JPWO2005088396A1 - ポジ型感光性樹脂組成物、それを用いたレリーフパターン、及び固体撮像素子 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物、それを用いたレリーフパターン、及び固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解し、微細パターンを解像することができ、光学素子に用いることができる高透明性で高屈折率でレンズ形状を作成できる組成物を提供する。(a)アルカリ可溶性基を有するポリマー100重量部に対して、(b)露光波長の光を吸収するが、その光によって、退色しない化合物を1〜30重量部、(c)キノンジアジド化合物を1〜50重量部、(d)アルミニウム化合物、ケイ素化合物、スズ化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物から少なくとも1種選ばれる粒子径1nmから30nmの無機粒子を5〜500重量部含有するポジ型感光性樹脂組成物を用いる。

Description

本発明は、高透明性と高屈折率、丸型形状が要求される光学素子用の光導波路や、レンズなどに適した、紫外線で露光した部分がアルカリ水溶液に溶解するポジ型の感光性樹脂組成物に関する。
露光した部分がアルカリ現像により溶解するポジ型の感光性樹脂組成物としては、ポジ型のレジスト組成物や、ポジ型の感光性ポリイミド前駆体組成物、ポジ型の感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物等が既に開発されている(例えば特許文献1参照)。これらは、半導体用のシリコン酸化膜ドライエッチング工程におけるマスク用として、及び、加熱あるいは適当な触媒により耐熱性樹脂とし、半導体用の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子用の絶縁層等に使用されている(例えば特許文献2参照)。これらを光学素子用のレンズ等に適用する場合、この樹脂組成物は、屈折率に問題があり、これを解決するために、透明性の高いポリイミドに高屈折率粒子を導入したものが開発されている(例えば特許文献3参照)。
特開2002−241611号公報 特開2002−221794号公報 特開2003−75997号公報
しかしながら、これらの材料は、光学素子である電荷結合素子のレンズ等に適用する場合、昨今の技術トレンドである高画素化と微細化の観点から、現状のものは屈折率が十分とは言えず問題となっている。また、現在は、組成物を用いてパターン形成後、熱溶融を行うことによって、レンズ形状を製作しているが、屈折率を向上させるために、高屈折率粒子を多く導入する手法を用いた場合、粒子の効果によって、熱処理時、流動性が阻害され、高屈折率と、良好な形状のレンズの作製を同時に達成することは困難であった。
本発明は、露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解し、微細パターンを解像することができ、光学素子に用いることができる高透明性で高屈折率で良好な形状のレンズを作製できる組成物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、(a)アルカリ可溶性基を有するポリマー100重量部に対して、(b)露光波長の光を吸収するが、その光によって、退色しない化合物を1〜30重量部、(c)キノンジアジド化合物を1〜50重量部、(d)アルミニウム化合物、ケイ素化合物、スズ化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物から少なくとも1種選ばれる粒子径1nmから30nmの無機粒子を5〜500重量部含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物であり、また別な表現をすれば、(a)アルカリ可溶性基を有するポリマー100重量部に対して、(b)紫外線を吸収するが、その光によっては退色しない化合物を1〜30重量部、(c)キノンジアジド化合物を1〜50重量部、(d)アルミニウム化合物、ケイ素化合物、スズ化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物から少なくとも1種選ばれる粒子径1nmから30nmの無機粒子を5〜500重量部含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物、である。
そしてまた、本発明の耐熱性樹脂のレリーフパターンは、1μmから10μmのドットサイズかつ、0.1μm〜1.0μmピッチで格子状に配列された耐熱性樹脂のレリーフパターンであって、各ドットは400nmにおける光線透過率が1μmあたり80%以上であり、かつ、各ドットのテーパー角が55度以下であることを特徴とする耐熱性樹脂のレリーフパターン、である。
そしてまた、種々の好ましい態様を提案するものである。
本発明によれば、アルカリ水溶液で現像でき、高透明性、高屈折率のポジ型の感光性樹脂組成物を得ることができる。また、電荷結合素子などの固体撮像素子のレンズとして有用な屈折率が高く、良好なレンズ形状を有したレリーフパターンを得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物によるレンズ形状形成過程の説明図である。左の絵は露光・現像後のパターンの断面形状を示し、右の絵は該パターンを熱処理した後のパターンの断面形状(レンズ形状)を示している。
符号の説明
1、3 テーパー角
2 基板
本発明における(a)成分は、現像液として用いられるアルカリ水溶液に可溶性であることが必要であり、これまでに用いられてきた一般的なアルカリ可溶性ポリマーであればいずれのものでも良い。アルカリ可溶性ポリマーとしては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有するラジカル重合性ポリマー、ポリイミド前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール前駆体から選択されるポリマーである。これら前記ポリマーは分子中にアルカリ可溶性基を有することが望ましい。
上記アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基等が挙げられる。
上記のノボラック樹脂およびレゾール樹脂は、種々のフェノール類の単独あるいはそれらの複数種の混合物をホルマリンなどのアルデヒド類で公知の方法で重縮合することにより得られる。
ノボラック樹脂およびレゾール樹脂を構成するフェノール類としては、例えばフェノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、メチレンビスフェノール、メチレンビスp−クレゾール、レゾルシン、カテコール、2−メチルレゾルシン、4−メチルレゾルシン、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,3−ジクロロフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、p−ブトキシフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−ジエチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトールなどが挙げられ、これらは単独で、または複数の混合物として用いることができる。
また、アルデヒド類としては、ホルマリンの他、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロロアセトアルデヒドなどが挙げられ、これらは単独でまたは複数の混合物として用いることができる。
本発明のフェノール性水酸基またはカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーの単独重合体ポリマーおよび/または該ラジカル重合性モノマーとそれ以外の他のラジカル重合性モノマーの共重合体ポリマーとしては、ラジカル重合開始剤を用いて、公知の方法で重合することにより得られる。
フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンおよびp−ヒドロキシスチレン、ならびにこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル、カルボキシ置換体;ビニルヒドロキノン、5−ビニルピロガロール、6−ビニルピロガロール、1−ビニルフロログリシノール等のポリヒドロキシビニルフェノール類;o−ビニル安息香酸、m−ビニル安息香酸、およびp−ビニル安息香酸、ならびにこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミド、エステル置換体、メタクリル酸およびアクリル酸、ならびにこれらのα−位のハロアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸および1,4−シクロヘキセンジカルボン酸等の二価の不飽和カルボン酸、ならびにこれらのメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、o−、m−、p−トルイルハ−フエステルおよびハ−フアミドを好ましいものとして挙げることができる。これらのうち、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンおよびp−ヒドロキシスチレン、ならびにこれらのアルキル、アルコキシ置換体がパターニング時の感度、解像度、現像後の残膜率、耐熱変形性、耐溶剤性、下地との密着性、溶液の保存安定性等の面から好ましく用いられる。これらは1種または2種以上一緒に用いることができる。
