、前記有機層4には共役ポリマーを含有す
る発光層を有し、この有機層4とホール注入電極2との
間には電子をブロックするとともにホールを搬送するた
めの導通パスを有する高抵抗の無機ホール注入層3を有
する有機EL素子とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL(エレク
トロルミネッセンス)素子に関し、詳しくは、有機化合
物の薄膜に電界を印加して光を放出する素子に用いられ
る無機/有機接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、ガラス上に大面積で素
子を形成できるため、ディスプレー用等に研究開発が進
められている。一般に有機EL素子は、ガラス基板上に
ITO等の透明電極を形成し、その上に有機アミン系の
ホール輸送層、電子導電性を示しかつ強い発光を示すた
とえばAlq3 材からなる有機発光層を積層し、さら
に、MgAgなどの仕事関数の小さい電極を形成し、基
本素子としている。
【0003】これまでに報告されている素子構造として
は、ホール注入電極及び電子注入電極の間に1層または
複数層の有機化合物層が挟まれた構造となっており、有
機化合物層としては、2層構造あるいは3層構造があ
る。
【0004】2層構造の例としては、ホール注入電極と
電子注入電極の間にホール輸送層と発光層が形成された
構造または、ホール注入電極と電子注入電極の間に発光
層と電子輸送層が形成された構造がある。3層構造の例
としては、ホール注入電極と電子注入電極の間にホール
輸送層と発光層と電子輸送層とが形成された構造があ
る。また、単一層に全ての役割を持たせた単層構造も高
分子や混合系で報告されている。
【0005】図3および図4に、有機EL素子の代表的
な構造を示す。図3では基板11上に設けられたホール
注入電極12と電子注入電極13の間に有機化合物であ
るホール輸送層14と発光層15が形成されている。こ
の場合、発光層15は、電子輸送層の機能も果たしてい
る。
【0006】図4では、基板11上に設けられたホール
注入電極12と電子注入電極13の間に有機化合物であ
るホール輸送層14と発光層15と電子輸送層16が形
成されている。
【0007】これら有機EL素子においては、共通し
て、信頼性が問題となっている。すなわち、有機EL素
子は、原理的にホール注入電極と、電子注入電極とを有
し、これら電極間から効率よくホール・電子を注入輸送
するための有機層を必要とする。しかしながら、これら
の材料は、製造時にダメージを受けやすく、電極との親
和性にも問題がある。また、有機薄膜の劣化もLED、
LDに較べると著しく大きいという問題を有している。
【0008】電界発光(EL)素子は、電界の影響によ
り発光する。このようなELを構成する半導体層での作
用は、一対の電極から半導体に注入される電子−ホール
対の放射結合を通して行われる。その一例としては、G
aPおよび同様なIII 族−V族半導体を基礎とする発光
ダイオードがある。これらの素子は、効果的且つ広範囲
に利用されているものの、その大きさが非常に微小であ
るために大面積ディスプレイに使用するに際しては、困
難を伴うばかりか不経済でもある。大面積ディスプレイ
への使用が可能な代替品の材料は幾種類か知られてい
る。そして、このような無機半導体のなかでもZnSが
最も有用である。しかしながら、この系は無視できない
実用上の欠点、第1に信頼性が乏しいという問題があ
る。ZnSに係るメカニズムの一例は、強電界下におい
て、半導体を通って1種のキャリヤが加速されることに
より、放射発光によって緩和する半導体の局部的励起が
生じることであると考えられる。
【0009】有機材料の中、アントラセン、ペリレン、
そしてコロネンのような単体芳香族分子(simple aroma
tic molecules)はエレクトロルミネセンスを示すこと
が知られている。
【0010】これらの材料の実用上の問題点としては、
ZnSと同様にそれらが信頼性を欠くばかりか、これら
の有機層と電流注入電極層(current-injecting electr
odelayers)との接合が困難なことである。
【0011】有機材料の昇華などの技術は、得られる層
が軟らかく、再結晶し易いという問題を有している。
【0012】好適に改質された芳香族化合物のラングミ
ュア−ブロジエット(Langmuir-Blodgett)蒸着等の技
術は膜の品質の劣化、能動物質の希釈、さらには、製造
コストの高騰を招く。
【0013】アントラセンを利用した電界発光素子は、
米国特許第3621321号に開示されている。この素
子は、多量の電力を消費し、且つ低ルミネセンスである
という不都合を有している。
【0014】改良した素子を提供しようとして、米国特
許第4672265号は、発光層として二層構造を有す
る電界発光素子を記載している。
【0015】しかしながら、前記二層構造に提案されて
いる物質は、前述の不都合を有する有機材料である。
【0016】特開平10−92576号公報には、少な
くとも1種の共役ポリマーからなる薄い緻密なポリマー
膜の形状の半導体層、半導体層の第1の表面と接する第
1の接触層および半導体層の第2の表面と接する第2の
接触層とからなる電界発光素子であって、半導体層のポ
リマー膜は、第2の接触層を第1の接触層に対して正に
するように半導体層を介して第1および第2の接触層間
に電界をかけると、電荷キャリヤが半導体層に注入され
て、半導体層から発光がなされるように十分に低い濃度
の外部電荷キャリヤを有している電界発光素子が記載さ
れている。
【0017】また、共役ポリマー自体も知られており、
例えば、光学変調器へのそれらの利用が欧州特許出願第
0294061号で検討されている。その場合、ポリア
セチレンが第1および第2の電極間の変調構造における
アクティブ層として使用されている。光学変調効果をも
たらすアクティブ層に空間電荷領域を形成するように電
極の1つとアクティブ層との間に絶縁層を設ける必要が
ある。ところが空間電荷層が存在するために、その崩壊
により発光を行う電子/正孔対の形成が実現不能にされ
る。従って、そのような構造はエレクトロルミネセンス
を示すことができない。いずれにせよ、欧州特許出願第
0294061号においてエレクトロルミネセンスが発
揮されるということは、光学変調効果がそれによって破
壊されるのでまったく望ましくない。
【0018】このような問題を解決するために、有機材
料と無機半導体材料のそれぞれのメリットを利用する方
法が考えられている。すなわち、有機ホール輸送層を無
機p型半導体に置き換えた有機/無機半導体接合であ
る。このような検討は、特許第2636341号、特開
平2−139893号公報、特開平2−207488号
公報、特開平6−119973号公報で検討されている
が、発光特性や基本素子の信頼性で従来素子の有機EL
を越える特性を得ることが極めて困難であった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
材料と無機材料の有するメリットを併せ持ち、高効率、
長寿命で低コストな有機EL素子を提供することであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的は、
以下の構成により達成される。 (1) ホール注入電極と電子注入電極と、これらの電
極間に発光機能に関与する有機層とを有し、前記有機層
には共役ポリマーを含有する発光層を有し、この有機層
とホール注入電極との間には電子をブロックするととも
にホールを搬送するための導通パスを有する高抵抗の無
機ホール注入層を有する有機EL素子。 (2) 前記高抵抗の無機ホール注入層は、抵抗率が1
〜1×1011Ω・cmである上記(1)の有機EL素子。 (3) 前記高抵抗の無機ホール注入層は、金属および
/または金属の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物およ
び硼化物のいずれか1種以上を含有する上記(1)また
は(2)の有機EL素子。 (4) 前記高抵抗の無機ホール注入層は、シリコンお
よび/またはゲルマニウムの酸化物を主成分とし、この
主成分を(Si1-xGex)Oyと表したとき 0≦x≦1、 1.7≦y≦2.2 であり、さらに、仕事関数4.5eV以上の金属および/
または金属の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および
硼化物のいずれか1種以上を含有する上記(1)〜
(3)のいずれかの有機EL素子。 (5) 前記金属は、Au,Cu、Fe、Ni、Ru、
Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,Pd
およびCoのいずれか1種以上である上記(4)の有機
EL素子。 (6) 前記金属および/または金属の酸化物、炭化
物、窒化物、ケイ化物および硼化物の含有量は、0.2
〜40 mol%である上記(4)または(5)の有機EL
素子。 (7) 前記高抵抗のホール注入層の膜厚は、0.2〜
100nmである上記(1)〜(6)のいずれかの有機E
L素子。
【0021】
【作用】本発明の有機EL素子において、発光層に用い
られる共役ポリマー(Conjugated Polymer)はポリ(p
−フエニレンビニレン)であるのが好ましい。また、好
ましくは共役ポリマーはPPVであり、ポリマー膜は、
概ね10nmから5μm の範囲の均一な厚さを有し、共役
ポリマーは1eVから3.5eVの範囲で半導体バンドギャ
ップを有する。その上、ポリマー膜の電界発光領域にお
ける共役ポリマーの割合は、膜内に存在する共役ポリマ
ー中での電荷移動の浸透しきい値を達成するのに十分で
ある。
【0022】共役ポリマーとは、ポリマーの主骨格に沿
って非極在π電子系を有するポリマーを意味する。この
非極在化したπ電子系は半導体特性をポリマーに付与
