WO2015137281A1 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、スピンコート法によって塗布する際の基板面内における膜厚の均一性を向上させることができるポジ型感光性樹脂組成物を提供する。 (a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂、(b)キノンジアジド化合物、(c)界面活性剤、(d)有機溶剤を含有し、該(d)有機溶剤が、大気圧における(d-1)沸点150℃以上、180℃未満の有機溶剤、および(d-2)沸点180℃以上220℃未満の有機溶剤を少なくとも含有することを特徴とする。 (上記一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2~8価の有機基を示す。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素または炭素数1~20の有機基を示す。nは10~100,000の範囲、mおよびfはそれぞれ独立に0~2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0~4の整数を示す。ただし、m+q≠0、p+q≠0である。)

Description

感光性樹脂組成物
 本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物に関する。より詳しくは、半導体素子表面の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに適したポジ型感光性樹脂組成物に関する。
 ポリイミドやポリベンゾオキサゾールに代表される樹脂は、優れた耐熱性、電気絶縁性を有することから、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに用いられている。近年、半導体素子の微細化に伴い、表面保護膜や層間絶縁膜などにも数μmレベルの解像度が要求されている。このため、このような用途において、微細加工可能なポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物やポジ型感光性ポリベンゾオキサゾール樹脂組成物が多く用いられている。
 一般的な半導体装置では、基板上に半導体素子を形成させ、これにSiやSiNに代表されるパッシベーション膜を形成させたものに、樹脂膜を形成させて半導体素子表面を保護している。一般的な製造プロセスとしては、上記パッシベーション膜上に樹脂膜が塗布され、その後ホットプレートなどを用いて加熱乾燥され、露光・現像を通してパターン形成される。樹脂膜のパターン形成後に、キュアによる高温処理プロセスを行う。
 樹脂膜が塗布される工程としては、スピンコート法による塗布、スリットコート法による塗布などがあげられるが半導体用途においてはスピンコート法による塗布が一般的である。スリットノズルを用いた塗布方式であるスリットコート法とは異なり、スピンコート法は基板を回転する必要があり、ホットプレートによる加熱乾燥のみでなく回転中にも樹脂膜は乾燥される。
 ポジ型感光性樹脂組成物に用いられる感光剤としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物が広く知られている。例えば、アルカリ可溶性樹脂と、キノンジアジドスルホン酸エステル化合物を含有するポジ型フォトレジスト組成物が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。また、スリットダイコーターで塗布する際のピン跡、スジ引きを低減し、膜厚均一性を向上させる沸点の異なる複数の有機溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物(例えば、特許文献4~6)が提案されている。
 しかしながら上記特許文献1~3記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いてスピンコート法による塗布を行った場合、塗布後の膜厚のウエハ面内均一性が悪くなるという問題があった。
 また、上記特許文献4~6記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いた場合、沸点の低い有機溶剤を用いることによってスリットコート法においては膜厚均一性の向上、ピン跡の抑制を実現しているが、スピンコート法においては回転中に樹脂膜が乾燥し、塗布スジが発生することやエッジ部の膜厚が大きくなることによって、膜厚面内均一性が悪くなるという問題があった。
 さらに、先行技術文献にはスピンコート法によって塗布した膜を露光・現像してパターン加工する際に規定の寸法を開口するためには大きな露光量が必要であった。沸点の異なる複数の有機溶剤を使用することによって、規定の寸法を開口するために必要な露光量を小さくし、高感度化できることは知られていなかった。
日本国特開平10-161305号公報 日本国特開2003-195495号公報 日本国特開2009-258634号公報 国際公開第2011/0300744号 日本国特開2004-54254号公報 日本国特開2005-157327号公報
 本発明は、スピンコート法によって塗布する際の基板面内における膜厚の均一性を向上させることができ、かつ高感度であるポジ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
 すなわち本発明は、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂、(b)キノンジアジド化合物、(c)界面活性剤、(d)有機溶剤を含有し、該(d)有機溶剤が、大気圧における(d-1)沸点150℃以上、180℃未満の有機溶剤、および(d-2)沸点180℃以上220℃未満の有機溶剤を少なくとも含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
(上記一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2~8価の有機基を示す。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素または炭素数1~20の有機基を示す。nは10~100,000の範囲、mおよびfはそれぞれ独立に0~2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0~4の整数を示す。ただし、m+q≠0、p+q≠0である。)
 本発明により、スピンコート法によって塗布する際の基板面内における膜厚の均一性を向上させ、かつ高感度にしたポジ型感光性樹脂組成物を提供することができる。
 本発明は、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂、(b)キノンジアジド化合物、(c)界面活性剤、(d)有機溶剤を含有し、該(d)有機溶剤が、大気圧における(d-1)沸点150℃以上、180℃未満の有機溶剤、および(d-2)沸点180℃以上220℃未満の有機溶剤を少なくとも含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂を含有する。
 下記一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂は、加熱あるいは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、その他の環状構造を有するポリマーとなり得るものである。好ましくは、ポリイミド前駆体のポリアミド酸やポリアミド酸エステル、ポリベンゾオキサゾール前駆体のポリヒドロキシアミドなどが挙げられる。環状構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。ここで、主成分とは、一般式(1)で表される構造のうちのn個の構造単位を、ポリマーの構造単位の50モル%以上有することを意味する。70モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 上記一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2~8価の有機基を示す。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素または炭素数1~20の有機基を示す。nは10~100,000の範囲の整数、mおよびfはそれぞれ独立に0~2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0~4の整数を示す。ただし、m+q≠0、p+q≠0である。
 上記一般式(1)中、R1は炭素数2以上の2~8価の有機基を示し、酸の構造成分を表している。R1が2価となる酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。R1が3価となる酸としては、トリメリット酸、トリメシン酸などのトリカルボン酸を挙げることができる。R1が4価となる酸としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸などのテトラカルボン酸を挙げることができる。また、ヒドロキシフタル酸、ヒドロキシトリメリット酸などの水酸基を有する酸も挙げることができる。これら酸成分を2種以上用いてもよいが、テトラカルボン酸残基を1~40モル%含むことが好ましい。
