JPWO2016148176A1 - ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、tft基板、層間絶縁膜、表示装置、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、現像加工時の残渣が顕著に少なく、高透明、高耐薬品性、高誘電率および低リーク電流に優れた性質を有する硬化膜を得ることが可能な、ポジ型感光性樹脂組成物を提供する。本発明は、(A)金属酸化物粒子、(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマー、(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物である。
Description
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物とそれを硬化した硬化膜、その硬化膜を有するTFT基板、その硬化膜を有する層間絶縁膜、そのTFT基板および/または層間絶縁膜を具備する表示装置、およびその製造方法に関する。
近年、ディスプレイ産業やタッチパネル産業の成長と共に、感光性透明材料の重要性が高まっており、液晶ディスプレイの低価格化に伴う製造プロセスの簡略化や、低価格材料への代替が進んでいる。例えば、TFT(Thin FILM Transistor(薄膜トランジスタ))の製造工程における種々の絶縁膜およびパッシベーション膜は、一般に、炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル又は酸化チタン等の絶縁性の高い無機材料をCVD法により成膜して製造している。しかしながらCVD法は高コストであることから、CVD法と比べて安価なフォトリソグラフィ法による製造が可能な、感光性有機絶縁材料の検討が盛んに行われている(特許文献1〜3)。
また、光学部材用途として、酸化チタンや酸化ジルコニウムといった金属酸化物と、シロキサンやアクリル樹脂とを複合して得られる透明絶縁膜も検討されている(特許文献4)。
しかしながら、従来の感光性有機絶縁材料は無機材料に比べて誘電率が低く、かつ絶縁性に劣るため、特に絶縁膜として用いる場合にトランジスタの立ち上がり電圧の上昇、リーク電流の増大等の、ディスプレイの表示性能低下につながる問題があった。上記の金属酸化物と樹脂との複合材料であればこれら問題は改善されるが、近年要請されている高容量化達成のためには、多量の金属酸化物粒子を樹脂に添加することが必要となる。この場合、パターン加工における現像液への溶解性が低下し、現像残渣を生じる問題が発生する。現像残渣が多量に存在すると、パターン加工により表示素子のパッド部を開口する際、配線に不具合を生じさせ、ディスプレイの表示性能の低下を引き起こすといった重大な問題が発生する。
そこで本発明は、現像残渣が顕著に少なく、高透明、高耐薬品性、高誘電率および低リーク電流(高絶縁性)に優れた硬化膜および表示装置を得ることが可能な、ポジ型感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、TFT基板、層間絶縁膜、表示装置およびその製造方法は、以下[1]〜[14]に記載した構成からなる。
[1](A)金属酸化物粒子、(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマー、(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
[2]前記(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物が、フェニル基、フルオレン基、ナフチル基のいずれか1種以上を有し、かつフェノール性水酸基および/ またはチオフェノール基を有する化合物である[1]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[3]前記(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物が一般式(1)および/または一般式(2)で表されることを特徴とする[1]または[2]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[1](A)金属酸化物粒子、(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマー、(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
[2]前記(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物が、フェニル基、フルオレン基、ナフチル基のいずれか1種以上を有し、かつフェノール性水酸基および/ またはチオフェノール基を有する化合物である[1]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[3]前記(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物が一般式(1)および/または一般式(2)で表されることを特徴とする[1]または[2]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(一般式(1)および(2)中、R1〜R5はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20までの有機基より選ばれる基を少なくとも一つ有する有機基を表す。l1、l2は0〜4の整数を表す。l1、l2は同じでも異なっていても良い。m1、m2は0〜4の整数を表す。m1、m2は同じでも異なっていても良い。p、q、rは0〜10までの整数を示す。Xは水酸基、チオール基より選ばれる基を少なくとも一つ有する2〜8価の有機基を示す。)
[4]前記(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマーが、ポリイミドである[1]〜[3]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[5]前記ポリイミドが一般式(3)で表される構造単位を有する[1]〜[4]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[4]前記(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマーが、ポリイミドである[1]〜[3]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[5]前記ポリイミドが一般式(3)で表される構造単位を有する[1]〜[4]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(一般式(3)中、R6は4〜14価の有機基、R7は2〜12価の有機基、R8およびR9はそれぞれ独立に水素原子または、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基、炭素数1〜20までの有機基より選ばれる基を少なくとも一つ有する有機基を表し、それぞれ単一のものであっても異なるものが混在していてもよい。sおよびtは0〜10までの整数を示す。)
[6]前記(A)金属酸化物粒子が、チタン、ジルコニウム、バリウム、タングステン、タンタル、イットリウムから選ばれる少なくとも1種類を含んでなり、粒子径が1nm〜30nmである[1]〜[5]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[7]前記(A)金属酸化物粒子の含有量が、有機溶媒以外の全成分に対して30質量%以上90質量%以下である[1]〜[6]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜。
[9]波長400〜800nmにおける透過率が80%以上である[8]に記載の硬化膜。
[10][8]または[9]に記載の硬化膜を有することを特徴とするTFT基板。
[11][8]または[9]に記載の硬化膜を有することを特徴とする層間絶縁膜。
[12]TFT基板および層間絶縁膜のうち少なくともいずれかを有する表示装置であって、前記TFT基板および層間絶縁膜が請求項8または9に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置。
[13][11]に記載の層間絶縁膜を透明電極間に有することを特徴とする[12]に記載の表示装置。
[14]TFT基板および層間絶縁膜のうち少なくともいずれかを有する表示装置を製造する方法であって、前記TFT基板および層間絶縁膜が請求項8または9に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
[6]前記(A)金属酸化物粒子が、チタン、ジルコニウム、バリウム、タングステン、タンタル、イットリウムから選ばれる少なくとも1種類を含んでなり、粒子径が1nm〜30nmである[1]〜[5]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[7]前記(A)金属酸化物粒子の含有量が、有機溶媒以外の全成分に対して30質量%以上90質量%以下である[1]〜[6]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜。
[9]波長400〜800nmにおける透過率が80%以上である[8]に記載の硬化膜。
[10][8]または[9]に記載の硬化膜を有することを特徴とするTFT基板。
[11][8]または[9]に記載の硬化膜を有することを特徴とする層間絶縁膜。
[12]TFT基板および層間絶縁膜のうち少なくともいずれかを有する表示装置であって、前記TFT基板および層間絶縁膜が請求項8または9に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置。
[13][11]に記載の層間絶縁膜を透明電極間に有することを特徴とする[12]に記載の表示装置。
[14]TFT基板および層間絶縁膜のうち少なくともいずれかを有する表示装置を製造する方法であって、前記TFT基板および層間絶縁膜が請求項8または9に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物によれば、アルカリ現像時の残渣が顕著に少なく、パターン加工性が良好であり、高い誘電率と絶縁性、耐薬品性を有する透明な絶縁膜が得られる。さらに、高い誘電率と絶縁性、耐薬品性を有する透明な絶縁膜を有する薄膜トランジスタ基板を製造できる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)金属酸化物粒子、(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマー、(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物を含有する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)金属酸化物粒子として、チタン、ジルコニウム、バリウム、タンタル、イットリウム、ハフニウムのいずれかの金属元素から成る金属酸化物粒子を少なくとも1種を含有することが好ましい。これらの金属酸化物粒子は比誘電率(以下εrと記載する)が20以上となることで共通する。ここで、(A)金属酸化物粒子は、上記金属の群に含まれる2種以上の金属を含む複合金属酸化物粒子であってもよい。また(A)金属酸化物粒子は、異なる組成の金属酸化物粒子の混合物であってもよい。(A)金属酸化物粒子の比誘電率測定法としては、金属酸化物粒子の粉体をそのまま測定できる同軸プローブ法、粉体を加圧成形してペレットを作成し、2つの電極で挟んで測定する平行板コンデンサ法などが挙げられる。これらの測定法は、インピーダンス・アナライザ(Agilent社製4294Aなど)やLCRメータ(Agilent社製4285Aなど)と専用の治具(Agilent社製85070Eまたは16451B/16453Aなど)を用いることで測定できる。
