JP6127423B2 - 電源装置、ワイヤ放電加工装置、その制御方法およびプログラム - Google Patents

電源装置、ワイヤ放電加工装置、その制御方法およびプログラム Download PDF

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Description

本願発明は、電源装置、ワイヤ放電加工装置、その制御方法およびプログラムの技術に関する。
従来よりシリコンインゴットを多数の薄片にスライスするための装置としてワイヤソーが知られているが、ワイヤ放電加工により部材を薄板に加工する技術がある。
先行文献には、放電開始等の状態を判別するための副電源から電圧を印加した後に、実際に加工をおこなう主電源のエネルギーを投入するタイミングを検知するために、極間の電圧を検知する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
特開2005−161446号公報
しかしながら特許文献1には、電源の設定条件によっては、給電するワイヤの本数が多くなるとワーク送り制御に利用するための電圧が取得しづらくなってしまうという問題を解決する方法に関しては何ら開示されていない。
本発明は、ワーク送り制御に利用する情報をより確実に取得することができる仕組みを提供することを目的とする。
本願発明は、ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するために、前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して、給電子1個により電圧を一括で印加し、前記給電子1個により前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加する場合に、前記放電加工に必要な電流を供給する電源パルスと放電を誘発する副電源パルスとをそれぞれ異なるタイミングで印加する電源装置であって、前記給電子1個により、前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加した場合の、当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧を一括取得する取得手段と、前記取得手段が一括取得した当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧のうち、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が開始されるまでの時間だけ前記極間における電圧を測定し、前記時間だけ測定した前記極間における第2の電圧を利用して、ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するための前記極間の距離を調整する調整手段と、を備えることを特徴とする。






また、前記時間だけ前記極間における第2の電圧を測定する測定パルスを生成する生成手段をさらに備え、前記生成した測定パルスの所定間隔に同期して、前記取得手段が取得した前記極間における第1の電圧のうち、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が開始されるまでの時間だけ前記極間における電圧を測定することを特徴とする。
また、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が0.3μ秒以上遅延させて開始されることを特徴とする。
また、記副電源パルスを0.3μ秒以上印加することを特徴とする。


また、前記給電子1個から、前記ワイヤに一括で前記電源パルスを供給する加工電源をさらに備え、前記加工電源から供給される前記放電加工に必要な電流を制限する抵抗が、0.1Ω以下であることを特徴とする。
また、前記給電子1個から、前記ワイヤに一括で前記副電源パルスを供給する副電源をさらに備え、前記副電源から供給される電流を制限する抵抗は0.5Ω以上であることを特徴とする。
本発明により、ワーク送り制御に利用する情報をより確実に取得することができる仕組みを提供することが可能となる。
本発明におけるマルチワイヤ放電加工システムのハードウエア構成を示す図。 本発明におけるマルチワイヤ放電加工装置のハードウエア構成を示す図。 本発明における給電子のハードウエア構成を示す図。 従来技術におけるにおける電気回路図を示す図。 従来技術におけるマルチワイヤ放電加工装置における電気配線を示す図。 本発明における放電パルスを示す図。 本発明におけるにおける電気回路を示す図。 本発明におけるマルチワイヤ放電加工システムにおける電気配線を示す図。 従来技術における加工電源および副電源の印加パルスを示す図。 本発明における極間電圧の取得方法のハードウエア構成を示す図。 本発明における加工電源および副電源の印加パルスを示す図。
