JP2004310076A - ポジ型感光性樹脂組成物並びに半導体装置及び表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アルカリ可溶性樹脂100重量部と感光性ジアゾキノン化合物1〜50重量部と無機酸化物のコロイド溶液10〜500重量部からなることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物であって、アルカリ可溶性樹脂がポリアミド樹脂であり、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む化合物で末端封止されたものであることが好ましい。無機酸化物のコロイド溶液は、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化亜鉛より選ばれてなる無機酸化物を固形分比で10〜50重量%含有するコロイド溶液であるものが好ましい。
Description
一方、ポリイミド樹脂自身に感光性を付与する技術が最近注目を集めてきており、これを用いるとパターン作成工程の一部が簡略化でき、工程短縮および歩留まり向上の効果はあるが、現像の際にN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤が必要となるため、安全性、取扱い性に問題がある。
このような感光性樹脂は半導体素子の表面保護膜あるいは層間絶縁膜として近年広く利用されるようになってきており、ポリベンゾオキサゾール前駆体とジアゾキノン化合物より構成されるポジ型感光性樹脂の場合は特に高解像度を有している。近年ウエハの大口径化が進み、300mm口径ウエハの使用頻度が高まってきた。また最近ではウエハレベルパッケージ等の再配線技術にも感光性樹脂の適用が検討されるようになり、これまでよりも厚膜での加工性が要求されている。しかしながら、従来のポジ型感光性樹脂では、線膨張係数が大きく、結果としてウエハの反りが大きくなるという問題があるため、厚膜での加工が困難であった。
[1] アルカリ可溶性樹脂100重量部と感光性ジアゾキノン化合物1〜50重量部と無機酸化物のコロイド溶液10〜500重量部とを含んでなることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物、
[2] アルカリ可溶性樹脂がポリアミド樹脂である[1]に記載のポジ型感光性樹脂組成物、
[3] アルカリ可溶性樹脂がポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造又はポリアミド酸エステル構造をそれぞれ単独又は2種類以上含んでなるポリアミド樹脂である[2]に記載のポジ型感光性樹脂組成物、
[4] アルカリ可溶性樹脂が、一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂である[2]又は[3]に記載のポジ型感光性樹脂組成物、
[8] 無機酸化物のコロイド溶液がシリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化亜鉛より選ばれてなる無機酸化物を固形分比で10〜50重量%含有するコロイド溶液である[1]〜[7]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物、
[9] 該無機酸化物のコロイド溶液に含まれる無機酸化物の粒径が1nm〜1000nmである[1]〜[8]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物、
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする半導体装置、
[11] [1]〜[9]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする表示素子
である。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂は、例えば、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物、必要により配合されるZの構造を有するシリコーンジアミンとYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロリド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステルの型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂において、Xの置換基としてのO−R3、Yの置換基としてのO−R3、COO−R3は、水酸基、カルボキシル基のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的で、炭素数1〜15の有機基で保護された基であり、必要により水酸基、カルボキシル基を保護しても良い。R3の例としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
本発明においてはこれらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いてもよい。
《実施例1》
*ポリアミド樹脂の合成
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体443.2g(0.9モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.3g(1.0モル)と温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン3000gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン500gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物32.8g(0.2モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物をろ過した後、水/メタノール=3/1の混合溶液中に投入、沈殿物を濾集し水で十分ろ過した後、真空下で乾燥し、目的の一般式(1)で表され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−1、末端が下記式E−1でa=100、b=0からなるポリアミド樹脂(A−1)を得た。
合成したポリアミド樹脂(A−1)100g、下記式の構造を有するジアゾキノン(Q−1)25g、70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液150gをN−メチル−2−ピロリドン50gに溶解し、3時間攪拌した。その後攪拌を止めて室温で放置し、3時間後に目視により外観の観察を行ったところ、気泡は見られなかった。その後、10μmのテフロン(R)フィルターで濾過し感光性樹脂組成物を得た。
前記方法により合成したポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する耐熱性高分子保護膜用の樹脂前駆体ワニスである感光性樹脂組成物をシリコンウエハ基板上にスピンコーター等で塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約11μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製i線ステッパNSR―4425iを用いて、露光量を変化させて照射した。次に1.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に80秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスし、パターン形成を行った。このウエハを顕微鏡で観察したところ、露光量320mJ/cm2で50μm□の膜厚が0となった。このときの露光量を感度と定義する。尚、感度の値は小さいほど樹脂組成物が高感度であることを示す。またビアホールパターンが形成される最小寸法を解像度として評価した。解像度は値が小さいほどすぐれている。露光量320mJ/cm2でパターンが形成されている最小寸法は4μmであった。次にクリーンオーブンで酸素濃度を1000ppm以下の条件下で150℃/30分、320℃/30分硬化した。硬化後の膜厚は約7.8μmであった。
ホットプレート等で乾燥し、塗膜を得た。この塗膜に露光・現像処理を行い、パターン形成を行った。更にこのウエハをオーブン中で150℃で30分、320℃で30分加熱してポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体の閉環反応を行い、ポリベンゾオキサゾ―ル硬化膜とする。
次いで線膨張係数評価用の硬化膜を作成するため、前記方法により合成したポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する耐熱性高分子保護膜用の樹脂前駆体ワニスである感光性樹脂組成物を、シリコンウエハ基板上にスピンコーター等で塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約13μmの塗膜を得た。この塗膜を形成したウエハをクリーンオーブンで酸素濃度を1000ppm以下の条件下で150℃/30分、320℃/30分加熱してポリベンゾオキサゾール硬化膜を得た。硬化後の膜厚は約10.7μmであった。
ポリベンゾオキサゾール硬化膜を低濃度フッ化水素酸に1時間浸漬して剥離、純水洗浄後フィルムを乾燥した。その後5mm幅のサンプル片を作成し、セイコーインスツルメンツ製熱機械分析装置(TMA)SS6000を用いて線膨張係数を測定した結果、38ppm/℃であった。
実施例1において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液の添加量を450gに替えた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例3》
