JP2014174372A - ポジ型感光性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工程において特性を変化させることなく、かつパーティクルおよび気泡混入の少ないポジ型感光性樹脂組成物を製造する。
【解決手段】一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、キノンジアジド化合物および溶剤を含む組成物を(A)調合する工程、(B)10〜500rpmの回転数で撹拌する工程、(C)ポリエチレンフィルターでろ過する工程があることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
(一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2〜8価の有機基を示す。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。mおよびfはそれぞれ独立に0〜2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
【選択図】なし
【解決手段】一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、キノンジアジド化合物および溶剤を含む組成物を(A)調合する工程、(B)10〜500rpmの回転数で撹拌する工程、(C)ポリエチレンフィルターでろ過する工程があることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
(一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2〜8価の有機基を示す。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。mおよびfはそれぞれ独立に0〜2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物の製造方法に関する。より詳しくは、半導体素子表面の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに適したポジ型感光性樹脂組成物の製造方法に関する。
ポリイミドやポリベンゾオキサゾールに代表される樹脂は、優れた耐熱性、電気絶縁性を有することから、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに用いられている。近年、半導体素子の微細化に伴い、表面保護膜や層間絶縁膜などにも数μmレベルの解像度が要求されている。このような用途において、微細加工可能なポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物やポジ型感光性ポリベンゾオキサゾール樹脂組成物といったポジ型感光性樹脂組成物が多く用いられている。
ポジ型感光性樹脂組成物には例えば、ポリイミドやポリベンゾオキサゾールに代表されるアルカリ可溶性樹脂と、キノンジアジドスルホン酸エステル化合物を含有するポジ型フォトレジスト組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。また、アルカリ可溶性樹脂とフェノールのナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を含むポジ型感光性樹脂組成物、ノボラック樹脂、ポリイミド前駆体などの耐熱性樹脂前駆体、キノンジアジド化合物、アルコキシメチル基含有化合物、界面活性剤および溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物(例えば、特許文献3〜6参照)が提案されている。これらの発明により、高感度、高解像度が実現されている。
また、ポジ型感光性樹脂組成物を製造するにあたり、原料を混合して調合する工程、およびゴミや微粒子などの異物を除去する目的で、フッ素系樹脂フィルターやポリエチレンフィルターを用いてろ過を行う工程がある。(特許文献7〜8参照)
ポジ型感光性樹脂組成物を調合、およびろ過する際には、気泡が混入することがある。この状態でポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布すると、気泡部分が塗膜中に残存してしまい、その部分に塗膜形成されないことやその部分の膜厚が薄くなることなどの塗布ムラが生じ易くなり、欠陥の原因となる。上記特許文献7に記載の手法で調合、およびろ過を行った場合、ポジ型感光性樹脂組成物中の気泡が十分に除去されないため、半導体用の基板に塗布した際に混入した気泡に起因する欠陥が発生し、歩留りが低下するという問題があった。気泡の混入を抑制させる手法として、減圧脱泡や、遠心力を用いた遠心分離法、超音波脱泡といった手法が挙げられる。しかし、減圧脱泡では溶剤の揮発によってポジ型感光性樹脂組成物の濃度が変化し、遠心分離法や超音波脱泡では工程中に熱が発生し、ポジ型感光性樹脂組成物の特性が変化してしまう問題があった。(特許文献9〜10参照)
ポジ型感光性樹脂組成物を調合、およびろ過する際には、気泡が混入することがある。この状態でポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布すると、気泡部分が塗膜中に残存してしまい、その部分に塗膜形成されないことやその部分の膜厚が薄くなることなどの塗布ムラが生じ易くなり、欠陥の原因となる。上記特許文献7に記載の手法で調合、およびろ過を行った場合、ポジ型感光性樹脂組成物中の気泡が十分に除去されないため、半導体用の基板に塗布した際に混入した気泡に起因する欠陥が発生し、歩留りが低下するという問題があった。気泡の混入を抑制させる手法として、減圧脱泡や、遠心力を用いた遠心分離法、超音波脱泡といった手法が挙げられる。しかし、減圧脱泡では溶剤の揮発によってポジ型感光性樹脂組成物の濃度が変化し、遠心分離法や超音波脱泡では工程中に熱が発生し、ポジ型感光性樹脂組成物の特性が変化してしまう問題があった。(特許文献9〜10参照)
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物の製造工程において特性を変化させることなく、かつパーティクルおよび気泡混入の少ないポジ型感光性樹脂組成物を製造することを目的とする。
本発明は、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、キノンジアジド化合物および溶剤を含むポジ型感光性樹脂組成物を(A)調合する工程、(B)10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌する工程、(C)フィルターでろ過する工程があることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物の製造方法である。
(上記一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2〜8価の有機基を示す。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。nは10〜100,000の範囲の整数、mおよびfはそれぞれ独立に0〜2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ただし、m+q>0、p+q>0である。)
本発明により、ポジ型感光性樹脂組成物の特性を変化させることなく、かつパーティクルおよび気泡混入の少ないポジ型感光性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の製造方法は一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、キノンジアジド化合物および溶剤を含むポジ型感光性樹脂組成物を(A)調合する工程を含むことを特徴とする。
