JP2017138487A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、低ストレス、低弾性率かつ高伸度を有する硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミドイミド、およびそれらの前駆体から選ばれる1種類以上を有する樹脂、ならびに(B)分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物に関する。より詳しくは、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに好適に用いられる感光性樹脂組成物に関する。
従来、電子機器の半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜等には、耐熱性や機械特性等に優れたポリイミド系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂に光酸発生剤を混合し、感光性を付与させ、これに熱架橋性化合物を混合した樹脂組成物が用いられてきた。これらの塗膜の形成後、キュアをすることで、樹脂を架橋させ耐熱性や機械特性等に優れた薄膜を得ることができる。
しかし近年、デバイスの薄膜化に伴い、熱硬化時の膜の収縮により塗布基材にストレスが負荷され、反りが発生し、製造工程で自動搬送が出来なくなるなどの問題が生じている。その対応として、通常は350℃以上の温度で熱硬化を行うところを、250℃程度の低温で行うことにより硬化膜のストレスを下げ、反りを小さくすることが期待されているが、現状は十分ではなく、樹脂組成物の構造からの改善が求められている。
低温硬化可能な樹脂組成物としては、閉環させたポリイミド、光酸発生剤、メチロール基を含有する熱架橋剤を用いた感光性樹脂組成物が挙げられる(特許文献1参照)。
また、脂肪族を導入したポリベンゾオキサゾール前駆体、光酸発生剤を用いた感光性樹脂組成物も低弾性率樹脂組成物として報告されている(特許文献2参照)。
また、ポリエチレンオキサイドを含むエポキシ架橋剤を用いた感光性材料は多くの報告があり、例えばアルカリ可溶性ポリイミドと、主鎖にポリエチレンオキサイドを含むエポキシ架橋剤を含むポジ型感光性樹脂組成物が報告されており、ストレス低減の効果が示されている(特許文献3参照)。
特開2006−313237号公報 特開2008−224984号公報 特開2012−208360号公報
しかしながら特許文献1に記載の閉環させたポリイミド、光酸発生剤、メチロール基を含有する熱架橋剤を用いた感光性樹脂組成物は、硬化膜としたときには、脱メタノールにより弾性率が高く、またキュア時の収縮性も高いため、低ストレス化が不十分であった。
また、特許文献2に記載の脂肪族を導入したポリベンゾオキサゾール前駆体、光酸発生剤を用いた感光性樹脂組成物は、硬化膜としたときの弾性率が高く、脱水閉環による膜収縮がともなうため、低ストレス化が不十分である場合があった。
また、特許文献3に記載のアルカリ可溶性ポリイミドと、主鎖にポリエチレンオキサイドを含むエポキシ架橋剤を含むポジ型感光性樹脂組成物は、ポリイミド合成に使用されるアミンの残留物の影響により、エポキシ化合物が副反応を起こす恐れがあり、保存安定性に不安があった(特許文献3参照)。
本発明は、前記従来技術が有する課題を鑑みてなされたものであり、保存安定性に優れ、低ストレス、低弾性率、および高伸度を有する硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の感光性樹脂組成物は下記の構成を有する。
[1](A)ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミドイミド、およびそれらの前駆体から選ばれる1種類以上を有する樹脂、ならびに(B)分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
[2]前記(B)化合物の架橋性基が、熱架橋性、または熱架橋性および光酸発生性を有する基である、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(B)化合物が、下記一般式(1)、(2)、および(3)の中から選択される1つ以上の基を有する、[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
Figure 2017138487
(一般式(1)〜(3)中、R、R、R、およびRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜10の1価の有機基であり、Rは炭素数1〜10の4価の有機基であり、nは2〜20の整数を表す。)
[4]前記(B)化合物の光酸発生基が、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜。
[6][5]に記載の硬化膜が配置された、層間絶縁膜または半導体保護膜。
[7][1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、マスクを介して露光する工程と、照射部をアルカリ溶液で溶出または除去して現像する工程と、および現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
[8][7]に記載の硬化レリーフパターン層を形成する工程を含む、半導体電子部品または半導体装置の製造方法。
[9][5]に記載の硬化膜が再配線間の層間絶縁膜として配置された、半導体電子部品または半導体装置。
[10]前記再配線と層間絶縁膜が2〜10層繰り返し配置された、[9]に記載の半導体電子部品または半導体装置。
[11][5]に記載の硬化膜が2種以上の材質で構成される隣接する基板の層間絶縁膜として配置された、半導体電子部品または半導体装置。
本発明の感光性樹脂組成物は保存安定性に優れ、低ストレス、低弾性率かつ高伸度を有する硬化膜を得ることができる。
本発明は(A)ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミドイミド、およびそれらの前駆体から選ばれる1種類以上を有する樹脂、ならびに(B)分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物である。
本発明において、硬化温度の高低によらず、低ストレス、低弾性率かつ高伸度を有する理由として、(B)化合物が柔軟性基を有することが挙げられる。(B)化合物が柔軟性基を有することで、硬化膜としたときに低ストレス、低弾性率かつ高伸度となる。
また、(B)化合物が光酸発生基を有することで、低温硬化したときに硬化膜の伸度低下を招く従来の光酸発生剤の添加量を低減でき、(A)の樹脂の本来の伸度特性を維持することができる。
また、(B)化合物が架橋性基を有することで、従来の架橋剤の添加量を低減でき、架橋剤に由来する保存時の副反応を抑制し、経時的な粘度の上昇を抑えることが可能となる。その結果、得られる感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミドイミド、およびそれらの前駆体樹脂から選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含有する。
