JPWO2008050407A1 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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Abstract

極間で生じているエネルギーの不均衡に基づくワイヤ断線を回避して加工速度を改善することができるワイヤ放電加工装置を得ることを目的として、加工電源から加工間隙(極間)への上部側給電路と下部側給電路とに設けた経路開閉手段を開閉パターン設定手段に予め設定した開閉パターンによって個別に開閉して形成される上下側両給電路と2つの片側給電路とを混在させた給電方式によるメイン放電を実施する過程で、加工エネルギー演算手段が現在時刻から過去の一定期間内における加工エネルギーを放電位置毎の放電電流値を積算して求め、それに基づきエネルギー分布変更手段が加工間隙の上下方向での加工エネルギー分布を求めてエネルギーの不均衡有無を調べ、存在する場合は、その不均衡を解消する加工エネルギー分布が得られる開閉パターンに変更することで、その不均衡を解消する給電が行える構成とした。

Description

この発明は、ワイヤ放電加工装置に関するものである。
ワイヤ放電加工装置は、上下方向に走行する一方の電極であるワイヤと、このワイヤの走行方向に直交する平面内で移動制御される他方の電極である被加工物とを対向配置し、ワイヤと被加工物との間の加工間隙(つまり極間)にパルス状放電を発生させ、そのときの熱エネルギーを利用して被加工物を所望の形状に加工する装置である。
このワイヤ放電加工装置では、極間への電源供給の構成として、被加工物は直接加工用電源の一方の電極端に接続し、走行するワイヤは摺接する給電点を介して加工用電源の他方の電極に接続する構成が採られるが、その給電点は、一般に、ワイヤの被加工物との対向位置を挟んだ上下2箇所に設けられる。つまり、ワイヤを流れる放電電流の流路は、被加工物の上部側と下部側とに並列に2回路存在する構成である。
そして、ワイヤ放電加工装置では、一般に、小電流の火花放電(予備放電)を誘発するためのサブ放電用電源と、火花放電発生後の加工電流となる大電流を供給するためのメイン放電用電源との2つの加工用電源を用いて荒加工と仕上げ加工とを実施している。
ところで、ワイヤ放電加工装置では、加工条件によっては、しばしばワイヤ断線が生ずる。ワイヤ断線は、放電が1箇所に集中して起こることでワイヤ電極が局所的に過熱されることが原因である。そこで、従来では、ワイヤ電極の局所的な過熱を回避してワイヤ断線を予防する各種の技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3等)。
すなわち、特許文献1では、メイン放電用電源から上部側・下部側の給電点に至る電流パスのそれぞれに電流パスを個別に開閉するスイッチング素子を設けて一方の給電点のみからメインの加工電流を給電する片側給電が行える構成とし、上部側のみからの上部側給電と下部側のみからの下部側給電とを、連続して印加するパルス電圧の所定個数毎に切り替える技術が開示されている。これによって、ワイヤ電極を発熱させることなく大電流の通電を行うことができ、発熱に伴う破断を防止できるとしている。
また、特許文献2では、メイン放電用電源から上部側・下部側の給電点に至る電流パスのそれぞれに電流パスを個別に開閉するスイッチング素子を設けて一方の給電点のみからメインの加工電流を給電する片側給電が行える構成とし、上部側給電と下部側給電とを非同期に切り替えて実施する技術が開示されている。これによって、集中放電が起こるのを防止できるので、加熱によるワイヤ電極の断線を防止できるとしている。
また、特許文献3では、サブ放電用電源から上部側・下部側の給電点にそれぞれ流れる電流の差値と大小関係とから加工間隙の上下方向での放電位置を計測する装置を設けるとともに、メイン放電用電源から上部側・下部側の給電点に至る電流パスのそれぞれに電流パスを個別に開閉するスイッチング素子を設け、加工間隙の上端側で火花放電が発生した場合には上部側給電を行い、加工間隙の下端側で火花放電が発生した場合には下部側給電を行い、被加工物の肉厚中央で火花放電が発生した場合には、上部側・下部側の両方から同時に給電する上下両側給電を行う技術が開示されている。このように給電方式を放電位置に応じて切り替えることにより、冷却が不十分となりやすい加工間隙の上下方向中央でのワイヤ電極に局所的な過熱が生ずるのを回避できるとしている。
なお、ワイヤ放電加工装置では、特許文献2に示されているように、一般に、上部・下部のワイヤガイド間におけるワイヤ走行路に、被加工物との対向位置を挟んで上下方向で近接した位置に加工液ノズルがそれぞれ設けられ、加工間隙に上下から高圧の加工液を吹き付けて、ワイヤ電極1の冷却と放電加工屑の排除とが行えるようになっている。
特開昭59−47123号公報 特開平1−97525号公報 特公平6−61663号公報
上下両側給電方式では、加工間隙の上部側と下部側とに並列に2回路存在する放電電流の流路に、上部側と下部側とにインピーダンスの偏りがあると、放電位置に上部側給電路から供給する放電電流値と下部側給電路から供給する放電電流値とに差が生ずるので、集中放電が発生すると、放電電流値の大きい側でワイヤ電極に過熱が起こりさらにワイヤ断線が起こり易くなる。したがって、集中放電によるワイヤ断線を回避するためには、特許文献1,2に開示されているように、上部側給電と下部側給電とを実施すれば良いが、片側給電のみを実施していると、短絡が頻発して加工速度が低下するという問題がある。
この点、特許文献3では、片側給電方式と上下両側給電方式とを併用するので、この短絡の頻発を回避して安定した加工が可能になると考えられるが、ワイヤ断線の要因には、加工液によるワイヤ電極の冷却性能の他に、集中放電の発生に起因して局所的に加工エネルギーが過大になる加工エネルギーの不均衡があるので、ワイヤ断線の問題は依然として存在する。
すなわち、ワイヤ電極の冷却が十分に行われている加工間隙の上端側及び下端側においても、集中放電による加工エネルギーの不均衡が生ずると、ワイヤ断線は起きる。また、特許文献3では、ワイヤ断線を引き起こす過熱の原因が加工間隙の上下方向中央での冷却不十分にあるとしているが、加工間隙の上下方向中央での不十分な冷却は加工液の吹き付け量調整によって改善できるものである。しかし、そのように加工間隙の上下方向中央での冷却を改善した場合でも、加工エネルギーの不均衡があると、同様に、ワイヤ断線が起きる。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、極間で生じているエネルギーの不均衡に基づくワイヤ断線を回避して加工速度を改善することができるワイヤ放電加工装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明は、ワイヤ電極と被加工物との加工間隙である極間に加工電源から放電電流を供給する給電路として、前記被加工物の上部側において前記ワイヤ電極に摺接して設けられる上部側給電点を経由する上部側経路と前記被加工物の下部側において前記ワイヤ電極に摺接して設けられる下部側給電点を経由する下部側経路とを備える場合に、前記上部側経路と前記下部側経路とのそれぞれを個別に開閉できる上部側経路開閉手段及び下部側経路開閉手段と、前記上部側経路と前記下部側経路とのいずれか一方の経路を用いる片側給電方式と双方の経路を同時に用いる上下両側給電方式とを混在させて給電を実施させるとともに、各給電方式において所望の給電態様を実現する指令として前記上部側・下部側の経路開閉手段を個別にまたは同時に開閉制御する開閉パターンを設定する開閉パターン設定手段と、前記上部側給電点及び前記下部側給電点から前記極間にそれぞれ供給されるサブ放電電流またはメイン放電電流の値に基づき放電位置を検出する放電位置検出手段と、現在の時刻から過去の一定期間までの期間内における前記放電位置検出手段が検出した