JPH08185980A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JPH08185980A
JPH08185980A JP6325968A JP32596894A JPH08185980A JP H08185980 A JPH08185980 A JP H08185980A JP 6325968 A JP6325968 A JP 6325968A JP 32596894 A JP32596894 A JP 32596894A JP H08185980 A JPH08185980 A JP H08185980A
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敏博 大西
Masanobu Noguchi
公信 野口
Hideji Doi
秀二 土居
Yoshihiko Tsuchida
良彦 土田
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/841Self-supporting sealing arrangements

Abstract

(57)【要約】 【目的】作成が容易で、かつ耐久性に優れた有機エレク
トロルミネッセンス素子を提供する。 【構成】少なくとも一方が透明または半透明である一対
の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも高分子
発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子にお
いて、高分子発光層が配置された側とは反対側の陰極面
が、酸素透過率が200(cm3 /m2 ・24h・at
m)以下であり、水蒸気透過率が200(g/m2 ・2
4h・atm)以下である基材で覆われていることを特
徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性が良好な有機エ
レクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とい
うことがある。)に関する。
【0002】
【従来の技術】無機蛍光体を発光材料として用いた無機
エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と
いうことがある。)は、例えばバックライトとしての面
状光源やフラットパネルディスプレイ等の表示装置に用
いられているが発光させるのに高電圧の交流が必要であ
った。近年、Tangらは有機蛍光色素を発光層とし、
これと電子写真の感光体等に用いられている有機電荷輸
送化合物とを積層した二層構造を有する有機EL素子を
作製し、低電圧駆動、高効率、高輝度の有機EL素子を
実現させた(特開昭59−194393号公報)。有機
EL素子は、無機EL素子に比べ、低電圧駆動、高輝度
に加えて多数の色の発光が容易に得られるという特徴が
あることから素子構造や有機蛍光色素、有機電荷輸送化
合物について多くの試みが報告されている〔ジャパニー
ズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J
pn.J.Appl.Phys.)第27巻、L269
頁(1988年)〕、〔ジャーナル・オブ・アプライド
・フィジックス(J.Appl.Phys.)第65
巻、3610頁(1989年)〕。
【0003】また、高分子の発光材料としては、これま
でに、WO9013148号公開明細書、特開平3−2
44630号公報、アプライド・フィジックス・レター
ズ(Appl.Phys.Lett.)第58巻、19
82頁(1991年)などで提案されていた。WO90
13148号公開明細書の実施例には、可溶性前駆体を
電極上に成膜し、熱処理を行なうことにより共役系高分
子に変換されたポリ−p−フェニレンビニレン薄膜が得
られ、それを用いたEL素子が開示されている。更に、
特開平3−244630号公報には、それ自身が溶媒に
可溶であり、熱処理が不要であるという特徴を有する共
役系高分子が例示されている。アプライド・フィジック
ス・レターズ(Appl.Phys.Lett.)第5
8巻、1982頁(1991年)にも溶媒に可溶な高分
子発光材料およびそれを用いて作成した有機EL素子が
記載されている。しかし、これらの材料を用いて作製さ
れた有機EL素子は、ガラス基板上に、透明電極、絶縁
層、発光層、絶縁層、背面電極を形成し、更に封止器で
密閉された構成からなる無機EL素子に比べ、酸素や水
分の影響を受けやすく、電極界面での剥離や金属電極の
酸化により、輝度、発光効率などが低下してしまうとい
う欠点があった。
【0004】有機EL素子も封止により長寿命化を図る
試みが既に報告されている。特開平5−182759号
公報では、透明電極及び背面電極によって挟持された有
機EL層と、この有機EL層を覆うように形成された耐
湿性を有する光硬化性樹脂層と、この光硬化性樹脂層の
上部に固着された透水性の小さい基板とを具備すること
を特徴とする有機EL素子で耐久性が向上したことが開
示されている。ここでは、光硬化性樹脂層が背面電極に
直接接触する構成となっている。さらに、光硬化性樹脂
の成分が、電極に悪影響を及ぼすことを阻止するため、
背面電極を形成した後、高真空下、スパッターによりS
iO2 膜を成膜し、この上部に光硬化性樹脂層を介して
非透水性基板を固着させる方法も記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で報告された高分子蛍光体を用いた有機EL素子では、
耐久性が十分とはいえず、また、光硬化性樹脂を用いた
封止では、光硬化性樹脂が素子の背面全体に接触するた
め、光硬化性樹脂の種類が制約されること、さらには、
光硬化時の収縮による剥離の問題がある。一方、この問
題を解決するため、背面をSiO2 膜で覆った後、光硬
化性樹脂で封止する方法があるが、高真空下でのSiO
2 膜の形成工程を必要とすること、さらには、SiO2
膜が親水性であることから、光硬化性樹脂が制約を受け
る欠点があった。本発明の目的は、作成が容易で、かつ