 R1は耐熱性の面から芳香族環を含有することが好ましく、炭素数6~30の3価または4価の有機基がさらに好ましい。具体的には、一般式(1)のR1(COOR3m(OH)pとして下記に示す構造などが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 上記一般式(1)中、R2は炭素数2以上の2~8価の有機基を示し、ジアミンの構造成分を表している。この中で、得られる樹脂の耐熱性の点より、芳香族環を有するものが好ましい。ジアミンの具体的な例としては、フッ素原子を有する、ビス(アミノ-ヒドロキシ-フェニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を有さない、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシ-ジアミノ-ピリミジン、ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジン、ジアミノ安息香酸、ジアミノテレフタル酸などの化合物や、一般式(1)のR2(COOR4f(OH)qが下記に示す構造であるものなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらジアミンを2種以上用いてもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 上記ジアミンにかえて、他のジアミンを用いてもよいし、他のジアミンを共重合することもできる。このような他のジアミンの例として、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホンや、これらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。これら他のジアミンの残基の含有量は、アルカリ現像液に対する溶解性の観点から、ジアミン残基の1~40モル%が好ましい。
 一般式(1)のR3およびR4は、各々同じでも異なっていてもよく、水素または炭素数1~20の1価の有機基を示す。得られるポジ型感光性樹脂組成物の溶液安定性の観点からは、R3およびR4は有機基が好ましいが、アルカリ水溶液に対する溶解性の観点からは、水素が好ましい。本発明においては、水素原子と有機基を混在させることができる。このR3およびR4の水素と有機基の量を調整することで、アルカリ水溶液に対する溶解速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度を有した感光性樹脂組成物を得ることができる。好ましい範囲は、R3およびR4の各々10~90モル%が水素原子である。R3およびR4の炭素数が20を越えるとアルカリ水溶液に溶解しなくなる。以上よりR3およびR4は、炭素数1~16の炭化水素基を少なくとも1つ含有し、その他は水素原子であることが好ましい。
 また、一般式(1)のmおよびfはカルボキシル基およびエステル基の数を示しており、それぞれ独立に0~2の整数を示す。好ましくは1または2である。一般式(1)のpおよびqはそれぞれ独立に0~4の整数を示し、m+q≠0、かつ、p+q≠0である。アルカリ水溶液に対する溶解性の観点から、p+q≠0であることが必要である。
 一般式(1)のnは樹脂の構造単位の繰り返し数を示し、10~100,000の範囲である。nが10未満であると、樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性が大きくなり過ぎ、露光部と未露光部のコントラストが得られず所望のパターンが形成できない場合がある。一方、nが100,000より大きいと、樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性が小さくなり過ぎ、露光部が溶解せず、所望のパターンが形成できない。樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性の面から、nは1,000以下が好ましく、100以下がより好ましい。また、伸度向上の面から、nは20以上が好ましい。
 一般式(1)のnは、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)や光散乱法、X線小角散乱法などで求め、その値から容易に算出できる。
 さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲で一般式(1)のR1および/またはR2に、シロキサン構造を有する脂肪族の基を共重合してもよい。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p-アミノ-フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1~10モル%共重合したものなどが挙げられる。
 また、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂の末端に末端封止剤を反応させることができる。樹脂の末端を水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アリル基などの官能基を有するモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などにより封止することで、樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解速度を好ましい範囲に調整することができる。モノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などの末端封止剤の含有量は、全アミン成分に対して5~50モル%が好ましい。
 樹脂中に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入された樹脂を酸性溶液に溶解し、樹脂の構成単位であるアミン成分と酸無水成分に分解し、これをガスクロマトグラフ(GC)や、NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された樹脂を直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13C-NMRスペクトル測定で検出することが可能である。
 一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂は次の方法により合成される。ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルの場合、例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物、末端封止に用いるモノアミノ化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後ジアミン化合物、モノアミノ化合物と縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、ジアミン化合物、モノアミノ化合物と反応させる方法などがある。ポリヒドロキシアミドの場合、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸、モノアミノ化合物を縮合反応させる方法が挙げられる。具体的には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの脱水縮合剤と酸を反応させ、ここにビスアミノフェノール化合物、モノアミノ化合物を加える方法や、ピリジンなどの3級アミンを加えたビスアミノフェノール化合物、モノアミノ化合物の溶液にジカルボン酸ジクロリドの溶液を滴下する方法などがある。
 一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂は、上記の方法で重合させた後、多量の水やメタノール/水の混合液などに投入し、沈殿させて濾別乾燥し、単離することが望ましい。この沈殿操作によって未反応のモノマーや、2量体や3量体などのオリゴマー成分が除去され、熱硬化後の膜特性が向上する。
 本発明において、(a)成分としてはポリイミド前駆体またはポリベンゾオキサゾール前駆体が好ましく、より好ましくはポリイミド前駆体である。ポリイミド前駆体は約200~350℃における焼成によりアミド酸部位が閉環するイミド化反応を進行し、ポリベンゾオキサゾール前駆体は約300~400℃における焼成によりヒドロキシアミド部位が閉環するオキサゾール化反応を進行し、体積収縮する性質を有する。これら前駆体樹脂を用いた感光性樹脂組成物は、露光・現像工程により微細パターンを得た後、焼成することにより、順テーパー形状のパターンを得ることができる。
 また本発明の(a)成分としては、フェノール樹脂であっても良い。
 フェノール樹脂はフェノール類とアルデヒド類とを公知の方法で重縮合することによって得られる。2種以上のフェノール性水酸基を有する樹脂を組み合わせて含有してもよい。