放電位置毎のメイン放電電流値から前記ワイヤ電極の現在位置での加工エネルギーを求める加工エネルギー演算手段と、前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーから得られた前記加工間隙の上下方向における加工エネルギー分布に不均衡が存在する場合は、前記不均衡を解消できる所定の加工エネルギー分布が得られるように変更した開閉パターンを生成する加工エネルギー分布変更手段と、前記上部側・下部側の経路開閉手段の開閉制御を、前記開閉パターン設定手段からの開閉パターンに従って実施する過程で、前記加工エネルギー分布変更手段から変更した開閉パターンを受け取った場合はその変更した開閉パターンに従って実施する駆動手段とを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、加工電源から加工間隙(極間)への上部側給電路と下部側給電路とに設けた経路開閉手段を開閉パターン設定手段に予め設定した開閉パターンによって個別に開閉して形成される上下側両給電路と2つの片側給電路とを混在させた給電方式によるメイン放電を実施する過程で、加工エネルギー演算手段が現在時刻から過去の一定期間内における加工エネルギーを放電位置毎の放電電流値を積算して求め、それに基づきエネルギー分布変更手段が加工間隙の上下方向での加工エネルギー分布を求めてエネルギーの不均衡有無を調べ、不均衡が存在する場合は、その不均衡を解消する加工エネルギー分布が得られる開閉パターンに変更することで、その不均衡を解消する給電が行える構成としたので、極間で生じているエネルギーの不均衡に基づくワイヤ断線を回避して加工速度を改善することができる。
この発明によれば、極間で生じているエネルギーの不均衡に基づくワイヤ断線を回避して加工速度を改善することができるという効果を奏する。
図1は、この発明の実施の形態1によるワイヤ放電加工装置の要部構成を示す概念図である。 図2は、上部側・下部側の各片側給電時での放電位置と放電電流値との関係を説明する図である。 図3は、この発明の実施の形態2によるワイヤ放電加工装置の要部構成を示す概念図である。 図4は、この発明の実施の形態3によるワイヤ放電加工装置の要部構成を示す概念図である。 図5は、この発明の実施の形態4によるワイヤ放電加工装置の要部構成を示す概念図である。
符号の説明
1 ワイヤ電極
2 上方側のワイヤガイド
3 下方側のワイヤガイド
4 被加工物
5 上部給電点
6 下部給電点
7 サブ放電用電源
8 メイン放電用電源
9 上部サブフィーダ線
10 上部サブスイッチング素子
11 下部サブフィーダ線
12 下部サブスイッチング素子
13 上部メインフィーダ線
14 上部メインスイッチング素子
15 下部メインフィーダ線
16 下部メインスイッチング素子
17,18 電流センサ
19 放電位置検出手段
20 加工エネルギー演算手段
21a,21b,21c,21d 加工エネルギー分布変更手段
22a,22b 給電パターン変更手段
23 開閉パターン設定手段
24 発振器
25a,25b 給電パルスエネルギー変更手段
26 参照加工エネルギー設定手段
以下に図面を参照して、この発明にかかるワイヤ放電加工装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるワイヤ放電加工装置の要部構成を示す概念図である。図1において、符号1は、ワイヤ電極である。このワイヤ電極1は、上下方向に適宜間隔を置いて配置されるワイヤガイド2,3に案内されて例えば上方から下方に向かって走行する。上部・下部のワイヤガイド2,3の間におけるワイヤ走行路には、ワイヤ走行方向に直交する平面上に、ある肉厚の板状をした被加工物4が所定の加工間隙(これを「極間」という)を置いて対向配置される。上方側のワイヤガイド2の近傍位置には上部給電点5が、下方側のワイヤガイド3の近傍位置には下部給電点6が、それぞれワイヤ電極1に摺接して設けられている。
なお、図示を省略したが、ワイヤガイド2,3の間におけるワイヤ走行路には、被加工物4との対向位置を挟んで上下方向で近接した位置に加工液ノズルがそれぞれ設けられ、加工間隙に上下から高圧の加工液を吹き付けて、ワイヤ電極1の冷却と放電加工屑の排除とが行えるようになっている。
以上は放電加工部の一般的な構成である。この放電加工部に対する加工用電源として、サブ放電用電源7とメイン放電用電源8とを備えている。ここで、サブ放電用電源7は、主としてワイヤ電極1と被加工物4と間の加工間隙(極間)の極間状態の検出を目的として極間に小電流のサブ放電電流を供給する比較的低電圧の電圧パルスを発生する。また、メイン放電用電源8は、主として極間に加工用の大電流であるメイン放電電流を供給するためにサブ放電用電源7よりも高い所定レベル所定パルス幅の電圧パルスを発生する。
サブ放電用電源7の一方の電極端は、被加工物4に直接接続される。そして、サブ放電用電源7の他方の電極端は、上部サブフィーダ線9を介して上部給電点5に接続され、この上部サブフィーダ線9の途中に上部サブスイッチング素子10が介挿されている。同時に、サブ放電用電源7の他方の電極端は、下部サブフィーダ線11を介して下部給電点6に接続され、この下部サブフィーダ線11の途中に下部サブスイッチング素子12が介挿されている。
メイン放電用電源8の一方の電極端は、被加工物4に直接接続される。そして、メイン放電用電源8の他方の電極端は、上部メインフィーダ線13を介して上部給電点5に接続され、この上部メインフィーダ線13の途中に上部メインスイッチング素子14が介挿されている。同時に、メイン放電用電源8の他方の電極端は、下部メインフィーダ線15を介して下部給電点6に接続され、この下部メインフィーダ線15の途中に下部メインスイッチング素子16が介挿されている。
なお、スイッチング素子10,12,14,16は、ここでは、半導体スイッチング素子であるとして説明するが、継電器も同様に使用することができる。
このように、サブ放電用電源7、メイン放電用電源8からワイヤ電極1に向けて流れる放電電流の流路は、被加工物4の上部側と下部側とに並列に2回路存在する構成となっており、それぞれの電流経路にその経路を開閉するスイッチング素子が設けられ、メイン放電用電源8によるメイン放電電流の供給を、上下2つの給電点を用いた上下両側給電方式と、いずれか一方の給電点を用いた片側給電方式とを切り替えて実施できる構成になっている。
すなわち、以上の構成において、上部・下部のサブスイッチング素子10,12が同時にオン動作すると、上部・下部のサブフィーダ線9,11が閉路し、サブ放電用電源7の出力パルス電圧が、上部・下部のサブフィーダ線9,11及び上部・下部の給電点5,6を介して、ワイヤ電極1と被加工物4との間の加工間隙(極間)に印加される。これによって、極間に発生したサブ放電(予備放電)が検出されると、上部・下部のメインスイッチング素子14,16のいずれか一方または両方がオン動作し、極間にメイン放電用電源8の出力パルス電圧が印加され、上部側給電路または下部側給電路を用いた片側給電方式と、上部・下部の両給電路を同時に用いた上下両側給電方式とのいずれかによるメイン放電電流を供給することが行われる。
具体的に示すと、上部側給電路を用いた片側給電方式では、上部メインスイッチング素子14がオン動作し下部メインスイッチング素子16がオフ動作するときは、上部メインフィーダ線13のみが閉路するので、メイン放電電流は、上部メインフィーダ線13及び上部給電点5介して極間に供給される。
また、下部側給電路を用いた片側給電方式では、上部メインスイッチング素子14がオフ動作し下部メインスイッチング素子16がオン動作するときは、下部メインフィーダ線15のみが閉路するので、メイン放電電流は、下部メインフィーダ線15及び下部給電点6介して極間に供給される。