し、また、ポリマーの骨格に沿って高い移動度を有する
正と負の電荷キャリヤを担持する能力をポリマーに与え
るものである。
【0023】そのようなポリマーは、例えば、R.H.フレ
ンドにより、Journalof MolecularElectronies4(1988)J
anuary-March,No.1,の第37頁〜第46頁で検討されて
いる。
【0024】有機EL素子は、ホール注入電極およびホ
ール注入層は、ポリマー膜に正の電荷キャリヤを注入
し、電子注入電極および電子注入層は、ポリマー膜に負
の電荷キャリヤを注入する。これらの電荷キャリヤは、
結合して放射的に崩壊する電荷対を形成する。このた
め、ホール注入電極は高い仕事関数を有するように、ま
た、電子注入電極は低い仕事関数を有するように選択す
るのが好ましい。
【0025】所望のエレクトロルミネセンスを得るため
には、ポリマー膜は非発光性再結合の中心として作用す
る欠陥が実質的に存在しないことが好ましい。欠陥はエ
レクトロルミネセンス作用を阻害する。
【0026】少なくとも一層は形成される高抵抗の無機
ホール注入輸送層、または有機の電子注入輸送層は、電
荷注入材に加えて、電子対ホールのエレクトロルミネセ
ンス層への注入比を制御し、且つ放射崩壊が接触層の電
荷注入材から離れて生じることを確実にするのに役立
つ。
【0027】共役ポリマーの膜は、好ましくは、単一共
役ポリマーあるいは共役ポリマーのセグメントを含む単
一コポリマーから構成される。またあるいは、共役ポリ
マーの膜は、共役ポリマーまたはコポリマーと別の適当
なポリマーとの混合物から構成されることも可能であ
る。
【0028】ポリマー膜のさらに好ましい特徴は以下の
通りである。 (i)ポリマーは酸素、湿度、高温にさらされることに
対して安定である。 (ii)ポリマー膜は良好な下地層との間の接着性、温度
上昇および圧力圧迫を原因とする亀裂の発生に対する阻
止能力、並びに縮み、膨張、再結晶あるいは他の形態変
化に対する抵抗性を有する。 (iii)ポリマー膜は、例えば、高結晶性と高融点によ
り、イオン/原子移動工程に対して回復性がある。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL素子は、一対の
ホール注入電極と電子注入電極と、これらの電極間に少
なくとも発光機能に関与する有機層とを有し、前記有機
層には共役ポリマーを有する発光層を有し、この有機層
と電子注入電極との間には高抵抗の無機電子注入輸送層
を有する。
【0030】電子注入電極材料は、低仕事関数の物質が
好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、C
e、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Z
n、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させる
ためにそれらを含む2成分、3成分の合金系、あるいは
これらの酸化物等を用いることが好ましい。また、L
i、Na、K、Rb、Csなどのアルカリ金属の酸化
物、フッ化物でもよい。合金系としては、例えばAg・
Mg(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:
0.01〜12at%)、In・Mg(Mg:50〜80
at%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が
挙げられる。電子注入電極層にはこれらの材料からなる
薄膜、それらの2種類以上の多層薄膜が用いられる。
【0031】電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十
分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.1nm以上、
好ましくは0.5nm以上、特に1nm以上とすればよい。
また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は1
〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上には、
さらに補助電極(保護電極)を設けてもよい。
【0032】補助電極の厚さは、電子注入効率を確保
し、水分や酸素あるいは有機溶媒の進入を防止するた
め、一定以上の厚さとすればよく、好ましくは50nm以
上、さらには100nm以上、特に100〜500nmの範
囲が好ましい。補助電極層が薄すぎると、その効果が得
られず、また、補助電極層の段差被覆性が低くなってし
まい、端子電極との接続が十分ではなくなる。一方、補
助電極層が厚すぎると、補助電極層の応力が大きくなる
ため、ダークスポットの成長速度が速くなってしまう等
といった弊害が生じてくる。
【0033】補助電極は、組み合わせる電子注入電極の
材質により最適な材質を選択して用いればよい。例え
ば、電子注入効率を確保することを重視するのであれば
Al等の低抵抗の金属を用いればよく、封止性を重視す
る場合には、TiN等の金属化合物を用いてもよい。
【0034】電子注入電極と補助電極とを併せた全体の
厚さとしては、特に制限はないが、通常50〜500nm
程度とすればよい。
【0035】ホール注入電極材料は、高抵抗の無機ホー
ル注入輸送層へホールを効率よく注入することのできる
ものが好ましく、仕事関数4.5eV〜5.5eVの物質が
好ましい。具体的には、錫ドープ酸化インジウム(IT
O)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化イン
ジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)および酸化
亜鉛(ZnO)のいずれかを主組成としたものが好まし
い。これらの酸化物はその化学量論組成から多少偏倚し
ていてもよい。In23に対するSnO2の混合比は、
1〜20wt%、さらには5〜12wt%が好ましい。ま
た、IZOでのIn23に対するZnOの混合比は、通
常、12〜32wt%程度である。
【0036】ホール注入電極は、仕事関数を調整するた
め、酸化シリコン(SiO2)を含有していてもよい。
酸化シリコン(SiO2)の含有量は、ITOに対する
SiO2の mol比で0.5〜10%程度が好ましい。S
iO2を含有することにより、ITOの仕事関数が増大
する。
【0037】光を取り出す側の電極は、発光波長帯域、
通常400〜700nm、特に各発光光に対する光透過率
が50%以上、さらには80%以上、特に90%以上で
あることが好ましい。透過率が低くなりすぎると、発光
層からの発光自体が減衰され、発光素子として必要な輝
度を得難くなってくる。
【0038】電極の厚さは、50〜500nm、特に50
〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制
限はないが、あまり厚いと透過率の低下や剥離などの心
配が生じる。厚さが薄すぎると、十分な効果が得られ
ず、製造時の膜強度等の点でも問題がある。
【0039】発光層は、共役ポリマーを有する。発光層
の共役ポリマーは、好ましくは、下記式(I)のポリ
(p−フェニレンビニレン)[PPV]であり、下記式
において、フェニレン環は、必要に応じて各々独立して
アルキル(好適にはメチル)、アルコキシ(好適にはメ
トキシ若しくはエトキシ)、ハロゲン(好適には塩素若
しくは臭素)またはニトロのなかから選択される1つあ
るいはそれ以上の置換基を有していてもよい。
【0040】
【化1】
【0041】ポリ(p−フェニレンビニレン)から誘導
されるその他の共役ポリマーもまた、本発明に係る有機
EL素子の共役ポリマーとして使用されるのに適してい
る。
【0042】以下にそのような誘導体の典型例を示す。 (i)式Iのフェニレン環を縮合環系に置き換える、例
えば、フェニレン環をアントラセンあるいはナフタレン
環系に置換することによって得られる、以下の式(II)
〜(IV)に示すような構造のポリマー。
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】これらの多環系もまた、前記フェニレン環
に関して説明した1種または2種以上の置換基を有して
もよい。
【0047】(ii)フェニレン環をフラン環などの複素
環系に置換することによって得られる、以下の式(V)
に示すような構造のポリマー。
【0048】
【化5】
【0049】上記フラン環もフェニレン環に対して、前
記フェニレン環に関して説明した1種または2種以上の
置換基を有してもよい。
【0050】(iii)各々のフェニレン環(若しくは上記
(i)あるいは(ii)において説明した他の環系)の1
つに結合したビニレン部分の数を増やすことによって得
られる以下の式(VI)〜(VIII)に示すような構造のポ
リマー。
【0051】
【化6】
【0052】
【化7】
【0053】
【化8】
【0054】前記各構造式において、yは2、3、4、
5、6または7を示す。また、通常、n=3〜1000
0程度である。
【0055】同様に、これらの環系は前記フェニレン環
に関して説明した種々の置換基を有してもよい。
【0056】これらの種々の異なるPPV誘導体は異な
る半導体エネルギーギャップを有する。従って、半導体
エネルギーギャップの異なるPPVを適宜選択、混合す
ることにより、全可視スペクトル部にわたって異なる波
長で発光する電界発光素子を得ることも可能である。
【0057】共役ポリマー膜は溶液加工または溶融加工
可能な「前駆体」ポリマーを化学処理および/または熱
処理することによって製造することができる。後者の前
駆体ポリマーは引き続いて脱離反応によって共役ポリマ
ーに転化する前に精製または所望の形状に前処理するこ
とができる。
【0058】前記の各種のPPV誘導体膜は、適当なス
