JPWO2008050403A1 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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Abstract

メイン放電用電源として上部給電用と下部給電用とを独立して設ける場合に、上部給電と下部給電との独立性を保ちつつ、サブ放電用電源によるサブ放電時に電流を上部・下部の給電点から極間に均等に供給できるワイヤ放電加工装置を得ることを目的として、上部メイン放電用電源10aは、往復路を構成できる上部フィーダ線14aを用いて上部通電端子4aと被加工物3との間に接続され、下部メイン放電用電源10bは、往復路を構成できる下部フィーダ線14bを用いて下部通電端子4bと被加工物3との間に接続され、サブ放電用電源11は、上部・下部のフィーダ線14a,14bよりも高いインピーダンスを有し往復路を構成できる上部・下部のサブフィーダ線15a,15bを用いて、上部通電端子4aと被加工物3との間と、下部通電端子4bと被加工物3との間とに接続されている。なお、上部・下部の通電端子4a,4bはそれぞれ1以上設けられる。

Description

この発明は、ワイヤ放電加工装置に関し、特に加工用電源の構成方式に関するものである。
ワイヤ放電加工装置は、上下方向に走行する一方の電極であるワイヤと、このワイヤの走行方向に直交する平面内で移動制御される他方の電極である被加工物とを対向配置し、ワイヤと被加工物との対向間隙間(つまり極間)にパルス状放電を発生させ、その熱エネルギーを利用して被加工物を所望の形状に加工する装置である。
このワイヤ放電加工装置では、極間への電源供給の構成として、被加工物は直接加工用電源の一方の電極端に接続し、走行するワイヤは摺接する給電点を介して加工用電源の他方の電極に接続する構成が採られるが、その給電点は、一般に、ワイヤの被加工物との対向位置を挟んだ上下2箇所に設けられる。つまり、ワイヤを流れる放電電流の流路は、被加工物の上部側と下部側とに並列に2回路存在する構成である。
そして、図6は、特許文献1に開示されているワイヤ放電加工装置の構成を示すが、従来のワイヤ放電加工装置では、一般に、例えば図6に示すように、小電流の火花放電(予備放電)を誘発するためのサブ放電用電源と、火花放電発生後の加工電流となる大電流を供給するためのメイン放電用電源との2つの加工用電源を用いて荒加工と仕上げ加工とを実施している。
図6において、サブ放電用電源である補助電源VSは、スイッチングトランジスタTr1、電源供給線としての同軸ケーブルW1及び抵抗器R1を介して極間(E−W)に接続され、またメイン放電用電源であるメイン電源VN、スイッチングトランジスタTr2、抵抗器R2、ダイオードD1、電源供給線としての同軸ケーブルW2及び電磁開閉器Kを介して極間(E−W)に接続されている。極間(E−W)での放電発生は、放電検出部61で検出され、その検出信号を受けるパルス制御部62がトランジスタTr1,Tr2のON/OFF動作を制御している。
荒加工時には、電磁開閉器Kを閉路状態にしておき、トランジスTr1をON状態にして補助電源VSの電圧を極間(E−W)に供給し放電を発生させる。極間(E−W)に放電が発生した後に、トランジスタTr2をON動作させてメイン電源VNの電圧を極間(E−W)に供給して荒加工を行う。また、仕上げ加工時には、電磁開閉器Kを開路状態にしてメイン電源VNを電気的に切り離し、補助電源VSのみで仕上げ加工を実施する。
ここで、ワイヤ放電加工装置の課題の一つは、荒加工の高速化である。高速化のためには、単純には投入エネルギーを増やせばよいが、これはワイヤ断線につながる。ワイヤの断線原因は、主として放電がワイヤの1箇所に集中してしまう「集中放電」である。
そこで、従来では、ワイヤには、上記したように放電電流の流路が上部側と下部側とに並列に存在することを利用して集中放電を回避し、ワイヤの断線を防ぐ技術が提案されている(例えば、特許文献2,3)。
すなわち、特許文献2では、抵抗体であるワイヤ上の放電位置に上下2箇所の給電点から供給される電流の差(分流比)は、放電位置までのワイヤ長の比、つまりワイヤ抵抗分の比に応じたものになる点に着目し、上部側の給電点及び下部側の給電点に電流センサをそれぞれ設け、2つの電流センサの出力から抵抗比の違いに応じて発生する電流差を検出して放電位置を計測し、放電集中の場合には極間への電圧印加を停止する技術が開示されている。
また、図7は、特許文献3に開示されているワイヤ放電加工装置の構成を示すが、特許文献3では、図7に示すように、ワイヤ電極70に上下2箇所から給電される加工電流のそれぞれを互いに独立制御可能なスイッチング素子71a,71bを設置して上下非同期に加工電流を供給する構成とすることで、放電集中を回避する技術が開示されている。これによって、電流の一点集中が防止できるので、ワイヤ断線が防げるとしている。
なお、図7に示す構成を概略説明する。図7において、ワイヤ電極70は、上下方向に適宜間隔を置いて配置されるワイヤガイド73a,73bに案内されて上方から下方に向かって走行する。このワイヤガイド73a,73b間のワイヤ走行路において、被加工物74がワイヤ電極70と所定間隔を置いて対向配置され、この被加工物74との対向位置を挟んで上下方向で近接した位置に加工液ノズル75a,75bが設けられている。これは、ワイヤ電極70の被加工物74との対向位置に上下から高圧の加工液を吹き付けて、放電加工屑を排除する措置である。
上部のワイヤガイド73aの近傍位置には上部給電点(通電端子)76aが、下部ワイヤガイド73bの近傍位置には下部給電点(通電端子)76bが、それぞれワイヤ電極70に摺接して設けられている。直列に配置される加工用電源77a、77bの直列接続側電極端は、被加工物74に直接接続される。そして、加工用電源77a,77bの直列回路における一方の電極端は、抵抗器78a、スイッチング素子71a及びダイオード79aを介して通電端子76aに接続され、加工用電源77a,77bの直列回路における他方の電極端は、抵抗器78b、スイッチング素子71b及びダイオード79bを介して通電端子76bに接続されている。スイッチング素子71aはゲートパルス発生回路80aによって、スイッチング素子71bはゲートパルス発生回路80bによって、それぞれ独立にON/OFF制御される。
ところで、ワイヤ放電加工装置では、ワイヤは、放電終了後には放電方向と逆方向に反力を受けた状態となる。また、放電加工屑排除のために、上記したように高圧の加工液をワイヤの被加工物との対向位置を挟んだ上下からその対向位置に向けて噴射することが一般的である。これら放電反力や加工液の噴射などによってワイヤは振動状態となり、被加工物の真直精度は崩れ易くなるので、加工形状に誤差を生ずることが起こる。つまり、ワイヤ放電加工装置の課題のもう一つは、ワイヤの振動に起因する加工形状の誤差を修正できるようにすることである。
ワイヤ振動に起因する加工形状の誤差を少なくするには、加工エネルギー、加工速度、ワイヤテンション、加工液圧といったパラメータを各加工工程で最適に選択する方法もあるが、この発明では、特許文献3(図7)に示された電源構成に着目して加工エネルギーを最適に制御することを考える。