また、上記その他のラジカル重合性モノマーとしては、例えばスチレン、およびスチレンのα−位、o−位、m−位、またはp−位のアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル置換体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジオレフィン類;メタクリル酸またはアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソアミルヘキシル、シクロヘキシル、アダマンチル、アリル、プロパギル、フェニル、ナフチル、アントラセニル、アントラキノニル、ピペロニル、サリチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェネシル、クレシル、グリシジル、1,1,1−トリフルオロエチル、パ−フルオロエチル、パ−フルオロ−n−プロピル、パ−フルオロ−i−プロピル、トリフェニルメチル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(当該技術分野の慣用名として「ジシクロペンタニル」といわれている。)、クミル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、3−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、フリル、フルフリルの各エステル化物、メタクリル酸またはアクリル酸のアニリド、アミド、またはN,N−ジメチル、N,N−ジエチル、N,N−ジプロピル、N,N−ジイソプロピル、アントラニルアミド、アクリロニトリル、アクロレイン、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニル、弗化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニル、N−フェニルマレインイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレインイミド、N−メタクリロイルフタルイミド、N−アクリロイルフタルイミド等を用いることができる。これらは1種または2種以上併用することができる。これらのうち、スチレン、およびスチレンのα−位、o−位、m−位、p−位のアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル置換体;ブタジエン、イソプレン;メタクリル酸、またはアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、N−ブチル、グリシジルおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルの各エステル物が、パターニング時の感度、解像度、現像後の残膜率、耐熱変形性、耐溶剤性、下地との密着性、溶液の保存安定性等の観点から特に好適に用いられる。アルカリ可溶性樹脂としてフェノール性水酸基を有するラジカル重合性モノマーとそれ以外の他のラジカル重合性モノマーの共重合体を用いる場合、他のラジカル重合性モノマーの好ましい共重合の割合は、フェノール性水酸基を持つラジカル重合性モノマーおよび他のラジカル重合性モノマーとの合計量に対して、好ましくは30重量%以下、特に好ましくは5〜20重量%である。また、アルカリ可溶性樹脂としてカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーとそれ以外の他のラジカル重合性モノマーの共重合体を用いる場合、他のラジカル重合性モノマーの好ましい共重合の割合は、カルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーおよび他のラジカル重合性モノマーとの合計量に対して、好ましくは90重量%以下、特に好ましくは10〜80重量%である。これらのラジカル重合性モノマーの割合がフェノール性水酸基またはカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーに対して前述した割合を越えるとアルカリ現像が困難となる場合がある。
本発明に好適に用いられる一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーとしては、加熱あるいは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、その他の環状構造を有するポリマーとなり得るものである。ここで、主成分とは構造単位として50モル%以上、好ましく70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上の場合をいう。環状構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。すなわち、本発明において耐熱性樹脂とは、このように加熱あるいは適当な触媒により環状構造を形成するポリマー若しくは環状構造形成後のポリマーを指す。
Figure 2005088396
式中Rは2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基、Rは、2個以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基、Rは水素、または炭素数1から20までの有機基を示す。nは10から100000までの範囲、mは0から2までの整数、p、qは0から4までの整数を示す。ただしp+q≧0である。
上記一般式(1)は、水酸基を有したポリアミド酸および/またはポリアミド酸エステルを表しており、従って、p+q>0であることが望ましい態様であることは明らかである。この水酸基の存在のために、アルカリ水溶液に対する溶解性が水酸基を有さないポリアミド酸よりも良好になる。特に、水酸基の中でもフェノール性の水酸基がアルカリ水溶液に対する溶解性の点で好ましい。また、フッ素原子を一般式(1)中、すなわち一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマー1分子中、に10重量%以上有することで、アルカリ水溶液で現像する際に、膜の界面に撥水性が適度に出るために、界面のしみこみなどが抑えられる。しかしながら、フッ素原子含有量が20重量%を越えると、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下すること、熱処理により環状構造にしたポリマーの耐有機溶媒性が低下すること、発煙硝酸に対する溶解性が低下するために好ましくない。このように、フッ素原子は10重量%以上20重量%以下含まれることが好ましい。
上記一般式(1)のRは酸二無水物の構造成分を表しており、この酸二無水物は芳香族環を含有し、かつ、水酸基を1個〜4個有した、2個以上の炭素原子を有する2価〜8価の有機基であることが好ましく、炭素数6〜30の3価または4価の有機基がさらに好ましい。
Figure 2005088396
、Rは炭素数2〜20より選ばれる2価〜4価の有機基を示し、Rは、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基を示し、R、Rは水素、および/または炭素数1〜20までの有機基を示す。o、sは0から2までの整数、rは1〜4までの整数を示す。
具体的には、一般式(2)に示されるような構造のものが好ましく、この場合、R、Rは炭素数2〜20より選ばれる2価〜4価の有機基を示しているが、得られるポリマーの耐熱性の点から芳香族環を含んだものが好ましく、その中でも特に好ましい構造としてトリメリット酸、トリメシン酸、ナフタレントリカルボン酸残基のようなものを挙げることができる。またRは炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基が好ましい。さらに、水酸基はアミド結合と隣り合った位置にあることが好ましい。このような例として、フッ素原子を含んだ、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を含まない、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4−ジアミノ−フェノール、2,5−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼンのアミノ基が結合したものなどを挙げることができる。
また、一般式(2)のR、Rは水素、および/または炭素数1〜20までの有機基が良い。炭素数20より大きくなるとアルカリ現像液に対する溶解性が低下する。
一般式(2)のo、sは0〜2の整数をあらわしており、rは1〜4までの整数を表している。rが5以上になると、得られる耐熱性樹脂膜の特性が低下する。
一般式(2)で表される構造単位の中で、好ましい構造単位を具体的に例示すると下記に示したような構造のものが挙げられる。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005088396
また、アルカリに対する溶解性、感光性能、耐熱性を損なわない範囲で、水酸基を有していないテトラカルボン酸、ジカルボン酸で変性することもできる。この例としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸などの芳香族テトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族のテトラカルボン酸やそのカルボキシル基2個をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。これらは、酸成分の50モル%以下の変性が好ましいが、さらに好ましくは30モル%以下である。50モル%より多くの変性を行うと、アルカリに対する溶解性、感光性が損なわれる恐れがある。
上記一般式(1)のRは、ジアミン残基を表している。この中で、Rの好ましい例としては、得られるポリマーの耐熱性より芳香族を有し、かつ水酸基を有するものが好ましく、具体的な例としてはフッ素原子を有した、ビス(アミノ−ヒドロキシ−フェニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を有さない、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジン、ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジンなどの化合物や一般式(3)、(4)、(5)に示す構造のものをあげることができる。
Figure 2005088396
、R11は炭素数2〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜4価の有機基を示し、R10は炭素数2〜30より選ばれる2価の有機基を示す。t、uは1あるいは2の整数を示す。R12、R14は炭素数2〜20までの2価の有機基を示し、R13は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基を示す。vは1〜4までの整数を示す。R15は炭素数2〜20より選ばれる2価の有機基を示し、R16は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基を示す。wは1〜4までの整数を示す。
この中で、一般式(3)内のR、R11、一般式(4)内のR13、一般式(5)内のR16は、得られるポリマーの耐熱性より芳香族環、水酸基を有した有機基が好ましい。一般式(3)内のR10、一般式(4)内のR12、R14、一般式(5)内のR15は、得られるポリマーの耐熱性より芳香族環を有した有機基が好ましい。また一般式(3)のt、uは1あるいは2の整数を示し、一般式(4)のv、一般式(5)のwは1〜4までの整数を示す。
一般式(3)で表される構造単位の中で、好ましい構造単位を具体的に例示すると下記に示したような構造のものが挙げられる。
Figure 2005088396
また、一般式(4)で表される構造単位の中で、好ましい構造単位を具体的に例示すると下記に示したような構造のものが挙げられる。
Figure 2005088396
また、一般式(5)で表される構造単位の中で、好ましい構造単位を具体的に例示すると下記に示したような構造のものが挙げられる。
Figure 2005088396
