JP2018095721A - 樹脂組成物、樹脂シートおよび硬化膜 - Google Patents
樹脂組成物、樹脂シートおよび硬化膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018095721A JP2018095721A JP2016241008A JP2016241008A JP2018095721A JP 2018095721 A JP2018095721 A JP 2018095721A JP 2016241008 A JP2016241008 A JP 2016241008A JP 2016241008 A JP2016241008 A JP 2016241008A JP 2018095721 A JP2018095721 A JP 2018095721A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- resin
- group
- general formula
- mol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Materials For Photolithography (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
Description
本発明は、樹脂組成物、それを用いた樹脂シートおよび硬化膜に関する。より詳しくは、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに適した樹脂組成物、それを用いた樹脂シートおよび硬化膜に関する。
従来、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層、TFT基板の平坦化膜には、耐熱性や電気絶縁性等に優れたポリイミド系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂が広く使用されてきた。
しかしながら、近年、半導体素子の薄膜化に伴って、デバイスの反りを低減させるために、表面保護膜や層間絶縁膜の低ストレス化が要求されている。これを実現するために、アルカリ可溶性ポリイミド、少なくとも一分子中にエポキシ基を2以上有し、ポリエチレンオキサイド基を有する化合物および光酸発生剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、かかる組成物から得られる硬化膜はガラス転移点が低く、フォトリソグラフィにより形成したパターンが熱により流動するため、硬化膜の解像度に課題があった。
一方、高感度で高解像度の樹脂組成物として、特定の構造を有するポリイミド前駆体またはポリベンゾオキサゾール前駆体と、キノンジアジド化合物と、ノボラック樹脂および/またはポリヒドロキシスチレン樹脂をするポジ型感光性樹脂前駆体組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、柔軟性および絶縁信頼性に優れた樹脂組成物として、ポリカーボネート骨格を有するテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリイミド前駆体又はポリイミドと、感光剤とを含有する感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、さらに感度や解像度の向上が求められている。
そこで、高感度で高解像度の感光性樹脂組成物として、特定のポリアルキレングリコール構造を有する架橋性化合物、アルカリ可溶性樹脂、光酸発生剤、溶剤を含有する感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献1〜4に開示される感光性樹脂組成物は、厚膜を形成する場合や多層構造へ適用する場合に、硬化膜の伸度が不十分である課題があった。
硬化膜の伸度が不十分である場合、層間絶縁膜の割れを引き起こすことから、本発明は、高感度、高解像であり、厚膜を形成する場合や多層構造へ適用する場合においても高伸度の硬化膜を得ることのできる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(A1)下記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を含有する樹脂組成物であって、下記一般式(1)におけるR2が下記一般式(2)で表されるジアミン残基を全ジアミン残基中1〜80モル%含有する樹脂組成物である。
(一般式(1)中、R1は炭素数2以上の2〜8価の有機基、R2は2価の有機基、R3は水素または炭素数1〜20の1価の有機基を表す。nは10〜100000の範囲、mは0〜2の整数、pは0〜4の整数を表す。)
(一般式(2)中、R51〜R54は炭素数1〜6のアルキレン基、R55〜R62はそれぞれ独立に水素、フッ素または炭素数1〜6のアルキル基を表す。x、y、zはそれぞれ独立に1〜12の範囲を表す。ただし、x+y+zは3以上30以下である。)
本発明の樹脂組成物によれば、パターン加工の際には高感度、高解像度を有し、加熱硬化により高伸度の硬化膜を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を含有する樹脂組成物であって、前記一般式(1)におけるR2が一般式(2)で表されるジアミン残基を全ジアミン残基中に1〜80モル%含有することを特徴とする。
一般式(1)中、R1は炭素数2以上の2〜8価の有機基、R2は2価の有機基、R3は水素または炭素数1〜20の1価の有機基を表す。nは10〜100000の範囲、mは0〜2の整数、pは0〜4の整数を表す。なお、樹脂の各ポリマー鎖においては、nは整数となるが、樹脂全体の分析により求められるnは、整数とはならない場合がある。
一般式(2)中、R51〜R54は炭素数1〜6のアルキレン基、R55〜R62はそれぞれ独立に水素、フッ素または炭素数1〜6のアルキル基を表す。x、y、zはそれぞれ独立に1〜12の範囲を表す。ただし、x+y+zは3以上30以下である。なお、樹脂の各ポリマー鎖においては、x、y、zはいずれも整数となるが、樹脂全体の分析により求められるx、y、zは整数とはならない場合がある。
R1は酸二無水物に由来する有機基である。
本発明に使用される酸二無水物としては、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはこれらの化合物の水素原子をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシ−2−シクロペンタン酢酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−ノルボルナン酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物などの脂環式、半脂環式テトラカルボン酸二無水物や、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物などのフッ素原子を含む化合物あるいはこれらの芳香族環や水素原子をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物、アミド基を有する酸二無水物などを挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上組み合わせて使用してもよい。
R2はジアミンに由来する有機基である。前記一般式(2)で表されるポリエーテルブロック構造を有するジアミン残基を全ジアミン残基中に1〜80モル%含有することにより、感光性樹脂組成物より得られる硬化膜の伸度向上に大きな効果がある。ポリエーテルブロック構造を有することにより、柔軟性が付与されるため、硬化膜の伸度が向上する。また、ポリエーテルブロック構造を有することにより、弾性率が低下するため、基板の反りを抑制することができる。これらの特性は、厚膜を形成する場合や多層構造へ適用する場合に特に有効である。
ポリエーテルブロック構造を有するジアミンとしては、具体的には、“ジェファーミン”(登録商標)HK−511、ED−600、ED−900、ED−2003、EDR−148、EDR−176、D−200、D−400、D−2000、D−4000、エラスタミンRP−409、RP−2009、RT−1000、HT−1100、HE−1000、HT−1700(以上、HUNTSMAN(株)製)などの脂肪族ジアミンを挙げることができる。
一般式(2)で表されるジアミン残基を、全ジアミン残基100モル%中1モル%以上含有することにより、伸度を向上させることができる。10モル%以上がより好ましい。一方、一般式(2)で表されるジアミン残基を80モル%以下含有することにより、アルカリ現像液に対する溶解速度を所望の範囲に容易に調整することができる。50モル%以下がより好ましい。