具体的に言えば、この発明では、図6に示した一般的な電源構成において、メイン放電用電源VNを、図7に示された加工用電源77a,77bの2つで構成し、それぞれを直列に接続するのではなく、上部給電用のメイン放電用電源と下部給電用のメイン放電用電源とに分離して独立に制御できるようにし、つまり上部・下部のメイン放電用電源の各々から独立して極間に給電できるようにし、片側の給電点からのみの片側給電もできるようにするのである。
加えて、放電位置の計測も必要に応じて実施できるような構成を考える。この場合、放電位置の計測は、上記(特許文献2)したように電流分流比を利用するので、2つのメイン放電用電源を用いて放電位置の計測を行うとした場合には、一方のメイン放電用電源を用いた片側給電時では、電流分流比が得られないので、放電位置を計測できない。したがって、放電位置の計測は、サブ放電用電源を用いて実施できる構成を採ることになる。つまり、片側給電時においても放電位置の計測を可能にするためには、サブ放電用電源から極間への給電を、上記した2つのメイン放電用電源と同様の方法で、上下の2箇所から行う構成を採る必要がある。この措置は、火花放電であるサブ放電(予備放電)の安定化を図りカラ放電を防止する上でも必要な措置である。
そのような2つのメイン放電用電源及びサブ放電用電源の各々と極間との接続関係は、例えば、図8に示すようになる。図8は、上記したように、上部給電用、下部給電用に独立した2つのメイン放電用電源を用い、かつサブ放電用電源を用いて放電位置の計測を可能にするワイヤ放電加工装置を構成する場合の2つのメイン放電用電源及びサブ放電用電源の各々と極間との接続関係を従来技術によって構成した例を示す配線図である。
図8において、この発明が目指すワイヤ放電加工装置は、図7に示した放電加工部(ワイヤ電極70、被加工物74、上下の給電点(通電端子)76a,76b、上下のワイヤガイド73a,73b、なお、加工液ノズル75a,75bは図示を省略した)に対する加工用電源として、互いに独立に制御できる上部給電用のメイン放電用電源85a及び下部給電用のメイン放電用電源85bと、サブ放電用電源86とを備える。そして、上部用端子台87aと下部用端子台87bとを設け、2つのメイン放電用電源85a,85b及びサブ放電用電源86の各々と極間との間を次のように接続する。
すなわち、上部用端子台87aでは、そのワイヤ電極接続端Eを上部給電点(通電端子)76aに接続するが、このワイヤ電極接続端Eにメイン放電用電源85aの一方の電極端とサブ放電用電源86の一方の電極端とをそれぞれ接続する。また、下部用端子台87bでは、そのワイヤ電極接続端Eを下部給電点(通電端子)76bに接続するが、このワイヤ電極接続端Eにメイン放電用電源85bの一方の電極端とサブ放電用電源86の一方の電極端とをそれぞれ接続する。そして、上部用端子台87aの被加工物接続端Wと下部用端子台87bの被加工物接続端Wとをそれぞれ被加工物74に接続するが、両端子台の各被加工物接続端Wにメイン放電用電源85a,85bの各他方の電極端とサブ放電用電源86の他方の電極端とをそれぞれ接続する。
2つのメイン放電用電源85a,85b及びサブ放電用電源86の各々と極間との間をこのように接続すれば、一方のメイン放電用電源を用いた片側給電時において、サブ放電用電源86から極間への給電をワイヤ電極70の上下2箇所から行うことができるので、図8では電流センサを示してないが、ワイヤ電極70の上下2箇所に電流センサを設ければサブ放電電流を利用して放電位置の計測が可能になる。
特開平7−276142号公報(図5) 特開昭62−15017号公報(第1図) 特開平1−97525号公報(第2図)
しかしながら、2つのメイン放電用電源及びサブ放電用電源の各々と極間との接続関係が図8に示した構成であると、独立に制御すべき上部給電と下部給電との独立性が損なわれるという問題がある。
すなわち、図8において、片側給電の電源制御態様として、例えば、上部給電用のメイン放電用電源85aがONとなり、下部給電用のメイン放電用電源85bがOFFとなる場合に、メイン放電用電源85aによる放電電流は、上部用端子台87aのワイヤ電極接続端E〜上部給電点(通電端子)76a〜ワイヤ電極70〜被加工物74〜上部用端子台87aの被加工物接続端Wの経路で極間に流れる。これが、上部給電時での電流経路である。
ところが、メイン放電用電源85aによる放電電流は、上記の経路を流れると同時に、図中点線で示したように、上部用端子台87aのワイヤ電極接続端E〜サブ放電用電源86の一方の電極端〜下部用端子台87bのワイヤ電極接続端E〜下部給電点(通電端子)76b〜ワイヤ電極70〜被加工物74〜上部用端子台87aの被加工物接続端Wの経路で極間に上記とは逆向きにも流れる。これは、下部給電時での電流経路である。
このように、図8に示す構成では、一方の給電点を用いた片側給電時にサブ放電用電源の一方の電極端を経由して他方の給電点に向かう電流路が形成されてしまうので、上記したように、一方の給電点から極間に供給したメイン放電電流が他方の給電点からも極間に供給されてしまい、上部給電と下部給電との独立性が損なわれる。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、メイン放電用電源として上部給電用と下部給電用とを独立して設ける場合に、上部給電と下部給電との独立性を保ちつつ、サブ放電用電源によるサブ放電時に電流を上部・下部の給電点から極間に均等に供給できるワイヤ放電加工装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、上記の発明において、サブ放電用電源によるサブ放電時に上部・下部の給電点から極間に供給する電流をモニタして放電位置を計測することができるワイヤ放電加工装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明は、上下方向に走行するワイヤ電極の上方位置の少なくとも1箇所と下方位置の少なくとも1箇所とにそれぞれ摺接して配置される上部・下部の通電端子と、前記上部・下部の通電端子の間において前記ワイヤ電極に所定の加工間隙を置いて対向配置される被加工物とに放電電圧を印加して前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の極間に放電電流を供給する加工用電源として、互いに独立してメイン放電電圧を発生する第1及び第2のメイン放電用電源と、前記メイン放電電圧とは別のサブ放電電圧を発生するサブ放電用電源とを備え、前記第1のメイン放電用電源は、往復路を構成できる第1の接続線を用いて前記上部通電端子と前記被加工物との間に接続され、前記第2のメイン放電用電源は、往復路を構成できる第2の接続線を用いて前記下部通電端子と前記被加工物との間に接続され、前記サブ放電用電源は、前記第1及び第2の接続線よりも高いインピーダンスを有し往復路を構成できる第3及び第4の接続線を用いて、前記上部通電端子と前記被加工物との間と、前記下部通電端子と前記被加工物との間とに接続されていることを特徴とする。
この発明によれば、独立して設ける第1及び第2のメイン放電用電源と同様に、サブ放電用電源と上部・下部の通電端子のそれぞれとの間に独立した電流ループを設けるが、このサブ放電用電源側に設ける2つの電流ループをそれぞれ高インピーダンスループとしているので、上部・下部の通電端子の一方と被加工物との間にメイン放電電圧を印加する片側給電時に、メイン放電電流がその一方の通電端子からサブ放電用電源側を経由して他方の通電端子側に回り込むのを阻止することができ、上部給電と下部給電との独立性が確保できる。併せて、2つの電流ループに構造体に起因するインピーダンス差が生じている場合でも、サブ放電(予備放電)時に、サブ放電用電源から電流を上部・下部の通電端子のそれぞれに均等に供給する措置を採ることができるので、カラ放電の発生を防止することができ、安定したサブ放電(予備放電)を誘起することができる。