本発明に好ましく用いられるポリイミド前駆体としては、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸アミド、ポリイソイミドなどを挙げることができる。例えば、ポリアミド酸は、テトラカルボン酸、対応するテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドなどとジアミン、対応するジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンを反応させて得ることができる。ポリイミドは、例えば、前記の方法で得たポリアミド酸を、加熱あるいは酸や塩基などの化学処理で脱水閉環することで得ることができる。
本発明に好ましく用いられるポリベンゾオキサゾール前駆体としては、ポリヒドロキシアミドを挙げることができる。例えば、ポリヒドロキシアミドは、ビスアミノフェノールとジカルボン酸、対応するジカルボン酸クロリド、ジカルボン酸活性エステルなどを反応させて得ることができる。ポリベンゾオキサゾールは、例えば、前記の方法で得たポリヒドロキシアミドを、加熱あるいは無水リン酸、塩基、カルボジイミド化合物などの化学処理で脱水閉環することで得ることができる。
本発明に好ましく用いられるポリアミドイミド前駆体は、例えば、トリカルボン酸、対応するトリカルボン酸無水物、トリカルボン酸無水物ハライドなどとジアミンやジイソシアネートを反応させて得ることができる。ポリアミドイミドは、例えば、前記の方法で得た前駆体を、加熱あるいは酸や塩基などの化学処理で脱水閉環することにより得ることができる。
本発明に用いられる(A)の樹脂は、下記一般式(4)〜(7)の少なくともいずれかで表される構造単位を有することが好ましい。これらの構造単位を有する2種以上の樹脂を含有してもよいし、2種以上の構造単位を共重合してもよい。
Figure 2017138487
(一般式(4)〜(7)中、RおよびRは4価の有機基、R、RおよびR11は2価の有機基、R10は3価の有機基、R12は2〜4価の有機基、R13は2〜12価の有機基を表す。R〜R13はいずれも芳香族環および/または脂肪族環を有するものが好ましい。R14は水素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。pは0〜2の整数、qは0〜10の整数を表す。)
一般式(4)〜(7)中、Rはテトラカルボン酸誘導体残基、Rはジカルボン酸誘導体残基、R10はトリカルボン酸誘導体残基、R12はジ−、トリ−またはテトラ−カルボン酸誘導体残基を表す。R、R、R10、R12(COOR14を構成する酸成分としては、ジカルボン酸の例として、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビフェニルジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、トリフェニルジカルボン酸など、トリカルボン酸の例として、トリメリット酸、トリメシン酸、ジフェニルエーテルトリカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、テトラカルボン酸の例として、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸などの芳香族テトラカルボン酸や、ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族テトラカルボン酸などを挙げることができる。これらのうち、一般式(7)においては、トリカルボン酸、テトラカルボン酸のそれぞれ1つまたは2つのカルボキシル基がCOOR14基に相当する。これらの酸成分は、そのまま、あるいは酸無水物、活性エステルなどとして使用できる。また、これら2種以上の酸成分を組み合わせて用いてもよい。
一般式(4)〜(7)中、R、R、R11およびR13はジアミン誘導体残基を表す。R、R、R11、R13(OH)を構成するジアミン成分の例としては、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メチレン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ)ビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのヒドロキシル基含有ジアミン、3−スルホン酸−4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのスルホン酸含有ジアミン、ジメルカプトフェニレンジアミンなどのチオール基含有ジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルなどの芳香族ジアミンや、これらの芳香族環の水素原子の一部を、炭素数1〜10のアルキル基やフルオロアルキル基、ハロゲン原子などで置換した化合物、シクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどの脂環式ジアミンなどを挙げることができる。これらのジアミンは、そのまま、あるいは対応するジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンとして使用できる。また、これら2種以上のジアミン成分を組み合わせて用いてもよい。耐熱性が要求される用途では、芳香族ジアミンをジアミン全体の50モル%以上使用することが好ましい。
一般式(4)〜(7)のR〜R13は、その骨格中にフェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基などを含むことができる。フェノール性水酸基、スルホン酸基またはチオール基を有する樹脂を用いることで、アルカリ可溶性を有する感光性樹脂組成物となる。
また、(A)の樹脂の構造単位中にフッ素原子を有することが好ましい。フッ素原子により、アルカリ現像の際に膜の表面に撥水性が付与され、表面からのしみこみなどを抑えることができる。(A)の樹脂中のフッ素原子含有量は、界面のしみこみ防止効果を充分得るために10質量%以上が好ましく、また、アルカリ水溶液に対する溶解性の点から20質量%以下が好ましい。
また、耐熱性を低下させない範囲で、R、R11またはR13にシロキサン構造を有する脂肪族の基を共重合してもよく、基板との接着性を向上させることができる。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノフェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜10モル%共重合したものなどが挙げられる。
また、感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させるため、(A)の樹脂は主鎖末端をモノアミン、酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物、モノ活性エステル化合物などの末端封止剤で封止することが好ましい。末端封止剤として用いられるモノアミンの導入割合は、全アミン成分に対して、好ましくは0.1モル%以上、特に好ましくは5モル%以上であり、好ましくは60モル%以下、特に好ましくは50モル%以下である。末端封止剤として用いられる酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物またはモノ活性エステル化合物の導入割合は、ジアミン成分に対して、好ましくは0.1モル%以上、特に好ましくは5モル%以上であり、好ましくは100モル%以下、特に好ましくは90モル%以下である。複数の末端封止剤を反応させることにより、複数の異なる末端基を導入してもよい。