ルホニウム前駆体を使用することにより同様にして有機
EL構造体上に形成することができる。
【0059】一般に、好ましくは、スルホニウム塩前駆
体(II)よりも有機溶媒に対する溶解度が高いポリマー
前駆体を用いるのが有利な場合がある。アルコキシ基
(通常メトキシ)あるいは、ピリジニウム基のような親
水性の低い基によって前駆体中のスルホニウム部を置き
換えることにより、有機溶媒に対する溶解度を高めるこ
とができる。
【0060】代表的には、ポリ(フエニレンビニレン)
の膜は、下記に示すような反応式に基づいた方法によ
り、電極、必要によりホール注入層、電子注入層等が成
膜された基板上に形成することができる。
【0061】
【化9】
【0062】スルホニウム塩単量体(II)は、水溶液、
水エタノール混合液、若しくはメタノール中で前駆体ポ
リマー(III)に合成される。そのようなプレポリマー
(III)の溶液は、ホトレジスト処理のために半導体産業
で用いられている一般的なスピン−コーティング技術に
より基板上に形成することができる。また、この他にキ
ャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロー
ルコート法等によっても成膜することができる。次に、
得られた前駆体ポリマー(III)膜は、通例200℃から
350℃の温度に加熱することによりポリ(フエニレン
ビニレン)(I)に転化される。
【0063】単量体(II)の化学合成、その前駆体(II
I)への重合、そしてPPVへの熱転化のために必要な詳
細な条件は、文献、例えば、D.D.C.BradleyによるJ.Phy
s.D(Applied Physics)、20、1389(1987)およびJ.D.Stenge
r Smith、R.W.LenzとG.WegnerによるPolymer、30、1048(19
89)に記載されている。
【0064】ポリ(フェニレンビニレン)膜の膜厚は、
好ましくは0.1nm〜10μm 、より好ましくは0.5
nm〜1μm 、特に10〜500nmである。これらのPP
V膜は、ごくわずなピンホールしかみられない。PPV
膜は、約2.5eV(500nm)の半導体エネルギーギャ
ップを有する。PPV膜は、強く、室温で酸素とほとん
ど反応せず300℃を超過する温度で空気以外に安定で
ある。
【0065】前駆体ポリマーの離脱する基を改質して、
脱離反応がさらに別の中間構造を生ずることなく単一反
応によって進行することを確実にすることで、材料の秩
序化の向上を図ることができる。従って、例えば、n−
ジアルキルスルホニウム成分をテトラヒドロチオフェニ
ウム成分に置き換えることができる。後者の成分はジア
ルキルスルフィドに見られるようにアルキルメルカプタ
ンに分解することなく単一の離脱基として脱離する。こ
こに述べる例において、使用する前駆体ポリマーはジア
ルキルスルホニウム成分をジメチルスルフィドおよびテ
トラトリエブロチオフェン(tetratryebrothiophene)
として選択したものを共に含む。これらの前駆体は共に
有機EL素子に使用するのに好適なPPV膜を生じる。
【0066】上記以外で、共役ポリマーの膜を形成する
好ましい材料としては、ポリ(フェニレン)である。
【0067】この材料は、5、6−ジヒドロキシシクロ
ヘキサ−1、3−ジエンの生化学的に合成される誘導体
を出発物質として製造することができる。これらの誘導
体は、ラジカル開始剤を使用することによって重合して
単一溶媒に溶ける前駆体ポリマーとすることができる。
このポリ(フェニレン)の製造は、Ballardet al、J.Che
m.Comm.954(1983)により詳細に記載されている。
【0068】ポリマー前駆体溶液は、基板上に薄い膜と
してスピンコートされ、そしてその後通例140℃から
240℃の範囲で熱処理されて共役ポリ(フェニレン)
ポリマーに転換される。
【0069】ビニル若しくはジエン単量体を用いる共重
合もまたフェニレンコポリマーを得るように行うことが
できる。
【0070】共役ポリマー膜を形成するために使用する
ことができるさらに別の種類の材料は、主共役鎖に結合
した巨大な側鎖基の存在によって、あるいは共役ポリマ
ーをその1つまたはそれ以上の成分が非共役である共重
合体構造に組み入れることによってそれ自体溶液加工可
能であるかまたは溶融加工可能であるかのいずれかであ
る共役ポリマーが好ましい。例えば、前者の例には以下
ものがある。
【0071】(a)ポリ(4、4’−ジフェニレンジフ
ェニルビニレン)[PDPV]は、両方のビニレンの炭
素がフェニル環により置換されているアリーレンビニレ
ンポリマーである。それは、普通の有機溶媒に溶けるの
で薄い膜を形成できる。
【0072】(b)ポリ(1、4−フェニレン−1−フ
ェニルビニレン)とポリ(1、4−フェニレンジフェニ
ルビニレン)ポリマーはPPVの類似物質であり、それ
ぞれ1つあるいは両方のビニレンの炭素がフェニル基と
置換されている。それらは各々有機溶媒に溶け、キャス
トまたはスピン被覆されて薄膜となる。
【0073】(c)普通の有機溶媒中で溶液加工可能で
あり、また、長いアルキル序列(アルキルはオクチルと
等しいかそれ以上に長い)に関しては、溶融加工も可能
であるポリ(3−アルキルチオフェン)ポリマー(アル
キルは、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル等のい
ずれか1つ)。
【0074】(d)ポリ(3−アルキルピロール)ポリ
マーはポリ(3−アルキルチオフェン)ポリマーと類似
であることが予想される。
【0075】(e)ブチルよりも大きなアルキルを有す
るポリ(2、5−ジアルコキシ−p−フェニレッビニレ
ン)ポリマーは溶解加工可能である。
【0076】(f)ポリ(フェニルアセチレン)は主鎖
中の水素原子がフェニル基に置換されたポリアセチレン
の誘導体である。この置換によって、材料は可溶性にさ
れる。
【0077】ポリマーの必要な加工性を得、基板(電
極、および必要な機能性薄膜が成膜されたもの)上へ均
一な薄膜の形成を容易にするために共役ポリマーと他の
ポリマーとのポリマーブレンドを形成するのが適してい
る場合もある。
【0078】共役ポリマーの膜を形成するのに、そのよ
うなコポリマーまたはポリマーブレンドを用いるとき、
前記共役ポリマーの膜を組み入れる電界発光素子の活性
部位は、コポリマーあるいはポリマーブレンドのパーコ
レイションしきい値と同じかそれ以上に大きい多量の共
役ポリマー部位を含まなければならない。
【0079】発光層は、異なったバンドギャップおよび
/または多数電荷種を有するポリマー層を有する複合層
として形成されているので、例えば、ホール/電子注入
層から発光層、あるいは発光層内の特定の領域への注入
電荷の集中が達成される。複合層は、ポリマー層の連続
析出によって形成することができる。種々の膜がスピン
またはドローコーティングによって共役ポリマーに前駆
体の形で付着される場合、共役ポリマーへの転化工程に
よって膜が不溶性にされるので、その後の層をこの先に
付着された膜を溶解することなく同様に付与することが
できる。
【0080】さらに、発光層に用いられる共役高分子と
しては、熱重合工程を要しないものとして下記のものを
用いることができる。
【0081】すなわち、溶媒可溶な共役系高分子であっ
て、この共役高分子の数平均分子量は103〜107であ
り、この共役高分子は共役結合が連続した構造であり、
この共役高分子は互いに異なる2種有以上の繰り返し単
位を有し、それぞれの繰り返し単位は少なくとも1つの
共役結合を有し、この共役高分子の薄膜における吸収ス
ペクトルのピーク波長と蛍光スペクトルのピーク波長の
差が120nm以上であるものである。それぞれの繰り返
し単位からなるホモポリマーにおける光学吸収端エネル
ギーが最小である繰り返し単位が、共役系高分子中に
0.01モル%以上で40モル%以下含まれるものがさ
らに好ましい。ここで、数平均分子量はクロロホルムを
溶媒として、ゲルバーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)により求めたポリスチレン換算の数平均分子
量である。
【0082】共役系高分子蛍光体は、蛍光の量子収率が
高い共役系高分子蛍光体を得る観点から、下記の(1)
〜(3)で示される繰り返し構造を含む共役系高分子が
好ましい。さらに、好ましくは下記の(4)または
(5)で示されるビニレン基とアリール基または複素環
化合物基が交互に結合された繰り返し構造を含む共役系
高分子である。
【0083】本発明の共役系高分子の繰り返し単位とし
ては下記化10に示す2価の芳香族化合物基またはその
誘導体基、2価の複素環化合物基またはその誘導体基、
【0084】
【化10】
【0085】(Rl〜R57は、それぞれ独立に、水素、
炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基およびアル
キルチオ基;炭素数6〜18のアリール基およびアリー
リルオキシ基;ならぴに炭素数4〜14の複素環化合物
基からなる群から選ばれた基である。)
【0086】下記式(1)〜(5)に示す2価の芳香族
化合物基またはその誘導体基とピニレン基が結合した
基、2価の複素環化合物基またはその誘導体基とビニレ
ン基が結合した基などが例示される。
【0087】 −Ar1−CH=CH− (1) −Ar2−CH=CH− (2) −Ar3−CH=CH− (3) (式中、Ar1,Ar2,Ar3は互いに異なり、それぞ
れビニレン基と連続した共役結合を形成するアリーレン
基又は2価の複素環化合物基で、かつAr1,Ar2,A
3の少なくとも1つは、炭素数4以上22以下のアル
キル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基、炭素数6
以上60以下のアリール基およびアリールオキシ基、並
びに炭素数4以上60以下の複素環化合物基から選ばれ