図1を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るマルチワイヤ放電加工機1を前方から見た外観図である。尚、図1に示す各機構の構成は一例であり、目的や用途に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
図1は本発明におけるマルチワイヤ放電加工システムの構成を示す図である。マルチワイヤ放電加工システムは、マルチワイヤ放電加工装置1、電源装置2、加工液供給装置50から構成されている。
マルチワイヤ放電加工システムは、放電により並設された複数本のワイヤの間隔で被加工物を薄片にスライスすることができる。
1はマルチワイヤ放電加工装置であり、1には、サーボモータにより駆動されるワーク送り装置3がワイヤ103上部に設けられ上下方向にワーク105を移動できる。本発明ではワーク105が下方向に送られ、ワーク105とワイヤ103の間で放電加工がおこなわれるが、ワーク送り装置3をワイヤ103の下部へ設けワーク105を上方向へ移動してもよい。
2は電源装置であり、電源装置は並設されている複数のワイヤ103とワークとの極間に、図11に示すように、加工電源パルスと副電源パルスとがそれぞれ異なるタイミングで印加されることで、ワーク105を放電加工する。
電源装置2はさらに、サーボモータを制御する放電サーボ制御回路が放電の状態に応じて効率よく放電を発生させるために放電ギャップ(極間G)を一定の隙間に保つように制御し、またワーク位置決めを行い、放電加工を進行させる。
加工電源回路(図7)は、放電加工のための放電パルスをワイヤ103へ供給するとともに、放電ギャップで発生する短絡などの状態に適応する制御を行いまた放電サーボ制御回路への放電ギャップ信号を供給する。
50は加工液供給装置であり、50は、放電加工部の冷却、加工チップ(屑)の除去に必要な加工液をポンプによりワーク105とワイヤ103へ送液する共に、加工液中の加工チップの除去、イオン交換による電導度(1μS〜250μS)の管理、液温(20℃付近)の管理を行う。おもに水が使用されるが、放電加工油を用いることもできる。
8,9はメインローラであり、メインローラには、所望する厚さで加工出来るようにあらかじめ決められたピッチ、数で溝が形成されており、ワイヤ供給ボビンからの張力制御されたワイヤが2つのメインローラに必要数巻きつけられ、巻き取りボビンへ送られる。ワイヤ速度は100m/minから900m/min程度が用いられる。
2つのメインローラが同じ方向でかつ同じ速度で連動して回転することにより、ワイ
ヤ繰出し部から送られた1本のワイヤ103がメインローラ(2つ)の外周を周回し、並設されている複数本のワイヤ103を同一方向に走行させる(走行手段)ことができる。
ワイヤ103は図8に示すように、1本の繋がったワイヤであり、図示しないボビンから繰り出され、メインローラの外周面のガイド溝(図示しない)に嵌め込まれながら、当該メインローラの外側に多数回(最大で2000回程度)螺旋状に巻回された後、図示しないボビンに巻き取られる。
マルチワイヤ放電加工機1は、電源ユニット2と電線513を介して接続されており、電源ユニット2から供給される電力により作動する。
マルチワイヤ放電加工機1は、図1に示すように、マルチワイヤ放電加工機1の土台として機能するブロック15と、ブロック15の上部の中に設置されている、ブロック20と、ワーク送り装置3と、接着部4と、シリコンインゴット105と、加工液漕6と、メインローラ8と、ワイヤ103と、メインローラ9と、給電ユニット10と、給電子104と、を備えている。
図2を説明する。
図2は、図1に示す点線16枠内の拡大図である。
8,9はメインローラであり、メインローラにワイヤ103が複数回巻きつけられており、メインローラに刻まれた溝に従い、所定ピッチでワイヤ103が整列している。
メインローラは中心に金属を使用し、外側は樹脂で覆う構造である。
メインガイドローラの間中央部の下部に、加工電源からの放電パルスを供給するため
に給電子104が設けられていてワイヤ103の10本と接触させている(図3)。
給電子104の配置は、シリコンインゴット105の両端よりワイヤの長さが等しくなる位置を中心に設けてある。
給電子104は、機械的摩耗に強く、導電性があることが要求され超硬合金が使用されている。
メインローラの間中央部の上部に、シリコンインゴット105を配置、ワーク送り装置3に取付け上下方向に移動し加工を行う。
メインローラの間中央部に加工液槽6を設け、ワイヤ103およびシリコンインゴット105を浸漬し、放電加工部の冷却、加工チップの除去を行う
