JP2014186186A - 耐熱性樹脂及びその前駆体組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂及びその前駆体組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】金属材料、とりわけ銅、金との接着性に優れた硬化膜を得ることができる耐熱性樹脂及びその前駆体組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】(a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体の中から選ばれるアルカリ可溶性樹脂またはそれらの共重合体、(b)下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする耐熱性樹脂及びその前駆体組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性樹脂およびその前駆体組成物に関する。さらに詳しくは、金属材料からなる電極および配線と接する絶縁膜、例えば半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに好適に用いられる耐熱性樹脂及びその前駆体組成物に関する。
電子機器の半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜などには、耐熱性や機械特性などに優れたポリイミド系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂が広く使用されている。従来は有機溶媒への溶解性の高い耐熱性樹脂前駆体の状態でまず塗膜形成を行なった後、ノボラック樹脂などをベースとしたフォトレジストを用いてパターン加工し、この前駆体を加熱硬化させることにより不溶、不融の耐熱性樹脂とする方法がとられていた。近年ではそれ自身がパターン加工可能なネガ型、ポジ型の感光性樹脂組成物を用いることでフォトレジスト工程の簡略化が図られている。
耐熱性樹脂組成物を半導体などの用途に用いる場合、加熱硬化後の樹脂はデバイス内に永久膜として残るため、加熱硬化膜の物性は非常に重要である。半導体パッケージにおける信頼性を確保するためにはシリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、リンシリケートガラスなどの半導体チップ表面に形成されるシリコン系材料との接着性が重要であり、とりわけウェハーレベルパッケージの配線層間の絶縁膜などの用途として用いる場合は、上記シリコン系材料との接着性に加えて、電極や配線などに用いる金属材料との接着性が重要となる。
耐熱性樹脂は一般的に、その剛直な主鎖構造から金属材料との接着強度が高くないとされ、さらに感光性を付与した樹脂組成物から形成された樹脂硬化膜の場合、組成物を構成する感光剤、増感剤、酸発生剤および溶解調整剤などの添加物が加熱硬化後も硬化膜中に残留しているため、添加物を含有していないものよりもさらに接着強度は低くなる。シリコン系材料との接着性改善には、アミノシランなどのシランカップリング剤を組成物に添加することで改善が図られてきたが(例えば、特許文献1)、金属材料、とりわけ銅、金との接着性は不十分であった。
金属材料との接着性を向上させる方法としては、特定のアミノ化合物ないしはチオール誘導体を添加した耐熱性樹脂組成物(例えば、特許文献2)や、特定のジスルフィド化合物ないしはチオエーテル化合物を添加した耐熱性樹脂組成物(例えば、特許文献3)が提案されているが、接着性改善効果は必ずしも十分とは言えず、とりわけ低温焼成した場合でも接着性の高い耐熱性樹脂組成物が求められていた。
特開2008−83124号公報(請求項1〜3) 特開2004−43779号公報(請求項1〜5) 特開2007−39486号公報(請求項1〜5)
本発明は、上記問題点を鑑み、金属材料、とりわけ銅、金との接着性に優れた硬化膜を得ることができる耐熱性樹脂及びその前駆体組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物は下記の構成からなる。すなわち、(a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体の中から選ばれるアルカリ可溶性樹脂またはそれらの共重合体、(b)下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする耐熱性樹脂及びその前駆体組成物である。
Figure 2014186186
一般式(1)中、R〜Rは同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20の1価の有機基、水酸基、カルボキシ基、スルホニル基、アミノ基、または、ニトロ基を示す。
本発明の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物は、金属材料、とりわけ銅、金との接着性に優れた硬化膜を得ることができる。
本発明に係る耐熱性樹脂及びその前駆体組成物は、(a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体の中から選ばれるアルカリ可溶性樹脂またはそれらの共重合体、(b)下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2014186186
本発明の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物は、(a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体の中から選ばれるアルカリ可溶性樹脂またはそれらの共重合体を含有する。本発明におけるアルカリ可溶性とは、樹脂をγ−ブチロラクトンに溶解した溶液をシリコンウェハー上に塗布し、120℃で4分間プリベークを行って膜厚10μm±0.5μmのプリベーク膜を形成し、該プリベーク膜を23±1℃の2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に1分間浸漬した後、純水でリンス処理したときの膜厚減少から求められる溶解速度が50nm/分以上であることをいう。
本発明に用いられる(a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体の中から選ばれるアルカリ可溶性樹脂またはそれらの共重合体は、上記アルカリ可溶性を付与するため、樹脂の構造単位中および/またはその主鎖末端に酸性基を有することが好ましい。酸性基としては、例えば、カルボキシ基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基などが挙げられる。また、フッ素原子を有することが好ましく、アルカリ水溶液で現像する際に、膜と基材との界面に撥水性を付与し、界面へのアルカリ水溶液のしみこみを抑制することができる。アルカリ可溶性樹脂中のフッ素原子含有量は、界面へのアルカリ水溶液のしみこみ防止効果の観点から5重量%以上が好ましく、アルカリ水溶液に対する溶解性の点から20重量%以下が好ましい。