この発明によれば、サブ放電用電源を用いて安定したサブ放電(予備放電)を誘起しつつ、加工状況に応じて片側給電を実施するなど2つの独立したメイン放電用電源の出力を調整して被加工物の肉厚方向での加工エネルギーを制御し、ワイヤの振動に起因する加工形状の誤差を修正することができるという効果を奏する。
図1は、この発明の実施の形態1によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。 図2は、この発明の実施の形態2によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。 図3は、この発明の実施の形態3によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。 図4は、この発明の実施の形態4によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。 図5は、この発明の実施の形態5によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。 図6は、特許文献1に開示されているワイヤ放電加工装置の構成を示す回路図である。 図7は、特許文献3に開示されているワイヤ放電加工装置の構成を示す回路図である。 図8は、上部給電用、下部給電用に独立した2つのメイン放電用電源を用い、かつサブ放電用電源を用いて放電位置の計測を可能にするワイヤ放電加工装置を構成する場合の2つのメイン放電用電源及びサブ放電用電源の各々と極間との接続関係を従来技術によって構成した例を示す配線図である。
符号の説明
1 ワイヤ電極
2a,2b ワイヤガイド
3 被加工物
4a 上部の給電点(上部通電端子)
4b 下部の給電点(下部通電端子)
10a 上部給電用のメイン放電用電源(上部メイン放電用電源)
10b 下部給電用のメイン放電用電源(下部メイン放電用電源)
11 サブ放電用電源
12 電源ボックス
13a 上部端子台
13b 下部端子台
13c サブ端子台
14a 上部メインフィーダ線
14b 下部メインフィーダ線
15a 上部サブフィーダ線
15b 下部サブフィーダ線
21a,21b 電流センサ
22a,22b 補助コンデンサ
30a,30b サブ端子台
31a,31b 抵抗素子(電流制限素子)
41a,41b 単極線
42 低インピーダンス材(例えば銅板)
以下に図面を参照して、この発明にかかるワイヤ放電加工装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。図1において、符号1は、ワイヤ電極である。このワイヤ電極1は、上下方向に適宜間隔を置いて配置されるワイヤガイド2a,2bに案内されて例えば上方から下方に向かって走行する。ワイヤガイド2a,2bの間におけるワイヤ走行路には、ワイヤ走行方向に直交する平面上に、ある肉厚の板状をした被加工物3が所定の加工間隙(これを「極間」という)を置いて対向配置される。ワイヤガイド2aの近傍位置には上部の給電点である上部通電端子4aが、ワイヤガイド2bの近傍位置には下部の給電点である下部通電端子4bが、それぞれワイヤ電極1に摺接して設けられている。なお、図示を省略したが、ワイヤガイド2a,2bの間におけるワイヤ走行路には、被加工物3との対向位置を挟んで上下方向で近接した位置に加工液ノズルがそれぞれ設けられ、ワイヤ電極1の被加工物3との対向位置に上下から高圧の加工液を吹き付けて、放電加工屑を排除するようになっている。以上は放電加工部の一般的な構成である。
ここで、この実施の形態1及び以降に示す各実施の形態では、上部・下部の通電端子4a,4bは、それぞれ1つを図示してあるが、この発明では、上部・下部の通電端子4a,4bは、双方または一方が複数設けられる場合が含まれる。つまり、この発明では、上部・下部の通電端子4a,4bは、それぞれ1以上設けられる。
この放電加工部に対する加工用電源として、この実施の形態では、互いに独立に制御できる上部給電用のメイン放電用電源(上部メイン放電用電源)10a及び下部給電用のメイン放電用電源(下部メイン放電用電源)10bと、サブ放電用電源11とを備える。ここで、サブ放電用電源11は、主としてワイヤ電極1と被加工物3との加工間隙(極間)の極間状態の検出を目的として極間にサブ放電電流を供給する比較的低電圧の電圧パルスを発生する。また、上部メイン放電用電源10a及び下部メイン放電用電源10bの2つは、それぞれ、主として極間に加工用のメイン放電電流を供給するためにサブ放電用電源11よりも高い所定レベル所定パルス幅の電圧パルスを発生する。
これら3つの電源は、例えば、電源ボックス12に収納され、この電源ボックス12に出力端子として、上部メイン放電用電源10aの両電極端が接続される上部端子台13aと、下部メイン放電用電源10bの両電極端が接続される下部端子台13bと、サブ放電用電源11の両電極端が接続されるサブ端子台13cとを設けてある。これら3つの端子台と極間との接続には、往路と復路とを構成できる4つのフィーダ線(上部・下部のメインフィーダ線14a,14b、上部・下部のサブフィーダ線15a,15b)が用いられる。なお、上部・下部のメインフィーダ線14a,14bは、第1及び第2の接続線に対応し、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bは、第3及び第4の接続線に対応している。
上部端子台13aと極間との接続では、上部メインフィーダ線14aの往路となる電線を用いてそのワイヤ電極接続端Eと上部通電端子4aとの間を接続し、上部メインフィーダ線14aの復路となる電線を用いてその被加工物接続端Wと被加工物3との間を接続する。また、下部端子台13bと極間との接続では、下部メインフィーダ線14bの往路となる電線を用いてそのワイヤ電極接続端Eと下部通電端子4bとの間を接続し、下部メインフィーダ線14bの復路となる電線を用いてその被加工物接続端Wと被加工物3との間を接続する。
一方、サブ端子台13cと極間との接続では、上部サブフィーダ線15aの往路となる電線を用いてそのワイヤ電極接続端Eと上部通電端子4aとの間を接続し、上部サブフィーダ線15aの復路となる電線を用いてその被加工物接続端Wと被加工物3との間を接続し、同時に、下部サブフィーダ線15bの往路となる電線を用いてそのワイヤ電極接続端Eと下部通電端子4bとの間を接続し、下部サブフィーダ線15bの復路となる電線を用いてその被加工物接続端Wと被加工物3との間を接続する。
ここで、上部・下部のメインフィーダ線14a,14bと、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bとについて具体的に説明する。基本的に、上部・下部のメインフィーダ線14a,14bは、低インピーダンスの例えば同軸ケーブルを使用している。そして、荒加工時の電流値によっては、その同軸ケーブルの本数を並列に増やして低インピーダンス化を図っている。