下記一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂は、加熱あるいは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、その他の環状構造を有するポリマーとなり得るものである。好ましくは、ポリイミド前駆体のポリアミド酸やポリアミド酸エステル、ポリベンゾオキサゾール前駆体のポリヒドロキシアミドなどが挙げられる。環状構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。ここで、主成分とは、一般式(1)で表される構造のうちのn個の構造単位を、ポリマーの構造単位の50モル%以上有することを意味する。70モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。
(上記一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2〜8価の有機基を示す。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。nは10〜100,000の範囲の整数、mおよびfはそれぞれ独立に0〜2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ただし、m+q>0、p+q>0である。)
上記一般式(1)中、R1は炭素数2以上の2〜8価の有機基を示し、酸の構造成分を表している。R1が2価となる酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。R1が3価となる酸としては、トリメリット酸、トリメシン酸などのトリカルボン酸を挙げることができる。R1が4価となる酸としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸などのテトラカルボン酸を挙げることができる。また、ヒドロキシフタル酸、ヒドロキシトリメリット酸などの水酸基を有する酸も挙げることができる。これら酸成分を2種以上用いてもよいが、テトラカルボン酸残基を1〜40モル%含むことが好ましい。
上記一般式(1)中、R1は炭素数2以上の2〜8価の有機基を示し、酸の構造成分を表している。R1が2価となる酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。R1が3価となる酸としては、トリメリット酸、トリメシン酸などのトリカルボン酸を挙げることができる。R1が4価となる酸としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸などのテトラカルボン酸を挙げることができる。また、ヒドロキシフタル酸、ヒドロキシトリメリット酸などの水酸基を有する酸も挙げることができる。これら酸成分を2種以上用いてもよいが、テトラカルボン酸残基を1〜40モル%含むことが好ましい。
R1は耐熱性の面から芳香族環を含有することが好ましく、炭素数6〜30の3価または4価の有機基がさらに好ましい。具体的には、一般式(1)のR1(COOR3)m(OH)pとして下記に示す構造などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記一般式(1)中、R2は炭素数2以上の2〜8価の有機基を示し、ジアミンの構造成分を表している。この中で、得られる樹脂の耐熱性の点より、芳香族環を有するものが好ましい。ジアミンの具体的な例としては、フッ素原子を有する、ビス(アミノヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を有さない、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ジアミノヒドロキシピリミジン、ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジン、ジアミノ安息香酸、ジアミノテレフタル酸などの化合物や、一般式(1)のR2(COOR4)f(OH)qが下記に示す構造であるものなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらジアミンを2種以上用いてもよい。
上記ジアミンにかえて、他のジアミンを用いてもよいし、他のジアミンを共重合することもできる。このような他のジアミンの例として、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノフェノキシベンゼン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホンや、これらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。これら他のジアミンの残基の含有量は、アルカリ現像液に対する溶解性の観点から、ジアミン残基の1〜40モル%が好ましい。
一般式(1)のR3およびR4は、各々同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。得られるポジ型感光性樹脂組成物の溶液安定性の観点からは、R3およびR4は有機基が好ましいが、アルカリ水溶液に対する溶解性の観点からは、水素原子が好ましい。本発明においては、水素原子と有機基を混在させることができる。このR3およびR4の水素原子と有機基の量を調整することで、アルカリ水溶液に対する溶解速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度を有したポジ型感光性樹脂組成物を得ることができる。好ましい範囲は、R3およびR4の各々10〜90モル%が水素原子である。また、R3およびR4の炭素数が20を越えるとアルカリ水溶液に溶解しなくなる。以上よりR3およびR4は、炭素数1〜16の炭化水素基を少なくとも1つ以上含有し、その他は水素原子であることが好ましい。
また、一般式(1)のmおよびfはカルボキシル基またはエステル基の数を示しており、それぞれ独立に0〜2の整数を示す。好ましくは1または2である。一般式(1)のpおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、m+q>0、かつ、p+q>0である。アルカリ水溶液に対する溶解性の観点から、p+q>0であることが必要である。
一般式(1)のnは樹脂の構造単位の繰り返し数を示し、10〜100,000の範囲の整数である。nが10未満であると、樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性が大きくなり過ぎ、露光部と未露光部のコントラストが得られず所望のパターンが形成できない場合がある。一方、nが100,000より大きいと、樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性が小さくなり過ぎ、露光部が溶解せず、所望のパターンが形成できない。樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性の面から、nは1,000以下が好ましく、100以下がより好ましい。また、伸度向上の面から、nは20以上が好ましい。
一般式(1)のnは、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)や光散乱法、X線小角散乱法などで求め、その値から容易に算出できる。繰り返し単位の分子量をM、ポリマーの重量平均分子量をMwとすると、n=Mw/Mである。本発明における繰り返し数nは、ポリスチレン換算によるGPC測定を用いて算出する値をいう。
さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲で一般式(1)のR1および/またはR2に、シロキサン構造を有する脂肪族の基を共重合してもよい。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜10モル%共重合したものなどが挙げられる。
また、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂の末端に末端封止剤を反応させることができる。樹脂の末端を水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アリル基などの官能基を有するモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などにより封止することで、樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解速度を好ましい範囲に調整することができる。モノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などの末端封止剤の含有量は、全アミン成分に対して5〜50モル%が好ましい。