耐久性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような事情をみて、
本発明者等は、高分子蛍光体を発光層として用いた有機
EL素子の耐久性を向上させるために鋭意検討してき
た。その結果、陰極上に酸素および水蒸気透過性の小さ
い基材を配置することにより、有機エレクトロルミネッ
センス素子の耐久性が向上することを見い出し、本発明
に至った。
【0007】すなわち本発明は次に記す発明である。 〔1〕少なくとも一方が透明または半透明である一対の
陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも高分子発
光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子におい
て、高分子発光層が配置された側とは反対側の陰極面
が、酸素透過率が200(cm3 /m2 ・24h・at
m)以下であり、水蒸気透過率が200(g/m2 ・2
4h・atm)以下である基材で覆われていることを特
徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 〔2〕陰極と基材とが粘着剤により粘着されてなること
を特徴とする〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセン
ス素子。 〔3〕陰極が配置された側とは反対側の基材面が、ハー
ドコート層で覆われていることを特徴とする〔1〕また
は〔2〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0008】〔4〕高分子発光層が、溶媒に可溶な高分
子であって、該高分子の数平均分子量が103 〜107
であり、繰り返し単位として下記式(1)、(2)およ
び(3)
【化4】
【化5】
【化6】 (式中、Ar1 は、共役結合に関与する炭素原子数が6
個以上22個以下からなる芳香族化合物基またはヘテロ
原子を含有する炭素数4個以上20個以下からなる5員
環以上の複素環化合物基から選ばれ、これらの基の化学
構造式において隣接する2つの基と結合した2つの炭素
原子の間で最短の経路に連続して存在する炭素原子およ
び窒素原子の個数の合計が偶数であるものを示す。Ar
2 は、共役結合に関与する炭素原子数が6個以上22個
以下からなる芳香族化合物基またはヘテロ原子を含有す
る炭素数4個以上20個以下からなる6員環以上の複素
環化合物基から選ばれ、これらの基の化学構造式におい
て隣接する2つの基と結合した2つの炭素原子の間で最
短の経路に連続して存在する炭素原子および窒素原子の
個数が1、3または5のいずれかであるものを示す。A
3 、Ar4 は、それぞれ独立に共役結合に関与する炭
素原子数が4個以上20個以下からなるアリーレン基ま
たは複素環化合物基を示す。R1 、R2 、R 3 、R4
6 、R7 は、それぞれ独立に水素、シアノ基、炭素数
1〜20のアルキル基および炭素数6〜18のアリール
基からなる群から選ばれた基である。R5 は炭素数1〜
22の2価の炭化水素基または複素環化合物基からなる
基である。X1 、X2 は、それぞれ独立に−O−、−S
−、−COO−または−OCO−を示し、m、nは、0
または1である。)で表される繰り返し単位を少なくと
も1種含む高分子蛍光体を含有することを特徴とする
〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 〔5〕高分子蛍光体が、〔4〕記載の式(1)と式
(2)、または式(1)と式(3)、または式(2)と
式(3)、または式(1)と式(2)と式(3)で表さ
れる繰り返し単位を少なくとも1種含む共重合体である
ことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子。 〔6〕陰極と発光層との間に該発光層に隣接して電子輸
送性化合物からなる層を設けたことを特徴とする〔1〕
記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 〔7〕陽極と発光層との間に該発光層に隣接して正孔輸
送性化合物からなる層を設けたことを特徴とする〔1〕
記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 〔8〕陰極と発光層との間に該発光層に隣接して電子輸
送性化合物からなる層と、陽極と発光層との間に該発光
層に隣接して正孔輸送性化合物からなる層とを設けたこ
とを特徴とする〔1〕記載の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子。
【0009】以下、本発明の有機EL素子について詳細
に説明する。本発明で用いられる酸素透過率が200
(cm3 /m2 ・24h・atm)以下であり、水蒸気
透過率が200(g/m2 ・24h・atm)以下であ
る基材(以下、酸素および水蒸気の透過性が小さい基材
と略称することがある。)としては、この条件を満たす
ものであれば種類を問わないが、使いやすさの面から、
ガラスまたはガスバリヤー性高分子が挙げられる。該ガ
スバリヤー性高分子としては、具体的には、ポリ塩化ビ
ニリデンおよびその共重合体;ポリエステル、例えばポ
リエチレンテレフタレート;メタキシリレンジアミンを
出発原料として合成される特殊ナイロンや非晶性ナイロ
ン;ポリアクリロニトリル、例えばアクリロニトリルを
主成分とし、アクリル酸メチルおよびブタジエンより構
成されるグラフト重合体;芳香族ポリアミド、例えばポ
リ(p−フェニレンテレフタルアミド);ポリスルホ
ン;サーモプラスチック液晶ポリエステルなどを挙げる
ことができる。これらの中で好ましくはポリ塩化ビニリ
デン、ポリエステル、液晶ポリエステルなどが挙げられ
る。酸素および水蒸気の透過性が小さい基材で陰極を覆
う方法としては、陰極に悪影響を及ぼさなければ、その
方法は問わない。具体的には、基材、例えば、ガラスで
電極上部を覆い、端部を封止剤、例えば、熱硬化性樹脂
や光硬化性樹脂で封止する方法などが挙げられるが、操
作の容易性から、粘着剤により、粘着する方法が好まし
い。粘着される基板は、一層でもよいが、必要に応じて
粘着剤層を介して二層以上積層してもよい。