(A)金属酸化物粒子を含有することにより、ポジ型感光性樹脂組成物に紫外線を照射し加熱して形成される、硬化膜の比誘電率および絶縁性が向上する。
(A)金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、酸化バリウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化イットリウム又は酸化ジルコニウム粒子等が挙げられるが、硬化膜等の比誘電率を向上させるため、比誘電率(εr)が20以上である酸化チタン(εr=115)、酸化ジルコニウム(εr=30)、チタン酸バリウム(εr=400)、または酸化ハフニウム(εr=25)の各粒子がより好ましい。また、ナノメートルレベルでの分散技術が進んでおり、市販品として入手容易の観点から、酸化チタン、酸化ジルコニウム、またはチタン酸バリウムの各粒子がさらに好ましい。
(A)金属酸化物粒子の粒子径は、数平均粒子径として、1nm〜30nmが好ましい。数平均粒子径は、金属酸化物粒子の結晶構造が維持されて理論値通りの比誘電率が発現し、硬化膜等の比誘電率を向上できる点で、1nm以上が好ましく、3nm以上がより好ましい。硬化膜の透明度、均質性および絶縁性を向上できる点で30nm以下が好ましい。
金属酸化物粒子の数平均粒子径は、金属酸化物の比表面積から求められる算出法が挙げられる。比表面積は、単位質量の粉体に含まれる表面積の総和として定義される。比表面積の測定法としてはBET法が挙げられ、比表面積測定装置(Mountech社製 HM model−1201など)を用いて測定することができる。
(A)金属酸化物粒子は、ポジ型感光性樹脂組成物中における分散性の向上を目的として、表面修飾が施されていても構わない。表面修飾としては、例えば、酸化ケイ素による被覆や、アルコキシシリル基、イソシアネート基若しくはカルボキシル基を有する有機化合物である、表面修飾剤による被覆が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物中の(A)金属酸化物粒子の含有量は、有機溶媒以外の全成分に対して、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。(A)金属酸化物粒子の含有量が30質量%以上であると、硬化膜の硬度が向上し、50質量%以上であるとさらに比誘電率が向上する。また、(A)金属酸化物粒子の含有量は、有機溶媒以外の全成分に対して、90質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。90質量%以下であると、現像液に対する溶解性が向上し、さらに70質量%以下であると、リーク電流が低減し、絶縁性が向上する。
(A)金属酸化物粒子は適当な大きさの粒子の粉体を調達し、ビーズミル等の分散機を用いて粉砕又は分散することができる。市販品のナノ粒子粉体としては、例えば、T−BTO−020RF(チタン酸バリウム;戸田工業株式会社製)、UEP−100(酸化ジルコニウム;第一稀元素化学工業株式会社製)又はSTR−100N(酸化チタン;堺化学工業株式会社製)が挙げられる。
また、(A)金属酸化物粒子は、液中に分散した分散体としても入手することができる。酸化ケイ素−酸化チタン粒子としては、例えば、“オプトレイク”(登録商標)TR−502、“オプトレイク”TR−503、“オプトレイク”TR−504、“オプトレイク”TR−513、“オプトレイク”TR−520、“オプトレイク”TR−527、“オプトレイク”TR−528、“オプトレイク”TR−529、“オプトレイク”TR−544又は“オプトレイク”TR−550(いずれも日揮触媒化成工業(株)製)が挙げられる。酸化ジルコニウム粒子としては、例えば、“バイラール”登録商標Zr−C20(平均粒径=20nm;多木化学(株)製)、ZSL−10A(平均粒径=60−100nm;第一稀元素株式会社製)、“ナノユース”(登録商標)OZ−30M(平均粒径=7nm;日産化学工業(株)製)、SZR−M(堺化学(株)製)又はHXU−120JC(住友大阪セメント(株)製)、NANO ZR−010(ソーラー(株)製)が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマーを含有する。本発明に用いられる(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマーのうち、耐薬品性の観点から、ポリイミドが好ましく用いられる。より好ましくは、上記一般式(3)で表される構造単位を有するポリイミドが用いられる。
ポリイミド前駆体およびポリベンゾオキサゾール前駆体は下記一般式(4)で表される構造単位を有する。これらを2種以上含有してもよいし、上記一般式(3)で表される構造単位および下記一般式(4)で表される構造単位を共重合した樹脂を用いてもよい。
(一般式(4)中、R10は2〜8価の有機基、R11は2〜8価の有機基を表す。R12およびR13はフェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、またはCOOR14を表し、それぞれ単一のものであっても異なるものが混在していてもよい。R14は水素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。jおよびkは0〜6の整数を表す。ただしj+k>0である)
また、上記一般式(4)中、R10−(R12)iは酸の残基を表す。R10は2〜8価の有機基であり、なかでも耐薬品性の観点から、芳香族環または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。
また、上記一般式(4)中、R10−(R12)iは酸の残基を表す。R10は2〜8価の有機基であり、なかでも耐薬品性の観点から、芳香族環または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。
本発明における(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミドより選ばれる1種以上のポリマーは、構造単位として5〜100,000有することが好ましい。また、一般式(3)または一般式(4)で表される構造単位に加えて、他の構造単位を有してもよい。この場合、耐薬品性を向上させる点から一般式(3)または一般式(4)で表される構造単位を、全構造単位中50mol%以上有することが好ましい。
上記一般式(3)中、R6−(R8)sは酸二無水物の構造成分を表しており、この酸二無水物の残基を表す。R6は4〜14価の有機基であり、なかでも耐薬品性の観点から、芳香族環または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。
酸二無水物として具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物や、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族のテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物および下記に示した構造の酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物や、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族のテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
上記式中、R15は酸素原子、C(CF3)2、C(CH3)2またはSO2を表す。R16およびR17はそれぞれ独立に水素原子、水酸基またはチオール基を表す。
酸成分としては、ジカルボン酸の例としてテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビフェニルジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、トリフェニルジカルボン酸など、トリカルボン酸の例としてトリメリット酸、トリメシン酸、ジフェニルエーテルトリカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸など、テトラカルボン酸の例としてピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸および下記に示した構造の芳香族テトラカルボン酸や、ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族のテトラカルボン酸などを挙げることができる。これらを2種以上用いてもよい。
上記式中、R15は酸素原子、C(CF3)2、C(CH3)2またはSO2を表す。R16およびR17はそれぞれ水素原子、水酸基またはチオール基を表す。これらのうち、トリカルボン酸、テトラカルボン酸では1つまたは2つのカルボキシ基が一般式(4)におけるR12基に相当する。また、現像液に対する溶解性の観点から、上に例示したジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸の水素原子を、一般式(4)におけるR12基や水酸基、スルホン酸基、チオール基などで1〜4個置換したものがより好ましい。これらの酸は、そのまま、あるいは酸無水物、活性エステルとして使用できる。
上記一般式(3)中のR7−(R9)tおよび上記一般式(4)のR11−(R13)jはジアミンの残基を表す。R7およびR11はそれぞれ2〜8価の有機基であり、なかでも耐薬品性の観点から芳香族環または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。
ジアミンの具体的な例としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸あるいはこれらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンおよび下記に示した構造のジアミンなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
上記式中、R15は酸素原子、C(CF3)2、C(CH3)2またはSO2を表す。R16〜R19はそれぞれ水素原子、水酸基またはチオール基を表す。)
これらのジアミンは、ジアミンとして、または対応するジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンとして使用できる。
これらのジアミンは、ジアミンとして、または対応するジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンとして使用できる。
また、これらの樹脂の末端を前述の酸性基を有するモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸により封止することで、主鎖末端に酸性基を有する樹脂を得ることができる。
このようなモノアミンの好ましい例としては、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノールなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