樹脂中に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入された樹脂を酸性溶液に溶解し、樹脂の構成単位であるアミン成分と酸無水物成分に分解し、これをガスクロマトグラフ(GC)や、NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された樹脂を直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13C−NMRスペクトル測定で検出することが可能である。
一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂は次の方法により合成される。ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルの場合、例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物、末端封止剤として用いるモノアミンを反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後ジアミン化合物、モノアミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、ジアミン化合物、モノアミンと反応させる方法などがある。ポリヒドロキシアミドの場合、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸、モノアミンを縮合反応させる方法が挙げられる。具体的には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの脱水縮合剤と酸を反応させ、ここにビスアミノフェノール化合物、モノアミンを加える方法や、ピリジンなどの3級アミンを加えたビスアミノフェノール化合物、モノアミンの溶液にジカルボン酸ジクロリドの溶液を滴下する方法などがある。
一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂は、上記の方法で重合させた後、多量の水やメタノール/水の混合液などに投入し、沈殿させて濾別乾燥し、単離することが望ましい。この沈殿操作によって未反応のモノマーや、2量体や3量体などのオリゴマー成分が除去され、熱硬化後の膜特性が向上する。
本発明で製造されるポジ型感光性樹脂組成物には、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂に加えて、フェノール性水酸基を有する樹脂を含有しても良い。フェノール性水酸基を有する樹脂を含有した場合、ポジ型感光性樹脂組成物の製造方法における(A)調合する工程の段階で気泡が混入しやすく、基板塗布の際に塗布ムラが発生する原因となるが、(B)10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌する工程、(C)フィルターでろ過する工程を実施することにより、気泡の混入を抑制することができる。
フェノール性水酸基を有する樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを公知の方法で重縮合することによって得られる。2種以上のフェノール性水酸基を有する樹脂を組み合わせて含有してもよい。
上記フェノール類の好ましい例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノールなどを挙げることができる。特に、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールまたは2,3,5−トリメチルフェノールが好ましい。これらのフェノール類を2種以上組み合わせて用いてもよい。アルカリ現像液に対する溶解性の観点から、m−クレゾールが好ましく、m−クレゾールおよびp−クレゾールの組み合わせもまた好ましい。すなわち、フェノール性水酸基を有する樹脂として、m−クレゾール残基、または、m−クレゾール残基とp−クレゾール残基を含むクレゾールノボラック樹脂を含むことが好ましい。このとき、クレゾールノボラック樹脂中のm−クレゾール残基とp−クレゾール残基のモル比(m−クレゾール残基/p−クレゾール残基、m/p)は1.8以上が好ましい。この範囲であればアルカリ現像液への適度な溶解性を示し、良好な感度が得られる。より好ましくは4以上である。
ル、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノールなどを挙げることができる。特に、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールまたは2,3,5−トリメチルフェノールが好ましい。これらのフェノール類を2種以上組み合わせて用いてもよい。アルカリ現像液に対する溶解性の観点から、m−クレゾールが好ましく、m−クレゾールおよびp−クレゾールの組み合わせもまた好ましい。すなわち、フェノール性水酸基を有する樹脂として、m−クレゾール残基、または、m−クレゾール残基とp−クレゾール残基を含むクレゾールノボラック樹脂を含むことが好ましい。このとき、クレゾールノボラック樹脂中のm−クレゾール残基とp−クレゾール残基のモル比(m−クレゾール残基/p−クレゾール残基、m/p)は1.8以上が好ましい。この範囲であればアルカリ現像液への適度な溶解性を示し、良好な感度が得られる。より好ましくは4以上である。
また、上記アルデヒド類の好ましい例としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、サリチルアルデヒドなどを挙げることができる。これらのうち、ホルマリンが特に好ましい。これらのアルデヒド類を2種以上組み合わせて用いてもよい。このアルデヒド類の使用量は、フェノール類1モルに対し、0.6モル以上が好ましく、0.7モル以上がより好ましい。また、3モル以下が好ましく、1.5モル以下がより好ましい。
フェノール類とアルデヒド類との重縮合の反応には、通常、酸性触媒が使用される。この酸性触媒としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸などを挙げることができる。これらの酸性触媒の使用量は、通常、フェノール類1モルに対し、1×10−5〜5×10−1モルである。重縮合の反応においては、通常、反応媒質として水が使用されるが、反応初期から不均一系になる場合は、反応媒質として親水性溶媒または親油性溶媒が用いられる。親水性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類が挙げられる。親油性溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類が挙げられる。これらの反応媒質の使用量は、通常、反応原料100重量部当り20〜1,000重量部である。
重縮合の反応温度は、原料の反応性に応じて適宜調整することができるが、通常10〜200℃である。重縮合の反応方法としては、フェノール類、アルデヒド類、酸性触媒などを一括して仕込み、反応させる方法、または酸性触媒の存在下にフェノール類、アルデヒド類等を反応の進行とともに加えていく方法などを適宜採用することができる。重縮合の反応終了後、系内に存在する未反応原料、酸性触媒、反応媒質等を除去するために、一般的には、反応温度を130〜230℃に上昇させ、減圧下で揮発分を除去し、フェノール性水酸基を有する樹脂を回収する。
本発明において、フェノール性水酸基を有する樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、は3,000以上、7,000以下である。この範囲の場合、高感度、高解像度でありながらキュア後のパターン寸法ばらつきを低減することができる。さらに、ドライエッチングに対する膜厚の面内均一性を向上させることができる。