【0010】本発明で用いられる粘着剤としては、陰極
に悪影響を及ぼさないものであれば種類を問わないが、
使いやすさの面からゴム系、アクリル系、シリコーン
系、ポリビニルエーテル系の粘着剤が好ましい。具体的
には、ゴム系粘着剤として、ポリイソプレン系、スチレ
ン−ブタジエンランダム共重合体(SBR)系、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)
系、ブチルゴム系、ポリイソブチレン系;アクリル系粘
着剤として、アクリルエステル系、例えばn−ブチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオ
クチルアクリレート、イソノニルアクリレートを主モノ
マーとして用いた重合体などが例示される。これらの中
でアクリル系粘着剤が好ましい。
【0011】酸素および水蒸気の透過性が小さい基材層
を設けることで、有機EL素子の耐久性を向上させるこ
とができるが、さらに、酸素および水蒸気の透過性が小
さい基材を保護するために、これを覆うようにハードコ
ート層を設けることもできる。本発明で用いられるハー
ドコート層の形成方法およびそれに用いるハードコート
剤は、公知の方法とハードコート剤を使用でき、特に制
限はないが、粘着剤および粘着剤層の上部に粘着され
た、酸素および水蒸気の透過性が小さい基材を溶解ある
いは膨潤させる溶媒を含有しないハードコート剤、また
はハードコート剤自体でも粘着剤および粘着剤層の上部
に粘着された、酸素および水蒸気の透過性が小さい基材
を溶解または膨潤させないものが好ましい。
【0012】ハードコート剤としては、オルガノポリシ
ロキサン系、光硬化型樹脂系のアクリルオリゴマー系、
ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポ
リエステルアクリレート系ハードコート剤、熱硬化型樹
脂系のアクリルシリコン系ハードコート剤、セラミック
などの無機化合物が例示される。具体的には、プラスチ
ックのコーティング技術総覧「(株)産業技術サービス
センター発行、第183頁〜191頁」に記載されてい
るものが例示される。これらの中で、基材との親和性お
よび成膜性の観点から、オルガノポリシロキサン系ハー
ドコート剤または光硬化型樹脂系のアクリルオリゴマー
系ハードコート剤が好ましい。
【0013】ハードコート剤の成膜方法としては、溶剤
に溶解もしくは分散させた状態からのディッピング法、
スピンコート法、スプレーコート法などの公知の塗布法
が例示される。これらの成膜法によって成膜した後、使
用するハードコート剤に応じた紫外線照射や、熱処理な
どをすることにより硬化させる。ハードコート層の厚み
は0.1μm以上100μm以下が好ましい。
【0014】本発明の高分子蛍光体を用いた有機EL素
子は、可視領域の発光を利用するので高分子蛍光体の固
体状態での蛍光スペクトルの最大ピーク波長が400n
mから800nmの範囲にあることが好ましい。本発明
で用いられる高分子蛍光体は、強い蛍光を示すものであ
ればその種類を問わないが、加工性の点から、その中間
体または重合体が可溶性であるものが好ましい。具体的
には、可溶性であり、薄膜で強い蛍光を示す、式
(1)、(2)、(3)で示される繰り返し単位をそれ
ぞれ1種類以上含む重合体または共重合体がさらに好ま
しい。
【0015】該重合体または共重合体の共役鎖長は、電
荷移動の観点からは長い方がよく、一方、蛍光の量子収
率が高い高分子蛍光体を得る観点からは、共役鎖長は短
い方がよいので、該高分子蛍光体中の式(2)および/
または式(3)で示される繰り返し単位と式(1)で示
される繰り返し単位の量を適宜選択することにより、共
役鎖長を適度な大きさにすることができる。
【0016】本発明に用いられる高分子蛍光体において
式(1)のAr1 は、共役結合に関与する炭素原子数が
6個以上22個以下からなる芳香族化合物基、ヘテロ原
子を含有する炭素数4個以上20個以下からなる5員環
以上の複素環化合物基から選ばれ、これらの基の化学構
造式において隣接する2つの基と結合した2つの炭素原
子の間で最短の経路に連続して存在する炭素原子および
窒素原子の個数の合計が偶数であるものであり、化7に
示す2価の芳香族化合物基またはその誘導体基、2価の
複素環化合物基またはその誘導体基、およびそれらを組
み合わせて得られる基などが例示される。
【化7】 (式中、R8 〜R42は、それぞれ独立に、水素、シアノ
基、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基および
アルキルチオ基;炭素数6〜18のアリール基およびア
リールオキシ基;並びに炭素数4〜14の複素環化合物
基からなる群から選ばれた基である。) これらの中でフェニレン基、置換フェニレン基、ビフェ
ニレン基、置換ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、
置換ナフタレンジイル基、アントラセン−9,10−ジ
イル基、置換アントラセン−9,10−ジイル基、ピリ
ジン−2,5−ジイル基、置換ピリジン−2,5−ジイ
ル基、チエニレン基および置換チエニレン基が好まし
い。さらに好ましくは、フェニレン基、ビフェニレン
基、ナフタレンジイル基、ピリジン−2,5−ジイル
基、チエニレン基である。
【0017】ここで、置換基について述べると、炭素数
1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基などが挙げ
られ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基が好ましい。また、炭素数1〜
20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げら
れ、メトキシ基、エトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキ
シルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が
好ましい。アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エ
チルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチル
チオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチ
オ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げられ、
メチルチオ基、エチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシ
ルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基が好まし
い。アリール基としては、フェニル基、4−C1 〜C12
アルコキシフェニル基(ここで、C1 〜C12は炭素数1
〜12であることを示す。以下においても同様であ
る。)、4−C1 〜C12アルキルフェニル基、1−ナフ
チル基、2−ナフチル基などが例示される。アリールオ
キシ基としては、フェノキシ基が例示される。複素環化
合物基としては2−チエニル基、2−ピロリル基、2−
フリル基、2−、3−または4−ピリジル基などが例示
される。
【0018】Ar2 は隣接する基と炭素−炭素結合を形
成する二官能の基であり、共役結合に関与する炭素原子
数が6個以上22個以下からなる芳香族化合物基、ヘテ
ロ原子を含有する炭素数4個以上20個以下からなる6
員環以上の複素環化合物基から選ばれ、これらの基の化
学構造式において隣接する2つの基と結合した2つの炭
素原子の間で最短の経路に連続して存在する炭素原子お
よび窒素原子の個数が1,3または5のいずれかである
ものであり、化8に示す2価の芳香族化合物基またはそ
の誘導体基、2価の複素環化合物基またはその誘導体
基、およびそれらを組み合わせて得られる基などが例示
される。
【化8】 (式中、R43〜R75は、それぞれ独立に、水素、シアノ
基、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基および
アルキルチオ基;炭素数6〜18のアリール基およびア
リールオキシ基;ならびに炭素数4〜14の複素環化合
物基からなる群から選ばれた基である。) これらの中でフェニレン基、置換フェニレン基、ビフェ
ニレン基、置換ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、
置換ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、置換
アントラセンジイル基、ピリジンジイル基、置換ピリジ
ンジイル基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレン
基、ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、ピリジンジ
イル基である。
【0019】ここで、置換基について述べると、炭素数
1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基などが挙げ
られ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基が好ましい。また、炭素数1〜
20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げら
れ、メトキシ基、エトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキ
シルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が
好ましい。アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エ
チルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチル
チオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチ
オ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げられ、
メチルチオ基、エチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシ
ルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基が好まし
い。アリール基としては、フェニル基、4−C1 〜C12
アルコキシフェニル基、4−C1 〜C12アルキルフェニ
ル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され
る。アリールオキシ基としては、フェノキシ基が例示さ
れる。複素環化合物基としては2−チエニル基、2−ピ
ロリル基、2−フリル基、2−、3−または4−ピリジ
ル基などが例示される。
【0020】Ar3 、Ar4 はそれぞれ独立に、共役結
合に関与する炭素原子数が4個以上20個以下からなる
アリーレン基または複素環化合物基であり、化7に示す
2価の芳香族化合物基またはその誘導体基、2価の複素
環化合物基またはその誘導体基、およびそれらを組み合
わせて得られる基などが例示される。
【0021】また、前記(3)式のX1 およびX2 は、
溶解性、安定性および合成の容易さの観点から、それぞ
れ独立に−O−、−COO−または−OCO−が好まし
く、−O−がより好ましい。
【0022】また、前記式(3)のR5 において、炭化
水素としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン
基、オクチレン基、デシレン基、ラウリレン基、ビニレ
ン基、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基な
どであり、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、
ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、デシレン