また、R2は、前記一般式(2)で表されるポリエーテルブロック構造を有するジアミン残基以外のジアミン残基を含有してもよい。他のジアミン残基としては、下記構造式(3)で表されるジアミン残基や、後述するジアミンの残基などが挙げられる。下記構造式(3)で表されるジアミン残基を全ジアミン残基中1〜50モル%含有することがより好ましく、アルカリ現像液に対する溶解速度を所望の範囲に容易に調整することができる。
他のジアミンとしては、具体的には、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メチレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ)ビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのヒドロキシル基含有ジアミン、3−スルホン酸−4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのスルホン酸含有ジアミン、ジメルカプトフェニレンジアミンなどのチオール基含有ジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルなどの芳香族ジアミンや、これらの芳香族環の水素原子の一部を、炭素数1〜10のアルキル基やフルオロアルキル基、ハロゲン原子などで置換した化合物、シクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどの脂環式ジアミンなどを挙げることができる。これらのジアミンは、そのまま、あるいは対応するジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンとして使用できる。また、これら2種以上のジアミン成分を組み合わせて用いてもよい。
これらのジアミンのうち、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンあるいはこれらの芳香族環をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物、およびアミド基を有するジアミンなどが好ましいものとして挙げられる。これらのジアミンは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂は、末端に不飽和結合を有する有機基を有することが好ましい。末端に不飽和結合を有する有機基を有することにより、熱処理時に(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂同士の架橋密度が高くなることから、伸度、耐熱性、耐薬品性をより向上させることができる。
末端に不飽和結合を有する有機基を導入する方法としては、例えば、不飽和結合を有する有機基を有するモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などの末端封止剤によって末端封止する方法、不飽和結合を有しない末端封止剤により末端封止した後、末端封止剤の水素結合をビニル基で置換する方法などが挙げられる。
不飽和結合を有する有機基を有する末端封止剤としては、例えば、3−アミノフェニルアセチレン、4−アミノフェニルアセチレン、3,5−ジエチニルアニリンなどのモノアミン、3−エチニル安息香酸、4−エチニル安息香酸、3,4−ジエチニル安息香酸、3,5−ジエチニル安息香酸などのモノカルボン酸、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などの酸無水物、前記モノカルボン酸のカルボキシル基を酸クロリド化した化合物やマレイン酸などのジカルボン酸類のカルボキシル基1つを酸クロリド化した化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物などが挙げられる。
不飽和結合を有しない末端封止剤としては、具体的には、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノールなどのモノアミン、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物などの酸無水物、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸などのモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、テレフタル酸、フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレンなどのジカルボン酸類の1つのカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応により得られる活性エステル化合物が挙げられる。
末端封止剤は、(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂の原料である酸またはジアミン総量100モル%に対して0.1〜60モル%使用することが好ましく、5〜50モル%がより好ましい。末端封止剤を0.1モル%以上用いることにより、末端封止剤による前述の効果が効果的に奏される。一方、末端封止剤を60モル%以下用いることにより、硬化膜の機械特性をより向上させることができる。
(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算で、3,000〜80,000が好ましく、8,000〜50,000がより好ましい。この範囲であれば、厚膜をより容易に形成することができる。
(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂の製造方法としては、例えば、(I)R1基を有するテトラカルボン酸二無水物とR2基を有するジアミン化合物、末端封止剤であるモノアミノ化合物を、低温条件下で反応させる方法、(II)R1基を有するテトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後R2基を有するジアミン化合物、末端封止剤であるモノアミノ化合物と縮合剤の存在下で反応させる方法、(III)R1基を有するテトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りの2つのカルボキシル基を酸クロリド化し、R2基を有するジアミン化合物、末端封止剤であるモノアミノ化合物と反応させる方法などが挙げられる。
上記の方法により得られた樹脂を、多量の水やメタノール/水の混合液などに投入し、沈殿させてろ別乾燥し、単離することが好ましい。この沈殿操作により、未反応のモノマーや、2量体や3量体などのオリゴマー成分が除去され、熱硬化後の膜特性をより向上させることができる。
前記製造方法(I)の好ましい例として、ポリイミド前駆体の製造方法の一例をより詳細に説明する。まず、R2基を有するジアミンを重合溶媒中に溶解する。この溶液に、実質的にジアミン化合物と等モル量の、R1基を有するテトラカルボン酸二無水物を徐々に添加する。メカニカルスターラーを用い、−20〜100℃、好ましくは10〜50℃で0.5〜100時間、より好ましくは2〜24時間撹拌する。末端封止剤を用いる場合には、テトラカルボン酸二無水物を添加後、所要温度で所要時間撹拌した後、末端封止剤を徐々に添加してもよいし、一度に加えて、反応させてもよい。
重合溶媒は、原料モノマーであるテトラカルボン酸二無水物類とジアミンを溶解することができれば、その種類は特に限定されない。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンのアミド類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類、トリエチレングリコールなどのグリコール類、m−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
重合溶媒は、得られる樹脂100質量部に対して100質量部以上用いることが好ましく、原料や樹脂の析出を抑制して反応を行うことができる。150質量部以上がより好ましい。一方、重合溶媒は、1900質量部以下用いることが好ましく、速やかに反応を進行させることができる。950質量部以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、さらに(A2)フェノール樹脂を含有することが好ましい。(A2)フェノール樹脂としては、例えば、下記一般式(4)で表される構造単位を主成分とするアルコキシメチル基で置換されたヒドロキシスチレンの繰り返し単位を含むポリヒドロキシスチレンや、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾール樹脂などが挙げられる。下記一般式(4)で表される構造単位を主成分とするアルコキシメチル基で置換されたヒドロキシスチレンの繰り返し単位を含むことがより好ましい。