一方、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bは、同軸ケーブルよりも高インピーダンスを有する例えばツイストペア線を使用して高インピーダンス化を図っている。これは、サブ放電用電源11の目的が、電圧パルスを極間に印加して火花放電(予備放電)であるサブ放電を誘起することにあるので、サブフィーダ線15a,15bは低インピーダンスである必要がないことによる。
この構成によれば、片側給電の電源制御態様として、例えば、上部メイン放電用電源10aがONとなり、下部メイン放電用電源10bがOFFとなる場合に、上部メイン放電用電源10aによる放電電流は、上部端子台13a、上部メインフィーダ線14aを介して上部通電端子4aからワイヤ電極1と被加工物3との極間に供給される。
このとき、上部メイン放電用電源10aによる放電電流は、上部通電端子4a〜上部サブフィーダ線15a〜サブ端子台13c〜下部サブフィーダ線15b〜下部通電端子4bの経路にも流れ込むが、上部サブフィーダ線15a及び下部サブフィーダ線15bは、高インピーダンスであるので、この経路に流れ込む電流は、上部サブフィーダ線15a及び下部サブフィーダ線15bにてブロックされ、実際には下部通電端子4bから極間に供給されない。
このように、サブ放電用電源11から上部・下部の通電端子4a,4bの双方を経由して極間にサブ放電電流を供給できるように構成しても、一方の通電端子を用いた片側給電時にサブ放電用電源11側を経由して他方の通電端子に向かう電流をブロックすることができるので、片側給電の独立性を確保することができる。
そして、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bに関しては、上部・下部の通電端子4a,4bがそれぞれ1つである場合は、両者のインピーダンス関係を適切に定めることによって、あるいは、上部・下部の通電端子4a,4bがそれぞれ1以上あって選択できる場合はその選択した適切な通電端子に上部・下部のサブフィーダ線15a,15bを接続することによって、被加工物3の肉厚方向のどの箇所で放電が発生していても、片側給電の独立性を維持したまま、サブ放電電流を上部・下部の通電端子4a,4bから極間に均等に供給することが可能となる。
すなわち、サブ放電電流を上部・下部の通電端子4a,4bから極間に偏りなく均一に流すためには、基本的には、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bは、同じ材質、線形、構成とすればよい。しかし、サブ放電電流は、上部・下部の通電端子4a,4b及び被加工物3を含む構造体を流れるので、加工の状態によっては本質的にサブ放電電流に偏りが発生する場合も考えられる。
一例を示すと、加工の状態が、例えば、一方の通電端子を通る電流ループのインピーダンスが他方の通電端子を通る電流ループのインピーダンスに比べて大きくなってしまう加工状態の場合は、一方の通電端子から供給されるサブ放電電流が著しく低くなるので、被加工物3の肉厚方向における放電位置によっては、サブ放電とメイン放電とがつながらない「カラ放電」が発生し加工特性が悪化する可能性がある。
この場合には、被加工物3の肉厚中央部付近でサブ放電したときのサブ放電電流が上部給電ループと下部給電ループとで、ほぼ均一にバランスしているように、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bの各インピーダンスを定めるのである。これは、上部・下部の通電端子4a,4bがそれぞれ1つである場合は、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bは、加工の状態に応じて、異なる材質、線形、構成とすることで実現できる。また、上部・下部の通電端子4a,4bがそれぞれ1以上あって選択できる場合は、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bは、加工の状態に応じて、適切な通電端子を選択して接続することで実現できる。
具体的には、上部・下部の通電端子4a,4bがそれぞれ1つである場合について言えば、構造体が低インピーダンスとなるいずれか一方の通電端子には高インピーダンスのサブフィーダ線(例えば1組のツイストペア線)を用いて接続し、構造体が高インピーダンスとなるいずれか他方の通電端子には低インピーダンスのサブフィーダ線(例えば2〜3組のツイストペア線)を用いて接続すれば、サブ放電電流が均一に流れるようにすることができる。
そのような措置を講じた上部給電ループと下部給電ループとの電流割合「上部給電ループ/下部給電ループ」を具体的な数値例で示すと、1/10<(上部給電ループ/下部給電ループ)<10、より好ましくは、1/2<(上部給電ループ/下部給電ループ)<2となる。このように、上下から均一にサブ放電電流を供給すれば、「カラ放電」の発生頻度が低くなるので、放電位置によらず安定した加工特性を得ることができる。
なお、インピーダンスを呈する成分には、インダクタンス成分と抵抗成分との2つが存在する。同軸ケーブルとツイストペア線との違いは、主にインダクタンス成分の違いであるが、抵抗成分を変えたものであってもよい。例えば、サブフィーダ線に同軸ケーブルを使用する場合であれば、メインフィーダ線に用いる同軸ケーブルよりも断面積を小さく、長さを長くすることによっても、サブフィーダ線の高インピーダンス化を図ることは可能である。
また、上記の動作説明から理解できるように、サブフィーダ線のインピーダンスは、少なくともメイン放電電流が流れている期間において高ければよいので、例えば、メイン放電電流の印加中は、FETなどの電気的スイッチやリレーなどの機械的スイッチを用いてサブフィーダ線を切り離すように構成してもよい。この場合には、サブフィーダ線のインピーダンスは瞬間的に無限大のインピーダンスとなるので、同様に、上記の動作例で言えば、上部メイン放電用電源10aから出力された電流が下部通電端子4bから供給されないようにすることができる。これが「高インピーダンス化を図る手段」の構成例である。
加えて、図1では、上部・下部のメインフィーダ線14a,14bは、上部・下部の通電端子4a,4bから切り離されないかのように示してあるが、勿論特許文献1に開示されているように、コンダクタ、リレーなどの電磁開閉器を介挿して切り離せるようにしてもよい。そのようにすれば、荒加工時に用いる上部・下部のメインフィーダ線14a,14bを仕上げ加工時に切り離すことで、浮遊容量による余剰電流が極間に入り込むことがなくなり、仕上げ面精度の向上を図ることができる。
以上のように、この実施の形態1によれば、メイン放電用電源として上部給電用と下部給電用とを独立して設け、かつサブ放電用電源からも上部・下部の双方から給電できるようにする場合に、一方の通電端子から供給されるメイン放電電流がサブ放電用電源の電極端を経由して他方の通電端子から極間に供給されることがないので、上部給電と下部給電との独立性を保つことができる。
併せて、サブ放電用電源によるサブ放電電流を上部・下部の通電端子から供給する場合に、被加工物の肉厚方向のどの位置で放電が発生しても、均一なサブ放電電流を供給することできるので、安定したサブ放電(予備放電)を誘起してメイン放電へと繋げることができ、放電位置によらない安定した加工を行うことができる。
これらの措置によって、安定したサブ放電を誘起しつつ、加工状況に応じて片側給電を実施するなど上部メイン放電用電源及び下部メイン放電用電源の各出力を調整して、被加工物の肉厚方向の加工エネルギーを制御することができるので、ワイヤの振動に起因する加工形状の誤差を修正することが可能になる。
実施の形態2.