一般式(3)に示す構造において、R、R11は炭素数2〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜4価の有機基を示しており、得られるポリマーの耐熱性の点からは芳香族環を有したものが好ましい。具体的にはヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェニル基、ジヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒドロキシジフェニルエーテル基などを表す。また、ヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基などの脂肪族の基も使用することができる。R10は炭素数2〜30までの2価の有機基を表している。得られるポリマーの耐熱性よりは芳香族を有した2価の基がよく、このような例としてはフェニル基、ビフェニル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオロプロパン基、ジフェニルプロパン基、ジフェニルスルホン基などをあげることができるが、これ以外にも脂肪族のシクロヘキシル基なども使用することができる。
一般式(4)に示す構造において、R12、R14は炭素数2〜20までの2価の有機基を表している。得られるポリマーの耐熱性よりは芳香族環を有した2価の基がよく、このような例としてはフェニル基、ビフェニル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオロプロパン基、ジフェニルプロパン基、ジフェニルスルホン基などをあげることができるが、これ以外にも脂肪族のシクロヘキシル基なども使用することができる。R13は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基を示しており、得られるポリマーの耐熱性より芳香族環を有したものが好ましい。具体的にはヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェニル基、ジヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒドロキシジフェニルエーテル基などを表す。また、ヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基などの脂肪族の基も使用することができる。
一般式(5)に示す構造においてR15は炭素数2〜20より選ばれる2価の有機基を表している。得られるポリマーの耐熱性から芳香族環を有した2価の基がよく、このような例としてはフェニル基、ビフェニル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオロプロパン基、ジフェニルプロパン基、ジフェニルスルホン基などをあげることができるが、これ以外にも脂肪族のシクロヘキシル基なども使用することができる。R16は炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基を示しており、得られるポリマーの耐熱性より芳香族環を有したものが好ましい。具体的にはヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェニル基、ジヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒドロキシジフェニルエーテル基などを表す。また、ヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基などの脂肪族の基も使用することができる。
また、1〜40モル%の範囲の、他のジアミン成分を用いて変性することもできる。これらの例としては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホンあるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物などを挙げることができる。このような例として、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホンあるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物など、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。このようなジアミン成分を40モル%より多い範囲で共重合すると得られるポリマーの耐熱性が低下する。
一般式(1)のRは水素、または炭素数1〜20の有機基を表している。得られるポジ型感光性樹脂組成物溶液の安定性からは、Rは有機基が好ましいが、アルカリ水溶液の溶解性より見ると水素が好ましい。本発明においては、水素原子とアルキル基を混在させることができる。このRの水素と有機基の量を制御することで、アルカリ水溶液に対する溶解速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度を有したポジ型感光性樹脂組成物を得ることができる。好ましい範囲は、Rの10%〜90%が水素原子であることである。Rの炭素数が20を越えるとアルカリ水溶液に溶解しなくなる。以上よりRは、炭素数1〜16までの炭化水素基を1つ以上含有し、その他は水素原子であることが好ましい。
また一般式(1)のmはカルボキシル基の数を示しており、0〜2までの整数を示している。一般式(1)のnは本発明のポリマーの構造単位の繰り返し数を示しており、10〜100000の範囲であることが好ましい。
ポリアミド酸と類似の耐熱性高分子前駆体としてポリヒドロキシアミドをポリアミド酸の代わりに使用することも出来る。このようなポリヒドロキシアミドの製造方法としては、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸を縮合反応させることで得ることが出来る。具体的には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のような脱水縮合剤と酸を反応させ、ここにビスアミノフェノール化合物を加える方法やピリジンなどの3級アミンを加えたビスアミノフェノール化合物の溶液にジカルボン酸ジクロリドの溶液を滴下するなどがある。
ポリヒドロキシアミドを使用する場合、ポリヒドロキシアミドの溶液にナフトキノンジアジドスルホン酸エステルのような感光剤を加えることで、紫外線で露光した部分をアルカリ水溶液で除去できるポジ型の感光性樹脂組成物を得ることが出来る。
さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲で 一般式(1)のR、Rにシロキサン構造を有する脂肪族の基を導入、具体的には該シロキサン構造を有する成分を共重合して導入、してもよい。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜10モル%共重合したものなどがあげられる
本発明の一般式(1)で表されるポリマーは、その構造単位のみからなるものであっても良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド体であっても良い。その際、一般式(1)で表される構造単位を90モル%以上含有していることが好ましい。共重合あるいはブレンドに用いられる構造単位の種類および量は最終加熱処理によって得られるポリイミド系ポリマーの耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるポリマーは、例えば、低温中でテトラカルボン酸2無水物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸2無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後アミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸2無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、アミンと反応させる方法などで合成することができる。
本発明で使用される(b)の化合物は、粒子を含有し、熱処理時の流動性が低下した該組成物において、熱処理時の流動性には頼らず良好なレンズ形状を実現するための重要な成分である。熱処理時の流動性が低下した状態では、表面張力を利用してレンズ形状を作成することが困難となることから、本発明の(b)の化合物を導入することによって、図1に示すように、露光現像後のパターン形状のテーパー角1が65°以下となるようなパターンを一旦形成し、その後、130℃から400℃、好ましく170℃から400℃の熱処理によって、組成物を熱溶融させて、耐熱性樹脂皮膜のパターン形状のテーパー角3が55°以下となるようなレンズ形状を形成することができる。
図1に示すようなパターンを形成するためには、(b)の化合物である、露光波長の光を吸収するが、その光によって、退色しない化合物を用いることにより達成することができる。露光波長としては、一般的には紫外線の領域が好適に用いられる。すなわち、化合物(b)としては紫外線の領域に吸収を有する化合物であることが望ましい。(b)の化合物は、 露光機から照射される露光波長を吸収する化合物であるため、該感光性樹脂組成物を露光してパターン形成を行う場合、露光波長において大きな吸収を生じ、かつ、その波長によって退色しないため、露光波長吸収剤として作用し、膜の上部と底部において、露光によって感光した感光剤の割合が大きく変わり、すなわち、現像速度が膜の上部と下部で異なることになるので、上記のテーパー状のパターンを容易に形成できるのである。
好ましい本発明の(b)の化合物は、一般的には、露光波長となる、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)から選ばれる一種以上の光を吸収し、かつ、その波長によって分解、退色しない化合物である。すなわち、光源の入手が容易であるのでこれら光線において吸収を有するものが好適である。当然であるが、それら以外の波長域において吸収を全く有さないという意味ではない。
また、本発明の(b)の化合物は、更には130℃から400℃、好ましくは170℃から400℃の熱処理で、波長400nmから700nmの領域における化合物由来の吸収が増加しない化合物を用いることが望ましい。本発明の主な用途は光学素子であるため、130℃から400℃、好ましく170℃から400℃の熱処理後、400nm〜700nmにおいても透明性が重要となる。それ故、熱処理時該化合物が揮発して飛散または、分解しても、400nm〜700nmに化合物由来の吸収が増加しない化合物であることが好ましい。400nm〜700nmの吸収が増加する化合物を用いた場合、熱処理後の皮膜に、着色などの現象が発生し、光学材料として使用するのに好ましくないことがある。
本発明における(b)の化合物の添加量としては、好ましくは、ポリマー100重量部に対して、1重量部から30重量部であり、特に好ましくは、2重量部から25重量部である。すなわち、下限として1重量部以上であり、好ましく2重量部以上であり、また、上限として30重量部以下であり、好ましく25重量部である。1重量部を下回ると、現像後のパターン形状においてテーパー角が65°を上回る場合が生じてくる場合があり、また、30重量部を上回るとパターン加工時、感度が極端に低下し、実使用上に問題が生じてくる場合がある。
