JP2013008546A - 導電膜パターンの製造方法、および有機el表示パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜が積層された構造の導電膜パターンを良好に形成する方法を提供する。
【解決手段】
平坦化膜2の上に、金属材料(AlまたはAl合金)を薄膜成形し、その表面上にIZOからなる透明導電膜を製膜する。金属膜30,透明導電膜40の積層体を200℃〜230℃で焼成する。この焼成工程で、金属膜30を構成する金属材料の結晶が締まり、膜密度が向上するので膜の耐久性も向上する。透明導電膜40の上にタングステンを反応性スパッタ法で成膜することによって、酸化タングステン膜を形成する。製膜した金属膜30と透明導電膜40と酸化タングステン膜50の積層体を、3層一括してウェットエッチングすることによって、マトリクス状にパターニングする。パターニング後に、200℃〜230℃で15分以上焼成する。
【選択図】 図2
【解決手段】
平坦化膜2の上に、金属材料(AlまたはAl合金)を薄膜成形し、その表面上にIZOからなる透明導電膜を製膜する。金属膜30,透明導電膜40の積層体を200℃〜230℃で焼成する。この焼成工程で、金属膜30を構成する金属材料の結晶が締まり、膜密度が向上するので膜の耐久性も向上する。透明導電膜40の上にタングステンを反応性スパッタ法で成膜することによって、酸化タングステン膜を形成する。製膜した金属膜30と透明導電膜40と酸化タングステン膜50の積層体を、3層一括してウェットエッチングすることによって、マトリクス状にパターニングする。パターニング後に、200℃〜230℃で15分以上焼成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、導電膜パターンの製造方法および有機EL表示パネルに関し、特に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜を形成し、酸化タングステン膜を形成した積層構造の導電膜パターンを形成する方法に関する。
近年、発光型のディスプレイとして、基板上に行列方向に沿って有機EL素子を複数配列した有機EL表示パネルが、小型電子機器のディスプレイとして実用化されている。
各有機EL素子は、電流駆動型の発光素子であって、陽極と陰極の一対の電極対の間に有機発光材料を含む発光層が配設された基本構造を有し、陽極と発光層との間、並びに陰極と発光層との間には、必要に応じて電荷注入層、電荷輸送層などが介挿されている。そして、駆動時に、一対の電極対間に電圧を印加すると、陽極から発光層に注入されるホールと、陰極から発光層に注入される電子との再結合に伴って発光する。
各有機EL素子は、電流駆動型の発光素子であって、陽極と陰極の一対の電極対の間に有機発光材料を含む発光層が配設された基本構造を有し、陽極と発光層との間、並びに陰極と発光層との間には、必要に応じて電荷注入層、電荷輸送層などが介挿されている。そして、駆動時に、一対の電極対間に電圧を印加すると、陽極から発光層に注入されるホールと、陰極から発光層に注入される電子との再結合に伴って発光する。
このような有機EL表示パネルは、各有機EL素子が自己発光を行うので視認性が高く、完全固体素子であるため耐衝撃性に優れる。
有機EL素子には、TFT基板の下から取り出すボトムエミッション型とTFT基板上方に光を取り出すトップエミッション型とがあり、ボトムエミッション型の方が作製が容易であるが、トップエミッション型の方が開口率を高くしやすい。
有機EL素子には、TFT基板の下から取り出すボトムエミッション型とTFT基板上方に光を取り出すトップエミッション型とがあり、ボトムエミッション型の方が作製が容易であるが、トップエミッション型の方が開口率を高くしやすい。
トップエミッション型有機EL素子においては、陽極として、AlあるいはAl合金で金属膜で形成し、その金属膜の上に透明なIZOやITOなどの透明導電膜を形成した積層構造の反射陽極が用いられている。
ここで、各発光素子を個別に駆動できるように、陽極及び透明導電膜はパターニング形成されている。そして、この透明導電膜の上を覆うように、酸化タングステン等でホール注入層が形成され、陽極同士の間にはバンクが形成され、バンク間に発光層などが形成される。
ここで、各発光素子を個別に駆動できるように、陽極及び透明導電膜はパターニング形成されている。そして、この透明導電膜の上を覆うように、酸化タングステン等でホール注入層が形成され、陽極同士の間にはバンクが形成され、バンク間に発光層などが形成される。
酸化タングステンからなるホール注入層は、ベタで形成されているものもあるが、この層をベタで形成すると、陽極とバンクとの密着性が低下しやすいので、ホール注入層も陽極と共にパターニングすることが好ましい。
このような背景のもとで、AlあるいはAl合金からなる金属膜、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜、酸化タングステン膜の3層をパター二ングすることが行われている。
このような背景のもとで、AlあるいはAl合金からなる金属膜、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜、酸化タングステン膜の3層をパター二ングすることが行われている。
上記3つの層をパターニングする方法として、ドライエッチングを用いる方法もあるが、ドライエッチング用の装置は高価であるため、製造コストを抑える上で、ウェットエッチングで行うことが望ましい。
各層を一層づつ形成して個別にウェットエッチングしてパターン形成する方法もあるが、金属膜及び透明導電膜については、これを連続して形成した後、混酸を用いて透明導電膜及び金属膜を一括してウェットエッチングすることによってパターニングする方法も用いられている。このように金属膜及び透明導電膜を連続して形成することで金属膜の表面にアルミナ酸化膜が形成されるのを防止できる。
各層を一層づつ形成して個別にウェットエッチングしてパターン形成する方法もあるが、金属膜及び透明導電膜については、これを連続して形成した後、混酸を用いて透明導電膜及び金属膜を一括してウェットエッチングすることによってパターニングする方法も用いられている。このように金属膜及び透明導電膜を連続して形成することで金属膜の表面にアルミナ酸化膜が形成されるのを防止できる。
例えば、特許文献1には、積層電極において、透明導電膜の庇が形成されるのを防止するために、透明導電膜と金属膜を一括でエッチングした後に、形成された透明導電膜の庇を、フッ化水素を含む水溶液でエッチングして除去する技術が開示されている。このように庇を除去することによって積層体の側面を滑らかな形状にパターニング形成することができる。
上記のように、金属膜、透明導電膜及びホール注入層の3層積層体をエッチングでパターン形成する場合、各層を一層づつ形成して個別にパターンすればエッチング工程が3回必要であり、金属膜及び透明導電膜を連続形成しホール注入層を積層形成してパターンする場合でも、金属膜及び透明導電膜をパターニングする工程と、ホール注入層をパターニングする工程の2回が必要である。
そこで、ウェットエッチングの回数を減らして、工程を簡略化することが望まれるが、上記の金属膜、透明導電膜及び酸化タングステン膜からなる3層を順に形成した後、一括してウェットエッチングすると、透明導電膜及び金属膜のサイドエッチング量が大きくなって庇形状が形成されやすく、庇の下に空洞が残りやすい。透明導電膜の庇部分の下に空洞が残存すると、その空洞部分にガス、水分などが溜まって、後の工程で膨張することによって有機EL素子の特性が変わることもある。またパターニング後の積層体の外周部分が崩れやすく、導電膜パターンの形状も不揃いになるので、有機EL発光パネルの表示特性も低下する。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜及び酸化タングステン膜が積層形成された構造の導電膜パターンを、少ないエッチング回数でも滑らかな形状に形成できる方法を提供し、それによって、特性の良好な有機EL発光パネルを容易に製造できる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る導電膜パターンの製造方法では、基板上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程と、金属膜の上面の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜を形成する第2工程と、第2工程後の金属膜を第1温度で焼成する第3工程と、透明導電膜の上面の上に、酸化タングステン膜を形成する第4工程と、酸化タングステン膜の上面に感光性レジスト膜を形成する第5工程と、所定のパターンを介して感光性レジスト膜を露光し、酸化タングステン膜の一部を感光性レジスト膜から露出させる第6工程と、酸化タングステン膜の露出された領域の、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜とを、エッチャントを用いて一括してウェットエッチングする第7工程と、基板の上方に残存した感光性レジストを除去する第8工程とを、含む、こととした。