基が好ましい。複素環化合物としては、チエニレン基、
フラン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,3−ジイル
基、ピリジン−2,4−ジイル基、ピリジン−2,5−
ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基などが例示され
る。
【0023】また、前記式(1)のR1 、R2 、式
(2)のR3 、R4 、式(3)のR6 、R7 において、
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基な
どが挙げられ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。アリール
基としては、フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフ
ェニル基、4−C1 〜C12アルキルフェニル基、1−ナ
フチル基、2−ナフチル基などが例示される。アリール
オキシ基としては、フェノキシ基が例示される。複素環
化合物基としては2−チエニル基、2−ピロリル基、2
−フリル基、2−、3−または4−ピリジル基などが例
示される。また、R1 とR2 、R3 とR4 、R6 とR7
のそれぞれ少なくともいずれか一方が水素であることが
好ましい。
【0024】なお、本発明に用いられる高分子蛍光体
は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であっ
てもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例
えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよ
い。蛍光の量子収率の高い共重合体を得る観点からは完
全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム
共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好まし
い。
【0025】本発明に用いる高分子蛍光体は、モノマー
の組み合わせにより、主鎖に剛直な共役部分と柔軟な連
結部分を有する構造とすることができるため、基本的に
は溶剤に溶解させて成膜することが困難ではないが、よ
り溶解性に優れ、成膜性のよい重合体を得るためには、
1つの共役部分当たりに少なくとも1つ、炭素数4〜2
0のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ
基;炭素数6〜18のアリール基もしくはアリールオキ
シ基;または炭素数4〜14の複素環化合物基を置換基
として1個以上核置換されたアリール基または複素環化
合物基が含まれることがより好ましい。
【0026】これらの置換基としては以下のものが例示
される。炭素数4〜20のアルキル基としては、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
また、炭素数4〜20のアルコキシ基としては、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリ
ルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が好
ましい。アルキルチオ基としては、ブチルチオ基、ペン
チルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチ
ルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げら
れ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ
基、オクチルチオ基が好ましい。アリール基としては、
フェニル基、4−C1 〜C12アルコキシフェニル基、4
−C1 〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2
−ナフチル基などが例示される。アリールオキシ基とし
ては、フェノキシ基が例示される。複素環化合物基とし
ては2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、
2−、3−または4−ピリジル基などが例示される。
【0027】これら置換基の数は、高分子の分子量と共
役鎖長によっても異なるが、溶解性の高い共重合体を得
る観点から、これらの置換基が分子量600当たり1つ
以上であることがより好ましい。なお、本発明に用いる
高分子蛍光体に対する良溶媒としては、クロロホルム、
塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、
トルエン、キシレンなどが例示される。高分子蛍光体の
構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1
wt%以上溶解させることができる。
【0028】本発明に用いられる重合体の重合度は特に
限定されず、繰り返し構造やその割合によっても変わ
る。成膜性の点から一般には繰り返し構造の合計数で好
ましくは4〜10000、さらに好ましくは4〜300
0、特に好ましくは5〜2000である。
【0029】有機EL素子作成の際に、これらの有機溶
媒可溶性の重合体を用いることにより、溶液から成膜す
る場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去するだ
けでよく、また後述する電荷輸送材料を混合した場合に
おいても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利であ
る。
【0030】本発明の有機EL素子の構造については、
少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極間
に設ける発光層中に高分子蛍光体からなる発光材料が用
いられており、電極上部に、酸素および水蒸気の透過性
が小さい基材を有したものであれば、特に制限はなく、
公知の構造が採用される。例えば、該高分子蛍光体から