た少なくとも1種の置換基を少なくとも1個有するアリ
ーレン基又は複素環化合物基である。)
【0088】 −Ar4−CH=CH−Ar5−CH=CH− (4) −Ar5−CH=CH−Ar6−CH=CH− (5) (式中、Ar4,Ar5,Ar6は互いに異なり、それぞ
れビニレン基と連続した共役結合を形成するアリーレン
基又は2価の複素環化合物基で、かつAr4,Ar5,A
6の少なくとも1つは、炭素数4以上22以下のアル
キル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基、炭素数6
以上60以下のアリール基およびアリールオキシ基、並
びに炭素数4以上60以下の複素環化合物基から選ばれ
た少なくとも1種の置換基を少なくとも1個有するアリ
ーレン基又は複素環化合物基である。)
【0089】これらのなかでフェニレン基、置換フェニ
レン基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフタ
レンジイル基、置換ナフタレンジイル基、アントラセン
−9,10−ジイル基、置換アントラセン−9,10一
ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、置換ピリジン
−2,5−ジイル基、チェニレン基および置換チェニレ
ン基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレン基、ビ
フェニレン基、ナフタレンジイル基、ピリジン−2,5
−ジイル基、チェニレン基である。
【0090】ここで、置換基について述べると、炭素数
1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基などが挙げ
られ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基が好ましい。また、炭素数1〜
20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げら
れ、メトキシ基、エトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキ
シルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が
好ましい。アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エ
チルチオ基、プロピルチオ基、プチルチオ基、ペンチル
チオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチ
オ基、デシル基、ラウリルチオ基などが挙げられ、メチ
ルチオ基、エチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチ
オ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基が好ましい。ア
リール基としては、フェニル基、4−C1〜C12アルコ
キシフェニル基(C1〜C12は炭素数1〜12であるこ
とを示す。)、4−C1〜C 12アルキルフェニル基、1
−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示される。アリ
ールオキシ基としては、フェノキシ基が例示される。複
素環化合物基としては2−チェニル基、2−ピロリル
基、2−フリル基、2−、3−または4−ピリジリル基
などが例示される。
【0091】これらから選んだ繰り返し単位からなる共
役高分子であって、薄膜における吸収スペクトルのピー
ク波長と蛍光スペクトルのピーク波長の差が120nm以
上である場合に、高い蛍光の量子収率の発光材料を得る
ことができる。
【0092】さらに、これらの繰り返し単位から選んだ
共役系高分子であって、光学吸収端エネルギーが最小で
ある繰り返し単位が0.01モル%以上で40モル%以
下で含まれている共重合体がより好ましい。これらの繰
り返し単位から、ホモポリマーとした場合の光学吸収端
エネルギーの差が0.05eV以上あるものを選ぶと、特
に高い蛍光の量子収率の発光材料を得ることができるの
で好ましい。このためには、少なくとも2種類以上の異
なる化学構造から選ばれることが必要である。
【0093】さらに、上記に示したAr1,Ar2,Ar
3が同−の化学構造でないものから選ばれることが好ま
しい。また、光吸収端エネルギーが0.05eV以上異な
る繰り返し単位としては、Ar1,Ar2,Ar3が置換
基を有する場合には、その置換基の少なくとも1つをア
ルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基または
炭素数4以上の複素環化合物基とするか、またはA
1,Ar2,Ar3のうち−つまたは二つを複素環化合
物基であるものから選んだものが例示される。
【0094】さらに、上記Ar4,Ar5,Ar6の場合
は、Ar4,Ar5,Ar6は互いに異なり、かつそれら
が置換基を有する場合その置換基の少なくとも1つをア
ルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基または
炭素数4以上の複素環化合物基とすることにより、また
はAr4とAr6の一方を複素環化合物基とすることによ
り、高い蛍光収率を示す共役系高分子を得ることができ
る。
【0095】なお、共役系高分子は、ランダム、ブロッ
クまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの
中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯び
たランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収率の
高い共重合体を得る観点からは完全なランダム共重合体
よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックま
たはグラフト共重合体が好ましい。
【0096】また、本発明の高分子蛍光体に対する好ま
しい溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジク
ロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン
などが例示される。高分子蛍光体の構造や分子量にもよ
るが、通常はこれらの溶媒に0.1wt%以上溶解させる
ことができる。溶媒への溶解性等、成膜性のよい重合体
を得るためには、Ar1,Ar2,Ar3の組合わせ、ま
たはAr4,Ar5,Ar6の組み合わせのうちで、少な
くとも1つが炭素数4〜22のアルキル基、アルコキシ
基もしくはアルキルチオ基;炭素数6〜60のアリール
基もしくはアリールオキシ基;または炭素数4〜60の
複素環化合物基を置換基として1個以上核置換されたア
リール基または複素環化合物基であることが好ましい。
【0097】これらの置換基としては以下のものが例示
される。炭素数4〜22のアルキル基としては、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
また、炭素数4〜22のアルコキシ基としては、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリ
ルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が好
ましい。アルキルチオ基としては、ブチルチオ基、ペン
チルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチ
ルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げら
れ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルレチオ
基、オクチルチオ基が好ましい。アリール基としては、
フェニル基、4−Cl〜C12アルコキシフェニル基(C1
〜C12は炭素教が1〜12のいずれかの数であることを
示す。)、4−C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナ
フチル基、2−ナフチル基などが例示される。アリール
オキシ基としては、フェノキシ基が例示される。複素環
化合物基としては2−チェニル基、2−ピロリル基、2
−フリル基、2−、3−または4−ピリジル基などが例
示される。
【0098】これら置換基の選定には前述したように繰
り返し単位がそのホモポリマーにおいて光学吸収端エネ
ルギーの差が0.05eV以上になるように選ぶことが好
ましい。また、溶解性の高い共重合体を得る観点から、
これらの置換基を有する繰り返し単位の高分子中での含
有量は5〜100モル%であり、好ましくは15〜10
0モル%である。
【0099】本発明の重合体の重合度は特に限定され
ず、繰り返し構造やその割合によっても変わる。成膜性
の点から一般には繰り返し構造の合計数で好ましくは3
〜10000、さらに好ましくは3〜3000、特に好
ましくは4〜2000である。
【0100】有機EL素子作成の際に、これらの有機溶
媒可溶性の重合体を用いることにより、溶液から成膜す
る場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去するだ
けでよく、また後述する電荷輸送材料を混合した場合に
おいても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利であ
る。
【0101】本発明の共重合体の代表的なものは、アリ
ーレンビニレン系共重合体であり、その合成法としては
特に限定されないが、例えば特開平1−254734号