 上記フェノール類の好ましい例としては、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,3-キシレノール、2,5-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール、2,3,5-トリメチルフェノール、3,4,5-トリメチルフェノール等を挙げることができる。特に、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,3-キシレノール、2,5-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノールまたは2,3,5-トリメチルフェノールが好ましい。これらのフェノール類を2種以上組み合わせて用いてもよい。アルカリ現像液に対する溶解性の観点から、m-クレゾールが好ましく、m-クレゾールおよびp-クレゾールの組み合わせもまた好ましい。すなわち、フェノール性水酸基を有する樹脂として、m-クレゾール残基、または、m-クレゾール残基とp-クレゾール残基を含むクレゾールノボラック樹脂を含むことが好ましい。このとき、クレゾールノボラック樹脂中のm-クレゾール残基とp-クレゾール残基のモル比(m-クレゾール残基/p-クレゾール残基、m/p)は1.8以上が好ましい。この範囲であればアルカリ現像液への適度な溶解性を示し、良好な感度が得られる。より好ましくは4以上である。
 また、上記アルデヒド類の好ましい例としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、サリチルアルデヒド等を挙げることができる。これらのうち、ホルマリンが特に好ましい。これらのアルデヒド類を2種以上組み合わせて用いてもよい。このアルデヒド類の使用量は、フェノール類1モルに対し、0.6モル以上が好ましく、0.7モル以上がより好ましい。また、3モル以下が好ましく、1.5モル以下がより好ましい。
 フェノール類とアルデヒド類との重縮合の反応には、通常、酸性触媒が使用される。この酸性触媒としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸、p-トルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの酸性触媒の使用量は、通常、フェノール類1モルに対し、1×10-5~5×10-1モルである。重縮合の反応においては、通常、反応媒質として水が使用されるが、反応初期から不均一系になる場合は、反応媒質として親水性溶媒または親油性溶媒が用いられる。親水性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類が挙げられる。親油性溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類が挙げられる。これらの反応媒質の使用量は、通常、反応原料100重量部当り20~1,000重量部である。
 重縮合の反応温度は、原料の反応性に応じて適宜調整することができるが、通常10~200℃である。重縮合の反応方法としては、フェノール類、アルデヒド類、酸性触媒等を一括して仕込み、反応させる方法、または酸性触媒の存在下にフェノール類、アルデヒド類等を反応の進行とともに加えていく方法等を適宜採用することができる。重縮合の反応終了後、系内に存在する未反応原料、酸性触媒、反応媒質等を除去するために、一般的には、反応温度を130~230℃に上昇させ、減圧下で揮発分を除去し、フェノール性水酸基を有する樹脂を回収する。
 本発明において、フェノール樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましい。また、20,000以下が好ましく、10,000以下がより好ましい。この範囲であれば、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基材へ塗布する際の作業性、アルカリ現像液への溶解性に優れる。
 本発明において、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂を含有し、複数の樹脂を組み合わせることもできる。
 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(b)キノンジアジド化合物を含有する。なかでもフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステル化によって合成されたものが好ましい。本発明において、好ましく用いられるナフトキノンジアジドスルホン酸のナフトキノンジアジドスルホニル基としては、5-ナフトキノンジアジドスルホニル基、4-ナフトキノンジアジドスルホニル基のいずれも好ましく用いられる。4-ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のi線領域に吸収を持っており、i線露光に適している。5-ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のg線領域まで吸収が伸びており、g線露光に適している。本発明においては、露光する波長によって4-ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物、5-ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を選択することが好ましい。また、同一分子中に4-ナフトキノンジアジドスルホニル基、5-ナフトキノンジアジドスルホニル基を併用した、ナフトキノンジアドスルホニルエステル化合物を用いることもできるし、4-ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物と5-ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を併用することもできる。感度および解像度の観点から好ましくは4-ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物が好ましい。
 (b)キノンジアジド化合物の構造は下記一般式(2)で表される化合物のフェノール性水酸基が4-ナフトキノンジアジドスルホニル酸によりエステル化された化合物であることが好ましいが、これらに限定されない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 一般式(2)中、R7は水素または炭素数1~3の有機基を示す。R8~R10はそれぞれ独立に、水素または炭素数1~20の有機基を示す。ただし、(5-a)個のR8、(5-b)個のR9、および(5-c)個のR10のうち少なくとも1つはフェノール性水酸基を含む炭素数6以上の1価の有機基である。a、bはそれぞれ独立に、1~4の整数を、cは0~4の整数を示す。
 一般式(2)で表されるフェノール化合物としては、具体的には以下に示す化合物が挙げられる。これらを2種以上組み合わせてもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 一般式(2)で表される化合物のフェノール性水酸基が5-ナフトキノンジアジドスルホニル酸および/または4-ナフトキノンジアジドスルホニル酸によりエステル化された化合物は、一般式(2)で表される化合物のフェノール性水酸基の一部または全部を、例えば1,2-ナフトキノンジアジド-5-(および/または-4-)スルホニルクロリドと、塩基性触媒の存在下で通常のエステル化反応を行うことにより得られる。すなわち、所定量の一般式(2)で表される化合物と上記1,2-ナフトキノンジアジド-5-(および/または-4-)スルホニルクロリド、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N-メチルピロリドン等の溶媒をフラスコ中に仕込み、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基性触媒を滴下させて縮合する。縮合反応の温度は、-20~60℃が一般的であり、0~40℃が好ましい。得られた生成物は、水洗後生成し乾燥することが好ましい。
 以上のエステル化反応においてはエステル化率およびエステル化位置が種々異なる混合物が得られる。本発明で言うエステル化率はこの混合物の平均値として定義される。なお、フェノール化合物のエステル化率は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により得られるピークの面積比から算出することができる。エステル化率は、原料であるフェノール化合物と1,2-ナフトキノンジアジド-5-(および/または-4-)スルホニルクロリドとの混合比により調整できる。すなわち、添加された1,2-ナフトキノンジアジド-5-(および/または-4-)スルホニルクロリドは実質上すべてエステル化反応を起こすので、所望のエステル化率の混合物を得るためには原料のモル比を調整すればよい。
 (b)キノンジアジド化合物の含有量は、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂の総量100重量部に対し、感度および解像度の観点から好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上であり、好ましくは50重量部以下、より好ましくは40重量部以下である。
 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(c)界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、フロラード(商品名、住友3M(株)製)、“メガファック(登録商標)”(DIC(株)製)、スルフロン(商品名、旭硝子(株)製)などのフッ素系界面活性剤、KP341(商品名、信越化学工業(株)製)、DBE(商品名、チッソ(株)製)、グラノール(商品名、共栄社化学(株)製)、BYK(ビックケミー(株)製)などの有機シロキサン界面活性剤、ポリフロー(商品名、共栄社化学(株)製)などのアクリル重合物界面活性剤などが挙げられる。膜厚均一性を向上させる観点からアクリル重合物界面活性剤が好ましい。