また、このような酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸の好ましい例としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物などの酸無水物、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸などのモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシ基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、テレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレンなどのジカルボン酸類の1つのカルボキシ基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
上記したモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などの末端封止剤の含有量は、現像液への溶解性の観点から、樹脂を構成する酸およびアミン成分の総和100モル%に対して、2〜25モル%が好ましい。
樹脂中に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入された樹脂を、酸性溶液に溶解し、樹脂の構成単位であるアミン成分と酸成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、13C−NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された樹脂を直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトル及び13C−NMRスペクトル測定することで検出することが可能である。
本発明の(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマーは公知の方法により合成される。
ポリイミド前駆体の製造方法として例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後アミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、アミンと反応させる方法などが挙げられる。
ポリベンゾオキサゾール前駆体の場合、製造方法としては、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸を縮合反応させることで得ることができる。具体的には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のような脱水縮合剤と酸を反応させ、ここにビスアミノフェノール化合物を加える方法やピリジンなどの3級アミンを加えたビスアミノフェノール化合物の溶液にジカルボン酸ジクロリドの溶液を滴下する方法などがある。
ポリイミドの場合、前述の方法で得られたポリイミド前駆体を加熱あるいは酸や塩基などの化学処理で脱水閉環することにより得ることができる。
ポリベンゾオキサゾールの場合、前述の方法で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体を加熱あるいは酸や塩基などの化学処理で脱水閉環することにより得ることができる。
本発明の(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマーは、低温焼成可能な点でポリイミドが好ましい。前駆体構造から閉環させるためにポリイミド前駆体は250℃以上、ポリベンゾオキサゾール前駆体は300℃以上の焼成が必要で、それ以下の温度の焼成では得られた硬化膜の耐熱性、機械特性が低下する場合があるのに対し、ポリイミドは既閉環構造のため200℃以下の焼成でも十分な耐熱性、機械特性を得ることができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物(以下、化合物(C)という場合がある。)を含有する。これら化合物(C)を含有することにより、ポジ型感光性組成物により形成された膜の露光部の現像液に対する溶解性を向上させ、残渣を低減することができる。加熱形成後の硬化膜の絶縁性向上の観点から、これら化合物(C)としては、フェニル基、フルオレン基、ナフチル基のいずれかを有し、かつフェノール性水酸基および/ またはチオフェノール基を有する化合物であることが好ましい。また、未露光部での現像液に対する溶解性を抑制することによるコントラストの観点から、上述の一般式(1)および/または一般式(2)の構造を有する化合物であることがさらに好ましい。
具体的には、以下の化合物があげられる。ビスフェノールフルオレン(BPFL)、ビスクレゾールフルオレン(BCF)、ビスフェノキシエタノールフルオレン(BPEF)や、フルオレン基含有樹脂であるWR−301、V−259MEなどが挙げられるが、これらに限らない。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における化合物(C)の含有量は特に制限されないが、現像残渣低減の観点から、(A)金属酸化物粒子100質量部に対して1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、硬化膜中の金属酸化物粒子の割合を維持し、高誘電率、低リーク電流特性を達成する観点から50質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、感光性を付与するため、キノンジアジド化合物を含有しても構わない。キノンジアジド化合物を含有することにより、露光部が現像液で除去されるポジ型の感光性を付与することができる。キノンジアジド化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドスルホン酸がエステル結合した化合物が好ましい。また、本発明では1種類以上のナフトキノンジアジド化合物を組み合わせて用いることもできる。
フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、下記式で表される化合物(いずれも本州化学工業(株)から入手できる。化学式の下の記載は製品名である。)が挙げられる。
キノンジアジド化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物と、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとの公知のエステル化反応により合成することができる。原料となるナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとしては、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドあるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドを用いることができる。4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物はi線(波長365nm)領域に吸収を持つため、i線露光に適している。また、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物は広範囲の波長領域に吸収が存在するため、広範囲の波長での露光に適している。露光する波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を選択することが好ましい。4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を組み合わせて用いることもできる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物におけるキノンジアジド化合物の含有量は特に制限されないが、解像度の観点から、(A)金属酸化物粒子100質量部に対して1質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。また、ポリマーとの相溶性低下や、熱硬化時の分解による着色を抑制し、ポジ型感光性樹脂組成物や硬化膜の透明性をより向上させる観点から90質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、耐薬品性向上のため、熱架橋剤を含有しても構わない。かかる熱架橋剤は架橋反応温度が250℃よりも低く、かつ架橋反応性が高いため、得られる硬化膜の耐薬品性を向上させることができる。特に250℃以下の低温で焼成した場合にも、十分な耐薬品性を有する硬化膜を得ることができる。
本発明で使用される熱架橋剤としては、たとえば、下記一般式(5)で表される基を1つ有するものとしてML−26X、ML−24X、ML−236TMP、4−メチロール3M6C、ML−MC、ML−TBC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等があげられる。
また、下記一般式(5)で表される基を2つ有するものとしてDM−BI25X−F、46DMOC、46DMOIPP、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、DML−OC、ジメチロール−Bis−C、ジメチロール−BisOC−P、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MB25、DML−MTrisPC、DML−Bis25X−34XL、DML−Bis25X−PCHP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等があげられる
また、下記一般式(5)で表される基を3つ有するものとしてTriML−P、TriML−35XL、TriML−TrisCR−HAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等があげられる。下記一般式(5)で表される基を4つ有するものとしてTM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等があげられる。下記一般式(5)で表される基を6つ有するものとしてHML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−HAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。
また、下記一般式(5)で表される基を3つ有するものとしてTriML−P、TriML−35XL、TriML−TrisCR−HAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等があげられる。下記一般式(5)で表される基を4つ有するものとしてTM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等があげられる。下記一般式(5)で表される基を6つ有するものとしてHML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−HAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。
上記式中、R20は炭素数1〜6の有機基を表す。
これらのうち、本発明では上記一般式(5)で表される基を2〜4つ含有するものが好ましく、特に好ましくは、上記一般式(5)で表される基を2つ有するものとして46DMOC、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾールがある。上記一般式(5)で表される基を3つ有するものとしてTriML−P、TriML−35XL(以上、商品名、本州化学工業(株)製)がある。上記一般式(5)で表される基を4つ有するものとしてTM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)がある。