現像後のパターン形状として、テーパー角1を65°以下のパターンを得るためには、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、波長365nm〜436nm、代表的には波長365nm、好ましくは露光波長、における塗布・乾燥後の感光性樹脂組成物膜の厚さ1.2μmあたりの透過率が重要となる。これを満足するためには、(b)の化合物の種類にもよるが、好ましくは20〜70%であり、特に好ましくは30〜70%にする必要がある。該透過率が20%を下回ると、パターン加工時、感度が極端に低下し、使用に問題が生じてくる場合がある。一方、70%を上回ると、パターン形状のテーパー角が65°を超えることがあり、例えば130℃〜400℃、好ましく170℃から400℃の範囲での熱処理後の形状として、レンズ形状が形成できなくなる場合がある。係る透過率を達成するためには化合物(b)の量として上述の範囲とすることが重要である。
これらの特性を満足する(b)の化合物としては、たとえば、クマリン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等を挙げることができる。クマリン誘導体としては、クマリン、クマリン−4(以上商品名、シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製)、4−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシクマリン(以上、東京化成工業(株)製)、ベンゾトリアゾール誘導体としては、スミソーブ200、スミソーブ250、スミソーブ320、スミソーブ340、スミソーブ350(以上、商品名、住友化学工業(株)製)、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体としては、スミソーブ130、スミソーブ140(以上商品名、住友化学工業(株)製)、ジスライザーM、ジスライザーO(商品名、三協化成(株)製)、シーソーブ103(シプロ化成(株)製)等が挙げられる。これらのうち、(b)の化合物が、130℃〜400℃、好ましく170℃〜400℃の熱処理で飛散する化合物を選択する、あるいは、飛散しない場合、分解し、400nm〜700nmの吸収が、熱処理前と比較して増加しないものを選択することが望ましい。(b)の化合物が飛散するためには、該化合物の分子量が100〜350の範囲が好ましく用いられる。
これら好ましい(b)の化合物としては、クマリン、クマリン−4、4−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシクマリン、スミソーブ130、スミソーブ200、ジスライザーM、ジスライザーO等が好ましい。以下に好ましい化合物の構造式を示した。
Figure 2005088396
本発明に用いられる(c)のキノンジアジド化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドのスルホン酸がエステルで結合した化合物が好ましい。ここで用いられるフェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、Bis−Z、BisOC−Z、BisOPP−Z、BisP−CP、Bis26X−Z、BisOTBP−Z、BisOCHP−Z、BisOCR−CP、BisP−MZ、BisP−EZ、Bis26X−CP、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisCR−IPZ、BisOCP−IPZ、BisOIPP−CP、Bis26X−IPZ、BisOTBP−CP、TekP−4HBPA(テトラキスP−DO−BPA)、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOFP−Z、BisRS−2P、BisPG−26X、BisRS−3P、BisOC−OCHP、BisPC−OCHP、Bis25X−OCHP、Bis26X−OCHP、BisOCHP−OC、Bis236T−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、BisRS−OCHP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、4,4’−スルホニルジフェノール(和光純薬(株)社製)、BPFL(商品名、JFEケミカル(株)製)が挙げられる。
これらのうち、好ましいフェノール性水酸基を有する化合物としては、たとえば、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいフェノール性水酸基を有する化合物としては、たとえば、Bis−Z、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisRS−2P、BisRS−3P、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F、4,4’−スルホニルジフェノール、BPFLである。これらフェノール性水酸基を有する化合物に4−ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸をエステル結合で導入したものが好ましいものとして例示することが出来るが、これ以外の化合物を使用することもできる。この(c)キノンジアジド化合物の含有量としては前記のアルカリ可溶性基有するポリマー100重量部に対して1〜50重量部である。
また、本発明で用いるナフトキノンジアジド化合物の分子量が1000より大きくなると、その後の熱処理においてナフトキノンジアジド化合物が十分に熱分解しないために、得られる膜の耐熱性が低下したり、機械特性が低下したり、接着性が低下したりするなどの問題が生じる可能性がある。このような観点より見ると、好ましいナフトキノンジアジド化合物の分子量は300から1000である。さらに好ましくは、350から800である。このようなナフトキノンジアジド化合物の添加量としては、前記のアルカリ可溶性基有するポリマー100重量部に対して、好ましくは1から50重量部である。
また、上に示したフェノール性水酸基を有する化合物を現像時の未露光部の溶解速度を小さくする目的で添加することも可能である。
好ましいフェノール性水酸基を有する化合物としては、たとえば、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいフェノール性水酸基を有する化合物としては、たとえば、Bis−Z、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisRS−2P、BisRS−3P、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F、4,4’−スルホニルジフェノール、BPFLであるが、これ以外のフェノール性水酸基を有する化合物を使用することもできる。
このフェノール性水酸基を有する化合物の添加量としては、前記のアルカリ可溶性基有するポリマー100重量部に対して、好ましくは0重量部を超え、100重量部未満であり、特に好ましくは、0重量部を超え、30重量部未満である。添加量がポリマー100重量部に対して0重量部を超え、100重量部未満である場合、フェノール性水酸基を有する化合物により感光性樹脂組成物のアルカリに対する溶解性が向上し、現像時露光部の溶解性を向上させることができる。一方、添加量が前記のポリマー100重量部に対して100重量部以上である場合、感光性樹脂組成物のアルカリに対する溶解性が良くなりすぎるためパターン加工が困難になることがある。
本発明に用いる(d)成分の無機粒子は、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、スズ化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物から少なくとも1種選ばれる粒子径1nmから30nmの無機粒子である。具体的には、アルミニウム錯体、酸化アルミニウム粒子、酸化スズ−酸化アルミニウム複合粒子、酸化ケイ素−酸化アルミニウム複合粒子、酸化ジルコニウム−酸化アルミニウム複合粒子、酸化スズ−酸化ケイ素複合粒子、酸化ジルコニウム−酸化ケイ素複合粒子等、スズ錯体、酸化スズ粒子、酸化ジルコニウム−酸化スズ複合粒子等、チタン錯体、酸化チタン粒子、酸化スズ−酸化チタン複合粒子、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子、酸化ジルコニウム−酸化チタン複合粒子等、ジルコニウム錯体、酸化ジルコニウム粒子等があげられる。好ましくは、酸化スズ−酸化チタン複合粒子、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム−酸化スズ複合粒子、酸化ジルコニウム−酸化ケイ素複合粒子、酸化ジルコニウム粒子である。
これらのレーザー回析・散乱法により測定された無機粒子の数平均粒子径は、1nmから30nmが好ましく、特に好ましくは、1nmから15nmである。粒子径が、1nmから30nmの場合、組成物として露光により所定のパターンを解像することができる程度の感光性を得ることができる。一方、30nmを越えると、露光に使用する光が粒子により乱反射し、所定のパターンを解像することができず組成物としての感光性は十分に得られない。また、これら無機粒子の添加量としては、ポリマー100重量部に対して、5重量部〜500重量部、好ましくは50重量部から500重量部であり、特に好ましくは、60重量部から300重量部である。すなわち、ポリマー100重量部に対して、下限として5重量部以上であり、好ましく50重量部以上であり、さらに好ましく60重量部以上であり、上限として500重量部以下であり、好ましく300重量部以下である。添加量がポリマー100重量部に対して、5重量部〜500重量部、好ましくは50重量部から500重量部である場合、屈折率と透過率(特に400nm)共に向上することが確認される。一方、5重量部より少ないと、透明性と屈折率が共に上がらない場合や、500重量部を越えると、透明性と屈折率は共に向上するが、パターン加工が全く困難となり感光性を有しない場合が生じることがある。
これらの無機粒子は、単体粒子としても、複合粒子としても利用できる。さらに、これらの無機粒子は、1種以上を混合して用いられることもできる。
市販されている化合物としては、酸化スズ−酸化チタン複合粒子の”オプトレイクTR−502”、”オプトレイクTR−504”、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子の”オプトレイクTR−503”、酸化チタン粒子の”オプトレイクTR−505”、”オプトレイクTR−512”、”オプトレイクTR−513”、”オプトレイクTR−514”、”オプトレイクTR−515”(以上、商品名、触媒化成工業(株)製)、酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所製)、酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子(触媒化成工業(株)製)、酸化スズ粒子((株)高純度化学研究所製)等が挙げられる。
また、必要に応じて上記、感光性樹脂組成物と基板との塗れ性を向上させる目的で界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を混合しても良い。また、その他の無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを添加することもできる。