上述のポリイミドは下記一般式(2)で表される構造単位を有し、ポリイミド前駆体およびポリベンゾオキサゾール前駆体は下記一般式(3)で表される構造単位を有する。これらを2種以上含有してもよいし、一般式(2)で表される構造単位および一般式(3)で表される構造単位を共重合した樹脂を用いてもよい。
Figure 2014186186
一般式(2)中、Rは4〜10価の有機基、Rは2〜8価の有機基を表す。RおよびR10はフェノール性水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基またはチオール基を表し、それぞれ単一のものであっても異なるものが混在していてもよい。pおよびqは0〜6の整数を表す。
Figure 2014186186
一般式(3)中、R11は2〜8価の有機基、R12は2〜8価の有機基を表す。R13およびR14はフェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基、またはCOOR15を表し、それぞれ単一のものであっても異なるものが混在していてもよい。R15は水素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。rおよびsは0〜6の整数を表す。ただしr+s>0である。
本発明における(a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体の中から選ばれるアルカリ可溶性樹脂またはそれらの共重合体は、一般式(2)または(3)で表される構造単位を5〜100000有することが好ましい。また、一般式(2)または(3)で表される構造単位に加えて、他の構造単位を有してもよい。この場合、一般式(2)または(3)で表される構造単位を、全構造単位中50mol%以上有することが好ましい。
上記一般式(2)中、R−(Rは酸二無水物の残基を表す。Rは4〜10価の有機基であり、なかでも芳香族環または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。
酸二無水物としては、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}フルオレン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物および下記に示した構造の酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物や、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族のテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらを2種以上用いてもよい。
Figure 2014186186
16は酸素原子、C(CF、C(CHまたはSOを表す。R17およびR18はそれぞれ水素原子、水酸基またはチオール基を表す。
上記一般式(3)中、R11−(R13は酸の残基を表す。R11は2〜8価の有機基であり、なかでも芳香族環または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。
酸成分としては、ジカルボン酸の例としてテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビフェニルジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、トリフェニルジカルボン酸など、トリカルボン酸の例としてトリメリット酸、トリメシン酸、ジフェニルエーテルトリカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸など、テトラカルボン酸の例としてピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸および下記に示した構造の芳香族テトラカルボン酸や、ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族のテトラカルボン酸などを挙げることができる。これらを2種以上用いてもよい。
Figure 2014186186
16はそれぞれ酸素原子、C(CF、C(CHまたはSOを表す。R17およびR18はそれぞれ水素原子、水酸基またはチオール基を表す。
これらのうち、トリカルボン酸、テトラカルボン酸では1つまたは2つのカルボキシ基が一般式(3)におけるR13基に相当する。また、上に例示したジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸の水素原子を、一般式(3)におけるR13基、好ましくは水酸基やスルホン酸基、チオール基などで1〜4個置換したものがより好ましい。これらの酸は、そのまま、あるいは酸無水物、活性エステルとして使用できる。
上記一般式(2)のR−(R10および上記一般式(3)のR12−(R14はジアミンの残基を表す。RおよびR12は2〜8価の有機基であり、なかでも芳香族環または環状脂肪族基を含有する炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。
ジアミンの具体的な例としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸あるいはこれらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンおよび下記に示した構造のジアミンなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
Figure 2014186186
16はそれぞれ酸素原子、C(CF、C(CHまたはSOを表す。R17〜R20はそれぞれ水素原子、水酸基またはチオール基を表す。
これらのジアミンは、ジアミンとして、または対応するジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンとして使用できる。
また、これらの樹脂の末端を前述の酸性基を有するモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸により封止することで、主鎖末端に酸性基を有する樹脂を得ることができる。