モノアミンとしては、アニリン、2−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノールなどが好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物、モノ活性エステル化合物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物などの酸無水物、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸などのモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、テレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレンなどのジカルボン酸類の一方のカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物などが好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
また、(A)の樹脂に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入された樹脂を、酸性溶液に溶解し、構成単位であるアミン成分と酸無水物成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、核磁気共鳴(NMR)測定することにより、本発明に使用の末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された樹脂成分を直接、熱分解ガスクロクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13C−NMRスペクトルで測定することによっても、容易に検出可能である。
本発明における(A)の樹脂は、一般式(4)〜(7)の少なくともいずれかで表される構造単位の繰り返し数を3〜1000の範囲内で有することが好ましい。前記構造単位の繰り返し数は、3以上であれば、厚膜を容易に形成できるため好ましく、1000以下であれば、感光性樹脂組成物としたときの感光特性を維持できるため好ましい。
また、本発明における(A)の樹脂は、一般式(4)〜(7)の少なくともいずれかで表される構造単位のみで構成されていてもよいし、他の構造単位との共重合体あるいは混合体であってもよい。
得られる硬化膜の耐熱性を向上させる観点で、一般式(4)〜(7)の少なくともいずれかで表される構造単位を樹脂全体の10質量%以上含有することが好ましく、30質量%以上がより好ましく、最も好ましくは100質量%である。
他の構造単位と共重合あるいは混合する場合においては、共重合あるいは混合に用いる構造単位の種類および量を、最終加熱処理によって得られる薄膜の機械特性を損なわない範囲で選択することが好ましい。他の構造単位の主鎖骨格としては例えば、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物を含有する。
(B)化合物に含まれる光酸発生基は、活性光線の照射を受けて酸を発生する基である。活性光線の照射によって発生する酸としては例えば、カルボン酸、スルホン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい光酸発生基としては、例えば、キノンジアジド基、オキシムスルホネート基、スルホンイミド基などが挙げられる。(B)化合物は同一分子内にこれらの基を2種以上含有してもよい。これらの中でも、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、および1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基が好ましく用いられる。
(B)化合物に含まれる柔軟性基は、硬化膜とした際に膜に柔軟性を付与できる基であって、例えば長鎖の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、アルキレンオキサイド、及びシロキサンであることが(A)の樹脂との相溶性の観点から好ましい。(B)化合物は同一分子内にこれらの基を2種以上含有してもよい。これらの中でも下記一般式(1)、(2)、および(3)の基が好ましく用いられ、特に基板との密着性の観点から一般式(1)で表される基であることがより好ましい。
Figure 2017138487
(一般式(1)〜(3)中、R、R、R、およびRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜10の1価の有機基であり、Rは炭素数1〜10の4価の有機基であり、nは2〜20の整数を表す。)
(B)化合物に含まれる架橋性基としては、(A)の樹脂と架橋することができるものであれば特に制限はなく、好ましい架橋性基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、炭素−炭素三重結合を有する基、アルコキシアルキル基、イソシアネート基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基が挙げられる。(B)化合物は同一分子内にこれらの基を2種以上含有してもよい。これらの中でも(A)の樹脂との相溶性の観点からアルコキシアルキル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基が好ましく用いられる。
(B)化合物は2種以上の化合物から構成されていてもよく、また、それぞれの化合物において、異なる2種以上の光酸発生基、異なる2種以上の柔軟性基、異なる2種以上の架橋性基を有していてもよい。
好ましい(B)化合物の例としては、下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2017138487
(一般式(8)中、rは2〜10の整数を表す。)
Figure 2017138487
(一般式(9)中、rは2〜10の整数を表す。)
Figure 2017138487
(一般式(10)中、sは2〜10の整数を表す。)
Figure 2017138487
(一般式(11)中、sは2〜10の整数を表す。)
Figure 2017138487
(一般式(12)中、R15は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはメチル基を表す。tは1〜9の整数を表す。)
Figure 2017138487
(一般式(13)中、R15は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはメチル基を表す。tは1〜9の整数を表す。)
Figure 2017138487
(一般式(14)中、R15は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはメチル基を表す。uは1〜9の整数を表す。)
Figure 2017138487
(一般式(15)中、R15は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはメチル基を表す。uは1〜9の整数を表す。)