図3のように、ワイヤ104の本数を10本に対して接触する給電子104を1個で示しているが、給電子あたりのワイヤ本数や給電子の総数は必要数に応じて増やすことは言うまでもない。
ブロック20は、ワーク送り装置3と接合されている。また、ワーク送り装置3は、シリコンインゴット105(ワーク)と接着部4により接着(接合)されている。
本実施例では、加工材料(ワーク)として、シリコンインゴット105を例に説明する。
接着部4は、ワーク送り装置3と、シリコンインゴット105(ワーク)とを接着(接合)するためのものであれば何でもよく、例えば、電導性の接着剤が用いられる。
ワーク送り装置3は、接着部4により接着(接合)されているシリコンインゴット105を上下方向に移動する機構を備えた装置であり、ワーク送り装置3が下方向に移動することにより、シリコンインゴット105をワイヤ103に近づけることが可能となる。
加工液漕6は、加工液を溜めるための容器である。加工液は、例えば、抵抗値が高い脱イオン水である。ワイヤ103と、シリコンインゴット105との間に、加工液を設けられることにより、ワイヤ103と、シリコンインゴット105との間で放電が起き、シリコンインゴット105を削ることが可能となる。
メインローラ8、9には、ワイヤ103を取り付けるための溝が複数列形成されており、その溝にワイヤ103が取り付けられている。そして、メインローラ8、9が右又は左回転することにより、ワイヤ103が走行する。
また、図2に示すように、ワイヤ103は、メインローラ8、9に取り付けられ、メインローラ8、9の上側、及び下側にワイヤ列を形成している。
また、ワイヤ103は、伝導体であり、電源ユニット2から電圧が供給された給電ユニット10の給電子104と、ワイヤ103とが接触することにより、当該供給された電圧が給電子104からワイヤ103に印加される。(給電子104がワイヤ103に電圧を印加している。)
そして、ワイヤ103と、シリコンインゴット105との間で放電が起き、シリコンインゴット105を削り(放電加工を行い)、薄板状のシリコン(シリコンウエハ)を作成することが可能となる。
図3を説明する。
図3は、給電子104の拡大図を示す。
給電子104(1個)はワイヤ103(10本)と接触している。
ワイヤ103同士の間隔(ワイヤのピッチ)は0.3mm程度である。
図4を説明する。
図4は従来方式であるワイヤ毎に個別に放電電流を給電する個別給電での電気回路400を示す図である。
401は加工電源(Vm)である。放電加工に必要な電流を供給するために設定される電圧である。Vmは60V〜200Vで任意の電圧に設定することができる。
402は加工電源(Vs)である。放電を誘発するために設定される電圧である。さらにワイヤとワークとの間にて極間電圧(極間電流)の状態をモニターする目的にも使用される。Vsは60V〜300Vで任意の電圧に設定することができる。
403はトランジスタ(Tr2)である。加工電源VmのON(導通)状態とOFF(非導通)状態をスイッチングで切り替える。
404はトランジスタ(Tr1)である。加工電源VsのON(導通)状態とOFF(非導通)状態をスイッチングで切り替える。
405は電流制限抵抗体(Rm)である。固定の抵抗値を設定することで、1本毎のワイヤ電流(Iw)や放電電流(Ig)を制限する。Rmは1Ω〜100Ωで任意の抵抗値に設定することができる。つまりVm=60V(ボルト)、Vg=30V、Rm=10Ωとした場合で、Iw(Ig)=(60V−30V)/10Ω=3A(アンペア)となる。
なお、上記の計算式では、加工電源から給電点までの電圧降下を30Vとしたが、ワイヤ抵抗(Rw)による給電点から放電点までの電圧降下は考慮していない。
つまり従来方式である個別給電方式の場合にはIwは、Rmにより決定されるので、1本毎に所望のワイヤ電流(Iw)や放電電流(Ig)を得るためには、ワイヤ抵抗RwがRm>Rwの関係になるように設定される。
406は電流制限抵抗(Rs)である。固定の抵抗値を設定することで放電を誘発する電流を制限する。Rsは0.5Ω〜100Ωで任意の抵抗値に設定することができる。
407は極間電圧(Vg)である。放電中にワイヤ103とワーク105との間に印加される放電電圧である。
408は極間電流(Ig)である。放電中にワイヤ103とワーク105との間に流れる放電電流である。
410はワイヤ1本毎に個別に供給されるワイヤ電流(Iw)である。
図5を説明する。
図5は従来方式であるワイヤ毎に個別に放電電流を給電する個別給電での電気回路400が複数本のワイヤに給電している図である。
409はワイヤ1本毎の抵抗を示すワイヤ抵抗(Rw)である。
204は個別の給電子である。シリコンインゴット105の両端の近傍に設けた、2ヶ所の個別給電子から放電パルスを印加し、放電加工を行う。
巻回するワイヤ103の本数と同数の電源回路400に接続されている。