上記本発明の一態様に係る導電膜パターンの製造方法によれば、第7工程において、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜を、一括してウェットエッチングするので、パター二ングする工程が少なくて済み、製造工程が簡略化される。
また、第3工程において金属膜を第1温度で第1の焼成し、その後、第4工程で透明導電膜の上面の上に酸化タングステン膜を形成するので、第7工程で酸化タングステン膜、透明導電膜及び金属膜を、一括してウェットエッチングする際に、透明導電膜及び金属膜のサイドエッチングが少なくなり、大きな庇部が生成されることがなく滑らかな形状でパターニングされる。
また、第3工程において金属膜を第1温度で第1の焼成し、その後、第4工程で透明導電膜の上面の上に酸化タングステン膜を形成するので、第7工程で酸化タングステン膜、透明導電膜及び金属膜を、一括してウェットエッチングする際に、透明導電膜及び金属膜のサイドエッチングが少なくなり、大きな庇部が生成されることがなく滑らかな形状でパターニングされる。
よって、上記態様に係る導電膜パターンの製造方法で製造した導電膜パターン同士の横にバンクを形成するときに、バンクとの間で良好な密着性を得ることができる。また、導電パターンの上に薄膜などを形成するときにも、薄膜を良好に形成することができる。
<発明の態様>
本発明の一態様に係る導電膜パターンの製造方法は、基板上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程と、金属膜の上面の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜を形成する第2工程と、第2工程後の金属膜を第1温度で焼成する第3工程と、透明導電膜の上面の上に、酸化タングステン膜を形成する第4工程と、酸化タングステン膜の上面に感光性レジスト膜を形成する第5工程と、所定のパターンを介して前記感光性レジスト膜を露光し、酸化タングステン膜の一部を感光性レジスト膜から露出させる第6工程と、酸化タングステン膜の前記露出された領域の、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜とを、エッチャントを用いて一括してウェットエッチングする第7工程と、基板の上方に残存した感光性レジストを除去する第8工程とを、含む、こととした。
本発明の一態様に係る導電膜パターンの製造方法は、基板上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程と、金属膜の上面の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜を形成する第2工程と、第2工程後の金属膜を第1温度で焼成する第3工程と、透明導電膜の上面の上に、酸化タングステン膜を形成する第4工程と、酸化タングステン膜の上面に感光性レジスト膜を形成する第5工程と、所定のパターンを介して前記感光性レジスト膜を露光し、酸化タングステン膜の一部を感光性レジスト膜から露出させる第6工程と、酸化タングステン膜の前記露出された領域の、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜とを、エッチャントを用いて一括してウェットエッチングする第7工程と、基板の上方に残存した感光性レジストを除去する第8工程とを、含む、こととした。
ここで、上記「基板」には、TFTアレイ基板、平坦化膜付基板なども含まれる。また、「一括してウェットエッチングする」というのは、「同じエッチャントを用いた1つの工程で、3層を順次エッチングする」ことをいう。
このように、第7工程では、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜を、一括してウェットエッチングするので、導電性パターンを形成する上でエッチング回数が1回で済み、製造工程が簡略化される。
このように、第7工程では、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜を、一括してウェットエッチングするので、導電性パターンを形成する上でエッチング回数が1回で済み、製造工程が簡略化される。
また、第3工程において金属膜を第1温度で焼成することによって金属膜の結晶が締まる。特に、アルミ及び熱硬化性のアルミ合金は、加熱することによってその密度が高くなる。
上記製造方法によれば、第7工程において、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜は、上記エッチャントによって感光性レジスト膜の下方までサイドエッチングされる。
上記製造方法によれば、第7工程において、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜は、上記エッチャントによって感光性レジスト膜の下方までサイドエッチングされる。
そして、このサイドエッチングにより、透明導電膜の側面が、酸化タングステン膜の下方に後退して、酸化タングステン膜による庇が形成されやすいが、上記のように金属膜の結晶が加熱によって締まっているので、第7工程で酸化タングステン膜、透明導電膜及び金属膜を、一括してウェットエッチングする際に、金属膜のエッチングレートが小さくなり、サイドエッチング量も少なくなる。よって、一括エッチングに伴って酸化タングステン膜による大きな庇部が生成されることがなく、滑らかな形状で導電性パターンが形成される。
第3工程における第1温度は、200℃〜230℃であることが好ましい。
が、この庇が透明導電膜の側面から突出する長さは0.5μm以下と小さいので、積層体は滑らかな形状でパターニング形成される。
上記エッチャントとしては、HNO3、NH4F、及びFe(HNO3)3・9H2Oが、所定の組成比で混合されているものを用いることが好ましい。
が、この庇が透明導電膜の側面から突出する長さは0.5μm以下と小さいので、積層体は滑らかな形状でパターニング形成される。
上記エッチャントとしては、HNO3、NH4F、及びFe(HNO3)3・9H2Oが、所定の組成比で混合されているものを用いることが好ましい。
ここで、「所定の組成比」は、HNO3が1−10wt%、NH4Fが1−3wt%、およびFe(HNO3)3・9H2Oが3−4wt%であることが好ましい。
なお、エッチャントの中において、HNO3、NH4F、Fe(HNO3)3・9H2Oは、溶解してイオン化されているが、HNO3、NH4F、Fe(HNO3)3・9H2Oに換算したときに、上記数値範囲にあればよい。
なお、エッチャントの中において、HNO3、NH4F、Fe(HNO3)3・9H2Oは、溶解してイオン化されているが、HNO3、NH4F、Fe(HNO3)3・9H2Oに換算したときに、上記数値範囲にあればよい。
特に所定の組成比として、HNO3が3wt%、NH4Fが1wt%、およびFe(HNO3)3・9H2Oが4wt%であることが好ましい。
上記エッチャントには、H2SO4が1wt%以下含まれていることも好ましい。
上記エッチャントに、HBrが1−2wt%含まれていることも好ましい。
上記第7工程において、酸化タングステン膜、透明導電膜、前記金属膜をウェットエッチングする時に、ディップ方式でウェットエッチングすれば、酸化タングステン膜のエッチングが速くなり、滑らから形状にパターニングされる。
上記エッチャントには、H2SO4が1wt%以下含まれていることも好ましい。
上記エッチャントに、HBrが1−2wt%含まれていることも好ましい。
上記第7工程において、酸化タングステン膜、透明導電膜、前記金属膜をウェットエッチングする時に、ディップ方式でウェットエッチングすれば、酸化タングステン膜のエッチングが速くなり、滑らから形状にパターニングされる。
上記態様の導電膜パターンの製造方法において、第8工程の後に、第8工程の後の基板を、第2温度で焼成する第9工程を行うことによって、酸化タングステン膜の結晶が締まり、その膜密度が向上するので、膜の耐久性も向上する。
第9工程における第2温度も、200℃〜230℃であることが好ましい。