実施例1におけるポリアミド樹脂の合成において、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルの替わりにテレフタル酸132.8g(0.8モル)、イソフタル酸33.2g(0.2モル)を用いて、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体360.4g(0.9モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.3g(1.0モル)とを用いて、一般式(1)で表され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−2及びY−3、末端が下記式E−1でa=100、b=0からなるポリアミド樹脂を合成し、その他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例4》
4,4’―オキシジフタル酸無水物17.1g(0.055モル)と2−メチル−2−プロパノール12.4g(0.105モル)とピリジン10.9g(0.138モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン150gを加えて溶解させた。この反応溶液に1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール14.9g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン30gと共に滴下した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド22.7g(0.110モル)をN−メチル−2−ピロリドン50gと共に滴下し、室温で一晩反応させた。その後、この反応溶液にジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸1モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)27.1g(0.055モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン44.8g(0.122モル)をN−メチル−2−ピロリドン70gと共に添加し、室温で2時間攪拌した。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間攪拌して反応させた。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で十分洗浄した後、真空下で乾燥し、一般式(1)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−1及びY−4で、a=100、b=0からなるポリアミド樹脂を合成し、その他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例5》
実施例1におけるポリアミド樹脂の合成において、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの替わりに、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン280.0g(1.0モル)を用いて、一般式(1)で表され、Xが下記式X−2、Yが下記式Y−1、末端が下記式E−1でa=100、b=0からなるポリアミド樹脂を合成し、その他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例6》
実施例1におけるポリアミド樹脂の合成においてヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを348.0g(0.95モル)に減らし、替わりに1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン12.4g(0.05モル)を加え、一般式(1)で示され、Xが下記式X−1、Yが下記式Y−1、Zが下記式Z−1、末端が下記式E−1でa=95、b=5からなるポリアミド樹脂を合成し、その他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例7》
実施例1におけるポジ型感光性樹脂組成物の作製において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液の替わりに30nm粒径の酸化ジルコニウム12%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液を用いた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例8》
実施例1におけるポジ型感光性樹脂組成物の作製において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液の替わりに100nm粒径の酸化ジルコニウム12%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液を用いた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例9》
実施例1におけるポジ型感光性樹脂組成物の作製において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液の替わりに50nm粒径の酸化アルミニウム15%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液を用いた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例10》
実施例1におけるポジ型感光性樹脂組成物の作製において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液の替わりに30nm粒径の酸化チタン10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液を用いた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例11》
実施例1において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液の添加量を50gに替えた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例12》
実施例1においてジアゾキノン(Q−1)の添加量を10gに替えた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《実施例13》
実施例1においてジアゾキノン(Q−1)の添加量を40gに替えた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
実施例1において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液を添加しないで試作及び評価を行った。
《比較例2》
実施例1において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液の配合量を5gに替えた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《比較例3》
実施例1において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液の配合量を580gに替えた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
《比較例4》
実施例5において70nm粒径のシリカ10%のN−メチル−2−ピロリドンコロイド溶液の配合量を580gに替えた他は実施例1と同様の試作及び評価を行った。
Claims (11)
- アルカリ可溶性樹脂100重量部と感光性ジアゾキノン化合物1〜50重量部と無機酸化物のコロイド溶液10〜500重量部とを含んでなることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- アルカリ可溶性樹脂がポリアミド樹脂である請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- アルカリ可溶性樹脂がポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリアミド酸構造又はポリアミド酸エステル構造をそれぞれ単独又は2種類以上含んでなるポリアミド樹脂である請求項2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂が、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む化合物で末端封止された請求項4〜6のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 無機酸化物のコロイド溶液がシリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化亜鉛より選ばれてなる無機酸化物を固形分比で10〜50重量%含有するコロイド溶液である請求項1〜7のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 該無機酸化物のコロイド溶液に含まれる無機酸化物の粒径が1nm〜1000nmである請求項1〜8のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を加熱脱水閉環後の膜厚が、0.1〜30μmになるように表示素子用基板上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱して得られることを特徴とする表示素子。
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