また、さらに好ましくは上述の上記一般式(5)で表される基を有する化合物である、DML−PC、DML−PTBP、ニカラックMX−270、ニカラックMX−280が挙げられる。
熱架橋剤は、未置換のものや多量化したものが混入すると、樹脂組成物の架橋が十分に進まない場合がある。このため、本発明の熱架橋剤の純度は80%以上であることが好ましく、95%以上であるとより好ましい。純度が80%以上であれば、樹脂組成物の架橋反応を十分に行い、吸水基である未反応基を少なくすることができるため、樹脂組成物の吸水性を小さくすることができる。高純度の熱架橋剤を得るためには、再結晶、蒸留などを行い、目的物だけを集める方法があげられる。熱架橋剤の純度は液体クロマトグラフィー法により求めることができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は溶媒を含有しても構わない。溶媒としては組成物の各成分を均一に溶解するため、アルコール性化合物、エステル系化合物又はエーテル系化合物が好ましい。溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ダイアセトンアルコール、エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル、酢酸2−エトキシエチル、1−メトキシプロピル−2−アセテート、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノールアセテート、3−メトキシブチルアセテート、1,3−ブチレングリコルジアセテート,エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセト酢酸エチル又はγ―ブチロラクトンが挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含有しても構わない。界面活性剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、オルガノポリシロキサン系等のケイ素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウリレートもしくはポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤又はアクリル系若しくはメタクリル系の重合物からなる界面活性剤が挙げられる。市販品の界面活性剤としては、例えば、“メガファック”(登録商標)F142D、F172、F173、F183、F445、F470、F475若しくはF477(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)又はNBX−15若しくはFTX−218(いずれも(株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤、BYK−352、BYK−333、BYK−301、BYK−331、BYK−345若しくはBYK−307(いずれもビックケミー・ジャパン(株)製)等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、必要に応じて、安定剤または消泡剤等の添加剤を含有しても構わない。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の固形分濃度は、塗布方法等に応じて適宜決定すればよいが、固形分濃度を1〜50質量%以下とすることが一般的である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の代表的な製造方法については以下の方法が例示される。(A)金属酸化物粒子の分散液を秤量し、そこに必要に応じて溶媒を加えて撹拌する。その混合物に化合物(C)および他の添加剤を適当な溶媒に加え、撹拌して溶解させる。その後、(B)ポリマーを加えさらに20分〜3時間撹拌する。必要に応じて異物を除去するため、得られた溶液をろ過し、ポジ型感光性樹脂組成物が得られる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成方法について、例を挙げて説明する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング又はスリットコーティング等の公知の方法によって下地基板上に塗布し、ホットプレート又はオーブン等の加熱装置でプリベークし、膜を形成する。プリベークは、50〜150℃で30秒〜30分間行い、プリベーク後の膜厚は、0.1〜15μmとすることが好ましい。
プリベーク後、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)又はパラレルライトマスクアライナー(以下、PLA)等の露光機を用いて、10〜4000J/m2程度(波長365nm露光量換算)の光を所望のマスクを介して又は介さずに照射する。露光光源に制限はなく、i線、g線若しくはh線等の紫外線、KrF(波長248nm)レーザー又はArF(波長193nm)レーザー等を用いることができる。その後、この膜をホットプレート又はオーブン等の加熱装置を用いて、150〜450℃で1時間程度加熱する露光後ベークを行っても構わない。
パターニング露光後、現像により露光部が溶解し、ポジ型パターンを得ることができる。現像方法としては、シャワー、ディッピング又はパドル等の方法で、現像液に5秒〜10分間浸漬する方法が好ましい。現像液としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩若しくはホウ酸塩等の無機アルカリ;2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン若しくはジエタノールアミン等のアミン類;およびテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド若しくはコリン等の4級アンモニウム塩を含む水溶液が挙げられる。現像後は、膜を水でリンスすることが好ましく、続いて50〜150℃で乾燥ベークを行ってもよい。その後、この膜をホットプレート又はオーブン等の加熱装置を用いて、120〜280℃で1時間程度熱硬化することにより、硬化膜が得られる。
得られる硬化膜の膜厚は用途に応じ、膜厚を0.1〜10μmの範囲で調製して用いることができる。ここで、高誘電絶縁膜としての性能を付与する観点から、膜厚0.3μmとしたときの波長400〜800nmにおける透過率が90%以上、リーク電流が10−6A/cm2以下、比誘電率が6.0以上であることが好ましい。また、得られる硬化膜は、液晶ディスプレイなどの表示素子の性能を付与するため、可視光を十分に透過させる必要があり、波長400〜800nmにおける透過率は80%以上であることが好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜は、タッチパネル用保護膜、各種ハードコート材、TFT基板用平坦化膜、カラーフィルター用オーバーコート、反射防止フィルム、パッシベーション膜等の各種保護膜および光学フィルター、タッチパネル用絶縁膜、TFT基板用絶縁膜、カラーフィルター用フォトスペーサー、TFT基板用ゲート絶縁膜、層間絶縁膜等に用いることができる。特に、高い比誘電率、絶縁性、耐薬品性および解像度を活かし、TFT基板に好適に用いることができ、中でもTFT基板用ゲート絶縁膜や層間絶縁膜として好適に用いることができる。すなわち、本発明のTFT基板は本発明の硬化膜を有することを特徴とする。また、本発明の層間絶縁膜は本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
ここでいう層間絶縁膜とは、電極間での通電を阻害する膜のことである。電極の例としては、ITOや酸化亜鉛、酸化スズなどの透明電極や金、銀、銅等を使用したメッシュ状の電極が挙げられるが、これに限るものではない。
本発明のTFT基板や本発明の層間絶縁膜は表示装置に好適に用いることができる。すなわち、本発明の表示装置は本発明のTFT基板および/または本発明の層間絶縁膜を具備することを特徴とする。また、本発明の層間絶縁膜は表示装置の透明電極間に好適に用いることができる。
本発明のTFT基板や本発明の層間絶縁膜は表示装置の製造方法に好適に用いることができる。すなわち、本発明の表示装置の製造方法は、本発明のTFT基板および/または本発明の層間絶縁膜を具備することを特徴とする。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されない。
用いた溶媒の略記は以下のとおりである。
DAA : ダイアセトンアルコール
PGMEA : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME : プロピレングリコールモノメチルエーテル
EAA : エチルアセトアセテート
MEK : メチルエチルケトン
TMAH : テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド
MEA : モノエタノールアミン
DMSO : ジメチルスルホキシド。
DAA : ダイアセトンアルコール
PGMEA : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME : プロピレングリコールモノメチルエーテル
EAA : エチルアセトアセテート
MEK : メチルエチルケトン
TMAH : テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド
MEA : モノエタノールアミン
DMSO : ジメチルスルホキシド。
また、(A)金属酸化物粒子として、ジルコニアナノ粒子(NANO ZR−010;ソーラー(株)製;数平均粒子径5nm、εr=30)、酸化チタンナノ粒子(“オプトレイク”TR−550;触媒化成(株)製;数平均粒子径10nm、εr=115)およびチタン酸バリウムナノ粒子(T−BTO−020RF;戸田工業(株)製;数平均粒子径20nm、εr=400)を用いた。また、表1に示す配合の(A)金属酸化物粒子の分散体(A1〜A3)を調製した。
<合成例1> ジルコニア分散体(A1)の調製
200gのジルコニアナノ粒子(ジルコニアナノ粒子のMEK30質量%分散液)に、140gのEAAを加え、ロータリーエバポレーターにて40℃1時間濃縮し、溶剤をMEKからEAAに置換し、ジルコニア分散体(A1)を得た。
200gのジルコニアナノ粒子(ジルコニアナノ粒子のMEK30質量%分散液)に、140gのEAAを加え、ロータリーエバポレーターにて40℃1時間濃縮し、溶剤をMEKからEAAに置換し、ジルコニア分散体(A1)を得た。
<合成例2> 酸化チタン分散体(A2)の調製
13.7gのメチルトリメトキシシラン(KBM−13;信越化学(株)製)、6.59gの無水コハク酸トリメトキシシラン(KBM−967TR−1;信越化学(株)製)、31.2gのナフチルトリメトキシシラン(Z6874;東レ・ダウコーニング(株)製)、リン酸(和光純薬(株)製)0.026gおよび精製水(和光純薬(株)製)14.0gを仕込み、オイルバス中40℃で1時間撹拌した。次に、オイルバスの温度を70℃に設定し、254gの酸化チタンナノ粒子(“オプトレイク”TR−550;触媒化成株式会社製)と130gのDAAとの混合物を約30分間かけて滴下した。滴下終了から1時間後、オイルバスの温度を120℃に設定し、フラスコ内の温度が100℃に到達してから3時間撹拌した後に加熱を止めて反応を終了した。反応終了後、フラスコを氷冷して常温まで冷まし、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をそれぞれ加えて10時間撹拌した。最後に、イオン交換樹脂をろ過して取り除き、シラン修飾チタニアゾルである、酸化チタン分散体(A2)を得た。