一般式(4)中、RaおよびRbはそれぞれ独立に水素または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rcは水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基またはアリール基を表す。xは、1〜200の整数、yは1〜200の整数を表す。x個のRa、y個のRa、m×x個のRbおよびl×y個のRcは同じでも異なってもよい。mは1〜3の整数、nは1〜3の整数、lは1〜5の整数を表す。なお、樹脂の各ポリマー鎖においては、x、yはいずれも整数となるが、樹脂全体の分析により求められるx、yは整数とはならない場合がある。
前記一般式(4)で表される全構造単位中、アルコキシメチル基で置換されたヒドロキシスチレンの繰り返し単位xの割合は70〜100モル%が好ましく、スチレンまたはスチレン誘導体の繰り返し単位yは0〜30モル%が好ましい。アルカリ現像液に対する溶解速度および感度を向上させる観点から、アルコキシメチル基で置換されたヒドロキシスチレンの繰り返し単位xの割合は0〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましい。
本発明の樹脂組成物における(A2)フェノール樹脂の含有量は、(A1)前記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂の総量100質量部に対して、好ましくは150質量部以下であり、より好ましくは100質量部以下であり、さらに好ましくは50質量部以下である。
(A2)フェノール樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算で、3,000〜80,000が好ましく、8,000〜50,000がより好ましい。この範囲であれば、厚膜をより容易に形成することができる。
本発明の樹脂組成物は、さらに(B)感光剤を含有することが好ましく、感光性を付与することができる。(B)感光剤としては、光酸発生剤が好ましい。
光酸発生剤としては、キノンジアジド化合物、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩などが挙げられる。中でも優れた溶解抑止効果を発現し、高感度かつ低膜減りの感光性樹脂組成物を得られるという点から、キノンジアジド化合物が好ましく用いられる。また、(B)光酸発生剤を2種以上含有してもよい。これにより、露光部と未露光部の溶解速度の比をより大きくすることができ、高感度な感光性樹脂組成物を得ることができる。
キノンジアジド化合物としては、ポリヒドロキシ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がエステルで結合したもの、ポリアミノ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がスルホンアミド結合したもの、ポリヒドロキシポリアミノ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がエステル結合および/またはスルホンアミド結合したものなどが挙げられる。これらポリヒドロキシ化合物やポリアミノ化合物の全ての官能基がキノンジアジドで置換されていなくてもよいが、官能基全体の50モル%以上がキノンジアジドで置換されていることが好ましい。このようなキノンジアジド化合物を用いることにより、一般的な紫外線である水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)に感光する感光性樹脂組成物を得ることができる。このような化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもかまわない。
ポリヒドロキシ化合物としては、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、TrisP−SA、TrisOCR−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PCHP、DML−PC、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP,DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A、46DMOC、46DMOEP、TM−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール、ナフトール、テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸メチルエステル、ビスフェノールA、ビスフェノールE、メチレンビスフェノール、BisP−AP(商品名、本州化学工業(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されない。
ポリアミノ化合物としては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド等が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリヒドロキシポリアミノ化合物としては、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン等が挙げられるが、これらに限定されない。
キノンジアジド化合物は、5−ナフトキノンジアジドスルホニル基、4−ナフトキノンジアジドスルホニル基のいずれを有してもよい。4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のi線領域に吸収を持っており、i線露光に適している。5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のg線領域まで吸収を持っており、全線露光に適している。本発明においては、露光する波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物、5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を選択することが好ましい。また、同一分子中に4−ナフトキノンジアジドスルホニル基および5−ナフトキノンジアジドスルホニル基を有するナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を用いることもできるし、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物とを混合して使用することもできる。
キノンジアジド化合物の分子量は、熱処理による熱分解を効果的に進め、硬化膜の耐熱性、機械特性、接着性を向上させる観点から、300〜3000が好ましく、350〜1500がより好ましい。
キノンジアジド化合物は、例えば、5−ナフトキノンジアジドスルホニルクロライドとフェノール化合物をトリエチルアミン存在下で反応させることにより得ることができる。フェノール化合物の合成方法としては、酸触媒下でα−(ヒドロキシフェニル)スチレン誘導体を多価フェノール化合物と反応させる方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物中における光酸発生剤の含有量は、感度をより向上させる観点から、(A1)前記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂の総量100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましい。このうち、キノンジアジド化合物の含有量は、3〜40質量部が好ましい。また、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩を含有する場合、その総含有量は0.05〜40質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、さらに増感剤やフェノール性水酸基を有する化合物などを含有してもよい。これらを含有することにより、感度をより向上させることができる。フェノール性水酸基を有する化合物を含有する場合、キュア後の収縮率を小さくしない範囲で含有することが好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、Bis−Z、BisOC−Z、BisOPP−Z、BisP−CP、Bis26X−Z、BisOTBP−Z、BisOCHP−Z、BisOCR−CP、BisP−MZ、BisP−EZ、Bis26X−CP、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisCR−IPZ、BisOCP−IPZ、BisOIPP−CP、Bis26X−IPZ、BisOTBP−CP、TekP−4HBPA(テトラキスP−DO−BPA)、TrisP−HAP、TrisP−PA、TrisP−SA、TrisOCR−PA、BisOFP−Z、BisRS−2P、BisPG−26X、BisRS−3P、BisOC−OCHP、BisPC−OCHP、Bis25X−OCHP、Bis26X−OCHP、BisOCHP−OC、Bis236T−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、BisRS−OCHP、(以上、商品名、本州化学工業(株)製) 、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