そして、上部・下部の両給電路を同時に用いた上下両側給電方式では、上部・下部のメインスイッチング素子14,16が同時にオン動作すると、上部・下部のメインフィーダ線13,15が同時に閉路するので、メイン放電電流は、上部・下部のメインフィーダ線13,15及び上部・下部の給電点5,6を介して極間に供給される。
このような上部・下部のサブスイッチング素子10,12のオン・オフ制御及び上部・下部のメインスイッチング素子14,16のオン・オフ制御は、後述する発振器24からの駆動信号によって行われるが、上部・下部のサブスイッチング素子10,12は、上部・下部のメインスイッチング素子14,16がオン・オフ制御されるメイン放電電流の供給時は、その趣旨から、上部・下部のメインスイッチング素子14,16の対応するものと連動して同一にオン・オフ制御される。ここでは、上部・下部のメインスイッチング素子14,16のオン・オフ制御を中心に説明する。
前記したように、ワイヤ断線の要因には、加工液によるワイヤ電極の冷却性能の他に、集中放電の発生に起因して局所的に加工エネルギーが過大になる加工エネルギーの不均衡がある。
そこで、この実施の形態1では、このような電源構成において、上部・下部のメインスイッチング素子14,16をオン・オフ制御して実施するメイン放電用電源8によるメイン放電電流の極間への供給を、極間に生ずる加工エネルギーの不均衡を少なくする形で実施できるようにするために、電流センサ17,18と、放電位置検出手段19と、加工エネルギー演算手段20と、加工エネルギー分布変更手段21aと、開閉パターン設定手段23と、発振器24とが設けられている。加工エネルギー分布変更手段21aは、給電パターン変更手段22aを備えている。
これらの構成と動作を説明する前に、図1と図2を参照して極間に生ずる加工エネルギーの不均衡を解消してワイヤ断線を回避する方法について説明する。なお、図2は、上部側・下部側の各片側給電時での放電位置と放電電流値との関係を説明する図である。
ワイヤ放電加工装置では、まず、サブ放電用電源7からワイヤ電極1と被加工物2との対向間隙(極間)にパルス電圧を印加してサブ放電(予備放電)を発生させる。その後、引き続きメイン放電用電源8から極間にパルス電圧が印加され、メイン放電電流が供給される。
この場合に、上部メインスイッチング素子14のみをオン動作させる上部側給電時でのメイン放電電流は、上部給電点5、ワイヤ電極1、加工間隙内の放電路、被加工物4を通ってメイン放電用電源8へと流れる。このような放電電流経路において、放電位置が上部給電点5から遠い位置で発生するほど、メイン放電用電源8から放電位置までのインピーダンスが高くなる。そのため、図2に示す特性(a)のように、上部側給電時でのメイン放電電流は、放電位置が加工間隙の上端側である場合には大きく、下端側である場合には小さくなる。
また、下部メインスイッチング素子16のみをオン動作させる下部側給電時でのメイン放電電流は、下部給電点6、ワイヤ電極1、加工間隙内の放電路、被加工物4を通ってメイン放電用電源8へと流れる。この場合には、上記とは逆に、放電位置が下部給電点6から遠い位置で発生するほど、メイン放電用電源8から放電位置までのインピーダンスが高くなる。そのため、下部側給電時での放電電流は、図2に示す特性(b)のように、放電位置が加工間隙の上端側である場合には小さく、下端側である場合には大きくなる。
このことは、上部側給電時或いは上下両側給電時に加工間隙の上端側で加工エネルギーが大きくなる場合は、下部側給電に切り替えて実施し、下部側給電時或いは上下両側給電時に加工間隙の下端側で加工エネルギーが小さい場合は、上部側給電に切り替えて実施すれば、さらに上下両側給電時に加工間隙の上端側と下端側との加工エネルギー差を小さくするように上部側・下部側の各給電態様を調整すれば、加工エネルギーの不均衡を改善でき、ワイヤ断線の回避と加工速度の改善とが可能になることを意味している。
そこで、図1において、開閉パターン設定手段23は、上部・下部のサブスイッチング素子10,12を同時にオン・オフ制御して上部・下部のサブフィーダ線9,11を閉路しサブ放電を起こさせる経路を作る指令である開閉パターンと、その後のメイン放電電流の供給時に、上部・下部のメインスイッチング素子14,16をオン・オフ制御して、上部・下部のメインフィーダ線13,15を同時に閉路状態にする場合と、上部・下部のメインフィーダ線13,15の一方を閉路状態にし他方を開路状態にする場合との3通りの開閉パターンとを初期設定する。このとき、この3通りの開閉パターンのそれぞれには、対応する給電路から給電する場合に、短絡が頻発せず、かつ加工速度にも優れたものとなるように、上部・下部のメインスイッチング素子14,16のオン・オフ制御タイミングとその回数(給電回数)とが設定されている。
開閉パターン設定手段23は、後述する発振器24に、まずサブ放電を起こさせる経路を作る指令である開閉パターンを与え、その後のメイン放電電流の供給時に、上記の3通りの開閉パターンを与えて、2つの片側給電方式と上下両給電方式を所定の割合で混在させ実施させる。
電流センサ17は、サブ放電時に上部サブフィーダ線9を流れるサブ放電電流を計測して放電位置検出手段19に与える。電流センサ18は、同様に、サブ放電時に下部サブフィーダ線11を流れるサブ放電電流を計測して放電位置検出手段19に与える。なお、電流センサ17,18は、上部・下部のメインフィーダ線15,16に設け、メイン放電電流を計測するようにしてもよい。
放電位置検出手段19は、電流センサ17が計測した上部給電点5経由の電流値と、電流センサ18が計測した下部給電点6経由の電流値とを用いて放電位置を算出する。
加工エネルギー演算手段20は、メイン放電時に開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンによる上記した内容の給電が実施されている場合の加工エネルギー積算時間中において放電位置検出手段19が算出して検出した放電位置毎にメイン放電電流値を積算し、上下方向に移動するワイヤ電極1の現在の加工位置での加工エネルギーを求める。
ここで、加工エネルギーの演算に必要な加工エネルギー積算時間は、現在の時刻からどれだけ過去の時刻までの放電電流値を加工エネルギーとして積算するかを規定する時間間隔である。この加工エネルギー積算時間の単位量には、ワイヤ電極の上下方向への移動距離や放電パルス数を用いても良い。なお、現在から過去の一定期間までの加工エネルギーは、時間で積算して求めるとして説明するが、その他、例えばローパスフィルタなどで平均化処理して求めてもよい。
この加工エネルギー積算時間は、短すぎても長すぎても、加工エネルギー分布変更手段21aにて現在の加工位置での加工エネルギー分布を正しく求めることができないので、次のような方法で適切に設定する必要がある。
すなわち、加工エネルギー積算時間が短すぎると、サンプルする放電パルス数が少ないために加工エネルギー分布を求めることができない。そこで、ワイヤ放電加工装置の一般的な放電周波数と、加工エネルギー分布を得るのに適切な放電パルス数とから考えると、積算時間は最低でも100μsec必要である。
一方、積算時間が長すぎると、ワイヤ電極1が既に通過した位置における放電電流値を加工エネルギーとして積算することになるので、ワイヤ電極1の上下方向への移動位置における加工エネルギーを正確に求めることができない。そこで、積算時間は、ワイヤ電極径の5倍の距離を加工する時間よりも短い必要がある。
加工エネルギー分布変更手段21aは、予め適切に定められた積算時間中の加工エネルギーを目標加工エネルギーとして記憶している。積算時間中の加工エネルギーを大きくすると加工速度は改善するが、ワイヤ断線が起きやすくなり、小さくするとその逆となる。そこで、加工エネルギー分布変更手段21aには、加工速度とワイヤ断線の起きにくさとのバランスが取れた積算時間中の加工エネルギーを目標加工エネルギーとして記憶させてある。