13.7gのメチルトリメトキシシラン(KBM−13;信越化学(株)製)、6.59gの無水コハク酸トリメトキシシラン(KBM−967TR−1;信越化学(株)製)、31.2gのナフチルトリメトキシシラン(Z6874;東レ・ダウコーニング(株)製)、リン酸(和光純薬(株)製)0.026gおよび精製水(和光純薬(株)製)14.0gを仕込み、オイルバス中40℃で1時間撹拌した。次に、オイルバスの温度を70℃に設定し、254gの酸化チタンナノ粒子(“オプトレイク”TR−550;触媒化成株式会社製)と130gのDAAとの混合物を約30分間かけて滴下した。滴下終了から1時間後、オイルバスの温度を120℃に設定し、フラスコ内の温度が100℃に到達してから3時間撹拌した後に加熱を止めて反応を終了した。反応終了後、フラスコを氷冷して常温まで冷まし、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂をそれぞれ加えて10時間撹拌した。最後に、イオン交換樹脂をろ過して取り除き、シラン修飾チタニアゾルである、酸化チタン分散体(A2)を得た。
<合成例3> シラン修飾チタン酸バリウム分散体(A3)の調製
340gのDAA、5gの2−アクリロイロキシエチル−フタル酸(HOA−MPL;共栄社化学製)および97gのチタン酸バリウム粒子(T−BTO−020RF;戸田工業(株)製;数平均粒子径20nm)を混合した。次に、ビーズミル(ウルトラアペックスミルUAM−015;寿工業(株)製)のベッセル内に400gのジルコニアビーズ((株)ニッカトー製;YTZボール;寸法φ0.05mm)を充填し、ローターを回転させながら、上記混合液をベッセル内に送液、循環させて無機粒子の分散を行った。ローターの周速を9.5m/sとして2時間分散し、チタン酸バリウムDAAゾルを得た。
340gのDAA、5gの2−アクリロイロキシエチル−フタル酸(HOA−MPL;共栄社化学製)および97gのチタン酸バリウム粒子(T−BTO−020RF;戸田工業(株)製;数平均粒子径20nm)を混合した。次に、ビーズミル(ウルトラアペックスミルUAM−015;寿工業(株)製)のベッセル内に400gのジルコニアビーズ((株)ニッカトー製;YTZボール;寸法φ0.05mm)を充填し、ローターを回転させながら、上記混合液をベッセル内に送液、循環させて無機粒子の分散を行った。ローターの周速を9.5m/sとして2時間分散し、チタン酸バリウムDAAゾルを得た。
131gの上記のチタン酸バリウムDAAゾル、13.7gのメチルトリメトキシシラン(KBM−13;信越化学(株)製)、6.59gの無水コハク酸トリメトキシシラン(KBM−967TR−1;信越化学(株)製)、31.2gのナフチルトリメトキシシラン(Z6874;東レ・ダウコーニング(株)製)、リン酸(和光純薬(株)製)0.026gおよび精製水(和光純薬(株)製)14.0gを仕込み、オイルバス中40℃で1時間撹拌した。次に、オイルバスの温度を70℃に設定し、1時間撹拌した。1時間後、オイルバスの温度を120℃に設定し、フラスコ内の温度が100℃に到達してから3時間撹拌した後に加熱を止めて反応を終了した。反応終了後、フラスコを氷冷して常温まで冷まし、陰イオン交換樹脂を加えて10時間撹拌した。最後に、イオン交換樹脂をろ過して取り除き、シラン修飾チタン酸バリウムゾル(A3)を得た。
<合成例4> ヒドロキシル基含有ジアミン化合物合成
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF;セントラル硝子(株)製)18.3g(0.05モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド(東京化成(株)製)17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベンゾイルクロリド(東京化成(株)製)20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間攪拌し、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF;セントラル硝子(株)製)18.3g(0.05モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド(東京化成(株)製)17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベンゾイルクロリド(東京化成(株)製)20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間攪拌し、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
得られた白色固体30gを300mLのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mLに分散させ、5%パラジウム−炭素(和光純薬(株)製)を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行った。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン化合物を得た。
<合成例5> ポリイミドポリマー(B1)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF;セントラル硝子(株)製)29.3g(0.08モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)、末端封止剤として、3−アミノフェノール3.27g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)150gに溶解した。ここに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA;マナック(株)製)31.0g(0.1モル)をNMP50gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、150℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、ポリイミドポリマー(B1)を得た。
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF;セントラル硝子(株)製)29.3g(0.08モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)、末端封止剤として、3−アミノフェノール3.27g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)150gに溶解した。ここに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA;マナック(株)製)31.0g(0.1モル)をNMP50gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、150℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、ポリイミドポリマー(B1)を得た。
<合成例6> ポリイミド前駆体(B2)の合成
乾燥窒素気流下、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA;マナック(株)製)6.20g(0.02モル)をNMP100gに溶解させた。ここに合成例4で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物9.07g(0.015モル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.25g(0.001モル)とをNMP25gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に末端封止剤として4−アミノフェノール0.87g(0.008モル)をNMP5gとともに加え、50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を室温まで冷却した後、溶液を水1Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、目的のポリイミド前駆体(B2)を得た。
乾燥窒素気流下、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA;マナック(株)製)6.20g(0.02モル)をNMP100gに溶解させた。ここに合成例4で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物9.07g(0.015モル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.25g(0.001モル)とをNMP25gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に末端封止剤として4−アミノフェノール0.87g(0.008モル)をNMP5gとともに加え、50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を室温まで冷却した後、溶液を水1Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、目的のポリイミド前駆体(B2)を得た。
<合成例7> ポリベンゾオキサゾール前駆体(B3)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF;セントラル硝子(株)製)18.3g(0.05モル)をNMP50g、グリシジルメチルエーテル26.4g(0.3モル)に溶解させ、溶液の温度を−15℃まで冷却した。ここにジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド(日本農薬(株)製)7.4g(0.025モル)、イソフタル酸クロリド(東京化成(株)製)5.1g(0.025モル)をNMP25gに溶解させた溶液を内部の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、−15℃で6時間撹拌を続けた。反応終了後、メタノールを10質量%含んだ水3Lに溶液を投入して白色の沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、目的のポリベンゾオキサゾール前駆体(B3)を得た。
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF;セントラル硝子(株)製)18.3g(0.05モル)をNMP50g、グリシジルメチルエーテル26.4g(0.3モル)に溶解させ、溶液の温度を−15℃まで冷却した。ここにジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド(日本農薬(株)製)7.4g(0.025モル)、イソフタル酸クロリド(東京化成(株)製)5.1g(0.025モル)をNMP25gに溶解させた溶液を内部の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、−15℃で6時間撹拌を続けた。反応終了後、メタノールを10質量%含んだ水3Lに溶液を投入して白色の沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、目的のポリベンゾオキサゾール前駆体(B3)を得た。