公報、特開平1−79217号公報等に記載されている
方法と同様な方法を用いて共重合体を得ることができ
る。すなわち、例えば相当する2種類以上のビス(ハロ
ゲン化メチル)化合物、より具体的には、例えば、2,
5−ジエチル−P−キシリレンジプロミド、2,5−ジ
ヘプチルオキシ−P−キシリレンジプロミドおよびp−
キシリレンジプロミドとをキシレン/第三級ブチルアル
コール混合溶媒中、第三級ブトキシカリウムを用いて共
重合させる脱ハロゲン化水素法をあげることができる。
この湯合、通常ランダム共重合体となるが、オリゴマー
を利用すればブロック共重合体も得られる。
【0102】また、相当するビス(ハロゲン化メチル)
化合物、より具体的には、例えば、2,5−ジエチル−
p−キシリレンジブロミドと2,5−ジヘプチルオキシ
−P−キシリレンジブロミドをそれぞれN,N−ジメチ
ルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフインと反成
させてホスホニウム塩を合成し、相当するジアルデヒド
化合物、より具体的には、例えば、テレフタルアルデヒ
ドを、例えばエチルアルコール中、リチウムエトキシド
を用いて重合させるWitting反応を挙げることができ
る。共重合体を得るために、2種類以上のジホスホニウ
ム塩および/または2種類以上のジアルデヒド化合物を
反応させてもよい。この他に、相当するスルホニウム塩
をアルカリ存在下に重合させ、ついで脱スルホニウム塩
処理を行うスルホニウム塩分解法などが例示される。ま
た、これらの重合体を有機EL素子の発光材料として用
いる場合、その純度が発光特性に影響を与えるため、合
成後、再沈精製、クロマトグラフによる分別等の純化処
理をすることが望ましい。
【0103】本発明の発光材料を用いて作成される有機
EL素子の構造については、少なくとも一方が透明また
は半透明である一対の電極間に設ける発光層中に前述の
重合体からなる発光材料が用いられ、かつ前記高抵抗の
ホール注入層を有するものであれば、特に制限はなく、
公知の構造が採用される。例えば、前記高分子蛍光体か
らなる発光層、もしくはこの高分子蛍光体と電荷輸送材
料(電子輸送材料とホール輸送材料の総称を意味する)
との混合物からなる発光層と、電子注入電極の間に電子
輸送材料を含有する電子輸送層を有していたり、発光層
とホール注入電極との間に前記高抵抗のホール注入層を
有し、さらにホール輸送材料を含むホール輸送層を積層
したものが例示される。
【0104】また、発光層や電荷輸送層は1層の場合と
複数の層を組み合わせる場合も本発明に含まれる。さら
に、発光層に例えば下記に述べる高分子蛍光体以外の発
光材料を混合使用してもよい。また、該高分子蛍光体お
よび/または電荷輸送材料を高分子化合物に分散させた
層とすることもできる。
【0105】本発明の重合体とともに使用される電荷輸
送材料、すなわち、電子輸送材料またはホール輸送材料
としては公知のものが使用でき、特に限定されないが、
ホール輸送材料としてはピラゾリン誘導体、アリールア
ミン誘導体、スチルペン誘導体、トリフェニルジアミン
誘導件等が、電子輸送材料としてはオキサジアゾール誘
導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾ
キノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導
体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノア
ンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘
導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、
ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよひ
その誘導体の金属錯体等が例示される。
【0106】具体的には、特開昭63−70257号、
同63−175860号公報、特開平2−135359
号、同2−135361号、同2−209988号、同
3−37992号、同3−152184号公報に記載さ
れているもの等が例示される。ホール輸送材料としては
トリフェニルジアミン誘導体、電子輸送材料としてはオ
キサジアゾール誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導
体、アントラキノンおよびその誘導体、8−ヒドロキン
キノリンおよびその誘導体の金属錯体が好ましく、特
に、ホール輸送材料としては4,4−ビス(N(3−メ
チルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、電
子輸送材料としては2−(4−ビフェニリル)−5−
(4−t−プチルフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール、ペンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−
キノリノール)アルミニニウムが好ましい。これらのう
ち、電子輸送性の化合物とホール輸送性の化合物のいず
れか一方、または両方を同時に使用すればよい。これら
は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いて
もよい。
【0107】発光層と電極、あるいは上記高抵抗の無機
ホール注入層との間に有機材料の電荷注入層を設ける場
合、これらの電荷輸送材料を使用して有機の電荷注入層
を形成することができる。また、電荷輸送材料を発光層
に混合して使用する場合、電荷輸送材料の使用量は使用
する化合物の種類等によっても異なるので、十分な成膜
性と発光特性を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適
宜決めればよい。通常、発光材料に対して1〜40重量
%であり、より好ましくは2〜30重量%である。
【0108】本発明の高分子蛍光体と共に使用できる既
知の発光材料としては特に限定されないが、例えば、ナ
フタレン誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリ
レンおよびその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、
クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシ
キノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、
テトラフェニルシクロペンタジエンおよびその誘導体、
テトラフェニルブタジエンおよびその誘導体などを用い
ることができる。具体的には、例えば、特開昭57−5
1781号、同59−194393号公報に記載されて
いるもの等、公知のものが使用可能である。
【0109】電極上に発光材料として上記重合体、また
は、この重合体と電荷輸送材料を含む発光層を形成す
る。形成方法としては、これら材料の溶液、混合液また
は溶融液を使用してスピンコーティング法、キャスティ
ング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート
法等の塗布法が例示されるが、溶液または混合液をスピ
ンコーティング法、キヤスティング法、ディッピング
法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法により成
膜するのが特に好ましい。
【0110】上記共役高分子蛍光体を用いた場合の発光
層の膜厚としては0.5nm〜10μm 、好ましくは1nm
〜1μm である。電流密度を上げて発光効率を上げるた
めには、10〜500nmの範囲が好ましい。なお、塗布
法により薄膜化した場合には、溶媒を除去するため、減
圧下あるいは不活性雰囲気下、30〜200℃、好まし
くは60〜100℃の温度で加熱乾燥することが望まし
い。このような、加熱乾燥工程を必要とする場合、下記
に示す無機の電荷注入層を電極との間に形成することが
好ましい。
【0111】本発明の有機EL素子は、上記発光層と、
一方の電極であるホール注入電極との間に、高抵抗の無
機ホール注入輸送層を有する。
【0112】このように、ホールの導通パスを有し、電
子をブロックできる高抵抗の無機ホール注入輸送層を有
機層とホール注入電極の間に配置することで、発光層へ
ホールを効率よく注入することができ、発光効率が向上
するとともに駆動電圧が低下する。
【0113】また、好ましくは高抵抗の無機ホール注入
輸送層の主成分としてシリコンや、ゲルマニウム等の金
属または半金属の酸化物を用い、これに仕事関数4.5
eV以上、好ましくは4.5〜6eVの金属や、半金属およ
び/またはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化
物、硼化物のいずれか1種以上を含有させて導電パスを
形成することにより、ホール注入電極から発光層側の有
機層へ効率よくホールを注入することができる。しか
も、有機層からホール注入電極への電子の移動を抑制す
ることができ、発光層でのホールと電子との再結合を効
率よく行わせることができる。また、無機材料の有する
メリットと、有機材料の有するメリットとを併せもった
有機EL素子とすることができる。本発明の有機EL素
子は、従来の有機ホール注入層を有する素子と同等かそ
れ以上の輝度が得られ、しかも、耐熱性、耐候性が高い
ので従来のものよりも寿命が長く、リークやダークスポ
ットの発生も少ない。また、比較的高価な有機物質ばか
りではなく、安価で入手しやすく製造が容易な無機材料
も用いることで、製造コストを低減することもできる。
【0114】高抵抗の無機ホール注入層は、その抵抗率
が好ましくは1〜1×1011Ω・cm、特に1×103