 (c)界面活性剤の含有量は、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂の総量100重量部に対し、感度および解像度の観点から好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、膜厚の面内均一性の観点から好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(d)有機溶剤を含有し、該(d)有機溶剤は大気圧における(d-1)沸点150℃以上、180℃未満の有機溶剤、および(d-2)沸点180℃以上220℃未満の有機溶剤を少なくとも含有する。
 大気圧下における沸点が150℃よりも低いと、スピンコート中に急激に乾燥するため放射状の塗布スジが発生し、樹脂膜の膜厚均一性が低下する。一方、沸点が180℃未満であることにより高い揮発性を有するため、加熱乾燥工程に発生するピン跡などの転写痕の発生を抑制することができる。また、大気圧における(d-1)沸点150℃以上、180℃未満の有機溶剤、および(d-2)沸点180℃以上220℃未満の有機溶剤の両方を含有することによって、スピンコート中の急激な乾燥による塗布スジを抑制でき、かつホットプレートでの加熱乾燥時に発生する色ムラを抑制でき、さらにパターン加工において感光性樹脂膜の良好な現像性を両立することが可能となる。
 本発明において大気圧における(d-1)沸点150℃以上、180℃未満の有機溶剤としては、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、ジメチルプロピレンジグリコール(沸点171℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)、などのジアルキレングリコールジアルキルエーテル類、3-メトキシブチルアセテート(沸点171℃)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点160℃)などのアセテート類、乳酸エチル(沸点154℃)などのエステル類、N,N-ジメチルホルムアミド(沸点153℃)、N,N-ジメチルアセトアミド(沸点166℃)、ジイソブチルケトン(沸点168℃)などのケトン類が挙げられる。これらの中でも、感光性樹脂組成物の保存安定性および粘度安定性の観点から、ジメチルプロピレンジグリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルが好ましい。
 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、大気圧における(d-2)沸点が180℃以上220℃未満の有機溶剤を含有する。大気圧下における沸点が180℃以上の有機溶媒を含有することにより、パターン加工において感光性樹脂膜の現像が容易になる。さらに、減圧乾燥に伴う泡の発生を抑制することができる。一方、焼成後の膜への有機溶媒の残存を抑制するため、沸点は220℃未満であることが必要である。
 大気圧における(d-2)沸点が180℃以上220℃未満の有機溶剤としては(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、N-メチル-2-ピロリドン(沸点204℃)、γ-ブチロラクトン(沸点204℃)、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)などの極性の非プロトン性溶媒、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)などのジアルキレングリコールジアルキルエーテル類などが挙げられる。これらの中でも(a)成分の溶解性の観点からN-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトンが好ましい。
 (d)有機溶剤の含有量は、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂の総量100重量部に対して、好ましくは50重量部以上、より好ましくは100重量部以上であり、また、好ましくは2000重量部以下、より好ましくは1500重量部以下である。
 また、塗布スジ抑制、および焼成後の膜への有機溶媒の残存の抑制、良好な膜厚面内均一性の観点から、(d)有機溶剤のうち(d-1)沸点が150℃以上180℃未満の有機溶剤と(d-2)180℃以上220℃未満の有機溶剤の総量が有機溶剤全量に対して50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましい。
 また、(d-1)沸点150℃以上180℃未満の有機溶剤と(d-2)180℃以上220℃未満の有機溶剤の全量に対する(d-1)沸点150℃以上180℃未満の有機溶剤の含有量が5重量%以上95重量%以下であることが好ましく、10重量%以上90重量%以下であることがより好ましい。この範囲であると、塗布スジ抑制、および焼成後の膜への有機溶媒の残存の抑制、良好な膜厚面内均一性などの効果がある。
 また、本発明においては、(d)有機溶剤として大気圧における沸点が150℃未満、または220℃以上のものを1種類以上含有してもよい。(d)有機溶剤のうち、沸点が100℃以上150℃未満の有機溶剤の含有量が有機溶剤全量に対して50重量%未満であるとよい。
 なお、有機溶媒の大気圧下における沸点は、「CRC Handbook of Chemistry and Physics」や「Aldrich Handbook of Fine Chemical and Laboratory Equipment」などの文献に記載されている。公知の文献に記載のない有機溶媒の沸点は、市販の沸点測定装置、例えば、FP81HT/FP81C(メトラー・トレド(株)製)により測定できる。
 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(e)アルコキシメチル基を含む化合物を含有してもよい。(e)アルコキシメチル基を含む化合物としては、一般式(3)で表される化合物が好ましい。一般式(3)で表される化合物はアルコキシメチル基を有しているが、アルコキシメチル基は150℃以上の温度領域で架橋反応が生じる。そのため該化合物を含有することで、ポリイミド前駆体またはポリベンゾオキサゾール前駆体を熱により閉環させ硬化させる熱処理により架橋し、より良好なパターン形状を得ることができる。また、架橋密度を上げるためにアルコキシメチル基を2個以上有する化合物が好ましく、架橋密度を上げ、耐薬品性をより向上させる点から、アルコキシメチル基を4個以上有する化合物がより好ましい。また、キュア後のパターン寸法ばらつきを低減するという観点からは、アルコキシメチル基を6個以上有する化合物を少なくとも1種類有することが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
(一般式(3)中、R5は1~10価の有機基を示す。R6は同じでも異なっていてもよく、炭素数1~4のアルキル基を示す。rは1~10の整数を示す。)
 化合物(e)の具体例としては以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらを2種以上含有してもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 化合物(e)の含有量は、架橋密度を上げ、耐薬品性および機械特性をより向上させる観点から、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂の総量100重量部に対して、1重量部以上20重量部以下が好ましい。
 本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(f)シラン化合物を含有することができ、下地基板との接着性を向上させることができる。(f)シラン化合物の具体例としては、N-フェニルアミノエチルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノエチルトリエトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニルアミノブチルトリメトキシシラン、N-フェニルアミノブチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランや、以下に示す構造を有するシラン化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。これらを2種以上含有してもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 (f)シラン化合物の含有量は、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂の総量100重量部に対して、0.01重量部以上15重量部以下が好ましい。この範囲内であれば、ポジ型感光性樹脂組成物の耐熱性を保ったまま、接着助剤として十分な効果を得ることができる。