さらにシリコンウエハなどの下地基板との接着性を高めるために、シランカップリング剤などを感光性樹脂組成物のワニスに0.5から10重量%添加したり、下地基板をこのような薬液で前処理したりすることもできる。
ワニスに添加する場合、メチルメタクリロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、などのシランカップリング剤、アルミキレート剤をワニス中のポリマーに対して0.5から10重量%添加する。
基板を処理する場合、上記で述べたカップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5から20重量%溶解させた溶液をスピンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処理をする。場合によっては、その後50℃から300℃までの温度をかけることで、基板とカップリング剤との反応を進行させる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いて樹脂パターンを形成する方法について説明する。
感光性樹脂組成物を基板上に塗布する。基板としてはシリコンウエハ、セラミックス類、ガリウムヒ素などが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティングなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが通常、乾燥後の膜厚が、0.1から150μmになるように塗布される。
次に感光性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂組成物膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃から150℃の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。
次に、この感光性樹脂組成物膜の上方から所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を利用することが好ましい。
次いで、露光後、現像液を用いて現像し、感光性樹脂のパターンを形成する。現像液としては、テトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をする。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしても良い。(a)成分として、フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーの単独重合体若しくはこれらの共重合体、または前記フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーとそれ以外の他のラジカル重合性モノマーの共重合体ポリマー、ノボラック樹脂、レゾール樹脂を用いた場合は、現像後に、紫外線を未露光部に100mJ/cmから4000mJ/cm照射し、170℃から300℃の温度を加えて耐熱性を向上した耐熱性樹脂膜に変換して使用する。一方、(a)成分が、一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーである場合も、現像後に、紫外線を未露光部に100mJ/cmから4000mJ/cm照射し、200℃から400℃の温度を加えて耐熱性樹脂膜に変換して使用する。この、加熱処理前の紫外線照射によって、本発明のポジ型感光性樹脂組成物内に残留する(c)の化合物が光分解され、その後の熱処理で変換して得られた耐熱性樹脂膜は、400nm〜700nmにおいて、光学材料として必要な、膜厚1μmあたり、80%以上の透過率を発現する。一方、紫外線を照射しない場合は、残留する(c)の化合物が熱分解し、特に400〜450nmに吸収を示し、透過率が80%を下回り、好ましくない。また、チタン成分を含有した無機粒子を用いた場合は、光触媒反応も手伝って、少量の紫外線量で(c)の化合物を分解することができるので好ましい。
また(b)の化合物において、130℃から400℃、好ましく170℃〜400℃の熱処理で400〜700nmに吸収が生じる化合物を用いた場合、耐熱性樹脂膜に変換すると光学材料として不具合が生じ好ましくない。
この耐熱性樹脂膜に変換する熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分から5時間実施する。一例としては、170℃、200℃、350℃で各30分づつ熱処理する。あるいは室温より400℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。これらのうち、好ましい熱処理条件としては、光学素子用途であることを考慮した場合、窒素雰囲気下において、ホットプレートを用いて、130℃〜400℃、好ましく170℃〜400℃の温度で、5〜15分間処理する方法が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上で説明したとおり屈折率が高く良好なレンズ形状を得ることができるので、光学素子用の高屈折率層間膜やマイクロレンズなどの用途に用いられる。また、好ましい態様においては、ポリマーを熱処理や適当な触媒によって処理することにより耐熱性樹脂に変換することができる。このような本発明の特徴を活かしたマイクロレンズとしては例えば、1μmから10μmのドットサイズで、0.1μmから1.0μmピッチで格子状に配列されたものが挙げられる。すなわち、微細で規則正しく配列された、また各ドットは好ましくそのテーパー角が55度以下である良好なレンズ形状を有した、レリーフパターンとして得ることができる。本発明の樹脂組成物を用いれば優れた透光性も得られることから、好ましく各ドットにおいて400nmにおける光線透過率は1μm換算で80%以上である。この光線透過率が80%以上であると透過光の着色が問題となることもなく、例えば、固体撮像素子として使用され、カラーフィルターが配されたときにおいて色バランスに悪影響を及ぼすことがない。
なお、固体撮像素子は規則的に配列された電荷結合素子からの信号強度とその位置情報を演算することで像を電子情報化する素子であるが、本発明によれば電荷結合素子の受光面の前面に前記のレリーフパターンの各ドットが対応するように配されることで、電荷結合素子への集光を高めることが可能となる。その結果、固体撮像素子としても高感度化あるいは各電荷結合素子を微細化することによって達成できる高精細化を果たすことが可能となる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、本実施例ないし比較例中の感光性樹脂組成物などの評価は以下の方法により行った。
感光性樹脂組成物膜の作製
6インチシリコンウエハ上及び6インチガラス基板に、ポジ型感光性樹脂組成物(以下ワニスと呼ぶ)を、下記の膜厚の測定方法に基づいてプリベーク後の膜厚が1.2μmとなるように塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本スクリーン製造(株)社製SCW−636)を用いて、120℃で3分プリベークすることにより、感光性樹脂組成物膜を得た。
膜厚の測定方法
大日本スクリーン製造(株)社製ラムダエースSTM−602を使用し、屈折率1.64で感光樹脂組成物膜の膜厚の測定を行った。
感光性樹脂組成物の透過率の算出
上記で作製した6インチガラス基板上に感光性樹脂組成物膜の365nmの膜透過率を、紫外可視分光光度計MultiSpec−1500(島津製作所(株)社製)を用いて測定した。
露光
6インチシリコンウエハ及び6インチガラス基板上に作製したポジ型感光性樹脂組成物膜を、露光機((株)ニコン社製i線ステッパーNSR−1755−i7A)に、パターンの切られたレチクルをセットし、露光量300mJ/cm(365nmにおける強度)でi線露光を行った。
現像
6インチシリコンウエハ及び6インチガラス基板上に作製した露光後のポジ型感光性樹脂組成物膜を、東京エレクトロン(株)社製MARK−7の現像装置を用い、50回転で水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液を10秒間噴霧した。この後、0回転で40秒間静置し、次いで400回転で水にてリンス処理、さらに3000回転で10秒間振り切り乾燥した。
感光性の確認
6インチシリコンウエハ上に作製した露光、現像後のポジ型感光性樹脂組成物膜に関し、5μmスクエアが開口していることを、上記膜厚の測定で用いたラムダエースSTM−602を用いて目視にて、感光性を確認した。
現像後の感光性樹脂組成物のパターンのテーパー角の測定
上記のように6インチシリコンウエハ上に作製した現像後の感光性樹脂組成物のパターンから2μmラインアンドスペースパターンを選択し、ダイアモンドカッターでパターンを切断し、その断面を(株)日立ハイテクノロジーズ社製”S−4800 FE−SEM”を用い、テーパー角(説明するまでもないが、該断面における、基板面と樹脂パターンによる曲面の基板との境界点における接線とがなす角として定義される)を測定した。
耐熱性樹脂膜の作製
上記のように露光、現像された6インチシリコンウエハ上のポジ型感光性樹脂組成物膜及び、6インチガラス基板上のポジ型感光性樹脂組成物膜を、露光機(キャノン(株)社製コンタクトアライナーPLA501F)を用いて、紫外線強度5mW/cm(365nm換算)で3分間、紫外線全波長露光(主用波長:365nm、405nm、436nm)を行い、その後、ホットプレート(アズワン(株)製PMCデジタルホットプレート722A−1)を用いて、任意の温度で5分間熱処理し、耐熱性樹脂膜を得た。なお、耐熱性樹脂膜の膜厚は、全実施例および比較例において1μmであった。
耐熱性樹脂膜のパターンのテーパー角の測定
上記のように6インチシリコンウエハ上に作製した耐熱性樹脂膜のパターンから2μmラインアンドスペースパターンを選択し、ダイアモンドカッターでパターンを切断し、その断面を(株)日立ハイテクノロジーズ社製”S−4800 FE−SEM”を用い、テーパー角を測定した
耐熱性樹脂膜の屈折率の測定方法
6インチガラス基板上に作製した上記耐熱性樹脂膜について、プリズムカプラーMODEL2010(METRICON(株)社製)を用いて、室温22℃での波長が632.8nm(He−Neレーザー光源使用)、6インチガラス基板の屈折率N=1.4696、測定屈折率範囲1.46〜1.86において、膜面に対して垂直方向の屈折率(TE)を測定した。
耐熱性樹脂膜の透過率の算出
上記のように6インチガラス基板上に作製した耐熱性樹脂膜について、紫外可視分光光度計MultiSpec−1500(島津製作所(株)社製)を用いて400nmおよび650nmの膜透過率を測定した。
合成例1 ヒドロキシル基含有酸無水物(a)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテル34.2g(0.3モル)をガンマブチロラクトン100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここにガンマブチロラクトン50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して、トルエン1lに投入して酸無水物(a)を得た。
Figure 2005088396