このようなモノアミンの好ましい例としては、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノールなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
また、このような酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸の好ましい例としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物などの酸無水物、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸などのモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシ基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、テレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレンなどのジカルボン酸類の1つのカルボキシ基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
上記したモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などの末端封止剤の含有量は、樹脂を構成する酸およびアミン成分の総和100モル%に対して、2〜25モル%が好ましい。
樹脂中に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入された樹脂を、酸性溶液に溶解し、樹脂の構成単位であるアミン成分と酸成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された樹脂を直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトル及び13C−NMRスペクトル測定することで検出することが可能である。
本発明のアルカリ可溶性樹脂は公知の方法により合成される。ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルの製造方法として例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後アミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、アミンと反応させる方法などが挙げられる。
ポリベンゾオキサゾール前駆体の場合、製造方法としては、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸を縮合反応させることで得ることができる。具体的には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のような脱水縮合剤と酸を反応させ、ここにビスアミノフェノール化合物を加える方法やピリジンなどの3級アミンを加えたビスアミノフェノール化合物の溶液にジカルボン酸ジクロリドの溶液を滴下する方法などがある。
ポリイミドの場合、前述の方法で得られたポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを加熱あるいは酸や塩基などの化学処理で脱水閉環することにより得ることができる。
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、低温焼成可能な点でポリイミドが好ましい。前駆体構造から閉環させるためにポリイミド前駆体は250℃以上、ポリベンゾオキサゾール前駆体は300℃以上の焼成が必要で、それ以下の温度の焼成では得られた硬化膜の耐熱性、機械特性が低下する場合があるのに対し、ポリイミドは既閉環構造のため200℃以下の焼成でも十分な耐熱性、機械特性を得ることができる。
本発明の耐熱樹脂及びその前駆体組成物は、(b)下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
Figure 2014186186
一般式(1)中、R〜Rは同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20の1価の有機基、水酸基、カルボキシ基、スルホニル基、アミノ基、または、ニトロ基を示す。
一般式(1)で示される構造の具体例としては、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルジスルフィド、ビス(5−ニトロ−2−ピリジル)ジスルフィド、6,6’−ジチオビス(3−ピリジンカルボン酸)などが挙げられるが、これらに限定されない。
(b)成分の添加量は、(a)成分の樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部であり、さらに好ましくは0.5〜15重量部の範囲である。0.1重量部以上とすることで熱硬化後の膜と金属との接着性が良好となり、30重量部以下とすることで熱硬化後の膜の耐熱性、機械特性が良好となる。
本発明の(a)成分のアルカリ可溶性樹脂は、(c)光酸発生剤を添加することでポジ型の感光性を付与することができる。
光酸発生剤は、紫外線、遠紫外線、X線などの放射線に感応して酸を発生する化合物であり、具体的にはジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、フェニルジアゾニウム塩などのオニウム化合物、キノンジアジド化合物、イミドスルフォネート誘導体、トシラート化合物、ベンジル誘導体のカルボナート化合物、ならびにトリアジン誘導体のハロゲン化合物などが挙げられる。このなかでも汎用性の面から一般的な紫外線である水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)に感光するキノンジアジド化合物が好ましい。
キノンジアジド化合物は、フェノール性水酸基を有した化合物にナフトキノンジアジドのスルホン酸がエステルで結合した化合物が好ましい。ここで用いられるフェノール性水酸基を有する化合物としては、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、TrisP−SA、TrisOCR−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PCHP、DML−PC、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP,DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A、46DMOC、46DMOEP、TM−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール、ナフトール、テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸メチルエステル、ビスフェノールA、ビスフェノールE、メチレンビスフェノール、BisP−AP(商品名、本州化学工業(株)製)などが挙げられ、これらの化合物に4−ナフトキノンジアジドスルホン酸あるいは5−ナフトキノンジアジドスルホン酸をエステル結合で導入したものが好ましいものとして挙げられるが、これ以外の化合物を使用することもできる。