これらの中でも、Bis−Z、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisRS−2P、BisRS−3P、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−Fが好ましい。これらのフェノール性水酸基を有する化合物を含有することにより、得られる樹脂組成物は、露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解するために、現像による膜減りが少なく、かつ短時間で現像が容易になる。
本発明の樹脂組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイソ酪酸アミド、ジメチルスルホキシドなどの極性の非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシメチルプロパネート、3−エトキシエチルプロパネート、酢酸エチル、乳酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
溶剤の含有量は、(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂100質量部に対して、100〜1500質量部が好ましく、樹脂組成物の粘度を適切な範囲に容易に調整することができる。
本発明の樹脂組成物は、前記以外の成分を含有してもよく、アルコキシメチル基、メチロール基またはエポキシ基を有する化合物を架橋剤として含有することが好ましい。メチロール基、アルコキシメチル基は100℃以上の温度領域で架橋反応を生じるため、熱処理により架橋し、優れた機械特性を有する耐熱性樹脂被膜を得ることができる。また、エポキシ基は、200℃以下でポリマーと熱架橋し、架橋による脱水反応が起こらないため膜収縮が起きにくく、このため、機械特性に加えて低温硬化、低反り化に効果的である。アルコキシメチル基、メチロール基を有する化合物の含有量は、(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましい。エポキシ基を有する化合物の含有量は、樹脂組成物の室温保存安定性や感度をより向上させる観点から、(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂100質量部に対し、20質量部以下が好ましい。
アルコキシメチル基またはメチロール基を有する化合物の例としては、例えば、DML−PC、DML−PEP、DML−OC、DML−OEP、DML−34X、DML−PTBP、DML−PCHP、DML−OCHP、DML−PFP、DML−PSBP、DML−POP、DML−MBOC、DML−MBPC、DML−MTrisPC、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−BPC、DML−BisOC−P、DMOM−PC、DMOM−PTBP、DMOM−MBPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−HQ、TML−BP、TML−pp−BPF、TML−BPE、TML−BPA、TML−BPAF、TML−BPAP、TMOM−BP、TMOM−BPE、TMOM−BPA、TMOM−BPAF、TMOM−BPAP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、“NIKALAC”(登録商標)MX−290、“NIKALAC”MX−280、“NIKALAC”MX−270、“NIKALAC”MX−279、“NIKALAC”MW−100LM、“NIKALAC”MX−750LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)などが挙げられる。この中でも、アルコキシメチル基を多数含有するHMOM−TPHAP、MW−100LMが、架橋効率がよいため好ましい。
エポキシ基を有する化合物しては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリメチル(グリシジロキシプロピル)シロキサン等のエポキシ基含有シリコーンなどが挙げられる、具体的には、“エピクロン”(登録商標)850−S、“エピクロン”HP−4032、“エピクロン”HP−7200、“エピクロン”HP−820、“エピクロン”HP−4700、“エピクロン”EXA−4710、“エピクロン”HP−4770、“エピクロン”EXA−859CRP、“エピクロン”EXA−1514、“エピクロン”EXA−4880、“エピクロン”EXA−4850−150、“エピクロン”EXA−4850−1000、“エピクロン”EXA−4816、エピクロンEXA−4822(以上商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、リカレジンBEO−60E(以下商品名、新日本理化株式会社)、EP−4003S、EP−4000S((株)アデカ)などが挙げられる。
これらアルコキシメチル基、メチロール基またはエポキシ基を有する化合物を2種以上含有してもよい。
本発明の樹脂組成物は、さらにシラン化合物を含有することができる。シラン化合物を含有することにより、硬化膜の密着性が向上する。シラン化合物の具体例としては、N−フェニルアミノエチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノエチルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノブチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノブチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を含有してもよく、基材との濡れ性を向上させることができる。また、二酸化ケイ素、二酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを含有してもよく、熱膨張係数を抑制したり、誘電率を所望の範囲に調整したりすることができる。
次に、本発明の樹脂組成物の製造方法を例示する。(A1)一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂および必要によりその他成分をガラス製のフラスコやステンレス製の容器に入れて、メカニカルスターラーや遊星式撹拌脱泡装置などによって撹拌溶解させる方法、超音波で溶解させる方法などが挙げられる。樹脂組成物の粘度は、1〜10,000mPa・sが好ましい。また、異物を除去するために樹脂組成物を0.1μm〜5μmのポアサイズのフィルターで濾過してもよい。
次に、本発明の樹脂組成物を用いて硬化膜のパターンを形成する方法について、感光性ポリイミド前駆体組成物を例に説明する。本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物を、支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程および加熱処理する工程を経ることにより、硬化膜のパターンを形成することができる。
まず、感光性ポリイミド前駆体組成物を基板上に塗布する。基板としては、シリコンウエハ、セラミックス類、ガリウムヒ素、金属、ガラス、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素、ITOなどが挙げられる。塗布方法としては、スピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スリットダイコーティングなどの方法が挙げられる。塗布膜厚は、塗布手法、感光性ポリイミド前駆体組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、乾燥後の膜厚が0.1〜150μmになるように塗布することが一般的である。
次に、感光性ポリイミド前駆体組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性ポリイミド前駆体組成物膜を得る。乾燥装置としては、オーブン、ホットプレート、赤外線などが挙げられる。乾燥温度は50℃〜150℃が好ましく、乾燥時間は1分間〜数時間が好ましい。
次に、この感光性ポリイミド前駆体組成物膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射する。露光に用いられる化学線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線などが挙げられるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)が好ましい。