本発明の一態様に係るEL表示装置の製造方法は、基板上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程と、金属膜の上面の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜を形成する第2工程と、第2工程後の金属膜を第1温度で焼成する第3工程と、透明導電膜の上面の上に、酸化タングステンを含み、タングステン原子に対して酸素原子が部分的に結合した状態である酸素欠陥構造を有する酸化タングステン膜を形成する第4工程と、酸化タングステン膜の上面に感光性レジスト膜を形成する第5工程と、所定のパターンを介して感光性レジスト膜を露光し、酸化タングステン膜の一部を感光性レジスト膜から露出させる第6程と、酸化タングステン膜の露出された領域の、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜とを、エッチャントを用いて一括してウェットエッチングする第7工程と、基板の上方に残存した感光性レジストを除去する第8工程と、第7工程、あるいは第8工程のいずれかの工程の後に、酸化タングステン膜を第2温度で焼成する第9工程と、焼成した酸化タングステン膜の上方に、隔壁材料を用いて隔壁材料膜を形成する第10工程と、壁材料膜をパターニングし、開口部を有する隔壁を形成する第11工程と、開口部に対して、発光材料を含む発光膜を形成する第12工程と、発光膜の上方に、陰極を形成する第13工程と、を含むこととした。
第9工程における第2温度も、200℃〜230℃であることが好ましい。
本発明の一態様に係るEL表示装置の製造方法は、基板上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程と、金属膜の上面の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜を形成する第2工程と、第2工程後の金属膜を第1温度で焼成する第3工程と、透明導電膜の上面の上に、酸化タングステンを含み、タングステン原子に対して酸素原子が部分的に結合した状態である酸素欠陥構造を有する酸化タングステン膜を形成する第4工程と、酸化タングステン膜の上面に感光性レジスト膜を形成する第5工程と、所定のパターンを介して感光性レジスト膜を露光し、酸化タングステン膜の一部を感光性レジスト膜から露出させる第6程と、酸化タングステン膜の露出された領域の、酸化タングステン膜、透明導電膜、及び金属膜とを、エッチャントを用いて一括してウェットエッチングする第7工程と、基板の上方に残存した感光性レジストを除去する第8工程と、第7工程、あるいは第8工程のいずれかの工程の後に、酸化タングステン膜を第2温度で焼成する第9工程と、焼成した酸化タングステン膜の上方に、隔壁材料を用いて隔壁材料膜を形成する第10工程と、壁材料膜をパターニングし、開口部を有する隔壁を形成する第11工程と、開口部に対して、発光材料を含む発光膜を形成する第12工程と、発光膜の上方に、陰極を形成する第13工程と、を含むこととした。
ここで、第10工程における「焼成した酸化タングステン膜の上方」の「上方」は直接上方であってもいいし、間接的に上方であってもよい。
また、第9工程では、第2の焼成後の酸化タングステン膜が、第4工程において形成された状態に較べ、密度を高めると共に、第2の焼成後においても、酸化タングステン膜が酸素欠陥構造を含むように焼成することが好ましい。
また、第9工程では、第2の焼成後の酸化タングステン膜が、第4工程において形成された状態に較べ、密度を高めると共に、第2の焼成後においても、酸化タングステン膜が酸素欠陥構造を含むように焼成することが好ましい。
上記形態の導電パターンの製法によって、基板上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜が形成され、金属膜の上面の上にインジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜が形成され、透明導電膜の上面の上に、酸化タングステン膜が形成され、金属膜、透明導電膜及び酸化タングステン膜の積層体がパターニングされてなる導電膜パターンであって、透明導電膜の側面が、酸化タングステン膜の下方に後退して、酸化タングステン膜による庇が形成され、当該庇が透明導電膜の側面から突出する長さが0.5μm以下であるものを、容易に製造することができる。また、このような特徴を有する導電パターンは、上記形態の導電パターンの製法以外の方法では、容易に製造しにくいものと考えられる。
<実施の形態>
以下、本発明の構成および作用・効果を分かりやすく説明するために実施の形態を説明するが、本発明は、その本質的な特徴部分以外に何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
図1は、実施の形態1に係る表示パネル100の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態にかかる表示装置は、有機材料の電界発光現象を利用して画像を表示する表示パネル100と、これに接続された駆動制御部(不図示)とから構成されている。
以下、本発明の構成および作用・効果を分かりやすく説明するために実施の形態を説明するが、本発明は、その本質的な特徴部分以外に何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
図1は、実施の形態1に係る表示パネル100の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態にかかる表示装置は、有機材料の電界発光現象を利用して画像を表示する表示パネル100と、これに接続された駆動制御部(不図示)とから構成されている。
(表示パネル100の構成)
表示パネル100の構成について、図1を参照しながら説明する。
表示パネル100は、画素(ピクセル)が、基板1の上面に沿ってマトリック状に配列されており、各画素は、隣接するRGB3色のサブピクセルによって形成されている。図1に示す有機EL素子20a,20b,20cは、TFT基板上に配列されたトップエミッション型のEL素子であって、有機EL素子20a青色のサブピクセル、有機EL素子20bは緑色のサブピクセル、有機EL素子20cは赤色のサブピクセルに相当する。
表示パネル100の構成について、図1を参照しながら説明する。
表示パネル100は、画素(ピクセル)が、基板1の上面に沿ってマトリック状に配列されており、各画素は、隣接するRGB3色のサブピクセルによって形成されている。図1に示す有機EL素子20a,20b,20cは、TFT基板上に配列されたトップエミッション型のEL素子であって、有機EL素子20a青色のサブピクセル、有機EL素子20bは緑色のサブピクセル、有機EL素子20cは赤色のサブピクセルに相当する。
TFT基板は、基板1の上面に、パネル全体の各有機EL素子20a〜20cをアクティブマトリクス方式で駆動するためのTFT層(不図示)が形成され、その上を平坦化膜2で被覆された構成されている。
基板1は、パネルのベース部分となる基板であって、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料で形成されている。
基板1は、パネルのベース部分となる基板であって、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料で形成されている。
平坦化膜2は、絶縁性に優れる有機材料、例えばポリイミド、ポリアミド、アクリル系樹脂材料からなる。
次に、有機EL素子20a〜20cの素子の構成について説明する。
平坦化膜2上に、金属膜3と透明導電膜4を積層した積層構造の陽極を有し、当該陽極の上に、ホール注入層としての酸化タングステン膜5が形成されている。
次に、有機EL素子20a〜20cの素子の構成について説明する。
平坦化膜2上に、金属膜3と透明導電膜4を積層した積層構造の陽極を有し、当該陽極の上に、ホール注入層としての酸化タングステン膜5が形成されている。
金属膜3は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されている。このアルミニウムやアルミニウム合金は、高反射性であって比較的安価である。
アルミニウム合金としては、ACL(Al−Co−Ge−La)合金、ACX(Al−Ni−B)合金が好ましく、その他に、アルミニウム−ネオジウム(Al−Nd)合金、アルミニウム−ジルコニウム(Al−Zr)合金、アルミニウム−銅(Al−Cu)合金、アルミニウム−シリコン(Al−Si)合金、アルミニウム−シリコン−銅(Al−Si−Cu)合金などが挙げられる。