1×108Ω・cmである。高抵抗の無機ホール注入輸送
層の抵抗率を上記範囲とすることにより、高い電子ブロ
ック性を維持したままホール注入効率を飛躍的に向上さ
せることができる。高抵抗の無機ホール注入輸送層の抵
抗率は、シート抵抗と膜厚からも求めることができる。
この場合、シート抵抗は4端子法等により測定すること
ができる。
【0115】主成分の材料は、シリコン、ゲルマニウム
の酸化物であり、好ましくは(Si1-xGex)Oyにお
いて 0≦x≦1、 1.7≦y≦2.2、好ましくは1.7≦y≦1.99 である。高抵抗の無機絶縁性ホール注入輸送層の主成分
は、酸化ケイ素でも酸化ゲルマニウムでもよく、それら
の混合薄膜でもよい。yがこれより大きくても小さくて
もホール注入機能は低下してくる傾向がある。組成は、
例えばラザフォード後方散乱、化学分析等で調べればよ
い。
【0116】高抵抗の無機ホール注入輸送層は、さらに
主成分に加え、仕事関数4.5eV以上の金属(半金属を
含む)の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化
物を含有することが好ましい。仕事関数4.5eV以上、
好ましくは4.5〜6eVの金属は、好ましくはAu,C
u、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,P
t,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種ま
た2種以上である。これらは一般に金属としてあるいは
酸化物の形で存在する。また、これらの炭化物、窒化
物、ケイ化物、硼化物であってもよい。これらを混合し
て用いる場合の混合比は任意である。これらの含有量は
好ましくは0.2〜40 mol%、より好ましくは1〜2
0 mol%である。含有量がこれより少ないとホール注入
機能が低下し、含有量がこれを超えると電子ブロック機
能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合計の含
有量は上記の範囲にすることが好ましい。
【0117】上記金属または金属(半金属を含む)の酸
化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物は、通
常、高抵抗の無機ホール注入輸送層中に分散している。
分散粒子の粒径としては、通常、1〜5nm程度である。
この導体である分散粒子同士との間で高抵抗の主成分を
介してホールを搬送するためのホッピングパスが形成さ
れるものと考えられる。
【0118】高抵抗の無機ホール注入輸送層には、他
に、不純物として、Hやスパッタガスに用いるNe、A
r、Kr、Xe等を合計5at%以下含有していてもよ
い。
【0119】なお、高抵抗の無機ホール注入輸送層全体
の平均値としてこのような組成であれば、均一でなくて
もよく、膜厚方向に濃度勾配を有する構造としてもよ
い。
【0120】高抵抗の無機ホール注入輸送層は、通常、
非晶質状態である。
【0121】高抵抗の無機ホール注入輸送層の膜厚とし
ては、好ましくは0.2〜100nm、特に0.2〜30
nm程度が好ましい。高抵抗の無機ホール注入輸送層がこ
れより薄くても厚くても、ホール注入層としての機能を
十分に発揮できなくなくなってくる。
【0122】上記の高抵抗の無機ホール注入輸送層の製
造方法としては、スパッタ法、蒸着法などの各種の物理
的または化学的な薄膜形成方法などが考えられるが、ス
パッタ法が好ましい。なかでも、上記主成分と金属また
は金属酸化物等のターゲットを別個にスパッタする多元
スパッタが好ましい。多元スパッタにすることで、それ
ぞれのターゲットに好適なスパッタ法を用いることがで
きる。また、1元スパッタとする場合には、主成分のタ
ーゲット上に上記金属または金属酸化物等の小片を配置
し、両者の面積比を適当に調整することにより、組成を
調整してもよい。
【0123】高抵抗の無機ホール注入輸送層をスパッタ
法で形成する場合、スパッタ時のスパッタガスの圧力
は、0.1〜1Paの範囲が好ましい。スパッタガスは、
通常のスパッタ装置に使用される不活性ガス、例えばA
r,Ne,Xe,Kr等が使用できる。また、必要によ
りN2を用いてもよい。スパッタ時の雰囲気としては、
上記スパッタガスに加えO2を1〜99%程度混合して
反応性スパッタを行ってもよい。
【0124】スパッタ法としてはRF電源を用いた高周
波スパッタ法や、DCスパッタ法等が使用できる。スパ
ッタ装置の電力としては、好ましくはRFスパッタで
0.1〜10W/cm2の範囲が好ましく、成膜レートは
0.5〜10nm/min 、特に1〜5nm/min の範囲が好
ましい。
【0125】成膜時の基板温度としては、室温(25
℃)〜150℃程度である。
【0126】本発明の有機EL素子は、高抵抗の無機ホ
ール注入輸送層を有することにより、耐熱性、耐候性が
向上し、素子の長寿命化を図れる。また、比較的高価な
有機物質ではなく、安価で入手しやすい無機材料を用い
ているので、製造が容易となり、製造コストを低減する
ことができる。さらには、従来問題のあった無機材料で
ある電極との接続性も良好になる。このため、リーク電
流の発生やダークスポットの発生を抑えることができ
る。
【0127】また、本発明の有機EL素子は、有機層と
して上記発光層以外に電子注入輸送層、また必要により
無機のホール注入輸送層に加え有機のホール輸送層を有
しもよい。
【0128】有機材料からなる電子注入輸送層、および
ホール輸送層には、下記の電子注入輸送性材料、ホール
注入輸送性材料を用いることが好ましい。
【0129】電子注入輸送性の化合物としては、キノリ
ン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好まし
い。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラ
アリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0130】電子注入輸送性化合物は、トリス(8−キ
ノリノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリ
ノールまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体な
どのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレ
ン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキ
サリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フ
ルオレン誘導体等を用いることができる。
【0131】また、発光層の下層に形成する場合、発光
層の形成に加熱重合工程を要するときは、ある程度の耐
熱性が必要となる。この場合、好ましくはガラス転移温
度が200℃以上、より好ましくは300℃以上、特に
350℃以上の電子注入輸送性化合物が好ましい。
【0132】ホール注入輸送性の化合物としては、強い
蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送性
化合物であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはス
チリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体
を用いるのが好ましい。
【0133】ホール注入輸送性化合物は、例えば、特開
昭63−295695号公報、特開平2−191694
号公報、特開平3−792号公報、特開平5−2346
81号公報、特開平5−239455号公報、特開平5
−299174号公報、特開平7−126225号公
報、特開平7−126226号公報、特開平8−100
172号公報、EP0650955A1等に記載されて
いる各種有機化合物を用いることができる。例えば、テ
トラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミン
ないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級ア
ミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリア
ゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有する
オキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。こ
れらの化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用
してもよい。2種以上を併用するときは、別層にして積
層したり、混合したりすればよい。
【0134】また、発光層の下層に形成する場合、発光
層の形成に加熱重合工程を要するときは、ある程度の耐
熱性が必要となる。この場合、好ましくはガラス転移温
度が200℃以上、より好ましくは300℃以上、特に
350℃以上のホール注入輸送性化合物が好ましい。こ
のような化合物としては、例えばポリアニリン等が挙げ
られる。
【0135】有機のホール輸送層の厚さおよび電子注入
輸送層の厚さは、特に制限されるものではなく、形成方
法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特に1
0〜300nmとすることが好ましい。電子の注入層と輸
送層とを設ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1
nm以上とするのが好ましい。このときの注入層、輸送層
の厚さの上限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層