図2は、この発明の実施の形態2によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。なお、図2では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図2に示すように、この実施の形態2では、図1(実施の形態1)に示した構成において、電流センサ21aが上部サブフィーダ線15aの例えば往路に装着され、電流センサ21bが下部サブフィーダ線15bの例えば往路に装着されている。また、補助コンデンサ22aが上部通電端子4aと被加工物3との間に挿入され、補助コンデンサ22bが下部通電端子4bと被加工物3との間に挿入されている。
電流センサ21a,21bは、サブ放電電流の分流比から放電位置を測定するために設けてある。サブ放電用電源11から上部・下部の通電端子4a,4bに流れるサブ放電電流も、メイン放電電流と同様に、ワイヤインピーダンスの影響を受けるので、特許文献2に示されているメイン放電電流を用いた場合と同様に、ワイヤインピーダンスを利用して放電位置検出を行うことが可能である。
また、補助コンデンサ22a,22bは、極間の非放電時にサブ放電用電源11が出力する電圧パルスを受けて充電され、サブ放電が発生すると、その充電電荷をサブ放電電流として極間に注入しサブ放電電流を強化する作用を営む。これによって、カラ放電の発生を防止することができる。したがって、カラ放電の発生が危惧されないか少ないケースでは、補助コンデンサ22a,22bを特に設ける必要はないと言える。
この補助コンデンサ22a,22bは、上記の趣旨から基本的には、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bそれぞれの線間に設けてあればよいので、サブ放電用電源11の近傍やサブ端子台13cの近傍に配置してもよいが、サブ放電直後に補助コンデンサ22a,22bから極間に電流を注入できることが望ましい。そこで、図2では、補助コンデンサ22a,22bから極間に至るラインのインダクタンスが極力小さくなるようにするため、できるだけ極間に近づけた上部・下部の通電端子4a,4bと被加工物3との間にそれぞれ配置してある。
そして、電流センサ21a,21bは、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bの各往路及び補助コンデンサ22a,22bと上部・下部の通電端子4a,4bとの接続線を含むように実装してある。このようにすれば、サブ放電時に流れる電流は、サブ放電用電源11から出力される電流と、補助コンデンサ22a,22bから出力される電流との合成であるので、電流センサ21a,21bでは、検出電流強度が高まりSN比の高い放電位置検出を行うことができる。但し、浮遊インダクタンスなどの影響によってサブ放電用電源11の出力電流と補助コンデンサ21a,21bの出力電流との位相が合わない場合は、どちらか一方のみの分流比を用いて放電位置を検出するとよい。
以上のように、この実施の形態2によれば、サブ放電用電源から上部・下部の通電端子に流れるサブ放電電流をそれぞれ検出する電流センサを設けたので、実施の形態1にて説明した上部給電と下部給電との独立性を保ちつつ、上部・下部の双方から極間に供給するサブ放電電流を用いて放電位置検出を行うことができ、放電位置に応じた電源制御が可能になる。
また、上部・下部の通電端子双方から極間に供給するサブ放電電流をそれぞれ強化する補助コンデンサを設けたので、カラ放電の発生を防止することができ、安定した加工を実施することができる。このとき、2つの補助コンデンサをそれぞれ極間の近くに設けて低インピーダンス化を図り、サブ放電開始時に直ちに上部・下部の双方から極間に電流注入が行える措置が採れるので、一層確実にカラ放電の発生を防止することができる。
そして、2つの電流センサと2つの補助コンデンサとを併用する場合は、2つの補助コンデンサをそれぞれ極間の近くに設けて低インピーダンス化を図り、2つの電流センサのそれぞれが上部・下部のフィーダ線を流れる電流と2つの補助コンデンサが出力する電流とを合成する形で検出できる措置が採れるので、SN比の高い放電位置検出を行うことができる。したがって、放電位置に応じた電源制御の精度を高めることができ、また一層安定した加工を実施することができる。
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。なお、図3では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。この実施の形態3では、電流センサを用いないで放電位置の検出を行う方法について説明する。
図3に示すように、この実施の形態3では、図1(実施の形態1)に示した構成において、サブ端子台13cに代えて、上部サブフィーダ線15aが接続されるサブ端子台30aと、下部サブフィーダ線15bが接続されるサブ端子台30bとが設けられている。
そして、サブ端子台30aのワイヤ電極接続端Eは抵抗素子31aを介して、サブ端子台30bのワイヤ電極接続端Eは抵抗素子31bを介して、それぞれサブ放電用電源11の一方の電極端に接続され、サブ端子台30a,30bの各被加工物接続端Wは、共通にサブ放電用電源11の他方の電極端に接続されている。
ここで、抵抗素子31aは、サブ放電用電源11の一方の電極端から上部通電端子4aに向かって流れる電流を制限し、抵抗素子31bは、サブ放電用電源11の一方の電極端から下部通電端子4bに向かって流れる電流を制限する電流制限素子であるので、その配置位置は、図3に示す態様に限らず、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bの各往路に介挿するなど、サブ放電用電源11の一方の電極から上部・下部の通電端子4a,4bに至る各電流パス内に介在すればよい。
この構成によれば、片側給電の電源制御態様として、例えば、上部メイン放電用電源10aがONとなり、下部メイン放電用電源10bがOFFとなる場合に、上部メイン放電用電源10aによる放電電流は、上部端子台13a、上部メインフィーダ線14aを介して上部通電端子4aからワイヤ電極1と被加工物3との極間に供給される。
このとき、上部メイン放電用電源10aによる放電電流は、上部通電端子4a〜上部サブフィーダ線15a〜サブ端子台30a〜抵抗素子31a〜抵抗素子31b〜サブ端子台30b〜下部サブフィーダ線15b〜下部通電端子4bの経路にも流れ込むが、この経路に流れ込む電流は、抵抗素子31a,31bでの電圧ドロップの分だけブロックされるので、実際には下部通電端子4bから極間に供給されない。