アルミニウム合金としては、ACL(Al−Co−Ge−La)合金、ACX(Al−Ni−B)合金が好ましく、その他に、アルミニウム−ネオジウム(Al−Nd)合金、アルミニウム−ジルコニウム(Al−Zr)合金、アルミニウム−銅(Al−Cu)合金、アルミニウム−シリコン(Al−Si)合金、アルミニウム−シリコン−銅(Al−Si−Cu)合金などが挙げられる。
透明導電膜4は、インジウムを含む金属酸化物からなり、金属膜3の上面を被覆している。透明導電膜4の好ましい材料として、IZO(酸化インジウム亜鉛)が挙げられる。
酸化タングステン膜5は、透明導電膜4を覆うように形成され、その膜厚は、0.1nm〜20nmの範囲内が好ましい。
金属膜3及び透明導電膜4及び酸化タングステン膜5からなる積層体は、各サブピクセルごと(有機EL素子20a,20b,20cごと)に分離された形状にパターニングされている。
酸化タングステン膜5は、透明導電膜4を覆うように形成され、その膜厚は、0.1nm〜20nmの範囲内が好ましい。
金属膜3及び透明導電膜4及び酸化タングステン膜5からなる積層体は、各サブピクセルごと(有機EL素子20a,20b,20cごと)に分離された形状にパターニングされている。
そして、隣り合うサブピクセルどうしの間を仕切るように、絶縁材料からなるバンク6が設けられている。
また、バンク6で仕切られた各領域(各サブピクセル)において、酸化タングステン膜5の上には、ホール輸送層7、有機発光層8が積層形成されている。
さらに、有機発光層8の上には、電子注入層9、陰極10および封止層11が、バンク6を乗り超えて、全体の有機EL素子20a,20b,20cで連続するように形成されている。
また、バンク6で仕切られた各領域(各サブピクセル)において、酸化タングステン膜5の上には、ホール輸送層7、有機発光層8が積層形成されている。
さらに、有機発光層8の上には、電子注入層9、陰極10および封止層11が、バンク6を乗り超えて、全体の有機EL素子20a,20b,20cで連続するように形成されている。
バンク6は、縦方向にだけ伸長するストライプ状のラインバンクであってもよいし、縦と横に伸長し平面形状が井桁状のピクセルバンクであってもよい。
バンク6は、絶縁性を有する樹脂等の有機材料で形成されており。エッチング処理、ベーク処理などが施されるので、それらの処理に対して耐性の高い材料で形成されることが好ましい。バンク6の形成に用いる有機材料の例としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。
バンク6は、絶縁性を有する樹脂等の有機材料で形成されており。エッチング処理、ベーク処理などが施されるので、それらの処理に対して耐性の高い材料で形成されることが好ましい。バンク6の形成に用いる有機材料の例としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。
また、バンク6の表面に撥水性をもたせるために、フッ素処理してもよい。
ホール輸送層7は、ホールを輸送し有機発光層8に対して注入する材料からなる層であって、ウェット法で形成できる。その材料の具体例としては、4,4'−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPBまたはα−NPD)、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミン(TPD)などのトリアリールアミン系化合物を挙げることができる。
ホール輸送層7は、ホールを輸送し有機発光層8に対して注入する材料からなる層であって、ウェット法で形成できる。その材料の具体例としては、4,4'−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPBまたはα−NPD)、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミン(TPD)などのトリアリールアミン系化合物を挙げることができる。
有機発光層8は、ホールと電子とが注入され再結合されることにより励起状態が生成され発光する機能を有する。有機発光層8もウェット法で形成できる。その材料は、例えば、特許公開公報(特開平5−163488号公報)に記載のオキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質で形成されることが好ましい。
電子注入層9は、陰極10から注入される電子を有機発光層8へ輸送する機能を有し、例えば、バリウム、フタロシアニン、フッ化リチウム、あるいはこれらの組み合わせで形成される。
陰極10は、上部電極であって、例えば、ITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)などの光透過性の材料で形成される。この他に、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらのハロゲン化物を含む層と銀を含む層とをこの順で積層した構造とすることもできる。
陰極10は、上部電極であって、例えば、ITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)などの光透過性の材料で形成される。この他に、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらのハロゲン化物を含む層と銀を含む層とをこの順で積層した構造とすることもできる。
封止層11は、有機発光層8などが水分に晒されたり、空気に晒されたりすることを抑制する機能を有し、例えば、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)などの光透過性の材料で形成することが好ましい。
(表示パネル100の製造方法)
上記表示パネル100の製造方法について一例を説明する。
(表示パネル100の製造方法)
上記表示パネル100の製造方法について一例を説明する。
基板1を準備し、反応性スパッタ法に基づき、TFT層を形成する。
平坦化膜形成工程:
上記TFT層を覆うように、基板1上に厚み約4μmで平坦化膜2を形成する。この平坦化膜2は、公知の感光性有機材料(例えばシロキサン共重合型感光性ポリイミド)をスピンコートすることによって形成できる。
平坦化膜形成工程:
上記TFT層を覆うように、基板1上に厚み約4μmで平坦化膜2を形成する。この平坦化膜2は、公知の感光性有機材料(例えばシロキサン共重合型感光性ポリイミド)をスピンコートすることによって形成できる。
金属膜、透明導電膜形成工程:
平坦化膜2の上(TFT基板の上)に、金属材料(アルミニウムまたはアルミニウム合金)を薄膜成形し、この金属膜の表面上に、IZOからなる透明導電膜を製膜する。
具体的には、まず図2(a)に示すように、基板1上の平坦化膜2の上に、金属材料(アルミニウムまたはアルミニウム合金)を、スパッタ法もしくは真空蒸着法を用いて薄膜成形することによって、金属膜30を形成する。
平坦化膜2の上(TFT基板の上)に、金属材料(アルミニウムまたはアルミニウム合金)を薄膜成形し、この金属膜の表面上に、IZOからなる透明導電膜を製膜する。
具体的には、まず図2(a)に示すように、基板1上の平坦化膜2の上に、金属材料(アルミニウムまたはアルミニウム合金)を、スパッタ法もしくは真空蒸着法を用いて薄膜成形することによって、金属膜30を形成する。
続いて、この金属膜30の表面上に、IZOをスパッタリング法で薄膜成形して透明導電膜40を形成する。このように金属膜30に連続して透明導電膜40を形成することによって、金属膜30の表面が空気に接触することがなく、従って、金属膜30の表面が酸化されるのも防止できる。
金属膜30の膜厚は例えば400nm程度、透明導電膜40の膜厚は、例えば16nm、である。
金属膜30の膜厚は例えば400nm程度、透明導電膜40の膜厚は、例えば16nm、である。
第1の焼成工程:
金属膜30,透明導電膜40の積層体を焼成する。
この焼成温度は200℃以上230℃以下とし、金属膜30がACXで形成されている場合は、焼成温度は200℃程度でもよく、ACLで形成されている場合は、焼成温度は少し高めの220℃程度がよい。焼成時間は15分以上確保することが好ましい。
金属膜30,透明導電膜40の積層体を焼成する。
この焼成温度は200℃以上230℃以下とし、金属膜30がACXで形成されている場合は、焼成温度は200℃程度でもよく、ACLで形成されている場合は、焼成温度は少し高めの220℃程度がよい。焼成時間は15分以上確保することが好ましい。
また、平坦化膜2の耐熱性を考慮して、焼成温度は230℃以下とすることが好ましい。