Figure 2017138487
(一般式(16)中、vは2〜10の整数を表す。)
Figure 2017138487
(一般式(17)中、wは2〜10の整数を表す。)
109 本発明において(B)化合物の熱架橋性とは、加熱により(A)の樹脂と架橋する性質を示し、光酸発生性とは、活性光線の照射を受けて、酸を発生する性質を示す。架橋性基が前記の性質、すなわち熱架橋性と光酸発生性の2つを有することで、特許文献2に記載の脱メタノールを低減し、キュアによる膜の収縮を低減でき、硬化膜としたときの低ストレス化を実現できる。さらに架橋剤そのものの添加量を低減でき、(A)の樹脂本来有する機械特性の低下を防ぐことができる。その結果、本発明の感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、低ストレスかつ低弾性率かつ高伸度を有するものとなる。さらには、別途加えるべき架橋剤の添加量を低減できることから、架橋剤に由来する保存時の副反応を抑制し、経時的な粘度の上昇を抑えることが可能となる。
(B)化合物の含有量は、(A)の樹脂100質量部に対して、硬化膜としたときの伸度を向上させる観点で、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、さらに好ましくは10質量部以上である。また、感度を向上させる観点で、好ましくは100質量部以下、より好ましくは60質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて(B)化合物とは別に、光酸発生剤を含んでもよい。光酸発生剤とは、活性光線の照射を受けて酸を発生する化合物である。活性光線の照射によって発生する酸としては例えば、カルボン酸、スルホン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい光酸発生剤としては、例えば、キノンジアジド化合物、オキシムスルホネート化合物、スルホンイミド化合物などが挙げられる。
キノンジアジド化合物としては、ポリヒドロキシ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がエステル結合したもの、ポリアミノ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がスルホンアミド結合したもの、ポリヒドロキシポリアミノ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がエステル結合および/またはスルホンアミド結合したものなどが挙げられる。これらポリヒドロキシ化合物、ポリアミノ化合物、ポリヒドロキシポリアミノ化合物の全ての官能基がキノンジアジドで置換されていなくてもよいが、平均して官能基全体の40モル%以上がキノンジアジドで置換されていることが好ましい。このようなキノンジアジド化合物を用いることで、一般的な紫外線である水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、g線(波長436nm)に感光するポジ型の感光性樹脂組成物を得ることができる。
ポリヒドロキシ化合物は、Bis−Z、BisP−EZ、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、TrisP−SA、TrisOCR−PA、BisOCHP−Z、BisP−MZ、BisP−PZ、BisP−IPZ、BisOCP−IPZ、BisP−CP、BisRS−2P、BisRS−3P、BisP−OCHP、メチレントリス−FR−CR、BisRS−26X、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PCHP、DML−PC、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業製)、BIR−OC、BIP−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、BIP−BIOC−F、4PC、BIR−BIPC−F、TEP−BIP−A、46DMOC、46DMOEP、TM−BIP−A(以上、商品名、旭有機材工業製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール、ナフトール、テトラヒドロキシベンゾフェノン、没食子酸メチルエステル、ビスフェノールA、ビスフェノールE、メチレンビスフェノール、BisP−AP(商品名、本州化学工業製)、ノボラック樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。
ポリアミノ化合物は、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
また、ポリヒドロキシポリアミノ化合物は、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシベンジジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
これらの中でもキノンジアジド化合物が、フェノール化合物および5−ナフトキノンジアジドスルホニル基とのエステルを含むことがより好ましい。これによりi線露光で高い感度と、より高い解像度を得ることができる。
オキシムスルホネート化合物としては、例えば、[(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(5H−オクチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(カンファースルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(5−p−トルエンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]および[(5−n−オクチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル]が、市販品として入手することができる。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(ノナフルオロブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ペンタフルオロエチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ヘプタフルオロプロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(エチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(プロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ペンチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ヘキシルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ヘプチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(オクチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(ノニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミドなどが挙げられる。