以上の動作説明では、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bが有するインピーダンスを不問としているが、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bを上部・下部のメインフィーダ線14a,14bよりも高インピーダンスとした実施の形態1と同様に、抵抗素子31a,31bによって片側給電の独立性を確保することができる。つまり、この実施の形態3(図3)で用いる上部・下部のサブフィーダ線15a,15bは、実施の形態1と同様に、上部・下部のメインフィーダ線14a,14bよりも高いインピーダンスの線材を用いてもよいが、上部・下部のメインフィーダ線14a,14bと同じ線材とすることもできる。後者の場合は、4つのフィーダ線が同じ線材で良いので、電源設計の容易化が図れる。
ここに、抵抗素子31a,31bの値に関しては、抵抗値が小さすぎると、上記の動作説明から理解できるように片側給電の独立性が崩れる。一方、抵抗値が大きすぎると、印加するサブ放電用の電圧パルスの立ち上がりが必要以上に緩やかになるので、放電周波数が低下するという問題が起こる。したがって、抵抗素子31a,31bの値は、電流の流入をブロックできる値であれば、どのような値でもよいが、上記の不具合を起こさない範囲内の値として、例えば、2Ω〜6Ω程度が好ましい。
そして、サブ放電用電源11と上部・下部の通電端子4a,4bとの間の電流パスは、実施の形態1と同様の構成であるから、被加工物3の肉厚方向のどの箇所で放電が発生していても、片側給電の独立性を維持したまま、実施の形態1と同様の考えでサブ放電電流を上部・下部の通電端子4a,4bから極間に均等に供給することが可能となる。
すなわち、上部通電端子4aと被加工物3を含む構造体のインピーダンス特性と下部通電端子4bと、被加工物3を含む構造体のインピーダンス特性とに差が生じている場合には、上部・下部の通電端子4a,4bがそれぞれ1つである場合は、実施の形態1と同様の考えで、抵抗素子31a,31bの値を異なる値にし、上部・下部の通電端子4a,4bがそれぞれ1以上あって選択できる場合は、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bを適切な通電端子を選択して接続する措置を講ずることで、サブ放電電流を上部・下部の通電端子4a,4bから極間に偏りなく均一に流すができる。
例えば、上部・下部の通電端子4a,4bがそれぞれ1つである場合で言えば、上部通電端子4aと被加工物3を含む構造上のインピーダンス特性が下部通電端子4bと被加工物3を含む構造上のインピーダンス特性と比べて著しく低い場合には、上部電流制限用の抵抗素子31aを高抵抗値にし、下部電流制限用の抵抗素子31bを低抵抗値にすることで、全体の系としてのインピーダンスのバランスを保つことができる。これによって、実施の形態1と同様に、放電位置によらず一定のサブ放電電流が流れるので、カラ放電が防止でき安定した加工を実施することができる。
なお、電流制限素子としては、抵抗素子31a,31bに代えて同じく電流制限作用を営むインダクタンス素子を用いても良い。また、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bの各往路内にフェライトコアを介在させ高周波電流成分をカットする構成でも良い。
次に、抵抗素子31a,31bを用いて放電位置を検出する方法について説明する。前述したように、被加工物3の肉厚方向での放電位置が変化すると、上部通電端子4aに流れる上部電流と、下部通電端子4bに流れる下部電流との分流比が変化する。すなわち、上部電流制限用の抵抗素子31a、下部電流制限用抵抗素子31bをそれぞれ流れる電流は、放電位置に応じて変化する。したがって、放電位置を検出するには、単純にはサブ放電電流による抵抗素子31a,31bでの電圧ドロップの比を観測すればよい。
具体的には、例えば、サブ端子台30a,30bそれぞれの被加工物接続端W側からワイヤ電極接続端E側への電圧レベルをOPアンプなどを用いて計測し、それらの電圧レベルの比を算出することで放電位置の計測を行うことができる。また、サブ端子台30aのワイヤ電極接続端E側とサブ端子台30bのワイヤ電極接続端E側とに差動アンプを接続すれば、差動アンプから上部電流と下部電流とを引き算した値が得られるので、簡単に放電位置の検出を行うことができる。
ここで、この実施の形態3では、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bを省略して、フィーダ本数を少なくすることができるので、そのような変形例について説明する。図3において、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bを省略した状態にて、サブ放電用電源11の一方の電極端とサブ端子台30a,30bの各ワイヤ電極接続端E側とを直接接続し、サブ端子台30aのワイヤ電極接続端E側と上部端子台13aのワイヤ電極接続端E側とを抵抗素子31aを介して接続し、同じく、サブ端子台30bのワイヤ電極接続端E側と下部端子台13bのワイヤ電極接続端E側とを抵抗素子31bを介して接続する。そして、サブ端子台30a,30bの各被加工物接続端Wを上部・下部の端子台13a,13bの各被加工物接続端Wに接続する構成である。
この変形例によれば、上部・下部のメインフィーダ線14a,14bを用いてサブ放電電流を極間に上下から供給することができるので、同様の作用効果が得られる。
以上のように、この実施の形態3によれば、サブ放電用電源から上部・下部の通電端子に至る各電流パスにそれぞれ電流制限素子を介在させたので、電流センサによらず、各電流制限素子での制限電流量をモニタすることで放電位置の検出を行うことができ、放電位置に応じた電源制御が行える。このように高インピーダンス化の要請を満たす電流制限素子に電流センサを兼ねさせることができるので、システムの簡略化、回路規模の縮小化が図れる。
そして、サブ放電用電源から上部・下部の通電端子に至る双方の電流パスで用いる往復用接続線(フィーダ線)を、2つのメイン放電用電源から上部・下部の通電端子に至る各電流パスで用いる往復用接続線と同じ素材・構成にすることができるので、電源設計の容易化が図れる。
加えて、サブ放電用電源と上部・下部の通電端子との間に電流パスを設けずとも、2つのメイン放電用電源から上部・下部の通電端子に至る各電流パスとサブ放電用電源との間に電流制限素子を介在させることで、2つのメイン放電用電源から上部・下部の通電端子に至る各電流パスを利用してサブ放電電流を上部・下部の通電端子に供給することができるので、往復用接続線の本数を少なくすることができる。
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。なお、図4では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態4に関わる部分を中心に説明する。