図6は、本発明の極間電圧(Vgn)及び極間電流(Ign)の変化とTr1、Tr2のON/OFF動作(タイミングチャート)を示す。グラフの横軸は時間である。
まずトランジスタTr1503をONし、電圧を印加する。このときワイヤ103とワーク105間は絶縁されているため、ほとんど極間電流は流れない。その後、放電を開始するとVgnが電圧降下することで、放電を検出しTr2をONすると、大きな極間電流を得る。所定時間経過後にTr2をOFFする。Tr2のOFFを所定時間経過した後に再び一連の動作を繰り返す。
図7を説明する。
図7は本発明における複数本のワイヤ(10本)に一括で放電電流を給電する一括給電での電気回路2を示す図である。放電電流が流れている状態を示している。
図8に示す電気回路2との等価回路を示している。
仮に図4に示す従来方式の電気回路400を、複数のワイヤ(10本)に一括で放電電流を給電する一括給電での電気回路にそのまま導入したとすれば、加工電源から給電点の間にて放電電流を制御するために、電流制限抵抗体Rm405の代わりに、複数のワイヤ(10本)に供給される放電電流の合計(10倍)の放電電流が供給されるように、Rmを10本(メインローラ8、9を巻回する周回数)で割った抵抗値の電流制限抵抗体を加工電源から給電点との間に設置すればよい。
まず、このように固定された抵抗値を持つRm/10本を加工電源から給電子との間に設置した場合を説明する。
10本全てのワイヤとワークとの間で放電状態が均一にかつ同時に起こった場合には、10本のワイヤで放電電流が均等に分散されるので、固定された抵抗値(Rm/10本)に応じた放電電流が各ワイヤとワークとの間に供給されるので、過剰な放電電流の供給は問題とならない。
しかしながら、10本全てのワイヤとワークとの間で放電状態が均一にかつ同時に起こらなかった場合には、固定された抵抗値(Rm/10本)に応じた放電電流が放電状態になったワイヤとワークとの間に集中して供給されるので、過剰な放電電流の供給が問題となる。つまり、10本の中で1本のみが放電状態になった場合には、本来1本のワイヤとワークに供給されるべき放電電流の10倍の放電電流が、放電状態になっているワイヤとワークに供給され、ワイヤが断線してしまう。
本発明の抵抗値Rmn505は従来方式の電流制限抵抗体のように抵抗値を所定の値に固定するものではなく、10本の中で1本のみが放電状態になった場合であっても、放電状態となった本数に応じて抵抗値が変動するように制御できる機構を備えている。
さらに、本発明の抵抗値Rmn505をRwn509と比べて十分に小さな抵抗値の範囲で変動させることで、放電電流を制限するにあたってRwn509が支配的になり、Rmn505の影響はほぼ無視することができる。
つまり、加工電源(主電源)501から給電子104までの間にワーク105に放電する電流の下限(最大値)を制限するための抵抗体を備えなくてもよいということである。
つまり、Rmnを10本(メインローラ8、9を巻回する周回数)で割った抵抗値よりも小さくすればよいということである。
つまり各ワイヤの抵抗Rwn509であるインピーダンスを利用することで、各ワイヤの放電電流Ignが安定して供給されるので、放電電流の集中が起こらない。
509はワイヤ1本毎のワイヤによる抵抗(Rwn)である。
ここで給電子104から放電部までの抵抗値とは、給電子104と接触し、かつ走行するワイヤ(1本)による抵抗である。
例えば、ワイヤ10本(メインローラ8、9を10周巻回する)に一括で給電する場合の各ワイヤ抵抗をそれぞれRw1、Rw2、〜Rw10とする。
従来方式のように、RmnではなくRwnを1本毎のワイヤ電流(Iw)や放電電流(Ig)を制限する抵抗とすることで、1本毎のワイヤ電流(Iwn)や放電電流(Ign)を制限することができる。つまり給電点(給電子)と放電点(放電部)との距離(長さL)を変えることで任意の抵抗値に設定することができる。つまりVmn=60V、Vgn=30V、Rwn=10Ωとした場合には、Iwn(Ign)=(60V−30V)/10Ω=3Aとなる。
なお、上記の計算式では、ワイヤ抵抗(Rwn)による給電点から放電点までの電圧降下を30Vとしたが、加工電源から給電点までの電圧降下を起こす抵抗(Rmn)による給電点から放電点までの電圧降下は考慮していない。
つまり本発明である一括給電方式の場合にはIwnは、Rmnにより決定されるので、1本毎に所望のワイヤ電流(Iwn)や放電電流(Ign)を得るためには、加工電源から給電点までの電圧降下を起こす抵抗RmnがRmn<Rwnの関係になるように設定される。
また各ワイヤ個別のワイヤ抵抗Rwnは(1)ワイヤの材質による電気抵抗値ρ、(2)ワイヤの断面積B、(3)ワイヤの長さL、の3つのパラメータからRwn=(ρ×B)/Lの関係式によりで定めることができる。