本発明で製造されるポジ型感光性樹脂組成物は、キノンジアジド化合物を含有する。なかでもフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステル化によって合成されたものが好ましい。本発明において、好ましく用いられるナフトキノンジアジドスルホン酸のナフトキノンジアジドスルホニル基としては、5−ナフトキノンジアジドスルホニル基、4−ナフトキノンジアジドスルホニル基のいずれも好ましく用いられる。4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のi線領域に吸収を持っており、i線露光に適している。5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のg線領域まで吸収を持っており、g線露光に適している。本発明においては、露光する波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物、5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を選択することが好ましい。また、同一分子中に4−ナフトキノンジアジドスルホニル基、5−ナフトキノンジアジドスルホニル基を持つ、ナフトキノンジアドスルホニルエステル化合物を使用することもできるし、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を併用することもできる。感度・および解像度の観点から、好ましくは4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物が好ましい。
(C)キノンジアジド化合物の構造は下記一般式(2)で表されるフェノール化合物のフェノール性水酸基が4−ナフトキノンジアジドスルホニル酸によりエステル化された化合物であることが好ましいが、これらに限定されない。
一般式(2)中、R5は水素原子または炭素数1〜3の有機基を示す。R6〜R8はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機基を示す。ただし、(5−a)個のR6、(5−b)個のR7、および(5−c)個のR8のうち少なくとも1つはフェノール性水酸基を含む炭素数6以上の1価の有機基である。a、bはそれぞれ独立に、1〜4の整数を、cは0〜4の整数を示す。
一般式(2)で表されるフェノール化合物としては、具体的には以下に示す化合物が挙げられる。これらを2種以上組み合わせてもよい。
一般式(2)で表されるフェノール化合物のフェノール性水酸基が5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸および/または4−ナフトキノンジアジドスルホニル酸によりエステル化された化合物は、一般式(2)で表される化合物のフェノール性水酸基の一部または全部を、例えば1,2−ナフトキノンジアジド−5−(および/または−4−)スルホニルクロリドと、塩基性触媒の存在下で通常のエステル化反応を行うことにより得られる。すなわち、所定量の一般式(2)で表される化合物と上記1,2−ナフトキノンジアジド−5−(および/または−4−)スルホニルクロリド、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドンなどの溶媒をフラスコ中に仕込み、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンなどの塩基性触媒を滴下させて縮合する。縮合反応の温度は、−20〜60℃が一般的であり、0〜40℃が好ましい。得られた生成物は、水洗後生成し乾燥することが好ましい。
キノンジアジド化合物の含有量は、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂100重量部に対し、感度・および解像度の観点から好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上であり、好ましくは50重量部以下、より好ましくは40重量部以下である。
本発明で製造されるポジ型感光性樹脂組成物は、溶剤を含有する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなど極性の非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。本発明においては、これらの溶剤を2種以上含有してもよい。溶剤の含有量は、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂100重量部に対して、好ましくは50重量部以上、より好ましくは100重量部以上であり、また、好ましくは2000重量部以下、より好ましくは1500重量部以下である。
本発明で製造されるポジ型感光性樹脂組成物は、アルコキシメチル基を有している化合物を有していてもよい。
具体例としては以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらを2種以上含有してもよい。
また、本発明で製造されるポジ型感光性樹脂組成物は、フェノール性水酸基を有する化合物を含有することができる。フェノール性水酸基を有する化合物を含有することで、得られるポジ型感光性樹脂組成物は、露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解するために、現像による膜減りが少なく、かつ短時間で現像が容易になる。フェノール性水酸基を有する化合物として特に好ましい化合物は、Bis−Z、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisRS−2P、BisRS−3P(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)などである。
フェノール性水酸基を有する化合物の含有量は、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂100重量部に対して、3重量部以上40重量部以下が好ましい。
また、本発明で製造されるポジ型感光性樹脂組成物は、必要に応じて、ポジ型感光性樹脂組成物と基板との濡れ性を向上させる目的で、界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を含有してもよい。また、二酸化ケイ素、二酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを含有することもできる。
界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤などが好ましい。具体例としてはX−70−1101、X−70−1102、X−70−1103(以上、商品名、信越化学製)、BYK−344、BYK−330、BYK−322、BYK−323、BYK−320、BYK−306、BYK−066N、BYK−307、BYK−310、BYK−333、BYK−370、BYK−378(以上、商品名、ビック・ケミー(株)製)KL−700(商品名、共栄社化学製)(以上、シリコン系界面活性剤)、メガファックF−176、メガファックF−184、メガファックF−177、メガファックR−08、メガファックF−477、メガファックF−553、メガファックF−554(以上、商品名、DIC(株)製)、BYK−340(商品名、ビック・ケミー(株)製)(以上、フッ素系界面活性剤)、ポリフロー77、ポリフロー90、ポリフロー75、ポリフロー95(以上、商品名、共栄社化学製)、BYK−394、BYK−361N、BYK−352、BYK−354、BYK−392、BYK−380N、DISPERBYK−116(以上、商品名、ビック・ケミー(株)製)(以上、アクリル系界面活性剤)などが挙げられるが、これらに限定されない。これらのなかでも特に好ましい界面活性剤としては、濡れ性向上の観点からシリコン系界面活性剤、およびアクリル系界面活性剤である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法は、シリコン系界面活性剤、およびアクリル系界面活性剤を使用する場合に、特に効果的である。通常、これらの界面活性剤を使用すると、(A)調合する工程の段階で気泡が多数混入し、基板塗布の際に塗布ムラが多発するが、本発明の(B)10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌する工程、(C)フィルターでろ過する工程を実施することにより、気泡の混入を抑制することができる。