この第1の焼成工程で、金属膜30を構成する金属材料の結晶が締まり、その膜密度が向上するので、膜の耐久性も向上する。
透明導電膜40の上にタングステンの金属材料を反応性スパッタ法で成膜することによって、図2(b)に示すように酸化タングステン膜5を形成する。ここで形成する酸化タングステン膜5は、タングステン原子に対して酸素原子が部分的に結合した状態である酸素欠陥構造を有する膜である。
この第1の焼成工程で、金属膜30を構成する金属材料の結晶が締まり、その膜密度が向上するので、膜の耐久性も向上する。
透明導電膜40の上にタングステンの金属材料を反応性スパッタ法で成膜することによって、図2(b)に示すように酸化タングステン膜5を形成する。ここで形成する酸化タングステン膜5は、タングステン原子に対して酸素原子が部分的に結合した状態である酸素欠陥構造を有する膜である。
酸化タングステン膜5を形成した後、製膜した金属膜30と透明導電膜40と酸化タングステン膜50の積層体を、3層一括してウェットエッチングすることによって、マトリクス状にパターニングする。なお、このエッチングプロセスについては、後で詳述する。
第2の焼成工程:
上記のように金属膜30と透明導電膜40と酸化タングステン膜50の積層体をパターニングした後に、第2の焼成工程を行う。この焼成工程によって、酸化タングステン膜50が、バンク形成工程で用いられる現像液に対する溶解性を低下させ、焼成後にも酸化タングステン膜が酸素欠陥構造を含むように焼成する。
第2の焼成工程:
上記のように金属膜30と透明導電膜40と酸化タングステン膜50の積層体をパターニングした後に、第2の焼成工程を行う。この焼成工程によって、酸化タングステン膜50が、バンク形成工程で用いられる現像液に対する溶解性を低下させ、焼成後にも酸化タングステン膜が酸素欠陥構造を含むように焼成する。
この焼成条件としては、積層体を200℃〜230℃の温度で、15分以上焼成することが好ましい。
この焼成によって、酸化タングステン膜50を構成する酸化タングステンの結晶が締まり、その膜密度が高くなり、5.8g/cm3以上6.0g/cm3以下の範囲となる。
そして、酸化タングステン膜50の膜密度が高くなることによって、膜の耐久性が向上する。また、焼成後も、酸化タングステン膜50には酸素欠陥構造を含んでいるので、フェルミ面近傍に占有準位を有し、透明電極膜4からのホール注入効率が良好である。
この焼成によって、酸化タングステン膜50を構成する酸化タングステンの結晶が締まり、その膜密度が高くなり、5.8g/cm3以上6.0g/cm3以下の範囲となる。
そして、酸化タングステン膜50の膜密度が高くなることによって、膜の耐久性が向上する。また、焼成後も、酸化タングステン膜50には酸素欠陥構造を含んでいるので、フェルミ面近傍に占有準位を有し、透明電極膜4からのホール注入効率が良好である。
以上で、パターン二ングされた金属膜3、透明導電膜4、酸化タングステン膜5からなる積層が形成される。
バンク形成工程:
バンク材料として、感光性のレジスト材料、もしくはフッ素系やアクリル系材料を含有するレジスト材料を、スピンコート法で塗布し、フォトレジスト法でパターニングし、熱キュアすることによってバンク6を形成する。
バンク形成工程:
バンク材料として、感光性のレジスト材料、もしくはフッ素系やアクリル系材料を含有するレジスト材料を、スピンコート法で塗布し、フォトレジスト法でパターニングし、熱キュアすることによってバンク6を形成する。
具体的には、酸化タングステン膜5を形成した基板1を投入し、その上に、バンク材料をスピンコート法で塗布することによってバンク材料層を形成する。
バンク材料としては、フッ素成分化合物および樹脂成分材料を含む感光性レジスト材料を用いる。例えば、フッ素化ポリオレフィン系樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、フッ素化ポリアクリル樹脂などのフッ素樹脂を含む感光性レジストが挙げられる。
バンク材料としては、フッ素成分化合物および樹脂成分材料を含む感光性レジスト材料を用いる。例えば、フッ素化ポリオレフィン系樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、フッ素化ポリアクリル樹脂などのフッ素樹脂を含む感光性レジストが挙げられる。
ここで、パターニングされた積層導電膜の形状は上記のように滑らかなので、積層導電膜とバンク材料層との間に空隙が形成されることなく、積層導電膜とバンク材料層との密着性も良好となる。
次に、バンク材料層の上に、バンク形成予定領域に合わせた開口を有するフォトマスクを重ねる。そして、UV露光すると、バンク材料層におけるUV光が照射された部分だけが重合反応して硬化する。
次に、バンク材料層の上に、バンク形成予定領域に合わせた開口を有するフォトマスクを重ねる。そして、UV露光すると、バンク材料層におけるUV光が照射された部分だけが重合反応して硬化する。
そして、現像液を用いて現像すると、バンク材料層は、未硬化部分が除去されて、硬化部分が残るので、テーパ状に突出するバンク形状にパターニングされる。
ここで、一般的に酸化タングステン膜は、現像液に接触すると目減りしやすいが、上記のように、金属膜3、透明導電膜4及び酸化タングステン膜5は、焼成によって耐久性が向上しているので、これらの層に現像液が付着しても腐食されにくい。特に酸化タングステン膜5の密度が焼成によって向上しているので、現像液が付着しても目減りが生じにくい。
ここで、一般的に酸化タングステン膜は、現像液に接触すると目減りしやすいが、上記のように、金属膜3、透明導電膜4及び酸化タングステン膜5は、焼成によって耐久性が向上しているので、これらの層に現像液が付着しても腐食されにくい。特に酸化タングステン膜5の密度が焼成によって向上しているので、現像液が付着しても目減りが生じにくい。
パターニングされたバンク材料層にベーク(加熱処理)を施すことによってバンク6が出来上がる。
このようにして形成されたバンク6は、表面の撥液性が高いので、次のインク塗布工程を行うのに適している。
ホール輸送層、有機発光層形成工程:
次に、バンク6間の領域内に、例えば、インクジェット法によりホール輸送層材料を含むインクを滴下し、そのインクを乾燥させてホール輸送層7を形成する。
このようにして形成されたバンク6は、表面の撥液性が高いので、次のインク塗布工程を行うのに適している。
ホール輸送層、有機発光層形成工程:
次に、バンク6間の領域内に、例えば、インクジェット法によりホール輸送層材料を含むインクを滴下し、そのインクを乾燥させてホール輸送層7を形成する。
さらに、有機EL材料を含むインクを滴下し、そのインクを乾燥させて有機発光層8を形成する。なお、インクの塗布方法は、ディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷、凸版印刷等によって塗布しても良い。インクの乾燥は、真空乾燥を行い、引き続き、窒素雰囲気中においてベークを行う。有機発光層8の平均膜厚は、例えば70nmである。
電子注入層形成工程など:
次に、有機発光層8およびバンク6を覆うように、真空蒸着法により、バリウムを製膜し、引き続き、バリウムを混合した化合物Alqの膜を、共蒸着法により所定の膜厚(例えば20nm)で製膜することにより、電子注入層9を製膜する。
次に、電子注入層9の上に、例えば、プラズマコーティング法で陰極10となるIZO薄膜(膜厚は例えば100nm)を製膜し、その上に、封止層11を製膜する。
次に、有機発光層8およびバンク6を覆うように、真空蒸着法により、バリウムを製膜し、引き続き、バリウムを混合した化合物Alqの膜を、共蒸着法により所定の膜厚(例えば20nm)で製膜することにより、電子注入層9を製膜する。
次に、電子注入層9の上に、例えば、プラズマコーティング法で陰極10となるIZO薄膜(膜厚は例えば100nm)を製膜し、その上に、封止層11を製膜する。
(3層一括ウェットエッチング)
このプロセスでは、レジスト膜をパターン形成して、レジスト膜で覆われていない部分をウェットエッチングする。
レジスト膜形成工程:
製膜した金属膜30、透明導電膜40、酸化タングステン膜50からなる積層体をパターニングするために、まず、酸化タングステン膜50の上にレジスト膜60をフォトリソグラフィ法によってパターン形成する。
このプロセスでは、レジスト膜をパターン形成して、レジスト膜で覆われていない部分をウェットエッチングする。
レジスト膜形成工程:
製膜した金属膜30、透明導電膜40、酸化タングステン膜50からなる積層体をパターニングするために、まず、酸化タングステン膜50の上にレジスト膜60をフォトリソグラフィ法によってパターン形成する。