501は主電源である加工電源(Vmn)である。放電加工に必要な電流を供給するために設定される電圧である。Vmnは任意の電圧に設定することができる。さらに従来方式よりも放電電流の供給量が大きくなるので、401と比べると大きな電力を供給する。
加工電源(主電源)501は給電子104に加工電源(Vmn)を供給する。
502は副電源である加工電源(Vsn)である。放電を誘発するために設定される電圧である。さらにワイヤとワークとの間にて極間電圧(極間電流)の状態をモニターする目的にも使用される。Vsnは任意の電圧に設定することができる。さらに従来方式よりも放電電流の供給量が大きくなるので、402と比べると大きな電力を供給する。
加工電源502は給電子104に加工電源(Vsn)を供給する。
副電源も加工電源501と同じく複数(10本)のワイヤに一括で副電源パルスを供給している。
電流の最大値を制限するために設置される副電源の内部の抵抗値(Rsn)は0.5Ω以上である。
503はトランジスタ(Tr2)である。加工電源VmnのON(導通)状態とOFF(非導通)状態をスイッチングで切り替える。
504はトランジスタ(Tr1)である。加工電源VsnのON(導通)状態とOFF(非導通)状態をスイッチングで切り替える。
507は極間電圧(Vgn)である。放電中にワイヤ103とワーク105との間に印加される放電電圧である。
例えば、ワイヤ10本に一括で給電する場合の各放電電圧をそれぞれVg1、Vg2、〜Vg10とする。
放電によりワイヤ103とワーク105との間に極間電圧が印加される部分が放電部である。放電部において、走行する複数のワイヤと給電子との接触により走行する複数のワイヤに一括で給電された加工電源をワークに放電する。
508は極間電流(Ign)である。放電中にワイヤ103とワーク105との間に流れる放電電流である。
例えば、ワイヤ10本に一括で給電する場合の各放電電流をそれぞれIg1、Ig2、〜Ig10とする。
放電によりワイヤ103とワーク105との間に極間電流が流れる部分が放電部である。放電部において、走行する複数のワイヤと給電子との接触により走行する複数のワイヤに一括で給電された加工電源をワークに放電する。
510はワイヤ1本毎に個別に供給されるワイヤ電流(Iwn)である。
例えば、ワイヤ10本に一括で給電する場合の各ワイヤ電流をそれぞれIw1、Iw2、〜Iw10とする。
511は給電点から放電点までの距離Lであり、すなわち給電点から放電点までのワイヤの長さである。
図8を説明する。
図8は本発明における複数本のワイヤ(10本)に一括で放電電流を給電する一括給電での電気回路2が複数本のワイヤに一括給電している図である。
104は給電子である。給電子104は走行する複数のワイヤに一括で接触する。シリコンインゴット105と対向する位置に設けた、1ヶ所の給電子104から放電パルスを印加し、放電加工を行う。
メインローラを巻回するワイヤ103の本数(10本)に対して1つの電源回路2が接続されている。
以下、図8の配置を参照して、説明する。
図8に示すように、給電点(給電子104とワイヤ103が接触する位置)から放電点(ワイヤ103とワーク105との間)に流れる電流は左右のメインローラの2方向に流れるので、各方向に対するワイヤ抵抗が存在している。
511L1は電流が左のメインローラ方向に流れた場合の給電点と放電点との長さ(距離)であり、L1の場合に定まるワイヤ抵抗をRw1aとする。
511L2は電流が右のメインローラ方向に流れた場合の、放電点と給電点との長さ(距離)であり、L2の場合に定まるワイヤ抵抗をRw1bとする。
ワイヤ103がメインローラ8、9を1周巻回する長さを2mとする。
給電子104は、1周巻回する長さのほぼ半分の距離に配置されているので、放電点と給電点との距離(ワイヤの長さL)を1mである。
よって給電子から放電部までを走行するワイヤの距離は0.5mよりも長い。
ワイヤ103の材質の主成分は鉄であり、ワイヤの直径は0.12mm(断面積0.06×0.06×πmm)である。ワイヤの抵抗値Rw1a、Rw1bはそれぞれ、同じ長さ(L1=L2=1m)であるので各々のワイヤ抵抗値は同一の20Ω程度とすればRw1aとRw1bによる1本(メインローラ8、9を1周巻回する)の合成のワイヤ抵抗値は10Ω程度となる。
また、図8のようにL1及びL2の長さによるワイヤ抵抗値を同じ抵抗値にするために、L1とL2の長さが同じになるように給電子104を配置することが好ましいが、L1とL2の長さの違いが10%程度(例えばL1が1mでL2が1.1m)ことなるように給電子104を配置しても特に問題はない。
放電電圧Vg1〜Vg10がほぼ等しい場合、VmnがそれぞれのRw1〜Rw10に印加されているので、Iw1〜Iw10は全て同じワイヤ電流である。
ここでワイヤ抵抗による電圧降下値(Rw1×Iw1)と放電電圧(Vgn)からVmnを求める.