界面活性剤の含有量は、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上0.2重量部以下が好ましい。0.01重量部未満であると十分な濡れ性が得られない。また、0.2重量部より多いと気泡の混入が多くなり、塗膜形成されないことや膜厚が薄くなるなどの塗布ムラが生じる。
次に、本実施形態に関わるポジ型感光性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明は、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、キノンジアジド化合物および溶剤を含むポジ型感光性樹脂組成物を(A)調合する工程、(B)10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌する工程、(C)フィルターでろ過する工程があることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物の製造方法である。
<調合工程>
前記(A)調合工程は一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、キノンジアジド化合物、溶剤および必要に応じて添加剤を撹拌、溶解する工程である。溶解する工程であることから温度をかけて実施されることが好ましい。溶解性の観点から30℃以上で撹拌されることが好ましく、製品の保存安定性の観点から90℃以下で撹拌されることが好ましい。このことにより、溶け残りの無いポジ型感光性樹脂組成物を得ることができる。
<撹拌工程>
前記(B)撹拌工程は前記(A)調合工程で得られたポジ型感光性樹脂組成物を撹拌する工程である。撹拌を加えることにより減圧や超音波といった設備が無くともポジ型感光性樹脂中に混入している気泡を脱泡することができる。
<調合工程>
前記(A)調合工程は一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、キノンジアジド化合物、溶剤および必要に応じて添加剤を撹拌、溶解する工程である。溶解する工程であることから温度をかけて実施されることが好ましい。溶解性の観点から30℃以上で撹拌されることが好ましく、製品の保存安定性の観点から90℃以下で撹拌されることが好ましい。このことにより、溶け残りの無いポジ型感光性樹脂組成物を得ることができる。
<撹拌工程>
前記(B)撹拌工程は前記(A)調合工程で得られたポジ型感光性樹脂組成物を撹拌する工程である。撹拌を加えることにより減圧や超音波といった設備が無くともポジ型感光性樹脂中に混入している気泡を脱泡することができる。
撹拌する際の回転数の条件としては脱泡性の観点から10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌することが必要であり、50rpm以上、400rpm以下が好ましい。
また、撹拌時間としては脱泡性の観点から2時間以上、9時間以下で行われることが好ましく、3時間以上、8時間以下であることが特に好ましい。
撹拌の際の圧力の条件としては特に制限はなく、適宜選択することができる。圧力としては例えば大気圧が好ましいが、必要に応じて0.4気圧以上、0.8気圧以下の圧力で減圧してもよい。
また、撹拌の際の温度としては特に制限はなく、適宜選択することができる。温度としては25℃以上、80℃以下が好ましい。
<ろ過工程>
前記(C)フィルターでろ過する工程は前記(B)10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌する工程で得られたポジ型感光性樹脂組成物をろ過する工程である。
<ろ過工程>
前記(C)フィルターでろ過する工程は前記(B)10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌する工程で得られたポジ型感光性樹脂組成物をろ過する工程である。
本発明において、フィルターとしては特に限定されないが、ろ過効率の観点からポリエチレンフィルターを用いることが好ましい。ポリエチレンフィルターの具体例としては、マイクロガードPE(日本インテグリス(株)製)、マイクロガードDI(日本インテグリス(株)製)、マイクロガードDEV(日本インテグリス(株)製)などを用いることができる。
このポリエチレンフィルターのフィルター孔径の平均値は0.02μm以上0.5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.2μm以下であることが特に好ましい。フィルター孔径を0.5μm以下とすることによりポジ型感光性樹脂組成物に混入しているパーティクルや気泡を十分除去でき、0.02μm以上とすることによりろ過工程における生産性を向上させることができる。
ろ過の際には、ポジ型感光性樹脂組成物の保管されたタンクより窒素加圧を行うことでポジ型感光性樹脂組成物をフィルターに送り、ろ過を行った後製品ボトルに保管される。
このとき、窒素加圧は0.02MPa以上0.5MPa以下が好ましく、より好ましくは0.1MPa以上、0.2MPa以下である。窒素加圧を0.5MPa以下とすることによりポジ型感光性樹脂組成物に混入しているパーティクルや気泡を十分除去でき、0.02MPa以上とすることによりろ過工程における生産性を向上させることができる。
また、前記(C)フィルターでろ過する工程では、一度フィルターを用いてろ過したのち、再度フィルターを用いてろ過してもよい。一度目および二度目のろ過に用いるフィルターの材質は特に限定されないが、好ましくはいずれか一方にポリエチレンフィルターを用いることが好ましい。
二度目のろ過の際に用いられるフィルター孔径については特に限定されないが、ろ過工程における生産性の向上やポジ型感光性樹脂組成物に混入しているパーティクルや気泡の除去の観点から、一度目のろ過の際に用いるフィルター孔径と二度目のろ過の際に用いるフィルター孔径が同じであることが好ましい。
次に、本発明により製造されたポジ型感光性樹脂組成物を用いて耐熱性樹脂膜を形成する方法について説明する。
まず、ポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布する。基板はシリコンウエハー、セラミックス類、ガリウムヒ素、金属、ガラス、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素、ITOなどが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法はスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スリットダイコーティングなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が、0.1〜150μmになるように塗布される。
次に、ポジ型感光性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50〜150℃の範囲で1分間〜数時間行うことが好ましい。
次に、この感光性樹脂膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いることが好ましい。
感光性樹脂膜から耐熱性樹脂のパターンを形成するには、露光後、現像液を用いて露光部を除去すればよい。現像液は、テトラメチルアンモニウム水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ性水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを1種以上添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をすることが好ましい。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしてもよい。