 また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(g)フェノール性水酸基を有する化合物を含有することができる。フェノール性水酸基を有する化合物を含有することで、得られるポジ型感光性樹脂組成物は、露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解するために、現像による膜減りが少なく、かつ短時間で現像が容易になる。(g)フェノール性水酸基を有する化合物として特に好ましい化合物は、Bis-Z、TekP-4HBPA、TrisP-HAP、TrisP-PA、BisRS-2P、BisRS-3P(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、BIR-PC、BIR-PTBP、BIR-BIPC-F(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)などである。
 (g)フェノール性水酸基を有する化合物の含有量は、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂の総量100重量部に対して、3重量部以上40重量部以下が好ましい。
 また、必要に応じて上記、ポジ型感光性樹脂組成物と基板との濡れ性を向上させる目的で、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を含有してもよい。また、二酸化ケイ素、二酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを含有することもできる。
 本発明のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法を例示する。例えば、(a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂、(b)キノンジアジド化合物、(c)界面活性剤、(d)有機溶剤および必要によりその他成分をガラス製のフラスコやステンレス製の容器に入れてメカニカルスターラーなどによって撹拌溶解させる方法、超音波で溶解させる方法、遊星式撹拌脱泡装置で撹拌溶解させる方法などが挙げられる。ポジ型感光性樹脂組成物の粘度は200~10000mPa・sが好ましい。また、異物を除去するために0.1μm~5μmのポアサイズのフィルターで濾過してもよい。
 次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて耐熱性樹脂被膜およびパターンを形成する方法について説明する。
 ポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布する。基板はシリコンウエハー、セラミックス類、ガリウムヒ素、金属、ガラス、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素、酸化インジウムスズ(ITO)などが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法はスピンコート法による塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スリットダイコーティングなどの方法がある。本発明はスピンコート法による塗布において特に目的とする効果が得られる。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が、5~30μmになるように塗布される。膜厚の基板面内均一性の観点から5~15μmであることが好ましい。
 次に、ポジ型感光性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂膜からなる耐熱性樹脂被膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50~150℃の範囲で1分間~数時間行うことが好ましい。
 次に、この感光性樹脂膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いることが好ましい。
 感光性樹脂膜から耐熱性樹脂のパターンを形成するには、露光後、現像液を用いて露光部を除去すればよい。現像液は、テトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを1種以上添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をすることが好ましい。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしてもよい。
 現像後、200~500℃の温度を加えて耐熱性樹脂被膜に変換する。この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分間~5時間実施することが一般的である。一例としては、130℃、200℃、350℃で各30分間ずつ熱処理する方法、室温から320℃まで2時間かけて直線的に昇温する方法、200℃の高温にて投入し2時間かけて直線的に昇温する方法などが挙げられる。
 本発明のポジ型感光性樹脂組成物により形成した耐熱性樹脂被膜は、半導体のパッシベーション膜、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などの用途に好適に用いられる。
 以下、実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、合成したキノンジアジド化合物のエステル化率、実施例中のポジ型感光性樹脂組成物の評価は以下の方法で行った。
 <エステル化率の測定>
 合成したキノンジアジド化合物をアセトニトリルに溶解させ、HPLC測定を行った。得られたチャートのピークの面積比から、フェノール化合物のナフトキノンジアジドによるエステル化率を算出した。
 <膜厚の測定方法>
 大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースVM-3110を使用し、屈折率1.629として測定した。
 <感光性樹脂膜の作製>
 12インチシリコンウエハー上にワニスをプリベーク後の膜厚T1(塗布後膜厚)=9.5~10.0μmとなるようにスピンコート法により塗布し、ついでホットプレート(東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置ACT12)を用いて、120℃で3分間プリベークすることにより、感光性樹脂膜を得た。
 <露光>
 露光機(Canon社製i線ステッパーFPA-5500iZ)に、パターンの切られたレチクルをセットし、365nmの強度で上記感光性樹脂膜を所定の時間、i線で露光した。
 <現像>
 東京エレクトロン(株)製ACT12の現像装置を用い、50回転で水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38重量%水溶液を10秒間、露光後の膜に噴霧した。この後、0回転で40秒間静置した。現像液を振り切り、再度水酸化テトラメチルアンモニウムを噴霧、40秒間静置した。この後、400回転で水にてリンス処理し、3000回転で10秒振り切り乾燥した。
 <パターン加工性の評価>
 上記露光および現像において露光時間を変化させることを繰り返し、現像後の5μmライン&スペースパターン(L&S)が1対1の幅に形成される露光時間(Eop)を求めた。Eopが5500J/m2以下であればパターン加工性は良好であり、5200J/m2以下がより好ましい。
 <膜厚の面内均一性評価>
 塗布後の12インチウエハサンプルを12インチウエハ面内上ウエハエッジ部より5mm内側から49箇所の膜厚を測定した。49箇所において、面内の膜厚の平均値、および面内のレンジを算出した。面内のレンジが800nm以下であれば面内は均一性良好であり、400nm以下がより好ましい。
 合成例1 ヒドロキシル基含有酸無水物(a)の合成
 乾燥窒素気流下、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテル34.g(0.3モル)をγ-ブチロラクトン(GBL)100gに溶解させ、-15℃に冷却した。ここにGBL50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して、トルエン1Lに投入して、下記式で表されるヒドロキシル基含有酸無水物(a)を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 合成例2 ヒドロキシル基含有ジアミン(b)の合成
 BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、-15℃に冷却した。ここに3-ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、-15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
 得られた固体30gを300mLのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mLに分散させ、5%パラジウム-炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、激しく撹拌した。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン(b)を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 合成例3 ヒドロキシル基含有ジアミン(c)の合成