ポジ型の感光性を有する場合には、露光後、現像液を用いて露光部を除去することにより、パターンを形成することができる。現像液としては、テトラメチルアンモニウム、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを1種以上添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をすることが一般的である。リンス処理に際し、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシメチルプロパネートなどのエステル類などを1種以上水に添加してもよい。
現像後、100℃〜400℃で加熱することにより、ポリイミド樹脂膜に変換する。加熱処理方法としては、所定の温度範囲で段階的に昇温する方法や、所定の温度範囲で連続的に昇温する方法などが挙げられる。加熱時間は5分間〜5時間が好ましい。なお、本発明の樹脂組成物は250℃以下の低温処理時においても高伸度の硬化膜が得られる樹脂組成物であり、例えば、100℃で30分間加熱処理した後、220℃で1時間加熱処理する方法や、室温より220℃まで1時間かけて直線的に昇温し、220℃で1時間加熱処理する方法などが挙げられる。
次に、本発明の樹脂組成物から未硬化シートを製造する方法について、感光性ポリイミド前駆体組成物を例に説明する。本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物を、基材上に塗布し、乾燥することにより、未硬化シートを得ることができる。
基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。未硬化シートをシリコンウエハなどの基板に貼り合わせて用いる際に、基材を剥離除去する必要がある場合は、表面にシリコーン樹脂などの離型剤がコーティングされている基材を用いることが好ましく、未硬化シートと基材を容易に剥離することができる。基材の厚みは、作業性の観点から、30〜80μmが好ましい。
塗布方法としては、スクリーン印刷、スプレーコーター、バーコーター、ブレードコーター、ダイコーター、スピンコーターなどを用いることができる。
乾燥方法としては、オーブンやホットプレートにより加熱する方法、真空乾燥する方法、赤外線やマイクロ波などの電磁波により加熱する方法などが挙げられる。乾燥により感光性ポリイミド前駆体組成物に含まれる溶剤を十分に除去することが好ましい。
得られた未硬化シートを2枚以上積層してもよい。
未硬化シートの表面を大気中のゴミ等から保護するために、表面にカバーフィルムを積層してもよい。
以下、実施例等を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例中の評価は以下の方法により行った。
(1)膜厚の測定
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を使用し、屈折率を1.629として、プリベーク後、現像後、加熱処理後の膜の膜厚を測定した。
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を使用し、屈折率を1.629として、プリベーク後、現像後、加熱処理後の膜の膜厚を測定した。
(2)感度の評価
8インチシリコンウエハ上に各実施例および比較例により得られたワニスを回転塗布し、次いで、120℃のホットプレート(東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置Act−8使用)で3分間ベークし、膜厚7μmのプリベーク膜を作製した。この膜を、i線ステッパー(NIKON NSR i9)を用いて、パターンの切られたレチクルをセットし、0〜1000mJ/cm2の露光量にて50mJ/cm2ステップで露光した。露光後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(三菱ガス化学(株)製、ELM−D)で80秒間現像し、ついで純水でリンスして、パターンを有する現像膜Aを得た。
8インチシリコンウエハ上に各実施例および比較例により得られたワニスを回転塗布し、次いで、120℃のホットプレート(東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置Act−8使用)で3分間ベークし、膜厚7μmのプリベーク膜を作製した。この膜を、i線ステッパー(NIKON NSR i9)を用いて、パターンの切られたレチクルをセットし、0〜1000mJ/cm2の露光量にて50mJ/cm2ステップで露光した。露光後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(三菱ガス化学(株)製、ELM−D)で80秒間現像し、ついで純水でリンスして、パターンを有する現像膜Aを得た。
現像膜Aの中で、現像後に露光部分が完全に溶出してなくなったものの露光量(最小露光量Ethという)を感度とした。Ethが500mJ/cm2以上であるものまたは露光部が完全に溶解せずに残渣があるものを不十分(×)、300mJ/cm2以上500mJ/cm2未満のものを良好(○)、300mJ/cm2未満のものをきわめて良好(◎)とした。
(3)解像度の評価
前記(2)の方法により得られた現像膜Aのうち、露光量500mJ/cm2のものについて、FDP顕微鏡MX61(オリンパス(株)製)を用いて、倍率200倍でパターン部を観察し、ラインアンドスペースが開口している寸法を解像度とした。解像度が10μm以上のものまたはパターン形成できないものを不十分(×)、5μm以上10μm未満のものを良好(○)、5μm未満のものをきわめて良好(◎)とした。
前記(2)の方法により得られた現像膜Aのうち、露光量500mJ/cm2のものについて、FDP顕微鏡MX61(オリンパス(株)製)を用いて、倍率200倍でパターン部を観察し、ラインアンドスペースが開口している寸法を解像度とした。解像度が10μm以上のものまたはパターン形成できないものを不十分(×)、5μm以上10μm未満のものを良好(○)、5μm未満のものをきわめて良好(◎)とした。
(4)伸度の評価
8インチシリコンウエハ上に各実施例および比較例により得られたワニスを回転塗布し、次いで、120℃のホットプレート(東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置Act−8使用)で3分間ベークし、膜厚12μmのプリベーク膜を作製した。この膜を、2.38質量%のテトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(三菱ガス化学(株)製、ELM−D)で90秒間現像し、ついで純水でリンスした。次に、イナートオーブンCLH−21CD−S(光洋サーモシステム(株)製)を用いて、酸素濃度20ppm以下で5℃/分で250℃まで昇温し、250℃で1時間加熱処理を行った。温度が50℃以下になったところでシリコンウエハを取り出し、耐熱性樹脂被膜Bを得た。
8インチシリコンウエハ上に各実施例および比較例により得られたワニスを回転塗布し、次いで、120℃のホットプレート(東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置Act−8使用)で3分間ベークし、膜厚12μmのプリベーク膜を作製した。この膜を、2.38質量%のテトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(三菱ガス化学(株)製、ELM−D)で90秒間現像し、ついで純水でリンスした。次に、イナートオーブンCLH−21CD−S(光洋サーモシステム(株)製)を用いて、酸素濃度20ppm以下で5℃/分で250℃まで昇温し、250℃で1時間加熱処理を行った。温度が50℃以下になったところでシリコンウエハを取り出し、耐熱性樹脂被膜Bを得た。
シリコンウエハ上に作製した耐熱性樹脂被膜Bを47質量%フッ化水素酸水溶液に室温で7分間浸漬した後、水洗し、慎重にシリコンウエハから剥離した。剥離した加熱処理膜を片刃で幅15mm、長さ40mmの短冊状にカットし、測定サンプルとした。
オリエンテック製テンシロンRTM−100に、前記測定サンプルを初期試料長20mmにセットし、引っ張り速度5mm/分で引っ張り試験を行い、破断伸度を測定した。n=10で測定を行い、得られた破断伸度の5点の平均値を求めた。破断伸度が20%未満のものを不十分(×)、20%以上50%未満のものを良好(○)、50%以上のものをきわめて良好(◎)とした。
以下の実施例、比較例に示す酸二無水物、ジアミンの略記号の名称は下記の通りである。
ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
BAHF:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
ED−900:“ジェファーミン”ED−900(商品名、HUNTSMAN(株)製)
MAP:3−アミノフェノール
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
GBL:ガンマブチロラクトン。
ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
BAHF:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
ED−900:“ジェファーミン”ED−900(商品名、HUNTSMAN(株)製)
MAP:3−アミノフェノール
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
GBL:ガンマブチロラクトン。
合成例1 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)の合成
乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下修了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下修了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
固体30gをGBLのに溶解させた後、ステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mlに分散させ、5質量%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室内で行った。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下記構造式で表される構造を有するヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)を得た。
合成例2 ノボラック樹脂(b1)の合成
乾燥窒素気流下、m−クレゾール70.2g(0.65モル)、p−クレゾール37.8g(0.35モル)、37質量%ホルムアルデヒド水溶液75.5g(ホルムアルデヒド0.93モル)、シュウ酸二水和物0.63g(0.005モル)、メチルイソブチルケトン264gを仕込んだ後、油浴中に浸し、反応液を還流させながら4時間重縮合反応を行った。その後、油浴の温度を3時間かけて昇温し、その後に、フラスコ内の圧力を40〜67hPaまで減圧し、揮発分を除去し、溶解している樹脂を室温まで冷却して、アルカリ可溶性のノボラック樹脂(b1)のポリマー固体を得た。GPCからMwは3,500であった。得られたノボラック樹脂(b1)にGBLを加え、固形分濃度43質量%のノボラック樹脂(b1)溶液を得た。ノボラック樹脂(b1)のアルカリ溶解速度は12000μm/minであった。
乾燥窒素気流下、m−クレゾール70.2g(0.65モル)、p−クレゾール37.8g(0.35モル)、37質量%ホルムアルデヒド水溶液75.5g(ホルムアルデヒド0.93モル)、シュウ酸二水和物0.63g(0.005モル)、メチルイソブチルケトン264gを仕込んだ後、油浴中に浸し、反応液を還流させながら4時間重縮合反応を行った。その後、油浴の温度を3時間かけて昇温し、その後に、フラスコ内の圧力を40〜67hPaまで減圧し、揮発分を除去し、溶解している樹脂を室温まで冷却して、アルカリ可溶性のノボラック樹脂(b1)のポリマー固体を得た。GPCからMwは3,500であった。得られたノボラック樹脂(b1)にGBLを加え、固形分濃度43質量%のノボラック樹脂(b1)溶液を得た。ノボラック樹脂(b1)のアルカリ溶解速度は12000μm/minであった。
合成例3 ポリヒドロキシスチレン(b2)の合成
テトラヒドロフラン500ml、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.01モルを加えた混合溶液に、p−t−ブトキシスチレンとスチレンをモル比3:1の割合で合計20gを添加し、3時間撹拌しながら重合させた。重合停止反応は反応溶液にメタノール0.1モルを添加して行った。次にポリマーを精製するために反応混合物をメタノール中に注ぎ、沈降した重合体を乾燥させたところ白色重合体が得られた。更に、アセトン400mlに溶解し、60℃で少量の濃塩酸を加えて7時間撹拌後、水に注ぎ、ポリマーを沈澱させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してヒドロキシスチレンに変換し、洗浄乾燥したところ、精製されたp−ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(b2)が得られた。得られたp−ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(b2)にGBLを加え、固形分濃度43質量%のp−ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(b2)溶液を得た。p−ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(b2)のアルカリ溶解速度は5000μm/minであった。
テトラヒドロフラン500ml、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.01モルを加えた混合溶液に、p−t−ブトキシスチレンとスチレンをモル比3:1の割合で合計20gを添加し、3時間撹拌しながら重合させた。重合停止反応は反応溶液にメタノール0.1モルを添加して行った。次にポリマーを精製するために反応混合物をメタノール中に注ぎ、沈降した重合体を乾燥させたところ白色重合体が得られた。更に、アセトン400mlに溶解し、60℃で少量の濃塩酸を加えて7時間撹拌後、水に注ぎ、ポリマーを沈澱させ、p−t−ブトキシスチレンを脱保護してヒドロキシスチレンに変換し、洗浄乾燥したところ、精製されたp−ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(b2)が得られた。得られたp−ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(b2)にGBLを加え、固形分濃度43質量%のp−ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(b2)溶液を得た。p−ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(b2)のアルカリ溶解速度は5000μm/minであった。
合成例4 キノンジアジド化合物(c)の合成
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.22g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド26.86g(0.10モル)、4−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド13.43g(0.05モル)を1,4−ジオキサン50gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン15.18gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記構造式で表されるキノンジアジド化合物(c)を得た。
乾燥窒素気流下、TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.22g(0.05モル)と5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド26.86g(0.10モル)、4−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド13.43g(0.05モル)を1,4−ジオキサン50gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン15.18gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記構造式で表されるキノンジアジド化合物(c)を得た。
[実施例1]
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)6.05g(0.010モル)、ED−900 36g(0.040モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド前駆体(A)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(A)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(A)の重量平均分子量は35,000、アルカリ溶解速度は7000μm/minであった。
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)6.05g(0.010モル)、ED−900 36g(0.040モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド前駆体(A)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(A)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(A)の重量平均分子量は35,000、アルカリ溶解速度は7000μm/minであった。