そして、加工エネルギー分布変更手段21aは、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンの実施による現在の給電状態における加工間隙の上下方向における加工エネルギーの分布を、加工エネルギー演算手段20が求めた加工エネルギーから求め、その求めた加工エネルギー分布と上記の目標加工エネルギーとの大小関係を比較して加工エネルギーの不均衡有無を調べ、加工エネルギー分布に不均衡が存在する場合は、その不均衡を解消できる所定の加工エネルギー分布が得られるように変更した開閉パターンを生成して発振器24に発行する。
これには2つの態様がある。第1の態様は、加工間隙の上端側と下端側との加工エネルギー差を小さくする加工エネルギー分布に変更した開閉パターンを生成する態様である。第2の態様は、加工エネルギー演算手段20が求めた加工エネルギーを上記の目標加工エネルギーに近づけるように変更した開閉パターンを生成する態様である。
ここで、この実施の形態1における加工エネルギー分布変更手段21aは、上記の2つの態様を具体的に実現する手段として、給電パターン変更手段22aを備えている。すなわち、給電パターン変更手段22aは、上記の第1の態様を、存在する加工エネルギーの不均衡の大きさに応じて、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを、前記上部側経路からの給電回数と前記下部側経路からの給電回数との比率を異ならせた開閉パターンに変更し、発振器24に発行することで実現する。
具体的に言えば、給電パターン変更手段22aは、上記の加工エネルギー分布が上記の目標工エネルギーよりも小さい場合、つまり加工エネルギーの不均衡がない場合には、開閉パターン設定手段23にて設定された開閉パターンと同じ内容の開閉パターンを生成して発振器24に発行する。
また、給電パターン変更手段22aは、上記の加工エネルギー分布が加工間隙の上端側で上記の目標工エネルギーよりも大きい場合には、開閉パターン設定手段23にて設定された開閉パターンにおける下部側給電回数比率を所定値よりも高い方に変更した開閉パターンを生成して発振器24に発行する。
また、給電パターン変更手段22aは、上記の加工エネルギー分布が加工間隙の下端側で上記の目標加工エネルギーよりも大きい場合には、開閉パターン設定手段23にて設定された開閉パターンにおける上部側給電回数比率を所定値よりも高い方に変更した開閉パターンを生成して発振器24に発行する。
そして、給電パターン変更手段22aは、上記の第2の態様を、加工エネルギー演算手段20が適切に設定された積算時間中に全ての放電位置におけるメイン放電電流値を積算して求めた加工エネルギーの大小に応じて、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを、前記上部側経路を用いる片側給電と前記下部側経路を用いる片側給電との給電回数比率を異ならせた開閉パターンに変更し、発振器24に発行することで実現する。
発振器24は、開閉パターン設定手段23から受け取った開閉パターンに従った給電を実施している場合に給電パターン変更手段22aから受け取った開閉パターンが同じであるときは、開閉パターン設定手段23から受け取った開閉パターンを使用する。つまり、開閉パターン設定手段23から受け取った開閉パターンに指定された給電回数比率を使用してその給電回数だけ対応するスイッチング素子をオン・オフ制御する駆動信号を出力することを継続する。
これによって、極間(加工間隙)にワイヤ断線を起こさせるような加工エネルギーの不均衡が存在しない場合には、開閉パターン設定手段23に設定されている開閉パターンによって2つの片側給電と上下両側給電とが混在する形で実施されるが、開閉パターン設定手段23に設定されている開閉パターンには、短絡を頻発せず、加工速度にも優れた高い給電回数比率が設定されているので、加工速度を改善することができる。
また、発振器24は、開閉パターン設定手段23から受け取った開閉パターンに従った上記した混在態様の給電を実施している場合に、給電パターン変更手段22aから受け取った開閉パターンが異なるときは、開閉パターン設定手段23から受け取った開閉パターンを使用せず、給電パターン変更手段22aから受け取った開閉パターンに従って、その指定する給電路(2つの片側給電路の一方の給電路)において指定された給電回数比率の給電を実施するように、スイッチング素子をオン・オフ制御する駆動信号を出力する。
これによって、極間にワイヤ断線を起こさせるような加工エネルギーの不均衡が上部側給電と下部側給電のいずれか一方の片側給電時に存在する場合には、いずれか他方の片側給電に切り替えて給電回数比率を高くするように変更した開閉パターンによって給電が実施されるので、片側給電時でのワイヤ断線を回避することができる。
また、給電パターン変更手段22aから、加工エネルギー演算手段20が積算時間中に求めた加工エネルギーの大小に応じて、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを、2つの片側給電と上下両側給電との給電回数比率を異ならせた開閉パターンを受け取って実施する場合は、ワイヤ断線の回避と加工速度の改善とが行える。
以上のように、この実施の形態1によれば、現在時刻から過去の一定期間内における加工エネルギーから求めた加工エネルギー分布から加工エネルギーの不均衡有無を調べ、上部側給電路と下部側給電路との間でワイヤ断線を起こすほどの加工エネルギー差が存在する場合は、現在実施している開閉パターンを、その加工エネルギー差を小さくするように給電回数比率を変更した開閉パターンに切り換えて給電を実施するので、より安全度の高いワイヤ断線回避が可能になる。
また、現在時刻から過去の一定期間内における加工エネルギーの大小に応じて、現在給電を実施している開閉パターンを、上下両側給電と2つの片側給電との給電回数比率が異なるように変更した開閉パターンに切り換えて給電を実施するので、ワイヤ断線の回避と加工速度の改善とが可能になる。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるワイヤ放電加工装置の要部構成を示す概念図である。なお、図3では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
この実施の形態2では、給電パルスエネルギーを変更することによって加工エネルギーの不均衡を改善する方法について説明する。すなわち、図3に示すように、この実施の形態2によるワイヤ放電加工装置は、図1(実施の形態1)に示した構成において、加工エネルギー分布変更手段21aに代えて加工エネルギー分布変更手段21bが設けられ、この加工エネルギー分布変更手段21bは、給電パルスエネルギー変更手段25aを備えている。
加工エネルギー分布変更手段21bには、ワイヤ断線が少なく加工速度にも優れた加工が行える目標加工エネルギーを記憶させてある。そして、加工エネルギー分布変更手段21bは、加工エネルギー演算手段20が求めた加工エネルギーから、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンによる現在の給電状態である加工間隙の上下方向における加工エネルギーの分布を求め、その求めた加工エネルギー分布と上記の目標加工エネルギーとの大小関係を比較して加工エネルギーの不均衡有無を調べ、加工エネルギー分布に不均衡が存在する場合は、前記不均衡を解消できる所定の加工エネルギー分布が得られるように変更した開閉パターンを生成して発振器24に発行する。
これには、2つの態様がある。第1の態様は、被加工物4の肉厚方向の上端側と下端側との加工エネルギー差を小さくする加工エネルギー分布に変更した開閉パターンを生成する態様である。第2の態様は、加工エネルギー演算手段20が求めた加工エネルギーを上記の目標加工エネルギーに近づけるように変更した開閉パターンを生成する態様である。