給電子104から放電部までの電圧降下は走行するワイヤの抵抗による電圧降下である。
Rw1=10Ω(給電子104から放電部までの抵抗値)。
Iw1=3A
Vgn=30Vとすれば、Vmnは以下のようになる。
Vmn=10(Ω)×3(A)+30V=60V
よって給電子から放電部までの電圧降下は10Vよりも大きい。
よって給電子から放電部までの抵抗値が1Ωよりも大きい。
尚、Rwn=(ρ×B)/Lの関係式により、ワイヤのパラメータによりワイヤ抵抗による電圧降下値を設定してもよい。
よって、10本全てのワイヤとワークとの間で放電状態が均一にかつ同時に起こった場合のRmnを計算すると、全てのワイヤで放電状態となり10本のワイヤにIw1=3Aが流れている場合は、加工電源から給電点との間では全体で10本×3A=30Aの加工電流が必要となり、この加工電源から給電点との間の電圧降下をVmnの100分の1(0.6V)とすれば、この場合のRmnは以下のようになる。
よって加工電源(主電源)から給電子104までの電圧降下は1Vよりも小さい。
よって加工電源(主電源)から給電子までの電圧降下は、給電子から放電部までの電圧降下よりも小さい。
Rmn=0.6V/30A=0.02Ω(加工電源501から給電子104までの抵抗値)。
よって加工電源(主電源)から給電子までの抵抗値は0.1Ωより小さい。
つまり、加工電流の最大値を制限するために設置される加工電源の内部の抵抗値(Rmn)は0.1Ω以下である。
よって加工電源(主電源)から給電子までの抵抗値が、給電子から放電部までの抵抗値よりも小さい。
よって加工電源(主電源)から給電子104までの電圧降下と給電子104から放電部までの電圧降下との比は10倍以上である。
よって加工電源(主電源)から給電子104までの抵抗値と給電子から放電部までの抵抗値との比が10倍以上である。
よってRmnを考慮して10本の加工電流をもとめると(60V−30V)/((10Ω/10本)+0.02Ω)=29.41Aとなり
ワイヤ一本当たりの加工電流は2.941Aとなる。
また、10本全てのワイヤとワークとの間で放電状態が均一にかつ同時に起こらなかった場合に1本のワイヤ電流が流れたとしても、ワイヤ一本当たりの加工電流は(60V−30V)/(10Ω+0.02Ω)=2.994Aとなり、10本全てのワイヤとワークとの間で放電状態が均一にかつ同時に起こった場合と比べても大きな差は生じない。
また更なる効果として、複数本であるN本(メインローラ8、9をN周巻回する)のワイヤに1箇所(一括)で給電する場合には、1本のワイヤ毎に個別に給電したときの加工速度に比べて加工速度が1/Nとなるが,本発明によれば、N本のワイヤへ1箇所(一括)で給電した場合においても1本のワイヤへ個別に給電したときと同等の加工速度を維持することができる。
図9を説明する。
901と902は、Tr1とTr2を同時に印加(ON)し、Tr1とTr2を同時に停止(OFF)している状態を示す図である。放電の誘発と極間状態の監視のためのVsn502と加工エネルギーを供給するVmn501が同期している電源パルス図である。この場合には、図示しない極間電圧測定部により図10のA点とB点との間で測定される極間において実測される電圧Vgn507は以下の2つのパターンになる。
903は、極間Gの距離が離れている場合やワークに対向しているワイヤ表面の面積が小さい場合のA点とB点との間の極間電圧(Vgn)の状態を示している。この時、放電加工に寄与しないリーク電流が発生しにくい。
一方、904は、極間Gの距離が狭い場合やワークに対向しているワイヤ表面の面積が大きい場合のA点とB点との間の極間電圧(Vgn)の状態を示している。この時、放電加工に寄与しないリーク電流が発生しやすくなる。
その理由は、ワークとワイヤとの極間Gによる抵抗Rgが低下してしまうためである。
Rgは以下の式で表される。
Rg=ρw×l/a
ρwはワークとワイヤの間にある加工液の比抵抗であり、ほぼ一定になるように制御されている。
lは極間Gの距離(ワークとワイヤとの距離)であるので、極間Gの距離が狭く距離が近くなるほど、極間Gによる抵抗Rgは低下することになる。
aはワークに対向しているワイヤ表面の面積であるので、ワイヤ表面の面積が大きくなるほど、抵抗値Rgは低下することになる。
本発明のように、10本以上のワイヤに給電子104から一括で給電するとワークに対向しているワイヤの本数が増加するので、ワークに対向しているワイヤ表面の面積は大きくなり、リーク電流が非常に発生しやすい状態になる。
ここで、Vgn(s)とは極間電圧Vgn507の中のVsnによる成分であるが、リーク電流が非常に発生しやすい状態においては、904に示すようにVgn(m)よりも低い電圧になってしまい、もし極間電圧Vgn507を測定しても、Vgn(s)の検出が困難となる。
これはVsnの内部抵抗である電流制限抵抗Rsn506は、Rmn(約0.02Ω)と比べると非常に大きい(約0.5Ω程度)ためであり、Vgn(s)にVgn(m)よりも大きなリーク電流が発生した場合には、電流制限抵抗Rsn506による分圧(電圧降下)が大きく、Vmn501の設定値が小さい場合には、Vgn(m)よりも低い電圧になる(Vgn(s)は検出不能)こともある。
図10を説明する。
1003はがパルス発生部1008が生成した取得パルスの間隔に同期してA点とB点との間の極間における電圧を計測する測定用電圧定量部である。測定用電圧定量部1003は、先に副電源パルスの印加が開始され、加工電源パルスの印加が開始されるまでの時間に、極間における電圧を取得する(取得手段)。
1004は取得したサーボ用電圧(Vss)に応じてのワーク送り装置3を制御するサーボ制御部(図1の放電サーボ制御)である。サーボ制御部1004は、測定用電圧定量部1003が取得したサーボ用電圧(Vss)に応じて、並設されている複数のワイヤとワークとの極間Gの距離(ギャップ)を調整する(調整手段)。
1008はVss測定用(取得用)のパルスを発生させるパルス発生部である。ここで発生するパルスは図11の1103のようなパルスである。パルス発生部1008は、副電源パルスの印加が開始され、加工電源パルスの印加が開始されるまでの間隔で極間における電圧を計測するための取得パルスを生成する(生成手段)。
Vss測定用のパルス信号に連動してアナログスイッチ制御部1001によりアナログスイッチ1002が開閉するので、サーボ用電圧(Vss)定量部1003がVss測定用パルスのON(測定指示)時間だけの極間電圧(Vgn)を測定することで測定用電圧(Vss)を定量する。測定用電圧定量部1003が取得したサーボ用電圧(Vss)はワークを送るための制御電圧としてサーボ制御部1004にて利用される。
サーボ用電圧(Vss)はピークホールドするか、あるいは平均化され、ワーク送り装置3によるワークの前進(極間Gの距離が狭くなる方向)とリーク電流の発生を減らすための後退(極間Gの距離が離れる方向)に利用される。
1005はアンプである。
1006はTr1のON/OFFを制御するTr1制御部である。
1007はTr2のON/OFFを制御するTr1制御部である。
図11を説明する。