ポリイミド前駆体(A)21.0g、合成例2で得られたノボラック樹脂(b1)3.0g、合成例4で得られたキノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤MX−270 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例2]
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)15.13g(0.025モル)、ED−900 0.45g(0.0005モル)、BAHF8.97g(0.0245モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド前駆体(B)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(B)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(B)の重量平均分子量は30,000、アルカリ溶解速度は14000μm/minであった。
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)15.13g(0.025モル)、ED−900 0.45g(0.0005モル)、BAHF8.97g(0.0245モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド前駆体(B)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(B)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(B)の重量平均分子量は30,000、アルカリ溶解速度は14000μm/minであった。
ポリイミド前駆体(B)21.0g、合成例3で得られたポリヒドロキシスチレン(b2)4.0g、合成例4で得られたキノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤HMOM 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例3]
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)12.10g(0.02モル)、ED−900 18g(0.02モル)、BAHF3.66g(0.01モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド前駆体(C)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(C)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(C)の重量平均分子量は33,000、アルカリ溶解速度は12000μm/minであった。
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)12.10g(0.02モル)、ED−900 18g(0.02モル)、BAHF3.66g(0.01モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド前駆体(C)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(C)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(C)の重量平均分子量は33,000、アルカリ溶解速度は12000μm/minであった。
ポリイミド前駆体(C)21.0g、合成例3で得られたポリヒドロキシスチレン(b2)4.0g、合成例4で得られたキノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤MX−270 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例4]
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)7.56g(0.0125モル)、BAHF13.73g(0.0375モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド前駆体(D)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(D)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(D)の重量平均分子量は32,000、アルカリ溶解速度は10000μm/minであった。
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、合成例1で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)7.56g(0.0125モル)、BAHF13.73g(0.0375モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド前駆体(D)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(D)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(D)の重量平均分子量は32,000、アルカリ溶解速度は10000μm/minであった。
ポリイミド前駆体(D)21.0g、合成例2で得られたノボラック樹脂(b1)4.0g、合成例4で得られたキノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤EXA4822 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度評価、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例1]
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、BAHF18.31g(0.05モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体(E)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(E)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(E)の重量平均分子量は26,000、アルカリ溶解速度は4000μm/minであった。
乾燥窒素気流下、ODPA15.51g(0.050モル)、BAHF18.31g(0.05モル)をNMP200gに溶解させた。ここに3−アミノフェノール1.09g(0.010モル)をNMP20gとともに加えて、50℃で4時間反応させた。その後、溶液を水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体(E)の粉末を得た。ポリイミド前駆体(E)を構成するモノマー組成を表1に示す。ポリイミド前駆体(E)の重量平均分子量は26,000、アルカリ溶解速度は4000μm/minであった。
ポリイミド前駆体(E)21.0g、合成例2で得られたノボラック樹脂(b1)4.0g、合成例4で得られたキノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤MX−270 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度評価、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例1により得られたポリイミド前駆体(E)25.0g、キノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤MX−270 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度評価、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1により得られたポリイミド前駆体(E)25.0g、キノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤MX−270 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度評価、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例3]