4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のi線領域に吸収を持っており、i線露光に適しており、5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のg線領域まで吸収を持っており、g線露光に適している。本発明は、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物、5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物のどちらも好ましく使用することができるが、露光する波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物、5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を選択することが好ましい。また、同一分子中に4−ナフトキノンジアジドスルホニル基、5−ナフトキノンジアジドスルホニル基を併用した、ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を得ることもできるし、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を混合して使用することもできる。
上記ナフトキノンジアジド化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物と、キノンジアジドスルホン酸化合物とのエステル化反応によって、公知の方法で合成することが可能である。
これらのナフトキノンジアジド化合物を使用することで解像度、感度、残膜率が向上する。また、ナフトキノンジアジド化合物の分子量が1500以上になると、その後の熱処理においてナフトキノンジアジド化合物が十分に熱分解しないために、得られる膜の耐熱性が低下する、機械特性が低下する、接着性が低下するなどの問題が生じる可能性がある。このような観点より、好ましいナフトキノンジアジド化合物の分子量は300〜1500である。さらに好ましくは、350〜1200である。
(c)成分の添加量は、(a)成分の樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部であり、さらに好ましくは3〜40重量部の範囲である。さらに増感剤などを必要に応じて添加してもよい。
上記(c)成分を添加することで、現像後の未露光部の膜減りが大幅に低下し、良好なパターンを短い現像時間で得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化膜を容易に得る目的でアルコキシメチル基またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物を含有してもよい。これらの基を2つ以上有することで、加熱処理により樹脂および同種分子と縮合反応して架橋構造体とすることができる。
このような化合物の好ましい例としては、例えば、DML−PC、DML−PEP、DML−OC、DML−OEP、DML−34X、DML−PTBP、DML−PCHP、DML−OCHP、DML−PFP、DML−PSBP、DML−POP、DML−MBOC、DML−MBPC、DML−MTrisPC、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−BPC、DML−BisOC−P、DMOM−PC、DMOM−PTBP、DMOM−MBPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−HQ、TML−BP、TML−pp−BPF、TML−BPE、TML−BPA、TML−BPAF、TML−BPAP、TMOM−BP、TMOM−BPE、TMOM−BPA、TMOM−BPAF、TMOM−BPAP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、NIKALAC(登録商標) MX−290、NIKALAC MX−280、NIKALAC MX−270、NIKALAC MX−279、NIKALAC MW−100LM、NIKALAC MX−750LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
アルコキシメチル基またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物の含有量は、(a)成分の樹脂100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上、さらに好ましくは5重量部以上であり、好ましくは300重量部以下、より好ましくは200重量部以下である。
また、必要に応じて、キュア後の収縮残膜率を小さくしない範囲でフェノール性水酸基を有する化合物を含有してもよい。これにより、現像時間を調整し、スカムを改善することができる。これらの化合物としては、例えば、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレンなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物は、溶媒を含有することが好ましい。これによりワニスの状態にすることができ、塗布性を向上させることができる。
前記溶媒は、γ−ブチロラクトンなどの極性の非プロトン性溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチルなどのエステル類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチルなどの他のエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、などの溶媒を単独、または混合して使用することができる。これらの中でもγ−ブチロラクトンは他の成分を良好に溶解させ平坦性の良い塗膜を形成させることができるため好ましい。
前記溶媒の使用量は、特に限定されないが、(a)成分の樹脂100重量部に対して、50〜2000重量部が好ましく、特に100〜1500重量部が好ましい。