合成例2 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物(b)の合成
BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
固体30gを300mlのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mlに分散させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行った。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、ジアミン化合物(b)を得た。得られた固体をそのまま反応に使用した。
Figure 2005088396
合成例3 ヒドロキシル基含有ジアミン(c)の合成
2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン50ml、プロピレンオキシド30g(0.34モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここにイソフタル酸クロリド11.2g(0.055モル)をアセトン60mlに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。
この沈殿をガンマブチロラクトン200mlに溶解させて、5%パラジウム−炭素3gを加えて、激しく攪拌した。ここに水素ガスを入れた風船を取り付け、室温で水素ガスの風船がこれ以上縮まない状態になるまで攪拌を続け、さらに2時間水素ガスの風船を取り付けた状態で攪拌した。攪拌終了後、ろ過でパラジウム化合物を除き、溶液をロータリーエバポレーターで半量になるまで濃縮した。ここにエタノールを加えて、再結晶を行い、目的の化合物の結晶を得た。
Figure 2005088396
合成例4
ヒドロキシル基含有ジアミン(d)の合成
2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン100ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。この後、合成例2と同様にして目的の化合物の結晶を得た。
Figure 2005088396
合成例5 キノンジアジド化合物(1)の合成
乾燥窒素気流下、2−ナフトール7.21g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド13.43g(0.05モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン5.06gを滴下した。滴下終了後、室温で2時間反応させた後、トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入させた。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、キノンジアジド化合物(1)を得た。
Figure 2005088396
合成例6 キノンジアジド化合物(2)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)社製)、15.31g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド40.28g(0.15モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.18gを用い、合成例5と同様にしてキノンジアジド化合物(2)を得た。
Figure 2005088396
合成例7 キノンジアジド化合物(3)の合成
乾燥窒素気流下、4−イソプロピルフェノール6.81g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド13.43g(0.05モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン5.06gを用い、合成例5と同様にしてを用い、キノンジアジド化合物(3)を得た。
Figure 2005088396
合成例8 キノンジアジド化合物(4)の合成
乾燥窒素気流下、ビスフェノールA 11.41g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド26.86g(0.1モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン10.12gを用い、合成例8と同様にしてキノンジアジド化合物(4)を得た。
Figure 2005088396
各実施例、比較例に使用した光源の露光波長(例えば、i線、h線またはg線を輝線として含む紫外線)において吸収を有する化合物およびフェノール性水酸基を有する化合物を下記に示した。
Figure 2005088396
実施例1
窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.1g(0.0205モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここにヒドロキシ基含有酸無水物(a)21.4g(0.03モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.14g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。
得られた溶液40gに上記に示したナフトキノンジアジド化合物(1)2g、クマリン (商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)1.6g、粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)50gを加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスAを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、280℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例2
乾燥窒素気流下、合成例2のジアミン(b)13.6g(0.0225モル)、末端封止剤として、4−エチニルアニリン(商品名:P−APAC、富士写真フイルム(株)社製)0.29g(0.0025モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここにヒドロキシ基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、60℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液を水2lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
このようにして得たポリマーの固体10gを計り、上記に示したナフトキノンジアジド化合物(2)2g、ビニルトリメトキシシラン1g、ジスライザー0(三協化成(株)社製)0.5gと、粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)50gとをガンマブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスBを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、350℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例3
乾燥窒素気流下、合成例3のジアミン化合物(c)20.78g(0.055モル)、1、3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)をNMP50gに溶解させた。ここに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物13.95g(0.045モル)をNMP21gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。50℃で2時間攪拌後、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール14.7g(0.1モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間攪拌した。
得られた溶液30gに上記に示したナフトキノンジアジド化合物(3)1.6g、スミソーブ130(住友化学工業(株)製)2.1gと、粒子径10nmの”オプトレイクTR−505”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)85gを溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスCを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、300℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例4
乾燥窒素気流下、合成例4のジアミン化合物(d)6.08g(0.025モル)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.21g(0.021モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.806g(0.00325モル)をNMP70gに溶解させた。ヒドロキシル基含有酸無水物(a)24.99g(0.035モル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物4.41g(0.015モル)を室温でNMP25gとともに加え、そのまま室温で1時間、その後50℃で2時間攪拌した。ついで、グリシジルメチルエーテル17.6g(0.2モル)をNMP10gで希釈した溶液を加え、70℃で6時間攪拌した。
このポリマー溶液40gに上記に示したナフトキノンジアジド化合物(4)2.5g、スミソーブ200(商品名、住友化学工業(株)社製)1.6gと、粒子径8nmの”オプトレイクTR−503”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)150gを溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスDを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、400℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例5
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン16.93g(0.04625モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50g、グリシジルメチルエーテル26.4g(0.3モル)に溶解させ、溶液の温度を−15℃まで冷却した。ここにジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド7.38g(0.025モル)、イソフタル酸ジクロリド5.08g(0.025モル)をガンマブチロラクトン25gに溶解させた溶液を内部の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、6時間−15℃で攪拌を続けた。反応終了後、溶液を水3lに投入して白色の沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