 2-アミノ-4-ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン50mL、プロピレンオキシド30g(0.34モル)に溶解させ、-15℃に冷却した。ここにイソフタル酸クロリド11.2g(0.055モル)をアセトン60mLに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、-15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。
 この沈殿をGBL200mLに溶解させて、5%パラジウム-炭素3gを加えて、激しく撹拌した。ここに水素ガスを入れた風船を取り付け、室温で水素ガスの風船がこれ以上縮まない状態になるまで撹拌を続け、さらに2時間水素ガスの風船を取り付けた状態で撹拌した。撹拌終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、溶液をロータリーエバポレーターで半量になるまで濃縮した。ここにエタノールを加えて、再結晶を行い、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン(c)の結晶を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 合成例4 ヒドロキシル基含有ジアミン(d)の合成
 2-アミノ-4-ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、-15℃に冷却した。ここに4-ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、-15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。この後、合成例2と同様にして、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン(d)の結晶を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 合成例5 キノンジアジド化合物(e)の合成
 TrisP-PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.23g(0.050モル)、5-ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド(NAC5)、37.69g(0.140モル)を2Lフラスコに入れ、1,4-ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4-ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン12.85gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(e)を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 合成例6 キノンジアジド化合物(f)の合成
 NAC5に代えて4-ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド(NAC4)を入れる以外は合成例5と同じようにして下記式で表されるキノンジアジド化合物(f)を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 合成例7 フェノール樹脂Aの合成
 乾燥窒素気流下、m-クレゾール70.2g(0.65モル)、p-クレゾール37.8g(0.35モル)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液75.5g(ホルムアルデヒド0.93モル)、シュウ酸二水和物0.63g(0.005モル)、メチルイソブチルケトン264gを1Lフラスコに仕込んだ後、1Lフラスコを油浴中に浸し、反応液を還流させながら、4時間重縮合反応を行った。その後、油浴の温度を3時間かけて昇温し、その後に、1Lフラスコ内の圧力を40~67hPaまで減圧して揮発分を除去し、室温まで冷却してフェノール樹脂Aのポリマー固体を得た。GPCから重量平均分子量は3500であった。
 合成例8 フェノール樹脂Bの合成
 乾燥窒素気流下、m-クレゾール70.2g(0.65モル)、p-クレゾール37.8g(0.35モル)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液75.5g(ホルムアルデヒド0.93モル)、シュウ酸二水和物0.63g(0.005モル)、メチルイソブチルケトン264gを1Lフラスコに仕込んだ後、1Lフラスコを油浴中に浸し、反応液を還流させながら、6時間重縮合反応を行った。その後、油浴の温度を3時間かけて昇温し、その後に、1Lフラスコ内の圧力を40~67hPaまで減圧して揮発分を除去し、室温まで冷却してフェノール樹脂Bのポリマー固体を得た。GPCから重量平均分子量は6700であった。
 合成例9 ポリマーCの合成
 乾燥窒素気流下、4,4’-ジアミノフェニルエーテル(DAE)4.60g(0.023モル)、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)1.24g(0.005モル)をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)21.4g(0.030モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで40℃で2時間撹拌した。その後、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.14g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体のポリマーCを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10~100,000の範囲内にあることを確認した。
 合成例10 ポリマーDの合成
 乾燥窒素気流下、合成例2で得られたヒドロキシル基含有ジアミン(b)13.90g(0.023モル)をNMP50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、40℃で2時間撹拌した。その後、N,N-ジメチルホルムアミドジエチルアセタール7.35g(0.05モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で2時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーDを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10~100,000の範囲内にあることを確認した。
 合成例11 ポリマーEの合成
 乾燥窒素気流下、合成例3で得られたヒドロキシル基含有ジアミン(c)15.13g(0.040モル)、SiDA1.24g(0.005モル)をNMP50gに溶解させた。ここに3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物(ODPA)15.51g(0.05モル)をNMP21gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で1時間撹拌した。その後、N,N-ジメチルホルムアミドジエチルアセタール13.2g(0.09モル)をNMP15gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーEを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10~100,000の範囲内にあることを確認した。
 合成例12 ポリマーFの合成
 乾燥窒素気流下、合成例4で得られたヒドロキシル基含有ジアミン(d)4.37g(0.018モル)とDAE4.51g(0.0225モル)とSiDA0.62g(0.0025モル)をNMP70gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)24.99g(0.035モル)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)4.41g(0.010モル)を室温でNMP25gとともに加え、そのまま室温で1時間、その後40℃で1時間撹拌した。その後、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール13.09g(0.11モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーFを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10~100,000の範囲内にあることを確認した。
 合成例13 ポリマーGの合成
 乾燥窒素気流下、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸ジクロライド(DEDC)1モルと1-ヒドロキシベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体19.70g(0.040モル)とBAHF18.31g(0.050モル)をNMP200gに溶解させ、75℃で12時間撹拌し反応を終了した。反応終了後、溶液を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液3Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、ポリベンゾオキサゾール前駆体のポリマーGを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10~100,000の範囲内にあることを確認した。