<合成例8> キノンジアジド化合物(P1)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(本州化学工業(株)製)、15.31g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド40.28g(0.15モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.18gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後、30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩をろ過し、ろ液を水に投入させた。その後析出した沈殿を真空乾燥機で乾燥し、下記式で表されるキノンジアジド化合物(P1)を得た。
乾燥窒素気流下、TrisP−HAP(本州化学工業(株)製)、15.31g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド40.28g(0.15モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン15.18gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後、30℃で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩をろ過し、ろ液を水に投入させた。その後析出した沈殿を真空乾燥機で乾燥し、下記式で表されるキノンジアジド化合物(P1)を得た。
<合成例9> キノンジアジド化合物(P2)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)21.22g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド33.58g(0.125モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン15.18gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩をろ過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(P2)を得た。
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)21.22g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド33.58g(0.125モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン15.18gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩をろ過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(P2)を得た。
<合成例10> 熱架橋剤HMOM−HAPの精製
熱架橋剤HMOM−HAP(本州化学工業(株)製;純度80% )の20%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液をエバポレーターで濃縮し、50%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液にした。この溶液を2日間放置し、白色の結晶を得た。得られたHMOM−HAPの純度は、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所(株)製)で、カラムにODSを、展開溶媒にアセトニトリル:水=70:30を用い、254nmで分析したところ、純度98%であることが判った。その構造を下に示す。
熱架橋剤HMOM−HAP(本州化学工業(株)製;純度80% )の20%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液をエバポレーターで濃縮し、50%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液にした。この溶液を2日間放置し、白色の結晶を得た。得られたHMOM−HAPの純度は、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所(株)製)で、カラムにODSを、展開溶媒にアセトニトリル:水=70:30を用い、254nmで分析したところ、純度98%であることが判った。その構造を下に示す。
その他、各実施例、比較例で使用した製品として、熱架橋剤としては、ニカラックMX−270、ニカラックMW−100LM(以上、三和ケミカル(株)製)、化合物(C)あるいはその比較例としては、フルオレン、ビスフェノールフルオレン((C1);BPFL)、ビスクレゾールフルオレン((C2);BCF)、ビスフェノキシエタノールフルオレン((C3);BPEF)(以上、JFEケミカル(株)製)、N−ヒドロキシスクシイミド(NHS)(大阪合成有機化学研究所製)、WR−301(C4)(ADEKA(株)製)、V−259ME(C5)(新日鐵化学(株)製)を用いた。
また、界面活性剤としては、BYK−333(ビッグケミー・ジャパン製)を用いた。
<実施例1>
黄色灯下にて、2.236gのジルコニア分散体(A1)を、0.245gのEAAおよび2.975gのEL、0.952gのPGMEAで希釈し、0.170gのポリイミドポリマー(B1)、0.104gのキノンジアジド化合物(P1)、0.052gの熱架橋剤(MX−270)、0.021gのフェノール性化合物(BPFL)、0.005gの重合禁止剤(Irganox245)、0.140gの界面活性剤(BYK−333のPGMEA1質量%溶液(濃度200ppmに相当))を加え、撹拌した。次に、0.2μmのフィルターでろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。得られたポジ型感光性樹脂組成物について、下記方法で透過率、解像度、絶縁性、比誘電率、耐薬品性および現像残渣を評価した。得られたポジ型感光性樹脂組成物(1)の組成を表1に、各評価の結果を表3に、それぞれ示す。なお、表1中の括弧内の値は質量%を示す。
黄色灯下にて、2.236gのジルコニア分散体(A1)を、0.245gのEAAおよび2.975gのEL、0.952gのPGMEAで希釈し、0.170gのポリイミドポリマー(B1)、0.104gのキノンジアジド化合物(P1)、0.052gの熱架橋剤(MX−270)、0.021gのフェノール性化合物(BPFL)、0.005gの重合禁止剤(Irganox245)、0.140gの界面活性剤(BYK−333のPGMEA1質量%溶液(濃度200ppmに相当))を加え、撹拌した。次に、0.2μmのフィルターでろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。得られたポジ型感光性樹脂組成物について、下記方法で透過率、解像度、絶縁性、比誘電率、耐薬品性および現像残渣を評価した。得られたポジ型感光性樹脂組成物(1)の組成を表1に、各評価の結果を表3に、それぞれ示す。なお、表1中の括弧内の値は質量%を示す。
[解像度評価]
樹脂組成物を基板上にスピンコーター(1H−360S;ミカサ(株)製)を用いてスピンコートした後、ホットプレート(SCW−636;大日本スクリーン製造(株)製)を用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚0.50μmのプリベーク膜を作製した。基板としては、ITO薄膜が施されたガラス基板(以下、ITO基板)を用いた。得られたプリベーク膜に、PLAを用いて超高圧水銀灯を光源として、1〜60%までの透過率を有するグレースケールマスクを介して、100μmのギャップで2000J/m2にて露光した。その後、自動現像装置(AD−2000;滝沢産業(株)製)を用いて、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAH)水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。露光および現像後、100μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅に形成する露光量を、最適露光量とした。露光量はI線照度計で測定した。
樹脂組成物を基板上にスピンコーター(1H−360S;ミカサ(株)製)を用いてスピンコートした後、ホットプレート(SCW−636;大日本スクリーン製造(株)製)を用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚0.50μmのプリベーク膜を作製した。基板としては、ITO薄膜が施されたガラス基板(以下、ITO基板)を用いた。得られたプリベーク膜に、PLAを用いて超高圧水銀灯を光源として、1〜60%までの透過率を有するグレースケールマスクを介して、100μmのギャップで2000J/m2にて露光した。その後、自動現像装置(AD−2000;滝沢産業(株)製)を用いて、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAH)水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。露光および現像後、100μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅に形成する露光量を、最適露光量とした。露光量はI線照度計で測定した。
最適露光量における現像後の最小パターン寸法(μm)を測定し、これを解像度とした。
[透過率評価]
樹脂組成物を5cm角のテンパックスガラス基板(AGCテクノグラス(株)製)上に、スピンコーターを用いてスピンコートした後、ホットプレートを用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜について、自動現像装置を用いて、2.38%TMAH水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした後、超高圧水銀灯で2000J/m2にて全面露光した。最後にオーブン(IHPS−222;エスペック(株)製)を用いて空気中230℃で30分間ベークして、膜厚0.3μmの硬化膜を作製した。
樹脂組成物を5cm角のテンパックスガラス基板(AGCテクノグラス(株)製)上に、スピンコーターを用いてスピンコートした後、ホットプレートを用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜について、自動現像装置を用いて、2.38%TMAH水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした後、超高圧水銀灯で2000J/m2にて全面露光した。最後にオーブン(IHPS−222;エスペック(株)製)を用いて空気中230℃で30分間ベークして、膜厚0.3μmの硬化膜を作製した。
得られた硬化膜について、紫外−可視分光光度計(UV−260;島津製作所(株)製)を用いて、400〜800nmにおける透過率(%)を測定し、この間の最も低い値を400〜800nmにおける透過率とし、評価した。
[熱硬化前の耐薬品性評価]
パターン加工性の評価と同様の方法で、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜について、自動現像装置を用いて2.38質量%TMAH水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした後、超高圧水銀灯で2000J/m2にて全面露光した。得られた硬化膜を5.0質量%のシュウ酸水溶液に5分間室温で浸漬し、1分間水で洗浄してから、JIS K5600−5−6(1999年制定)に従ってITO硬化膜への接着性を評価した。