(B)化合物とは別に、光酸発生剤を含有させる場合の含有量は、(A)の樹脂100質量部に対して、感度を向上させる観点で、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、硬化膜の伸度を向上させる観点で、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。ここで、本発明の感光性樹脂組成物は、(B)化合物に光酸発生基が含まれるため、(B)化合物とは異なる光酸発生剤の添加量を低減することが可能である。また、(A)の樹脂の本来の優れた特性を発現させるため、(B)化合物と異なる光酸発生剤の含有量は、(A)の樹脂100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましい。さらに増感剤などを必要に応じて添加してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて(B)化合物の他にも熱架橋剤を含有してもよい。熱架橋剤としては、アルコキシメチル基および/またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物、エポキシ基および/またはオキセタニル基を少なくとも2つ有する化合物が好ましく用いられるが、これらに限定されない。これら化合物を含有することによって、パターニング後のキュア時に(A)の樹脂と縮合反応を起こして架橋構造体となり、硬化膜の伸度等機械特性が向上する。また、熱架橋剤は2種類以上用いてもよく、これによってさらに幅広い設計が可能になる。
アルコキシメチル基および/またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物の好ましい例としては、例えば、DML−PC、DML−PEP、DML−OC、DML−OEP、DML−34X、DML−PTBP、DML−PCHP、DML−OCHP、DML−PFP、DML−PSBP、DML−POP、DML−MBOC、DML−MBPC、DML−MTrisPC、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−BPC、DML−BisOC−P、DMOM−PC、DMOM−PTBP、DMOM−MBPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−HQ、TML−BP、TML−pp−BPF、TML−BPE、TML−BPA、TML−BPAF、TML−BPAP、TMOM−BP、TMOM−BPE、TMOM−BPA、TMOM−BPAF、TMOM−BPAP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、NIKALAC(登録商標) MX−290、NIKALAC MX−280、NIKALAC MX−270、NIKALAC MX−279、NIKALAC MW−100LM、NIKALAC MX−750LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられ、各社から入手可能である。これらを2種以上含有してもよい。
また、エポキシ基および/またはオキセタニル基を少なくとも2つ有する化合物の好ましい例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型オキセタニル樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型オキセタニル樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリメチル(グリシジロキシプロピル)シロキサン等のエポキシ基含有シリコーンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。具体的には、EPICLON(登録商標)850−S、EPICLON HP−4032、EPICLON HP−7200、EPICLON HP−820、EPICLON HP−4700、EPICLON EXA−4710、EPICLON HP−4770、EPICLON EXA−859CRP、EPICLON EXA−1514、EPICLON EXA−4880、EPICLON EXA−4850−150、EPICLON EXA−4850−1000、EPICLON EXA−4816、EPICLON EXA−4822(以上商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、リカレジン(登録商標)BEO−60E(商品名、新日本理化(株)製)、EP−4003S、EP−4000S(商品名、(株)ADEKA製)などが挙げられ、各社から入手可能である。これらを2種以上含有してもよい。
本発明に用いられる(B)化合物と異なる熱架橋剤の含有量は、(A)の樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、伸度等機械特性維持の観点で、好ましくは300質量部以下、より好ましくは200質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下、さらにより好ましくは70質量部以下、特に好ましくは40質量部以下である。とりわけ本発明は、(B)化合物に架橋基が含まれることで、(B)化合物とは異なる熱架橋剤の添加量を低減することが可能になり、(A)の樹脂本来の高伸度特性を発現できるところに特徴があるため、(B)化合物と異なる熱架橋剤の含有量は40質量部以下であることが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を含有してもよい。溶剤の好ましい例としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性の非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
溶剤の含有量は、(A)の樹脂100質量部に対して、樹脂の溶解性を向上させる観点で、好ましくは70質量部以上、より好ましくは100質量部以上であり、適度な膜厚を得る観点で、好ましくは1800質量部以下、より好ましくは1500質量部以下である。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じてキュア後の収縮残膜率を小さくしない範囲でフェノール性水酸基を有する低分子化合物を含有してもよい。フェノール性水酸基を有する低分子化合物を含有することにより、パターン加工時のアルカリ溶解性の調節が容易になる。
前記効果発現を目的とする場合に好ましいフェノール性水酸基を有する低分子化合物の含有量は、(A)の樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、伸度等機械特性維持の観点で、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて基板との濡れ性を向上させる目的で界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル類を含有してもよい。