すなわち、図2(c)に示すように、酸化タングステン膜50の上に感光性レジストを塗布してレジスト膜60aを形成し、図2(d)に示すようにパターンマスク62で部分的に覆って、レジスト膜60aにおけるパターンマスク62で覆われていないところを露光する。それによって図2(f)に示すように、パター二ングされたレジスト膜60を形成する。
酸化タングステン膜50はこのレジスト膜60によって部分的に被覆された状態となる。
ウェットエッチング工程:
ウェットエッチング工程では、金属膜30、透明導電膜40、酸化タングステン膜50におけるレジスト膜60で覆われていない部分を、エッチャントで一括してエッチングすることによってパターニングする。
ウェットエッチング工程:
ウェットエッチング工程では、金属膜30、透明導電膜40、酸化タングステン膜50におけるレジスト膜60で覆われていない部分を、エッチャントで一括してエッチングすることによってパターニングする。
このエッチャントとしては、HNO3、NH4F、およびFe(HNO3)3・9H2Oを、所定の組成比で混合した混合液を用いることが好ましい。
ここで、所定の組成比は、HNO3が1−10wt%、NH4Fが1−3wt%、Fe(HNO3)3・9H2Oが3−4wt%であり、残りが水である。
また、上記混合物に、H2SO4を1wt%以下添加してもよい。
ここで、所定の組成比は、HNO3が1−10wt%、NH4Fが1−3wt%、Fe(HNO3)3・9H2Oが3−4wt%であり、残りが水である。
また、上記混合物に、H2SO4を1wt%以下添加してもよい。
また、上記混合物に、HBrを1−2wt%、添加することも好ましい。
ウェットエッチング工程を行う方式は、エッチング液を満たした容器内で浸食するディップ式が好ましいが、エッチャントを吹き付けるスプレー式、回転台に基板を取り付けて、エッチャントを滴下するスピン式などがあるが、ディップ方式が好ましい。
ディップ方式で行えば、酸化タングステン膜50のエッチングが速くなり、エッチング後の導電膜パターンの形状がより滑らかになる。
ウェットエッチング工程を行う方式は、エッチング液を満たした容器内で浸食するディップ式が好ましいが、エッチャントを吹き付けるスプレー式、回転台に基板を取り付けて、エッチャントを滴下するスピン式などがあるが、ディップ方式が好ましい。
ディップ方式で行えば、酸化タングステン膜50のエッチングが速くなり、エッチング後の導電膜パターンの形状がより滑らかになる。
図4(a)は、エッチング工程をディップ方式で行う装置の一例を示す概略図であって、この装置では矢印の方向に基板を搬送しながら、処理槽、水洗槽、乾燥機を通過するようになっている。
図4(b)は、処理槽の一例を示す図である。図3(b)に示す装置では、処理槽200の中にコンベアーベルト201を搬送する搬送ローラ202を備え、コンベアーベルト201上に基板を載せて処理槽200内を通過するようになっている。
図4(b)は、処理槽の一例を示す図である。図3(b)に示す装置では、処理槽200の中にコンベアーベルト201を搬送する搬送ローラ202を備え、コンベアーベルト201上に基板を載せて処理槽200内を通過するようになっている。
また処理槽200は、シャワーライン203とバッファータンク204と送液ポンプ205を備え、バッファータンク204内のエッチャントをシャワーライン203から基板上に噴霧することができるようになっている。また処理槽200は、ディップ槽206とバッファータンク207と送液ポンプ208を備え、バッファータンク207内のエッチャントをディップ槽206に供給し、ディップ槽206内にエッチャントを貯めて基板を浸漬できるようにもなっている。なお、符合209,210は廃液ラインである。
このようなエッチング装置を用いて、以下のようにエッチングを行う。各エッチング時間は、搬送ローラ202の速度を調整することによって調整できる。
処理槽200において、エッチャント70を酸化タングステン膜50に付着させる方法としては、レジスト膜60で部分的に被覆した基板を、ディップ槽206内のエッチャント70に浸漬してもよいし、レジスト膜60で透明導電膜40を部分的に被覆した基板に、シャワーライン203からエッチャント70を散布する方法でエッチング処理してもよい。
処理槽200において、エッチャント70を酸化タングステン膜50に付着させる方法としては、レジスト膜60で部分的に被覆した基板を、ディップ槽206内のエッチャント70に浸漬してもよいし、レジスト膜60で透明導電膜40を部分的に被覆した基板に、シャワーライン203からエッチャント70を散布する方法でエッチング処理してもよい。
エッチング液を付着させることによって、以下のように、酸化タングステン膜50、透明導電膜40及び金属膜30が順にエッチングされる。
まず図3(a)に示すように、エッチャント70が酸化タングステン膜50の上面51に接触することによって、酸化タングステン膜50は下方向にエッチングされると共にレジスト膜60の下方にもぐり込むようにサイドエッチング(SE)される。
まず図3(a)に示すように、エッチャント70が酸化タングステン膜50の上面51に接触することによって、酸化タングステン膜50は下方向にエッチングされると共にレジスト膜60の下方にもぐり込むようにサイドエッチング(SE)される。
すなわち、図3(b)に示すように、エッチャント70によって、酸化タングステン膜50の上面51が下方向に後退して酸化タングステン膜50の厚みが薄くなると共に、酸化タングステン膜50のエッチング側面52は、レジスト膜60の側面61の下方において図3(b)の紙面左方向に後退する。そして、エッチング側面52がレジスト膜60の下方に入り込む。
続いて、透明導電膜40がエッチャント70でエッチングされる。このとき図3(c)に示すように、透明導電膜40の上面41は下方向に後退していくと共に、酸化タングステン膜50のエッチング側面52及び透明導電膜40のエッチング側面42も図3(c)の紙面左方向に後退する。
続いて、金属膜30がエッチャント70でエッチングされる。このとき、図3(d)に示すように、金属膜30の上面31は下方向に後退すると共に、酸化タングステン膜50のエッチング側面52、透明導電膜40のエッチング側面42及び金属膜30のエッチング側面32も図3(d)の紙面左方向に後退する。
続いて、金属膜30がエッチャント70でエッチングされる。このとき、図3(d)に示すように、金属膜30の上面31は下方向に後退すると共に、酸化タングステン膜50のエッチング側面52、透明導電膜40のエッチング側面42及び金属膜30のエッチング側面32も図3(d)の紙面左方向に後退する。
以上のようにして、エッチャント70で、酸化タングステン膜50、透明導電膜40、金属膜30の3層を一括してエッチングすることができるが、透明導電膜40のエッチング側面42及び金属膜30のエッチング側面32は、ほぼ同じ速度で後退していくので、図3(e)に示すように、エッチング側面42とエッチング側面32とが連続した面一の面、あるいはエッチング側面42の方がエッチング側面32よりも後退した形状を形成しながら、エッチングが進んでいく。
酸化タングステン膜50は、透明導電膜40や金属膜30と比べて若干エッチングされにくいので、酸化タングステン膜50の端部が透明導電膜40よりもわずかに突出して庇53が形成される。
エッチングが終了すると、基板を水洗して、エッチャント70を洗い流し、乾燥する。
レジスト膜60を剥離することによって、マトリクス状にパターニングされた導電膜パターンが作製される。
エッチングが終了すると、基板を水洗して、エッチャント70を洗い流し、乾燥する。
レジスト膜60を剥離することによって、マトリクス状にパターニングされた導電膜パターンが作製される。
(本実施形態にかかる製造方法による効果)
上記製造方法によれば、ウェットエッチングだけで酸化タングステン膜50、透明導電膜40及び金属膜30を滑らかにエッチングできる。ウェットエッチング装置は、ドライエッチング装置と比べて安価なので、エッチング工程を行う製造コストも低く抑えることができる。
上記製造方法によれば、ウェットエッチングだけで酸化タングステン膜50、透明導電膜40及び金属膜30を滑らかにエッチングできる。ウェットエッチング装置は、ドライエッチング装置と比べて安価なので、エッチング工程を行う製造コストも低く抑えることができる。
また、上記製造方法によれば、エッチャント70で、酸化タングステン膜50、透明導電膜40、金属膜30の3層を一括してウェットエッチングしているので、これら各層を1回のエッチングでパター二ングすることができ、製造工程が簡略化される。