ここで、この実施の形態2における加工エネルギー分布変更手段21bは、上記の2つの態様を具体的に実現する手段として、給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを変更する給電パルスエネルギー変更手段25aを備えている。なお、給電パルスエネルギー変更する方法には、給電電流値を増減する方法と給電時間長を増減する方法とがあるが、いずれの方法を採用してもよい。以下に具体的な構成例を示す。
すなわち、給電電流値を増減する方法を採る場合には、上部・下部のスイッチング素子14,16をそれぞれ複数個並列に設け、上部・下部のそれぞれで同時にオン動作するスイッチング素子の数を増減できるようにすればよい。この場合、同時にオン動作するスイッチング素子の数は、放電電流経路のインピーダンスなどの物理的な特性に応じて定めることになる。また、給電時間長を増減する方法を採る場合には、上部・下部のスイッチング素子14,16は、それぞれ個別にオン・オフ制御できるので、それぞれのオン動作時間幅を増減すればよい。この場合に増減するオン動作時間幅も放電電流経路のインピーダンスなどの物理的な特性に応じて定めることになる。
さて、給電パルスエネルギー変更手段25aは、上記の第1の態様を、存在する加工エネルギーの不均衡の大きさに応じて、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを、前記上部側経路からの給電時と前記下部側経路からの給電時とで給電パルスエネルギーを異ならせた開閉パターンに変更して発振器24に発行することで実現する。
具体的に言えば、給電パルスエネルギー変更手段25aは、上記の加工エネルギー分布が上記の目標工エネルギーよりも小さい場合、つまり加工エネルギーの不均衡がない場合には、開閉パターン設定手段23にて設定された開閉パターンと同じ内容の開閉パターンを生成し、発振器24に発行する。
また、給電パルスエネルギー変更手段25aは、上記の加工エネルギー分布が被加工物4の上端側で上記の目標工エネルギーよりも大きい場合には、開閉パターン設定手段23にて設定された開閉パターンによる上部側給電時での給電パルスエネルギーを所定値よりも小さい方に変更した開閉パターンを生成し、或いは、開閉パターン設定手段23にて設定された開閉パターンによる下部側給電時での給電パルスエネルギーを所定値よりも高い方に変更した開閉パターンを生成し、発振器24に発行する。
また、給電パルスエネルギー変更手段25aは、上記の加工エネルギー分布が被加工物4の下端側で上記の目標加工エネルギーよりも大きい場合には、開閉パターン設定手段23にて設定された開閉パターンによる上部側給電時での給電パルスエネルギーを所定値よりも高い方に変更した開閉パターンを生成し、或いは、開閉パターン設定手段23にて設定された開閉パターンによる下部側給電時での給電パルスエネルギーを所定値よりも小さい方に変更した開閉パターンを生成し、発振器24に発行する。
なお、給電パルスエネルギー変更手段25aは、開閉パターン設定手段23にて設定された開閉パターンによる上下両側給電時では、上記した内容の給電パルスエネルギーの変更処理を、上部側給電と下部側給電とで同時に実施する場合もある。
そして、給電パルスエネルギー変更手段25aは、上記の第2の態様を、加工エネルギー演算手段20が適切に設定された積算時間中に全ての放電位置におけるメイン放電電流値を積算して求めた加工エネルギーの大小に応じて、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを、前記上部側経路と前記下部側経路のいずれか一方を用いる2つの片側給電時と双方を同時に用いる上下両側給電時とで給電パルスエネルギーを異ならせた開閉パターンに変更し、発振器24に発行することで実現する。
発振器24は、開閉パターン設定手段23から受け取った開閉パターンに従った給電を実施している場合に、給電パルスエネルギー変更手段25aから受け取った開閉パターンが同じであるときは、開閉パターン設定手段23から受け取った開閉パターンを使用し、つまり、現在実施しているのと同じ給電パルスエネルギーを供給できるように対応するスイッチング素子をオン・オフ制御する駆動信号を出力する。
これによって、極間にワイヤ断線を起こさせるような加工エネルギーの不均衡が存在しない場合には、開閉パターン設定手段23に設定されている開閉パターンによって上下両側給電と2つの片側給電とが混在する形で実施されるが、開閉パターン設定手段23に設定されている開閉パターンを実施する場合は、短絡を頻発せず加工速度にも優れた高い給電パルスエネルギーを給電路に投入できるので、加工速度を改善することができる。
また、発振器24は、開閉パターン設定手段23から受け取った開閉パターンに従った上記した混在態様の給電を実施している場合際に、給電パルスエネルギー変更手段25aから受け取った開閉パターンが異なるときは、開閉パターン設定手段23から受け取った開閉パターンを使用せず、給電パルスエネルギー変更手段25aから受け取った開閉パターンに従って、その指定された給電路(2つの片側給電路の一方または双方の給電路)において指定された給電パルスエネルギーを供給できるように対応するスイッチング素子をオン・オフ制御する駆動信号を出力する。
これによって、極間にワイヤ断線を起こさせるような加工エネルギーの不均衡が例えば上部側給電と下部側給電のいずれか一方の片側給電時に存在する場合には、いずれか他方の片側給電時での給電パルスエネルギーを高くするように変更した開閉パターンによって給電が実施されるので、片側給電時でのワイヤ断線を回避することができ、また加工速度の改善が図れる。
また、給電パルスエネルギー変更手段25aから、加工エネルギー演算手段20が積算時間中に求めた加工エネルギーの大小に応じて、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを、2つの片側給電時と上下両側給電時とで給電パルスエネルギーを異ならせた開閉パターンを受け取って実施する場合は、上記と同様に、ワイヤ断線の回避と加工速度の改善とが行える。
以上のように、この実施の形態2によれば、現在時刻から過去の一定期間内における加工エネルギーから求めた加工エネルギー分布から加工エネルギーの不均衡有無を調べ、上部側給電路と下部側給電路との間でワイヤ断線を起こすほどの加工エネルギー差が存在する場合は、現在実施している開閉パターンを、その加工エネルギー差を小さくするように給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを変更した開閉パターンを用いて給電を実施するので、より安全度の高いワイヤ断線回避が可能になる。
また、現在時刻から過去の一定期間内における加工エネルギーの大小に応じて、現在給電を実施している開閉パターンを、上下両側給電時と2つの片側給電時とで給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーが異なるように変更した開閉パターンに切り換えて給電を実施するので、ワイヤ断線の回避と加工速度の改善とが可能になる。
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3によるワイヤ放電加工装置の要部構成を示す概念図である。なお、図4では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
図4に示すように、この実施の形態3によるワイヤ放電加工装置は、図1(実施の形態1)に示した構成において、加工エネルギー分布変更手段21aに代えて加工エネルギー分布変更手段21cが設けられている。加工エネルギー分布変更手段21cは、加工エネルギー演算手段20の出力を受ける参照加工パルスエネルギー設定手段26と、参照加工パルスエネルギー設定手段26の出力を受ける給電パターン変更手段22bとを備え、給電パターン変更手段22bの出力が発振器24に与えられる。