本発明の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物は、必要に応じて基板との濡れ性を向上させる目的で界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は市販の化合物を用いることができ、具体的にはシリコン系界面活性剤としては、東レダウコーニングシリコーン社のSHシリーズ、SDシリーズ、STシリーズ、ビックケミー・ジャパン社のBYKシリーズ、信越シリコーン社のKPシリーズ、日本油脂社のディスフォームシリーズ、東芝シリコーン社のTSFシリーズなどが挙げられ、フッ素系界面活性剤としては、大日本インキ工業社の“メガファック(登録商標)”シリーズ、住友スリーエム社のフロラードシリーズ、旭硝子社の“サーフロン(登録商標)”シリーズ、“アサヒガード(登録商標)”シリーズ、新秋田化成社のEFシリーズ、オムノヴァ・ソルーション社のポリフォックスシリーズなどが挙げられ、アクリル系および/またはメタクリル系の重合物からなる界面活性剤としては、共栄社化学社のポリフローシリーズ、楠本化成社の“ディスパロン(登録商標)”シリーズなどが挙げられるが、これらに限定されない。
界面活性剤の含有量は(a)成分の樹脂100重量部に対して好ましくは0.001〜1重量部である。
また、本発明の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物は無機粒子を含んでもよい。好ましい具体例としては酸化珪素、酸化チタン、チタン酸バリウム、アルミナ、タルクなどが挙げられるがこれらに限定されない。これら無機粒子の一次粒子径は100nm以下、より好ましくは60nm以下が好ましい。
無機粒子の含有量は、(a)成分の樹脂100重量部に対して、好ましくは10〜500重量部である。
また、シリコン基板との接着性を高めるために、保存安定性を損なわない範囲で本発明の樹脂組成物にシリコン成分として、トリメトキシアミノプロピルシラン、トリメトキシエポキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシチオールプロピルシランなどのシランカップリング剤を含有してもよい。好ましい含有量は、(a)成分の樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部である。
次に、本発明の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物を用いてパターンを形成する方法について説明する。
本発明の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物を基板上に塗布する。基板としてはシリコン、セラミックス類、ガリウムヒ素などのウエハ、または、その上に銅、金、チタン系金属が電極、配線として形成されているものが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティングなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが通常、乾燥後の膜厚が、0.1〜150μmになるように塗布される。
次に耐熱性樹脂及びその前駆体組成物を塗布した基板を乾燥して、樹脂組成物被膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃から150℃の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。必要に応じて、80℃で2分の乾燥後、120℃で2分の乾燥など、2段あるいはそれ以上の多段で乾燥することもできる。
次に、この被膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。耐熱性樹脂及びその前駆体組成物に感光性が付与されていない場合、樹脂被膜の上にさらにもう1層フォトレジスト被膜を形成させる必要がある。このフォトレジストにはOFPR−800(東京応化(株)製)などの一般的なノボラック系レジストが好ましく用いられる。フォトレジスト被膜の形成は耐熱性樹脂被膜の形成と同様の方法で行われる。
現像時のパターンの解像度が向上したり、現像条件の許容幅が増大したりする場合には、現像前にベーク処理をする工程を取り入れても差し支えない。この温度としては50〜180℃の範囲が好ましく、特に60〜150℃の範囲がより好ましい。時間は10秒〜数時間が好ましい。この範囲を外れると、反応が進行しなかったり、全ての領域が溶解しなかったりするなどの恐れがあるので注意を要する。
耐熱性樹脂及びその前駆体組成物のパターンを形成するには、現像処理を行う。該耐熱性樹脂及びその前駆体組成物がネガ型感光性の場合、未露光部を現像液で除去することにより、ポジ型感光性の場合、露光部を現像液で除去することによりレリーフ・パターンが得られる。
現像液はポリマーの構造に合わせて適当なものを選択することができるが、アンモニア、テトラメチルアンモニウム水溶液や、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどアルカリ性を示す化合物の水溶液を好ましく使用することができる。
また、現像液として、本発明の樹脂及び組成物の溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどを単独で、あるいは本発明の樹脂及び組成物の溶媒とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水、メチルカルビトール、エチルカルビトール、トルエン、キシレン、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチルなどの本発明の樹脂及び組成物の貧溶媒を単独あるいは数種組み合わせた混合液も好ましく使用することができる。
現像は上記の現像液を塗膜面にそのまま、あるいは、霧状にして放射する、現像液中に浸漬する、あるいは浸漬しながら超音波をかけるなどの方法によって行うことができる。
ついでリンス液により、現像によって形成したレリーフ・パターンを洗浄することが好ましい。リンス液としては、現像液にアルカリ水溶液を用いた場合、水を好ましく使用できる。このとき、エタノール、イソプロピルアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、炭酸ガス、塩酸、酢酸などの酸などを水に加えてリンス処理をしても良い。
有機溶媒でリンスをする場合、現像液との混和性の良いメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、酢酸エチルなどが好ましく用いられる。