これらの基板との濡れ性を向上させる目的で用いる化合物の好ましい含有量は、(A)の樹脂100質量部に対して0.001質量部以上であり、適度な膜厚を得る観点で、好ましくは1800質量部以下、より好ましくは1500質量部以下である。
本発明の感光性樹脂組成物は無機粒子を含んでもよい。好ましい具体例としては酸化珪素、酸化チタン、チタン酸バリウム、アルミナ、タルクなどが挙げられるがこれらに限定されない。
これら無機粒子の一次粒子径は感光性の観点から好ましくは1nm以上100nm以下、更に好ましくは10nm以上60nm以下である。
無機粒子の一次粒子径に関して、数平均粒子径として、比表面積から求められる算出法が挙げられる。比表面積は、単位質量の粉体に含まれる表面積の総和として定義される。比表面積の測定法としてはBET法が挙げられ、比表面積測定装置(Mountech社製 HM model−1201など)を用いて測定することができる。
また、シリコン基板との接着性を高めるために保存安定性を損なわない範囲で、トリメトキシアミノプロピルシラン、トリメトキシエポキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシチオールプロピルシランなどのシランカップリング剤を含有してもよい。
これらのシリコン基板との接着性を高めるために用いる化合物の好ましい含有量は、(A)の樹脂100質量部に対して0.01質量部以上であり、伸度等機械特性維持の観点で、好ましくは5質量部以下である。
本発明の感光性樹脂組成物の粘度は、2〜5000mPa・sが好ましい。粘度が2mPa・s以上となるように固形分濃度を調整することにより、所望の膜厚を得ることが容易になる。一方粘度が5000mPa・s以下であれば、均一性の高い塗布膜を得ることが容易になる。このような粘度を有する樹脂組成物は、例えば固形分濃度を5〜60質量%にすることで容易に得ることができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物を用いて樹脂パターンを形成する方法について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物を基板に塗布する。基板としてはシリコン、セラミックス類、ガリウムヒ素などのウェハ、または、その上に金属が電極、配線として形成されているものが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティングなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が0.1〜150μmになるように塗布される。
シリコンウェハなどの基板と感光性樹脂組成物との接着性を高めるために、基板を前述のシランカップリング剤で前処理することもできる。例えば、シランカップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5〜20質量%溶解させた溶液を、スピンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などにより表面処理をする。場合によっては、その後50〜300℃の熱処理を行い、基板とシランカップリング剤との反応を進行させる。
次に感光性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂組成物被膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50〜150℃の範囲で1分間〜数時間行うことが好ましい。
次に、この感光性樹脂組成物被膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いることが好ましい。
耐熱性樹脂のパターンを形成するには、露光後、現像液を用いて露光部を除去する。現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をすることが好ましい。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしてもよい。
現像後、150〜500℃の温度を加えて熱架橋反応、イミド閉環反応、オキサゾール閉環反応を進行させ、耐熱性および耐薬品性を向上させる。この加熱処理は温度を選び段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分間〜5時間実施する。一例としては、130℃、200℃で各30分ずつ熱処理する。あるいは室温より400℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物により形成した耐熱性樹脂被膜は、半導体のパッシベーション膜、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などの用途に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。まず、各実施例および比較例における評価方法について説明する。感光性樹脂組成物(以下ワニスと呼ぶ)の評価においては、あらかじめ1μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルター(住友電気工業(株)製)で濾過したワニスを用いた。
(1)膜厚測定
基板上の樹脂被膜の膜厚は光干渉式膜厚測定装置(大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースVM−1030)を使用して測定した。なお、屈折率は、ポリイミドを対象に、1.629として測定した。
(2)保存安定性
各実施例・比較例で作製・濾過したワニスの粘度を測定した後、密閉容器に入れ、その容器を23℃の恒温槽で2週間放置した。その後もう一度粘度を測定し、その変化率を計算した。その計算結果で得られた粘度変化率が、20%以上のものを不安定(×)、10%以上20%未満のものを普通(△)、5%以上10%未満のものを良好(○)、5%未満のものをきわめて良好(◎)とした。
(3)ストレス評価
あらかじめ、ワニス塗布前の厚み725μmの8インチシリコンウェハの反りをストレス装置(東朋テクノロジー(株)製FLX3300−T)にて測定した。その8インチシリコンウェハ上に、ワニスを、硬化膜とした際の膜厚が10μmになるよう、塗布現像装置ACT−8(東京エレクトロン(株))を用いてスピンコート法で塗布し、120℃、3分間プリベークした後、イナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製CLH−21CD−S)を用いて、窒素気流下において酸素濃度20ppm以下で毎分5℃の昇温速度で所定のキュア温度まで昇温し、1時間加熱処理を行なった。硬化膜付き8インチウェハの反りをストレス装置にて再度測定し、その差を求めた。その反りをストレス値に換算し、値が、35MPa以上のものを不十分(×)、25MPa以上35MPa未満の場合は良好(○)、25MPa未満のものはきわめて良好(◎)とした。
(4)伸度・弾性率評価