このようにして得られたポリマー粉体10gに上記に示したナフトキノンジアジド化合物(2)2g、4,4’−スルホニルジフェノール(商品名、和光純薬(株)製)1g、クマリン(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)2gと、粒子径5nmの”オプトレイクTR−504”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)100gをNMP30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスEを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、320℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例6
乾燥窒素気流下、合成例2のジアミン(b)13.6g(0.0225モル)、末端封止剤として、4−(3−アミノフェニル)−2−メチル−3−ブチン−2−オール(商品名:M−APACB、富士写真フイルム(株)製)0.44g(0.0025モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここにヒドロキシ基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、60℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液を水2lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
このようにして得たポリマーの固体10gを計り、上記に示したナフトキノンジアジド化合物(2)2g、ビニルトリメトキシシラン1g、クマリン−4(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)2.5gと、粒子径5nmの”オプトレイクTR−504”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)100.0gをガンマブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスFを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、300℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例7
実施例1の粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)を粒子径5nmの酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所社製、固形分濃度=100%)46.7gに変更し、クマリン(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)1.6gをクマリン−4(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)3gに変更し、他は実施例1と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスGを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、320℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例8
実施例3の粒子径10nmの”オプトレイクTR−505”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)を粒子径25nmの酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子ゾル(触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=8.5%)に変更し、他は実施例3と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスHを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、350℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例9
実施例2の粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)を粒子径15nm酸化アルミニウム−酸化チタン複合粒子(固形分濃度=100%)に変更し、加えて、ジスライザ−O(商品名、三協化成(株)社製)0.5gをクマリン(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)1gに変更した他は実施例2と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスIを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、280℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例10
実施例5の2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン16.93gを18.3g(0.05モル)に変更し、さらに粒子径5nmの”オプトレイクTR−504”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)を粒子径10nmの酸化スズ粒子((株)高純度化学研究所製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=12%)100gに変更し、加えて、クマリン(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)2gをクマリン−4(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)1gに変更した他は、実施例5と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスJを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、300℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例11
乾燥窒素気流下、メタクレゾール57g(0.6モル)、パラクレゾール38g(0.4モル)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液75.5g(ホルムアルデヒド0.93モル)、シュウ酸二水和物0.63g(0.005モル)、メチルイソブチルケトン264gを仕込んだ後、油浴中に浸し、反応液を還流させながら、4時間重縮合反応を行った。その後、油浴の温度を3時間かけて昇温し、その後に、フラスコ内の圧力を30〜50mmHgまで減圧し、揮発分を除去し、溶解している、樹脂を室温まで冷却して、アルカリ可溶性のノボラック樹脂のポリマー固体85gを得た。
このようにして得たノボラック樹脂10gを計り、上記に示したナフトキノンジアジド化合物(2)2g、ビニルトリメトキシシラン1g、スミソーブ130(商品名、住友化学工業(株)社製)1g,スミソーブ140(商品名、住友化学工業(株)社製)1gと、粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)50gとをガンマブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスKを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、220℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例12
乾燥窒素気流下、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5g、プロピレングリコールモノメチルエーテールアセテート200g、パラ−ヒドロキシ−α−メチルスチレン25g、アクリル酸40g、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート30gを仕込み溶解させ、70℃で4時間攪拌反応させた。反応終了後、アルカリ可溶性ラジカル重合ポリマー溶液を、ヘキサン1000gに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
このようにして得たポリマーの固体10gを計り、上記に示したナフトキノンジアジド化合物(1)2g、スミソーブ200(商品名、住友化学工業(株)社製)1g、粒子径10nmの”オプトレイクTR−505”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)70gを加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスLを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、200℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例13
乾燥窒素気流下、3,5−ジアミノベンゾイックアシッド(東京化成(株)社製)3.42g(0.0225モル)、末端封止剤として、4−エチニルアニリン(商品名、P−APAC、富士写真フイルム(株)社製)0.29g(0.0025モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここにヒドロキシ基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、60℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液を水2lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥した。
このようにして得たポリマーの固体10gを計り、上記に示したナフトキノンジアジド化合物(2)2g、ビニルトリメトキシシラン1g、クマリン−4(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)1gと、粒子径5nmの”オプトレイクTR−502”(商品名、触媒化成工業(株)社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=20%)50gとをガンマブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスMを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、320℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例14