耐熱性樹脂に感光性が付与されていない場合は、現像後に樹脂被膜上に形成されたフォトレジスト被膜の除去を行わなければならない。この除去はドライエッチによる除去、ないしは剥離溶剤によるウェットエッチなどで行われることが多い。上記剥離溶剤としては、アセトン、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、酢酸エチルなどの有機溶媒や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液などが用いられるがこれらに限定されない。
現像後、150℃〜500℃の温度を加えることで、樹脂が前駆体の場合は開環部が閉環し、また熱架橋成分を含む場合には架橋反応が進行し、得られる樹脂被膜の耐熱性および耐薬品性が向上する。この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分から5時間実施する。一例としては、130℃、180℃で各30分ずつ熱処理する。あるいは室温より300℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。本発明において、キュア条件としては150℃以上350℃以下が好ましいが、本発明は特に低温焼成時においても金属材料との接着性において優れた硬化膜を提供するものであるため、150℃以上280℃以下がより好ましく、150℃以上250℃以下がさらに好ましい。
本発明の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物により形成された耐熱性硬化膜は、半導体のパッシベーション膜、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などの用途に好適に用いられる。
以下実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、合成例中の樹脂および実施例中の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物の評価は以下の方法により行った。
(1)接着性試験
次の方法にて金属材料との接着性試験を行なった。
キュア膜の作製
シリコンウェハー上に銅または金をスパッタリングし、それぞれ200〜500nmの厚みで形成された金属材料層を表面に有する基板(銅スパッタ基板、金スパッタ基板)を用意した。この基板上にワニスをスピンナ(ミカサ(株)製)を用いてスピンコート法で塗布し、次いでホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製D−SPIN)を用いて120℃で3分ベークし、最終的に厚さ8μmのプリベーク膜を作製した。この膜をクリーンオーブン(光洋サーモシステム(株)製CLH−21CD−S)を用いて、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)、140℃で30分、次いでさらに昇温して所定の温度で1時間キュアし、ポリイミド硬化膜を得た。
接着特性評価
基板を2分割し、それぞれの基板についてキュア後の膜に片刃を使用して2mm間隔で10行10列の碁盤目状の切り込みをいれた。このうち一方のサンプル基板を用い、セロテープ(登録商標)による引き剥がしによって100マスのうち何マス剥がれたかを計数し、金属材料/樹脂硬化膜間の接着特性の評価を行なった。また、もう一方のサンプル基板については、プレッシャークッカーテスト(PCT)装置(タバイエスペエック(株)製HAST CHAMBER EHS−211MD)を用いて121℃、2気圧の飽和条件で200時間PCT処理を行なった後、上記の引き剥がしテストを行なった。いずれの基板についても引き剥がしテストで剥がれ個数が20未満を良好、20以上を不良とした。
膜厚の測定方法
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を使用し、プリベーク後、現像後の膜は屈折率1.629として、キュア後の膜は屈折率1.773として測定した。
(2)感度評価
現像膜の作製
塗布現像装置Mark−7(東京エレクトロン(株)製)を用いて、8インチシリコンウェハー上にワニスをスピンコート法で塗布を行い、120℃で3分間ホットプレートにてベークをして平均膜厚10μmのプリベーク膜を作製した。その後、露光機i線ステッパーNSR−2005i9C(ニコン社製)を用いて0〜500mJ/cmの露光量にて10mJ/cmステップで露光した。露光後、前記Mark−7の現像装置を用いて、2.38重量%のテトラメチルアンモニウム水溶液(以下TMAH、多摩化学工業(株)製)を用いて現像時の膜減りが1.5μmになる時間で現像した後、蒸留水でリンス後、振り切り乾燥し、パターンを得た。
膜厚の測定方法
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を使用し、プリベーク後、現像後の膜は屈折率1.629として測定した。
感度の算出
前記の方法で得た現像膜のパターンをFDP顕微鏡MX61(オリンパス(株)社製)を用いて倍率20倍で観察し、マスクサイズが5μm のパターンが開口するための最低必要露光量を求め、これを感度とした。
合成例1 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物の合成
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以降BAHFと呼ぶ)18.3g(0.05モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
固体30gを300mLのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセロソルブ250mLに分散させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行なった。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、濾過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン化合物を得た。
Figure 2014186186
合成例2 アルカリ可溶性樹脂(A−1)の合成