参照加工パルスエネルギー設定手段26は、加工エネルギー演算装置20の出力目標として参照する参照加工パルスエネルギーが設定されている。参照加工パルスエネルギー設定手段26は、加工エネルギー演算装置20から適切に設定された積算時間中に求めた加工エネルギーを受け取ると、その求めた加工エネルギーとそれに対する参照加工パルスエネルギーとを給電パターン変更手段22bに与える。
給電パターン変更手段22bは、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが参照加工エネルギーに近づくように給電回数比率を変更した開閉パターンを生成して発振器24に与える。
具体的に言えば、給電パターン変更手段22bは、参照加工エネルギーに対して、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが加工間隙の上端側で大きい場合と下端側で小さい場合とでは、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを、上部側給電回数比率の低い開閉パターンに変更して発振器24に与える。
また、給電パターン変更手段22bは、参照加工エネルギーに対して、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが加工間隙の上端側で小さい場合と下端側で大きい場合とでは、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを、上部側給電回数比率の高い開閉パターンに変更して発振器24に与える。
さらに、給電パターン変更手段22bは、参照加工エネルギーに対して、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが加工間隙の上端側と下端側とで共に大きい場合に、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを上下両側給電回数比率の低い開閉パターンに変更し、逆に加工エネルギーが加工間隙の上端側と下端側とで共に小さい場合は、開閉パターン設定手段23が設定した開閉パターンを上下両側給電回数比率の高い開閉パターンに変更し、それぞれを発振器24に与える。
ここで、実施の形態1では、加工エネルギーの不均衡がある場合に開閉パターンの変更を行い、ワイヤ電極上で均一な加工エネルギー分布を実現することによってワイヤ断線を回避する方法を示した。
しかし、加工条件によっては、ワイヤ電極上の加工エネルギー分布を均一にするのではなく、放電位置に応じた特定の不均一分布とした方が好ましい場合もある。そのような場合に、この実施の形態3では、その特定の不均一分布を参照加工エネルギーとして参照加工エネルギー設定手段26に設定することで対応することが可能となる。以下に具体的な適用例を2つ示す。
第1の適用例として、ワイヤ電極減耗によって起きるワイヤ断線の回避について説明する。ワイヤ電極1は、被加工物4の上方側から下方側に向かって搬送されるが、ワイヤ電極1は、加工間隙の上端側から下端側に向かって移動する過程で、放電によって減耗し細くなる。特に、ワイヤ電極1の送り速度が低い場合や放電1パルスのエネルギーが大きい場合は、ワイヤ電極1の減耗量が増える。そのため、放電位置が加工間隙の上端側にある場合と下端側にある場合とで均一な加工エネルギーにしていると、加工間隙の下端側に対応する位置でワイヤ電極1に断線が起こりやすくなる。
そこで、上記のようにワイヤ電極減耗の程度が大きくなる場合には、放電位置が加工間隙の下端側にある場合は、上端側にある場合よりも加工エネルギーが小さくなるような参照加工エネルギーを設定する。これによって、減耗のために細くなったワイヤ電極1の加工間隙の下端側に対応する位置での加工エネルギーが小さくなるので、ワイヤ断線を回避することが可能となる。
第2の適用例は、加工間隙に溜まる加工屑の量が加工間隙の上端側と下端側とで異なる場合に起きるワイヤ断線の回避について説明する。ワイヤ放電加工装置では、前記したように、ワイヤ電極1と被加工物4と間の加工間隙に加工液を噴射して加工屑を排除するため、ワイヤ電極1と同軸上における被加工物4の上方と下方とのそれぞれに加工液ノズルが設けられているが、それらの加工液ノズルの配置位置によっては、被加工物4の上方と下方とから加工間隙に流入する加工液流量に異なることが起こる。そうすると、加工間隙において流入する加工液が少ない側では、加工屑が溜まりやすいので、放電周波数が高くなり、ワイヤ断線が起こりやすくなる。
そこで、加工間隙の上端側に流入する加工液が少ない場合は、加工間隙の上端側に対応する位置でワイヤ断線が起こりやすくなるので、放電位置が加工間隙の上端側にある場合は、下端側にある場合よりも加工エネルギーが小さくなるような参照加工エネルギーを設定する。
逆に、加工間隙の下端側に流入する加工液が少ない場合は、加工間隙の下端側に対応する位置でワイヤ断線が起こりやすくなるので、放電位置が加工間隙の下端側にある場合には、上端側にある場合よりも加工エネルギーが小さくなるような参照加工エネルギーを設定する。
これによって、加工間隙に上端側と下端側とからそれぞれ流入する加工液の量に差があるために、流入する加工液が少なく放電周波数の高くなる加工間隙の上端側や下端側に対応する位置でのワイヤ電極1では、加工エネルギーが小さくなり、ワイヤ断線を回避することが可能となる。
以上のように、この実施の形態3によれば、現在時刻から過去の一定期間内における加工エネルギーの目標値として参照加工エネルギーを予め設定し、両者の大小関係から、現在実施している開閉パターンを、その加工エネルギー差を小さくするように給電回数比率を変更した開閉パターンに切り換えて給電を実施するので、より安全度の高いワイヤ断線回避が可能になる。
加えて、参照加工エネルギーを放電位置に応じた特定の不均一分布を与えるように設定することで、例えばワイヤ電極の減耗や加工液量の上下不均衡によるワイヤ断線を回避できる。
実施の形態4.
図5は、この発明の実施の形態4によるワイヤ放電加工装置の要部構成を示す概念図である。なお、図5では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態4に関わる部分を中心に説明する。
図5に示すように、この実施の形態4によるワイヤ放電加工装置は、図1(実施の形態1)に示した構成において、加工エネルギー分布変更手段21aに代えて加工エネルギー分布変更手段21dが設けられている。加工エネルギー分布変更手段21dは、加工エネルギー演算手段20の出力を受ける前述した参照加工パルスエネルギー設定手段26と、参照加工パルスエネルギー設定手段26の出力を受ける給電パルスエネルギー変更手段25bとを備え、給電パルスエネルギー変更手段25bの出力が発振器24に与えられる。参照加工パルスエネルギー設定手段26は、実施の形態3にて説明したので、ここでは、給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを変更する給電パルスエネルギー変更手段25bについて説明する。なお、給電パルスエネルギーの変更方法には、実施の形態2にて説明したように、給電電流値を増減する方法と給電時間長を増減する方法とがある。いずれの方法を採用してもよい。
給電パルスエネルギー変更手段25bは、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが参照加工エネルギーに近づくように給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを変更した開閉パターンを生成して発振器24に与える。
具体的に言えば、給電パルスエネルギー変更手段25bは、参照加工エネルギーに対して、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが加工間隙の上端側で大きい場合は上部側給電時での給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを小さくした開閉パターンに変更して発振器24に与える。