 合成例14 ポリマーHの合成
 乾燥窒素気流下、DAE4.40g(0.022モル)、SiDA1.24g(0.005モル)をNMP50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)21.4g(0.030モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで40℃で2時間撹拌した。その後、末端封止剤として、4-エチニルアニリン0.71g(0.006モル)を加え、さらに40℃で1時間反応させた。その後、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.14g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーHを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10~100,000の範囲内にあることを確認した。
 合成例15 ポリマーIの合成
 乾燥窒素気流下、DAE48.1g(0.241モル)、SiDA25.6g(0.103モル)をNMP820gに溶解させ、ODPA105g(0.338モル)を加え、10℃以上30℃以下となるよう調節しながら8時間撹拌して、ポリイミド前駆体のポリマー溶液Iを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10~100,000の範囲内にあることを確認した。
 合成例26 ポリマーJの合成
 乾燥窒素気流下、SiDA198g(0.797モル)をNMP600gに溶解させ、ODPA123.6g(0.398モル)、無水マレイン酸78.2g(0.798モル)を加え、10℃以上30℃以下となるよう調節しながら8時間撹拌して、ポリイミド前駆体のポリマー溶液Jを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10~100,000の範囲内にあることを確認した。
 実施例1
 ポリマーC10.0g、キノンジアジド化合物(e)2.0g、ポリフロー77(共栄社化学(株)製)0.02gを測りとり、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例2
 ポリマーC10.0gに代えてポリマーD10.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例3
 ポリマーC10.0gに代えてポリマーE10.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例4
 ポリマーC10.0gに代えてポリマーF10.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例5
 ポリマーC10.0gに代えてポリマーG10.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例6
 ポリマーC10.0gに代えてポリマーH10.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例7
 ポリマーC8.0g、フェノール樹脂A2.0g、キノンジアジド化合物(e)2.4g、ポリフロー77(共栄社化学(株)製)0.02gを測りとり、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例8
 ポリマーC8.0g、フェノール樹脂B2.0g、キノンジアジド化合物(e)2.2g、ポリフロー77(共栄社化学(株)製)0.02gを測りとり、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例9
 ポリマーC5.0g、フェノール樹脂B5.0g、キノンジアジド化合物(e)2.2g、ポリフロー77(共栄社化学(株)製)0.02gを測りとり、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例10
 キノンジアジド化合物(e)2.0gに代えてキノンジアジド化合物(f)2.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例11
 キノンジアジド化合物(e)2.0gに代えてキノンジアジド化合物(f)1.5gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例12
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)7.0g、GBL(沸点204℃)13.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例13
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)3.0g、GBL(沸点204℃)17.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例14
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)1.0g、GBL(沸点204℃)19.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例15
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)19.0g、GBL(沸点204℃)1.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例16
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)17.0g、GBL(沸点204℃)3.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例17
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)13.0g、GBL(沸点204℃)7.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例18
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0gに代えてジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)10.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例19
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)16.0g、GBL(沸点204℃)4.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例20
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)3.0g、GBL(沸点204℃)5.0g、エチルラクテート(沸点154℃)12.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例21
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)4.0g、GBL(沸点204℃)7.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)9.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例22
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)7.0gに代えてジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)1.0g、GBL(沸点204℃)1.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)12.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例23
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)12.0g、GBL(沸点204℃)4.0g、ブチルアセテート(沸点125℃)4.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例24
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)4.0g、GBL(沸点204℃)5.0g、ブチルアセテート(沸点125℃)12.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例25
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)8.0g、GBL(沸点204℃)6.0g、iso-ブチルアルコール(沸点125℃)6.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例26