8インチシリコンウェハ上に、ワニスを、硬化膜とした際の膜厚が10μmになるよう、塗布現像装置ACT−8を用いてスピンコート法で塗布し、120℃、3分間プリベークした後、イナートオーブンCLH−21CD−Sを用いて、窒素気流下において酸素濃度20ppm以下で毎分5℃の昇温速度で所定の硬化温度まで昇温し、1時間加熱処理を行なった。45質量%のフッ化水素酸に5分間浸漬することで、ウェハより樹脂組成物の膜を剥がした。この膜を幅1cm、長さ9cmの短冊状に切断し、テンシロン((株)オリエンテック製RTM−100)を用いて、室温23.0℃、湿度45.0%RH下で引張速度50mm/分で引っ張り、破断点伸度、弾性率の測定を行なった。測定は1検体につき10枚の短冊について行ない、結果から上位5点の平均値を求めた。破断点伸度の値が20%以上を◎、10%以上20%未満を○、10%未満を×とした。弾性率の値が3.0GPa未満を◎、3.0GPa以上3.5GPa未満を○、3.5GPa以上を×とした。
[合成例1] ジアミン化合物(HA)の合成
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下BAHFと呼ぶ)164.8g(0.45モル)をアセトン900mL、プロピレンオキシド156.8g(2.7モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベンゾイルクロリド183.7g(0.99モル)をアセトン900mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
固体270gを3Lのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセロソルブ2400mLに分散させ、5%パラジウム−炭素を5g加えた。ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行なった。2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、濾過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下記式で表されるジアミン化合物(以下HAと呼ぶ)を得た。
Figure 2017138487
[合成例2] ポリイミド樹脂(A−1)の合成
乾燥窒素気流下、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(以下ODPAと呼ぶ)62.04g(0.2モル)をN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと呼ぶ)1000gに溶解させた。ここにBAHF69.59g(0.19モル)、末端封止材として3−アミノフェノール2.18g(0.02モル)をNMP250gとともに加えて、60℃で1時間反応させ、次いで160℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液を室温まで冷却した後、溶液を水10Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で40時間乾燥し、ポリイミド樹脂(A−1)を得た。
[合成例3] ポリイミド前駆体樹脂(A−2)の合成
乾燥窒素気流下、ODPA62.04g(0.2モル)をNMP1000gに溶解させた。ここにHA96.72g(0.16モル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン4.97g(0.02モル)をNMP100gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。次に末端封止剤として3−アミノフェノール4.37g(0.04モル)をNMP30gとともに加え、50℃で2時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール47.66g(0.4モル)をNMP50gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を室温まで冷却した後、溶液を水1Lに投入して沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、ポリイミド前駆体樹脂(A−2)の粉末を得た。
[合成例4] ポリアミド樹脂(A−3)の合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテルと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールからなるジカルボン酸ジエステル88.64g(0.18モル)、BAHF73.25g(0.20モル)、NMP800gを25℃で30分反応させ、次いでオイルバスで加熱し、80℃で8時間反応させた。次に末端封止剤として5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物12.31g(0.075モル)を加え、80℃でさらに3時間攪拌して反応を終了した。反応終了後、溶液を室温まで冷却した後、反応混合物を濾過し、反応混合物を、水/イソプロパノール=3/1(体積比)の混合液2Lに投入して沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、ポリアミド樹脂(A−3)(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た。
[合成例5] 分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−1)の合成
乾燥窒素気流下、X−21−5841(商品名、信越化学工業(株)製、ヒドロキシル基末端反応性シリコーンオイル、ヒドロキシル基の官能基当量500g/mol)20gと5−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリド(NAC−5、東洋合成(株)製)21.49g(0.08モル)を1,4−ジオキサン1000gに溶解させた。反応容器を氷冷しながら、1,4−ジオキサン150gとトリエチルアミン8.90g(0.088モル)を混合した液を系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を純水7Lに投入して沈殿を得た。この沈殿を濾過で集めて、さらに1質量%塩酸2Lで洗浄した。その後、さらに純水5Lで2回洗浄した。この沈殿を50℃の真空乾燥機で24時間乾燥し、分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−1)を得た。
[合成例6] 分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−2)の合成
合成例5のNAC−5を4−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリド(NAC−4、東洋合成(株)製)に変更し、合成例5と同様に反応を行い、分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−2)を得た。
[合成例7] 分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−3)の合成
合成例5のX−21−5841をKF−9701(商品名、信越化学工業(株)製、ヒドロキシル基末端反応性シリコーンオイル、ヒドロキシル基の官能基当量1500g/mol)20gに、NAC−5を7.16g(0.027モル)に、トリエチルアミンを2.97g(0.029モル)に変更し、合成例5と同様に反応を行い、分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−3)を得た。