パターン加工性の評価と同様の方法で、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜について、自動現像装置を用いて2.38質量%TMAH水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした後、超高圧水銀灯で2000J/m2にて全面露光した。得られた硬化膜を5.0質量%のシュウ酸水溶液に5分間室温で浸漬し、1分間水で洗浄してから、JIS K5600−5−6(1999年制定)に従ってITO硬化膜への接着性を評価した。
具体的には、得られた硬化膜を、カッターナイフを用いて1mm間隔で縦横に切断して1mm×1mmのマス目を100個作製した。全てのマス目が覆われるようにセロハン粘着テープ(セロテープ(登録商標)、No.405、ニチバン製、幅=18mm、粘着力=3.7N/10mm)を貼り付け、消しゴム(JIS S6050(2002年改正及び2008年追補1)合格品)で擦って密着させた。セロハン粘着テープの一端を持ち、これを基板に対して直角を保ちながら瞬間的に剥離した後のマス目の残存数を確認し、剥離したマス目の割合すなわち剥離面積比率を求めた。以下の評価基準に基づき、剥離面積比率を5段階に区分し、3以上を合格とした。
5 : 剥離面積比率 が 0%
4 : 剥離面積比率 が 5%未満
3 : 剥離面積比率 が 5〜 14%
2 : 剥離面積比率 が 15〜 34%
1 : 剥離面積比率 が 35〜 64%
0 : 剥離面積比率 が 65〜100%。
5 : 剥離面積比率 が 0%
4 : 剥離面積比率 が 5%未満
3 : 剥離面積比率 が 5〜 14%
2 : 剥離面積比率 が 15〜 34%
1 : 剥離面積比率 が 35〜 64%
0 : 剥離面積比率 が 65〜100%。
[熱硬化後の耐薬品性評価]
パターン加工性の評価と同様の方法で、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製し、得られたプリベーク膜について、自動現像装置を用いて2.38%TMAH水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で1分間リンスし、超高圧水銀灯で2000J/m2にて全面露光した。得られた硬化膜を230℃で30分間ベークした。この試料をTOK−106(MEA:DMSO=7:3水溶液)に120秒間50℃を浸漬し、また別の試料を28質量%王水(塩酸:硝酸=1:3水溶液)に120秒間50℃で浸漬した後、それぞれの試料を1分間水で洗浄してから、上記の熱硬化前と同じ方法にてITO硬化膜への接着性を評価した。
パターン加工性の評価と同様の方法で、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製し、得られたプリベーク膜について、自動現像装置を用いて2.38%TMAH水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で1分間リンスし、超高圧水銀灯で2000J/m2にて全面露光した。得られた硬化膜を230℃で30分間ベークした。この試料をTOK−106(MEA:DMSO=7:3水溶液)に120秒間50℃を浸漬し、また別の試料を28質量%王水(塩酸:硝酸=1:3水溶液)に120秒間50℃で浸漬した後、それぞれの試料を1分間水で洗浄してから、上記の熱硬化前と同じ方法にてITO硬化膜への接着性を評価した。
[絶縁性評価]
パターン加工性の評価と同様の方法で、10cm×10cmのITO基板上に膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製し、ホットプレートを用いて160℃で5分間のミドルベークを行い、ミドルベーク膜を作製した。得られたミドルベーク膜を、5質量%シュウ酸水溶液に室温で5分間浸漬させてから、水で1分間洗浄した。次に、230℃のオーブンで30分間ベークし、2.38質量%TMAH水溶液に80秒間室温で浸漬し、また別の試料をTOK−106(MEA:DMSO=7:3水溶液)に120秒間50℃で浸漬し、また別の試料を28質量%王水(塩酸:硝酸=1:3水溶液)に120秒間50℃で浸漬した後、水で1分間洗浄した。得られた薬品浸漬後の硬化膜を、サーフコム触針式膜厚測定装置にて膜厚(μm)を測定した後、硬化膜上に真空蒸着装置にて、アルミニウム(純度99.99%以上)を約1cm2の面積に蒸着し、測定サンプルを得た。
パターン加工性の評価と同様の方法で、10cm×10cmのITO基板上に膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製し、ホットプレートを用いて160℃で5分間のミドルベークを行い、ミドルベーク膜を作製した。得られたミドルベーク膜を、5質量%シュウ酸水溶液に室温で5分間浸漬させてから、水で1分間洗浄した。次に、230℃のオーブンで30分間ベークし、2.38質量%TMAH水溶液に80秒間室温で浸漬し、また別の試料をTOK−106(MEA:DMSO=7:3水溶液)に120秒間50℃で浸漬し、また別の試料を28質量%王水(塩酸:硝酸=1:3水溶液)に120秒間50℃で浸漬した後、水で1分間洗浄した。得られた薬品浸漬後の硬化膜を、サーフコム触針式膜厚測定装置にて膜厚(μm)を測定した後、硬化膜上に真空蒸着装置にて、アルミニウム(純度99.99%以上)を約1cm2の面積に蒸着し、測定サンプルを得た。
各電極端子を、アルミニウムとITOとにそれぞれ接触させ、半導体測定装置(KEITHLEY4200−SCS;ケースレーインスツルメンツ社製)を用いて15Vで60秒印加後のリーク電流(log[A/cm2])を測定した。
[比誘電率評価]
絶縁性評価と同様の方法で、測定サンプルを作製した。各電極端子をアルミニウムとITOとにそれぞれ接触させ、測定対象領域の周波数1MHzにおける静電容量をインピーダンスアナライザー(4294A;アジレントテクノロージー(株)製)およびサンプルホルダー(16451B;アジレントテクノロージー(株)製)を用いて測定した。比誘電率は静電容量と測定対象領域との寸法から、比誘電率として算出した。
絶縁性評価と同様の方法で、測定サンプルを作製した。各電極端子をアルミニウムとITOとにそれぞれ接触させ、測定対象領域の周波数1MHzにおける静電容量をインピーダンスアナライザー(4294A;アジレントテクノロージー(株)製)およびサンプルホルダー(16451B;アジレントテクノロージー(株)製)を用いて測定した。比誘電率は静電容量と測定対象領域との寸法から、比誘電率として算出した。
[残渣評価]
パターン加工性の評価と同様の方法で、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜に、PLAを用いて超高圧水銀灯を光源として、1〜60%までの透過率を有するグレースケールマスクを介して、100μmのギャップで2000J/m2にて露光した。その後、自動現像装置(AD−2000;滝沢産業(株)製)を用いて、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAH)水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。露光および現像後、230℃で30分間ベークした。ダイヤモンドカッターを用いて上記の最適露光量のパターンについて、縦横に切断し、1mm四方のサンプルを作製した。10μm四方のパターンにつき上方及び断面から走査電子顕微鏡(S−4800;日立ハイテクノロジーズ(株))により観察し、残渣の有無について調べた。具体的には、残膜及び残渣の占める面積の割合を算出し、残渣面積比率を求めた。以下の評価基準に基づき、残渣面積比率を5段階に区分し、4以上を合格とした。
5 : 残渣面積比率 が 5%未満
4 : 残渣面積比率 が 5〜 14%
3 : 残渣面積比率 が 15〜 24%
2 : 残渣面積比率 が 25〜 49%
1 : 残渣面積比率 が 50〜 64%
0 : 残渣面積比率 が 65〜100%。
パターン加工性の評価と同様の方法で、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜に、PLAを用いて超高圧水銀灯を光源として、1〜60%までの透過率を有するグレースケールマスクを介して、100μmのギャップで2000J/m2にて露光した。その後、自動現像装置(AD−2000;滝沢産業(株)製)を用いて、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAH)水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。露光および現像後、230℃で30分間ベークした。ダイヤモンドカッターを用いて上記の最適露光量のパターンについて、縦横に切断し、1mm四方のサンプルを作製した。10μm四方のパターンにつき上方及び断面から走査電子顕微鏡(S−4800;日立ハイテクノロジーズ(株))により観察し、残渣の有無について調べた。具体的には、残膜及び残渣の占める面積の割合を算出し、残渣面積比率を求めた。以下の評価基準に基づき、残渣面積比率を5段階に区分し、4以上を合格とした。
5 : 残渣面積比率 が 5%未満
4 : 残渣面積比率 が 5〜 14%
3 : 残渣面積比率 が 15〜 24%
2 : 残渣面積比率 が 25〜 49%
1 : 残渣面積比率 が 50〜 64%
0 : 残渣面積比率 が 65〜100%。
[TFT特性評価]
図1に示す構造のTFT基板を作製した。ガラス製の基板1(厚み0.7mm)上に、抵抗加熱法により、メタルマスクを介して、クロムを厚み5nm、続いて金を厚み50nmで真空蒸着し、ゲート電極2を形成した。次に上記(解像度の評価)と同様に、ポジ型感光性樹脂組成物をスピンコート塗布し、ホットプレートを用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜について、自動現像装置を用いて、2.38%TMAH水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスし、超高圧水銀灯で2000J/m2にて全面露光した。最後にオーブン(IHPS−222;エスペック(株)製)を用いて空気中230℃で30分間ベークして、膜厚0.3μmのゲート絶縁膜を得て、それをゲート絶縁層3とした。このゲート絶縁層3が形成された基板1上に、金を厚み50nmになるように真空蒸着した。次に、ポジ型レジスト溶液を滴下し、スピナーを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで乾燥し、レジスト膜を形成した。得られたレジスト膜に対して、露光機を用いて、フォトマスクを通して紫外線照射を行った。続いて、基板をアルカリ水溶液に浸漬し、紫外線照射部を除去し、電極形状にパターン加工されたレジスト膜を得た。得られた基板を金エッチング液(アルドリッチ社製、Gold etchant,standard)中に浸漬し、レジスト膜が除去された部分の金を溶解・除去した。得られた基板をアセトン中に浸漬し、レジストを除去した後、純水で洗浄し、100℃のホットプレートで30分間乾燥した。このようにして、電極の幅(チャネル幅)0.2mm、電極の間隔(チャネル長)20μm、厚み50nmの金ソース・ドレイン電極4および5を得た。