1101は副電源を極間に印加しているON時間/印加していないOFF時間との副電源パルスである。副電源パルスの役割は極間における放電を誘発するための電源である。
副電源パルスの印加時間は少なくとも0.3μ秒以上で継続させることが重要である。このように十分な印加時間を設けることでと正確なVssを取得することができる。
副電源パルスを印加し継続する時間は0.3μ秒以上であることが望ましい。
1102は加工電源を極間に印加しているON時間/印加していないOFF時間との加工電源パルスである。加工電源パルスは副電源パルスの印加が開始されてから、加工電源パルスの印加が開始されるまでの時間を少なくとも0.3μ秒以上遅延させることが重要である。このように十分な遅延時間を設けることでと正確なVssを取得することができる。
遅延時間は0.3μ秒以上であることが望ましい。
1103は極間の電圧を取得するON時間/取得しないOFF時間との取得パルスである。測定用パルス1103は以下のような時間に測定する取得パルスを発生すればよい。
(1)Tr1が先にON(印加)開始し、その後Tr2がON(印加)開始するまでの間(約0.3μ秒程度)
(2)Tr1がON(状態)継続中でかつTr2がOFF(状態)継続中の時間。
1104は測定用電圧定量部1003により取得されるサーボ用電圧(Vss)の電圧パルスである。
なお、電源装置2はマルチワイヤ放電加工装置1とは別の単独の装置でもよく、電源装置2がマルチワイヤ放電加工装置1の中に組み込まれていてもよい。
なお、加工電源501、副電源502、測定用電圧定量部1003、サーボ制御部1004、測定用パルス発生部1008がマルチワイヤ放電加工装置1の中に組み込まれていてもよい。
尚、本発明のマルチワイヤ放電加工システムでスライスされた半導体インゴットは、半導体用の基板または太陽電池用の基板として使用することができる。
本発明におけるプログラムは、上記実施例にしめした制御方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の電源装置または放電加工装置の記憶媒体にはその制御方法をコンピュータが読み取り実行可能なプログラムとして記憶されている。
1 マルチワイヤ放電加工装置
2 電源装置
3 ワーク送り装置
501 加工電源(主電源)
502 副電源
103 ワイヤ電極
104 給電子
105 ワーク(シリコンインゴット)
1003測定用電圧定量部
1004サーボ制御部
1008測定用パルス発生部

Claims (11)

  1. ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するために、前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して、給電子1個により電圧を一括で印加し、前記給電子1個により前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加する場合に、前記放電加工に必要な電流を供給する電源パルスと放電を誘発する副電源パルスとをそれぞれ異なるタイミングで印加する電源装置であって、
    前記給電子1個により、前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加した場合の、当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧を一括取得する取得手段と、
    前記取得手段が一括取得した当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧のうち、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が開始されるまでの時間だけ前記極間における電圧を測定し、前記時間だけ測定した前記極間における第2の電圧を利用して、ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するための前記極間の距離を調整する調整手段と、
    を備えることを特徴とする電源装置。
  2. 前記時間だけ前記極間における第2の電圧を測定する測定パルスを生成する生成手段をさらに備え、
    前記生成した測定パルスの所定間隔に同期して、前記取得手段が取得した前記極間における第1の電圧のうち、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が開始されるまでの時間だけ前記極間における電圧を測定することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が0.3μ秒以上遅延させて開始されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記副電源パルスを0.3μ秒以上継続して印加し、前記第2の電圧には0.3μ秒以上継続して印加した電圧をピークホールドして用いることを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
  5. 前記給電子1個から、前記ワイヤ列に一括で前記電源パルスを供給する加工電源をさらに備え、
    前記加工電源から供給される前記放電加工に必要な電流を制限する抵抗が、0.1Ω以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電源装置。
  6. 前記給電子1個から、前記ワイヤ列に一括で前記副電源パルスを供給する副電源をさらに備え、
    前記副電源から供給される電流を制限する抵抗は0.5Ω以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電源装置。
  7. ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するために、前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して、給電子1個により電圧を一括で印加し、前記給電子1個により前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加する場合に、前記放電加工に必要な電流を供給する電源パルスと放電を誘発する副電源パルスとをそれぞれ異なるタイミングで印加するワイヤ放電加工装置であって、
    前記給電子1個により、前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加した場合の、当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧を一括取得する取得手段と、
    前記取得手段が一括取得した当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧のうち、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が開始されるまでの時間だけ前記極間における電圧を測定し、前記時間だけ測定した前記極間における第2の電圧を利用して、ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するための前記極間の距離を調整する調整手段と、