[合成例8] 分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−4)の合成
合成例5のX−21−5841をKF−6000(商品名、信越化学工業(株)製、ヒドロキシル基末端反応性シリコーンオイル、ヒドロキシル基の官能基当量467g/mol)20gに、NAC−5を23.03g(0.086モル)に、トリエチルアミンを9.54g(0.094モル)に変更し、合成例5と同様に反応を行い、分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−4)を得た。
[合成例9] 分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−5)の合成
合成例5のX−21−5841をKF−8010(商品名、信越化学工業(株)製、アミノ基末端反応性シリコーンオイル、アミノ基の官能基当量430g/mol)20gに、NAC−5を24.99g(0.093モル)に、トリエチルアミンを10.35g(0.102モル)に変更し、合成例5と同様に反応を行い、分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−5)を得た。
[合成例10] 分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−6)の合成
合成例5のX−21−5841をKF−2200(商品名、信越化学工業(株)製、ヒドロキシル基末端反応性シリコーンオイル、ヒドロキシル基の官能基当量1474g/mol)20gに、NAC−5を7.29g(0.027モル)に、トリエチルアミンを3.02g(0.03モル)に変更し、合成例5と同様に反応を行い、分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−6)を得た。
[合成例11] 分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−7)の合成
合成例5のX−21−5841をED−900(商品名、HUNTSMAN(株)製、ポリエーテルジアミン)20gに、NAC−5を23.64g(0.088モル)に、トリエチルアミンを9.8g(0.097モル)に変更し、合成例5と同様に反応を行い、分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−7)を得た。
[合成例12] 分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−8)の合成
合成例5のX−21−5841をデカメチレンジアミン20gに、NAC−5を124.67g(0.464モル)に、トリエチルアミンを51.65g(0.510モル)に変更し、合成例5と同様に反応を行い、分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物(B−8)を得た。
[合成例13] キノンジアジド化合物(C−1)の合成
合成例5のX−21−5841をTrisP−HAP(商品名、本州化学工業(株)製)20gに、NAC−5を35.08g(0.131モル)に、トリエチルアミンを14.53g(0.14モル)に変更し、合成例5と同様に反応を行い、Qのうち平均して2個が5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化された下記式で表されるキノンジアジド化合物(C−1)を得た。
Figure 2017138487
また、(B)化合物とは異なる熱架橋性化合物として、下記構造のアルコキシメチル基を有するDMOM−PTBP(商品名、本州化学工業(株)製)(D−1)を用いた。
Figure 2017138487
[実施例1〜32、比較例1〜8]
ワニス(W−1〜20)の組成と、上記方法により保存安定性を評価した結果を表1に示す。なお、表1中、「GBL」はγ−ブチロラクトンを表す。
Figure 2017138487
上記方法により、200℃または320℃でキュアした硬化膜の、ストレス、伸度、および弾性率を評価した結果を表2に示す。なお、表2中、伸度および弾性率が未記載のもの(「−」で表されるもの)は、フッ化水素酸浸漬処理により自己支持膜が得られず、伸度および弾性率の評価ができなかったものである。
Figure 2017138487

Claims (11)

  1. (A)ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミドイミド、およびそれらの前駆体から選ばれる1種類以上を有する樹脂、ならびに(B)分子内に光酸発生基、柔軟性基、および架橋性基を有する化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記(B)化合物の架橋性基が、熱架橋性、または熱架橋性および光酸発生性を有する基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)化合物が、下記一般式(1)、(2)、および(3)の中から選択される1つ以上の基を有する、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2017138487
    (一般式(1)〜(3)中、R、R、R、およびRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜10の1価の有機基であり、Rは炭素数1〜10の4価の有機基であり、nは2〜20の整数を表す。)
  4. 前記(B)化合物の光酸発生基が、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基である、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜。
  6. 請求項5に記載の硬化膜が配置された、層間絶縁膜または半導体保護膜。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、マスクを介して露光する工程と、照射部をアルカリ溶液で溶出または除去して現像する工程と、および現像後の感光性樹脂膜を加熱処理する工程を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
  8. 請求項7に記載の硬化レリーフパターンの層を形成する工程を含む半導体電子部品または半導体装置の製造方法。
  9. 請求項5に記載の硬化膜が再配線間の層間絶縁膜として配置された、半導体電子部品または半導体装置。
  10. 前記再配線と層間絶縁膜が2〜10層繰り返し配置された、請求項9に記載の半導体電子部品または半導体装置。
  11. 請求項5に記載の硬化膜が2種以上の材質で構成される隣接する基板の層間絶縁膜として配置された、半導体電子部品または半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115044040A (zh) * 2021-03-09 2022-09-13 信越化学工业株式会社 含有聚酰亚胺的聚合物、正型感光性树脂组成物、负型感光性树脂组成物及图案形成方法

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