乾燥窒素気流下、BAHF29.3g(0.08モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)、末端封止剤として、3−アミノフェノール3.27g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)150gに溶解した。ここに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(マナック(株)製、ODPA)31.0g(0.1モル)をNMP50gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸しながら、150℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を集めた。この沈殿をろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、アルカリ可溶性樹脂であるポリイミド(A−1)を得た。
合成例3 アルカリ可溶性樹脂(A−2)の合成
乾燥窒素気流下、ODPA6.20g(0.02モル)をNMP100gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物9.07g(0.015モル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.25g(0.001モル)をNMP25gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に末端封止剤として4−アミノフェノール0.87g(0.008モル)をNMP5gとともに加え、50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.15g(0.06モル)をNMP10gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を室温まで冷却した後、溶液を水1Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、目的のアルカリ可溶性樹脂であるポリイミド前駆体(A−2)を得た。
合成例4 アルカリ可溶性樹脂(A−3)の合成
乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05モル)をNMP50g、グリシジルメチルエーテル26.4g(0.3モル)に溶解させ、溶液の温度を−15℃まで冷却した。ここにジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド(日本農薬(株)製)7.4g(0.025モル)、イソフタル酸クロリド(東京化成(株)製)5.1g(0.025モル)をγ−ブチロラクトン(GBL)25gに溶解させた溶液を内部の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、−15℃で6時間撹拌を続けた。反応終了後、メタノールを10重量%含んだ水3Lに溶液を投入して白色の沈殿を集めた。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、目的のアルカリ可溶性樹脂であるポリベンゾオキサゾール前駆体(A−3)を得た。
合成例5 キノンジアジド化合物(C−1)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.22g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド33.58g(0.125モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン15.18gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(C−1)を得た。
Figure 2014186186
合成例6 キノンジアジド化合物(C−2)の合成
乾燥窒素気流下、TrisOCR−PA(商品名、本州化学工業(株)製)24.1g(0.05モル)と4−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド13.43g(0.05モル)、5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド20.15g(0.075モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合させたトリエチルアミン12.65gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(C−2)を得た。
Figure 2014186186
各実施例、比較例で使用したスルフィド化合物を以下に示す。
(B−1):4,4’−ジピリジルジスルフィド
(B−2):2,2’−ジピリジルジスルフィド
(B−3):ビス(5−ニトロ−2−ピリジル)ジスルフィド
(B−4):6,6’−ジチオビス(3−ピリジンカルボン酸)
(β−1):4,4’−ジアセチルアミノジフェニルジスルフィド
(β−2):ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド
(β−3):ジベンゾチアジルジスルフィド
実施例1
前記合成例2で得られたアルカリ可溶性樹脂(A−1)10.0g、(B−1)0.5gをγ−ブチロラクトン15.0gに溶解した後、1μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルター(住友電気工業(株)製)で濾過してワニスAを得た。得られたワニスAを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
実施例2
(b)成分として(B−1)にかえて(B−2)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてワニスBを得た。得られたワニスBを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
実施例3
(b)成分として(B−1)にかえて(B−3)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてワニスCを得た。得られたワニスCを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
実施例4
(b)成分として(B−1)にかえて(B−4)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてワニスDを得た。得られたワニスDを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
実施例5
アルカリ可溶性樹脂として(Aー1)にかえて(A−2)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてワニスEを得た。得られたワニスEを用いて前記の方法で280℃キュアにて接着性試験を行った。
実施例6