実施の形態1にて説明したように、サブフィーダ線15a,15bは、上部・下部のメインフィーダ線14a,14bよりも高インピーダンスであることが望ましく、リアクトル成分を含ませている。具体的には、サブフィーダ線15a,15bは、ツイストペア線を用いるとしている。しかし、高インピーダンスにする必要のある電流パスは、往路であって復路ではない。
そこで、この実施の形態4では、図4に示すように、図1(実施の形態1)に示した構成において、往復路を独立に構成している上部・下部のサブフィーダ線15a,15bに代えて、サブ端子台13cのワイヤ電極接続端E側と上部通電端子4aとの間を往路のみの単極線41aで接続し、サブ端子台13cのワイヤ電極接続端E側と下部通電端子4bとの間を往路のみの単極線41bで接続し、サブ端子台13の被加工物接続端Wを銅板などの低インピーダンス材42を用いて上部・下部の端子台13a,13bの各被加工物接続端Wに接続し、復路の一部に上部・下部のメインフィーダ線14a,14bでの復路を取り込むようにしている。
この構成によれば、サブ放電電流は、サブ端子台13cのワイヤ電極接続端E側から単極線41a(単極線41b)、上部通電端子4a(下部通電端子4b)、ワイヤ電極1、被加工物3へと流れ、さらに被加工物3から上部・下部のメインフィーダ線14a,14b、上部・下部の端子台13a,13bの各被加工物接続端Wへと流れる。そして、上部・下部の端子台13a,13bの各被加工物接続端Wから低インピーダンス材42を介してサブ端子台13cの被加工物接続端Wへと返っていく。
この実施の形態4では、単極線41a,41bに適当なインダクタンスを持たせて上部・下部のメインフィーダ線14a,14bよりも高インピーダンス化を図ることができるので、配線の簡略化を図りつつ、実施の形態1と同様に、片側給電の独立性を確保することができる。
そして、放電位置を加工制御に反映させる必要がある場合には、実施の形態2(図2)にて説明したように、単極線41a,41bのそれぞれに電流センサを実装するか、実施の形態3(図3)にて説明したように、単極線41a,41bのそれぞれに電流制限素子を介在させれば、放電位置検出を行うことができる。
また、サブ放電電流を強化する必要がある場合は、上部・下部の通電端子4a,4bと被加工物3との間のそれぞれに、実施の形態2(図2)にて説明した補助コンデンサ22a,22bを設ければよい。
実施の形態5.
図5は、この発明の実施の形態5によるワイヤ放電加工装置の電源構成を説明する概念図である。なお、図5では、図1(実施の形態1)と図2(実施の形態2)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態5に関わる部分を中心に説明する。
図5に示すように、この実施の形態5では、図1(実施の形態1)に示した構成において、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bのうち、例えば、下部サブフィーダ線15bが採用され、上部サブフィーダ線15aが不採用となっている。つまり、図5に示す例では、サブ端子台13cと上部通電端子4a及び被加工物3との間は、非接続となっている。
そして、上部通電端子4aと被加工物3との間に、図2(実施の形態2)に示した補助コンデンサ22aが接続され、この補助コンデンサ22aと上部通電端子4aとの接続線に図2(実施の形態2)に示した電流センサ21aが実装されているとともに、下部サブフィーダ線15bの例えば往路に図2(実施の形態2)に示した電流センサ21bが実装されている。
図5において、非放電時においてサブ放電用電源11からサブ端子台13cのワイヤ電極接続端E側と被加工物接続端W側との間にサブ放電用の電圧パルスを印加すると、下部サブフィーダ線15bの往路、下部通電端子4b、ワイヤ電極1、上部通電端子4a、補助コンデンサ22a、被加工物3、下部サブフィーダ線15bの復路という経路で充電電流が流れて補助コンデンサ22aが充電される。
そして、極間でサブ放電が発生すると、サブ放電用電源11からのサブ放電電流が下部サブフィーダ線15bの往路を通して下部通電端子4bに供給されるのと同時に、補助コンデンサ22aからも電流が上部通電端子4aに供給される。
このように、サブ放電時には、上部・下部の通電端子4a,4bから極間に電流を供給することができるので、実施の形態1と同様に、カラ放電は防止され安定した加工が可能となる。なお、補助コンデンサ22aの容量は、上記の動作説明から理解できるように、サブ放電用電源11の供給能力と同等のものである必要があるので、電源設計思想にもよるが、例えば10nF〜80nF程度とすればよい。
また、メイン放電時において片側給電を実施した場合であってもサブ放電用電源11を介して他方の通電端子から流入する経路は存在しないので、実施の形態1と同様に、片側給電の独立性を確保することができる。
そして、補助コンデンサ22aが十分充電されており定常状態となっていれば、サブ放電発生時においてほぼ同等の電流が上部・下部の通電端子4a,4bから極間に流れるので、電流センサ21a,21bを用いて、実施の形態2と同様に、放電位置を検出することができる。
なお、図5に示した構成とは逆の構成も可能である。つまり、上部・下部のサブフィーダ線15a,15bのうち上部サブフィーダ線15aが採用され、下部サブフィーダ線15bが不採用となる場合には、下部通電端子4bと被加工物3との間に、図2(実施の形態2)に示した補助コンデンサ22bが接続され、この補助コンデンサ22bと下部通電端子4bとの接続線に図2(実施の形態2)に示した電流センサ21bが実装されるとともに、上部サブフィーダ線15aの往路に図2(実施の形態2)に示した電流センサ21aが実装されることになる。この構成によっても同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、実施の形態5では、配線の簡略化を図りつつ、実施の形態1と同様に、片側給電の独立性を確保することができ、またサブ放電時に電流を上部・下部の給電点から極間に均等に供給することができ、実施の形態2と同様に、放電位置の計測が行える。
以上のように、この発明にかかるワイヤ放電加工装置は、メイン放電用電源として上部給電用と下部給電用とを独立して設ける場合に、上部給電と下部給電との独立性を保ちつつ、サブ放電用電源によるサブ放電時に電流を上部・下部の給電点から極間に均等に供給する電源構成として有用であり、特に、放電位置の計測を可能にするとともに、カラ放電の発生を防止して安定した加工制御を可能とし、被加工物の肉厚方向における加工エネルギーを制御してワイヤの振動に起因する加工形状の誤差を修正できる電源構成として好適である。

Claims (14)