また、給電パルスエネルギー変更手段25bは、参照加工エネルギーに対して、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが加工間隙の上端側で小さい場合は上部側給電時での給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを大きくした開閉パターンに変更して発振器24に与える。
また、給電パルスエネルギー変更手段25bは、参照加工エネルギーに対して、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが加工間隙の下端側で大きい場合は下部側給電時での給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを小さくした開閉パターンに変更して発振器24に与える。
また、給電パルスエネルギー変更手段25bは、参照加工エネルギーに対して、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが加工間隙の下端側で小さい場合は下部側給電時での給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを大きくした開閉パターンに変更して発振器24に与える。
さらに、給電パルスエネルギー変更手段25bは、参照加工エネルギーに対して、加工エネルギー演算装置20が求めた加工エネルギーが加工間隙の上端側と下端側とで共に小さい場合に、上下両側給電時での給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを大きくした開閉パターンに変更し、逆に加工エネルギーが加工間隙の上端側と下端側とで共に大きい場合は、上下両側給電時での給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを小さくした開閉パターンに変更し、それぞれを発振器24に与える。
この構成においても、参照加工エネルギーを放電位置に応じた特定の不均一分布を与えるように設定することができ、ワイヤ電極の減耗や加工液量の上下不均衡によるワイヤ断線を回避できる。
以上のように、この実施の形態4によれば、現在時刻から過去の一定期間内における加工エネルギーの目標値として参照加工エネルギーを予め設定し、両者の大小関係から、現在の給電方式で実施する開閉パターンを、その加工エネルギー差を小さくするように給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを変更した開閉パターンに切り換えて給電を実施するので、より安全度の高いワイヤ断線回避が可能になる。
加えて、参照加工エネルギーを放電位置に応じた特定の不均一分布を与えるように設定することで、例えばワイヤ電極の減耗や加工液量の上下不均衡によるワイヤ断線を回避できる。
なお、実施の形態3,4では、加工エネルギー分布変更手段21c,21dは、参照加工パルスエネルギー設定手段26と給電パターン変更手段22bあるいは給電パルスエネルギー変更手段25bとを備える場合を示したが、参照加工パルスエネルギー設定手段26のみを備える場合でも、加工エネルギー分布変更手段21c,21dにおいて、加工エネルギー演算手段20が求める加工エネルギーと前記参照加工エネルギーとの差を小さくする加工エネルギー分布に変更した開閉パターンを生成するようにすれば、加工エネルギー分布を最適な加工エネルギー分布に近づけることができるので、ワイヤ断線回避が可能になる。そして、上記と同様に、ワイヤ電極の減耗や加工液量の上下不均衡によるワイヤ断線を回避できる。
以上のように、この発明にかかるワイヤ放電加工装置は、極間で生じているエネルギーの不均衡に基づくワイヤ断線を回避して加工速度を改善するのに有用である。

Claims (15)

  1. ワイヤ電極と被加工物との加工間隙である極間に加工電源から放電電流を供給する給電路として、前記被加工物の上部側において前記ワイヤ電極に摺接して設けられる上部側給電点を経由する上部側経路と前記被加工物の下部側において前記ワイヤ電極に摺接して設けられる下部側給電点を経由する下部側経路とを備える場合に、
    前記上部側経路と前記下部側経路とのそれぞれを個別に開閉できる上部側経路開閉手段及び下部側経路開閉手段と、
    前記上部側経路と前記下部側経路とのいずれか一方の経路を用いる片側給電方式と双方の経路を同時に用いる上下両側給電方式とを混在させて給電を実施させるとともに、各給電方式において所望の給電態様を実現する指令として前記上部側・下部側の経路開閉手段を個別にまたは同時に開閉制御する開閉パターンを設定する開閉パターン設定手段と、
    前記上部側給電点及び前記下部側給電点から前記極間にそれぞれ供給されるサブ放電電流またはメイン放電電流の値に基づき放電位置を検出する放電位置検出手段と、
    現在の時刻から過去の一定期間までの期間内における前記放電位置検出手段が検出した放電位置毎のメイン放電電流値から前記ワイヤ電極の現在位置での加工エネルギーを求める加工エネルギー演算手段と、
    前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーから得られた前記加工間隙の上下方向における加工エネルギー分布に不均衡が存在する場合は、前記不均衡を解消できる所定の加工エネルギー分布が得られるように変更した開閉パターンを生成する加工エネルギー分布変更手段と、
    前記上部側・下部側の経路開閉手段の開閉制御を、前記開閉パターン設定手段からの開閉パターンに従って実施する過程で、前記加工エネルギー分布変更手段から変更した開閉パターンを受け取った場合はその変更した開閉パターンに従って実施する駆動手段と
    を備えていることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 前記加工エネルギー分布変更手段は、前記加工エネルギーの不均衡が存在する場合、前記加工間隙の上端側と下端側との加工エネルギー差を小さくする加工エネルギー分布に変更した開閉パターンを生成することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記加工エネルギー分布変更手段は、前記加工エネルギーの不均衡が存在する場合、前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーを予め定めた適切な加工エネルギーに近づけるように変更した開閉パターンを生成することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    存在する前記加工エネルギーの不均衡の大きさに応じて、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記上部側経路からの給電回数と前記下部側経路からの給電回数との比率を異ならせた開閉パターンに変更する給電パターン変更手段
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  5. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーの大小に応じて、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記2つの片側給電と前記上下両側給電との給電回数比率を異ならせた開閉パターンに変更する給電パターン変更手段