図1に示す構造のTFT基板を作製した。ガラス製の基板1(厚み0.7mm)上に、抵抗加熱法により、メタルマスクを介して、クロムを厚み5nm、続いて金を厚み50nmで真空蒸着し、ゲート電極2を形成した。次に上記(解像度の評価)と同様に、ポジ型感光性樹脂組成物をスピンコート塗布し、ホットプレートを用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚0.40μmのプリベーク膜を作製した。得られたプリベーク膜について、自動現像装置を用いて、2.38%TMAH水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスし、超高圧水銀灯で2000J/m2にて全面露光した。最後にオーブン(IHPS−222;エスペック(株)製)を用いて空気中230℃で30分間ベークして、膜厚0.3μmのゲート絶縁膜を得て、それをゲート絶縁層3とした。このゲート絶縁層3が形成された基板1上に、金を厚み50nmになるように真空蒸着した。次に、ポジ型レジスト溶液を滴下し、スピナーを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで乾燥し、レジスト膜を形成した。得られたレジスト膜に対して、露光機を用いて、フォトマスクを通して紫外線照射を行った。続いて、基板をアルカリ水溶液に浸漬し、紫外線照射部を除去し、電極形状にパターン加工されたレジスト膜を得た。得られた基板を金エッチング液(アルドリッチ社製、Gold etchant,standard)中に浸漬し、レジスト膜が除去された部分の金を溶解・除去した。得られた基板をアセトン中に浸漬し、レジストを除去した後、純水で洗浄し、100℃のホットプレートで30分間乾燥した。このようにして、電極の幅(チャネル幅)0.2mm、電極の間隔(チャネル長)20μm、厚み50nmの金ソース・ドレイン電極4および5を得た。
次に、電極が形成された基板上に、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT、アルドリッチ社製、レジオレギュラー)をインクジェット法により塗布し、ホットプレート上で窒素気流下、150℃、30分間の熱処理を行い、P3HT膜6をチャネル層とするFETを作製した。この際、インクジェット装置に、簡易吐出実験セットPIJL−1(クラスターテクノロジー株式会社製)を用いた。
次に、上記FETのゲート電圧を+30から−30Vへ掃引したときのI−Vカーブにおいて、電流Iの値が急激に起ち上がる値(Von)を読みとった。測定には半導体特性評価システム4200−SCS型(ケースレーインスツルメンツ株式会社製)を用い、大気中で測定した。Vonが10V以下を合格とした。
得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<実施例2〜実施例3>
(A)金属酸化物粒子をA2もしくはA3に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
(A)金属酸化物粒子をA2もしくはA3に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<実施例4〜実施例5>
(B)ポリマーをB2もしくはB3に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
(B)ポリマーをB2もしくはB3に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<実施例6〜実施例7>
(C)フェニル基、フルオレン基、ナフチル基のいずれかを有し、かつフェノール性水酸基および/またはチオフェノール基を有する化合物をC2もしくはC3に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
(C)フェニル基、フルオレン基、ナフチル基のいずれかを有し、かつフェノール性水酸基および/またはチオフェノール基を有する化合物をC2もしくはC3に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<実施例8>
キノンジアジド化合物をP2に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
キノンジアジド化合物をP2に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<実施例9>
キノンジアジド化合物をP1とP2の組み合わせに変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
キノンジアジド化合物をP1とP2の組み合わせに変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<実施例10〜実施例11>
熱架橋剤ニカラックMX−270をニカラックMW−100LM、HMOM−HAPに変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
熱架橋剤ニカラックMX−270をニカラックMW−100LM、HMOM−HAPに変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<実施例12〜実施例13>
(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物をC4もしくはC5に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物をC4もしくはC5に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<実施例14>
ジルコニア分散体(A1)の量を1.118g、EAAの量を1.025g、ポリイミドポリマー(B1)の量を0.518gに変えて、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
ジルコニア分散体(A1)の量を1.118g、EAAの量を1.025g、ポリイミドポリマー(B1)の量を0.518gに変えて、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<実施例15>
黄色灯下にて、3.193gのジルコニア分散体(A1)を、0.775gのEAAおよび1.785gのEL、1.051gのPGMEAで希釈し、0.013gのポリイミドポリマー(B1)、0.021gのキノンジアジド化合物(P1)、0.021gのフェノール性化合物(BPFL)、0.140gの界面活性剤(BYK−333のPGMEA1質量%溶液(濃度200ppmに相当))を加え、撹拌した。次に、0.2μmのフィルターでろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。得られたポジ型感光性樹脂組成物について、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
黄色灯下にて、3.193gのジルコニア分散体(A1)を、0.775gのEAAおよび1.785gのEL、1.051gのPGMEAで希釈し、0.013gのポリイミドポリマー(B1)、0.021gのキノンジアジド化合物(P1)、0.021gのフェノール性化合物(BPFL)、0.140gの界面活性剤(BYK−333のPGMEA1質量%溶液(濃度200ppmに相当))を加え、撹拌した。次に、0.2μmのフィルターでろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。得られたポジ型感光性樹脂組成物について、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表1に、評価結果を表3に、それぞれ示す。
<比較例1>
化合物(C)を加えない以外は実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表4に、それぞれ示す。なお、表2中の括弧内の値は質量%を示す。
化合物(C)を加えない以外は実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表4に、それぞれ示す。なお、表2中の括弧内の値は質量%を示す。
<比較例2〜比較例3>
化合物(C)について、フルオレン基を持たない構造の化合物に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表4に、それぞれ示す。
化合物(C)について、フルオレン基を持たない構造の化合物に変えて、実施例1と同様の方法で、ポジ型感光性樹脂組成物をそれぞれ得て、実施例1と同様の評価をした。得られたポジ型感光性樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表4に、それぞれ示す。
表4の結果から明らかなように、比較例1〜比較例3の各ポジ型感光性樹脂組成物より得られる硬化膜は、表示素子としての特性を著しく低下させるほど現像残渣が多く、特性を満足していなかった。また、比較例4のポジ型感光性樹脂組成物より得られる硬化膜は、絶縁性が著しく低く、現像残渣が多いため、特性を満足していなかった。
1:基板
2:ゲート電極
3:ゲート絶縁層
4:金ソース・ドレイン電極
5:金ソース・ドレイン電極
6:ポリ−3−ヘキシルチオフェン膜
2:ゲート電極
3:ゲート絶縁層
4:金ソース・ドレイン電極
5:金ソース・ドレイン電極
6:ポリ−3−ヘキシルチオフェン膜
Claims (14)
- (A)金属酸化物粒子、(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマー、(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記(C)水酸基および/またはチオール基を有する芳香族化合物が、フェニル基、フルオレン基、ナフチル基のいずれか1種以上を有し、かつフェノール性水酸基および/ またはチオフェノール基を有する化合物である請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記(B)ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールより選ばれる1種以上のポリマーが、ポリイミドである請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記(A)金属酸化物粒子が、チタン、ジルコニウム、バリウム、タングステン、タンタル、イットリウムから選ばれる少なくとも1種類を含んでなり、粒子径が1nm〜30nmである請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記(A)金属酸化物粒子の含有量が、有機溶媒以外の全成分に対して30質量%以上、90質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜。
- 波長400〜800nmにおける透過率が80%以上である請求項8に記載の硬化膜。
- 請求項8または9に記載の硬化膜を有することを特徴とするTFT基板。
- 請求項8または9に記載の硬化膜を有することを特徴とする層間絶縁膜。
- TFT基板および層間絶縁膜のうち少なくともいずれかを有する表示装置であって、前記TFT基板および層間絶縁膜が請求項8または9に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置。
- 請求項11に記載の層間絶縁膜を透明電極間に有することを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
- TFT基板および層間絶縁膜のうち少なくともいずれかを有する表示装置を製造する方法であって、前記TFT基板および層間絶縁膜が請求項8または9に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
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