なる発光層、もしくは該高分子蛍光体と電荷輸送材料
(電子輸送材料と正孔輸送材料の総称を意味する)との
混合物からなる発光層の両面に一対の電極を有する構造
のもの、さらに陰極と発光層の間に、該発光層に隣接し
て電子輸送材料を含有する電子輸送層、および/または
陽極と発光層の間に、該発光層に隣接して正孔輸送材料
を含む正孔輸送層を積層したものが例示される。また、
発光層や電荷輸送層は1層の場合と複数の層を組み合わ
せる場合も本発明に含まれる。さらに、発光層に例えば
下記に述べる該高分子蛍光体以外の発光材料を混合使用
してもよい。また、該高分子蛍光体および/または電荷
輸送材料を高分子化合物に分散させた層とすることもで
きる。
【0031】本発明に用いられる高分子蛍光体とともに
使用される電荷輸送材料、すなわち電子輸送材料または
正孔輸送材料としては公知のものが使用でき、特に限定
されないが、正孔輸送材料としてはピラゾリン誘導体、
アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニ
ルジアミン誘導体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、
ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよび
その誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびそ
の誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)および
その誘導体等が、電子輸送材料としてはオキサジアゾー
ル誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベ
ンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその
誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシア
ノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノ
ン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導
体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンお
よびその誘導体の金属錯体等が例示される。
【0032】具体的には、特開昭63−70257号、
同63−175860号公報、特開平2−135359
号、同2−135361号、同2−209988号、同
3−37992号、同3−152184号公報に記載さ
れているもの等が例示される。正孔輸送材料としてはト
リフェニルジアミン誘導体、ポリ(N−ビニルカルバゾ
ール)、電子輸送材料としてはオキサジアゾール誘導
体、ベンゾキノンおよびその誘導体、アントラキノンお
よびその誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘
導体の金属錯体が好ましく、特に、正孔輸送材料として
は4,4’−ビス(N(3−メチルフェニル)−N−フ
ェニルアミノ)ビフェニル、ポリ(N−ビニルカルバゾ
ール)、電子輸送材料としては2−(4−ビフェニリ
ル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、ト
リス(8−キノリノール)アルミニウムが好ましい。こ
れらのうち、電子輸送性の化合物と正孔輸送性の化合物
のいずれか一方、または両方を同時に使用すればよい。
これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して
用いてもよい。
【0033】発光層と電極の間に電荷輸送層を設ける場
合、これらの電荷輸送材料を使用して電荷輸送層を形成
すればよい。また、電荷輸送材料を発光層に混合して使
用する場合、電荷輸送材料の使用量は使用する化合物の
種類等によっても異なるので、十分な成膜性と発光特性
を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適宜決めればよ
い。通常、発光材料に対して1〜40重量%であり、よ
り好ましくは2〜30重量%である。
【0034】本発明に用いられる高分子蛍光体と共に使
用できる既知の発光材料としては特に限定されないが、
例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンおよびその誘
導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメチン系、キサ
ンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−
ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香
族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンおよびそ
の誘導体、テトラフェニルブタジエンおよびその誘導体
などを用いることができる。具体的には、例えば特開昭
57−51781号、同59−194393号公報に記
載されているもの等、公知のものが使用可能である。
【0035】つぎに、本発明の有機EL素子の代表的な
作製方法について述べる。陽極および陰極からなる一対
の電極で、透明または半透明な電極としては、ガラス、
透明プラスチック等の透明基板の上に、透明または半透
明の電極を形成したものが用いられる。陽極の材料とし
ては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用
いられる。具体的にはインジウム・スズ・オキサイド
(ITO)、酸化スズ等からなる導電性ガラスを用いて
作成された膜(NESAなど)、Au、Pt、Ag、C
u等が用いられる。作製方法としては真空蒸着法、スパ
ッタリング法、メッキ法などが用いられる。
【0036】次いで、この陽極上に発光材料として上記
高分子蛍光体を含む発光層を形成する。形成方法として
はこれら材料の溶液または混合液あるいは溶融液を使用