  1. 上下方向に走行するワイヤ電極の上方位置の少なくとも1箇所と下方位置の少なくとも1箇所とにそれぞれ摺接して配置される上部・下部の通電端子と、前記上部・下部の通電端子の間において前記ワイヤ電極に所定の加工間隙を置いて対向配置される被加工物とに放電電圧を印加して前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の極間に放電電流を供給する加工用電源として、
    互いに独立してメイン放電電圧を発生する第1及び第2のメイン放電用電源と、前記メイン放電電圧とは別のサブ放電電圧を発生するサブ放電用電源とを備え、
    前記第1のメイン放電用電源は、往復路を構成できる第1の接続線を用いて前記上部通電端子と前記被加工物との間に接続され、
    前記第2のメイン放電用電源は、往復路を構成できる第2の接続線を用いて前記下部通電端子と前記被加工物との間に接続され、
    前記サブ放電用電源は、前記第1及び第2の接続線よりも高いインピーダンスを有し往復路を構成できる第3及び第4の接続線を用いて、前記上部通電端子と前記被加工物との間と、前記下部通電端子と前記被加工物との間とに接続されている
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 前記第3及び第4の接続線のそれぞれに、電流センサが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記第3及び第4の接続線のいずれか一方の接続線が設けられ、いずれか他方の接続線が省略されている状態において、前記上部・下部の通電端子のうち前記サブ放電用電源と非接続の通電端子と前記被加工物との間にコンデンサが接続されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 前記第3及び第4の接続線のいずれか一方の接続線が設けられ、いずれか他方の接続線が省略されている状態において、前記上部・下部の通電端子のうち前記サブ放電用電源と非接続の通電端子と前記被加工物との間にコンデンサが接続されているとともに、前記一方の接続線に電流センサが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  5. 前記第1及び第2のメイン放電用電源からメイン放電電流が供給される期間内、前記第3の接続線と前記上部通電端子と前記被加工物との間の接続と、前記第4の接続線と前記下部通電端子と前記被加工物との間の接続とを、それぞれ解除して高インピーダンス化を図る手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  6. 上下方向に走行するワイヤ電極の上方位置の少なくとも1箇所と下方位置の少なくとも1箇所とにそれぞれ摺接して配置される上部・下部の通電端子と、前記上部・下部の通電端子の間において前記ワイヤ電極に所定の加工間隙を置いて対向配置される被加工物とに放電電圧を印加して前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の極間に放電電流を供給する加工用電源として、
    互いに独立してメイン放電電圧を発生する第1及び第2のメイン放電用電源と、前記メイン放電電圧とは別のサブ放電電圧を発生するサブ放電用電源とを備え、
    前記第1のメイン放電用電源は、往復路を構成できる第1の接続線を用いて前記上部通電端子と前記被加工物との間に接続され、
    前記第2のメイン放電用電源は、往復路を構成できる第2の接続線を用いて前記下部通電端子と前記被加工物との間に接続され、
    前記サブ放電用電源は、前記第1及び第2の接続線よりも高いインピーダンスまたは同程度のインピーダンスを有し往復路を構成できる第3及び第4の接続線を用いて、前記上部通電端子と前記被加工物との間と、前記下部通電端子と前記被加工物との間とに接続され、
    前記第3及び第4の接続線の往路のそれぞれに、電流制限素子が設けられている
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  7. 前記2つの電流制限素子は、互いに異なる値であることを特徴とする請求項6にワイヤ放電加工装置。
  8. 前記2つの電流制限素子での各制限電流量に基づき放電位置を検出する手段を備えていることを特徴とする請求項6に記載のワイヤ放電加工装置。
  9. 前記第3及び第4の接続線がそれぞれ省略され、前記サブ放電用電源は、一方の電極端が前記2つの電流制限素子のうちの対応する電流制限素子を介して前記第1及び第2の接続線における往路のそれぞれに接続され、他方の電極端が前記第1及び第2の接続線における復路のそれぞれに接続されていることを特徴とする請求項6に記載のワイヤ放電加工装置。
  10. 上下方向に走行するワイヤ電極の上方位置の少なくとも1箇所と下方位置の少なくとも1箇所とにそれぞれ摺接して配置される上部・下部の通電端子と、前記上部・下部の通電端子の間において前記ワイヤ電極に所定の加工間隙を置いて対向配置される被加工物とに放電電圧を印加して前記ワイヤ電極と前記被加工物との間の極間に放電電流を供給する加工用電源として、
    互いに独立してメイン放電電圧を発生する第1及び第2のメイン放電用電源と、前記メイン放電電圧とは別のサブ放電電圧を発生するサブ放電用電源とを備え、
    前記第1のメイン放電用電源は、往復路を構成できる第1の接続線を用いて前記上部通電端子と前記被加工物との間に接続され、
    前記第2のメイン放電用電源は、往復路を構成できる第2の接続線を用いて前記下部通電端子と前記被加工物との間に接続され、
    前記サブ放電用電源は、一方の電極端が前記第1及び第2の接続線よりも高いインピーダンスを有し往路のみを構成する第3及び第4の接続線を用いて前記上部・下部の通電端子のそれぞれに接続され、他方の電極端が低インピーダンス材を用いて前記第1及び第2の接続線における復路のそれぞれに接続されている
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  11. 前記上部・下部の通電端子と前記被加工物との間のそれぞれに、コンデンサが接続されていることを特徴とする請求項10に記載のワイヤ放電加工装置。
  12. 前記第3及び第4の接続線のそれぞれに、電流センサが設けられていることを特徴とする請求項10に記載のワイヤ放電加工装置。
  13. 前記第3及び第4の接続線のそれぞれに、電流制限素子が設けられていることを特徴とする請求項10に記載のワイヤ放電加工装置。
  14. 前記上部・下部の通電端子と前記被加工物との間のそれぞれに、コンデンサが接続されているとともに、前記第3及び第4の接続線のそれぞれに、電流センサまたは電流制限素子が設けられていることを特徴とする請求項10に記載のワイヤ放電加工装置。
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