で500nm程度である。
【0136】有機のホール輸送層、電子注入輸送層の形
成には、均質な薄膜が形成できることから、真空蒸着法
を用いることが好ましい。真空蒸着法を用いた場合、ア
モルファス状態または結晶粒径が0.2μm 以下の均質
な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を超えている
と、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を高くしなけ
ればならなくなり、電子、ホールの注入効率も著しく低
下する。
【0137】真空蒸着の条件は特に限定されないが、1
-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/
sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続し
て各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形
成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げる
ため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低く
したり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりする
ことができる。
【0138】これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場
合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化
合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着する
ことが好ましい。
【0139】さらに、素子の有機層や電極の劣化を防ぐ
ために、素子上を封止板等により封止することが好まし
い。封止板は、湿気の浸入を防ぐために、接着性樹脂層
を用いて、封止板を接着し密封する。封止ガスは、A
r、He、N2 等の不活性ガス等が好ましい。また、こ
の封止ガスの水分含有量は、100ppm 以下、より好ま
しくは10ppm 以下、特には1ppm 以下であることが好
ましい。この水分含有量に下限値は特にないが、通常
0.1ppm 程度である。
【0140】封止板の材料としては、好ましくは平板状
であって、ガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明材
料が挙げられるが、特にガラスが好ましい。このような
ガラス材として、コストの面からアルカリガラスが好ま
しいが、この他、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカ
ガラス等のガラス組成のものも好ましい。特に、ソーダ
ガラスで、表面処理の無いガラス材が安価に使用でき、
好ましい。封止板としては、ガラス板以外にも、金属
板、プラスチック板等を用いることもできる。
【0141】封止板は、スペーサーを用いて高さを調整
し、所望の高さに保持してもよい。スペーサーの材料と
しては、樹脂ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ、ガ
ラスファイバー等が挙げられ、特にガラスビーズ等が好
ましい。スペーサーは、通常、粒径の揃った粒状物であ
るが、その形状は特に限定されるものではなく、スペー
サーとしての機能に支障のないものであれば種々の形状
であってもよい。その大きさとしては、円換算の直径が
1〜20μm 、より好ましくは1〜10μm 、特に2〜
8μm が好ましい。このような直径のものは、粒長10
0μm 以下程度であることが好ましく、その下限は特に
規制されるものではないが、通常直径と同程度以上であ
る。
【0142】なお、封止板に凹部を形成した場合には、
スペーサーは使用しても、使用しなくてもよい。使用す
る場合の好ましい大きさとしては、前記範囲でよいが、
特に2〜8μm の範囲が好ましい。
【0143】スペーサーは、予め封止用接着剤中に混入
されていても、接着時に混入してもよい。封止用接着剤
中におけるスペーサーの含有量は、好ましくは0.01
〜30wt%、より好ましくは0.1〜5wt%である。
【0144】接着剤としては、安定した接着強度が保
て、気密性が良好なものであれば特に限定されるもので
はないが、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ
樹脂接着剤を用いることが好ましい。
【0145】本発明において、有機EL構造体を形成す
る基板としては、非晶質基板たとえばガラス、石英な
ど、結晶基板たとえば、Si、GaAs、ZnSe、Z
nS、GaP、InPなどがあげられ、またこれらの結
晶基板に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ層を形
成した基板も用いることができる。また金属基板として
は、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pdなどを用いる
ことができ、好ましくはガラス基板が用いられる。基板
は、光取り出し側となる場合、上記電極と同様な光透過
性を有することが好ましい。
【0146】さらに、本発明素子を、平面上に多数並べ
てもよい。平面上に並べられたそれぞれの素子の発光色
を変えて、カラーのディスプレーにすることができる。
【0147】基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む
色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコン
トロールしてもよい。
【0148】色フィルター膜には、液晶ディスプレイ等
で用いられているカラーフィルターを用いれば良いが、
有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルター
の特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すれば
よい。
【0149】また、EL素子材料や蛍光変換層が光吸収
するような短波長の外光をカットできるカラーフィルタ
ーを用いれば、素子の耐光性・表示のコントラストも向
上する。
【0150】また、誘電体多層膜のような光学薄膜を用
いてカラーフィルターの代わりにしても良い。
【0151】蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を
吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させること
で、発光色の色変換を行うものであるが、組成として
は、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成
される。
【0152】蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高
いものを用いれば良く、EL発光波長域に吸収が強いこ
とが望ましい。実際には、レーザー色素などが適してお
り、ローダミン系化合物・ペリレン系化合物・シアニン
系化合物・フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニ
ン等も含む)ナフタロイミド系化合物・縮合環炭化水素
系化合物・縮合複素環系化合物・スチリル系化合物・ク
マリン系化合物等を用いればよい。
【0153】バインダーは、基本的に蛍光を消光しない
ような材料を選べば良く、フォトリソグラフィー・印刷
等で微細なパターニングが出来るようなものが好まし
い。また、基板上にホール注入電極と接する状態で形成
される場合、ホール注入電極(ITO、IZO)の成膜
時にダメージを受けないような材料が好ましい。
【0154】光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りな
い場合に用いるが、必要のない場合は用いなくても良
い。また、光吸収材料は、蛍光性材料の蛍光を消光しな
いような材料を選べば良い。
【0155】本発明の有機EL素子は、通常、直流駆動
型、パルス駆動型のEL素子として用いられるが、交流
駆動とすることもできる。印加電圧は、通常、2〜30
V 程度とされる。
【0156】本発明の有機EL素子は、例えば図1に示
すように、基板1/ホール注入電極2/高抵抗の無機ホ
ール注入輸送層3/発光層4/電子注入電極6とが順次
積層された構成としてもよいし、図2に示すように、基
板1/ホール注入電極2/高抵抗の無機ホール注入輸送
層3/発光層4/電子注入輸送層5/電子注入電極6と
が順次積層された構成としてもよい。また、上記の積層
順を逆にした、いわゆる逆積層構成としてもよい。これ
らは、たとえば、ディスプレーの仕様や作製プロセス等
により、適宜選択し使用される。図1,2において、ホ
ール注入電極2と電子注入電極6の間には、駆動電源E
が接続されている。
【0157】また、上記発明の素子は、電極層/無機物
層(高抵抗の無機ホール注入輸送層、無機絶縁性電子注
入層)および発光層/電極層/無機物層および発光層/
電極層/無機物層および発光層/電極層・・・と多段に
重ねてもよい。このような素子構造により、発光色の色
調調整や多色化を行うこともできる。
【0158】本発明の有機EL素子は、ディスプレイと
しての応用の他、例えばメモり読み出し/書き込み等に
利用される光ピックアップ、光通信の伝送路中における
中継装置、フォトカプラ等、種々の光応用デバイスに用
いることができる。
【0159】
【実施例】<実施例1>ガラス基板としてコーニング社
製商品名7059基板を中性洗剤を用いてスクラブ洗浄
した。