してスピンコーティング法、キャスティング法、ディッ
ピング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法が
例示されるが、溶液または混合液をスピンコーティング
法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート
法、ロールコート法等の塗布法により成膜するのが特に
好ましい。
【0037】発光層の膜厚としては0.5nm〜10μ
m、好ましくは1nm〜1μmである。電流密度を上げ
て発光効率を上げるためには10〜500nmの範囲が
好ましい。なお、塗布法により薄膜化した場合には、溶
媒を除去するため、減圧下あるいは不活性雰囲気下、3
0〜200℃、好ましくは60〜100℃の温度で加熱
乾燥することが望ましい。
【0038】また、該発光層と電荷輸送層(正孔輸送層
および電子輸送層の総称を意味する)とを積層する場合
には、上記の成膜方法で発光層を設ける前に陽極の上に
正孔輸送層を形成すること、および/または発光層を設
けた後にその上に電子輸送層を形成することが好まし
い。
【0039】電荷輸送層の成膜方法としては、特に限定
されないが、粉末状態からの真空蒸着法、または溶液に
溶かした後のスピンコーティング法、キャスティング
法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法等
の塗布法、または高分子化合物と電荷輸送材料とを溶液
状態または溶融状態で混合し分散させた後のスピンコー
ティング法、キャスティング法、ディッピング法、バー
コート法、ロールコート法等の塗布法を用いることがで
きる。混合する高分子化合物としては、特に限定されな
いが、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、ま
た、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いら
れる。
【0040】例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェン
およびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)お
よびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)
およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレー
ト、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンな
どが例示される。成膜が容易に行なえるという点では、
塗布法を用いることが好ましい。
【0041】電荷輸送層の膜厚は、少なくともピンホー
ルが発生しないような厚みが必要であるが、あまり厚い
と、素子の抵抗が増加し、高い駆動電圧が必要となり好
ましくない。したがって、電荷輸送層の膜厚は好ましく
は0.5nm〜10μm、さらに好ましくは1nm〜1
μm、特に好ましくは5〜200nmである。
【0042】次いで、発光層または電子輸送層の上に陰
極を設ける。この陰極は電子注入陰極となる。その材料
としては、特に限定されないが、イオン化エネルギーの
小さい材料が好ましい。例えば、Al、In、Mg、C
a、Li、Mg−Ag合金、In−Ag合金、Mg−I
n合金、Mg−Al合金、Mg−Li合金、Al−Li
合金、グラファイト薄膜等が用いられる。陰極の作製方
法としては真空蒸着法、スパッタリング法等が用いられ
る。
【0043】次いで、陰極を覆うように粘着剤層を設け
ることが好ましい。粘着剤層の形成方法としては、特に
限定されないが、溶液または溶融状態からのスピンコー
ティング法、キャスティング法、ディッピング法、バー
コート法、ロールコート法等の塗布法を用いることがで
きるが、取扱いやすさの点からあらかじめ、酸素および
水蒸気の透過性が小さい基板上に粘着剤層を形成する方
法が好ましい。
【0044】次いで、粘着剤層の上部に、酸素および水
蒸気の透過性が小さい基材が貼合される。貼合される基
材は、酸素および水蒸気の透過性が小さい基材一層でも
よいが、必要に応じて粘着剤層を介して二層以上積層し
てもよい。取扱いやすさの点から、あらかじめ、酸素お
よび水蒸気の透過性が小さい基材上に粘着剤層を形成し
たものを貼合する方法が好ましい。
【0045】次いで、ハードコート層を形成してもよ
く、ハードコート剤の成膜方法としては、前記のとおり
であり、これらの成膜法によって成膜した後、使用する
ハードコート剤に応じた紫外線照射や、熱処理などをす
ることにより硬化させる。
【0046】
【実施例】以下本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 実施例1 <素子構造>本発明の有機EL素子の一実施例を示す。
ガラス基板上に、ITO透明電極、高分子発光層、電子
輸送層、陰極(背面電極)が積層され、さらに、この陰
極を覆うように形成された粘着剤層と、この粘着剤層の
上部に粘着された酸素および水蒸気の透過性が小さい基
材から構成されている。 <高分子蛍光体1の合成>2,5−ジオクチルオキシ−
p−キシリレンジクロライドをN,N−ジメチルホルム
アミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホ
スホニウム塩を合成した。得られたホスホニウム塩4
7.75重量部とテレフタルアルデヒド6.7重量部と
を、エチルアルコールに溶解させた。2重量部のリチウ
ムエトキシドを含むエチルアルコール溶液をホスホニウ
ム塩とジアルデヒドのエチルアルコール溶液に滴下し、
室温で3時間重合させた。一夜室温で放置した後、沈殿
を濾別し、エチルアルコールで洗浄後、クロロホルムに
溶解、これにエタノールを加え再沈精製した。これを減
圧乾燥して、重合体8重量部を得た。これを高分子蛍光
体1という。
【0047】該高分子蛍光体1のポリスチレン換算の数
平均分子量は、1.0×104 であった。ここで、数平
均分子量については、クロロホルムを溶媒として、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により