実施例12のスミソーブ200(商品名、住友化学工業(株)社製)1gを用いず、A−DMA(保土谷化学工業(株)社製)2gに変更し、他は実施例12と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスSを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、200℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
パターンにおいて幾分着色が見られたが、良好なレンズ形状として得ることができた。
実施例15
実施例2のジスライザー0(三協化成(株)社製)0.5gを0.2gに変更し、他は実施例2と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスUを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、200℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
比較例1
実施例1のオプトレイクTR−502、およびクマリンを用いない他は、実施例1と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスNを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、280℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
比較例2
実施例2のジスライザーO(商品名、三協化成(株)社製)0.5gをクマリン(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)0.05gに変更し、他は実施例2と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスOを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、350℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
比較例3
実施例3のスミソーブ130(商品名、住友化学工業(株)社製)2.1gをジスライザーO(商品名、三協化成(株)社製)5.1gに変更した他は実施例3と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスPを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、300℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
比較例4
実施例10の粒子径10nmの酸化スズ粒子((株)高純度化学研究所社製、ガンマブチロラクトン溶液、固形分濃度=12%)を100gから1000gに変更して、他は実施例10と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスQを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、300℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
比較例5
実施例4のスミソーブ200(商品名、住友化学工業(株)社製)を用いない他は実施例4と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスRを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、400℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
比較例6
実施例13のクマリン−4(商品名、シグマ アルドリッジ ジャパン(株)社製)1gを用いない他は実施例13と同様に行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスTを得た。得られたワニスを用いて前記のように、シリコンウエハ上及びガラス基板上にポジ型感光性樹脂膜を作製、露光、現像、320℃で熱処理し、ワニスの感光性、感光性樹脂組成物膜および耐熱性樹脂組成膜の透過率、テーパー角について評価を行った。
実施例1〜15、比較例1〜6の組成については表1および表2に、評価結果については表3に示した。
Figure 2005088396
Figure 2005088396
Figure 2005088396
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、光学素子に好適な高透明性で高屈折率なレンズ形状を作成することに適用できる。

Claims (15)

  1. (a)アルカリ可溶性基を有するポリマー100重量部に対して、(b)露光波長の光を吸収するが、その光によって、退色しない化合物を1〜30重量部、(c)キノンジアジド化合物を1〜50重量部、(d)アルミニウム化合物、ケイ素化合物、スズ化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物から少なくとも1種選ばれる粒子径1nmから30nmの無機粒子を5〜500重量部含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
  2. (a)アルカリ可溶性基を有するポリマー100重量部に対して、(b)紫外線を吸収するが、その光によっては退色しない化合物を1〜30重量部、(c)キノンジアジド化合物を1〜50重量部、(d)アルミニウム化合物、ケイ素化合物、スズ化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物から少なくとも1種選ばれる粒子径1nmから30nmの無機粒子を5〜500重量部含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
  3. (b)の化合物がi線(365nm)、h線(405nm)およびg線(436nm)からなる群から選ばれる少なくとも一種を吸収する化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. (a)成分が、ノボラック樹脂および/またはレゾール樹脂である請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. (a)成分が、フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーの単独重合体若しくはこれらの共重合体、または前記フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーとそれ以外の他のラジカル重合性モノマーの共重合体である請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. (a)成分が、一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーである請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2005088396
    (式中Rは2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基、Rは、2個以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基、Rは水素、または炭素数1から20までの有機基を示す。nは10から100000までの範囲、mは0から2までの整数、p、qは0から4までの整数を示す。ただしp+q≧0である。)
  7. 一般式(1)のR(COOR)m(OH)pが、一般式(2)で表される請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2005088396
    (R、Rは炭素数2〜20より選ばれる2価〜4価の有機基を示し、Rは、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基を示し、R、Rは水素、および/または炭素数1〜20までの有機基を示す。o、sは0から2までの整数、rは1〜4までの整数を示す。)
  8. 一般式(1)のR(OH)qが、一般式(3)〜(5)で表わされる少なくとも1種である請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2005088396
    (R、R11は炭素数2〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜4価の有機基を示し、R10は炭素数2〜30より選ばれる2価の有機基を示す。t、uは1あるいは2の整数を示す。R12、R14は炭素数2〜20までの2価の有機基を示し、R13は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基を示す。vは1〜4までの整数を示す。R15は炭素数2〜20より選ばれる2価の有機基を示し、R16は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基を示す。wは1〜4までの整数を示す。)
  9. (b)成分が、130℃から400℃の熱処理で、400nmから700nmにおける化合物由来の吸収が増加しないことを化合物であることを特徴とする請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  10. (b)成分が、クマリン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体から選ばれた1種以上の化合物である請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  11. 365nm〜436nmにおける感光性樹脂組成物膜の透過率が1.2μmあたり20〜70%であることを特徴とする請求項1または2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物に紫外線を照射した後、加熱して形成された感光性樹脂のレリーフパターン。
  13. 1μmから10μmのドットサイズかつ、0.1μm〜1.0μmピッチで格子状に配列された耐熱性樹脂のレリーフパターンであって、各ドットは400nmにおける光線透過率が1μmあたり80%以上であり、かつ、各ドットのテーパー角が55度以下であることを特徴とする耐熱性樹脂のレリーフパターン。
  14. 請求項12記載の感光性樹脂のレリーフパターンを用いた固体撮像素子。
  15. 請求項13記載の耐熱性樹脂のレリーフパターンを用いた固体撮像素子。
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