比較例1により得られたポリイミド前駆体(E)21.0g、合成例3で得られたポリヒドロキシスチレン(b2)4.0g、キノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤EXA4822 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度評価、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1により得られたポリイミド前駆体(E)21.0g、合成例3で得られたポリヒドロキシスチレン(b2)4.0g、キノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤EXA4822 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度評価、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例4]
比較例1により得られたポリイミド前駆体(E)21.0g、合成例3で得られたノボラック樹脂(b1)4.0g、キノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤MX−270 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度評価、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
比較例1により得られたポリイミド前駆体(E)21.0g、合成例3で得られたノボラック樹脂(b1)4.0g、キノンジアジド樹脂(c)12.0g、架橋剤MX−270 3.0gをGBL 25gに加えてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。ワニスの組成を表2に示す。得られたワニスを用いて、前記方法により、感度評価、解像度および伸度の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Claims (8)
- (A1)下記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を含有する樹脂組成物であって、下記一般式(1)におけるR2が下記一般式(2)で表されるジアミン残基を全ジアミン残基中1〜80モル%含有する樹脂組成物。
- さらに(A2)フェノール樹脂を含有する請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- さらに(B)感光剤を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物から形成された樹脂シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化した硬化膜。
- 請求項6に記載の樹脂シートを硬化した硬化膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016241008A JP2018095721A (ja) | 2016-12-13 | 2016-12-13 | 樹脂組成物、樹脂シートおよび硬化膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016241008A JP2018095721A (ja) | 2016-12-13 | 2016-12-13 | 樹脂組成物、樹脂シートおよび硬化膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018095721A true JP2018095721A (ja) | 2018-06-21 |
Family
ID=62634669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016241008A Pending JP2018095721A (ja) | 2016-12-13 | 2016-12-13 | 樹脂組成物、樹脂シートおよび硬化膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018095721A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021171697A1 (ja) * | 2020-02-26 | 2021-09-02 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物の選別方法、パターン硬化膜の製造方法、及び半導体装置の製造方法 |
-
2016
- 2016-12-13 JP JP2016241008A patent/JP2018095721A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021171697A1 (ja) * | 2020-02-26 | 2021-09-02 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物の選別方法、パターン硬化膜の製造方法、及び半導体装置の製造方法 |
JPWO2021171697A1 (ja) * | 2020-02-26 | 2021-09-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6724363B2 (ja) | 樹脂および感光性樹脂組成物 | |
JP4735778B1 (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP5645138B2 (ja) | ポリイミドおよびこれを含む感光性樹脂組成物 | |
KR101113063B1 (ko) | 폴리이미드와 노볼락 수지를 포함하는 감광성 수지 조성물 | |
JP6048257B2 (ja) | 耐熱性樹脂及びその前駆体組成物 | |
JP7059927B2 (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、硬化パターンおよび半導体電子部品または半導体装置 | |
JP6711273B2 (ja) | 樹脂および感光性樹脂組成物 | |
JP2010008851A (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP6939553B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPWO2017169009A1 (ja) | 樹脂組成物、その硬化レリーフパターン、およびそれを用いた半導体電子部品または半導体装置の製造方法 | |
JP5735341B2 (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP2009258634A (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP2011202059A (ja) | 樹脂およびポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP6102389B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JP5176600B2 (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP2016161894A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP5381491B2 (ja) | 樹脂およびポジ型感光性樹脂組成物 | |
WO2017073481A1 (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物、感光性シート、硬化膜、層間絶縁膜、半導体保護膜、半導体装置の製造方法、半導体電子部品および半導体装置 | |
JP2014178400A (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP2018095721A (ja) | 樹脂組成物、樹脂シートおよび硬化膜 | |
JP2014157297A (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP2010072143A (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP2020094194A (ja) | 樹脂組成物、樹脂シート、硬化膜、硬化膜のレリーフパターンの製造方法、保護膜、絶縁膜、電子部品および表示装置 | |
JP2013164432A (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物 | |
JP4946757B2 (ja) | ポジ型感光性樹脂組成物の製造方法 |