ポリスチレン換算の数平均分子量を求めた。該高分子蛍
光体1の構造については赤外吸収スペクトル、NMRで
確認した。
【0048】<素子の作成および評価>スパッタリング
によって、40nmの厚みでITO膜を付けたガラス基
板に、実施例1で合成した高分子蛍光体1の1.0wt
%クロロホルム溶液を用いて、ディッピングにより50
nmの厚みで成膜した。次いで、これを減圧下80℃で
1時間乾燥した後、電子輸送層として、トリス(8−キ
ノリノール)アルミニウム(以下Alq3 と略すことが
ある。)を0.1〜0.2nm/sの速度で70nm蒸
着した。最後に、その上に陰極としてマグネシウム−銀
合金(Mg:Ag=9:1重量比)を150nm蒸着し
て有機EL素子を作製した。蒸着のときの真空度はすべ
て8×10-6Torr以下であった。この素子の背面電
極上に、あらかじめポリエステルフィルム上にアクリル
酸系粘着剤層を形成したフィルムを貼合した。この素子
を大気中で駆動したところ、20時間後でも発光が認め
られた。
【0049】比較例1 背面電極上に、粘着された酸素および水蒸気の透過性が
小さい基材がないほかは、実施例1と同様な素子を大気
中で駆動し、2時間後に観察したところ発光しない部分
が認められた。
【0050】
【発明の効果】本発明の、陰極上部に、酸素および水蒸
気の透過性が小さい基材を有する有機EL素子は、電極
の劣化の進行を抑え、大気中でも安定に駆動することが
できるので、バックライトとしての面状光源,フラット
パネルディスプレイ等の装置として好ましく使用でき
る。
フロントページの続き (72)発明者 土田 良彦 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の陽極および陰極からなる電極間に、少なくとも高
    分子発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子
    において、高分子発光層が配置された側とは反対側の陰
    極面が、酸素透過率が200(cm3 /m2 ・24h・
    atm)以下であり、水蒸気透過率が200(g/m2
    ・24h・atm)以下である基材で覆われていること
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】陰極と基材とが粘着剤により粘着されてな
    ることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子。
  3. 【請求項3】基材が、ハードコート層で覆われているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】高分子発光層が、溶媒に可溶な高分子であ
    って、該高分子の数平均分子量が103 〜107 であ
    り、繰り返し単位として下記式(1)、(2)および
    (3) 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、Ar1 は、共役結合に関与する炭素原子数が6
    個以上22個以下からなる芳香族化合物基またはヘテロ
    原子を含有する炭素数4個以上20個以下からなる5員
    環以上の複素環化合物基から選ばれ、これらの基の化学
    構造式において隣接する2つの基と結合した2つの炭素
    原子の間で最短の経路に連続して存在する炭素原子およ
    び窒素原子の個数の合計が偶数であるものを示す。Ar
    2 は、共役結合に関与する炭素原子数が6個以上22個
    以下からなる芳香族化合物基またはヘテロ原子を含有す
    る炭素数4個以上20個以下からなる6員環以上の複素
    環化合物基から選ばれ、これらの基の化学構造式におい
    て隣接する2つの基と結合した2つの炭素原子の間で最
    短の経路に連続して存在する炭素原子および窒素原子の
    個数が1、3または5のいずれかであるものを示す。A
    3 、Ar4 は、それぞれ独立に共役結合に関与する炭
    素原子数が4個以上20個以下からなるアリーレン基ま
    たは複素環化合物基を示す。R1 、R2 、R 3 、R4
    6 、R7 は、それぞれ独立に水素、シアノ基、炭素数
    1〜20のアルキル基および炭素数6〜18のアリール
    基からなる群から選ばれた基である。R5 は炭素数1〜
    22の2価の炭化水素基または複素環化合物基からなる
    基である。X1 、X2 は、それぞれ独立に−O−、−S
    −、−COO−または−OCO−を示し、m、nは、0
    または1である。)で表される繰り返し単位を少なくと
    も1種含む高分子蛍光体を含有することを特徴とする請
    求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】高分子蛍光体が、請求項4記載の式(1)
    と式(2)、または式(1)と式(3)、または式
    (2)と式(3)、または式(1)と式(2)と式
    (3)で表される繰り返し単位を少なくとも1種含む共
    重合体であることを特徴とする請求項1記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】陰極と発光層との間に該発光層に隣接して
    電子輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】陽極と発光層との間に該発光層に隣接して
    正孔輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 【請求項8】陰極と発光層との間に該発光層に隣接して
    電子輸送性化合物からなる層と、陽極と発光層との間に
    該発光層に隣接して正孔輸送性化合物からなる層とを設
    けたことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロル
    ミネッセンス素子。
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