また、第1焼成工程において、金属膜30及び透明導電膜40を200℃〜230℃の温度で焼成し、その後、透明導電膜40の上に酸化タングステンからなる酸化タングステン膜50を形成しているので、エッチング工程において、酸化タングステン膜50、透明導電膜40及び金属膜30を一括してウェットエッチングする際に、透明導電膜40及び金属膜30のサイドエッチング量が少なくなり、酸化タングステンからなる庇の長さも0.5μ以上に形成されることはなく、滑らかな形状にパターニングされる。
また、第1焼成工程において、金属膜30及び透明導電膜40を200℃〜230℃の温度で焼成し、その後、透明導電膜40の上に酸化タングステンからなる酸化タングステン膜50を形成しているので、エッチング工程において、酸化タングステン膜50、透明導電膜40及び金属膜30を一括してウェットエッチングする際に、透明導電膜40及び金属膜30のサイドエッチング量が少なくなり、酸化タングステンからなる庇の長さも0.5μ以上に形成されることはなく、滑らかな形状にパターニングされる。
よって、滑らかに形成された積層導電膜(金属膜3、透明導電膜4、酸化タングステン膜5)のパターンを用いて、次のバンク形成工程を行うときに、積層導電膜とバンク6との密着性が良好となる。
そして、酸化タングステン膜5の上に、ホール輸送層7、有機発光層8などを良好に形成することもできるので、各有機EL素子20a,20b,20cを良好に製造することができる。
そして、酸化タングステン膜5の上に、ホール輸送層7、有機発光層8などを良好に形成することもできるので、各有機EL素子20a,20b,20cを良好に製造することができる。
なお、酸化タングステンからなる庇の長さが長いと、積層導電膜とバンクとの間に空隙が生じやすく、積層導電膜とバンクとの間の密着性も悪くなり、発光不良の原因ともなり得るが、酸化タングステンによる庇の長さが0.5μm以下の小さいものであれば、表示パネル100内には空洞による欠陥が生じにくいので、表示パネル100の性能も劣化しにくい。
第2焼成工程において、酸化タングステン膜50が200℃以上で焼成されることによって、酸化タングステン膜50の膜密度が高められるので、バンク6を形成する工程で用いられる現像液によって酸化タングステン膜50が削り取られて目減りする量が少なくなる。
従って、表示パネル100における面内での輝度バラツキを低減することができる。
従って、表示パネル100における面内での輝度バラツキを低減することができる。
上記実施の形態で説明した製法に基づいて、実施例にかかる積層導電膜パターンを形成し、一方、比較例にかかる方法でも積層導電膜パターンも形成して、サイドエッチング量(SE量)、断面形状の比較を行った。
(実施例)
実施例では、金属膜30及び透明導電膜40を形成し、第1焼成を行った後、酸化タングステン膜50を形成して、3層を一括してウェットエッチングする方法で、積層導電膜パターンを作製した。
(実施例)
実施例では、金属膜30及び透明導電膜40を形成し、第1焼成を行った後、酸化タングステン膜50を形成して、3層を一括してウェットエッチングする方法で、積層導電膜パターンを作製した。
金属膜30はACLで形成し厚さ400nmとした。透明導電膜40はIZOで形成し厚さは16nmとした。第1焼成は、大気下において230℃で60分間焼成した。酸化タングステン膜50は厚さ12nmで形成した。
ウェットエッチング液としては、HNO3が3wt%、NH4Fが1wt%、およびFe(HNO3)3・9H2Oが4wt%混合された混合液を用いた。
ウェットエッチング液としては、HNO3が3wt%、NH4Fが1wt%、およびFe(HNO3)3・9H2Oが4wt%混合された混合液を用いた。
実施例の製法で作製された積層導電膜パターンを基板の上方から顕微鏡で観察して、サイドエッチングの量(SE量)を測定した。そのSE量は1.5μmであった。
図5(a)は、実施例による製法で作製した導電膜パターンを基板に対して垂直に切断した断面を示すSEM写真である。当該写真において庇の長さは0.2μm程度である。
当図から、実施例の方法によれば、酸化タングステン膜50による庇が形成されるものの、その長さは短く、透明導電膜40及び金属膜30のエッチング側面は連続した滑らかな面となっていることがわかる。
図5(a)は、実施例による製法で作製した導電膜パターンを基板に対して垂直に切断した断面を示すSEM写真である。当該写真において庇の長さは0.2μm程度である。
当図から、実施例の方法によれば、酸化タングステン膜50による庇が形成されるものの、その長さは短く、透明導電膜40及び金属膜30のエッチング側面は連続した滑らかな面となっていることがわかる。
この結果は、金属層30及び透明導電膜40を形成し、第1焼成を行った後、酸化タングステン膜50を形成して、ウェットエッチングすることにより、積層導電膜パターンが滑らかな形状で形成されることを示している。
(比較例1)
比較例1では、上記実施例と同様に、基板の上に金属膜30、透明導電膜40、酸化タングステン膜50を積層して3層を一括してウェットエッチングする方法で積層導電膜パターンを形成したが、第1焼成は行なわなかった。
(比較例1)
比較例1では、上記実施例と同様に、基板の上に金属膜30、透明導電膜40、酸化タングステン膜50を積層して3層を一括してウェットエッチングする方法で積層導電膜パターンを形成したが、第1焼成は行なわなかった。
この比較例1の製法で形成された積層導電膜パターンは、図5(b)に示すように、酸化タングステン膜による庇が長く形成されている。また、SE量は3.9μmであった。
これは、金属膜30が焼成されない状態でウェットエッチングされたので、エッチャントによって金属膜30のエッチング側面がかなり高いエッチングレートでサイドエッチングされたためと考えられる。
これは、金属膜30が焼成されない状態でウェットエッチングされたので、エッチャントによって金属膜30のエッチング側面がかなり高いエッチングレートでサイドエッチングされたためと考えられる。
(比較例2)
比較例2では、上記実施例と同様に、基板の上に金属膜30、透明導電膜40、酸化タングステン膜50を積層して3層を一括してウェットエッチングする方法で積層導電膜パターンを形成したが、酸化タングステン膜50の形成前には焼成を行わず、酸化タングステン膜50の形成後に焼成を行って、その後に3層を一括してウェットエッチングした。
比較例2では、上記実施例と同様に、基板の上に金属膜30、透明導電膜40、酸化タングステン膜50を積層して3層を一括してウェットエッチングする方法で積層導電膜パターンを形成したが、酸化タングステン膜50の形成前には焼成を行わず、酸化タングステン膜50の形成後に焼成を行って、その後に3層を一括してウェットエッチングした。
この比較例2の方法で形成された積層導電膜パターンも、図5(c)に示すように、酸化タングステン膜による庇が長く形成されている。また、SE量は2.5μmであった。
このように実施例と比べてSE量が大きいのは、金属膜30とともに酸化タングステン膜50も焼成してからウェットエッチングしたので、焼成により酸化タングステン膜50のエッチングレートが低くなった状態でウェットエッチングが行われたためと考えられる。
このように実施例と比べてSE量が大きいのは、金属膜30とともに酸化タングステン膜50も焼成してからウェットエッチングしたので、焼成により酸化タングステン膜50のエッチングレートが低くなった状態でウェットエッチングが行われたためと考えられる。
[その他の事項]
上記実施の形態では、有機ELパネルの陽極及びホール注入層を作製するのに適用する例を示したが、上述した導電膜パターンの作製方法は、有機ELパネル用の電極に限らず、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属膜と、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜と、酸化タングステン膜からなる積層電極をウェットエッチングで一括して滑らかな形状にパターニング形成するのに広く適用できる。
上記実施の形態では、有機ELパネルの陽極及びホール注入層を作製するのに適用する例を示したが、上述した導電膜パターンの作製方法は、有機ELパネル用の電極に限らず、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる金属膜と、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜と、酸化タングステン膜からなる積層電極をウェットエッチングで一括して滑らかな形状にパターニング形成するのに広く適用できる。
本発明は、有機ELパネルの積層電極のパターニングをはじめとして、様々なデバイスの電極を作製するのに適用でき、良好な性能のデバイスを得るのに寄与する。
1 基板
2 平坦化膜