実施例5で得られたワニスEを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
実施例7
アルカリ可溶性樹脂として(Aー1)にかえて(A−3)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてワニスFを得た。得られたワニスFを用いて前記の方法で320℃キュアにて接着性試験を行った。
実施例8
実施例7で得られたワニスFを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
比較例1
(b)成分の(B−1)を添加しないこと以外は実施例1と同様にしてワニスGを得た。得られたワニスGを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
比較例2
(b)成分として(B−1)にかえて(β−1)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてワニスHを得た。得られたワニスHを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
比較例3
(b)成分として(B−1)にかえて(β−2)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてワニスIを得た。得られたワニスIを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
比較例4
(b)成分として(B−1)にかえて(β−3)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてワニスJを得た。得られたワニスJを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行った。
上記の評価ワニスの組成を表1に、接着性試験結果を表2に示す。
Figure 2014186186
Figure 2014186186
実施例9
前記合成例2で得られたアルカリ可溶性樹脂(A−1)10.0g、(B−1)0.5g、キノンジアジド化合物(C−1)1.5gをγ−ブチロラクトン18.0gに溶解した後、1μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルター(住友電気工業(株)製)で濾過してワニスKを得た。得られたワニスKを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
実施例10
(b)成分として(B−1)にかえて(B−2)を用いたこと以外は実施例9と同様にしてワニスLを得た。得られたワニスLを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
実施例11
(b)成分として(B−1)にかえて(B−3)を用いたこと以外は実施例9と同様にしてワニスMを得た。得られたワニスMを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
実施例12
(b)成分として(B−1)にかえて(B−4)を用いたこと以外は実施例9と同様にしてワニスNを得た。得られたワニスNを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
実施例13
アルカリ可溶性樹脂として(Aー1)にかえて(A−2)を用いたこと以外は実施例9と同様にしてワニスOを得た。得られたワニスOを用いて前記の方法で280℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
実施例14
アルカリ可溶性樹脂として(Aー1)にかえて(A−3)を用いたこと以外は実施例9と同様にしてワニスPを得た。得られたワニスPを用いて前記の方法で320℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
実施例15
(c)成分として(C−1)にかえて(C−2)を用いたこと以外は実施例9と同様にしてワニスQを得た。得られたワニスQを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
比較例5
(b)成分の(B−1)を添加しないこと以外は実施例9と同様にしてワニスRを得た。得られたワニスRを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
比較例6
(b)成分として(B−1)にかえて(β−1)を用いたこと以外は実施例9と同様にしてワニスSを得た。得られたワニスSを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
比較例7
(b)成分として(B−1)にかえて(β−2)を用いたこと以外は実施例9と同様にしてワニスTを得た。得られたワニスTを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
比較例8
(b)成分として(B−1)にかえて(β−3)を用いたこと以外は実施例9と同様にしてワニスUを得た。得られたワニスUを用いて前記の方法で180℃キュアにて接着性試験を行い、さらに感光性評価を行った。
上記の評価ワニスの組成を表3に、接着性試験結果を表4に示す。
Figure 2014186186
Figure 2014186186

Claims (4)

  1. (a)ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体の中から選ばれるアルカリ可溶性樹脂またはそれらの共重合体、(b)下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする耐熱性樹脂及びその前駆体組成物。
    Figure 2014186186
    一般式(1)中、R〜Rは同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20の1価の有機基、水酸基、カルボキシ基、スルホニル基、アミノ基、または、ニトロ基を示す。
  2. さらに(c)光酸発生剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物。
  3. (c)光酸発生剤がキノンジアジド化合物であることを特徴とする請求項2に記載の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物。
  4. (a)成分の樹脂がポリイミドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱性樹脂及びその前駆体組成物。
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