 ポリマーC2.0g、フェノール樹脂B8.0g、キノンジアジド化合物(e)2.4g、ポリフロー77(共栄社化学(株)製)0.02gを測りとり、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)7.0g、GBL(沸点204℃)13.0gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例27
 ポリマーC2.0g、フェノール樹脂B8.0gに代えてフェノール樹脂B10.0gを用いた以外は実施例26と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例28
 ポリマーC2.0g、フェノール樹脂B8.0gに代えてフェノール樹脂A10.0gを用いた以外は実施例26と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例29
 ポリマーC10.0g、キノンジアジド化合物(f)2.0g、ポリフロー77(共栄社化学(株)製)0.02gを測りとり、ジプロピレンジグリコールエーテル(沸点171℃)2.0g、GBL(沸点204℃)18.0gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例30
 有機溶剤であるジプロピレンジグリコールエーテル(沸点171℃)2.0g、GBL(沸点204℃)18.0gに代えてジプロピレンジグリコールエーテル(沸点171℃)3.0g、GBL(沸点204℃)17.0gを用いた以外は実施例29と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例31
 有機溶剤であるジプロピレンジグリコールエーテル(沸点171℃)2.0g、GBL(沸点204℃)18.0gに代えてジプロピレンジグリコールエーテル(沸点171℃)5.0g、GBL(沸点204℃)15.0gを用いた以外は実施例29と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 比較例1
 ポリマーI10.0g、キノンジアジド化合物(e)1.3g、ポリフロー77(共栄社化学(株)製)0.02gを測りとり、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 比較例2
 ポリマーI10.0gに代えてポリマーJ10.0gを用いた以外は比較例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 比較例3
 ポリマーC10.0g、キノンジアジド化合物(f)1.5gを測りとり、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 比較例4
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)2.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)18.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 比較例5
 有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてGBL(沸点204℃)4.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)16.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 比較例6
有機溶剤であるジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)10.0g、GBL(沸点204℃)10.0gに代えてGBL(沸点204℃)10.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)10.0gを用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 比較例7
 ポリマーD10.0g、キノンジアジド化合物(e)2.0g、ポリフロー77(共栄社化学(株)製)0.02gを測りとり、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)2.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)18.0gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 比較例8
 有機溶剤であるジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)2.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)18.0gに代えて、ジメチルプロピレンジグリコール(沸点171℃)5.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)15.0gを用いた以外は比較例7と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 比較例9
 有機溶剤であるジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)2.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)18.0gに代えて、GBL(沸点204℃)20.0gを用いた以外は比較例7と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン加工性、塗布後の膜厚面内均一性の評価を行った。
 実施例1~31および比較例1~9の組成、評価結果を表1~5に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000018
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000019
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000020
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000021
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000022

Claims (6)

  1. (a)一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、およびフェノール樹脂から選択される少なくとも1種類の樹脂、(b)キノンジアジド化合物、(c)界面活性剤、(d)有機溶剤を含有し、該(d)有機溶剤が、大気圧における(d-1)沸点150℃以上、180℃未満の有機溶剤、および(d-2)沸点180℃以上220℃未満の有機溶剤を少なくとも含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (上記一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2~8価の有機基を示す。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素または炭素数1~20の有機基を示す。nは10~100,000の範囲、mおよびfはそれぞれ独立に0~2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0~4の整数を示す。ただし、m+q≠0、p+q≠0である。)
  2.  前記(d-1)沸点が150℃以上、180℃未満の有機溶剤がジメチルプロピレンジグリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルから選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3.  前記(d-1)沸点が150℃以上180℃未満の有機溶剤と(d-2)180℃以上220℃未満の有機溶剤の総量が有機溶剤全量に対して50重量%以上であり、かつ(d-1)沸点150℃以上180℃未満の有機溶剤と(d-2)180℃以上220℃未満の有機溶剤の全量に対する(d-1)沸点150℃以上180℃未満の有機溶剤の含有量が5重量%以上95重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4.  前記(d)有機溶剤のうち、沸点が100℃以上150℃未満の有機溶剤の含有量が有機溶剤全量に対して50重量%未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5.  請求項1~4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を、スピンコート法によって基板に塗布し、塗布膜を形成する工程および得られた塗布膜を乾燥する工程を含む耐熱性樹脂被膜の製造方法。
  6.  請求項5記載の製造方法により得られる膜厚5μm以上30μm以下の耐熱性樹脂被膜。
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