現像後、200〜500℃の温度を加えて耐熱性樹脂膜に変換する。この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分間〜5時間実施することが一般的である。一例としては、130℃、200℃、350℃で各30分間ずつ熱処理する方法、室温から320℃まで2時間かけて直線的に昇温する方法、200℃の高温にて投入し2時間かけて直線的に昇温する方法などが挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物により形成した耐熱性樹脂膜は、半導体のパッシベーション膜、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などの用途に好適に用いられる。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例中のポジ型感光性樹脂組成物の評価は以下の方法で行った。
<膜厚の測定方法>
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースVM−1210を使用し、屈折率1.773として測定した。
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースVM−1210を使用し、屈折率1.773として測定した。
<感光性樹脂膜の作製>
8インチシリコンウエハー上に、ポジ型感光性樹脂組成物(以下ワニスと呼ぶ)をプリベーク後の膜厚T1(塗布後膜厚)=9.5〜10.0μmとなるように塗布し、ついでホットプレート(東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置ACT8)を用いて、120℃で3分間プリベークすることにより、感光性樹脂膜を得た。
8インチシリコンウエハー上に、ポジ型感光性樹脂組成物(以下ワニスと呼ぶ)をプリベーク後の膜厚T1(塗布後膜厚)=9.5〜10.0μmとなるように塗布し、ついでホットプレート(東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置ACT8)を用いて、120℃で3分間プリベークすることにより、感光性樹脂膜を得た。
<感光性樹脂中の混入気泡の評価>
8インチシリコンウエハー上に塗布した感光性樹脂膜を1000枚作製し、表面にある気泡起因の欠陥(以下、気泡欠陥と記載)を、レーザー顕微鏡(WM−10、TOPCON製)を用いて確認し、気泡欠陥の発生したウエハの枚数を測定した。気泡欠陥発生率(気泡欠陥発生率=100×気泡欠陥発生ウエハ枚数/1000)を算出し、評価した。1.5%以下であれば良好とし(△)、1.0%以下であれば特に良好とした(○)。
8インチシリコンウエハー上に塗布した感光性樹脂膜を1000枚作製し、表面にある気泡起因の欠陥(以下、気泡欠陥と記載)を、レーザー顕微鏡(WM−10、TOPCON製)を用いて確認し、気泡欠陥の発生したウエハの枚数を測定した。気泡欠陥発生率(気泡欠陥発生率=100×気泡欠陥発生ウエハ枚数/1000)を算出し、評価した。1.5%以下であれば良好とし(△)、1.0%以下であれば特に良好とした(○)。
合成例1 ヒドロキシル基含有酸無水物(a)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテル34.g(0.3モル)をガンマブチロラクトン(GBL)100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここにGBL50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して、トルエン1Lに投入して、下記式で表されるヒドロキシル基含有酸無水物(a)を得た。
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテル34.g(0.3モル)をガンマブチロラクトン(GBL)100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここにGBL50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して、トルエン1Lに投入して、下記式で表されるヒドロキシル基含有酸無水物(a)を得た。
合成例2 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物(b)の合成
BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
得られた固体30gを300mLのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mLに分散させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、激しく撹拌した。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン化合物(b)を得た。
合成例3 フェノール性水酸基を有する樹脂Aの合成
乾燥窒素気流下、m−クレゾール70.2g(0.65モル)、p−クレゾール37.8g(0.35モル)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液75.5g(ホルムアルデヒド0.93モル)、シュウ酸二水和物0.63g(0.005モル)、メチルイソブチルケトン264gを仕込んだ後、油浴中に浸し、反応液を還流させながら、2.5時間重縮合反応を行った。その後、油浴の温度を3時間かけて昇温した後、フラスコ内の圧力を40〜67hPaまで減圧して揮発分を除去し、室温まで冷却してフェノール性水酸基を有する樹脂Aのポリマー固体を得た。GPCから重量平均分子量は2500であった。
乾燥窒素気流下、m−クレゾール70.2g(0.65モル)、p−クレゾール37.8g(0.35モル)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液75.5g(ホルムアルデヒド0.93モル)、シュウ酸二水和物0.63g(0.005モル)、メチルイソブチルケトン264gを仕込んだ後、油浴中に浸し、反応液を還流させながら、2.5時間重縮合反応を行った。その後、油浴の温度を3時間かけて昇温した後、フラスコ内の圧力を40〜67hPaまで減圧して揮発分を除去し、室温まで冷却してフェノール性水酸基を有する樹脂Aのポリマー固体を得た。GPCから重量平均分子量は2500であった。
合成例4 ポリマーBの合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DAE)4.60g(0.023モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)21.4g(0.030モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで40℃で2時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.14g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体のポリマーBを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DAE)4.60g(0.023モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)21.4g(0.030モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで40℃で2時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.14g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体のポリマーBを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
合成例5 ポリマーCの合成