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  6. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    存在する前記加工エネルギーの不均衡の大きさに応じて、前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーを予め定めた適切な加工エネルギーに近づけるように、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記上部側経路を用いた給電時と前記下部側経路を用いた給電時とにおける給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを異ならせた開閉パターンに変更する給電パルスエネルギー変更手段
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  7. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーの大小に応じて、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記2つの片側給電と前記上下両側給電とにおける給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを異ならせた開閉パターンに変更する給電パルスエネルギー変更手段
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  8. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求める加工エネルギーの目標値を与える参照加工エネルギーを設定する参照加工エネルギー設定手段を備え、前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーと前記参照加工エネルギーとの差を小さくする加工エネルギー分布が得られるように変更した開閉パターンを生成することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  9. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求める加工エネルギーの目標値を与える参照加工エネルギーであって前記加工間隙の上端側と下端側とで異なる加工エネルギー値を与える参照加工エネルギーを設定する参照加工エネルギー設定手段を備え、前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーと前記参照加工エネルギーとの差を小さくする加工エネルギー分布が得られるように変更した開閉パターンを生成することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  10. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求める加工エネルギーの目標値を与える参照加工エネルギーを設定する参照加工エネルギー設定手段と、
    前記加工エネルギー演算手段が求める加工エネルギーと前記参照加工エネルギーとの差を小さくするように、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記2つの片側給電と前記上下両側給電との給電回数比率を異ならせた開閉パターンに変更する給電パターン変更手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  11. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求める加工エネルギーの目標値を与える参照加工エネルギーであって前記加工間隙の上端側と下端側とで異なる加工エネルギー値を与える参照加工エネルギーを設定する参照加工エネルギー設定手段と、
    前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーと前記参照加工エネルギーとの差を小さくするように、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記2つの片側給電と前記上下両側給電との給電回数比率を異ならせた開閉パターンに変更する給電パターン変更手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  12. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求める加工エネルギーの目標値を与える参照加工エネルギーを設定する参照加工エネルギー設定手段と、
    前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーと前記参照加工エネルギーとの差を小さくするように、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記上部側経路を用いた給電時と前記下部側経路を用いた給電時とにおける給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを異ならせた開閉パターンに変更する給電パルスエネルギー変更手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  13. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求める加工エネルギーの目標値を与える参照加工エネルギーであって前記加工間隙の上端側と下端側とで異なる加工エネルギー値を与える参照加工エネルギーを設定する参照加工エネルギー設定手段と、
    前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーと前記参照加工エネルギーとの差を小さくするように、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記上部側経路を用いた給電時と前記下部側経路を用いた給電時とにおける給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを異ならせた開閉パターンに変更する給電パルスエネルギー変更手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  14. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求める加工エネルギーの目標値を与える参照加工エネルギーを設定する参照加工エネルギー設定手段と、
    前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーと前記参照加工エネルギーとの差を小さくするように、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記2つの片側給電時と前記上下両側給電時とにおける給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを異ならせた開閉パターンに変更する給電パルスエネルギー変更手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  15. 前記加工エネルギー分布変更手段は、
    前記加工エネルギー演算手段が求める加工エネルギーの目標値を与える参照加工エネルギーであって前記加工間隙の上端側と下端側とで異なる加工エネルギー値を与える参照加工エネルギーを設定する参照加工エネルギー設定手段と、
    前記加工エネルギー演算手段が求めた加工エネルギーと前記参照加工エネルギーとの差を小さくするように、前記開閉パターン設定手段が設定した開閉パターンを、前記2つの片側給電時と前記上下両側給電時とにおける給電1パルス当たりの給電パルスエネルギーを異ならせた開閉パターンに変更する給電パルスエネルギー変更手段と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
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