3 金属膜
4 透明導電膜
5 酸化タングステン膜
6 パンク
30 金属膜
31 金属膜の上面
32 金属膜のエッチング側面
40 透明導電膜
41 透明導電膜の上面
42 透明導電膜のエッチング側面
50 酸化タングステン膜
51 酸化タングステン膜の上面
52 エッチング側面
53 庇
60 レジスト膜
61 レジスト膜の側面
62 パターンマスク
70 エッチャント
100 表示パネル
2 平坦化膜
3 金属膜
4 透明導電膜
5 酸化タングステン膜
6 パンク
30 金属膜
31 金属膜の上面
32 金属膜のエッチング側面
40 透明導電膜
41 透明導電膜の上面
42 透明導電膜のエッチング側面
50 酸化タングステン膜
51 酸化タングステン膜の上面
52 エッチング側面
53 庇
60 レジスト膜
61 レジスト膜の側面
62 パターンマスク
70 エッチャント
100 表示パネル
Claims (16)
- 基板上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程と、
前記金属膜の上面の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜を形成する第2工程と、
前記第2工程後の前記金属膜を焼成する第3工程と、
前記透明導電膜の上面の上に、酸化タングステン膜を形成する第4工程と、
前記酸化タングステン膜の上面に感光性レジスト膜を形成する第5工程と、
所定のパターンを介して前記感光性レジスト膜を露光し、前記酸化タングステン膜の一部を前記感光性レジスト膜から露出させる第6工程と、
前記酸化タングステン膜の前記露出された領域の、前記酸化タングステン膜、前記透明導電膜、及び前記金属膜を、エッチャントを用いて一括してウェットエッチングする第7工程と、
前記基板の上方に残存した前記感光性レジストを除去する第8工程と、
を含む、
導電膜パターンの製造方法。 - 前記第3工程における焼成温度は、200℃以上230℃以下である、
請求項1に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記第7工程において、
前記タングステン酸化物膜、前記透明導電膜、及び前記金属膜は、前記エッチャントにより前記感光性レジスト膜の下方までサイドエッチングされる、
請求項1又は2に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記サイドエッチングにより、
前記透明導電膜及び前記金属膜は、各膜の側面が段差のない連続した形状となる、
請求項3に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記サイドエッチングにより、
前記透明導電膜の側面が、前記タングステン酸化物膜の下方に後退して、前記タングステン酸化物膜による庇が形成され、
当該庇が透明導電膜の側面から突出する長さは0.5μm以下である、
請求項3又は4に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記エッチャントは、
HNO3、NH4F、及びFe(HNO3)3が、所定の組成比で混合されている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記所定の組成比は、
HNO3が1−10wt%、NH4Fが1−3wt%、およびFe(HNO3)3が3−4wt%である、
請求項6に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記所定の組成比は、
HNO3が3wt%、NH4Fが1wt%、およびFe(HNO3)3が4wt%である、
請求項6に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記エッチャントに、H2SO4が1wt%以下含まれている、
請求項7あるいは8に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記エッチャントに、HBrが1wt%以上2wt%以下含まれている、
請求項7〜9のいずれか1項に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記第7工程において、
前記タングステン酸化物膜、前記透明導電膜、及び前記金属膜を、
ディップ方式でウェットエッチングする、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記第8工程の後に、前記第8工程の後の前記基板を焼成する第9工程を備える、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 前記第9工程における焼成温度は、200℃以上230℃以下である、
請求項12に記載の導電膜パターンの製造方法。 - 基板上に、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜を形成する第1工程と、
前記金属膜の上面の上に、インジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜を形成する第2工程と、
前記第2工程後の前記金属膜を焼成する第3工程と、
前記透明導電膜の上面の上に、酸化タングステンを含み、タングステン原子に対して酸素原子が部分的に結合した状態である酸素欠陥構造を有する酸化タングステン膜を形成する第4工程と、
前記酸化タングステン膜の上面に感光性レジスト膜を形成する第5工程と、
所定のパターンを介して前記感光性レジスト膜を露光し、前記酸化タングステン膜の一部を前記感光性レジスト膜から露出させる第6程と、
前記酸化タングステン膜の前記露出された領域の、前記酸化タングステン膜、前記透明導電膜、及び前記金属膜とを、エッチャントを用いて一括してウェットエッチングする第7工程と、
前記基板の上方に残存した前記感光性レジストを除去する第8工程と、
前記第7工程あるいは前記第8工程のいずれかの工程の後に、前記酸化タングステン膜を焼成する第9工程と、
前記焼成した前記酸化タングステン膜の上方に、隔壁材料を用いて隔壁材料膜を形成する第10工程と、
前記隔壁材料膜をパターニングし、開口部を有する隔壁を形成する第11工程と、
前記開口部に対して、発光材料を含む発光膜を形成する第12工程と、
前記発光膜の上方に、陰極を形成する第13工程と、
を含む、
EL発光装置の製造方法。 - 前記第9工程では、
焼成後の前記酸化タングステン膜が、前記第4工程において形成された状態に較べ、密度が高くなると共に、焼成後においても、前記酸化タングステン膜が前記酸素欠陥構造を含むように焼成する
ことを特徴とする請求項14に記載のEL発光素子の製造方法。 - 基板上に、
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属膜が形成され、
前記金属膜の上面の上にインジウムを含む金属酸化物からなる透明導電膜が形成され、
前記透明導電膜の上面の上に、酸化タングステン膜が形成され、
前記金属膜、前記透明導電膜及び前記酸化タングステン膜の積層体がパターニングされてなる導電膜パターンであって、
前記透明導電膜の側面が、前記酸化タングステン膜の下方に後退して、前記酸化タングステン膜による庇が形成され、
当該庇が透明導電膜の側面から突出する長さは0.5μm以下である、
導電パターン。
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JP2011140277A JP2013008546A (ja) | 2011-06-24 | 2011-06-24 | 導電膜パターンの製造方法、および有機el表示パネルの製造方法 |
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JP2011140277A Withdrawn JP2013008546A (ja) | 2011-06-24 | 2011-06-24 | 導電膜パターンの製造方法、および有機el表示パネルの製造方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
KR20150068446A (ko) * | 2012-11-08 | 2015-06-19 | 알프스 덴키 가부시키가이샤 | 도전체 및 그 제조 방법 |
JP2016100280A (ja) * | 2014-11-25 | 2016-05-30 | 株式会社Joled | 有機elパネル |
-
2011
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