乾燥窒素気流下、合成例2で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(b)13.90g(0.023モル)をNMP50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、40℃で2時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール7.35g(0.05モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で2時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーCを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
乾燥窒素気流下、合成例2で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(b)13.90g(0.023モル)をNMP50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、40℃で2時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール7.35g(0.05モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で2時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーCを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
合成例6 ポリマーDの合成
乾燥窒素気流下、DAE48.1g(0.241モル)、SiDA25.6g(0.103モル)をNMP820gに溶解させ、3,3’4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)105g(0.338モル)を加え、10℃以上30℃以下となるよう調節しながら8時間撹拌して、ポリイミド前駆体のポリマー溶液Dを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
乾燥窒素気流下、DAE48.1g(0.241モル)、SiDA25.6g(0.103モル)をNMP820gに溶解させ、3,3’4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)105g(0.338モル)を加え、10℃以上30℃以下となるよう調節しながら8時間撹拌して、ポリイミド前駆体のポリマー溶液Dを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
以下に実施例に使用したキノンジアジド化合物の構造とフィルターを示す。
<フィルター>
フィルターA:マイクロガードDI、日本インテグリス(株)製 (フィルター孔径0.2μm)
フィルターB:ナイロン66フィルター(ライフシェアEMC、住友スリーエム(株)製)
実施例1
ポリマーB4,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、25℃にて300rpmで5時間撹拌を行った。その後、フィルターAを用いて0.2MPaの圧力でろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のように気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
フィルターA:マイクロガードDI、日本インテグリス(株)製 (フィルター孔径0.2μm)
フィルターB:ナイロン66フィルター(ライフシェアEMC、住友スリーエム(株)製)
実施例1
ポリマーB4,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、25℃にて300rpmで5時間撹拌を行った。その後、フィルターAを用いて0.2MPaの圧力でろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のように気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例2
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例3
ポリマーB800g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A3,200g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB800g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A3,200g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例4
ポリマーB4,000gに代えてポリマーC4,000gを用い、ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー77 1.7gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB4,000gに代えてポリマーC4,000gを用い、ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー77 1.7gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例5
ポリマーB2,000gに代えてポリマーC2,000gを用い、ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー77 1.7gを用いた以外は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000gに代えてポリマーC2,000gを用い、ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー77 1.7gを用いた以外は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例6
ポリマーB800gに代えてポリマーC800gを用い、ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー77 1.7gを用いた以外は実施例3と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB800gに代えてポリマーC800gを用い、ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー77 1.7gを用いた以外は実施例3と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例7
GBL6,000gに代えてGBL2,000g、乳酸エチル(EL)4,000gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
GBL6,000gに代えてGBL2,000g、乳酸エチル(EL)4,000gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例8
ポリフロー95 1.5gに代えてBYK−340 1.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリフロー95 1.5gに代えてBYK−340 1.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例9
ポリフロー95 1.5gに代えてKL−700 1.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリフロー95 1.5gに代えてKL−700 1.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例10