    を備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  8. ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するために、前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して、給電子1個により電圧を一括で印加し、前記給電子1個により前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加する場合に、前記放電加工に必要な電流を供給する電源パルスと放電を誘発する副電源パルスとをそれぞれ異なるタイミングで印加する電源装置における制御方法であって、
    前記給電子1個により、前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加した場合の、当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧を一括取得する取得工程と、
    前記取得工程で一括取得した当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧のうち、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が開始されるまでの時間だけ前記極間における電圧を測定し、前記時間だけ測定した前記極間における第2の電圧を利用して、ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するための前記極間の距離を調整する調整工程と、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  9. ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するために、前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して、給電子1個により電圧を一括で印加し、前記給電子1個により前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加する場合に、前記放電加工に必要な電流を供給する電源パルスと放電を誘発する副電源パルスとをそれぞれ異なるタイミングで印加するワイヤ放電加工装置における制御方法であって、
    前記給電子1個により、前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加した場合の、当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧を一括取得する取得工程と、
    前記取得工程で一括取得した当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧のうち、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が開始されるまでの時間だけ前記極間における電圧を測定し、前記時間だけ測定した前記極間における第2の電圧を利用して、ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するための前記極間の距離を調整する調整工程と、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  10. ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するために、前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して、給電子1個により電圧を一括で印加し、前記給電子1個により前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加する場合に、前記放電加工に必要な電流を供給する電源パルスと放電を誘発する副電源パルスとをそれぞれ異なるタイミングで印加する電源装置において読み取り実行可能なプログラムであって、
    前記電源装置を、
    前記給電子1個により、前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加した場合の、当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧を一括取得する取得手段と、
    前記取得手段が一括取得した当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧のうち、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が開始されるまでの時間だけ前記極間における電圧を測定し、前記時間だけ測定した前記極間における第2の電圧を利用して、ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するための前記極間の距離を調整する調整手段と、
    して機能させることを特徴とするプログラム。
  11. ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するために、前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して、給電子1個により電圧を一括で印加し、前記給電子1個により前記ワイヤ列とワークとの極間に前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加する場合に、前記放電加工に必要な電流を供給する電源パルスと放電を誘発する副電源パルスとをそれぞれ異なるタイミングで印加するワイヤ放電加工装置において読み取り実行可能なプログラムであって、
    前記ワイヤ放電加工装置を、
    前記給電子1個により、前記ワイヤ列中の複数本のワイヤに対して一括で電圧を印加した場合の、当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧を一括取得する取得手段と、
    前記取得手段が一括取得した当該一括で電圧を印加した複数本のワイヤとワークとの前記極間における第1の電圧のうち、先に前記副電源パルスの印加が開始されてから、該副電源パルスに続いて前記電源パルスの印加が開始されるまでの時間だけ前記極間における電圧を測定し、前記時間だけ測定した前記極間における第2の電圧を利用して、ワークを並設されているワイヤ列で放電加工するための前記極間の距離を調整する調整手段と、
    して機能させることを特徴とするプログラム。
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