【0160】この基板上にITO酸化物ターゲットを用
いRFマグネトロンスパッタリング法により、基板温度
250℃で、膜厚200nmのITOホール注入電極層を
形成した。
【0161】ITO電極層等が形成された基板の表面を
UV/O3洗浄した後、スパッタ装置の基板ホルダーに
固定して、槽内を1×10-4Pa以下まで減圧した。
【0162】次いで、ターゲットにSiO2と、この上
に所定の大きさのAuのペレットを配置して用い、高抵
抗の無機ホール注入層を20nmの膜厚に成膜した。この
ときのスパッタガスはAr:30sccm、O2:5sccm
で、室温(25℃)下、成膜レート1nm/min 、動作圧
力0.2〜2Pa、投入電力500Wとした。成膜した高
抵抗の無機ホール注入輸送層の組成は、SiO1.9にA
uを4 mol%含有するものであった。
【0163】10〜25gのメタノールにつき1gのポ
リマー濃度のPPVの前駆体メタノール溶液を前記の高
抵抗の無機ホール注入輸送層が形成された基板にスピン
コーティングした。すなわち、基板の全表面にポリマー
溶液を塗布し、次にその上面を水平に保持して5000
r.p.mまでの速度に回転させてコーティングした。
【0164】次に、得られた基板とポリマー前駆体層を
真空オーブン中、300℃の温度で12時間加熱した。
この熱処理によって、前駆体ポリマーはPPVに変換さ
れた。得られたPPV膜は100〜300nmの厚さであ
った。
【0165】次いで、減圧を保ったまま、スパッタ法に
て、AlLi(Li:6at%)を1nmの厚さに蒸着し、
続けてAlを200nmの厚さに蒸着し、電子注入電極お
よび補助電極とし、最後にガラス封止して有機EL素子
を得た。
【0166】得られた有機EL素子に空気中で、電界を
印加したところ、ダイオード特性を示し、ITO側をプ
ラス、AlLi/Al電極側をマイナスにバイアスした
場合、電流は、電圧の増加とともに増加し、通常の室内
ではっきりとした発光が観察された。また、繰り返し発
光動作をさせても、輝度の低下はみられなかった。
【0167】また、4端子法により高抵抗の無機ホール
注入層のシート抵抗を測定したところ、膜厚100nmで
のシート抵抗は100 kΩ/cm2 であり、抵抗率に換算
すると1×1010Ω・cmであった。
【0168】<実施例2>実施例1において、高抵抗の
無機ホール注入層を成膜する際、ターゲットにGeO2
と、このターゲット上に所定の大きさのAuのペレット
を配置し、高抵抗の無機ホール注入層を20nmの膜厚に
成膜した。このときのスパッタガスはAr:30sccm、
2:5sccmで、室温(25℃)下、成膜レート1nm/m
in 、動作圧力0.2〜2Pa、投入電力500Wとし
た。成膜した無機ホール注入層の組成は、GeO2にA
uを2 mol%含有するものであった。
【0169】その他は実施例1と同様にして有機EL素
子を得た。得られた有機EL素子を空気中で、10mA/
cm2 の定電流密度で駆動したところ、初期輝度は880
cd/m2 、駆動電圧6.9V であった。
【0170】また、4端子法により高抵抗の無機ホール
注入層のシート抵抗を測定したところ、膜厚100nmで
のシート抵抗は100Ω/cm2であり、抵抗率に換算す
ると1×107Ω・cmであった。
【0171】<実施例3>実施例1,2において、高抵
抗の無機ホール注入輸送層を成膜する際にスパッタガス
のO2流量、および膜組成によりターゲットを変えてそ
の主成分の組成をSiO1.7、SiO1.95、Ge
1.96、Si0.5Ge0.51.92とした他は実施例1と同
様にして有機EL素子を作製し、発光輝度を評価したと
ころほぼ同等の結果が得られた。
【0172】<実施例4>実施例1において、高抵抗の
無機ホール注入層の金属を、AuからCu、Fe、N
i、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,
Ta,PdおよびCoのいずれか1種以上、またはこれ
らの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物に代え
ても同等の結果が得られた。
【0173】<実施例5> (高分子蛍光体の合成)2,5−ジェチル−P−キシリ
レンジプロミドを、N,N−ジメチルホルムアミド溶媒
中、トリフェニルホスフインと反応させてホスホニウム
塩(A)を合成した。また、2,5−ジヘプチルオキシ
−p−キシリレンジブロミドを、N,N−ジメチルホル
ムアミド溶媒中、トリフェニルホスフインと反応させて
ホスホニクム塩(B)を合成した。得られた2種類のホ
スホニウム塩(A)4.1重量部、(B)1.0重量部
と、テレフタルアルテヒド0.8重量部とを、エチルア
ルコールに溶解させた。0.8重量部のリチウムエトキ
シドを含むエチルアルコール溶液をホスホニウム塩とジ
アルデヒドのエチルアルコール溶液に滴下し、室温で3
時間重合させた。一夜室温で放置した後、沈殿を濾別
し、エチルアルコールで洗浄後、クロロホルムに溶解
し、これにエタノールを加え再沈生成した。これを減圧
乾燥して、重合体0.35重量部を得た。これを高分子
蛍光体1という。モノマーの仕込み比から計算される、
高分子蛍光体1の繰り返し単位とそのモル比を下記に示
す。
【0174】
【化11】
【0175】この高分子蛍光体1のポリスチレン換算の
数平均分子量は、5.0×103であった。高分子蛍光
体1の構造については赤外吸収スペクトルにおいて、9
60cm-1のビニレン基、1520cm-1のフェニレン基、
1100cm-1のエーテル基、2860cm-1のアルキル基
の吸収を確認した。また、クロロホルム−dを溶媒とし
1H−NMRを測定し、フェニレンビニレン基のH
(6・5〜8.Oppm 付近)、ヘプチルオキシ基の−O
CH2−のH(3.5〜4.0ppm 付近)、エチル基の
−CH2−のH(2.5ppm 付近)を確認した。これら
の強度比から計等される繰り返し単位のモル比が、上記
のモノマーの仕込み比から計算される値とほぼ一致し
た。
【0176】実施例1において、PPV膜の形成に、上
記高分子蛍光体1の1.0wt%クロロホルム溶液を用い
た他は、実施例1と同様にして有機EL素子を得た。発
光層形成時の条件としては、上記溶液をディッピング法
にて50nmの膜厚に成膜し、これを減圧下80℃で1時
間乾燥した。
【0177】得られた有機EL素子を実施例1と同様に
して評価したところ、実施例1と同様な結果が得られ
た。
【0178】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、有機材料
と無機材料の有するメリットを併せ持ち、高効率、長寿
命で低コストな有機EL素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の第1の基本構成を示す
概略断面図である。
【図2】本発明の有機EL素子の第2の基本構成を示す
概略断面図である。
【図3】従来の有機EL素子の構成例を示した概略断面
図である。
【図4】従来の有機EL素子の他の構成例を示した概略
断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ホール注入電極 3 高抵抗の無機ホール注入輸送層 4 発光層 5 電子注入輸送層 6 電子注入電極 11 基板 12 ホール注入電極 13 電子注入電極 14 ホール輸送層 15 発光層 16 電子輸送層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホール注入電極と電子注入電極と、これ
    らの電極間に発光機能に関与する有機層とを有し、 前記有機層には共役ポリマーを含有する発光層を有し、 この有機層とホール注入電極との間には電子をブロック
    するとともにホールを搬送するための導通パスを有する
    高抵抗の無機ホール注入層を有する有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記高抵抗の無機ホール注入層は、抵抗
    率が1〜1×1011Ω・cmである請求項1の有機EL素
    子。
  3. 【請求項3】 前記高抵抗の無機ホール注入層は、金属
    および/または金属の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化
    物および硼化物のいずれか1種以上を含有する請求項1
    または2の有機EL素子。
  4. 【請求項4】 前記高抵抗の無機ホール注入層は、シリ
    コンおよび/またはゲルマニウムの酸化物を主成分と
    し、この主成分を(Si1-xGex)Oyと表したとき 0≦x≦1、 1.7≦y≦2.2 であり、 さらに、仕事関数4.5eV以上の金属および/または金
    属の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物の
    いずれか1種以上を含有する請求項1〜3のいずれかの
    有機EL素子。
  5. 【請求項5】 前記金属は、Au,Cu、Fe、Ni、
    Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,T
    a,PdおよびCoのいずれか1種以上である請求項4
    の有機EL素子。
  6. 【請求項6】 前記金属および/または金属の酸化物、
    炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物の含有量は、
    0.2〜40 mol%である請求項4または5の有機EL
    素子。
  7. 【請求項7】 前記高抵抗のホール注入層の膜厚は、
    0.2〜100nmである請求項1〜6のいずれかの有機
    EL素子。
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