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、0.6気圧下、25℃にて300rpmで5時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、0.6気圧下、25℃にて300rpmで5時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例11
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、実施例10と同様に撹拌を行った。その後はフィルターAを用いて0.2MPaの圧力でろ過を2回行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、実施例10と同様に撹拌を行った。その後はフィルターAを用いて0.2MPaの圧力でろ過を2回行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例12
ポリマーC4,000gに代えてポリマーD4,000gを用いた以外は実施例4と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーC4,000gに代えてポリマーD4,000gを用いた以外は実施例4と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例1と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例13
ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー95 2.5gを用いた以外は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例2と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー95 2.5gを用いた以外は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例2と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例14
ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー95 0gとする以外は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例2と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリフロー95 1.5gに代えてポリフロー95 0gとする以外は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。その後は実施例2と同様にして撹拌、ろ過を行いポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例15
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、40℃にて300rpmで1時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、40℃にて300rpmで1時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例16
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、40℃にて300rpmで10時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、40℃にて300rpmで10時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例17
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、0.1気圧下、40℃にて300rpmで5時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、0.1気圧下、40℃にて300rpmで5時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例18
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、実施例1と同様に撹拌を行った。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、実施例1と同様に撹拌を行った。
その後、フィルターBを用いて0.2MPaの圧力でろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
比較例1
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、40℃にて撹拌せずに5時間放置した。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、40℃にて撹拌せずに5時間放置した。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
比較例2
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、40℃にて600rpmで5時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、1.0気圧下、40℃にて600rpmで5時間撹拌を行った。その後は実施例1と同様にろ過を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
比較例3
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、実施例1と同様に撹拌を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
ポリマーB2,000g、キノンジアジド化合物(a)600g、フェノール性水酸基を有する樹脂A2,000g、ポリフロー95 1.5g、GBL6,000gを測りとり、タンク内にて30℃で撹拌し溶解させた。その後、実施例1と同様に撹拌を行い、ポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて気泡を検査し、気泡欠陥発生率を算出した。
実施例1〜18および比較例1〜3の組成、製造工程、および評価結果を表1〜3に示す。
Claims (5)
- 一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、キノンジアジド化合物および溶剤を含むポジ型感光性樹脂組成物を(A)調合する工程、(B)10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌する工程、(C)フィルターでろ過する工程があることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
- 前記(B)10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌する工程が2時間以上、9時間以下かけて行われることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
- 前記(A)調合する工程が30℃以上、90℃以下の温度下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
- 前記(B)10rpm以上、500rpm以下の回転数で撹拌する工程が0.4気圧以上、0.8気圧以下の減圧条件下で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
- 前記(C)フィルターでろ過する工程が一度フィルターを用いてろ過されたのち、再度フィルターを用いてろ過されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
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